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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022083722
(43)【公開日】2022-06-06
(54)【発明の名称】シート綴じ処理装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 37/04 20060101AFI20220530BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20220530BHJP
【FI】
B65H37/04 D
G03G15/00 432
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020195226
(22)【出願日】2020-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】000208743
【氏名又は名称】キヤノンファインテックニスカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098589
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 善章
(74)【代理人】
【識別番号】100098062
【弁理士】
【氏名又は名称】梅田 明彦
(74)【代理人】
【識別番号】100147599
【弁理士】
【氏名又は名称】丹羽 匡孝
(72)【発明者】
【氏名】清水 修
【テーマコード(参考)】
2H072
3F108
【Fターム(参考)】
2H072AA17
2H072AA26
2H072AA29
2H072AB25
2H072FB06
2H072GA08
3F108GA01
3F108GB01
3F108HA02
3F108HA32
(57)【要約】
【課題】シート綴じ処理において、マニュアルステープルモードとオンラインステープルモードの切り替えを短時間に且つスムーズに行う。
【解決手段】綴じ手段が集積手段で形成されたシート束に綴じを施す第一動作モードと、綴じ手段が前記挿入部に挿入されたシート束に綴じを施す第二動作モードと、を設定可能なモード設定手段により第二動作モードが設定された際、主人物認識手段が人物の存在を認識しない場合、第二動作モードから前記第一動作モードに切替えるべく、前記モード設定手段を制御する。
【選択図】図13

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置から搬入されるシートを受け取り所定の搬送方向に搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送されるシートを集積してシート束を形成する集積手段と、
シート束が手動で挿入される挿入部と、
前記集積手段で形成されたシート束と前記挿入部に挿入されたシート束のいずれにも綴じ処理を施すべく、前記集積手段及び前記挿入部に移動自在な綴じ手段と、
前記挿入部から所定の範囲に人物が存在することを認識する主人物認識手段と、
前記綴じ手段が前記集積手段で形成されたシート束に綴じを施す第一動作モードと、前記綴じ手段が前記挿入部に挿入されたシート束に綴じを施す第二動作モードを設定するモード設定手段と、
前記モード設定手段により前記第二動作モードが設定された際、前記主人物認識手段が
人物の存在を認識しない場合、前記第二動作モードから前記第一動作モードに切替えるべく、前記モード設定手段を制御する制御手段と、
を備えたシート綴じ処理装置。
【請求項2】
前記綴じ手段により綴じ処理を施されたシート束を前記集積手段から排出する排出手段と、
前記排出手段により排出されるシート束を積載する積載手段と、
前記積載手段に積載されたシート束の量の変化を認識する束量認識手段と、
を更に備え、
前記制御手段は、前記束量認識手段によりシート束の量が変化したことを認識された場合、前記主人物認識手段が人物の存在を認識した状態でも、前記第二動作モードから前記第一動作モードに切替えるべく、前記モード設定手段を制御する請求項1に記載のシート綴じ処理装置。
【請求項3】
操作者による前記画像形成装置の使用を示す使用状況信号を前記画像形成装置から受信する受信手段と、を更に備え、
前記制御手段は、前記受信手段により前記使用状況信号を受信した場合、前記主人物認識手段が人物の存在を認識した状態でも、前記第二動作モードから前記第一動作モードに切替えるべく、前記モード設定手段を制御する請求項1に記載のシート綴じ処理装置。
【請求項4】
前記モード設定手段により前記第二動作モードが設定された際、前記綴じ処理が行われた後、次の綴じ処理が行われるまでの時間である間隔時間を認識する間隔認識手段と、
を更に備え、
前記制御手段は、前記間隔認識手段により認識される間隔時間が基準時間を超えた場合、前記主人物認識手段が人物の存在を認識した状態でも、前記第二動作モードから前記第一動作モードに切替えるべく、前記モード設定手段を制御する請求項1に記載のシート綴じ処理装置。
【請求項5】
前記第二動作モード中に前記モード設定手段により前記第一動作モードへの設定変更が試みられた場合、前記制御手段は、前記設定変更前よりも前記基準時間を短くする請求項4に記載のシート綴じ処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コピー機、複合機等の画像形成装置及び画像形成後の後処理を行う後処理装置を備える画像形成システムに関する。より詳しくは、画像が形成された用紙等のシート材を複数束ねたシート束を綴じる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成システムは、画像形成装置により画像が形成されたシート材に対して種々の後処理を行うための後処理装置が設けられる場合がある。この種の後処理装置として、例えば、複数枚のシート材を束ねたシート束を、金属針等の綴じ部材を使用して綴じるステープラを備えたシート束綴じ処理装置が知られている。
【0003】
シート束綴じ処理装置で行う綴じ処理には、印刷ジョブの一環として画像形成後に自動的に行う綴じ処理(オンラインステープル)と、ユーザーがシート束をシート束綴じ処理装置に挿入して手動で行う綴じ処理(マニュアルステープル)とがある。シート束綴じ処理装置は、オンラインステープルを行うときに「オンラインモード」で動作し、マニュアルステープルを行うときに「マニュアルモード」で動作する。オンラインステープル及びマニュアルステープルが可能なシート束綴じ処理装置は、コストを低く抑えるために、例えば特許文献1の構成を取ることがある。
【0004】
特許文献1には、1台のステープラによりオンラインステープルとマニュアルステープルとを行う後処理装置(シート束綴じ処理装置)が開示される。シート束綴じ処理装置は、ステープラを移動可能として、オンラインステープル時とマニュアルステープル時とで、それぞれに対応した綴じ位置にステープラを移動させて綴じ処理を行う。このような構成では、ステープラを1台しか用いないことでシート束綴じ処理装置のコストを抑えることができる。
【0005】
1台のステープラでオンラインステープルとマニュアルステープルとを行うシート束綴じ処理装置は、ステープラがマニュアルステープルの綴じ位置にある間、オンラインステープルを行うことができない。そのためにシート束綴じ処理装置は、ステープラがマニュアルステープル時の綴じ位置にあるときに、シート束が所定時間挿入されなければ、ステープラを自動的にオンラインステープル時の綴じ位置或いはホームポジション(不図示)に移動させる。これによりステープラは、マニュアルモードにおいてマニュアルステープル時の綴じ位置に少なくとも所定時間維持されるため、マニュアルステープルを継続的に行うユーザーの操作を妨げることがない。また、オンラインモードになる前にステープラが移動するために、オンラインステープルを行うユーザーの待ち時間を短縮することができる。このような所定時間を「タイムアウト時間」という。
【0006】
特許文献2ではタイムアウト時間をマニュアルステープルの実行回数に応じて可変させる方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009-18932号公報
【特許文献2】特開2015-09924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、タイムアウト時間が長いほど、オンラインステープルを行うユーザーの待ち時間が長くなる。逆に、タイムアウト時間が短いほど、ステープラがすぐに自動的にオンラインステープル時の綴じ位置或いはホームポジション(不図示)に移動してしまうために、マニュアルステープルを継続して行うユーザーの使い勝手が悪くなってしまう。このように、タイムアウト時間の長さは、ユーザーの使用感と利便性とに大きく関係する。そのために、タイムアウト時間を適切な長さに設定することは重要である。
【0009】
マニュアルステープルを継続的に行うユーザーの使用感を損なわないようにタイムアウト時間を設定した場合、継続使用のためのシート束の挿入間隔よりもタイムアウト時間を長く設定する必要が生じる。オンラインステープルを行うユーザーにとっては、マニュアルステープルモードからオンラインステープルモードに切り替わる際の待ち時間が長くなってしまうという課題がある。
【0010】
本発明は、上記の問題を解決するために、マニュアルステープルを継続的に行うユーザーの使用感を損なわずにオンラインステープルを行うユーザーの待ち時間が必要以上に長くならないシート束綴じ処理装置及び画像形成システムを提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、画像形成装置から搬入されるシートを受け取り所定の搬送方向に搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送されるシートを集積してシート束を形成する集積手段と、シート束が手動で挿入される挿入部と、前記集積手段で形成されたシート束と前記挿入部に挿入されたシート束のいずれにも綴じ処理を施すべく、前記集積手段及び前記挿入部に移動自在な綴じ手段と、前記挿入部から所定の範囲に人物が存在することを認識する主人物認識手段と、前記綴じ手段が前記集積手段で形成されたシート束に綴じを施す第一動作モードと、前記綴じ手段が前記挿入部に挿入されたシート束に綴じを施す第二動作モードを設定するモード設定手段と、前記モード設定手段により前記第二動作モードが設定された際、前記主人物認識手段が人物の存在を認識しない場合、前記第二動作モードから前記第一動作モードに切替えるべく、前記モード設定手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、マニュアルステープルモードに切り替わった際、マニュアルステープルを行うユーザーがその場から立ち去ったことに応じてマニュアルステープルモードからオンラインステープルモードに切り替えることで、マニュアルステープルを継続的に行うユーザーの使用感を損なわずに、オンラインステープルを行うユーザーの待ち時間が必要以上に長くならないという効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係わる画像形成システムの全体構成の説明図。
図2図1の画像形成システムに於けるシート処理装置の全体構成を示す斜視説明図。
図3図2の装置の側面断面図(装置フロント側)。
図4】(a)は掻き込みパドルが待機位置にある状態を示し、(b)は係合位置にある状態を示す。
図5図2の装置における各綴じ位置と整合位置との配置関係を示す説明図。
図6図2の装置における整合板の構成説明図。
図7】ステープル綴じユニットの移動機構の説明図。
図8】ステープル綴じユニットの綴じ位置を示す説明図。
図9図2の装置におけるシート束排出機構の説明図であり、(a)は待機状態を示し、(b)は引継搬送状態を示し、(c)は第2シート束搬送部材の構造を示し、(d)はスタックトレイへ排出した状態を示す。
図10】(a)乃至(e)はシート束の綴じ処理方法。
図11】(a)はステープル綴じユニットの構成説明図であり、(b)は針なし綴じユニットの構成説明図。
図12図2の装置におけるスタックトレイの構成説明図。
図13図2の装置におけるマニュアルモードからオンラインモードに切り替える際のフローチャート。
図14図13にさらにスタックトレイF600に積載されたシート束の量の変化を用いてマニュアルモードからオンラインモードに切り替える際のフローチャート。
図15図13にさらに通信インタフェースC013(受信手段)から受信した情報を用いてマニュアルモードからオンラインモードに切り替える際のフローチャート。
図16図13にさらにマニュアル綴じ処理の実行間隔を用いてマニュアルモードからオンラインモードに切り替える際のフローチャート。
図17図16にさらにモード設定手段を用いてマニュアルモードからオンラインモードに切り替える際のフローチャート。
図18】本発明に関わるブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下発明を実施するための形態について、図面を利用しながら説明する。図1は本発明に係わる画像形成装置H001とシート処理装置F001(綴じ処理装置)を備えた画像形成システムを示す全体構成図であり、図3はシート処理装置F001の詳細構成の説明図である。
【0015】
[画像形成システム]
画像形成装置H001は、図1に示すように給紙部H002と画像形成部H003と本体排紙部H004と信号処理部(不図示)で構成されている。給紙部H002はシートを収納する複数のカセットH005、H006、H007で構成され、異なるサイズのシートを収納可能に構成されている。各カセットH005~H007にはシートを繰出する給紙ローラH008と、シートを1枚ずつ分離する分離手段(不図示)が内蔵されている。
【0016】
また、給紙部H002には給紙経路H009が設けられ各カセットH005~H007からシートを画像形成部H003に給送する。この給紙経路H009の経路端にはレジストローラH010が設けられ各カセットH005~H007から送られたシートを先端揃えすると共に画像形成部H003の画像形成タイミングに応じて給紙するまで待機させる。
【0017】
このように給紙部H002は複数のカセットH005~H007に収納された各サイズのシートを下流側の画像形成部H003に給送するように構成されている。この各カセットH005~H007はシートを補給可能なように着脱可能に装着されている。
【0018】
画像形成部H003はシート上に画像形成する種々の画像形成機構が採用可能である。図示のものは静電式画像形成機構を示している。図1に示すように感光体で構成される静電ドラムH011~H014が色成分に応じて複数配置されている。各静電ドラムH011~H014にはレーザ発光器H015と現像器H016が配置されている。そして各静電ドラムH011~H014にレーザ発光器H015で潜画像(静電画像)を形成し、現像器H016でトナーインクを付着する。この各静電ドラムH011~H014上に付着されたインク画像は、色成分毎に転写ベルトH017に転写され画像合成される。
【0019】
この転写ベルトH017上に形成された転写画像は給紙部H002から送られたシートに転写チャージャH018で画像転写され、定着器H019で定着された後に本体排紙部H004に送られる。本体排紙部H004は、シートを排出する本体排出口H020と、この本体排出口H020に画像形成部H003からシートを案内する本体排紙経路H021で構成されている。なお本体排紙部H004には後述するデュープレックス経路H022が連設され、表面に画像形成したシートを表裏反転して再び画像形成部H003に給送するようになっている。
【0020】
デュープレックス経路H022は画像形成部H003で表面側に画像形成したシートを表裏反転して画像形成部H003に再送する。そして画像形成部H003で裏面側に画像形成した後に本体排出口H020から搬出する。このためデュープレックス経路H022は画像形成部H003から送られたシートを、搬送方向を反転して装置内に返送するスイッチバックパスと、装置内に返送されたシートを表裏反転するUターンパスH023で構成されている。
【0021】
[画像読取装置]
画像読取装置H024はプラテンH025と、このプラテンH025に沿って往復動するスキャンユニットH026で構成されている。プラテンH025は透明ガラスで形成され、静止画像をスキャンユニットH026の移動で走査する静止画像読取面と、所定速度で走行する原稿画像を読み取る走行画像読取面で構成されている。
【0022】
スキャンユニットH026は光源ランプと、原稿からの反射光を変更する反射ミラーと、光電変換素子(不図示)で構成されている。光電変換素子はプラテンH025上の原稿幅方向(主走査方向)に配列されたラインセンサ(不図示)で構成され、これと直交する副走査方向にスキャンユニットH026が往復移動することによって線順位で原稿画像を読み取るようになっている。また、プラテンH025の走行画像読取面の上方には原稿を所定速度で走行させる原稿送り装置H027が搭載されている。この原稿送り装置H027は原稿シートを1枚ずつプラテンH025に給送し、画像を読み取った後に排紙収納するフィーダ機構で構成されている。
【0023】
画像形成装置H001には、所定の範囲に人物が存在するか否かを検出する人感センサH028が配置されている(主人物認識手段)。人感センサH028は光源と、人物からの反射光を検出するセンサから構成されている。他の実施形態として、人物から発せられる熱を検知して人物を検知する赤外線式のセンサを用いてもよい。もっとも、所定の範囲に人物が存在するか否かを検出し得るものであれば、本実施形態に限定する必要はない。この人感センサH028により画像形成装置H001の所定の範囲に位置する人物の存在が存在するか否かを検出する。
【0024】
[シート処理装置]
シート処理装置F001は図2にその斜視構成を、図3にその詳細構成を示すように、装置フレームF900と、この装置フレームF900に配置された搬送経路F002と、その搬送経路出口F003の下流側に配置された処理トレイF300と、さらにその下流側に配置されたスタックトレイF600で構成されている。なお、装置フレームF900のフロント側には後述するステープル針のカートリッジ装着開口F901と、手差しセット部F902と、マニュアル操作釦F903(図示のものは表示ランプを内蔵したスイッチ)が装備される。
【0025】
また、処理トレイF300にはシートを搬入する掻き込みパドルF301と、搬入シートを束状に集積するシート後端ストッパF302と整合板F303が配置されている。これと共に処理トレイF300にはシート束をステープル綴じするステープル綴じユニットF304と、シート束を針なし綴じする針なし綴じユニットF305が配置されている。以下各構成について詳述する。
【0026】
[搬送経路]
上述の装置フレームF900には、図3に示すように搬入経路F004と搬送経路出口F003を有する搬送経路F002が配置され、図示のものは水平方向からシートを受け取って略水平方向に搬送して搬送経路出口F003から搬出するように構成されている。
【0027】
この搬送経路F002は、経路長に応じて所定間隔の搬送ローラ対で構成され、図示のものは搬入経路F004の近傍に搬入ローラF005(搬送手段)が、搬送経路出口F003の近傍に排紙ローラF006が配置されている。また搬送経路F002にはシートの先端又は後端を検出する入口センサF007が配置されている。なお、上述の搬入ローラF005と排紙ローラF006とは、同一の搬送モータF008(不図示)に連結され、同一周速度でシートを搬送する。
【0028】
[処理トレイ]
図3に従って説明すると、搬送経路出口F003には、その下流側に所定の段差を形成して処理トレイF300(集積手段)が配置されている。この処理トレイF300は搬送経路出口F003から送られたシートを上方に積み重ねて束状に集積するため、シートの少なくとも一部を支持するシート積載面F306を備えている。さらに、処理トレイF300は、束状に集積されたシート束に対して所定姿勢に整合したのちに綴じ処理を施し、処理後のシート束を下流側のスタックトレイF600(積載手段)に搬出するように構成されている。
【0029】
[掻き込みパドル]
上述の処理トレイF300上にシートを正しい姿勢で円滑に集積するために、シート後端が処理トレイF300上に搬出した段階で掻き込みパドルF301がシートを排紙反対方向(図3右方向)に移送して後述するシート後端ストッパF302に突き当てることで整合(位置決め)している。このため掻き込みパドルF301が揺動可能なようにパドル昇降アームF307が設けられ、その先端部に掻き込みパドルF301が回転可能に軸支持されている。
【0030】
パドル昇降アームF307の回転駆動はパドル昇降モータF308(不図示)によって行われ、モータの回転でパドル昇降アームF307を図4に示すよう上方のパドル待機位置と下方のパドル作動位置(シート係合位置)との間で昇降するように構成されている。
【0031】
[ローレットベルト]
上述の搬送経路出口F003に配置された掻き込みパドルF301でシートを処理トレイF300の所定位置に搬送する場合に、シート後端を下流側のシート後端ストッパF302に案内するローレットベルトF309が必要となる。
【0032】
ローレットベルトF309は、排紙ローラF006の下方で後述するシート後端ストッパF302の上流側に積載されたシート束の最上シートに対しシート後端ストッパF302側に搬送力の付与が可能なように配置されている。図示のものはローレットベルトF309が処理トレイF300の先端部上方に配置され、シート積載面F306上の最上シートと係合するとともにシート後端ストッパF302側にシートを搬送する方向に回転する。
【0033】
上記ローレットベルトF309は、ローレット昇降モータF310(不図示)で処理トレイF300上の最上シートの上方に上下動するように構成されている(その昇降機構は省略する)。そしてシート後端がローレットベルトF309の表面と最上シートとの間に進入したタイミングで、ローレットベルトF309が下降して搬入シートと係合する。またローレットベルトF309は後述するシート束排出機構F601で処理トレイF300から下流側のスタックトレイF600にシート束を搬送するときには最上シートから離間して上方に待機するようにローレット昇降モータF310を制御する。
【0034】
処理トレイF300には、搬送経路出口F003から送られたシートの排紙方向端面を位置規制する「シート後端ストッパF302」と排紙直交方向を幅寄せ整合する「整合板F303」が設置されている。以下各構成について詳述する。
【0035】
[シート後端ストッパ]
シート後端ストッパF302は、処理トレイF300上のシート積載面F306に沿って搬入されるシートの排紙方向後端縁を突き当て規制するシート後端規制面F311を備え、前述のローレットベルトF309で送られるシートの後端縁を突き当てて停止させる。
【0036】
このシート後端ストッパF302は、後述するステープル綴じユニットF304でマルチ綴じするときステープル綴じユニットF304がシート後端に沿って(排紙直交方向に)移動する。図示のものは、シート後端ストッパF302をステープル綴じユニットF304の綴じ空間内に配置する断面コ字状(チャンネル形状)の板状折曲げ部材で構成しており、これによってステープル綴じユニットF304のシート幅方向への移動を可能にしている。
【0037】
[整合板]
処理トレイF300には上述のシート後端ストッパF302に突き当たったシートを排紙直交方向(シート幅方向)に位置決めする整合板F303が設けられている。整合板F303は、処理トレイF300のシート積載面F306から上方に突出し、シートのフロント側縁と係合するフロント整合面F312を有するフロント整合板F327とシートのリア側縁と係合するリア整合面F313を有するリア整合板F328で構成される。
【0038】
図6で示すように、整合板F303の駆動はフロント整合モータF316、リア整合モータF317によって行われる。このフロント整合モータF316、リア整合モータF317はステッピングモータで構成され、図示しないポジションセンサでフロント整合板F327、リア整合板F328の位置を検出し、その位置を基準に左右いずれの方向にも、指定された移動量で位置移動できるように構成されている。
【0039】
このような構成で後述のシート処理装置制御部(CPU)C001(制御手段)は、画像形成装置H001などから提供されるシートサイズ情報に基づいてフロント整合板F327、リア整合板F328を所定の待機位置(シートの幅サイズ+α位置)に待機させる。この状態で処理トレイF300上にシートを搬入し、シート端がシート後端ストッパF302に突き当たったタイミングで整合動作を開始する。すると処理トレイF300に搬入されたシートはセンター基準に位置決めされ束状に積み重ねられる。このシートの搬入動作と整合動作の繰り返しでシートは処理トレイF300上に束状に部揃え集積される。
【0040】
このようにセンター基準で処理トレイF300上に集積されたシートは、その姿勢でシート後端縁を所定間隔で復数箇所綴じ処理する(マルチ綴じ処理)ことができる。またシートコーナーを綴じ処理する場合には、フロント整合板F327、リア整合板F328の片側を指定された綴じ位置にシート側端が一致する位置に移動して静止させる。そして反対側の整合面を接近方向に位置移動する。この接近方向の移動量はシートサイズに応じて算出する。これによって処理トレイF300上に搬入されたシートは、右コーナー綴じのときには右側縁が綴じ位置に一致するように整合され、左コーナー綴じ位置のときには左側縁が綴じ位置に一致するように整合される。
【0041】
[シート束排出機構]
図9に示すシート束排出機構F601(排出手段)について説明する。上述の処理トレイF300には集積されシート後端ストッパF302に係止したシート束を下流側のスタックトレイF600に排出するようにシート積載面F306に沿ってシート束排出機構F601が配置されている。
【0042】
シート束排出機構F601は第1シート束搬送部材F315と第2シート束搬送部材F326で構成され、処理トレイF300上の第1シート束搬送区間F345を第1シート束搬送部材F315で、第2シート束搬送区間F346を第2シート束搬送部材F326でリレー搬送する。
【0043】
第1シート束搬送部材F315は、シート束の後端面を係止する第1シート束後端係止面F362と、この面に係止したシート束の上面を押圧する第1シート束上面押圧部材F340(弾性フィルム部材;マイラー片)が設けられている。
【0044】
第2シート束搬送部材F326は、爪形状に構成され、シート束の後端面を係止する第2シート束後端係止面F341と、シート束の上面を押圧する第2シート束上面押圧部材F342が設けられている。第1シート束搬送部材F315、第2シート束搬送部材F326の駆動はシート束搬送モータF347で行われ、第1シート束搬送部材F315は低速で、第2シート束搬送部材F326は高速で走行するように減速機構を介して連結されている。
【0045】
以上の構成で、第1シート束搬送部材F315は、処理トレイF300の後端規制位置から第1シート束搬送ストロークF343を直線軌跡で往復動し、このストローク内に第1シート束搬送区間F345が設定してあり、第2シート束搬送部材F326は、第1シート束搬送区間F345から処理トレイF300の出口端に第2シート束搬送ストロークF344を半ループ状軌跡で往復動し、このストローク内に第2シート束搬送区間F346が設定してある。
【0046】
そしてシート束搬送モータF347の一方向回転で第1シート束搬送部材F315はシート後端規制位置から所定の速度で下流側(図9(a)から(b))に移動し、第1シート束後端係止面F362でシート束の後端を押して搬送する。この第1シート束搬送部材F315から所定時間遅延して第2シート束搬送部材F326が、処理トレイF300背面側の待機位置(図9(a))からシート積載面F306上に突出し、第1シート束搬送部材F315に追随して同方向に所定の速度で走行移動する。このとき第1シート束搬送部材F315の移動速度<第2シート束搬送部材F326の移動速度に設定してあるため処理トレイF300上のシート束は第1シート束搬送部材F315から第2シート束搬送部材F326に引き継がれる。
【0047】
図9(b)は引継搬送状態を示し、第1シート束搬送部材F315の移動速度で走行するシート束は、第2シート束搬送部材F326の移動速度で走行する第2シート束搬送部材F326に追いつかれる。つまり第1シート束搬送区間F345を過ぎると第1シート束搬送部材F315は第2シート束搬送部材F326に追いつかれて、第2シート束搬送部材F326がシート後端面と係合して、第2シート束搬送区間F346を搬送する。
【0048】
そして、第1シート束搬送部材F315の移動速度で走行するシート束を引継ポイントで第2シート束搬送部材F326が高速度で突き当たるときに第2シート束上面押圧部材F342でニップするようにシート束後端を保持しながら搬送し、最終的にスタックトレイF600に排出される。
【0049】
[綴じ処理]
上述したように処理トレイF300上に部揃え集積されたシート束は、シート後端ストッパF302と整合板F303によって予め設定された位置と姿勢で位置決めされる。以下に、このシート束に綴じ処理を施し、下流側のスタックトレイF600に排出する場合の綴じ処理方法について説明する。
【0050】
処理トレイF300は、「シート束をステープル綴じするステープル綴じユニットF304(綴じ手段)」と、「シート束を針なし綴じする針なし綴じユニットF305」を備えている。シート束をステープル針で綴じ処理すると容易に離脱しない製本綴じが可能であるが、使用者の用途によっては綴じたシート束を簡単に引き離す利便性が必要となることがある。また使用後のシート束を、シュレッダーなどで切断するとき、古紙再生するとき、などに金属針が問題となることから「針有り」、「針なし」の綴じ手段を選択して使用できるようになっている。
【0051】
また、搬送経路F002からシートを搬送して部揃え集積した後に綴じ処理する一連の動作とは別に、装置外部(システム外)で作成したシートを綴じ処理する(以下「マニュアルステープル綴じ処理」という)機能を備えている。
【0052】
このため、装置フレームF900に外部からシート束をセットする手差しセット部F902(挿入部)が配置され、手差しセット面F904にセットされたシート束は、ステープル綴じユニットF304によって綴じ処理される。
【0053】
以下、各綴じ処理方法について説明する。図示のシート処理装置F001には、ステープル針でシートの複数箇所(本願明細書においては2箇所)を綴じ処理する「第1のマルチ綴じ位置F320、第2のマルチ綴じ位置F321」と、シートコーナーを綴じ処理する「フロント側のコーナー綴じ位置F322、リア側のコーナー綴じ位置F323」と、マニュアルセットしたシートを綴じ処理する「マニュアル綴じ位置F324」と、シートコーナーを針なし綴じする「針なし綴じ位置F325」が設定されている。
【0054】
[マルチ綴じ]
図5に示すように、マルチ綴じ処理は、処理トレイF300上にシート後端ストッパF302と整合板F303で位置決めされたシート束(以下「整合シート束」という)の端縁を綴じ処理する。図8には間隔を隔てて2箇所を綴じ処理する第1のマルチ綴じ位置F320、第2のマルチ綴じ位置F321が設定されている。後述するステープル綴じユニットF304はホームポジション(不図示)から第1のマルチ綴じ位置F320、次いで第2のマルチ綴じ位置F321の順に移動してそれぞれ綴じ処理する。図10(a)はマルチ綴じ(2箇所)した状態を示している。
【0055】
[コーナー綴じ]
コーナー綴じ処理は、処理トレイF300に集積された整合シート束の右コーナーを綴じ処理するフロント側のコーナー綴じ位置F322と、整合シート束の左コーナーを綴じ処理するリア側のコーナー綴じ位置F323の左右2箇所に綴じ位置が設定されている。この場合ステープル針を所定角度(約30度~約60度)傾斜させて綴じ処理する。図10(b)(c)はコーナー綴じした状態を示している。
【0056】
[マニュアル綴じ]
マニュアル綴じ位置F324は、装置フレームF900に形成された手差しセット面F904に配置されている。図示のものは処理トレイF300のシート積載面F306と手差しセット面F904とは、いずれもシートを略水平姿勢で支持し、略同一高さ位置に配置されている。図10(d)は、マニュアル綴じした状態を示している。
【0057】
[針なし綴じ]
針なし綴じ位置F325は、図5に示すようにシートの側縁部(コーナー部)を綴じ処理するように配置されている。図示の針なし綴じ位置F325は、シート束の排紙方向側縁部1箇所を綴じ処理する位置に配置され、シートに対して所定角度傾斜した角度位置を綴じ処理する。図10(e)は、針なし綴じした状態を示している。
【0058】
[ステープル綴じユニットの移動機構]
ステープル綴じユニットF304は、処理トレイF300のシート後端ストッパF302に沿ってステープル綴じユニット移動モータF331の正逆転により所定ストロークで往復動するようにステープル綴じユニット移動台F360に支持されている。図7に、ステープル綴じユニットF304を装置フレームF900に装着した正面構成を、図8に、その平面構成を示す。
【0059】
図7に示すように、装置フレームF900には、ステープル綴じユニット移動台F360が配置されている。このステープル綴じユニット移動台F360に、ステープル綴じユニットF304が所定ストロークで移動可能にマウントされている。ステープル綴じユニット移動台F360には、ステープル綴じユニット姿勢ガイドF330とステープル綴じユニット移動溝F314が配置されて互いに協同してステープル綴じユニットF304を所定ストロークで往復動可能に支持し、同時にその角度姿勢を制御している。
【0060】
上記ステープル綴じユニット姿勢ガイドF330は、処理トレイF300のシート後端ストッパF302と同一直線で互いに平行な関係に配置されている。またステープル綴じユニット姿勢ガイドF330と間隔を隔ててステープル綴じユニット移動溝F314が配置され、図示のものはステープル綴じユニット移動台F360に形成した溝カムで構成されている。
【0061】
上記ステープル綴じユニットF304は、上記ステープル綴じユニット姿勢ガイドF330とステープル綴じユニット移動溝F314に次のように係合している。図7に示すように、ステープル綴じユニットF304には、ステープル綴じユニット姿勢ガイドF330と係合するステープル綴じユニットガイドピンF333と、ステープル綴じユニット移動溝F314と係合するステープル綴じユニット移動ピンF329が設けられている。
【0062】
ステープル綴じユニットF304は、ステープル綴じユニット移動モータF331に連結されたステープル綴じユニット移動台ベルトF332に固定されている。このステープル綴じユニット移動台ベルトF332はステープル綴じユニット移動台F360に軸支した一対のプーリに巻回され、プーリの一方にステープル綴じユニット移動モータF331が連結されている。従って、ステープル綴じユニット移動モータF331の正逆転でステープル綴じユニットF304は所定ストロークで往復動することとなる。
【0063】
[ステープル綴じユニット]
ステープル綴じユニットF304はステープル針で綴じ処理する装置としてすでに広く知られている。その一例を図11(a)に従って説明する。ステープル綴じユニットF304はシート処理装置F001とは別にユニット構成されている。ボックス形状のステープル綴じユニットフレームF318と、このフレームに揺動可能に軸支持されたステープル綴じユニットドライブカムF335と、このステープル綴じユニットドライブカムF335を回動するステープル綴じモータF361がフレームにマウントされている。
【0064】
そしてステープル綴じユニットドライブカムF335には、ステープル綴じヘッドF319とアンビル部材が綴じ位置に対向配置され、ステープル綴じヘッドF319はドライブカムに付勢スプリング(不図示)で上方の待機位置から下方のステープル位置(アンビル部材)に上下動する。そしてステープル綴じユニットフレームF318には針カートリッジF334が着脱可能に装着されている。
【0065】
針カートリッジF334には直線状のブランク針が収納され、針送り機構でステープル綴じヘッドF319に針を供給する。ステープル綴じヘッドF319には、内部に直線針をコ字状に折り曲げるフォーマ部材と、折り曲げられた針をシート束に圧入するドライバーが内蔵されている。このような構成でステープル綴じモータF361によりステープル綴じユニットドライブカムF335を回転し、付勢スプリングに蓄勢する。そして、回転角度が所定角度に達するとステープル綴じヘッドF319は勢いよくアンビル部材側に下降する。この動作でステープル針はコ字状に折り曲げられた後にドライバーでシート束に刺入する。そしてその先端はアンビル部材で折り曲げられステープル綴じされる。
【0066】
また、針カートリッジF334とステープル綴じヘッドF319との間には針送り機構が内蔵されこの針送り部には針なしを検出するエンプティセンサ(不図示)が配置されている。またはステープル綴じユニットフレームF318には、針カートリッジF334が挿入されているか否かを検出するカートリッジセンサ(不図示)の配置されている。
【0067】
[針なし綴じユニット]
図11(b)に従って針なし綴じユニットF305の構成について説明する。針なし綴じユニット機構としては、数枚のシートの綴じ部に切り欠き開口を形成し、その一辺を折り合わせることによって結束する折曲げ結束機構と、凹凸面を有する針なし綴じユニット上部圧着歯F337、針なし綴じユニット下部圧着歯F338を互いに圧接離間自在に形成し、その間でシート束を圧着変形させて結束する機構が知られている。図11(b)の針なし綴じユニットF305では、針なし綴じユニットベースフレーム部材F336に針なし綴じユニット可動フレーム部材F339を揺動可能に軸支持されている。
【0068】
上記針なし綴じユニットドライブカムF359には針なし綴じユニットベースフレーム部材F336に配置した針なし綴じモータF358が減速機構を介して連結され、モータの回転で針なし綴じユニットドライブカムF359が回転し、そのカム面(図示のものは偏心カム)で針なし綴じユニット可動フレーム部材F339を揺動させるように構成されている。
【0069】
そして針なし綴じユニットベースフレーム部材F336には針なし綴じユニット下部圧着歯F338が、針なし綴じユニット可動フレーム部材F339には針なし綴じユニット上部圧着歯F337がそれぞれ対向する位置に配置されている。
【0070】
上記針なし綴じユニット上部圧着歯F337と針なし綴じユニット下部圧着歯F338は図11(b)に拡大図を示すように一方に突起条が、他方にはこれと適合する凹陥溝が形成されている。この突起条と凹陥溝は所定長さの畝(リブ)形状に形成されている。従って針なし綴じユニット上部圧着歯F337と針なし綴じユニット下部圧着歯F338で挟圧されたシート束は波板形状に変形して密着することとなる。上記針なし綴じユニットベースフレーム部材F336には図示しないポジションセンサが配置され、針なし綴じユニット上部圧着歯F337、針なし綴じユニット下部圧着歯F338が加圧位置か離間位置にあるか否かを検出するように構成されている。
【0071】
[スタックトレイ]
図12に従ってスタックトレイF600の構成について説明する。スタックトレイF600は処理トレイF300の下流側に配置され、処理トレイF300に集積されたシート束を積載収納する。このスタックトレイF600の積載量に応じて順次繰り下がるようにトレイ昇降機構を備えている。このスタックトレイF600の積載面(最上シート高さ)は処理トレイF300のシート積載面F306と略同一平面となる高さ位置に制御される。また積載されたシート束は、その自重で排紙方向後端縁が立ち面F603に突き当たった角度に傾斜している。
【0072】
その具体的構成を説明すると、装置フレームF900には積載方向上下にスタックトレイ昇降レールF612が固定され、このスタックトレイ昇降レールF612にスタックトレイ基体F605が昇降可能に嵌合されている。これと共にスタックトレイ基体F605には昇降方向にスタックトレイ昇降ラックF604が一体に形成してあり、このスタックトレイ昇降ラックF604には装置フレームF900に軸支持したスタックトレイ駆動ピニオンF608が噛合してある。そしてスタックトレイ駆動ピニオンF608にはスタックトレイウォームギアF609とスタックトレイウォームホイールF610を介してスタックトレイ昇降モータF611が連結してある。
【0073】
従って、スタックトレイ昇降モータF611を正逆転すると、スタックトレイ駆動ピニオンF608に連結されたスタックトレイ昇降ラックF604が装置フレームF900の上方と下方に上下動する。この構成でスタックトレイ基体F605は片持状態で昇降動作することとなる。
【0074】
スタックトレイ基体F605にはスタックトレイF600が一体に取り付けられ、シートを積載収納するように構成されている。また装置フレームF900には、シートの積載方向上下にシートの後端縁を支持する立ち面F603が形成されている。
【0075】
また、スタックトレイ基体F605に一体に取り付けられているスタックトレイF600は図示角度方向に傾斜して形成され、シートの自重でその後端が立ち面F603に突き当たるように角度設定(例えば20度~60度)されている。
【0076】
上記スタックトレイF600には最上シートの紙面高さを検出するレベルセンサ(不図示)が配置され、このレベルセンサの検知信号によって前述のスタックトレイ昇降モータF611を回転させてスタックトレイF600を繰り上げ上昇させる。このレベルセンサ機構は種々のものが知られているが、図示のものは装置フレームF900の立ち面F603から上方に検出光を照射し、その反射光を検出してその高さ位置にシートが存在するか否かを検出する検出方法を採用している。また、所定の時間が経過する毎にシートが存在するか否かの変化を検出することでスタックトレイF600に積載されたシート束の量の変化を検出し、シート処理装置制御部(CPU)C001の揮発性記憶部(RAM)C004に記憶する(束量認識手段)。
【0077】
また、上記スタックトレイF600には、レベルセンサと同様にスタックトレイF600上からシートが取り出されたことを検出するセンサ(不図示)が配置されている。なお、スタックトレイF600にはトレイが、異常下降しないように下限位置が配定してあり、この下限位置にはスタックトレイF600を検出するスタックトレイ積載リミットセンサF613が配置さている。
【0078】
[シート押え機構]
上記スタックトレイF600には、集積された最上シートを押圧するスタックトレイ積載シート束押え手段F602が設けられている。図示のスタックトレイ積載シート束押え手段F602は、最上シートを押圧するスタックトレイ積載シート束弾性押圧部材F606と、装置フレームF900に回動可能に軸支するスタックトレイ積載シート束軸支部材F607と、この軸支部材を所定角度方向に回転するスタックトレイ積載シート束押えモータF614(不図示)で構成されている。シート束をスタックトレイF600に搬送する際にはスタックトレイ積載シート束弾性押圧部材F606は外方に退避し、シート束の後端がスタックトレイF600の最上シートの上に収納された後に、待機位置から図示反時計方向に回転して最上シートの上に係合してこれを押圧する。
【0079】
[スタックトレイに積載するシートの説明]
上記スタックトレイF600には、後述する「プリントアウトモード」「ステープル綴じモード」「針なし綴じモード」「区分け(ジョグ)モード」により処理されたシートを積載する。
【0080】
[制御構成の説明]
上述した画像形成システムの制御構成を図18のブロック図に従って説明する。図1に示す画像形成システムは、画像形成装置H001の画像形成制御部C002とシート処理装置Bのシート処理装置制御部(CPU)C001を備えている。画像形成制御部C002は、給紙制御部C005と入力部C006を備えている。そしてこの入力部C006に設けられたコントロールパネルC007から「プリントモード」「シート処理モード」の設定を行う。
【0081】
シート処理装置制御部(CPU)C001は、前述の指定されたシート処理モードに応じてシート処理装置F001を動作させる。このシート処理装置制御部(CPU)C001は、動作プログラムを記憶した不揮発性記憶部(ROM)C003と、制御データを記憶する揮発性記憶部(RAM)C004とを備えている。また、このシート処理装置制御部(CPU)C001には、各種センサ入力部C008からスタックトレイF600の下限位置を検出するスタックトレイ積載リミットセンサF613や搬送経路F002のシートを検出する入口センサF007などの信号が入力される。
【0082】
このシート処理装置制御部(CPU)C001は、搬送経路F002の搬送モータF008などを制御するシート搬送制御部C009を備えている。また、このシート処理装置制御部(CPU)C001は、処理トレイF300でシートの集積動作を行う整合板F303などを制御する処理トレイ制御部C010を備えている。また、処理トレイF300上のシート束に綴じ処理を行うステープル綴じユニットF304のステープル綴じモータF361や針なし綴じユニットF305の針なし綴じモータF358などを制御するステープル綴じ制御部C011と、スタックトレイ昇降モータF611などを制御するスタックトレイ昇降制御部C012も備えている。
【0083】
[シート処理モードの説明]
上述のように構成された本実施態様のシート処理装置制御部(CPU)C001はシート処理装置F001に、例えば「プリントアウトモード」「ステープル綴じモード」「針なし綴じモード」「区分け(ジョグ)モード」、「マニュアル綴じモード」等を実行させる。以下、この処理モードについて述べる。
(1)「プリントアウトモード」
画像形成装置H001の本体排紙部H004から画像形成されたシートを受け入れ、このシートを綴じ処理することなく処理トレイF300を介してスタックトレイF600に収容する。
(2)「ステープル綴じモード」
本体排紙部H004から画像形成されたシートを処理トレイF300に受け入れシートを束状に部揃えしてステープル綴じユニットF304、若しくは針なし綴じユニットF305で綴じ処理した後、スタックトレイF600に収納する。
(3)「区分け(ジョグ)モード」
本体排紙部H004から画像形成されたシートを処理トレイF300に受け入れシートを1枚ずつフロント側リア側いずれかの方向に区分け(ジョグ)して綴じることなくスタックトレイF600に収納する。
(4)「マニュアル綴じモード」
装置フレームF900には装置フロント側に、オペレータが綴じ処理するシート束をセットする手差しセット部F902が設けられている。この手差しセット部F902には、セットされたシート束を検出するセンサ(不図示)である手差しセット部シート束センサF009が配置され、このセンサからの信号で上述するステープル綴じ制御部C011は、ステープル綴じユニットF304をマニュアル綴じ位置F324に位置移動する。そしてオペレータがマニュアル操作釦F903を押下すると、綴じ処理を実行するように構成されている。
【0084】
通信インタフェースC013(受信手段)は画像形成制御部C002とデータの送受信を行う。シート処理装置制御部(CPU)C001は、通信インタフェースC013により、画像形成制御部C002から後述のオンラインモードに切り替えるためのオンラインモード要求を受信する。オンラインモード要求は、前述の「プリントアウトモード」「ステープル綴じモード」「針なし綴じモード」「区分け(ジョグ)モード」のいずれかを実行するための要求である。また、シート処理装置制御部(CPU)C001は、手差しセット部シート束材センサF001からの信号を、通信インタフェースC013を介して画像形成制御部C002に送信すると、画像形成制御部C002から通信インタフェースC013を介して、シート処理装置制御部(CPU)C001に後述のマニュアルモードに切り替えるためのマニュアルモード要求を受信する(モード設定手段)。また、シート処理装置制御部(CPU)C001は、通信インタフェースC013により、画像形成制御部C002から人感センサH028の検出結果を受信する。なお、人物の存在の検出はシート処理装置F001が備えるセンサにより検出した結果を用いてもよい。
【0085】
[オンラインモード、マニュアルモード]
ステープル綴じモードを実行中、または実行可能状態にあることをオンラインモードという。また、マニュアル綴じモードを実行中、または、実行可能状態にあることをマニュアルモードという。
【0086】
マニュアル綴じは、手差しセット部F902に挿入されたシート束に対して行われる。そのためにステープル綴じ及びマニュアル綴じを実行可能なステープラは、ステープル綴じユニットF304のみである。ステープル綴じユニットF304は、図8で説明したように、綴じ位置が異なるために、ステープル綴じ及びマニュアル綴じを同時に実行することはできない。シート処理装置制御部(CPU)C001は、シート処理装置F001を、ステープル綴じを実行するためのオンラインモードと、マニュアル綴じを実行するためのマニュアルモードとの2つの排他的な動作モードで切り替えながら動作させる。
【0087】
[マニュアル綴じの詳細]
シート処理装置制御部(CPU)C001は、画像形成装置H001が起動されると、シート処理装置F001の動作モードをオンラインモードに設定する。シート処理装置制御部(CPU)C001は、シート処理装置F001をオンラインモードに設定後、ステープル綴じを実行中であるか否かを判別する。ステープル綴じ中であれば、シート処理装置制御部(CPU)C001は、ステープル綴じが終了するまでオンラインモードを維持する。ステープル綴じ中でなければ、シート処理装置制御部(CPU)C001は、手差しセット部シート束センサF009が、手差しセット部F902のシート束有りを検出したかを確認する。なお、ステープル綴じ中でない場合、ステープル綴じユニットF304は、ホームポジション(不図示)に待機する。シート束有りを検出しない場合、シート処理装置制御部(CPU)C001は、前述のステープル綴じを実行中であるか否かの判別と、シート束ありを検出したか否かの判別とを継続する。
【0088】
シート束有りを検出した場合、シート処理装置制御部(CPU)C001は、シート処理装置F001の動作モードをマニュアルモードに移行する。動作モードをマニュアルモードへ移行すると、シート処理装置制御部(CPU)C001は、ステープル綴じユニット移動モータF331を駆動して、ステープル綴じユニットF304をホームポジション(不図示)からマニュアル綴じ位置F324へ移動させる。
【0089】
[マニュアル綴じの実行]
マニュアル綴じは、マニュアル操作釦F903からの指示、または既定時間経過により実行される。マニュアル綴じの実行が終了した後シート処理装置制御部(CPU)C001は、手差しセット部シート束センサF009が、手差しセット部F902のシート束の再挿入を検出したかを確認する(S004)。また、マニュアル綴じ実行からの経過時間の計測を開始する。
【0090】
[マニュアル綴じの継続]
シート束の再挿入を検出した場合、マニュアル綴じを継続すると判断し、前述のマニュアル綴じの実行を行う。
【0091】
[マニュアル綴じのタイムアウト]
シート束が再挿入されないことを検出した場合、マニュアル綴じ実行からの経過時間が規定のタイムアウト時間を超えているか否かを確認する。タイマの計測値がタイムアウト時間を越えていない場合、シート束が再挿入されたか否かの監視を継続する。タイマの計測値がタイムアウト時間を越えた場合、シート処理装置制御部(CPU)C001は、ステープル綴じユニットF304をマニュアル綴じ位置F324からホームポジション(不図示)に移動させて動作モードをオンラインモードに戻す。このようにして、オンラインモードからマニュアルモードに移行した場合の処理が終了する。
【0092】
上記構成において従来の制御では、ステープル綴じユニットF304がマニュアル綴じ位置F324にあるときに、シート束が手差しセット部F902にタイムアウト時間が経過するまでに挿入されなければ、ステープル綴じユニットF304を自動的にステープル綴じモードの綴じ位置あるいはホームポジション(不図示)に移動させる。これによりテープル綴じユニットF304は、マニュアルモードにおいてマニュアル綴じ位置F324に少なくとも所定時間維持されるため、マニュアル綴じを継続的に行うユーザーの操作を妨げることがない。一方で、オンラインモードを行うユーザーにとっては不要な待ち時間となる所定時間が生じることになる。
【0093】
以上の事項を対象として、本実施形態の特徴について説明すると次の通りである。
本実施形態の特徴は、マニュアルモードにおいて、マニュアル綴じの継続を判断する際、シート束の再挿入がない場合に所定の時間経過でオンラインモードに切り替えるのではなく、人感センサH028の検出結果と各種条件とを用いてオンラインモードに切り替える点にある。このようにマニュアルモードからオンラインモードに切り替えることで、マニュアルモードにおいてマニュアル綴じを継続的に行うユーザーの使用感を損なうことなく、同時に、オンラインモードを行うユーザーの不要な待ち時間を少なくすることができる。
【0094】
そこで、マニュアルモードにおいてマニュアル綴じの継続判断のとき、シート束なしを検出した場合、シート処理装置制御部(CPU)C001は、人感センサH028により人物が存在するか否かを確認する。人物が存在しない場合、シート処理装置制御部(CPU)C001は、ステープル綴じユニットF304をマニュアル綴じ位置F324からホームポジション(不図示)に移動させて動作モードをオンラインモードに戻す。
【0095】
図13は人感センサH028を用いて、マニュアルモードを行うユーザーがいなくなったことを判断し、マニュアルモードからオンラインモードに切り替える制御手順を示すフローチャートである。シート処理装置制御部(CPU)C001は、手差しセット部シート束センサF009が、手差しセット部F902のシート束有りを検出したかを確認する(S001)。シート束有りを検出しない場合、シート処理装置制御部(CPU)C001は、前述のシート束ありを検出したか否かの判別を継続する。
【0096】
シート束有りを検出した場合、シート処理装置制御部(CPU)C001は、シート処理装置F001の動作モードをマニュアルモードに移行する(S002)。動作モードをマニュアルモードへ移行すると、シート処理装置制御部(CPU)C001は、ステープル綴じユニット移動モータF331を駆動して、ステープル綴じユニットF304をホームポジション(不図示)からマニュアル綴じ位置F324へ移動させる。
【0097】
マニュアル綴じは、マニュアル操作釦F903からの指示、または既定時間経過により実行される。シート処理装置制御部(CPU)C001は、マニュアル綴じの実行が終了したかを確認する(S003)。マニュアル綴じの実行が終了していない場合、継続して終了の確認を行う。
【0098】
マニュアル綴じの実行が終了した場合、シート処理装置制御部(CPU)C001は、手差しセット部シート束センサF009が、手差しセット部F902のシート束の再挿入を検出したかを確認する(S004)。シート束の再挿入を検出した場合、S002に戻り、再びマニュアル綴じを実行する。
【0099】
シート束の再挿入がないことを検出した場合、シート処理装置制御部(CPU)C001は、人感センサH028により人物が存在することを検出したかを確認する(S005)。人物が存在することを検出した場合、S004に戻り、再びシート束の再挿入を確認する。
【0100】
人物が存在しないことを検出した場合、シート処理装置制御部(CPU)C001は、ステープル綴じユニットF304をマニュアル綴じ位置F324からホームポジション(不図示)に移動させて動作モードをオンラインモードに戻す(S006)。このようにして、オンラインモードからマニュアルモードに移行した場合の処理が終了する。
【0101】
図14は人感センサH028とスタックトレイF600に積載されたシート束の量の変化とを用いて、人感センサH028で検出したユーザーはスタックトレイF600に積載されたシート束を目的としているユーザーであること判断し、マニュアルモードからオンラインモードに切り替える制御手順を示すフローチャートである。人感センサH028を用いて人物が存在するか否かを判断するまでの手順については図13と同様なので省略する。
【0102】
人物が存在しないことを検出した場合、シート処理装置制御部(CPU)C001は、ステープル綴じユニットF304をマニュアル綴じ位置F324からホームポジション(不図示)に移動させて動作モードをオンラインモードに戻す(S013)。
【0103】
人物が存在することを検出した場合、スタックトレイF600に積載されたシート束の量の変化を確認する(S012)(束量認識手段)。シート束の量に変化がなかった場合、S010に戻り、再びシート束の再挿入を確認する。
【0104】
シート束の量に変化があった場合、シート処理装置制御部(CPU)C001は、ステープル綴じユニットF304をマニュアル綴じ位置F324からホームポジション(不図示)に移動させて動作モードをオンラインモードに戻す(S013)。このようにして、オンラインモードからマニュアルモードに移行した場合の処理が終了する。
【0105】
図15は人感センサH028と通信インタフェースC013(受信手段)から受信した情報とを用いて、人感センサH028で検出したユーザーは画像形成装置H001を操作しているユーザーであること判断し、マニュアルモードからオンラインモードに切り替える制御手順を示すフローチャートである。人感センサH028を用いて人物が存在するか否かを判断するまでの手順については図13と同様なので省略する。
【0106】
人物が存在しないことを検出した場合、シート処理装置制御部(CPU)C001は、ステープル綴じユニットF304をマニュアル綴じ位置F324からホームポジション(不図示)に移動させて動作モードをオンラインモードに戻す(S021)。
【0107】
人物が存在することを検出した場合、通信インタフェースC013から画像形成装置H001の使用状況を受信し(S019)、画像形成装置H001の使用状況を確認する(S020)。ここでいう使用状況とは、画像形成装置の給紙部がシートを補充する位置に移動したことを示す信号、原稿をプラテンに向けて押える圧着板の開閉を示す信号、画像形成装置の開閉部の開閉を示す信号といった具合である。画像形成装置H001の使用状況が使用中でなかった場合、S017に戻り、再びシート束の再挿入を確認する。
【0108】
画像形成装置H001の使用状況が使用中であった場合、シート処理装置制御部(CPU)C001は、ステープル綴じユニットF304をマニュアル綴じ位置F324からホームポジション(不図示)に移動させて動作モードをオンラインモードに戻す(S021)。このようにして、オンラインモードからマニュアルモードに移行した場合の処理が終了する。
【0109】
図16は人感センサH028とマニュアル綴じ処理の実行間隔とを用いて、人感センサH028で検出したユーザーのマニュアル綴じの継続意思を判断することで、マニュアルモードからオンラインモードに切り替える制御手順を示すフローチャートである。マニュアル綴じの実行が終了したかを確認するまでの手順については図13と同様なので省略する。
【0110】
シート処理装置制御部(CPU)C001は、次回のマニュアル綴じ処理までのマニュアルモードを継続するタイマをセットする(間隔認識手段)。(S025)。このタイマが長い時間に設定されているほど、マニュアル綴じの継続をするための時間が長くなる。一方、このタイマが短い時間に設定されているほど、マニュアル綴じ実行後にオンラインモードに切り替わるための時間が短くなる。このタイマの時間はユーザーの所望する時間に設定可能である。
【0111】
シート束が再挿入されたか否かを判断する(S026)。シート束の再挿入を検出した場合、タイマをキャンセルし(S027)、S023に戻りマニュアル綴じを継続する。
【0112】
シート束が再挿入されないことを検出した場合、シート処理装置制御部(CPU)C001は、人感センサH028により人物が存在することを検出したかを確認する(S028)。人物が存在しないことを検出した場合、シート処理装置制御部(CPU)C001は、ステープル綴じユニットF304をマニュアル綴じ位置F324からホームポジション(不図示)に移動させて動作モードをオンラインモードに戻す(S030)。
【0113】
人物が存在することを検出した場合、タイムアウトしたか否かを確認する(S029)。タイムアウトしていなかった場合、S026に戻り、シート束が再挿入されたか否かを判断する。タイムアウトした場合、シート処理装置制御部(CPU)C001は、ステープル綴じユニットF304をマニュアル綴じ位置F324からホームポジション(不図示)に移動させて動作モードをオンラインモードに戻す(S030)。このようにして、オンラインモードからマニュアルモードに移行した場合の処理が終了する。
【0114】
図17はさらにモード設定手段により設定された要求を用いて、マニュアルモード中にオンラインモードへの切り替え要求があった場合に、マニュアルモードからオンラインモードに切り替えるまでの時間を早めるための制御手順を示すフローチャートである。マニュアルモードに切り替えるまでの手順については図16と同様なので省略する。
【0115】
シート処理装置制御部(CPU)C001は、通信インタフェースC013により画像形成制御部C002からオンラインモードに切り替えるためのオンラインモード要求を受信した場合、タイマをあらかじめ設定された時間よりも短い時間になるように変更する(S033)。これにより、オンラインモードに切り替わるための時間が短くなる。このタイマの時間はユーザーの所望する時間に設定可能である。これより先の手順は図16と同様のため省略する。
【0116】
以上のように、上述した各実施態様によれば、マニュアルモードからオンラインモードへの切り替えの際、人感センサH028と各種条件とを用いてマニュアルモードからオンラインモード切り替えることで、マニュアルステープルを継続的に行うユーザーの使用感を損なわずに、オンラインステープルを行うユーザーの待ち時間が必要以上に長くならないという効果を得ることができる。
【0117】
なお、本発明は前述した実施の形態に限定されず、本発明を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項のすべてが本発明の対象となる。これまでの実施の形態は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0118】
H001 画像形成装置
H002 給紙部
H003 画像形成部
H004 本体排紙部
H005 カセット
H006 カセット
H007 カセット
H008 給紙ローラ
H009 給紙経路
H010 レジストローラ
H011 静電ドラム
H012 静電ドラム
H013 静電ドラム
H014 静電ドラム
H015 レーザ発光器
H016 現像器
H017 転写ベルト
H018 転写チャージャ
H019 定着器
H020 本体排出口
H021 本体排紙経路
H022 デュープレックス経路
H023 Uターンパス
H024 画像読取装置
H025 プラテン
H026 スキャンユニット
H027 原稿送り装置
F001 シート処理装置
F002 搬送経路
F003 搬送経路出口
F004 搬入経路
F005 搬入ローラ
F006 排紙ローラ
F007 入口センサ
F008 搬送モータ
F300 処理トレイ
F301 掻き込みパドル
F302 シート後端ストッパ
F303 整合板
F304 ステープル綴じユニット
F305 針なし綴じユニット
F306 シート積載面
F307 パドル昇降アーム
F308 パドル昇降モータ
F309 ローレットベルト
F310 ローレット昇降モータ
F311 シート後端規制面
F312 フロント整合面
F313 リア整合面
F314 ステープル綴じユニット移動溝
F315 第1シート束搬送部材
F316 フロント整合モータ
F317 リア整合モータ
F318 ステープル綴じユニットフレーム
F319 ステープル綴じヘッド
F320 第1のマルチ綴じ位置
F321 第2のマルチ綴じ位置
F322 フロント側のコーナー綴じ位置
F323 リア側のコーナー綴じ位置
F324 マニュアル綴じ位置
F325 針なし綴じ位置
F326 第2シート束搬送部材
F327 フロント整合板
F328 リア整合板
F329 ステープル綴じユニット移動ピン
F330 ステープル綴じユニット姿勢ガイド
F331 ステープル綴じユニット移動モータ
F332 ステープル綴じユニット移動台ベルト
F333 ステープル綴じユニットガイドピン
F334 針カートリッジ
F335 ステープル綴じユニットドライブカム
F336 針なし綴じユニットベースフレーム部材
F337 針なし綴じユニット上部圧着歯
F338 針なし綴じユニット下部圧着歯
F339 針なし綴じユニット可動フレーム部材
F340 第1シート束上面押圧部材
F341 第2シート束後端係止面
F342 第2シート束上面押圧部材
F343 第1シート束搬送ストローク
F344 第2シート束搬送ストローク
F345 第1シート束搬送区間
F346 第2シート束搬送区間
F347 シート束搬送モータ
F358 針なし綴じモータ
F359 針なし綴じユニットドアイブカム
F360 ステープル綴じユニット移動台
F361 ステープル綴じモータ
F362 第1シート束後端係止面
F600 スタックトレイ
F601 シート束排出機構
F602 スタックトレイ積載シート束押え手段
F603 立ち面
F604 スタックトレイ昇降ラック
F605 スタックトレイ基体
F606 スタックトレイ積載シート束弾性押圧部材
F607 スタックトレイ積載シート束軸支部材
F608 スタックトレイ駆動ピニオン
F609 スタックトレイウォームギア
F610 スタックトレイウォームホイール
F611 スタックトレイ昇降モータ
F612 スタックトレイ昇降レール
F613 スタックトレイ積載リミットセンサ
F614 スタックトレイ積載シート束押えモータ
F900 装置フレーム
F901 カートリッジ装着開口
F902 手差しセット部
F903 マニュアル操作釦
F904 手差しセット面
C001 シート処理装置制御部(CPU)
C002 画像形成制御部
C003 不揮発性記憶部(ROM)
C004 揮発性記憶部(RAM)
C005 給紙制御部
C006 入力部
C007 コントロールパネル
C008 各種センサ入力部
C009 シート搬送制御部
C010 処理トレイ制御部
C011 ステープル綴じ制御部
C012 スタックトレイ昇降制御部
H028 人感センサ
F009 手差しセット部シート束センサ
C013 通信インタフェース

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18