IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 長田化成株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-建築用コーナー材 図1
  • 特開-建築用コーナー材 図2
  • 特開-建築用コーナー材 図3
  • 特開-建築用コーナー材 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022083760
(43)【公開日】2022-06-06
(54)【発明の名称】建築用コーナー材
(51)【国際特許分類】
   E04F 13/06 20060101AFI20220530BHJP
   E04F 13/08 20060101ALI20220530BHJP
【FI】
E04F13/06 A
E04F13/08 101Q
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020195278
(22)【出願日】2020-11-25
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-09-01
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 販売に関する証明書の別紙に記載した販売日及び販売場所での販売 配布に関する証明書の別紙に記載した配布日及び配布場所での配布
(71)【出願人】
【識別番号】520209576
【氏名又は名称】長田化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110319
【弁理士】
【氏名又は名称】根本 恵司
(74)【代理人】
【識別番号】100150773
【弁理士】
【氏名又は名称】加治 信貴
(72)【発明者】
【氏名】増谷 哲生
【テーマコード(参考)】
2E110
【Fターム(参考)】
2E110AA42
2E110AA57
2E110AB04
2E110AB23
2E110AB26
2E110BA12
2E110BB22
2E110DD03
2E110GB42W
(57)【要約】      (修正有)
【課題】パテ材を従来より均一で平滑に塗布することができ塗布作業を効率よく行うことが可能な建築用コーナー材を提供する。
【解決手段】建築用コーナー材は、整形部分の両側に連続して延設された取付部分11を一体形成しており、取付部分11は、表面側が長手方向に沿って形成された多数の細溝11bが幅方向に所定のピッチPで形成された粗面となっているとともに両側端に所定幅の平坦な側端部11aが形成されており、側端部11aの厚さTは、隣接する細溝11bの上端11btにおける厚さDよりも薄く形成されており、側端部11aの端縁11atから隣接する細溝11bの上端11btまでの間にパテ材を滞留するための溜り部11cが形成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅方向の中央部分の整形部分及び当該整形部分の両側に連続して延設された一対の取付部分を一体形成している建築用コーナー材において、前記取付部分は、表面側が長手方向に沿って形成された多数の細溝が幅方向に所定のピッチで形成された粗面となっているとともに両側端には所定幅の平坦な側端部が形成されており、前記側端部の厚さは、隣接する前記細溝の上端における厚さよりも薄く形成されており、前記側端部の端縁から隣接する前記細溝の上端までの間にパテ材を滞留するための溜り部が形成されている建築用コーナー材。
【請求項2】
前記側端部は、多数の前記細溝の上端を結ぶように当接するとともに前記整形部分の表面側から連続する仮想上の外形面を設定した場合、前記側端部の表面側の平坦面と当該外形面との間の間隔は、前記細溝の当該外形面からの深さ以上に設定されている請求項1に記載の建築用コーナー材。
【請求項3】
前記側端部の幅は、0.5mm~1mmに設定されている請求項1又は2に記載の建築用コーナー材。
【請求項4】
前記整形部分は、湾曲形成されている請求項1から3のいずれかに記載の建築用コーナー材。
【請求項5】
前記整形部分には、表面側に突条が長手方向に沿って形成されている請求項1から3のいずれかに記載の建築用コーナー材。
【請求項6】
前記整形部分には、厚さが薄く折り曲げ可能な溝条部が長手方向に沿って形成されている請求項1から3のいずれかに記載の建築用コーナー材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物の内壁において出隅又は入隅といった部位の角部に取り付ける建築用コーナー材に関する。
【背景技術】
【0002】
建築物を施工する場合、内装工事において内壁の出隅及び入隅といった部位には、角部にアングル状又はテープ状の建築用コーナー材を取り付けて施工することが行われている。角部を覆うように建築用コーナー材を取り付けることで、角部を補強することができ、角部に接触した場合の衝撃を吸収して角部が破損しないように保護することが可能となる。また、角部を覆うことで角部の形状を整えて内壁面の美観を向上させることもできる。
【0003】
また、内壁を構成する下地材が角部で接合した状態となっている場合に、接合部分を建築用コーナー材で覆うことで角部を含む内壁面を平滑化することができる。内壁面に壁紙等を貼り付ける場合には、予めパテ等を内壁面に塗布することで段差のない平滑面に仕上げた後壁紙等を貼り付ければきれいに仕上げることができる。
【0004】
こうした内壁面の仕上げ効果を高めるために様々な建築用コーナー材が提案されている。例えば、特許文献1では、クロスのシワや破れを防止し、パテ塗り作業を効率的かつ低コストで行うようにするために、一対の平板部の外側面に先端部から屈曲部側に向かって逓次的に平板部の肉厚が増大する傾斜面を形成した建築用コーナー材が記載されている。また、特許文献2では、平板部の上面に、先端部位を除く外縁側の領域に所定幅にわたって凹凸加工が施された粗面部を形成すると共に、外縁の先端部位に、凹凸加工が施されていない曲面部を形成した建築用コーナー材が記載されている。また、特許文献3では、少なくとも装飾用壁紙クロスの添設面側に、パテ材の溜まり空間となる凹溝を長尺部材の幅方向に複数形成したクロスコーナ仕上げ材が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-160654号公報
【特許文献2】特開2017-206874号公報
【特許文献3】特開2019-11654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
建築用コーナー材は、合成樹脂材料で成形されている場合が多く、角部に対向する整形部分は角部が所望の形状となるように形成されているが、両側の取付部分は石膏ボード等の下地材との間に段差が生じないようにすることで、内壁面の美観を向上することが求められている。
【0007】
そのため、特許文献1に記載されているように、取付部分では厚さが薄くなるように形成している。しかしながら、厚さを薄くする成形技術には限界があり、強度の面からある程度の厚さが必要となるため、取付部分を薄くしたとしても側端で段差が生じるのは避けられない。
【0008】
特許文献2では、取付部分に凹凸加工が施されていない曲面部を形成してパテ材の塗布をスムーズに行うようにしているが、曲面部でヘラ等の塗布用具が滑りやすくなり、パテ材が乗りにくくなって塗布ムラが生じやすくなる課題がある。
【0009】
また、パテ材を塗布した壁面に貼付する壁紙等の装飾用シート材の厚さが薄くなってきており、パテ材の塗布ムラの影響を受けやすくなっている。パテ材の乾燥により、いわゆる「パテ痩せ」といった現象により塗布ムラの部分に段差や凹凸が生じ、薄くなった壁紙にもこうした塗布ムラが出やすくなっている。
【0010】
そこで、本発明は、パテ材を従来より均一で平滑に塗布することができ塗布作業を効率よく行うことが可能な建築用コーナー材を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る建築用コーナー材は、幅方向の中央部分の整形部分及び当該整形部分の両側に連続して延設された一対の取付部分を一体形成している建築用コーナー材において、前記取付部分は、表面側が長手方向に沿って形成された多数の細溝が幅方向に所定のピッチで形成された粗面となっているとともに両側端には所定幅の平坦な側端部が形成されており、前記側端部の厚さは、隣接する前記細溝の上端における厚さよりも薄く形成されており、前記側端部の端縁から隣接する前記細溝の上端までの間にパテ材を滞留するための溜り部が形成されている。さらに、前記側端部は、多数の前記細溝の上端を結ぶように当接するとともに前記整形部分の表面側から連続する仮想上の外形面を設定した場合、前記側端部の表面側の平坦面と当該外形面との間の間隔は、前記細溝の当該外形面からの深さ以上に設定されている。さらに、前記側端部の幅は、0.5mm~1mmに設定されている。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、上記のような構成を有することで、側端部の端縁から隣接する細溝の上端までの間にパテ材を滞留するための溜り部が形成されているので、パテ材を従来より均一で平滑に塗布することができ塗布作業を効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る建築用コーナー材に関する断面図である。
図2図1の円で示す部分拡大断面図である。
図3】建築用コーナー材の別の実施形態に関する断面図である。
図4】建築用コーナー材のさらに別の実施形態に関する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に本発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
【0015】
図1は、本発明に係る建築用コーナー材に関する断面図である。建築用コーナー材1は、紙面と直交する方向を長手方向とするアングル状に形成されており、図1は、長手方向と直交する幅方向に沿った断面図を示している。本明細書では、建築用コーナー材1の壁面に当接する側を裏面側とし、裏面側と反対側の外部に露出する面側を表面側とする。
【0016】
建築用コーナー材1は、幅方向の中央部分には壁面の角部に対向する整形部分10が形成されており、整形部分10の両側に連続して延設された一対の取付部分11を一体形成している。建築用コーナー材1の材料としては、取付の際の操作性及び成形加工の容易性からみて合成樹脂材料が好ましい。具体的には、塩化ビニール樹脂、ABS樹脂等の硬質の熱可塑性樹脂材料を用いて成形することができ、折り曲げ等の変形する部分には、塩化ビニール樹脂、エラストマー樹脂等の熱可塑性樹脂材料を用いて複数種類の材料により成形するようにしてもよい。
【0017】
図1に示す例では、整形部分10はほぼ直角方向に湾曲した曲面形状に形成されており、壁面の角部の形状に合わせて変形して対応するようになっている。そして、整形部分10は、所望の厚さに形成されて角部を補強するための強度を有するようになっている。取付部分11は、整形部分10の両側に連続して平板状に延設されており、側端部11aに行くに従い厚さが薄くなるようにテーパ状に形成されている。一対の取付部分11の裏面側には、それぞれ壁面に接着するための接着テープ材12が長手方向に沿って貼着されている。接着テープ材12に貼付された離型紙を取り除いて角部を挟んで壁面に接着することで、取付部分11が壁面に接着固定されるとともに整形部分10が角部を覆うように取り付けられ、建築用コーナー材1を角部に合わせて固定することができる。
【0018】
整形部分10は、表面側及び裏面側の両面が平滑な面で湾曲形成されており、壁面の角部に対応する形状となっている。そのため、角部をカバーして平滑な面の外観に整形されるようになっている。取付部分11は、表面側が長手方向に沿って形成された多数の細溝11bが幅方向に所定のピッチで形成された粗面となっており、両側端には所定幅で平坦な側端部11aが形成されている。取付部分11の裏面側は、平滑な面に形成されており、壁面に密着可能になっている。
【0019】
図2は、図1の円で示す部分拡大断面図であり、図2(a)は、壁面Wに取付部分11が接着固定された状態を示し、図2(b)は、取付部分11の表面側にパテ材を塗布した状態を示している。
【0020】
取付部分11の表面側には、一対の傾斜面が形成されるように切欠いた断面が逆三角形状の細溝11bが幅方向にピッチPで配列されている。細溝11bの深さQは、細溝11bの上端を結ぶように当接するとともに整形部分10の表面側の湾曲面から連続する仮想上の外形面Sからの深さである。細溝11bの上端の幅は、この例では、ピッチPと同一となっており、細溝11bが間隔を空けずに配列されている。
【0021】
側端部11aは、厚さT及び幅Hの平坦部に形成されている。厚さTは、隣接する細溝11bの上端11btにおける厚さDよりも薄く形成されており、表面側の平坦面11asが外形面Sよりも低くなるように設定されている。そして、平坦面11asと外形面Sとの間隔Kは、細溝11bの深さQ以上に設定されることが好ましい。側端部11aをこうした形状とすることで、側端部11aの端縁11atと隣接する細溝11bの上端11btとの間にパテ材が滞留するための溜り部11cが形成されるようになる。この例では、端縁11atと上端11btとを結ぶように当接する動作面Mと平坦面11asとの間の空隙に溜り部11cが形成される。幅Hは、後述するように、溜り部11cに適度にパテ材が滞留するように0.5mm~1mmに設定するとよい。
【0022】
図2に示すように、溜り部11cは、細溝11bの整形部分10側の傾斜面と同じ傾斜面及び側端部11aの平坦面11asにより画定されている。そのため、間隔Kは細溝11bの深さQと同一に設定されている。細溝11bの形状は、塗布動作の際にパテ材の塗布用具の先端が入り込まずにスムーズな塗布動作が行えるように設定されているので、溜り部11cの形状をそれに合わせた形状にすることで、塗布用具をスムーズに移動させて塗布動作を行うことができる。なお、細溝11bの形状は、塗布用具が入り込まずスムーズな塗布動作を行うことが可能であれば、図2に例示した逆三角形状以外の形状でもよく特に限定されない。
【0023】
細溝11bの上端幅を0.5mmで深さQを0.2mm~0.25mmとした場合には、側端部11aに隣接する細溝11bの上端までの厚さが0.5mmとすると、側端部11aの幅Hを0.5mm~1mmで厚さTを0.15mm~0.4mmに設定することが好ましい。
【0024】
建築用コーナー材1を壁面の角部に沿って取り付けた後、パテ材をコテ等の塗布用具により取付部分11を壁面とともに幅方向に沿って塗布動作を行った場合、塗布用具の先端が側端部11aの端縁11atから動作面Mに沿って移動して隣接する細溝11bの上端11btから外形面Sに沿って移動するようになる。そのため、図2(b)に示すように、側端部11aの端縁11atには動作面Mに沿うようにパテ材の滞留部分F1が生じ、溜り部11cに滞留部分F2が生じ、各細溝11b内に滞留部分F3が生じるようになる。したがって、取付部分11全体がパテ材で覆われている外観を呈し、側端部11aの端縁11atもパテ材で覆われて段差が隠れた状態となる。
【0025】
溜り部11cは、側端部11aの幅Hが0.5mmよりも狭くなると、パテ材を収容するスペースが狭くなってパテ材を滞留できなくなり、上端11btまでの段差が露出して目立つようになるか、段差が大きくなるためパテ材が盛り上がるようになる。また、幅Hが1mmを超えると、側端部11aの平坦面11asが広くなり、塗布用具の先端が平坦面11as上で滑るようになって側端部11aが露出して塗布ムラが生じるようになる。また、側端部11aの厚さTを外形面Sと平坦面11asとの間に間隔Kが生じるように設定することで溜り部11cのスペースが確保されるようになり、細幅11bの深さQ以上に間隔Kを設定することで、滞留部分F2のパテ材の量が多くなって均一な塗布を安定して行うことができる。
【0026】
また、壁面上の滞留部分F1では、側端部11aの厚さTに対応してパテ材が薄い層を形成するようになるため、いわゆる「パテ痩せ」が生じても滞留部分F1の厚さの変動幅が小さくなって端縁11atの段差が目立つようにはならない。
【0027】
このように、パテ材の塗布動作により端縁に形成される滞留部分F1と溜り部11cに形成される滞留部分F2との2段階で側端部11aがパテ材により覆われるようにすることができるので、パテ材を従来より均一で平滑に塗布することができ塗布作業を効率よく行うことが可能となる。
【0028】
図3は、建築用コーナー材の別の実施形態に関する断面図である。この例では、建築用コーナー材1’は、アングル状に形成されて幅方向の中央部分に整形部分10’がほぼ直角に折れ曲がるように形成されており、整形部分10’の両側には取付部分11’が連続して延設されている。そして、取付部分11’の裏面側には所定幅の接着テープ材12’が長手方向に沿って貼着されており、図1に示す例と同様に、接着テープ材12’の離型紙を剥がして壁面に建築用コーナー材1’を接着固定するようになっている。
【0029】
整形部分10’には、表面側に所定幅の突条部10’aが長手方向に沿って形成されており、突条部10’aは、外方に向かって突出するように形成されている。そのため、整形部分10’を壁面の角部に合わせて取り付けることで、直線状に延びた外観の角部に整形されるようになる。取付部分11’は、側端部11’aに向かって次第に厚さが薄くなるテーパ状に形成されており、表面側には、取付部分11と同様に、多数の細溝11’bが長手方向に沿って形成されて粗面になっている。側端部11’aは、側端部11aと同様に、平坦部に形成されているとともに溜め部11cと同様の溜め部が形成された形状となっている。
【0030】
そのため、図1に示す例と同様に、パテ材の塗布動作により側端部11’aの端縁に形成される滞留部分と溜り部に形成される滞留部分との2段階で側端部11’aがパテ材により覆われるようにすることができるので、パテ材を従来より均一で平滑に塗布することができ塗布作業を効率よく行うことが可能となる。
【0031】
図4は、建築用コーナー材のさらに別の実施形態に関する断面図である。この例では、建築用コーナー材2は、テープ状に形成されて幅方向の中央部分に平滑な面の整形部分20が形成されており、整形部分20の両側には取付部分21が連続して延設されている。そして、建築用コーナー材2全体の形状が平板状となっている。
【0032】
整形部分20には、建築用コーナー材2の中心線に沿って厚さが薄く折り曲げ可能な溝条部20aが形成されており、取付位置の形状に合わせて溝条部20aで折り曲げることができる。そして、取付部分21の裏面側には所定幅の接着テープ材22が長手方向に沿って貼着されており、図1に示す例と同様に、接着テープ材22の離型紙を剥がして取付位置に合わせて溝条部20aで折り曲げて建築用コーナー材2を接着固定するようになっている。
【0033】
溝条部20aは、例えば軟質樹脂材料からなる層状部分20bを他の部分と一体形成することで、厚さを薄く形成して折り曲げ可能とすることができる。そのため、壁面の角部に合わせて整形部分20を配置して折り曲げることで角部に取り付けることで、直線状に延びた外観の角部に整形されるようになる。
【0034】
取付部分21は、側端部21aに向かって次第に厚さが薄くなるテーパ状に形成されており、表面側には、取付部分21と同様に、多数の細溝21bが長手方向に沿って形成されて粗面になっている。側端部21aは、側端部11aと同様に、平坦部に形成されているとともに溜め部11cと同様の溜め部が形成された形状となっている。
【0035】
そのため、図1に示す例と同様に、パテ材の塗布動作により側端部21aの端縁に形成される滞留部分と溜り部に形成される滞留部分との2段階で側端部21aがパテ材により覆われるようにすることができるので、パテ材を従来より均一で平滑に塗布することができ塗布作業を効率よく行うことが可能となる。
【符号の説明】
【0036】
1・・・建築用コーナー材、10・・・整形部分、11・・・取付部分、11a・・・側端部、11b・・・細溝、11c・・・溜め部、12・・・接着テープ材、S・・・外形面、M・・・動作面、1’・・・建築用コーナー材、10’・・・整形部分、10’a・・・突条部、11’・・・取付部分、11’a・・・側端部、11’b・・・細溝、12’・・・接着テープ材、2・・・建築用コーナー材、20・・・整形部分、20a・・・溝条部、20b・・・層状部分、21・・・取付部分、21a・・・側端部、21b・・・細溝、22・・・接着テープ材
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2021-05-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅方向の中央部分の整形部分及び当該整形部分の両側に連続して延設された一対の取付部分を一体形成している建築用コーナー材において、前記取付部分は、表面側が長手方向に沿って形成された断面が逆三角形状の多数の細溝が幅方向に間隔を空けずに配列されて形成された粗面となっているとともに両側端には幅が0.5mm~1mmの平坦な側端部が形成されており、前記側端部の厚さは、隣接する前記細溝の上端における厚さよりも薄く形成されており、前記側端部の端縁から隣接する前記細溝の上端までの間に前記細溝の前記整形部分側の傾斜面と同じ傾斜面及び前記側端部の平坦面により画定されたパテ材を滞留するための溜り部が形成されている建築用コーナー材。
【請求項2】
前記側端部は、多数の前記細溝の上端を結ぶように当接するとともに前記整形部分の表面側から連続する仮想上の外形面を設定した場合、前記側端部の表面側の平坦面と当該外形面との間の間隔は、前記細溝の当該外形面からの深さ以上に設定されている請求項1に記載の建築用コーナー材。
【請求項3】
前記整形部分は、湾曲形成されている請求項1又は2に記載の建築用コーナー材。
【請求項4】
前記整形部分には、表面側に突条が長手方向に沿って形成されている請求項1又は2に記載の建築用コーナー材。
【請求項5】
前記整形部分には、厚さが薄く折り曲げ可能な溝条部が長手方向に沿って形成されている請求項1又は2に記載の建築用コーナー材。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
本発明に係る建築用コーナー材は、幅方向の中央部分の整形部分及び当該整形部分の両側に連続して延設された一対の取付部分を一体形成している建築用コーナー材において、前記取付部分は、表面側が長手方向に沿って形成された断面が逆三角形状の多数の細溝が幅方向に間隔を空けずに配列されて形成された粗面となっているとともに両側端には幅が0.5mm~1mmの平坦な側端部が形成されており、前記側端部の厚さは、隣接する前記細溝の上端における厚さよりも薄く形成されており、前記側端部の端縁から隣接する前記細溝の上端までの間に前記細溝の前記整形部分側の傾斜面と同じ傾斜面及び前記側端部の平坦面により画定されたパテ材を滞留するための溜り部が形成されている。さらに、前記側端部は、多数の前記細溝の上端を結ぶように当接するとともに前記整形部分の表面側から連続する仮想上の外形面を設定した場合、前記側端部の表面側の平坦面と当該外形面との間の間隔は、前記細溝の当該外形面からの深さ以上に設定されている。