(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022083767
(43)【公開日】2022-06-06
(54)【発明の名称】打撃工法の施工管理方法及び打撃工法の施工管理システム
(51)【国際特許分類】
E02D 13/06 20060101AFI20220530BHJP
【FI】
E02D13/06
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020195289
(22)【出願日】2020-11-25
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-08-25
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和1年11月26日に、「新技術情報提供システム(NETIS)」のウェブサイトにて公開(https://www.netis.mlit.go.jp/netis/pubsearch/dtlprint?regNo=KT-190085%20)
(71)【出願人】
【識別番号】520462908
【氏名又は名称】一般社団法人全国基礎工事業団体連合会
(74)【代理人】
【識別番号】100110870
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 芳広
(74)【代理人】
【識別番号】100096828
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 敬介
(72)【発明者】
【氏名】幸保 英樹
(72)【発明者】
【氏名】谷本 静夫
(72)【発明者】
【氏名】山下 啓明
【テーマコード(参考)】
2D050
【Fターム(参考)】
2D050AA01
2D050CB12
2D050EE29
2D050FF04
2D050FF05
2D050FF07
(57)【要約】
【課題】杭先端が地盤の支持層に到達したことを確実に確認でき、より完全な打ち止め管理を行うことができる打撃工法の施工管理方法を提供する。
【解決手段】杭の外周面に設けられた格子柄部を撮影する、第一の撮影ステップと、第一の撮影ステップの撮影結果から、サンプリングモアレ法を用いて、杭の一打撃ごとの貫入量及びリバウンド量、所定深度あたりの打撃回数を算出する、第一の算出ステップと、第一の算出ステップで算出された貫入量及びリバウンド量を、杭の貫入深度に対してプロットした管理図を作成する、管理図作成ステップと、第一の算出ステップで算出された所定深度あたりの打撃回数を、杭の貫入深度に対してプロットした打撃回数図を作成する、打撃回数図作成ステップと、管理図と打撃回数図に基づいて、杭の支持層到達を判定する、支持層到達判定ステップと、を有する打撃工法の施工管理方法。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
打撃工法の施工管理方法であって、
杭の外周面に設けられた格子柄部を撮影する、第一の撮影ステップと、
前記第一の撮影ステップの撮影結果から、サンプリングモアレ法を用いて、前記杭の一打撃ごとの貫入量及びリバウンド量、所定深度あたりの打撃回数を算出する、第一の算出ステップと、
前記第一の算出ステップで算出された貫入量及びリバウンド量を、前記杭の貫入深度に対してプロットした管理図を作成する、管理図作成ステップと、
前記第一の算出ステップで算出された所定深度あたりの打撃回数を、前記杭の貫入深度に対してプロットした打撃回数図を作成する、打撃回数図作成ステップと、
前記管理図と前記打撃回数図に基づいて、前記杭の支持層到達を判定する、支持層到達判定ステップと、
を有することを特徴とする打撃工法の施工管理方法。
【請求項2】
前記支持層到達判定ステップは、
試験杭が計画支持層に到達した時の前記貫入量、前記リバウンド量及び前記所定深度あたりの打撃回数と、
前記管理図より求めた、試験杭が計画支持層に到達するまでの前記貫入量の変化傾向及び前記リバウンド量の変化傾向と、
前記打撃回数図より求めた、試験杭が計画支持層に到達するまでの前記所定深度あたりの打撃回数の変化傾向と、
を管理指標として、前記杭の支持層到達を判定するステップであることを特徴とする請求項1に記載の打撃工法の施工管理方法。
【請求項3】
前記杭の支持層到達を確認した後に、
前記格子柄部を撮影する、第二の撮影ステップと、
前記第二の撮影ステップの撮影結果から、サンプリングモアレ法を用いて、前記杭の一打撃ごとの貫入量及びリバウンド量を算出する、第二の算出ステップと、
前記第二の算出ステップで算出された貫入量及びリバウンド量と、前記貫入量及びリバウンド量を用いて打止め管理式から求まる支持力と、に基づいて、前記杭の打ち止めを判定する、打ち止め判定ステップと、
を有することを特徴とする請求項1または2に記載の打撃工法の施工管理方法。
【請求項4】
前記打ち止め判定ステップは、
試験杭の打ち止め時の貫入量及びリバウンド量と、
前記打ち止め時の貫入量及びリバウンド量を用いて打止め管理式から求まる支持力と、
を管理指標として、前記杭の打ち止めを判定するステップであることを特徴とする請求項3に記載の打撃工法の施工管理方法。
【請求項5】
前記杭の支持層到達を確認した後に、
試験杭の施工で決定された打撃エネルギーで前記杭を打撃する打撃ステップを有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の打撃工法の施工管理方法。
【請求項6】
打撃工法の施工管理システムであって、
杭の外周面に設けられた格子柄部を撮影する、撮影手段と、
前記撮影手段の撮影結果から、サンプリングモアレ法を用いて、前記杭の一打撃ごとの貫入量及びリバウンド量、所定深度あたりの打撃回数を算出する、算出手段と、
前記算出手段で算出された貫入量及びリバウンド量を、前記杭の貫入深度に対してプロットした管理図を作成する、管理図作成手段と、
前記算出手段で算出された所定深度あたりの打撃回数を、前記杭の貫入深度に対してプロットした打撃回数図を作成する、打撃回数図作成手段と、
を有することを特徴とする打撃工法の施工管理システム。
【請求項7】
更に、前記管理図と前記打撃回数図に基づいて、前記杭の支持層到達を判定する、支持層到達判定手段を有することを特徴とする請求項6に記載の打撃工法の施工管理システム。
【請求項8】
前記支持層到達判定手段は、
試験杭が計画支持層に到達するまでの前記貫入量、前記リバウンド量及び前記所定深度あたりの打撃回数と、
前記管理図より求めた、試験杭が計画支持層に到達するまでの前記貫入量の変化傾向及び前記リバウンド量の変化傾向と、
前記打撃回数図より求めた、試験杭が計画支持層に到達するまでの前記所定深度あたりの打撃回数の変化傾向と、
を管理指標として、前記杭の支持層到達を判定することを特徴とする請求項7に記載の打撃工法の施工管理システム。
【請求項9】
更に、前記算出手段で算出された貫入量及びリバウンド量と、前記貫入量及びリバウンド量を用いて打止め管理式から求まる支持力と、に基づいて、前記杭の打ち止めを判定する、打ち止め判定手段を有することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一項に記載の打撃工法の施工管理システム。
【請求項10】
前記打ち止め判定手段は、
試験杭の打ち止め時の貫入量及びリバウンド量と、
前記打ち止め時の貫入量及びリバウンド量を用いて打止め管理式から求まる支持力と、
を管理指標として、前記杭の打ち止めを判定することを特徴とする請求項9に記載の打撃工法の施工管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、打撃工法の施工管理方法及び打撃工法の施工管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
打撃工法の施工管理として、従来から、杭の貫入量及びリバウンド量を計測して杭の支持力を確認し、杭の打ち止めを管理することが行われている。杭の貫入量及びリバウンド量を計測する方法としては、杭の周面に貼り付けた記録紙に作業員が鉛筆を突き立て、打設時に上下動する杭の変位を記録する手動計測がある。また、杭の周面に設けられた目印の動きをカメラで撮影し、撮影した目印の軌跡を解析することによって貫入量及びリバウンド量を計測する方法がある(特許文献1乃至3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-122313号公報
【特許文献2】特開平5-25826号公報
【特許文献3】特開2020-16092号公報
【発明の概要】
【0004】
しかし、手動計測は、作業員がハンマの下に立つことになるため、より万全な安全対策が必要となる。また、この方法では、計測と記録に手間がかかるため、試験杭、もしくは例えば支持層が不陸している箇所等で、一定本数ごとに施工される管理杭での記録に留まっているのが現状である。
【0005】
特許文献1乃至3の方法によれば、手動計測の問題点を解決できることが期待される。しかし、特許文献1乃至3では、支持層に到達したと予想される地点から、貫入量及びリバウンド量を計測している。そのため、杭先端が地盤の支持層に到達したことを確実に確認し、より完全な打ち止め管理を行うことが求められている。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、杭先端が地盤の支持層に到達したことを確実に確認でき、より完全な打ち止め管理を行うことができる打撃工法の施工管理方法及び施工管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の打撃工法の施工管理方法は、
打撃工法の施工管理方法であって、
杭の外周面に設けられた格子柄部を撮影する、第一の撮影ステップと、
前記第一の撮影ステップの撮影結果から、サンプリングモアレ法を用いて、前記杭の一打撃ごとの貫入量及びリバウンド量、所定深度あたりの打撃回数を算出する、第一の算出ステップと、
前記第一の算出ステップで算出された貫入量及びリバウンド量を、前記杭の貫入深度に対してプロットした管理図を作成する、管理図作成ステップと、
前記第一の算出ステップで算出された所定深度あたりの打撃回数を、前記杭の貫入深度に対してプロットした打撃回数図を作成する、打撃回数図作成ステップと、
前記管理図と前記打撃回数図に基づいて、前記杭の支持層到達を判定する、支持層到達判定ステップと、
を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の打撃工法の施工管理システムは、
打撃工法の施工管理システムであって、
杭の外周面に設けられた格子柄部を撮影する、撮影手段と、
前記撮影手段の撮影結果から、サンプリングモアレ法を用いて、前記杭の一打撃ごとの貫入量及びリバウンド量、所定深度あたりの打撃回数を算出する、算出手段と、
前記算出手段で算出された貫入量及びリバウンド量を、前記杭の貫入深度に対してプロットした管理図を作成する、管理図作成手段と、
前記算出手段で算出された所定深度あたりの打撃回数を、前記杭の貫入深度に対してプロットした打撃回数図を作成する、打撃回数図作成手段と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、杭先端が地盤の支持層に到達したことを確実に確認でき、より完全な打ち止め管理を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明に係る打撃工法の施工管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】試験杭の施工手順の一例を示すフロー図である。
【
図3】本杭の施工手順の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を用いて詳細に説明するが、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
【0012】
≪打撃工法の施工管理システム≫
本発明に係る施工管理システムは、油圧ハンマ、ドロップハンマ等により既製杭等の杭頭部を打撃して杭を打込む打撃工法の施工を管理するシステムである。本発明に係る施工管理システムは、直杭打設、斜杭打設のいずれにも適用可能である。また、本発明に係る施工管理システムは、施工管理を補助するシステムとして使用することもできる。
【0013】
図1は、本発明に係る打撃工法の施工管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
図1に示す施工管理システムは、撮影手段1とパーソナルコンピューター(PC)2を有する。
図1において、1は撮影手段、2はパーソナルコンピューター、3は算出手段、4は管理図作成手段、5は打撃回数図作成手段、6は杭打ち特性図作成手段、7は支持層到達判定手段、8は打撃エネルギー決定手段、9は支持力算定手段、10は打ち止め判定手段、11は表示手段、12は制御手段である。
【0014】
<撮影手段1>
撮影手段1は、打設杭の外周面に設けられた格子柄部を撮影する手段である。撮影手段1は、例えば500コマ/秒程度の高速撮影が可能な高速度カメラであることが好ましい。また、撮影手段1は、モアレ測定解析手段を有し、パーソナルコンピューター2へのデータ伝送機能を有するものが好ましい。具体的には、例えば、「DSMC-100A」((株)共和電業製)等のサンプリングモアレカメラ等が挙げられる。撮影手段1は、望遠レンズを備えていても良い。撮影手段1は、打設される杭から比較的離れた、例えは10mから100m程度、好ましくは15mから50m程度離れた、杭打設の影響を受けにくい位置に設置することが好ましい。
【0015】
<パーソナルコンピューター(PC)2>
パーソナルコンピューター2は、格子柄部を撮影した撮影手段1の撮影結果を算出手段3に取り込む。
【0016】
算出手段3は、撮影手段1の撮影結果から、サンプリングモアレ法を用いて、例えば
図4に示すような貫入量記録図を作成すると共に、杭の一打撃ごとの貫入量S及びリバウンド量K、更には、所定深度あたりの打撃回数を算出する。算出手段3は、複数回(例えば10回)の打撃の貫入量S及びリバウンド量Kを平均して、一打撃ごとの貫入量S及びリバウンド量Kとして算出することもできる。
【0017】
管理図作成手段4は、算出手段3で算出された一打撃ごとの貫入量S及びリバウンド量Kを、杭の貫入深度に対してプロットし、例えば
図5に示すような管理図を作成する。尚、
図5では、貫入量Sの曲線とリバウンド量Kの曲線は所定の深度で交差しているが、両曲線が交差しない場合もある。打撃回数図作成手段5は、算出手段3で算出された所定深度あたりの打撃回数を、杭の貫入深度に対してプロットし、例えば
図6に示すような打撃回数図を作成する。尚、
図6は、25cmあたりの打撃回数を示している。杭打ち特性図作成手段6は、算出手段3で算出された一打撃ごとの貫入量S及びリバウンド量Kを、打撃エネルギーに対してプロットし、例えば
図7に示すような杭打ち特性図を作成する。杭打ち特性図にプロットする各打撃エネルギーに対する貫入量S及びリバウンド量Kは、各打撃エネルギーにおいて複数回(例えば10回)の打撃の平均値でもよい。尚、
図1の施工管理システムは、杭打ち特性図作成手段6を有するが、作業員が、パーソナルコンピューター2の入力手段(不図示)を用いて算出値を入力することにより杭打ち特性図を作成する場合には、杭打ち特性図作成手段6を設けなくてもよい。
【0018】
支持層到達判定手段7は、管理図と打撃回数図に基づいて、杭の支持層到達を判定する。尚、
図1の施工管理システムは、支持層到達判定手段7を有するが、管理図と打撃回数図を表示手段11に表示して作業員が目視で支持層到達を判定する場合には、支持層到達判定手段7を設けなくてもよい。
【0019】
打撃エネルギー決定手段8は、杭打ち特性図に基づいて、リバウンド量Kがほぼ一定値になり始める打撃エネルギーを、支持層に根入れする際の打撃エネルギーとして決定する。尚、
図1の施工管理システムは、打撃エネルギー決定手段8を有するが、杭打ち特性図を表示手段11に表示して作業員が目視で打撃エネルギーを決定する場合には、打撃エネルギー決定手段8を設けなくてもよい。
【0020】
支持力算定手段9は、算出手段3で算出された一打撃ごとの貫入量及びリバウンド量を用いて、例えば、宇都・冬木の式(旧道示式)等の打止め管理式から支持力を算定する。打止め管理式から支持力を算定するために用いる貫入量S及びリバウンド量Kは、複数回(例えば10回)の打撃の平均値でもよい。打ち止め判定手段10は、算出手段3で算出された一打撃ごとの貫入量及びリバウンド量と、支持力算定手段9で算定された支持力に基づいて、杭の打ち止めを判定する。尚、
図1の施工管理システムは、支持力算定手段9と、打ち止め判定手段10を有するが、打ち止め判定をしない場合には、打ち止め判定手段10を設けなくてもよいし、支持力算定手段9と打ち止め判定手段10を設けなくてもよい。
【0021】
表示手段11は、例えばディスプレイ等であり、貫入量記録図、管理図、打撃回数図、杭打ち特性図等を、リアルタイムで表示する。
【0022】
制御手段12は、撮影手段1、算出手段3、表示手段11等を制御する。
【0023】
杭の貫入量及びリバウンド量の算出、杭の支持層到達の判定、杭の打ち止め判定の詳細については後述する。
【0024】
≪打撃工法の施工管理方法≫
以下、上述した本発明に係る施工管理システムを利用した、本発明に係る打撃工法の施工管理方法について、打ち止め判定まで行う場合を例にとり説明する。本発明に係る施工管理方法は、直杭打設、斜杭打設のいずれにも適用可能である。
【0025】
[試験杭の施工(管理指標の作成)]
まずは、地盤調査を実施した箇所またはその直近の箇所で、試験杭を施工する。ここで、試験杭とは、その現場で最初に施工する杭である。試験杭の支持層上面の位置は、地盤調査結果を元に設計で決められた支持層上面(計画支持層面)と同じと判断でき、また、試験杭の支持層は、地盤調査結果に示されている深さにあるN値、厚さの土質と同じであると判断できる。したがって、試験杭で得られた施工データは、その地盤に施工される杭を代表する施工データを表していることになり、管理指標として使用できる。試験杭の施工は、具体的には、油圧ハンマ、ドロップハンマ等により既製杭等の杭頭部を打撃して杭を打込むことにより行われる。
【0026】
<格子柄部の設置、撮影手段1の設置>
打撃を開始し、杭先端が計画支持層上面の手前の所定の位置、例えば、計画支持層上面の手前3D(D:杭径)の位置に到達したら、打撃を一旦停止する。
【0027】
打撃を一旦停止した後、打設時に露出している杭の外周面に格子柄部を設置する。防音装置を使用する場合には、防音装置の窓越しに見える位置に格子柄部を設置すればよい。格子柄部の設置方法としては、例えば、格子柄シートを杭の外周面に貼り付ける方法、杭の外周面に格子柄を描画する方法等が挙げられる。設置の容易さより、格子柄シートを杭の外周面に貼り付ける方法が好ましい。格子柄シートとしては、例えば、裏面に粘着層を有する粘着タイプ、裏面にマグネット層を有するマグネットタイプ等が挙げられ、施工地盤の固さ、杭の材質・表面状態等を勘案して、適宜決定すればよい。格子柄シートの大きさとしては特に限定されないが、例えば、幅200mm程度×高さ600mm程度の大きさが挙げられる。また、格子柄シートは、格子柄の大きさやピッチが異なる複数種類の格子柄シートを予め用意しておくことが好ましい。そして、撮影対象の格子柄部と撮影手段との間の距離や、杭の打設時における格子柄部の変位量等に応じて、適切な大きさやピッチを有する格子柄シートを選定する。
【0028】
撮影手段1は、打設される杭から比較的離れた、例えは10mから100m程度、好ましくは15mから50m程度離れた、杭打設の影響を受けにくい位置に設置する。更に、パーソナルコンピューター2を、撮影手段1の設置位置に応じた適切な位置に設置する。
【0029】
なお、格子柄部、撮影手段1は打撃開始前に設置してもよい。この場合は、打撃を一旦停止しなくてもよい。
【0030】
以下、格子柄部の撮影開始後の手順について、
図2に示すフロー図の流れに沿って説明する。
【0031】
<撮影開始(S1)>
撮影手段1で、杭の外周面に設けられた格子柄部の撮影を開始する。
【0032】
<打撃(S2)>
油圧ハンマ等を使用して杭を1回打撃する。尚、通常、打撃は複数回行われるので、各打撃の打撃エネルギーは一定とする。
【0033】
<貫入量S、リバウンド量K、所定深度あたりの打撃回数の算出(S3)>
算出手段3は、格子柄部の撮影結果から、サンプリングモアレ法を用いて、杭の一打撃ごとの貫入量S及びリバウンド量K、所定深度あたりの打撃回数を算出する。算出手段3は、複数回(例えば10回)の打撃の貫入量S及びリバウンド量Kを平均して、一打撃ごとの貫入量S及びリバウンド量Kとして算出することもできる。具体的には、打撃時に撮影手段1によって撮影された、格子柄部の撮影画像から、サンプリングモアレ法を利用して、経過時間毎の杭の変位量を算出する。このとき、撮影手段1が、杭への打撃の影響を受けない程度に離れた位置に設置されていれば、特に撮影手段1の振動の影響等は考慮せずに算出を行うことができる。そして算出手段3は、杭の変位量を経過時間に対してプロットし、例えば
図4に示すような貫入量記録図を作成してリアルタイムでパーソナルコンピューター2の表示手段11に表示すると共に、
図4に示す貫入量S、リバウンド量K、更には所定深度あたりの打撃回数を算出する。
【0034】
<管理図の作成、打撃回数図の作成(S4)>
管理図作成手段4は、S3で算出された貫入量S及びリバウンド量Kを、杭の貫入深度に対してプロットし、例えば
図5に示すような管理図を作成する。管理図はリアルタイムで、パーソナルコンピューター2の表示手段11に表示される。
【0035】
また、打撃回数図作成手段5は、S3で算出された所定深度あたりの打撃回数を、杭の貫入深度に対してプロットし、例えば
図6に示すような打撃回数図を作成する。尚、
図6は、25cmあたりの打撃回数を示しているが、50cmあたりまたは任意区間あたりの打撃回数を示してもよい。打撃回数図はリアルタイムで、パーソナルコンピューター2の表示手段11に表示される。
【0036】
ここで得られた管理図、打撃回数図は、本杭の支持層到達判定の際に、管理指標として使用できる。
【0037】
<計画支持層への到達判定(S5)>
算出手段3は、S3で求めた貫入量Sを用いて杭の貫入深度を算出し、杭の先端が地中の計画支持層に到達したか否かを判定する。その結果、杭が計画支持層に到達したと判定した場合(YES)は、S6へ移行し、まだ杭が計画支持層に到達してないと判定した場合(NO)は、S2へ復帰する。すなわち、杭が計画支持層に達するまで、S2からS5を繰り返し実行する。
【0038】
<根入れ時の打撃エネルギーの決定(S6)>
打撃エネルギーを数段階変化させ、支持層に根入れする際の打撃エネルギーを決定する。具体的には、打撃エネルギーを数段階変化させ、S3と同様にして、各打撃エネルギーにおける一打撃ごとの貫入量Sとリバウンド量Kを算出する。杭打ち特性図作成手段6または作業員は、得られた貫入量Sとリバウンド量Kを用いて、例えば
図7に示すような杭打ち特性図を作成する。杭打ち特性図にプロットする各打撃エネルギーに対する貫入量S及びリバウンド量Kは、各打撃エネルギーにおいて複数回(例えば10回)の打撃の平均値でもよい。杭打ち特性図は、パーソナルコンピューター2の表示手段11に表示される。尚、
図7では、打撃エネルギーを、10kN・mから50kN・mの間で5段階変化させている。打撃エネルギー決定手段8または作業員が、杭打ち特性図より、リバウンド量Kがほぼ一定値になり始める打撃エネルギー、
図7では40kN・mを、支持層に根入れする際の打撃エネルギーと決定する。尚、杭の本数が多い場合等には、一定本数ごとに施工される管理杭についても杭打ち特性図を作成し、支持層に根入れする際の打撃エネルギーの確認するのがよい。
【0039】
<打撃(S7)>
S6で決定した打撃エネルギーで杭を1回打撃して、支持層へ根入れする。
【0040】
<貫入量S及びリバウンド量Kの算出(S8)>
S7の打撃の撮影結果から、S3と同様にして、貫入量S及びリバウンド量Kを算出する。
【0041】
<根入れ深さの判定(S9)>
算出手段3は、S8で求めた貫入量Sを用いて根入れ深さを算出し、所定の深度、例えば設計で定められた深度まで根入れしたか否かを判定する。その結果、所定の深度まで根入れしたと判定した場合(YES)は、S10へ移行し、まだ所定の深度まで根入れしていないと判定した場合(NO)は、S7へ復帰する。すなわち、所定の深度まで根入れするまで、S7からS9を繰り返し実行する。
【0042】
<支持力の算出(S10)>
支持力算定手段9は、S8で算出した、所定の深度まで根入れしたと判定された時の貫入量Sとリバウンド量Kを用いて、打止め管理式から支持力を求める。打ち止め管理式としては、例えば、宇都・冬木の式(旧道示式)、ハイリーの簡略式、5S式(旧建設省告示式)、これらの式において係数を考慮した式等が挙げられる。
【0043】
<終了(打ち止め)>
S10の後、試験杭の打ち止めとし、撮影を終了する。尚、打ち止めの最終判断は、S10で算出された支持力等に基づき、必要に応じて関係者間の協議を経た上で、責任者が行うことが好ましい。S10で用いた貫入量Sとリバウンド量K、S10で算出した支持力、即ち、試験杭の打ち止め時の貫入量S、リバウンド量K、支持力は、本杭の打ち止め判定の際に、管理指標として使用できる。
【0044】
[本杭の施工管理]
試験杭の施工後に本杭を施工する。ここで、本杭とは、その現場で二番目以降に施工する杭である。本杭の施工も、試験杭と同様に、油圧ハンマ等により杭頭部を打撃して杭を打込むことにより行われる。
【0045】
まずは、打撃を開始し、杭先端が計画支持層上面の手前の所定の位置、例えば、計画支持層上面の手前3D(D:杭径)の位置に到達したら、打撃を一旦停止する。その後、試験杭の施工と同様にして、格子柄部と撮影手段1を設置する。試験杭の施工と同様、格子柄部、撮影手段1は打撃開始前に設置してもよく、この場合は打撃を一旦停止しなくてもよい。
【0046】
以下、格子柄部の撮影開始後の手順について、
図3に示すフロー図の流れに沿って説明する。
【0047】
<撮影開始(S21)>
撮影手段1で、杭の外周面に設けられた格子柄部の撮影を開始する。
【0048】
<打撃(S22)>
油圧ハンマ等を使用して、試験杭と同じ打撃エネルギー、即ちS2と同じ打撃エネルギーで杭を1回打撃する。
【0049】
<貫入量S、リバウンド量K、所定深度あたりの打撃回数の算出(S23:第一の算出ステップ)>
S22の打撃の撮影(第一の撮影ステップ)結果から、S3と同様にして、貫入量S、リバウンド量K、所定深度あたりの打撃回数を算出する。
【0050】
<管理図及び打撃回数図の作成(S24:管理図作成ステップ、打撃回数図作成ステップ)>
S23の算出結果から、S4と同様にして、管理図及び打撃回数図を作成する。
【0051】
<支持層到達判定(S25:支持層到達判定ステップ)>
S24で作成した管理図と打撃回数図に基づいて、杭の先端が地中の支持層に到達したか否かを判定する。具体的には、下記要素1-4を、それぞれ対応する下記管理指標1-4と比較する。比較は、支持層到達判定手段7が行ってもよいし、表示手段11に表示された各要素に基づいて、作業員が目視により行ってもよい。
【0052】
(要素)
要素1:S23で算出した貫入量S、リバウンド量K。
要素2:S23で算出した所定深度あたりの打撃回数。
要素3:S24で作成した管理図より求めた、貫入量Sの変化傾向及びリバウンド量Kの変化傾向。
要素4:S24で作成した打撃回数図より求めた、所定深度あたりの打撃回数の変化傾向。
【0053】
(管理指標)
管理指標1:試験杭が計画支持層に到達した時の貫入量S、リバウンド量K。
管理指標2:試験杭が計画支持層に到達した時の所定深度あたりの打撃回数。
管理指標3:S4で作成した管理図より求めた、試験杭が計画支持層に到達するまでの貫入量Sの変化傾向及びリバウンド量Kの変化傾向。
管理指標4:S4で作成した打撃回数図より求めた、試験杭が計画支持層に到達するまでの所定深度あたりの打撃回数の変化傾向。
【0054】
そして、各要素と、対応する管理指標がほぼ同等であれば、杭が支持層に到達したと判定する。その結果、杭が支持層に到達したと判定した場合(YES)は、S26へ移行し、まだ杭が支持層に到達してないと判定した場合(NO)は、S22へ復帰する。すなわち、杭が支持層に達するまで、S22からS25を繰り返し実行する。尚、支持層到達の最終判断は、各要素と対応する管理指標との比較結果に基づき、必要に応じて関係者間の協議を経た上で、責任者が行うことが好ましい。
【0055】
<打撃(S26:打撃ステップ)>
S6で決定した根入れ時の打撃エネルギーで杭を1回打撃して、支持層へ根入れする。
【0056】
<貫入量S及びリバウンド量Kの算出(S27:第二の算出ステップ)>
S22の打撃の撮影(第二の撮影ステップ)結果から、S23と同様にして、貫入量S及びリバウンド量Kを算出する。
【0057】
<根入れ深さの判定(S28)>
S27で求めた貫入量Sを用いてS9と同様にして、所定の深度まで根入れしたか否かを判定する。その結果、所定の深度まで根入れしたと判定した場合(YES)は、S29へ移行し、まだ所定の深度まで根入れしていないと判定した場合(NO)は、S26へ復帰する。すなわち、所定の深度まで根入れするまで、S26からS28を繰り返し実行する。
【0058】
<支持力の算出(S29)>
S27で算出した、所定の深度まで根入れしたと判定された時の貫入量Sとリバウンド量Kを用いて、S10と同様にして、支持力を算出する。
【0059】
<打ち止め判定(S30:打ち止め判定ステップ)>
S29で用いた貫入量S及びリバウンド量Kと、S29で算出した支持力とに基づいて、打ち止めするか否かを判定する。具体的には、下記要素11-12を、それぞれ対応する下記管理指標11-12と比較する。比較は、打ち止め判定手段10が行ってもよいし、表示手段11に表示された各要素に基づいて、作業員が目視により行ってもよい。作業員が比較する場合には、表示手段11に、例えば、
図4に示すような貫入量記録図と、各要素を含む必要情報を表示してもよい。
【0060】
(要素)
要素11:S29で用いた貫入量S及びリバウンド量K。
要素12:S29で算出した支持力。
【0061】
(管理指標)
管理指標11:S10で用いた貫入量S及びリバウンド量K。
管理指標12:S10で算出した支持力。
【0062】
そして、各要素と、対応する管理指標がほぼ同等であれば、打ち止めと判定し、撮影を終了する。その結果、打ち止めと判定した場合(YES)は、施工を終了し、打ち止めしないと判定した場合(NO)は、S26へ復帰する。すなわち、打ち止めと判定されるまで、S26からS29を繰り返し実行する。尚、打ち止めの最終判断は、各要素と対応する管理指標との比較結果に基づき、必要に応じて関係者間の協議を経た上で、責任者が行うことが好ましい。
【符号の説明】
【0063】
1:撮影手段、2:パーソナルコンピューター、3:算出手段、4:管理図作成手段、5:打撃回数図作成手段、6:杭打ち特性図作成手段、7:支持層到達判定手段、8:打撃エネルギー決定手段、9:支持力算定手段、10:打ち止め判定手段、11:表示手段、12:制御手段
【手続補正書】
【提出日】2021-06-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
打撃工法の施工管理方法であって、
杭の外周面に設けられた格子柄部を撮影する、第一の撮影ステップと、
前記第一の撮影ステップの撮影結果から、サンプリングモアレ法を用いて、前記杭の一打撃ごとの貫入量及びリバウンド量、所定深度あたりの打撃回数を算出する、第一の算出ステップと、
前記第一の算出ステップで算出された貫入量及びリバウンド量を、前記杭の貫入深度に対してプロットした管理図を作成する、管理図作成ステップと、
前記第一の算出ステップで算出された所定深度あたりの打撃回数を、前記杭の貫入深度に対してプロットした打撃回数図を作成する、打撃回数図作成ステップと、
前記管理図と前記打撃回数図に基づいて、前記杭の支持層到達を判定する、支持層到達判定ステップと、
を有し、
前記支持層到達判定ステップは、
試験杭が計画支持層に到達した時の前記貫入量、前記リバウンド量及び前記所定深度あたりの打撃回数と、
前記管理図より求めた、試験杭が計画支持層に到達するまでの前記貫入量の変化傾向及び前記リバウンド量の変化傾向と、
前記打撃回数図より求めた、試験杭が計画支持層に到達するまでの前記所定深度あたりの打撃回数の変化傾向と、
を管理指標として、前記杭の支持層到達を判定するステップであることを特徴とする打撃工法の施工管理方法。
【請求項2】
前記杭の支持層到達を確認した後に、
前記格子柄部を撮影する、第二の撮影ステップと、
前記第二の撮影ステップの撮影結果から、サンプリングモアレ法を用いて、前記杭の一打撃ごとの貫入量及びリバウンド量を算出する、第二の算出ステップと、
前記第二の算出ステップで算出された貫入量及びリバウンド量と、前記貫入量及びリバウンド量を用いて打止め管理式から求まる支持力と、に基づいて、前記杭の打ち止めを判定する、打ち止め判定ステップと、
を有することを特徴とする請求項1に記載の打撃工法の施工管理方法。
【請求項3】
前記打ち止め判定ステップは、
試験杭の打ち止め時の貫入量及びリバウンド量と、
前記打ち止め時の貫入量及びリバウンド量を用いて打止め管理式から求まる支持力と、
を管理指標として、前記杭の打ち止めを判定するステップであることを特徴とする請求項2に記載の打撃工法の施工管理方法。
【請求項4】
前記杭の支持層到達を確認した後に、
試験杭の施工で決定された打撃エネルギーで前記杭を打撃する打撃ステップを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の打撃工法の施工管理方法。
【請求項5】
打撃工法の施工管理システムであって、
杭の外周面に設けられた格子柄部を撮影する、撮影手段と、
前記撮影手段の撮影結果から、サンプリングモアレ法を用いて、前記杭の一打撃ごとの貫入量及びリバウンド量、所定深度あたりの打撃回数を算出する、算出手段と、
前記算出手段で算出された貫入量及びリバウンド量を、前記杭の貫入深度に対してプロットした管理図を作成する、管理図作成手段と、
前記算出手段で算出された所定深度あたりの打撃回数を、前記杭の貫入深度に対してプロットした打撃回数図を作成する、打撃回数図作成手段と、
を有し、
更に、前記管理図と前記打撃回数図に基づいて、前記杭の支持層到達を判定する、支持層到達判定手段を有し、
前記支持層到達判定手段は、
試験杭が計画支持層に到達するまでの前記貫入量、前記リバウンド量及び前記所定深度あたりの打撃回数と、
前記管理図より求めた、試験杭が計画支持層に到達するまでの前記貫入量の変化傾向及び前記リバウンド量の変化傾向と、
前記打撃回数図より求めた、試験杭が計画支持層に到達するまでの前記所定深度あたりの打撃回数の変化傾向と、
を管理指標として、前記杭の支持層到達を判定することを特徴とする打撃工法の施工管理システム。
【請求項6】
更に、前記算出手段で算出された貫入量及びリバウンド量と、前記貫入量及びリバウンド量を用いて打止め管理式から求まる支持力と、に基づいて、前記杭の打ち止めを判定する、打ち止め判定手段を有することを特徴とする請求項5に記載の打撃工法の施工管理システム。
【請求項7】
前記打ち止め判定手段は、
試験杭の打ち止め時の貫入量及びリバウンド量と、
前記打ち止め時の貫入量及びリバウンド量を用いて打止め管理式から求まる支持力と、
を管理指標として、前記杭の打ち止めを判定することを特徴とする請求項6に記載の打撃工法の施工管理システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明の打撃工法の施工管理方法は、
打撃工法の施工管理方法であって、
杭の外周面に設けられた格子柄部を撮影する、第一の撮影ステップと、
前記第一の撮影ステップの撮影結果から、サンプリングモアレ法を用いて、前記杭の一打撃ごとの貫入量及びリバウンド量、所定深度あたりの打撃回数を算出する、第一の算出ステップと、
前記第一の算出ステップで算出された貫入量及びリバウンド量を、前記杭の貫入深度に対してプロットした管理図を作成する、管理図作成ステップと、
前記第一の算出ステップで算出された所定深度あたりの打撃回数を、前記杭の貫入深度に対してプロットした打撃回数図を作成する、打撃回数図作成ステップと、
前記管理図と前記打撃回数図に基づいて、前記杭の支持層到達を判定する、支持層到達判定ステップと、
を有し、
前記支持層到達判定ステップは、
試験杭が計画支持層に到達した時の前記貫入量、前記リバウンド量及び前記所定深度あたりの打撃回数と、
前記管理図より求めた、試験杭が計画支持層に到達するまでの前記貫入量の変化傾向及び前記リバウンド量の変化傾向と、
前記打撃回数図より求めた、試験杭が計画支持層に到達するまでの前記所定深度あたりの打撃回数の変化傾向と、
を管理指標として、前記杭の支持層到達を判定するステップであることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
また、本発明の打撃工法の施工管理システムは、
打撃工法の施工管理システムであって、
杭の外周面に設けられた格子柄部を撮影する、撮影手段と、
前記撮影手段の撮影結果から、サンプリングモアレ法を用いて、前記杭の一打撃ごとの貫入量及びリバウンド量、所定深度あたりの打撃回数を算出する、算出手段と、
前記算出手段で算出された貫入量及びリバウンド量を、前記杭の貫入深度に対してプロットした管理図を作成する、管理図作成手段と、
前記算出手段で算出された所定深度あたりの打撃回数を、前記杭の貫入深度に対してプロットした打撃回数図を作成する、打撃回数図作成手段と、
を有し、
更に、前記管理図と前記打撃回数図に基づいて、前記杭の支持層到達を判定する、支持層到達判定手段を有し、
前記支持層到達判定手段は、
試験杭が計画支持層に到達するまでの前記貫入量、前記リバウンド量及び前記所定深度あたりの打撃回数と、
前記管理図より求めた、試験杭が計画支持層に到達するまでの前記貫入量の変化傾向及び前記リバウンド量の変化傾向と、
前記打撃回数図より求めた、試験杭が計画支持層に到達するまでの前記所定深度あたりの打撃回数の変化傾向と、
を管理指標として、前記杭の支持層到達を判定することを特徴とする。