(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022083769
(43)【公開日】2022-06-06
(54)【発明の名称】窓開閉システム
(51)【国際特許分類】
E05F 11/04 20060101AFI20220530BHJP
【FI】
E05F11/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020195291
(22)【出願日】2020-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】503428703
【氏名又は名称】オイレスECO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108442
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義孝
(72)【発明者】
【氏名】大石 守
(72)【発明者】
【氏名】平塚 鉄也
【テーマコード(参考)】
2E050
【Fターム(参考)】
2E050NA03
2E050QA02
2E050QB03
2E050QC02
2E050QD02
2E050QE02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】窓本体を閉鎖状態から開放状態、開放状態から閉鎖状態にスムースに旋回させて窓本体を容易に開放、閉鎖することができる窓開閉システムを提供する。
【解決手段】スライダー20をガイドライン19の下端から上方へスライドさせて牽引チェーンを上下方向上方へ作動させ、牽引チェーンに係合するスプロケットの回転によって第1及び第2ローラーを回転させて第1及び第2ワイヤを一方向へ繰り出し、初動時に第1及び第2蹴り出しばねの蹴り出し力を利用して窓本体13a,13bに旋回力を付与しつつ窓本体13a,13bを閉鎖状態から開放状態に旋回させ、スライダー20をガイドライン19の上端から下方へスライドさせて牽引チェーンを下方へ作動させ、スプロケットの回転によって第1及び第2ローラーを回転させて第1及び第2ワイヤを他方向へ引っ張って窓本体13a,13bを開放状態から閉鎖状態に旋回させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓フレームに回転可能に設置された回転端部を中心に自由端部が上下方向へ旋回する窓本体と、前記窓本体の自由端部に連結されて該窓本体を閉鎖状態から開放状態に旋回させつつ該開放状態から該閉鎖状態に旋回させるワイヤと、前記窓本体を閉鎖状態から開放状態に旋回させるために前記ワイヤを一方向へ繰り出すとともに、該窓本体を開放状態から閉鎖状態に旋回させるために該ワイヤを他方向へ引っ張るワイヤ作動手段とを備えた窓開閉システムであって、
前記窓本体を閉鎖状態から開放状態に旋回させる初動時に該窓本体に旋回力を付与する蹴り出し手段が、前記窓フレームと前記窓本体とのうちのいずれか一方に設置され、前記ワイヤ作動手段が、前記窓フレームの下方に位置して上下方向へ延びるガイドラインと、前記ガイドラインに沿って上下方向へスライドするスライダーと、前記スライダーに連結されて該スライダーの上下方向のスライドに伴って上下動する牽引部材と、前記牽引部材の上下動に伴って回転し、前記ワイヤを巻き取るとともに該ワイヤを繰り出す回転機構とから形成され、
前記窓開閉システムは、前記スライダーを前記ガイドラインにおいて上下方向へスライドさせて前記牽引部材を上下方向へ作動させ、前記回転機構を回転させつつ前記ワイヤを一方向へ繰り出し、前記初動時に前記蹴り出し手段の蹴り出し力を利用して前記窓本体に旋回力を付与しつつ該窓本体を閉鎖状態から開放状態に旋回させ、又は、前記スライダーを前記ガイドラインにおいて上下方向へスライドさせて前記牽引部材を上下方向へ作動させ、前記回転機構を回転させつつ前記ワイヤを他方向へ引っ張って前記窓本体を開放状態から閉鎖状態に旋回させることを特徴とする窓開閉システム。
【請求項2】
スライダーの上下動の具体例(実施例の態様)
前記窓開閉システムは、前記スライダーを前記ガイドラインの下端から上下方向上方へスライドさせて前記牽引部材を上下方向上方へ作動させ、前記回転機構を回転させつつ前記ワイヤを一方向へ繰り出し、前記初動時に前記蹴り出し手段の蹴り出し力を利用して前記窓本体に旋回力を付与しつつ該窓本体を閉鎖状態から開放状態に旋回させ、前記スライダーを前記ガイドラインの上端から上下方向下方へスライドさせて前記牽引部材を上下方向下方へ作動させ、前記回転機構を回転させつつ前記ワイヤを他方向へ引っ張って前記窓本体を開放状態から閉鎖状態に旋回させる請求項1に記載の窓開閉システム。
【請求項3】
前記蹴り出し手段が、前記窓本体の自由端部が閉鎖位置から開放位置に旋回する初動時に該窓本体に旋回力を付与する蹴り出しばねであり、前記窓フレームが、上下方向へ離間対向して横方向へ延びる上方フレーム及び下方フレームと、横方向へ離間対向して上下方向へ延びる第1及び第2側方フレームとから形成され、前記窓本体が、前記下方フレームに回転可能に設置されて前記閉鎖状態において該下方フレームに気密に密着する前記回転端部と、閉鎖動作において前記上方フレームに気密に密着する閉鎖位置に旋回しつつ開放動作において上下方向下方の開放位置に旋回する前記自由端部と、横方向へ離間対向して上下方向へ延びる第1及び第2側部とを有し、一対の前記蹴り出しばねが、前記第1及び第2側方フレーム又は前記第1及び第2側部に設置され、前記窓開閉システムは、前記窓本体の自由端部が閉鎖位置から開放位置に旋回する初動時にそれら蹴り出しばねの反発力によって旋回力が付与されて旋回しつつ、前記初動時を除く旋回過程において前記窓本体の自重によって該窓本体の自由端部が上下方向下方へ自動的に旋回し、前記窓本体の自由端部が閉鎖位置に旋回する前にそれら蹴り出しばねの反発力に抗して前記自由端部が上下方向上方へ旋回する請求項1又は請求項2に記載の窓開閉システム。
【請求項4】
前記牽引部材が、前記スライダーに一端部が連結されて該スライダーの上下方向のスライドに伴って上下動する牽引チェーンであり、前記回転機構が、前記窓フレームに回転可能に設置されて横方向へ延びるロッドと、前記ロッドの一方に形成されて前記牽引チェーンが係合し、該牽引チェーンの上下動に伴って回転するスプロケットと、前記ロッドの他方に形成されて前記ワイヤが連結され、前記スプロケットの回転に伴って前記ワイヤを繰り出すとともに該ワイヤを巻き取るローラーとから形成されている請求項1ないし請求項3いずれかに記載の窓開閉システム。
【請求項5】
前記回転機構が、前記ロッドの他方に設置されて巻き方向又は巻き方向とは逆方向へねじれた場合、ねじれた角度に比例する反対方向へトルクを発現するトーションスプリングを含み、前記窓開閉システムは、前記ワイヤを繰り出す方向へ前記ロッドが回転したときに前記トーションスプリングが巻き方向又は巻き方向とは逆方向へねじれ、前記トーションスプリングが前記ワイヤを引っ張る方向へトルクを発現し、前記トーションスプリングのトルクによって前記ローラーへのワイヤの巻取りが助長される請求項4に記載の窓開閉システム。
【請求項6】
前記窓開閉システムが、前記窓フレームを形成する第1側方フレームと第2側方フレームとのうちのいずれか一方から下方へ延びる架設ユニットを含み、前記ガイドラインが、前記架設ユニットに形成され、前記窓フレームの下方に位置して上下方向へ延びている請求項3ないし請求項5いずれかに記載の窓開閉システム。
【請求項7】
前記架設ユニットが、互いに対向して上下方向へ延びる第1ガイドプレート及び第2ガイドプレートと、前記第1及び第2ガイドプレートの間に位置して上下方向へ延びるベースプレートとから形成され、前記牽引チェーンを上下動可能に収容する第1チェーン収容スペースが、前記第1ガイドプレートの側に形成されて上下方向へ延びているとともに、前記牽引チェーンを上下動可能に収容する第2チェーン収容スペースが、前記第2ガイドプレートの側に形成されて上下方向へ延びている請求項6に記載の窓開閉システム。
【請求項8】
前記ワイヤ作動手段が、前記スライダーを上下方向下方へスライドさせて該スライダーが前記ガイドラインの下端に位置したときに、前記牽引チェーンに緊張力を付与しつつ前記スライダーのスライドをロックするロック機構を含む請求項4ないし請求項7いずれかに記載の窓開閉システム。
【請求項9】
前記ロック機構が、前記ガイドラインの下端に形成された係合カムと、前記スライダーの下端に回転可能に設置され、該スライダーの下端に位置する回転基端部に係合ピンを有して該係合ピンが係合カムの外周縁を移動する旋回レバーとから形成され、前記窓開閉システムは、前記スライダーを前記ガイドラインの下端に移動させた後、前記旋回レバーを正逆いずれか一方に回転させ、前記係合ピンを前記係合カムの外周縁に沿って所定のロック位置に移動させることで、前記牽引チェーンに緊張力を付与した状態で前記スライダーのスライドがロックされ、前記スライダーのスライドがロックされた状態で前記旋回レバーを正逆いずれか他方に回転させ、前記係合ピンを前記係合カムの外周縁に沿って所定のロック解除位置に移動させることで、前記スライダーのスライドが可能となる請求項8に記載の窓開閉システム。
【請求項10】
前記窓開閉システムが、前記ガイドラインの所定の箇所に装脱可能に設置されて前記スライダーの上下方向へのスライドを停止させるストッパーを含み、前記窓開閉システムは、前記ガイドラインにおける前記ストッパーの設置位置を調節することで、前記ガイドラインの下端からの前記スライダーの上下方向へのスライド距離を調節可能であり、前記窓本体の自由端部の前記上方フレームから下方への旋回角度を調節可能である請求項1ないし請求項9いずれかに記載の窓開閉システム。
【請求項11】
前記窓開閉システムが、前記スライダーに設置されて該スライダーを前記ガイドラインの所定の箇所に固定する固定手段を含み、前記窓開閉システムは、前記スライダーを前記ガイドラインにおいて上下方向へスライドさせる過程において前記固定手段を利用して該スライダーを該ガイドラインの所定の箇所で固定可能であり、前記窓本体の自由端部を前記上方フレームから下方へ任意の角度で旋回させた状態で該窓本体を開放可能である請求項1ないし請求項9いずれかに記載の窓開閉システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓開閉システムに関し、更に詳細には、排煙窓に好適に使用される窓開閉システムに関する。
【背景技術】
【0002】
窓枠に対して変位可能に組み付けられた障子(窓本体)と、その障子を開閉作動させるハンドルボックスとを備えた窓開閉装置が開示されている(特許文献1参照)。ハンドルボックスは、操作者が障子を閉じる操作を行う際に、操作者により回転操作されるハンドル部と、ハンドル部の操作によって発生した回転力を利用して障子を閉じる向きに変位させる開閉機構と、ハンドル部の操作によって発生した回転力が入力される入力部とを有し、粘性流体の粘性抵抗を利用して回転力を開閉機構に伝達する流体継手とを備えている。流体継手は、粘性流体が封入されて開閉機構に回転力を出力する出力軸が設けられたケーシングと、ケーシング内に回転可能に収納されて入力部に入力された回転力を受けて回転する回転体を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に開示の窓開閉装置は、開放状態にある障子(窓本体)を閉じる場合、操作者がワイヤを巻き取る向きに巻取ハンドルを回転させる。巻取ハンドルを回転させる操作は、巻取ハンドルを何回も回転させなければならず、操作者にとってその閉鎖作業が煩わしく、開放状態にある障子の閉鎖に手間と時間とを要する。又、巻取ハンドルが窓から離間した位置に設置され、巻取ハンドルの操作中に窓の開閉状態がわかりづらい場合、どこまで巻取ハンドルを回転させれば障子が閉鎖されたかが分かり難く、障子を完全に閉鎖させる途中でハンドルの回転を止め、障子の閉鎖が不完全な状態で放置される場合がある。
【0005】
本発明の目的は、手間と時間とを要せず、窓本体を閉鎖状態から開放状態にスムースに旋回させて窓本体を容易に開放することができ、窓本体を開放状態から閉鎖状態にスムースに旋回させて窓本体を容易に閉鎖することができる窓開閉システムを提供することにある。本発明の他の目的は、窓本体の閉鎖位置を明確に確認することができ、窓本体の閉鎖が不完全な状態で放置されることはなく、窓本体を完全な状態で確実に閉鎖することができる窓開閉システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための本発明の前提は、窓フレームに回転可能に設置された回転端部を中心に自由端部が上下方向へ旋回する窓本体と、窓本体の自由端部に連結されて窓本体を閉鎖状態から開放状態に旋回させつつ開放状態から閉鎖状態に旋回させるワイヤと、窓本体を閉鎖状態から開放状態に旋回させるためにワイヤを一方向へ繰り出すとともに、窓本体を開放状態から閉鎖状態に旋回させるためにワイヤを他方向へ引っ張るワイヤ作動手段とを備えた窓開閉システムである。
【0007】
前記前提における本発明の特徴は、窓本体を閉鎖状態から開放状態に旋回させる初動時に窓本体に旋回力を付与する蹴り出し手段が、窓フレームと窓本体とのうちのいずれか一方に設置され、ワイヤ作動手段が、窓フレームの下方に位置して上下方向へ延びるガイドラインと、ガイドラインに沿って上下方向へスライドするスライダーと、スライダーに連結されてスライダーの上下方向のスライドに伴って上下動する牽引部材と、牽引部材の上下動に伴って回転し、ワイヤを巻き取るとともにワイヤを繰り出す回転機構とから形成され、窓開閉システムは、スライダーをガイドラインにおいて上下方向へスライドさせて牽引部材を上下方向へ作動させ、回転機構を回転させつつワイヤを一方向へ繰り出し、初動時に蹴り出し手段の蹴り出し力を利用して窓本体に旋回力を付与しつつ窓本体を閉鎖状態から開放状態に旋回させ、又は、スライダーをガイドラインにおいて上下方向へスライドさせて牽引部材を上下方向へ作動させ、回転機構を回転させつつワイヤを他方向へ引っ張って窓本体を開放状態から閉鎖状態に旋回させることにある。
【0008】
本発明の一例として、窓開閉システムは、スライダーをガイドラインの下端から上下方向上方へスライドさせて牽引部材を上下方向上方へ作動させ、回転機構を回転させつつワイヤを一方向へ繰り出し、初動時に蹴り出し手段の蹴り出し力を利用して窓本体に旋回力を付与しつつ窓本体を閉鎖状態から開放状態に旋回させ、スライダーをガイドラインの上端から上下方向下方へスライドさせて牽引部材を上下方向下方へ作動させ、回転機構を回転させつつワイヤを他方向へ引っ張って窓本体を開放状態から閉鎖状態に旋回させる。
【0009】
本発明の他の一例としては、蹴り出し手段が、窓本体の自由端部が閉鎖位置から開放位置に旋回する初動時に窓本体に旋回力を付与する蹴り出しばねであり、窓フレームが、上下方向へ離間対向して横方向へ延びる上方フレーム及び下方フレームと、横方向へ離間対向して上下方向へ延びる第1及び第2側方フレームとから形成され、窓本体が、下方フレームに回転可能に設置されて閉鎖状態において下方フレームに気密に密着する回転端部と、閉鎖動作において上方フレームに気密に密着する閉鎖位置に旋回しつつ開放動作において上下方向下方の開放位置に旋回する自由端部と、横方向へ離間対向して上下方向へ延びる第1及び第2側部とを有し、一対の蹴り出しばねが、第1及び第2側方フレーム又は第1及び第2側部に設置され、窓開閉システムは、窓本体の自由端部が閉鎖位置から開放位置に旋回する初動時にそれら蹴り出しばねの反発力によって旋回力が付与されて旋回しつつ、初動時を除く旋回過程において窓本体の自重によって窓本体の自由端部が上下方向下方へ自動的に旋回し、窓本体の自由端部が閉鎖位置に旋回する前にそれら蹴り出しばねの反発力に抗して自由端部が上下方向上方へ旋回する。
【0010】
本発明の他の一例としては、牽引部材が、スライダーに一端部が連結されてスライダーの上下方向のスライドに伴って上下動する牽引チェーンであり、回転機構が、窓フレームに回転可能に設置されて横方向へ延びるロッドと、ロッドの一方に形成されて牽引チェーンが係合し、牽引チェーンの上下動に伴って回転するスプロケットと、ロッドの他方に形成されてワイヤが連結され、スプロケットの回転に伴ってワイヤを繰り出すとともにワイヤを巻き取るローラーとから形成されている。
【0011】
本発明の他の一例としては、回転機構が、ロッドの他方に設置されて巻き方向又は巻き方向とは逆方向へねじれた場合、ねじれた角度に比例する反対方向へトルクを発現するトーションスプリングを含み、窓開閉システムは、ワイヤを繰り出す方向へロッドが回転したときにトーションスプリングが巻き方向又は巻き方向とは逆方向へねじれ、トーションスプリングがワイヤを引っ張る方向へトルクを発現し、トーションスプリングのトルクによってローラーへのワイヤの巻取りが助長される。
【0012】
本発明の他の一例としては、窓開閉システムが、窓フレームを形成する第1側方フレームと第2側方フレームとのうちのいずれか一方から下方へ延びる架設ユニットを含み、ガイドラインが、架設ユニットに形成され、窓フレームの下方に位置して上下方向へ延びている。
【0013】
本発明の他の一例としては、架設ユニットが、互いに対向して上下方向へ延びる第1ガイドプレート及び第2ガイドプレートと、第1及び第2ガイドプレートの間に位置して上下方向へ延びるベースプレートとから形成され、牽引チェーンを上下動可能に収容する第1チェーン収容スペースが、第1ガイドプレートの側に形成されて上下方向へ延びているとともに、牽引チェーンを上下動可能に収容する第2チェーン収容スペースが、第2ガイドプレートの側に形成されて上下方向へ延びている。
【0014】
本発明の他の一例としては、ワイヤ作動手段が、スライダーを上下方向下方へスライドさせてスライダーがガイドラインの下端に位置したときに、牽引チェーンに緊張力を付与しつつスライダーのスライドをロックするロック機構を含む。
【0015】
本発明の他の一例としては、ロック機構が、ガイドラインの下端に形成された係合カムと、スライダーの下端に回転可能に設置され、スライダーの下端に位置する回転基端部に係合ピンを有して係合ピンが係合カムの外周縁を移動する旋回レバーとから形成され、窓開閉システムは、スライダーをガイドラインの下端に移動させた後、旋回レバーを正逆いずれか一方に回転させ、係合ピンを係合カムの外周縁に沿って所定のロック位置に移動させることで、牽引チェーンに緊張力を付与した状態でスライダーのスライドがロックされ、スライダーのスライドがロックされた状態で旋回レバーを正逆いずれか他方に回転させ、係合ピンを係合カムの外周縁に沿って所定のロック解除位置に移動させることで、スライダーのスライドが可能となる。
【0016】
本発明の他の一例としては、窓開閉システムが、ガイドラインの所定の箇所に装脱可能に設置されてスライダーの上下方向へのスライドを停止させるストッパーを含み、窓開閉システムは、ガイドラインにおけるストッパーの設置位置を調節することで、ガイドラインの下端からのスライダーの上下方向へのスライド距離を調節可能であり、窓本体の自由端部の上方フレームから下方への旋回角度を調節可能である。
【0017】
本発明の他の一例としては、窓開閉システムが、スライダーに設置されてスライダーをガイドラインの所定の箇所に固定する固定手段を含み、窓開閉システムは、スライダーをガイドラインにおいて上下方向へスライドさせる過程において固定手段を利用してスライダーをガイドラインの所定の箇所で固定可能であり、窓本体の自由端部を上方フレームから下方へ任意の角度で旋回させた状態で窓本体を開放可能である。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る窓開閉システムによれば、スライダーをガイドラインにおいて上下方向へスライドさせて牽引部材を上下方向へ作動させて回転機構を回転させつつワイヤを一方向へ繰り出し、初動時に蹴り出し手段の蹴り出し力を利用して窓本体に旋回力を付与しつつ窓本体を閉鎖状態から開放状態に旋回させるから、スライダーの上下方向へのスライド操作だけで窓本体を閉鎖状態から開放状態に旋回させることができ、手間と時間とを要せず、窓本体を閉鎖状態から開放状態にスムースに旋回させて窓本体を容易に開放することができる。窓開閉システムは、スライダーをガイドラインにおいて上下方向へスライドさせて牽引部材を上下方向へ作動させて回転機構を回転させつつワイヤを他方向へ引っ張って窓本体を開放状態から閉鎖状態に旋回させるから、スライダーの上下方向へのスライド操作だけで窓本体を開放状態から閉鎖状態に旋回させることができ、手間と時間とを要せず、窓本体を開放状態から閉鎖状態にスムースに旋回させて窓本体を容易に閉鎖することができる。窓開閉システムは、初動時に蹴り出し手段の蹴り出し力を利用して窓本体に旋回力を付与するから、スライダーを上下方向へスライドさせたときに、蹴り出し手段の蹴り出し力によって窓本体を確実に旋回させることができ、窓本体を確実に開放することができる。窓開閉システムは、開放された窓本体を閉鎖する場合、従来技術のように巻取ハンドルを何回も回転させる必要はなく、スライダーを上下方向へスライドさせればよく、開放状態にある窓本体を単純なスライド操作で短時間に閉鎖することができる。
【0019】
スライダーをガイドラインの下端から上下方向上方へスライドさせて牽引部材を上下方向上方へ作動させ、回転機構を回転させつつワイヤを一方向へ繰り出し、初動時に蹴り出し手段の蹴り出し力を利用して窓本体に旋回力を付与しつつ窓本体を閉鎖状態から開放状態に旋回させ、スライダーをガイドラインの上端から上下方向下方へスライドさせて牽引部材を上下方向下方へ作動させ、回転機構を回転させつつワイヤを他方向へ引っ張って窓本体を開放状態から閉鎖状態に旋回させる窓開閉システムは、スライダーの上下方向上方へのスライド操作だけで窓本体を閉鎖状態から開放状態に旋回させることができ、手間と時間とを要せず、窓本体を閉鎖状態から開放状態にスムースに旋回させて窓本体を容易に開放することができるとともに、スライダーの上下方向下方へのスライド操作だけで窓本体を開放状態から閉鎖状態に旋回させることができ、手間と時間とを要せず、窓本体を開放状態から閉鎖状態にスムースに旋回させて窓本体を容易に閉鎖することができる。窓開閉システムは、開放された窓本体を閉鎖する場合、従来技術のように巻取ハンドルを何回も回転させる必要はなく、スライダーを上下方向下方へスライドさせればよく、開放状態にある窓本体を単純なスライド操作で短時間に閉鎖することができる。
【0020】
蹴り出し手段が窓本体の自由端部を閉鎖位置から開放位置に旋回させる初動時に窓本体に旋回力を付与する蹴り出しばねであり、窓フレームが上方フレーム及び下方フレームと第1及び第2側方フレームとから形成され、窓本体が下方フレームに回転可能に設置された回転端部と上下方向下方の開放位置に旋回する自由端部と第1及び第2側部とを有し、一対の蹴り出しばねが窓フレームの第1及び第2側方フレーム又は窓本体の第1及び第2側部に設置され、窓本体の自由端部が閉鎖位置から開放位置に旋回する初動時にそれら蹴り出しばねの反発力によって旋回力が付与されて旋回しつつ、初動時を除く旋回過程において窓本体の自重によって窓本体の自由端部が上下方向下方へ自動的に旋回し、窓本体の自由端部が閉鎖位置に旋回する前にそれら蹴り出しばねの反発力に抗して自由端部が上下方向上方へ旋回する窓開閉システムは、窓本体の自由端部が閉鎖位置から開放位置に旋回する初動時にそれら蹴り出しばねの反発力を利用して旋回しつつ、初動時を除く旋回過程において窓本体の自重によって窓本体の自由端部が上下方向下方へ自動的に旋回するから、蹴り出しばねの反発力及び窓本体の自重を利用することで、スライダーを上下方向(上下方向上方)へスライドさせたときに窓本体を確実に旋回させることができ、スライダーの上下方向(上下方向上方)へのスライド操作によって手間と時間とを要せずに窓本体を閉鎖状態から開放状態にスムースに旋回させて窓本体を容易に開放することができる。窓開閉システムは、初動時を除く旋回過程において窓本体の自重によって窓本体の自由端部が上下方向下方へ自動的に旋回することで、非常時においてスライダーのスライド操作を要せずに窓本体を一気に開放することができる。窓開閉システムは、窓本体の自由端部が閉鎖位置に旋回する前にそれら蹴り出しばねの反発力に抗して自由端部が上下方向上方へ旋回するから、窓本体を再び開放するときの初動時にそれら蹴り出しばねの反発力を再び利用して窓本体をスムースに開放することができる。
【0021】
牽引部材がスライダーに一端部が連結されてスライダーの上下方向のスライドに伴って上下動する牽引チェーンであり、回転機構が窓フレームに回転可能に設置されたロッドと牽引チェーンの上下動に伴って回転するスプロケットとスプロケットの回転に伴ってワイヤを繰り出すとともにワイヤを巻き取るローラーとから形成されている窓開閉システムは、スライダーをガイドラインの下端から上下方向(上下方向上方)へスライドさせて牽引チェーンを上下方向(上下方向上方)へ作動させ、牽引チェーンの上下方向(上下方向上方)への作動によってスプロケットを回転させてワイヤをローラーから繰り出し、窓本体を閉鎖状態から開放状態に旋回させるから、スライダーの上下方向(上下方向上方)へのスライド操作だけで窓本体を閉鎖状態から開放状態に旋回させることができ、手間と時間とを要せず、窓本体を閉鎖状態から開放状態にスムースに旋回させて窓本体を容易に開放することができる。窓開閉システムは、スライダーをガイドラインの上端から上下方向(上下方向下方)へスライドさせて牽引チェーンを上下方向(上下方向下方)へ作動させ、牽引チェーンの上下方向(上下方向下方)への作動によってスプロケットを回転させてワイヤをローラーに巻き取り、窓本体を開放状態から閉鎖状態に旋回させるから、スライダーの上下方向(上下方向下方)へのスライド操作だけで窓本体を開放状態から閉鎖状態に旋回させることができ、手間と時間とを要せず、窓本体を開放状態から閉鎖状態にスムースに旋回させて窓本体を容易に閉鎖することができる。
【0022】
回転機構がねじれた角度に比例する反対方向へトルクを発現するトーションスプリングを含み、ワイヤを繰り出す方向へロッドが回転したときにトーションスプリングが巻き方向又は巻き方向とは逆方向へねじれ、トーションスプリングがワイヤを引っ張る方向(巻き取る方向)へトルクを発現し、トーションスプリングのトルクによってローラーへのワイヤの巻取りが助長される窓開閉システムは、開放状態にある窓本体を閉鎖する場合、窓本体の自重によってスライダーを上下方向下方へスライドさせる際に力を要するが、トーションスプリングのトルクによってローラーへのワイヤの巻取りが助長されるから、トーションスプリングを利用することで、大きな力を要せずにスライダーを上下方向下方へスライドさせることができ、窓本体を開放状態から閉鎖状態にスムースに旋回させて窓本体を容易に閉鎖することができる。
【0023】
窓フレームを形成する第1側方フレームと第2側方フレームとのうちのいずれか一方から下方へ延びる架設ユニットを含み、ガイドラインが架設ユニットに形成され、窓フレームの下方に位置して上下方向へ延びている窓開閉システムは、ガイドラインを窓フレームの下方から上下方向へ延びるように架設ユニットに形成することで、スライダーに力を作用させ易い位置にスライダーが配置され、スライダーを上下方向上方や上下方向下方へ容易にスライドさせることができ、窓本体を閉鎖状態から開放状態にスムースに旋回させて窓本体を容易に開放することができるとともに、窓本体を開放状態から閉鎖状態にスムースに旋回させて窓本体を容易に閉鎖することができる。
【0024】
架設ユニットが互いに対向して上下方向へ延びる第1ガイドプレート及び第2ガイドプレートと第1及び第2ガイドプレートの間に位置して上下方向へ延びるベースプレートとから形成され、牽引チェーンを上下動可能に収容する第1チェーン収容スペースが第1ガイドプレートの側に形成されて上下方向へ延びているとともに、牽引チェーンを上下動可能に収容する第2チェーン収容スペースが第2ガイドプレートの側に形成されて上下方向へ延びている窓開閉システムは、
【0025】
牽引チェーンが第1及び第2チェーン収容スペースに上下動可能に収容されることで、スライダーをガイドラインにおいて上下方向(スライダーをガイドラインの下端から上下方向上方)へスライドさせて牽引チェーンを第1及び第2チェーン収容スペースにおいて上下方向に作動させ、牽引チェーンの作動によってスプロケットを回転させてワイヤをローラーから繰り出し、窓本体を閉鎖状態から開放状態に旋回させるから、スライダーの上下方向(上下方向上方)へのスライド操作だけで窓本体を閉鎖状態から開放状態に旋回させることができ、手間と時間とを要せず、窓本体を閉鎖状態から開放状態にスムースに旋回させて窓本体を容易に開放することができる。窓開閉システムは、スライダーをガイドラインにおいて上下方向(スライダーをガイドラインの上端から上下方向下方)へスライドさせて牽引チェーンを第1及び第2チェーン収容スペースにおいて上下方向に作動させ、牽引チェーンの作動によってスプロケットを回転させてワイヤをローラーに巻き取り、窓本体を開放状態から閉鎖状態に旋回させるから、スライダーの上下方向(上下方向下方)へのスライド操作だけで窓本体を開放状態から閉鎖状態に旋回させることができ、手間と時間とを要せず、窓本体を開放状態から閉鎖状態にスムースに旋回させて窓本体を容易に閉鎖することができる。
【0026】
スライダーを上下方向下方へスライドさせてスライダーがガイドラインの下端に位置したときに、牽引チェーンに緊張力を付与しつつスライダーのスライドをロックするロック機構を含む窓開閉システムは、ロック機構によってスライダーのスライド(上下動)をロックすることで、窓本体の閉鎖位置を明確に確認することができ、窓本体の閉鎖が不完全な状態で放置されることはなく、窓本体を完全な状態で確実に閉鎖することができる。窓開閉システムは、牽引チェーンに緊張力を付与した状態でスライダーのスライドをロックするから、牽引チェーンが緩むことはなく、窓本体を気密に閉鎖することができ、窓本体の閉鎖時における空気の通流を防ぐことができる。
【0027】
ロック機構がガイドラインの下端に形成された係合カムと、スライダーの下端に回転可能に設置され、スライダーの下端に位置する回転基端部に係合ピンを有して係合ピンが係合カムの外周縁を移動する旋回レバーとから形成され、スライダーをガイドラインの下端に移動させた後、旋回レバーを正逆いずれか一方に回転させ、係合ピンを係合カムの外周縁に沿って所定のロック位置に移動させることで、牽引チェーンに緊張力を付与した状態でスライダーのスライドがロックされ、スライダーのスライドがロックされた状態で旋回レバーを正逆いずれか他方に回転させ、係合ピンを係合カムの外周縁に沿って所定のロック解除位置に移動させることで、スライダーのスライドが可能となる窓開閉システムは、ガイドラインの下端において旋回レバーを正逆いずれか一方に回転させ、係合ピンを係合カムの外周縁に沿って所定のロック位置に移動させ、牽引チェーンに緊張力を付与しつつスライダーのスライド(上下動)をロックするから、係合ピンをロック位置に移動させることで、窓本体の閉鎖位置を明確に確認することができ、窓本体の閉鎖が不完全な状態で放置されることはなく、窓本体を完全な状態で確実に閉鎖することができる。窓開閉システムは、牽引チェーンに緊張力を付与した状態でスライダーのスライドをロックするから、牽引チェーンが緩むことはなく、窓本体を気密に閉鎖することができ、窓本体の閉鎖時における空気の通流を防ぐことができる。窓開閉システムは、スライダーのスライドがロックされた状態で旋回レバーを正逆いずれか他方に回転させ、係合ピンを係合カムの外周縁に沿って所定のロック解除位置に移動させることでロックが解除されるから、スライダーのスライドがロックされたロック状態からそのロックを容易に解除することができ、窓本体の開放を容易に行うことができる。
【0028】
ガイドラインの所定の箇所に装脱可能に設置されてスライダーの上下方向へのスライドを停止させるストッパーを含み、ガイドラインにおけるストッパーの設置位置を調節することで、ガイドラインの下端からのスライダーの上下方向へのスライド距離を調節可能であり、窓本体の回転端部の上方フレームから下方への旋回角度を調節可能である窓開閉システムは、ガイドラインにおけるストッパーの設置位置を調節することで、窓本体の回転端部の上方フレームから下方への旋回角度を調節することができるから、開放時の窓本体の開放面積を調節することができ、窓本体を通流する空気の風量を調節することができる。
【0029】
スライダーに設置されてスライダーをガイドラインの所定の箇所に固定する固定手段を含み、スライダーをガイドラインにおいて上下方向へスライドさせる過程において固定手段を利用してスライダーをガイドラインの所定の箇所で固定可能であり、窓本体の自由端部を上方フレームから下方へ任意の角度で旋回させた状態で窓本体を開放可能である窓開閉システムは、固定手段を利用してスライダーをガイドラインの所定の箇所で固定することで、窓本体の自由端部を上方フレームから下方へ任意の角度で旋回させた状態で窓本体を開放することができるから、固定手段を利用して開放時の窓本体の開放面積を調節することができ、窓本体を通流する空気の風量を調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図3】窓本体が開放された状態で示す部分拡大正面図。
【
図7】ロック機構の一例を示す架設ユニットの部分拡大図。
【
図9】回転機構の一例を示す駆動ユニットの部分拡大上面図。
【
図10】
図9から続く駆動ユニットの部分拡大上面図。
【
図11】窓本体を閉鎖した状態の窓開閉システムの部分拡大側面図。
【
図12】断面で示す
図11と同様の窓開閉システムの部分拡大側面図。
【
図13】窓本体を開放した状態の窓開閉システムの部分拡大側面図。
【
図14】断面で示す
図13と同様の窓開閉システムの部分拡大側面図。
【
図15】他の一例として示す架設ユニットの側面図。
【
図16】スライダーがストッパーに当接した状態で示す架設ユニットの側面図。
【
図17】ねじ止めによってスライダーがガイドラインの所定の箇所に固定された状態を示す架設ユニットの部分拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
一例として示す窓開閉システム10の正面図である
図1等の添付の図面を参照し、本発明に係る窓開閉システムの詳細を説明すると、以下のとおりである。尚、
図2は、窓開閉システム10の上面図であり、
図3は、窓本体13aが開放された状態で示す部分拡大正面図である。
図1,2では、上下方向を矢印X、横方向を矢印Yで示し、前後方向を矢印Zで示す。
図1では、2つの第1及び第2窓フレーム12a,12bと2つの第1及び第2窓本体13a,13bとを図示しているが、窓フレームや窓本体の数に特に限定はなく、窓フレームや窓本体が1つであってもよく、窓フレームや窓本体が3つ以上であってもよい。
【0032】
窓開閉システム10(排煙オペレーター)は、常時は空気の入れ替え用(室内換気用)として利用され、緊急時(火災発生時等)は有害な煙を排気する排煙窓として利用される。窓開閉システム10は、第1窓フレーム12a及び第2窓フレーム12bと、第1窓フレーム12aに設置された第1窓本体13a(第1障子)及び第2窓フレーム12bに設置された第2窓本体13b(第2障子)と、第1蹴り出しばね14a及び第2蹴り出しばね14bと、第1窓本体13aを旋回させる第1ワイヤ15a及び第2窓本体13bを旋回させる第2ワイヤ15bと、架設ユニット16(チェーンボックス)と、第1駆動ユニット17a及び第2駆動ユニット17bと、それらワイヤ15a,15bを作動(繰り出し又は巻き取り)させるチェーン作動手段18とを備えている。
【0033】
チェーン作動手段18は、ガイドライン19(スライドライン)、スライダー20、ロック機構21、牽引チェーン22(牽引部材)、第1回転機構23a及び第2回転機構23bから形成されている。ガイドライン19やスライダー20、ロック機構21、牽引チェーン22は、架設ユニット16に設置されている。第1回転機構23aは、第1駆動ユニット17a(
図2参照)に設置され、第2回転機構23bは、第2駆動ユニット17b(
図2参照)に設置されている。
【0034】
第1窓フレーム12a及び第2窓フレーム12bは、所定の建築物の高所(天井近傍)に施設され、横方向へ長い矩形の同形同大のそれらが横方向へ並んでいる。それら窓フレーム12a,12bは、天井近傍に設置されて横方向へ直状に延びる上方フレーム24と、上方フレーム24の下方に設置されて横方向へ直状に延びる下方フレーム25と、上下方向へ直状に延びる第1側方フレーム26a及び第2側方フレーム26bとから形成されている。
【0035】
それら窓フレーム12a,12bでは、上方フレーム24及び下方フレーム25が互いに平行するように上下方向へ離間対向し、第1側方フレーム26a及び第2側方フレーム26bが互いに平行するように横方向へ離間対向している。それら窓フレーム12a,12bでは、上下方フレーム24,25と第1及び第2側方フレーム26a,26bとが横方向へ長い矩形の同形同大の2つの窓(障子)設置空間を画成している。第1及び第2窓フレーム12a,12bの大きさや形状について特に限定はなく、その大きさや形状を自由に設計することができる。
【0036】
上下方フレーム24,25と第1及び第2側方フレーム26a,26bとは、略アングル形状(L字状)に成形されている。上方フレーム24は、窓本体13a,13bの自由端部37の直上に位置して横方向へ延びる上枠プレート27と、上枠プレート27に直交して横方向へ延びていて窓本体13a,13bの自由端部37の後面が気密に当接する上当接プレート28とを有する。下方フレーム25は、窓本体13a,13bの回転端部36の直下に位置して横方向へ延びる下枠プレート29と、下枠プレート29に直交して横方向へ延びていて窓本体13a,13bの回転端部36の後面が気密に当接する下当接プレート30とを有する。
【0037】
第1側方フレーム26aは、窓本体13a,13bの第1側部38aの側方に位置して上下方向へ延びる第1側枠プレート31と、第1側枠プレート31に直交して上下方向へ延びていて窓本体13a,13bの第1側部38aの後面が気密に当接する第1当接プレート32とを有する。第2側方フレーム26bは、窓本体13a,13bの第2側部38bの側方に位置して上下方向へ延びる第2側枠プレート33と、第2側枠プレート33に直交して上下方向へ延びていて窓本体13a,13bの第2側部38bの後面が気密に当接する第2当接プレート34とを有する。
【0038】
第1及び第2窓フレーム12a,12bには、樹脂サッシやアルミサッシ、アルミ樹脂複合サッシが使用され、既存の接続手段によってそれら窓フレーム12a,12bが壁に接続されているとともに、それら窓フレーム12a,12bどうしが接続されている。第1及び第2窓フレーム12a,12b(第1及び第2窓本体13a,13b)の直下には、窓フレームにガラス(ガラス障子)が嵌め込まれた開閉可能な窓設備35が施設されている。窓フレーム12a,12bと窓設備35とは、既存の接続手段によって接続されている。尚、第1及び第2窓フレーム12a,12b(第1及び第2窓本体13a,13b)の直下に壁が施設される場合がある。
【0039】
第1及び第2窓本体13a,13b(障子)は、第1及び第2窓フレーム12a,12bに旋回可能に取り付けられ、横方向へ長い矩形の同形同大のそれらが横方向へ並んでいる。第1及び第2窓本体13a,13bは、閉鎖状態(閉鎖位置)から開放状態(全開位置)に旋回するとともに、開放状態から閉鎖状態に旋回する。第1及び第2窓本体13a,13bの大きさや形状について特に限定はなく、第1及び第2窓フレーム12a,12bの大きさや形状に応じてその大きさや形状を自由に設計することができる。
【0040】
それら窓本体13a,13bは、窓フレーム12a,12bの下方フレーム25に回転可能に連結(設置)されて横方向へ直状に延びる回転端部36(回転フレーム)と、回転端部36から上方へ離間対向して横方向へ直状に延びる自由端部37(旋回フレーム)と、横方向へ離間対向して上下方向へ直状に延びる第1側部38a(第1側方フレーム38a)及び第2側部38b(第2側方フレーム38b)とを有する。それら自由端部37の横方向中央には、障子金具39が設置・固定されている。
【0041】
回転端部36は、窓本体13a,13bの閉鎖状態(閉鎖位置)において下方フレーム25の下当接プレート30に気密に密着し、第1及び第2側部38a,38bは、窓本体13a,13bの閉鎖状態において第1及び第2側方フレーム26a,26bの第1及び第2当接プレート32,34に気密に密着する。自由端部37は、閉鎖状態において上方フレーム24の上当接プレート28に気密に密着する閉鎖位置に旋回するとともに、開放状態において上下方向下方の全開位置に旋回する。窓本体13a,13b(回転端部36や自由端部37、第1及び第2側部38a,38bの内側)には、ガラスが嵌め込まれている。回転端部36や自由端部37、第1及び第2側部38a,38bは、樹脂サッシやアルミサッシ、アルミ樹脂複合サッシから作られている。
【0042】
第1蹴り出しばね14a(蹴り出し手段)は、窓本体13a,13bの第1側部38aに設置されて上下方向へ延びている。第2蹴り出しばね14b(蹴り出し手段)は、窓本体13a,13bの第2側部38bに設置されて上下方向へ延びている。それら蹴り出しばね14a,14bは、その上端部40が所定の接続手段によって第1及び第2側部38a,38bの上端部に接続されている。それら蹴り出しばね14a,14bは、その上端部40から下端部41に向かうにつれて第1及び第2側部38a,38bから次第に離間するように前後方向後方へ下り勾配に傾斜している。尚、それら蹴り出しばね14a,14bの下端部41が所定の接続手段によって第1及び第2側部38a,38bの下端部に接続されていてもよい。この場合、それら蹴り出しばね14a,14bは、その下端部41から上端部40に向かうにつれて第1及び第2側部38a,38bから次第に離間するように前後方向後方へ登り勾配に傾斜する。
【0043】
窓本体13a,13bの閉鎖状態では、蹴り出しばね14a,14bが第1及び第2側方フレーム26a,26bの第1及び第2当接プレート32,34に密着することで、蹴り出しばね14a,14bの反発力が第1及び第2当接プレート32,34に作用している。それら蹴り出しばね14a,14bは、その反発力によって窓本体13a,13bの自由端部37が閉鎖位置から開放位置に旋回する初動時に窓本体13a,13bの自由端部37に旋回力を付与する。
【0044】
第1蹴り出しばね14a(蹴り出し手段)が第1及び第2窓フレーム12a,12bの第1側方フレーム26aの第1当接プレート32に設置されて上下方向へ延びていてもよく、第2蹴り出しばね14b(蹴り出し手段)が第1及び第2窓フレーム12a,12bの第2側方フレーム26bの第2当接プレート34に設置されて上下方向へ延びていてもよい。この場合、それら蹴り出しばね14a,14bの上端部40が所定の接続手段によって第1及び第2当接プレート32,34の上端部に接続され、それら蹴り出しばねがその上端部40から下端部41に向かうにつれて第1及び第2側方フレーム26a,26bの第1及び第2当接プレート32,34から次第に離間するように前後方向前方へ下り勾配に傾斜する。又は、それら蹴り出しばね14a,14bの下端部41が所定の接続手段によって第1及び第2当接プレート32,34の下端部に接続され、それら蹴り出しばねがその下端部41から上端部40に向かうにつれて第1及び第2側方フレーム26a,26bの第1及び第2当接プレート32,34から次第に離間するように前後方向前方へ登り勾配に傾斜する。
【0045】
窓本体13a,13bの閉鎖状態では、蹴り出しばね14a,14bが窓本体13a,13bの第1及び第2側部38a,38bに密着することで、蹴り出しばね14a,14bの反発力が第1及び第2側部38a,38bに作用する。蹴り出しばね14a,14bが第1及び第2側部38a,38bに設置された場合と同様に、窓本体13a,13bの自由端部37の旋回初動時においてそれら蹴り出しばね(蹴り出し手段)の反発力が自由端部37に旋回力を付与する。
【0046】
第1及び第2ワイヤ15a,15bは、ステンレス鋼線や亜鉛メッキ鋼線、銅線、真鍮線、純銀線等から作られている。第1ワイヤ15aは、その先端部が第1窓本体13aの自由端部37の障子金具39に連結され、第2ワイヤ15bは、その先端部が第2窓本体13bの自由端部37の障子金具39に連結されている。それらワイヤ15a,15bは、第1及び第2窓本体13a,13bを閉鎖状態から開放状態に旋回させるとともに、それら窓本体13a,13bを開放状態から閉鎖状態に旋回させる。
【0047】
窓開閉システム10では、第1及び第2ワイヤ15a,15bが一方向(前後方向前方)へ繰り出すことで、上方フレーム24に気密に密着する第1及び第2窓本体13a,13bの自由端部37が回転端部36を中心に上下方向下方へ旋回し、それら窓本体13a,13bが閉鎖状態(閉鎖位置)から開放状態(全開位置)に旋回する(
図13参照)。第1及び第2ワイヤ15a,15bの繰り出し寸法によってそれら窓本体13a,13bの上下方向下方への旋回角度が異なり、それらワイヤ15a,15bの繰り出し寸法を調節することによって窓本体13a,13bの開放時における開放面積を調節することができる。窓開閉システム10では、第1及び第2ワイヤ15a,15bが他方向(前後方向後方)へ引き取られることで、上下方向下方へ旋回した第1及び第2窓本体13a,13bの自由端部37が回転端部36を中心に上下方向上方へ旋回し、それら窓本体13a,13bが開放状態(全開位置)から閉鎖状態(閉鎖位置)に旋回する(
図11参照)。
【0048】
図4は、一例として示す架設ユニット16の側面図であり、
図5は、架設ユニット16の部分拡大上面図である。
図6は、架設ユニット16の部分拡大斜視図であり、
図7は、ロック機構21の一例を示す架設ユニット16の部分拡大図である。
図8は、
図7から続く架設ユニット16の部分拡大図であり、
図9は、回転機構23a,23bの一例を示す駆動ユニット17a,17bの部分拡大上面図である。
図10は、
図9から続く駆動ユニット17a,17bの部分拡大上面図である。
図4では、架設ユニット16のカバープレート45を破断して示す。
図6では、係合カム72の図示を省略している。
図9,10では、窓本体13a,13bの図示を省略している。
【0049】
架設ユニット16は、アルミやステンレス、その他の合金等の金属又は合成樹脂から作られ、第1窓フレーム12aの第2側方フレーム26bから下方へ直状に延びている。尚、架設ユニット16が第1窓フレーム12aの第1側方フレーム26aから下方へ直状に延びていてもよく、架設ユニット16が第2窓フレーム12bの第1側方フレーム26aから下方へ直状に延びていてよい。又、架設ユニット17が第2窓フレーム12bの第2側方フレーム26bから下方へ直状に延びていてよい。
【0050】
架設ユニット16は、前後方向へ対向して上下方向へ延びる同形同大の第1架設プレート42及び第2架設プレート43と、第1及び第2架設プレート42,43の間に位置し、それら架設プレート42,43に直交して上下方向へ延びるベースプレート44及びカバープレート45と、第1架設プレート42の側に位置し、第1架設プレート42と並行して上下方向へ延びる第1チェーン収容スペース46(第1ガイド凹部)と、第2架設プレート43の側に位置し、第2架設プレート43と並行して上下方向へ延びる第2チェーン収容スペース47(第2ガイド凹部)とから形成されている。
【0051】
架設ユニット16では、第1及び第2架設プレート42,43とベースプレート44とが一体成型され、その断面形状がコ字状に成形されている。架設ユニット16には、それらプレート42~44に囲繞された上下方向へ長い収容スペース48が画成されている。架設ユニット16では、カバープレート45がガイドライン19の上端61から上方に延びる第1及び第2架設プレート42,43に着脱可能に設置され、架設ユニット16の収容スペース48を被覆している。架設ユニット16は、第1架設プレート42が所定の連結手段(ブラケット、ボルト及びナット、リベット、溶接等)によって第1窓フレーム12aの第2側方フレーム26aと窓設備35の窓フレームとに連結・固定されている。
【0052】
第1チェーン収容スペース46(第1ガイド凹部)は、第1架設プレート42に隣接して上下方向へ延びる第1ガイドプレート49と、第1ガイドプレート49から第2架設プレート43の側に離間して上下方向へ延びる第2ガイドプレート50と、第1及び第2ガイドプレート49,50の間に位置して上下方向へ延びる第1ガイドベースプレート51とから形成されている。第1及び第2ガイドプレート49,50は、アングル形状(L字状)に成形されている。第1及び第2ガイドプレート49,50と第1ガイドベースプレート51とは、架設ユニット16の収容スペース48に収容され、第1ガイドベースプレート51が所定の連結手段(ボルト及びナット、リベット、溶接等)によって架設ユニット16のベースプレート44に連結・固定されている。第1チェーン収容スペース46には、牽引チェーン22が上下動可能(摺動可能)に収容されている。
【0053】
第2チェーン収容スペース47(第2ガイド凹部)は、第2架設プレート43に隣接して上下方向へ延びる第3ガイドプレート52と、第3ガイドプレート52から第1架設プレート42の側に離間して上下方向へ延びる第4ガイドプレート53と、第3及び第4ガイドプレート52,53の間に位置して上下方向へ延びる第2ガイドベースプレート54とから形成されている。
【0054】
第3及び第4ガイドプレート52,53は、アングル形状(L字状)に成形されている。第3及び第4ガイドプレート52,53と第2ガイドベースプレート54とは、架設ユニット16の収容スペース48に収容され、第2ガイドベースプレート54が所定の連結手段(ボルト及びナット、リベット、溶接等)によって架設ユニット16のベースプレート44に連結・固定されている。第2チェーン収容スペース47には、牽引チェーン22が上下動可能(摺動可能)に収容されている。第1チェーン収容スペース46の第2ガイドプレート50と第2チェーン収容スペース47の第4ガイドプレート53とが連結プレート55によって連結され、第1チェーン収容スペース46と第2チェーン収容スペース47とが一体に繋がっている。
【0055】
第1及び第2駆動ユニット17a,17bは、アルミやステンレス、その他の合金等の金属から作られ、横方向へ並ぶ(隣接する)窓フレーム12a,12bの上方フレーム24に配置されて横方向へ直状に延びている。それら駆動ユニット17a,17bは、前後方向へ対向して横方向へ延びる第1プレート56及び第3プレート58と、第1及び第3プレート56,58の間に位置し、それらプレート56,58と直交して横方向へ延びる第2プレート57と、駆動ユニット17a,17bの側部及び中間に位置する軸受プレート59とから形成されている。
【0056】
第1及び第2駆動ユニット17a,17bでは、第1~第3プレート56~58が一体成型され、その断面形状がコ字状に成形されている。それら駆動ユニット17a,17bには、第1~第3プレート56~58に囲繞された横方向へ長い第1及び第2収容スペース60a,60bが画成されている。第1及び第2駆動ユニット17a,17bでは、第1プレート56が窓フレーム12a,12bの上方フレーム24に所定の連結手段(ブラケット、ボルト及びナット、リベット、溶接等)によって連結・固定されている。
【0057】
ガイドライン19は、架設ユニット15に形成され、窓本体13a,13b(第1及び第2窓フレーム12a,12b)の下方に位置し、第1窓フレーム12aを形成する第2側方フレーム26bから下方へ延びている。尚、ガイドライン19が第2窓フレーム12bの第2側方フレーム26bから下方へ延びていてもよく、第1窓フレーム12a又は第2窓フレーム12bの第1側方フレーム26aから下方へ延びていてもよい。ガイドライン19は、上下方向の長さ寸法を任意に調節(変更)することができ、スライダー20を上下動させることが容易な高さ(スライダー20を少ない力で上下動させることが容易な高さ)に設定することができる。ガイドライン19は、窓本体13a,13bの側に位置する上端61(カバープレート45の下端)と、地上の側に位置する下端63と、上端61及び下端63の間で上下方向へ延びる中間部62(移動スペース)とを有する。
【0058】
スライダー20は、アルミやステンレス、その他の合金等の金属から作られ、上下方向へ長い略板状に成形された上部プレート64と、上下方向へ長い略板状に成形されて上部プレート64の下方に位置する下部プレート65とから形成されている。スライダー20は、ガイドライン19の中間部62(移動スペース)に配置され、第1チェーン収容スペース46(第1ガイド凹部)を上下方向へ摺動することで、ガイドライン19の下端63から上端61に向かって中間部62(架設ユニット16の上下方向中央エリア)を上下方向上方へスライドするとともに、ガイドライン19の上端61から下端63に向かって中間部62(架設ユニット16の上下方向中央エリア)を上下方向下方へスライドする。
【0059】
上部プレート64の上端部には、牽引チェーン22の一端部66が連結されている。上部プレート64の下端には、プレート64に直交して前後方向へ延びる第1連結部67が一体に成形されている。下部プレート65の上端には、プレート65に直交して前後方向へ延びていて第1連結部67に対向する第2連結部68が一体に成形されている。第1及び第2連結部67,68には、後記する調節ネジのネジ部を螺着するネジ孔69(螺着孔)が形成されている。
【0060】
上部プレート64の第1連結部67及び下部プレート65の第2連結部68には、それらプレート64,65の上下方向の離間寸法を調節する調節ネジ70が設置されている。調節ネジ70は、そのネジ部71が第1及び第2連結部67,68のネジ孔69(螺着孔)に螺着されている。調節ネジ70のネジ部71には、ナットが螺着されている。
【0061】
例えば、調節ネジ70を時計回り方向(正方向)へ回転させることで、第1連結部67と第2連結部68とが次第に近接し、上部プレート64と下部プレート65との上下方向の離間寸法を短くすることができ、調節ネジ70を反時計回り方向(逆方向)へ回転させることで、第1連結部67と第2連結部68とが次第に離間し、上部プレート64と下部プレート65との上下方向の離間寸法を長くすることができる。
【0062】
図示はしていないが、スライダー20の下面に摺動駒(図示せず)が固定されていてもよい。この場合、摺動駒が架設ユニット16の第1チェーン収容スペース46(第1ガイド凹部)に摺動可能に挿入(係入)され、スライダー20がガイドライン19の中間部62(移動スペース)に配置される。摺動駒が第1チェーン収容スペース46を上下方向へ摺動することで、スライダー20がガイドライン19の下端63から上端61に向かって中間部62(架設ユニット16の上下方向中央エリア)を上下方向上方へスライドするとともに、スライダー20がガイドライン17の上端61から下端63に向かって中間部62を上下方向下方へスライドする。
【0063】
尚、ガイドライン19の中間部62(架設ユニット16の上下方向中央エリア)に延びる第1ガイドプレート49及び第4ガイドプレート53にガイドレール(ガイド溝)が形成され、スライダー20の一方の側縁部が第1ガイドプレート49に形成されたガイドレール(ガイド溝)に摺動可能に係入し、スライダー20の他方の側縁部が第4ガイドプレート53に形成されたガイドレール(ガイド溝)に摺動可能に係入していてもよい。スライダー20の一方の側縁部及び他方の側縁部がガイドレール(ガイドライン19)に摺動可能に係入することで、スライダー20がガイドレールの下端63から上端61に向かって中間部62を上下方向上方へスライドするとともに、スライダー20がガイドレールの上端61から下端63に向かって中間部62を上下方向下方へスライドする。
【0064】
ロック機構21は、スライダー20を上下方向下方へスライドさせてスライダー20がガイドライン19の下端63に位置したときに、牽引チェーン22に所定の緊張力(テンション)を付与した状態でスライダー20のスライド(上下動)をロックする。ロック機構21は、アルミやステンレス、その他の合金等の金属から作られた係合カム72(平面カム)及び旋回レバー73(旋回ハンドル)から形成されている。
【0065】
係合カム72は、架設ユニット16のガイドライン19の下端63に配置され、所定の連結手段(ボルト、リベット、溶接等)によってガイドライン19の下端63(架設ユニット16の第1及び第2架設プレート42,43とベースプレート44との下端)に連結(固定)されている。係合カム72は、上下方向下方へ下り勾配に傾斜する外周縁75を有する。尚、外周縁75が上下方向下方へ弧を画いていてもよい。
【0066】
旋回レバー73は、スライダー20の下部プレート65の下端に設置され、回転基端部76と把持部77(取っ手)とから形成されている。回転基端部76は、下部プレート65の下端に回転可能に取り付けられている。旋回レバー73は、回転基端部76を中心に把持部77が窓本体13aの旋回方向(前後方向)(時計回り方向又は反時計回り方向)へ旋回(回転)する。把持部77(取っ手)の回転基端部76の側には、その側縁部から側方(外方)へ延びる旋回アーム78が一体に成形されている(繋がっている)。旋回アーム78には、架設ユニット16のベースプレート44に向かって凸となる係合ピン79が形成されている。係合ピン79は、係合カム72に係脱可能に係合する。
【0067】
旋回アーム78は、把持部77(旋回レバー73)を反時計回り方向に旋回させたときに、旋回アーム78の先端80が架設ユニット16の第2架設プレート43の内面に当接し、把持部77の反時計回り方向へのそれ以上の旋回が停止する。旋回アーム78の側方(外方)への延出寸法を調節することで、把持部77(旋回レバー73)の反時計回り方向の旋回範囲を調節することができる。把持部77の反時計回り方向への旋回範囲を調節することで、旋回アーム78の反時計回り方向への必要以上の旋回を防ぐことができ、旋回レバー73によるスライダー20の操作性を向上させることができる。
【0068】
係合ピン79は、把持部77(旋回レバー73)の旋回(回転)に伴って旋回アーム78とともに窓本体13aの旋回方向(前後方向)(時計回り方向又は反時計回り方向)へ旋回(回転)する。旋回レバー73では、係合ピン79が係合カム72の外周縁75を摺動可能に移動する。把持部77(旋回レバー73)を上下方向下方へ押圧しつつ(押し下げつつ)把持部77(取っ手)に旋回力を加えた状態で、係合ピン79が係合カム72の外周縁75を一方向へ摺動するとともに(乗り越えるとともに)、係合カム72の外周縁75を他方向へ摺動することができる(乗り越えることができる)。係合ピン79は、係合カム72の外周縁75を一方向へ移動した(乗り越えた)状態で係合カム72に係合する。
【0069】
窓開閉システム10では、係合ピン79が外周縁75を一方向又は他方向へ摺動する(乗り越える)ことができるように、係合カム72の外周縁74に対する係合ピン79の位置が調節されている。スライダー20の調節ネジ70を反時計回り方向(逆方向)へ回転させ、上部プレート64と下部プレート65との上下方向の離間寸法を長くすることで、牽引チェーン22に作用させる緊張力を弱くしつつ、旋回レバー73の係合ピン79が係合カム72の外周縁75を一方向又は他方向へ容易に摺動可能(乗り越え可能)にすることができる。スライダー20の調節ネジ70を時計回り方向(正方向)へ回転させ、上部プレート64と下部プレート65との上下方向の離間寸法を短くすることで、牽引チェーン22に作用させる緊張力を強くすることができる反面、旋回レバー73の係合ピン79が係合カム72の外周縁75を一方向又は他方向へ摺動させる(乗り越えさせる)際に力を要する。上部プレート64と下部プレート65との上下方向の離間寸法の長短を調節することで、牽引チェーン22に作用させる緊張力を強くしたり弱くしたりすることができるから、第1及び第2窓本体13a,13bの閉鎖状態における自由端部37の上当接プレート28に対する密着度合いを調節することができ、窓開閉システム10の閉鎖状態における気密度を調節することができる。
【0070】
窓開閉システム10では、調節ネジ70を利用して上部プレート64と下部プレート65との上下方向の離間寸法を調節することで、スライダー20のスライド(上下動)をロックする際に、牽引チェーン22に最適な緊張力を作用させることができるとともに、旋回レバー73の係合ピン79が係合カム72の外周縁75を一方向又は他方向へ適度な力で摺動可能(乗り越え可能)にすることができる。
【0071】
牽引チェーン22(牽引部材)は、スチールやステンレス、チタン等の金属から作られ、その一端部66がスライダー20の上部プレート64の上端部に連結された状態で第1チェーン収容スペース46(第1ガイド凹部)及び第2チェーン収容スペース47(第2ガイド凹部)に収容されて上下方向へ延びている。牽引チェーン22は、スライダー20の上下方向のスライド(上下動)に伴って第1チェーン収容スペース46及び第2チェーン収容スペース47において上下動する。尚、牽引チェーン22の他端部81(自由端部)は、第2チェーン収容スペース47(第2ガイド凹部)に位置し、後記するスプロケット83から下方へ垂下している。
【0072】
牽引チェーン22は、スライダー20がガイドライン19の下端63から上端61に向かって中間部62(架設ユニット16の上下方向中央エリア)を上下方向上方へスライドすると、それに連動してその一端部66が上下方向上方へ移動し、牽引チェーン22全体が上下方向へ作動する。スライダー20がガイドライン19の上端61から下端63に向かって中間部62を上下方向下方へスライドすると、それに連動してその一端部66が上下方向下方へ移動し、牽引チェーン22全体が上下方向へ作動する。
【0073】
第1及び第2回転機構23a,23bは、スライダー20の上下方向へのスライドによる牽引チェーン22の上下動に連動し、第1及び第2ワイヤ15a,15bを一方向(前後方向前方)へ繰り出し、それらワイヤ15a,15bを他方向(前後方向後方)へ引き取る(巻き取る)。第1回転機構23aは、第1ロッド82a、スプロケッ83ト、第1ローラー84a、第1リング取付ドラム85a、第1トーションスプリング86aから形成されている。第1ロッド82a、スプロケット83、第1ローラー84a、第1リング取付ドラム85a、第1トーションスプリング86aは、第1駆動ユニット17aの第1収容スペース60aに設置(収容)されている。
【0074】
第2回転機構23bは、第2ロッド82b、第2ローラー84b、第2リング取付ドラム85b、第2ーションスプリング86bから形成されている。第2ロッド82b、第2ローラー84b、第2リング取付ドラム85b、第2ーションスプリング86bは、第2駆動ユニット17bの第2収容スペース60bに設置(収容)されている。
【0075】
第1及び第2ロッド82a,82bは、アルミやステンレス、その他の合金等の金属又は合成樹脂から作られ、円柱状に成形されている。第1及び第2ロッド82a,82bは、第1及び第2駆動ユニット17a,17bの第1及び第2収容スペース60a,60bに回転可能に収容されて(窓フレーム12a,12bに回転可能に設置されて)横方向へ延びている。
【0076】
第1ロッド82aは、その一端部及び中間部が第1駆動ユニット17aの軸受プレート59に回転可能に支持されている。第2ロッド82bは、その一端部及び中間部が第2駆動ユニット17bの軸受プレート59に回転可能に支持されている。第1及び第2ロッド82a,82bは、それらの他端部において繋がり、一体になっている。従って、第1及び第2ロッド82a,82bは、一方が時計回り方向(正方向)へ回転すると他方も時計回り方向(正方向)へ回転し、一方が反時計回り方向(逆方向)へ回転すると他方も反時計回り方向(逆方向)へ回転する。
【0077】
スプロケット83は、炭素鋼や圧延鋼、ステンレス鋼、焼結合金等の金属又は合成樹脂から作られ、第1ロッド82aの他端部に取り付けられている。スプロケット83の歯には、牽引チェーン22が係合している。スプロケット83は、牽引チェーン22の上下動に伴って時計回り方向(正方向)又は反時計回り方向(逆方向)へ回転し、第1及び第2ロッド82a,82bに回転力を伝達する。
【0078】
スプロケット83は、その外径の寸法を調節可能である。スプロケット83の周速(スライダー20の速度)が同一という条件下、スプロケット83の外径を大きくすることで、第1及び第2ロッド82a,82bの径に対してスプロケット83の径の比率が大きくなり、窓本体13a,13bを開放状態から閉鎖状態へ上下方向上方に旋回させる際の力(スライダーを下方へ押し下げる力)が小さくて済むのに対し、窓本体13a,13bを開放状態から閉鎖状態にするために必要な第1及び第2ロッド82a,82bの総回転数は変わらないから、スプロケット83の外径の寸法を大きくした分、スライダー20の上下方向の移動寸法が長くなる。逆に、スプロケット83の外径を小さくすることで、第1及び第2ロッド82a,82bの径に対してスプロケット83の径の比率が小さくなり、窓本体13a,13bを開放状態から閉鎖状態へ上下方向上方に旋回させる際の力(スライダーを下方へ押し下げる力)が大きくなる反面、スライダー20の上下方向の移動寸法が短くなる。
【0079】
窓開閉システム10は、スプロケット83の外径を大きくすることで、第1及び第2窓本体13a,13bの閉鎖状態と開放状態との間におけるスライダー20の上下方向の移動寸法が増加するが、大きな力を要せずにスライダー20を上下方向上方や上下方向下方へスライドさせることができ、それら窓本体13a,13bを閉鎖状態から開放状態に容易に旋回させることができるとともに、窓本体13a,13bを開放状態から閉鎖状態に容易に旋回させることができる。
【0080】
窓開閉システム10は、スプロケット83の外径を小さくすることで、スライダー20を上下方向上方や上下方向下方へスライドさせるときに力を要するが、第1及び第2窓本体13a,13bの閉鎖状態と開放状態との間におけるスライダー20の上下方向の移動寸法(スライド距離)を減少させることができ、スライダー20を短い距離スライドさせるだけでそれら窓本体13a,13bを閉鎖状態から開放状態に旋回させることができるとともに、窓本体13a,13bを開放状態から閉鎖状態に旋回させることができる。
【0081】
第1及び第2ローラー84a,84bは、合成樹脂又はアルミやステンレス、その他の合金等の金属から作られ、円筒状に成形されている。第1ローラー84aは、第1駆動ユニット17aの第1収容スペース60aに収容され、第1ロッド82aの中間部に設置されている(嵌め込まれている)。第2ローラー84bは、第2駆動ユニット17bの第2収容スペース60bに収容され、第2ロッド82bの中間部に設置されている(嵌め込まれている)。
【0082】
第1ローラー84aは、第1ロッド82aの回転に伴って時計回り方向(正方向)又は反時計回り方向(逆方向)へ回転し、第2ローラー84bは、第2ロッド82bの回転に伴って時計回り方向(正方向)又は反時計回り方向(逆方向)へ回転する。第1ローラー84aには、第1ワイヤ15aの他端部が連結・固定され、第2ローラー84bには、第2ワイヤ15bの他端部が連結・固定されている。
【0083】
第1ロッド82aの他端部の側からスプロケット83を見たときに、第1ローラー84aが反時計回り方向へ回転することで、
図9に示すように、第1ローラー84aに第1ワイヤ15aが他方向(前後方向後方)へ引き取られる。第1ローラー84bが時計回り方向へ回転することで、
図10に示すように、第1ローラー84bから第1ワイヤ15aが一方向(前後方向前方)へ繰り出す。第2ロッド82bの他端部の側からスプロケット83を見たときに、第2ローラー84bが時計回り方向へ回転することで、第2ローラー84bに第2ワイヤ15bが他方向(前後方向後方)へ引き取られる。第2ローラー84bが反時計回り方向へ回転することで、第2ローラー84bから第2ワイヤ15bが一方向(前後方向前方)へ繰り出す。
【0084】
第1及び第2リング取付ドラム85a,85bは、合成樹脂又はアルミやステンレス、その他の合金等の金属から作られ、円筒状に成形されている。第1リング取付ドラム85aは、第1駆動ユニット17aの第1収容スペースに収容60aされ、第1ロッド82aの一端部の側(第1ローラー84aの横方向外方)に設置されている(嵌め込まれている)。第2リング取付ドラム85bは、第2駆動ユニット17bの第2収容スペース60bに収容され、第2ロッド82bの一端部の側(第2ローラー84bの横方向外方)に設置されている(嵌め込まれている)。
【0085】
尚、窓本体13a,13bの大きさや形状に応じて第1リング取付ドラム86aが第1ロッド82aの中間部に設置され(嵌め込まれ)、第1ローラー84aが第1ロッド82aの一端部の側(第1リング取付ドラム86aの横方向外方)に設置されていてもよい(嵌め込まれていてもよい)。第2リング取付ドラム86bが第2ロッド82bの中間部に設置され(嵌め込まれ)、第2ローラー84bが第2ロッド82bの一端部の側(第2リング取付ドラム86bの横方向外方)に設置されていてもよい(嵌め込まれていてもよい)。
【0086】
第1及び第2トーションスプリング86a,86bは、硬鋼線やステンレス鋼線、ばね用リン青銅から作られている。第1トーションスプリング86aは、第1リング取付ドラム85aに取り付けられ、第1ロッド82aの軸方向へ延びている。第2トーションスプリング86bは、第2リング取付ドラム85bに取り付けられ、第2ロッド82bの軸方向へ延びている。それらトーションスプリング86a,86bのアーム形状は、ショートフックやストレート、1段曲げ等を使用することができる。それらトーションスプリング86a,86bの外径や内径、巻き数は、第1及び第2窓本体13a,13b(障子)の上下方向上方への旋回に必要なトルク(スライダー20の上下方向下方へのスライドに必要な補助力)によって任意に設定することができる。
【0087】
第1回転機構23aでは、第1トーションスプリング86aに第1リング取付ドラム85aが挿通された状態で、第1トーションスプリング86aのアームの固定点が第1駆動ユニット17aの第1プレート~第3プレート56~58や軸受プレート59のいずれかに連結・固定され、第1トーションスプリング86aのアームの荷重点が第1ロッド82aの外周縁に連結・固定されている。
【0088】
第2回転機構23bでは、第2トーションスプリング86bに第2リング取付ドラム85bが挿通された状態で、第2トーションスプリング86bのアームの固定点が第2駆動ユニット17bの第1プレート~第3プレート56~58や軸受プレート59のいずれかに連結・固定され、第2トーションスプリング86bのアームの荷重点が第2ロッド82bの外周縁に連結(固定)されている。
【0089】
第1及び第2トーションスプリング86a,86bは、第1及び第2ロッド82a,82bが時計回り方向へ回転し、第1及び第2ローラー84a,84bから第1及び第2ワイヤ15a,15bが一方向(前後方向前方)へ繰り出された場合、巻き方向へねじれ、又は、巻き方向とは逆方向へねじれる。第1及び第2トーションスプリング86a,86bは、巻き方向とは逆方向へねじれた場合、ねじれた角度に比例する反対方向(巻き方向)へトルク(反発力)を発現し、巻き方向へねじれた場合、ねじれた角度に比例する反対方向(巻き方向とは逆方向)へトルク(反発力)を発現する。窓開閉システム10では、窓本体13a,13bを上下方向下方から上方へ旋回させるときのスライダー20に作用する荷重が1.5~2kg程度になるように、第1及び第2トーションスプリング86a,86bのトルク(反発力)が調節されている。
【0090】
図11は、窓本体13a,13bを閉鎖した状態の窓開閉システム10の部分拡大側面図であり、
図12は、断面で示す
図11と同様の窓開閉システム10の部分拡大側面図である。
図13は、窓本体13a,13bを開放した状態の窓開閉システム10の部分拡大側面図であり、
図14は、断面で示す
図13と同様の窓開閉システム10の部分拡大側面図である。
図12,14では、牽引チェーン22(牽引部材)を露出させた状態で示す。
【0091】
第1及び第2窓本体13a,13bが閉鎖された状態からそれら窓本体13a,13bの自由端部37を上下方向下方へ旋回させて窓本体13a,13bを開放させる手順の一例は、以下のとおりである。窓開閉システム10は、それが施設された建築物に出入りする人の手動によって操作される。尚、第1及び第2窓本体13a,13bが閉鎖された状態では、第1及び第2ワイヤ15a,15bが第1及び第2ローラー84a,84bにおいて他方向(前後方向後方)へ引き取られ(巻き取られ)、それら窓本体13a,13bの自由端部37が閉鎖位置に旋回し、回転端部36が下方フレーム25に気密に密着し、第1及び第2側部38a,38bが第1及び第2側方フレーム26a,26bに気密に密着しているとともに、自由端部37が上方フレーム24に気密に密着している。
【0092】
更に、スライダー20がガイドライン19の下端63に位置し、旋回レバー73の係合ピン79が係合カム72の外周縁75を一方向へ摺動して(乗り越えて)係合ピン79がロック位置に移動し、牽引チェーン22に緊張力が付与された状態でスライダー20のスライド(上下動)がロックされている。スライダー20のスライドがロックされた状態では、
図7に示すように、旋回レバー73がガイドライン19の下端63から上下方向下方へ垂下している。
【0093】
最初に、旋回レバー73の把持部77(取っ手)を把持した状態で、旋回レバー73を上下方向下方へ押圧しつつ(押し下げつつ)、旋回レバー73の把持部77に反時計回り方向(逆方向)へ旋回力を加える。把持部77に旋回力を加えることで、旋回アーム78及び係合ピン79が反時計回り方向(逆方向)へ旋回しつつ、係合ピン79が係合カム72の外周縁75を他方向へ摺動し(乗り越え)、係合ピン79がロック解除位置に移動し、係合ピン79と係合カム72との係合が解除される。係合ピン79をロック解除位置に移動させると、スライダー20のスライド(上下動)のロックが解除されるとともに、牽引チェーン22に作用する緊張力が解除される。
【0094】
旋回レバー73の把持部77を反時計回り方向へ旋回させると、旋回アーム78も同様に反時計回り方向(逆方向)へ旋回し、
図8に示すように、旋回アーム78の先端80が架設ユニット16の第2架設プレート43の内面に当接する。旋回アーム78の先端80が第2架設プレート43の内面に当接すると、その時点で把持部77(旋回レバー73)の反時計回り方向の旋回が停止する。
【0095】
旋回レバー73(把持部77)は、ガイドライン19の下端63から下方へ垂下した
図7の状態からを反時計回り方向(逆方向)へ15~20°旋回させることで、ロックが解除されるように、旋回アーム78の延出寸法や係合カム72と係合ピン79との位置関係が調節されている。更に、反時計回り方向(逆方向)へ15~20°旋回させた時点で、旋回アーム78の先端80が架設ユニット16の第2架設プレート43の内面に当接するように旋回アーム78の延出寸法が調節されている。
【0096】
次に、旋回レバー73の把持部77(取っ手)を把持した状態で、旋回レバー73とともにスライダー20をガイドライン19の下端63から上端61に向かって上下方向上方へスライドさせる(押し上げる)。スライダー20を上下方向上方へスライドさせると、第1チェーン収容部46に位置する牽引チェーン22がスライダー20のスライドに連動して上方へ作動し、牽引チェーン22に係合するスプロケット83が時計回り方向へ回転する。スプロケット83が回転すると、それに連動して第1及び第2ロッド82a,82b(回転機構23a,23b)が時計回り方向へ回転し、第1及び第2ロッド82a,82bの回転に伴って第1及び第2ローラー84a,84bが時計回り方向へ回転する。第1及び第2ローラー84a,84bが時計回り方向へ回転すると、
図13,14に示すように、第1及び第2ワイヤ15a,15bが第1及び第2ローラー84a,84bから一方向(前後方向前方)へ繰り出される。
【0097】
第1及び第2窓本体13a,13bを閉鎖状態から開放状態に旋回させる初動時(旋回開始時)において、窓本体13a,13bの第1側部38a及び第2側部38bに設置された第1及び第2蹴り出しばね14a,14b(蹴り出し手段)の反発力が窓本体13a,13bの自由端部37に作用し、それら蹴り出しばね14a,14bの反発力(蹴り出し力)によって第1及び第2窓本体13a,13bの自由端部37が前後方向前方へ押圧され(押し出され)、それら窓本体13a,13bの自由端部37に上下方向下方への旋回力が付与される。
【0098】
尚、第1蹴り出しばね14a(蹴り出し手段)が第1及び第2窓フレーム12a,12bの第1側方フレーム26aの第1当接プレート32に設置され第2蹴り出しばね14b(蹴り出し手段)が第1及び第2窓フレーム12a,12bの第2側方フレーム26bの第2当接プレート34に設置される場合、それら蹴り出しばね14a,14b(蹴り出し手段)の反発力が窓本体13a,13bの自由端部37に作用し、蹴り出しばね14a,14bの反発力(蹴り出し力)によって第1及び第2窓本体13a,13bの自由端部37が前後方向前方へ押圧され(押し出され)、それら窓本体13a,13bの自由端部37に上下方向下方への旋回力が付与される。
【0099】
第1及び第2窓本体13a,13bは、それら窓本体13a,13bの自由端部37が閉鎖位置から開放位置に旋回する初動時に第1及び第2蹴り出しばね14a,14bの反発力を利用して旋回し、初動時を除く旋回過程においてそれら窓本体13a,13bの自重によって窓本体13a,13bの自由端部37が回転端部36を中心に上下方向下方へ自動的に旋回する。
【0100】
第1及び第2窓本体13a,13bの自由端部37が上下方向下方へ自動的に旋回することで、第1及び第2ワイヤ15a,15bが一方向(前後方向前方)へ自動的に繰り出され、第1及び第2ロッド82a,82b(回転機構23a,23b)が時計回り方向へ自動的に回転するとともに、スプロケット83が時計回り方向へ自動的に回転する。更に、牽引チェーン22が上方へ自動的に作動し、スライダー20がガイドライン19の上端61に向かって上方へ自動的にスライドする。
【0101】
第1ローラー84aから第1ワイヤ14aが一方向(前後方向前方)へ繰り出され、第1ロッド82a(第1リング取付ドラム85a)が時計回り方向へ回転した場合、第1トーションスプリング86aがそのアームの固定点をねじれ基端としてアームの荷重点が巻き方向とは逆方向へねじれ、又は、巻き方向へねじれる。第2ローラー84bから第2ワイヤ14bが一方向(前後方向前方)へ繰り出され、第2ロッド84b(第2リング取付ドラム85b)が時計回り方向へ回転した場合、第2トーションスプリング86bがそのアームの固定点をねじれ基端としてアームの荷重点が巻き方向とは逆方向へねじれ、又は、巻き方向へねじれる。
【0102】
第1及び第2トーションスプリング86a,86bが巻き方向とは逆方向へねじれ、又は、巻き方向へねじれると、それらトーションスプリング86a,86bがねじれた角度に比例する反対方向(巻き方向又は巻き方向とは逆方向)へトルクを発現し、それらトーションスプリング86a,86bのトルクによって第1及び第2窓本体13a,13bの自由端部37に開放位置から閉鎖位置に向かって上下方向上方へ旋回する旋回力が付与される。
【0103】
窓開閉システム10は、スライダー20をガイドライン19の下端63から上端61に向かって中間部62(架設ユニット16の上下方向中央エリア)を上下方向上方へスライドさせて牽引チェーン22(牽引部材)を上下方向上方へ作動させ、牽引チェーン22の上方への作動によってスプロケット83(回転機構23a,23b)を回転させて第1及び第2ワイヤ15a,15bを第1及び第2ローラー84a,84bから繰り出し、第1及び第2窓本体13a,13bを閉鎖状態から開放状態に旋回させるから、スライダー20の上下方向上方へのスライド操作だけでそれら窓本体13a,13bを閉鎖状態から開放状態に旋回させることができ、手間と時間とを要せず、第1及び第2窓本体13a,13bを閉鎖状態から開放状態にスムースに旋回させてそれら窓本体13a,13bを容易に開放することができる。
【0104】
窓開閉システム10は、第1及び第2窓本体13a,13bの自由端部37が閉鎖位置から開放位置に旋回する初動時に第1及び第2蹴り出しばね14a,14b(蹴り出し手段)の反発力(繰り出し力)を利用して旋回しつつ、初動時を除く旋回過程においてそれら窓本体13a,13bの自重によって窓本体13a,13bの自由端部37が上下方向下方へ自動的に旋回するから、第1及び第2蹴り出しばね14a,14bの反発力を利用することで、スライダー20を上下方向上方へスライドさせる初動時にそれら窓本体13a,13bを確実に旋回させることができ、スライダー20の上方へのスライド操作によって窓本体13a,13bを閉鎖状態から開放状態にスムースに旋回させて窓本体13a,13bを容易に開放することができる。窓開閉システム10は、初動時に第1及び第2蹴り出しばね14a,14b(蹴り出し手段)の反発力(繰り出し力)によって窓本体13a,13bの自由端部37が旋回するとともに、初動時を除く旋回過程において第1及び第2窓本体13a,13bの自重によってそれら窓本体13a,13bの自由端部37が上下方向下方へ自動的に旋回することで、非常時においてスライダー19のスライド操作を要せずにそれら窓本体13a,13bを一気に開放することができる。
【0105】
窓開閉システム10は、スライダー20のスライドがロックされた状態で把持部77(旋回レバー73)を反時計回り方向(正逆いずれか他方)に回転させ、係合ピン79を係合カム72の外周縁75を摺動した(乗り越えた)ロック解除位置に移動させることでロックが解除されるから、スライダー20のスライドがロックされたロック状態からそのロックを容易に解除することができ、第1及び第2窓本体13a,13bの開放を容易に行うことができる。
【0106】
窓開閉システム10は、スライダー20のスライドがロックされた状態から把持部77(旋回レバー73)を15~20°旋回させることでロックが解除されるから、スライダー20のスライドがロックされた状態から把持部77(旋回レバー73)を大きく旋回(例えば、90°旋回)させることなく、ロックを簡単かつ速やかに解除することができる。
【0107】
第1及び第2窓本体13a,13bが開放された状態から窓本体13a,13bの自由端部37を上下方向上方へ旋回させてそれら窓本体13a,13bを閉鎖させる手順の一例は、以下のとおりである。旋回レバー73の把持部77(取っ手)を把持した状態で、旋回レバー73とともにスライダー20をガイドライン19の上端61から下端63に向かって上下方向下方へスライドさせる(押し下げる)。尚、第1及び第2トーションスプリング86a,86bのトルク(反発力)により、窓本体13a,13bを上下方向下方から上方へ旋回させるときのスライダー20に作用する荷重(kg)が1.5~2kg程度に調節されている。
【0108】
スライダー20を下方へスライドさせると、スライダー20のスライドに連動して牽引チェーン22が上下方向下方へ作動し、牽引チェーン22に係合するスプロケット83が反時計回り方向へ回転する。スプロケット83が回転すると、それに連動して第1及び第2ロッド82a,82b(回転機構23a,23b)が反時計回り方向へ回転し、第1及び第2ワイヤ15a,15bが第1及び第2ローラー85a,84bに他方向(前後方向後方)へ巻き取られる。
【0109】
第1及び第2ワイヤ15a,15bが第1及び第2ローラー84a,84bに巻き取られることで、第1及び第2窓本体13a,13bの自由端部37が開放位置から閉鎖位置に向かって上下方向上方へ旋回を開始する。第1及び第2トーションスプリング86a,86bのトルクによって第1及び第2窓本体13a,13bの自由端部37に開放位置から閉鎖位置に向かって旋回する旋回力が付与されているから、スライダー20のスライドに窓本体13a,13bの自重全体がかかることはなく、窓本体13a,13bの自重からトーションスプリング86a,86bの反発力を差し引いた荷重(1.5~2kgの範囲)がスライダー20に作用する。
【0110】
スライダー20をガイドライン19の下端63にスライドさせる(押し下げる)ことで、第1及び第2窓本体13a,13bが開放状態から閉鎖状態に旋回する。第1及び第2窓本体13a,13bが閉鎖されると、第1及び第2トーションスプリング86a,86bのねじれが戻り、それらトーションスプリング86a,86bのトルクが0になる。尚、窓本体13a,13bの自由端部37が閉鎖位置に旋回する前にそれら蹴り出しばね14a,14bの反発力に抗して自由端部37を上下方向上方へ旋回させ、蹴り出しばね14a,14bの反発力を自由端部37に作用させた状態で、第1及び第2窓本体13a,13bが閉鎖される。スライダー20をガイドライン19の下端63にスライドさせた後、旋回レバー73の把持部77を把持した状態で、旋回レバー73を上下方向下方へ押圧しつつ(押し下げつつ)、把持部77に時計回り方向(正方向)へ旋回力を加える。
【0111】
把持部77に旋回力を加え、旋回レバー73を時計回り方向(正方向)へ15~20°旋回させることで、係合ピン79が時計回り方向(正方向)へ旋回しつつ、係合ピン79が係合カム72の外周縁75を一方向へ摺動し(乗り越え)、係合ピン79がロック位置に移動し、係合ピン79と係合カム72とが係合する。係合ピン79をロック位置に移動させると、旋回レバー73がガイドライン18の下端63から下方へ垂下し、牽引チェーン22に緊張力が付与され、スライダー20のスライド(上下動)がロックされる。係合ピン79がロック位置に移動し、牽引チェーン22に緊張力が付与されることで、回転端部36が下方フレーム25に気密に密着し、第1及び第2側部38a,38bが第1及び第2側方フレーム26a,26bに気密に密着するとともに、自由端部37が上方フレーム24に気密に密着する。
【0112】
窓開閉システム10は、スライダー20をガイドライン19の上端61から下方へスライドさせて牽引チェーン22(牽引部材)を上下方向下方へ作動させ、牽引チェーン22の下方への作動によってスプロケット83(回転機構23a,23b)を回転させて第1及び第2ワイヤ15a,15bを第1及び第2ローラー84a,84bに巻き取り、第1及び第2窓本体13a,13bを開放状態から閉鎖状態に旋回させるから、スライダー20の上下方向下方へのスライド操作だけでそれら窓本体13a,13bを開放状態から閉鎖状態に旋回させることができ、手間と時間とを要せず、第1及び第2窓本体13a,13bを開放状態から閉鎖状態にスムースに旋回させてそれら窓本体13a,13bを容易に閉鎖することができる。窓開閉システム10は、開放された窓本体13a,13bを閉鎖する場合、従来技術のように巻取ハンドルを何回も回転させる必要はなく、スライダー20を上下方向下方へスライドさせればよく、開放状態にある窓本体13a,13bを単純なスライド操作で短時間に閉鎖することができる。
【0113】
窓開閉システム10は、ガイドライン19の下端63において旋回レバー73の把持部77を時計回り方向(正方向)に回転させ、旋回レバー69の係合ピン79を係合カム72の外周縁75を摺動した(乗り越えた)ロック位置に移動させ、牽引チェーン22に緊張力を付与しつつスライダー20のスライド(上下動)をロックするから、係合ピン79をロック位置に移動させることで、第1及び第2窓本体13a,13bの閉鎖位置を明確に確認することができ、それら窓本体13a,13bの閉鎖が不完全な状態で放置されることはなく、窓本体13a,13bを完全な状態で確実かつ機密に閉鎖することができる。
【0114】
窓開閉システム10は、牽引チェーン22に緊張力を付与した状態でスライダー20のスライドをロックするから、牽引チェーン22が緩むことはなく、第1及び第2窓本体13a,13bを気密に閉鎖することができ、それら窓本体13a,13bの閉鎖時における空気の通流を防ぐ(遮断する)ことができる。窓開閉システム10は、スライダー20のロックが解除された状態から旋回レバー73の把持部77を15~20°旋回させることでスライダー20のスライドをロックすることができるから、スライダー20のロックが解除された状態から旋回レバー73の把持部77を大きく旋回(例えば、90°旋回)させることなく、スライダー20のスライドを簡単かつ速やかにロックすることができる。
【0115】
第1及び第2トーションスプリング86a,86bを利用することなく開放状態にある第1及び第2窓本体13a,13bを閉鎖する場合、それら窓本体13a,13bの自重によってスライダー20を上下方向下方へスライドさせる際に相当な力を要するが、窓開閉システム10は、それらトーションスプリング86a,86bのトルクによって第1及び第2ローラー84a,84bへの第1及び第2ワイヤ15a,15bの巻取りが助長され、窓本体13a,13bを上下方向下方から上方へ旋回させるときのスライダー20に作用する荷重が1.5~2kg程度になるように、それらトーションスプリング86a,86bのトルクが調節されているから、それらトーションスプリング86a,86bを利用することで、大きな力を要せずにスライダー20を上下方向下方へスライドさせることができ、第1及び第2窓本体86a,86bを開放状態から閉鎖状態にスムースに旋回させて窓本体86a,86bを容易に閉鎖することができる。
【0116】
図15は、他の一例として示す架設ユニット16の側面図であり、
図16は、スライダー20がストッパー87に当接した状態で示す架設ユニット16の側面図である。
図17は、止めネジ88によってスライダー2-がガイドライン19の所定の箇所に固定された状態を示す架設ユニット16の部分拡大図であり、
図18は、
図17のA-A線矢視断面図である。
図15~
図18に示す架設ユニット16が
図4のそれと異なるところは、架設ユニット16のガイドライン19の所定の箇所にストッパー87が設置されている点、スライダー20に止めネジ88(固定手段)が設置されている点にある。
【0117】
図15~
図18の架設ユニット16を備えた窓開閉システム11のその他の構成は
図1の窓開閉システム10のそれらと同一であるから、窓開閉システム11のその他の構成については
図1の説明を援用する。尚、架設ユニット16の構成は
図4のそれと同一であるから、
図4の説明を援用するとともに
図4と同一の符号を付すことで、架設ユニット16の構成の説明は省略する。
【0118】
架設ユニット16のガイドライン19には、ストッパー87が着脱可能に取り付けられている。ストッパー87は、所定の連結手段によってガイドライン19の中間部62(移動スペース)の所定の箇所(ベースプレート44や連結プレート55)に設置される。ストッパー87には、上下方向上方へスライドしたスライダー20の上部プレート64の上端部が当接する。上部プレート64の上端部がストッパー87に当接すると、スライダー20のそれ以上の上方へのスライドが停止する。
【0119】
ストッパー87のガイドライン19の中間部62(移動スペース)における設置位置は、任意に決定することができる。ガイドライン19の中間部62におけるストッパー87の設置位置を調節することで、ガイドライン19におけるスライダー20の上下方向の移動距離(スライド距離)を調節することができ、第1及び第2窓本体13a,13bの上下方向下方への旋回角度(開放面積)を調節することができる。
【0120】
スライダー20のスライド(上下動)のロックを解除し、旋回レバー73とともにスライダー20をガイドライン19の下端63から上端61に向かって上下方向上方へスライドさせると(押し上げると)、旋回過程において第1及び第2窓本体13a,13bの自重によって窓本体13a,13bの自由端部37が回転端部36を中心に上下方向下方へ自動的に旋回するとともに、スライダー20がガイドライン19の上端61に向かって上方へ自動的にスライドするが、スライダー20の上部プレート64の上端部がストッパー87に当接すると、スライダー20のガイドライン19におけるスライドが停止し、その時点で、牽引チェーン22の上下方向上方への作動が停止し、スプロケット83の時計回り方向への回転が停止するとともに、第1及び第2ワイヤ15a,15bの一方向(前後方向前方)への繰り出しが停止する。
【0121】
スライダー20がストッパー87に当接し、それらワイヤ15a,15bの繰り出しが停止した時点で、第1及び第2窓本体13a,13bの自由端部37の上下方向下方への旋回が停止する。ストッパー87のガイドライン19の中間部62(移動スペース)における設置位置によって第1及び第2窓本体13a,13bの上下方向下方への旋回角度が異なり、それら窓本体13a,13bの開放時における開放面積が異なる。
【0122】
止めネジ88(固定手段)は、アルミやステンレス、その他の合金等の金属又は合成樹脂から作られ、操作部89(頭部)、ネジ部90、スライド停止用ローラー91とから形成されている。止めネジ88では、ネジ部90の頂部が操作部89に固定され、スライド停止用ローラー91がネジ部90の底部に挿通・固定されている。ネジ部90はスライダー20の上部プレート64に形成されたネジ孔(螺着孔)に螺着されている。止めネジ88の操作部89を時計回り方向(正方向)へ回転させると、ネジ部が架設ユニット16の連結プレート55(ベースプレート44)に向かって前進(移動)し、止めネジ88の操作部89を反時計回り方向(逆方向)へ回転させると、ネジ部が架設ユニット16の連結プレート55(ベースプレート44)から離間する方向へ後退(移動)する。
【0123】
止めネジ88を利用するには、旋回レバー73を把持しつつ、旋回レバー73とともにスライダー20をガイドライン19の下端63から上端61に向かって上下方向上方へ次第にスライドさせる過程において、ガイドライン19の所定の箇所でスライダー20のスライドを停止させる。スライダー20のスライドを停止させた時点において、止めネジ88の操作部89(頭部)を反時計回り方向(逆方向)へ回転させ、ネジ部90を架設ユニット16の連結プレート55(ベースプレート44)から離間させるように後退させる。ネジ部90を後退させると、ネジ部90に取り付けられたスライド停止用ローラー91のテーパー部が第2及び第3ガイドプレート50,52の内面から内方へ張り出す突起部に押し当たり、その時点でスライダー20が架設ユニット15に固定される。スライダー20が架設ユニット15に固定されることで、スライダー20のそれ以上の上方へのスライドが阻止され、第1及び第2ワイヤ15a,15bの一方向(前後方向前方)への繰り出しが停止する。
【0124】
止めネジ88のスライド停止用ローラー91のテーパー部が第2及び第3ガイドプレート50,52の内面の突起部に押し当たり、それらワイヤ15a,15bの繰り出しが停止した時点で、第1及び第2窓本体13a,13bの自由端部37の上下方向下方への旋回が停止する。止めネジ88を利用したガイドライン19におけるスライダー20の固定位置によって第1及び第2窓本体13a,13bの上下方向下方への旋回角度が異なり、それら窓本体13a,13bの開放時における開放面積が異なる。
【0125】
止めネジ88によってスライダー20を連結プレート55に固定した後、スライダー20の固定を解除するには、止めネジ88の操作部89を時計回り方向(正方向)へ回転させ、ネジ部90を連結プレート55(ベースプレート44))に向かって前進させる。ネジ部90を前進させると、スライド停止用ローラー91のテーパー部が第2及び第3ガイドプレート50,52の内面の突起部から離れ、スライド停止用ローラー91のテーパー部による第2及び第3ガイドプレート50,52の内面の突起部への押圧が解除され、スライダー20の固定が解除されてスライダー20の上下方向へのスライドが可能となる。
【0126】
窓開閉システム11は、ガイドライン19におけるストッパー87の設置位置を調節することで、ガイドライン19の下端63からのスライダー20の上方への移動距離(スライド距離)を調節可能であり、第1及び第2窓本体13a,13bの回転端部36の上方フレーム24から下方への旋回角度を調節することができるから、ストッパー87によって開放時の窓本体13a,13bの開放面積を調節することができ、それら窓本体13a,13bを通流する空気の風量を調節することができる。
【0127】
窓開閉システム11は、止めネジ88(固定手段)を利用してスライダー20をガイドライン19の所定の箇所で固定することで、窓本体13a,13bの自由端部37を上方フレーム24から下方へ任意の角度で旋回させた状態で窓本体13a,13bを開放することができるから、止めネジ88を利用して開放時の窓本体13a,13bの開放面積を調節することができ、窓本体13a,13bを通流する空気の風量を調節することができる。
【符号の説明】
【0128】
10 窓開閉システム
11 窓開閉システム
12a 第1窓フレーム
12b 第2窓フレーム
13a 第1窓本体(第1障子)
13b 第2窓本体(第2障子)
14a 第1蹴り出しばね
14b 第2蹴り出しばね
15a 第1ワイヤ
15b 第2ワイヤ
16 架設ユニット
17a 第1駆動ユニット
17b 第2駆動ユニット
18 チェーン作動手段
19 ガイドライン
20 スライダー
21 ロック機構
22 牽引チェーン(牽引部材)
23a 第1回転機構
23b 第2回転機構
24 上方フレーム
25 下方フレーム
26a 第1側方フレーム
26b 第2側方フレーム
27 上枠プレート
28 上当接プレート
29 下枠プレート
30 下当接プレート
31 第1側枠プレート
32 第1当接プレート
33 第2側枠プレート
34 第2当接プレート
35 窓設備
36 回転端部(回転フレーム)
37 自由端部(旋回フレーム)
38a 第1側部(第1側方フレーム)
38b 第2側部(第2側方フレーム)
39 障子金具
40 上端部
41 下端部
42 第1架設プレート
43 第2架設プレート
44 ベースプレート
45 カバープレート
46 第1チェーン収容スペース(第1ガイド凹部)
47 第2チェーン収容スペース(第2ガイド凹部)
48 収容スペース
49 第1ガイドプレート
50 第2ガイドプレート
51 第1ガイドベースプレート
52 第3ガイドプレート
53 第4ガイドプレート
54 第2ガイドベースプレート
55 連結プレート
56 第1プレート
57 第2プレート
58 第3プレート
59 軸受プレート
60a 第1収容スペース
60b 第2収容スペース
61 上端
62 中間部(移動スペース)
63 下端
64 上部プレート
65 下部プレート
66 一端部
67 第1連結部
68 第2連結部
69 ネジ孔(螺着孔)
70 調節ネジ
71 ネジ部
72 係合カム
73 旋回レバー(旋回ハンドル)
75 外周縁
76 回転基端部
77 把持部(取っ手)
78 旋回アーム
79 係合ピン
80 先端
81 他端部(自由端部)
82a 第1ロッド
82b 第2ロッド
83 スプロケット
84a 第1ローラー
84b 第2ローラー
85a 第1リング取付ドラム
85b 第2リング取付ドラム
86a 第1トーションスプリング
86b 第2トーションスプリング
87 ストッパー
88 止めネジ(固定手段)
89 操作部
90 ネジ部
91 スライド停止用ローラー