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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022083798
(43)【公開日】2022-06-06
(54)【発明の名称】外用剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/60 20060101AFI20220530BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20220530BHJP
   A61K 8/39 20060101ALI20220530BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20220530BHJP
   A61Q 19/02 20060101ALI20220530BHJP
【FI】
A61K8/60
A61K8/34
A61K8/39
A61K8/81
A61Q19/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020195334
(22)【出願日】2020-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】513244753
【氏名又は名称】カーリットホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】山野辺 進
(72)【発明者】
【氏名】梅山 晃典
(72)【発明者】
【氏名】瀬野 勝之
(72)【発明者】
【氏名】高田 照久
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB032
4C083AC432
4C083AD041
4C083AD042
4C083AD071
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD111
4C083AD391
4C083AD392
4C083AD531
4C083AD532
4C083CC03
4C083DD33
4C083EE16
(57)【要約】
【課題】冷却持続効果の増強と、保湿感の増強をできる外用剤を提供することを目的とする。
【解決手段】
(A)メントール又はその誘導体と、(B)ジグリセリン、(C)アクリル酸系高分子と、並びに(D)6-アシル-2-O-α-D-グルコシル-L-アスコルビン酸から選ばれる1種以上を含む、外用剤。
【選択図】なし

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)メントール又はその誘導体と、(B)ジグリセリン、(C)アクリル酸系高分子と、並びに(D)6-アシル-2-O-α-D-グルコシル-L-アスコルビン酸から選ばれる1種以上を含む、外用剤。
【請求項2】
冷却効果持続用である、請求項1に記載の外用剤。
【請求項3】
(A)メントール又はその誘導体を0.001~5重量%、(B)ジグリセリンを0.01~20重量%、(C)ビニル系高分子を0.01~5重量%と、並びに(D)6-アシル-2-O-α-D-グルコシル-L-アスコルビン酸から選ばれる1種以上を0.001~5重含む、請求項1又は2に記載の外用剤。
【請求項4】
(C)アクリル酸系高分子が、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸アルキルコポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキルコポリマー、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンから選ばれる1種以上である、請求項1~3に記載の外用剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
L-アスコルビン酸(ビタミンC)は美白効果などが知られ化粧品材料として有用であるが、不安定で酸化されやすいため、種々のL-アスコルビン酸誘導体の研究開発がなされており、1990年代には安定でかつ体内で分解吸収される誘導体として2-O-α-D-グルコシル-L-アスコルビン酸(L-アスコルビン酸-2-グルコシド)が開発された(特許文献1~3)。
【0003】
2-O-α-D-グルコシル-L-アスコルビン酸はL-アスコルビン酸よりも酸化されにくく安定性に優れる一方で、体内では容易に加水分解されL-アスコルビン酸と同等の生理活性を有することが知られており(特許文献2及び3)、化粧品、食品及び医薬品など、広い応用が期待される。また、さらに保湿性を高めたL-アスコルビン酸誘導体として、2-O-α-D-グルコシル-L-アスコルビン酸中のL-アスコルビン酸残基の6位の位置のヒドロキシル基にアシル基が導入された、6-アシル-2-O-α-D-グルコシル-L-アスコルビン酸が開発された(特許文献4)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2832848号公報
【特許文献2】特開平03-135992号公報
【特許文献3】特開平03-183492号公報
【特許文献4】特開平11-286497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明者は、メントールにジグリセリンを加えると冷却効果が低下したため、冷却効果を増強すると期待されるアクリル酸系高分子を加えたが、冷却効果の持続が低下し、さらに外用剤の保湿感が低下することを見出した。冷却効果の持続と保湿感の改善を目指した結果、前述の3成分に、6-アシル-2-O-α-D-グルコシル-L-アスコルビン酸を加えることで、冷却効果の持続と保湿感が改善されることを見出した。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、メントールとジグリセリンとアクリル酸系高分子に、6-アシル-2-O-α-D-グルコシル-L-アスコルビン酸を加えることで、メントールの冷却効果の持続、外用剤の保湿感を改善した外用剤の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、メントール、ジグリセリン及びアクリル酸系高分子を含む外用剤に、6-アシル-2-O-α-D-グルコシル-L-アスコルビン酸をさらに含有させることで、メントールの冷却効果の持続、外用剤の保湿感を改善できることを見出した。本発明は、これらの知見に基づくものである。
【0008】
すなわち、本発明は、例えば、以下の[1]~[4]に関する。
[1](A)メントール又はその誘導体と、(B)ジグリセリン、(C)アクリル酸系高分子と、並びに(D)6-アシル-2-O-α-D-グルコシル-L-アスコルビン酸から選ばれる1種以上を含む、外用剤。
[2]冷却効果持続用である、[1]に記載の外用剤。
[3](A)メントール又はその誘導体を0.001~5重量%、(B)ジグリセリンを0.01~20重量%、(C)アクリル酸系高分子を0.01~5重量%と、並びに(D)6-アシル-2-O-α-D-グルコシル-L-アスコルビン酸から選ばれる1種以上
を0.001~10重含む、[1]~[2]に記載の外用剤。
[4](C)アクリル酸系高分子が、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸アルキルコポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキルコポリマー、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンから選ばれる1種以上である、[1]~[3]に記載の外用剤。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、メントールの冷却効果の持続、外用剤の保湿感を改善した、外用剤を提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0011】
本実施形態の外用剤は、(A)メントール又はその誘導体と、(B)ジグリセリン、(C)アクリル酸系高分子と、並びに(D)6-アシル-2-O-α-D-グルコシル-L-アスコルビン酸から選ばれる1種以上、を含有する。
【0012】
(A)メントール又はその誘導体
メントールは又はその誘導体としては、l-メントール、dl-メントール、メントキシプロパンジオール、モノメンチルグリセリルエーテル、乳酸メンチルなどが挙げられる。
公知の方法により合成してもよく市販品として入手することもできる。また、メントールを含むハッカ油、セイヨウハッカ油、スペアミント油も使用でき得る。
【0013】
メントール又はその誘導体は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0014】
本実施形態の外用剤における(A)成分の含有量は、外用剤の全量を基準として、0.001~5重量%であり、0.01~3重量%が好ましく、0.1~2重量%がより好ましい。(A)成分の含有量が上記範囲であれば、十分な冷却持続効果が得られる。
【0015】
(B)ジグリセリン
ジグリセリンは、保湿効果のある多価アルコールである。公知の方法により合成してもよく、市販品として入手することもできる。
【0016】
本実施形態の外用剤における(B)成分の含有量は、外用剤の全量を基準として、0.01~20重量%であり、0.1~10重量%が好ましく、0.5~5重量%がより好ましい。(B)成分の含有量が上記範囲であれば、十分な冷却持続効果と保湿感が得られる。
【0017】
(C)アクリル酸系高分子
アクリル酸系高分子としては、一般的に使用され得るものであればよく、例えばBFGoodrich社のカーボポール(商品名)や3VSigma社のシンタレン(商品名)などのカルボキシビニルポリマー、Noveon社のカーボポールAQUA SF-1(商品名)などのアクリル酸アルキルコポリマー、BFGoodrich社のPEMULEN(商品名)などのアクリル酸・メタクリル酸アルキルコポリマー、日本触媒社のアロンビス
AH-105(商品名)などのポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
【0018】
また、アクリル酸系高分子は、薬学上許容される塩としても使用でき、例えば、有機塩基との塩(例えば、トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、モノエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ピリジン塩などの第3級アミンとの塩、アルギニンなどの塩基性アンモニウム塩など)、無機塩基との塩(例えば、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩など)などが挙げられ、特に好ましい塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩、アルギニン塩である。
【0019】
本実施形態の外用剤における(C)成分の含有量は、外用剤の全量を基準として、0.01~5重量%であり、0.05~3重量%が好ましく、0.1~1重量%がより好ましい。(C)成分の含有量が上記範囲であれば、十分な冷却持続効果と保湿感が得られる。
【0020】
(D)6-アシル-2-O-α-D-グルコシル-L-アスコルビン酸
本発明の一つの実施形態において、(D)6-アシル-2-O-α-D-グルコシル-L-アスコルビン酸は、2-O-α-D-グルコシル-L-アスコルビン酸の6位にアシル基を有している下記一般式(1):
【0021】
【化1】
【0022】
(式中、Rは炭化水素基を示す。nは前記と同じ。)
で示される化合物である。
【0023】
前記一般式(1)中のRで示される炭化水素基は、直鎖、分岐又は環状の、飽和又は不飽和の炭化水素基であってよく、好ましくはアルキル基、アルケニル基、又はアルキニル基であり、より好ましくは直鎖のアルキル基である。前記炭化水素基の炭素数は、アシル基すなわち-C(=O)R基の炭素数として数えたときに、炭素数が3~24、4~20、8~20、12~18であることが好ましく、14~16であることが特に好ましい。
【0024】
本発明の一つの実施形態において、6-アシル-2-O-α-D-グルコシル-L-アスコルビン酸は、不純物として未アシル化体の2-O-α-D-グルコシル-L-アスコルビン酸を含んでいてもよい。6-アシル-2-O-α-D-グルコシル-L-アスコルビン酸は90モル%以上、95モル%以上、98モル%以上、99モル%以上、99.5モル%以上、99.9モル%以上の純度であることが好ましい。不純物としての、未アシル化体である2-O-α-D-グルコシル-L-アスコルビン酸は10モル%以下、5モル%以下、2モル%以下、1モル%以下、0.5モル%以下、0.1モル%以下であることが好ましく、実質的に含まないことが好ましい。
【0025】
6-アシル-2-O-α-D-グルコシル-L-アスコルビン酸は、2-O-α-D-グルコシル-L-アスコルビン酸の6位にアシル基を置換させる方法によって製造することができ、6位にアシル基を置換させる方法としては、公知の方法によることができる。
6-アシル-2-O-α-D-グルコシル-L-アスコルビン酸の製造方法としては2-O-α-D-グルコシル-L-アスコルビン酸に有機酸、酸ハライド、酸無水物、酸エステルなどのアシル化剤を用いて化学反応させる方法が挙げられる。前記アシル化剤としては、炭素数が3~24、4~20、8~20、12~18、好ましくは14~16である飽和若しくは不飽和の脂肪酸又はその無水物が好ましく、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸及びリシノレイン酸並びにその無水物などが好ましい。
【0026】
本発明の一実施形態では、6-アシル-2-O-α-D-グルコシル-L-アスコルビン酸は遊離酸又は塩のいずれであってよく、塩は無機又は有機陽イオンの塩であってよい。無機陽イオンは、ナトリウムイオン、カリウムイオンのような第一族元素の金属イオン;マグネシウムイオン、カルシウムイオンのような第二族元素の金属イオン;鉄イオン、銅イオンのような遷移金属イオン;及び亜鉛イオン、アルミニウムイオンなどのその他の金属イオンからなる群より選ばれる金属イオン又はその組み合わせであってよい。6-アシル-2-O-α-D-グルコシル-L-アスコルビン酸を塩とすることにより、pHが中性となり、他の物質と混合したときに他の物質を分解しにくくすることができる。
【0027】
本発明で用いられる6-アシル-2-O-α-D-グルコシル-L-アスコルビン酸としては、6-パルミトイル-2-O-α-D-グルコシル-L-アスコルビン酸を好適に用いることができる。
【0028】
本実施形態の外用剤における(D)の6-アシル-2-O-α-D-グルコシル-L-アスコルビン酸の含有量は、本発明による効果をより一層高める観点から、例えば、外用剤の全量を基準として、含有量が、通常、0.001~5重量%であり、0.005~5重量%であることが好ましく、0.01~3重量%であることがより好ましく、0.05~3重量%であることがさらにより好ましい。6-アシル-2-O-α-D-グルコシル-L-アスコルビン酸の含有量が上記範囲であれば、本発明による効果に加え、6-アシル-2-O-α-D-グルコシル-L-アスコルビン酸が有する美白、肌荒れ改善などの作用も得ることができる。
【0029】
本実施形態の外用剤における(D)成分の総含有量は、本発明による効果をより一層高める観点から、例えば、外用剤の全量を基準として、通常、0.001~10重量%であり、0.005~7重量%であることが好ましく、0.01~5重量%であることがより好ましい。(D)成分の総含有量が上記範囲であれば、本発明による効果に加え、(D)成分が有する美白、抗炎症、肌荒れ改善などの作用も得ることができる。
【0030】
本実施形態の外用剤は、医薬品、医薬部外品又は化粧品のいずれであってもよい。本実施形態の外用剤は、適度な粘度を有し、使用感に優れることから、皮膚や頭皮に適用される皮膚外用剤であることが好ましい。
【0031】
医薬品用に用いられる本実施形態の外用剤の形態は特に限定されず、例えば、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、リニメント剤、ローション剤、エアゾール剤などが挙げられる。これらの製剤は、第16改正日本薬局方製剤総則に記載の方法などに従い製造することができる。外用剤の形態としては、中でも、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、ローション剤、及びエアゾール剤が好ましく、液剤、ゲル剤、及びエアゾール剤がより好ましい。
【0032】
医薬部外品又は化粧品用に用いられる外用剤とする場合も、上記の医薬品用の外用剤と同様の形態にすることができる。また、それ以外にも、外用剤の形態としては、スティック剤、不織布に薬液を含浸させたシート剤などが挙げられる。医薬部外品又は化粧品用に用いられる外用剤の形態としては、中でも、液剤、ゲル剤、シート剤、及びエアゾール剤が好ましい。
【0033】
本実施形態の外用剤は、可溶化でも乳化でもよいが、可溶化されているものが好ましい。可溶化されたものは、冷却感をより感じやすい。
【0034】
本実施形態の外用剤は、透明製剤であることが好ましい。透明製剤とは、直径約4センチの透明ガラスねじ口瓶に製剤を入れた際に、ガラスねじ口瓶側面を通して、5ミリ角の「A」の文字が明確に判別できるものを言う。
【0035】
医薬部外品又は化粧品用の外用剤とする場合の用途としては、例えば、化粧水、乳液、クリーム、ジェル、美容液、日焼け止め用化粧料、パック、マスク、ハンドクリーム、ボディローション、ボディークリームなどの基礎化粧料;洗顔料、メイク落とし、ひげそり剤、ボディーシャンプー、シャンプー、リンス、トリートメントなどの洗浄用化粧料;リップクリーム、口紅などの口唇用化粧料、ファンデーション、並びにマスカラなどのメイクアップ化粧料;除毛剤;並びに浴用剤などが挙げられる。
【0036】
本実施形態の外用剤は上記成分のほか、医薬品、医薬部外品又は化粧品に通常使用される基剤又は担体を含有することができる。また、本実施形態の外用剤は、必要に応じて添加剤を含有することができる。
【0037】
本実施形態の外用剤が含有する基剤又は担体としては、例えば、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、オゾケライト、及びα-オレフィンオリゴマーなどの炭化水素;メチルポリシロキサン、架橋型メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、架橋型アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、架橋型ポリエーテル変性シリコーン、架橋型アルキルポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリグリセリン変性シリコーン、ポリエーテル変性分岐シリコーン、ポリグリセリン変性分岐シリコーン、アクリルシリコン、フェニル変性シリコーン、シリコーンレジンなどのシリコーン油;セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールなどの高級アルコール;コレステロール、フィトステロール、ヒドロキシステアリン酸フィトステリルなどのステロール類;ホホバ油、メドウフォーム油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、椿油、スクワラン、シアバター、コメ胚芽油などの植物油;ラノリン、オレンジラフィー油、スクワラン、馬油などの動物油;エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カチオン化グアーガムなどの天然高分子誘導体;カラギーナン、アルギン酸、セルロース、グアーガム、クインスシード、デキストラン、ジェランガムなどの天然高分子;ポリエチレングリコール;ジオキサン;ブチレングリコールアジピン酸ポリエステル;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、ホホバ油、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルなどのエステル類;デキストリン、マルトデキストリンなどの多糖類;エタノール、イソプロパノールなどの低級アルコール;炭素数2~6、水酸基数2~4の多価アルコール;グリコールエーテル;コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、クエン酸などの有機酸;並びに水などの水系基剤などが挙げられる。本実施形態の外用剤が含有する基剤又は担体としては、多価アルコールが好ましい。
【0038】
本実施形態の外用剤の好ましい例として、基剤として多価アルコールを含む液剤、懸濁剤、及びゲル剤が挙げられる。
【0039】
基剤又は担体は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0040】
本実施形態の外用剤には、本発明の効果を損なわない範囲で、医薬品、医薬部外品、又は化粧品に添加される公知の添加剤、例えば、酸化防止剤、界面活性剤、増粘剤、保存剤、pH調整剤、安定化剤、刺激軽減剤、防腐剤、着色剤、清涼化剤、香料、パール光沢付与剤などを添加することができる。
【0041】
酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ソルビン酸、亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、トコフェロール、トコフェロール誘導体、エリソルビン酸、L-システイン塩酸塩などが挙げられる。
【0042】
界面活性剤としては、例えば、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ペンタ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、及びテトラ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタンなどのソルビタン脂肪酸エステル類;モノステアリン酸プロピレングリコールのなどのプロピレングリコール脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40(HCO-40)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50(HCO-50)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(HCO-60)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80などの硬化ヒマシ油誘導体;モノラウリル酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート80)、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタンなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノヤシ油脂肪酸グリセリル;グリセリンアルキルエーテル;セトステアリルグルコシドなどのアルキルグルコシド;ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ステアリルアミン、オレイルアミンなどのアミン類;ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンなどのシリコーン系界面活性剤;リン脂質、サーファクチン、及びサポニンなどの天然界面活性剤;ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミドなどの脂肪酸アミドアミン;トリラウリルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジ-2-エチルヘキシルアミンなどのアルキルアミン;ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、及びラウリルヒドロキシスルホベタインなどのベタイン系両性界面活性剤などが挙げられる。
【0043】
増粘剤としては、例えば、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、キサンタンガム、ポリエチレングリコール、ベントナイト、アルギン酸、マクロゴール、コンドロイチン硫酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロースなどのセルロース系増粘剤などが挙げられる。
【0044】
防腐剤又は保存剤としては、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ベンジル、パラオキシ安息香酸メチル、フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、ソルビン酸及びその塩、グルコン酸クロルヘキシジン、アルカンジオール、グリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。
【0045】
安定化剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールなどが挙げられる。
【0046】
刺激低減剤としては、例えば、甘草エキス、アルギン酸ナトリウム、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンなどが挙げられる。
【0047】
キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン4酢酸(エデト酸)、エチレンジアミン4酢酸塩(ナトリウム塩(エデト酸ナトリウム:日本薬局方、EDTA-2Naなど)、及びカリウム塩など)、フィチン酸、グルコン酸、ポリリン酸、並びにメタリン酸などが挙げられる。キレート剤としては、中でも、エデト酸ナトリウムが好ましい。
【0048】
着色剤としては、例えば、無機顔料、天然色素などが挙げられる。
【0049】
清涼化剤としては、カンフル、オイゲノールなどが挙げられる。
【0050】
パール光沢付与剤としては、例えば、ジステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸トリエチレングリコールなどが挙げられる。中でも、パール光沢付与剤としては、ジステアリン酸エチレングリコールが好ましい。
【0051】
添加剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0052】
本実施形態の外用剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の有効成分を含むことができる。有効成分の具体例としては、例えば、保湿成分、抗炎症成分、抗菌成分、ビタミン類、ペプチド又はその誘導体、アミノ酸又はその誘導体、細胞賦活化成分、老化防止成分、血行促進成分、角質軟化成分、美白成分、収斂成分、紫外線防御成分(紫外線吸収成分、紫外線散乱成分)などが挙げられる。
【0053】
保湿成分としては、例えば、セラミド、コレステロール、及びリン脂質などの脂質;カミツレエキス、クワエキス、ドクダミエキス、ニンジンエキス、ハマメリスエキス、ビルベリー葉エキス、チャエキス、ハマメリスエキス、ユキノシタエキス及びシソエキスなどの植物抽出エキス、ヘパリン類似物質、及びコンドロイチン、コンドロイチン硫酸ナトリウムなどのムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン、キチン、及びキトサンなどの高分子化合物;グリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及びジグリセリントレハロースなどの多価アルコール;アラニン、セリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、グルコサミン、アスパラギン酸、テアニン、及びアルギニンなどのアミノ酸;乳酸ナトリウム、尿素、及びピロリドンカルボン酸ナトリウムなどの天然保湿因子;ソルビトールなどの糖アルコール;レシチン、及び水素添加レシチンなどのリン脂質;ポリグルタミン酸;MPCポリマー(例えば、LIPIDURE(登録商標)など)などのリン脂質極性基を有する高分子;ポリオキシプロピレンメチルグルコシド;トリメチルグリシン(ベタイン);ヒドロキシエチルウレア;アクリル酸・アクリルアミド・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体などが挙げられる。保湿剤としては、中でも、使用感を考慮すると、セラミド、コレステロール、リン脂質などの脂質;クワエキス、ドクダミエキス、ニンジンエキス、ハマメリスエキス、ユキノシタエキス、ビルベリー葉エキスなどの植物抽出エキスが好ましい。
【0054】
抗炎症成分としては、例えば、植物(例えば、ブドウ、オタネニンジン、及びコンフリーなど)に由来する成分、アラントイン、グリチルリチン酸又はその誘導体、酸化亜鉛、塩酸ピリドキシン、及びε-アミノカプロン酸、プロアントシアニジン、トコフェロール又はその誘導体、アスコルビン酸又はその誘導体、ヘスペリジン、グルコシルヘスペリジン、エルゴチオネイン、亜硫酸水素ナトリウム、エリソルビン酸又はその塩、フラボノイド、グルタチオン、グルタチオンペルオキシダーゼ、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ、カタラーゼ、スーパーオキサイドジスムターゼ、チオレドキシン、タウリン、チオタウリン、ヒポタウリンなどが挙げられる。
【0055】
抗菌又は殺菌成分としては、例えば、クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、アクリノール、イオウ、レゾルシン、エタノール、塩化ベンゼトニウム、アダパレン、過酸化ベンゾイル、クリンダマイシン、クレゾール、グルコン酸及びその誘導体、ポピドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素、イソプロピルメチルフェノール、トリクロカルバン、トリクロサン、感光素101号、感光素201号、パラベン、フェノキシエタノール、1,2-ペンタンジオールなどのアルカンジオール、グリセリン脂肪酸エステル、アゼライン酸、塩酸アルキルジアミノグリシン、グルコン酸クロルヘキシジン、及びパラフェノールスルホン酸亜鉛などが挙げられる。
【0056】
ビタミン類としては、例えば、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、レチナール、レチノイン酸、レチノイン酸メチル、レチノイン酸エチル、レチノイン酸レチノール、トコフェリルレチノエートなどのビタミンA類;カロチン、リコピン、ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、エキネノンなどのプロビタミンA類;トコフェロール、酢酸トコフェロール、コハク酸トコフェロール、ニコチン酸トコフェロールなどのビタミンE類;リボフラビン、フラビンモノヌクレオチド、フラビンアデニンジヌクレオチド、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビンテトラ酪酸エステル、リボフラビン5’-リン酸エステルナトリウム、リボフラビンテトラニコチン酸エステルなどのビタミンB2類;ニコチン酸トコフェロール、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸メチルなどのニコチン酸類;ステアリン酸アスコルビル、テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビル、アスコルビン酸、デヒドロアスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステル、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、アスコルビン酸パルミチン酸エステルなどのビタミンC類;メチルヘスペリジン、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロールなどのビタミンD類;フィロキノン、ファルノキノンなどのビタミンK類;ジベンゾイルチアミン、ジベンゾイルチアミン塩酸塩、チアミン塩酸塩、チアミンセチル塩酸塩、チアミンチオシアン酸塩、チアミンラウリル塩酸塩、チアミン硝酸塩、チアミンモノリン酸塩、チアミンリジン塩、チアミントリリン酸塩、チアミンモノリン酸エステルリン酸塩、チアミンモノリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル塩酸塩、チアミントリリン酸エステル、及びチアミントリリン酸エステルモノリン酸塩などのビタミンB1類;塩酸ピリドキシン、酢酸ピリドキシン、リン酸ピリドキサール、塩酸ピリドキサミンなどのビタミンB6類;シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、デオキシアデノシルコバラミンなどのビタミンB12類;葉酸、プテロイルグルタミン酸などの葉酸類;ニコチン酸、ニコチン酸アミドなどのニコチン酸類;パントテン酸、パントテン酸カルシウム、パンテノール、D-パンテチン、補酵素A、パントテニルエチルエーテルなどのパントテン酸類;ビオチン、ビオチシンなどのビオチン類;並びにγ-オリザノール、カルニチン、フェルラ酸、α-リポ酸、及びオロット酸などのビタミン様作用因子などが挙げられる。
【0057】
ペプチド又はその誘導体としては、例えば、ケラチン分解ペプチド、加水分解ケラチン、エラスチン分解ペプチド、コラーゲン分解ペプチド、加水分解コラーゲン、塩化ヒドロキシプロピルアンモニウム加水分解コラーゲン、エラスチン分解ペプチド、コンキオリン分解ペプチド、加水分解コンキオリン、シルク蛋白分解ペプチド、加水分解シルク、ラウロイル加水分解シルクナトリウム、大豆蛋白分解ペプチド、加水分解大豆蛋白、カゼイン分解ペプチド、並びにアシル化ペプチド(パルミトイルオリゴペプチド、パルミトイルペンタペプチド、パルミトイルテトラペプチドなど)などが挙げられる。
【0058】
アミノ酸又はその誘導体としては、例えば、ベタイン(トリメチルグリシン)、プロリン、ヒドロキシプロリン、アルギニン、リジン、セリン、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、β-アラニン、スレオニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、ヒスチジン、タウリン、γ-アミノ酪酸、γ-アミノ-β-ヒドロキシ酪酸、カルニチン、カルノシン、クレアチンなどが挙げられる。
【0059】
細胞賦活化成分としては、例えば、γ-アミノ酪酸、及びε-アミノプロン酸などのアミノ酸類;レチノール、チアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、及びパントテン酸類などのビタミン類;グリコール酸、及び乳酸などのα-ヒドロキシ酸類;タンニン;フラボノイド;サポニン;アラントイン;並びに感光素301号などが挙げられる。
【0060】
老化防止成分としては、例えば、パンガミン酸、カイネチン、ウルソール酸、ウコンエキス、スフィンゴシン誘導体、ケイ素、ケイ酸、N-メチル-L-セリン、メバロノラクトンなどが挙げられる。
【0061】
血行促進作用成分としては、例えば、植物(例えば、オタネニンジン、ウイキョウ、エンメイソウ、オランダカシ、カミツレ、ローマカミツレ、カロット、ゲンチアナ、ゴボウ、コメ、サンザシ、シイタケ、セイヨウサンザシ、セイヨウネズ、センキュウ、センブリ、タイム、チョウジ、チンピ、トウキ、トウニン、トウヒ、ニンジン、ニンニク、ブッチャーブルーム、ブドウ、ボタン、マロニエ、メリッサ、ユズ、ヨクイニン、ローズマリー、ローズヒップ、チンピ、トウキ、トウヒ、モモ、アンズ、クルミ、又はトウモロコシ)に由来する成分;グルコシルヘスペリジンなどが挙げられる。
【0062】
角質軟化成分としては、例えば、尿素、グリコール酸、グルコン酸、フルーツ酸、フィチン酸、ラノリン、乳酸、クエン酸及びイオウなどが挙げられる。
【0063】
美白成分としては、例えば、アルブチン;ハイドロキノン;コウジ酸;エラグ酸;フィチン酸;ルシノール;カモミラET;アスコルビン酸又はその誘導体;ビタミンE又はその誘導体;パントテン酸又はその誘導体;美白作用を有する植物成分(例えば、植物エキスや精油)などが挙げられる。
【0064】
収斂成分としては、例えば、ミョウバン、クロロヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、アラントインアルミニウム塩、硫酸亜鉛、パラフェノールスルホン酸亜鉛、酸化亜鉛、及び硫酸アルミニウムカリウムなどの金属塩;タンニン酸、クエン酸、乳酸、コハク酸などの有機酸、エタノールなどが挙げられる。
【0065】
紫外線吸収成分としては、例えば、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル、2,4,6-トリス[4-(2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン、ジメトキシベンジリデンオキソイミダゾリジンプロピオン酸2-エチルヘキシル、及び2,4-ビス-[{4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ}-フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ジベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピロン酸エチルヘキシル、エトルヘキシルトリアゾリン、パラアミノ安息香酸およびその誘導体、パラジメチルアミノ安息香酸オクチル、サチリル酸エチレングリコール、ジヒドロキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
【0066】
紫外線散乱成分としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、ケイ酸チタン、ケイ酸亜鉛、無水ケイ酸、ケイ酸セリウム、含水ケイ酸などの無機化合物;これらの無機化合物を含水ケイ酸、水酸化アルミニウム、又はマイカやタルクなどの無機粉体で被覆したもの;これらの無機化合物をポリアミド、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン又はナイロンなどの樹脂粉体に複合化したもの;並びにこれらの無機化合物をシリコーン油や脂肪酸アルミニウム塩などで処理したものなどが挙げられる。
【0067】
洗浄成分としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸塩、アルキル(又はアルケニル)硫酸塩、高級脂肪酸塩(パルミチン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、及びステアリン酸など)、エーテルカルボン酸塩、アミドエーテルカルボン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、N-アシルアミノ酸塩(N-ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム、水酸化カリウム/N-ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸カリウム、ヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウム、及びミリストイルグルタミン酸など)、ポリオキシアルキレン脂肪酸アミドエーテル硫酸塩、アシル化イセチオン酸塩、及びアシル化タウレートなどのアニオン界面活性剤;アルキレンオキサイドが付加していてもよい、直鎖又は分岐鎖の長鎖アルキル基を有するモノ又はジ長鎖アルキル第4級アンモニウム塩などのカチオン界面活性剤;並びにカルボベタイン、スルホベタイン、イミダゾリニウムベタイン(2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、及びN-ヤシ油脂肪酸アシル-N-カルボキシメトキシエチル-N-カルボキシメチルエチレンジアミン二ナトリウムなど)、及びアミドベタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
【0068】
その他の有効成分は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0069】
本実施形態の外用剤は、容器詰めされた外用剤であってもよい。容器形状としては、例えば、ボトルタイプ、チューブタイプ、ジャータイプ、スポイドタイプ、ディスペンサータイプ、パウチ袋、及びチアパックなどを例示できる。また、容器材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン(HDPE、LDPE、及びLLDPEなど)、ABS樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ポリスチレン、ガラス、及び金属(アルミなど)などを例示できる。また、これらの材料の強度、柔軟性、及び耐候性、並びに容器に収容する成分の安定性などを考慮して、これらの材料を含む容器に各種コーティング処理を施したり、これらの材料を例えば混合するなどして組み合わせて容器材料としたり、これらの材料からなる層を積層して容器材料とすることができる。また、当業者であれば、容器からの製剤の吐出量を調節し、又は容器への製剤の付着を軽減するために、容器のノズル及び製剤の吐出部の口径、及び材質を適宜選択することができる。
【0070】
本実施形態の外用剤の使用方法としては、使用対象の皮膚の状態、年齢、又は性別などによって異なるが、例えば以下の方法が挙げられる。1日数回(例えば、1~5回、好ましくは1~3回)、適量(例えば、0.05~5g)を皮膚に塗布すればよい。また、塗布期間は、例えば1~6ヶ月間、好ましくは3~6ヶ月間とすればよい。
【0071】
本実施形態の外用剤は、メントールの生理活性を期待して、日焼け、運動又は気温等による肌のほてりを抑えたり、ひんやりとした感触を肌に与えたり、肌の炎症を抑える効果が期待できる。また同様に、6-アシル-2-O-α-D-グルコシル-L-アスコルビン酸の生理活性を期待して、肌のシミ、毛穴の黒ずみ、炎症などを有する人に好適に使用できる。また同様に、ジグリセリンの効果により高保湿効果が得られ、肌の透明感が得られるので、乾燥肌や敏感肌を有する人に好適に使用できる。
本実施形態の外用剤は、正常な肌を有する人にも好適に使用できる。また、本実施形態の外用剤は、適度な粘度が維持されているため、クッション性及び肌あたりといった使用感の改善、手に取った際の流れ落ちの防止、並びに、一回あたりの塗布量の向上、といった効果も得ることができる。
【0072】
本実施形態の外用剤は、エタノールを加えることにより、さらに冷却の持続効果が上がり、ひきしめ効果、収れん効果も付与され、毛穴を目立たなくする効果も期待できる。
【実施例0073】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0074】
[試験例:冷却効果、保湿効果の評価]
(1)試験サンプルの調製
使用した試験サンプルは、各種試薬を下記に示す混合比で適宜混合し、調製した。調製した試験サンプルは、透明であった。
【0075】
(2)試験方法
(使用感評価)
男性2名、女性4名の評価者に、各試験サンプルについて、塗布後10秒後の冷却持続効果と、塗布後の保湿感を5段階評価してもらい、その平均値を算出した。
【0076】
(3)試験結果
それぞれの評価結果を下記に示した。メントールとジグリセリン、カルボキシビニルポリマーを配合したものに、6-アシル-2-O-α-D-グルコシル-L-アスコルビン酸を加えると、冷却効果の持続が増強され、保湿感も増強された。
【0077】
実施例1 比較例1
メントール 0.02 0.02
ジグリセリン 3 3
カルボキシビニルポリマー 0.1 0.1
6-パルミトイル-2-O-α-D-グルコシルLアスコルビン酸 2
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(HCO-60) 0.1 0.1
水酸化ナトリウム 適量 適量
水 残量 残量
合計 100 100
冷却持続効果 2.2 1.5
保湿感 2.8 1.8