(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022083859
(43)【公開日】2022-06-06
(54)【発明の名称】光センサ、および、電子機器
(51)【国際特許分類】
H01L 31/12 20060101AFI20220530BHJP
H03K 17/78 20060101ALI20220530BHJP
H03K 17/945 20060101ALI20220530BHJP
H01H 35/00 20060101ALI20220530BHJP
【FI】
H01L31/12 E
H03K17/78 N
H03K17/945 K
H01H35/00 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020195432
(22)【出願日】2020-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】319006047
【氏名又は名称】シャープセミコンダクターイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】清水 隆行
(72)【発明者】
【氏名】藤山 利也
(72)【発明者】
【氏名】井上 高広
(72)【発明者】
【氏名】高田 敏幸
(72)【発明者】
【氏名】工藤 広太
【テーマコード(参考)】
5F889
5G055
5J050
【Fターム(参考)】
5F889BB02
5F889BC02
5F889BC11
5F889BC16
5F889CA06
5F889GA10
5G055AA05
5G055AB02
5G055AC01
5G055AD12
5G055AE22
5J050AA12
5J050BB17
5J050BB22
5J050FF06
5J050FF10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】光センサにおけるクロストークを低減する。
【解決手段】光センサは、基板上の投光素子と、基板上に投光素子から第1方向に設けられた受光素子と、受光素子上に設けられ、複数の第1遮光部材2を有する第1遮光層L1と、受光素子上、かつ、第1遮光層L1よりも下側に設けられ、複数の第2遮光部材3を有する第2遮光層L2とを備え、第2遮光部材3の幅は第1遮光部材2の幅よりも大きい。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に設けられた光源と、
前記基板上に前記光源から離間して設けられた受光素子と、
前記受光素子上に設けられ、複数の第1遮光部材を有する第1遮光層と、
前記受光素子上、かつ、前記第1遮光層よりも下側に設けられ、複数の第2遮光部材を有する第2遮光層と、
を備え、
前記第2遮光部材の幅は、前記第1遮光部材の幅よりも大きい
ことを特徴とする光センサ。
【請求項2】
基板と、
前記基板上に設けられた光源と、
前記基板上に前記光源から離間して設けられた受光素子と、
前記受光素子上に設けられ、並設された複数の第1遮光部材を有する第1遮光層と、
前記受光素子上、かつ、前記第1遮光層より下側に設けられ、並設された複数の第2遮光部材を有する第2遮光層と、
を備え、
隣接する前記複数の第1遮光部材間の間隔は、隣接する前記複数の第2遮光部材間の間隔よりも大きい
ことを特徴とする光センサ。
【請求項3】
前記第1遮光部材の厚さは、前記第2遮光部材の厚さよりも大きい
ことを特徴とする請求項1または2に記載の光センサ。
【請求項4】
前記第1遮光部材と、前記第2遮光部材との間に、中間層が設けられており、当該中間層の厚さは、前記第1遮光部材の厚さよりも大きい
ことを特徴とする請求項3に記載の光センサ。
【請求項5】
前記第1遮光部材の反射率は、前記第2遮光部材の反射率よりも大きい
ことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の光センサ。
【請求項6】
前記第1遮光部材と、前記第2遮光部材との間に、第3遮光部材をさらに備える
ことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の光センサ。
【請求項7】
前記第3遮光部材と前記第1遮光部材との間の距離は、前記第3遮光部材と前記第2遮光部材との間の距離よりも小さい
ことを特徴とする請求項6に記載の光センサ。
【請求項8】
前記第1遮光部材が、前記第2遮光部材側に迷光トラップ部材を備える
ことを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の光センサ。
【請求項9】
前記光源と、前記受光素子との間に、第4遮光部材をさらに備える
ことを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の光センサ。
【請求項10】
請求項1から9の何れか1項に記載の光センサと、
前記光センサ上に設けられたパネルと、
を備えることを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光センサ、および、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
小型の近接センサは、スマートフォン用に使用されており、例えば、電話を受信したときにユーザの顔を検出して、ディスプレイおよびタッチパネルをオフにする機能が近接センサで実現されている。
【0003】
近年、スマートフォンのインターフェースとして、イヤホンジャックが非搭載になる傾向があり、イヤホンのワイヤレス化の傾向が強くなってきている。一般的には、TWS(True Wireless Stereo)イヤホンと呼ばれており、このイヤホンに近接センサを内蔵して、耳にイヤホンが入っているか検出する機能が求められている。そこで、市場からは、近接センサのさらなる小型化の要望がある。
【0004】
一方で、従来は、透明樹脂および黒樹脂による2重トランスファーモールド構造により、内部クロストーク(パッケージ内で発光素子から受光素子に光が入る)と、パネルクロストーク(パネルの下側あるいは上側の境界面で反射した光が受光素子に入る)とを防止していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2012/032753号
【特許文献2】特許第6607709号公報
【特許文献3】特開2020-129630号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の通り、近接センサのさらなる小型化の要望に応じて、発光素子と受光素子との間を狭めると、クロストークが増加するという問題が生じる。
【0007】
また、上記の小型化の要望に応じて、近接センサのパッケージの厚さを従来の1/2~1/3に小さくすると、上記の2重トランスファーモールド構造を形成するのが難しくなるので、クロストークを低減するのが困難になるという問題が生じる。
【0008】
なお、特許文献1の光センサは、光を所定の領域に導光させるために、透光層と遮光層とを交互に設けたものである。ただし、当該光センサは、太陽光センサなので、光源を用いておらず、クロストークの対策はされていない。
【0009】
次に、特許文献2の近接センサは、クロストークを低減するために、遮光するケースおよび遮光壁を設けたものである。ただし、当該近接センサは、遮光するために外付け部材を追加している。
【0010】
そして、特許文献3の近接センサは、クロストークを低減するために、受光素子上の樹脂体に傾斜面を設けたものである。ただし、クロストーク対策を樹脂で行っており、筐体に光学窓を設け、かつ、遮光領域を設けることにより、導光している。
【0011】
上記先行文献によれば、所望の光のみを検知するために受光素子上に構造物を設けることが開示されているが、クロストーク対策について検討されていない。また、クロストーク対策として、さらに遮蔽物を設けたり、受光素子上の樹脂に傾斜面を設けたりすることが開示されているが、クロストークを抑制することは難しい。
【0012】
本発明の一態様は、光センサにおけるクロストークを低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る光センサは、基板と、前記基板上に設けられた光源と、前記基板上に、かつ、前記光源から第1方向に離間して設けられた受光素子と、前記受光素子上に設けられ、複数の第1遮光部材を有する第1遮光層と、前記受光素子上、かつ、前記第1遮光層よりも下側に設けられ、複数の第2遮光部材を有する第2遮光層と、を備え、前記第2遮光部材の幅は、前記第1遮光部材の幅よりも大きい。
【0014】
また、本発明の一態様に係る光センサは、基板と、前記基板上に設けられた光源と、前記基板上に、かつ、前記光源から第1方向に離間して設けられた受光素子と、前記受光素子上に設けられ、複数の第1遮光部材を有する第1遮光層と、前記受光素子上、かつ、前記第1遮光層よりも下側に設けられ、複数の第2遮光部材を有する第2遮光層と、を備え、隣接する前記複数の第1遮光部材間の間隔は、隣接する前記複数の第2遮光部材間の間隔よりも大きい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一態様によれば、光センサにおけるクロストークを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態1に係る光センサの外観を示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態1に係る光センサの外観を示す平面図である。
【
図3】本発明の実施形態1に係る光センサの断面を示すA-A’線断面図である。
【
図4】本発明の実施形態1に係る受光素子の受光領域の拡大図である。
【
図5】本発明の実施形態1に係る導光体を示すB-B’線概略断面図である。
【
図6】本発明の実施形態2に係る導光体を示すB-B’線概略断面図である。
【
図7A】本発明の実施形態2に係る迷光トラップ部材の外観を示す図である。
【
図7B】本発明の実施形態2に係る迷光トラップ部材の外観を示す図である。
【
図7C】本発明の実施形態2に係る迷光トラップ部材の外観を示す図である。
【
図7D】本発明の実施形態2に係る迷光トラップ部材の外観を示す図である。
【
図8】本発明の実施形態3に係る導光体を示すB-B’線概略断面図である。
【
図9】本発明の実施形態4に係る導光体を示すB-B’線概略断面図である。
【
図10A】本発明の実施形態4に係る迷光トラップ部材の外観を示す図である。
【
図10B】本発明の実施形態4に係る迷光トラップ部材の外観を示す図である。
【
図11】本発明の実施形態に係る入射光量の指向特性を示すグラフである。
【
図12】本発明の実施形態に係る受光素子に入射する信号光およびクロストークの主要入射角の例を示すグラフである。
【
図13A】本発明の実施形態5に係る電子機器を示す断面図である。
【
図13B】本発明の実施形態1~4に係る光センサを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施形態1について、詳細に説明する。
【0018】
(光センサ1)
図1は、本実施形態に係る光センサ1の外観を示す斜視図である。
図2は、本実施形態に係る光センサ1の外観を示す平面図である。
図3は、本実施形態に係る光センサ1の断面を示すA-A’線断面図である。
図3に示すように、光センサ1は、基板11、投光素子(光源)12、受光素子13、および、筐体14を備えている。
【0019】
投光素子12は、基板11上に設置され、基板11の面に略垂直な方向に発光するものである。投光素子12は、例えば、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting LASER、垂直共振器面発光レーザ)等の発光素子である。受光素子13は、基板11上に、かつ、投光素子12からX方向に離間して設置され、受光を検出するものである。受光素子13は、例えば、フォトダイオード等の光電変換素子である。なお、
図1に示すように、投光穴15からから受光穴17への方向を、X方向とする。
【0020】
図3のA-A'線断面図に示すように、筐体14は、基板11、投光素子12、および、受光素子13に覆設される。筐体14は、樹脂等により形成される。筐体14の天面には、投光穴15、遮蔽体(第4遮光部材)16、および、受光穴17が設けられる。投光穴15は、投光素子12から発光が通過するように、筐体14の天面に穿設される。
【0021】
遮蔽体16は、投光素子12と、受光素子13との間に設けられる。詳細には、遮蔽体16は、投光穴15と、受光穴17との間に設けられる。これにより、光センサ1内部において、投光素子12から受光素子13に入射する散乱光(内部クロストークの光)を低減することができる。なお、遮蔽体16は、クロストークを低減させる機能を有していればよく、黒色樹脂や黒色の色材等を塗布してもよいし、スリット状であってもよい。受光穴17は、受光素子13への受光が通過するように、筐体14の天面に穿設される。
【0022】
(受光素子13)
図3のA-A'線断面図に示すように、受光素子13は、受光領域131と、導光体132と、遮光体134とを備えている。
【0023】
図4は、本実施形態に係る受光素子13の受光領域131を示す図であり、
図4の上段は、受光領域131の拡大図である。すなわち、
図4の上段は、
図2の平面図および
図3のA-A'線断面図に示す受光領域131を拡大した平面図である。
図4の中段は、受光領域131を側方から観察した構造を模式的に示す図である。
【0024】
受光領域131は、受光を検出可能な領域である。すなわち、受光素子13において、受光領域131に受光があると、起電力が発生する。導光体132は、検知対象物101(
図13A参照)からの光を通過させる一方で、パネルP(
図13A参照)および検知障害物102(
図13B参照)からのクロストークを遮断するものであり、金属製のフィン等により形成される。
図4の上段および中段に示すように、受光領域131のうち、投光素子12から離れた側の半分の領域に導光体132が覆設される。一方、受光領域131のうち、投光素子12に近い側の半分の領域に遮光体134が覆設される。遮光体134は、光を完全に遮断する。
【0025】
本実施形態において、受光領域131のうち、投光素子12に近い側の領域を完全遮光にする理由を、以下に示す。例えば、投光素子12が出射する光として、波長が940nmの赤外線を用い、受光領域131がシリコンの場合など、投光素子12から出射された光の反射光が、シリコンの奥深くまで(100um以上)侵入することがある。そして、受光領域131のうち、投光素子12に近い側の領域に当該反射光が入射した場合、当該反射光は、シリコンの内部を通過し、受光領域131のうち、投光素子12から離れた側の領域の下部に到達することがある。当該投光素子12から離れた側の領域の下部に光が到達すると、光電子が発生し、この光電子が当該投光素子12から離れた側の領域の空乏層に到達した場合、光電流が発生する。このように受光領域131のうち、投光素子12に近い側の領域に入射した光により投光素子12から離れた側の領域の受光素子13に光電流が発生することになるため、クロストーク特性が悪化する。これを避ける為に、受光領域131のうち、投光素子12に近い側の領域、特に、受光領域131のうち、投光素子12に近い側の半分の領域は、完全遮光(通常メタル層により遮光)することが好ましい。
【0026】
(導光体132)
続いて、
図4の下段および
図5を用いて、本実施形態を説明する。
図4の下段は、本実施形態に係る導光体132を示す平面図である。
図5は、本実施形態に係る導光体132を示す断面図であり、矢印で示す方向(
図5の左側)に投光素子12が設けられている。なお、
図6以降の図面においても、説明がある場合を除き、矢印の方向に投光素子12が設けられている。
【0027】
導光体132は、複数の第1遮光部材を有する第1遮光層L1と、複数の第2遮光部材3を有する第2遮光層L2と、第1遮光層L1と第2遮光層L2との間に設けられた中間層5と、を備える。第1遮光層L1および第2遮光層L2は、受光素子13の上側に積層されている。
【0028】
第1遮光層L1は、受光素子13上に設けられ、複数の第1遮光部材2を有する。第2遮光層L2は、受光素子13上、かつ、第1遮光層L1よりも下側に設けられ、複数の第2遮光部材3を有する。第2遮光層L2は、第1遮光層L1よりも受光素子13に近い。なお、「受光素子13上に」とは、「受光素子13の、基板11とは反対側に」という意味であり、光センサ1の設置状態によって、受光素子13の鉛直上方向とは限らない。
【0029】
図4の下段に示すように、第1遮光部材2および第2遮光部材3は、長軸および短軸を有する矩形状であり、短軸方向に並列に設けられている。具体的には、
図5に示すように、第1遮光層L1において、隣り合う2つの第1遮光部材2は互いに所定の間隔を空けて並列となるように設けられている。このとき、隣り合う2つの第1遮光部材間の間隔を第1スリットSL1とすると、第1遮光層L1は、複数の第1遮光部材2と、隣り合う第1遮光部材2間に設けられた第1スリットSL1とを有する。同様にして、第2遮光層L2においても、隣り合う2つの第2遮光部材3は互いに所定の間隔を空けて並列となるように設けられ、この所定の間隔を第2スリットSL2とする。第2遮光層L2は、複数の第2遮光部材3と、隣り合う第2遮光部材3間に設けられた第2スリットSL2を有する。
【0030】
なお、第1遮光層L1の上には、図示しない保護層(例えば、SiN膜等)が形成されている。また、第1遮光部材2、および、第2遮光部材3は、金属であってもよく、配線として利用可能である。導光体132は、表面側から第1遮光層L1、中間層5、第2遮光層L2となるように設けられ、受光素子13の受光面133と第2遮光層L2が最も近くなるように配置されている。中間層5は、第1遮光層L1と、第2遮光層L2との間に設けられた層であり、単層であっても複層であってもよい。
【0031】
図5に示すように、第2遮光部材3の幅は、第1遮光部材2の幅よりも大きい。これによれば、第2遮光部材3の幅が大きいので、パネルPによるクロストークを反射させやすくすることができる。
【0032】
一方で、第1スリットSL1(隣接する複数の第1遮光部材2間の間隔)は、第2スリットSL2(隣接する複数の第2遮光部材3間の間隔)よりも大きい。これによれば、第1スリットSL1が大きいので、光を取り入れやすくし、また、第2遮光部材3の上面による反射光を外部に逃がしやすくすることができる。
【0033】
また、第1遮光部材2の厚さは、第2遮光部材3の厚さよりも大きくしてもよい。これによれば、第1遮光部材2の厚さが大きいので、第1遮光部材2の側面を用いて、クロストークを反射させやすくすることができる。
【0034】
そして、第1遮光部材2と、第2遮光部材3との間にある中間層5の厚さは、第1遮光部材2の厚さよりも大きくしてもよい。すなわち、中間層5の厚さは、第1遮光部材2および第2遮光部材3の厚さよりも厚くなる。中間層5が第1遮光部材2よりも厚いとき、第1遮光部材2を通過したクロストークが第2遮光部材3に到達するまでの距離が長くなる。その結果、第1スリットSL1を通過したクロストークが第2スリットSL2を通過し難くなり、第2遮光部材3によりクロストークを反射しやすくなるので、光センサ1におけるクロストークを低減することができる。
【0035】
さらに、第1遮光部材2の反射率は、第2遮光部材3の反射率よりも大きくしてもよい。これによれば、クロストークを抑制することができる。
【0036】
第1遮光部材2の反射率、および、第2遮光部材3の反射率に関して、
図5に示す、クロストーク成分の光(a1~a3)が入射した例について説明する。a1の経路の光は、第2遮光部材3の上面に反射して、外部に出ていく。a2の経路の光は、第2遮光部材3の上面に反射し、さらに第1遮光部材2の下面に反射して、迷光成分として受光素子13の受光面133に入ってしまう。従って、第2遮光部材3の反射率を低くすることにより、a2の経路の光が抑えられるため、クロストークを低めに抑えることができる。すなわち、第2遮光部材3の反射率は低い方がよい。
【0037】
一方、
図5に示すa3の経路の光は、第1遮光部材2の上面に反射されて外部に出ていく。従って、第1遮光部材2の反射率は高い方がよい。
【0038】
さらに、第2遮光部材3が反射させる光は、光センサ1以外からの光であってもよい。すなわち、導光体132は、光センサ1の外部からのクロストーク対策に特化したものであってもよい。ここで、光センサ1が受光してしまうクロストークとしては、光センサ1の内部で発生するクロストークと、光センサ1の外部から届くクロストークと、の2種類ある。1つ目の光センサ1の内部で発生するクロストークとは、投光素子12から出射された光が、光センサ1内で乱反射することで発生する。2つ目の光センサ1の外部から届くクロストークは、上述したように、光センサ1が検知したい所望の距離に存在する検知対象物101からの光ではなく、光センサ1が検知したい所望の距離よりももっと近い検知障害領域から光センサ1に入射される光のことである。導光体132が、受光素子13上に、複数の第1遮光部材2を有する第1遮光層L1と、複数の第2遮光部材3を有する第2遮光層L2と、第1遮光層L1と第2遮光層L2との間に設けられた中間層5とを備えることで、より効率的に光センサ1の外部から入射されるクロストークを抑制することができる。
【0039】
例えば、受光素子13は、投光素子12の発光方向と略同じ方向に向く受光面133を備えていてもよい。複数の第1遮光部材2は、受光面133に対して略平行に並設されていてもよい。複数の第2遮光部材3は、受光面133に対して略平行に、かつ、複数の第1遮光部材2に対応するように並設されていてもよい。すなわち、第1遮光部材2と、第2遮光部材3は、上下に対応して、同じ個数だけ設けられていてもよい。
【0040】
図5に示すように、上側からの光Sは、受光素子13の受光面133に対して垂直に入射される光に対して、当該光の入射角がαである場合、入射角がαの光は光センサ1が検知したい所望の領域からの光であるので、第1スリットおよび第2スリットを通過して、受光面133に到達する。一方、光の入射角がβである場合、入射角がβの光は光センサ1が検知したい領域以外から届く光であるクロストークとして考えられる。第1スリットSL1を通過したとしても、第2遮光部材3の上面に反射し、さらに別の第1スリットSL1を通過するので、受光面133に到達しない。結果として、受光素子13は、入射角αの光を信号光として検知し、入射角βの光を信号光として検知しない。
【0041】
実施形態1によれば、光センサ1の外側からのクロストークXtが入らないようにするのではなく、あえてクロストークXtを受光素子13上に導光し、クロストークXtを積極的に反射させる構造にすることにより、クロストークXtを低減することができる。さらに、光センサ1内の投光素子12と、受光素子13との間に遮光壁等を設けないため、光センサ1をさらに小型化することができる。
【0042】
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0043】
図6は、本実施形態に係る導光体132における、
図4のB-B’線断面図である。
図6に示すように、光センサ1は、導光体132において、第1遮光部材2の、第2遮光部材3側に設けられた迷光トラップ部材4をさらに備えていてもよい。迷光トラップ部材4は、突起状または溝状になっているので、第2遮光部材3が第1遮光部材2側に反射したクロストークの影響を抑制することができる。また、迷光トラップ部材4に対するクロストークの入射角度を問うことなく、当該クロストークの影響を抑制することができる。
【0044】
図7A~
図7Dに示すように、迷光トラップ部材4は、それぞれ、第1遮光部材2の下面に突設されている。以下に、各迷光トラップ部材4について説明する。
【0045】
図7Aに示すように、迷光トラップ部材4は、第1遮光部材2の下面において、複数の円錐が縦横に配設された形状になっている。これによれば、第2遮光部材3の上面に反射したクロストークを広く、各円錐間に捕集することができる。なお、迷光トラップ部材4には、円錐の代わりに、三角錐等の角錐を用いてもよい。
【0046】
詳細には、第1遮光部材2の下面に細かい突起が並んでいるので、第2遮光部材3の上面で散乱されたクロストークが、第1遮光部材2の下面で再度散乱されて、受光素子13に入射して、クロストーク成分が増加するのを防ぐことができる。迷光トラップ部材4に入射したクロストークは、円錐の表面で反射し、各突起の間(各円錐の底面間の溝部)に閉じ込められる。
【0047】
図7Bに示すように、迷光トラップ部材4は、第1遮光部材2の下面において、複数の三角柱が第1方向(実施形態1参照)に並設された形状になっている。これによれば、第2遮光部材3の上面に反射したクロストークを広く、隣接する三角柱間の溝部に捕集することができる。また、迷光トラップ部材4が三角柱なので、角度を容易に調整することができる。
【0048】
詳細には、三角柱を用いた構造を用いるので、第2遮光部材3の上面で散乱されたクロストークが、第1遮光部材2の下面で再度散乱されて、受光素子13に入射して、クロストーク成分が増加するのを防ぐことができる。迷光トラップ部材4に入射した光は、三角柱の表面で反射し、隣接する三角柱間の溝部の奥に閉じ込められる。
【0049】
図7Cに示すように、迷光トラップ部材4は、第1遮光部材2の下面において、複数の回転楕円体の突起構造が縦横に配設された形状になっている。迷光トラップ部材4は、頂上部分が円形になっている。
【0050】
これによれば、第2遮光部材3の上面に反射したクロストークを広く、各回転楕円体間に捕集することができる。
図7Aに示す、円錐状の突起による迷光トラップ部材4と比較すると、
図7Cに示す迷光トラップ部材4は、半導体の製造工程のうち、通常のエッチング工程で作製可能な形状であるので、製造コストを抑えることができる。
【0051】
図7Dに示すように、迷光トラップ部材4は、第1遮光部材2の下面において、複数の略半円柱状構造が第1方向(実施形態1参照)に並設された形状になっている。
【0052】
これによれば、第2遮光部材3の上面に反射し、第1遮光部材2の下面に入射したクロストークを広く、相互の隣接する略半円柱状構造間の溝部に捕集することができる。
図7Dに示す迷光トラップ部材4は、略半円柱状構造になっているので、
図7Bに示す迷光トラップ部材4の三角柱よりも捕集面積を広くとることができる。また、
図7Dに示す迷光トラップ部材4は、
図7Bに示す迷光トラップ部材4の三角柱と比較すると、半導体の製造工程のうち、通常のエッチング工程で作製可能な形状であり、製造コストを抑えることができる。
【0053】
なお、迷光トラップ部材4に関して、溝や突起のピッチ、形状は特に限定されず、適宜設計可能である。例えば、迷光トラップ部材4は、角錐、円錐、角柱、円柱等であってもよいし、さらに粗であってもよいし、各部材の大きさは同じでなくてもよい。また、迷光トラップ部材4は、黒色の樹脂、黒色の色材等であってもよい。これによれば、迷光トラップ部材4を容易に製造することができる、
〔実施形態3〕
本発明の実施形態3について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1、2にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0054】
光センサ1は、導光体132において、第1遮光部材2と、第2遮光部材3との間に設けられた第3遮光部材6をさらに備えていてもよい。詳細には、光センサ1は、中間層5の第1遮光層L1側に第3遮光部材6を備えていてもよい。すなわち、第3遮光部材6は、第3遮光部材6と第1遮光部材2との間の距離が、第3遮光部材6と第2遮光部材3との間の距離よりも小さくなるように配置してもよい。例えば、第1遮光部材2と、第2遮光部材3との間に設けられた配線を、第3遮光部材6として用いることができる。従って、クロストークを反射させやすくすることができる。
【0055】
図8は、本実施形態に係る導光体132における
図4AのB-B’線断面図である。
図8に示すように、第1遮光部材2と、第2遮光部材3との間の中間層5において、第3遮光層L3が設けられている。第3遮光部材6は、複数の板状部材が垂直に並設されている。さらに、複数の第3遮光部材6は、第3遮光層L3においてX方向(
図4参照)に並設されている。
【0056】
中間層5には金属配線を設けられてもよいし、金属配線を第3遮光層L3として用いてもよい。これによれば、製造工程が容易になる。
【0057】
図8に示すように、中間層5がさらに第3遮光層L3を有するとき、光センサ1に入射されるクロストークの一部は、第3遮光層L3で反射される。すなわち、第1遮光層L1の側面で反射したクロストークが、第1スリットSL1を通過して第3遮光層L3で反射し、別の第1スリットSL1から外部へ出射される。あるいは、第1スリットSL1を通過したクロストークが第3遮光層L3で反射して別の第1スリットSL1から外部へ出射される。このようにして、第3遮光層L3によるクロストークを抑制することができる。
【0058】
なお、各層間、すなわち、第1層L1と、第3層L3との間、および、第3層L3と、第2層L2との間には、絶縁層があってもよい。
【0059】
〔実施形態4〕
図9、
図10Aおよび
図10Bを用いて、本発明の実施形態4について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1、2、3にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。本実施形態は、実施形態3にビアを追加して、迷光トラップ構造を形成したものである。
【0060】
図9は、本実施形態に係る導光体132における
図4のB-B‘線断面図であり、
図10Aおよび
図10Bは迷光トラップ部材7を示している。光センサ1は、導光体132において、第1遮光部材2と、第2遮光部材3との間に設けられた第3遮光部材6をさらに備えていてもよい。そして、光センサ1は、導光体132において、金属配線である第1遮光部材2と、金属配線である第3遮光部材6との間に接続されたビア(接続領域)BRをさらに備えていてもよい。ビアBRは、多層配線において、上層の配線(第1遮光部材2)と、下層の配線(第3遮光部材6)とを電気的に接続する領域である。
【0061】
換言すれば、迷光トラップ部材7は、第1遮光部材2と、第3遮光部材6と、それらの間に架設されたビアBRとを備えている。従って、第1遮光部材2と、第3遮光部材6との間がビアBRにより塞がれているので、第2遮光部材3の上面に反射して、第3遮光部材6の下側から入射したクロストークXt5を逃さず、閉じ込めることができる。迷光トラップ部材7は、第1遮光部材2の下面に突設されている。以下に、各迷光トラップ部材7について説明する。
【0062】
図10Aに示すように、迷光トラップ部材7は、第3遮光部材6と、ビアBRとが複数の板状部材になっている。これによれば、迷光トラップ部材7の容積が大きいので、迷光トラップ部材7に入射した光が多重反射することにより、その内部に閉じ込めることができる。従って、第2遮光部材3の上面で反射したクロストークが、第1遮光部材2の下面で再度反射して、受光素子13の受光面133に入射するのを抑制することができる。
【0063】
また、本実施形態では、半導体の製造において工程を追加せずに作製することができるので、実施形態2の構造よりも、製造コストを抑えることができる。
【0064】
図10Bに示すように、迷光トラップ部材7は、第3遮光部材6と、ビアBRとが複数のボックス構造になっている。これによれば、第1遮光部材2の下面において、複数のボックス構造である迷光トラップ部材7に入射した光が、多重反射することにより、その内部に閉じ込めることができる。従って、第2遮光部材3の上面で反射したクロストークが、第1遮光部材2の下面で再度反射して、受光素子13の受光面133に入射するのを抑制することができる。
【0065】
上述した実施形態において、第1遮光部材2および第2遮光部材3は、長軸と短軸を備える矩形状であり、それぞれ短軸方向に並設されるが、これに限定されない。第1遮光部材2および第2遮光部材3は長軸方向に並設されていてもよいし、第1遮光部材2と第2遮光部材3とが、それぞれ異なる方向に並設されていてもよく、あるいは、長軸方向と短軸方向を組み合わせて並設されていてもよく、適宜並設される。
【0066】
上述した実施形態において、第1遮光部材2、第2遮光部材3および第3遮光部材6は矩形状であるが、形状については特に限定されず、種々の形状を適宜用いることができる。
【0067】
図11は、本実施形態に係る入射光量の指向特性を示すグラフである。グラフの横軸は、光またはクロストークの入射角度を示す。グラフの縦軸は、相対受光感度を示す。グラフの点線で示す曲線は導光体132を設けない光センサにおける受光素子の受光感度の分布を示しており、実線で示す折れ線は本実施形態における光センサ1の受光感度を示している。
図11に示すように、入射角度が-18度付近(
図5のβに対応)のクロストークXtは、相対受光感度が0.24ぐらいの値であり、導光体を設けない場合と比べかなり低くなっている。一方、入射角度が-7度付近(
図5のαに対応)の光Sは、相対受光感度が0.86ぐらいの値であり、かなり高くなっている。従来の構成では、光の入射角度に応じてなだらかな曲線を描くように受光感度が分布しており、入射角度が-18度付近のクロストークXtは、相対受光感度が高い。本実施形態の構成によれば、クロストークとなる余分な光の受光を抑制できる。換言すれば、特定の角度で入射した光を、第2遮光部材3の上面で反射させて、受光素子13に入射し難くすることにより、パネルPおよび検知障害物102によるクロストークを減少させることができる。
【0068】
図12は、本実施形態に係る受光素子13に入射する信号光SおよびクロストークXt(パネルの上面、下面)の主要入射角の例を示すグラフである。信号光Sを点線、パネルPの上面からの反射光であるクロストークXt1を実線、パネルPの下面からの反射光であるクロストークXt2を二点鎖線で示している。光センサ1の導光体132は、入射角度が-10~0度の信号光Sを受光面133に入射させる。一方、光センサ1の導光体132は、パネルPからの反射光、すなわち、入射角度が-20~-16度のクロストークXt1、および、入射角度が-60~-36度のクロストークXt2は受光素子にできるだけ入射させない構造になっている。なお、信号光S、クロストークXt1およびクロストークXt2の入射角度は上述した角度に限定されず、適宜設定しうる。
【0069】
〔電子機器〕
図13Aは、本発明の実施形態5に係る電子機器を示す断面図である。例えば、
図13Aに示すように、光センサ100aは、第1遮光部材2の上に設けられたパネルPをさらに備えていてもよい。すなわち、電子機器は、光センサ100aと、光センサ100a上に設けられたパネルPと、を備える。これによれば、光センサ100aを、パネルPを備えた電子機器として利用する場合に、投光素子12から発光されて、パネルPに反射したクロストークを低減することができる。
【0070】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る光センサは、基板と、前記基板上に設けられた光源と、前記基板上に、かつ、前記光源から第1方向に離間して設けられた受光素子と、前記受光素子上に設けられ、複数の第1遮光部材を有する第1遮光層と、前記受光素子上、かつ、前記第1遮光層よりも下側に設けられ、複数の第2遮光部材を有する第2遮光層と、を備え、前記第2遮光部材の幅は、前記第1遮光部材の幅よりも大きい。
【0071】
前記の構成によれば、第2遮光部材の幅が大きいので、光センサを小型化したとしても、クロストークを反射させやすくすることができる。
【0072】
本発明の態様2に係る光センサは、基板と、前記基板上に設けられた光源と、前記基板上に、かつ、前記光源から第1方向に離間して設けられた受光素子と、前記受光素子上に設けられ、並設された複数の第1遮光部材を有する第1遮光層と、前記受光素子上、かつ、前記第1遮光層より下側に設けられ、並設された複数の第2遮光部材を有する第2遮光層と、を備え、隣接する前記複数の第1遮光部材間の間隔は、隣接する前記複数の第2遮光部材間の間隔よりも大きい。
【0073】
前記の構成によれば、第1遮光部材の間隔が大きいので、光センサを小型化したとしても、外部から光を取り入れやすくすることができる。
【0074】
本発明の態様3に係る光センサは、上記態様1または2において、前記第1遮光部材の厚さは、前記第2遮光部材の厚さよりも大きいこととしてもよい。
【0075】
前記の構成によれば、第1遮光部材の厚さが大きいので、第1遮光部材の側面を用いて、クロストークを反射させやすくすることができる。
【0076】
本発明の態様4に係る光センサは、上記態様3において、前記第1遮光部材と、前記第2遮光部材との間に、中間層が設けられており、当該中間層の厚さは、前記第1遮光部材の厚さよりも大きいこととしてもよい。
【0077】
前記の構成によれば、第1遮光部材と、第2遮光部材との間の間隔が大きいため、第1遮光部材の間隔を通過したクロストークが第2遮光部材の間隔を通過し難くなるので、光センサにおけるクロストークを低減することができる。
【0078】
本発明の態様5に係る光センサは、上記態様1から4の何れかにおいて、前記第1遮光部材の反射率は、前記第2遮光部材の反射率よりも大きいこととしてもよい。
【0079】
前記の構成によれば、第2遮光部材の反射率が小さいので、第2遮光部材の上面に反射し、第1遮光部材の下面に反射して、受光素子に入射するクロストークを抑制することができる。
【0080】
本発明の態様6に係る光センサは、上記態様1から5の何れかにおいて、前記第1遮光部材と、前記第2遮光部材との間に設けられた第3遮光部材をさらに備えることとしてもよい。
【0081】
前記の構成によれば、例えば、第1遮光部材と、第2遮光部材との間に設けられた配線を、遮光部材として用いることができる。従って、クロストークを反射させやすくすることができる。
【0082】
本発明の態様7に係る光センサは、上記態様6において、前記第3遮光部材と前記第1遮光部材との間の距離は、前記第3遮光部材と前記第2遮光部材との間の距離よりも小さいこととしてもよい。
【0083】
前記の構成によれば、第3遮光部材が第1遮光部材に近いため、第1遮光部材の間隔を通過したクロストーク、および、第1遮光部材の側面に反射したクロストークを第1遮光部材に近い側で反射させるので、受光素子に入射するクロストークを抑制することができる。
【0084】
本発明の態様8に係る光センサは、上記態様1から7の何れかにおいて、第1遮光部材の、第2遮光部材側に設けられた迷光トラップ部材をさらに備えることとしてもよい。
【0085】
前記の構成によれば、第1遮光部材の迷光トラップ部材を用いて、第2遮光部材に反射したクロストークの影響を抑制することができる。
【0086】
本発明の態様9に係る光センサは、上記態様1から8の何れかにおいて、第4遮光部材をさらに備えることとしてよい。
【0087】
前記の構成によれば、光センサ内部において、光源から受光素子に入射する散乱光(内部クロストーク)を低減することができる。
【0088】
本発明の態様10に係る電子機器は、上記態様1から9の何れかに記載の光センサと、前記光センサ上に設けられたパネルと、を備える。
【0089】
前記の構成によれば、光センサを、パネルを備えた電子機器として利用する場合に、光源から発光されて、パネルに反射したクロストークを低減することができる。
【0090】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0091】
1 光センサ
2 第1遮光部材
3 第2遮光部材
4、7 迷光トラップ部材
5 中間層
6 第3遮光部材
11 基板
12 投光素子(光源)
13 受光素子
16 遮蔽体(第4遮光部材)
L1 第1遮光層
L2 第2遮光層