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特開2022-83872試掘情報管理装置、方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022083872
(43)【公開日】2022-06-06
(54)【発明の名称】試掘情報管理装置、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/00 20060101AFI20220530BHJP
【FI】
G01B11/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020195455
(22)【出願日】2020-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】391024825
【氏名又は名称】ジオ・サーチ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】恵良 幹夫
(72)【発明者】
【氏名】神代 晃治
(72)【発明者】
【氏名】東海林 隼人
(72)【発明者】
【氏名】西 英理香
【テーマコード(参考)】
2F065
【Fターム(参考)】
2F065AA04
2F065BB05
2F065DD06
2F065FF01
2F065FF04
2F065FF05
2F065FF09
2F065FF67
2F065JJ03
2F065JJ26
2F065MM06
2F065PP04
2F065QQ31
2F065RR01
2F065RR02
2F065SS13
(57)【要約】
【課題】重複する試掘作業を低減する。
【解決手段】取得部12が、ユーザ端末30Aにより試掘穴を含む部分を撮影した複数の画像と、試掘穴の位置情報とを取得し、生成部14が、取得部12により取得された複数の画像から、試掘穴の三次元データを生成し、記憶制御部14が、取得部12により取得された試掘穴の位置情報と、生成部14により生成された三次元データとを対応付けて試掘情報DB18に記憶し、表示制御部20が、位置情報が指定された場合に、試掘情報DB18から、指定された位置情報に対応する試掘穴の三次元データを読み出し、三次元データを画像化した三次元画像をユーザ端末30B又は30Cの表示装置に表示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試掘穴を含む部分を撮影した複数の画像と、前記試掘穴の位置情報とを取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記複数の画像から、前記試掘穴の三次元データを生成する生成部と、
前記取得部により取得された前記試掘穴の位置情報と、前記生成部により生成された前記三次元データとを対応付けて記憶部に記憶する記憶制御部と、
位置情報が指定された場合に、前記記憶部から、指定された前記位置情報に対応する前記試掘穴の三次元データを読み出し、前記三次元データを画像化した三次元画像を表示装置に表示する表示制御部と、
を含む試掘情報管理装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記複数の画像として、前記試掘穴を複数の異なる角度の各々から撮影した複数の静止画を取得する請求項1に記載の試掘情報管理装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記試掘穴を撮影した動画を取得し、前記複数の画像として、前記動画を構成する複数のフレーム画像のうち、前記試掘穴を複数の異なる角度の各々から撮影した複数のフレーム画像を取得する請求項1に記載の試掘情報管理装置。
【請求項4】
前記取得部は、前記試掘穴を複数の異なる角度の各々から撮影するための指示を送信する請求項2又は請求項3に記載の試掘情報管理装置。
【請求項5】
前記取得部は、さらに、前記試掘穴内に存在する配管の種類の情報を取得し、
前記表示制御部は、前記三次元画像を表示する際に、前記配管の種類を識別可能な情報を付与して表示する
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の試掘情報管理装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記三次元画像に含まれる配管部分を、前記配管の種類に応じて異なる色付けで表示する請求項5に記載の試掘情報管理装置。
【請求項7】
前記取得部は、自装置の位置を測位する機能を有する撮影装置により撮影された前記複数の画像を取得すると共に、前記撮影装置により前記複数の画像が撮影された際の前記撮影装置の位置情報を取得し、
前記表示制御部は、自装置の位置を測位する機能を有する前記表示装置において、試掘埋め戻し後の現場で測位された前記表示装置の位置を、前記位置情報の指定として受け付ける
請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の試掘情報管理装置。
【請求項8】
前記生成部は、生成した前記三次元データに基準点を設定し、
前記表示制御部は、マーカの読み取り機能を有する前記表示装置によりマーカが読み取られた場合に、前記マーカの位置に前記基準点を一致させた状態で、前記表示装置と前記マーカとの位置関係に応じた位置及び姿勢の前記三次元画像を前記表示装置に表示する
請求項7に記載の試掘情報管理装置。
【請求項9】
前記表示制御部は、撮影機能を有する前記表示装置により撮影された画像と、前記三次元画像とを合成した拡張現実画像を前記表示装置に表示する請求項8に記載の試掘情報管理装置。
【請求項10】
前記表示制御部は、前記記憶部に記憶された前記位置情報に対応する位置にシンボルが配置された地図を表示すると共に、前記地図上からいずれかのシンボルが選択された場合に、選択された前記シンボルの位置に対応する位置情報に対応付けられた前記三次元データを画像化した三次元画像を前記表示装置に表示する請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の試掘情報管理装置。
【請求項11】
前記取得部は、さらに、試掘に関する他の情報を取得し、
前記表示制御部は、前記三次元画像と共に、前記試掘に関する他の情報を前記表示装置に表示する
請求項1~請求項10のいずれか1項に記載の試掘情報管理装置。
【請求項12】
取得部が、試掘穴を含む部分を撮影した複数の画像と、前記試掘穴の位置情報とを取得し、
生成部が、前記取得部により取得された前記複数の画像から、前記試掘穴の三次元データを生成し、
記憶制御部が、前記取得部により取得された前記試掘穴の位置情報と、前記生成部により生成された前記三次元データとを対応付けて記憶部に記憶し、
表示制御部が、位置情報が指定された場合に、前記記憶部から、指定された前記位置情報に対応する前記試掘穴の三次元データを読み出し、前記三次元データを画像化した三次元画像を表示装置に表示する
試掘情報管理方法。
【請求項13】
コンピュータを、
試掘穴を含む部分を撮影した複数の画像と、前記試掘穴の位置情報とを取得する取得部、
前記取得部により取得された前記複数の画像から、前記試掘穴の三次元データを生成する生成部、
前記取得部により取得された前記試掘穴の位置情報と、前記生成部により生成された前記三次元データとを対応付けて記憶部に記憶する記憶制御部、及び、
位置情報が指定された場合に、前記記憶部から、指定された前記位置情報に対応する前記試掘穴の三次元データを読み出し、前記三次元データを画像化した三次元画像を表示装置に表示する表示制御部
として機能させるための試掘情報管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試掘情報管理装置、試掘情報管理方法、及び試掘情報管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無電柱化工事や、ガス、水道、電気、通信等の更新工事時に、地下埋設物を把握するために、道路の試し掘り(試掘)が行われている。試掘に関する技術として、例えば、埋設ケーブルの位置を特定するために行う試掘方法が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1に記載の技術では、地面を掘削機械で掘削しながら、埋設ケーブル上方の第一地点と、第一地点から距離Δ離れた第二地点の2地点で磁束密度Bをそれぞれ測定し、測定した2地点の磁束密度Bの比を計算することによって、第一地点における磁束密度Bの変化率Wを算出し、算出した磁束密度Bの変化率Wに基づいて、第一地点から埋設ケーブルまでの距離Lを推定し、埋設ケーブルまでの距離Lが切替距離に達することを条件に、地面の掘削を掘削機械から手堀りに切り替える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-58190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
試掘現場では、地下埋設管の敷設状態を確認し、写真撮影、敷設状態のスケッチ、各種計測等を行った後、早期に交通規制を解除するために即座に埋め戻しが行われる。そのため、道路管理者や埋設物管理者も現場に立ち会わない限り、実際の試掘状況を正確に確認することはできない。また、ガス、水道、電気、通信等の占用業者による更新工事では、各事業者が自身の事業に関する更新工事毎に独立して試掘を行うため、ある事業者が試掘し、埋め戻した場所を、異なる事業者が再度試掘する場合もある。このような状況は、高額な試掘費用の発生、沿道住民への負担、試掘作業時に排出される産業廃棄物の増大等の問題を招く。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、重複する試掘作業を低減することができる試掘情報管理装置、方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る試掘情報管理装置は、試掘穴を含む部分を撮影した複数の画像と、前記試掘穴の位置情報とを取得する取得部と、前記取得部により取得された前記複数の画像から、前記試掘穴の三次元データを生成する生成部と、前記取得部により取得された前記試掘穴の位置情報と、前記生成部により生成された前記三次元データとを対応付けて記憶部に記憶する記憶制御部と、位置情報が指定された場合に、前記記憶部から、指定された前記位置情報に対応する前記試掘穴の三次元データを読み出し、前記三次元データを画像化した三次元画像を表示装置に表示する表示制御部と、を含んで構成されている。
【0007】
本発明に係る試掘情報管理装置によれば、取得部が、試掘穴を含む部分を撮影した複数の画像と、試掘穴の位置情報とを取得し、生成部が、取得部により取得された複数の画像から、試掘穴の三次元データを生成し、記憶制御部が、取得部により取得された試掘穴の位置情報と、生成部により生成された三次元データとを対応付けて記憶部に記憶し、表示制御部が、位置情報が指定された場合に、記憶部から、指定された位置情報に対応する試掘穴の三次元データを読み出し、三次元データを画像化した三次元画像を表示装置に表示する。これにより、地下埋設物情報を一元管理することが可能となり、重複する試掘作業を低減することができる。
【0008】
また、前記取得部は、前記複数の画像として、前記試掘穴を複数の異なる角度の各々から撮影した複数の静止画を取得することができる。これにより、精度良く三次元データを生成するための画像を取得することができる。
【0009】
また、前記取得部は、前記試掘穴を撮影した動画を取得し、前記複数の画像として、前記動画を構成する複数のフレーム画像のうち、前記試掘穴を複数の異なる角度の各々から撮影した複数のフレーム画像を取得することができる。これにより、精度良く三次元データを生成するための画像を効率取得することができる。
【0010】
また、前記取得部は、前記試掘穴を複数の異なる角度の各々から撮影するための指示を送信することができる。これにより、精度良く三次元データを生成するための画像の撮影に関する熟練者ではなくても、ユーザが適切な画像を撮影することができる。
【0011】
また、前記取得部は、さらに、前記試掘穴内に存在する配管の種類の情報を取得し、前記表示制御部は、前記三次元画像を表示する際に、前記配管の種類を識別可能な情報を付与して表示することができる。これにより、各種配管に精通したユーザ以外が画像を視認した場合でも、埋設されている配管の種類を容易に把握することができる。
【0012】
また、前記表示制御部は、前記三次元画像に含まれる配管部分を、前記配管の種類に応じて異なる色付けで表示することができる。これにより、複数種類の配管が埋設されている場合でも、直観的に埋設されている配管を把握することができる。
【0013】
また、前記取得部は、自装置の位置を測位する機能を有する撮影装置により撮影された前記複数の画像を取得すると共に、前記撮影装置により前記複数の画像が撮影された際の前記撮影装置の位置情報を取得し、前記表示制御部は、自装置の位置を測位する機能を有する前記表示装置において、試掘埋め戻し後の現場で測位された前記表示装置の位置を、前記位置情報の指定として受け付ける。これにより、三次元データと対応付けて記憶する位置情報の取得、及び三次元画像を表示したい試掘穴の指定が容易になる。
【0014】
また、前記生成部は、生成した前記三次元データに基準点を設定し、前記表示制御部は、マーカの読み取り機能を有する前記表示装置によりマーカが読み取られた場合に、前記マーカの位置に前記基準点を一致させた状態で、前記表示装置と前記マーカとの位置関係に応じた位置及び姿勢の前記三次元画像を前記表示装置に表示することができる。これにより、試掘状況を直観的に把握し易い状態で三次元画像を表示することができる。特に、試掘埋め戻し後の現場に配置されたマーカを読み取った場合には、試掘埋め戻し後の現場の状況もあわせて把握し易い状態で三次元画像を表示することができる。
【0015】
また、前記表示制御部は、撮影機能を有する前記表示装置により撮影された画像と、前記三次元画像とを合成した拡張現実画像を前記表示装置に表示することができる。これにより、臨場感のある三次元画像を表示することができる。
【0016】
また、前記表示制御部は、前記記憶部に記憶された前記位置情報に対応する位置にシンボルが配置された地図を表示すると共に、前記地図上からいずれかのシンボルが選択された場合に、選択された前記シンボルの位置に対応する位置情報に対応付けられた前記三次元データを画像化した三次元画像を前記表示装置に表示することができる。これにより、自治体の道路管理者等が、自身の管理下の道路の試掘状況を一元管理することができる。
【0017】
また、前記取得部は、さらに、試掘に関する他の情報を取得し、前記表示制御部は、前記三次元画像と共に、前記試掘に関する他の情報を前記表示装置に表示することができる。これにより、試掘状況の詳細を把握することができる。
【0018】
また、本発明に係る試掘情報管理方法は、取得部が、試掘穴を含む部分を撮影した複数の画像と、前記試掘穴の位置情報とを取得し、生成部が、前記取得部により取得された前記複数の画像から、前記試掘穴の三次元データを生成し、記憶制御部が、前記取得部により取得された前記試掘穴の位置情報と、前記生成部により生成された前記三次元データとを対応付けて記憶部に記憶し、表示制御部が、位置情報が指定された場合に、前記記憶部から、指定された前記位置情報に対応する前記試掘穴の三次元データを読み出し、前記三次元データを画像化した三次元画像を表示装置に表示する方法である。
【0019】
また、本発明に係る試掘情報管理プログラムは、コンピュータを、試掘穴を含む部分を撮影した複数の画像と、前記試掘穴の位置情報とを取得する取得部、前記取得部により取得された前記複数の画像から、前記試掘穴の三次元データを生成する生成部、前記取得部により取得された前記試掘穴の位置情報と、前記生成部により生成された前記三次元データとを対応付けて記憶部に記憶する記憶制御部、及び、位置情報が指定された場合に、前記記憶部から、指定された前記位置情報に対応する前記試掘穴の三次元データを読み出し、前記三次元データを画像化した三次元画像を表示装置に表示する表示制御部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る試掘情報管理装置、方法、及びプログラムによれば、重複する試掘作業を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】試掘情報管理システムの概略構成を示すブロック図である。
図2】試掘情報管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】試掘穴の撮影を説明するための図である。
図4】試掘穴の三次元データの生成を説明するための図である。
図5】試掘情報DBの一例を示す図である。
図6】位置指定画面の一例を示す図である。
図7】閲覧画面の一例を示す図である。
図8】マーカの一例を示す図である。
図9】マーカの読み取りを説明するための図である。
図10】試掘穴の三次元画像の表示態様の一例を説明するための図である。
図11】試掘穴の三次元画像の表示態様の他の例を説明するための図である。
図12】ダッシュボードの一例を示す図である。
図13】登録処理の一例を示すフローチャートである。
図14】第1表示処理の一例を示すフローチャートである。
図15】第2表示処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。
【0023】
図1に示すように、本実施形態に係る試掘情報管理システム100は、試掘情報管理装置10と、ユーザ端末30A、30B、30Cとを含んで構成される。試掘情報管理装置10と、ユーザ端末30A、30B、30Cの各々とは、ネットワークを介して接続される。なお、ユーザ端末30A、30B、30Cの数は、図1に示す例に限定されない。
【0024】
ユーザ端末30Aは、試掘作業の現場において、試掘作業の担当者により操作される情報処理端末である。ユーザ端末30Bは、これから試掘作業を行う予定の事業者の担当者により操作される情報処理端末である。ユーザ端末30Cは、改修を含む道路の管理を行う、例えば自治体の道路管理者等により操作される情報処理端末である。ユーザ端末30A、30B、30Cは、いずれも同様の機能を有する情報処理端末により実現することができるが、本実施形態では、説明の都合上、上記のように端末を操作するユーザの相違により、異なる符号を付与している。なお、ユーザ端末30A、30B、30Cの各々を区別なく説明する場合には、単に「ユーザ端末30」と表記する。
【0025】
ユーザ端末30では、試掘情報管理システム100により提供されるアプリケーションがインストールされ、動作する。又は、ユーザ端末30上で動作するウェブブラウザを介してアプリケーションが利用可能であってもよい。ユーザ端末30は、表示機能、情報の入力機能、及び通信機能を有する。
【0026】
ユーザ端末30Aは、上記機能に加え、さらに、試掘穴を含む部分を撮影するための撮影機能、及び、例えばGPS(Global Positioning System)等により自端末の位置を測位する測位機能を有する。例えば、ユーザ端末30Aは、スマートフォン、タブレット端末等で実現することができる。撮影機能により撮影される画像は、動画でも静止画でもよい。なお、ユーザ端末30Aが撮影機能を有する場合に限定されず、デジタルカメラ等で撮影された画像をユーザ端末30Aが取り込む構成としてもよい。また、撮影機能により画像が撮影された際のユーザ端末30Aの位置が、測位機能により試掘穴の位置情報として測位される。位置情報は、緯度及び経度で表される絶対座標である。測位された位置情報は、ユーザ端末30Aを操作する担当者により、手動で補正されてもよい。ユーザ端末30Aは、撮影した又は取り込んだ複数の画像(複数の静止画又は動画)、測位した試掘穴の位置情報、及び試掘に関する他の情報を含む試掘情報を、試掘情報管理装置10へ送信する。
【0027】
ユーザ端末30Bは、上記機能に加え、さらに、マーカ(詳細は後述)を読み取る読取機能、及び、例えばGPS等により自端末の位置を測位する測位機能を有してもよい。例えば、ユーザ端末30Bは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末、ヘッドマウントディスプレイ(HMD、Head Mounted Display)等で実現することができる。ユーザ端末30Bは、アプリケーションが起動され、ユーザによりメニューから試掘情報の閲覧が選択された際に、位置情報の指定(詳細は後述)を受け付け、受け付けた位置情報を試掘情報管理装置10へ送信する。また、ユーザ端末30Bは、試掘情報管理装置10から、試掘穴の三次元画像(詳細は後述)を表示するための画面データを受信し、ユーザ端末30Bが備える表示部に表示する。また、ユーザ端末30Bは、表示された三次元画像に対する操作を受け付け、受け付けた操作の内容を試掘情報管理装置10へ送信すると共に、操作の内容に応じて更新された画面データを受信する。
【0028】
ユーザ端末30Cは、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等で実現することができる。ユーザ端末30Cは、アプリケーションが起動され、ユーザによりメニューからダッシュボード(詳細は後述)の表示が選択された際に、ダッシュボード表示要求を試掘情報管理装置10へ送信する。また、ユーザ端末30Cは、試掘情報管理装置10から、ダッシュボードの画面データを受信し、ユーザ端末30Cが備える表示部に表示する。また、ユーザ端末30Cは、ダッシュボードに対する操作を受け付け、受け付けた操作の内容を試掘情報管理装置10へ送信すると共に、操作の内容に応じて更新された画面データを受信する。
【0029】
試掘情報管理装置10は、試掘情報管理システム100によるサービスを提供する事業者における管理センターやクラウド上に配置されるサーバ装置、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置により実現することができる。
【0030】
図2は、本実施形態に係る試掘情報管理装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。図2に示すように、試掘情報管理装置10は、CPU(Central Processing Unit)42と、メモリ44と、記憶装置46と、入力装置48と、出力装置50と、記憶媒体読取装置52と、通信I/F(Interface)54とを有する。各構成は、バス56を介して相互に通信可能に接続されている。
【0031】
記憶装置46には、後述する登録処理及び表示処理を実行するための試掘情報管理プログラムが格納されている。CPU42は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各構成を制御したりする。すなわち、CPU42は、記憶装置46からプログラムを読み出し、メモリ44を作業領域としてプログラムを実行する。CPU42は、記憶装置46に記憶されているプログラムに従って、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。
【0032】
メモリ44は、RAM(Random Access Memory)により構成され、作業領域として一時的にプログラム及びデータを記憶する。記憶装置46は、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム及び各種データを格納する。
【0033】
入力装置48は、例えば、キーボードやマウス等の、各種の入力を行うための装置である。出力装置50は、例えば、ディスプレイやプリンタ等の、各種の情報を出力するための装置である。出力装置50として、タッチパネルディスプレイを採用することにより、入力装置48として機能させてもよい。記憶媒体読取装置52は、CD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM、ブルーレイディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の各種の記憶媒体に記憶されたデータの読み込みや、記憶媒体に対するデータの書き込み等を行う。
【0034】
通信I/F54は、他の機器と通信するためのインタフェースであり、例えば、イーサネット(登録商標)、FDDI又はWi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
【0035】
なお、試掘情報管理装置10は、クラウド・サービス側で複数台のハードウェアにデータ等が分散配置される構成としてもよい。この場合、図2に示すようなハードウェア構成の複数のコンピュータを、通信I/Fを介して相互に連携して動作させるような構成とすることができる。
【0036】
また、試掘情報管理装置10は、図1に示すように、機能的には、取得部12と、生成部14と、記憶制御部16と、表示制御部20とを含む。また、試掘情報管理装置10の所定の記憶領域には、試掘情報DB(database)18が記憶される。各機能構成は、CPU42が記憶装置46に記憶された試掘情報管理プログラムを読み出し、メモリ44に展開して実行することにより実現される。
【0037】
取得部12は、ユーザ端末30Aから送信された試掘情報を取得する。上述のように、試掘情報には、試掘穴を含む部分を撮影した複数の画像(複数の静止画又は動画)、試掘穴の位置情報、及び試掘に関する他の情報が含まれる。取得部12は、複数の画像として、複数の静止画を取得する場合、図3に示すように、ユーザ端末30Aにより、試掘穴を複数の異なる角度の各々から撮影した複数(例えば、100枚)の静止画を取得する。また、取得部12は、ユーザ端末30Aにより撮影された試掘穴の動画を取得し、複数の画像として、動画を構成する複数のフレーム画像のうち、試掘穴を複数の異なる角度の各々から撮影した複数(例えば、100枚)のフレーム画像を取得してもよい。
【0038】
上記の場合において、取得部12は、試掘穴を複数の異なる角度の各々で撮影するための指示を、ユーザ端末30Aに送信することができる。例えば、取得部12は、試掘穴を複数の異なる角度の各々から撮影するためのレクチャー動画やメッセージ等をユーザ端末30Aに表示することができる。また、取得部12は、ユーザ端末30Aにおける動画撮影時に、試掘穴に対する撮影装置(ユーザ端末30A)の位置及び姿勢が、動画撮影中の各時刻において各々異なるように、撮影装置を動かす方向を示す軌道をユーザ端末30Aに表示してもよい。また、取得部12は、静止画が撮影される際、各静止画に他の静止画との重複部分が設けられるように指示してもよい。
【0039】
また、取得部12は、試掘穴の位置情報として、上述したように、緯度及び経度で表される絶対座標を取得する。また、取得部12は、絶対座標で表される位置情報に加え、建物の特定部分、マンホールの蓋番号、道路境界、試掘穴を埋め戻した際のカッター痕等、試掘穴を埋め戻した位置を特定するための情報を取得してもよい。この補助的な情報を用いて、試掘埋め戻し後の現場で、試掘埋め戻し位置を具体的に特定することができる。
【0040】
また、取得部12は、試掘に関する他の情報として、試掘穴内に存在する配管の種類の情報を取得することができる。例えば、ユーザ端末30Aで撮影された画像に対して、ユーザが配管の位置を指定すると共に、その配管の種類を入力することで、撮影された画像に配管の種類をタグ付けする。これにより、取得部12は、ユーザ端末30Aから、配管の種類がタグ付けされた画像を取得する。
【0041】
また、取得部12は、ユーザ端末30Aを介してユーザから入力された、試掘作業日、担当事業者、工事請負業者、試掘目的、試掘の際に計測された試掘穴の深さ等の各種計測データ等を、試掘に関する他の情報として取得することもできる。
【0042】
生成部14は、図4に示すように、取得部12により取得された複数の画像から、試掘穴の三次元データを生成する。この三次元データの生成には、既存のソフトウェアを適用することができるため、その生成方法についての詳細な説明は省略する。また、生成部14は、生成した三次元データに基準点(例えば、図4の星印の位置)を設定する。三次元データは、実際の試掘穴を含む部分の三次元形状を再現したものであり、三次元形状の各点の位置が、三次元データにおいて基準点からの相対座標として特定される。したがって、三次元データに基づいて、地表から埋設管までの距離、試掘穴の体積等の各種データが計測可能である。
【0043】
記憶制御部16は、取得部12により取得された試掘穴の位置情報と、生成部14により生成された三次元データとを対応付けて試掘情報DB18に記憶する。図5に、試掘情報DB18の一例を示す。図5の例では、「位置情報」は、試掘穴の位置情報の絶対座標を示す緯度及び経度である。また、図5の例では、試掘情報DB18には、「位置情報」及び「三次元データ」以外の試掘に関する他の情報(図5の例では、「配管種類」、「作業日」)も記憶されており、試掘情報DB18の各行(各レコード)が1つの試掘情報に相当する。また、試掘情報DB18には、三次元データの生成の元となった複数の静止画又は動画も合わせて記憶してもよい。
【0044】
表示制御部20は、ユーザ端末30Bにおいて、メニューから試掘情報の閲覧が選択された場合、例えば、図6に示すような位置指定画面32をユーザ端末30Bの表示部に表示させる。位置指定画面32には、ユーザにより指定された範囲の地図が表示される。表示制御部20は、地図上でユーザにより選択された位置の緯度及び経度を位置情報として取得する。なお、ユーザ端末30Bにおける位置情報の指定は、図6に示すような地図を用いた指定方法に限定されず、緯度及び経度を直接指定してもよいし、緯度及び経度の情報に変換可能な住所等を指定してもよい。また、表示制御部20は、ユーザ端末30Bの測位機能により、試掘埋め戻し後の現場で測位されたユーザ端末30Bの位置を、位置情報の指定として受け付けてもよい。
【0045】
表示制御部20は、ユーザ端末30Bで指定された位置情報を取得すると、試掘情報DB18から、指定された位置情報に対応する試掘穴の三次元データを読み出す。なお、指定された位置情報と、試掘情報DB18に記憶された位置情報とが完全に一致する必要はない。指定された位置情報との差が所定範囲内となる試掘情報DB18内の位置情報に対応する三次元データを読み出せばよい。
【0046】
そして、表示制御部20は、読み出した三次元データを画像化した三次元画像を表示するための画面データを生成し、生成した画面データをユーザ端末30Bへ送信する。これにより、ユーザ端末30Bの表示部に、例えば、図7に示すような閲覧画面34が表示される。表示制御部20は、三次元データを生成する元となった画像に、配管の種類がタグ付けされていた場合、三次元画像に含まれる配管部分に、その配管の種類を識別可能な情報を付与して表示する。例えば、表示制御部20は、配管部分を、配管の種類に応じて異なる色付けで表示したり、図7上図に示すように、配管の種類を示すラベルを表示したりすることができる。
【0047】
また、表示制御部20は、ユーザ端末30Bを操作するユーザからの操作指示に応じて、図7に示すように、三次元画像を任意の方向に回転させて表示することができる。また、表示制御部20は、三次元画像に対して輪切り位置の指定を受け付け、指定された輪切り位置の断面画像を表示するなどしてもよい。また、上述したように、三次元データに基づいて試掘穴の各種データが計測可能であるため、表示制御部20は、ユーザに指定された項目(例えば、地表から埋設管までの距離、試掘穴の体積等)に関する計測データを三次元画像に重畳して表示してもよい。
【0048】
また、表示制御部20は、ユーザ端末30Bの読取機能により読み取られたマーカの位置に、三次元データに設定されている基準点を一致させた状態で、ユーザ端末30Bの位置及び姿勢に応じた三次元画像をユーザ端末30Bに表示するようにしてもよい。具体的には、表示制御部20は、まず、基準点をマーカの位置に一致させるために、ユーザ端末30Bに備えられた撮影装置により、マーカを撮影するように指示する。この場合のマーカの位置は、試掘穴の位置情報である緯度及び経度が示す位置でもよいし、試掘埋め戻し後の現場のカッター痕等、試掘穴を埋め戻した箇所の目印となる位置でもよいし、試掘現場以外の任意の位置でもよい。
【0049】
例えば、図8に示すような、ユーザ(試掘作業を行う事業者)により指定された試掘穴の位置情報を示す二次元コードが描画されたマーカ36を、ユーザに事前に配信しておく。そして、図9に示すように、印刷したマーカ36に描画された二次元コードがユーザ端末30Bにより読み取られた際に、表示制御部20は、二次元コードが示す位置情報と対応付けて記憶された三次元データから生成された三次元画像と、ユーザ端末30Bの位置及び姿勢の情報を取得する。マーカ36読み取り時のユーザ端末30Bの位置及び姿勢を、初期の位置及び姿勢とする。表示制御部20は、取得した三次元画像の元となった三次元データに設定された基準点を、読み取ったマーカ36の位置に一致させ、取得したユーザ端末30Bの姿勢に応じた向きで三次元データを展開させた状態がユーザ端末30Bの表示部に表示されるように三次元画像を表示する。表示制御部20は、ユーザ端末30Bの位置及び姿勢の変化を検知すると共に、ユーザ端末30Bの初期の位置及び姿勢からの変化量に応じて、ユーザ端末30Bに表示する三次元画像を回転及び移動させる。これにより、例えば、図10に示すように、地面にユーザ端末30Bの撮影装置を向けた際に、表示部に試掘穴の三次元画像が表示されるため、過去の試掘作業時に確認された地中の状況を、直観的に把握することができる。特に、マーカ36を試掘穴の位置情報が示す位置に置いた場合には、実際の試掘埋め戻し後の現場で、より直観的に試掘状況を把握することができる。
【0050】
また、表示制御部20は、ユーザ端末30Bの撮影装置で撮影された画像と、試掘穴の三次元画像とを合成した拡張現実(AR、Augmented Reality)画像を、ユーザ端末30Bの表示部に表示してもよい。上記のマーカ36を試掘穴の位置情報が示す位置、すなわち実際の試掘埋め戻し後の現場に置いて撮影し、AR画像を表示することで、試掘埋め戻し後の現場で周辺状況も考慮しつつ、該当箇所の試掘状況を直観的に把握することができる。さらに、図11に示すように、ユーザ端末30BとしてHMDを用い、実際の試掘穴の位置情報が示す位置に基づいてAR画像を表示することで、試掘埋め戻し後の現場で、より臨場感のある三次元画像を表示することができる。
【0051】
また、表示制御部20は、ユーザ端末30Cから、ダッシュボード表示要求を取得すると、例えば、図12に示すようなダッシュボード38をユーザ端末30Cの表示部に表示する。表示制御部20は、ダッシュボード38に、試掘情報DB18に記憶された位置情報に対応する位置にシンボルが配置された地図を表示する。また、表示制御部20は、地図上からいずれかのシンボルが選択された場合に、選択されたシンボルの位置に対応する位置情報に対応付けられた三次元データを画像化した三次元画像を表示する。さらに、表示制御部20は、選択されたシンボルの位置に対応する位置情報に対応付けられた、試掘に関する他の情報(作業日等)も表示する。これにより、道路管理者は、自身が管理する範囲の試掘状況を一元管理することができる。なお、地図による表示に替えて、又は地図による表示と共に、道路管理者が管理する範囲内の試掘情報をリスト化した一覧を表示するようにしてもよい。
【0052】
次に、本実施形態に係る試掘情報管理システム100の作用について説明する。なお、以下では、試掘穴を含む部分を撮影した複数の画像として動画が取得される場合を例に説明する。
【0053】
まず、試掘作業の現場において、ユーザ端末30Aにより、試掘穴を含む部分が動画撮影され、ユーザ端末30Aから試掘情報管理装置10へ、動画及び試掘穴の位置情報を含む試掘情報が送信される。試掘情報管理装置10が、ユーザ端末30Aから送信された試掘情報を受信すると、試掘情報管理装置10において、図13に示す登録処理が実行される。また、ユーザ端末30Bにより、メニューから試掘状況の閲覧が選択されると、ユーザ端末30Bが位置情報の指定を受け付け、指定された位置情報を送信し、試掘情報管理装置10が、この位置情報を受信する。そして、試掘情報管理装置10において、図14に示す第1表示処理が実行される。また、ユーザ端末30Cにより、メニューからダッシュボードの表示が選択されると、ユーザ端末30Cから、ダッシュボード表示要求が送信される。試掘情報管理装置10が、ユーザ端末30Cから送信されたダッシュボード表示要求を受信すると、試掘情報管理装置10において、図15に示す第2表示処理が実行される。
【0054】
CPU42が記憶装置46から試掘情報管理プログラムを読み出して、メモリ44に展開して実行することにより、CPU42が試掘情報管理装置10の各機能構成として機能し、登録処理、第1表示処理、及び第2表示処理の各々が実行される。以下、登録処理、第1表示処理、及び第2表示処理の各々について詳述する。
【0055】
図13は、試掘情報管理装置10のCPU42により実行される登録処理の流れを示すフローチャートの一例である。
【0056】
まず、ステップS12で、取得部12が、試掘情報管理装置10により受信された、動画、位置情報、及び試掘に関する他の情報を含む試掘情報を取得する。次に、ステップS14で、取得部12が、動画を構成する複数のフレーム画像のうち、試掘穴を複数の異なる角度の各々から撮影した複数(例えば、100枚)のフレーム画像を取得する。なお、試掘情報として、複数の静止画を取得する場合は、本ステップの処理は省略すればよい。
【0057】
次に、ステップS16で、生成部14が、上記ステップS14で、取得部12により取得された複数のフレーム画像から、試掘穴の三次元データを生成する。次に、ステップS18で、記憶制御部16が、上記ステップS12で取得された試掘穴の位置情報と、上記ステップS16で生成された三次元データ及び上記ステップS12で取得された試掘に関する他の情報とを対応付けた試掘情報を試掘情報DB18に記憶する。そして、登録処理は終了する。
【0058】
図14は、試掘情報管理装置10のCPU42により実行される第1表示処理の流れを示すフローチャートの一例である。
【0059】
ステップS22で、表示制御部20が、ユーザ端末30Bから、位置情報の指定を受け付ける。次に、ステップS24で、表示制御部20が、受け付けた位置情報に対応する三次元データを試掘情報DB18から読み出す。次に、ステップS26で、表示制御部20は、読み出した三次元データを画像化した三次元画像を表示するための画面データを生成する。この際、三次元画像は、予め定めた視点から見た初期状態の位置及び姿勢の三次元画像とする。表示制御部20は、生成した画面データをユーザ端末30Bへ送信する。
【0060】
次に、ステップS28で、表示制御部20が、ユーザ端末30Bを操作するユーザからの操作、又はユーザ端末30Bの位置及び姿勢の変化が検知されたか否かを判定することにより、三次元画像の表示の変更指示を受け付けたか否かを判定する。表示の変更指示を受け付けた場合には、処理はステップS30へ移行し、受け付けていない場合には、処理はステップS32へ移行する。
【0061】
ステップS30では、表示制御部20が、ユーザ端末30Bに対する操作量、又はユーザ端末30Bの位置及び姿勢の変化量に応じて三次元画像を回転及び移動させた画面データを生成し、ユーザ端末30Bへ送信する。
【0062】
次に、ステップS32で、表示制御部20が、三次元画像の表示を終了するか否かを判定する。ユーザ端末30Bにおいて、アプリケーションの終了や、他のメニューが選択された場合などに、三次元画像の表示を終了すると判定することができる。三次元画像の表示を終了しない場合には、処理はステップS28に戻り、三次元画像の表示を終了する場合には、第1表示処理は終了する。
【0063】
図15は、試掘情報管理装置10のCPU42により実行される第2表示処理の流れを示すフローチャートの一例である。
【0064】
ステップS42で、表示制御部20が、ダッシュボード表示要求を送信したユーザ端末30Cに対応するユーザ(道路管理者)に対応付けて、予め指定された初期範囲の地図を含むダッシュボード38を、ユーザ端末30Cに表示させる。次に、ステップS44で、表示制御部20が、ダッシュボード38に表示した地図の、試掘情報DB18に記憶された位置情報に対応する位置にシンボルを表示する。
【0065】
次に、ステップS46で、表示制御部20が、ユーザ端末30Cにおいて、地図上からいずれかのシンボルが選択されたか否かを判定する。いずれかのシンボルが選択された場合には、処理はステップS48へ移行し、選択されていない場合には、処理はステップS50へ移行する。ステップS48では、表示制御部20が、選択されたシンボルの位置に対応する位置情報に対応付けられた三次元データを画像化した三次元画像、及び試掘に関する他の情報(作業日等)をダッシュボード38に表示する。
【0066】
次に、ステップS50で、表示制御部20が、ユーザ端末30Cにおいて、表示する地図の範囲の指定が変更されたか否かを判定する。範囲の指定が変更された場合には、処理はステップS42に戻り、変更されていない場合には、処理はステップS52へ移行する。ステップS52では、表示制御部20が、三次元画像の表示を終了するか否かを判定する。三次元画像の表示を終了しない場合には、処理はステップS46に戻り、三次元画像の表示を終了する場合には、第2表示処理は終了する。
【0067】
以上説明したように、本実施形態に係る試掘情報管理システムによれば、試掘現場において撮影された複数の画像から、試掘穴の三次元データを生成し、試掘穴の位置情報と対応付けて試掘情報DBに記憶しておく。そして、試掘作業を行う事業者等により、位置情報が指定された場合、指定された位置情報に対応する三次元データが示す試掘穴の三次元画像を表示する。これにより、事業者は、過去の試掘状況により、これから試掘しようとしていた場所の地中の状況を確認することができるため、同じ場所を再度試掘する必要がなくなる。すなわち、重複する試掘作業を低減することができる。また、道路管理者が管理する範囲の試掘状況を一元管理することができる。
【0068】
なお、上記実施形態において、ユーザ端末30B又は30Cへ試掘情報を提供する際に課金するシステムを追加してもよい。また、ユーザ端末30Bへの試掘情報の提供時には課金し、ユーザ端末30Cへは無償で試掘情報を提供するようにしてもよい。なお、課金方法等は従来既知の手法を採用することができるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0069】
また、上記実施形態において、ユーザ端末30Cに表示したダッシュボード38と同様の画面(図12)を、ユーザ端末30Bに表示するようにしてもよい。この場合において、上記のように試掘情報の提供に対して課金する場合、課金された試掘情報に対応するシンボルのみを地図上に表示することができる。また、地図上に表示したシンボルのうち、課金された試掘情報に対応するシンボルのみを選択可能としてもよい。
【0070】
上記実施形態でCPUがソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、上記処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0071】
また、上記実施形態では、試掘情報管理プログラムが記憶装置に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD-ROM、DVD-ROM、及びUSBメモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【符号の説明】
【0072】
10 試掘情報管理装置
12 取得部
14 生成部
16 記憶制御部
18 試掘情報DB
20 表示制御部
30A、30B、30C ユーザ端末
32 位置指定画面
34 閲覧画面
36 マーカ
38 ダッシュボード
42 CPU
44 メモリ
46 記憶装置
48 入力装置
50 出力装置
52 記憶媒体読取装置
54 通信I/F
56 バス
100 試掘情報管理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15