(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022083957
(43)【公開日】2022-06-06
(54)【発明の名称】音声処理回路及び音声処理方法
(51)【国際特許分類】
G10K 15/02 20060101AFI20220530BHJP
【FI】
G10K15/02
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021055252
(22)【出願日】2021-03-29
(31)【優先権主張番号】109141313
(32)【優先日】2020-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】505141934
【氏名又は名称】リアルテック セミコンダクター コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100115679
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 勇毅
(74)【代理人】
【識別番号】100114177
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】彭 俊豪
(72)【発明者】
【氏名】莊 宗朋
【テーマコード(参考)】
5D208
【Fターム(参考)】
5D208BC03
5D208BC05
5D208BD00
(57)【要約】
【課題】音声処理回路及び音声処理方法を提供する。
【解決手段】電子装置からのデジタル音声データを記憶するための記憶回路と、記憶回路からのデジタル音声データをアナログ音声信号に変換するためのデジタルアナログ変換回路と、アナログ音声信号に基づいて出力音声信号を音声再生回路に提供するための増幅回路と、を備え、記憶回路におけるデジタル音声データの総データ量と単位伝送量とが倍数関係に該当しなく又は記憶回路におけるデジタル音声データの総データ量が上限値に等しいかそれより大きくなる場合、増幅回路による音声再生回路への出力音声信号の提供を停止するように、増幅回路をオフにする音声処理回路。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置からのデジタル音声データを記憶するための記憶回路と、
前記記憶回路からの前記デジタル音声データをアナログ音声信号に変換するためのデジタルアナログ変換回路と、
前記アナログ音声信号に基づいて出力音声信号を音声再生回路に提供するための増幅回路と、
を備え、
前記記憶回路における前記デジタル音声データの総データ量と単位伝送量とが倍数関係に該当しなく又は前記記憶回路における前記デジタル音声データの前記総データ量が上限値に等しいかそれより大きくなる場合、前記増幅回路による前記音声再生回路への前記出力音声信号の提供を停止するように、前記増幅回路をオフにする音声処理回路。
【請求項2】
前記単位伝送量はチャンネル数と単位伝送ビット数との積である請求項1に記載の音声処理回路。
【請求項3】
前記記憶回路における前記デジタル音声データの前記総データ量と前記単位伝送量とが倍数関係に該当しない状態をある時間区間で持続する場合、前記増幅回路による前記出力音声信号の提供を停止するように、前記増幅回路をオフにする請求項1に記載の音声処理回路。
【請求項4】
前記デジタルアナログ変換回路は、あるサンプリング周期で前記記憶回路から前記デジタル音声データを受信し、前記時間区間は前記サンプリング周期の2倍に等しいかそれより大きく、前記上限値はサンプリング周期伝送量の3倍に等しいかそれより大きい請求項3に記載の音声処理回路。
【請求項5】
前記記憶回路における前記デジタル音声データの前記総データ量と前記単位伝送量とが倍数関係に該当するか、又は前記記憶回路における前記デジタル音声データの前記総データ量が前記上限値よりも小さいかを検出するための検出回路を更に備える請求項1に記載の音声処理回路。
【請求項6】
前記増幅回路による前記出力音声信号の提供を停止するように、前記増幅回路をオフにし、前記デジタル音声データを受信することを停止するように前記記憶回路を制御し、前記記憶回路における前記デジタル音声データを消去し、クロック信号をリセットし、且つ前記デジタル音声データを改めて受信するように前記記憶回路を制御することに用いられる制御回路を更に備え、前記デジタルアナログ変換回路は、前記クロック信号に基づいて前記記憶回路に記憶される前記デジタル音声データを受信することに用いられる請求項1に記載の音声処理回路。
【請求項7】
前記デジタルデータを改めて受信するように前記制御回路が前記記憶回路を制御した後で、前記記憶回路における前記デジタル音声データの前記総データ量と前記単位伝送量とが倍数関係に該当し且つ前記記憶回路における前記デジタル音声データの前記総データ量が前記上限値よりも小さくなる場合、前記制御回路は、前記増幅回路を再起動させる請求項6に記載の音声処理回路。
【請求項8】
前記音声処理回路は音声中継装置の中に含まれ、前記音声再生回路は音声再生装置の中に含まれ、且つ前記音声中継装置は前記電子装置と前記音声再生装置との間に結合されることに用いられる請求項1に記載の音声処理回路。
【請求項9】
前記音声処理回路と前記音声再生回路とは、音声再生装置の中に統合される請求項1に記載の音声処理回路。
【請求項10】
記憶回路によって電子装置からのデジタル音声データを記憶する操作と、
デジタルアナログ変換回路によって前記記憶回路からの前記デジタル音声データをアナログ音声信号に変換する操作と、
増幅回路によって前記アナログ音声信号に基づいて出力音声信号を音声再生回路に提供する操作と、
前記記憶回路における前記デジタル音声データの総データ量と単位伝送量とが倍数関係に該当しなく又は前記記憶回路における前記デジタル音声データの前記総データ量が上限値に等しいかそれより大きくなる場合、前記増幅回路による前記音声再生回路への前記出力音声信号の提供を停止するように、前記増幅回路をオフにする操作と、
を備える音声処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願に記載の実施例の内容は、音声技術に関し、特に、ノイズを予防するための音声処理回路及び音声処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の発展につれて、数多くの電子装置は、既に音声再生機能を持つようになっている。しかしながら、適用環境において、ある要素(例えば、回路基板における回路設計の不良、インピーダンスの不整合、電源/音声データ/クロック信号のエラー等)により、音声信号の伝送中に音声データの損失やオーバーフロー(overflow)が発生することで、ノイズが生じ且つ使用者の聴覚体験に影響を与える。
【発明の概要】
【0003】
本願のある実施形態は、電子装置からのデジタル音声データを記憶するための記憶回路と、記憶回路からのデジタル音声データをアナログ音声信号に変換するためのデジタルアナログ変換回路と、アナログ音声信号に基づいて出力音声信号を音声再生回路に提供するための増幅回路と、を備え、記憶回路におけるデジタル音声データの総データ量と単位伝送量とが倍数関係に該当しなく又は記憶回路におけるデジタル音声データの総データ量が上限値に等しいかそれより大きくなる場合、増幅回路による音声再生回路への出力音声信号の提供を停止するように、増幅回路をオフにする音声処理回路に関する。
【0004】
本願のある実施形態は、記憶回路によって電子装置からのデジタル音声データを記憶する操作と、デジタルアナログ変換回路によって記憶回路からのデジタル音声データをアナログ音声信号に変換する操作と、増幅回路によってアナログ音声信号に基づいて出力音声信号を音声再生回路に提供する操作と、記憶回路におけるデジタル音声データの総データ量と単位伝送量とが倍数関係に該当しなく又は記憶回路におけるデジタル音声データの総データ量が上限値に等しいかそれより大きくなる場合、増幅回路による音声再生回路への出力音声信号の提供を停止するように、増幅回路をオフにする操作と、を備える音声処理方法に関する。
【発明の効果】
【0005】
以上をまとめると、本願の音声処理回路及び音声処理方法によれば、使用者がノイズを聞くことを避けて、使用者の聴覚体験を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
下記の添付図面の説明は、本願の上記及び他の目的、特徴、メリット及び実施例をより分かりやすくするためのものである。
【
図1】本願のある実施例による音声再生システムを示す模式図である。
【
図2】本願のある実施例による音声処理回路を示す機能ブロック図である。
【
図3】本願のある実施例による音声処理方法を示すフローチャートである。
【
図4】本願のある実施例による操作を示す詳細フローチャートである。
【
図5】正常状況と異常状况でのデータ伝送の模式図である。
【
図6】本願のある実施例による音声処理回路を示す機能ブロック図である。
【
図7】本願のある実施例による音声再生システムを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書で使用される「結合」の用語は「電気的結合」を指してもよいが、且つ「接続」の用語は「電気的接続」を指してもよい。「結合」及び「接続」は、2つ以上の素子が互いに合わせ又は互いに作用することを指してもよい。
【0008】
図1を参照されたい。
図1は、本願のある実施例による音声再生システム100を示す模式図である。
図1を例として、音声再生システム100は、電子装置D1と、音声中継装置D2と、音声再生装置D3と、を備える。音声中継装置D2は、電子装置D1と音声再生装置D3との間に結合されてよい。
【0009】
ある実施例において、電子装置D1は、スマートフォン、ノートパソコン、タブレット又は音声データを提供可能な他の電子設備であってよい。音声中継装置D2は、音声ドングル(dongle)であってよい。音声再生装置D3は、イヤホン、スピーカー又は音声再生機能を持つ他の再生設備であってよい。
【0010】
電子装置D1、音声中継装置D2及び音声再生装置D3に関する上記の実現形態は単に例示だけであり、電子装置D1、音声中継装置D2及び音声再生装置D3の様々な実現形態のいずれも本願の範囲内にある。
【0011】
前記のように、音声中継装置D2は、電子装置D1と音声再生装置D3との間に結合されてよい。
図1を例として、電子装置D1は接続部P1を含み、音声中継装置D2は接続部T1及び接続部P2を含む。音声再生装置D3は接続部T2を含む。ある実施例において、接続部T1のタイプは接続部P1のタイプに対応し、且つ接続部T2のタイプは接続部P2のタイプに対応する。例としては、接続部P1はType-C規格に準拠する雌型コネクタであり、接続部T1はType-C規格に準拠する雄型コネクタであり、且つ接続部T1が接続部P1に挿入可能である。接続部P2はイヤホンジャックであり、接続部T2はイヤホンプラグであり、且つ接続部T2が接続部P2に挿入可能である。
【0012】
ある実施例において、電子装置D1は、音声プラットフォームにリンクして、音声プラットフォームから音声データを受信することができる。そして、電子装置D1は、音声プラットフォームの音声データに基づいてデジタル音声データDSを音声中継装置D2に出力することができる。ある他の実施例において、デジタル音声データDSは、電子装置D1の中に直接記憶される。
【0013】
図1を例として、音声中継装置D2は、音声処理回路200を含む。音声処理回路200は、デジタル音声データDSに基づいて出力音声信号OUTを生じ、且つ音声再生装置D3における音声再生回路300に提供することができる。次に、音声再生回路300は、出力音声信号OUTに基づいて対応する音声を再生することができる。
【0014】
図2を参照されたい。
図2は、本願のある実施例による音声処理回路200を示す機能ブロック図である。
図2を例として、音声処理回路200は、受信回路210と、記憶回路220と、デジタルアナログ変換回路230と、増幅回路240と、検出回路250と、制御回路260と、を備える。
【0015】
記憶回路220は、受信回路210に結合される。デジタルアナログ変換回路230は、記憶回路220に結合される。増幅回路240は、デジタルアナログ変換回路230に結合される。検出回路250及び制御回路260は、受信回路210、記憶回路220、デジタルアナログ変換回路230及び増幅回路240に結合される。
【0016】
ある実施例において、受信回路210は、物理層(Physical Layer;PHY)回路であってよい。記憶回路220は、先入れ先出し(first-in-first-out;FIFO)を実行する機能を持つレジスタであってよい。増幅回路240は、音声増幅器であってよい。制御回路260は、マイクロコントロールユニット(micro controller unit;MCU)であってよい。
【0017】
上記の受信回路210、記憶回路220、増幅回路240及び制御回路260に関する実現形態は単に例示だけであり、記憶回路220、増幅回路240及び制御回路260の上記の説明の様々な実現形態のいずれも本願の範囲内にある。
【0018】
図1~
図3を合わせて参照されたい。
図3は、本願のある実施例による音声処理方法3000を示すフローチャートである。音声処理方法3000は、操作S310、S320、S330及びS340を備える。
【0019】
操作S310において、記憶回路220は、電子装置D1からのデジタル音声データDSを記憶する。例としては、受信回路210は、電子装置D1からのデジタル音声データDSを受信してから、記憶回路220に記憶するようにそれに伝送することができる。
【0020】
操作S320において、デジタルアナログ変換回路230は、記憶回路220からのデジタル音声データDSをアナログ音声信号ASに変換する。例としては、デジタルアナログ変換回路230は、クロック信号CLKに基づいて記憶回路220に記憶されるデジタル音声データDSを受信し、且つアナログ音声信号ASを生じるように、受信したデジタル音声データDSをアナログタイプに変換する。
【0021】
操作S330において、増幅回路240は、アナログ音声信号ASに基づいて出力音声信号OUTを音声再生回路300に提供する。例としては、増幅回路240は、音声再生装置D3が出力音声信号OUTに基づいて対応する音声を再生できるように、アナログ音声信号ASを受信し、且つそれに基づいて出力音声信号OUTを音声再生回路300に提供する。
【0022】
操作S340において、異常状況が発生すると、増幅回路240による音声再生回路300への出力音声信号OUTの提供を停止するように、増幅回路240をオフにする。
【0023】
図4を参照されたい。
図4は、本願のある実施例による操作S340を示す詳細フローチャートである。
【0024】
操作S341において、検出回路250は、記憶回路220におけるデジタル音声データDSの総データ量と単位伝送量とが倍数関係に該当するか、又は記憶回路220におけるデジタル音声データDSの総データ量が上限値よりも小さいかを検出する。
【0025】
正常に作動する場合、記憶回路220におけるデジタル音声データDSの総データ量と単位伝送量とは倍数関係に該当し、単位伝送量はチャンネル数と単位伝送ビット数との積であってよい。例としては、音声再生装置D3が2つのチャンネル(例えば、左チャンネル及び右チャンネル)を含み且つ各々のチャンネル伝送ビット数(単位伝送ビット数)が24ビットであれば、単位伝送量は48(2と24との積)ビットである。つまり、記憶回路220は、ミリ秒ごとに48ビットの倍数を受信する。
【0026】
しかしながら、異常状况が発生する(例えば、電子装置D1により伝送されたビットが1つ以上足りない)場合、記憶回路220におけるデジタル音声データDSの総データ量は48ビットの倍数ではなくなる。
【0027】
図5を参照されたい。
図5は、正常状況と異常状况でのデータ伝送の模式図である。例としては、正常状況で、左チャンネルに対応するデータは、合計で24ビットであり、それぞれデータL0-L23であるが、右チャンネルに対応するデータは、合計で24ビットであり、それぞれデータR0-R23である。異常状况が発生する(例えば、データ欠乏の状況が発生する)場合、後続のデータのソートが連続的にエラーとなる。
図5を例として、右チャンネルのデータR1が欠乏すると、右チャンネルのデータR0は、右チャンネルのデータR1の空きを補充するようにシフトする。しかしながら、右チャンネルのデータR0が既に右チャンネルのデータR1の位置にシフトしたので、左チャンネルのデータL23もそれにより影響されて右チャンネルにシフトする。これにより、右チャンネルのデータL22は右チャンネルのデータL23の位置にシフトするが、これによって類推すれば、データのソートは連続的にエラーとなり、且つ結果としてデジタルアナログ変換回路230及び増幅回路240を経過したアナログ音声信号ASは異常な音声となる。
【0028】
使用者の聴覚体験に影響を与える(例えば、ノイズを聞く)ことを避けるように、制御回路260は、記憶回路220におけるデジタル音声データDSの総データ量が単位伝送量の48ビットの倍数関係ではない場合、増幅回路240による音声再生回路300への出力音声信号OUTの提供を停止するように、増幅回路240をオフにする。ある他の実施例において、制御回路260は、記憶回路220におけるデジタル音声データDSの総データ量が48ビットの倍数でない状態をある時間区間で持続する場合、増幅回路240をオフにする。例としては、デジタルアナログ変換回路230がクロック信号CLKに基づいてあるサンプリング周期(例えば、1ミリ秒間)で記憶回路220からデジタル音声データDSを受信すると仮定する。上記時間区間は、例えば、サンプリング周期の2倍であり(例えば、2ミリ秒間)或いはサンプリング周期の2倍よりも大きくてよい(例えば、2ミリ秒間を超える)。
【0029】
また、デジタルアナログ変換回路230があるサンプリング周期(例えば、1ミリ秒間)で記憶回路220からデジタル音声データDSを受信し、記憶回路220のミリ秒間ごとの総受信量が、千分の一のサンプリングとチャンネル数と伝送ビット数との積の個数のビットに等しいと仮定する。正常状況で、記憶回路220に過剰のデータ量が記憶されることはない。しかしながら、異常状况が発生する(例えば、デジタルアナログ変換回路230が記憶回路220からデジタル音声データDSを正常に受信していない)場合、記憶回路220に過剰のデータ量が記憶されるようになる。つまり、音声データオーバーフロー(overflow)が発生する。これにより、制御回路260は、記憶回路220におけるデジタル音声データDSの総データ量が上限値に等しいかそれより大きくなる場合、増幅回路240による音声再生回路300への出力音声信号OUTの提供を停止するように、増幅回路240をオフにする。誤判しないように、この上限値は、ミリ秒ごとの伝送量(サンプリング周期伝送量)の3倍に等しいかそれより大きくてよい。例としては、サンプリングレートが48Kデュアルチャンネルの24ビット数である実施例において、ミリ秒ごとの伝送量(サンプリング周期伝送量)は、2×48×24=2304ビットである。しかし、この上限値は、6912(3と2304との積)ビット、又は6912ビット(3と2304との積)よりも多くの個数のビットであってよい。
【0030】
上記操作に基づいて、記憶回路220におけるデジタル音声データDSの総データ量と単位伝送量とが倍数関係に該当しなく又は記憶回路220におけるデジタル音声データDSの総データ量が上限値に等しいかそれより大きくなる(つまり操作S341の判断結果がNOである)場合、操作S342へ進む。
【0031】
操作S342において、増幅回路240をオフにする。具体的には、制御回路260は、増幅回路240による音声再生回路300への出力音声信号OUTの提供を停止するように、増幅回路240をオフにする。次に、操作S343へ進む。
【0032】
操作S343において、記憶回路220は、電子装置D1からのデジタル音声データDSを受信することを停止する。例としては、制御回路260は、デジタル音声データDSを記憶回路220へ伝えることを停止するように、受信回路210を制御(無効化)する。次に、操作S344へ進む。
【0033】
操作S344において、記憶回路220に記憶されるデジタル音声データDSを消去し、クロック信号CLKをリセットする。例としては、制御回路260は、記憶回路220に記憶されるデジタル音声データDSを消去し且つクロック信号CLKをリセットする。次に、操作S345へ進む。
【0034】
操作S345において、記憶回路220は、電子装置D1からのデジタル音声データDSを改めて受信する。例としては、制御回路260は、電子装置D1が如何なるデータも伝えていない時間点で、受信回路210を、改めてデジタル音声データDSを記憶回路220に伝えるように制御(有効化)する。次に、操作S346へ進む。
【0035】
操作S346において、検出回路250は、記憶回路220におけるデジタル音声データDSの総データ量と単位伝送量とが倍数関係に該当するか、及び記憶回路220におけるデジタル音声データDSの総データ量が上限値よりも小さいかを再び検出する。記憶回路220におけるデジタル音声データDSの総データ量と上記で検討される単位伝送量とが倍数関係に該当し且つ記憶回路220におけるデジタル音声データDSの総データ量が上記で検討される上限値よりも小さくなる(つまり操作S346の判断結果がYESである)と、操作S347へ進む。操作S346の判断結果がNOであると、改めて操作S342に戻す。
【0036】
操作S347において、増幅回路240を再起動させる。例としては、制御回路260は、増幅回路240が出力音声信号OUTを改めて音声再生回路300に提供するように、増幅回路240を再起動させる。
【0037】
適用環境において、ある要素(例えば、回路基板における回路設計の不良、インピーダンスの不整合、電源/音声データ/クロック信号のエラー等)により、音声信号の伝送中に音声データの損失やオーバーフローが発生し、ノイズが生じ且つ使用者の聴覚体験に影響を与えることがある。ある関連技術において、上記ノイズの問題を解決するように、使用者により手動で改めて再生し或いは使用者により音声中継装置D2を改めて挿抜する。
【0038】
上記関連技術に比べると、本願の音声処理回路200は、記憶回路220におけるデジタル音声データDSの総データ量と単位伝送量とが倍数関係に該当しなく又は記憶回路220におけるデジタル音声データDSの総データ量が上限値に等しいかそれより大きくなる場合、増幅回路240による音声再生回路300への出力音声信号OUTの提供を停止するように、増幅回路240を自動的にオフにすることができる。これにより、使用者がノイズを聞くことを避けて、使用者の聴覚体験を向上させることができる。
【0039】
図6を参照されたい。
図6は、本願のある実施例による音声処理回路200Aを示す機能ブロック図である。ある他の実施例において、上記操作は、代わりにファームウェアにより実行されてよい。
図6を例として、制御回路560は、関連プログラムコードに合わせて受信回路210、記憶回路220、デジタルアナログ変換回路230及び増幅回路240を検出及び制御することができる。
図6の音声処理回路200Aの他の作動原理については、
図2の音声処理回路200に類似するので、ここで繰り返して説明しない。
【0040】
図7を参照されたい。
図7は、本願のある実施例による音声再生システム700を示す機能ブロック図である。
図7の音声再生システム700は、主に、その音声処理回路200(又は200A)が音声再生回路300と共に音声再生装置D3の中に統合されることに、
図1の音声再生システム100と異なっている。つまり、音声再生装置D3の接続部T2は、音声中継装置D2を介して電子装置D1に結合される必要がなく、電子装置D1に直接結合されるように、電子装置D1の接続部P1に直接插入されることができる。これらの実施例において、音声再生装置D3の接続部T2のタイプは接続部P1のタイプに対応する。
【0041】
図7における音声処理回路200(又は200A)は、
図2(又は
図6)における音声処理回路200(又は200A)と類似な操作を有するので、ここで繰り返して説明しない。
【0042】
以上をまとめると、本願の音声処理回路及び音声処理方法によれば、使用者がノイズを聞くことを避けて、使用者の聴覚体験を向上させることができる。
【0043】
様々な機能性素子及びブロックは、既にここで公開された。当業者については、機能ブロックは、一般的にここで描かれた機能や操作に応じて電気回路の操作を制御するためのトランジスタ又は他の回路素子を含む回路(専用回路、或いは1つ又は複数のプロセッサ及びコード化指令による制御で操作される汎用回路を問わず)によって実現されることができる。更に理解すると、一般的に、回路素子の具体的な構造と相互接続は、例えば、レジスタ転送言語(Register Transfer Language;RTL)コンパイラのようなコンパイラ(compiler)により決められてよい。レジスタ転送言語コンパイラは、アセンブリ言語コード(assembly language code)に相当し類似する指令コード(script)を操作して、最終回路をレイアウト又は作成するための形態に、指令コードをコンパイルする。
【0044】
本願は、実施形態で前述の通りに開示されたが、それらに限定されなく、当業者であれば、本願の精神や範囲から逸脱しない限り、多様の変更や修飾を加えてもよく、従って、本願の保護範囲は、後の特許請求の範囲で指定した内容を基準とするものである。
【符号の説明】
【0045】
100、700 音声再生システム
D1 電子装置
D2 音声中継装置
D3 音声再生装置
200、200A 音声処理回路
210 受信回路
220 記憶回路
230 デジタルアナログ変換回路
240 増幅回路
250 検出回路
260 制御回路
300 音声再生回路
3000 音声処理方法
P1、P2、T1、T2 接続部
DS デジタル音声データ
OUT 出力音声信号
CLK クロック信号
AS アナログ音声信号
S310、S320、S330、S340、S341、S342、S343、S344、S345、S346、S347 操作
L0-L23、R0-R23 データ