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特開2022-84089移動実績管理装置、移動実績管理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022084089
(43)【公開日】2022-06-07
(54)【発明の名称】移動実績管理装置、移動実績管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20120101AFI20220531BHJP
   G06Q 50/30 20120101ALI20220531BHJP
   G06Q 40/00 20120101ALI20220531BHJP
   G07B 15/00 20110101ALI20220531BHJP
【FI】
G06Q10/00
G06Q50/30
G06Q40/00 400
G07B15/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020195702
(22)【出願日】2020-11-26
(71)【出願人】
【識別番号】591030237
【氏名又は名称】BIPROGY株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100154759
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 貴子
(72)【発明者】
【氏名】川口 真一
【テーマコード(参考)】
3E127
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
3E127AA03
3E127AA11
3E127AA12
3E127BA11
3E127CA02
3E127CA48
3E127DA29
3E127DA30
3E127EA12
3E127EA33
5L049AA20
5L049CC41
5L055BB63
(57)【要約】
【課題】交通機関の利用者の移動実績に費用負担に関する情報を付加することで、交通機関の利用者側及び交通機関側の双方が利用者の移動実績を有効活用できるようにする移動実績管理装置を提供することである。
【解決手段】交通機関の利用者の移動実績を管理する移動実績管理装置であって、交通機関の利用者の情報である利用者情報を記憶する手段と、利用者が所属する団体の情報である利用団体情報を記憶する手段と、前記利用者情報と該利用者情報が示す利用者が所属する団体の前記利用団体情報とを紐づけた情報である利用者所属情報を記憶する手段と、利用者が交通機関を利用した実績の情報である利用実績情報を記憶する手段と、所定の利用者による所定の交通機関の利用実績を前記利用実績情報から抽出する手段と、前記抽出した利用実績を、前記所定の利用者が所属する団体に提供する手段と、を備える、ことを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交通機関の利用者の移動実績を管理する移動実績管理装置であって、
交通機関の利用者の情報である利用者情報を記憶する手段と、
利用者が所属する団体の情報である団体情報を記憶する手段と、
前記利用者情報と該利用者情報が示す利用者が所属する団体の前記団体情報とを紐づけた情報である利用者所属情報を記憶する手段と、
利用者が交通機関を利用した実績の情報である利用実績情報を記憶する手段と、
所定の利用者による所定の交通機関の利用実績を前記利用実績情報から抽出する手段と、
前記抽出した利用実績を、前記所定の利用者が所属する団体に提供する手段と、
を備える、
ことを特徴とする移動実績管理装置。
【請求項2】
交通機関を提供する交通事業者の情報である交通事業者情報を記憶する手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の移動実績管理装置。
【請求項3】
利用実績の費目の利用者自身による入力を受け付ける手段と、
前記受け付けた費目を前記利用実績情報に登録する手段と、
をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の移動実績管理装置。
【請求項4】
前記抽出する手段は、所定の費目の利用実績を前記利用実績情報から抽出する、
ことを特徴とする請求項3に記載の移動実績管理装置。
【請求項5】
利用実績の照査結果の入力を受け付ける手段と、
前記受け付けた照査結果を前記利用実績情報に登録する手段と、
をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の移動実績管理装置。
【請求項6】
前記利用者情報は利用者に運賃を請求する場合の請求口座の情報を含み、
前記利用団体情報は利用団体に運賃を請求する場合の請求口座の情報を含む、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の移動実績管理装置。
【請求項7】
前記抽出した利用実績を、前記所定の交通機関を提供する交通事業者に提供する手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の移動実績管理装置。
【請求項8】
交通機関の利用者の移動実績を管理する移動実績管理方法であって、
交通機関の利用者の情報である利用者情報を記憶する工程と、
利用者が所属する団体の情報である利用団体情報を記憶する工程と、
前記利用者情報と該利用者情報が示す利用者が所属する団体の前記利用団体情報とを紐づけた情報である利用者所属情報を記憶する工程と、
利用者が交通機関を利用した実績の情報である利用実績情報を記憶する工程と、
所定の利用者による所定の交通機関の利用実績を前記利用実績情報から抽出する工程と、
前記抽出した利用実績を、前記所定の利用者が所属する団体に提供する工程と、
を備える、
ことを特徴とする移動実績管理方法。
【請求項9】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の移動実績管理装置の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動実績管理装置、移動実績管理方法及び移動実績管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電車、バス及びタクシー等の交通機関を利用する際の運賃の支払いにおいては、乗車前の切符購入や交通系ICカードへのチャージといったプリペイド方式(前払い方式)を用いることが主流であった。しかし、プリペイド方式では、チャージ残高の不足が生じやすく、利便性に欠ける場合があるという問題があった。
【0003】
そこで、交通機関を利用する際の利便性を向上するため、運賃のポストペイ方式(後払い方式)についての検討がされ始めている(特許文献1、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2857086号公報
【特許文献2】特開2005-050166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1や特許文献2では、交通機関の運賃の支払いにおけるポストペイ方式の採用について検討されているものの、利便性の向上において改善の余地があった。
【0006】
ポストペイ方式を採用すれば請求払いが可能になるが、請求は交通機関の利用者に行われる。例えば、企業経費による社用利用のように、交通期間の利用者と運賃の負担者が異なる場合、利用者と運賃負担者との間で立替精算が必要になる。特許文献1や特許文献2は、企業の交通機関利用における精算業務の煩雑さの解消については考慮されていない。
【0007】
また、交通系ICカードの普及により、交通事業者は利用者の移動実績を高い精度で把握することができるようになった。しかし、交通事業者は、その利用者が誰の運賃負担で交通機関を利用しているかの情報を把握することはできず、例えば数多くの従業員が利用する企業のような大口需要家を特定することはできていない。そのため、交通事業者は、運賃優遇による利用増進策やピークシフトへの協力策等、大口需要家に向けて実施すれば効果が大きい施策を実施することが難しい。
【0008】
本発明は、交通機関の利用者の移動実績に費用負担に関する情報を付加することで、交通機関の利用者側及び交通機関側の双方が利用者の移動実績を有効活用できるようにする移動実績管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、交通機関の利用者の移動実績を管理する移動実績管理装置であって、交通機関の利用者の情報である利用者情報を記憶する手段と、利用者が所属する団体の情報である利用団体情報を記憶する手段と、前記利用者情報と該利用者情報が示す利用者が所属する団体の前記利用団体情報とを紐づけた情報である利用者所属情報を記憶する手段と、利用者が交通機関を利用した実績の情報である利用実績情報を記憶する手段と、所定の利用者による所定の交通機関の利用実績を前記利用実績情報から抽出する手段と、前記抽出した利用実績を、前記所定の利用者が所属する団体に提供する手段と、を備える、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、交通機関の利用者の移動実績に費用負担に関する情報を付加することで、交通機関の利用者側及び交通機関側の双方が利用者の移動実績を有効活用可能にする移動実績管理装置を提供することができる。
【0011】
また、本発明の実施で用いる交通系ICカードが交通機関利用運賃支払いの他、物販店舗での利用代金支払いでも通用するため、本発明の効果は交通機関利用にとどまらず物販利用にも及ぶ。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施例1に係る移動実績管理システムの構成を示すブロック図である。
図2図1に示した移動実績管理装置101の概略構成を示すブロック図である。
図3図1に示した移動実績管理装置101の機能的構成の概略を示すブロック図である。
図4図1に示した移動実績管理システム100の動作を説明するタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る移動実績管理システムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明に係るシステムの好適な具体例であり、一般的なハードウェア、ソフトウェア構成に即した種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限り、これらの態様に限定されるものではない。また、以下に示す実施形態における構成要素は、適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、かつ、他の既存の構成要素との組み合わせを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、以下に示す実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【実施例0014】
(移動実績管理システム100の構成)
図1は、本発明の実施例1に係る移動実績管理システムの構成を示すブロック図である。
本実施例の移動実績管理システム100は、移動実績管理装置101と、情報処理装置102と、情報処理装置103と、情報処理装置104と、情報処理装置105と、情報処理装置110と、情報処理装置111と、情報処理装置112とをネットワーク106で接続して構成される。
【0015】
移動実績管理装置101は、移動実績管理システム100固有の情報処理を行うための情報処理装置である。移動実績管理装置101は、移動実績管理システム100の運営事業者が操作するサーバや業務用端末等である。情報処理装置102は、交通事業者が操作するサーバや業務用端末等である。
【0016】
情報処理装置110は、例えば、交通事業者が提供する交通機関の改札機等に設置されたICカードリーダライタである。情報処理装置110は、情報処理装置102に利用実績情報を送信する。情報処理装置103は、移動実績管理システム100に適用されるICカードを提供するICカード事業者が操作するサーバや業務用端末等である。情報処理装置102は、情報処理装置110から受信した利用実績情報を、その利用で用いられたICカードを提供するICカード事業者が操作する情報処理装置103へ送信する。
【0017】
情報処理装置104は、移動実績管理システム100を利用する企業等の利用団体が操作するサーバや業務用端末等である。情報処理装置111は、利用団体に所属する利用者(従業員等)が操作する端末装置等である。情報処理装置111は、例えば、ICカード事業者が提供するICカードと連携したスマートホンである。
【0018】
情報処理装置105は、物販事業者が操作するサーバや業務用端末等である。情報処理装置112は、例えば、物販事業者が提供する物販店舗に設置されたICカードリーダライタである。情報処理装置112は、情報処理装置105に利用実績情報を送信する。情報処理装置105は、情報処理装置112から受信した利用実績情報を、その利用で用いられたICカードを提供するICカード事業者が操作する情報処理装置103へ送信する。なお、ここでは、「物販」とは、商品の販売に加え、サービスの提供も含むものとする。
【0019】
図2は、図1に示した移動実績管理装置101の概略構成を示すブロック図である。
移動実績管理装置101は、移動実績管理装置101の全体の制御及び各種処理を実行する制御部131と、各種情報を記憶する記憶部132と、ネットワーク106を介して他の装置と通信を行う通信部133と、操作者に対するデータの入出力を行う入出力部134と、各構成同士を接続するバス135と、を有して構成される。
【0020】
図3は、図1に示した移動実績管理装置101の機能的構成の概略を示すブロック図である。
移動実績管理装置101は、交通事業者情報記憶手段151と、物販事業者情報記憶手段152と、利用者情報記憶手段153と、ICカード事業者情報記憶手段154と、利用団体情報記憶手段155と、利用者所属情報記憶手段156と、利用実績情報記憶手段157と、費目受付手段158と、利用実績情報抽出手段159と、照査結果受付手段160と、利用実績情報提供手段161と、を有して構成される。
【0021】
交通事業者情報記憶手段151は、移動実績管理システム100に参加している交通事業者に関する情報である交通事業者情報を記憶部132に記憶する。交通事業者情報は、例えば、通信部133又は入出力部134を介して移動実績管理装置101に入力される。
【0022】
物販事業者情報記憶手段152は、移動実績管理システム100に参加している物販事業者に関する情報である物販事業者情報を記憶部132に記憶する。物販事業者情報は、例えば、通信部133又は入出力部134を介して移動実績管理装置101に入力される。
【0023】
利用者情報記憶手段153は、移動実績管理システム100に参加している利用者に関する情報である利用者情報を記憶部132に記憶する。利用者情報は、例えば、通信部133又は入出力部134を介して移動実績管理装置101に入力される。利用者は、情報処理装置111を携帯し、情報処理装置111のICカード機能を用いて交通機関や物販店舗を利用する。
【0024】
ICカード事業者情報記憶手段154は、移動実績管理システム100に参加しているICカード事業者に関する情報であるICカード事業者情報を記憶部132に記憶する。ICカード事業者情報は、例えば、通信部133又は入出力部134を介して移動実績管理装置101に入力される。ICカード事業者は、情報処理装置111に対してICカード機能を提供する。ICカード事業者情報は、情報処理装置111に提供したICカード機能についての情報であるICカード情報を含む。ICカード情報は、ICカード事業者情報によって、そのICカードを提供するICカード事業者に紐づけられる。またICカード情報は、そのICカードを利用する利用者に紐づけられる。またICカード情報は、そのICカードを利用する利用者が所属する団体に紐づけられる。本実施例において、情報処理装置111に連携されたICカード機能は、ポストペイ方式で利用代金の支払いを行う。
【0025】
利用団体情報記憶手段155は、移動実績管理システム100に参加している企業等の団体に関する情報である利用団体情報を記憶部132に記憶する。利用団体情報は、例えば、通信部133又は入出力部134を介して移動実績管理装置101に入力される。
【0026】
なお、利用団体は企業等の法人に限らず、家族や世帯等、一人以上の自然人の集合体であってもよい。
【0027】
利用者所属情報記憶手段156は、利用者所属情報を記憶部132に記憶する。利用者所属情報は、各利用者を、その利用者が所属している団体に紐づける情報である。利用者所属情報は、記憶部132に記憶された利用者情報が示す利用者を、記憶部132に記憶された利用団体情報が示す団体に紐づけている。利用者所属情報は、各利用者がどの団体に所属しているかという情報の他、誰が誰の経費利用を承認するかという「経費照査関係」の情報も含む。
【0028】
利用実績情報記憶手段157は、利用実績情報を記憶部132に記憶する。利用実績情報は、各利用者が各交通機関及び各物販店舗を利用した利用実績を示す情報である。利用実績情報は、例えば、情報処理装置111から通信部133を介して移動実績管理装置101に入力される。利用実績情報は、例示した経路以外の伝送ルートで伝送されるものであってもよい。
【0029】
費目受付手段158は、各利用実績の費目の入力を受け付ける。利用者は、情報処理装置111を用いて利用実績の費目を入力する。情報処理装置111は、入力された費目を移動実績管理装置101に送信する。移動実績管理装置101は、受信した費目を、記憶部132に記憶してある利用実績情報に付加する。利用者による情報処理装置111のICカード機能を用いた交通機関や物販店舗の利用としては、利用者が所属する団体の業務に係る利用(以下「業務利用」という)、及び利用者の私用での利用(以下「私用利用」という)があり得る。費目としては、「業務利用」、「私用利用」の区別の他、団体経費利用については会計処理のための費目がある。交通機関の運賃の費目としては「旅費交通費」及び「交際費」がある。また、物販の費目としては「会議費」、「事務用品費」、「図書費」及び「研修費」等の多数種類があり得る。
【0030】
費目の入力は、各団体が管理する費目の一覧を予め移動実績管理装置101に登録しておき、利用者が情報処理装置111を用いてその費目一覧を参照して選択指定するという方式や、あらかじめ利用者ごとに費目を仮定しておき、これと実際の費目が異なる場合だけ入力させるという方式で行ってもよい。団体の担当者が操作する情報処理装置104においては、費目が付加された利用実績情報を、移動実績管理装置101から受信することで、個々の利用実績の費目を確認することができる。
【0031】
業務利用の場合は利用代金の支払いは団体が行うことになり、私用利用の場合は利用代金の支払いは利用者本人が行うことになる。利用者は、その利用が業務利用であることの照査について、所属する団体に依頼する。具体的には、利用者は情報処理装置111に利用実績の照査依頼を入力する。この入力を受けた情報処理装置111は、利用実績の照査依頼を移動実績管理装置101に送信する。利用実績の費目の入力も、この照査依頼とともに行うようにしてもよい。
【0032】
移動実績管理装置101は、照査依頼を受信した場合、記憶部132に記憶してある利用実績情報に照査依頼中である旨の印を付与する。団体の照査者は、情報処理装置104を操作して、ネットワーク106を介して移動実績管理装置101の記憶部132に記憶してある費目が付加された照査依頼中の利用実績情報を参照し、業務利用の照査を実施、照査結果を利用実績情報に記録する。利用者への照査結果の通知は、移動実績管理装置101から情報処理装置111に対して行われる。
【0033】
なお、利用者と照査者との間の照査依頼や照査結果通知は、一方が他方に送信する方法で行ってもよいし、他方が自分宛の依頼や通知を検索して対応する方法で行ってもよい。
【0034】
照査結果受付手段160は、各利用実績の照査結果の入力を受け付ける。利用実績の照査結果は、例えば、情報処理装置104から通信部133を介して移動実績管理装置101に入力される。
【0035】
利用実績情報抽出手段159は、所定の利用者による所定の交通機関や物販店舗の利用実績を、記憶部132に記憶してある利用実績情報から抽出する。
【0036】
利用実績情報提供手段161は、利用実績情報抽出手段159が抽出した利用実績を、例えば、抽出対象の所定の利用者が所属する団体 に提供する。具体的には、移動実績管理装置101は、利用実績情報抽出手段159が抽出した利用実績を、提供先が利用団体であれば情報処理装置104に送信する。
【0037】
なお、利用実績情報の参照形態としては、
・利用者が、自身の利用実績情報を参照する場合、
・団体が、団体の経費で利用(業務利用)された利用実績情報を参照する場合、
・交通事業者が、自社の交通機関が利用された利用実績情報を参照する場合、
・ICカード事業者が、自社のICカードが利用された利用実績情報を参照する場合、
・物販事業者が、自社の物販店舗が利用された利用実績情報を参照する場合、
などがある。利用実績情報提供手段161は、これらのすべての場合に対応する。
【0038】
(移動実績管理システム100の動作説明)
図4は、図1に示した移動実績管理システム100の動作を説明するタイムチャートである。利用者による交通機関の利用の場合を示しているが、利用者による物販店舗の利用についても同様の処理が行われる。
【0039】
まず移動実績管理装置101は、交通事業者情報記憶手段151、物販事業者情報記憶手段152、利用者情報記憶手段153、ICカード事業者情報記憶手段154、利用団体情報記憶手段155、及び利用者所属情報記憶手段156により、各種情報を記憶部132に記憶しておく。
【0040】
利用者は、情報処理装置111を、情報処理装置110に近づけることで、情報処理装置111のICカード機能により交通機関を利用する(S401)。交通事業者の情報処理装置102は、情報処理装置110と通信することで、利用実績を得ることができる。情報処理装置111は、連携したICカード機能から利用実績を得ることができる。
【0041】
情報処理装置102は、利用実績を情報処理装置103に送信する(S402)。情報処理装置103は、受信した利用実績を記憶する。情報処理装置111は、利用実績を移動実績管理装置101に送信する(S403)。利用実績情報記憶手段157は、受信した利用実績を記憶部132に記憶する。
【0042】
利用者は、情報処理装置111に利用実績の費目を入力する。情報処理装置111は、入力された費目を移動実績管理装置101に送信する(S404)。費目受付手段158は、情報処理装置111からの費目を受信することで受け付ける。移動実績管理装置101は、費目受付手段158で受け付けた費目を、記憶部132の利用実績に追加して記憶する。
【0043】
利用者は、その利用が業務利用であることの照査依頼をする場合は、情報処理装置111にその旨を入力する。情報処理装置111は、入力された照査依頼を移動実績管理装置101に送信する(S405)。
【0044】
移動実績管理装置101は、照査依頼を受信したならば、記憶部132の利用実績情報に照査依頼中である旨の印を付与する。また、移動実績管理装置101は、照査依頼を受信したならば、情報処理装置104に対してその照査依頼を通知する(S406)。具体的には、移動実績管理装置101が、照査依頼を受信した時点で照査依頼を情報処理装置104に対して送信してもよい。また、例えば照査者が情報処理装置104を操作して記憶部132の利用実績情報に照査依頼中のものがないかを検索して対応するようにしてもよい。なお、照査者が利用する情報処理装置104は、照査者自身の情報処理装置111に置き換えることも可能である。
【0045】
情報処理装置104は、受信した照査依頼を照査者に対して提示し、照査者は照査結果を情報処理装置104に入力する。情報処理装置104は、入力された照査結果を移動実績管理装置101に送信する(S407)。照査結果受付手段160は、情報処理装置104からの照査結果を受信し、照査者と照査日時を特定し照査結果に含めて受け付ける。移動実績管理装置101は、照査結果受付手段160で受け付けた照査結果を、記憶部132の利用実績に追加して記憶する。また、移動実績管理装置101は、照査結果受付手段160で受け付けた照査結果を、情報処理装置111に送信する(S408)。移動実績管理装置101は、照査結果により業務利用と認められた利用実績については業務利用として記憶部132の利用実績に追加して記憶する。移動実績管理装置101は、照査結果により業務利用と認められなかった利用実績、及び照査依頼がなかった利用実績については私用利用として記憶部132の利用実績に追加して記憶する。
【0046】
利用実績情報抽出手段159は、所定の利用者による所定の交通機関や物販店舗の利用実績を、記憶部132に記憶してある利用実績情報から抽出する。また、利用実績情報提供手段161は、利用実績情報抽出手段159が抽出した利用実績を、抽出対象の所定の利用者が所属する団体に提供する。具体的には、移動実績管理装置101は、利用実績情報抽出手段159が抽出した利用実績を、情報処理装置104に送信する(S409)。利用実績情報抽出手段159による抽出及び利用実績情報提供手段161による提供は、例えば月1回などの清算のタイミングで実施する。利用実績情報抽出手段159による抽出及び利用実績情報提供手段161による提供は、参照者が随時参照できるようにしてもよい。
【0047】
なお、利用実績情報抽出手段159及び利用実績情報提供手段161は、
・利用者が、自身の利用実績情報を参照する場合、
・団体に、団体の経費で利用(業務利用)された利用実績情報を提供する場合、
・交通事業者に、自社の交通機関が利用された利用実績情報を提供する場合、
・ICカード事業者に、自社のICカードが利用された利用実績情報を提供する場合、
・物販事業者が、自社の物販店舗が利用された利用実績情報を提供する場合、
などを含んでもよい。この場合も、利用実績情報抽出手段159による抽出及び利用実績情報提供手段161による提供は、参照者が随時参照できるようにしてもよい。また、参照者には、団体(の管理者)の他、交通事業者、ICカード事業者、物販事業者の担当者、利用者本人も該当する。
【0048】
情報処理装置103は、S402で得た利用実績を移動実績管理装置101に送信する(S410)。移動実績管理装置101は、S403で受信して記憶部132に記憶してある利用実績と、S410で受信した利用実績とを照合し、一致しない場合は、その旨を情報処理装置103、情報処理装置111及び情報処理装置104に通知する。利用実績の照合が一致したならば、移動実績管理装置101は、業務利用の利用実績と、私用利用の利用実績とを区別して請求データを作成し、情報処理装置103に送信する(S411)。請求データは、請求される側も自身宛の請求データを参照することができる。請求される側とは、団体(業務利用分)及び利用者(私用利用分)である。例えば団体においては、請求内容の照合や、請求明細をデータで入手して後の会計処理で利用するため、必要に応じて自社分の請求データを参照したり、ダウンロードしたりすることができるようにするのが望ましい。同様に、交通事業者や物販事業者も、ICカード事業者が代理請求してくれる請求書に含まれる自社利用代金を確認する用途があるので、こちらも必要に応じて自社分の請求データを参照したり、ダウンロードしたりすることができるようにするのが望ましい。
【0049】
従来、交通事業者や物販事業者は、利用者の支払いが業務利用の立替払いなのか私用利用の本人払いなのかを区別することができず、利用団体単位の利用実績を把握することができないという問題があった。本発明によれば、交通事業者や物販事業者は利用団体単位の利用実績を把握できるようになるので、利用実績に応じた大口需要家優遇施策等、団体を相手にした有効な営業戦略を実施することが可能になる。
【0050】
情報処理装置103は、移動実績管理装置101から受信した請求データのうち業務利用の利用実績の請求データの運賃については、情報処理装置104に運賃請求を送信する(S412)。情報処理装置103は、移動実績管理装置101から受信した請求データのうち私用利用の利用実績の請求データの運賃については、情報処理装置111に運賃請求を送信する(S413)。なお、S412及びS413の運賃請求は、移動実績管理システム100で実施する必要はなく、従来通り紙の請求書で請求を行うなど、ICカード事業者と利用者及び利用団体とで独自に行ってもよい。
【0051】
情報処理装置103は、S411で移動実績管理装置101から受信した請求データに応じて、情報処理装置102に対して運賃支払いを行う(S414)。情報処理装置104は、S412で情報処理装置103から受信した運賃請求に応じて、情報処理装置103に対して運賃支払いを行う(S415)。情報処理装置111は、S413で情報処理装置103から受信した運賃請求に応じて、情報処理装置103に対して運賃支払いを行う(S416)。各情報処理装置による運賃の支払いとは、例えば、あらかじめ登録した銀行口座に対して請求金額を振り込むように指示を行うことである。
【0052】
なお、移動実績管理装置101は、記憶部132に記憶してある利用者情報に、その利用者に運賃を請求する場合の請求口座の情報を含め、記憶部132に記憶してある利用団体情報に、その利用団体に運賃を請求する場合の請求口座の情報を含めるようにしてもよい。移動実績管理装置101は、ある利用者が利用する1つのICカードに対して、利用者用の請求口座の情報と利用団体用の請求口座の情報の2つを紐づけ、その利用が業務利用であるか私用利用であるかに応じて運賃を請求する口座を切り替えることができる。
【0053】
このことにより、本発明によれば、取引の都度、請求書の送付先を指定しなくても適正な請求先に請求できる、また、本発明によれば、従来の後払い請求方式では、請求明細に私用利用が混在していた場合、団体が一旦支払った後、利用者本人に返還請求するしかなかった問題を解決して、一つの支払い手段(例えばスマートホンのアプリのICカード)を用いた場合における業務利用と私用利用の混在を可能にすることができる。
【0054】
なお、移動実績管理装置101は、請求データを費目別に分けて提供するようにしてもよい。請求された側では、会計上・税務上、費目ごとに経費を仕分ける処理が必要であり、1件の請求書の明細に複数の費目の明細があると処理が煩雑になる問題があった。請求元で費目別に請求書を分けることができないのは、請求元が個々の取引における請求先の費目情報を知らないからである。本発明によれば、個々の取引における費目情報が判明し、請求データを費目別に分けて提供することができるので、請求元は請求書を請求先の費目別に分けて発行することが可能になる。請求された側では、請求書の明細が単一費目であれば、請求書単位での会計処理が可能になり業務を効率化することができる。移動実績管理装置101は、移動実績に付加する費目情報を、利用団体側だけでなく、請求元にも提供することで、費目別に請求書を分けることが可能になる。移動実績管理装置101は、費目情報を請求元に提供するか否かは、利用団体側が選択できるようにしてもよい。費目別の請求書を受領して自身の会計処理の助けとしたい場合には請求元への費目情報提供に合意し、その必要がなければ費目情報提供に合意しないとしてもよい。費目別の請求データは、利用実績情報抽出手段159が、利用実績の中から該当する費目のデータを抽出することで取得するようにしてもよい。
【0055】
なお、以上の説明では、ICカードを利用して移動実績管理を行う実施形態について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、如何なる電子チケットを利用した移動実績管理に対しても、本発明は適用可能である。
【0056】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。本発明の目的は、上述の実施例の機能を実現するプログラムコード(コンピュータプログラム)を格納した記憶媒体をシステムあるいは装置に供給し、供給されたシステムあるいは装置のコンピュータが記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても達成される。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施例の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、上述した実施形態では、コンピュータがプログラムを実行することにより、各処理部として機能するものとしたが、処理の一部または全部を専用の電子回路(ハードウェア)で構成するようにしても構わない。本発明は、説明された特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0057】
100 移動実績管理システムシステム
102~105、110~112 情報処理装置
106 ネットワーク
図1
図2
図3
図4