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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022084131
(43)【公開日】2022-06-07
(54)【発明の名称】組合せ秤
(51)【国際特許分類】
   G01G 19/387 20060101AFI20220531BHJP
【FI】
G01G19/387 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020195793
(22)【出願日】2020-11-26
(71)【出願人】
【識別番号】000208444
【氏名又は名称】大和製衡株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086737
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 和秀
(72)【発明者】
【氏名】島谷 省伍
(72)【発明者】
【氏名】末道 亮
(57)【要約】
【課題】トップコーンを有する分散フィーダの重量を検出する重量センサが、センター基体における天板の振動による影響を受けるのを抑制して、分散フィーダのトップコーン上の被計量物の重量を精度よく検出できるようにする。
【解決手段】センター基体2の天板中央部に形成した開口部sに、センター基体内の駆動モータ22によって回転駆動される回転支軸23を挿通した軸支部21eを配備すると共に、この回転支軸23の上端部にトップコーン13を連結して、旋回駆動するように構成し、回転支軸23を挿通支持する軸支部21eとセンター基体2の天板2aとの間に、弾性変形可能なベローズ26を介装する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
旋回駆動されるトップコーンを有する分散フィーダと、前記トップコーンの周囲に設けられると共に、前記トップコーンによって外方へ分散搬送される被計量物を振動搬送する複数のリニアフィーダと、前記分散フィーダの重量を検出する重量センサとを備え、前記重量センサの検出重量に基づいて、前記トップコーンへ被計量物を供給する供給装置の駆動を制御する組合せ秤であって、
センター基体の天板中央部に形成した開口部を挿通すると共に、前記センター基体内の駆動モータによって回転駆動される回転支軸と、
前記回転支軸を回転自在に支持する軸支部と、
前記軸支部と前記センター基体の天板との間に介装された弾性変形可能なベローズとを備え、
前記回転支軸の上端部に前記トップコーンが連結されている、
ことを特徴とする組合せ秤。
【請求項2】
前記回転支軸は、前記軸支部に転がり軸受けを介して回転自在に挿通支持されている、
請求項1に記載の組合せ秤。
【請求項3】
前記軸支部の上部に設けられて、前記転がり軸受けの潤滑油が外部へ漏洩するのを防止するオイルシールを備える、
請求項2に記載の組合せ秤。
【請求項4】
前記オイルシールの上方に、防水シールが設けられている、
請求項3項に記載の組合せ秤。
【請求項5】
前記重量センサは、前記センター基体の内部に配備した固定ベースに搭載支持され、前記駆動モータを支持すると共に、前記軸支部を支持した駆動フレームが、前記重量センサの荷重印加部位に連結支持され、前記軸支部に支持された前記回転支軸と前記駆動モータの出力軸とが、カップリングを介して連結されている、
請求項1ないし4のいずれか一項に記載の組合せ秤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被計量物を所定重量になるように組合せ計量して排出する組合せ秤に関する。
【背景技術】
【0002】
組合せ秤には、例えば、特許文献1に示すように、供給装置から分散フィーダの円錐状のトップコーンに投下供給された被計量物を、前記トップコーンを旋回駆動して、旋回に伴う遠心力によって、トップコーンの周囲に配設された複数のリニアフィーダに分散搬送するようにしたものがある。複数のリニアフィーダに搬送された被計量物は、更に外方へ振動搬送され、リニアフィーダの搬送終端の下方の配置された複数の供給ホッパへ供給され、各供給ホッパから対応する各計量ホッパにそれぞれ供給される。
【0003】
各計量ホッパでは、供給された被計量物の重量が計量され、計量された被計量物の重量値を種々に組合せた合計重量値(組合せ重量値)が、所定重量範囲となる計量ホッパを選択し、選択した計量ホッパから被計量物を排出し、排出された被計量物が、集合シュートを介して排出される。
【0004】
分散フィーダのトップコーンへ被計量物を投下供給する前記供給装置は、旋回駆動されるトップコーンを含む分散フィーダ全体の重量を検出する重量センサの検出重量に基づいて、トップコーン上の被計量物が一定重量範囲となるように、その駆動が制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-217720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように分散フィーダのトップコーンを旋回駆動する構成では、分散フィーダ及びリニアフィーダ等を支持するセンター基体の内部の駆動モータによって回転駆動される回転支軸を、センター基体の天板を挿通して上方に突出させ、この回転支軸の上端部にトップコーンを連結している。
【0007】
この場合、センター基体の天板には、分散フィーダの周囲に配設された複数のリニアフィーダの駆動等による振動が作用し、この振動がセンター基体の天板の回転支軸挿通部から回転支軸に伝わることになる。
【0008】
この回転支軸に連結されたトップコーンを含む分散フィーダ全体の重量を検出する上記の重量センサは、このセンター基体の天板の振動を外乱として検出してしまうことになり、重量センサによる検出重量がばらつくことなる。
【0009】
この重量センサの検出重量に基づいて、分散フィーダのトップコーンへ被計量物を供給する供給装置の駆動が制御されるので、重量センサによる検出重量がばらつくと、分散フィーダのトップコーンへ供給される被計量物の供給量が変動することになる。
【0010】
分散フィーダのトップコーンへ供給される被計量物の供給量が変動すると、トップコーンからリニアフィーダ及び供給ホッパを介して計量ホッパへ供給される被計量物の供給量も変動し、計量ホッパへ適量の被計量物を供給するのが困難となり、組合せ精度が低下することになる。
【0011】
本発明は、このような点に鑑みて為されたものであって、センター基体における天板の振動による影響を重量センサが受けるのを抑制して、分散フィーダのトップコーン上の被計量物の重量を精度よく検出できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明では次のように構成している。
【0013】
(1)本発明は、旋回駆動されるトップコーンを有する分散フィーダと、前記トップコーンの周囲に設けられると共に、前記トップコーンによって外方へ分散搬送される被計量物を振動搬送する複数のリニアフィーダと、前記分散フィーダの重量を検出する重量センサとを備え、前記重量センサの検出重量に基づいて、前記トップコーンへ被計量物を供給する供給装置の駆動を制御する組合せ秤であって、
センター基体の天板中央部に形成した開口部を挿通すると共に、前記センター基体内の駆動モータによって回転駆動される回転支軸と、前記回転支軸を回転自在に支持する軸支部と、前記軸支部と前記センター基体の天板との間に介装された弾性変形可能なベローズとを備え、前記回転支軸の上端部に前記トップコーンが連結されている。
【0014】
本発明によると、リニアフィーダの駆動等に伴う振動がセンター基体の天板に伝わったとしても、その振動が、センター基体の天板と軸支部との間に介装されたベローズの弾性変形によって吸収され、外乱となる振動が軸支部に伝わって、トップコーンを含む分散フィーダの重量を検出する重量センサで検出されるのを抑制することができる。
【0015】
これによって、分散フィーダのトップコーン上の被計量物の重量を精度よく検出して、供給装置からトップコーンに供給される被計量物の供給量の変動を抑制することができる。
【0016】
(2)本発明の好ましい実施態様では、前記回転支軸は、前記軸支部に転がり軸受けを介して回転自在に挿通支持されている。
【0017】
この実施態様によると、トップコーンを円滑かつ静粛に旋回駆動することができる。
【0018】
(3)本発明の他の実施態様では、前記軸支部の上部に設けられて、前記転がり軸受けの潤滑油が外部へ漏洩するのを防止するオイルシールを備える。
【0019】
この実施態様によると、転がり軸受けの潤滑油がセンター基体の天板上に漏洩することを防止することができ、食品類の計量処理を衛生的に行うことができる。
【0020】
(4)本発明の他の実施態様では、前記オイルシールの上方に、防水シールが設けられている。
【0021】
この実施態様によると、計量作業中に発生した被計量物の粉などの異物が軸支部に入り込むことを防止すると共に、センター基体上部を洗浄する際に洗浄水が軸支部に浸入することを確実に防止することができる。
【0022】
(5)本発明の他の実施態様では、前記重量センサは、前記センター基体の内部に配備した固定ベースに搭載支持され、前記駆動モータを支持すると共に、前記軸支部を支持した駆動フレームが、前記重量センサの荷重印加部位に連結支持され、前記軸支部に支持された前記回転支軸と前記駆動モータの出力軸とが、カップリングを介して連結されている。
【0023】
この実施態様によると、駆動フレームに駆動モータ、回転支軸、等を組み付けてトップコーンの旋回駆動機構を先組みしてから、重量センサと共にセンター基体に装着することができ、組み付け作業性に優れたものとなる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の組合せ秤によれば、センター基体における天板の振動による影響を重量センサが受けるのを抑制して、分散フィーダのトップコーン上の被計量物の重量を精度よく検出することができ、供給装置からトップコーンに供給される被計量物の供給量の変動を抑制することができる。これによって、トップコーンからリニアフィーダ及び供給ホッパを介して計量ホッパへ供給される被計量物の供給量を安定させることができ、組合せ精度が低下するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は本発明の一実施形態に係る組合せ秤の概略構成を示す縦断正面図である。
図2図2図1の組合せ秤の中心上部を縦断した正面図である。
図3図3はトップコーン旋回駆動構造の一部切欠き縦断面図である。
図4図4はトップコーンの外周下端部分を拡大した縦断面図である。
図5図5図4の周縁部材の変形例を示す縦断面図である。
図6図6図4の周縁部材の他の変形例を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、本発明の一実施形態に係る組合せ秤の概略構成を示す縦断正面図である。
【0027】
この実施形態の組合せ秤は、各種の菓子や食品などの被計量物を所定量ずつ計量して下方へ排出するものであって、計量された被計量物を図示しない下方の包装機に投入して袋詰めする包装ラインに利用される。
【0028】
この組合せ秤は、櫓状に組み上げ立設された図示しないフレームの階上床面Fに設置されるものであり、中央部が大きく上下に貫通開口された中空構造の基台1の上方に、逆円錐台状のセンター基体2が複数の脚部3を介して支持されている。
【0029】
センター基体2の上部中心には、供給装置としての供給コンベヤ4の終端から投下供給される被計量物を周方向に分散搬送する分散フィーダ5が装備されている。この分散フィーダ5の周囲に、分散搬送された被計量物を振動によって外方に向けて直進搬送する多数台のリニアフィーダ6が放射状に設けられている。
【0030】
センター基体2の外周部には、各リニアフィーダ6からの被計量物を一旦貯留して排出する複数台の供給ホッパ7と、各供給ホッパ7から排出された被計量物の重量を計測するための複数台の計量ホッパ8とが装備されている。そして、これらリニアフィーダ6、供給ホッパ7、及び、計量ホッパ8を一連とする多数連(例えば14連)の計量ユニットによって被計量物の組合せ計量及び排出が行われる。
【0031】
各計量ホッパ8の下方には、組合せ演算によって所定重量範囲となる適量組合せに選択された計量ホッパ8から排出された被計量物を集合させる集合シュート9が、配備されている。集合シュート9の下端部には、集合シュート9から滑落してきた被計量物をセンター基体2の中心下方に集める円形漏斗状の集合ファネル10が配備されている。
【0032】
更に、集合ファネル10の下方に、集合ファネル10で集められた所定重量範囲の被計量物を一旦受け止め貯留する集合ホッパ11が配置されている。集合ホッパ11は、階下に設置された図示されていない包装機からの排出要求指令に基づいて開放制御されるようになっている。
【0033】
分散フィーダ5は、センター基体2の内部に配備した旋回駆動機構12によって、トップコーン13をその中心縦軸心p周りに旋回駆動するように構成されている。旋回駆動機構12は、ロードセルを備える重量センサ14に搭載支持されている。この重量センサ14によって分散フィーダ5全体の重量が検出されるようになっている。そして、検出された重量に基づいて、供給コンベヤ4がオンオフ制御されて、トップコーン13上に一定重量範囲内の被計量物が供給されるようになっている。
【0034】
リニアフィーダ6は、内外方向に向かう樋形のトラフ15を、電磁式の加振機構16によって振動駆動するように構成されている。各加振機構16が、分散フィーダ5の旋回駆動機構12を取り囲むようにセンター基体2の内部に配備されている。
【0035】
センター基体2の内部には、供給ホッパ7及び計量ホッパ8のゲート開閉用の駆動機構、及び、計量ホッパ8内の被計量物の重量を計測する重量センサ、等を組み込んだ駆動ユニット17が装着されている。この駆動ユニット17の外方露出箇所に、供給ホッパ7及び計量ホッパ8が脱着可能に装着支持されている。
【0036】
図2及び図3に、トップコーン13を旋回駆動する旋回駆動構造の詳細が示されている。
【0037】
センター基体2の内部には、図1及び図2に示すように、厚板材からなるベース板20が固定配備されている。このベース板20の中央部位に、上記重量センサ14が連結されると共に、ベース板20の外周部位に各リニアフィーダ6の加振機構16群が周方向に沿って円形に配列されて搭載支持されている。
【0038】
旋回駆動機構12には、図2に示すように、駆動フレーム21が備えられている。この駆動フレーム21は、ロードセルを備える重量センサ14の荷重印加部位(ロードセルの可動端)に連結される下フレーム板21aと、その上方に複数のステー21bを介して連結支持された上フレーム板21cと、上フレーム板21cの上方に複数のステー21dを介して連結支持された軸支部21eとを備えている。
【0039】
上フレーム板21cの下面に、減速機付きの駆動モータ22が縦軸姿勢で連結支持され、モータ上面に備えられた出力軸22aが、上フレーム板21cから上方に突出されている。
【0040】
図3に示すように、軸支部21eには、回転支軸23が鉛直姿勢で挿通され、上下一対の転がり軸受け24を介して回転自在に支持されている。また、この回転支軸23の下端部と、駆動モータ22の出力軸22aとがカップリング25を介して同心に突合せ連結されている。
【0041】
図2に示されるセンター基体2の天板2aは、その中央部において上方に膨出されている。この天板中央部2a´の内部に旋回駆動機構12の上部が入り込み、天板中央部2a´に形成した開口部sに軸支部21eが挿通されている。
【0042】
軸支部21eの上面には、図3に示すように、上下一対の円板材からなる支持部材21f、21gが重ねてボルト連結され、この支持部材21f、21gの外周部とセンター基体2における天板中央部2a´との間に弾性変形可能なベローズ26が装備されている。すなわち、上下の支持部材21f、21gにおける外周部に、ベローズ26の上部周縁が挟持固定されると共に、ベローズ内において、天板中央部2a´にネジ連結される支持リング27と天板中央部2a´との間に、ベローズ26の下部周縁が挟持固定されている。
【0043】
上側の支持部材21fにおける支軸挿通部位には、回転支軸23の外周に摺接するオイルシール28が圧入支持されて、転がり軸受け24に塗布された潤滑油(グリース)が天板上方に漏洩するのを防止している。また、オイルシール28の上方において、回転支軸23に防水シール29が外嵌止着され、防水シール29のリップが支持部材21fの上面に摺接することで、洗浄水や異物が軸支部21eの支軸挿通箇所に浸入することが防止される。
【0044】
回転支軸23の上方突出部分は、横断面形状がD形の連結部23aとなっている。トップコーン13の内部中心には、下端にボス部30aを備えた中心筒軸30が固設されている。中心筒軸30のボス部30aを、回転支軸23の連結部23aに相対回動不能に差込外嵌することで、トップコーン13を駆動モータ22によって旋回駆動するようになっている。
【0045】
なお、トップコーン13の旋回駆動のパターンは、例えば、一定方向に連続して旋回駆動、所定のインターバルをもって正逆に旋回駆動、する等、被計量物の性状に応じて任意に設定することができ、旋回速度は、例えば、1500rpm~2500rpmの範囲で任意に設定される。
【0046】
また、詳細な構造は図示されていないが、センター基体2の天板2a上には、リニアフィーダ6における加振機構16の振動ヘッドが突出されて、ここにトラフ15が連結されている。このトラフ15を加振機構16の振動ヘッドから取り外すと共に、トップコーン13を回転支軸23から抜き外し、センター基体2の上部を大きく開放した状態で洗浄作業等を行うことができる。
【0047】
上記のように構成された本実施形態の組合せ秤では、リニアフィーダ6の駆動等に伴って発生した振動が、センター基体2の天板2a、及び、天板中央部2a´に伝わったとしても、その振動が、センター基体2の天板2aと軸支部21eとの間に介装されたベローズ26の弾性変形によって吸収され、外乱となる振動が軸支部21eに伝わって重量センサ14で検出されるのを抑制することができる。
【0048】
これによって、分散フィーダ5のトップコーン13上の被計量物の重量を精度よく検出し、供給コンベヤ4からトップコーン13に供給される被計量物の供給量の変動を抑制することができる。その結果、トップコーン13からリニアフィーダ6及び供給ホッパ7を介して計量ホッパ8へ供給される被計量物の供給量を安定させることができ、組合せ精度が低下するのを防止することができる。
【0049】
また、この実施形態では、センター基体2の内部に配置された重量センサ14によって、トップコーン13上の被計量物の重量を検出するので、センター基体2の外部に、例えば、光電センサ等を配設してトップコーン13上の被計量物の厚みを検出して供給コンベヤ4の駆動を制御する構成のように、前記光電センサ等を支持するフレームや取付け金具等を外部に設置する必要がなく、したがって、それらを洗浄等する面倒な作業が不要となる。
【0050】
次に、この実施形態のトップコーン13の特徴について説明する。
【0051】
組合せ秤では、リニアフィーダ6を構成するトラフ15の始端部を、トップコーン13の外周端の下方に少し入り込ませて配備することで、被計量物をトップコーン13外周端から洩れ落とすことなくトラフ15に送り込むようにしている。このため、トラフ15に送り込まれた被計量物の一部が、トップコーン13の外周端の下方にまで潜り込み、潜り込んだ被計量物に、旋回駆動されるトップコーン13の外周下端縁が接触して被計量物を損傷する虞がある。
【0052】
そこで、この実施形態では、旋回駆動されるトップコーン13が、被計量物を損傷しないように次のように構成している。
【0053】
図4は、図2に示されるトップコーン13の外周下端部分を拡大した縦断面図である。
【0054】
トップコーン13は、例えば、厚さ1mm程度のステンレス鋼板で段付きの円錐形に形成されており、その下端全周に亘って別部材からなる周縁部材31が付設されている。
【0055】
この周縁部材31は、外径が数mmのステンレス鋼材からなる丸棒材が使用されており、周縁部材31の下半部が下方に突出するようにトップコーン13の下端内周に沿って配備され、トップコーン13の下端と周縁部材31の外周面とに亘って溶接がなされている。
【0056】
このように、トップコーン13の外周下端縁を下方に突出した曲率の大きい凸曲面Rに形成するので、リニアフィーダ6のトラフ15に移載された被計量物がトップコーン13の外周下方に潜り込んで、旋回駆動されるトップコーン13の外周下端に接触したとしても、周縁部材31における凸曲面Rが被計量物に摺接するだけであり、被計量物に擦り傷等の損傷を与えるのを回避することができる。
【0057】
また、トップコーン13における外周下端が全周に亘って周縁部材31で補強されることになり、例えば、洗浄作業等の際に取り外されたトップコーン13の外周を他物にぶつけてしまっても、変形することを防止することができる。
【0058】
また、周縁部材31をトップコーン13の下端内周に沿って連結することで、トップコーン13の外周下端部に、落下する被計量物が引っ掛かる段差を形成することなく周縁部材31を配備することができる。
【0059】
更に、トップコーン13の下端外周と周縁部材31の外周面との間を、溶接ビードで埋めることができるので、トップコーン13の外周下端部での先鋭部位を無くして、被計量物の損傷防止機能を高めることができる。
【0060】
周縁部材31は、例えば、図5に示すように、下端を凸曲面Rにした角棒材で構成してもよく、あるいは、図6に示すように、トップコーン13の下端を曲げ加工して凸曲面Rを形成してもよい。また、周縁部材31をパイプ材で構成することもでき、これによるとトップコーン全体の計量化に有効である。更に、周縁部材31は必ずしも金属材である必要はなく、耐摩耗性に優れた樹脂材で構成することもできる。
【0061】
[その他の実施形態]
本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
【0062】
(1)軸支部21eに挿通する回転支軸23を、ニードル軸受けや滑り軸受けで支持してもよい。
【0063】
(2)ベローズ26の上部支持構造は、上記実施形の構造に限られるものではなく、例えば、軸支部21eの上端に備えた円形フランジと、軸支部21eの上面にボルト連結される円板状の支持部材との間にベローズ26の上部周縁を挟持するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0064】
2 センター基体
2a 天板
2a´ 天板中央部
4 供給コンベヤ
5 分散フィーダ
6 リニアフィーダ
7 供給ホッパ
8 計量ホッパ
13 トップコーン
14 重量センサ
21 駆動フレーム
21e 軸支部
22 駆動モータ
22a 出力軸
23 回転支軸
24 転がり軸受け
25 カップリング
26 ベローズ
s 開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6