(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022084182
(43)【公開日】2022-06-07
(54)【発明の名称】転写ベルトユニットおよび画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/16 20060101AFI20220531BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20220531BHJP
【FI】
G03G15/16
G03G21/00 512
G03G21/00 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020195868
(22)【出願日】2020-11-26
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】池上 悠介
(72)【発明者】
【氏名】坂口 新太郎
【テーマコード(参考)】
2H134
2H200
2H270
【Fターム(参考)】
2H134GA10
2H134GB02
2H134GB05
2H134HA09
2H134JB01
2H134KB06
2H134KG04
2H134KH16
2H200FA02
2H200FA20
2H200GA12
2H200GA23
2H200GA34
2H200GA44
2H200GA47
2H200HA04
2H200HA12
2H200HB03
2H200JA02
2H200JB06
2H200JB10
2H200LA19
2H200LB02
2H200LB03
2H200LB13
2H200LB15
2H200PA10
2H200PA11
2H200PB14
2H200PB35
2H270KA04
2H270KA28
2H270LA36
2H270LA52
2H270LA70
2H270LA99
2H270LD08
2H270MA28
2H270MF14
2H270MF15
2H270MF17
2H270RA02
2H270RA18
2H270RA19
2H270RC16
2H270ZC03
2H270ZC04
(57)【要約】
【課題】転写ベルトの消耗量を精度よく算出する。
【解決手段】転写ベルトユニットは、感光体ドラムと、クリーニングローラ61と、を備える画像形成装置に使用されるものであって、転写ベルトと、ベルトメモリ58と、を備える。転写ベルトは、感光体ドラムと転写ベルトの間に搬送されるシートに感光体ドラム上のトナーを転写させる。転写ベルトは、クリーニングローラと接触してクリーニングローラにクリーニングされる。ベルトメモリ58は、クリーニングローラ61が第1回転速度V1で回転した時間の合計である第1回転時間Xを記憶する第1記憶領域58Aと、第2回転速度V2で回転した時間の合計である第2回転時間Yを記憶する第2記憶領域58Bと、有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体ドラムと、第1回転速度または前記第1回転速度より速い2回転速度で回転するクリーニングローラと、を備える画像形成装置に使用される転写ベルトユニットであって、
転写ベルトであって、前記感光体ドラムと前記転写ベルトの間に搬送されるシートに前記感光体ドラム上のトナーを転写させる転写ベルトであり、前記クリーニングローラと接触して前記クリーニングローラによりクリーニングされる転写ベルトと、
前記クリーニングローラが前記第1回転速度で回転した時間の合計である第1回転時間を記憶する第1記憶領域と、第2回転速度で回転した時間の合計である第2回転時間を記憶する第2記憶領域と、有するベルトメモリと、
を備えることを特徴とする転写ベルトユニット。
【請求項2】
前記クリーニングローラの回転により消耗した前記転写ベルトの消耗量は、前記第1回転時間と、前記第2回転時間とに基づいて算出されることを特徴とする請求項1に記載の転写ベルトユニット。
【請求項3】
感光体ドラムと、第1回転速度または前記第1回転速度より速い2回転速度で回転するクリーニングローラと、を備える画像形成装置に使用される転写ベルトユニットであって、
転写ベルトであって、前記感光体ドラムと前記転写ベルトの間に搬送されるシートに前記感光体ドラム上のトナーを転写させる転写ベルトであり、前記クリーニングローラと接触して前記クリーニングローラによりクリーニングされる転写ベルトと、
前記クリーニングローラが前記第1回転速度で回転した時間の合計である第1回転時間と、前記第2回転速度で回転した時間の合計である第2回転時間と、に基づいて算出された前記転写ベルトの消耗量を記憶するベルトメモリと、
を備えることを特徴とする転写ベルトユニット。
【請求項4】
前記消耗量は、前記第1回転時間に第1の係数を乗じた数と、前記第2回転時間に前記第1の係数よりも大きい第2の係数を乗じた数と、を足すことにより、算出されることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の転写ベルトユニット。
【請求項5】
前記第2回転速度は、前記第1回転速度の1.5~2.0倍の速度であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の転写ベルトユニット。
【請求項6】
前記転写ベルトユニットは、定着装置と共に使用され、
前記転写ベルトは、前記感光体ドラムと前記転写ベルトの間に搬送されたシートを前記定着装置に搬送することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の転写ベルトユニット。
【請求項7】
前記転写ベルトユニットは、前記画像形成装置に対して装着または取り外し可能であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の転写ベルトユニット。
【請求項8】
画像形成装置であって、
装置本体と、
感光体ドラムと、
転写ベルトであって、前記感光体ドラムと前記転写ベルトの間に搬送されるシートに前記感光体ドラム上のトナーを転写させる転写ベルトを有する転写ベルトユニットと、
前記転写ベルトと接触して前記転写ベルトをクリーニングするクリーニングローラであって、第1回転速度または前記第1回転速度より速い第2回転速度で回転可能なクリーニングローラと、
本体メモリと、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記本体メモリに記憶された、前記クリーニングローラが前記第1回転速度で回転した時間の合計である第1回転時間と、前記第2回転速度より速い第2回転速度で回転した時間の合計である第2回転時間と、に基づいて、前記転写ベルトの消耗量を算出することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記消耗量を、前記第1回転時間に第1の係数を乗じた数と、前記第2回転時間に前記第1の係数よりも大きい第2の係数を乗じた数と、を足すことにより、算出することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第2回転速度は、前記第1回転速度の1.5~2.0倍の速度であることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記画像形成装置は、前記転写ベルトユニットを装着または取り外し可能であり、
前記転写ベルトユニットは、ベルトメモリをさらに有し、
前記制御部は、前記転写ベルトの消耗量を前記ベルトメモリに記憶させることを特徴とする請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記制御部は、
前記消耗量が閾値以上であるかを判定する判定処理と、
前記判定処理において、前記消耗量が前記閾値以上であると判定した場合に、前記転写ベルトが寿命に達したことを報知する報知処理と、
を実行することを特徴とする請求項8から請求項11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記制御部は、
前記転写ベルトの寿命から前記消耗量を引くことで前記転写ベルトの残りの寿命を算出することを特徴とする請求項8から請求項12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記画像形成装置は、定着装置をさらに備え、
前記転写ベルトは、前記感光体ドラムと前記転写ベルトの間に搬送されたシートを前記定着装置に搬送することを特徴とする請求項8から請求項13のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記転写ベルトユニットは、装置本体に対して装着または取り外し可能であることを特徴とする請求項8から請求項14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、転写ベルトユニットおよび転写ベルトユニットを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、転写ベルトユニットを備えた画像形成装置が知られている(特許文献1参照)。転写ベルトユニットは、感光体ドラム上のトナーをシートに転写させる。そして、画像形成装置には、転写ベルトをクリーニングするためのクリーニングローラが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
転写ベルトの消耗量を算出するには、例えば、クリーニングローラが回転する時間に基づいて算出される。ここで、転写ベルトをクリーニングする場合、転写ベルトに状態に応じてクリーニングローラの回転速度を変える場合があるが、転写ベルトの消耗量を算出する場合に、クリーニングローラの回転速度を考慮しないと、転写ベルトの消耗量を精度よく算出できていない可能性がある。
【0005】
そこで、本開示は、転写ベルトの消耗量を精度よく算出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本開示に係る転写ベルトユニットは、感光体ドラムと、クリーニングローラと、を備える画像形成装置に使用されるものであって、転写ベルトと、ベルトメモリと、を備える。クリーニングローラは、第1回転速度または第1回転速度より速い2回転速度で回転する。転写ベルトは、感光体ドラムと転写ベルトの間に搬送されるシートに感光体ドラム上のトナーを転写させる。転写ベルトは、クリーニングローラと接触してクリーニングローラにクリーニングされる。ベルトメモリは、クリーニングローラが第1回転速度で回転した時間の合計である第1回転時間を記憶する第1記憶領域と、第2回転速度で回転した時間の合計である第2回転時間を記憶する第2記憶領域と、有する。
【0007】
このような構成によれば、クリーニングローラが第1回転速度で回転した時間の合計である第1回転時間と、第2回転速度で回転した時間の合計である第2回転時間とを別々にベルトメモリに記憶するため、転写ベルトの消耗量を精度よく算出することが可能となる。
【0008】
また、前記した転写ベルトユニットにおいて、クリーニングローラの回転により消耗した転写ベルトの消耗量は、第1回転時間と、第2回転時間とに基づいて算出される構成としてもよい。
前記課題を解決するため、本開示に係る転写ベルトユニットは、感光体ドラムと、クリーニングローラと、を備える画像形成装置に使用されるものであって、転写ベルトと、ベルトメモリと、を備える。クリーニングローラは、第1回転速度または第1回転速度より速い2回転速度で回転する。転写ベルトは、感光体ドラムと転写ベルトの間に搬送されるシートに感光体ドラム上のトナーを転写させる。転写ベルトは、クリーニングローラと接触してクリーニングローラにクリーニングされる。ベルトメモリは、クリーニングローラが第1回転速度で回転した時間の合計である第1回転時間と、第2回転速度で回転した時間の合計である第2回転時間と、に基づいて算出された転写ベルトの消耗量を記憶する。
【0009】
このような構成によれば、クリーニングローラが第1回転速度で回転した時間の合計である第1回転時間と、第2回転速度で回転した時間の合計である第2回転時間とに基づいて算出された転写ベルトの消耗量をベルトメモリに記憶するため、転写ベルトの消耗量を精度よく算出することが可能となる。
【0010】
また、前記した転写ベルトユニットにおいて、転写ベルトの消耗量は、第1回転時間に第1の係数を乗じた数と、第2回転時間に第1の係数よりも大きい第2の係数を乗じた数と、を足すことにより、算出される構成としてもよい。
【0011】
また、前記した転写ベルトユニットにおいて、第2回転速度は、第1回転速度の1.5~2.0倍の速度である構成としてもよい。
【0012】
また、転写ベルトユニットは、定着装置と共に使用され、転写ベルトは、感光体ドラムと転写ベルトの間に搬送されたシートを定着装置に搬送する構成としてもよい。
【0013】
また、転写ベルトユニットは、画像形成装置に対して装着または取り外し可能である構成としてもよい。
【0014】
前記課題を解決するため、本開示に係る画像形成装置は、装置本体と、感光体ドラムと、転写ベルトユニットと、クリーニングローラと、本体メモリと、制御部と、を備える。転写ベルトは、感光体ドラムと転写ベルトの間に搬送されるシートに感光体ドラム上のトナーを転写させる。クリーニングローラは、転写ベルトと接触して転写ベルトをクリーニングするローラであって、第1回転速度または前記第1回転速度より速い第2回転速度で回転可能である。
制御部は、本体メモリに記憶された、クリーニングローラが第1回転速度で回転した時間の合計である第1回転時間と、第2回転速度より速い第2回転速度で回転した時間の合計である第2回転時間と、に基づいて、転写ベルトの消耗量を算出する。
【0015】
このような構成によれば、クリーニングローラが第1回転速度で回転した時間の合計である第1回転時間と、第2回転速度で回転した時間の合計である第2回転時間とに基づいて転写ベルトの消耗量を算出するので、転写ベルトの消耗量を精度よく算出することができる。
【0016】
また、前記した画像形成装置において、制御部は、転写ベルトの消耗量を、第1回転時間に第1の係数を乗じた数と、第2回転時間に前記第1の係数よりも大きい第2の係数を乗じた数と、を足すことにより、算出する構成としてもよい。
【0017】
また、前記した画像形成装置において、第2回転速度は、第1回転速度の1.5~2.0倍の速度である構成としてもよい。
【0018】
また、画像形成装置は、転写ベルトユニットを装着または取り外し可能であり、転写ベルトユニットは、ベルトメモリをさらに有し、制御部は、転写ベルトの消耗量をベルトメモリに記憶させる構成としてもよい。
【0019】
また、前記した画像形成装置において、制御部は、消耗量が閾値以上であるかを判定する判定処理と、判定処理において、転写ベルトの消耗量が閾値以上であると判定した場合に、転写ベルトが寿命に達したことを報知する報知処理と、を実行する構成としてもよい。
【0020】
このような構成によれば、転写ベルトが寿命に達した場合に適切に報知することができる。
【0021】
また、前記した画像形成装置において、制御部は、転写ベルトの寿命から消耗量を引くことで転写ベルトの残りの寿命を算出する構成としてもよい。
【0022】
このような構成によれば、転写ベルトの残り寿命を適切に算出することができる。
【0023】
また、画像形成装置は、定着装置をさらに備え、転写ベルトは、感光体ドラムと転写ベルトの間に搬送されたシートを定着装置に搬送する構成としてもよい。
【0024】
また、前記した画像形成装置において、転写ベルトユニットは、装置本体に対して装着または取り外し可能である構成としてもよい。
【発明の効果】
【0025】
本開示によれば、転写ベルトの消耗量を精度よく算出できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
【
図2】装置本体からドロワと転写ベルトユニットとベルトクリーナとを取り外した状態を示す図である。
【
図3】制御部、本体メモリ、ベルトメモリ、モータおよびクラッチの電気的接続と、モータからクリーニングローラに伝えられる駆動を示す図である。
【
図4】クラッチをOFFした状態において、モータからクリーニングローラに駆動力が伝えられる状態を説明する図(a)と、クラッチをONした状態において、モータからクリーニングローラに駆動力が伝えられる状態を説明する図(b)である。
【
図5】第1実施形態において、制御部がベルトメモリに情報を記憶する処理を示すフローチャートである。
【
図6】第1実施形態における寿命判定処理を示すフローチャートである。
【
図7】第2実施形態における
図3に対応する図である。
【
図8】第2実施形態において、制御部がベルトメモリに情報を記憶する処理を示すフローチャートである。
【
図9】第2実施形態における寿命判定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1に示すように、画像形成装置1は、一例としてカラーレーザープリンタである。画像形成装置1は、装置本体10と、供給部2と、画像形成部3と、排出部4と、制御部100と、モータMと、を備えている。
【0028】
供給部2は、シートSを供給する。供給部2は、装置本体10内の下部に位置する。供給部2は、供給トレイ21と、供給機構22とを備えている。供給トレイ21は、シートSを収容する。供給機構22は、供給トレイ21からシートSを画像形成部3に供給する。供給トレイ21内のシートSは、供給機構22によって1枚ずつ分離されて画像形成部3に供給される。
【0029】
画像形成部3は、供給されたシートSに画像を形成する。画像形成部3は、露光ユニット30と、画像形成ユニット40と、転写ベルトユニット50と、ベルトクリーナ60と、定着装置70とを備えている。
【0030】
露光ユニット30は、装置本体10内の上部に位置する。露光ユニット30は、図示しないレーザ発光部、ポリゴンミラー、レンズ、反射鏡を備えている。
【0031】
画像形成ユニット40は、ドラムカートリッジ40Aと、現像カートリッジ41と、を備えている。ドラムカートリッジ40Aは、装置本体10に着脱可能である。現像カートリッジ41は、ドラムカートリッジ40Aに着脱可能である。ドラムカートリッジ40Aが装置本体10に装着された状態で、ドラムカートリッジ40Aは、供給部2と露光ユニット30との間に位置する。ドラムカートリッジ40Aは、装置本体10内の装着位置(
図1の位置)と、装置本体10外に引き出された離脱位置(
図2の位置)との間を移動可能に構成されている。
【0032】
ドラムカートリッジ40Aは、4つの感光体ドラム43と、4つの帯電器44と、を備えている。現像カートリッジ41は、現像ローラ46と、符号を省略して示す供給ローラと、層厚規制ブレードと、トナー収容部とを備えている。
【0033】
転写ベルトユニット50は、装置本体10に対して装着または取り外し可能である(
図2参照)。転写ベルトユニット50が装置本体10に装着された状態で、転写ベルトユニット50は、供給部2と画像形成ユニット40との間に位置する。転写ベルトユニット50は、駆動ローラ51と、従動ローラ52と、転写ベルト53と、4つの転写ローラ54と、ベルトフレーム55と、バックアップローラ56と、4つのベルト電極57と、ベルトメモリ58と、を備えている。
【0034】
駆動ローラ51は、転写ベルト53を駆動するローラである。駆動ローラ51は、転写ベルト53の内表面に接触している。駆動ローラ51には、画像形成装置1のモータMから発生した駆動力が伝達される。これにより、転写ベルト53が
図1の矢印方向(反時計回り)に回転する。
【0035】
従動ローラ52は、転写ベルト53の駆動に従い回転するローラである。従動ローラ52は、転写ベルト53の内表面に接触している。
【0036】
転写ベルト53は、無端状のベルトである。転写ベルト53は、転写ベルトユニット50が装置本体10に装着された状態で、感光体ドラム43と接触している。転写ベルト53は、感光体ドラム43と転写ベルト53の間に搬送されるシートSに感光体ドラム43上のトナーを転写させる。転写ベルト53は、感光体ドラム43と転写ベルト53の間に搬送されたシートSを定着装置70に搬送する。
【0037】
転写ローラ54は、転写ベルト53の内表面に接触している。転写ローラ54は、各感光体ドラム43との間で転写ベルト53を挟むローラである。ベルトフレーム55は、駆動ローラ51、従動ローラ52、転写ローラ54およびバックアップローラ56を回転可能に支持する。バックアップローラ56は、転写ベルト53の内表面に接触している。
【0038】
ベルト電極57は、転写ローラ54を介して転写ベルト53と電気的に接続された電極である。ベルト電極57は、感光体ドラム43と転写ベルト53の間にシートSが搬送された状態で、感光体ドラム43上のトナー像をシートSに転写するために、転写ローラ54に転写バイアスを印可する。
【0039】
ベルトメモリ58は、ベルトフレーム55の外表面に位置する。ベルトメモリ58は、転写ベルトユニット50が装置本体10に装着された状態で、図示せぬ読取装置と接触して読取装置を介して制御部100と電気的に接続される。ベルトメモリ58は、転写ベルトユニット50に関する情報を記憶可能である。
【0040】
ベルトクリーナ60は、装置本体10に対して装着または取り外し可能である(
図2参照)。ベルトクリーナ60は、ベルトクリーナ60が装置本体10に装着された状態で、転写ベルトユニット50の下方に位置する。ベルトクリーナ60は、クリーニングローラ61および回収ボックス62を有する。
【0041】
クリーニングローラ61は、転写ベルト53と接触して、回転することにより、転写ベルト53をクリーニングする。クリーニングローラ61は、転写ベルト53上のトナーを回収して回収ボックス62に収容する。クリーニングローラ61は、バックアップローラ56との間で転写ベルト53を挟む。クリーニングローラ61は、第1回転速度V1、または、第1回転速度V1より速い第2回転速度V2で回転する。
【0042】
定着装置70は、画像形成ユニット40および転写ベルトユニット50の搬送方向の下流側に位置する。定着装置70は、加熱ローラ71と、加圧ローラ72と、を備えている。加圧ローラ72は、加熱ローラ71と向かい合う。加圧ローラ72は、加熱ローラ71を押圧する。
【0043】
画像形成部3では、感光体ドラム43の表面が、帯電器44により一様に帯電される。その後、露光ユニット30のレーザ光(
図1に一点鎖線で示している。)が、感光体ドラム43の表面に照射される。その結果、静電潜像が、感光体ドラム43上に形成される。また、トナー収容部内のトナーは、供給ローラを介して現像ローラ46に供給される。その後、トナーは、現像ローラ46上に担持される。
【0044】
現像ローラ46上に担持されたトナーは、現像ローラ46から感光体ドラム43上の静電潜像に供給される。その結果、トナー像が、感光体ドラム43上に形成される。その後、転写ベルト53上に供給されたシートSが、感光体ドラム43と転写ローラ54との間に搬送される。その結果、各感光体ドラム43上に形成されたトナー像が、シートS上に転写される。そして、シートSが加熱ローラ71と加圧ローラ72の間を搬送される。その結果、転写されたトナー像が、シートS上に熱定着される。
【0045】
排出部4は、画像が形成されたシートSを排出する。排出部4は、定着装置70の出口から上方に向かって延び、前方に方向転換するように形成された排出経路81と、シートSを搬送する複数の搬送ローラ82とを備えている。トナー像が熱定着されたシートSは、搬送ローラ82によって排出経路81内を通過する。その後、シートSは、装置本体10の上部の排出トレイ12上に排出される。
【0046】
装置本体10は、開閉可能なフロントカバー11を備えている。フロントカバー11は、装置本体10の前側の側壁である。ユーザは、フロントカバー11を開けて、ドラムカートリッジ40Aを装置本体10の外部に引き出すことが可能となっている。すなわち、ドラムカートリッジ40Aは、装置本体10に対して着脱可能である。また、ユーザは、ドラムカートリッジ40Aを装置本体10から取り外すことで、転写ベルトユニット50を装置本体10の外部へ取り出すことが可能となっている。
【0047】
図3に示すように、制御部100は、CPU101、RAM102、ROM103、EEPROM104を有している。制御部100は、装着されたカートリッジの情報やRAM102、ROM103などに記憶されたプログラムやデータなどに基づいて演算処理を行うことによって、印刷制御を実行している。カートリッジ情報とは、カートリッジの識別番号と、カートリッジの製品情報との少なくともいずれかの情報を含む。カートリッジの識別番号とは、例えば、シリアルナンバーである。カートリッジの製品情報とは、例えば、カートリッジの寿命に関する情報である。
【0048】
RAM102およびEEPROM104は、本体メモリ110の一例である。また、RAM102は、揮発性メモリの一例である。EEPROM104は不揮発性メモリの一例である。CPU101は、RAM102と、ROM103と、EEPROM104と電気的に接続されている。
図3では、電気信号の伝達を実線の矢印で示し、駆動力の伝達を破線の矢印で示している。
【0049】
制御部100は、ベルトメモリ58と、モータMと、クラッチCR1と電気的に接続されている。制御部100は、ベルトメモリ58のデータを読み込み可能であり、かつ、データを書き込み可能である。モータMとクラッチCR1は、制御部100から電気信号を受けて制御される。
【0050】
モータMは、図示せぬギヤ列を介して、感光体ドラム43、駆動ローラ51、クリーニングローラ61を駆動する。クラッチCR1は、制御部100から電気信号により、ONの状態と、OFFの状態に変位可能である。本実施形態では、クラッチCR1がOFFの状態であるとき、クリーニングローラ61は、第1回転速度V1で回転する。クラッチCR1がONの状態であるとき、クリーニングローラ61は、第2回転速度V2で回転する。
【0051】
具体的に、
図4(a),(b)に示すように、モータMは、クラッチCR1の他、第1ギヤG1と、ワンウェイクラッチCR2と、第2ギヤG2とを介してクリーニングローラ61を駆動する。クラッチCR1は、モータMと第2ギヤG2とに接続されている。クラッチCR1は、ONの状態でモータMの駆動力を第2ギヤG2に伝える。クラッチCR1は、OFFの状態でモータMの駆動力を第2ギヤG2に伝えない。第1ギヤG1は、モータMから駆動力を受けて回転する。ワンウェイクラッチCR2は、第1ギヤG1の駆動力を第2ギヤG2に伝え、第2ギヤG2の駆動力を第1ギヤG1に伝えない。第2ギヤG2は、クリーニングローラ61に駆動力を伝える。
【0052】
図4(a)に示すように、クラッチCR1がOFF状態の場合、クラッチCR1が第2ギヤG2に駆動を伝えないので、モータMの駆動力は、モータMから第1ギヤG1、ワンウェイクラッチCR2、第2ギヤG2の順に伝えられ、第1回転速度V1でクリーニングローラ61を回転させる。
【0053】
図4(b)に示すように、クラッチCR1がON状態である場合、モータMの駆動力は、クラッチCR1を介して第2ギヤG2に伝えられると共に、モータMから第1ギヤG1に伝えられる。第2ギヤG2は、クラッチCR1から受けた駆動力で回転し、第1回転速度V1より速い第2回転速度V2でクリーニングローラ61を回転させる。この場合、第1ギヤG1が第2ギヤG2より遅いので、ワンウェイクラッチCR2は、第1ギヤG1の駆動力を第2ギヤG2に伝えない。
【0054】
第2回転速度V2は、例えば、第1回転速度V1の1.5~2.0倍の速度である。クリーニングローラ61が第2回転速度V2で回転した場合、第1回転速度V1で回転した場合よりも転写ベルト53をクリーニングする能力は向上する。しかし、クリーニングローラ61が第2回転速度V2で回転した場合、第1回転速度V1で回転した場合よりも転写ベルト53は摩耗しやすい。
【0055】
制御部100は、通常の場合には、クリーニングローラ61を第1回転速度V1で回転させる。制御部100は、転写ベルト53にトナーが多く載っている可能性がある場合には、クリーニングローラ61を第2回転速度V2で回転させる。
転写ベルト53にトナーが多く載っている場合とは、例えば、印字濃度を補正するために転写ベルト53上にテスト印字をした場合、感光体ドラム43などをクリーニングするために、感光体ドラム43上のトナーを転写ベルト53に吐き出した場合、などである。また、制御部100は、通常より印字面積が多い場合、通常より濃い印字モードで印刷をする場合、などにおいて第2回転速度V2としてもよい。
【0056】
以下、第1実施形態について、転写ベルト53の消耗量W、および、転写ベルト53の寿命と残りの寿命の算出方法を具体的に説明する。
【0057】
制御部100は、モータMがONされてからOFFされるまでの間、クリーニングローラ61の回転時間をカウントする。なお、画像形成装置1は、発振器を有し、制御部100は、発振器により生成されるクロックをカウントすることにより回転時間を算出する。本実施形態では、制御部100は、クリーニングローラ61が第1回転速度V1で回転した時間の合計である第1回転時間Xと、第2回転速度V2で回転した時間の合計である第2回転時間Yと、を別々にカウントする。
【0058】
制御部100は、クラッチCR1がOFF状態である場合、クリーニングローラ61が第1回転速度V1で回転していると判断する。制御部100は、クラッチCR1がON状態である場合、クリーニングローラ61が第2回転速度V2で回転していると判断する。
【0059】
ベルトメモリ58は、第1記憶領域58Aと、第2記憶領域58Bと有する。第1記憶領域58Aには、第1回転時間Xが記憶される。第2記憶領域58Bには、第2回転時間Yが記憶される。制御部100によってカウントされた回転時間は、一時的にRAM102に記憶される。クリーニングローラ61が第1回転速度V1で回転した場合の回転時間は、第1記憶領域58Aの第1回転時間Xに加算される。クリーニングローラ61が第2回転速度V2で回転した場合の回転時間は、第2記憶領域58Bの第2回転時間Yに加算される。
【0060】
制御部100は、転写ベルト53の消耗量Wを、第1回転時間Xと、第2回転時間Yとに基づいて算出する。具体的に、制御部100は、転写ベルト53の消耗量Wを、第1回転時間Xに第1の係数aを乗じた数と、第2回転時間Yに第1の係数aよりも大きい第2の係数bを乗じた数と、を足すことにより、算出する(W=aX+bY)。なお、第1の係数aおよび第2の係数bは、正の数であり、画像形成装置1の出荷前に実験データから求められた値である。第1の係数aおよび第2の係数bは、ベルトメモリ58または本体メモリ110(例えば、EEPROM104)に予め記憶されている。
【0061】
制御部100は、転写ベルト53の寿命に関する判定処理と、報知処理を実行する。
判定処理は、転写ベルト53の消耗量Wが閾値以上であるかを判定する処理である。なお、寿命を判定するための閾値は、ベルトメモリ58または本体メモリ110(例えば、EEPROM104)に予め記憶されている。報知処理は、判定処理において、転写ベルト53の消耗量Wが閾値以上であると判定した場合に、転写ベルト53が寿命に達したことを報知する処理である。寿命に達したことを報知する方法としては、図示せぬディスプレイなどにメッセージを表示してもよいし、音声により報知してもよい。
【0062】
制御部100は、転写ベルト53の寿命から消耗量Wを引くことで転写ベルト53の残りの寿命を算出する。例えば、算出した残りの寿命は、画像形成装置1の表示部(図示省略)に表示する。
【0063】
次に、制御部100が実行するクリーニングローラ61の回転時間の記録の処理の一例について、
図5のフローチャートを参照して説明する。制御部100は、画像形成装置1の電源がONになっている間、この処理を繰り返し実行している。
【0064】
図5に示すように、制御部100は、モータMがON状態であるかを判定する(S1)。制御部100は、モータMがON状態であると判定しない場合(S1,No)、モータMがON状態となるまで待つ。
【0065】
ステップS1において、制御部100は、モータMがON状態であると判定した場合(S1,Yes)、クラッチCR1がOFF状態であるかを判定する(S2)。
【0066】
ステップS2において、制御部100は、クラッチCR1がOFF状態であると判定した場合(S2,Yes)、つまり、クリーニングローラ61が第1回転速度V1で回転している状態である場合、所定期間、クリーニングローラ61の回転時間をカウントする(S3)。カウントされたクリーニングローラ61の回転時間は、逐次、RAM102に書き込まれる。なお、所定期間は、一定時間であってもよいし、印刷ジョブ1回分であってもよいし、感光体ドラム43が所定回数回転する期間であってもよい。
【0067】
ステップS3の後、所定期間分の回転時間をベルトメモリ58の第1記憶領域58Aに記憶されている第1回転時間Xに加算して、第1回転時間Xを更新する(S4)。
【0068】
ステップS4の後、制御部100は、クラッチCR1がON状態であるかを判定する(S5)。
【0069】
ステップS5において、制御部100は、クラッチCR1がON状態であると判定した場合(S5,Yes)、ステップS2に移行する。
一方、ステップS5において、制御部100は、クラッチCR1がON状態であると判定しなかった場合(S5,No)、モータMがOFF状態であるかを判定する(S6)。
【0070】
ステップS6において、制御部100は、モータMがOFF状態であると判定しなかった場合(S6,No)、ステップS3に移行する。一方、ステップS6において、制御部100は、モータMがOFF状態であると判定した場合(S6,Yes)、処理を終了する。
【0071】
ステップS2において、制御部100は、クラッチCR1がOFF状態であると判定しなかった場合(S2,No)、つまり、クリーニングローラ61が第2回転速度V2で回転している状態である場合、所定期間、クリーニングローラ61の回転時間をカウントする(S7)。カウントされたクリーニングローラ61の回転時間は、逐次、RAM102に書き込まれる。なお、所定期間は、一定時間であってもよいし、印刷ジョブ1回分であってもよいし、感光体ドラム43が所定回数回転する期間であってもよい。
【0072】
ステップS7の後、所定期間分の回転時間をベルトメモリ58の第2記憶領域58Bに記憶されている第2回転時間Yに加算して、第2回転時間Yを更新する(S8)。
【0073】
ステップS8の後、制御部100は、クラッチCR1がOFF状態であるかを判定する(S9)。
【0074】
ステップS9において、制御部100は、クラッチCR1がOFF状態であると判定した場合(S9,Yes)、ステップS2に移行する。
一方、ステップS9において、制御部100は、クラッチCR1がOFF状態であると判定しなかった場合(S9,No)、モータMがOFF状態であるかを判定する(S10)。
【0075】
ステップS10において、制御部100は、モータMがOFF状態であると判定しなかった場合(S10,No)、ステップS7に移行する。一方、ステップS10において、制御部100は、モータMがOFF状態であると判定した場合(S10,Yes)、処理を終了する。
【0076】
次に、制御部100が実行する第1実施形態における寿命判定処理の一例について、
図6のフローチャートを参照して説明する。制御部100は、画像形成装置1の電源がONになっている間、寿命判定処理を繰り返し実行している。
【0077】
図6に示すように、寿命判定処理を実行する場合、制御部100は、ベルトメモリ58からRAM102に、第1回転時間Xと、第2回転時間Yを読み出す(S11)。
【0078】
ステップS11の後、制御部100は、RAM102に読み出された第1回転時間Xに第1の係数aを乗じた数と、RAM102に読み出された第2回転時間Yに第2の係数bを乗じた数と、を足した数を感光体ドラム43の消耗量Wとして算出する(W=aX+bY)(S12)。
【0079】
ステップS12の後、制御部100は、算出した消耗量Wが閾値以上であるかを判定する(S13)。
【0080】
ステップS13において、制御部100は、算出した消耗量Wが閾値以上であると判定した場合(S13,Yes)、転写ベルト53が寿命に達したことを報知し(S14)、処理を終了する。
一方、ステップS13において、制御部100は、算出した消耗量Wが閾値以上であると判定しなかった場合(S13,No)、転写ベルト53が寿命に達したこと報知せずに処理を終了する。
【0081】
上述した本実施形態によれば、クリーニングローラ61が第1回転速度V1で回転した時間の合計である第1回転時間Xと、第2回転速度V2で回転した時間の合計である第2回転時間Yとを別々にベルトメモリ58に記憶するため、転写ベルト53の消耗量Wを精度よく算出することが可能となる。
【0082】
例えば、制御部100は、転写ベルト53の消耗量Wを、第1回転時間Xに第1の係数aを乗じた数と、第2回転時間Yに第2の係数bを乗じた数と、を足す(W=aX+bY)ことにより算出することができる。これにより、転写ベルト53の消耗量Wを精度よく算出できる。
【0083】
また、制御部100は、クリーニングローラ61の消耗量Wが閾値以上であるかかを判定する判定処理と、判定処理において、転写ベルト53の消耗量Wが閾値以上であると判定した場合に、転写ベルト53が寿命に達したことを報知する報知処理と、を実行する。このため、転写ベルト53が寿命に達した場合に適切に報知することができる。
【0084】
また、制御部100は、転写ベルト53の寿命から消耗量Wを引くことで転写ベルト53の残りの寿命を算出する。このため、転写ベルト53の残り寿命を適切に算出することができる。
【0085】
次に、第2実施形態について説明する。
第1実施形態では、制御部100は、クリーニングローラ61が第1回転速度V1で回転した時間の合計である第1回転時間Xと、第2回転速度V2で回転した時間の合計である第2回転時間Yをベルトメモリ58に記憶させる構成であったのに対して、第2実施形態では、
図7に示すように、制御部100は、転写ベルト53の消耗量Wをベルトメモリ58に記憶させる構成である。
【0086】
具体的に、第2実施形態では、制御部100は、第1回転時間Xを本体メモリ110のEEPROM104の第1記憶領域104Aに記憶させる。同様に、制御部100は、第2回転時間Yを本体メモリ110のEEPROM104の第2記憶領域104Bに記憶させる。制御部100は、第1実施形態と同様に、転写ベルト53の消耗量Wを、第1回転時間Xに第1の係数aを乗じた数と、第2回転時間Yに第2の係数bを乗じた数と、を足すことにより、算出する(W=aX+bY)。そして、制御部100は、算出した転写ベルト53の消耗量Wをベルトメモリ58に記憶させる。すなわち、ベルトメモリ58は、クリーニングローラ61が第1回転速度V1で回転した時間の合計である第1回転時間Xと、第2回転速度V2で回転した時間の合計である第2回転時間Yと、に基づいて算出された転写ベルト53の消耗量Wを記憶する。なお、制御部100が消耗量Wを記憶させるタイミングは、一定時間ごとであってもよいし、印刷ジョブ1回分ごとであってもよい。
【0087】
次に、制御部100が実行する第2実施形態の処理の一例について、
図8のフローチャートを参照して説明する。ここでは、
図5のフローチャートと異なる部分のみ説明する。
【0088】
図8に示すように、第2実施形態では、ステップS4の後、制御部100は、第1回転時間Xに第1の係数aを乗じた数と、第2回転時間Yに第2の係数bを乗じた数と、を足した数を転写ベルト53の消耗量Wとして算出する(W=aX+bY)。そして、算出した消耗量Wをベルトメモリ58に書き込む(S21)。ステップS21の後、ステップS5に移行する。
【0089】
同様に、ステップS8の後、制御部100は、第1回転時間Xに第1の係数aを乗じた数と、第2回転時間Yに第2の係数bを乗じた数と、を足した数を転写ベルト53の消耗量Wとして算出する(W=aX+bY)。そして、算出した消耗量Wをベルトメモリ58に書き込む(S22)。ステップS22の後、ステップS9に移行する。
【0090】
次に、制御部100が実行する第2実施形態における寿命判定処理の一例について、
図9のフローチャートを参照して説明する。
【0091】
図9に示すように、寿命判定処理を実行する場合、制御部100は、ベルトメモリ58からRAM102に、転写ベルト53の消耗量Wを読み出す(S23)。
【0092】
ステップS23の後、制御部100は、算出した消耗量Wが閾値以上であるかを判定する(S13)。
【0093】
ステップS13において、制御部100は、消耗量Wが閾値以上であると判定した場合(S13,Yes)、転写ベルト53が寿命に達したことを報知し(S14)、処理を終了する。
一方、ステップS13において、制御部100は、消耗量Wが閾値以上であると判定しなかった場合(S13,No)、転写ベルト53が寿命に達したこと報知せずに処理を終了する。
【0094】
上述した第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、クリーニングローラ61が第1回転速度V1で回転した時間の合計である第1回転時間Xと、第2回転速度V2で回転した時間の合計である第2回転時間Yとから転写ベルト53の消耗量Wを算出するため、転写ベルト53の消耗量Wを精度よく算出することが可能となる。
【0095】
以上に本開示の実施形態について説明したが、本開示は、前記実施形態に限定されることなく適宜変形して実施することが可能である。
【0096】
また、前記実施形態においては、感光体ドラム43、駆動ローラ51およびクリーニングローラ61が1つのモータによって駆動されていたが、別のモータで駆動される構成としてもよい。
【0097】
また、上述した実施形態では、ドラムカートリッジは、装置本体から引き出すことが可能なドロワであり、4つの感光体ドラムと、4つの装着または取り外し可能な現像カートリッジを有していたが、この形態に限られない。
例えば、ドラムカートリッジは、現像カートリッジおよび感光体ドラムをそれぞれ複数有する構成に限られず、現像カートリッジおよび感光体ドラムをそれぞれ1つ有する構成であってもよい。
また、例えば、ドラムカートリッジは、装置本体から引き出すことが可能な構成であったが、装置本体に対して、上方、または、斜め方向から装着または取り外し可能な構成であってもよい。
また、例えば、ドラムカートリッジは、現像ローラを有する現像カートリッジが装着または取り外し可能な構成であったが、現像ローラを有していないトナーカートリッジが装着または取り外し可能な構成であってもよい。この場合において、ドラムカートリッジは、現像ローラと感光体ドラムとを有している。また、トナーカートリッジは、現像ローラを有しておらず、トナーを収容するトナー収容部を有している。
また、例えば、現像カートリッジがドラムカートリッジに装着または取り外し可能であり、現像カートリッジが装着された状態のドラムカートリッジが装置本体に装着または取り外し可能な構成であったが、現像カートリッジおよびドラムカートリッジがそれぞれ別々に装置本体に装着または取り外し可能な構成であってもよい。また、ドラムカートリッジから現像カートリッジが別体として取り外しできない一体型のカートリッジの構成としてもよい。この場合、ドラムカートリッジは、トナーを収容するトナー収容部と、現像ローラと、感光体ドラムとを有している。
【0098】
また、前記実施形態においては、4色のトナーを用いてカラー画像を印刷する画像形成装置1を例示したが、画像形成装置は、モノクロ印刷しかできないものであってもよいし、3色や5色以上のトナーを用いてカラー画像を印刷する装置であってもよい。
【0099】
また、画像形成装置は、複合機やコピー機であってもよい。
【0100】
上述のした各実施形態および各変形例の各要素は、任意に組み合わせて実施することが可能である。
【符号の説明】
【0101】
1 画像形成装置
10 装置本体
43 感光体ドラム
50 転写ベルトユニット
53 転写ベルト
58 ベルトメモリ
58A 第1記憶領域
58B 第2記憶領域
60 ベルトクリーナ
61 クリーニングローラ
70 定着装置
100 制御部
104 EEPROM
104A 第1記憶領域
104B 第2記憶領域
110 本体メモリ
CR1 クラッチ
CR2 ワンウェイクラッチ
G1 第1ギヤ
G2 第2ギヤ
M モータ
V1 第1回転速度
V2 第2回転速度
W 消耗量
X 第1回転時間
Y 第2回転時間
a 第1の係数
b 第2の係数