(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022084313
(43)【公開日】2022-06-07
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 43/19 20180101AFI20220531BHJP
F21S 43/14 20180101ALI20220531BHJP
F21S 43/145 20180101ALI20220531BHJP
F21S 43/20 20180101ALI20220531BHJP
F21S 43/27 20180101ALI20220531BHJP
F21V 5/00 20180101ALI20220531BHJP
F21S 43/33 20180101ALI20220531BHJP
F21S 43/50 20180101ALI20220531BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220531BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20220531BHJP
F21Y 115/20 20160101ALN20220531BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20220531BHJP
F21Y 101/00 20160101ALN20220531BHJP
F21W 103/00 20180101ALN20220531BHJP
F21W 103/20 20180101ALN20220531BHJP
F21W 103/35 20180101ALN20220531BHJP
F21W 103/45 20180101ALN20220531BHJP
【FI】
F21S43/19
F21S43/14
F21S43/145
F21S43/20
F21S43/27
F21V5/00 320
F21S43/33
F21S43/50
F21Y115:10
F21Y115:15
F21Y115:20
F21Y115:30
F21Y101:00 100
F21Y101:00 300
F21W103:00
F21W103:20
F21W103:35
F21W103:45
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020196107
(22)【出願日】2020-11-26
(71)【出願人】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100109047
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 雄祐
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 友由
(72)【発明者】
【氏名】延原 賢治
(72)【発明者】
【氏名】坂内 洋介
(57)【要約】
【課題】車両用灯具の自車表示機能の向上を図る。
【解決手段】車両用灯具1は、透光カバー12を有するケース2と、ケース2に収容される第1発光部32および第2発光部34とを備える。第1発光部32は、第1長尺部32aと、第1長尺部32aの車幅方向外側の端部から車幅方向と交わる方向に突出し、且つ第1長尺部32aより幅の太い第1突出部32bとを有する。第2発光部34は、第2長尺部34aと、第2長尺部34aの車幅方向外側の端部から車幅方向と交わる方向に突出し、且つ第2長尺部34aより幅の太い第2突出部34bとを有する。第1突出部32bの先端は第1長尺部32aよりも鉛直方向の第1側に位置し、第2突出部34bの先端は第2長尺部34aよりも第1側に位置する。第2発光部34は、第1長尺部32aよりも第1側で且つ第1突出部32bよりも車幅方向内側に配置される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面状の透光カバーを有するケースと、
前記ケースに収容され、前記透光カバーに向け光を照射する第1発光部および第2発光部と、を備え、
前記第1発光部は、車幅方向に延びる第1長尺部と、前記第1長尺部の車幅方向外側の端部から車幅方向と交わる方向に突出し、且つ前記第1長尺部の幅より太い幅を有する第1突出部と、を有し、
前記第2発光部は、車幅方向に延びる第2長尺部と、前記第2長尺部の車幅方向外側の端部から車幅方向と交わる方向に突出し、且つ前記第2長尺部の幅より太い幅を有する第2突出部と、を有し、
前記第1突出部の先端は、前記第1長尺部よりも鉛直方向の第1側に位置し、
前記第2突出部の先端は、前記第2長尺部よりも前記第1側に位置し、
前記第2発光部は、前記第1長尺部よりも前記第1側で且つ前記第1突出部よりも車幅方向内側に配置される、
車両用灯具。
【請求項2】
前記第1発光部は、前記第2発光部に対し前記透光カバーに近づく方向にずれて配置される、
請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記第1突出部は、光拡散部を有する、
請求項1または2に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記車両用灯具は、第3発光部を備え、
前記第3発光部は、車幅方向に延びる第3長尺部と、前記第3長尺部の車幅方向外側の端部から車幅方向と交わる方向に突出し、且つ前記第3長尺部の幅より太い幅を有する第3突出部と、を有し、
前記第3突出部の先端は、前記第3長尺部よりも前記第1側に位置し、
前記第3発光部は、前記第2長尺部よりも前記第1側で且つ前記第2突出部よりも車幅方向内側に配置される、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記第2発光部は、前記第3発光部に対し前記透光カバーに近づく方向にずれて配置される、
請求項4に記載の車両用灯具。
【請求項6】
前記車両用灯具は、第4発光部を備え、
前記第4発光部は、前記第1長尺部よりも鉛直方向の前記第1側とは反対の第2側で前記第1長尺部に沿って延びる第4長尺部と、前記第4長尺部の車幅方向外側の端部から車幅方向と交わる方向に突出し、且つ前記第4長尺部の幅より太い幅を有する第4突出部と、を有し、
前記第4突出部の先端は、前記第4長尺部よりも前記第2側に位置する、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の車両用灯具。
【請求項7】
前記第1突出部は、先端に向かうほど車幅方向外側に位置するように延び、
前記第4突出部は、先端に向かうほど車幅方向外側に位置するように延びる、
請求項6に記載の車両用灯具。
【請求項8】
前記車両用灯具は、前記第1長尺部と前記第4長尺部との間で車幅方向に延びる非発光部を有する、
請求項6または7に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用灯具は、他車両や歩行者に対して自車両の存在や状態を認識させる自車表示機能を有する(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両運転の安全性を向上させたいという要求は常にある。この要求に応えるために、車両用灯具の自車表示機能をより高めて、他車両や歩行者に注意喚起することが望まれる。一方で、灯具ケースの形状によっては発光部を視認可能な範囲が制限され、自車表示機能を高めることが困難な場合がある。
【0005】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的の1つは、車両用灯具の自車表示機能の向上を図る技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様は車両用灯具である。この車両用灯具は、平面状の透光カバーを有するケースと、ケースに収容され、透光カバーに向け光を照射する第1発光部および第2発光部とを備える。第1発光部は、車幅方向に延びる第1長尺部と、第1長尺部の車幅方向外側の端部から車幅方向と交わる方向に突出し、且つ第1長尺部の幅より太い幅を有する第1突出部とを有する。第2発光部は、車幅方向に延びる第2長尺部と、第2長尺部の車幅方向外側の端部から車幅方向と交わる方向に突出し、且つ第2長尺部の幅より太い幅を有する第2突出部とを有する。第1突出部の先端は、第1長尺部よりも鉛直方向の第1側に位置し、第2突出部の先端は、第2長尺部よりも第1側に位置する。第2発光部は、第1長尺部よりも第1側で且つ第1突出部よりも車幅方向内側に配置される。
【0007】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム等の間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、車両用灯具の自車表示機能の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態に係る車両用灯具の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図に示す各部の縮尺や形状は、説明を容易にするために便宜的に設定されており、特に言及がない限り限定的に解釈されるものではない。また、本明細書または請求項中に「第1」、「第2」等の用語が用いられる場合には、特に言及がない限りこの用語はいかなる順序や重要度を表すものでもなく、ある構成と他の構成とを区別するためのものである。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0011】
図1は、実施の形態に係る車両用灯具1の分解斜視図である。本実施の形態の車両用灯具1は、一例として車両の後部に配置されるリアランプである。
図1において、「前」は灯具前方(車両後方)を、「後」は灯具後方(車両前方)を、「内」は車幅方向内側を、「外」は車幅方向外側を、「上」は鉛直方向上方を、「下」は鉛直方向下方をそれぞれ意味する。車両用灯具1は、ケース2と、エクステンション部材4と、第1灯具ユニット6と、第2灯具ユニット8とを備える。
【0012】
ケース2は、ランプボディ10と、透光カバー12とを有する。ランプボディ10は、透光性を有しない直方体状の箱体である。ランプボディ10は、灯具前方を向く一面に開口を有する。透光カバー12は、ランプボディ10の開口を覆う。透光カバー12は、透光性を有する平面状の板体である。したがって、ケース2は、車幅方向を向く側面が不透明であり、ケース2に収容される第1灯具ユニット6および第2灯具ユニット8を車幅方向(真横)から直接視認することが困難である。
【0013】
ランプボディ10と透光カバー12とで灯室が形成される。灯室には、エクステンション部材4と、第1灯具ユニット6と、第2灯具ユニット8とが収容される。エクステンション部材4は、車両用灯具1の内部構造を灯具外部から見えないようにするための目隠し用の部材である。エクステンション部材4は枠状であり、灯具前方側から見て枠内に第1灯具ユニット6および第2灯具ユニット8が配置される。
【0014】
第1灯具ユニット6は、第1光源14~第5光源22と、ベース部材24と、制御基板26と、インナーレンズ28と、光反射部材30とを有する。第1光源14~第5光源22は、例えば配線基板に複数の発光素子が敷設された構造を有する。発光素子は、例えばLED(発光ダイオード)である。なお、発光素子は、LD(レーザーダイオード)、有機または無機EL(エレクトロルミネセンス)等のLED以外の半導体発光素子であってもよい。また、第1光源14~第5光源22は、白熱球、ハロゲンランプ、放電球等であってもよい。
【0015】
第1光源14および第2光源16は、車幅方向に長い矩形状であり、互いに車幅方向に並ぶ。第1光源14は、第2光源16よりも車幅方向内側に配置される。第3光源18は、車幅方向外側に向かうほど鉛直方向上方に位置するよう湾曲する。第4光源20は、車幅方向外側に向かうほど鉛直方向下方に位置するように湾曲する。第3光源18および第4光源20は鉛直方向に並び、且つ第2光源16よりも車幅方向外側に配置される。第3光源18は、第4光源20よりも上方に配置される。第1光源14~第4光源20は、互いに集合して90度回転したY字を形成している。
【0016】
第5光源22は、第1部分22aと、第2部分22bと、第3部分22cとを有する。第1部分22aは、車幅方向に延びる。第2部分22bは、第1部分22aの車幅方向外側の端部から上方に延びる。第3部分22cは、第1部分22aの車幅方向略中央から上方に延びる。第5光源22は、第1光源14および第2光源16の上方に配置される。
【0017】
ベース部材24は、透光カバー12に対し略平行に広がる扁平な部材である。ベース部材24は、第1光源14~第5光源22の灯具後方に配置され、灯具前方を向く面に第1光源14~第5光源22が搭載される。
【0018】
制御基板26は、第1光源14~第5光源22の点消灯を制御する。制御基板26は、コンピュータのCPUやメモリをはじめとする素子や回路といったハードウェア構成を有する。また、コンピュータプログラム等によって実現されるソフトウェア構成を有する。制御基板26は、ベース部材24の灯具後方に配置されて、ベース部材24に搭載される。
【0019】
インナーレンズ28は、透光性を有し、第1光源14~第5光源22の灯具前方に配置されて第1光源14~第5光源22を覆う。第1光源14~第5光源22から出射される光は、インナーレンズ28および透光カバー12を透過して灯具前方に照射される。
【0020】
光反射部材30は、線状部30aと、三角形状部30bとを有する。線状部30aは、車幅方向に延びる。三角形状部30bは、線状部30aの車幅方向外側の端部に頂点の1つが接続され、車幅方向外側に向かうにつれて上下に広がる。線状部30aは、灯具前方側から見て第1光源14および第2光源16を上下に二分するように配置される。三角形状部30bは、灯具前方側から見て第3光源18と第4光源20との間に配置される。
【0021】
線状部30aは、灯具前方を向く面の略全体に光反射面30a1を有する。三角形状部30bは、線状部30aの車幅方向外側の端部から斜め上に延びる縁部と、当該端部から斜め下に延びる縁部とに光反射面30b1を有する。光反射面30b1は、光反射面30a1の端部から連続している。したがって、光反射面30a1および光反射面30b1は、互いに集合して90度回転したY字状を形成している。例えば、線状部30aおよび三角形状部30bは樹脂製であり、光反射面30a1,30b1はアルミ蒸着等によって形成される。
【0022】
また、三角形状部30bは、灯具外部から進入する光を灯具外部に向けて反射するリフレックスリフレクタ30b2を有する。リフレックスリフレクタ30b2は、90度回転したV字状であり、V字の頂点が車幅方向内側を向く。三角形状部30bは、リフレックスリフレクタ30b2よりも車幅方向外側に、三角形状の開口部30b3を有する。開口部30b3には、三角形状のバックアップランプ31が嵌め込まれる。バックアップランプ31は、ベース部材24に搭載される。
【0023】
第2灯具ユニット8は、光源8aとインナーレンズ8bとが組み付けられた構造を有する。光源8aは、例えば配線基板に複数の発光素子が敷設された構造を有する。インナーレンズ8bは、透光性を有し、光源8aの灯具前方に配置されて光源8aを覆う。第2灯具ユニット8は、ベース部材24の灯具後方に配置されて、ベース部材24に組み付けられる。第2灯具ユニット8の一部は、第5光源22の第1部分22aより上方で且つ第3部分22cよりも車幅方向内側に配置されて、灯具前方側から視認される。また、第2灯具ユニット8の他の一部は、第5光源22の第2部分22bと第3部分22cとの間に配置されて、灯具前方側から視認される。また、第2灯具ユニット8のさらに他の一部は、第5光源22の第2部分22bと第3光源18との間に配置されて、灯具前方側から視認される。
【0024】
続いて、車両用灯具1が備える発光部の形状について説明する。
図2は、車両用灯具1の斜視図である。
図3は、車両用灯具1の正面図である。車両用灯具1は、第1発光部32、第2発光部34、第3発光部36および第4発光部38を備える。第1発光部32~第4発光部38は、ケース2に収容されて透光カバー12に向け光を照射する。したがって、各発光部から出射される光は、透光カバー12を透過して灯具前方に向けて照射される。
【0025】
第1発光部32は、第1長尺部32aと、第1突出部32bとを有する。第1長尺部32aは、車幅方向に直線状に延びる。第1突出部32bは、第1長尺部32aの車幅方向外側の端部から車幅方向と交わる方向に突出する。第1突出部32bの先端は、第1長尺部32aよりも鉛直方向の第1側に位置する。本実施の形態において第1側は上方であり、第1突出部32bは第1長尺部32aの端部から上方に突出している。また、本実施の形態の第1突出部32bは、先端に向かうほど車幅方向外側に位置するように斜めに延びている。
【0026】
また、第1突出部32bの幅W1bは、第1長尺部32aの幅W1aより太い。第1長尺部32aの幅W1aは、車幅方向と直交する方向の大きさの平均値または最大値である。第1突出部32bの幅W1bは、第1突出部32bの突出方向と直交する方向の大きさの平均値または最大値である。突出部の突出方向は、例えば突出部の基端側の辺S1(長尺部との境界線)の中心と、先端側の辺S2の中心とを結ぶ直線の延びる方向である。
【0027】
第1長尺部32aは主に、第1光源14の線状部30aより上方の部分から出射される光と、第2光源16の線状部30aより上方の部分から出射される光とを灯具前方に照射する。第1突出部32bは主に、第3光源18から出射される光を灯具前方に照射する。なお、第1発光部32は、おおよそ全体が同一平面上に位置して、平坦な発光面を構成している。
【0028】
第2発光部34は、第2長尺部34aと、第2突出部34bとを有する。第2長尺部34aは、車幅方向に直線状に延びる。第2突出部34bは、第2長尺部34aの車幅方向外側の端部から車幅方向と交わる方向に突出する。第2突出部34bの先端は、第2長尺部34aよりも鉛直方向の第1側つまり上方に位置する。したがって、第2突出部34bは、鉛直方向で第1突出部32bと同じ側に突出している。また、本実施の形態の第2突出部34bは、先端に向かうほど車幅方向外側に位置するように斜めに延びている。
【0029】
また、第2突出部34bの幅W2bは、第2長尺部34aの幅W2aより太い。第2長尺部34aの幅W2aは、車幅方向と直交する方向の大きさの平均値または最大値である。第2突出部34bの幅W2bは、第2突出部34bの突出方向と直交する方向の大きさの平均値または最大値である。
【0030】
第2発光部34は、第1長尺部32aよりも第1側つまり上方で且つ第1突出部32bよりも車幅方向内側に配置される。第2長尺部34aは、第1長尺部32aの上方で第1長尺部32aに対して平行に延びる。第2突出部34bは、第1突出部32bよりも車幅方向内側で第1突出部32bに対して略平行に延びる。また、本実施の形態の第1発光部32は、第2発光部34に対し透光カバー12に近づく方向にずれて配置される。また、第2長尺部34aは第1長尺部32aより短く、第2長尺部34aの車幅方向内側の端部は、第1長尺部32aの車幅方向内側の端部よりも車幅方向外側に位置する。
【0031】
第2長尺部34aは主に、第5光源22の第1部分22aから出射される光を灯具前方に照射する。第2突出部34bは主に、第5光源22の第2部分22bから出射される光を灯具前方に照射する。なお、第2発光部34は、おおよそ全体が同一平面上に位置して、平坦な発光面を構成している。
【0032】
第3発光部36は、第3長尺部36aと、第3突出部36bとを有する。第3長尺部36aは、車幅方向に直線状に延びる。第3突出部36bは、第3長尺部36aの車幅方向外側の端部から車幅方向と交わる方向に突出する。第3突出部36bの先端は、第3長尺部36aよりも第1側つまり上方に位置する。したがって、第3突出部36bは、鉛直方向で第1突出部32bおよび第2突出部34bと同じ側に突出している。また、本実施の形態の第3突出部36bは、先端に向かうほど車幅方向外側に位置するように斜めに延びている。
【0033】
また、第3突出部36bの幅W3bは、第3長尺部36aの幅W3aより太い。第3長尺部36aの幅W3aは、車幅方向と直交する方向の大きさの平均値または最大値である。第3突出部36bの幅W3bは、第3突出部36bの突出方向と直交する方向の大きさの平均値または最大値である。
【0034】
第3発光部36は、第2長尺部34aよりも第1側つまり上方で且つ第2突出部34bよりも車幅方向内側に配置される。第3長尺部36aは、第2長尺部34aの上方で第2長尺部34aに対して平行に延びる。第3突出部36bは、第2突出部34bよりも車幅方向内側で第2突出部34bに対して略平行に延びる。
【0035】
また、本実施の形態の第2発光部34は、第3発光部36に対し透光カバー12に近づく方向にずれて配置される。つまり、本実施の形態の車両用灯具1では、灯具の奥行き方向で第1発光部32が最も手前に位置し、第2発光部34が中間に位置し、第3発光部36が最も奥側に位置する。また、第3長尺部36aは、第2長尺部34aよりも短く、第3長尺部36aの車幅方向内側の端部は、第2長尺部34aの車幅方向内側の端部よりも車幅方向外側に位置する。
【0036】
第3長尺部36aは主に、第5光源22の第1部分22aから出射される光を灯具前方に照射する。第3突出部36bは主に、第5光源22の第3部分22cから出射される光を灯具前方に照射する。なお、第3発光部36は、おおよそ全体が同一平面上に位置して、平坦な発光面を構成している。
【0037】
第4発光部38は、第4長尺部38aと、第4突出部38bとを有する。第4長尺部38aは、第1長尺部32aよりも鉛直方向の第1側とは反対の第2側で第1長尺部32aに沿って延びる。本実施の形態において、第2側は下方である。第4突出部38bは、第4長尺部38aの車幅方向外側の端部から車幅方向と交わる方向に突出する。第4突出部38bの先端は、第4長尺部38aよりも第2側つまり下方に位置する。したがって、第4突出部38bは、鉛直方向で第1突出部32b、第2突出部34bおよび第3突出部36bとは逆側に突出している。また、本実施の形態の第4突出部38bは、先端に向かうほど車幅方向外側に位置するように延びている。
【0038】
また、第4突出部38bの幅W4bは、第4長尺部38aの幅W4aよりも太い。第4長尺部38aの幅W4aは、車幅方向と直交する方向の大きさの平均値または最大値である。第4突出部38bの幅W4bは、第4突出部38bの突出方向と直交する方向の大きさの平均値または最大値である。第1長尺部32aおよび第4長尺部38aは、ほぼ同じ長さであり、透光カバー12に対する距離もほぼ同じである。したがって、第1発光部32および第4発光部38は、互いに集合して90度回転したY字を形成している。
【0039】
第4長尺部38aは主に、第1光源14の線状部30aより下方の部分から出射される光と、第2光源16の線状部30aより下方の部分から出射される光とを灯具前方に照射する。第4突出部38bは主に、第4光源20から出射される光を灯具前方に照射する。なお、第4発光部38は、おおよそ全体が同一平面上に位置して、平坦な発光面を構成している。
【0040】
また、車両用灯具1は、第1長尺部32aと第4長尺部38aとの間で車幅方向に延びる非発光部40を有する。非発光部40は、線状部30aの光反射面30a1で構成される。なお、第1長尺部32aおよび第4長尺部38aは、非発光部40の車幅方向内側の端部よりも車幅方向内側まで延びて互いに接続されている。第1突出部32bおよび第4突出部38bの車幅方向外側には、三角形状部30bの光反射面30b1、リフレックスリフレクタ30b2およびバックアップランプ31がこの順に配置される。
【0041】
また、本実施の形態の第1突出部32bは、光拡散部42を有する。光拡散部42は、例えばインナーレンズ28に設けられるスリットや反射ステップ等の光学要素で構成される。また、本実施の形態では、第2突出部34bおよび第3突出部36bも光拡散部42を有する。各突出部から照射される光の一部は、光拡散部42によって進行方向が変えられる。なお、第4突出部38bにも光拡散部42が設けられてもよい。
【0042】
また、本実施の形態の車両用灯具1は、第5発光部44、第6発光部46および第7発光部48を有する。第5発光部44は、第3長尺部36aより上方で且つ第3突出部36bより車幅方向内側に配置される。第6発光部46は、第2突出部34bと第3突出部36bとの間に配置される。第7発光部48は、第1突出部32bと第2突出部34bとの間に配置される。第5発光部44、第6発光部46および第7発光部48は、第2灯具ユニット8の光源8aから出射される光を灯具前方に照射する。
【0043】
一例として、第1発光部32および第4発光部38は、テールランプ機能およびターンランプ機能を発揮する。また、第2発光部34および第3発光部36は、テールランプ機能およびストップランプ機能を発揮する。第5発光部44~第7発光部48は、ストップランプ機能を発揮する。
【0044】
以上説明したように、本実施の形態に係る車両用灯具1は、平面状の透光カバー12を有するケース2と、ケース2に収容され、透光カバー12に向け光を照射する第1発光部32および第2発光部34とを備える。第1発光部32は、車幅方向に延びる第1長尺部32aと、第1長尺部32aの車幅方向外側の端部から車幅方向と交わる方向に突出し、且つ第1長尺部32aの幅W1aより太い幅W1bを有する第1突出部32bとを有する。第2発光部34は、車幅方向に延びる第2長尺部34aと、第2長尺部34aの車幅方向外側の端部から車幅方向と交わる方向に突出し、且つ第2長尺部34aの幅W2aより太い幅W2bを有する第2突出部34bとを有する。第1突出部32bの先端は、第1長尺部32aよりも鉛直方向の第1側に位置し、第2突出部34bの先端は、第2長尺部34aよりも第1側に位置する。第2発光部34は、第1長尺部32aよりも第1側で且つ第1突出部32bよりも車幅方向内側に配置される。
【0045】
透光カバー12が平面状であると、車両用灯具1の真横から発光部を視認することが困難である。これに対し、第1発光部32は、車幅方向に延びる第1長尺部32aの幅W1aよりも、第1長尺部32aの車幅方向外側の端部から突出する第1突出部32bの幅W1bの方が太い。これにより、車両用灯具1における車幅方向外側の輝度を高めやすくすることができる。この結果、車両の側方に位置する他車両や歩行者に対して自車両の存在や状態を認識させやすくすることができる。よって、車両用灯具1の自車表示機能を高めることができる。
【0046】
また、車両用灯具1は、第1発光部32に加えて第2発光部34を備える。第2発光部34は、第1発光部32と同様に略L字状であり、第1長尺部32aより上方で且つ第1突出部32bよりも車幅方向内側に配置される。つまり、第1発光部32のL字の窪みに、第1発光部32と相似形状の第2発光部34が収まっている。これにより、車両用灯具1の誘目性を高めて、より自車表示機能を向上させることができる。また、第2発光部34を設けることで、車両用灯具1全体での発光面積を増やすことができる。これによっても、車両用灯具1の自車表示機能を高めることができる。さらに、第2発光部34を第1発光部32のL字の窪みに配置することで、車両用灯具1の大型化を抑制しながら発光面積を増やすことができる。
【0047】
また、本実施の形態の第1発光部32は、第2発光部34に対し透光カバー12に近づく方向にずれて配置される。これにより、車両用灯具1に奥行き感を持たせることができ、車両用灯具1の誘目性をより高めることができる。この結果、車両用灯具1の自車表示機能をより向上させることができる。
【0048】
また、本実施の形態の第1突出部32bは、光拡散部42を有する。これにより、車両の側方に位置する他車両や歩行者に対して第1突出部32bの発光を視認させやすくすることができる。よって、車両用灯具1の自車表示機能をより高めることができる。
【0049】
また、本実施の形態の車両用灯具1は、第3発光部36をさらに備える。第3発光部36は、車幅方向に延びる第3長尺部36aと、第3長尺部36aの車幅方向外側の端部から車幅方向と交わる方向に突出し、且つ第3長尺部36aの幅W3aより太い幅W3bを有する第3突出部36bとを有する。第3突出部36bの先端は、第3長尺部36aよりも第1側に位置する。第3発光部36は、第2長尺部34aよりも第1側で且つ第2突出部34bよりも車幅方向内側に配置される。
【0050】
第3発光部36は、第1発光部32および第2発光部34と同様に略L字状であり、第2長尺部34aより上方で且つ第2突出部34bよりも車幅方向内側に配置される。つまり、第2発光部34のL字の窪みに、第2発光部34と相似形状の第3発光部36が収まっている。これにより、車両用灯具1の誘目性をより高めて、より自車表示機能を向上させることができる。また、第3発光部36を設けることで、車両用灯具1全体での発光面積をより増やすことができる。これによっても、車両用灯具1の自車表示機能を高めることができる。さらに、第3発光部36を第2発光部34のL字の窪みに配置することで、車両用灯具1の大型化を抑制しながら発光面積を増やすことができる。
【0051】
また、本実施の形態の第2発光部34は、第3発光部36に対し透光カバー12に近づく方向にずれて配置される。これにより、車両用灯具1により奥行き感を持たせることができ、車両用灯具1の誘目性をより高めることができる。この結果、車両用灯具1の自車表示機能をより向上させることができる。
【0052】
また、本実施の形態の車両用灯具1は、第4発光部38を備える。第4発光部38は、第1長尺部32aよりも鉛直方向の第1側とは反対の第2側で第1長尺部32aに沿って延びる第4長尺部38aと、第4長尺部38aの車幅方向外側の端部から車幅方向と交わる方向に突出し、且つ第4長尺部38aの幅W4aより太い幅W4bを有する第4突出部38bとを有する。第4突出部38bの先端は、第4長尺部38aよりも第2側に位置する。これにより、車両用灯具1の誘目性をより高めて、より自車表示機能を向上させることができる。また、第4発光部38を設けることで、車両用灯具1全体での発光面積をより増やすことができる。これによっても、車両用灯具1の自車表示機能を高めることができる。
【0053】
また、本実施の形態の第1突出部32bは、先端に向かうほど車幅方向外側に位置するように延びる。第4突出部38bは、先端に向かうほど車幅方向外側に位置するように延びる。これにより、車両用灯具1の誘目性をより高めて、より自車表示機能を向上させることができる。
【0054】
また、本実施の形態の車両用灯具1は、第1長尺部32aと第4長尺部38aとの間で車幅方向に延びる非発光部40を有する。これにより、車両用灯具1の誘目性をより高めて、より自車表示機能を向上させることができる。
【0055】
なお、本実施の形態では、鉛直方向の第1側を上方、第2側を下方としているが、これに限らず第1側を下方、第2側を上方としてもよい。
【0056】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明した。前述した実施の形態は、本発明を実施するにあたっての具体例を示したものにすぎない。実施の形態の内容は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、請求の範囲に規定された発明の思想を逸脱しない範囲において、構成要素の変更、追加、削除等の多くの設計変更が可能である。設計変更が加えられた新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態および変形それぞれの効果をあわせもつ。前述の実施の形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「本実施の形態の」、「本実施の形態では」等の表記を付して強調しているが、そのような表記のない内容でも設計変更が許容される。以上の構成要素の任意の組み合わせも、本発明の態様として有効である。図面の断面に付したハッチングは、ハッチングを付した対象の材質を限定するものではない。
【符号の説明】
【0057】
1 車両用灯具、 2 ケース、 12 透光カバー、 32 第1発光部、 32a 第1長尺部、 32b 第1突出部、 34 第2発光部、 34a 第2長尺部、 34b 第2突出部、 36 第3発光部、 36a 第3長尺部、 36b 第3突出部、 38 第4発光部、 38a 第4長尺部、 38b 第4突出部、 40 非発光部、 42 光拡散部。