IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ディライトワークス株式会社の特許一覧 ▶ 株式会社セガの特許一覧

<>
  • 特開-プログラム及び情報処理装置 図1
  • 特開-プログラム及び情報処理装置 図2
  • 特開-プログラム及び情報処理装置 図3
  • 特開-プログラム及び情報処理装置 図4
  • 特開-プログラム及び情報処理装置 図5
  • 特開-プログラム及び情報処理装置 図6A
  • 特開-プログラム及び情報処理装置 図6B
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022084396
(43)【公開日】2022-06-07
(54)【発明の名称】プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/822 20140101AFI20220531BHJP
   A63F 13/52 20140101ALI20220531BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20220531BHJP
   A63F 13/55 20140101ALI20220531BHJP
【FI】
A63F13/822
A63F13/52
A63F13/53
A63F13/55
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020196249
(22)【出願日】2020-11-26
(71)【出願人】
【識別番号】518196767
【氏名又は名称】ディライトワークス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガ
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】池 大輔
(72)【発明者】
【氏名】早坂 貴志
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 浩史
(57)【要約】
【課題】戦略性の高い対戦ゲームを提供する。
【解決手段】複数のプレイヤキャラクタと敵キャラクタとがターン毎に行動して対戦する対戦ゲームを進行するプログラムが、プレイヤからの指示に応じて、プレイヤキャラクタの位置を一の対戦領域から他の対戦領域に移動させる行動制御手段54、プレイヤキャラクタの位置に基づいて、対戦ゲームを有利に進行させる効果を発生させる効果発生手段56、として機能させ、行動制御手段54は、複数のプレイヤキャラクタのうち一のプレイヤキャラクタを他のプレイヤキャラクタが位置している対戦領域への移動を許可し、敵キャラクタが位置している対戦領域への移動を制限する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプレイヤキャラクタと敵キャラクタとがターン毎に行動して対戦する対戦ゲームを進行するプログラムであって、
コンピュータを、
前記複数のプレイヤキャラクタを配置させた対戦領域と、前記敵キャラクタを配置させた対戦領域と、を含む三つ以上の対戦領域を表示制御する表示制御手段、
前記プレイヤキャラクタのターンにおけるプレイヤからの指示に応じて、当該プレイヤキャラクタの位置を前記三つ以上の対戦領域のうち一の対戦領域から他の対戦領域に移動させる行動制御手段、
前記プレイヤキャラクタの位置に基づいて、前記対戦ゲームを有利に進行させる効果を発生させる効果発生手段、
として機能させ、
前記行動制御手段は、前記複数のプレイヤキャラクタのうち一のプレイヤキャラクタを他のプレイヤキャラクタが位置している対戦領域への移動を許可し、前記敵キャラクタが位置している対戦領域への移動を制限する、
プログラム。
【請求項2】
前記効果発生手段は、前記一のプレイヤキャラクタと前記敵キャラクタとの位置関係に基づいて前記効果を発生させる、
請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
前記行動制御手段は、前記プレイヤキャラクタのターンにおける前記プレイヤからの指示に応じて、前記プレイヤキャラクタを前記敵キャラクタに攻撃させ、
前記表示制御手段は、前記攻撃によって前記敵キャラクタの死亡条件を満たした場合には、現在位置している前記対戦領域から当該敵キャラクタの表示を消去し、
前記行動制御手段は、前記攻撃によって移動条件を満たした場合には、現在位置している対戦領域から他の対戦領域に当該敵キャラクタを移動させる、
請求項1又は2記載のプログラム。
【請求項4】
前記効果発生手段は、前記プレイヤキャラクタが配置されている対戦領域の数が多いほど有利な効果を発生させる、
請求項1乃至3の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項5】
複数のプレイヤキャラクタと敵キャラクタとがターン毎に行動して対戦する対戦ゲームに係る情報処理装置であって、
前記複数のプレイヤキャラクタを配置させた対戦領域と、前記敵キャラクタを配置させた対戦領域と、を含む三つ以上の対戦領域を表示制御する表示制御手段と、
前記プレイヤキャラクタのターンにおけるプレイヤからの指示に応じて、当該プレイヤキャラクタの位置を前記三つ以上の対戦領域のうち一の対戦領域から他の対戦領域に移動させる行動制御手段と、
前記プレイヤキャラクタの位置に基づいて、前記対戦ゲームを有利に進行させる効果を発生させる効果発生手段と、
を備え、
前記行動制御手段は、前記複数のプレイヤキャラクタのうち一のプレイヤキャラクタを他のプレイヤキャラクタが位置している対戦領域への移動を許可し、前記敵キャラクタが位置している対戦領域への移動を制限する、
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム及び情報処理装置に関する。
【0002】
従来から、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとがターン毎に行動して対戦するターン制の対戦ゲームが知られていた。
【0003】
これに関し、特許文献1には、プレイヤキャラクタをフィールド内で移動させることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-056000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術では、例えば、プレイヤキャラクタが移動できる対戦領域を増やすというような戦略を立てることができず、対戦ゲームとして単調であった。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、戦略性の高い対戦ゲームを提供することができるプログラム及び情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第一態様に係るプログラムは、複数のプレイヤキャラクタと敵キャラクタとがターン毎に行動して対戦する対戦ゲームを進行するプログラムであって、コンピュータを、前記複数のプレイヤキャラクタを配置させた対戦領域と、前記敵キャラクタを配置させた対戦領域と、を含む三つ以上の対戦領域を表示制御する表示制御手段、前記プレイヤキャラクタのターンにおけるプレイヤからの指示に応じて、当該プレイヤキャラクタの位置を前記三つ以上の対戦領域のうち一の対戦領域から他の対戦領域に移動させる行動制御手段、前記プレイヤキャラクタの位置に基づいて、前記対戦ゲームを有利に進行させる効果を発生させる効果発生手段、として機能させ、前記行動制御手段は、前記複数のプレイヤキャラクタのうち一のプレイヤキャラクタを他のプレイヤキャラクタが位置している対戦領域への移動を許可し、前記敵キャラクタが位置している対戦領域への移動を制限する。
【0008】
また、本発明の第二態様に係るプログラムでは、前記効果発生手段は、前記一のプレイヤキャラクタと前記敵キャラクタとの位置関係に基づいて前記効果を発生させる。
【0009】
また、本発明の第三態様に係るプログラムでは、前記行動制御手段は、前記プレイヤキャラクタのターンにおける前記プレイヤからの指示に応じて、前記プレイヤキャラクタを前記敵キャラクタに攻撃させ、前記表示制御手段は、前記攻撃によって前記敵キャラクタの死亡条件を満たした場合には、現在位置している前記対戦領域から当該敵キャラクタの表示を消去し、前記行動制御手段は、前記攻撃によって移動条件を満たした場合には、現在位置している対戦領域から他の対戦領域に当該敵キャラクタを移動させる。
【0010】
また、本発明の第四態様に係るプログラムでは、前記効果発生手段は、前記プレイヤキャラクタが配置されている対戦領域の数が多いほど有利な効果を発生させる。
【0011】
また、本発明の第五態様に係る情報処理装置では、複数のプレイヤキャラクタと敵キャラクタとがターン毎に行動して対戦する対戦ゲームに係る情報処理装置であって、前記複数のプレイヤキャラクタを配置させた対戦領域と、前記敵キャラクタを配置させた対戦領域と、を含む三つ以上の対戦領域を表示制御する表示制御手段と、前記プレイヤキャラクタのターンにおけるプレイヤからの指示に応じて、当該プレイヤキャラクタの位置を前記三つ以上の対戦領域のうち一の対戦領域から他の対戦領域に移動させる行動制御手段と、前記プレイヤキャラクタの位置に基づいて、前記対戦ゲームを有利に進行させる効果を発生させる効果発生手段と、を備え、前記行動制御手段は、前記複数のプレイヤキャラクタのうち一のプレイヤキャラクタを他のプレイヤキャラクタが位置している対戦領域への移動を許可し、前記敵キャラクタが位置している対戦領域への移動を制限する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、戦略性の高い対戦ゲームを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態に係るゲームシステムの全体構成の一例を示すブロック図である。
図2】サーバ装置のハードウェア構成の一例を概略的に示すブロック図である。
図3】サーバ装置の機能的構成の一例を示す図である。
図4】効果テーブルの一例を示す図である。
図5】対戦ゲームの処理の流れの一例を示すフローチャートを示す図である。
図6A】端末装置に表示される対戦画面の一例を示す図である。
図6B図6Aから続く対戦画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態(以下、「本実施形態」という。)について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素及びステップに対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0015】
<全体構成>
図1は、本実施形態に係るゲームシステム1の全体構成の一例を示すブロック図である。
【0016】
図1に示すように、ゲームシステム1は、サーバ装置10と、一又は複数の端末装置12と、を備える。これらのサーバ装置10と端末装置12とは、イントラネットやインターネット、電話回線等の通信ネットワークNTを介して通信可能に接続されている。
【0017】
サーバ装置10は、ゲームプログラム14を実行して得られるゲームの実行結果、又はゲームプログラム14そのものを、通信ネットワークNTを介して各端末装置12のプレイヤに提供する情報処理装置である。本実施形態では、サーバ装置10は、ゲームプログラム14そのものを端末装置12のプレイヤに提供する。なお、本実施形態に係るゲームプログラム14は、複数のプレイヤキャラクタと敵キャラクタとがターン毎に行動して対戦する対戦ゲームを進行するものである。
【0018】
各端末装置12は、各プレイヤが所持する情報処理装置であって、サーバ装置10から受信したゲームプログラム14がインストールされた後、実行することで、各プレイヤにゲームを提供する情報処理装置である。これらの端末装置12としては、携帯電話やスマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ、ビデオゲーム機、アーケードゲーム機等の様々なものが挙げられる。
【0019】
<ハードウェア構成>
図2は、サーバ装置10のハードウェア構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【0020】
図2に示すように、サーバ装置10は、制御装置20と、通信装置26と、記憶装置28と、を備える。制御装置20は、CPU(Central Processing Unit)22及びメモリ24を主に備えて構成される。
【0021】
制御装置20では、CPU22がメモリ24或いは記憶装置28等に格納された所定のプログラムを実行することにより、各種の機能的構成として機能する。この機能的構成の詳細については後述する。
【0022】
通信装置26は、外部の装置と通信するための通信インターフェース等で構成される。通信装置26は、例えば、端末装置12との間で各種の情報を送受信する。
【0023】
記憶装置28は、ハードディスク等で構成される。この記憶装置28は、ゲームプログラム14を含む、制御装置20における処理の実行に必要な各種プログラムや各種の情報、及び処理結果の情報を記憶する。
【0024】
なお、サーバ装置10は、専用又は汎用のサーバ・コンピュータなどの情報処理装置を用いて実現することができる。また、サーバ装置10は、単一の情報処理装置より構成されるものであっても、通信ネットワークNT上に分散した複数の情報処理装置より構成されるものであってもよい。また、図2は、サーバ装置10が有する主要なハードウェア構成の一部を示しているに過ぎず、サーバ装置10は、サーバが一般的に備える他の構成を備えることができる。また、複数の端末装置12のハードウェア構成も、例えば操作手段や表示装置、音出力装置を備える他は、サーバ装置10と同様の構成を備えることができる。
【0025】
<機能的構成>
図3は、サーバ装置10の機能的構成の一例を示す図である。
【0026】
図3に示すように、サーバ装置10は、機能的構成として、記憶手段50と、表示制御手段52と、行動制御手段54と、効果発生手段56と、を備える。記憶手段50は、1又は複数の記憶装置28で実現される。記憶手段50以外の機能的構成は、記憶装置28等に格納されたゲームプログラム14を制御装置20が実行することにより実現される。
【0027】
記憶手段50は、例えば、プレイデータ50Aと、効果テーブル50Bと、を記憶する機能を有する。プレイデータ50Aは、プレイヤ毎に記憶されており、プレイヤのゲームの進行状況やプレイヤ情報を示すデータである。効果テーブル50Bには、プレイヤキャラクタ毎に、効果、例えば当該プレイヤキャラクタの位置等に基づいた、対戦ゲームに係る特殊効果が紐付けられて記述されている。なお、効果テーブル50Bは、発明を理解し易いように設けたものであって、実際、特殊効果は、キャラクタデータ又はプレイデータ50A等に記述されている。
【0028】
表示制御手段52は、複数のプレイヤキャラクタを配置させた対戦領域と、敵キャラクタを配置させた対戦領域と、を含む三つ以上の対戦領域を表示制御する機能を有する。対戦領域を三つ以上としたのは、複数のプレイヤキャラクタを配置させた対戦領域と、敵キャラクタを配置させた対戦領域だけでは、対戦領域間でプレイヤキャラクタが移動できないからである。本実施形態では、対戦領域は五つである場合を説明する。また、本実施形態では、対戦領域は、キャラクタを一体のみ配置可能なマスを複数含んだ行又は列(ライン)である場合を説明する。なお、各キャラクタには、ヒットポイントや攻撃力、防御力、年齢情報等のステータスが設定されている。
【0029】
行動制御手段54は、プレイヤキャラクタのターンにおけるプレイヤからの指示に応じて、プレイヤキャラクタの位置を複数の対戦領域のうち一の対戦領域から他の対戦領域(例えば、前後の対戦領域)に移動させる機能を有する。また、行動制御手段54は、複数のプレイヤキャラクタのうち一のプレイヤキャラクタを他のプレイヤキャラクタが位置している対戦領域、もしくはキャラクタが配置されていない対戦領域への移動を許可し、敵キャラクタが位置している対戦領域への移動を制限する。また、行動制御手段54は、敵キャラクタのターンにおいて、敵キャラクタの位置を複数の対戦領域のうち一の対戦領域から他の対戦領域(例えば、前後の対戦領域)に移動させる機能を有する。また、行動制御手段54は、複数の敵キャラクタのうち一の敵キャラクタを他の敵キャラクタが位置している対戦領域、もしくはキャラクタが配置されていない対戦領域への移動を許可し、プレイヤキャラクタが位置している対戦領域への移動を制限する。
また、行動制御手段54は、プレイヤキャラクタのターンにおけるプレイヤからの指示に応じて、プレイヤキャラクタを敵キャラクタに攻撃させる。そして、行動制御手段54は、攻撃によって移動条件を満たした場合には、敵キャラクタが現在位置している対戦領域から他の対戦領域に当該敵キャラクタを移動させる(例えば、スキル10やスキル17が該当する)。また、表示制御手段52は、攻撃によって敵キャラクタの死亡条件を満たした場合には、当該敵キャラクタが現在位置している対戦領域から当該敵キャラクタの表示を消去する。なお、移動条件としては、例えば、クリティカルな攻撃が敵キャラクタに当たった、弱点を突かれた、移動に係る特殊効果が発生した等の条件が挙げられる。また、死亡条件としては、敵キャラクタのヒットポイントがゼロになった、敵キャラクタのうちボスキャラクタのヒットポイントがゼロになった等の条件が挙げられる。
【0030】
効果発生手段56は、プレイヤキャラクタの位置に基づいて、対戦ゲームを有利に進行させる特殊効果を発生させる機能を有する。特殊効果については、以下の図4を用いて説明する。
【0031】
図4は、効果テーブル50Bの一例を示す図である。
【0032】
図4に示すように、効果テーブル50Bには、プレイヤキャラクタ毎に、少なくとも潜在能力、技、必殺技、個性のうち何れか1つ以上が紐付けられて記述されている。また、潜在能力、技、必殺技、個性毎に、特殊効果が紐付けられて記述されている。
特殊効果としては、プレイヤキャラクタの位置に基づいたものや、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとの位置関係に基づいたもの、プレイヤキャラクタが配置されている対戦領域の数に基づいたものが挙げられる。また、特殊効果としては、移動後のプレイヤキャラクタと他のプレイヤキャラクタとの位置関係に基づいたもの、プレイヤキャラクタと他のプレイヤキャラクタとの年齢関係に基づいたもの、移動後のプレイヤキャラクタと複数の他のプレイヤキャラクタとの配置形状に基づいたものが挙げられる。言い換えれば、効果発生手段56は、プレイヤキャラクタの位置、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとの位置関係、プレイヤキャラクタが配置されている対戦領域の数、移動後のプレイヤキャラクタと他のプレイヤキャラクタとの位置関係、プレイヤキャラクタの年齢と他のプレイヤキャラクタとの年齢関係に基づいたもの、移動後のプレイヤキャラクタと複数の他のプレイヤキャラクタとの配置形状に基づいて特殊効果を発生させる。
【0033】
プレイヤキャラクタの位置に基づいた特殊効果としては、図4に示すように、キャラ名Cに紐付けられている「自分が最終ラインにいる時に自分の攻撃力30%アップ」や、キャラ名Dに紐付けられている「自ターン終了時に自分が一番前のラインにいる時に自分の防御力を20%アップ(1ターン)」、キャラ名Nに紐付けられている「自分が最終ラインにいる時に自分の攻撃力を10%アップ」等が挙げられる。
また、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとの位置関係に基づいた特殊効果としては、図4に示すように、キャラ名Hに紐付けられている「敵との距離が遠いほど自分の必殺攻撃の威力を10%アップ」等が挙げられる。他にも、敵キャラクタと味方キャラクタが斜めの位置関係にある場合に、味方キャラクタのステータスを向上する特殊効果があってもよい。
また、プレイヤキャラクタが配置されている対戦領域の数に基づいた特殊効果としては、キャラ名Kの「味方が自分と同じラインにいない時に自分の攻撃力を20%アップ」等が挙げられる。なお、味方が自分と同じライン(対戦領域)にいないということは、味方が他のラインにいるということで、プレイヤキャラクタが配置されている対戦領域の数が多いということになる。他にも、プレイヤキャラクタが配置されている対戦領域の数が1つのときは自分の攻撃力を1%アップ、プレイヤキャラクタが配置されている対戦領域の数が2つのときは自分の攻撃力を5%アップ、プレイヤキャラクタが配置されている対戦領域の数が3つのときは自分の攻撃力を10%アップするという特殊効果があってもよい。他にも、プレイヤキャラクタが配置されている対戦領域の数が1つのときは、味方の防御力を1%アップ、プレイヤキャラクタが配置されている対戦領域の数が2つのときは、味方の防御力を5%アップ、プレイヤキャラクタが配置されている対戦領域の数が3つのときは、味方の防御力を10%アップするという特殊効果があってもよい。すなわち、効果発生手段56は、プレイヤキャラクタが配置されている対戦領域の数が多いほど有利な特殊効果を発生させてもよい。
また、移動後のプレイヤキャラクタと他のプレイヤキャラクタとの位置関係に基づいた特殊効果としては、図4に示すように、キャラ名Aに紐付けられている「自分と同じラインの味方全体の攻撃力を15%アップ(3ターン)」や、キャラ名Bに紐付けられている「自分より後ろのラインにいる味方の攻撃力を20%アップ」、キャラ名Bに紐付けられている「自分より後ろのラインに味方がいる時に自分の攻撃力を20%アップ」等が挙げられる。
また、プレイヤキャラクタと他のプレイヤキャラクタとの年齢関係に基づいた特殊効果としては、それらの位置関係をも考慮したものが考えられ、図4に示すように、キャラ名Iに紐付けられている「自分より後ろのラインに年下がいる時に自分のクリティカル率を15%アップ」等が挙げられる。図4には示されていないものの、他にも、プレイヤキャラクタと他のプレイヤキャラクタとの年齢関係が所定歳以上離れている場合に、若い方のプレイヤキャラクタのステータスを向上させる効果や、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとの年齢関係が所定歳以上離れている場合に、若い方のキャラクタのステータスを向上させる効果等も挙げられる。
また、移動後のプレイヤキャラクタと複数の他のプレイヤキャラクタとの配置形状に基づいた特殊効果としては、図4には示されていないものの、プレイヤキャラクタと複数の他のプレイヤキャラクタが、現在プレイしている対戦ゲームに対応する配置形状である場合に味方全体のステータスを向上するという効果や、プレイヤキャラクタと複数の他のプレイヤキャラクタが、敵キャラクタのうちボスキャラクタに対応する配置形状である場合に敵キャラクタ、特にボスキャラクタのステータスを低減するという効果等が挙げられる。配置形状とは例えば、三体のプレイヤキャラクタが正三角形や二等辺三角形等の所定の三角形形状、逆三角形形状に配置される場合や、4体のプレイヤキャラクタを用いる対戦ゲームでは正方形、台形、平行四辺形等の所定の四角形形状に配置される場合や、所定の複数のプレイヤキャラクタを用いる対戦ゲームでは各プレイヤキャラクタが均等に配置される場合等が挙げられる。
【0034】
<対戦ゲームの処理の流れ>
図5は、対戦ゲームの処理の流れの一例を示すフローチャートを示す図である。なお、以下の処理の順番及び内容は適宜変更することができる。また、この対戦ゲーム処理は、例えば、不図示のメニュー画面に表示されている何れか一つのクエストが選択されると開始される。
【0035】
(ステップSP10)
表示制御手段52は、端末装置12の表示装置に対戦画面が表示されるように表示制御する。具体的には、表示制御手段52は、端末装置12に対戦画面データを送信することで、対戦画面を表示させる。そして、処理は、ステップSP12の処理に移行する。
【0036】
(ステップSP12)
表示制御手段52は、対戦画面にキャラクタを表示制御する。言い換えれば、表示制御手段52は、対戦画面にキャラクタを配置する。
【0037】
図6Aは、端末装置12に表示される対戦画面100の一例を示す図である。
【0038】
図6Aに示すように、対戦画面100には、5つの縦に長いライン状の対戦領域102A~102E(102)が設定されている。各対戦領域102には、3つのマス104が設定されている。各マス104には、プレイヤキャラクタ106及び敵キャラクタ108を含むキャラクタが1体のみ配置可能となっている。また、図6A紙面右から2番目の対戦領域102Dの3つのマス104にはそれぞれプレイヤキャラクタ106が配置されている。一方で、図6A紙面右から4番目の対戦領域102Bの3つのマス104にはそれぞれ敵キャラクタ108が配置されている。なお、プレイヤキャラクタ106及び敵キャラクタ108を含むキャラクタの種類としては、目の前の対戦領域102のキャラクタだけを攻撃するもの(近距離タイプ)や、目の前の対戦領域102のキャラクタだけでなく二つ先の対戦領域102のキャラクタまで攻撃するものの相手キャラクタに近寄ると不利になるもの(防御力が非常に弱くなる長距離タイプ)、目の前の対戦領域102のキャラクタだけでなく二つ先の対戦領域102のキャラクタまで攻撃するものの目の前の対戦領域102のキャラクタへの攻撃は弱くなるもの(攻撃力が非常に弱くなる遠距離タイプ)等が挙げられる。具体的には、図4におけるキャラクタEが長距離タイプであり、図4におけるキャラクタC、キャラクタF、キャラクタJ、キャラクタK、キャラクタOが遠距離タイプであり、その他のキャラクタが近距離タイプである。すなわち、キャラクタの種類として、自分の位置と相手との位置とに応じて攻撃できるもの、できないもの、ステータスが変わるもの等が存在する。
【0039】
図5に戻って、処理は、ステップSP14の処理に移行する。
【0040】
(ステップSP14)
行動制御手段54は、ターンを示す変数iをインクリメントしながら、変数iがm(整数)になるまで、ステップSP14からステップSP36までの間の処理を繰り返す。なお、変数iがmを超えると、図5に示す一連の処理が終了する。
【0041】
(ステップSP16)
効果発生手段56は、記憶手段50の効果テーブル50Bを参照し、対戦画面100に配置されているプレイヤキャラクタ106に紐付いている特殊効果の中で、そのプレイヤキャラクタ106の位置等に基づいて特殊効果の発生可能なものが有るか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP18の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP20の処理に移行する。なお、本ステップSP16では、対戦画面100に配置されている敵キャラクタ108に紐付いている特殊効果の中で、その敵キャラクタ108の位置等に基づいて特殊効果の発生可能なものが有るか否かも判定してよい。
【0042】
(ステップSP18)
効果発生手段56は、ステップSP16にて肯定判定したものに係る特殊効果を発生させる。そして、処理は、ステップSP20の処理に移行する。
【0043】
(ステップSP20)
行動制御手段54は、ターンにおけるキャラクタの行動順を示す変数jをインクリメントしながら、変数jがn(整数)になるまで、ステップSP20からステップSP34までの間の処理を繰り返す。なお、変数jがnを超えると、処理は、ステップSP36の処理に移行する。また、nは、対戦画面100に配置されているキャラクタの数である。また、キャラクタの行動順は、例えば、キャラクタの初期配置により予め設定されている。なお、キャラクタの初期配置は、プレイヤの指示によって決定してもよいし、各キャラクタの速力に基づいて決定してもよい。
【0044】
(ステップSP22)
行動制御手段54は、変数j番目に対応するキャラクタが敵キャラクタ108である場合は、敵キャラクタ108を自動的に行動させる。また、行動制御手段54は、変数j番目に対応するキャラクタがプレイヤキャラクタ106である場合は、プレイヤからの指示に応じて、プレイヤキャラクタ106の位置を複数の対戦領域のうち現在の対戦領域102から他の対戦領域102に移動させたり、その場で敵キャラクタ108に対して攻撃させたりしてもよい。また、行動制御手段54は、プレイヤからの指示に応じて、現在の対戦領域102から一つ前の対戦領域102にプレイヤキャラクタ106を移動させて敵キャラクタ108を攻撃させてもよいし、プレイヤからの指示に応じて、現在の対戦領域102から一つ後ろの対戦領域102にプレイヤキャラクタ106を移動させて敵キャラクタ108を攻撃させてもよい。なお、キャラクタを移動させる場合において、行動制御手段54は、複数のプレイヤキャラクタ106のうち一のプレイヤキャラクタを他のプレイヤキャラクタが位置している対戦領域102への移動を許可し、敵キャラクタ108が位置している対戦領域102への移動を制限する。同様に、行動制御手段54は、複数の敵キャラクタ108のうち一の敵キャラクタを他の敵キャラクタが位置している対戦領域102への移動を許可し、プレイヤキャラクタ106が位置している対戦領域102への移動を制限する。また、行動制御手段54は、プレイヤキャラクタ106の攻撃によって移動条件を満たした場合には、現在位置している対戦領域102から他の対戦領域102に敵キャラクタ108を移動させる。
【0045】
図6Bは、図6Aから続く対戦画面100の一例を示す図である。
【0046】
図6Bに示すように、各キャラクタが移動して各キャラクタの位置が図6Aに示す位置と異なっている。具体的には、対戦領域102Aには敵キャラクタ108が二体位置している。対戦領域102Bには敵キャラクタ108が一体位置している。対戦領域102Cにはプレイヤキャラクタ106が一体位置している。対戦領域102Dにはプレイヤキャラクタ106が二体位置している。ここで、例えば、対戦領域102Dに位置するプレイヤキャラクタ106が、他のプレイヤキャラクタ106が位置している対戦領域102Cへ移動することは許可される。一方で、対戦領域102Cに位置するプレイヤキャラクタ106が、敵キャラクタ108が位置している対戦領域102A、102Bへ移動することは制限される。
同様に、対戦領域102Aに位置する敵キャラクタ108が、他の敵キャラクタ108が位置している対戦領域102Bへ移動することは許可される。一方で、対戦領域102Bに位置する敵キャラクタ108が、プレイヤキャラクタ106が位置している対戦領域102C、102Dへ移動することは制限される。
【0047】
図5に戻って、処理は、ステップSP24の処理に移行する。
【0048】
(ステップSP24)
効果発生手段56は、記憶手段50の効果テーブル50Bを参照し、対戦画面100に配置されているプレイヤキャラクタ106に紐付いている特殊効果の中で、そのプレイヤキャラクタ106の位置等に基づいて特殊効果の発生可能なものが有るか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP26の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP28の処理に移行する。なお、本ステップSP24では、対戦画面100に配置されている敵キャラクタ108に紐付いている特殊効果の中で、その敵キャラクタ108の位置等に基づいて特殊効果の発生可能なものが有るか否かも判定してよい。
【0049】
(ステップSP26)
効果発生手段56は、ステップSP24にて肯定判定したものに係る特殊効果を発生させる。そして、処理は、ステップSP28の処理に移行する。
【0050】
(ステップSP28)
行動制御手段54は、死亡条件を満たしたか否か、具体的には、キャラクタの中でヒットポイント(体力)がゼロになったものがいるか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP30の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP32の処理に移行する。
【0051】
(ステップSP30)
表示制御手段52は、ヒットポイントがゼロと判定されたキャラクタを対戦画面100から消去する。そして、処理は、ステップSP32の処理に移行する。
【0052】
(ステップSP32)
行動制御手段54は、プレイヤキャラクタ106又は敵キャラクタ108がすべて消去(死亡)したことによって、対戦ゲームが終了したか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には、図5に示す一連の処理が終了され、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP34の処理に移行する。
【0053】
(ステップSP34)
変数jがnである場合には、処理は、繰り返しの処理を抜けてステップSP36の処理に移行し、変数jがn未満である場合には、処理は、ステップSP20の処理に戻る。
【0054】
(ステップSP36)
変数iがmである場合には、繰り返しの処理を抜けて一連の処理が終了し、変数iがm未満である場合には、処理は、ステップSP14の処理に戻る。
【0055】
<効果>
以上、本実施形態では、複数のプレイヤキャラクタ106と敵キャラクタ108とがターン毎に行動して対戦する対戦ゲームを進行するゲームプログラム14であって、コンピュータ(サーバ装置10)を、複数のプレイヤキャラクタ106を配置させた対戦領域102と、敵キャラクタ108を配置させた対戦領域102と、を含む三つ以上の対戦領域102を表示制御する表示制御手段52、プレイヤキャラクタ106のターンにおけるプレイヤからの指示に応じて、プレイヤキャラクタ106の位置を複数の対戦領域102のうち一の対戦領域から他の対戦領域に移動させる行動制御手段54、プレイヤキャラクタ106の位置に基づいて、対戦ゲームを有利に進行させる効果を発生させる効果発生手段56、として機能させ、行動制御手段54は、複数のプレイヤキャラクタ106のうち一のプレイヤキャラクタを他のプレイヤキャラクタが位置している対戦領域102への移動を許可し、敵キャラクタ108が位置している対戦領域102への移動を制限する。
この構成によれば、プレイヤキャラクタ106の位置に基づく効果を発生させるため、プレイヤは、敵キャラクタ108と対戦領域102を取り合うことになり、戦略性の高い対戦ゲームを提供することができる。
【0056】
また、本実施形態では、効果発生手段56は、一のプレイヤキャラクタ106と敵キャラクタ108との位置関係に基づいて効果を発生させる。
この構成によれば、効果の発生について、敵キャラクタ108の位置も考慮されるので、より戦略性の高い対戦ゲームを提供することができる。
【0057】
また、本実施形態では、行動制御手段54は、プレイヤキャラクタ106のターンにおけるプレイヤからの指示に応じて、プレイヤキャラクタ106を敵キャラクタ108に攻撃させ、表示制御手段52は、攻撃によって敵キャラクタ108の死亡条件を満たした場合には、現在位置している対戦領域102から当該敵キャラクタ108の表示を消去し、行動制御手段は、攻撃によって移動条件を満たした場合には、現在位置している対戦領域102から他の対戦領域102に当該敵キャラクタ108を移動させる。
この構成によれば、効果の発生について、敵キャラクタ108の位置も考慮されるので、より戦略性の高い対戦ゲームを提供することができる。
【0058】
また、本実施形態では、効果発生手段56は、プレイヤキャラクタ106が配置されている対戦領域102の数が多いほど有利な効果を発生させる。
この構成によれば、敵キャラクタ108と対戦領域102を取り合うことの戦略性を一層高めることができる。
【0059】
<変形例>
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。すなわち、上記実施形態に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、上記実施形態及び後述する変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0060】
例えば、上記実施形態では、対戦画面100に、プレイヤキャラクタ106と敵キャラクタ108が複数配置される場合を説明したが、それぞれ1体のみ配置されてもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、対戦領域102が縦に長いライン状である場合を説明したが、横に長いライン状であってもよい。
【符号の説明】
【0062】
10:サーバ装置(コンピュータ、情報処理装置)、14:ゲームプログラム、52:表示制御手段、54:行動制御手段、56:効果発生手段

図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B