(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022084416
(43)【公開日】2022-06-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06N 5/02 20060101AFI20220531BHJP
G06N 20/00 20190101ALI20220531BHJP
G06Q 10/06 20120101ALI20220531BHJP
【FI】
G06N5/02 120
G06N20/00
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020196286
(22)【出願日】2020-11-26
(71)【出願人】
【識別番号】521532400
【氏名又は名称】jinjer株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】天野 禎章
(72)【発明者】
【氏名】赤池 嵩文
(72)【発明者】
【氏名】松村 優哉
(72)【発明者】
【氏名】綿引 友哉
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
(57)【要約】
【課題】新たな価値を有する加工データを提供することができる。
【解決手段】情報処理装置30は、受付部311と、生成部313と、を備える。受付部311は、少なくとも2種以上の各入力データを受け付ける。生成部313は、各入力データを加工して、各入力データの価値とは異なる価値の加工データを生成する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2種以上の各入力データを受け付ける受付部と、
前記各入力データを加工して、前記各入力データの価値とは異なる価値の加工データを生成する生成部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記生成部は、前記各入力データの乖離に基づいて、前記異なる価値の加工データを生成することを特徴とする
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の情報処理装置であって、
前記各入力データは、人属性情報、企業属性情報、および、外部環境情報を少なくとも含む
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項1から3のうち何れかに記載の情報処理装置であって、
前記加工データを含むデータを出力する出力部を更に備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項1から4のうち何れかに記載の情報処理装置であって、
前記生成部は、前記各入力データを加工して付加データを生成するとともに、前記各入力データとは異なる属性の前記加工データを生成する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項1から5のうち何れかに記載の情報処理装置であって、
第1教師データに基づき、機械学習アルゴリズムの挙動を設定するパラメータを機械学習により設定し、前記第1教師データにより設定された前記パラメータを第2教師データに基づき、機械学習により再度設定する学習部を更に備え、
前記生成部は、
前記学習部により設定された前記パラメータに基づき、前記各入力データを加工して、前記各入力データの価値とは異なる価値の加工データを生成する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
請求項1から6のうち何れかに記載の情報処理装置であって、
前記生成部は、
前記学習部により設定された前記パラメータに基づいて、前記各入力データのうち、第1入力データに基づき前記第1入力データの価値とは異なる第1加工データを生成し、第2入力データに基づき前記第2入力データの価値とは異なる第2加工データを生成する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
請求項1から7のうち何れかに記載の情報処理装置であって、
前記生成した前記加工データの確度に応じて、前記パラメータを再設定する再設定部を更に備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
少なくとも2種以上の各入力データを受け付ける受付部と、
前記各入力データを加工して、前記各入力データの価値とは異なる価値の加工データを生成する生成部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項10】
加工データを生成する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
少なくとも2種以上の各入力データを受け付ける処理と、
前記各入力データを加工して、前記各入力データの価値とは異なる価値の加工データを生成する処理と、を
実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ビッグデータを活用するために、複数のデータベースから得られる異なるデータに基づいてデータ処理が行われている。例えば、異なるデータソースから得られるデータを組み合わせて、データソースから得られるデータに対する種々の演算を行う技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、異なる種類の入力データに基づいて作成されるデータは、入力データと関連しているデータと強く関連するデータである。このため、得られた入力データの価値とは異なる新たな価値の加工データの創出が求められていた。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑み、新たな価値を有する加工データを提供することができる情報処理装置、情報処理システムおよびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる情報処理装置は、少なくとも2種以上の各入力データを受け付ける受付部と、前記各入力データを加工して、前記各入力データの価値とは異なる価値の加工データを生成する生成部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、新たな価値を有する加工データを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態の情報処理装置を含む情報処理システムの一例を示す図である。
【
図2】情報処理装置を含む情報処理システムの機能ブロック図である。
【
図3】生成部により生成された、加工データの一例を示す図である。
【
図4】一実施形態に係る情報処理装置による加工データ生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図5】一実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態の情報処理装置を含む情報処理システムの一例を示す図である。
【0010】
図1に示すように、情報処理システム1は、企業装置10と、外部情報装置20と、情報処理装置30と、サービス装置40とを備える。企業装置10、外部情報装置20、情報処理装置30、およびサービス装置40は、それぞれネットワークNWを介して接続されている。企業装置10、外部情報装置20、情報処理装置30、およびサービス装置40は、インターネットを介して接続されてもよいし、イントラネットを介して接続されてもよい。情報処理装置30は、例えば、人材サービス業の建屋に設置される。情報処理システム1は、
図1に示す構成装置以外の装置を含んで構成されてもよい。例えば、情報処理システム1は、情報処理装置30にデータを入力する外部情報装置20や、情報処理装置30からデータを入力するサービス装置40とは異なる装置であって、情報処理装置30からデータを入力する装置(第2外部情報装置)を含んでいてもよい。
【0011】
図2を参照して、情報処理装置30を含む情報処理システム1の詳細について説明する。
図2は、情報処理装置30を含む情報処理システム1の機能ブロック図である。
【0012】
企業装置10は、企業で取り扱っているデータ(以下、「自社業務データ」と呼ぶ)や、予め設定した参照となる企業(以下、「参照企業」と呼ぶ)で取り扱っているデータ(以下、「参照業務データ」と呼ぶ)を扱う。このように、企業装置10は、自社業務データ110と、参照業務データ120とを含むデータを有する。
【0013】
自社業務データ110には、企業に勤務する社員(以下、「自社員」と呼ぶ)の人属性情報、企業属性情報、および、外部環境情報を含む情報が記憶される。自社業務データ110には、自社員の人属性情報、企業属性情報、および、外部環境情報として、自社員の社員番号の情報、自社員の入社年月の情報、自社員の役職の情報を含む情報が、自社員ごとに記憶されている。
【0014】
また、自社業務データ110には、自社員行動データと、自社員勤怠データという自社の業務内における行動情報が含まれている。
【0015】
自社員行動データには、自社員の実績データ、自社員の採用データを含む情報が、自社員ごとに記憶されている。自社員勤怠データには、自社員の勤怠に関するデータを含む情報が、自社員ごとに記憶されている。自社業務データ110には、自社員データ、自社員の行動データ、自社員の勤怠データ以外のデータを含んでいてもよい。例えば、自社員の業務外における行動情報が含まれてもよい。なお、自社員の業務外における行動情報に関して、自社員が自発的に記憶することが望まれる。
【0016】
参照業務データ120には、自社業務データの参照として、参照となる社員(以下、「参照社員」と呼ぶ)の人属性情報、企業属性情報、および、外部環境情報を含む情報が記憶される。参照業務データ120には、参照社員の人属性情報、企業属性情報、および、外部環境情報として、自社員の社員番号の情報、参照社員の入社年月の情報、参照社員の役職の情報を含む情報が、参照社員ごとに記憶されている。参照行動データには、参照社員の実績データ、参照社員の採用データを含む情報が、参照社員ごとに記憶されている。参照勤怠データは、参照社員の勤怠に関するデータを含む情報が、参照社員ごとに記憶されている。参照業務データ120は、教師データとして受け付けられる。
【0017】
参照業務データ120には、参照社員データ、参照社員の行動データ、参照社員の勤怠データ以外のデータを含んでいてもよい。例えば、参照業務データ120は、参照業務データに関連するプロダクトサービスのプロダクトデータを含んでいてもよい。
【0018】
外部情報装置20は、インターネットウェブ上で取り扱われているウェブデータが記憶される。外部情報装置20は、ウェブデータとしてオープンデータ210と、クローズドデータ220とを含むデータを記憶する。
【0019】
オープンデータ210は、インターネットウェブ上に広く公開されているデータであり、インターネットなどを通じて、有償または無償により誰でも自由に入手し、利用・再配布できる情報が記憶される。クローズドデータ220は、インターネットウェブ上で公開先が限定されているデータであり、利用・再配布が限定される情報が記憶される。または、クローズドデータ200は、外部情報装置が入手した、インターネットウェブ上で公開されていない未公開データであってもよい。
【0020】
情報処理装置30は、制御部310と、記憶部320と、を備える。制御部310は、受付部311と、学習部312と、生成部313と、出力部314と、再設定部315と、を備える。
【0021】
受付部311は、少なくとも2種以上の各入力データを受け付ける。受付部311が受け付ける各入力データは、人属性情報、企業属性情報、および、外部環境情報を少なくとも含む情報である。
【0022】
受付部311は、例えば、企業装置10の自社業務データ110に記憶されている自社員の人属性情報、企業属性情報、および、外部環境情報のうち2種以上の情報を入力データとして受け付ける。また、受付部311は、例えば、企業装置10の参照業務データ120に記憶されている参照社員の人属性情報、企業属性情報、および、外部環境情報のうち2種以上の情報を入力データとして受け付けてもよい。なお、参照業務データ120は、教師データとして利用され、受付部311は、教師データも入力データとして受け付ける。
【0023】
学習部312は、第1教師データに基づき、機械学習アルゴリズムの挙動を設定するパラメータを設定する。機械学習アルゴリズムの挙動を設定するパラメータは、例えば、3種類以上が設定される。例えば、パラメータとして、α、β、γが設定される。
【0024】
学習部312は、例えば、参照業務データ120を参照して、ある参照社員(例えば、社員A~社員E)の人属性情報、企業属性情報、および、外部環境情報における退職予測の情報を第1教師データとしてそれぞれ機械学習を行う。これにより、学習部312は、機械学習アルゴリズムの挙動を設定するパラメータα、β、γを設定する。
【0025】
また、学習部312は、第1教師データにより設定されたパラメータを第2教師データに基づき再度設定する。学習部312は、例えば、参照業務データ120を参照して、ある参照社員(例えば、社員A~社員E)の人属性情報、企業属性情報、および、外部環境情報におけるハイパフォーマンス判断を第2教師データとしてそれぞれ機械学習を行う。ハイパフォーマンス判断とは、社員の勤務能力に関する情報である。
【0026】
本実施形態においては、ハイパフォーマンス判断として、ハイパフォーマー(以下、「H」とも呼ぶ)、ローパフォーマー(以下、「L」とも呼ぶ)が設定される。ハイパフォーマーとは、社員の属性において、仕事上のスキルに長け、高い業績を残すことできる優れた人材や、給与に対して効率の高い成果を出す人材をいう。ローパフォーマーとは、ハイパフォーマー以外の人材をいう。例えば、ローパフォーマーとは、社員の属性において、仕事上のスキルに欠け、低い業績を出す人材や、給与に対して効率の低い成果を出す人物をいう。これにより、学習部312は、機械学習アルゴリズムの挙動を設定するパラメータα、β、γを再度設定する。
【0027】
生成部313は、受付部311が受け付けた各入力データを加工して、各入力データの価値とは異なる価値の加工データを生成する。異なる価値とは、例えば、異なる属性、特性、利点、値打などを意味する。したがって、生成部313は、入力データとは異なる属性の少なくとも2種以上の入力データに基づいて加工データを生成する。
【0028】
生成部313は、受付部311が受け付けた各入力データの乖離に基づいて、異なる価値の加工データを生成する。例えば、生成部313は、企業装置10の自社業務データ110に記憶されている自社員の人属性情報、企業属性情報、および、外部環境情報のうち2種以上の情報を入力データの乖離に基づいて、異なる価値の加工データを生成する。
【0029】
生成部313は、受付部311が受け付けた各入力データを加工して付加データを生成するとともに、各入力データとは異なる属性の加工データを生成する。生成部313は、学習部312により設定されたパラメータに基づき、各入力データを加工して、各入力データの価値とは異なる価値の加工データを生成する。本実施形態でいう入力データとは異なる属性の加工データとは、入力データの属性情報の影響が少なく、属性情報のみに依存しない別の属性情報が含まれたデータ等のことをいう。
【0030】
生成部313は、学習部312により設定されたパラメータに基づいて、各入力データのうち、第1入力データに基づき第1入力データの価値とは異なる第1加工データを生成する。
【0031】
例えば、生成部313は、企業装置10の自社業務データ110に記憶されている自社員の人属性情報、企業属性情報、および、外部環境情報のうち2種以上の情報を入力データとして受け付けて、学習部312により設定されたパラメータ(α、β、γ)の値を用いてトレーニングされた機械学習アルゴリズムに従って、入力された自社員のハイパフォーマンス判断を推定する。
【0032】
ハイパフォーマンス判断は、例えば、ハイパフォーマーかローパフォーマーか推定される。所定の閾値よりも大きい場合には、ハイパフォーマーとして推定され、所定の閾値未満である場合には、ローパフォーマーとして推定してもよい。
【0033】
さらに、生成部313は、企業装置10の自社業務データ110に記憶されている自社員の人属性情報、企業属性情報、および、外部環境情報のうち2種以上の情報を入力データとして受け付けて、学習部312により設定されたパラメータ(α、β、γ)の値を用いてトレーニングされた機械学習アルゴリズムに従って、入力された自社員の退職予測を推定する。退職予測の情報は、例えば、割合で推定される。
【0034】
再設定部315は、生成部313が生成した加工データの確度に応じて、機械学習アルゴリズムの挙動を設定するパラメータを再設定する。例えば、生成部313が推定した自社員のハイパフォーマンス判断の確度または、退職予測の確度が妥当ではないと判断した場合には、機械学習アルゴリズムの挙動を設定するパラメータを再設定する。具体的には、社員Fの入力データを受け付けた場合、退職予測として90%が妥当であるところ、70%と推定された場合には、機械学習アルゴリズムの挙動を設定するパラメータを退職予測が90%に近づくよう再設定する。
【0035】
記憶部320は、自社業務データ321と、参照業務データ322と、加工データ323とを備える。記憶部320は、自社業務データ321、参照業務データ322、加工データ323以外のデータを記憶してもよい。
【0036】
受付部311は、入力を受け付けた入力データを自社業務データ321に記憶する。例えば、受付部311は、企業装置10の自社業務データ110から受け付けた情報を自社業務データ321に記憶する。また、受付部311は、企業装置10の参照業務データ120から受け付けた情報を参照業務データ322に記憶する。生成部313は、入力データを加工した加工データを参照業務データ322に記憶する。
【0037】
出力部314は、加工データを含むデータをサービス装置40へ出力する。出力部314は、サービス装置40の要求に応じて、参照業務データ322に記憶した加工データをサービス装置40へ出力する。出力部314は、サービス装置40の要求に応じて、自社業務データ321に記憶した入力データを加工データとともにサービス装置40へ出力してもよい。
【0038】
図3は、生成部313により生成された、加工データの一例を示す図である。生成部313は、生成した加工データ323を記憶部320に記憶する。加工データ320は、加工データによる判断内容(分析内容)の情報と、大分類の情報と、大分類の情報の詳細(項目)の情報と、備考欄の情報と、を含んで構成される。判断内容(分析内容)は、ハイパフォーマンス判断の情報と、退職予測の情報と、が含まれる。
【0039】
ハイパフォーマンス判断の情報には、大分類の情報として、架電、飛込の情報が含まれる。架電の情報は、電話やメールによりアポイントを取得した情報が含まれる。架電の情報は、例えば、項目として、架電数、架電_担当者接触数、架電_アポイントメント獲得数の情報が含まれる。飛込の情報は、先方のアポイントを取らずに法人や個人宅に訪問した情報が含まれる。飛込の情報は、例えば、項目として、飛込数の情報が含まれる。ハイパフォーマンス判断の情報には、その他、項目として稼働日数の情報が含まれる。
【0040】
退職予測の情報には、大分類として、属性の情報が含まれる。属性の情報は、社員の個人情報が含まれる。個人情報は、例えば、項目として、社員の性別、年齢の情報が含まれる。
【0041】
退職予測の情報には、例えば、その他、ハイパフォーマンス判断の結果の情報、社員の勤続年数、異動回数、前回異動からの経過日数、経験職種、昇進・昇格のベース、適性診断によるグルーピング、同僚や上司との相性、出身校偏差値、部署、職種、同年代における給与の偏差値(社内)、休職回数、休職日数、業務実績と勤怠日数の登録日数の乖離、平均実残業時間、深夜残業時間数、家族構成、実家所在地(都道府県)、子供人数、子供年齢、配偶者が専業主婦、主夫フラグ、子供誕生フラグ、子供進学フラグ、住宅購入フラグ、同じ部署の周囲のチーム退職予測、同期の退職予測、周囲の残業時間と自分の残業時間の差、スキルと年収のギャップ、職種・年齢別_年収、企業文化・風土とのマッチング度合の情報などが含まれる。ハイパフォーマンス判断の結果、平均実残業時間、深夜残業時間数などは時間単位、日単位、月単位で加工してもよい。
【0042】
サービス装置40は、制御部411、記憶部412、表示部413を備える。制御部411は、情報処理装置30に対し、加工データの要求を行う。サービス装置40から加工データの要求を受け付けた情報処理装置30は加工データをサービス装置40へ提供する。加工データの提供を受け付けた制御部411は、記憶部412へ加工データを記憶する。
【0043】
サービス装置40は、例えば、社員Fのパフォーマンス情報を情報処理装置30へ要求する。情報処理装置30は社員Fに対応するハイパフォーマンス判断の情報や、退職予測の情報を加工データとしてサービス装置40へ供給する。制御部411は、提供を受け付けた加工データを表示部413のUIへ表示する。これにより、入力された入力データに新たな価値を付した加工データを提供することができる。
【0044】
(フローチャート)
図4は、一実施形態に係る情報処理装置30による加工データ生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0045】
情報処理装置30は、企業装置10の自社業務データ110に記憶されている自社員の人属性情報、企業属性情報、および、外部環境情報のうち2種以上の情報を入力データとして受け付けて、参照業務データ120に基づき学習部312により設定されたパラメータ(α、β、γ)の値を用いてトレーニングされた機械学習アルゴリズムに従って、データの加工生成を行う(ステップS101:第1加工データ生成処理)。ステップS101において加工生成された加工データ(第1加工データともいう)に基づいて、入力された自社員のハイパフォーマンス判断を推定する(ステップS102:第1判断)。
【0046】
情報処理装置30は、企業装置10の自社業務データ110に記憶されている自社員の人属性情報、企業属性情報、および、外部環境情報のうち2種以上の情報を入力データとして受け付けて、参照業務データ120に基づき学習部312により設定されたパラメータ(α、β、γ)の値を用いてトレーニングされた機械学習アルゴリズムに従って、データの加工生成を行う(ステップS103:第2加工データ生成処理)。ステップS103において加工生成された加工データ(第2加工データともいう)に基づいて、入力された自社員の退職予測の情報を推定する(ステップS104:第2判断)。
【0047】
情報処理装置30は、ステップS102で行ったハイパフォーマンス判断(第1判断)の確度は妥当であるか否かを判定する(ステップS105)。ハイパフォーマンス判断の確度が妥当ではない場合と判定された場合(ステップS105:NO)には、情報処理装置30は、ステップS101で判断したハイパフォーマンス判断の確度に応じて、機械学習アルゴリズムの挙動を設定するパラメータを再設定する(ステップS106)。
【0048】
情報処理装置30は、ステップS106で行ったパラメータの再設定に基づき、第1加工データ生成を行うか、第2加工データ生成を行うかの判別を行う(ステップS107)。
【0049】
情報処理装置30は、ステップS107において第1加工データ生成を行うと判別した場合、ステップS101の第1加工データ生成処理を行う。一方、情報処理装置30は、ステップS107において第2加工データ生成を行うと判別した場合、ステップS103の第2加工データ生成処理を行う。
【0050】
ステップS105において、ハイパフォーマンス判断の確度は妥当であると判定された場合(ステップS105:YES)には、情報処理装置30は、生成した加工データを記憶部320へ記憶する(ステップS108)。この処理が終了すると加工データ生成処理は終了となる。
【0051】
(機器の構成)
図5は、一実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示す図である。本例に示すように、情報処理装置30は、制御部310と、記憶部320と、通信部330と、入力部340と、表示部350と、を有する。なお、本例では、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、情報処理装置30は、他の処理に必要な他の機能ブロックも有してもよい。また、一部の機能ブロックを含まない構成としてもよい。
【0052】
制御部310は、情報処理装置30の制御を実施する。制御部310は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置により構成することができる。
【0053】
記憶部320は、情報処理装置30において利用する情報を記憶(保持)する。記憶部320は、例えば、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるメモリ、ストレージ、記憶装置などにより構成することができる。
【0054】
通信部330は、ネットワークを介した他の通信デバイス(機器、サーバなど)との通信を行う。通信部330は、受信した種々の情報を制御部310に出力してもよい。
【0055】
通信部330は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置により構成することができる。なお、通信部330は、送信部及び通信部から構成されてもよい。
【0056】
入力部340は、ユーザからの操作により入力を受け付ける。また、入力部340は、所定の機器、記憶媒体などと接続され、データの入力を受け付けてもよい。入力部340は、入力結果を例えば制御部310に出力してもよい。
【0057】
入力部340は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるキーボード、マウス、ボタンなどの入力装置、入出力端子、入出力回路などにより構成することができる。また、入力部340は、表示部と一体となった構成(例えば、タッチパネル)としてもよい。
【0058】
表示部350は、ユーザに対して知覚できる形式でデータ、コンテンツなどの出力を行う。例えば、表示部350は、画像を表示する表示部、音声を出力する音声出力部などを含んで構成されてもよい。表示部350は、例えば、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるディスプレイ、モニタなどの表示装置により構成することができる。
【0059】
表示部350は、例えば、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される演算器、演算回路、演算装置、プレイヤー、画像/映像/音声処理回路、画像/映像/音声処理装置、アンプなどを含んで構成することができる。
【0060】
なお、通信部330、入力部340及び制御部310のいずれか又はこれらの組み合わせは、受付部と呼ばれてもよい。受付部311は、少なくとも2種以上の各入力データを受け付けてもよい。
【0061】
なお、上述の実施形態では、入力データとして自社の業務内における行動情報が含まれ、加工データとしてハイパフォーマンス判断の情報と退職予測の情報とが含まれているが、これに限定されるものではなく、入力データとして顕在的情報を入力し、加工データとして潜在的情報を出力するものであればよい。
【0062】
具体的に、上述の実施形態では、入力データとして自社の業務内における行動情報が含まれ、加工データとしてハイパフォーマンス判断の情報と退職予測の情報とが含まれているが、これに限定されるものではなく、他の人事に関連する情報であってもよい。
【0063】
例えば、入力データとして、他の社員とのコミュニケーション回数に関する情報やコミュニケーションの会話内容に関する情報等を入手するためのコミュニケーションログ(自社にとっての顕在的情報)や、通勤時間や時価情報等を算出する目的としての位置情報(自社にとっての顕在的情報)、他社の求人に関する情報(自社にとっての顕在的情報)等が含まれ、加工データとして離職率等の離職に関する情報(自社にとっての潜在的情報)が含まれてもよい。また、別の例として、入力データとして、応募者の過去の実績や経歴などに関する履歴に関する情報(自社にとっての顕在的情報)や、通勤時間や時価情報等を算出する目的としての位置情報(自社にとっての顕在的情報)が含まれ、加工データとして入社率等の入社に関する情報(自社にとっての潜在的情報)が含まれてもよい。
【0064】
また、上述の実施形態では、入力データ及び加工データとして、人事に関連する情報を適用しているが、これに限定されるものではなく、他の属性の情報であってもよい。
【0065】
例えば、入力データ及び加工データとして、金融に関連する情報であってもよい。この場合、入力データとしてSNSにおける友達等の申請するものに関わるユーザの数に関する情報(申請するものの顕在的情報)や、申請するものがハブやインフルエンサであるか否かなどの著名度に関する情報(申請するものの顕在的情報)が含まれ、加工データとして投資や融資の対象の有無等を目的とする申請するものの信用度(申請するものの潜在的情報)に関する情報が含まれてもよい。
【0066】
または、入力データ及び加工データとして、知的財産に関連する情報であってもよい。この場合、入力データとして知的財産の権利に関する情報(自社内における顕在的情報)が含まれ、加工データとして外部環境における影響度や価値に関する情報(自社内における潜在的情報)が含まれてもよい。
【0067】
また、本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階でのその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上述の実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素を適宜組み合わせても良い。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能である。
【符号の説明】
【0068】
10 企業装置
110 自社業務データ
120 参照業務データ
20 外部情報装置
210 オープンデータ
220 クローズドデータ
30 情報処理装置
310 制御部
311 受付部
312 学習部
313 生成部
314 出力部
315 再設定部
320 記憶部
321 自社業務データ
322 参照業務データ
323 加工データ
40 サービス装置
411 制御部
412 記憶部
413 表示部