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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022084490
(43)【公開日】2022-06-07
(54)【発明の名称】遠隔押印システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20220531BHJP
   B41K 3/00 20060101ALI20220531BHJP
【FI】
H04N1/00 127B
B41K3/00 Z
H04N1/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020196426
(22)【出願日】2020-11-26
(71)【出願人】
【識別番号】520466272
【氏名又は名称】合同会社エリサ
(74)【代理人】
【識別番号】110002826
【氏名又は名称】弁理士法人雄渾
(72)【発明者】
【氏名】石川 世位也
(72)【発明者】
【氏名】ターリク ファタヤーニ
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA06
5C062AB08
5C062AB17
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB42
5C062AB49
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC38
5C062AC66
5C062AD01
5C062AE16
5C062AF12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】遠隔の地にいる者であっても、書面に承認した証を残すことができるシステムを提供する。
【解決手段】遠隔押印システムは、第一の情報通信端末から書面電子情報を外部サーバーに送信する書面電子情報送信ステップ、書面電子情報が印刷された印刷書類が、押印装置の撮像部で撮影されるように配置されかつ判子の印影が記録されるべき箇所に位置するように配置される印刷書類設置ステップ、第二の情報通信端末に画像を送信し、押印装置の前記打印機の動作を許可するか否かの打印要求を行う印刷書類確認要求ステップ、第二の情報通信端末から外部サーバーに送信され、打印機の電力供給部に押印指示指令を送信する押印指令通知ステップ及び打印機の電力供給部が押印指示指令を受信し、打印機の判子が直線運動を行い、判子による印影が印刷書類に記録される押印実行ステップ、を含む。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の情報通信端末から書面電子情報を外部サーバーに送信する書面電子情報送信ステップと、
前記外部サーバーの自然言語処理部が、承認者特定情報を作成する承認者特定情報作成ステップと、
前記承認者特定情報が、依頼者の求める承認者の氏名であることを前記依頼者によって承認される承認者特定情報承認ステップと、
前記承認者特定情報承認ステップの後に前記外部サーバーが、前記承認者特定情報を確定させる承認者特定情報確定ステップと、
押印装置の撮像部で撮影された画像が前記外部サーバーに送信される画像送信開始ステップと、
書面電子情報が印刷された印刷書類が、前記撮像部に撮影されるように配置されかつ印影が記録されるべき箇所に位置するように打印機に設置された判子の位置に合わせて配置される印刷書類設置ステップと、
前記外部サーバーの押印装置通信部が、第二の情報通信端末に前記画像を送信し、前記外部サーバーの押印指示部が、前記第二の情報通信端末に対し、前記押印装置の前記打印機の動作を許可するか否かの打印要求を行う印刷書類確認要求ステップと、
前記打印機の動作を許可する押印許可信号が前記承認者の操作する前記第二の情報通信端末から前記外部サーバーに送信される押印許可ステップと、
前記押印許可信号を受信した前記外部サーバーが、前記打印機の電力供給部に押印指示指令を送信する押印指令通知ステップと、
前記打印機の前記電力供給部が前記押印指示指令を受信し、前記打印機の動作部に取り付けられた前記判子が直線運動を行い、前記判子による印影が前記印刷書類に記録される押印実行ステップと、
を含むことを特徴とする遠隔押印システム。
【請求項2】
第一の情報通信端末から書面電子情報を外部サーバーに送信する書面電子情報送信ステップと、
前記外部サーバーの自然言語処理部が、承認者特定情報を作成する承認者特定情報作成ステップと、
前記承認者特定情報が、依頼者の求める承認者の氏名であることを前記依頼者によって承認される承認者特定情報承認ステップと、
前記承認者特定情報承認ステップの後に前記外部サーバーが、前記承認者特定情報を確定させる承認者特定情報確定ステップと、
前記外部サーバーの書面電子情報送信部の処理により、前記承認者の送信先に対し、前記書面電子情報を送信する書面電子情報送信ステップと、
押印装置に押印指示指令を送信することを許可するか否かを確認する要求を行う押印許可要求ステップと、
前記承認者により、第二の情報通信端末が操作され、前記外部サーバーに前記押印装置に前記押印指示指令を送信することを許可する旨の押印許可許諾信号が送信される押印許可確認ステップと、
前記押印装置の撮像部で撮影された画像が前記外部サーバーに送信される画像送信開始ステップと、
前記押印装置から受信した前記画像を用いて、印刷書類画像解析部による画像解析処理を行う押印箇所判断ステップと、
前記外部サーバーの打印命令送信部により、打印機の電力供給部に前記押印指示指令が送信される押印指示指令送信ステップと、
前記打印機の前記電力供給部が前記押印指示指令を受信し、前記打印機の動作部に取り付けられた判子が直線運動を行い、前記判子による印影が印刷書類に記録される押印実行ステップと、
を含むことを特徴とする遠隔押印システム。
【請求項3】
前記押印装置の撮像部から外部サーバーに送信されている印影が記録された前記印刷書類の前記画像から静止画を作成する押印静止画作成ステップと、
前記静止画と電子認証情報とが関連付けられて押印電子情報を作成し、押印書類管理部が前記押印電子情報を書類保存部に保存する押印電子情報作成ステップと、
を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の遠隔押印システム。
【請求項4】
前記外部サーバーが、前記第二の情報通信端末に証明書画像要求を送信する証明書要求ステップと、
前記承認者によって操作される前記第二の情報通信端末の撮像装置で撮像した証明書画像が前記外部サーバーに送信される証明書送信ステップと、
前記証明書画像を受信した前記外部サーバーの証明書画像処理部が、前記証明書画像に対して自然言語処理を行い、前記証明書画像に含まれる前記承認者の氏名を特定し、証明書氏名特定情報とする証明書承認者特定ステップと、
前記証明書氏名特定情報と、前記承認者特定情報確定ステップで確定した前記承認者特定情報とが一致する場合は、前記証明書画像が、電子認証情報及び前記書面電子情報と関連づけされて前記外部サーバーの書類保存部に保存される証明書確定ステップと、
を含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の遠隔押印システム。
【請求項5】
前記外部サーバーが、前記第二の情報通信端末に肖像画像要求を送信する肖像画像要求ステップと、
前記第二の情報通信端末の撮像装置で撮像した自己の肖像画像を前記外部サーバーに送信する肖像画像送信ステップと、
前記肖像画像に対して画像認識処理を行い、前記肖像画像が人の顔であるか否かを判断する肖像画像認定ステップと、
前記肖像画像が、電子認証情報及び前記書面電子情報と関連づけされて前記外部サーバーに保存される肖像画像保存ステップと、
を有することを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の遠隔押印システム。
【請求項6】
外部サーバーに送信された書面電子情報が印刷され、印刷された印刷書類を撮像し、前記外部サーバーに送信する通信部を備えた撮像部と、
前記外部サーバーから送信された押印指示指令を受信して動作する通信部を備えた電力供給部と、
前記電力供給部の電力の供給により、承認者の判子が直線的に動かされる動作部を備えたことを特徴とする押印装置。
【請求項7】
前記撮像部と前記電力供給部とは、制御部と前記通信部とをそれぞれに有していることを特徴とする請求項6に記載の押印装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔押印システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、決裁書類のような書類の場合、書類の内容を責任者が確認したうえで承認した証を書類に残すことが行われている。承認した証としては、判子による印影を残したり、サインを行ったりすることが行われている。しかしながら、責任者が遠隔の地にいるような場合、書類に承認した証を残すことができない。特許文献1には、証を残す者が遠隔の地にいる場合に、通信回線を経由して、承認した証としてサインを行う遠隔操作システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5-30508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の機器支持装置は、サインを行う者が、文字入力装置にサイン(文字入力)を行い、その入力した座標を、通信回線を通じて遠隔の地にある印字装置に送信し、その座標に基づいて書類にサインが行われる。しかしながら、印字装置の書類にサインを行うには、紙面に対し左右上下の動きが必要となり、また、サインの動きの情報を通信する必要があり、印字装置が複雑になる問題点がある。
【0005】
そこで、本発明の課題は、遠隔の地にいる者であっても、書面に承認した証を残すことができるシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、書面に承認した証として判子を用いることにより、書面に対し遠隔操作で判子を直線運動で動かして書面に判子の印影を残す遠隔押印システムを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
上記課題を解決するための本発明の遠隔押印システムは、
第一の情報通信端末から書面電子情報を外部サーバーに送信する書面電子情報送信ステップと、
外部サーバーの自然言語処理部が、承認者特定情報を作成する承認者特定情報作成ステップと、
承認者特定情報が、依頼者の求める承認者の氏名であることを依頼者によって承認される承認者特定情報承認ステップと、
承認者特定情報承認ステップの後に外部サーバーが、承認者特定情報を確定させる承認者特定情報確定ステップと、
押印装置の撮像部で撮影された画像が外部サーバーに送信される画像送信開始ステップと、
書面電子情報が印刷された印刷書類が、撮像部に撮影されるように配置されかつ印影が記録されるべき箇所に位置するように打印機に設置された判子の位置に合わせて配置される印刷書類設置ステップと、
外部サーバーの押印装置通信部が、第二の情報通信端末に画像を送信し、外部サーバーの押印指示部が、第二の情報通信端末に対し、押印装置の打印機の動作を許可するか否かの打印要求を行う印刷書類確認要求ステップと、
打印機の動作を許可する押印許可信号が承認者の操作する第二の情報通信端末から外部サーバーに送信される押印許可ステップと、
押印許可信号を受信した外部サーバーが、打印機の電力供給部に押印指示指令を送信する押印指令通知ステップと、
打印機の電力供給部が押印指示指令を受信し、打印機の動作部に取り付けられた判子が直線運動を行い、判子による印影が印刷書類に記録される押印実行ステップと、
を含むことを特徴とする。
【0008】
本発明の遠隔押印システムによれば、これらのステップを有することにより、遠隔の地にいる承認者が第二の情報通信端末を操作し、押印装置の打印機の動作部に取り付けられた判子を直線運動させることにより、印刷書類に判子の印影を残すことができ、押印装置の構造が容易な押印システムとすることができる効果がある。
また、自然言語処理により、書面電子情報に含まれる承認者の氏名を作成することで、依頼者が承認者の氏名を入力する必要がなくなる効果もある。
さらに、承認者は、印刷書類が押印装置に設置されたことを確認しながら押印許可信号を外部サーバーに送信できる効果がある。
【0009】
上記課題を解決するための本発明の遠隔押印システムは、
第一の情報通信端末から書面電子情報を外部サーバーに送信する書面電子情報送信ステップと、
外部サーバーの自然言語処理部が、承認者特定情報を作成する承認者特定情報作成ステップと、
承認者特定情報が、依頼者の求める承認者の氏名であることを依頼者によって承認される承認者特定情報承認ステップと、
承認者特定情報承認ステップの後に外部サーバーが、承認者特定情報を確定させる承認者特定情報確定ステップと、
外部サーバーの書面電子情報送信部の処理により、承認者の送信先に対し、書面電子情報を送信する書面電子情報送信ステップと、
押印装置に押印指示指令を送信することを許可するか否かを確認する要求を行う押印許可要求ステップと、
承認者により、第二の情報通信端末が操作され、外部サーバーに押印装置に押印指示指令を送信することを許可する旨の押印許可許諾信号が送信される押印許可確認ステップと、
押印装置の撮像部で撮影された画像が外部サーバーに送信される画像送信開始ステップと、
押印装置から受信した画像を用いて、印刷書類画像解析部による画像解析処理を行う押印箇所判断ステップと、
外部サーバーの打印命令送信部により、打印機の電力供給部に押印指示指令が送信される押印指示指令送信ステップと、
打印機の電力供給部が押印指示指令を受信し、打印機の動作部に取り付けられた判子が直線運動を行い、判子による印影が印刷書類に記録される押印実行ステップと、
を含むことを特徴とする。
【0010】
本発明の遠隔押印システムによれば、これらのステップを有することにより、遠隔の地にいる承認者が第二の情報通信端末を操作し、押印装置の打印機の動作部に取り付けられた判子を直線運動させることにより、印刷書類に判子の印影を残すことができ、押印装置の構造が容易な押印システムとすることができる効果がある。
また、自然言語処理により、書面電子情報に含まれる承認者の氏名を作成することで、依頼者が承認者の氏名を入力する必要がなくなる効果もある。
さらに、承認者が、あらかじめ押印許可許諾信号を外部サーバーに送信した状態であることから、承認者は押印装置に印刷書類が設置されたことを確認する必要がない効果がある。
【0011】
さらに、本発明の遠隔押印システムの一実施態様としては、
押印装置の撮像部から外部サーバーに送信されている印影が記録された印刷書類の画像から静止画を作成する押印静止画作成ステップと、
静止画と電子認証情報とが関連付けられて押印電子情報を作成し、押印書類管理部が押印電子情報を書類保存部に保存する押印電子情報作成ステップと、
を含むことを特徴とする。
この遠隔押印システムによれば、印影が記録された印刷書類が改ざんされていないことを証明する証拠とすることができる。
【0012】
さらに、本発明の遠隔押印システムの一実施態様としては、
外部サーバーが、第二の情報通信端末に証明書画像要求を送信する証明書要求ステップと、
承認者によって操作される第二の情報通信端末の撮像装置で撮像した証明書画像が外部サーバーに送信される証明書送信ステップと、
証明書画像を受信した外部サーバーの証明書画像処理部が、証明書画像に対して自然言語処理を行い、証明書画像に含まれる承認者の氏名を特定し、証明書氏名特定情報とする証明書承認者特定ステップと、
証明書氏名特定情報と、承認者特定情報確定ステップで確定した承認者特定情報とが一致する場合は、前記証明書画像が、電子認証情報及び前記書面電子情報と関連づけされて前記外部サーバーの書類保存部に保存される証明書確定ステップと、
を含むことを特徴とする。
【0013】
この遠隔押印システムによれば、承認者が印刷書類に判子による印影を残す意思があったことを示す記録を画像で証明できる効果がある。
【0014】
さらに、本発明の遠隔押印システムの一実施態様としては、
外部サーバーが、第二の情報通信端末に肖像画像要求を送信する肖像画像要求ステップと、
第二の情報通信端末の撮像装置で撮像した自己の肖像画像を外部サーバーに送信する肖像画像送信ステップと、
肖像画像に対して画像認識処理を行い、肖像画像が人の顔であるか否かを判断する肖像画像認定ステップと、
肖像画像が電子認証情報及び書面電子情報と関連づけされて外部サーバーに保存される肖像画像保存ステップと、
を有することを特徴とする。
【0015】
この遠隔押印システムによれば、承認者が印刷書類に判子による印影を残す意思があったことを示す記録を画像で証明できる効果がある。
【0016】
さらに、本発明の押印装置は、
外部サーバーに送信された書面電子情報が印刷され、印刷された印刷書類を撮像し、外部サーバーに送信する通信部を備えた撮像部と、
外部サーバーから送信された押印指示指令を受信して動作する電力供給部と、
電力供給部の電力の供給により、承認者の判子が直線的に動かされる動作部を備えたことを特徴とする。
この押印装置によれば、判子が直線的に動かされて印刷書類に判子の印影を記録することができ、簡易な構造の押印装置とすることができる。
【0017】
本発明の押印装置の一実施態様としては、撮像部と電力供給部とは、制御部と通信部とをそれぞれに有していることを特徴とする。
この押印装置によれば、別々の制御部と通信部であることから、どちらか一方の故障の際にも、交換が容易になる効果がある。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、遠隔の地にいる承認者であっても、書面に承認した証を残すことができるシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1の実施態様の遠隔押印システムを表す概略図。
図2】本発明の第1の実施態様における遠隔押印システムの動作を表す図。
図3】本発明の第1の実施態様における遠隔押印システムの動作を表す図。
図4】本発明の第1の実施態様における遠隔押印システムの動作を表す図。
図5】本発明の第1の実施態様における遠隔押印システムの動作を表す図。
図6】本発明の第2の実施態様の遠隔押印システムを表す概略図。
図7】本発明の第2の実施態様における遠隔押印システムの動作を表す図。
図8】本発明の第2の実施態様における遠隔押印システムの動作を表す図。
図9】本発明の第3の実施態様の遠隔押印システムを表す概略図。
図10】本発明の第3の実施態様における遠隔押印システムの動作を表す図。
図11】本発明の第3の実施態様における遠隔押印システムの動作を表す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図1を参照しつつ、本発明に係る遠隔押印システムの実施態様を詳細に説明する。なお、実施態様に記載する遠隔押印システムについては、本発明に係る遠隔押印システムを説明するために例示したに過ぎず、これに限定されるものではない。
【0021】
[第1の実施態様]
図1は、本発明の第1の実施態様における遠隔押印システム10を示す概略図である。
【0022】
<遠隔押印システム>
本実施態様の遠隔押印システム10は、第一の情報通信端末11と第二の情報通信端末12と押印装置13と外部サーバー14とを備える。第一の情報通信端末11と第二の情報通信端末12と押印装置13と外部サーバー14とは、個別に設けられる。以下、各構成について説明する。
【0023】
(第一の情報通信端末)
第一の情報通信端末11は、書面に承認を求める依頼者15が管理所有する情報通信端末であって、承認を求める書面の電子情報である書面電子情報16を作成や保存したり、外部サーバー14と送受信したりする装置である。
【0024】
第一の情報通信端末11は、CPU、ROM,RAM、ハードディスクのような記憶装置、表示装置、入力装置、カメラのような撮像装置、他の情報通信端末と通信するための通信手段等からなるコンピューターである。第一の情報通信端末11は、CPU、ROM、RAMを中心とした制御部で制御され、入力装置で入力された情報を処理する。
第一の情報通信端末11は、書面に承認を求める者によって入力装置を用いて操作され、入力された指令を実行する。
【0025】
第一の情報通信端末11としては、ノートパソコン、タブレット端末、スマートフォン、デスクトップパソコン等の情報処理端末が該当する。
第一の情報通信端末11は、ハードディスクのような記憶装置に記憶された情報を外部サーバー14に送信するほか、外部サーバー14からの情報を受信する。
【0026】
(第二の情報通信端末)
第二の情報通信端末12は、書面に承認を求められる承認者17が管理所有する情報通信端末であって、承認を求める書面の電子情報である書面電子情報16を作成や保存したり、外部サーバー14と情報を送受信したりする装置である。
【0027】
第二の情報通信端末12は、CPU、ROM,RAM、ハードディスクのような記憶装置、表示装置、入力装置、カメラのような撮像装置、他の情報通信端末と通信するための通信手段等からなるコンピューターである。第二の情報通信端末12は、CPU、ROM、RAMを中心とした制御部で制御され、入力装置で入力された情報を処理する。
第二の情報通信端末12は、書面に承認を求められる承認者17によって入力装置を用いて操作され、入力された指令を実行する。
【0028】
第二の情報通信端末12としては、ノートパソコン、タブレット端末、スマートフォン、デスクトップパソコン等の情報処理端末が該当する。
第二の情報通信端末12は、ハードディスクのような記憶装置に記憶された情報を外部サーバー14に送信するほか、外部サーバー14からの情報を受信する。
【0029】
(押印装置13)
押印装置13は、プリンター21と映写部22と撮像部23と打印機24とを備える。
【0030】
{プリンター}
プリンター21は、外部サーバー14とインターネット回線を経由して通信可能な通信部を有し、プリンター21は、独立して制御部を有する。外部サーバー14から送信された書面電子情報16受信し、紙媒体に印刷して出力する。紙媒体に印刷された書類は、印刷書類25とする。
【0031】
{映写部}
映写部22は、プロジェクターのような映写装置であって、打印機24が動作した際に印刷書類25に印影が設けられる印影箇所26を印刷書類上に表示する。映写部22は、印刷書類25の印影箇所26に光を照射する。
【0032】
なお、映写部22は、レーザーポインターで照射したりしてもよい。映写部22は、通信部を有していてもよく、外部サーバー14から送付された後述する承認者特定情報46の文字列を照射したり、実際に押印される判子30の印影を印影情報として保存しておき、その印影情報が印影箇所26に照射されたりするようにしてもよい。このようにすれば、承認者が自己の印影を印刷書類に残した際の状況が把握しやすい効果がある。なお、承認者17の印影情報は、外部サーバーに保存されてもよく、映写部に保存されてもよい。
【0033】
{撮像部}
撮像部23はカメラのような撮像装置である。撮像部23は、外部サーバー14とインターネット回線を経由して通信可能な通信部を有し、撮像部23は、独立して制御部を有する。撮像部23のカメラが撮影した画像27は、撮像部の通信部を使用して外部サーバー14に送信する。撮像部23は、印刷書類25と映写部22が表示する印影箇所26とを撮影する。なお、画像27は静止画又は動画である。
【0034】
{打印機}
打印機24は、動作部28と電力供給部29とを備える。
動作部28は、いわゆる電磁弁であって、電力が供給されたり、遮断されたりすることにより、電磁弁のプランジャが直線的に移動する。プランジャには承認者17の判子30が取り付けられ、電力が供給されたり遮断されたりすることで、印刷書類25に判子30を押したり、判子30を印刷書類25から離れたりする。
【0035】
電力供給部29は商用電源と動作部28の間に設置され、動作部28に対し電力供給を制御する。電力供給部29は、通信部を備え、独立した制御部を有する。第二の情報通信端末12から動作部28に対し電力供給を行うか否かの押印指示指令49を受信して動作する。なお、押印指示指令49は、インターネット回線を経由して送受信する。また通信部は無線であることが好ましい。
【0036】
また、電力供給部29は、外部サーバー14を経由して第二の情報通信端末12に動作部に電力を供給している状態であるか又は、動作部に電力を供給していない状態であるかを通知する機能を有してもよい。この機能を有すれば、画像27による確認に加え、さらに押印指示指令49が完了したことを確認できる効果がある。
【0037】
(外部サーバー)
外部サーバー14は、第一の情報通信端末11と第二の情報通信端末12と押印装置13とインターネット回線を経由して情報通信が可能である。また、受信した情報を処理、保存する機能を有する。
【0038】
外部サーバー14は、CPU、ROM,RAM、ハードディスクのような記憶装置、表示装置、入力装置、他の情報端末と通信するための通信手段等からなるコンピューターである。外部サーバー14は、CPU、ROM、RAMを中心とした制御部で制御され、入力装置で入力された情報を処理する。
【0039】
また、外部サーバー14は、利用者管理部31と書類電子情報管理部32と自然言語処理部33と書類保存部34と承認者特定情報確認部35と承認者送信先確認部36と承認者連絡部37と押印装置通信部38と押印指示部39と押印電子書類作成部40と押印書類管理部41と控え送信処理部42と処理終了通知部43と情報存在証明部44とを備える。
【0040】
(利用者管理部)
利用者管理部31は、第一の情報通信端末11の使用者が依頼者15であることの確認処理を行う。
具体的には、第一の情報通信端末11から外部サーバー14と情報の送受信を可能とする要求があった場合、あらかじめ外部サーバー14に設定された依頼者IDとパスワードの入力を第一の情報通信端末11に求めることにより、第一の情報通信端末11の使用者が依頼者15であることを確認する。確認処理は、依頼者IDとパスワードによる認証の他、第一の情報通信端末11の使用者が依頼者15であることの確認が可能な手段であれば、公知の方法を使用することができる。
確認処理が行われ、第一の情報通信端末11から依頼者15が情報の送受信を行うことを特定できるようになる。
【0041】
(書類電子情報管理部)
書類電子情報管理部32は、外部サーバー14が受信した書面電子情報16にIDを付与し、依頼者IDと関連付け、外部サーバー14に保存する処理を行う。この処理により、依頼者15が管理する書面電子情報16であることを特定できるようになる。
【0042】
(自然言語処理部)
自然言語処理部33では、書面電子情報16に対して自然言語処理が行われる。
自然言語処理とは、人間が意思疎通のために日常的に用いる言語である自然言語の文章をより形式的な(コンピューターが理解しやすい)表現に変換するといった処理である。
【0043】
自然言語処理は、形態素解析、構文解析、意味解析や文脈解析等が行われ、自然言語に含まれる曖昧な表現を形式的な表現にし、自然言語に含まれる文章の意味をコンピューターに理解させる処理である。
【0044】
自然言語処理部33が自然言語処理を行うことにより、書面電子情報16に含まれる承認者特定情報46を取得する。承認者特定情報46としては、承認者17の氏名が挙げられる。
【0045】
なお、依頼者15、承認者17や管理者等が、あらかじめ外部サーバー14に承認者17の氏名のデータベースを作成しておき、自然言語処理部33が行われ、氏名と判断された文字列を抽出した後、データベースの氏名の文字列とを比較し、一致する場合、承認者特定情報46として決定するようにすれば、自然言語処理部33の処理で複数の氏名の文字列が存在すると判断された場合であっても、承認者の特定の精度が向上する。
【0046】
また、承認者の組織での役職と氏名とを対応させることができるように、例えば、代表取締役=「氏名A」、部長=「氏名B」、課長=「氏名C」等の役職と氏名が関連付けされたデータベースをあらかじめ作成しておいてもよい。この場合、書面電子情報16の中に氏名の記載がなくても役職の記載から承認者の氏名を特定できるようになり、承認者17の特定の精度が向上する。なお、役職を用いた場合を例示したが、役職に限定されず、役職の文字列に変えて承認者17が特定できる氏名以外の別の名称(文字列)であってもよい。
また、当該データベースは、依頼者15のIDと関連付けられて保存される。
なお、自然言語処理部33は、書面電子情報16が文字認識をすることができない場合、文字認識処理を行うようにしてもよい。
【0047】
(書類保存部)
書類保存部34は、依頼者15から受信した書面電子情報16や、打印機24で押印された押印書類の電子情報である押印電子情報47等を含むその他の情報を外部サーバー14の記憶部に記憶し保存する。
【0048】
(承認者特定情報確認部)
承認者特定情報確認部35は、承認者特定情報46が依頼者15の求める承認者17であるかを確認する処理を行う。
具体的には、承認者特定情報46を外部サーバー14から第一の情報通信端末11に送信する。この要求を承認者特定情報確認要求とする。
【0049】
(承認者送信先確認部)
また、承認者送信先確認部36は、依頼者15が承認者特定情報46を承認した承認情報を外部サーバー14が受信した後に、承認者17の連絡先を決定する要求を第一の情報通信端末11に送信する。この要求を承認者送信先確認要求とする。
【0050】
承認者17の連絡先を決定する要求には、あらかじめ外部サーバーに承認者17の連絡先の候補を保存しておき、その候補となる連絡先を第一の情報通信端末11に送信して、依頼者に選択させる方法や、承認者17の連絡先としてメールアドレス等を依頼者15に入力させるような方法が適用できる。
(承認者連絡部)
承認者連絡部37は、承認者17の連絡先として第一の情報通信端末11から送信された連絡先に対し、依頼者15が承認を求めている書面電子情報16が存在することを通知する処理を行う。当該通知には、第二の情報通信端末12が外部サーバー14と通信可能となる情報も付与されて送信され、承認者17がその通知を承認することで外部サーバー14と情報の送受信が可能となる。この通知を、承認者連絡通知とする。
【0051】
(押印装置通信部)
押印装置通信部38は、承認者17の第二の情報通信端末12が外部サーバー14と情報の送信が可能となった際に押印装置13と情報の通信を開始する処理を行う。
押印装置通信部38は押印装置13に対し、撮像部23に画像27の撮像を開始し、外部サーバー14にその画像27を送信する要求を行う。この要求を押印装置通信要求とする。
また、押印装置通信部38は、書面電子情報16をプリンター21に送信する。
【0052】
押印装置通信部38は、押印装置13の撮像部23が撮影する画像27を、外部サーバー14を経由させて第二の情報通信端末12に送信する。なお、第一の情報通信端末11にも送信してもよい。
【0053】
なお、画像27は、静止画または動画のどちらでもあってもよいが、動画を受信しながら、その動画の再生を開始するストリーミング処理を第二の情報通信端末12で行うのであれば、遠隔の地にある印刷書類25に印影が記録される前後の状況が即時に把握できるため、好ましい。
【0054】
画像27が、静止画の場合は、押印装置通信部38が撮像部23に画像27の撮像を開始させた際の静止画を外部サーバー14に送信させ、第二の情報通信端末12に転送することで、印刷書類25に印影が記録される前の準備段階の状況を承認者17が確認できる。
【0055】
なお、第二の情報通信端末12の操作により再撮影の要求が外部サーバー14にあった場合、押印装置通信部38は、静止画を撮像し直し、撮像し直した静止画を外部サーバー14に再送させ、撮像し直した静止画を第二の情報通信端末12に送信し、第二の情報通信端末12の表示部に新たに表示させる機能を有していてもよい。この操作は、印刷書類25に印影が記録された後でも操作できるようにすれば、印刷書類25に印影が適切に記録されたかの確認ができ、送信された静止画が見にくい場合に撮影し直した別の静止画で確認ができる。
【0056】
(押印指示部)
押印指示部39は、押印装置通信部38が第二の情報通信端末12に画像27を送信した後に第二の情報通信端末12に対し、押印装置13の打印機24の動作を許可するか否かの要求を行う。
なお、第二の情報通信端末12の表示部には、画像27と打印機24の動作許可の要求の表示を一画面上に表示させてもよい。
第二の情報通信端末12から送信された押印許可信号48を受信した後、外部サーバー14は、押印指示部39の処理で打印機24の電力供給部29に押印指示指令49を送信する。
【0057】
(押印電子書類作成部)
押印指示指令49を電力供給部29に送信後、押印電子書類作成部40は、印刷書類25に印影が記録された状態における押印装置13の撮像部23の撮影した画像27を静止画72として作成する処理を行う。
押印装置通信部38の処理により、ストリーミング処理を行っている場合、外部サーバー14に送信されている動画から静止画72を作成する処理を行ってもよく、押印装置13の撮像部23に対し、印刷書類25に印影の記録が終了後に静止画72を撮影し、外部サーバー14に送信させるようにしてもよい。
【0058】
(押印書類管理部41)
押印書類管理部41は、後述する情報存在証明部44の処理(タイムスタンプともよばれる)により、静止画72と電子認証情報50とが関連付けられて押印電子情報47が作成された後、押印書類管理部41が押印電子情報47を保存する。押印電子情報47は依頼者IDと関連付けされて保存される。
【0059】
(控え送信処理部)
控え送信処理部42は、押印電子情報47が作成された後、第二の情報通信端末12に対し、押印電子情報47を第二の情報通信端末12に送信するか否かを確認する要求を行う。この要求を控え送付確認要求とする。
【0060】
控え送信処理部42は、第二の情報通信端末12から押印電子情報47の送信を求める要求を受信した場合、第二の情報通信端末12に対し、送信先情報を入力させる要求を行う。送信先を入力させる要求は、具体的には、メールアドレスを入力させる方法が挙げられる。なお、押印電子情報47を受信可能な方法であればよく、依頼者15が選択した連絡先と同じであってもよい。
【0061】
控え送信処理部42は、承認者17が入力した送信先情報を受信した後に、その送信先に対し、押印電子情報47を送信する。
一方、控え送信処理部42は、第二の情報通信端末12から押印電子情報47の送信不要との要求を受信した場合、押印電子情報47を送信しない。
【0062】
(処理終了通知部)
依頼者15の第一の情報通信端末11に対し、印刷書類25に印影が記録されたこと及び押印電子情報47が保存されたことを通知する処理を行う。この処理は、押印電子情報47が、作成保管された後に行われる。
【0063】
(情報存在証明部)
情報存在証明部44は、いわゆるタイムスタンプと呼ばれるものであって、書面電子情報16や押印電子情報47等の情報が外部サーバー14に、その時刻に存在していたこと及びその時刻以降、情報改ざんされていないことを証明する電子認証情報50を書面電子情報16や印刷書類25に印影が記録された状態における静止画72等に対して記録する。
【0064】
情報存在証明部44は、書面電子情報16を外部サーバー14が受信した際や静止画72が作成された際等に、書面電子情報16や静止画72等と関連付けて書類保存部34に保存する。
【0065】
<遠隔押印システム10の動作>
以下、遠隔押印システム10の動作について説明する。図2~5に基づいて説明する。
S101では、依頼者15は、承認者17の承認を得る必要のある書面電子情報16を保有する状態において、あらかじめ設定された依頼者IDとパスワードを使用し、第一の情報通信端末11から書面電子情報16を外部サーバー14に送受信可能な状態となるように承認要求を行う。承認要求が適正か否かについては、外部サーバー14の利用者管理部31が処理判断する。
【0066】
承認要求が適正なものであれば、書面電子情報16を外部サーバー14に送信可能とし、承認が不適正であれば、依頼者IDとパスワードを再度求める処理を行い、書面電子情報16を外部サーバー14に送信可能させない状況となる。このS101のステップはサーバー認証ステップとする。
【0067】
S102では、依頼者15は、外部サーバー14との承認が完了した状態において、第一の情報通信端末11から書面電子情報16を外部サーバー14に送信する。このS102のステップを書面電子情報送信ステップとする。
【0068】
S103では、外部サーバー14は、書面電子情報16を受信した際に、書面電子情報16に対しIDを付与し、依頼者IDと関連付けを行う。この関連付けを行うことにより、依頼者15が管理する書面電子情報16であることを特定できるようになる。また、情報存在証明部44が電子認証情報50と書面電子情報16と関連付けて保存する。
このS103のステップは書面ID付与ステップとする。
【0069】
S104では、外部サーバー14の自然言語処理部33が、書面電子情報16に対し、自然言語処理を行い、書面電子情報16に含まれる承認者17を特定し、承認者特定情報46が作成される。このS104のステップは承認者特定情報作成ステップとする。
【0070】
S105では、承認者特定情報46が作成された後、承認者特定情報確認部35、承認者特定情報46が依頼者15の求める承認者17であるかを確認する処理を行う。このS105のステップは承認者特定情報確認ステップとする。
【0071】
S106では、承認者送信先確認部36の処理により、承認者特定情報46が第一の情報通信端末11に送信され、依頼者15は承認者特定情報46が承認を求める人の氏名であるか否かを確認する。
【0072】
承認者特定情報46が正しい場合、依頼者15は、第一の情報通信端末11を操作し、依頼者承認信号を外部サーバー14に送信し、S108に進む。このS106のステップは、承認者特定情報46が、依頼者15の求める承認者の氏名であることを依頼者によって承認される承認者特定情報承認ステップとする。
承認者特定情報46が誤っている場合、S107に進み依頼者15は、第一の情報通信端末11を操作し、真の依頼者の氏名を入力し、依頼者承認信号とともに、訂正された承認者特定情報46を外部サーバー14に送信し、訂正された承認者特定情報46を承認者特定情報46として決定する。このS107のステップを、承認者特定情報訂正ステップとする。
【0073】
S108では、承認者特定情報承認ステップ(S106)又は承認者特定情報訂正ステップ(S107)の後に外部サーバーが、承認者特定情報46を確定させる。このS108のステップを、承認者特定情報確定ステップとする。
【0074】
S109では、承認者特定情報46が確定された後、承認者17の連絡先を決定するために、承認者17の連絡先を決定する要求を第一の情報通信端末11に送信する。このS109のステップを、連絡先要求ステップとする。
【0075】
S110では、第一の情報通信端末11は、外部サーバー14から受信したあらかじめ保存された承認者17の連絡先の候補を表示するか又は承認者17の連絡先としてメールアドレス等を依頼者15に入力させる表示を行い、依頼者15に第一の情報通信端末11が操作され、連絡先情報が外部サーバー14に送信される。このS110のステップを連絡先確認ステップとする。
【0076】
S111では、連絡先情報を受信した外部サーバー14は、連絡先情報を確定させる。このS111のステップを連絡先確定ステップとする。
【0077】
S112では、送信先情報を受信した外部サーバー14は、また、依頼者15が承認を求めている書面電子情報16が外部サーバー14に存在することを第二の情報通信端末12に通知する。このS112のステップを書面待機通知ステップとする。
【0078】
該通知には、第二の情報通信端末12が外部サーバー14と通信可能となる情報も付与されて送信されており、承認者17が承認することで外部サーバー14と情報の送受信が可能となる。
【0079】
S113では、承認者連絡部37からの通知を受信した第二の情報通信端末12は、承認者17がその通知を承認する旨の送信操作を第二の情報通信端末12で行うことによりS114に進み、第二の情報通信端末12が外部サーバー14と情報を送受信できるようになる。このS113のステップを、承認者通信許可ステップとする。
一方、承認者17がその通知を拒否する旨の送信操作を第二の情報通信端末12で行った場合は、S115に進み、外部サーバー14の処理を終了し、承認者連絡部37に依頼者に拒否された通知を送信する。このS115のステップを、承認者通信拒否ステップとする。
【0080】
S116では、押印装置通信部38は、承認者17の第二の情報通信端末12が外部サーバー14と情報の送信が可能となった際に押印装置13と情報の通信を開始する処理を行う。
このS116のステップを押印装置通信ステップとする。
【0081】
S117では、外部サーバー14と押印装置13とが通信可能となった際に、押印装置通信部38が、押印装置13の撮像部23に画像27の送信を要求する。また、押印装置13に書面電子情報16を送信し、プリンター21に印刷する要求をする。このS117のステップを準備要求ステップとする。
【0082】
S118では、押印装置13の撮像部23が画像27の撮影を開始する。押印装置13の撮像部23で撮影された画像27が外部サーバー14に送信される。このS118のステップを、画像送信開始ステップとする。なお、この画像27は動画でありストリーミング配信が行われる。
【0083】
また、押印装置13のプリンター21が、外部サーバー14から受信した書面電子情報16を印刷し、印刷書類25を作成する。このS118のステップは、印刷ステップとする。
【0084】
次に書面電子情報16が印刷された印刷書類25が、撮像部23に撮影されるように配置されかつ印影が記録されるべき箇所に位置するように打印機24に設置された判子30の位置に合わせて配置される。このS118のステップを印刷書類設置ステップとする。この配置は依頼者15又は承認者以外の人によって行われる。
【0085】
なお、このとき、映写部22を動作させることで、打印機24が動作した際に印刷書類25に印影が設けられる印影箇所26を書類上に表示させることができ、印刷書類25を適正な位置に配置しやすい。
【0086】
S119では、外部サーバー14の押印装置通信部38が、第二の情報通信端末12に動画(画像27)を送信し、外部サーバー14の押印指示部39が、第二の情報通信端末12に対し、押印装置13の打印機24の動作を許可するか否かの打印要求を行う。このS119のステップは印刷書類確認要求ステップとする。
【0087】
S120では、承認者17は、印刷書類25が所定の位置に設置されたことを、第二の情報通信端末12で受信した画像27で確認する。このS120のステップは印刷書類設置確認ステップとする。
このステップにより、承認者17は、印刷書類25が押印装置13に設置されたことを確認しながら押印許可信号48を外部サーバー14に送信できる効果がある。
【0088】
S121では、承認者17は、印刷書類25に押印する意思がある場合、S122に進む。打印機24の動作を許可する押印許可信号48が承認者17の操作する第二の情報通信端末12から外部サーバー14に送信される。このS121のステップを押印許可ステップとする。
【0089】
また、承認者17が印刷書類25に押印する意思のない場合、S123に進み、打印機24の動作を許可しない拒否信号を第二の情報通信端末12を操作して外部サーバー14に送信する。拒否信号を受信した押印指示部39は、外部サーバー14の処理を終了し、承認者連絡部37に依頼者に拒否された通知を送信する。このS123のステップを押印拒否ステップとする。
【0090】
S122では、押印許可信号48を受信した外部サーバー14が、打印機24の電力供給部29に押印指示指令49を送信する。このS122のステップを押印指令通知ステップとする。
【0091】
S124では、打印機24の電力供給部29が押印指示指令49を受信し、打印機24の動作部28に取り付けられた判子30が直線運動を行い、判子30による印影が印刷書類25に記録される。このS124のステップを押印実行ステップとする。
【0092】
S125では、撮像部23で撮影された印影が記録された印刷書類25の画像27(動画)が、外部サーバー14に送信される。このS125のステップを押印書面画像送信ステップとする。
【0093】
S126では、押印電子書類作成部40の処理により、押印装置13の撮像部23から外部サーバー14に送信されている印影が記録された印刷書類25の画像27(動画)から静止画72を作成する処理が行われる。このS126のステップを押印静止画作成ステップとする。
【0094】
S127では、押印書類管理部41は、情報存在証明部44の処理により、印影が記録された印刷書類25の静止画72と電子認証情報50とが関連付けられて押印電子情報47を作成し、押印書類管理部41が押印電子情報47を書類保存部34に保存する。このS127のステップを押印電子情報作成ステップとする。なお、押印電子情報47は依頼者IDと関連付けされて保存される。
【0095】
S128では、控え送信処理部42が、第二の情報通信端末12に対し、控え送付確認要求を行う処理を行う。このS128のステップを控え送信確認要求ステップとする。
【0096】
S129では、控え送付確認要求を受信した承認者17は、押印電子情報47の控えを求める場合、第二の情報通信端末12を操作し、外部サーバー14に控えを要求する旨を送信し、S130に進む。このS129のステップを控え要求ステップとする。
一方、控えを不要とする旨を送信した場合、S133に進む。このステップを控え不要ステップとする。
【0097】
S130では、控え送信処理部42は、第二の情報通信端末12に対し、押印電子情報47の送信先情報を入力させる要求を行う。このS130のステップを控え送信先確認ステップとする。
【0098】
S131では、第二の情報通信端末12が承認者17により操作され、押印電子情報47の送信先情報を入力し、外部サーバー14に送信する。このS131のステップを控え送信先入力ステップとする。
【0099】
S132では、送信先情報を受信した控え送信処理部42は受信した送信先に押印電子情報47を送信する。このS132のステップを控え送信ステップとする。
【0100】
S133では、処理終了通知部43は、押印電子情報47を作成保管した後に処理が行われる。処理終了通知部43は、依頼者15の第一の情報通信端末11に対し、印刷書類25に印影が記録されたこと及び押印電子情報47が保存されたことを通知し、遠隔押印システムの動作が完了する。
【0101】
以上の遠隔押印システム10の動作が終了すると、外部サーバー14に依頼者15のIDと、書面電子情報16と、押印電子情報47と関連付けされて保存される。これにより、印刷書類25への押印が、承認者17の意思確認のもとに行われたことを証明する証拠とともに保存された状態となる。
また、印影が記録された印刷書類が改ざんされていないことを証明する証拠とすることができる。
【0102】
なお、本実施の形態では、押印装置13にプリンター21を有する場合を例示したが、押印装置13はプリンター21を有していなくてもよい。つまり、S117の準備要求ステップにおいて、書面電子情報16を押印装置13に送信することなく、プリンター21に印刷を要求しなくてもよい。よって、S118の印刷ステップが行われなくてもよい。
この場合、S118の印刷ステップに変えて、依頼者15が管理する書面電子情報16(外部サーバー14を経由していない書面電子情報16)を押印装置13とは別の印刷機で印刷し、印刷書類25が準備されてもよい。
また、S117の準備要求ステップにおいて、書面電子情報16(外部サーバー14を経由した書面電子情報16)を依頼者15の第一の情報通信端末11又は別の印刷装置に送信し、押印装置13とは別の印刷機で印刷し、印刷書類25が準備されてもよい。
【0103】
[第2の実施態様]
図6は、本発明の第2の実施態様における遠隔押印システム60を示す概略図である。本発明の第2の実施態様における遠隔押印システム60は、外部サーバー14に押印者証明書確認部61と証明書画像処理部62と押印者肖像認証部63と肖像画像処理部64と備える点が遠隔押印システム10と異なる。
【0104】
(押印者証明書確認部)
押印者証明書確認部61は、承認者17が所有する承認者証明書65を第二の情報通信端末12が保有する撮像部で撮影した証明書画像66として、外部サーバー14に送信する要求を行う。この要求は、証明書画像要求68とする。承認者証明書65は、身分証明書であって、承認者の氏名が記載されたものとする。
【0105】
承認者17は、第二の情報通信端末12の撮像装置で承認者証明書65を撮像し、その証明書画像66を、第二の情報通信端末12の通信部を経由して外部サーバー14に送信する。
押印者証明書確認部61は、証明書画像要求68を行うか否かを依頼者15の第一の情報通信端末11に送信し、指示を要求する。
【0106】
(証明書画像処理部)
証明書画像処理部62は、外部サーバー14が受信した証明書画像66に対し、自然言語処理部33と同様に、自然言語処理を行い、証明書画像66に含まれる依頼者の氏名を特定する。特定された氏名は、証明書氏名特定情報67とする。証明書画像処理部62は、証明書氏名特定情報67と、依頼者15が確認した後の承認者特定情報46とを比較する決定処理69を行う。決定処理69の結果、一致する場合、証明書画像処理部62は、外部サーバー14の書類保存部34に証明書画像66を保存する。
【0107】
(押印者肖像認証部)
押印者肖像認証部63は、承認者17の肖像を第二の情報通信端末12が保有する撮像部で撮影した肖像画像70として、外部サーバー14に送信する要求を行う。この要求は、肖像画像要求71とする。
承認者17は、第二の情報通信端末12の撮像装置で自己肖像を撮像し、その肖像画像70を、第二の情報通信端末12の通信部を経由して外部サーバー14に送信する。
【0108】
(肖像画像処理部)
肖像画像処理部64は、外部サーバーが受信した肖像画像70を、画像認識処理を行い、肖像画像70が人の顔であるか否かを判断する。肖像画像70が人の顔と判断した場合には、肖像画像処理部64は、肖像画像70を外部サーバー14の書類保存部34に保存する。
【0109】
<遠隔押印システム60の動作>
以下、図7~8を参照し、遠隔押印システム60の動作について説明する。なお、遠隔押印システム60は、遠隔押印システム10の動作のS101からS111までは同一の動作を行う。
【0110】
S111の次にS201に移り、押印者証明書確認部61の処理により、依頼者15に対し、証明書画像要求68を行うか否かを依頼者15の第一の情報通信端末11に送信し、指示を要求する。このステップを証明書確認要求ステップとする。
【0111】
S202では、依頼者15が証明書画像要求68を必要と判断する場合には、第一の情報通信端末11を操作し、外部サーバー14に対し証明書画像要求68が必要と指示を行い、S203に進む。
一方、依頼者15が証明書画像要求68を不要と判断する場合には、第一の情報通信端末11を操作して外部サーバー14に対し証明書画像要求68が不要と指示を行い、S112に戻り、以下S133までの処理が行われる。このステップを証明書確認ステップとする。
【0112】
S203では、送信先情報を受信した外部サーバー14は、依頼者15が承認を求めている書面電子情報16が存在することを第二の情報通信端末12に通知する。このステップを書面電子情報待機通知ステップとする。
該通知には、第二の情報通信端末12が外部サーバー14と通信可能となる情報も付与されて送信されており、承認者17が承認することで外部サーバー14と第二の情報通信端末12とで情報の送受信が可能となる。
【0113】
S204では、承認者連絡部37からの通知を受信した第二の情報通信端末12は、承認者17がその通知を承認する旨の送信操作を第二の情報通信端末12で行うことによりS205に進み、第二の情報通信端末12が外部サーバー14と情報を送受信できるようになる。このステップを、承認者通信許可ステップとする。
【0114】
一方、承認者17がその通知を拒否する旨の送信操作を第二の情報通信端末12で行った場合は、S206に進み、外部サーバー14の処理を終了し、承認者連絡部37に依頼者に拒否された通知を送信する。このステップを、承認者通信拒否ステップとする。
【0115】
S207では、証明書画像要求68が必要との指示を受信した外部サーバー14が、第二の情報通信端末12に証明書画像要求68を送信する。このステップを、証明書要求ステップとする。
【0116】
S208では、第二の情報通信端末12が、証明書画像要求68を受信し、承認者17によって操作される第二の情報通信端末12の撮像装置で撮像した証明書画像66が外部サーバー14に送信され、S209に進む。このステップを、証明書送信ステップとする。
一方、承認者17が証明書画像66を送信しない場合や送信を拒否する拒否通知を、第二の情報通信端末12を操作し、外部サーバー14に送信した場合は、S210に進み、依頼者15に拒否された通知をし、処理を終了する。このステップを、証明書拒否ステップとする。
【0117】
S211では、証明書画像66を受信した外部サーバー14の証明書画像処理部62が、証明書画像66に対して自然言語処理を行い、証明書画像66に含まれる承認者の氏名を特定し、証明書氏名特定情報67とする。このステップを、証明書承認者特定ステップとする。
【0118】
S212では、証明書氏名特定情報67と、承認者特定情報確定ステップで確定した承認者特定情報46とを比較する決定処理69を行う。
証明書氏名特定情報67と、承認者特定情報確定ステップで確定した承認者特定情報46とが一致する場合は、S213に進み、証明書画像66が、電子認証情報50及び書面電子情報16と関連づけされて外部サーバー14の書類保存部34に保存される。このステップを、証明書確定ステップとする。
一方、証明書氏名特定情報67と、依頼者15が確認した後の承認者特定情報46とが一致しない場合は、S207にもどり、再度、第二の情報通信端末12に対し証明書画像要求68を行う。このステップを、証明書画像再送ステップとする。
【0119】
次に、S214では、押印者肖像認証部63の処理により、外部サーバー14が、第二の情報通信端末12に肖像画像要求71を送信する。このステップを、肖像画像要求ステップとする。
S215では、押印者肖像認証部63から肖像画像要求71を受信した承認者17は、第二の情報通信端末12を操作し、第二の情報通信端末12の撮像装置で撮像した自己の肖像画像70を外部サーバー14に送信し、S216に進む。このステップを肖像画像送信ステップとする。
一方、承認者17が肖像画像70を送信しない場合や送信を拒否する拒否通知を第二の情報通信端末12を操作して外部サーバー14に送信した場合は、S217に進み、依頼者15に拒否された通知をし、処理を終了する。このステップを肖像画像拒否ステップとする。
【0120】
S216では、肖像画像70を受信した外部サーバー14の肖像画像処理部64は、肖像画像70に対して画像認識処理を行い、肖像画像70が人の顔であるか否かを判断する。肖像画像処理部64は、肖像画像70が人の顔と判断した場合には、S218に進む。このステップを肖像画像認定ステップとする。
一方、肖像画像処理部64は、肖像画像70が人の顔と判断しない場合には、S214にもどり、再度、第二の情報通信端末12に対し肖像画像要求71を行う。このステップを、肖像画像否定ステップとする。
【0121】
S219では、肖像画像70が、電子認証情報50及び書面電子情報16と関連づけされて外部サーバー14の書類保存部34に保存される。このステップを肖像画像保存ステップとする。
【0122】
S219の次に、遠隔押印システム10のS116~S133の処理が同様に行われ、遠隔押印システムの動作が完了する。
【0123】
以上の遠隔押印システム60の動作が終了すると、外部サーバー14に依頼者15のIDと、書面電子情報16と押印電子情報47と、証明書画像66と、肖像画像70とが関連付けされて保存される。これにより、印刷書類25への押印が、承認者17の意思確認のもとに行われたことを証明する複数の証拠(証明書画像66と肖像画像70)とともに保存された状態となる。
【0124】
なお、本実施の形態では、S201~S219のステップを行ったが、S111のステップの後に、S201~S213ステップを行い、その後S116のステップを行ってもよい。つまり、証明書画像66で承認者の本人確認を行うことにより、承認者の承認手続きが簡素化できる。
【0125】
また、S111のステップの後に、S214~S219を行い、その後S116ステップを行ってもよい。つまり、承認者の肖像画像70で承認者の本人確認を行うことにより、承認者の承認手続きが簡素化できる。
【0126】
[第3の実施態様]
図8は、本発明の第3の実施態様における遠隔押印システム80を示す概略図である。本発明の第3の実施態様における遠隔押印システム80は、外部サーバー14に書面電子情報送信部81、押印許諾通知部82、印刷書類画像解析部83、打印命令送信部84を備える点が遠隔押印システム10と異なる。
【0127】
(書面電子情報送信部)
書面電子情報送信部81は、承認者17が所有する第二の情報通信端末12に対し、外部サーバー14に記録された書面電子情報16を送信する。
書面電子情報送信部81は、承認者17により書面電子情報16の内容が確認された後、押印装置13に押印指示指令49を送信することを許可するか否かを確認する要求を行う。
【0128】
(押印許諾通知部)
押印許諾通知部82は、第二の情報通信端末12から押印装置13に押印指示指令49を送信することを許可する旨の押印許可許諾信号88を受信した場合、依頼者15の第一の情報通信端末11に対し、押印許諾通知85を行う。また、押印装置13で押印操作を行うか否かについての確認要求を行う。
【0129】
(印刷書類画像解析部)
印刷書類画像解析部83は、押印装置13から受信した画像27を画像解析する。画像解析処理は、印刷書類25の押印されるべき押印箇所86と、印影の記録される記録箇所87が一致された状態になったか否かを判断する。言い換えると、印刷書類25が押印装置13の適切な位置に設置され、押印装置13が動作した際に、印刷書類25の適切な位置に印影の記録がされる状態であるか否かを判断する。
【0130】
印刷書類25の押印されるべき押印箇所86とは、例えば、印刷書類25の紙面のうち、印と印刷された枠線の引かれた箇所としたり、依頼者15があらかじめ印刷書類25の押印されるべき場所の画像を外部サーバー14に記憶させておき、その画像と押印装置13から受信した画像27とを比較して画像が一致した箇所としたりすることができる。
【0131】
また、印影の記録される記録箇所87は、打印機24が動作した際に判子30により印影が記録される箇所である。
(打印命令送信部)
打印命令送信部84は、印刷書類画像解析部83の処理により、押印箇所86と、記録箇所87が一致した状態(印刷書類25が押印装置13の適切な位置に設置された)と判断した場合、押印装置13の電力供給部29に押印指示指令49を送信する。
【0132】
<遠隔押印システム80の動作>
以下、図10~11を参照し、遠隔押印システム80の動作について説明する。なお、遠隔押印システム80は、遠隔押印システム10の動作のS101からS111までは同一の動作を行う。
【0133】
S111の次に、S301では、外部サーバー14の書面電子情報送信部81の処理により、承認者17の送信先に対し、書面電子情報16を送信する。このS301のステップを書面電子情報送付ステップとする。
また、承認者17が送信された書面電子情報16の内容を確認した後に、押印装置13に押印指示指令49を送信することを許可するか否かを確認する要求を行う。このS301のステップを押印許可要求ステップとする。
【0134】
S302では、承認者17により、外部サーバー14から送信された書面電子情報16が確認される。その後、承認者17が書面電子情報16に押印を許可する場合には、承認者17により、第二の情報通信端末12が操作され、外部サーバー14に押印装置13に押印指示指令49を送信することを許可する旨の押印許可許諾信号88が送信され、S303に進む。このS302のステップを押印許可確認ステップとする。
一方、承認者17が書面電子情報16に押印を許可しない場合には、第二の情報通信端末12を操作して外部サーバー14に対し押印許可をしない旨の通知がされ、S304に進み、S304では、承認者17に拒否された通知を依頼者15に送信し、外部サーバー14の処理を終了する。このS304のステップは、押印許可拒否ステップとする。
【0135】
S303では、押印許可許諾信号88を受信した外部サーバー14は、依頼者に対し、押印許諾通知85を行う。また、押印装置13で押印操作を行うか否かについての確認要求を行う。このS303のステップを押印許諾通知ステップとする。
【0136】
S305では、押印許諾通知85を受信した第一の情報通信端末11により、依頼者15が、押印装置13で押印を行う旨(YES)を第一の情報通信端末11から外部サーバー14に送信し、S306に進む。
一方、依頼者15が、押印装置13で押印を行う旨の送信操作を行わない(NO)場合、押印装置13で押印を行う旨の送信操作(YES)がされるまで、外部サーバー14は待機する。このS305のステップを、準備待機ステップとする。
【0137】
S306に進み、依頼者15から押印装置13で押印を行う旨の通知を受信した外部サーバー14は、押印装置13との通信を開始する。このS306のステップを押印装置通信開始ステップとする。
【0138】
S307では、外部サーバー14と押印装置13とが通信可能となった際に、押印装置通信部38が、押印装置13の撮像部23に画像27の送信を要求する。また、押印装置13に書面電子情報16を送信し、プリンター21に印刷する要求をする。このS307のステップを準備要求ステップとする。
【0139】
S308では、押印装置13の撮像部23が画像27の撮影を開始する。押印装置13の撮像部23で撮影された画像27が外部サーバー14に送信される。このS308のステップを、画像送信開始ステップとする。なお、例として、画像27は動画でありストリーミング配信が行われる場合で説明する。
【0140】
また、押印装置13のプリンター21が、外部サーバー14から受信した書面電子情報16を印刷し、印刷書類25を作成する。このS308のステップは、印刷ステップとする。
【0141】
次に印刷書類25が、撮像部23に撮影されるように配置されかつ印影が記録されるべき箇所に位置するように打印機24に設置された判子30の位置に合わせて配置される。このS308のステップを印刷書類設置ステップとする。この配置は依頼者15又は承認者以外の人によって行われる。
【0142】
なお、このとき、映写部22を動作させることで、打印機24が動作した際に印刷書類25に印影が設けられる印影箇所26を書類上に表示させることができ、印刷書類25を適正な位置に配置しやすい。
【0143】
S309では、外部サーバー14は、押印装置13から受信した画像27を用いて、印刷書類画像解析部83による画像解析処理を行う。このS309のステップを押印箇所判断ステップとする。
外部サーバー14の印刷書類画像解析部83の処理により、印刷書類25が押印装置13の適切な位置に設置されたか否かを判断する。印刷書類25が押印装置13の適切な位置に設置されたと判断された場合、S310に進む。
一方、印刷書類25が押印装置13の適切な位置に設置されていないと判断し、一定時間が経過した場合は、S311に進み、依頼者15及び承認者17に押印がされなかったことを通知し、処理を終了する。このS311のステップを押印箇所判断失敗ステップとする。
【0144】
S310では、外部サーバー14の打印命令送信部84により、打印機24の電力供給部29に押印指示指令49が送信される。このS310のステップを、押印指示指令送信ステップとする。
その後、遠隔押印システム10のS124~S133の処理が同様に行われ、遠隔押印システム80の動作が完了する。
【0145】
本実施の形態では、S302のステップにおいて、承認者17が、あらかじめ押印許可許諾信号88を外部サーバー14に送信した状態であることから、承認者17は押印装置13に印刷書類25が設置されたことを確認する必要がない効果がある。
よって、承認者17が、押印許可許諾信号88を送信後に、依頼者15の都合にあわせて押印装置13に印刷書類25が設置されればよく、承認者17と依頼者15との都合を合わせる必要がない。
【0146】
なお、本実施の形態では、押印装置13にプリンター21を有する場合を例示したが、押印装置13はプリンター21を有していなくてもよい。つまり、S307の画像送信開始ステップにおいて、書面電子情報16を押印装置13に送信することなく、プリンター21に印刷を要求しなくてもよい。よって、S308の印刷ステップが行われなくてもよい。
この場合、S308の印刷ステップに変えて、依頼者15が管理する書面電子情報16(外部サーバー14を経由していない書面電子情報16)を押印装置13とは別の印刷機で印刷し、印刷書類25が準備されてもよい。
また、S307の準備要求ステップにおいて、書面電子情報16(外部サーバー14を経由した書面電子情報16)を依頼者15の第一の情報通信端末11又は別の印刷装置に送信し、押印装置13とは別の印刷機で印刷し、印刷書類25が準備されてもよい。
【0147】
[その他の実施態様]
本発明では、第一の情報通信端末11と第二の情報通信端末12と押印装置13と外部サーバー14とがそれぞれ遠隔の地に配置されてもよく、押印装置13を扱う(管理する)人が、依頼者15ではなく、第三の者であってもよい。
【0148】
本発明では実施の形態1~3が組み合わされてもよい。つまり、S101~S111までのステップを行った後、S201~S219のステップを行い、更にS301~S310のステップを行った後、S124~S133のステップを行ってもよい。
【0149】
また、外部サーバー14に、画像27を画像解析し、押印がされた状態の画像を作成する画像合成部を有してもよい。印刷書類25の押印されるべき箇所に押印画像(外部サーバー14に保存された承認者17の印影情報)が表示されるように画像27を解析合成し、その合成された画像27を、S119のステップにおいて、第一の情報通信端末11又は/及び第二の情報通信端末12に送信したり、S309のステップにおいて、第一の情報通信端末11又は/及び第二の情報通信端末12に送信したりしてもよい。この画像合成部を有すれば、依頼者15及び/又は承認者17が、印刷書類25に押印された状態が把握しやすくなる効果がある。また、押印装置13の映写部22を無くすことも可能となる。
【0150】
実施の形態1~3では、押印装置13は、プリンター21と映写部22と撮像部23と打印機24とを備える場合を例示したが、押印装置13は、撮像部23と打印機24とを備えていればよい。
つまり、言い換えると、外部サーバー14に送信された書面電子情報16が印刷され、印刷された印刷書類25を撮像し、外部サーバー14に送信する通信部を備えた撮像部23と、外部サーバー14から送信された押印指示指令49を受信して動作する電力供給部29と、電力供給部29の電力の供給により、承認者17の判子30が直線的に動かされる動作部28を備えていればよい。この構成によれば、判子30が直線的に動かされて印刷書類25に判子30の印影を記録することができ、簡易な構造の押印装置13とすることができる。
【0151】
なお、撮像部23が独立した制御部を有し、外部サーバー14と情報を送受信可能な通信部を有する装置であり、かつ、打印機24の電力供給部29が独立した制御部を有し、外部サーバー14と情報を送受信可能な通信部を有する装置であることが好ましい。言い換えると、撮像部23と電力供給部29とは、制御部と通信部とをそれぞれに有している。
この押印装置13によれば、撮像部23の制御部及び通信部と、電力供給部29の制御部及び通信部とが別々であることから、どちらか一方の故障の際にも、交換が容易になる。また、電力供給部29が商用電源から電力を取得することで、確実に打印機24を動作させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0152】
本発明の遠隔押印システムは、決裁書類などにおいて、承認者の確認を受け、判子による印影の記録が必要な際に、承認者が遠隔の地におり、書類に印影の記録を行えない場合であっても、遠隔操作で印影の記録が可能となるものである。
【符号の説明】
【0153】
10は遠隔押印システム、11は第一の情報通信端末、12は第二の情報通信端末、13は押印装置、14は外部サーバー、15は依頼者、16は書面電子情報、17は承認者、18~20は欠番、21はプリンター、22は映写部、23は撮像部、24は打印機、25は印刷書類、26は印影箇所、27は画像、28は動作部、29は電力供給部、30は判子、31は利用者管理部、32は書類電子情報管理部、33は自然言語処理部、34は書類保存部、35は承認者特定情報確認部、36は承認者送信先確認部、37は承認者連絡部、38は押印装置通信部、39は押印指示部、40は押印電子書類作成部、41は押印書類管理部、42は控え送信処理部、43は処理終了通知部、44は情報存在証明部、45は欠番、46は承認者特定情報、47は押印電子情報、48は押印許可信号、49は押印指示指令、50は電子認証情報、51~59は欠番、60は遠隔押印システム、61は押印者証明書確認部、62は証明書画像処理部、63は押印者肖像認証部、64は肖像画像処理部、65は承認者証明書、66は証明書画像、67は証明書氏名特定情報、68は証明書画像要求、69は決定処理、70は肖像画像、71は肖像画像要求、72は静止画、73~79は欠番、80は遠隔押印システム、81は書面電子情報送信部、82は部、83は印刷書類画像解析部、84は打印命令送信部、85は、押印許諾通知、86は押印箇所、87は記録箇所、88は押印許可許諾信号。
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
図9
図10
図11