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特開2022-8452液晶表示装置用のエッジライト型バックライトユニット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022008452
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】液晶表示装置用のエッジライト型バックライトユニット
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20220105BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20220105BHJP
   G02B 5/00 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
F21S2/00 441
G02F1/13357
G02B5/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021153054
(22)【出願日】2021-09-21
(62)【分割の表示】P 2017512660の分割
【原出願日】2015-05-13
(31)【優先権主張番号】61/994,369
(32)【優先日】2014-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/151,508
(32)【優先日】2015-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(72)【発明者】
【氏名】ティエリー リュック アラン ダヌー
(72)【発明者】
【氏名】ジャック ゴリアー
(72)【発明者】
【氏名】シェンピン リ
(72)【発明者】
【氏名】イン ヂャン
【テーマコード(参考)】
2H042
2H391
3K244
【Fターム(参考)】
2H042AA02
2H042AA19
2H042AA26
2H391AA13
2H391AB04
2H391AB21
2H391AC03
2H391AD03
2H391AD13
3K244AA01
3K244BA11
3K244CA03
3K244DA01
3K244EA02
3K244EA12
3K244FA12
(57)【要約】
【課題】液晶表示装置用のエッジライト型バックライトユニットとそれを用いた表示装置を提供する。
【解決手段】第一主要面、第二主要面、およびそれらの間の厚さTh1を有するガラス板と、該ガラス板に接合された光カプラーであって、該ガラス板のエッジ部分に沿って該第一主要面または該第二主要面の少なくとも一方に接着されそれらの上に延在する少なくとも1つのテーパー部分を有し、前記テーパー部分は入力端面、反射端面、および出力端面を含み、前記反射端面は前記出力に対してテーパー角を成す光カプラーと、該光カプラーの前記入力端面に隣接して位置決めされた光源であって、前記入力端面の幅Th2は、前記光源の幅Wdの1倍から1.5倍の範囲であり、前記厚さTh1の前記幅Th2に対する比が0.5~1.0の範囲である光源と、前記テーパー部分の前記反射端面に隣接して位置決めされた反射部材とを含むバックライトユニット。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一主要面、第二主要面、およびそれらの間の厚さTh1を有するガラス板と;
該ガラス板に接合された光カプラーであって、該ガラス板のエッジ部分に沿って該第一主要面または該第二主要面の少なくとも一方に接着されそれらの上に延在する少なくとも1つのテーパー部分を有し、前記少なくとも1つのテーパー部分は入力端面、反射端面、および出力端面を含み、前記反射端面は前記出力に対してテーパー角を成す、光カプラーと;
該光カプラーの前記入力端面に隣接して位置決めされた光源であって、前記入力端面の幅Th2は、前記光源の幅Wdの1倍から1.5倍の範囲であり、前記厚さTh1の前記幅Th2に対する比が0.5~1.0の範囲である、光源と;
前記少なくとも1つのテーパー部分の前記反射端面に隣接して位置決めされた反射部材と;
を含む、バックライトユニット。
【請求項2】
前記光カプラーが、前記ガラス板のエッジ面に隣接した台座部を含む、請求項1に記載のバックライトユニット。
【請求項3】
前記光カプラーが、それぞれが前記第一および第二主要面に接着された一対のテーパー部分を有する、請求項1または2に記載のバックライトユニット。
【請求項4】
前記ガラス板がnの屈折率を有し、前記光カプラーがnの屈折率を有し、ならびにn-nが、-0.4から0.8の範囲である、請求項1に記載のバックライトユニット。
【請求項5】
前記光カプラーが溝を有し、前記ガラス板が該溝内に位置決めされている、請求項1に記載のバックライトユニット。
【請求項6】
ディスプレイパネルと;
該ディスプレイパネルを照らすように構成されたバックライトユニットであって、
第一主要面、第二主要面、およびそれらの間の厚さTh1を有するガラス板と;
該ガラス板のエッジ部分に沿って該第一主要面に接着された光カプラーであって、少なくとも1つのテーパー部分を有し、前記少なくとも1つのテーパー部分は入力端面、反射端面、および出力端面を含み、前記反射端面は前記出力に対してテーパー角を成す、光カプラーと;
前記少なくとも1つのテーパー部分の前記反射端面に隣接して位置決めされた反射部材と;
を含むバックライトユニットと;
該光カプラーの入力端面に隣接して位置決めされた光源であって、前記入力端面の幅Th2は、前記光源の幅Wdの1倍から1.5倍の範囲であり、前記厚さTh1の前記幅Th2に対する比が0.5~1.0の範囲である、光源と;
を含む、表示装置。
【請求項7】
前記光カプラーが、前記ガラス板のエッジ面に隣接した台座部を含む、請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記光カプラーが、それぞれが前記第一および第二主要面に接着された一対のテーパー部分を有する、請求項6または7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記光カプラーが溝を有し、前記ガラス板が該溝内に位置決めされている、請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記溝が底面を有し、前記光カプラーの長さLが、前記入力端面と該溝の該底面との間の距離L1と、該溝の深さL2との合計に等しく、かつ比率L2/Lが、0.1から0.9の範囲である、請求項9に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願との相互参照】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条の下、2014年5月16日に出願された米国特許仮出願第61/994,369号明細書および2015年4月23日に出願された米国特許仮出願第62/151508号明細書に対する優先権の恩典を主張するものであり、なお、本出願は、当該仮出願の内容に依拠し、ならびに参照により当該仮出願の全体が本明細書に組み入れられる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、液晶表示装置用のエッジライト型バックライトユニット、より詳細には、光源とバックライトユニットを含む導光板との間において光を結合させるように構成された光カプラーを含む、バックライトユニットを対象とする。
【背景技術】
【0003】
液晶ディスプレイ(LCD)パネルは、典型的には、その間に液晶材料が配設された2片の薄いガラス(カラーフィルター基板およびTFT基板)、ポリマー導光体(例えば、ポリ(メチルメタクリレート)-PMMA)、およびいくつかの薄いプラスチックフィルム(ディフューザ、DBEFフィルムなど)を含む。PMMAの弾性率が乏しいため、当該構造体全体は、特に大きなディスプレイパネルの場合、強い物理的衝撃に耐えるには不十分な剛性しか有し得ない。PMMAのヤング率は約2ギガパスカル(GPa)である。対照的に、ほとんどのシリカベースのガラスは、約72GPaのヤング率を有する。結果的に、堅さを提供するために追加の機械的構造が必要となり得る。
【0004】
湿度試験は、PMMAが湿気に敏感であり、寸法が最大約0.5%まで変わり得ることを示している。約1メートルの長さのポリマー導光体では、上記のことは、約5ミリメートルの寸法増加を意味し、これは重大であり、結果として、バックライトユニットの機械的設計を困難にしている。典型的には、PMMAの膨張に適応するために、光源(例えば、発光ダイオード-LED)とPMMA導光体との間に空気ギャップが提供される。残念ながら、光源とPMMA導光体との間の光結合は、光源と導光体との間の距離に影響を受けやすく、これは、湿度の関数としてディスプレイの明るさを変える原因になり得る。
【0005】
PMMAは、約75×10-6/℃の熱膨張率(CTE)を有し、約0.2W/m/Kの比較的低い熱伝導率を有し、その一方で、シリカベースのガラスにおける同様の特性は、8×10-6/℃および0.8W/m/Kであり得る。PMMAはさらに、約105℃の塑性遷移温度も有する。PMMAの低い熱伝導率は、材料からの熱放散を妨げる。したがって、導光体が光源に近いほど、多くのエネルギーを浪費し得て、PMMAは非常に熱くなり得る。
【0006】
PMMAの熱的、機械的、および寸法的安定性が乏しいことから、ガラス、例えばシリカベースのガラスなどが、液晶ディスプレイ(LCD)のバックライトユニットにおいてPMMAに対する潜在的代替策と目されている。しかしながら、高品質の光学グレードのガラスは、PMMAより製造するのが高価であり得、ガラスのコストは、より薄い導光体に対する技術的発展を促し、その一方で、導光体に接合しなければならないLEDのサイズ(例えば、場合によって、少なくとも2ミリメートル厚)は、LEDからの導光体への光の100%の結合に近づくことを可能にするために、従来の0.07ミリメートル(mm)厚のLCDガラスより厚いガラスを必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一態様において、第一主要面、第二主要面、およびそれらの間の厚さTh1を有するガラス板と、当該ガラス板に接合された光カプラーであって当該ガラス板のエッジ部分に沿って当該第一主要面または第二主要面の少なくとも一方に接着されそれらの上に延在する少なくとも1つのテーパー部分を有する光カプラーとを含むバックライトユニットについて開示する。光源、例えば1つまたは複数のLEDが、光カプラーの入力端面に隣接して位置決めされ得る。
【0008】
当該光カプラーは、さらに、ガラス板のエッジ面に隣接する台座部を含み得る。
【0009】
入力端面の幅Th2で除したガラス板の厚さTh1は、約0.5から1.0の範囲であり得る。
【課題を解決するための手段】
【0010】
いくつかの実施形態において、当該光カプラーは、それぞれがガラス板の第一および第二主要面に接着された一対のテーパー部分を有し得る。当該光カプラーはさらに、当該一対のテーパー部分の間に延在する台座部を有し得、さらに、ガラス板を受け入れるサイズの溝を有し得、この場合、ガラス板は、当該溝内に位置決めされる。当該溝は、底面を有し、光カプラーの長さLは、入力端面と当該溝の底面との間の距離L1と、溝の深さL2との合計に等しい。したがって、いくつかの実施形態において、比率L2/Lは、約0.1から約0.9の範囲であり得る。Lは、約1ミリメートルから約20ミリメートルの範囲、例えば、約1ミリメートルから約10ミリメートルの範囲であり得る。L2は、Th1の約1倍から約1.2倍の範囲、例えば、約1倍から約1.1倍の範囲、または約1.1倍から約1.05倍の範囲であり得る。Lの長さは、約1ミリメートルを超え得、例えば、約1.5ミリメートルを超え得、いくつかの実施形態では、約2ミリメートルを超え得る。
【0011】
いくつかの実施形態において、Δn=n-nは、約-0.4から約0.8の範囲であり得る。
【0012】
入力端面の幅Th2は、光源(例えば、LED)の幅Wdの1倍から1.5倍の範囲、例えば、約1倍から約1.25倍の範囲、または約1倍から約1.1倍の範囲であり得る。
【0013】
溝の幅Wxは、Th1の1倍から1.1倍の範囲であり得る。
【0014】
別の態様において、ディスプレイパネルと、当該ディスプレイパネルを照らすように構成されたバックライトユニットであって、第一主要面、第二主要面、およびそれらの間の厚さTh1を有するガラス板、当該ガラス板のエッジ部分に沿って当該第一主要面に接着された、少なくとも1つのテーパー部分を有する光カプラー、ならびに当該光カプラーの入力端面に隣接して位置決めされた光源、を含むバックライトユニットと、を含む表示装置について説明する。当該光カプラーは、当該ガラス導光板のエッジ面に隣接した台座部を含み得る。ある特定の実施形態において、入力端面の幅Th2で除したTh1は、約0.5から1.0の範囲であり得る。
【0015】
当該光カプラーは、それぞれが当該ガラス板の第一および第二主要面に接着された一対のテーパー部分を有し得、さらに、ガラス板を受け入れるようなサイズの溝も有し得、この場合、当該ガラス板は、当該溝内に位置決めされる。当該光カプラーはさらに、当該一対のテーパー部分の間に延在する台座部を有し得る。当該溝は、底面を有し、光カプラーの長さLは、入力端面と当該溝の底面との間の距離L1と、溝の深さL2との合計に等しい。したがって、比率L2/Lは、約0.1から約0.9の範囲であり得る。Lは、約1ミリメートルから約20ミリメートルの範囲であってよい。当該溝の幅Wxは、Th1に等しくあり得る。
【0016】
当該導光板は、屈折率nを有し、当該光カプラーは、屈折率nを有し、ならびにn-nは、約-0.4から約0.8の範囲、例えば、約-0.3から約0.3の範囲、または約-0.2から約0.2の範囲であり得る。
【0017】
光カプラーの入力端面の幅Th2は、光源(例えば、LED)の幅Wdの1倍から1.5倍の範囲、例えば、約1倍から約1.25倍の範囲、または約1倍から約1.1倍の範囲であり得る。
【0018】
別の態様において、表示装置での使用のために構成された導光板であって、第一主要面、第一主要面に対向する第二主要面、およびそれらの間の厚さTh1を有するガラス板と、当該ガラス板の第一主要面および第二主要面のうちの少なくとも一方に接着された少なくとも1つのテーパー部分を有する光カプラーとを含む導光板について開示する。当該光カプラーは、ガラス板のエッジ面に隣接する台座部を含み得る。
【0019】
当該光カプラーは、幅Th2を有する入力端面を有し、ならびにTh2で除したTh1は、約0.5から1.0の範囲であり得る。
【0020】
いくつかの実施形態において、当該光カプラーは、それぞれがガラス板の第一および第二主要面に接着された一対のテーパー部分を有し、さらに、当該一対のテーパー部分の間に延在する台座部を有し得る。当該光カプラーはまた、ガラス板を受け入れるようなサイズの溝も有し得、この場合、当該ガラス板は、当該溝内に位置決めされる。当該溝は、底面を有し、光カプラーの長さLは、入力端面と当該溝の底面との間の距離L1と、溝の深さL2との合計に等しい。したがって、比率L2/Lは、約0.1から約0.9の範囲、例えば、約0.1から0.9の範囲、または約0.3から約0.9の範囲であり得る。溝の幅Wxは、Th1の1倍から1.1倍の範囲であり、それらの間の全ての範囲および部分範囲を含む。
【0021】
当該ガラス板は、屈折率nを有し、当該光カプラーは、屈折率nを有し、ならびにn-nは、約-0.4から約0.8の範囲、例えば、約-0.3から約0.3の範囲、または約-0.2から約0.2の範囲であり得る。
【0022】
さらに別の態様において、光カプラーを製造する方法であって、ポリマー材料を受け入れるための空洞を有する成形型アセンブリをガラス板のエッジ部分に適用するステップ、ポリマー材料を当該成形型アセンブリ中に注入するステップ、ガラス板から成形型アセンブリを取り外すステップを含み、当該成形型アセンブリを取り外した後のガラス板が、エッジ部分に沿ってガラス板の第一主要面および第二主要面のうちの少なくとも一方に接着された少なくとも1つのテーパー部分を有する光カプラーを含む方法について説明する。当該ポリマー材料は、例えば、PMMA材料またはポリカーボネート材料であり得る。当該ポリマー材料は、UV硬化性材料であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】ディスプレイパネルおよびバックライトユニットを示す、例示の液晶表示装置の側面断面図。
図2図1のバックライトユニットでの使用のための例示のLED光源の上面図。
図3】バックライトユニットのガラス導光板に接着された光カプラーを示す、図1の液晶表示装置での使用に好適なバックライトユニットの断面端縁図。
図4】カプラーの一方の端から見た、図3の光カプラーの拡大横断面図。
図5図3のバックライトユニットの斜視図。
図6】バックライトユニットのガラス導光板に接着された光カプラーの別の実施形態を示す、図1の液晶表示装置での使用に好適なバックライトユニットの断面端縁図。
図7図6のバックライトユニットの斜視図。
図8】いくつかの光カプラー寸法/特徴に対して算出された結合効率を示すプロット。
図9】さらに別の光カプラー構成の断面端部図。
図10A】光カプラーを直接的にガラス導光板に成形する様々な段階での断面図。
図10B】光カプラーを直接的にガラス導光板に成形する様々な段階での断面図。
図10C】光カプラーを直接的にガラス導光板に成形する様々な段階での断面図。
図11】光カプラー試料の写真。
図12】光カプラーを形成するためにポリマーブランクをフライス加工するステップを示す側面断面図。
図13図12からフライス加工されたブランクの最終形成段階を示す。
図14A】光カプラーを圧縮成形する様々な段階を示す側面断面図。
図14B】光カプラーを圧縮成形する様々な段階を示す側面断面図。
図14C】光カプラーを圧縮成形する様々な段階を示す側面断面図。
図15A】光カプラーを射出成形する様々な段階を示す側面断面図。
図15B】光カプラーを射出成形する様々な段階を示す側面断面図。
図15C】光カプラーを射出成形する様々な段階を示す側面断面図。
図16】本開示による別の例示の光カプラーの断面端部図。
図17図16の光カプラーの入力端面の様々な幅Th2における、カプラー長Lの関数としての、モデル化された光結合効率を示すグラフ。
図18】a)反射部材無し、b)99%のランバート反射率を有する反射部材、およびc)99%の正(鏡面)反射を有する反射部材での実施形態における、カプラー長Lの関数としての、光カプラー100におけるモデル化された光結合効率を示すグラフ。
図19図16の光カプラーの反射端面に隣接する反射部材による結合効率への影響を示す別のグラフ。
図20】導光板の屈折率nと光カプラーの屈折率nとの間の屈折率の差Δnが+0.1だった場合の、3つのカプラー入力幅Th2における、カプラー長の関数としての、モデル化された結合効率を示すグラフ。
図21】導光板の屈折率nと光カプラーの屈折率nとの間の屈折率の差Δnが-0.1だった場合の3つのカプラー入力幅Th2における、カプラー長の関数としての、モデル化された結合効率を示すグラフ。
図22】導光板(n)と光カプラー(n)との間の屈折率の差(Δn)の関数としての、モデル化された結合効率を示すグラフ。
図23】光カプラーと導光板の屈折率が、それぞれ、1.4および1.5である場合の、3つのカプラー長における、溝深さL2とカプラー長との間の比率(すなわち、L2/L)の関数としての、モデル化された結合効率を示すグラフ。
図24】光カプラー(n=1.6)と導光板(n=1.5)との間の屈折率の差が逆であったことを除いて図23に提示されたのと同じ条件下での、L2/Lの関数としての、モデル化された結合効率を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0024】
典型的な液晶表示装置10が図1に示されている。現在の説明にとって不可欠ではない構成要素は、明瞭化のために省略されている。液晶表示装置10は、上部ガラス板14(例えば、カラーフィルター)と下部ガラス板16(例えば、薄膜トランジスタ(TFT)、背面板)とその間に配置された液晶材料18とを含む液晶ディスプレイパネル12を含む。ガラス板14および16のエッジ部分は、液晶材料を上部ガラス板と下部ガラス板との間に密封するためのシーリング材料20、例えばUV硬化性接着剤などで密封されている。液晶表示装置10はさらに、導光板24と光源26とを含むバックライトユニット22を含む。近年の液晶表示装置は、典型的には、導光板の1つまたは複数のエッジに沿って配置された光源であって導光板の1つまたは複数のエッジに沿って導光板に光を入射するように構成された光源を含む。導光板内に入射した光は、導光板を通って伝搬し、ディスプレイパネル12がバックライトユニットによって照らされるような方向に、例えば様々な拡散フィルムおよび転向フィルムなどによって散乱される。
【0025】
図2を参照すると、LCDディスプレイを照らすために使用される典型的な光源26は、ストリップ形状の回路基板30の上に取り付けられた別個の発光ダイオード(LED)28の直線状配列として形成され得る。個々のLEDは、典型的には、四角形(例えば、長さL×幅Wdが、それぞれ7×2ミリメートル)を有し、当該配列における隣接するLEDは、約2ミリメートルから約5ミリメートルのギャップδにおいて離間される。
【0026】
先に述べたように、PMMAの代替としてガラスを検討した場合、当該ガラスの材料および製造コストは、バックライトユニットのコスト全体に対して著しい影響を有し得る。したがって、純粋なコスト基準から、より薄いガラスが望ましい。その一方で、ディスプレイパネル12を照らすために使用される個々のLEDのサイズが導光板の厚さと比べて比較的大きい場合、個々のLEDの幅寸法Wdがガラス導光板の厚さより少なからず大きくあり得るために、結果として、最適な量の光を光源からガラス導光板へと効率的に結合することが不可能になり得る。
【0027】
したがって、図3および4に示される一実施形態において、第一主要面32および第一主要面32に対向する第二主要面34を有するガラス導光板24を含むバックライトユニット22が示されている。導光板24はさらに、第一主要面32と第二主要面34との間に延在する少なくとも1つのエッジ面36を含む。第一主要面32と第二主要面34との間の導光板24の厚さTh1は、約0.5ミリメートルから約3ミリメートルの範囲、例えば、0.7ミリメートル以上、1ミリメートル以上、1.5ミリメートル以上、または2ミリメートル以上であり得、それらの間の全ての範囲および部分範囲を含む。いくつかの実施形態において、導光板24のTh1は、3ミリメートル以上であり得る。バックライトユニット22はさらに、そのエッジ部分42において導光板24の第一主要面32(または第二主要面34)に接合された光カプラー38を含む。例えば、光カプラー38は、屈折率整合接着剤44によってエッジ部分42に接合され得る。
【0028】
図4において最もよく分かるように、光カプラー38は、入力端面46、反射端面48、および出力端面50を含むテーパー部分40を含む。上記において説明したように、出力端面50は、屈折率整合接着剤44によってガラス導光板24のエッジ部分42に接合され得る。したがって、反射端面48は、出力端面50に対して角度αを形成し、αは、以下においてテーパー角と呼ぶ。光カプラー38はさらに、テーパー長Lを有し、これは、入力端面46と、反射端面48および出力端面50が収束する頂点との間の距離である。テーパー長Lは、約5ミリメートルから約30ミリメートルの範囲であり得、その間の全ての範囲および部分範囲を含み、例えば、約10ミリメートルから約20ミリメートルの範囲であり得る。
【0029】
図4をさらに参照すると、光源26(図4には示されていない)によって発生された光線52は、入力端面46に入り、当該光線が反射端面48から完全に内部的に反射される角度において反射端面48に当たり、それにより光線52は出力端面50から外に出て、導光板24のエッジ部分42に入る。
【0030】
図5は、ガラス導光板24に取り付けられたバックライトユニット22の斜視図を示している。図5に示されているように、導光板24のエッジ面36は長さLを有し、光カプラー38は長さLを有する。Lは、L以下であり得る。いくつかの実施形態において、Lは、Lの約80%以上またはLの約85%以上またはLの約90%以上またはLの約95%以上でさえあり得る。
【0031】
光カプラー38の結合効率は、2つの主要なパラメータである光カプラーのテーパー長Lおよびテーパー比TRの関数であり、この場合、TRは、TR=Th1/Th2として計算され、ここで、Th1はガラス導光板の厚さであり、Th2は入力端面46の長さである。
【0032】
図6および図7に示される別の実施形態において、光カプラー38は、導光板24のエッジ面36に隣接して延在する台座部54を有し得る。台座部54は、屈折率整合接着剤44によってエッジ面36に接合され得る。台座部54は、ガラス導光体の脆弱なエッジを保護し得る。その上、エッジ面36が表面粗さを有する場合、台座部54を屈折率整合材料によってエッジ面36に光学的に接着することにより、そのような粗さによって引き起こされる散乱を最小限に抑えることができる。
【0033】
光カプラーは、ディスプレイパネルのエッジの周りに位置決めされたディスプレイパネルベゼルによって隠され得、ならびに、通常、薄いベゼルが望ましいので、概して、テーパー長Lは、可能な限り短くされるべきである。また、最も薄い実用的なガラス導光板を得るためにも、テーパー比TRも可能な限り小さくすべきであり、例えば、約0.25から約1.5の範囲であるべきであり、この場合、その間の全ての範囲および部分範囲を含む。
【0034】
図8に表されたプロットは、Th2が2ミリメートルであることを仮定し、さらには10ミリメートルおよび20ミリメートルのテーパー長Lを考慮した場合の(それぞれ、曲線56および57)、Th1の関数としての、算出された結合効率(フレネル損失は無視される)を示している。テーパー長Lは、約10ミリメートルから約20ミリメートルの範囲であり、テーパー比Th1/Th2は、約0.5から約1.0の範囲、例えば、好適な光カプラー属性の例を表す約0.75である。
【0035】
シミュレーションは、光カプラー材料の屈折率と導光板の屈折率との間の小さな差は、光カプラーの性能にあまり影響せず、約+/-0.05までの光カプラー材料の屈折率と導光板の屈折率との間の差は、著しいさらなる光結合損失もなく、許容することができることを示している。
【0036】
製造プロセスに応じて、テーパーの終端で厚さがゼロに近づく傾向の光カプラーを製造することは困難であり得、そのため、いくつかの実施形態では、光カプラー38は、図9に示されるように、テーパー長Lの片端において1つの段を有するように形成することができる。すなわち、入力端面46に対向する光カプラーの頂点は、切頂されている。当該段は、第一主要面32(または第二主要面34)に対して90度の角度βを有し得る。しかしながら、角度βは、約120度までの角度であってもよい。当該段の段差dxが大きすぎる場合、光カプラー38中へと結合された光は、周りの空気中へと漏れ得るので、導光板24中への光の結合は、著しく低下する。
【0037】
一例として、Th1=1.5ミリメートルかつTh2=0.5ミリメートルと仮定し、さらに、10ミリメートルのテーパー長Lを仮定する場合、最大段差dxは、約90%の結合効率を得るためには約0.1ミリメートルである。典型的な段dxは、以下:
0<dx≦(Th2-Th1)/5
であるべきである。したがって、ある特定の実施形態において、0<|dx|≦0.5、0<|dx|≦0.45、0<|dx|≦0.3、0<|dx|≦0.2、または0<|dx|≦0.1である。
【0038】
好適な光カプラーの製造は、いくつかの方法においてアプローチすることができる。例えば、図10Aから図10Cに示された一実施形態では、透明UV硬化性樹脂が、ガラス導光板の主要面、例えば第一主要面32または第二主要面34に取り付けられた成形型中に注入され得る。図10Aから図10Cに表された当該実施形態において、成形型58は、部分58a、58b、58cを含むマルチパート成形型である。第一ステップにおいて、成形型58が、エッジ部分42の周りに形成される。光カプラーを形成するポリマー樹脂を注入するために、穴(図示されず)を、成形型のある部分(例えば、部分58b)などを通って開けることができる。注入穴、または穴の位置は、配列におけるLEDの間のギャップに一致するような位置であるべきである。成形型とガラス導光板24とによって画定された空洞60内にポリマー樹脂が注入されるときに成形型から空気を排出するために、追加の穴を使用することもできる。次に、図10Bに表されているように、ポリマー樹脂61が空洞60内に注入される。当該ポリマー樹脂を一旦硬化させ成形型から光カプラーを容易に取り出すために、当該成形型の一部分、例えば部分58cなどは、低弾性率材料、例えばシリコーンなどで作製することができ、それにより、形成された光カプラーからの成形型の取り外しが容易になる。図10Cは、成形型を取り外した後の光カプラー38を示している。本実施形態において、光カプラー38をガラス導光板上に直接的に形成することができるので、屈折率整合接着剤は必ずしも必要ではない。製造されたカプラーの写真が、図11に示されている。
【0039】
試料のテーパー形状は、3ミリメートルの直径のタングステンカーバイド切削工具62を備える垂直軸フライス加工装置において機械加工されている(図12)。図12によると、好適なテーパー角α、例えば3.18°を表示するために、ポリマー(例えば、PMMA)ブランク64が、傾斜させた万力66に固定されている。フライス加工の際、補強部材68を使用することにより、当該ポリマーブランクに剛直さを与えることができる。光カプラーの内側のみ(例えば、出力端面50)が機械加工されているので、その側が、硬化された屈折率が光カプラー材料の屈折率に実質的に一致するエポキシを使用してガラス導光板に接着されるであろう。屈折率整合接着剤による接着は、機械加工によって生じた表面粗さに起因する散乱を最小化するかまたは排除することができる。図13は、ポリマーブランクのフライス加工の工程を示している。出力端面50が形成されると、ポリマーブランクは、光カプラー38を製造するために、点線70に沿って切断され得る。2ミリメートルのLED高、およびガラス導光板の1.5ミリメートル厚(Th1)を仮定する場合、理想的には、光カプラー38は、反射端面および出力端面が出会う厚さゼロに向かって長さLに沿って収束するであろう。しかしながら、ゼロの厚さは、一般的な機械加工ツールでは非現実的で達成不可能であるため、好適な目標の最小のチップ厚さは、例えば、50μmであり得る。
【0040】
大きなLCDディスプレイに対する1メートル以上の全長Lを有する光カプラー38としてそのような小さな部品を取り扱うことは、非実用的であり得る。したがって、さらなる実施形態では、複数の部品を製造し、横に並べてガラス導光体に取り付けることができ、それにより、Lより大幅に短い長さの複数の部品を連結させることによって、所望の長さLを達成することができる。これは、温度変化および熱膨張率の違いによる剥離を避けるためにも役立ち得る。
【0041】
図14Aから図14Cに示されるさらに別の実施形態では、圧縮成形によって、1ミリメートル厚のPMMAブランクを好適な光カプラーへと形成することができる。この技術は、射出成形に類似しているが、プロトタイプ化のために大きな設備を必要としない。この技術は、加熱されたポリマーブランク64を2つの鏡面研磨された半割成形型(すなわち、部分72aおよび72b)の間において圧縮するステップを用いる。場合によっては、2つの光カプラー38を同時に形成することにより、圧縮力のバランスを取ることができる。その場合、当該カプラーは連結しているため、点線74において切断することにより、当該連結したカプラーを別々の構成要素へと分離することができるであろう。それにもかかわらず、本圧縮技術は、幾何学的制御の限界、ならびに十分に低い粘度での成形に必要な高温に起因するポリマー劣化の可能性をも提示する。
【0042】
図15Aから図15Cに示されるさらに別の実施形態では、射出成形が、2つの相補的な部品76aおよび76bで作製される開閉式の成形型76と併せて使用され得る。組み立てられた成形型部品76aおよび76bは、それらの間に、溶融ポリマーまたはポリマー樹脂が注入される空洞78を形成する。約120~140℃において空洞78に溶融ポリマー(例えば、PMMAまたはポリカーボネート)を注入した後、成形型76を開けて、1つまたは複数の取り出し具80を使用して、注入されたピースを成形型空洞から押し出すことができる。当該射出成形された光カプラーは、次いで、例えば、点線84において、例えば熱線切断法によって、それらの注入スプルー82から分離されて、図15Cに示されるような光カプラー38を形成する。
【0043】
さらに別の実施形態では、図16において、光カプラー100が、当該光カプラーの長さLに対して垂直な断面において示されており、ならびに、台座部104によって連結された2つのテーパー部分102を含んで示されている。いくつかの実施形態において、テーパー部分102および台座部104は、例えば、屈折率整合接着剤によって、一緒に接着することができる別個の部分であり得る。しかしながら、他のある特定の実施形態では、当該テーパー部分および台座部は、同質の構成要素であり得る。すなわち、光カプラー100は、前述の方法のいずれかによって、単一の同質なピースとして成形もしくは機械加工することができる。
【0044】
光カプラー100は、導光板24を受け入れるサイズの溝106を有する疑似三角形であり得る。光カプラー100は、幅Th2を有する入力端面108、第一反射端面110、および第二反射端面112を有し、この場合、第一反射端面110および第二反射端面112はそれぞれ、出力端面114、116のそれぞれに対して角度αを形成する。光カプラー100は、入力端面108と溝106の底部115との間において長さL1を有し、この場合、溝106は、深さL2を有する。L1およびL2は一緒に、入力端面108に対して垂直な方向において、入力端面108と光カプラー100の最も遠い箇所との間の総距離を表す。L1およびL2の合計であるLは、カプラー長である。仮想線118および120はそれぞれ、反射端面110および112の延長部分を表しており、角度θにおいて収束し、この場合、θ=2・αである。光カプラー100は、例えばポリマー材料などから形成され得、屈折率nを有する。要するに、光カプラー100は、切頂された三角形、例えば、1つの頂点に形成された溝106を有する切頂された二等辺三角形のような断面において表されており、この場合、反射端面110の長さは、反射端面112の長さに等しい。溝106の幅は、導光板24の厚さTh1に等しいかまたはわずかに大きい。いくつかの実施形態において、反射部材122が、反射端面110、112に隣接するように位置決めされ得る。いくつかの実施形態において、反射部材124は、光源26と光カプラー100との間のギャップに隣接するように位置決めされる。反射部材122および124は、一緒に使用してもよく、または個別に使用してもよい。すなわち、いくつかの実施形態では、反射部材122が使用され得、他の実施形態では、反射部材124が使用され得、さらに他の実施形態では、反射部材122および124の両方が使用され得る。
【0045】
図17は、様々な入力端面幅Th2(すなわち、入力端面108の長さ)における、カプラー長Lの関数として、モデル化された光結合効率を示すグラフである。導光板の厚さTh1は、1.5ミリメートルであり、導光板24の屈折率n=1.5は、光カプラーの屈折率nに等しかった。溝106の幅Wx=1.5ミリメートルは、導光板24の厚さTh1に等しかった。LED光源の幅Wdは、2ミリメートルであって、当該LEDは0.1mmのギャップによって入力端面108から離間されると仮定した。反射部材は使用しなかった。データは、一番下の曲線から上向きに3.6ミリメートル、3.4ミリメートル、3.2ミリメートル、3.0ミリメートル、2.8ミリメートル、2.6ミリメートル、2.4ミリメートル、2.4ミリメートル、2.2ミリメートル、および2.0ミリメートルの入力端面108の寸法(すなわち、Th2)に対して、結合効率は、およそ2ミリメートルのカプラー長Lでの低い約46%から、約4ミリメートルから約15ミリメートルのカプラー長の範囲での高い約82%まで増加したことを示している。データはさらに、入力端面の幅Th2が3.6から2.0ミリメートルに減少するに従って、カプラー長Lの関数としての結合効率は増加し、より一定になったことも示している。カプラーの入力端面の幅Th2=3.6の場合、約2ミリメートルから約15ミリメートルのカプラー長の範囲にわたって、結合効率の正弦波の特徴がかなり顕著であり、その一方で、カプラー入力端面の幅Th2=2.0の場合、結合効率は、約4ミリメートルから約15ミリメートルのカプラー長範囲にわたって、非常に一定であることが、グラフから明かである。データはさらに、より高い結合効率は、入力端面の幅Th2がLEDの幅Wdとおよそ同じである場合に達成することができることも示している。
【0046】
図18は、a)反射部材なし、b)99%のランバート反射率を有する反射部材122および124、およびc)99%の正(鏡面)反射を有する反射部材122および124の実施形態における、カプラー長Lの関数としての、光カプラー100におけるモデル化された光結合効率を示すグラフである。導光板の厚さTh1は1.5ミリメートルであり、導光板24の屈折率n=1.5は、光カプラーの屈折率nに等しかった。溝106の幅Wx=1.5ミリメートルは、導光板24の厚さTh1に等しかった。LED光源の幅Wdは、2ミリメートルであり、LEDは入力端面108から0.1ミリメートルのギャップによって離間されると仮定した。データは、光カプラーの反射面に隣接する鏡面反射部材および光源26と入力端面108との間のギャップに隣接する鏡面反射部材の使用は、結合効率を高めるために有効であることを示している。データはまた、上記において説明したパラメータの場合、結合効率は、およそ1ミリメートルに等しいカプラー長Lでの低い約70%から、約4ミリメートル以上(例えば、15ミリメートルまで)でのおよそ一定の結合効率まで劇的に増加したことも示している。
【0047】
図19は、結合効率に対する、光カプラー100の反射端面に隣接する反射部材の影響を示す別のグラフである。左から右に、データは、光カプラー100の反射端面に隣接する反射部材無し;あるランバート反射率を有する反射部材124の使用;あるランバート反射率を有する反射部材122および124の使用;ある鏡面反射率を有する反射部材124の使用;およびある鏡面反射率を有する反射部材122および124の使用、の効果を示している。図18に関して、データは、反射部材を使用した場合に顕著な向上を示している。これは、反射部材が、ある鏡面反射率を有する場合に特にあてはまる。反射部材124を使用した場合、差は最小である。すなわち、あるランバート反射率を有する場合、反射部材122と併用して反射部材124を組み入れても、反射部材122を単独で使用する場合と比較して、結合効率において約0.2%の向上しか提供しない。一方、正(鏡面)反射率を有する場合、反射部材122と併用して反射部材124を組み入れても、反射部材122を単独で使用する場合と比較して、結合効率の向上を提供しない。
【0048】
図20は、3つのカプラー入力端面幅Th2(上から下に、2.0ミリメートル、2.2ミリメートル、および2.4ミリメートル)における、カプラー長の関数としての、モデル化された結合効率を示すグラフである。光カプラーの屈折率nは1.4であったが、その一方で、導光板24の屈折率は1.5であった。光カプラー出力の幅Wxは1.5ミリメートルであって、導光板の厚さに等しかった。カプラー長と溝深さとの間の比率L2/Lは0.5であった。LEDは、2ミリメートルの幅Wdを有すると仮定した。データは、Th2が増加するに従い(例えば、αが増加するに従い)、結合効率が低下することを示している。前のグラフと同様に、結合効率はまた、約4ミリメートルを超えるカプラー長L、例えば、約4ミリメートルと15ミリメートルとの間のカプラー長Lに対して、より一定になった。
【0049】
図21は、光カプラーの屈折率nが1.6に増えたことを除いて、図20と同じである。データは、図20に表されたのと同様の挙動を示しているが、各入力端面の幅Th2に対して結合効率全体がより低かった。
【0050】
図22は、導光板(n)と光カプラー(n)との間の屈折率の差、すなわちΔn=n-nの関数としての、モデル化された結合効率を示すグラフである。カプラー長Lは4ミリメートルと仮定し、その一方で、溝深さL2は、2ミリメートルと仮定した。光カプラー出力の幅Wxは、導光板の厚さTh1(すなわち、1.5mm)と同じであると仮定した。前述と同様に、LEDは、2ミリメートルの厚さWdを有し、LEDと入力端面との間のギャップは0.1mmに等しいと仮定した。データは、光カプラーの屈折率が導光板の屈折率におよそ等しい場合に、すなわち、屈折率の差の絶対値が|Δn|=0.1である場合に、最適な結合効率を達成することができることを示している。しかしながら、データはさらに、許容可能な結合効率(例えば、80%以上)は、0<|Δn|≦0.25、例えば、0<|Δn|≦0.20など、において達成することができることも示している。
【0051】
図23は、3つのカプラー長:i)5ミリメートル、ii)10ミリメートル、およびiii)15ミリメートルでの、溝深さL2とカプラー長との間の比率、すなわちL2/Lの関数としての、モデル化された結合効率を示すグラフである。光カプラー100の屈折率nは1.4に等しく、導光板24の屈折率nは1.5であった。カプラー出力の幅Wxは、導光板の厚さTh1、すなわち1.5ミリメートルに等しいと仮定した。LEDの幅Wdは、2ミリメートルであり、LEDと入力端面46との間のギャップは0.1ミリメートルに等しいと仮定した。カプラーの入力端面の幅Th2は、LEDの幅Wdに等しいと仮定した。データは、比率L2/Lが0.1から約0.4まで増加するとき、より短いカプラー長がより大きい結合効率を実証していることを示している。しかしながら、データはまた、結合効率が、約0.4の比率において収束し、3つのカプラー長の結合効率が、その後において、すなわち約0.9の比率まで、実質的に一定のままであったことも示している。
【0052】
図24は、光カプラー(n=1.6)と導光板(n=1.5)との間の屈折率の差が逆であることを除いて、図23で提示されたのと同じ条件下でのL2/Lの関数としての、モデル化された結合効率のグラフである。すなわち、Δn=n-nは、-0.1ではなく+0.1であった。データは、結合効率が0.1から0.9の範囲の比率(L2/L)において比較的一定であるが、結合効率全体は、Δn=n-nが負であるシナリオより約2.5%低いことを示しており、これは、わずかに負のΔn(すなわち、導光板24の屈折率が、光カプラー100の屈折率よりわずかに大きい)を用いることがより望ましいことを示唆している。
【0053】
本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書において開示される実施形態に対して様々な変更および変形を為すことができることは、当業者に明らかであろう。例えば、本明細書において説明される実施形態による導光板は、一般的な照明用途に使用することができ、バックライトユニットまたは表示装置と共に用いる必要はない。したがって、これらの実施形態が添付の特許請求の範囲およびその等価物の範囲内に含まれる限り、本開示は、これらの実施形態の変更および変形を網羅することが意図される。
【0054】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0055】
実施形態1
第一主要面、第二主要面、およびそれらの間の厚さTh1を有するガラス板と;
該ガラス板に接合された光カプラーであって、該ガラス板のエッジ部分に沿って該第一主要面または該第二主要面の少なくとも一方に接着されそれらの上に延在する少なくとも1つのテーパー部分を有する、光カプラーと;
該光カプラーの入力端面に隣接して位置決めされた光源と;
を含むバックライトユニット。
【0056】
実施形態2
前記光カプラーが、前記ガラス板のエッジ面に隣接した台座部を含む、実施形態1に記載のバックライトユニット。
【0057】
実施形態3
前記入力端面の幅Th2で除したTh1が、約0.5から1.0の範囲である、実施形態1~2のいずれかに記載のバックライトユニット。
【0058】
実施形態4
前記光カプラーが、それぞれが前記第一および第二主要面に接着された一対のテーパー部分を有する、実施形態1~3のいずれかに記載のバックライトユニット。
【0059】
実施形態5
前記光カプラーが溝を有し、前記ガラス板が該溝内に位置決めされる、実施形態4に記載のバックライトユニット。
【0060】
実施形態6
前記ガラス板がnの屈折率を有し、前記光カプラーがnの屈折率を有し、ならびにn-nが、約-0.4から約0.8の範囲である、実施形態4に記載のバックライトユニット。
【0061】
実施形態7
入力端面の幅Th2が、光源の幅Wdの1倍から1.5倍の範囲である、実施形態1~4のいずれかに記載のバックライトユニット。
【0062】
実施形態8
前記溝が底面を有し、この場合、前記光カプラーの長さLが、前記入力端面と該溝の該底面との間の距離L1と、該溝の深さL2との合計に等しく、ならびに比率L2/Lが、約0.1から約0.9の範囲である、実施形態5に記載のバックライトユニット。
【0063】
実施形態9
が、約1ミリメートルから約20ミリメートルの範囲である、実施形態5に記載のバックライトユニット。
【0064】
実施形態10
が、約1ミリメートルから約10ミリメートルの範囲である、実施形態5に記載のバックライトユニット。
【0065】
実施形態11
さらに、前記一対のテーパー部分の間に延在する台座部を含む、実施形態4に記載のバックライトユニット。
【0066】
実施形態12
前記溝の幅Wxが、Th1の1倍から1.1倍の範囲である、実施形態5に記載のバックライトユニット。
【0067】
実施形態13
ディスプレイパネルと;
該ディスプレイパネルを照らすように構成されたバックライトユニットであって、
第一主要面、第二主要面、およびそれらの間の厚さTh1を有するガラス板と;
該ガラス板のエッジ部分に沿って該第一主要面に接着された光カプラーであって、少なくとも1つのテーパー部分を有する光カプラーと
を含むバックライトユニットと;
該光カプラーの入力端面に隣接して位置決めされた光源と;
を含む表示装置。
【0068】
実施形態14
前記光カプラーが、前記ガラス板のエッジ面に隣接した台座部を含む、実施形態13に記載の表示装置。
【0069】
実施形態15
前記入力端面の幅Th2で除したTh1が、約0.5から1.0の範囲である、実施形態13~14のいずれかに記載の表示装置。
【0070】
実施形態16
前記光カプラーが、それぞれが前記第一および第二主要面に接着された一対のテーパー部分を有する、実施形態15に記載の表示装置。
【0071】
実施形態17
前記光カプラーが溝を有し、前記ガラス板が該溝内に位置決めされる、実施形態16に記載の表示装置。
【0072】
実施形態18
前記ガラス板がnの屈折率を有し、前記光カプラーがnの屈折率を有し、ならびにn-nが、約-0.4から約0.8の範囲である、実施形態16に記載の表示装置。
【0073】
実施形態19
入力端面の幅Th2が、前記光源の幅Wdの1倍から1.5倍の範囲である、実施形態16に記載の表示装置。
【0074】
実施形態20
前記溝が底面を有し、この場合、前記光カプラーの長さLが、前記入力端面と該溝の該底面との間の距離L1と、該溝の深さL2との合計に等しく、ならびに比率L2/Lが、約0.1から約0.9の範囲である、実施形態17に記載の表示装置。
【0075】
実施形態21
が、約1ミリメートルから約20ミリメートルの範囲である、実施形態17に記載の表示装置。
【0076】
実施形態22
前記光カプラーがさらに、前記一対のテーパー部分の間に延在する台座部を有する、実施形態16に記載の表示装置。
【0077】
実施形態23
前記溝の幅Wxが、Th1の1倍から1.1倍の範囲である、実施形態17に記載の表示装置。
【0078】
実施形態24
第一主要面、該第一主要面に対向する第二主要面、およびそれらの間の厚さTh1を有するガラス板と;
該第一主要面および該第二主要面の少なくとも一方に接着された少なくとも1つのテーパー部分を有する光カプラーと;
を含む液晶表示装置での使用のために構成された導光板。
【0079】
実施形態25
前記光カプラーが、前記ガラス板のエッジ面に隣接した台座部を含む、実施形態24に記載の導光板。
【0080】
実施形態26
前記光カプラーが、幅Th2を有する入力端面を有し、ならびにTh2で除したTh1が、約0.5から1.0の範囲である、実施形態24~25のいずれかに記載の導光板。
【0081】
実施形態27
前記光カプラーが、それぞれが前記第一および第二主要面に接着された一対のテーパー部分を有する、実施形態24~26のいずれかに記載の導光板。
【0082】
実施形態28
前記光カプラーが溝を有し、前記ガラス板が該溝内に位置決めされる、実施形態27に記載の導光板。
【0083】
実施形態29
前記ガラス板がnの屈折率を有し、前記光カプラーがnの屈折率を有し、ならびにn-nが、約-0.4から約0.8の範囲である、実施形態27に記載の導光板。
【0084】
実施形態30
前記溝が底面を有し、この場合、前記光カプラーの長さLが、入力端面と該溝の該底面との間の距離L1と、該溝の深さL2との合計に等しく、ならびに比率L2/Lが、約0.1から約0.9の範囲である、実施形態28に記載の導光板。
【0085】
実施形態31
さらに、前記一対のテーパー部分の間に延在する台座部を含む、実施形態27に記載の導光板。
【0086】
実施形態32
前記溝の幅Wxが、Th1の1倍から1.1倍の範囲である、実施形態27に記載の導光板。
【0087】
実施形態33
成形型アセンブリをガラス板のエッジ部分に適用するステップであって、該成形型アセンブリが、ポリマー材料を受け入れるための空洞を有するステップと;
該ポリマー材料を該成形型アセンブリ内に注入するステップと;
該成形型アセンブリを取り除くステップと;
を含む、光カプラーの製造方法であって、
該成形型アセンブリを取り除いた後の該ガラス板が、該エッジ部分に沿って該ガラス板の第一主要面および第二主要面の少なくとも一方に接着された少なくとも1つのテーパー部分を有する光カプラーを含む、
方法。
【0088】
実施形態34
前記ポリマー材料が、PMMA材料またはポリカーボネート材料である、実施形態33に記載の方法。
【0089】
実施形態35
前記ポリマー材料が、UV硬化性材料である、実施形態33~34のいずれかに記載の方法。
【符号の説明】
【0090】
10 液晶表示装置
12 液晶ディスプレイパネル
14 上部ガラス板
16 下部ガラス板
18 液晶材料
20 シーリング材料
22 バックライトユニット
24 導光板
26 光源
28 発光ダイオード
30 回路基板
32 第一主要面
34 第二主要面
36 エッジ面
38、100 光カプラー
40、102 テーパー部分
42 エッジ部分
44 屈折率整合接着剤
46、108 入力端面
48 反射端面
50、114、116 出力端面
52 光線
54、104 台座部
56、57 曲線
58 成形型
58a、58b、58c 成形型の部分
60 空洞
61 ポリマー樹脂
62 切削工具
64 ポリマーブランク
66 万力
68 補強部材
70、74、84 点線
72a、72b 半割成形型
76 開閉式の成形型
76a、76b 相補的な部品、成形型部品
78 空洞
80 取り出し具
82 注入スプルー
106 溝
110 第一反射端面
112 第二反射端面
115 底部
118、120 仮想線
122、124 反射部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図11
図12
図13
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
図15C
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24