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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022008455
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】延伸性ラミネート
(51)【国際特許分類】
   B32B 5/26 20060101AFI20220105BHJP
   B32B 7/022 20190101ALI20220105BHJP
   B32B 27/30 20060101ALI20220105BHJP
   D06M 17/00 20060101ALI20220105BHJP
   A41D 31/02 20190101ALI20220105BHJP
【FI】
B32B5/26
B32B7/022
B32B27/30 D
D06M17/00 M
A41D31/02 A
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021153144
(22)【出願日】2021-09-21
(62)【分割の表示】P 2019518112の分割
【原出願日】2017-10-03
(31)【優先権主張番号】62/403,805
(32)【優先日】2016-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100093665
【弁理士】
【氏名又は名称】蛯谷 厚志
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100147212
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム ケルシー
【テーマコード(参考)】
4F100
4L032
【Fターム(参考)】
4F100AJ02A
4F100AJ04A
4F100AJ08A
4F100AK03A
4F100AK03B
4F100AK03C
4F100AK03E
4F100AK17A
4F100AK17B
4F100AK17C
4F100AK17E
4F100AK18B
4F100AK18D
4F100AK29C
4F100AK41A
4F100AK41B
4F100AK41C
4F100AK41E
4F100AK43A
4F100AK46A
4F100AK46C
4F100AK51A
4F100AK51B
4F100AK51C
4F100AK51D
4F100AK51E
4F100AK52C
4F100AK54B
4F100AK54E
4F100AL01A
4F100AL02C
4F100AL09C
4F100AN01C
4F100BA04
4F100BA07
4F100BA32D
4F100CB00D
4F100DG01C
4F100DG11A
4F100DG12A
4F100DG13A
4F100DG15C
4F100EC182
4F100EJ37B
4F100GB72
4F100JK02
4F100JK07C
4F100JK08
4F100JL11
4L032AA02
4L032AA03
4L032AA04
4L032AA05
4L032AA06
4L032AB01
4L032AB02
4L032AC02
4L032BC01
4L032DA01
4L032EA00
(57)【要約】
【課題】良好な延伸性ラミネートなどを提供すること。
【解決手段】本発明は、可視表面上に平らな外観を有する延伸性ラミネートを提供する。該ラミネートは、テキスタイル層、機能層及び複数の弾性繊維を含む。複数の弾性繊維は実質的に平行な構成であり、隣接繊維間の内部距離は最大繊維間隔を超えない。これは延伸状態におけるラミネートの厚さに依存する。延伸性ラミネートを含む衣類及び履物、ならびに延伸性ラミネートの製造方法も提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の表面及び第二の表面を有するテキスタイル層と、
前記テキスタイル層の少なくとも1つの表面上に配置された機能層と、
前記テキスタイル層及び/又は機能層の少なくとも1つの上に実質的に平行な構成で配置された、ある隣接繊維間隔距離を有する複数の弾性繊維と、
を含む、延伸性ラミネートであって、
少なくとも80%の弾性繊維は最大繊維間隔より小さい隣接間隔を有し、ミリメートルでの最大繊維間隔は延伸状態の延伸性ラミネートのミリメートルでの厚さの3.0倍以下であり、
i)前記複数の弾性繊維は前記テキスタイル層と前記機能層との間に配置されており、
ii)前記機能層は前記テキスタイル層の第一の表面に配置され、そして前記複数の弾性繊維は前記テキスタイル層とは反対側の前記機能層の面に配置されており、又は、
iii)前記機能層は前記テキスタイル層の第二の表面に配置され、そして前記複数の弾性繊維は前記テキスタイル層の第一の表面に配置されている、延伸性ラミネート。
【請求項2】
前記機能層の反対側の前記テキスタイルの表面は実質的に座屈がない、請求項1記載の延伸性ラミネート。
【請求項3】
隣接繊維間の最大距離は延伸性ラミネートの最大繊維間隔を超えない、請求項1又は2記載の延伸性ラミネート。
【請求項4】
前記複数の弾性繊維は0.1~1.5mmの内部距離で離間されている、請求項1~3のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
【請求項5】
前記複数の弾性繊維と前記テキスタイル層又は前記機能層との間に配置された接着剤層をさらに含む、請求項1~4のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
【請求項6】
前記テキスタイル層の材料は、ASTM試験方法D5035-06に従って測定されたときに、15%未満の伸び率を有する、請求項1~5のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
【請求項7】
前記テキスタイル層は非弾性材料である、請求項1~6のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
【請求項8】
前記テキスタイル層の材料は、綿、絹、セルロース、ウール、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリウレタン、フルオロポリマー、コポリマーのうちの少なくとも1つ又はそれらの組み合わせである、請求項1~7のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
【請求項9】
前記機能層は多孔質膜である、請求項1~8のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
【請求項10】
前記機能層はフルオロポリマー、ポリウレタン、コポリエーテル-エステル、ポリオレフィン、ポリエステルのうちの少なくとも1つ又はそれらの組み合わせである、請求項1~9のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
【請求項11】
前記機能層は延伸ポリテトラフルオロエチレン膜である、請求項1~10のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
【請求項12】
前記複数の弾性繊維は天然ゴム、ポリブタジエン、エラストマーポリオレフィン、ポリウレタン、シリコーン、フルオロエラストマー、エラスタン、ポリエステルを含有するブロックコポリマー、ポリエステル-ポリウレタン、ポリアミドのうちの少なくとも1つ又はそれらの組み合わせを含む、請求項1~11のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
【請求項13】
前記複数の弾性繊維は400デニール以下である、請求項1~12のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
【請求項14】
前記延伸性ラミネートは第二の機能層をさらに含み、前記複数の弾性繊維は前記機能層と前記第二の機能層との間に配置されている、請求項1~13のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
【請求項15】
前記第二の機能層はフルオロポリマー、ポリウレタン、コポリエーテル-エステル、ポリオレフィン、ポリエステルのうちの少なくとも1つ又はそれらの組み合わせである、請求項14記載の延伸性ラミネート。
【請求項16】
前記機能層及び前記第二の機能層は多孔質膜である、請求項14又は15記載の延伸性ラミネート。
【請求項17】
前記機能層及び前記第二の機能層は延伸ポリテトラフルオロエチレン膜である、請求項14~16のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
【請求項18】
第二のテキスタイル層をさらに含み、前記第二のテキスタイル層は前記機能層上又は前記第二の機能層上に配置されている、請求項1~17のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
【請求項19】
前記機能層又は前記第二の機能層とは反対側の前記第二のテキスタイル層の表面は25マイクロメートル以下の平均正規化表面粗さ(Ra)を有する、請求項18記載の延伸性ラミネート。
【請求項20】
最大正規化表面粗さ(Ra)は平均正規化表面粗さ(Ra)より50%を超えて大きくない、請求項1~19のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
【請求項21】
前記機能層とは反対側の前記テキスタイル層の表面は25マイクロメートル以下の最大正規化表面粗さ(Ra)を有する、請求項1~20のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
【請求項22】
第一の機能層上に実質的に平行な構成に配置された複数の弾性繊維を含み、場合により、第二の機能層をさらに含み、ここで、前記第二の機能層は前記第一の機能層上に配置されており、前記弾性繊維は前記第一の機能層と前記第二の機能層との間に配置されており、又は、前記第二の機能層は前記複数の弾性繊維とは反対側の面にある前記第一の機能層上に配置されており、そして前記複数の弾性繊維は繊維密度が少なくとも7.9繊維/センチメートルである、延伸性ラミネート。
【請求項23】
前記弾性繊維は40繊維/センチメートル以下の繊維間隔を有する、請求項22記載の延伸性ラミネート。
【請求項24】
前記第一の機能層と前記複数の弾性繊維との間に配置された接着層をさらに含む、請求項22~23のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
【請求項25】
前記第一の機能層及び前記第二の機能層は多孔質膜である、請求項22~24のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
【請求項26】
前記第一の機能層及び前記第二の機能層のそれぞれはフルオロポリマー、ポリウレタン、コポリエーテル-エステル、ポリオレフィン、ポリエステルのうちの少なくとも1つ又はそれらの組み合わせを独立して含む、請求項22~25のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
【請求項27】
前記第一の機能層及び前記第二の機能層は延伸ポリテトラフルオロエチレン膜である、請求項22~26のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
【請求項28】
前記複数の弾性繊維は天然ゴム、ポリブタジエン、エラストマーポリオレフィン、ポリウレタン、シリコーン、フルオロエラストマー、エラスタン、ポリエステルを含有するブロックコポリマー、ポリエステル-ポリウレタン、ポリアミドのうちの少なくとも1つ又はそれらの組み合わせを含む、請求項22~27のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
【請求項29】
前記複数の弾性繊維は400デニール未満である、請求項22~28のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
【請求項30】
前記弾性繊維とは反対側の前記機能層の表面は実質的に座屈がない、請求項22~29のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
【請求項31】
請求項1~30のいずれか1項記載の延伸性ラミネートを含む衣類。
【請求項32】
前記機能層は着用者から離れる方に向いている、請求項31記載の衣類。
【請求項33】
前記テキスタイル層は着用者から離れる方に向いている、請求項31記載の衣類。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
本出願は2016年10月4日に出願された米国仮特許出願第62/403,805号に対する優先権を主張し、その全体を参照により本明細書に取り込む。
【0002】
発明の技術分野
一般に、本発明は延伸性ラミネートに関する。より詳細には、本発明は、ラミネートが非延伸状態にあるときに、機能層とは反対側のテキスタイルの表面上に平らな外観を有するテキスタイルと機能層とのラミネートに関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
伸張特性を有する防水性の蒸気透過性ラミネートは衣類などの物品への取り込みに非常に望ましい。延伸特性は、衣類に動きの柔軟性が必要な場合に、又は、形状適合性衣類を達成するために望ましい。テーラーメイドされることなく、形状適合性衣類は着用者の快適さに悪影響を与えることなく、よりぴったり合った延伸特性を使用する。手袋、ミトン、靴下、ストッキング、スキーウェア、ランニングスーツ、アスレチック用衣類及び医療用圧縮物は、形状適合特性から利益を得るそのような衣類の幾つかの例である。
【0004】
現在のところ、防水用途における延伸性は、防水性及び透湿性を提供する機能層にラミネート化された弾性又は延伸性テキスタイルを使用することによって達成されうる。弾性又は延伸性テキスタイルは、弾性材料から製造されることができ、又は、テキスタイルに延伸性を付与するために弾性材料でコーティングされることができる。弾性又は延伸性の外側テキスタイルを用いることによって、これらのラミネートは、一般に、平らな表面外観を達成することができる。例えば、米国特許出願公開第2009/0227165号明細書は、平らな状態を維持しながら互いにラミネート化された焼結延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルムと延伸クロスとを含む延伸性複合布を開示している。米国特許出願公開第2013/0291293号明細書は、履物アセンブリ内で利用可能であり、4ポンドの力で少なくとも35%までの少なくとも1つの方向での延伸率を示し、そして少なくとも80%の回復率を示す、防水性で、通気性で、延伸回復性の複合材を開示している。
【0005】
米国特許第5,804,011号明細書は、水蒸気に対して透過性でありながら、空気不透過性及び防水性である延伸性層状布帛ラミネートを開示している。延伸性布帛ラミネートは、親水性水蒸気透過性合成ポリマーの層の各面に多孔質ポリマー材料の疎水性保護層からなる延伸性複合材料層を含む。複合材料層は少なくとも1層の延伸性布帛にラミネート化される。延伸性層状布帛ラミネートは、機械方向及び横断方向の両方向において優れた延伸特性及び回復特性を有し、防護服の形状適合物品の製造及び他の最終用途に有用である。さらに、非弾性テキスタイルを取り込む従来の延伸性ラミネートは、非延伸状態で粗い又は不均一な外観を有する傾向があり、乏しい審美性及び低い顧客受け入れをもたらす。例えば、表面ひだはラミネートの厚さを増大させ、ラミネートをより大きくし、そして着用するのを困難にするか、又は、靴舌などの小さな用途に取り込むのを困難にすることがある。非伸張状態又は緩和状態において、非弾性材料を取り込んだ従来の延伸性ラミネートの外面は、集群、波打ち、座屈及び/又は、ひだを有する。米国特許第6,713,415号明細書は、2つの不織布外層及び少なくとも400デシテックス及び少なくとも8糸/インチのエラストマー繊維の予備延伸内層に基づく、洗濯耐久性のある一体型複合材延伸性ひだ付き布帛及び該布帛の製造方法を開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
延伸性で通気性のラミネートを改良するために様々な試みがなされてきた。改良はなされてきたが、集群、波打ち、座屈及び/又はひだがない非弾性テキスタイルを取り込んだ平らなラミネートを作ることは不可能であった。さらに、これらの布帛の多くは、様々な程度の防水性、通気性、延伸性、延伸回復性及び快適性を得ている。しかしながら、非伸張状態で審美的外観を有する表面を有し、延伸性ラミネートにおいて使用されうる非弾性又は比較的非弾性のテキスタイルなどのタイプのテキスタイルを延伸している間に、衣類及び/又は履物に所望の特性を提供するための継続的な努力が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の簡単な概要
幾つかの実施形態において、本開示は、第一の表面及び第二の表面を有する非弾性材料を含むテキスタイル層、該テキスタイル層の少なくとも1つの表面上に配置された機能層、及び、該テキスタイル層及び/又は機能層の少なくとも1つの上に実質的に平行な構成で配置された、ある隣接繊維間隔距離を有する複数の弾性繊維を含む延伸性ラミネートであって、少なくとも80%の弾性繊維は最大繊維間隔より小さい隣接間隔を有し、ミリメートルでの最大繊維間隔は延伸状態の延伸性ラミネートのミリメートルでの厚さの3.0倍以下であり、
i)前記複数の弾性繊維は前記テキスタイル層と前記機能層との間に配置されており、
ii)前記機能層は前記テキスタイル層の第一の表面に配置され、そして前記複数の弾性繊維は前記テキスタイル層とは反対側の前記機能層の面に配置されており、又は、
iii)前記機能層は前記テキスタイル層の第二の表面に配置され、そして前記複数の弾性繊維は前記テキスタイル層の第一の表面に配置されている、ラミネートに関する。
【0008】
他の実施形態において、第一の表面及び第二の表面を有する非弾性材料を含むテキスタイル層、前記テキスタイル層の少なくとも1つの表面上に配置された機能層、及び、前記テキスタイル層及び/又は機能層の少なくとも1つの上に実質的に平行な構成で配置された複数の弾性繊維を含む、延伸性ラミネート及びそれから製造される衣類であって、前記機能層の反対側の前記テキスタイル層の表面は、非延伸状態において、平均正規化表面粗さ(Ra)が25マイクロメートル以下であり、ここで、
i)前記複数の弾性繊維は前記テキスタイル層と前記機能層との間に配置されており、
ii)前記機能層は前記テキスタイル層の第一の表面に配置され、そして前記複数の弾性繊維は前記テキスタイル層とは反対側の前記機能層の面に配置されており、又は、
iii)前記機能層は前記テキスタイル層の第二の表面に配置され、そして前記複数の弾性繊維は前記テキスタイル層の第一の表面に配置されている、
延伸性ラミネート及びそれから製造される衣類は提供される。
【0009】
幾つかの実施形態において、隣接繊維間の最大距離は、延伸性ラミネートの最大繊維間隔を超えない。幾つかの実施形態において、機能層とは反対側のテキスタイルの表面は、実質的に座屈又は不均一座屈がない。
【0010】
別の実施形態において、弾性繊維は、テキスタイル層の有無にかかわらず、2つの機能層の間に実質的に平行な構成で配置されていることができ、複数の弾性繊維とは反対側の機能層の表面は実質的に座屈がない。他の実施形態において、延伸性ラミネートは、第一の機能層上に実質的に平行な構成で配置された複数の弾性繊維を含み、場合により、第二の機能層をさらに含み、ここで、前記第二の機能層は前記第一の機能層上に配置されており、前記弾性繊維は前記第一の機能層と前記第二の機能層との間に配置されており、又は、前記第二の機能層は前記複数の弾性繊維とは反対側の面にある前記第一の機能層上に配置されており、そして前記複数の弾性繊維は繊維密度又は繊維の空間が少なくとも7.9繊維/センチメートルであり、例えば少なくとも8.0繊維/センチメートル、又は、少なくとも10.0繊維/センチメートルである。幾つかの実施形態において、延伸性ラミネートは、第一の表面及び第二の表面を有する材料を含むテキスタイル層、第一の機能層と第二の機能層との間に実質的に平行な構成で配置されている複数の弾性繊維を含み、ここで、前記第一の機能層又は前記第二の機能層は前記テキスタイル層の第一の表面上に配置されている。
【0011】
さらに別の実施形態において、弾性繊維は、機能層の面上、特に、テキスタイル層からみて機能層の反対面上に実質的に平行な構成で配置されうる。幾つかの実施形態において、延伸性ラミネートは、第一の表面及び第二の表面を有する材料を含むテキスタイル層、及び、機能層の面上に実質的に平行な構成で配置された複数の弾性繊維を有する機能層を含み、前記機能層は前記テキスタイル層と前記複数の弾性繊維との間に配置されている。
【0012】
さらなる実施形態において、弾性繊維はテキスタイル層の第一の表面上に実質的に平行な構成で配置されていてよく、そして機能層はテキスタイルの第二の表面上に配置されていてよい。延伸性ラミネートは、第一の表面及び第二の表面を有する材料を含むテキスタイル層、前記テキスタイル層の第一の表面上に実質的に平行な構成で配置された複数の弾性繊維、及び、前記テキスタイル層の第二の表面上に配置された機能層を含む。
【0013】
なおもさらなる実施形態において、機能層又はテキスタイル層は省略されてもよい。1つのそのような実施形態において、延伸性ラミネートは、第一の表面及び第二の表面を有する材料を含むテキスタイル層、前記テキスタイル層の第一の表面上に実質的に平行な構成で配置された複数の弾性繊維を含むことができる。他の実施形態において、テキスタイル層は省略されてもよい。別の実施形態において、延伸性ラミネートは機能層を含むことができ、ここで、複数の弾性繊維は前記機能層の表面上に実質的に平行な構成で配置されており、前記複数の弾性繊維は、延伸状態で測定されたときに、ラミネートの厚さに基づく最大繊維間隔以下の内部距離を有する。幾つかの実施形態において、繊維密度は少なくとも7.9繊維/センチメートルである。
【0014】
幾つかの実施形態において、弾性繊維のデニールは400デニール以下である。ある場合には、デニールは、本明細書に記載のように、300デニール、200デニール、150デニール以下のデニールである。幾つかの例において、機能層は、0.06mm未満、例えば、0.05mm未満、0.04mm未満又は0.03mm未満の厚さを有する。
【0015】
別の実施形態において、本明細書に開示されているラミネートを含む衣類は提供される。1つの実施形態において、ラミネートは、肘パネル、肩領域、側部パネル又は靴舌に使用される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図面の簡単な説明
本発明の利点は、特に添付の図面と併せて解釈されるときに、本発明の以下の詳細な開示を考慮すると明らかであろう。
【0017】
図1図1Aは本発明の実施形態による、非延伸状態で平らな外観を有する延伸性ラミネートの写真である。図1Bは非延伸状態で座屈表面を有する延伸性ラミネートの写真である。
【0018】
図2図2は本発明の実施形態による、非延伸状態で平らな表面を有する延伸性ラミネートの断面の概略図である。
【0019】
図3図3は本発明の実施形態による、機能層上の均一な間隔を開けた繊維の斜視図である。
【0020】
図4図4は本発明の実施形態による、非延伸状態で平らな表面を有する延伸性ラミネートの断面の概略図である。
【0021】
図5図5は本発明の実施形態による、非延伸状態で平らな表面を有する延伸性ラミネートの断面の概略図である。
【0022】
図6図6は本発明の実施形態による、非延伸状態で平らな表面を有する延伸性ラミネートの断面の概略図である。
【0023】
図7図7は本発明の実施形態による、非延伸状態で平らな表面を有する延伸性ラミネートの断面の概略図である。
【0024】
図8図8は本発明の実施形態による、非延伸状態で平らな表面を有する延伸性ラミネートの断面の概略図である。
【0025】
図9図9は衣類に取り込まれた延伸性ラミネートの概略図である。
【0026】
図10A図10Aはフィーチャ間隔を示す矢印付きの織布の写真である。
【0027】
図10B図10Bはフィーチャ間隔を示す矢印付きの編布の写真である。
【0028】
図11A図11Aは本発明の延伸性ラミネートの三次元表面プロットである。
【0029】
図11B図11Bは本発明の延伸性ラミネートの表面を横切る正規化表面粗さ(Ra)測定値のグラフである。
【0030】
図12A図12Aは不適切な弾性繊維間隔のために座屈表面を有する比較用の延伸性ラミネートの三次元表面プロットである。
【0031】
図12B図12Bは座屈表面を有する延伸性ラミネートの表面を横切る正規化Ra測定値のグラフである。
【0032】
図13A図13Aは本発明の延伸性ラミネートの三次元表面プロットである。
【0033】
図13B図13Bは本発明の延伸性ラミネートの表面を横切る正規化表面粗さ(Ra)測定値のグラフである。
【0034】
図14A図14Aは不適切な弾性繊維間隔のために座屈表面を有する比較用の延伸性ラミネートの三次元表面プロットである。
【0035】
図14B図14Bは座屈表面を有する延伸性ラミネートの表面を横切る正規化Ra測定値のグラフである。
【0036】
図15A図15Aは不適切な弾性繊維間隔のために座屈表面を有する比較用の延伸性ラミネートの三次元表面プロットである。
【0037】
図15B図15Bは座屈表面を有する延伸性ラミネートの表面を横切る正規化Ra測定値のグラフである。
【0038】
図16A図16Aは本発明の延伸性ラミネートの三次元表面プロットである。
【0039】
図16B図16Bは本発明の延伸性ラミネートの表面を横切る正規化表面粗さ(Ra)測定値のグラフである。
【0040】
図17図17は本発明のラミネート及び比較ラミネートの特性の表である。
【0041】
図18図18はラミネートの厚さvs繊維間隔のグラフであり、繊維間隔を正規化Ra値に相関させる。
【発明を実施するための形態】
【0042】
発明の詳細な説明
延伸性ラミネートが開示され、そして幾つかの実施形態において、非延伸状態で平らな外観を有する延伸性ラミネートが開示される。一般に、本発明の延伸性ラミネートはテキスタイル層及び/又は機能層、及び、複数の弾性繊維を含む。非弾性テキスタイル層であってもよいテキスタイル層とは別の弾性繊維を取り込むことにより、延伸性ラミネートは提供される。延伸性ラミネートは弾性繊維の方向に弾性を有する。本明細書に記載の層の幾つかの構成もまた本発明の範囲内である。さらに、接着剤層又はバッキング層などの他の層を本発明の延伸性ラミネートに取り込むこともできる。
【0043】
幾つかの実施形態において、本開示は、第一の表面及び第二の表面を有する材料を含むテキスタイル層、該テキスタイル層の少なくとも1つの表面上に配置された機能層、及び、該テキスタイル層及び/又は機能層の少なくとも1つに実質的に平行な構成で配置された複数の弾性繊維を含む、延伸性ラミネートを提供する。幾つかの実施形態において、複数の弾性繊維はテキスタイル層と機能層との間に配置される。他の実施形態において、機能層はテキスタイル層の第一の表面上に配置され、複数の弾性繊維はテキスタイル層とは反対側の機能層の面上に配置される。なおさらなる実施形態において、機能層はテキスタイル層の第二の表面上に配置され、そして複数の弾性繊維はテキスタイル層の第一の表面上に配置される。他の実施形態において、本開示は、第一の機能層上に実質的に平行な構成で配置された複数の弾性繊維を含み、場合により、さらに第二の機能層を含み、ここで、第二の機能層は第一の機能層上に配置され、弾性繊維が第一の機能層と第二の機能層との間に配置されているか、又は、第二の機能層は複数の弾性繊維とは反対側の面にある第一の機能層上に配置されており、そして複数の弾性繊維は繊維密度が少なくとも7.9繊維/センチメートルである、延伸性ラミネートを提供する。第二の機能層は、第一の機能層とは独立して選ばれることができ、そして第一の機能層について開示されたのと同一の材料から選ばれることができる。なおさらなる実施形態において、本開示は、第一の表面及び第二の表面を有する第一のテキスタイル層、該第一のテキスタイル層の少なくとも1つの表面上に配置された第二のテキスタイル層、及び、第一のテキスタイル層と第二のテキスタイル層との間に実質的に平行な構成で配置されているか、又は、第一のテキスタイル層又は第二のテキスタイル層の少なくとも一方の上に配置されている、複数の弾性繊維を含む、延伸性ラミネートを提供する。本発明の目的のために、「上に(on)」は、1つの層、例えばテキスタイル層の少なくとも一部が、隣接層、例えば機能層の少なくとも一部を覆っていることを意味することが意図されている。
【0044】
有利には、本発明の実施形態は、機能層とは反対側のラミネートのテキスタイル表面に平らな外観を提供し、美的外観をもたらすことができる。これは、審美的外観を損なう、表面上の望ましくない集群、波打ち、座屈及び/又はひだを除去する。特に形状適合衣類にとって、平らな外観は特に魅力的である。平らな外観は、機能層とは反対側のラミネートのテキスタイル表面を指す。幾つかの衣類の実施形態において、これは環境に面し、着用者の隣にはないラミネートの表面であり、表面上に望ましくない集群、波打ち、座屈及び/又はひだをもたらす不適合領域を導入することなくテキスタイルのテクスチャが見える。他の衣類の実施形態において、機能層は、環境に面し、着用者の隣にはない外側層であることができる。機能層が環境に面している層である実施形態において、テキスタイル表面は内側層であることができ、それは着用者に不快な感覚的感触を引き起こすことがある集群、波打ち、座屈及び/又はひだを表面上に導入することなく着用者の皮膚又は他の衣類に隣接している。本開示の目的のために、集群、波打ち、座屈及び/又はひだは、機能層とは反対側のテキスタイルの表面上に起伏をもたらす不適合であり、該起伏はラミネートの形成の前のテキスタイル層のテクスチャとは異なる。例えば、図1Aは機能層とは反対側のテキスタイル層の表面が目に見える座屈を有しない本発明の実施形態による例示的なラミネートであり、一方、許容できない座屈を有するラミネートを図1Bに示す。本明細書に記載されているように、図1B中の座屈は弾性繊維の不適切な配置構成によって引き起こされる。本発明の実施形態は、機能層とは反対側のテキスタイル層の表面上の集群、波打ち、座屈及び/又はひだを生じさせない弾性繊維の配置構成を提供することによって平らな外観を達成する。
【0045】
平らな外観の決定はテキスタイルのタイプ及びラミネートの層に応じて変化しうる。一般に、各テキスタイルは自然な表面のテクスチャを有する。本明細書に記載のラミネートは、テキスタイルの自然な表面のテクスチャ、例えば、ラミネートの形成前のテキスタイルの自然な表面のテクスチャを有意に変えない平らな外観を達成する。1つの実施形態において、非延伸状態での機能層とは反対側のテキスタイル層の表面は、25マイクロメートル以下、例えば20マイクロメートル以下、15マイクロメートル以下、10マイクロメートル以下又は5マイクロメートル以下の平均正規化表面粗さ(Ra)を有する。範囲に関しては、平均正規化Raは、1~25マイクロメートル、例えば5~25マイクロメートル又は10~20マイクロメートルであることができる。25マイクロメートル以下の平均正規化Raを有することによって、テキスタイル表面は、座屈及び他の不適合、例えば、ひだを実質的に含まない。幾つかの実施形態において、最大正規化表面粗さ(Ra)は、平均正規化表面粗さ(Ra)よりも50%を超えて大きくはない。他の実施形態において、テキスタイル層の表面は25マイクロメートル以下の最大正規化表面粗さ(Ra)を有する。
【0046】
表面の平坦度はプロフィロメトリーによって評価できる。端的には、プロフィロメトリーはラミネート見本の表面トポグラフィーを測定する。表面トポグラフィー測定値は、テキスタイル層の自然表面粗さを表すために正規化することができる。次いで、正規化表面粗さ(Ra)は、正規化表面トポグラフィデータから計算することができる。例えば、ツイード又はフリースは、平織ナイロンよりも多くのテクスチャを有する自然な表面粗さを有することができる。正規化Raは、テスト手順で説明されているように、2つのフィーチャ長のフィルタウィンドウを使用する。正規化Raが25マイクロメートルより大きくなると、不適合の発生が増加し、それは平らでない外観及び劣った美観をもたらす。本明細書で使用されるとき、語句「実質的に座屈がない」は、正規化Raが25マイクロメートル以下であることを意味する。
【0047】
図2に示すように、ラミネート1は、テキスタイル層10、複数の弾性繊維20及び機能層40を含む。テキスタイル層10は第一の表面11及び第二の表面12を有する。第二の表面12は機能層40とは反対側にある表面である。機能層40はテキスタイル層10の第一の表面11上に配置されている。テキスタイル層10と機能層40との間には、複数の弾性繊維20が配置されている。各弾性繊維20は互いに対して実質的に平行な構成で配置されており、dの内部間隔を有する。機能層40と複数の弾性繊維20との間に接着剤層30は配置されている。接着剤層30はまた、テキスタイル層10を機能層40に結合している。ラミネート1の厚さはテキスタイル層10及び層の数に応じて変化しうる。本明細書中で論じるように、弾性繊維20間の内部距離dは、ラミネート1の厚さに依存しうる。幾つかの実施形態において、延伸状態でのラミネート1の厚さは、0.05~4mm、例えば0.1~2mm又は0.1~1mmである。
【0048】
本発明は、非弾性又は比較的非弾性の材料から作られるテキスタイル層10を取り込んだラミネート1に有用であることができる。幾つかの実施形態において、ラミネート1は弾性材料を有するテキスタイルを取り込むことができ、そして弾性繊維20はラミネート1の弾性をさらに増大させることができる。非弾性材料は、弾性材料でコーティングされていない材料、又は、テキスタイル層へと織り込まれた又は編み込まれた弾性材料を含まない材料を含むことができる。したがって、幾つかの実施形態において、テキスタイル層10の材料は弾性を付与するいかなるエラストマー又は他の材料でもコーティングされておらず又は充填されていない。1つの実施形態において、テキスタイル層10の材料は、弾性繊維20の弾性よりも小さい弾性を有する。例えば、弾性繊維は、テキスタイル層よりも少なくとも1.5倍大きい弾性、少なくとも2倍、少なくとも3倍又は少なくとも4倍の弾性を有することができる。特定の実施形態において、テキスタイル層10は、ラミネート1の延伸特性とは無関係なテキスタイル層10がASTM試験方法D5035-06に従って測定して、15%以下の伸び率を有するように、非弾性材料から作られることができる。他の実施形態において、テキスタイル層の伸び率は、10%以下又は5%以下であることができる。
【0049】
テキスタイル層10は、織布層、編布層又は不織布層であることができる。用語「織布」は、よこ糸及びたて糸ヤーン又はフィラメントから構成されたあらゆるテキスタイル構造を包含しうる。用語「編布」は、特にあらゆる形態の縦編物及び丸編物を含むが、ループを形成するように1つ以上のヤーン又はフィラメントを巻きつけることによってテキスタイル構造が製造されるあらゆる他の構成も網羅することが広く理解されるべきである。したがって、本明細書で使用されるときに、編布はまた、編組構造とも呼ばれることがある構成をも網羅することができる。図2に示すように、テキスタイル層10は織布層である。幾つかの実施形態において、テキスタイル層10は織布層又は編布層であることができる。パターンに応じて、編布層は本質的にある程度の延伸性を有することがあるが、それでもなお非弾性材料から作られていることができる。編布材料は、非弾性ヤーンであるヤーンから、又は、弾性コーティングを含まないヤーンから編まれることができる。幾つかの実施形態において、第二のテキスタイル層又は後続のテキスタイル層を使用することができ、各第二のテキスタイル層又は後続のテキスタイル層は、上記のテキスタイル層とは独立して選ばれる。
【0050】
幾つかの実施形態において、テキスタイル層10の材料は、天然繊維、又は、ポリマー繊維、又は、これらの繊維の混合物であることができる。天然繊維としては、例えば、綿、絹、セルロース及び/又はウールが挙げられる。ポリマー繊維としては、例えば、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリウレタン、フルオロポリマー及びそれらのコポリマーが挙げられる。幾つかの実施形態において、テキスタイル層10の材料の少なくとも一部は、難燃性又は防火性テキスタイル材料であることができ、例えば芳香族ポリアミド、NOMEX(登録商標)ポリメタフェニレンイソフタルアミド、難燃性(FR)綿、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、FRレーヨン、モダクリル、モダクリルブレンド、炭素繊維、ガラス繊維、ポリアクリロニトリル、ポリテトラフルオロエチレン及びそれらのブレンドである。幾つかの実施形態において、テキスタイル層10はポリエステル又はナイロンなどのポリアミドである。テキスタイル層10の材料質量は15~500グラム/平方メートル(g/m)、又は、15~500g/mの任意の材料質量で変えることができる。他の実施形態において、テキスタイル層の材料質量は、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45又は50から最大400、425、450、475又は500g/mであることができる。他の実施形態において、より軽量又はより重量の材料もまた使用され得る。テキスタイル層10の厚さもまた変えることができ、一般的には0.05~4mm、例えば0.1~2mm又は0.1~1mmである。
【0051】
幾つかの実施形態において、機能層とは反対側のテキスタイル層10の表面12上に磨耗コーティングが存在することができる。磨耗コーティングは連続でも又は不連続でもよい。特定の実施形態において、磨耗コーティングは、シリコーン、ポリアミド、ポリエステル、エポキシ、ポリオレフィン又はポリウレタンの1つ以上の層を含むことができる。磨耗コーティングは、ラミネート1の防水性及び通気性を損なわないように適用することができる。
【0052】
機能層40は、通気性を与え、水不透過性を提供しながら水蒸気透過を可能にするように使用されうる。1つの実施形態において、機能層40は多孔質膜又は非孔質膜であることができる。別の実施形態において、機能層40は化学ガス、液体及び/又は微粒子に対するバリアとなりうる。「膜」は、本明細書で使用されるときに、水蒸気又は湿分を透過するが、防水特性を有するバリア又はフィルムである。幾つかの実施形態において、膜は、表面コーティング、吸収コーティング、ノード及びフィブリルコーティングなどのようなさらなる処理を受けており、フィルムとも呼ばれることもある。膜又はフィルムは、DIN EN 343(2010)に規定された要件が満たされる場合、すなわち、EN 20 811(1992)による静水圧に対する液体耐水性の試験が8000Pa以上の液体耐水性(Wp)を生じる場合に、防水特性を有すると考えられる。
【0053】
幾つかの実施形態において、機能層40及び、存在する場合には、任意要素の第二の機能層又は後続の機能層は、ポリウレタン、コポリエーテル-エステル、ポリオレフィン、ポリエステル、フルオロポリマーのうちの少なくとも1つ又はそれらの組み合わせを含む。適切なフルオロポリマーとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(FEP)、及び、テトラフルオロエチレン-(ペルフルオロアルキル)ビニルエーテルコポリマー(PFA)が挙げられる。幾つかの実施形態において、機能層は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜であることができる。用いることができる多孔質膜としては、例えば、Bacinoらによる米国特許第7,306,729号、Goreによる米国特許第3,953,566号、Bacinoによる米国特許第5,476,589号、Brancaらによる米国特許第5,183,545号、Bacinoによる米国特許第4,902,423号明細書によって作製された1層以上のePTFE膜が挙げられる。これらの各々は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。特定の実施形態において、機能層としてテトラフルオロエチレン(TFE)のコポリマーを挙げることができ、そして1種以上のモノマーはビニリデンジフルオリド(VDF)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、エチレン、ビニリデンフルオリド(VF)、ペルフルオロアルコキシ(PFA)、ペルフルオロエーテル、及び、トリフルオロエチレン、又は、それらの組み合わせである。あるいは、機能層40は、特にポリウレタン及び/又はポリエーテル-ポリエステルなどの親水性ポリマーから作製されたモノリシック膜を含むことができる。幾つかの実施形態において、延伸性ラミネートは第二の機能層又は後続の機能層を含むことができ、各第二の機能層又は後続の機能層は上記の機能層から独立して選ばれることができる。
【0054】
テキスタイル材料と同様に、機能層40の幾つかは、弾性繊維20の弾性よりも小さい弾性を有することができる。特に、ePTFEは比較的に非弾性の特性を有することができる。ePTFEを使用した機能層40の弾性は吸収されたエラストマーによって改善されうるが、これは機能層40を製造するための追加の工程を必要とする。さらに、吸収プロセスは必ずしも必要なく、該実施形態はエラストマーが吸収されているかどうかに関係なく機能層40を使用することができる。
【0055】
十分に防水特性を依然として提供しながら、良好な水蒸気透過性を達成するために、幾つかの実施形態において、機能層は、0.05μm~0.5μm、特に0.1μm~0.5μm、より特定的には0.2μm~0.45μmの平均流孔径を有する多孔質膜であることができる。他の実施形態において、機能層は通気性ポリウレタンフィルムであることができ、その場合には多孔性はない。さらに他の実施形態において、機能層は、工業用又は軍用グレードの衣類に有用である化学バリア用途などにおいて、非通気性かつ非多孔性の両方であることができる。
【0056】
機能層40がラミネートに取り込まれるとき、ラミネートは、少なくとも3000g /m/24hr、例えば少なくとも6000g/m/24hr、少なくとも8000g/m/24hr又は少なくとも12000g/m/24hrのDIN EN ISO 15496(2004)による水蒸気透過率(MVTR)を有することができ、そして3000~20000g/m/24hrの範囲を有することができる。許容可能なMVTRを維持するために、幾つかの実施形態において、弾性繊維20は、機能層40の表面積の40%以下、例えば20%以下を覆う。より低い表面被覆率はMVTRの有意な低下を回避することができる。
【0057】
機能層40は、典型的には、非常に薄い層である。1つの実施形態において、機能層40の厚さは0.01~0.5mm、例えば0.01~0.3mmである。幾つかの実施形態において、機能層は、0.06mm未満、0.05mm未満、0.04mm未満又は0.03mm未満の厚さを有する。
【0058】
限定されないが、疎油性及び疎水性などの機能性を付与する追加の処理が提供されてもよい。幾つかの実施形態において、膜を疎油性及び/又は疎水性コーティングで処理することができる。疎油性コーティングの例としては、例えば、ポリウレタン、フルオロアクリレートなどのフルオロポリマー、及び、その他の材料が挙げられ、例えば、米国特許第6,261,678号明細書及び米国特許出願公開第2007/0272606号明細書に教示されているものであり、その全体の内容及び開示を参照により本明細書に取り込む。疎油性は、膜の少なくとも1つの表面を疎油性の水蒸気透過性ポリマーの連続コーティングでコーティングすることによっても提供することができる。
【0059】
実質的に平行な構成でラミネート1に別個の層として追加されている弾性繊維20に目を向けると、弾性繊維20は、少なくとも20%のひずみの下で、例えば、少なくとも50%のひずみ又は少なくとも100%のひずみの下で、少なくとも80%の回復率を有する。幾つかの実施形態において、弾性繊維の回収率は少なくとも20%又は少なくとも50%又は少なくとも100%のひずみ下で、80%を超えることができ、少なくとも90%又は少なくとも95%であることができる。特定の実施形態において、弾性繊維20は、天然ゴム、ポリブタジエン、エラストマーポリオレフィン、ポリウレタン、ポリエステル、シリコーン、フルオロエラストマー、エラスタン、ポリエステルを含有するブロックコポリマー、ポリエステル-ポリウレタン、ポリアミド又はそれらの組み合わせなどの少なくとも1種のエラストマーを含む。幾つかの実施形態において、弾性繊維20は、エラスタン繊維、スパンデックス、LYCRA(登録商標)ポリエステル-ポリウレタン繊維又はそれらの組み合わせである。幾つかの実施形態において、複数の弾性繊維は、少なくとも一部が、難燃性又は防火性であるエラストマー、例えば、既知の難燃性添加剤又はコーティングで処理されたシリコーンエラストマー又は他の繊維であることができ又はそれを含むことができる。幾つかの実施形態において、複数の弾性繊維20は、テキスタイル層10の材料とは異なる材料を含む。弾性繊維20のデニールは、400、300、200、120、100以下又はそれに含まれる任意の値であることができる。1つの例示的な実施形態において、弾性繊維20のデニールは300である。特定の実施形態において、弾性繊維20のデニール及び/又は質量は、テキスタイル層の材料質量に合わせられ、より重量が重い布帛はより大きいデニールの弾性繊維を必要とする。弾性繊維のサイズはまた、面内テキスタイル圧縮率にも依存することがあり、ここで、高耐圧性テキスタイルは一般により大きなデニールの弾性繊維を使用する。幾つかの実施形態において、弾性繊維は、30~400デニール又はそれに含まれる任意の値、例えば40~300デニール、50~200デニール又は60~150デニールの質量を有する。弾性繊維は、モノフィラメント弾性繊維であっても又はマルチフィラメント弾性繊維であってもよい。
【0060】
均一弾性繊維間隔により、機能層とは反対側のラミネートの表面、通常はテキスタイル層上に平らな外観を有利に達成することができる。図3はテキスタイル層なしでの図2の斜視図であり、長手方向に均一な弾性繊維20の間隔dを示している。弾性繊維は一般に、布帛の長手方向などの一方向に延びており、互いに実質的に平行であるが、繊維は時々互いに接触又は交差してもよい。
【0061】
内部距離dは、隣接する弾性繊維20間の間隔であり、本明細書では隣接間隔とも呼ばれる。理論に束縛される意図はないが、任意の2つの隣接する弾性繊維20の間の内部距離が主としてラミネートの厚さによって決まる最大距離を超えると、ラミネート1の最外面12は座屈、波打ち、集群及び/又はひだになる傾向がある。望ましくない座屈、波打ち、集群及び/又はひだを回避するために、大部分の弾性繊維20は最大繊維間隔(MFS)以下の隣接間隔を有する。ミリメートル(mm)単位でのMFSは以下の式によって概算されうる。
MFS=3(t)
上式中、tはmm単位のラミネートの厚さであり、実施例セクションに見られる手順を用いてラミネートをその最大の非塑性延伸まで引っ張ることによって延伸状態で測定される。他の実施形態において、ミリメートル単位のMFSは、2.9(t)又は2.8(t)又は2.7(t)又は2.6(t)又は2.5(t)又は2.4(t)又は2.3(t)又は2.2(t)又は2.1(t)又は2.0(t)に等しいことができ、ここで、tは延伸状態で測定したときのラミネートの厚さである。幾つかの実施形態において、弾性繊維の少なくとも80%は上記に開示したようなラミネートの厚さに基づくMFS以下の隣接間隔を有する。他の実施形態において、少なくとも85%、少なくとも90%、又は91%又は92%又は93%又は94%又は95%又は96%又は97%又は98%又は99%又は100%の弾性繊維はラミネートの厚さに基づくMFS以下の隣接間隔を有する。なおもさらなる実施形態において、隣接繊維間の最大距離は、延伸性ラミネートの最大繊維間隔を超えない。弾性繊維の20%以上がMFSよりも大きい隣接間隔を有する場合に、不均一性が生じる可能性があり、これは望ましくない座屈をもたらす。これはまた、正規化Raが25マイクロメートルを超えるピークを有するようにする。
【0062】
弾性繊維20間の内部距離dは、MFSに依存し、テキスタイル材料及び厚さによって変化しうる。幾つかの実施形態において、複数の弾性繊維は、0.1~1.5ミリメートル(mm)の内部距離で離間している。例示的な実施形態において、弾性繊維は、1.5mm以下、例えば1.1mm以下、1mm以下、0.9mm以下、0.5mm以下、又は0.4mm以下のMFS以内で均一に離間している。範囲に関しては、特定の実施形態において、MFSは、0.1~1.5mm、例えば、0.25~1.1mm、0.25~1mm、0.4~1mm、0.5~1mm又は0.5~0.9mmであることができる。弾性繊維のこの間隔は、横断方向、すなわち繊維に垂直な方向において、5~40弾性繊維/線センチメートルラミネートを可能にする。幾つかの実施形態において、線センチメートル当たりの弾性繊維の数は、10~30又は15~20であることができる。
【0063】
延伸性ラミネートは接着剤層30をさらに含む。本明細書で使用されるとき、「接着剤層」という語句は、結合層又は結合領域を意味する。幾つかの実施形態において、接着剤組成物を使用して層及び/又は弾性繊維を接着する。他の実施形態において、層及び/又は弾性繊維は、溶接などの他の既知の結合技術を使用して接合することができる。接着剤層は、複数の弾性繊維とテキスタイル層及び/又は機能層との間に配置され、そして接着剤層は、典型的には、テキスタイル又は機能層を次の層に及び/又は1つのテキスタイル又は機能層を複数の弾性繊維に接合するために使用される。例えば、図2のテキスタイル層/弾性繊維/機能層の複合材構造を含む延伸性ラミネートが望まれるならば、1つの接着剤層を用いてテキスタイル層を複数の弾性繊維に結合し、そして機能層にも結合し、このようにして、所望の延伸性ラミネートを製造することができる。図2に示されるように、接着剤層30は機能層40と複数の弾性繊維20との間に配置される。幾つかの実施形態において、複数の弾性繊維20は、テキスタイル層10とは反対側の面上で機能層40に接着されている。他の実施形態において、接着剤層30は、複数の弾性繊維20が機能層40に接着される前に最初にテキスタイル層10に接着されるように配置される。層の配置構成によっては、複数の接着剤層が存在することができる。
【0064】
本明細書に記載の実施形態では、あらゆる適切な接着剤組成物も使用することができる。幾つかの実施形態において、接着剤層は、ポリウレタン、スチレン/イソプレン及びスチレン/ブタジエンブロックコポリマーなどのスチレン系ブロックコポリマー、又は、それらの組み合わせの接着剤組成物を含む。他の実施形態において、接着剤組成物は、当該技術分野で知られているような難燃性又は防火性添加剤を含むことができる。他の実施形態において、接着剤組成物は、例えば、米国特許第2013/0156680号明細書に記載されているように、膨張性炭素/ポリマー混合物を含むことができ、上記文献は参照によりその全体が取り込まれる。
【0065】
接着剤組成物は、印刷、スプレー、スタンピング又はローリングなどの当該技術分野で知られている任意の方法によって、ライン、ドット、連続領域などの任意のパターンで塗布することができる。幾つかの実施形態において、複数の弾性繊維20は、図3に示されるように不連続な接着剤層30によって接着される。100~1000ミクロンの直径を有する接着剤ドットを使用することができる。接着剤層が不連続である実施形態において、端から端まで測定したときの隣接接着領域間の間隔は一般にMFS以下である。この関係で使用されるときの「端から端まで」は、2つの隣接する接着剤領域間の距離(すなわち接着剤材料を含まない間隔)の測定を意味する。幾つかの実施形態において、端から端までの距離はMFSの100%以下である。他の実施形態において、端から端までの距離は、MFSの80%未満又は70%未満又は60%未満又は50%未満又は40%未満又は30%未満又は20%未満又は10%未満である。隣接する接着剤領域間の端から端までの間隔がMFSに近づくにつれて、非延伸状態のラミネートの表面は平坦性が低下することが分かった。他の実施形態において、複数の弾性繊維は、図2に示すように、連続接着剤層によって接着されている。
【0066】
接着剤組成物の総質量は、ラミネートの総質量の35%以下、例えば、30%以下、25%以下、15%以下、10%以下又は5%以下である。幾つかの実施形態において、機能層及び接着剤層は機能性/接着剤層で予め結合されていてもよい。1つの実施形態において、機能性/接着剤層はポリウレタンでコーティングされたePTFEである。他の実施形態において、弾性繊維20及び接着剤層30は、接着剤層を弾性繊維上にコーティング又は印刷することによって予め結合されていてもよい。
【0067】
他の実施形態において、接着剤層は使用されず、これらの層は溶接されているか、又は、さもなければ、圧縮によって互いに結合されてもいてもよい。
【0068】
場合により、延伸性ラミネートはバッキング層、例えば第二のテキスタイル層又は第二の機能層を含むことができる。幾つかの実施形態において、バッキング層は、織布、不織布又は編布材料を含むことができる。他の実施形態において、バッキング層は、織布、不織布又は編布ナイロン、ポリエステル、綿、絹のうちの少なくとも1種又はそれらの組み合わせを含むことができる。他の実施形態において、バッキング層は1つ以上の追加の微孔質層を含むことができる。幾つかの実施形態において、延伸性ラミネートは、第一の表面及び第二の表面を有する非弾性材料を含む第二のテキスタイル層をさらに含み、ここで、第二のテキスタイルの第一の表面は、2つの機能層が利用されるならば、第一の機能層又は第二の機能層上に配置される。バッキング層又は第二のテキスタイル層が使用される場合には、第一及び第二のテキスタイルの外側に向いている表面の一方又は両方、すなわち機能層とは反対側の表面は、非延伸状態で平均正規化粗さ(Ra)が25マイクロメートル以下であることができる。
【0069】
組み立てがなされたら、図2の延伸性ラミネート1は、所望の美的外観を達成することができる平らな外観を有する。平らな外観は、本明細書に記載のプロフィロメトリーにより、非延伸状態の延伸性ラミネートを測定することにより評価することができる。また、図2の延伸性ラミネート1の弾性繊維20の大部分はMFS以下の内部距離dだけ離間している。有利には、延伸性ラミネートに弾性繊維を取り込むことによって、本発明の実施形態は平らな外観を達成し、延伸性ラミネートを提供することができる。延伸性ラミネートは、延伸性ラミネートへの取り込み前のテキスタイル材料の弾性よりも大きい弾性を有することができる。1つの実施形態において、延伸性ラミネートは、少なくとも10%の伸びの後に少なくとも80%の回復率を有する。他の実施形態において、延伸性ラミネートは少なくとも20%の伸び又は少なくとも25%の伸び又は少なくとも50%の伸びの後に少なくとも80%の回復率を有する。延伸性ラミネートを製造するために使用されるテキスタイル材料及び機能層は、ASTM D 5035-06によって測定されて、15%以下又は10%以下又は5%以下の伸び率を有することができる。開示された延伸性ラミネートは、ASTM D 5035-06によって測定されて、150%まで、例えば5%超又は10%超又は15%超又は5%~150%の範囲の伸び率を有することができる。各場合に、ラミネートの%伸び率は、いずれの個々の層単独の伸び率よりも大きい。他の実施形態において、延伸性ラミネートは伸び率が5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、105%、110%、115%、120%、125%又はこれらの記載された伸び率のいずれかの間のあらゆる値であることができる。機能層の選択に応じて、延伸性ラミネートは、非延伸状態及び延伸状態の両方において防水性及び通気性でもあることもできる。
【0070】
図2に示した構成に加えて、実施形態は弾性繊維を含む層の異なる配置構成を有することもできる。
【0071】
図4は、2つの機能層40、42を有するラミネート2を示し、複数の弾性繊維20は機能層40、42の間に配置されている。第一の接着層30は弾性繊維20を機能層の一方に結合し、また、機能層40、42を一緒に結合することができる。第二の接着剤層32は、機能層40の一方及びテキスタイル層10を結合する。
【0072】
図5は、テキスタイル層10の反対側の機能層40の面に配置された複数の弾性繊維20を有する延伸性ラミネート3を示す。第二の接着剤層32は機能層40及び繊維層10を結合する。図示していないが、バッキング層を設けてもよい。弾性繊維20がテキスタイル層10の反対側の面に接着されているので、これにより、機能層40及び弾性繊維20を含む延伸性フィルムを多種多様なテキスタイル層10とともに使用することが可能になる。
【0073】
図6は、機能層40とは反対側のテキスタイル層10の面に配置された複数の弾性繊維20を有する延伸性ラミネート4を示す。第二の接着剤層32は機能層40及びテキスタイル層10を結合する。
【0074】
図7は、テキスタイル層10上に配置された複数の弾性繊維20を有する延伸性ラミネート5を示す。ラミネート5中に機能層を取り込んでいない。テキスタイル層10は、非弾性であり、かつ防水性及び/又は通気性を提供する材料であることができる。
【0075】
本開示はまた、第一のテキスタイル層と第二のテキスタイル層との間に実質的に平行な構成で配置された複数の弾性繊維を含む延伸性ラミネートに関する。第一及び第二のテキスタイル層ならびに複数の弾性繊維は、先に記載されたもののいずれであってもよい。第一及び第二のテキスタイル層の一方又は両方は、非弾性でありかつ防水性及び/又は通気性を提供する材料であることができる。
【0076】
本開示はまた、第一の機能層上に実質的に平行な構成で配置された複数の弾性繊維を含み、場合により、第二の機能層をさらに含む延伸性ラミネートに関し、ここで、第二の機能層は、存在する場合に、第一の機能層上に配置され、複数の弾性繊維は第一の機能層と第二の機能層の間に配置されており、又は、第二の機能層は、複数の弾性繊維とは反対側の面上で第一の機能層上に配置されており、ここで、複数の弾性繊維は少なくとも7.9繊維/センチメートルの繊維密度を有する。図8は、機能層40上に配置された複数の弾性繊維20を有する延伸性ラミネート6を示す。テキスタイル層のない実施形態において、弾性繊維は少なくとも7.9繊維/センチメートル(20繊維/インチ)で、約40繊維/センチメートル(約100繊維/インチ)までの繊維密度を有することができる。他の実施形態において、繊維密度は、12繊維/センチメートル~32繊維/センチメートル、又は15繊維/センチメートル~30繊維/センチメートルの範囲であることができる。
【0077】
1つの実施形態において、本明細書に記載の延伸性ラミネートを使用して、衣類全体を製造することができる。衣類は、上着、下着、履物、手袋、帽子及びアクセサリーのいずれかを含みうる。図9に示すように、本明細書に記載のラミネートはまた、エルボーパネル、ショルダー領域、カフ領域又はサイドパネルなどのような、衣類全体50の1つの部分又は複数の部分51を製造するために使用されうる。これは衣類の領域に弾性を付与して着用者に利益を提供するか、又は、衣類をより形状適合性にすることができる。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の延伸性ラミネートを使用して、つま先部分、シャンク部分又は舌部分などの靴構造又は靴インサートの1つの部分又は複数の部分を製造することができる。本明細書に開示されるような衣類は、機能層が着用者から離れる方向に向いており、例えば、機能層は衣類の最も外側の表面にあることができるように製造されうる。他の実施形態において、衣類は、テキスタイル層が着用者から離れる方向に向いており、例えば、テキスタイル層が衣類の最も外側の表面にあるように製造されうる。
【0078】
複数の弾性繊維、及び、1つ以上のテキスタイル層、1つ以上の機能層又はそれらの組み合わせから、平らな外観を有する延伸性ラミネートを製造する方法も開示されている。弾性繊維は、実質的に平行な構成で配置される別個の層として延伸性ラミネートに張力下で取り込まれる。
【0079】
次に、テキスタイル層及び機能層を含む延伸性ラミネートを製造するための方法を説明する。上述の他の実施形態のいずれもこの方法に従って製造できることを理解されたい。弾性繊維上の張力を保持しながら、接着剤層、テキスタイル層及び機能層をラミネーションニップを通して供給し、そして得られたラミネートをロール上に巻き取りそして硬化させる。硬化後、ラミネートを巻き出しそして緩和させ、それによって未延伸状態に戻る。3つ以上の層、例えば、2つのテキスタイル層及び1つの機能層、1つのテキスタイル層及び2つの機能層を含む延伸性ラミネートもこの方法を用いて製造することができる。
【0080】
この方法の利点は、弾性繊維をテキスタイルに織り込む必要がなく、むしろ、別個の層として導入されることである。したがって、延伸性ラミネートに既製の非弾性テキスタイルを使用することができる。別の利点は、弾性繊維をテキスタイルに取り込んで、テキスタイルへと織り込み又は編む必要がないので、プロトタイピングが速くなり、生産が速くなることである。
【0081】
1つ又は複数の実施形態の詳細は本明細書の説明に記載されている。他の特徴、目的及び利点は、説明及び特許請求の範囲から明らかとなろう。以下の実施例は、本明細書に記載の方法及び組成物の特定の態様をさらに説明することを意図しており、特許請求の範囲を限定することを意図していない。
【実施例0082】
試験方法
特定の方法及び装置が以下に記載されるが、当業者によって適切であると決定されるいかなる方法又は装置も代替的に使用されうることを理解されたい。
【0083】
伸び及び回復試験プロトコル
ASTM試験方法D 5035-06「テキスタイル布帛の破断力及び伸びの標準試験方法(ストリップ法)」を使用して、延伸性ラミネート試験片の伸び及び回復を測定した。幅1インチ×長さ6インチの試験片をたて糸方向に沿って切断した。伸びは4インチのゲージ長さを用いてInstron(登録商標)機を用いて測定した。測定値を4 lbfで記録し、その時点で荷重を取り除いた。総伸びは、力を加えたときのゲージ長さの総増加として定義された。%伸び率は、力を加えたときのゲージ長の増加率(%)として定義された。以下の等式を用いて、負荷を取り除いた後の%回収率の計算を行った。
%回復率=100-100*(最終長さ-初期長さ)/総伸び
【0084】
水蒸気透過率試験プロトコル(MVTR)
MVTRはDIN EN ISO 15496(2004)に従って測定される。これはテキスタイル産業で使用される標準試験であるので、DIN EN ISO 15496(2004)に開示されているMVTR試験の詳細な説明を参照されたい。MVTR試験の説明については、WO 90/04175 A1も参照されたい。
【0085】
基本原理は以下のように要約される。試験されるサンプルは、水蒸気透過性は高いが防水性の微孔質膜と共に環状サンプル支持体に挿入される。次いで、膜が水と接触するように、支持体を水中に15分間(23℃の脱イオン水)浸漬する。サンプルの表面で23%の相対湿度を生じるようにカップを水中の酢酸カリウムの飽和溶液で満たし、そして同じ防水性微孔質膜の第二のピースで覆う。酢酸カリウム溶液及び第二の膜を含むカップを秤量し、次いで第二の膜がサンプルと接触するようにサンプル支持体の上に置く。これは、水の側から酢酸カリウムを含むカップへのサンプルを通る水蒸気の移動を導く。15分後に、酢酸カリウムを含むカップを取り外し、その重量を測定する。サンプルなしの試験装置の水蒸気透過性を測定するために、サンプルなしの第一及び第二の膜を用いて同じ手順を実施する。次に、サンプルのMVTRは、2つの追加の微多孔膜の影響も考慮して、両方の測定値の差から決定できる。
【0086】
本発明によるラミネートの水蒸気透過率(MVTR)は、EN ISO 15496(2004)に従って測定されたものであり、g/m/24hrで表される。本明細書で使用される水蒸気透過性と考えられるためには、ラミネートは一般に少なくとも3000g/m/24hr、好ましくは少なくとも8000g/m/24hr、より好ましくは少なくとも12000g/m/24hrの水蒸気透過率を有するべきである。MVTR値は、20000g/m/24hr程度の高さでありうる。
【0087】
防液性布帛のためのスータ(Suter)テスト
スータ試験法を使用して、サンプルが防液性であるかどうかを決定した。この手順は、概して、ASTM D 751-00、被覆布帛の標準試験方法(静水抵抗手順B2)の記載に基づいている。この手順は、試験サンプルの一方の側に水を押しつけ、水がサンプルを浸透したことを示すことについて他方の側を観察することによって、サンプルに対する低圧負荷を試験する。
【0088】
試験サンプルは、水が特定の領域に適用されるようにサンプルを保持する固定具の中でゴム製ガスケットの間で固定されてシールされた。水が適用された円形領域は直径4.25インチであった。サンプルの片側に水を1psig(0.07バール)の圧力で加圧した。1つのテキスタイル層を有するラミネートを試験する際に、加圧水をフィルム側に入射させた。
【0089】
サンプルの加圧されていない側を3分間水の兆候が出現しないか視覚的に観察した。水が観察されなかった場合に、サンプルは試験に合格したと見なされ、防液性と考えられた。報告された値は3回の測定の平均であった。
【0090】
正規化表面粗さ(Ra)試験プロトコル
非接触表面プロフィロメータを用いてフェース表面プロファイルを測定した。試験する材料の50mm×50mm正方形サンプルを切断し、一方の端部を平均弾性繊維軸方向に平行に向けた。非フォームベースの両面テープ(3M ID 7000122521)及び1.72ニュートン/センチメートル(N/cm)の均一圧力を用いて、張力のかかっていないサンプルの非フェース側を、平らな50mm×50mmのサンプルマウントに取り付けた。サンプルマウントをプロフィロメーターステージの移動のx方向及びy方向に平行な縁を有する検出領域に配置し、そしてサンプルの表面プロファイルを50μm以下のxy分解能で30mm×30mmの領域内で測定した。測定の正確さは、同じプロフィロメータ設定を用いて適切な較正標準を測定することによって確認した。
【0091】
ラミネートのフェース層のフィーチャ間隔はテキスタイル最外層によって決定された。織布の場合に、フィーチャ間隔は、図10Aにおける白矢印100によって示されるように、隣接する糸の平均間隔(中心から中心、mm)である。編布の場合に、フィーチャ間隔は、図10Bにおける白矢印100によって示されるように、隣接するループの平均間隔(中心から中心、mm)である。
【0092】
テキスタイル層の固有の粗さに起因する表面粗さを調整するために、正規化手順を表面プロファイルに適用した。この正規化手順は関連するテキスタイル表面データのみを含んでいた。非表面フィーチャ(テキスタイル層の孔など)はデータから省いた。フェース層フィーチャ間隔の2倍の窓サイズを使用して、表面高さデータの2次元移動平均を計算した。正規化表面粗さ(Ra)は、正規化表面プロファイルにおける各ピクセル列について平均弾性繊維軸の方向で計算した。正規化表面粗さの例は、図11B、12B、13B、14B、15B及び16Bに見ることができる。次に、平均正規化表面粗さ及び最大正規化表面粗さを正規化表面粗さデータから計算した。
【0093】
ラミネート厚さ試験プロトコル
ところで、ラミネートをその平均弾性繊維軸の方向に最大限引っ張り(ラミネートが依然として≧90%の回復率及び≦5%の幅方向での縮小を示す)、5cmの面積を有する2つの剛性表面の間にサンプルを配置し、そしてデジタルマイクロメータ(モデルXLI 40002、マールフェデラル社、プロビデンス、RI)を用いて0.11N/cmの圧力で表面の分離を測定することにより、ラミネートの厚さを測定した。
【0094】
例1.本発明の延伸性ラミネート
ある長さの67g/mのナイロン織布材料(ミリケンアンドカンパニーからのスタイル130970(MI187R)、スパルタンバーグ、SC)、ある量のエラスタン繊維(120デニール、インビスタからのタイプ902C、ウィチタ、KS)、及び、ある長さのポリウレタンでコーティングされたePTFE膜を得た。ePTFE膜は以下の特性を有していた:厚さ=0.043mm、密度=0.41グラム/立方センチメートル(g/cc)、長さ方向のマトリックス引張強度=31×10メガパスカル(MPa)、幅方向のマトリックス引張強度=93×10MPa、バブルポイント=1.5×10MPa。ポリウレタン(PU)を、ePTFE膜をコーティングし、それを膜の孔に少なくとも部分的に浸透させ、次いで硬化させることによって適用した。
【0095】
エラスタン繊維をビームに載せて、それぞれが20デント/センチメートル(cm)の間隔で2本のリードを通って供給した。別のポリウレタンを入手しそしてプリンタに装填し、ポリウレタンでコーティングされたePTFE膜のePTFE側に接着剤ドットを追加した。直径335ミクロンのドットを54%のパーセント面積被覆率でePTFE膜に適用した。エラスタン繊維を250%伸び率に引っ張り、ePTFE膜と織布材料との間に挿入して、織布材料を膜の接着剤側に置いた。第一のリードは、織布材料に隣接して、ラミネーションニップから約7cmに取り付けられた。第二のリードをラミネーションニップから約15cmで取り付け、第一のリードに対して横方向に5cmずらした。エラスタン繊維にかかる張力を保持しながら、得られたラミネートをロール上に巻き取りそして硬化させた。これには約2日を要した。硬化後に、ラミネートを巻き出しそして緩和し、それによって未延伸状態に戻った。
【0096】
ラミネートの最も外側の表面の表面トポグラフィーを図11Aに示す。正規化Raを決定し、そしてそれを図11Bに示す。図17に示す通り、延伸されたラミネートの厚さは0.252mmであり、平均MVTRは133305.9g/m/24hrであり、スータ試験の結果は合格/合格/合格であり、%伸び率は60.6%であり、そして%回復率は96.9%であった。
【0097】
例2.比較の機能性ラミネート
ある長さの67g/mのナイロン織布材料(ミリケンアンドカンパニーからのスタイル130970(MI187R)、スパルタンバーグ、SC)、ある量のエラスタン繊維(120デニール、インビスタからのタイプ902C、ウィチタ、KS)、及び、ある長さのポリウレタンでコーティングされたePTFE膜を得た。ePTFE膜は以下の特性を有していた:厚さ=0.043mm、密度=0.41グラム/立方センチメートル(g/cc)、長さ方向のマトリックス引張強度=31×10メガパスカル(MPa)、幅方向のマトリックス引張強度=93×10MPa、バブルポイント=1.5×10MPa。ポリウレタン(PU)を、ePTFE膜をコーティングし、それを膜の孔に少なくとも部分的に浸透させ、次いで硬化させることによって適用した。
【0098】
エラスタン繊維をビームに載せて、20デント/センチメートル(cm)の間隔で1本のリードを通って供給した。別のポリウレタンをプリンタに装填し、ポリウレタンでコーティングされたePTFE膜のePTFE側に接着剤ドットを追加した。直径335ミクロンのドットを54%のパーセント面積被覆率でePTFE膜に適用した。エラスタン繊維を250%伸び率に引っ張り、ePTFE膜と織布材料との間に挿入して、織布材料を膜の接着剤側に置いた。リードは、織布材料に隣接して、ラミネーションニップから約15cmに取り付けられた。エラスタン繊維にかかる張力を保持しながら、得られたラミネートをロール上に巻き取りそして硬化させた。これには約2日を要した。硬化後に、ラミネートを巻き出しそして緩和し、それによって未延伸状態に戻った。
【0099】
ラミネートの最も外側の表面を図12Aに示し、可視的な座屈が示されている。正規化Raを決定し、そしてそれを図12Bに示すときに、25マイクロメートルを超えるピークが存在した。このことは座屈の存在を確認する。座屈は乏しい繊維間隔の結果である。図17に示すように、延伸されたラミネートの厚さは0.238mmであり、平均MVTRは12199.9g/m/24hrであり、スータ試験の結果は合格/合格/合格であり、%伸び率は55.6%であり、そして%回復率は96.3%であった。
【0100】
例3.本発明の延伸性ラミネート
ある長さの146g/mのポリエステル織布材料(ミリケンアンドカンパニーからのスタイル758680(US440)、スパルタンバーグ、SC)、ある量のエラスタン繊維(300デニール、インビスタからのタイプ902C、ウィチタ、KS)、及び、ある長さのポリウレタンでコーティングされたePTFE膜を得た。ePTFE膜は以下の特性を有していた:厚さ=0.043mm、密度=0.41グラム/立方センチメートル(g/cc)、長さ方向のマトリックス引張強度=31×10メガパスカル(MPa)、幅方向のマトリックス引張強度=93×10MPa、バブルポイント=1.5×10MPa。ポリウレタン(PU)を、ePTFE膜をコーティングし、それを膜の孔に少なくとも部分的に浸透させ、次いで硬化させることによって適用した。
【0101】
エラスタン繊維をビームに載せて、それぞれが20デント/センチメートル(cm)の間隔で2本のリードを通って供給した。別のポリウレタンを入手しそしてプリンタに装填し、ポリウレタンでコーティングされたePTFE膜のePTFE側に接着剤ドットを追加した。直径335ミクロンのドットを54%のパーセント面積被覆率でePTFE膜に適用した。エラスタン繊維を250%伸び率に引っ張り、ePTFE膜と織布材料との間に挿入して、織布材料を膜の接着剤側に置いた。第一のリードは、織布材料に隣接して、ラミネーションニップから約7cmに取り付けられた。第二のリードをラミネーションニップから約15cmで取り付け、第一のリードに対して横方向に5cmずらした。エラスタン繊維にかかる張力を保持しながら、得られたラミネートをロール上に巻き取りそして硬化させた。これには約2日を要した。硬化後に、ラミネートを巻き出しそして緩和し、それによって未延伸状態に戻った。
【0102】
ラミネートの最も外側の表面の表面トポグラフィーを図13Aに示す。正規化Raを決定し、そしてそれを図13Bに示す。図17に示す通り、延伸されたラミネートの厚さは0.470mmであり、平均MVTRは12490.5g/m/24hrであり、スータ試験の結果は合格/合格/合格であり、%伸び率は34.4%であり、そして%回復率は96.5%であった。
【0103】
例4.比較の機能性ラミネート
ある長さの146g/mのポリエステル織布材料(ミリケンアンドカンパニーからのスタイル758680(US440)、スパルタンバーグ、SC)、ある量のエラスタン繊維(300デニール、インビスタからのタイプ902C、ウィチタ、KS)、及び、ある長さのポリウレタンでコーティングされたePTFE膜を得た。ePTFE膜は以下の特性を有していた:厚さ=0.043mm、密度=0.41グラム/立方センチメートル(g/cc)、長さ方向のマトリックス引張強度=31×10メガパスカル(MPa)、幅方向のマトリックス引張強度=93×10MPa、バブルポイント=1.5×10MPa。ポリウレタン(PU)を、ePTFE膜をコーティングし、それを膜の孔に少なくとも部分的に浸透させ、次いで硬化させることによって適用した。
【0104】
エラスタン繊維をビームに載せて、13デント/センチメートル(cm)の間隔で1本のリードを通って供給した。別のポリウレタンをプリンタに装填し、ポリウレタンでコーティングされたePTFE膜のePTFE側に接着剤ドットを追加した。直径500ミクロンのドットを39%のパーセント面積被覆率でePTFE膜に適用した。エラスタン繊維を250%伸び率に引っ張り、ePTFE膜と織布材料との間に挿入して、織布材料を膜の接着剤側に置いた。リードは、織布材料に隣接して、ラミネーションニップから約15cmに取り付けられた。エラスタン繊維にかかる張力を保持しながら、得られたラミネートをロール上に巻き取りそして硬化させた。これには約2日を要した。硬化後に、ラミネートを巻き出しそして緩和し、それによって未延伸状態に戻った。
【0105】
ラミネートの最も外側の表面を図14Aに示し、可視的な座屈が示されている。正規化Raを決定し、そしてそれを図14Bに示すときに、25マイクロメートルを超えるピークが存在した。このことは座屈の存在を確認する。座屈は乏しい繊維間隔の結果である。
【0106】
例5.比較の機能性ラミネート
ある長さの88g/mのナイロン織布材料(トーレテキスタイルヨーロッパ株式会社からのスタイル7820(NUERO058P)、クラウンファームウェイ、フォレストタウン、マンスフィールドNG19 0FT、英国)、ある量のエラスタン繊維(120デニール、インビスタからのタイプ902C、ウィチタ、KS)、及び、ある長さのポリウレタンでコーティングされたePTFE膜を得た。ePTFE膜は以下の特性を有していた:厚さ=0.043mm、密度=0.41グラム/立方センチメートル(g/cc)、長さ方向のマトリックス引張強度=31×10メガパスカル(MPa)、幅方向のマトリックス引張強度=93×10MPa、バブルポイント=1.5×10MPa。ポリウレタン(PU)を、ePTFE膜をコーティングし、それを膜の孔に少なくとも部分的に浸透させ、次いで硬化させることによって適用した。
【0107】
エラスタン繊維をビームに載せて、20デント/センチメートル(cm)の間隔で1本のリードを通って供給した。別のポリウレタンを入手しそしてプリンタに装填し、ポリウレタンでコーティングされたePTFE膜のePTFE側に接着剤ドットを追加した。直径500ミクロンのドットを39%のパーセント面積被覆率でePTFE膜に適用した。エラスタン繊維を250%伸び率に引っ張り、ePTFE膜と織布材料との間に挿入して、織布材料を膜の接着剤側に置いた。リードは、織布材料に隣接して、ラミネーションニップから約15cmに取り付けられた。エラスタン繊維にかかる張力を保持しながら、得られたラミネートをロール上に巻き取りそして硬化させた。これには約2日を要した。硬化後に、ラミネートを巻き出しそして緩和し、それによって未延伸状態に戻った。
【0108】
ラミネートの最も外側の表面の表面トポロジーを図15Aに示した。正規化Raを決定し、そしてそれを図15Bに示す。図17に示すように、延伸されたラミネートの厚さは0.388mmであり、平均MVTRは11830.2g/m/24hrであり、スータ試験の結果は合格/合格/合格であり、%伸び率は70.1%であり、そして%回復率は97.6%であった。
【0109】
例6.本発明の機能性ラミネート
ある長さの92g/mのポリエステル編布材料(MYBE Sriからのスタイル45627(PIQE001MO)、Via alla Selva 596、Cassina Rizzardi、イタリア)、ある量のエラスタン繊維(120デニール、インビスタからのタイプ902C、ウィチタ、KS)、及び、ある長さのポリウレタンでコーティングされたePTFE膜を得た。ePTFE膜は以下の特性を有していた:厚さ=0.043mm、密度=0.41グラム/立方センチメートル(g/cc)、長さ方向のマトリックス引張強度=31×10メガパスカル(MPa)、幅方向のマトリックス引張強度=93×10MPa、バブルポイント=1.5×10MPa。ポリウレタン(PU)を、ePTFE膜をコーティングし、それを膜の孔に少なくとも部分的に浸透させ、次いで硬化させることによって適用した。
【0110】
エラスタン繊維をビームに載せて、それぞれが20デント/センチメートル(cm)の間隔で2本のリードを通って供給した。別のポリウレタンをプリンタに装填し、ポリウレタンでコーティングされたePTFE膜のePTFE側に接着剤ドットを追加した。直径335ミクロンのドットを54%のパーセント面積被覆率でePTFE膜に適用した。エラスタン繊維を250%伸び率に引っ張り、ePTFE膜と織布材料との間に挿入して、織布材料を膜の接着剤側に置いた。第一のリードは、織布材料に隣接して、ラミネーションニップから約7cmに取り付けられた。第二のリードをラミネーションニップから約15cmで取り付け、第一のリードに対して横方向に5cmずらした。エラスタン繊維にかかる張力を保持しながら、得られたラミネートをロール上に巻き取りそして硬化させた。これには約2日を要した。硬化後に、ラミネートを巻き出しそして緩和し、それによって未延伸状態に戻った。
【0111】
ラミネートの最も外側の表面の平坦表面トポグラフィーを図16Aに示す。正規化Raを決定し、そしてそれを図16Bに示す。図17に示す通り、延伸されたラミネートの厚さは0.757mmであり、平均MVTRは12359.8g/m/24hrであり、スータ試験の結果は合格/合格/合格であり、%伸び率は74.9%であり、そして%回復率は93.3%であった。
【0112】
例7.最大繊維間隔
図18は、異なる厚さ:0.25mm、0.39mm、0.47mm及び0.76mmを有する異なる延伸性ラミネートについての最大繊維間隔を示す。繊維間隔は0.01~1.4mmで変化した。異なる最大繊維間隔についての3つの傾向線3.0、2.5及び2.0が示されている。座屈を有するラミネート(Ra>25)はXで示され、一方、座屈が実質的にないラミネート(Ra≦25)は点で示される。
【0113】
例8.本発明の延伸性ラミネート
2つの長さの88g / mのナイロン織布材料(トーレテキスタイルヨーロッパ株式会社からのスタイル7820(NUERO058P)、クラウンファームウェイ、フォレストタウン、マンスフィールドNG19 0FT、英国)、及び、ある量のエラスタン繊維(120デニール、インビスタからのタイプ902C、ウィチタ、KS)を得た。
【0114】
エラスタン繊維をビームに載せて、それぞれ20デント/センチメートル(cm)の間隔で2本のリードを通って供給した。別のポリウレタンを入手しそしてプリンタに装填し、第一の長さの織布材料に接着剤ドットを追加した。直径305ミクロンのドットを83%のパーセント面積被覆率でePTFE膜に適用した。第二の長さの織布材料を第一の長さの織布材料の接着剤側に置き、エラスタン繊維を250%伸び率に引っ張り、第一及び第二の織布材料の間に挿入した。第一のリードは、織布材料に隣接して、ラミネーションニップから約7cmに取り付けられた。第二のリードはラミネーションニップから約15cmに取り付け、第一のリードに対して横方向に2cmだけずらした。エラスタン繊維にかかる張力を保持しながら、得られたラミネートをロール上に巻き取りそして硬化させた。これには約2日を要した。硬化後に、ラミネートを巻き出しそして緩和し、それによって未延伸状態に戻った。
【0115】
延伸されたラミネートの厚さは0.466mmであり、ラミネートの視覚表面外観は非ラミネート化織布材料の表面外観と実質的に同一であった。%伸び率は41.8%であり、そして%回復率は98.3%であった。
【0116】
例9.本発明の延伸性ラミネート
ある長さの67g/mのナイロン織布材料(ミリケンアンドカンパニーからのスタイル130970(MI187R)、スパルタンバーグ、SC)、ある量のエラスタン繊維(120デニール、インビスタからのタイプ902C、ウィチタ、KS)、ある長さのポリウレタンでコーティングされたePTFE膜、及び、ループ及びシェブロン側を有する、ある長さの37.3g/mのポリエステル編布(Glen Raven、Inc.からのスタイルA1012、グレンレイブン、NC)を得た。ポリウレタン(PU)を、ePTFE膜をコーティングし、それを膜の孔に少なくとも部分的に浸透させ、次いで硬化させることによって適用した。コーティングされたePTFE膜は32グラム/平方メートル(g/m)の質量及び0.032mmの厚さを有した。
【0117】
別のポリウレタンを入手しそしてプリンタに装填し、ポリウレタンでコーティングされたePTFE膜のコーティング側に接着剤ドットを追加した。直径335ミクロンのドットを54%のパーセント面積被覆率でePTFE膜に適用した。編布材料のシェブロン側を膜の接着剤側に置いた。得られたラミネートをロール上に巻き取りそして硬化させた。これには約2日を要した。
【0118】
エラスタン繊維をビームに載せて、それぞれが20デント/センチメートル(cm)の間隔で2本のリードを通って供給した。別のポリウレタンを入手しそしてプリンタに装填し、ポリウレタンでコーティングされたePTFE膜及び編布ラミネートのePTFE側に接着剤ドットを追加した。直径335ミクロンのドットを54%のパーセント面積被覆率でePTFE膜に適用した。エラスタン繊維を250%伸び率に引っ張り、ePTFE膜と織布材料との間に挿入して、織布材料を膜及び編布ラミネートの接着剤側に置いた。第一のリードは、織布材料に隣接して、ラミネーションニップから約7cmに取り付けられた。第二のリードをラミネーションニップから約15cmで取り付け、第一のリードに対して横方向に5cmずらした。エラスタン繊維にかかる張力を保持しながら、得られたラミネートをロール上に巻き取りそして硬化させた。これには約2日を要した。硬化後に、ラミネートを巻き出しそして緩和した。次いで、張力のないラミネートを170℃で60秒間炉内に配置し、追加の緩和をさせた。
【0119】
延伸されたラミネートの厚さは0.398mmであり、織布側のラミネートの視覚外観はラミネート化されていない織布材料の表面外観と実質的に同一であった。%伸び率は31.4%であり、そして%回復率は99.8%であった。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【手続補正書】
【提出日】2021-10-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0119
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0119】
延伸されたラミネートの厚さは0.398mmであり、織布側のラミネートの視覚外観はラミネート化されていない織布材料の表面外観と実質的に同一であった。%伸び率は31.4%であり、そして%回復率は99.8%であった。
(態様)
(態様1)
第一の表面及び第二の表面を有するテキスタイル層と、
前記テキスタイル層の少なくとも1つの表面上に配置された機能層と、
前記テキスタイル層及び/又は機能層の少なくとも1つの上に実質的に平行な構成で配置された、ある隣接繊維間隔距離を有する複数の弾性繊維と、
を含む、延伸性ラミネートであって、
少なくとも80%の弾性繊維は最大繊維間隔より小さい隣接間隔を有し、ミリメートルでの最大繊維間隔は延伸状態の延伸性ラミネートのミリメートルでの厚さの3.0倍以下であり、
i)前記複数の弾性繊維は前記テキスタイル層と前記機能層との間に配置されており、
ii)前記機能層は前記テキスタイル層の第一の表面に配置され、そして前記複数の弾性繊維は前記テキスタイル層とは反対側の前記機能層の面に配置されており、又は、
iii)前記機能層は前記テキスタイル層の第二の表面に配置され、そして前記複数の弾性繊維は前記テキスタイル層の第一の表面に配置されている、延伸性ラミネート。
(態様2)
前記機能層の反対側の前記テキスタイルの表面は実質的に座屈がない、態様1記載の延伸性ラミネート。
(態様3)
隣接繊維間の最大距離は延伸性ラミネートの最大繊維間隔を超えない、態様1又は2記載の延伸性ラミネート。
(態様4)
前記複数の弾性繊維は0.1~1.5mmの内部距離で離間されている、態様1~3のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
(態様5)
前記複数の弾性繊維と前記テキスタイル層又は前記機能層との間に配置された接着剤層をさらに含む、態様1~4のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
(態様6)
前記テキスタイル層の材料は、ASTM試験方法D5035-06に従って測定されたときに、15%未満の伸び率を有する、態様1~5のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
(態様7)
前記テキスタイル層は非弾性材料である、態様1~6のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
(態様8)
前記テキスタイル層の材料は、綿、絹、セルロース、ウール、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリウレタン、フルオロポリマー、コポリマーのうちの少なくとも1つ又はそれらの組み合わせである、態様1~7のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
(態様9)
前記機能層は多孔質膜である、態様1~8のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
(態様10)
前記機能層はフルオロポリマー、ポリウレタン、コポリエーテル-エステル、ポリオレフィン、ポリエステルのうちの少なくとも1つ又はそれらの組み合わせである、態様1~9のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
(態様11)
前記機能層は延伸ポリテトラフルオロエチレン膜である、態様1~10のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
(態様12)
前記複数の弾性繊維は天然ゴム、ポリブタジエン、エラストマーポリオレフィン、ポリウレタン、シリコーン、フルオロエラストマー、エラスタン、ポリエステルを含有するブロックコポリマー、ポリエステル-ポリウレタン、ポリアミドのうちの少なくとも1つ又はそれらの組み合わせを含む、態様1~11のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
(態様13)
前記複数の弾性繊維は400デニール以下である、態様1~12のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
(態様14)
前記延伸性ラミネートは第二の機能層をさらに含み、前記複数の弾性繊維は前記機能層と前記第二の機能層との間に配置されている、態様1~13のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
(態様15)
前記第二の機能層はフルオロポリマー、ポリウレタン、コポリエーテル-エステル、ポリオレフィン、ポリエステルのうちの少なくとも1つ又はそれらの組み合わせである、態様14記載の延伸性ラミネート。
(態様16)
前記機能層及び前記第二の機能層は多孔質膜である、態様14又は15記載の延伸性ラミネート。
(態様17)
前記機能層及び前記第二の機能層は延伸ポリテトラフルオロエチレン膜である、態様14~16のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
(態様18)
第二のテキスタイル層をさらに含み、前記第二のテキスタイル層は前記機能層上又は前記第二の機能層上に配置されている、態様1~17のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
(態様19)
前記機能層又は前記第二の機能層とは反対側の前記第二のテキスタイル層の表面は25マイクロメートル以下の平均正規化表面粗さ(Ra)を有する、態様18記載の延伸性ラミネート。
(態様20)
最大正規化表面粗さ(Ra)は平均正規化表面粗さ(Ra)より50%を超えて大きくない、態様1~19のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
(態様21)
前記機能層とは反対側の前記テキスタイル層の表面は25マイクロメートル以下の最大正規化表面粗さ(Ra)を有する、態様1~20のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
(態様22)
第一の機能層上に実質的に平行な構成に配置された複数の弾性繊維を含み、場合により、第二の機能層をさらに含み、ここで、前記第二の機能層は前記第一の機能層上に配置されており、前記弾性繊維は前記第一の機能層と前記第二の機能層との間に配置されており、又は、前記第二の機能層は前記複数の弾性繊維とは反対側の面にある前記第一の機能層上に配置されており、そして前記複数の弾性繊維は繊維密度が少なくとも7.9繊維/センチメートルである、延伸性ラミネート。
(態様23)
前記弾性繊維は40繊維/センチメートル以下の繊維間隔を有する、態様22記載の延伸性ラミネート。
(態様24)
前記第一の機能層と前記複数の弾性繊維との間に配置された接着層をさらに含む、態様22~23のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
(態様25)
前記第一の機能層及び前記第二の機能層は多孔質膜である、態様22~24のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
(態様26)
前記第一の機能層及び前記第二の機能層のそれぞれはフルオロポリマー、ポリウレタン、コポリエーテル-エステル、ポリオレフィン、ポリエステルのうちの少なくとも1つ又はそれらの組み合わせを独立して含む、態様22~25のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
(態様27)
前記第一の機能層及び前記第二の機能層は延伸ポリテトラフルオロエチレン膜である、態様22~26のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
(態様28)
前記複数の弾性繊維は天然ゴム、ポリブタジエン、エラストマーポリオレフィン、ポリウレタン、シリコーン、フルオロエラストマー、エラスタン、ポリエステルを含有するブロックコポリマー、ポリエステル-ポリウレタン、ポリアミドのうちの少なくとも1つ又はそれらの組み合わせを含む、態様22~27のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
(態様29)
前記複数の弾性繊維は400デニール未満である、態様22~28のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
(態様30)
前記弾性繊維とは反対側の前記機能層の表面は実質的に座屈がない、態様22~29のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
(態様31)
態様1~30のいずれか1項記載の延伸性ラミネートを含む衣類。
(態様32)
前記機能層は着用者から離れる方に向いている、態様31記載の衣類。
(態様33)
前記テキスタイル層は着用者から離れる方に向いている、態様31記載の衣類。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の表面及び第二の表面を有するテキスタイル層と、
前記テキスタイル層の少なくとも1つの表面上に配置された機能層と、
前記テキスタイル層及び/又は機能層の少なくとも1つの上に実質的に平行な構成で配置された、ある隣接繊維間隔距離を有する複数の弾性繊維と、
前記複数の弾性繊維と前記テキスタイル層又は前記機能層との間に配置された接着剤層と、
を含む、延伸性ラミネートであって、
少なくとも80%の弾性繊維は最大繊維間隔より小さい隣接間隔を有し、ミリメートルでの最大繊維間隔は延伸状態の延伸性ラミネートのミリメートルでの厚さの3.0倍以下であり、
i)前記複数の弾性繊維は前記テキスタイル層と前記機能層との間に配置されており、
ii)前記機能層は前記テキスタイル層の第一の表面に配置され、そして前記複数の弾性繊維は前記テキスタイル層とは反対側の前記機能層の面に配置されており、又は、
iii)前記機能層は前記テキスタイル層の第二の表面に配置され、そして前記複数の弾性繊維は前記テキスタイル層の第一の表面に配置されており、
平均正規化表面粗さより50%を超えて大きくない最大正規化表面粗さを有する、延伸性ラミネート。
【請求項2】
前記機能層の反対側の前記テキスタイル層の表面は実質的に座屈がない、請求項1記載の延伸性ラミネート。
【請求項3】
隣接繊維間の最大距離は延伸性ラミネートの最大繊維間隔を超えない、請求項1又は2記載の延伸性ラミネート。
【請求項4】
前記複数の弾性繊維は0.1~1.5mmの内部距離で離間されている、請求項1~3のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
【請求項5】
前記テキスタイル層の材料は、ASTM試験方法D5035-06に従って測定されたときに、15%未満の伸び率を有する、請求項1~4のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
【請求項6】
前記テキスタイル層は非弾性材料である、請求項1~5のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
【請求項7】
前記テキスタイル層の材料は、綿、絹、セルロース、ウール、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリウレタン、フルオロポリマー、コポリマーのうちの少なくとも1つ又はそれらの組み合わせである、請求項1~6のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
【請求項8】
前記機能層はフルオロポリマー、ポリウレタン、コポリエーテル-エステル、ポリオレフィン、ポリエステルのうちの少なくとも1つ又はそれらの組み合わせである、請求項1~7のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
【請求項9】
前記機能層は延伸ポリテトラフルオロエチレン膜である、請求項1~8のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
【請求項10】
前記複数の弾性繊維は天然ゴム、ポリブタジエン、エラストマーポリオレフィン、ポリウレタン、シリコーン、フルオロエラストマー、エラスタン、ポリエステルを含有するブロックコポリマー、ポリエステル-ポリウレタン、ポリアミドのうちの少なくとも1つ又はそれらの組み合わせを含む、請求項1~9のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
【請求項11】
前記延伸性ラミネートは第二の機能層をさらに含み、前記複数の弾性繊維は前記機能層と前記第二の機能層との間に配置されている、請求項1~10のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
【請求項12】
前記第二の機能層はフルオロポリマー、ポリウレタン、コポリエーテル-エステル、ポリオレフィン、ポリエステルのうちの少なくとも1つ又はそれらの組み合わせである、請求項11記載の延伸性ラミネート。
【請求項13】
前記機能層及び前記第二の機能層は延伸ポリテトラフルオロエチレン膜である、請求項11~12のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
【請求項14】
第一の機能層上に実質的に平行な構成に配置された複数の弾性繊維と、前記第一の機能層と前記複数の弾性繊維との間に配置された接着層と、を含み、場合により、第二の機能層をさらに含み、ここで、前記第二の機能層は前記第一の機能層上に配置されており、前記弾性繊維は前記第一の機能層と前記第二の機能層との間に配置されており、又は、前記第二の機能層は前記複数の弾性繊維とは反対側の面にある前記第一の機能層上に配置されており、そして前記複数の弾性繊維は繊維密度が少なくとも7.9繊維/センチメートルであり、
平均正規化表面粗さより50%を超えて大きくない最大正規化表面粗さを有する、
延伸性ラミネート。
【請求項15】
前記第一の機能層及び前記第二の機能層のそれぞれはフルオロポリマー、ポリウレタン、コポリエーテル-エステル、ポリオレフィン、ポリエステルのうちの少なくとも1つ又はそれらの組み合わせを独立して含む、請求項14記載の延伸性ラミネート。
【請求項16】
前記第一の機能層及び前記第二の機能層は延伸ポリテトラフルオロエチレン膜である、請求項14~15のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
【請求項17】
前記複数の弾性繊維は天然ゴム、ポリブタジエン、エラストマーポリオレフィン、ポリウレタン、シリコーン、フルオロエラストマー、エラスタン、ポリエステルを含有するブロックコポリマー、ポリエステル-ポリウレタン、ポリアミドのうちの少なくとも1つ又はそれらの組み合わせを含む、請求項14~16のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
【請求項18】
前記弾性繊維とは反対側の前記機能層の表面は実質的に座屈がない、請求項1~13のいずれか1項記載の延伸性ラミネート。
【外国語明細書】