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特開2022-84553家禽類から取り出されて切り離された内臓パッケージから心臓を入手するための処理ラインと方法
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  • 特開-家禽類から取り出されて切り離された内臓パッケージから心臓を入手するための処理ラインと方法 図1
  • 特開-家禽類から取り出されて切り離された内臓パッケージから心臓を入手するための処理ラインと方法 図2
  • 特開-家禽類から取り出されて切り離された内臓パッケージから心臓を入手するための処理ラインと方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022084553
(43)【公開日】2022-06-07
(54)【発明の名称】家禽類から取り出されて切り離された内臓パッケージから心臓を入手するための処理ラインと方法
(51)【国際特許分類】
   A22C 21/00 20060101AFI20220531BHJP
【FI】
A22C21/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021190651
(22)【出願日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】2026986
(32)【優先日】2020-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(71)【出願人】
【識別番号】514175841
【氏名又は名称】メイン フード プロセシング テクノロジー ベー.フェー.
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】特許業務法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゾマーディェク、ヘルマヌス ローレンティウス
(72)【発明者】
【氏名】キクストラ、エファート
(72)【発明者】
【氏名】ディル、デレク レイモンド
(57)【要約】      (修正有)
【課題】家禽類の死骸から取り出されて完全に切り離された内臓パッケージを高速で処理できる処理ラインを提供する。
【解決手段】処理ライン1であって、内臓パッケージを吊り下げて搬送するための移動可能なキャリア6を有する搬送トラック7を備える。内臓パッケージは、少なくとも心臓3と肺4と砂のう5とを含む。処理ライン1は、取り入れ部9を搬送トラック7の下方に有する装置8を備える。取り入れ部9は、家禽の死骸から切り離されてキャリア6の1つから吊り下げられた内臓パッケージを機械的に把持し、続いて内臓パッケージから砂のう5を分離する。取り入れ部9は、砂のう5が取り除かれた内臓パッケージを、心臓3から肺4を分離するための、装置8の処理部13へ移送する。装置8は、処理部13に続く送り出し部18をさらに備える。送り出し部18は、内臓パッケージから分離された心臓3を、心臓3の排出口19で利用できるように配置される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家禽類から切り離された内臓パッケージ(2)から心臓(3)を入手するための処理ライン(1)であって、この処理ライン(1)は、内臓パッケージ(2)を搬送するための移動可能なキャリア(6)を備えた搬送トラック(7)を有し、内臓パッケージ(2)は、少なくとも心臓(3)と肺(4)と砂のう(5)とを含み、処理ライン(1)は、心臓(3)と肺(4)と砂のう(5)とを内臓パッケージ(2)から分離するとともに、少なくとも心臓(3)を分離状態で排出するように装備されたものにおいて、
搬送トラック(7)は、使用中に内臓パッケージ(2)が吊り下げられるキャリア(6)を備え、前記搬送トラック(7)は、この搬送トラック(7)よりも下に配置された装置(8)における送り込み部(9)よりも上側に設けられており、この送り込み部(9)は、家禽の死骸から切り離されて解放されかつキャリア(6)の1つから吊り下げられた内臓パッケージ(2)を機械的に把持するように配置されており、前記送り込み部(9)は、内臓パッケージ(2)から砂のう(5)を分離するように構成されるとともに、砂のう(5)が取り除かれた内臓パッケージ(2)を、心臓(3)から肺(4)を分離するために前記装置(8)の処理部(13)に移送するように構成されており、前記装置(8)が、処理部(13)に続く送り出し部(18)をさらに備え、この送り出し部(18)は、内臓パッケージ(2)から分離された心臓(3)を、心臓(3)用の排出口(19)において利用可能にするように配置されていることを特徴とする家禽類から取り出されて切り離された内臓パッケージから心臓を入手するための処理ライン。
【請求項2】
送り込み部(9)は、キャリア(6)から吊り下げられた状態の内臓パッケージに作用するために、搬送トラック(7)のキャリア(6)と協働するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の家禽類から取り出されて切り離された内臓パッケージから心臓を入手するための処理ライン。
【請求項3】
送り込み部(9)は第1のローラ(10)と一組の第1のプレート(11、11′)とを備え、第1のローラ(10)と一組の第1のプレート(11、11′)とは、内臓パッケージ(2)の少なくとも一部を受け入れる第1のニップを形成し、第1のローラ(10)は、心臓(3)と肺(4)とを第1のプレート(11、11′)の上に残したまま、内臓パッケージ(2)を、この内臓パッケージ(2)を吊り下げているキャリア(6)と一緒に搬送方向に移動させるようにされていることを特徴とする請求項1または2記載の家禽類から取り出されて切り離された内臓パッケージから心臓を入手するための処理ライン。
【請求項4】
装置(8)は、第1のローラ(10)および一組の第1のプレート(11、11′)の下方に、砂のう(5)用のガイドプレート(12)を備え、このガイドプレート(12)は、砂のう(5)を内臓パッケージ(2)から完全に切り離すように、搬送方向に下向きに傾斜していることを特徴とする、請求項3記載の家禽類から取り出されて切り離された内臓パッケージから心臓を入手するための処理ライン。
【請求項5】
キャリア(6)は、取り入れ部(9)が心臓(3)と肺(4)とを一組の第1のプレート(11、11′)の上に載せて処理部(13)に移送することを可能にするように、砂のう(5)の除去後に内臓パッケージ(2)を解放するように構成されていることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項記載の家禽類から取り出されて切り離された内臓パッケージから心臓を入手するための処理ライン。
【請求項6】
処理部(13)は、肺(4)を受け止めて引っ張る第2のニップを構成するための、(a)第1のローラ(10)の延長部、または(b)第2のローラ(14)のいずれか一方と、第2のプレート(15)とを備えていることを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項記載の家禽類から取り出されて切り離された内臓パッケージから心臓を入手するための処理ライン。
【請求項7】
(a)第1のローラ(10)の延長部、または(b)第2のローラ(14)のいずれか一方は、その外周に、心臓(3)および肺(4)を第2のプレート(15)に押し付けることを促進し、かつ肺(4)をニップから引き抜くことを支援するために、少なくとも1つのリブ(14′)を備えていることを特徴とする請求項6記載の家禽類から取り出されて切り離された内臓パッケージから心臓を入手するための処理ライン。
【請求項8】
第2のプレート(15)はばねが作用されていることを特徴とする請求項6または7記載の家禽類から取り出されて切り離された内臓パッケージから心臓を入手するための処理ライン。
【請求項9】
第2のローラ(14)と第2のプレート(15)との搬送方向に沿った先端に、肺(4)を心臓(3)から切断するためのピンチオフブロック(16)が設けられていることを特徴とする請求項6または7または8記載の家禽類から取り出されて切り離された内臓パッケージから心臓を入手するための処理ライン。
【請求項10】
残っている肺(4)を心臓(3)から除去するための一組のクリーニングローラ(17)が設けられていることを特徴とする請求項9記載の家禽類から取り出されて切り離された内臓パッケージから心臓を入手するための処理ライン。
【請求項11】
処理部(13)に続く送り出し部(18)に、送り出し部(18)に到達した残りの肺を心臓から分離するための分離槽(20)が設けられていることを特徴とする請求項1から10までのいずれか1項記載の家禽類から取り出されて切り離された内臓パッケージから心臓を入手するための処理ライン。
【請求項12】
分離槽(20)は、この分離槽(20)の底部に設けられて心臓を回収する排出口(19)を有することを特徴とする請求項11記載の家禽類から取り出されて切り離された内臓パッケージから心臓を入手するための処理ライン。
【請求項13】
家禽類の死骸から取り出されて切り離された内臓パッケージ(2)から心臓(3)を入手するための方法であり、各内臓パッケージ(2)が少なくとも心臓(3)と肺(4)と砂のう(5)とを含む方法において、
取り出された内臓パッケージ(2)をキャリア(6)から吊り下げ、吊り下げられた内臓パッケージ(2)とともにキャリア(6)を搬送トラック(7)で搬送し、
搬送トラック(7)よりも下方で各内臓パッケージ(2)を機械的に把持するとともに、続いて内臓パッケージ(2)から砂のう(5)を分離し、
次に、砂のう(5)が取り除かれた内臓パッケージ(2)を、心臓(3)から肺(4)を分離するための処理部(13)に移送し、
内臓パッケージ(2)から分離された心臓(3)を、心臓(3)のための排出口(19)において利用可能にする、
ことを特徴とする家禽類から取り出されて切り離された内臓パッケージから心臓を入手するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家禽類の死骸から切り離された内臓パッケージから心臓を入手するための処理ラインに関する。この処理ラインは、内臓パッケージを搬送するための移動可能なキャリアを有する搬送トラックを備える。内臓パッケージは、少なくとも心臓と肺と砂のうとを含む。処理ラインは、心臓と肺と砂のうとを内臓パッケージから分離し、かつ少なくとも心臓を分離状体で排出するようにされている。
【背景技術】
【0002】
本出願人名義の、本発明に最も近い先行技術文献EP0679336(特許文献1)には、屠殺された鳥から取り出された内臓パッケージを各部に分離するための処理ラインが開示されている。前記パッケージは、砂のう、前胃、心臓、肺、肝臓、胆嚢、腸にて構成されている。処理ラインは、以下の手段を備えている。
(a)砂のうと腸との直接的な接続を緩めるための緩め手段。
(b)内臓パッケージを、一方では肝臓、胆嚢、腸を有するパッケージに分離し、他方では砂のう、前胃、心臓、肺を有するパッケージに分離する第1の分離手段。
(c)肝臓を砂のう付きの胆嚢から分離し、前胃付きの砂のうを肺付きの心臓から分離する第2の分離手段。
(d)パッケージまたはその一部を装置に沿って移動させるための輸送手段。
【0003】
EP0679336(特許文献1)の欠点は、家禽類の死骸から取り出した内臓パッケージを高速処理して、内臓パッケージから心臓を素早く取り出し、そして処理ラインのユーザーに提供することに適していないことである。
【0004】
WO2015/070880(特許文献2)は、屠殺された家禽から排出された内臓セットを分離するシステムで使用されるガイド部材に関するものである。前記システムは、複数の内臓ホルダを含む内臓コンベヤを備える。各内臓ホルダは、少なくとも肝臓、腸、胆嚢が前記内臓ホルダの下方に吊り下げられる形で内臓セットを保持するように構成されている。前記ガイド部材は、細長い開口を有し、内臓ホルダによって保持された内臓セットを、腸および胆嚢が前記ガイド部材の下方に吊り下げられ肝臓および砂のうが前記ガイド部材の上方に配置される態様で前記細長い開口に受け入れるように構成されている。前記システムは、腸および胆嚢を残りの内臓セットから分離するように構成されている。この配置では、ガイド部材は移動可能であり、システムは、少なくとも前記肝臓が前記ガイド部材の分離支持面に載っている間に、残りの内臓セットから腸と胆嚢を分離するように構成されている。特許文献2は、家禽の死骸から取り出されて切り離された内臓パッケージの処理に関するものであるが、内臓パッケージから心臓を取り出して、ほかとは別々に排出することに関するものではなく、したがって、この点で本発明との関連性はない。
【0005】
EP-A-0439904(特許文献3)は、屠殺された家禽に取り付けられたままの状態の内臓パッケージから、心臓と肝臓とを分離するための方法と装置を開示している。この装置は、オーバーヘッドコンベヤと並んで配置される。そして、この装置は、屠殺された鳥にまだ接続されている内臓パッケージから延びる腸の一部に噛み合う二次コンベヤを含む。一対のガイドフィンガが、心臓と肝臓を結合する結合組織を受け入れるためのチャンネルを定義し、そのチャンネルに沿って配置された第1の回転ナイフが結合組織を切断する。第2の回転ナイフが、胆嚢を切断することなく、また胆嚢内の胆汁を放出することなく、胆嚢から肝臓を切断する。一対のらせん状のローラが、相互に接続された心臓と肺とを分離する。この公知の装置および方法は、オペレータが装置の操作を補助する必要があることを開示している。その補助は、オペレータが内臓パッケージをEP-A-0439904(特許文献3)の図2に示す位置に移動させて、腸の一部を二次コンベア上に配置することによって行われる。EP-A-0439904(特許文献3)から、この技術は内臓パッケージの高速処理には不向きであり、内臓パッケージから心臓を素早く取り出して処理ラインのユーザーが利用できるようにするための適切な出発点として、内臓パッケージを家禽の死骸から取り出して切り離すことが少なくとも必要であることがすぐにわかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】ヨーロッパ特許出願公開第0679336号明細書
【特許文献1】国際公開第2015/070880号
【特許文献1】ヨーロッパ特許出願公開第0439904号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、家禽類の死骸から取り出されて完全に切り離された内臓パッケージを高速で処理できる処理ラインを提供することにある。また、本発明の目的は、オペレータによる手動の介入や操作が不要であり、それによって処理を全自動で行うことができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の加工ラインは、1つまたは複数の添付の請求項の機能を備えて具現化される。
【0009】
本発明の第1の態様では、搬送トラックは、使用中に内臓パッケージが吊り下げられるキャリアを備えており、前記搬送トラックは、この搬送トラックの下方にある、装置の送り込み部の上方に設けられている。送り込み部は、家禽の死骸から切り離されて解放され、そしてキャリアの1つから吊り下げられた内臓パッケージを、機械的に把持するように配置されている。送り込み部は、内臓パッケージから砂のうを分離し、砂のうが取り除かれた内臓パッケージを、心臓から肺を分離するための装置の処理部に移送するようにさらに構成されている。前記装置は、処理部に続く送り出し部をさらに備える。この送り出し部は、内臓パッケージから分離された心臓を、心臓用の排出口で利用可能にするように、配置されている。
【0010】
本発明の処理ラインでは、内臓パッケージを処理して、内臓パッケージから心臓を入手する方法に、オペレータが介入したり参加したりする必要がない。また、本発明の処理ラインでは、家禽類の屠体から内臓パッケージを完全に切り離した後に処理を行うことができるため、迅速な処理が可能となる。
【0011】
好ましくは、送り込み部は、内臓パッケージがキャリアから吊り下げられている間に内臓パッケージを処理するために、搬送トラックのキャリアと協働するように配置される。これにより、内臓パッケージから砂のうを効果的に分離することができる。
【0012】
好適には、送り込み部は、第1のローラと、一組の第1のプレートとを備える。第1のローラと一組の第1のプレートとは、内臓パッケージの少なくとも一部を受け取る第1のニップを共に規定する。そして第1のローラは、心臓と肺とを第1のプレートの上に残したまま、内臓パッケージが吊り下げられているキャリアと同時に内臓パッケージを搬送方向に移動させるように配置される。
【0013】
さらに、本装置は、第1のローラおよび一組の第1のプレートよりも下方に、砂のう用のガイドプレートを備えていることが有利である。このガイドプレートは、砂のうを内臓パッケージから完全に切り離すために、搬送方向に沿って下向きに傾斜している。
【0014】
望ましくは、キャリアは、砂のうを除去した後に内臓パッケージを解放するように配置されている。それにより、送り込み部が一組の第1のプレートの上にある心臓と肺とを処理部に移送できるようになっている。
【0015】
好ましくは、処理部は、以下のうちの選択された1つを備える。
(a)第1のローラの延長部、または
(b)第2のローラ
かつ、処理部は第2のプレートを備え、この第2のプレートは、肺を捕らえて引っ張るための第2のニップを規定する。原則として、心臓はその後、排出口に供給することができるが、まだ(一部の)肺が心臓に付着している場合には、さらなる操作が必要になることがある。
【0016】
好ましくは、
(a)第1のローラの延長部、または
(b)第2のローラ
から選択された1つは、その外周に少なくとも1つのリブを備えており、このリブによって心臓と肺を第2のプレートに押し付けるのを促進し、ニップによって肺を引き抜くのを助ける。
【0017】
心臓から肺の分離を効果的に行うために、第2のプレートはばねの負荷を受けていることが好ましい。
【0018】
また、搬送方向における第2のローラと第2のプレートとの先端に、肺を心臓から切り離すためのピンチオフブロックを配置することで、心臓からの肺の分離をさらに促進することができる。
【0019】
ピンチオフブロックに続いて、心臓に残っている可能性のある肺を除去するための一組のクリーニングローラが用意されているのが便利である。
【0020】
さらに好ましくは、処理部に続く送り出し部は、送り出し部に到達した残りの肺を心臓から分離するための分離槽を備える。分離槽では、肺と心臓は、その密度の違いに基づいて分離することができる。重い心臓は分離槽の中で沈み、一方、肺は浮く。
【0021】
好適には、分離槽は、この分離槽の底部に設けられた排出口を有する。
【0022】
以上によれば、本発明は、家禽類の屠体から切り離された内臓パッケージであって少なくとも心臓と肺と砂のうとを含む内臓パッケージから心臓を入手する方法も具現化する。この方法は、切り離された内臓パッケージをキャリアに吊り下げるとともに、吊り下げられた内臓パッケージを有するキャリアを搬送トラックで搬送するステップを含む。この方法は、搬送路よりも下方で各内臓パッケージを機械的に把持し、その後、内臓パッケージから砂のうを分離する。続いて、砂のうが取り除かれた内臓パッケージを、心臓から肺を分離するための処理部に移送し、また内臓パッケージから分離された心臓を心臓用の排出口で利用可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明による処理ラインの概略側面図である。
図2】本発明の処理ラインを立体的に示す図である。
図3】切り離された内臓パッケージが吊り下げられた、本発明の処理ラインにおけるキャリアを、詳細に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付の請求項に関して限定するものではない、本発明による処理ラインの例示的な実施形態の図面を参照して、本発明をさらに解明する。
【0025】
図中に同じ参照符号が付されている場合、これらの符号は同じ部材を意味する。
【0026】
図3は、家禽の死骸(図示せず)から切り離された内臓パッケージ2を示す。内臓パッケージ2は、心臓3、肺4、砂のう5を含む。内臓パッケージ2は、図1にも示されているように、キャリア6から吊り下げられている。これを以下に説明する。
【0027】
図1は、家禽類の死骸から取り出した内臓パッケージ2から前述の心臓3を入手するための処理ライン1を示す。処理ライン1は、複数の可動式キャリア6(1つのキャリアのみを図示する)を備えた搬送トラック7を有する。可動式キャリア6は、少なくとも心臓3と肺4と砂のう5とを含む内臓パッケージ2を搬送する。内臓パッケージ2は、基となる家禽の死骸から完全に切り離される。
【0028】
処理ライン1の使用時には内臓パッケージ2はキャリア6から吊り下げられており、処理ライン1は、搬送トラック7よりも下方において、送り込み部9を備えた装置8を有する。装置8は、キャリア6から吊り下げられた内臓パッケージ2を操作する。この目的のために、送り込み部9は、第1のローラ10と一組のプレート11、11′とを備え、これらは、一緒になって、内臓パッケージ2の少なくとも一部を受け入れる第1のニップを規定する。第1のローラ10は、一組のプレート11、11′の上に心臓3および肺4を残しながら、内臓パッケージ2を、この内臓パッケージ2が吊り下げられているキャリア6と一緒に搬送方向に移動させるように配置されている。続いて内臓パッケージ2から砂のう5を分離するために、送り込み部9が配置されていることが、さらに示されている。その目的のために、装置8には、第1のローラ10と第1のプレート11との下に、砂のう5用のガイドプレート12が設けられている。このガイドプレート12は、砂のう5を内臓パッケージ2から完全に切り離すように、搬送方向に下向きに傾斜している。
【0029】
送り込み部9は、心臓3から肺4を分離するために、砂のうが取り除かれた内臓パッケージ2を、引き続いて装置8の処理部13へ移送するようにされている。そのために、キャリア6は、砂のう5を除去した後に内臓パッケージ2を解放するように配置されており、それによって送り込み部9が心臓3および肺4を第1の組のプレート11、11′の上で処理部13に移送できるようになっている。
【0030】
処理部13は、第2のローラ14と第2のプレート15とを備える。これらは、第2のニップを規定する。第2のニップは、肺4を捕らえて引っ張るためのものである。第2のローラ14の代わりに、第2のローラとして機能する、第1のローラ10の延長部を用いることも可能である。典型的には、第2のローラ14または第1のローラ10の延長部は、送り込み部9の位置における第1のローラ10よりも大きな直径を有する。
【0031】
さらに、図には、処理部13における第1のローラ10の延長部、またはこの処理部13における第2のローラ14のいずれかが、その外周に少なくとも1つのリブ14′を備えていることが描かれている。リブ14′は、心臓3と肺4とを第2のプレート15に押し付けるのを促進し、かつニップによって肺4を引っ張るのを助ける。さらに、心臓3から肺4を効果的に分離するために、第2のプレート15を第2のローラ14に向けて押し付けるように、第2のプレート15にばねを作用させておくことが好ましい。
【0032】
搬送方向に見たときの第2のローラ14と第2のプレート15の端部に、心臓3から肺4を切断するためのピンチオフブロック16が設けられている。
【0033】
ピンチオフブロック16に続いて、残存する肺4(の部分)を心臓3から除去するための、一組のクリーニングローラ17が設けられている。
【0034】
装置8は、処理部13に続く送り出し部18をさらに備えており、この送り出し部18は、内臓パッケージ2から分離された心臓3を、心臓3用の排出口19で利用可能とするように、配置されている。好適には、処理部13に続く送り出し部18は、送り出し部18に到達した可能性のある残りの肺4(の部分)を心臓から分離するための分離槽20を備える。この分離槽20は、心臓と肺の密度が異なることを利用している。心臓が分離槽20の底に沈むのに対し、肺は浮くことになる。分離槽20は、この分離槽20の底部に設けられた、前述の心臓の排出口19を有する。
【0035】
したがって、本発明の装置1は、家禽の死骸から取り出されて切り離された内臓パッケージ2から心臓3を手に入れる方法であって、各内臓パッケージ2が少なくとも心臓3と肺4と砂のう5とを含んでおり、切り離された内臓パッケージ2をキャリア6から吊り下げ、吊り下げられた内臓パッケージ2とともにキャリア6を搬送トラック7で搬送する方法を実行するように調整されている。そして、各内臓パッケージ2を搬送トラック7の下方で機械的に把持し、その後、内臓パッケージ2から砂のう5を分離し、続いて、砂のうが取り除かれた内臓パッケージ2を、心臓3から肺4を分離するための処理部13に移送し、内臓パッケージ2から分離された心臓3を、心臓3用の排出口19において利用可能にする。
【0036】
前述では、本発明の処理ラインおよび方法の例示的な実施形態を参照して本発明を論じてきたが、本発明は、この特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明から逸脱することなく多くの方法で変化させることができる。したがって、議論された例示的な実施形態は、添付の特許請求の範囲を厳密に解釈するために使用してはならない。逆に、この実施形態は、添付の特許請求の範囲の文言を説明するためだけのものであり、この例示的な実施形態に特許請求の範囲を限定する意図はない。したがって、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲のみに従って解釈されるものとし、特許請求の範囲の文言における可能な曖昧さは、この例示的な実施形態を用いて解決されるものとする。
図1
図2
図3