(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022084559
(43)【公開日】2022-06-07
(54)【発明の名称】磁界測定センサを受け入れるための電気装置
(51)【国際特許分類】
G01R 15/20 20060101AFI20220531BHJP
【FI】
G01R15/20 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021191045
(22)【出願日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】2012201
(32)【優先日】2020-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】518100258
【氏名又は名称】ヴァレオ シーメンス イーオートモーティブ フランス エスアーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドル、ルジャンドル
(72)【発明者】
【氏名】オーレリアン、プイイ
【テーマコード(参考)】
2G025
【Fターム(参考)】
2G025AA04
2G025AB01
2G025AC01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】磁界測定のためのセンサを受け入れるための電気装置を提供する。
【解決手段】保持部材を備える支持体と、支持体に少なくとも部分的に収容され、電気線路122のアレイと、磁界センサを受け入れるように設計された受入部121とを備える電気回路12とを備える電気装置に関し、電気回路12は、一方では磁界センサと、他方では電気装置の外部の電子基板との間に電気的リンクを生成するように構成される。保持部材は、支持体と電子基板との間に機械的リンクを生成するようにストッパを形成する少なくとも1つの坦持部を備える。受入部121は、受入部121と磁界センサの面との間の平面間接触を通じて磁界センサとの電気的接続を生成するように構成された露出面を形成する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
とりわけ、電気自動車又はハイブリッド自動車に搭載されて収容されるように意図された電気装置(1)であって、
保持部材(111)を備える支持体(11)と、
少なくとも部分的に前記支持体(11)内に収容され、電気線路(122)のアレイと、磁界センサ(2)を受け入れるように設計された受入部(121)とを備える電気回路(12)であって、前記受入部(121)は、前記保持部材から所定の距離にあり、とりわけ、前記保持部材(111)に対して前記支持体(11)の遠位端にある、電気回路(12)と、を備え、
前記電気回路(12)は、一方では前記磁界センサ(2)と、他方では前記受入部(121)及び前記電気線路(122)のアレイによって前記電気装置(1)の外部の電子基板(4)との間に電気的リンクを生成するように構成され、
前記保持部材(111)は、前記支持体(11)と前記電子基板(4)との間に機械的リンクを生成するようにストッパを形成する少なくとも1つの坦持部(112)を備え、
前記受入部(121)は、前記受入部(121)と前記磁界センサ(2)の面との間の平面間接触を通じて前記磁界センサ(2)との電気的接続を生成するように構成された露出面を形成する、電気装置(1)。
【請求項2】
前記支持体(11)は、前記支持体(11)に対して前記磁界センサ(2)を位置決めするための受容部(114)を備え、前記受容部(114)及び保持部材(111)は、前記磁界センサ(2)と前記電気導体(3)との間の位置決めの不確実性を低減するように、前記電気装置(1)が前記電気導体(3)に対して設置されることを可能にするように構成される、請求項1に記載の電気装置(1)。
【請求項3】
前記保持部材(111)の前記少なくとも1つの坦持部(112)が、前記電子基板(4)を坦持するように構成された坦持面(113)を有する、請求項1または2に記載の電気装置(1)。
【請求項4】
前記支持体(11)は、前記電気回路(12)上にオーバーモールドされ、前記支持体(11)及び前記電気回路(12)は、オーバーモールドアセンブリを形成する、請求項1から3のいずれか一項に記載の電気装置(1)。
【請求項5】
前記支持体(11)がプラスチックからなる、請求項1から4のいずれか一項に記載の電気装置(1)。
【請求項6】
前記電気回路(12)が、前記電子基板(4)に電気的に接続されるように構成された接続脚部(123)を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の電気装置(1)。
【請求項7】
磁界センサ(2)と、請求項1から6のいずれか一項に記載の電気装置(1)とを備える、電気磁界測定アセンブリ。
【請求項8】
請求項7に記載の電気磁界測定アセンブリと、電子基板(4)と、電気導体(3)とを備える電気アセンブリであって、前記電気磁界測定アセンブリは、前記電気導体(3)内を流れる電流によって誘導される磁界を測定するため、第1に前記電子基板(4)に適用され、第2に、前記電気導体(3)内に形成された自由空間に前記磁界センサ(2)を浸漬する、電気アセンブリ。
【請求項9】
請求項7に記載の電気磁界測定アセンブリと、電子基板(4)と、電気導体(3)とを備える電気アセンブリであって、前記電気磁界測定アセンブリは、前記電気導体(3)に流れる電流によって誘導される磁界を測定するために、第1に前記電子基板(4)に適用され、第2に前記電気導体(3)の表面(30)から所定の距離に前記磁界センサ(2)を位置決めし、前記距離が、0以上1.5mm以下である、電気アセンブリ。
【請求項10】
磁界コンセントレータを有さない、請求項8又は9に記載の電気アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、とりわけ、車両、詳細には電気車両又はハイブリッド車両の電気システムの監視の分野に関する。より正確には、本発明は、電気システムを監視する目的で電流を測定するための電気装置を対象とする。
【背景技術】
【0002】
既知のように、電気自動車又はハイブリッド自動車は、高電圧車載電気システムを介して高電圧供給バッテリによって電力を供給される電気モータリゼーションシステムを備える。高電圧供給バッテリは、車両を進めるために電気モータリゼーションシステムにエネルギーを供給する機能を果たす。より正確には、車両の車輪を駆動する電気機械を制御するために、高電圧供給バッテリによって供給されるDC電流を1つ又は複数の、例えば正弦波AC制御電流に変換するためインバータを使用することが知られている。
【0003】
この目的のために、インバータは、電気機械に供給されるエネルギーが通過する電気部品と、インバータの電気部品を監視するための電子部品を備える電子監視ユニットとを備える。インバータの電気部品は、パワーエレクトロニクスモジュールに配置されてもよい。
【0004】
インバータはまた、複数の電気導体、具体的には3相モードで3つの電気導体を備えている。又はインバータが複数の三相電気機械に電力を供給する場合、一般に3の倍数である数の電気導体をインバータは備えている当業者に知られているように「リードフレーム」とも呼ばれる、検討中の電気システムの各電気導体は、電気機械の相コネクタに接続される。
【0005】
既知のように、電気機械を監視するインバータなどの電気機械を監視する電気システムの動作を監視するためには、電気エネルギーを前述の電気機械に供給するインバータを適切に制御するために電気機械の各相を流れる電流を知ることが必要である。
【0006】
この目的のために、検討中の電気システムの電気導体において電流測定を実行することが知られている。一般に、三相の状況では、3つの電気導体のうちの2つの電流測定を実行することが十分であり、第3の導体を流れる電流は、他の2つの導体を流れる電流から決定することができる。この電流測定は、一般に磁界測定を伴う。したがって、磁界を測定するセンサは、電気システムの対応する電気導体の電流によって誘導される磁界を測定するように配置される。次いで、各磁界の値を使用して電流の強度を決定する。
【0007】
典型的には、磁界を測定するセンサは、電子基板に搭載されて、磁界を測定するセンサによって実行される測定に基づく電流の値を送達する。センサは、一般に、電気導体に可能な限り近くづくように電子基板から所定の距離にあり、該電子基板に複数のピンによって接続されている。しかしながら、センサと電子基板との間のこの電気的接続は、例えば、ピン及び/又はピンとセンサとの間の接合部に及ぼされる機械的制約のために脆弱であり得る。したがって、改善された機械的保持を可能にするセンサと電子基板との間の電気的接続のための手段が必要とされている。
【0008】
この目的のために、本発明は、磁界測定のためのセンサを受け入れるための電気装置を提案する。
【発明の概要】
【0009】
より正確には、本発明は、支持体と、支持体に少なくとも部分的に収容された電気回路とを備え、支持体が保持部材を備える、とりわけ、電気自動車又はハイブリッド自動車に搭載されて収容されるように意図された電気装置に関する。本発明は、とりわけ、電気システム、具体的には、パワーエレクトロニクス機器のアイテムを監視する目的で、該電気システムの電気導体を流れる電流を測定することを可能にする。
【0010】
電気回路は、電気線路のアレイと、磁界センサを受け入れるように設計された受入部とを備え、該受入部は、保持部材から所定の距離にあり、とりわけ、保持部材に対して支持体の遠位端にある。電気回路は、一方では磁界センサと、他方では受入部及び電気線路のアレイによって電気装置の外部の電子基板との間に電気的リンクを生成するように構成される。
【0011】
また、保持部材は、支持体と電子基板との間に機械的リンクを生成するためのストッパを形成する少なくとも1つの坦持部を備える。
【0012】
前述の受入部は、受入部と磁界センサの面との間の平面間接触を通じて該磁界センサとの電気的接続を生成するように構成された露出面を形成する。
【0013】
本発明は、ピンなしで磁界センサを使用することを可能にし、したがって電気装置及び磁界センサによって形成されるアセンブリの機械的強度を改善するという実質的な利点を有する。
【0014】
有利には、支持体は、支持体に対して磁界センサを位置決めするための受容部を備え、受容部及び保持部材は、磁界センサと電気導体との間の位置決めの不確実性を低減するように、電気装置を電気導体に対して設置することを可能にするように構成される。
【0015】
有利には、保持部材の前述の少なくとも1つの坦持部は、電子基板を坦持するように構成された坦持面を有する。
【0016】
有利には、支持体は電気回路上にオーバーモールドされ、支持体及び電気回路はオーバーモールドアセンブリを形成する。したがって、磁界センサと電気導体との間の位置決めの不確実性が低減され、それによって電流測定の精度を向上させることが可能になる。
【0017】
有利には、支持体はプラスチックからなる。
【0018】
有利には、電気回路は、電子基板に電気的に接続されるように構成された接続脚部を備える。
【0019】
本発明はまた、本発明による磁界センサ及び電気装置を備える電気磁界測定アセンブリに関する。
【0020】
本発明はまた、本発明による電気磁界測定アセンブリと、電子基板と、電気導体とを備える電気アセンブリに関し、電気磁界測定アセンブリは、電気導体に流れる電流によって誘導される磁界を測定するために、第1に電子基板に適用され、第2に、電気導体に形成された自由空間に磁界センサを浸漬する。
【0021】
本発明はさらに、本発明による電気磁界測定アセンブリと、電子基板と、電気導体とを備える電気アセンブリに関し、電気磁界測定アセンブリは、第1に、電子基板に適用され、第2に、電気導体に流れる電流によって誘導される磁界を測定するために、電気導体の表面から所定の距離で磁界センサを位置決めし、前述の距離は、0以上1.5mm以下である。特に、前述の距離は、1mm未満、又は0.5mm未満であってもよい。
【0022】
有利には、本発明による電気アセンブリは、磁界コンセントレータを有さない。したがって、電気アセンブリのコンパクトさが改善される。
【0023】
本発明はさらに、電子基板と、いくつかの電気導体と、本発明によるいくつかの電気磁界測定アセンブリを備えるパワーエレクトロニクス機器のアイテムに関し、電気磁界測定アセンブリの各々は、対応する電気導体を流れる電流によって誘導される磁界の測定を実行するために、電気導体のうちの1つと対になっている。
【0024】
受入部は、とりわけ、プレート、具体的には、導電性プレートを形成する。具体的には、受入部及びセンサは、平面間接触を形成するように主に1つの同じ方向に沿って延在する。
【0025】
本発明は、非限定的な例として与えられ、同様の対象に同一の参照符号が与えられる以下の図面を参照して、例として与えられる以下の説明を読むことによりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図2】本発明の一例による電気装置と磁界センサとを備える電気磁界測定アセンブリの正面図を示す。
【
図3】本発明の第1の実施形態による電気アセンブリであって、電子基板と、電気導体と、本発明の一例による電気装置及び磁界センサを備える電気磁界測定アセンブリとを備える、電気アセンブリの一例の側面図を示す。
【
図4】本発明の一例による電気装置の電気回路の図を示す。
【
図5】本発明の第2の実施形態による電気アセンブリであって、電子基板と、電気導体と、本発明の一例による電気装置及び磁界センサを備える電気磁界測定アセンブリとを備える、電気アセンブリの一例の側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図面は、本発明を実施するために本発明を詳細に説明しており、当然のことながら、適用可能な場合に本発明をより良く定義するのに役立つことができることに留意されたい。
【0028】
本発明は、電気装置であって、具体的には、電気システムを監視する目的で、とりわけ、電気自動車又はハイブリッド自動車に搭載されるように構成された、電流測定のための電気装置に関する。本発明は、電気システムの電気導体を流れる電流を測定する状況で以下に説明される。このような電気導体は、一般に「リードフレーム」と呼ばれる。電気システムは、パワーエレクトロニクス機器のアイテム、とりわけ、インバータ又はDC-DC電圧コンバータであってもよい。
【0029】
図1を参照すると、本発明による電気装置1は、支持体11と、支持体11内に少なくとも部分的に収容された電気回路12とを備える。言い換えると、支持体11は、電気回路12を保持する。
【0030】
また、
図1及び
図4を参照すると、電気回路12は、電気線路122のアレイと、
図2及び
図3に示す磁界センサ2を受け入れるように設計された受入部121とを備える。具体的には、磁界センサ2は、ホールセンサ、大型磁気抵抗器、又は任意の他の磁界測定装置から構成されてもよく、ただし、磁界センサはピンを有さず、そこから電流測定値を推定するために磁界測定を実行するように構成される。そのような磁界センサ2を使用することにより、とりわけ、電気システムの機械的強度を改善することが可能になる。
【0031】
図3に示すように、電気回路12は、一方では磁界センサ2と、他方では受入部121及び電気線路122のアレイによって電気装置1の外部の電子基板4との間に電気的リンクを生成するように構成される。言い換えれば、磁界センサ2は、受入部121、次いで電気線路122のアレイによって電子基板4に磁界測定値を送信する。電子基板4は、とりわけ、磁界測定値に基づいて電気システムを監視する動作を制御することを可能にする。
【0032】
また、
図1~
図3を参照すると、支持体は、支持体11と電子基板との間に機械的リンクを生成するようにストッパを形成する少なくとも1つの坦持部112を備える保持部材111を備える。このとき、受入部121は、保持部材111から所定の距離にあり、より具体的には、保持部材111に対して支持体11の遠位端にある。これにより、磁界センサ2は、支持体11が装着された電子基板4から所定の距離にある導体3を流れる電流を測定することを可能にする。
【0033】
また、前述の受入部121は、受入部121と磁界センサ2の面との間の平面間接触を通じて該磁界センサ2との電気的接続を生成するように構成された露出面を形成する。
【0034】
支持体11は、電気導体3に対して磁界センサ2を位置決めするため、第1に電気導体3に対して、第2に電子基板4に対して電気装置1を位置決めすることを可能にする。次いで、磁界センサ2は、電気導体3に流れる電流によって誘導される磁界の測定を実行することができる。また、電気装置1は、とりわけ、電気システムを監視する目的で前述の磁界測定値を電子基板4に送信するように構成される。
【0035】
支持体11は、好ましくは、磁界センサ2が受入部121に取り付けられることを可能にするように、受入部121に対向して形成された開口を備える。
【0036】
さらに好ましくは、支持体11は、支持体11に対して磁界センサ2を位置決めするための受容部114を備える。受入部121に対向して形成された開口の周縁は、
図1に示すように、受容部114を形成することができる。次いで、受容部114は、支持体11に対する磁界センサ2の正確な位置決めを可能にするようにチョック(chock)の機能を果たす。
【0037】
また、前述の少なくとも1つの坦持部112は、支持体11と電子基板4との間の保持を改善し、その正確な位置決めを確実にするために、好ましくは、支持体11の2つの反対側の端部にそれぞれ配置された2つの坦持部から形成される。
【0038】
図1~
図3を参照すると、前述の少なくとも1つの坦持部112は、電子基板4を坦持するように構成された坦持面113を有する。支持体11と電子基板4との間の機械的リンクは、この坦持を備える。
【0039】
受容部114及び保持部材111は、とりわけ、電気装置1を電気導体3に対して設置することを可能にするように構成される。したがって、とりわけ、磁界センサ2を電気装置1が装着される電子基板4にリンクする軸の方向において、磁界センサ2と電気導体3との間の正確で制御された位置決めの不確実性を確実にすることが可能である。
【0040】
電気装置1は、好ましくは、磁界センサ2の任意の振動を低減するために適した剛性を有していてもよい。
【0041】
また、電気装置1は、電気装置1と電子基板4とを組み立てるための取付手段を備えてもよい。
【0042】
支持体11は、好ましくは、電気回路12上にオーバーモールドされる。したがって、支持体11及び電気回路12は、オーバーモールドアセンブリを形成する。
【0043】
保持部材111及び受容部114を備えるこのようなオーバーモールドアセンブリは、位置決めの不確実性を低減して磁界センサ2と電気導体3との間の位置決めを確実にすることを可能にする。位置決めの不確実性は、主にオーバーモールドプロセスの不確実性に依存し、例えば、位置決めの不確実性は、+/-0.4mm程度であり得る。位置決めの不確実性を低減することにより、電流測定の精度を具体的には30%倍に大幅に改善することが可能になる。したがって、オーバーモールドアセンブリを使用することにより、とりわけ、電気導体3に対する磁界センサ2の相対的な位置決めに必要な物理的に独立した要素の数を減らすことによって、磁界センサ2による電流測定の精度を向上させることが可能になる。
【0044】
支持体11は、好ましくは、とりわけ、オーバーモールド製造プロセスに適合するプラスチックからなる。
【0045】
図4を参照すると、電気回路12は、有利には、電子基板4に電気的に接続されるように構成された接続脚部123を備えていてもよい。接続脚部123は、電気装置1の電子基板4への簡単な接続を可能にする。
【0046】
また、電気線路122のアレイは、好ましくは、磁界センサ2を、とりわけ、電子基板4に電気的に接続するように経路を画定する。上述のようなオーバーモールドアセンブリの状況では、オーバーモールド後に経路画定動作(routing operation)を実行することが一般的で有利である。結果として、オーバーモールドアセンブリの支持体11に形成された開口を備えることが有用であり得る。これらの開口は、具体的には、オーバーモールド後に経路の画定を実行することができるように、穿孔される電気線路122のアレイの対向する部分である。
【0047】
電気回路12は、好ましくは導電性材料、具体的には銅を含む材料からなる。
【0048】
本発明の一態様によれば、電気磁界測定アセンブリは、磁界センサ2と電気装置1とを備える。
【0049】
電気磁界測定アセンブリを製造するプロセスは、
電気回路12を形成するように導電性材料のシートを曲げるステップの後にスタンピングするステップであって、電気回路12は必ずしも正しく経路を画定されていない、スタンピングするステップと、
電気回路12を支持体11でオーバーモールドするステップと、
電気回路12の電気線路122のアレイを経路を画定するために打抜するステップと、
磁界センサ2を受入部121にはんだ付けするステップと、をさらに含む。
【0050】
本発明による電気アセンブリの第1の実施形態によれば、
図3を参照すると、電気アセンブリは、電気磁界測定アセンブリと、電子基板4と、電気導体3とを備える。この第1の実施形態では、電気導体3を通じて流れる電流によって誘導される磁界を測定するため、電気磁界測定アセンブリは、第1に電子基板4に適用され、第2に、電気導体3内に形成された自由空間に磁界センサ2を、とりわけ、垂直に浸漬する。自由空間は、好ましくは開放されている。自由空間は、とりわけ、磁界測定の最適な精度を得るために適している。
【0051】
図5を参照すると、本発明による電気アセンブリの第2の実施形態によれば、電気アセンブリは、電気磁界測定アセンブリと、電子基板4と、電気導体3とを備える。この第2の実施形態では、電気磁界測定アセンブリは、電気導体3に流れる電流によって誘導される磁界を測定するように、第1に電子基板4に適用され、第2に、磁界センサ2を電気導体3の表面30から所定の距離に位置決めする。距離は、好ましくは1.5mm未満、又はさらには1mm未満、又はさらには0.5mm未満である。距離は0であってもよい。この場合、磁界センサ2は、電気導体3の表面30に接触してもよい。距離は、とりわけ、電気導体3に対する磁界センサ2の位置決めの不確実性に等しい値を有していてもよい。
【0052】
また、本発明による電気アセンブリの第1及び第2の実施形態によれば、電気アセンブリは、好ましくは磁界コンセントレータを有さず、コンパクトさの獲得を可能にする。
【0053】
本発明の一態様によれば、パワーエレクトロニクス機器のアイテムは、電子基板と、いくつかの電気導体と、いくつかの電気磁界測定アセンブリとを備える。電気磁界測定アセンブリの各々は、対応する電気導体に流れる電流によって誘導される磁界の測定を実行するように、電気導体のうちの1つと対にされる。電気導体の数は、必ずしも電気磁界測定アセンブリの数に等しくないことに留意されたい。実際、電気導体の数よりも少ない数の電気磁界測定アセンブリで十分であり得、残りの電流値は、電気磁界測定アセンブリによって実行された測定値から推定することができる。
【0054】
パワーエレクトロニクス機器のアイテムは、とりわけインバータであってもよい。電気導体の数は、とりわけインバータのAC相の数に対応し、一般に3に等しい。具体的には、電気磁界測定アセンブリの数は2に等しくてもよい。次いで、2つの電気磁界測定アセンブリは、3つの電気導体のうちの2つで電流測定を実行するように構成され、第3の電気導体の電流は、他の2つの電気導体からの電流測定から推定することができる。
【0055】
代替として、パワーエレクトロニクス機器のアイテムは、とりわけ、DC-DC電圧コンバータ、具体的には高電圧バッテリの入力におけるDC-DC電圧コンバータであってもよい。
【0056】
要約すると、電気装置の受入部によって、本発明は、ピンなしで磁界センサを使用することを可能にし、電気アセンブリの機械的強度を改善するという実質的な利点を有する。
【0057】
また、本発明は、磁界コンセントレータを必要とせずに、その場で又は電気導体の近くで電気導体に対して磁界測定を実行することを可能にする。したがって、パワーエレクトロニクス機器のアイテムのコンパクトさが改善される。
【0058】
オーバーモールドアセンブリを使用することにより、本発明は、制御された正確な位置決めの不確実性を保証するというかなりの利点を有し、磁界測定の精度、したがって電流測定の精度の改善につながる。正確な電流測定により、とりわけ、インバータ又はDC-DC電圧コンバータの入力及び/又は出力における電流監視を改善することができ、したがって電気部品の寿命を改善することができる。
【0059】
また、オーバーモールドアセンブリは、有利には、電気磁界測定アセンブリの実装の再現性の向上を確実にすることを可能にし、したがって電流測定の再現性の向上をもたらす。
【0060】
さらに、工業製造の観点から、オーバーモールドアセンブリの構成は、十分に制御された安価なプロセスであるオーバーモールド製造プロセスを使用することを可能にする。
【0061】
本発明はまた、電気装置の寸法設定を容易にするという利点を有し、これは調節することができる。本発明による電気装置は、電気システムの様々な構成に接続することができる。
【外国語明細書】