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特開2022-84593ガスの貯蔵および放出システムにおいて体積分析容量を高めるための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022084593
(43)【公開日】2022-06-07
(54)【発明の名称】ガスの貯蔵および放出システムにおいて体積分析容量を高めるための方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 20/28 20060101AFI20220531BHJP
   F17C 11/00 20060101ALI20220531BHJP
   B01J 20/10 20060101ALI20220531BHJP
   B01J 20/20 20060101ALI20220531BHJP
   B01J 20/22 20060101ALI20220531BHJP
【FI】
B01J20/28 Z
F17C11/00 A
B01J20/10 A
B01J20/20 B
B01J20/20 D
B01J20/20 E
B01J20/22 A
【審査請求】有
【請求項の数】31
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022023171
(22)【出願日】2022-02-17
(62)【分割の表示】P 2018567944の分割
【原出願日】2017-06-30
(31)【優先権主張番号】62/357,613
(32)【優先日】2016-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/464,955
(32)【優先日】2017-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516107826
【氏名又は名称】インジェヴィティ・サウス・カロライナ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホルブルック,ビリー-ポール・エム
(72)【発明者】
【氏名】ヒルツィク,ローレンス・エイチ
(72)【発明者】
【氏名】ミムス,ロバート・ダブリュ
(72)【発明者】
【氏名】ボンガロンタ,レイ・ピィ
(72)【発明者】
【氏名】オヌボグ,ケネチュクウ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】優れた重量分析作業容量および体積分析容量を有する多孔質ガス吸蔵モノリス、多孔質ガス吸蔵モノリスを含むガス貯蔵システム、その製造方法、およびガスを貯蔵する方法を提供する。
【解決手段】フルオロポリマー、ポリアミド、ポリイミド、フィブリル化セルロース、高性能プラスチック、フルオロポリマーとのコポリマー、ポリアミドとのコポリマー、ポリイミドとのコポリマー、高性能プラスチックとのコポリマー、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つである非水性結合剤を含み、約9Åの大きさより小さい細孔における約100cc/L-M未満の体積、約9~27Åの大きさの細孔における約200cc/L-Mよりも大きい体積、および約27~490Åの大きさの細孔における約50cc/L-Mよりも大きい体積を含む構成とする多孔質ガス吸着材料を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスを貯蔵する方法であって、
前記ガスを、≦40lb/GGEの作業重量分析容量および/または≦35L/GGEの体積分析容量を有する少なくとも1つの多孔質ガス吸蔵モノリスを含むガス貯蔵システムと接触させること
を含む方法。
【請求項2】
前記多孔質ガス吸蔵モノリスが、
約9Åの大きさより小さい細孔における<約100cc/L-Mの体積、
約9~27Åの大きさの細孔における>約200cc/L-Mの体積、
約27~490Åの大きさの細孔における>約50cc/L-Mの体積、
少なくとも0.4g/ccの部分密度、または
それらの組み合わせ
の少なくとも1つを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記作業重量分析容量が≦40lb/GGEである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記体積分析容量が30L/GGE以下である、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記多孔質ガス吸蔵モノリスが、ガス吸着材料と非水性結合剤とを含む、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記非水性結合剤が、フルオロポリマー、ポリアミド、ポリイミド、フィブリル化セルロース、高性能プラスチック、フルオロポリマーとのコポリマー、ポリアミドとのコポリマー、ポリイミドとのコポリマー、高性能プラスチックとのコポリマー、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記フルオロポリマーが、ポリ(ビニリデンジフルオリド)、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化エチレンプロピレン、ペルフルオロアルコキシアルカン、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ポリアミドが、ナイロン-6,6’、ナイロン-6、ナイロン6,12、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つである、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記結合剤が10wt%以下の量で存在する、
前記ガス吸着材料が少なくとも90wt%の量で存在する、
前記非水性結合剤が、前記結合剤の約50wt%~約70wt%の分散液である、または
それらの組み合わせ
の少なくとも1つである、請求項5~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記非水性結合剤が約2.5wt%~約7wt%の量で存在する、
前記ガス吸着材料が少なくとも93wt%の量で存在する、
前記非水性結合剤が、前記結合剤の約55wt%~約65wt%の分散液である、または
それらの組み合わせ
の少なくとも1つである、請求項5~9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記ガス吸着材料が、活性炭、ゼオライト、シリカ、有機金属骨格、共有結合有機骨格、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つである、請求項5~10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記活性炭が、木材、ピートモス、ココナッツの殻、石炭、クルミの殻、合成ポリマーおよび/または天然ポリマーに由来する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記活性炭が、熱的に活性化されている、化学的に活性化されている、またはそれらの組み合わせである、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
ガス吸蔵材料を含む多孔質ガス吸蔵モノリスであって、
≦40lb/GGEの作業重量分析容量および/または<35L/GGEの体積分析容量を有する多孔質ガス吸蔵モノリス。
【請求項15】
非水性結合剤をさらに含む、請求項14に記載のモノリス。
【請求項16】
前記非水性結合剤が、フルオロポリマー、ポリアミド、ポリイミド、フィブリル化セルロース、高性能プラスチック、フルオロポリマーとのコポリマー、ポリアミドとのコポリマー、ポリイミドとのコポリマー、高性能プラスチックとのコポリマー、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つである、請求項15に記載のモノリス。
【請求項17】
前記フルオロポリマーが、ポリ(ビニリデンジフルオリド)、フッ素化エチレンプロピレン、ペルフルオロアルコキシアルカン、およびポリテトラフルオロエチレンからなる群から選択される少なくとも1つのフルオロポリマーである、請求項16に記載のモノリス。
【請求項18】
前記ポリアミドが、ナイロン-6,6’、ナイロン-6、およびナイロン6,12からなる群から選択される少なくとも1つのポリアミドである、請求項16に記載のモノリス。
【請求項19】
前記非水性結合剤が10wt%以下の量で存在する、請求項15~18のいずれかに記載の物品。
【請求項20】
前記ガス吸着材料が少なくとも90wt%の量で存在する、請求項14~19のいずれかに記載のモノリス。
【請求項21】
前記ガス吸着材料が、活性炭、ゼオライト、シリカ、有機金属骨格、共有結合有機骨格、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つである、請求項14~20のいずれかに記載のモノリス。
【請求項22】
前記活性炭が、木材、ピートモス、ココナッツの殻、石炭、クルミの殻、合成ポリマーおよび/または天然ポリマーに由来する、請求項21のいずれかに記載のモノリス。
【請求項23】
前記活性炭が、熱的に活性化されている、化学的に活性化されている、またはそれらの組み合わせである、請求項21または22に記載のモノリス。
【請求項24】
前記モノリスが以下の
約9Åの大きさより小さい細孔における<約100cc/L-Mの体積、
約9~27Åの大きさの細孔における>約200cc/L-Mの体積、
約27~490Åの大きさの細孔における>約50cc/L-Mの体積、
≧0.4g/ccの部分密度、
前記作業重量分析容量が≦30lb/GGEである、
前記体積分析容量が30L/GGE未満である、
前記ガス吸着材料が少なくとも93wt%の量で存在する、
前記非水性結合剤が、約2.5wt%~約7wt%の量で存在する、
前記非水性結合剤が、前記結合剤の約50wt%~約70wt%の分散液である、または
それらの組み合わせ
の少なくとも1つを有する、請求項14~24のいずれかに記載のモノリス。
【請求項25】
前記部分密度が、約0.4g/cc~約0.75g/ccの範囲にある、請求項24に記載のモノリス。
【請求項26】
前記部分密度が、約0.4g/cc~約0.6g/ccの範囲内にある、請求項14~25のいずれかに記載のモノリス。
【請求項27】
前記作業重量分析容量が<28lb/GGEである、請求項14~26のいずれかに記載のモノリス。
【請求項28】
多孔質ガス吸蔵モノリスの製造方法であって、
ガス吸着材料と非水性結合剤とを混合すること、および
前記混合物を成形構造物に圧縮するか、前記混合物をある形状に押し出すこと
を含む方法。
【請求項29】
前記圧縮した混合物に熱を加えることをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記モノリスが、以下の
前記非水性結合剤が、フルオロポリマー、ポリアミド、ポリイミド、フィブリル化セルロース、高性能プラスチック、フルオロポリマーとのコポリマー、ポリアミドとのコポリマー、ポリイミドとのコポリマー、高性能プラスチックとのコポリマーもしくはそれらの組み合わせの少なくとも1つである、または
前記ガス吸着材料が、活性炭、ゼオライト、シリカ、有機金属骨格、共有結合有機骨格、もしくはそれらの組み合わせの少なくとも1つである、または
それらの組み合わせ
の少なくとも1つを有する、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記モノリスが以下の
約9Åの大きさより小さい細孔における<約100cc/L-Mの体積、
約9~27Åの大きさの細孔における>約200cc/L-Mの体積、
約27~490Åの大きさの細孔における>約50cc/L-Mの体積、
≧0.4g/ccの部分密度、
作業重量分析容量が≦40lb/GGEである、
体積分析容量が<35L/GGEである、
前記ガス吸着材料が少なくとも90wt%の量で存在する、
前記非水性結合剤が、10wt%以下の量で存在する、または
それらの組み合わせ
の少なくとも1つを有する、請求項28~30のいずれかに記載の方法。
【請求項32】
前記モノリスが以下の
約0.4g/cc~約0.75g/ccの範囲である前記部分密度、
前記作業重量分析容量が30lb/GGE未満である、
前記体積分析容量が30L/GGE未満である、
前記ガス吸着材料が少なくとも93wt%の量で存在する、
前記非水性結合剤が、約2.5wt%~約7wt%の量で存在する、
前記非水性結合剤が、前記結合剤の約50wt%~約70wt%の分散液である、または
それらの組み合わせ
の少なくとも1つを有する、請求項28~31のいずれかに記載の方法。
【請求項33】
前記混合物を圧縮することが、少なくとも1,250psiの圧力を加えることを含む、請求項28~32のいずれかに記載の方法。
【請求項34】
前記加えられる圧力が1,500psiより大きい、請求項33のいずれかに記載の方法。
【請求項35】
前記成形構造物または前記押出し形状が、円柱、長円形の柱体、立方体、楕円形の柱体、長円形の柱体、または直方体である、請求項28~34のいずれかに記載の方法。
【請求項36】
容器と、
その中に配置された多孔質ガス吸蔵モノリスであって、ガス吸着材料を含む、多孔質ガス吸蔵モノリスと
を含むガス貯蔵システムであって、
前記多孔質ガス吸蔵モノリスは、≦40lb/GGE(例えば、≦28lb/GGE)の作業重量分析容量および/または<35L/GGE(例えば、<30L/GGE)の体積分析容量を有する、ガス貯蔵システム。
【請求項37】
前記モノリスが、非水性結合剤をさらに含む、請求項36に記載のガス貯蔵システム。
【請求項38】
前記モノリスが、以下の
前記非水性結合剤が、フルオロポリマー、ポリアミド、ポリイミド、フィブリル化セルロース、高性能プラスチック、フルオロポリマーとのコポリマー、ポリアミドとのコポリマー、ポリイミドとのコポリマー、高性能プラスチックとのコポリマーもしくはそれらの組み合わせの少なくとも1つである、または
前記ガス吸着材料が、活性炭、ゼオライト、シリカ、有機金属骨格、共有結合有機骨格、もしくはそれらの組み合わせの少なくとも1つである、または
それらの組み合わせ
の少なくとも1つを有する、請求項37に記載のガス貯蔵システム。
【請求項39】
前記モノリスが、以下の
前記ガス吸着材料が少なくとも90wt%の量で存在する、
前記非水性結合剤が10wt%以下の量で存在する、
前記非水性結合剤が、前記結合剤の約50wt%~約70wt%の分散液である、または
それらの組み合わせ
の少なくとも1つを有する、請求項36~38のいずれかに記載のガス貯蔵システム。
【請求項40】
前記モノリスが以下の
約9Åの大きさより小さい細孔における<約100cc/L-Mの体積、
約9~27Åの大きさの細孔における>約200cc/L-Mの体積、
約27~490Åの大きさの細孔における>約50cc/L-Mの体積、
≧0.4g/cc部分密度、
≦40lb/GGEの作業重量分析容量、
<35L/GGEの体積分析容量、
前記ガス吸着材料が少なくとも93wt%の量で存在する、
前記非水性結合剤が、7wt%以下の量で存在する、
前記非水性結合剤が、前記結合剤の約55wt%~約65wt%の分散液である、または
それらの組み合わせ
の少なくとも1つを有する、請求項36~39のいずれかに記載のガス貯蔵システム。
【請求項41】
前記容器が少なくとも1,000psiに耐えるように構成されている、請求項36~40のいずれかに記載のガス貯蔵システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年7月1日に出願された米国特許仮出願第62/357,613号および2017年2月28日に出願された米国仮特許出願第62/464,955号の優先権を主張する。これらの仮出願の両方とも、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
背景
1.技術分野
本開示は、ガス貯蔵システムに関し、特に、改善された貯蔵容量および供給容量を備える吸着性ガス用の多孔質ガス吸着性モノリスおよび貯蔵システムに関する。さらに、本明細書は、吸着剤密度と重量分析作業容量の少なくとも一方を改善することによって、吸着ガス貯蔵システムの作業容量または可逆的な貯蔵(例えば、活性炭含有貯蔵システムや吸着モノリス含有貯蔵システムを含む吸着天然ガス貯蔵システムからの天然ガスの貯蔵および供給)を改善する方法を提供する。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術の説明
吸着天然ガス(ANG)貯蔵システムは、相対的に低い作動圧力に起因して、現在使用されている圧縮天然ガス(CNG)シリンダに代わるものである。作動圧力の低下は、家庭用燃料補給ユニットの使用を可能にし、圧縮のコストを削減し、本質的に比較的安全である。通常、ANG貯蔵システムは、3,000~3,600psigの範囲の作動圧力を有するCNGシリンダと比較して、1,000psig未満の作動圧力を有する。
【0004】
ANG貯蔵システムでは、表面に付着し、吸着された「凝縮相」で特定の分子の大きさの細孔を満たす天然気体分子を貯蔵するために吸着剤が使用される。吸着剤をガスシリンダの内側に配置するか、吸着剤の周囲にガスシリンダを形成し、次いでこれをパージして酸素を除去する。吸着剤は高い体積分析作業容量を示すべきであり、吸着剤に貯蔵されるガスと比較して吸着剤から放出されるガスの比率は理想的には1であるべきである。ANG貯蔵システムで吸着剤を使用することで、ガスシリンダが、同等の圧力での空のシリンダと比較して、より多大な質量の天然ガスを保持することが可能になる。これらの吸着剤には、木材、泥炭、石炭、ココナッツ、合成または天然ポリマーを含む様々な原料からの活性炭、ならびに化学的および/または熱的活性化を含む様々なプロセスが含まれる。さらに、モレキュラーシーブ、多孔質アルミナ、柱状粘土、多孔質シリカ、ゼオライト、および有機金属骨格を含む無機吸着剤を使用することができる。
【0005】
固体表面への気体分子の吸着およびその細孔内での凝縮相の形成は発熱現象である。ANG用途では、一次吸着はファンデルワールス力、すなわち弱い力の相互作用として知られている。気体分子が吸着すると、分子の自由度(振動、回転、または並進)が減少するため、熱が放出される。大量のガスが吸着されると、放出される熱の量は相当なものとなり得る。対照的に、脱着する気体分子は吸熱過程であり、これはエネルギー(すなわち熱)が気体分子によって吸着されることを意味する。やはり、大量のガスが放出されると、システムの著しい温度の低下が認められる。
【0006】
天然ガスの中で最も豊富な成分であるメタンは、動態学的な直径が3.8Åである。コンピュータでのシミュレーションでは、メタンを貯蔵するための吸着剤にとって理想的な細孔の大きさ(例えば、直径)が約9~12Åであることを提示している。従来から、メ
タン貯蔵用の吸着剤に関する研究の焦点は、この大きさの範囲内の細孔体積を最大にすること、ならびに約9~12Åの細孔の大きさの範囲を中心とする狭い細孔の大きさの分布を達成することに集中していた。例えば、米国特許第5,965,483号明細書、米国特許第5,416,056号明細書、米国特許第5,372,619号明細書、米国特許第5,614,460号明細書、米国特許第5,710,092号明細書、米国特許第5,837,741号明細書、米国特許第6,626,981号明細書、米国特許第5,626,637号明細書、米国特許第8,691,177号明細書、米国特許第8,158,556号明細書、米国特許第8,500,889号明細書、米国特許第8,915,989号明細書、米国特許第5,401,472号明細書、米国特許第9,102,691号明細書、米国特許第7,060,653号明細書、米国特許第5,998,647号明細書、米国特許第7,662,746号明細書、米国特許第8,231,712号明細書、米国特許出願公開第2014/0018238号明細書、および国際公開第2014/0274659号パンフレットを参照されたい。
【0007】
約9~12Åの大きさの範囲内である細孔の大きさの分布に向けて努力する1つの制限は、このことで貯蔵が最大になる一方で、周囲圧力まで減圧させる場合にこの細孔の大きさの範囲は供給ガスと相関関係がないということである。実用的見地からの吸着能力は、全ガス容量、最大作動圧力で貯蔵されたガスの総量を超え、周囲圧力、すなわち14.7psiまで引き下げられたときに放出されるガスの全量に焦点を合わせるべきである。約9~12Åの細孔の大きさの狭い細孔の大きさの分布は、気体分子を取り囲む炭素表面の影響のために、高圧から周囲圧力に減圧したときに本質的により多くの気体分子を保持する。さらに、天然ガス組成物が、エタン、ブタンおよびプロパンなどのより大きな大きさの分子を含むことはよく知られている。天然ガスの典型的な組成は、89~95%のメタンである。本開示の驚くべき態様は、メタン単独とは対照的に天然ガスの高い作業容量のために、貯蔵領域における細孔の分布およびより大きな細孔(最大25~30Å)が減圧の間の放出と滲出を促進するという驚くべきかつ予想外の発見である。さらに、燃料補給の多くのサイクルにわたって初期の容量をより良好に維持するために<9Åの大きさの細孔体積を最小にすることは驚くべきことに、また予想外に有利であった。27Åの大きさ、さらには50Åの大きさよりも大きい細孔体積がさらに貯蔵容量を増大させることも予想外であった。さらに、吸着剤の細孔の大きさの分布を9~12Åの範囲に集中させるための過去の多くの試みで、非常に狭い細孔の大きさ分布に一部起因して、非常に複雑な活性化法および/またはエキゾチックな材料がもたらされた。そのような製造方法を使用することは、法外なコストがかかり、および/または安価でスケールアップできることがまだ証明されていない。場合によっては、吸着剤の材料は改良された体積分析容量または体積分析能力(GGE当たりの吸着剤のLであり、GGEは米国エネルギー省代替燃料データセンター(www.afdc.energy.gov/fuels/equivalency_methodology.html)によって5.66lbの天然ガスとして定義されるガソリンガロン当量である)を有するが、重量分析作業容量または重量分析能力(GGE当たりの吸着剤のlb)を犠牲にしている。他の場合には、逆のことが認められた、すなわち、重量分析作業容量は、体積分析容量の減少を犠牲にして増加した。
【0008】
より最近の研究は、吸着剤の能力を向上させることに加えて、周囲圧力で貯蔵または吸着剤材料に保持されるガスの量をどれほど減らすかを判定することに焦点を合わせている。これを行う1つの方法は、システムの温度を制御することである。温度が制御される場合、気体分子の放出を促進するために、タンクが減圧しているとき、すなわちエンジンに燃料を供給しているときに熱を加えることができる。逆に、タンクを加圧しているとき、すなわちANGタンクの燃料補給中に、熱を除去して、指定された作動圧力で貯蔵されるガスの量をさらに増やすことができる。ある場合には、タンク、吸着剤に適用される外部エネルギー源、またはタンクもしくは吸着剤に適用される熱伝導特性を含む他の添加剤の使用が提案されてきた。例えば、米国特許第5,912,424号明細書、米国特許第7
,955,415号明細書、米国特許第7,418,782号明細書、米国特許第7,891,386号明細書、米国特許第7,735,528号明細書、米国特許第7,938,149号明細書、米国特許第9,006,137号明細書、米国特許第9,188,284号明細書、中国特許第2006/10013838号明細書、国際公開第2015/02262号パンフレット、米国特許出願公開第2014/0290283号明細書、および米国特許出願公開第2014/0290611号明細書を参照されたい。これらの方法は、気体分子の放出を促進したり、等温条件近くで吸着したりする一方で、システム全体をさらに複雑にし、さらに重量およびコストを増大させる。また、これらの方法は、言及した欠点のために商業的に実行可能であることがまだ証明されていない。
【0009】
細孔の大きさの分布に焦点を合わせた作業量と比較して、比較的見過ごされてきた吸着剤の属性が、吸着剤の構造である。今日市販されている吸着剤の大多数は、粉末、ペレット、顆粒の3つのカテゴリーに分類できる。前述の範疇の大きさは典型的には0.025~7mmである。そのような材料は、頭上からの装填によってそれらのパッケージに導入され、ランダムな充填密度をもたらし、その結果、吸着剤はせいぜい容器の内側の体積の約64%を占めるようになる。場合によっては、容器に振動装置を使用して、占有体積を65~70%にわずかに増やすことができる。しかし、容器の約3分の1には吸着剤がないままである。シリンダの内側の体積を最大にするために、より適合性の高い構造、すなわち内側の形状を反映し、また振動処理を必要とする粒子充填物と比較して充填をより容易かつより迅速にするものが望ましい。いくつかの場合は、嵩密度を増加させるために炭素粒子または炭素繊維を互いに接着するために有機結合剤を使用するか、炭化性結合剤を使用した。例えば、米国特許第5,614,460号明細書、米国特許第5,837,741号明細書、米国特許第6,030,698号明細書、米国特許第6,207,264号明細書、米国特許第6,475,411号明細書、米国特許第6,626,981号明細書、米国特許出願公開第2014/0120339号明細書、米国特許出願公開第2015/0258487号明細書、米国特許出願公開第2009/0229555号明細書、および米国特許第8,691,177号B2明細書を参照されたい。一方、天然ガス貯蔵用の軽量なシステムは付加価値がある。例えば、米国エネルギー省エネルギー効率・再生可能エネルギー局(https://energy.gov/eere/vehicles/vehicle-technologies-office-lightweight-materials-cars-and-trucks)は、車両の重量の10%の減少に対して6~8%の燃費の向上を見積もっている。これは、2000lbの車両に関して重量の30lbの減少に当たる約1%の減少に相当し、そのことにより、燃料を貯蔵するためにより少ない結合剤およびより軽量の吸着剤にすることが支持される。それ故、好ましいが捉えどころのない目標は、単に吸収剤から作られた高密度の物品とは対照的に、優れた持続的な天然ガスの貯蔵能力を有し、製造が容易で製造コストが安価である、密に詰め込まれた吸着剤を伴って作られた軽量の形状適合構造化物品である。
【0010】
多くの構造化物品に対する1つの制限は、吸着剤が結合剤材料と混合されたときの作業容量の低下にあった。結合剤の材料によっては、能力の低下の程度は吸着剤の単純な希釈の程度を超える。天然ガスの吸着および脱着能力の低下は、関連する細孔の大きさの範囲内にある細孔の閉塞、制限的な分子の拡散および滲出をもたらして吸着剤表面を閉塞する全体的な細孔の直径の減少に起因する可能性が高い。カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース、芳香族スルホン酸塩の結晶塩、ポリフルフリルアルコールなどを含むがこれらに限定されない水溶性結合剤(例えば極性結合剤)などの現在使用されている結合剤を、水性溶媒および吸着材料と混合する。水性溶媒は結合剤を可溶化して、炭素粒子を互いに接着させるように作用するゲルエマルジョンを生成する。この方法に固有のものでは、多孔性および表面積が閉塞され、その結果、純粋な吸着剤の能力が低下する。水性結合剤の代替は、粘土、フェノール樹脂、ポリアクリレート、ポリビニルアセテート、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)などの
ような特定の非可溶化、非水性結合剤の使用である。しかし、この群の結合剤は、細孔の遮断または細孔の充填のために、吸着剤の全体の多孔度を減少させることが観察されている。両方の結合剤群は、典型的には高温(>700℃)で炭化またはアニールされる結合剤を含み、これは細孔の収縮および細孔体積の減少を引き起こす。累積効果により、成分の吸着剤材料と比較して歪んだ細孔の大きさの分布および悪化した細孔体積を特徴とする吸着剤物品がもたらされる。さらに、ある特定の場合には、前述の物品の製造に制限があった。これらの特定の場合において、形状特異的物品は、腐食性のガスの副生成物(例えば、ポリ塩化ビニル系ポリマーの炭化からの分解生成物)を生じる高温までの複数の熱処理を必要とするとき、大量生産にスケールアップするためのコストと合わせて、それらの適応を中止したり、隙間市場への使用を狭めたりする。
【0011】
さらに、細孔の収縮を引き起こすプロセスは、最終成形品の寸法を歪ませる。理想的な一部は、タンクの体積分析容量を最大にするためにシリンダの内側の形状に形成されている。これは応用にとって非常に重要と考えられる。吸着剤が、例えばCMC(水性)またはPVDC(非水性)によって結合されている場合、乾燥および/または炭化させてからの形状の最終的な寸法は、初期の寸法から減少している、および/または歪んでいる。収縮と呼ばれるこの欠点は、吸着剤と結合剤との界面で分子レベルで化学的性質を制御することができないために、制御が困難である。結果として、成形部分がシリンダ内に設置されたときに、可変の収縮に対応するためにその外壁と内側のシリンダの壁との間にかなりの余分な空間が存在する影響が出る。体積分析容量の減少を超えると、空隙の空間が、結合吸着剤がシリンダ内を移動することを可能にし、このことが、移動式での適用において重大な損耗をもたらす可能性があり、微粒子が潜在的に減圧ガスに同伴して、タンク内の吸着剤が少なくなって、下流のラインを詰まらせる潜在的可能性がある。累積的な影響により、貯蔵容量が大幅に少なくなる。収縮と戦うための1つの方法は、初期の部分に特大寸法の目標を採用することである。しかし、収縮は予測するのが困難であるので、一部の部分は必然的に、製造された燃料タンクの範囲内に収まるには大きすぎる最終外形寸法を有する。
【0012】
したがって、ガスの貯蔵容量を減少させず、従来の結合剤のプロセス上の課題を克服し、プロセスでの形成時に、より信頼性のある最終的な物理的寸法および吸着能力を有する、本明細書に記載の非水性結合剤を伴う多孔質ガス吸蔵物品に対する必要性が存在する。それは、軽量で、改良された吸着剤密度、高い重量分析作業容量、および繰り返しの燃料補給による容量のレベルの持続を備えた吸着性ガス貯蔵システム、およびその製造方法を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
概要
本明細書は、多孔質ガス吸蔵モノリス(例えば、活性炭モノリス)、多孔質ガス吸蔵モノリスの製造方法、ならびにそれを使用するための方法およびシステムに関する。特に、約9~27Åの顕著な細孔体積を特徴とするガス収着剤材料と本明細書に記載の非水性結合剤との特定の組み合わせが、より優れていて良好な予測可能な寸法、体積分析容量および/または重量分析容量を備える多孔質ガス吸蔵モノリスを提供することが、意外にも、また予想外に発見された。
【課題を解決するための手段】
【0014】
特定の実施形態では、細孔の約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%またはそれ以上(間のすべての値および範囲を含む)が、9~27Åの範囲にある。特定の実施形態において、細孔の50%超、60%超、70%超、80%超、90%超、95%超またはそれ以上(間のすべての値および範囲を含む)
が、9~27Åの範囲内にある。特定の実施形態において、細孔の60%超が9~27Åの範囲内にある。特定の実施形態では、細孔の70%超が9~27Åの範囲にある。特定の実施形態では、細孔の80%超が9~27Åの範囲にある。特定の実施形態では、細孔の90%超が9~27Åの範囲にある。特定の実施形態において、細孔の95%超が9~27Åの範囲にある。他の特定の実施形態では、細孔の約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%またはそれ以上(間のすべての値および範囲を含む)が、約12~27Åの範囲である。特定の実施形態において、50%超、60%超、70%超、80%超、90%超、95%超またはそれ以上(その間のすべての値および範囲を含む)は、約12~27Åの範囲にある。特定の実施形態では、細孔の30%超が12~27Åの範囲にある。特定の実施形態では、細孔の40%超が約12~27Åの範囲内にある。特定の実施形態では、細孔の50%超が約12~27Åの範囲内にある。特定の実施形態では、細孔の60%超が約12~27Åの範囲内にある。特定の実施形態では、細孔の70%超が約12~27Åの範囲内にある。特定の実施形態では、細孔の80%超が約12~27Åの範囲内にある。
【0015】
例えば、本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、モノリスは、約9Åの大きさより小さい細孔における<約100cc/L-Mの体積、約9~27Åの大きさの細孔における>約200cc/L-Mの体積、約27~490Åの大きさの細孔における>約50cc/L-Mの体積、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つを含む。
【0016】
本開示の一態様は、マイクロ細孔またはナノ細孔のモノリス炭素質物品を提供する。この物品は、本明細書に記載されているように、ガス吸着材料および「非水性」結合剤を含む。「非水性」とは、主として機械的接着のメカニズムによって、高密度の吸着モノリス構造において粉末吸着剤を固定化および結合する結合剤を意味する。結合剤はエマルジョンとして、溶媒中の分散物として、または乾燥粉末として添加され、結合剤はゲルの形態ではなく、また水であってもなくてもよい溶媒により可溶化されていない。特定の実施形態において、本開示の非水性結合剤は、フルオロポリマー(例えば、ポリ(ビニリデンジフルオリド))、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化エチレンプロピレン、またはペルフルオロアルコキシアルカン)、ポリアミド(例えば、ナイロン-6,6’またはナイロン-6)、ポリアミド、フィブリル化セルロース、高性能プラスチック(例えばポリフェニレンスルフィド)、フルオロポリマーとのコポリマー、ポリアミドとのコポリマー、ポリイミドとのコポリマー、高性能プラスチックとのコポリマーまたはそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの結合剤である。高性能プラスチック、高性能ポリマー、または高性能熱可塑性樹脂は、150℃以上の連続使用温度を有する任意の半結晶性または非晶質熱可塑性樹脂であり得る。特定の実施形態では、本開示の組成物の非水性結合剤は、15wt%以下の量で存在する。一実施形態では、非水性結合剤はポリテトラフルオロエチレンである。本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、本開示の非水性結合剤は、ポリテトラフルオロエチレンの形態である。別の実施形態では、本開示の非水性結合剤は、10wt%以下(例えば、10wt%未満、7wt%以下、約2.5wt%~約7wt%、または3wt%~約7wt%の範囲)の量で存在する。
【0017】
理論に拘束されることなく、本明細書に記載の非水性結合剤の驚くべき利点は、マスクや外面の吸着剤粒子の連続的なコーティングを伴わずに、また結合剤による内部の吸着剤粒子の多孔性の汚染が最小限の状態で、機械的接着のメカニズムを介して、粒子の外面にて粉末の吸着剤を固定化および結合することに起因すると考えられる。機械的接着とは、本開示に記載されるような非水性結合剤が、温度および/または圧力の強制から吸着剤の粒子表面の不規則性まである程度一致し、その後結合され固定した吸着剤構造を作り出しながら、何らかの様式で硬化することを意味する。接着は、低アスペクト比の成形微粒子および/または高アスペクト比の繊維の形態の結合剤に吸着剤と接触させることによって、達成される。繊維状結合剤は、そのより高いアスペクト比で添加させても、プロセスに
よって生成してもよい。例えば、剪断混合プロセスステップ間のブレンドの加熱、および圧縮成形または押出成形ステップ間の加熱は、結合剤軟化点付近の温度で、低次のアスペクト比の結合剤成分からの繊維状結合剤の所望の生成に寄与でき、また所望の機械的接着のために結合剤を効率的に使用するのを補助することができる。結合剤の適切な選択を通して、また好ましくは成形前に吸着剤と結合剤との混合物を乾燥させることによって、望ましくない収縮が避けられ、モノリスの所望の目標の寸法を確実かつ再現可能に達成することができる。
【0018】
本開示の実施形態のさらなる利点は、結合剤の選択、比較的少ない結合剤含有量、およびより小さな約9~12Åの大きさの多孔性に濃縮されるのとは対照的に、約9~27Åの大きさの範囲の重大な多孔性である吸着剤の使用により、重量が比較的軽い燃料貯蔵タンクとなることである。すなわち、特定の実施形態では、モノリスは、約9Åの大きさより小さい細孔における<約100cc/L-Mの体積、約9~27Åの大きさの細孔における>約200cc/L-Mの体積、約27~490Åの大きさの細孔における>約50cc/L-Mの体積、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、ガス吸着材料は、活性炭、ゼオライト、多孔質シリカ、共有結合有機骨格、または有機金属骨格からなる群から選択される。特定の実施形態では、ガス吸着材料は、少なくとも85wt%(例えば、少なくとも90wt%、90wt%超、少なくとも93wt%、または93wt%超)の量で存在する。
【0020】
さらなる実施形態では、ガス吸着材料は粒状活性炭である。特定の実施形態では、活性炭は、例えば、木の実、ココナッツの殻、泥炭、木、コイア、褐炭、石炭、石油ピッチ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される炭素質材料である。特定の実施形態では、活性炭は粉末形態または顆粒形態である。
【0021】
特定の実施形態では、活性炭モノリスは、約9Å~約27Åの大きさ(すなわち直径)の範囲の細孔について≧0.5cc/gの細孔体積を有する。
【0022】
他の実施形態では、モノリスは少なくとも0.4g/ccの部分密度を有する。実施形態では、部分密度は約0.4g/cc~0.8g/ccの範囲内にある。
【0023】
特定の実施形態において、モノリスは、40lb/GGE以下(例えば、≦30lb/GGE)の作業重量分析容量または重量分析能力を有する。特定の実施形態では、作業重量分析容量は28lb/GGE以下である。
【0024】
追加の実施形態では、モノリスは、35L/GGE以下の体積分析容量を有する。例えば、体積分析容量は、30L/GGE未満または25L/GGE未満であり得る。
【0025】
本開示の別の態様は、多孔質ガス吸蔵モノリスを製造する方法を提示する。この方法は、本明細書に記載のガス吸着材料と非水性結合剤とを混合すること、混合物を成形構造物に圧縮または押し出すこと、および圧縮または押出しした混合物に熱を加えることを含む。実施形態では、混合物をタンクに入れ、続いて混合物を圧縮することをさらに含む。
【0026】
本開示の別の態様は、多孔質ガス吸蔵モノリスを製造する方法を提供する。この方法は、本明細書に記載のガス吸着材料と非水性結合剤とを混合すること、混合物をタンクにおいて圧縮すること、ならびに圧縮した混合物および/またはタンクに熱を加えることを含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、モノリスは以下の、本開示の非水性結合剤がフルオロポリマ
ー、ポリアミド、フィブリル化セルロース、ポリイミド、高性能プラスチック(例えばポリフェニレンスルフィド)、フルオロポリマーとのコポリマー(例えば、ポリ(ビニリデンジフルオリド)またはポリテトラフルオロエチレン)、ナイロン-6,6’、ナイロン-6’、ポリアミドとのコポリマー、ポリイミドとのコポリマー、高性能プラスチックとのコポリマーからなる群から選択されること、あるいは、ガス吸着材料が、活性炭、ゼオライト、多孔質シリカ、共有結合有機骨格、または有機金属骨格からなる群から選択されること、の少なくとも1つを有する。
【0028】
一実施形態では、モノリスは以下の、ガス吸着材料が少なくとも90wt%(例えば少なくとも93wt%)の量で存在すること、非水性結合剤が10wt%以下(例えば7.5wt%以下、7wt%以下、約2.5wt%~約7wt%、または約3wt%~約7wt%)の量で存在すること、またはそれらの組み合わせであることの少なくとも1つを有する。
【0029】
追加の実施形態では、モノリスは以下の、少なくとも約0.4g/cc(例えば、約0.40g/cc~約0.8g/cc、約0.4g/ccまたは約0.65g/cc、または約0.4g/cc~約0.6g/ccの範囲内)の部分密度、40lb/GGE以下の作業重量分析容量(例えば30lb/GGE以下、または28lb/GGE以下)、35L/GGE未満(例えば、30L/GGE未満または25L/GGE未満)の体積分析容量、ガス吸着材料が少なくとも93重量%の量で存在すること、非水性結合剤が約2.5重量%~約7重量%の量で存在すること、約9Å~約27Åの範囲の大きさの細孔の細孔体積が≧0.5cc/gであること、またはそれらの組み合わせ、の少なくとも1つを有する。
【0030】
特定の実施形態では、混合物を圧縮するステップは、少なくとも1,250psiの圧力を加えることを含む。例えば、加えられる圧力は1,500psiを超えてもよい。
【0031】
特定の実施形態では、成形構造物または押出し形状は、実質的に円柱、長円形の柱体、立方体、楕円形の柱体、直方体、または不規則な形状の少なくとも1つである。
【0032】
本開示のさらなる態様は、ガス貯蔵システムを提供する。ガス貯蔵システムは、エンベロープまたは容器(すなわち、タンクまたは容れ物)、およびそれらに配置される本開示の多孔質ガス吸蔵モノリス(例えば、ガス吸着材料および本明細書に記載の非水性結合剤を含むモノリス)を含む。特定の実施形態において、エンベロープまたは容器は、内側の寸法および内側の体積を有する本体を画定する。特定の実施形態において、吸着剤は、エンベロープまたは容器の内側の体積の約80~約99%を構成する。特定の実施形態では、容器はキャニスターである。
【0033】
実施形態では、容器は少なくとも1,000psiに耐えるように構成される。
いくつかの実施形態では、モノリスは以下の、本開示の非水性結合剤がフルオロポリマー、ポリアミド、ポリイミド、フィブリル化セルロース、高性能プラスチック(例えばポリフェニレンスルフィド)、フルオロポリマーとのコポリマー、ポリアミドとのコポリマー、ポリイミドとのコポリマー、またはそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの結合剤であること、あるいは、ガス吸着材料が、活性炭、ゼオライト、シリカ、共有結合有機骨格、または有機金属骨格からなる群から選択されることの少なくとも1つを有する。
【0034】
他の実施形態では、モノリスは少なくとも90wt%の量のガス吸着材料、および10wt%以下の量の非水性結合剤を含む。
【0035】
さらなる実施形態では、モノリスは以下の、少なくとも0.4g/ccの部分密度、40Gb/g以下の作業重量分析容量、35L/GGE以下の体積分析容量、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つを有する。
【0036】
前述の一般的な実用分野は、例としてのみ与えられており、本開示および添付の特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。本開示の組成物、方法、およびプロセスに関連するさらなる目的および利点は、本特許請求の範囲、明細書、および実施例に照らして当業者によって理解される。例えば、本開示の様々な態様および実施形態は、多数を組み合わせて利用してもよく、そのすべてが本明細書によって明示的に企図される。これらの追加の利点、目的および実施形態は、本開示の範囲内に明示的に含まれる。本開示の背景を明らかにするために、また特定の場合には、実施に関する付加的な詳細を提示するために、本明細書で利用している刊行物やその他の資料は、あらゆる目的で、その全体が参照により組み込まれる。
【0037】
図面の簡単な説明
本明細書に組み込まれてその一部を形成する添付の図面は、本開示のいくつかの実施形態を例示し、その説明と共に、本開示の原理を説明するのに役立つ。図面は、本開示の実施形態を例示する目的のためだけのものであり、本発明を限定するものとして解釈するべきではない。本発明のさらなる目的、特徴および利点は、本開示の例示的な実施形態を示す添付の図面と併せて解釈される以下の詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1A】ガス貯蔵システムの空のシリンダ(すなわちタンクまたは容れ物)を示す。
図1B】ガス吸着剤ペレットが中に含まれているガス貯蔵システムのシリンダ(すなわちタンクまたは容れ物)を示す。
図1C】形状特有のガス吸着材料を有するガス貯蔵システムのシリンダ(すなわちタンクまたは容れ物)を示す。
図2】本開示のモノリスを製造する方法のフロー図である。
図3】本開示のガス貯蔵システムを示す。
図4】吸着剤および本開示のそれぞれのモノリスについての、9~27Å(cc/g)の細孔体積のグラフ表示であり、吸着剤の重量パーセントに対して正規化されている。
図5】本開示のモノリスの細孔体積9~27Åと可逆的な天然ガス貯蔵容量(900psigに加圧したときのwt%)との相関関係を表すグラフ表示である。
図6】細孔体積9~12Åと可逆的な天然ガス貯蔵容量(900psigに加圧したときのwt%)との相関関係を表すグラフ表示である。
図7】モノリスの初期の成形(すなわち、ダイの内径)と、その後の任意の加熱および/または乾燥のプロセスステップ後との間で、代替の結合剤配合物を用いて調製された円筒状パックモノリスが遭遇する寸法の変化を比較している。
図8】モノリスの初期の成形(すなわち、ダイの内径とシリンダの初期の圧縮または切断された長さ)と、その後の任意の加熱および/または乾燥のプロセスステップ後との間で、代替の結合剤配合物を用いて調製された円筒状パックモノリスが遭遇する体積の変化を比較している。
図9】本開示による例示的なモノリスの例示的な細孔体積および回復可能または可逆的貯蔵容量を、モノリスの体積の基準で示す。
図10】非常にマイクロ細孔の比較例と比較した、本開示の相対的に少ないマイクロ細孔(<9Åの大きさ)の例による、飽和およびパージのサイクルの繰り返しによる可逆的天然ガス容量の相対的に少ない劣化を示す。
図11】本開示の相対的に少ないマイクロ細孔の例による安定した可逆的容量と比較した、非常にマイクロ細孔の比較例による10サイクルの飽和およびパージのサイクルを過ぎた可逆的天然ガス容量の継続的な劣化を示す。
図12】可逆的天然ガス容量のパーセント喪失と、天然ガスに対するモノリスの保持力との相関を示すグラフ表示である(本開示の比較例と実施例の両方に関する、体積分析なモノリスベースでの、可逆的容量よりも小さい飽和容量)。
図13】体積分析なモノリスベースで、本開示の比較例と実施例の両方について、細孔体積が9Åの大きさ未満である、試験の最初の加圧-減圧サイクルについての天然ガスに対するモノリスの保持率(可逆的容量よりも小さい、飽和容量)の相関を示すグラフ表示である。
図14】本開示の比較例および実施例の両方について、メソ細孔の体積27~490Åの大きさと9Åの大きさ未満の細孔体積とを、体積分析なモノリスベースで比較したグラフ表示である。
図15】本開示の比較例および実施例の両方について、細孔体積9~12Åの大きさと9Åの大きさ未満の細孔体積とを、体積分析なモノリスベースで比較したグラフ表示である。
図16】本開示の比較例および実施例の両方について、細孔体積9~27Åの大きさと9Åの大きさ未満の細孔体積とを、体積分析なモノリスベースで比較したグラフ表示である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
詳細な説明
以下は、本開示を実施する際に当業者を補助するために提供される詳細な説明である。当業者は、本開示の精神または範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の実施形態に修正および変形を加えることができる。本明細書で言及されたすべての刊行物、特許出願、特許、図面、および他の参考文献は、その全体が参照により明示的に組み込まれる。
【0040】
ガス吸着モノリスおよびその製造方法、ならびにそれを使用するガス貯蔵システムが本明細書で記載されており、これらはすべて、天然ガスの貯蔵および放出用の吸着剤の必要な細孔の大きさの範囲が約9Åの大きさのマイクロ細孔~約27Åの大きさのメソ細孔の範囲の分布であるという驚くべき予想外の発見に関する。図5では、約9Å~約27Åの大きさの細孔体積と可逆的天然ガス貯蔵量(重量%として、900psigで)との間の強い相関関係が認められる。可逆的天然ガス貯蔵量(重量%として、900psigで)に対する9~12Åの細孔体積をグラフ化すると、図6に示すように、相関は明確ではない。したがって、天然ガスの貯蔵に関する以前の研究はメタン、その吸着、およびそのガスのための吸着容量を増やすことができる小さなマイクロ細孔に焦点を当てていたが、可逆的天然ガス貯蔵用の吸着剤のより良い設計はメソ細孔の範囲に及ぶさらに大きな細孔を考慮する必要があった。さらに、典型的な結合剤はこのマイクロ細孔の大きさの範囲を厳格に狭めるが、本開示の結合剤の使用は、前述の望ましい大きさの細孔または多孔性をメソ細孔範囲内へと厳格に狭めはしない。図4に示すように、以前利用されていた水性結合剤に対する本開示の非水性結合剤の利点は、9~27Åの吸着剤成分の最も望ましい多孔度が、得られる9~27Åのモノリス物品の多孔度にどれほど近いか(すなわち、y=xの等価線に近い)、およびそれほど変動しないことで明らかである。すなわち、先の結合剤と比較して、本明細書に記載の結合剤を用いて製造されたモノリスは、吸着剤成分の望ましい9~27Åの大きさの細孔体積における喪失が相対的に少なく、9~27Åの大きさの細孔体積における変動がより少ないことに起因して、変動の少ない可逆的容量能力のモノリスを産出する。さらに、以下に例示されるように、本開示の結合剤は、天然ガス燃料タンクの内側の寸法に近密かつ確実に適合するように形成される高密度モノリス(すなわち、その吸着剤含有量が体積分析基準で最大にされるモノリス)を形成するために使用され得る。この発見は、ベースの吸着剤の体積分析容量および燃料貯蔵タンクの容量を大幅に改善する。本開示はまた、ガス貯蔵システムの内側の容器/容れ物の体積を最大にす
るための、混合吸着剤の高密度で有形の全体的な形状および/または形態に関する。これらの有形の全体的な形状および/または形態は、部分の能力を最大にしながら結合剤希釈量を最小にするように形成される。
【0041】
ある範囲の値が提示される場合、文脈上明らかに別段の指示がない限り、当該の範囲の上限と下限との間における(範囲内の各炭素原子の数が提示される場合の、複数の炭素原子を含む基の場合のような)下限の単位の10分の1まで、介在するそれぞれの値およびその記載された範囲内の任意の他の記載された値または介在する値は、本発明に包含されるということを理解されたい。また、これらのより小さな範囲の上限と下限は、独立してより小さな範囲に含まれていてもよく、また、記載された範囲内の任意の具体的に除外する制限に曝されながら、本発明に包含される。記載された範囲が限界の一方または両方を含む場合、それらの含まれる限界の一方・両方を除外した範囲もまた本発明に含まれる。
【0042】
本開示を説明するために、以下の用語が使用されている。他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。説明に使用される用語は、特定の実施形態を説明するためだけのものであり、本発明を限定することを意図するものではない。
【0043】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される冠詞「a」および「an」は、文脈上明らかに別段に示していない限り、その冠詞の文法上の対象の1つまたは2つ以上(つまり、少なくとも1つ)を示す。例として、「an element(1つの要素)」は1つの要素または2つ以上の要素を意味する。
【0044】
本明細書および特許請求の範囲において使用される「および/または」という語句は、そのように結合された要素の「一方または両方」、すなわち一部の場合には結合的に存在し、他の場合には分離的に存在する要素を意味すると理解されたい。「および/または」と列挙された複数の要素は、同じように、すなわちそのように結合された要素の「1つ以上の」と解釈されるべきである。具体的に特定された要素と関連するか否かにかかわらず、「および/または」という句によって具体的に特定される要素以外の他の要素が任意に存在してもよい。したがって、非限定的な例として、「含む(comprising)」などのオープンエンドの用語と併せて使用される場合、「Aおよび/またはB」という言及は、一実施形態では、Aのみ(場合によってはB以外の要素を含む)、別の実施形態では、Bのみ(場合によってはA以外の要素を含む)、さらに別の実施形態では、AとBの両方(場合によっては他の要素を含む)などを示し得る。
【0045】
本明細書および特許請求の範囲で使用される「または」は、上で定義した「および/または」と同じ意味を有すると理解すべきである。例えば、列挙された中の項目を分離する場合、「または」または「および/または」は包括的であると解釈されるべきであり、すなわち、要素の数または列挙の少なくとも1つ、またはさらに2つを含むが、必要に応じて追加の列挙していない項目を含む。「1つのみ」または「厳密に1つ」、または請求項で使用されているときの「からなる」などの反対に明確に示された用語のみが、複数または列挙された要素の厳密に1つの要素の包含を示す。一般に、本明細書で使用される「または」という用語は、「どちらか」、「1つ」、「1つのみ」または「厳密に1つ」などの排他的な用語が先行する場合にのみ、排他的な選択肢(すなわち「一方または他方、しかし両方ではない」)を示すものとして解釈される。
【0046】
「含む(comprising)」、「含む(including)」、「担持する(carrying)」、「有する(having)」、「収容する(containing)」、「伴う(involving)」、「保持する(holding)」、「構成する(composed of)」といったあらゆる移行句は、オープンエンドである、す
なわち非限定的に含むことを意味すると理解すべきである。「からなる」および「から本質的になる」という移行句のみが、それぞれ、米国特許庁の米国特許審査基準のセクション2111.03に記載されているように、クローズドまたはセマイクローズドの移行句であるものとする。
【0047】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、1つ以上の要素の列挙に関する「少なくとも1つ」という句は、要素の列挙の中の任意の1つ以上の要素から選択される少なくとも1つの要素を意味すると理解されたい。ただし、必ずしも要素の列挙の中で具体的に列挙されたあらゆる要素のうちの少なくとも1つの要素を含むとは限らず、要素の列挙の要素の任意の組み合わせを排除するわけではない。この定義はまた、具体的に特定される要素に関連するか否かにかかわらず、「少なくとも1つの」という語句が指し示す要素の列挙の中で具体的に特定される要素以外に、要素が任意に存在することを許容する。したがって、非限定的な例として、「AおよびBの少なくとも1つ」(または同等に「AまたはBの少なくとも1つ」または同等に「Aおよび/またはBの少なくとも1つ」)は、一実施形態では、Bが存在しないで(および場合によってはB以外の要素を含む)少なくとも1つの、場合により2つ以上を含むAを、別の実施形態では、Aが存在しないで(および場合によりA以外の要素を含む)少なくとも1つの、場合により2つ以上を含むBを、さらに別の実施形態では、少なくとも1つ、場合により2つ以上を含むAおよび少なくとも1つ、場合により2つ以上を含むB(場合により他の要素を含む)などを示し得る。
【0048】
また、本明細書に記載の特定の方法では、複数のステップまたは行為を含むものであり、方法のステップまたは行為の順序は、文脈が別段に示していない限り、必ずしも方法のステップまたは行為が列挙されている順序に限定されないということも理解されたい。
【0049】
一態様によれば、本開示はガスを貯蔵する方法を提供する。本方法は、≦40lb/GGEの作業重量分析容量および/または35L/GGE以下の体積分析容量を有する少なくとも1つの多孔質ガス吸蔵モノリスとガスを接触させることを含む。多孔質ガス吸蔵モノリスは、少なくとも0.4g/ccの部分密度を有することができる。特定の実施形態では、作業重量分析容量は≦30lb/GGE(例えば≦28lb/GGE)であり、および/または体積分析容量は≦32L/GGE(例えば≦30L/GGE)である。
【0050】
本明細書および特許請求の範囲で使用されるとき、「モノリス」という用語は、本明細書で説明される形成された吸着剤構造およびその機能的断片を含むと理解されたい。
【0051】
いくつかの実施形態では、多孔質ガス吸蔵モノリスは、ガス吸着材料(例えば、活性炭、ゼオライト、シリカ、共有結合有機骨格、または有機金属骨格のうちの少なくとも1つ)、および本明細書に記載の非水性結合剤(例えば、フルオロポリマー、ポリアミド、ポリイミド、高性能プラスチック、フィブリル化セルロース、フルオロポリマーとのコポリマー、ポリアミドとのコポリマー、ポリイミドとのコポリマー、高性能プラスチックとのコポリマー、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つ)を含む。本明細書に記載の任意の態様または実施形態において、本明細書に記載の非水性結合剤は融合剤/結合剤である。フルオロポリマーは、ポリ(二フッ化ビニリデン)、ポリテトラフルオロエチレン、ペルフルオロアルコキシアルカン、およびフッ素化エチレンプロピレンからなる群から選択することができる。本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、本開示の非水性結合剤は、ポリテトラフルオロエチレンまたはその誘導体である。ポリアミドは、ナイロン(例えば、ナイロン-6,6’およびナイロン-6)からなる群から選択されてもよい。本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、本開示の非水性結合剤は、モノリス/混合物の成分の少なくとも一部を融合させる。ポリイミドは、二無水物ポリマー前駆体からなる群から選択することができる。高性能プラスチックは、ポリフェニレンスルフィド、ポリケトン、ポリスルホン、および液晶ポリマーからなる群から選択することができ
る。ある実施形態において、非水性結合剤は15wt%以下の量で存在し、かつ/またはガス吸着材料は少なくとも85wt%の量で存在する。活性炭は、木材(wood)、ピートモス(peat moss)、ココナッツの殻(coconut shell)、石炭(coal)、クルミの殻(walnut shell)、合成ポリマーおよび/または天然ポリマーに由来してもよく、および/または約1800m/g以上のBET表面積を有してもよい。実施形態では、活性炭は熱的に活性化されているか、化学的に活性化されているか、それらの組み合わせである。
【0052】
一態様では、本開示は、本開示に記載されるような、ガス吸着材料と非水性結合剤とを含む高吸着モノリス物品を提供する。実施形態では、モノリスは少なくとも0.4g/ccの部分密度、40lb/GGE以下の作業重量分析容量、35L/GGE未満の体積分析容量、少なくとも90wt%(例えば、少なくとも92wt%または少なくとも93wt%)の量で存在するガス吸着材料、10wt%未満(例えば、約2.5wt%~約7wt%、または7wt%以下)の量で存在する非水性結合剤、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つを有する。
【0053】
別の態様では、本開示は、ガス吸着材料を含む高吸着モノリス物品を提供し、モノリスは、40lb/GGE以下の作業重量分析容量および/または35L/GGE未満の体積分析容量を有する。さらに、モノリスは少なくとも0.4g/ccの部分密度を有することができる。別の実施形態では、モノリスは、本明細書に記載されるように、非水性結合剤をさらに含む。例えば、本明細書に記載の任意の態様または実施形態において、本開示の非水性結合剤は、ポリテトラフルオロエチレンであるか、またはそれから誘導される。
【0054】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、吸着モノリスは、約9Åの大きさまたは直径より小さい細孔における<約100cc/L-Mの体積、約9~27Åの大きさまたは直径の細孔における>約200cc/L-Mの体積、約27~490Åの大きさまたは直径の細孔における>約50cc/L-Mの体積、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つを含むことができる。例えば、モノリスまたは物品の約9~27Åの大きさの細孔は、>約200cc/L-M、>約210cc/L-M、>約220cc/L-M、>約230cc/L-M、>約240cc/L-M、>約250cc/L-M、>約260cc/L-M、>約270cc/L-M、または>275cc/L-Mの体積を有し得る。モノリスまたは物品の約9Å未満の細孔は、<約100cc/L-M、<約98cc/L-M、<約95cc/L-M、<約90cc/L-M、または<約85cc/L-Mの体積を有し得る。モノリスまたは物品の約27~490Åの細孔は、>約50cc/L-M、>約55cc/L-M、>約60cc/L-M、または>約65cc/L-Mの細孔体積を有し得る。
【0055】
実施形態において、本開示の非水性結合剤は、フルオロポリマー(例えば、ポリ(ビニリデンジフルオリド)、ポリテトラフルオロエチレン、ペルフルオロアルコキシアルカン、またはフッ素化エチレンプロピレン)、ポリアミド(例えば、ナイロン-6,6’またはナイロン-6)、ポリイミド、高性能プラスチック(例えばポリフェニレンスルフィド)、フルオロポリマーとのコポリマー、ポリアミドとのコポリマー、ポリイミドとのコポリマー、高性能プラスチックとのコポリマーまたはそれらの組み合わせの少なくとも1つである。特定の実施形態では、本開示の組成物の非水性結合剤は、10wt%以下の量で存在する。例えば、本開示の組成物の非水性結合剤は、約2.5~約10wt%、約5.0~約10wt%、約7.5wt%~約10wt%、約9~約10wt%、約2.5~約8wt%、約5.0~約8wt%、約6.5wt%~約8wt%、約2.5~約7wt%、約5.0~約7wt%、約2.5~約5.0wt%、または2.5wt%以下の量で存在し得る。特定の実施形態では、非水性結合剤は、約1wt%、約1.5wt%、約2wt%、約2.5wt%、約3wt%、約3wt%、約4wt%、約4.5wt%、約5wt%、約5.5wt%、約6wt%、約6.5wt%、約7wt%、約7.5wt%、約
8wt%、約8.5wt%、約9wt%、約9.5wt%、または約10wt%の量で存在する。
【0056】
いくつかの実施形態では、ガス吸着材料は、当技術分野で一般に知られているか、知られるようになる任意の適切なガス吸着材料を含むことができる。当業者は、特定の種類のガス吸着材料がガス吸着モノリスに特に有用であることを認識する。それらは本明細書で明白に企図されている。例えば、特定の実施形態において、ガス吸着材料は、活性炭、ゼオライト、シリカ、共有有機骨格、有機金属骨格、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つである。特定の実施形態では、ガス吸着材料は少なくとも90wt%の量で存在する。例えば、ガス吸着材料は、少なくとも90wt%、少なくとも約92.5wt%、少なくとも約95wt%、少なくとも約97wt%、約90.0~約99wt%、約92.5wt%~約99wt%、約95.0~約99wt%、約90.0~約97.5wt%、約92.5wt%~約97.5wt%、約95.0~約97.5wt%、約90.0~約95.0wt%、約92.5wt%~約95.0wt%、または約90.0~約92.5wt%の量で存在することができる。特定の実施形態では、ガス吸着材料は、約90wt%、約90.5wt%、約91wt%、約91.5wt%、約92wt%、約92.5wt%、約93wt%、約93.5wt%、約94wt%、約94.5wt%、約95wt%、約95.5wt%、約96wt%、約96.5wt%、約97wt%、約97.5wt%、約98wt%、約98.5wt%、約99wt%、または約99.5wt%の量で存在する。
【0057】
本明細書に記載の態様または実施形態のいずれかにおいて、ガス吸着材料は、微粉末の形態、例えば、活性炭である。本明細書に記載の態様または実施形態のいずれかでは、ガス吸着材料は顆粒形態であり、例えば、活性炭である。活性炭は、比較的高いマイクロ細孔性を有する炭素粒子に加工された非グラファイト微結晶形態の炭素である。活性炭は、その間に非晶質炭素の領域を有する六員の炭素環からなる。活性炭は、残留酸素、窒素、水素、リン、および/またはそれらの化合物を含み得る。国際純正応用化学連合は、細孔の幅に応じて細孔を分類している。マイクロ細孔は、直径または大きさが約2ナノメートル(20Å)未満の細孔を含む。メソ細孔は、直径または大きさが約2~約50ナノメートルの細孔を含む。マクロ細孔は、直径または大きさが50ナノメートルを超える細孔である。
【0058】
さらなる実施形態では、ガス吸着材料は、木の実、ココナッツの殻、泥炭、木、コイア、褐炭、石炭、石油ピッチ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される活性炭である。
【0059】
実施形態では、活性炭は、約0.8nm(ナノメートル)~約3.5nmの範囲である平均の細孔の大きさを有することができる。特定の実施形態では、活性炭は、約0.6~約2.6nmの範囲である平均の細孔の大きさを有することができる。活性炭は、6.0nmを超える最小多孔度を有することができる。いくつかの実施形態において、活性炭は、約1.0μm(マイクロン)~約2.83mm(ミリメートル)の範囲の粒径を有する。特定の実施形態では、活性炭は、約5μm~約120μm、または約15μm~約120μmの範囲の粒径を有する。
【0060】
特定の実施形態では、活性炭モノリスは、約9Å~約27Åの範囲の大きさの細孔に対して、≧0.5cc/g(例えば、>0.55cc/g、または0.60cc/g、または>0.60cc/g)の細孔体積を有する。細孔体積は、Micromeritics
ASAP 2420(Norcross、GA)を用いて窒素吸着ポロシメトリーによって判定した。簡単に説明すると、実施例/試料を105~110℃に設定したオーブンで一晩乾燥させる。試料を取り出し、温度が実験室と平衡になるまで閉鎖系に入れる。試
料を機器試料管に挿入し、Micromeritics ASAP 2420機器に配置する。試験開始前に試料をその場で脱気する。試料の脱気は200℃および2μmHgの真空で行われる。ここで報告されたデータは、結合剤の焼損を防ぐために200℃より低い温度で脱気された試料について、収集することができる。細孔体積の判定は、SAIEUSプログラムを用いてP/Po等温曲線から計算される。非理想係数は0.0000620であった。密度変換係数は0.0015468であった。剛体球の直径は3.860Åであった。分子の断面積は0.162nmであった。等温線の目標相対的な圧力(mmHg)は以下の0.002、0.005、0.01、0.0125、0.0250、0.050、0.075、0.1、0.1125、0.125、0.150、0.175、0.20、0.25、0.30、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、0.80、0.85、0.90、および0.95であった。低圧では、装置は「低圧漸増用量モード」に設定され、これは器具に、20.0000cm/gのSTPの量の漸増用量に基づいてデータを記録するように指示する。実際の点は、それぞれ5mmHgまたは5%のより厳しい方の絶対な圧力または相対的な圧力の公差内で記録された。連続した圧力読み取り間の時間は平衡化する間のものであり、20秒であった。読み取りの間のΔPが<0.001%であるとき、データを取得し、Pを次の設定点に設定した。データを記録する間の最小の時間の遅延は600秒であった。窒素吸着等温線データをSAIEUSプログラムによって分析した。細孔の大きさの範囲の「最大」フィールドが500に変更される。Lの曲線の図表では、Lambdaの値は、バーをスクロールして曲線の接点を見つけることによって設定される。細孔の大きさの分布を判定するためにマイクロメリティクス機器によって得られた等温線データを処理するための数学モデルは、非局所密度汎関数理論(NLDFT)として記載されている。このモデルは、低圧力範囲に関連する誤差(小さな細孔に相当)を最小限に抑えると思われる。J.Phys.Chem., 2009, 113, 19382-19385 by
J.Jagiello and J.P.Olivierに記載されている。
【0061】
本開示を実施する際の使用に適した活性炭の1つのタイプは、米国、サウスカロライナ州ノースチャールストンのIngevity(登録商標)から、Nuchar(登録商標)SA-1500、Nuchar(登録商標)WV-A 1500、および/またはNuchar(登録商標)BAX 1500の名称で市販されている。特定の実施形態において、適切な活性炭は、ココナッツの活性炭および石炭系活性炭を含む。
【0062】
実施形態では、モノリスは少なくとも0.4g/ccの部分密度を有する。例えば、モノリスの部分密度は、約0.40g/cc~約2.00g/cc、約0.40g/cc~約1.50g/cc、約0.40g/cc~約1.25g/cc、約0.40g/cc~約1.00g/cc、約0.40g/cc~約0.80g/cc、約0.40g/cc~約0.75g/cc、約0.40g/cc~約0.65g/cc、約0.40g/cc~約0.55g/cc、約0.40g/cc、~約0.55g/cc、約0.50g/cc~約2.00g/cc、約0.50g/cc~約1.50g/cc、約0.50g/cc~約1.25g/cc、約0.50g/cc~約1.00g/cc、約0.50g/cc~約0.75g/cc、約0.60g/cc~約2.00g/cc、約0.60g/cc~約1.50g/cc、約0.60g/cc~約1.25g/cc、約0.60g/cc~約1.00g/cc、約0.70g/cc~約2.00g/cc、約0.70g/cc~約1.50g/cc、約0.70g/cc~約1.25g/cc、約0.70g/cc~約1.00g/cc、約1.00g/cc~約2.00g/cc、約1.00g/cc~約1.50g/cc、約1.00g/cc~約1.25g/cc、約1.25g/cc~約2.00g/cc、約1.25g/cc~約1.50g/cc、または約1.50g/cc~約2.00g/ccであり得る。特定の実施形態では、部分密度は約0.40g/cc、約0.4gg/cc、約0.50g/cc、約0.55g/cc、約0.60g/cc、約0.65g/cc、約0.70g/cc、約0.75g/cc、約0.80g
/cc、約0.85g/cc、約0.90g/cc、約0.95g/cc、約1.00g/cc、約1.05g/cc、約1.10g/cc、約10.15g/cc、約1.20g/cc、約1.25g/cc、約1.30g/cc、約1.35g/cc、約1.40g/cc、約1.40g/cc、約1.50g/cc、約1.55g/cc、約1.60g/cc、約1.65g/cc、約1.70g/cc、約1.75g/cc、約1.80g/cc、約1.85g/cc、約1.90g/cc、約1.95g/cc、または約2.00g/ccである。
【0063】
部分密度は、当業者に知られている任意の方法によって判定することができる。例えば、部分密度は、混合物から円筒形部分を作り、その部分をオーブンで110℃で12時間以上加熱し、その質量を測定することによって判定することができる。直径と長さはキャリパーで判定する。記録された質量を、算出した体積で割る。ある場合には、モノリスはその場で形成される。例えば、成形されたモノリス物品は、容器の内側の寸法に、寸法として一致する。次いで、部分密度は、容器の内側の体積と、容器が前述のように水分を除去するステップ、すなわちオーブンで≧12時間にわたり110℃で材料を含む容器を加熱するステップを経た後に充填された混合物の重量とによって測定される。
【0064】
特定の実施形態において、このモノリスは、40lb/GGE以下の作業重量分析容量を有する。例えば、モノリスは、約5~約40lb/GGE、約10~約40lb/GGE、約15~約40lb/GGE、約20~約40lb/GGE、約25~約40lb/GGE、約30~約40lb/GGE、約35~約40lb/GGE、約35lb/GGE未満、約5~約35lb/GGE、約10~約35lb/GGE、約15~約35lb/GGE、約20~約35lb/GGE、約25~約35lb/GGE、約30~約35lb/GGE、約30lb/GGE未満、約5~約30lb/GGE、約10~約30lb/GGE、約15~約30lb/GGE、約20~約30lb/GGE、約25~約30lb/GGE、約25lb/GGE未満、約5~約25lb/GGE、約10~約25lb/GGE、約15~約25lb/GGE、約20~約25lb/GGE、約20lb/GGE未満、約5~約20lb/GGE、約10~約20lb/GGE、約15~約20lb/GGE、約15lb/GGE未満、約5~約15lb/GGE、約10~約15lb/GGE、または約5~約10lb/GGEの作業重量分析容量を有する。特定の実施形態では、モノリスの作業重量分析容量は、約1lb/GGE、約2lb/GGE、約3lb/GGE、約4lb/GGE、約5lb/GGE、約6lb/GGE、約7lb/GGE、約8lb/GGE、約9lb/GGE、約10lb/GGE、約11lb/GGE、約12lb/GGE、約13lb/GGE、約14lb/GGE、約15lb/GGE、約16lb/GGE、約17lb/GGE、約18lb/GGE、約19lb/GGE、約20lb/GGE、約21lb/GGE、約22lb/GGE、約23lb/GGE、約24lb/GGE、約25lb/GGE、約26lb/GGE、約27lb/GGE、約28lb/GGE、約29lb/GGE、約30lb/GGE、約31lb/GGE、約32lb/GGE、約33lb/GGE、約34lb/GGE、約35lb/GGE、約36lb/GGE、約37lb/GGE、約38lb/GGE、約39lb/GGE、または約40lb/GGEである。
【0065】
重量分析容量および可逆貯蔵量(または「可逆的容量」)は、デジタル圧力読み取り、デジタル温度読み取り、および最大1000psigまで校正された圧力トランスデューサーを備えた4ポート試料ホルダシステムで判定される。円筒形の試料ホルダにぴったりと嵌合するように特に形成された既知の部分密度の試料を、予め秤量した試料ホルダに入れる。加圧および減圧中の試料の温度を監視および制御するために、内部熱電対が各試料ホルダの内側の中央に配置されている。試料を試験装置に接続し、続いて最低3時間真空(24mmHg)下で300°Fでガス放出する。次いで試料を室温に冷却し、真空化を停止する。試料ホルダを閉じた状態で外し、試料の重さを得るために再秤量する。次に試
料をプローブガス(天然ガスまたはメタン)で所望の圧力に加圧する。これは内部温度が10°F以上上昇するのを防ぐのに十分なほどゆっくり行われる。所望の圧力が得られたら、プローブガスのバルブを閉じる。内部温度が下がると、試料ホルダ内の圧力は低下する。プローブガスのバルブをわずかに開き、圧力を上げて所望の範囲に戻す。これが繰り返される。温度が一定であり、圧力が10分間にわたって0.1%変化しないとき、試料ホルダを閉じて再計量してシステム内のガスの量を判定する。試料ホルダを再接続し、減圧ステップを開始する。試料の内部温度と相関する温度計を用いて、減圧する速度を判定する。試料の温度は10°Fを超えて下がるべきではない。圧力が周囲の圧力により、また温度が所定の設定点の温度になったら、放出されたガスの量を判定するために試料ホルダを秤量する。放出されるガスの重量(グラム)は、重量の差によって決まる。試料ホルダに占める体積は、試料の重量と部分密度の積によって決まる。次いで、試料ホルダ内の空き領域が判定され(これは、理論的な試料の重量(試料ホルダの内側の体積に部分密度を乗じたもの)と実際の試料の重量との間の差に基づいて計算される)、その後、理想気体の状態方程式PV=znRTを解くことから計算される空き領域を占める気体の量を測定する。nは気体のモル量で、式中zは圧縮係数(900psiでのメタンの場合0.87)、Pは試験圧力(atm)、V=空き領域の体積(立法センチメートル)、Tは温度(K)、Rは気体定数(82.05736cm atm K-1 mol-1)である。空き領域内のガスの重量および0psigで試料に残っているガスの重量を、900psigで貯蔵されたガスの総重量から引く。この値を試料の重量で割って、試料1グラム当たりの可逆的に貯蔵されたガスのグラム数を得る。可逆的に貯蔵されたガスのグラム数を前述の換算係数(1GGE当たり2567g-NG、5.66lb-NG/GGEに等しい)を用いてGGEに換算し、試料の質量をグラム数からポンドに換算して、GGE当たりのlb-モノリスまたは-試料、またはlb/GGEとして重量分析容量を得る。試験した吸収容量の圧縮天然ガス混合物は、94.5%のメタン、2.8%のエタン、0.3%のプロパン、0.1%のブタン、<0.5%の他の炭化水素(合計)、0.9%の窒素、および0.9%のCOの分析証明書を有し、臭気化した形で、Gas Innovations(La Porte TX; www.gasinnovations.com)から入手した。
【0066】
追加の実施形態では、モノリスは、35L/GGE未満の体積分析能力を有する。例えば、体積分析能力は、約15L/GGE~約35L/GGE、約17L/GGE~約35L/GGE、約19L/GGE~約35L/GGE、約21L/GGE~約35L/GGE、約23L/GGE~約35L/GGE、約25L/GGE~約35L/GGE、約27L/GGE~約35L/GGE、約29L/GGE~約35L/GGE、約31L/GGE~約35L/GGE、約33L/GGE~約35L/GGE、約15L/GGE~約32L/GGE、約17L/GGE~約32L/GGE、約19L/GGE~約32L/GGE、約21L/GGE~約32L/GGE、約23L/GGE~約32L/GGE、約25L/GGE~約32L/GGE、約27L/GGE~約32L/GGE、約29L/GGE~約32L/GGE、約15L/GGE~約29L/GGE、約17L/GGE~約29L/GGE、約19L/GGE~約29L/GGE、約21L/GGE~約29L/GGE、約23L/GGE~約29L/GGE、約25L/GGE~約29L/GGE、約15L/GGE~約26L/GGE、約17L/GGE~約26L/GGE、約19L/GGE~約26L/GGE、約21L/GGE~約26L/GGE、約23L/GGE~約26L/GGE、約15L/GGE~約23L/GGE、約17L/GGE~約23L/GGE、約19L/GGE~約23L/GGE、約15L/GGE~約20L/GGE、約17L/GGE~約20L/GGE、または約15L/GGE~約17L/GGEであってよい。特定の実施形態では、モノリスの体積分析能力は、約35L/GGE、約34L/GGE、約33.5L/GGE、約33L/GGE、約32.5L/GGE、約32L/GGE、約31.5L/GGE、約31L/GGE、約30.5L/GGE、約30L/GGE、約29.5L/GGE、約29L/GGE、約28.5L/GGE
、約28L/GGE、約27.5L/GGE、約27L/GGE、約26.5L/GGE、約26L/GGE、約25.5L/GGE、約25L/GGE、約24.5L/GGE、約24L/GGE、約23.5L/GGE、約23L/GGE、約22.5L/GGE、約22L/GGE、約21L/GGE、約20L/GGE、約19L/GGE、約18L/GGE、約17L/GGE、約16L/GGE、または約15L/GGEである。
【0067】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、本開示の吸着モノリスは、少なくとも90wt%(例えば、少なくとも93wt%)の量で存在するガス吸着材料(例えば、活性炭)および<10wt%(例えば、約2.5wt%~約7wt%、約3wt%~約7wt%、≦7.5wt%、または≦7wt%)の量で存在する本明細書に記載の非水性結合剤(例えば、ポリテトラフルオロエチレン)を含み、ここで、モノリスは、≦40lb/GGE(例えば、≦35lb/GGE、≦30lb/GGE、または≦28L/GGE)の作業重量分析容量、≦35L/GGE(例えば、≦32L/GGEまたは≦30L/GGE)の体積分析能力、少なくとも0.4g/ccの部分密度(例えば、約0.4g/cc~約0.75g/cc、約0.4g/cc~約0.65g/cc、または約0.4g.cc~約0.6g/cc)、少なくとも0.5cc/gである約9Å~約27Åの範囲内の大きさを有する細孔の細孔体積、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つを有する。
【0068】
本明細書に記載の活性炭モノリスは、高度に吸着性の、形状特異的に設計されたモノリス物品である。本明細書に記載の非水性結合剤は、通常の充填剤入り吸着剤と比較して、吸着剤の充填密度を著しく増加させる。結果として、本開示の多孔質ガス吸蔵モノリスは、著しく改善された作業重量分析容量および体積分析容量を提供する。さらに、形状特異的なモノリス物品の使用は、ガス吸着材料をモノリス形態で取り扱うことができるので、ガス貯蔵システムの製造を単純化する。いくつかの実施形態では、任意選択で乾燥させることができる混合材料は、ガス貯蔵システム内で予備成形することができる。例えば、混合材料をガス貯蔵システム内に配置し、そこで混合材料を圧縮することができる。さらに、圧縮混合した材料を加熱してもよい。
【0069】
別の態様によれば、本開示は、図2に示しているように、多孔質ガス吸蔵モノリス60を製造する方法を提供する。この方法は本明細書に記載のガス吸着材料と非水性結合剤とを混合すること62、および混合物を成形構造物に圧縮または押し出すこと64を含む。混合物は、当技術分野で知られているか、当技術分野で知られるようになる任意の適切な方法によって混合することができる。例えば、ミキサーは、混和機、プラウ、ブレンダー、ニーダー、エクストルーダー、およびピンミキサーからなる群から選択されてもよい。特定の実施形態において、混合すること62は、少なくとも約10分間(例えば、少なくとも約15分間、少なくとも約20分間、少なくとも約25分間、約10~45分間、約10~35分間、約10~25分間、10~15分間、またはそれ未満)行われる。方法は、混合物を圧縮または押出しする前に混合物を乾燥させることをさらに含み得る。例えば、この方法は、混合物を少なくとも110℃の温度で乾燥することをさらに含み得る。混合物は圧縮中に加熱することができる。例えば、方法は、圧縮混合物を少なくとも約110℃(例えば、約110℃~約400℃)の温度で加熱すること64をさらに含み得る。実施形態では、多孔質ガス吸蔵モノリスはガス貯蔵タンク/システム内で製造される。これについては、後でさらに詳しく論じる。
【0070】
他の実施形態では、多孔質ガス吸蔵モノリスはガス貯蔵システム内に形成される。例えば、多孔質ガス吸蔵モノリスを製造する方法は、本明細書に記載されるような、ガス吸着材料と非水性結合剤とを混合すること、混合物をガス貯蔵タンクに入れること、ガス貯蔵タンク内で混合物を圧縮することを含むことができる。さらなる実施形態において、方法は、ガス貯蔵タンク内で圧縮された混合物を加熱することをさらに含む。本方法のこれら
のステップの各々は、ガス貯蔵システム/タンクにおいて多孔質ガス吸蔵モノリスを製造することと関連していない方法について、本明細書に記載しているように実施され得ることに留意されたい。例えば、混合物は、当技術分野で知られているか、当技術分野で知られるようになる任意の適切な方法によって混合することができ、例えばミキサーは、ミュラー、プラウ、ブレンダー、ニーダー、エクストルーダー、およびピンミキサーからなる群から選択され得る。混合は10~15分、またはそれ未満に起こり得る。方法は、混合物を圧縮する前に混合物を乾燥することをさらに含み得る。例えば、この方法は、混合物を少なくとも110℃の温度で乾燥することをさらに含み得る。次いで、乾燥させた混合物をガス貯蔵システム/タンクの内側に配置し、続いて外側のタンクと逆の形状に圧縮することができる。混合物は、圧縮中に少なくとも約110℃(すなわち、約110℃~約400℃)で加熱することができる。
【0071】
本方法のガス吸着材料および非水性結合剤の量および特徴は、活性炭モノリスの実施形態に関連させて上に記載されている。
【0072】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態において、他の薬剤(例えば、乳化剤、レオロジー助剤、増粘剤、界面活性剤および分散助剤)をモノリスの製造において企図されている。
【0073】
分散助剤を使用して、結合剤-結合剤凝集、炭素-炭素凝集、および混和物の凝集を防ぐためにより良好な粒子の安定性を付与することができる。分散剤は、結合剤に静電安定化、立体安定化、および/または他の安定化を付与することができる。分散剤は、当技術分野において一般に知られているか、知られるようになる任意の適切な分散剤を含むことができる。例えば、適切な分散剤としては、ステアレート、ポリエチレングリコール、モノステアレート、ジステアレート、ポリカルボン酸、ポリエーテル、およびブロックコポリマーが挙げられる。
【0074】
増粘剤は、混和により大きな流動性を付与するために使用することができる。本明細書に記載の態様または実施形態のいずれかにおいて、方法は、増粘剤を活性炭に添加することをさらに含む。増粘剤は、当技術分野において一般に知られているか、知られるようになる任意の適切な増粘剤を含むことができる。例えば、適切な増粘剤としては、メチルセルロース、メチルセルロースエーテル、およびポリアクリル酸などの水溶性ポリマーが挙げられる。
【0075】
レオロジー剤を使用して、プレウェット活性炭または混合物のレオロジー特性を調整することができる。特に、そのような調整は成形方法に応じて必要とされ得る。例えば、押出しはゲル様の稠度を必要とする。特定の実施形態では、方法は、混合物に増粘剤を添加することをさらに含む。増粘剤は、当技術分野において一般に知られているか、上記のように知られるようになる任意の適切な増粘剤を含むことができる。
【0076】
特定の実施形態では、方法は、希釈剤を混合物に添加することをさらに含む。希釈剤は、当技術分野において一般に知られているか、知られるようになる任意の適切な希釈剤を含むことができる。例えば、希釈剤は、アニオン性、カチオン性および非イオン性界面活性剤のような界面活性剤であり得る。アニオン性界面活性剤の例としては、カルボキシレート、ホスフェート、スルホネート、スルフェート、スルホアセテート、およびこれらの塩の遊離酸などが挙げられるが、これらに限定されない。カチオン性界面活性剤としては、長鎖アミン、ジアミンおよびポリアミンの塩、四級アンモニウム塩、ポリオキシエチレン化長鎖アミン、長鎖アルキルピリジニウム塩、ラノリン四級塩などが挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、長鎖アルキルアミンオキシド、ポリオキシエチレン化アルキルフェノール、ポリオキシエチレン化直鎖および分岐鎖アルコール、アルコキシル化ラノ
リンワックス、ポリグリコールエステル、リグノ硫酸誘導体、オクトフェノール、ノニルフェノール、ポリエチレングリコールモノエーテル、ドデシルヘキサオキシレングリコールモノエーテル、ナフタレンスルホネート、リン酸三ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムなどが挙げられる。使用される界面活性剤の特定の量は変動し、当業者に認識され得る。例えば、実施形態では、希釈剤は押出可能な混合物を形成するのに十分な量で混合物中に存在する。
【0077】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、型またはガス貯蔵システム/タンクへの圧縮、または混合物を加熱64してまたは加熱せずに押し出して成形構造物にすることは、型、ガス貯蔵システム/タンク、または押し出しによって所望の形状(すなわち成形構造物)へ形成される。すなわち、活性炭モノリスの所望の形状を形成するために、混合物を型に流し込むか、ガス貯蔵タンク/システムに入れることができる。特定の実施形態では、混合物と共に型またはガス貯蔵タンク/システムに加えられる圧力は、少なくとも1,250psi、少なくとも1,500psi、少なくとも3,000psi、少なくとも5,000psi、少なくとも7,500psi、少なくとも10,000psi、少なくとも12,500psi、少なくとも15,000psi、少なくとも30,000psi、または少なくとも10,000psiである。例えば、型に加えられる圧力は、約1,250psi~約60,000psi、約1,250psi~約40,000psi、約1,250psi~約35,000psi、約1,250psi~約30,000psi、約1,250psi~約25,000psi、約1,250psi~約20,000psi、約1,250psi~約15,000psi、約1,250psi~約10,000psi、約1,250psi~約7,500psi、約3,000psi~約60,000psi、約3,000psi~約40,000psi、約3,000psi~約35,000psi、約3,000psi~約30,000psi、約3,000~約25,000psi、約3,000psi~約20,000psi、約3,000psi~約15,000psi、約3,000psi~約10,000psi、約3,000psi~約7,500psi、約5,000psi~約60,000psi、約5,000psi~約40,000psi、約5,000psi~約35,000psi、約5,000psi~約30,000psi、約5,000psi~約25,000psi、約5,000psi~約20,000psi、約5,000psi~約15,000psi、約5,000psi~約10,000psi、約5,000psi~約7,500psi、約6,000psi~約60,000psi、約6,000psi~約40,000psi、約6,000psi~約35,000psi、約6,000psi~約30,000psi、約6,000psi~約25,000psi、約6,000psi~約20,000psi、約6,000psi~約15,000psi、約6,000psi~約10,000psi、約6,000psi~約7,500psi、約7,000psi~約60,000psi、約7,000psi~約40,000psi、約7,000psi~約35,000psi、約7,000psi~約30,000psi、約7,000psi~約25,000psi、約7,000psi~約20,000psi、約7,000psi~約15,000psi、約7,000psi~約10,000psi、約8,000psi~約60,000psi、約8,000psi~約40,000psi、約8,000psi~約35,000psi、約8,000psi~約30,000psi、約8,000psi~約25,000psi、約8,000psi~約20,000psi、約8,000psi~約15,000psi、約8,000psi~約10,000psi、約10,000psi~約60,000psi、約10,000psi~約40,000psi、約10,000psi~約35,000psi、約10,000psi~約30,000psi、約10,000psi~約25,000psi、約10,000psi~約20,000psi、約10,000psi~約15,000psi、約15,000psi~約60,000psi、約15,000psi~約40,000psi、約15,000psi~約35,000psi、約15,000psi~約3
0,000psi、約15,000psi~約25,000psi、約15,000psi~約20,000psi、約20,000psi~約60,000psi、約20,000psi~約40,000psi、約20,000psi~約35,000psi、約20,000psi~約30,000psi、約20,000psi~約25,000psi、約25,000psi~約60,000psi、約25,000psi~約40,000psi、約25,000psi~約35,000psi、約25,000psi~約30,000psi、約30,000psi~約60,000psi、約30,000psi~約50,000psi、約30,000psi~約40,000psi、約30,000psi~約35,000psi、約35,000psi~約60,000psi、約35,000psi~約50,000psi、約35,000psi~約45,000psi、約35,000psi~約40,000psi、約40,000psi~約60,000psi、または約40,000psi~約45,000psiの範囲であり得る。別の実施形態では、混合物を任意の既知の市販の押出機を用いて所望の形状に押し出す。活性炭モノリスは、所望の任意の形状、例えば円柱、長円形の柱体、立方体、楕円形の柱体、長方形の柱体、または五角形の柱体など、あるいは不規則な三次元的な形状にさえも成形できることを理解すべきである。
【0078】
活性炭モノリスは、少なくとも1インチ、少なくとも2インチ、少なくとも3インチ、少なくとも4インチ、少なくとも5インチ、少なくとも6インチ、少なくとも7インチ、少なくとも8インチ、または少なくとも9インチの幅/直径(すなわち、円形、長円形、正方形、長方形、楕円形、五角形、不規則な形状など上述したような所望の形状の幅/直径)を有していてもよい。例えば、モノリスは、約1インチ~約10インチ、約1インチ~約9インチ、約1インチ~約8インチ、約1インチ~約7インチ、約1インチ~約6インチ、約1インチ~約5インチ、約1インチ~約4インチ、約2インチ~約10インチ、約2インチ~約9インチ、約2インチ~約8インチ、約2インチ~約7インチ、約2インチ~約6インチ、約2インチ~約5インチ、約2インチ~約4インチ、約3インチ~約10インチ、約3インチ~約9インチ、約3インチ~約8インチ、約3インチ~約7インチ、約3インチ~約6インチ、約3インチ~約5インチ、約3インチ~約4インチ、約4インチ~約10インチ、約4インチ~約9インチ、約4インチ~約8インチ、約4インチ~約7インチ、約4インチ~約6インチ、約4インチ~約5インチ、約5インチ~約10インチ、約5インチ~約9インチ、約5インチ~約8インチ、約5インチ~約7インチ、約7インチ~約10インチ、または約7インチ~約9インチの幅を有していてもよい。活性炭モノリスの厚さは、約0.1インチ~約3インチ、約0.1インチ~約2.5インチ、約0.1インチ~約2.0インチ、約0.1インチ~約1.5インチ、約0.1インチ~約1.0インチ、約0.1インチ~約0.5インチ、約0.25インチ~約3インチ、約0.25インチ~約2.5インチ、約0.25インチ~約2.0インチ、約0.25インチ~約1.5インチ、約0.25インチ~約1.0インチ、約0.25インチ~約0.5インチ、約0.5インチ~約3インチ、約0.5インチ~約2.5インチ、約0.5インチ~約2.0インチ、約0.5インチ~約1.5インチ、約0.5インチ~約1.0インチ、約0.75インチ~約3インチ、約0.75インチ~約2.5インチ、約0.75インチ~約2.0インチ、約0.75インチ~約1.5インチ、約0.75インチ~約1.0インチ、約1インチ~約3インチ、約1インチ~約2.5インチ、約1インチ~約2.0インチ、約1インチ~約1.5インチ、約1.5インチ~約3インチ、約1.5インチ~約2.5インチ、約1.5インチ~約2.0インチ、約2インチ~約3インチ、約2インチ~約2.5インチ、または約2.5インチ~約3インチの範囲であってよい。
【0079】
本明細書に記載の態様または実施形態のいずれかでは、方法は、混合物を圧縮または押出しする前に混合物を加熱することをさらに含む。いくつかの実施形態では、圧縮または押出しの前の加熱は、約100°C~約300°C、100°C~約290°C、100°C~約280°C、100°C~約270°C、100°C~約260°C、100°
C~約250°C、100°C~約240°C、100°C~約230°C、約100°C~約220°C、約100°C~約210°C、約100°C~約200°C、約100°C~約190°C、約100°C~約180°C、約100°C~約170°C、約100°C~約160°C、約100°C~約140°C、110°C~約300°C、110°C~約290°C、110°C~約280°C、110°C~約270°C、110°C~約260°C、約110°C~約250°C、110°C~約230°C、約110°C~約220°C、約110°C~約210°C、約110°C~約200°C、約110°C~約190°C、約110°C~約180°C、約110°C~約170°C、約110°C~約160°C、120°C~約300°C、120°C~約290°C、120°C~約280°C、120°C~約270°C、120°C~約260°C、約120°C~約250°C、120°C~約230°C、約120°C~約220°C、約120°C~約210°C、約120°C~約200°C、約120°C~約190°C、約120°C~約180°C、約120°C~約170°C、約120°C~約160°C、130°C~約300°C、130°C~約290°C、130°C~約280°C、130°C~約270°C、130°C~約260°C、約130°C~約250°C、130°C~約230°C、約130°C~約220°C、約130°C~約210°C、約130°C~約200°C、約130°C~約190°C、約130°C~約180°C、約130°C~約170°C、140°C~約300°C、140°C~約290°C、140°C~約280°C、140°C~約270°C、140°C~約260°C、約140°C~約250°C、約140°C~約230°C、約140°C~約220°C、約140°C~約210°C、約140°C~約200°C、約140°C~約190°C、約140°C~約180°C、約140°C~約170°C、150°C~約300°C、150°C~約290°C、150°C~約280°C、150°C~約270°C、150°C~約260°C、約150°C~約250°C、約150°C~約230°C、約150°C~約220°C、約150°C~約210°C、約150°C~約200°C、約150°C~約190°C、約150°C~約180°C、約150°C~約170°C、160°C~約300°C、160°C~約290°C、160°C~約280°C、160°C~約270°C、160°C~約260°C、約160°C~約250°C、約160°C~約230°C、約160°C~約220°C、約160°C~約210°C、約160°C~約200°C、約160°C~約190°C、約160°C~約180°C、180°C~約300°C、180°C~約290°C、180°C~約280°C、180°C~約270°C、180°C~約260°C、約180°C~約250°C、約180°C~約230°C、約180°C~約220°C、約180°C~約210°C、約180°C~約200°C、200°C~約300°C、200°C~約290°C、200°C~約280°C、200°C~約270°C、200°C~約260°C、約200°C~約250°C、約200°C~約230°C、230°C~約290°C、230°C~約280°C、230°C~約270°C、230°C~約260°C、約230°C~約250°Cの範囲の温度で行われる。他の実施形態では、混合物を圧縮または押出しする前の乾燥は、約100°C、約105°C、約110°C、約115°C、約120°C、約125°C、約130°C、約135°C、約140°C、約145°C、約150°C、約155°C、約160°C、約165°C、約170°C、約175°C、約180°C、約185°C、約190°C、約195°C、約200°C、約205°C、約210°C、約215°C、約220°C、約225°C、約230°C、約235°C、約240°C、約245°C、約250°C、約255°C、約260°C、約265°C、約270°C、約275°C、約280°C、約285°C、約290°C、約295°C、または約300°Cの温度で生じる。
【0080】
本明細書に記載の態様または実施形態のいずれかにおいて、方法は、成形混合物を加熱すること64をさらに含む。いくつかの実施形態では、混合物は、約110°C~約27
0°C、約110°C~約250°C、110°C~約230°C、約110°C~約220°C、約110°C~約210°C、約110°C~約200°C、約110°C~約180°C、約110°C~約160°C、約120°C~約270°C、約120°C~約250°C、120°C~約230°C、約120°C~約220°C、約120°C~約210°C、約120°C~約200°C、約120°C~約180°C、約120°C~約160°C、約130°C~約270°C、約130°C~約250°C、130°C~約230°C、約130°C~約220°C、約130°C~約210°C、約130°C~約200°C、約130°C~約180°C、約140°C~約270°C、約140°C~約250°C、約140°C~約230°C、約140°C~約220°C、約140°C~約210°C、約140°C~約200°C、約140°C~約180°C、約150°C~約270°C、約150°C~約250°C、約150°C~約230°C、約150°C~約220°C、約150°C~約210°C、約150°C~約200°C、約150°C~約180°C、約160°C~約270°C、約160°C~約250°C、約160°C~約230°C、約160°C~約220°C、約160°C~約210°C、約160°C~約200°C、約160°C~約180°C、約180°C~約270°C、約180°C~約250°C、約180°C~約230°C、約180°C~約210°C、約200°C~約270°C、約200°C~約250°C、約200°C~約230°C、約220°C~約270°C、または約220°C~約250°Cの範囲で加熱している間に形成される。他の実施形態において、乾燥は、約110°C、約120°C、約125°C、約130°C、約135°C、約140°C、約145°C、約150°C、約155°C、約160°C、約165°C、約170°C、約175°C、約180°C、約185°C、約190°C、約195°C、約200°C、約205°C、約210°C、約215°C、約220°C、約225°C、約230°C、約240°C、約250°C、約260°C、または約270°Cの温度で行う。
【0081】
本開示の別の態様によれば、図3に示すように、ガス貯蔵システム10が本明細書に開示されている。このシステムは、エンベロープまたは容器20(すなわち、容器またはタンク)、および本開示のマイクロ細孔またはナノ細孔の炭素質モノリス物品(すなわち、多孔質ガス吸蔵モノリスまたは活性炭モノリス)30を含む。例えば、本明細書に記載のガス吸着材料および非水性結合剤を含む。特定の実施形態では、容器は少なくとも1,000psiの圧力に耐えるように構成される。
【0082】
特定の実施形態において、エンベロープまたは容器は、内側の寸法および内側の体積を有する本体を画定する。特定の実施形態において、形成された吸着剤は、エンベロープまたは容器の内側の体積の約80~約99.9%を構成する。例えば、形成された吸着剤は、エンベロープまたは容器の内側の体積の約70~約99%、約70~約95%、約70~約90%、約70~約85%、約70%~約80%、約75%~約99.9%、約75~約99%、約75~約95%、約75~約90%、約75~約85%、約80%~約99.9%、約80~約99%、約80~約95%、約80~約90%、約85%~約99.9%、約85~約99%、約85~約95%、約90%~約99.9%、約90~約99%、約90~約95%、約95%~約99.9%、約95~約99%を含み得る。特定の実施形態では、容器はタンクである。
【0083】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、容器20は、当技術分野で一般に知られているか、知られるようになる任意の適切な容器を含むことができる。特定の実施形態では、容器20は、最高約1800psiまでの使用圧力に定格された再使用可能な圧力容器に適した任意の材料で作製することができる。実施形態では、圧力容器は、約250psi~約1,800psi、より具体的には約450psi~約1,000psiの範囲の使用圧力に定格されている。あるいは、圧力容器は、約250psi~約1,80
0psi、約250psi~約1,700psi、約250psi~約1,600psi、約250psi~約1,500psi、約250psi~約1,400psi、約250psi~約1,300psi、約250psi~約1,200psi、約250psi~約1,100psi、約250psi~約1,000psi、約250psi~約900psi、約350psi~約1,800psi、約350psi~約1,700psi、約350psi~約1,600psi、約350psi~約1,500psi、約350psi~約1,400psi、約350psi~約1,300psi、約350psi~約1,200psi、約350psi~約1,100psi、約350psi~約1,000psi、約350psi~約900psi、約450psi~約1,800psi、約450psi~約1,700psi、約450psi~約1,600psi、約450psi~約1,500psi、約450psi~約1,400psi、約450psi~約1,300psi、約450psi~約1,200psi、約450psi~約1,100psi、約450psi~約1,000psi、約450psi~約900psi、約550psi~約1,800psi、約550psi~約1,700psi、約550psi~約1,600psi、約550psi~約1,500psi、約550psi~約1,400psi、約550psi~約1,300psi、約550psi~約1,200psi、約550psi~約1,100psi、約550psi~約1,000psi、または約550psi~約900psiの範囲の使用圧力について定格することができる。適切な容器の材料の例には、高強度アルミニウム合金(例えば比較的高い産出強度を有する7000シリーズのアルミニウム合金)、高強度低合金(HSLA)鋼(例えばアルミニウム7075-T6)、ならびにプラスチックまたは低強度アルミニウム合金(例:C-エポキシ、グラスファイバー-ポリマー、ケブラー、ザイロン、スチールワイヤー、ベルト、テープ、冶金コーティング、または任意の同様の強化材、アルミニウム6061-T6、長ストランドまたはチョップドカーボンファイバーラップなど、およびそれらの任意の組み合わせ)の強力なポリマーファイバー)などが含まれる。
【0084】
特定の実施形態によれば、所望の多孔質ガス吸蔵モノリス30の形状は、直方体、円筒形、または楕円形の柱体の1つである。しかし、容器20および多孔質ガス吸蔵モノリス30の形状および大きさは特定の用途に応じて変わり得ることを理解すべきである。さらに、図示されていないが、複数の容器20がマニホールドまたは他の適切な機構を介して流体(例えば、気体)連通するように、容器20を他の容器と共に構成することができることを理解されたい。
【0085】
多孔質ガス吸着モノリス30は容器20内に配置されている。上述のように、モノリス30は、少なくとも放出可能に天然ガス化合物を保持することができる(すなわち、天然ガスまたはメタンなどの気体分子を可逆的に貯蔵または吸着および脱着する)。いくつかの例では、モノリス30は、他の炭化水素(例えば、エタン、プロパン、ヘキサンなど)、水素ガス、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素ガス、および/または硫化水素などの天然ガスに見られる他の成分を可逆的に貯蔵することもできる。さらに他の例では、モノリス30は、いくつかの天然ガス成分に対して不活性であり、他の天然ガス成分を放出できるように保持することが可能であり得る。
【0086】
本明細書に記載の態様または実施形態のいずれにおいても、システム10は、システムを充電および/または放電することが可能な装置をさらに備える。特定の実施形態では、充電および/または放電装置はポート30である。装置は、当技術分野において一般的に知られている、またはシステムを充電および/または放電することが可能になることが知られるようになる任意の適切な装置であり得ることを理解されたい。
【実施例0087】
実施例
非水性結合剤のモノリスと水性結合剤のモノリスとの比較3種類のモノリスについて、天然ガスの可逆的な体積分析容量と重量分析容量を調べた。データを表1および2に示す。水性結合剤のモノリスは、約34~約48lb/GGEの範囲の重量分析容量および約25~約31L/GGEの範囲の体積分析容量を有していた。本明細書中に記載されるような非水性結合剤のモノリスは、約24~約30lb/GGEの範囲の改善された作業重量分析容量および約23~約27L/GGEの範囲の体積分析容量を有した。
【0088】
【表1】
【0089】
【表2】
【0090】
このように、本開示の非水性結合剤は水性結合剤で調製されたモノリスと比較して、優れた作業重量分析容量および体積分析容量を有するモノリスを提供できることを実証している。これは、図4に示すように、比較の結合剤と比べたときの、本開示の結合剤を使用することによる、最終的なモノリス内の吸着剤成分から得た9~27Åの細孔体積のより良好な保持に起因する。
【0091】
実施例1:CMCと結合したアルカリ活性炭アルカリ活性炭は、マイクロ細孔範囲(細孔<2nm)における著しい量の細孔体積、および本開示においてより重要なことに判定された、9~27Åの範囲の細孔体積の量のために、天然ガスの優れた吸着剤と考えられてきた。アルカリ活性化木質系炭素とCMCを所望の重量比(炭素90wt%対カルボキシメチルセルロース(CMC)10wt%)で一緒に添加することによって、シンプソン混和機ミキサーでブレンドを作った。ミキサーで成分を5分間混合し、続いて1.7:1の水対固体の比で水を添加した。水を加えた後、ミキサーをさらに35分間続けた。40Kpsigおよび室温約70°Fで行われた、内径4インチの円筒の型、および0.75インチの厚さを生じるのに十分な材料の中での圧縮成形により、このブレンドからモノリスを形成した。排出後、モノリスを48時間低温(<80°F)で貯蔵して乾燥中の収縮を最小限に抑え、続いて110℃に設定されたオーブンの中に入れてモノリスの残留水を蒸発させた。1.25インチの外径を有するホールソーを使用して、より大きい4インチのモノリスから諸部分を抜いた。材料の能力は、炭素成分に起因する、非常に高い吸着容量および良好な(すなわち、低い)L/GGE体積分析容量を示した。重量分析容量は、同じ結合剤で製造された例示の活性炭(すなわち、実施例6のSA-1500と実施例5のココナッツの殻の活性炭)の重量分析容量の間に入る。これは、結合剤の種類、結合剤の濃度、および活性炭の密度に起因する可能性があり、それにより、可逆的貯蔵のGGE当たりのより大きなモノリス質量が必要となる。
【0092】
実施例2:アルカリ活性炭のPTFEとの結合アルカリ活性化木質系炭素を、水で希釈した60wt%PTFE水性分散液と混合して、50wt%の全水分ブレンドとし、次いでこれを混合し、シンプソンパイロット混和機で剪断した。結合剤の量は、全固形分に対する5wt%PTFEの濃度であった。混練したブレンドを110℃で一晩乾燥し、次に室温70°F、内径0.7インチの型にて、200psigで圧縮成形した。この例では、比較した例の中で最高の体積分析容量(GGE当たりの最低の体積)が示された。さらに、部分の一体性を維持するために複数のさらなる結合剤を必要とするCMCまたはUHMWPE結合剤とは異なり、5重量パーセントが部分を形成するのに十分であることが得られた。
【0093】
実施例3:アルカリ活性炭のKyblock(登録商標)FG-81との結合アルカリ活性炭をKyblock(登録商標)FG-81と混合して、Osterブレンダーでの3分間で、全固形分に対して10wt%の結合剤混合物を得た。配合物の中でより少ない量であるこの結合剤は、部分の完全性を著しく損なった(データは示さず)。混合粉末を、230℃に設定した内径3インチの予熱用の型に添加した。混合物を5分間保持し、続いて7000psigに加圧し、10分間一定の圧力を維持した。次いで、試料を減圧して型の温度が<150℃になったときに、取り出した。表2に示すように、Kyblock(登録商標)とのアルカリ活性炭のモノリスの能力は、PTFE結合剤を使用した能力とまさに同等のものであり、相対的に低い体積分析容量で、水性メチルセルロース結合剤よりも優れていた。
【0094】
実施例4:ココナッツの殻由来の活性炭とUHMWPEとの結合ココナッツの殻由来の活性炭は数多くの用途に使用されており、世界で最も商業的に広く使用されている活性炭である。実施例で使用したココナッツ炭素はCalgon Corporationから商業的に入手した。実施例4は、ココナッツ炭素とUHMWPE(Celanese CorporationによるGUR(登録商標))を1分間Osterブレンダー内で混合することによって製造し、15wt%の結合剤を含むブレンドを生じた。より低い結合剤濃度は構造的部分を形成するのに不十分であった(データは示さず)。部分は、予熱された内径1.5インチの型に232℃の温度測定値でブレンドを添加し、30分間保持し、続いて1分間15,000psigに加圧することによって製造した。その部分の能力
値は、本開示の諸実施例と比較したときに顕著に劣っていた。これは、所望の範囲内で細孔体積がより少ない量であったこと、および活性炭に対する結合剤の作用が、望ましい細孔体積を著しく損なったことに起因する。
【0095】
実施例5:ココナッツの殻由来の活性炭とCMCとの結合実施例1にて概説した方法により、ココナッツの殻由来の活性炭をモノリス部分に作製した。実施例5のCMC結合モノリスは、実施例4(すなわち、UHMWPEと結合したココナッツの殻活性炭)よりも優れた体積分析能力を有していた。しかし、2つのココナッツの殻のモノリス(すなわち、CMCまたはUHMWPEと結合している)は、類似の重量分析能力を有していた。ココナッツの炭素は比較的高密度の炭素であることが知られており、これは実施例4および5の非常に劣った重量分析能力(高いlb/GGE)に反映されている。
【0096】
実施例6:Nuchar(登録商標)SA-1500とCMCとの結合Nuchar(登録商標)SA-1500活性炭は、大きなマイクロ細孔の大きさでのかなりの量の細孔体積、および20~50Åの大きさでのかなりの量のメソ細孔の体積、上述のように9~12Åであることを備える、天然ガスの吸着に使用された以前の吸着剤の焦点よりも著しく大きいことを特徴とする。実施例1に概説したように、モノリスを形成したが、ただし2wt%のポリエステル6デニール×1/4インチの長さの非結合性繊維(例えば、炭素88wt%、CMC10wt%、繊維2wt%の配合である、Fiber Innovation Technology,Inc.製の4DG(登録商標)繊維)だけでなく、Nuchar(登録商標)SA-1500の炭素を用いた。ポリエステルの繊維は、プロセスに対して付加的なレベルの複雑さであった。乾燥および硬化のステップを介してモノリスから内部の水分を出すことを改善し、それによって、得られたモノリス物品の物理的完全性を改善することを意図していた。実施例6は可逆的天然ガス貯蔵容量に関してココナッツの炭素の実施例よりも著しく良好に機能したが、その能力はアルカリ活性炭実施例やNuchar(登録商標)と本明細書に記載の非水性結合剤を組み合わせた実施例より劣っていた。
【0097】
実施例7:Nuchar(登録商標)SA-1500活性炭とUHMWPEとの結合Nuchar(登録商標)SA-1500およびUHMWPE(Celanese CorporationによるGUR(登録商標))を実施例4に概説したように混合してモノリスを形成した。UHMWPEは所望の範囲内で細孔体積を顕著に減少させたが、これは認められたより劣悪な重量分析能力と体積分析能力に直接関係している。
【0098】
実施例8:Nuchar(登録商標)SA-1500活性炭とPTFEとの結合Nuchar(登録商標)SA-1500および60wt%ポリテトラフルオロエチレン分散液を、19:1のNuchar(登録商標)SA-1500対ポリテトラフルオロエチレン(すなわち、5wt%PTFE)の比で混合した。この材料を実施例2と同様に水を加えて混合し、次いでトレイオーブン(110℃に設定)で乾燥させて水を蒸発させた。乾燥させた材料を210℃に予熱した内径3インチの圧縮型に加え、5分間保持した後、7,000psiに加圧し、10分間一定の圧力を維持した。熱の使用は、所望の領域における細孔体積の低い閉塞と相まって、炭素および結合剤の圧縮を高め、CMCおよびUHMWPEと比較して優れた体積分析能力をもたらす。さらに、結合剤がより少ない量であることで、モノリスにてより多くの吸着剤を使用することが可能になる。実施例8の天然ガス吸着能力試験は1LのParrステンレス鋼反応器で行われたことに留意されたい。天然ガス/メタン吸着能力を測定するために先に概説した一連のステップは、圧力容器中のモノリスの直径によりよく適合するようにアルミニウム製スリーブを挿入したことを除いて同じままであった。Parrの利点は、試料の大きさがより大きく、モノリスの外側の範囲の外にある空のスペードの天然ガスに対するPV=znRTの補正の大きさが減ることに加えて、相対的に大きな内側の体積の方が、実際の燃料タンクの内側の体積に近くな
っていることである。
【0099】
モノリスの大きさの寸法と体積の一貫性
表3、図7、および図8では、代替結合剤配合物を用いて調製した円筒状モノリスの寸法および体積の一貫性を比較している。以下に説明するように、天然ガス貯蔵モノリスを製造するステップを経ても、寸法の変化または体積の変化がほとんどないこと、およびそれらの変化の変動がほとんどないことは、燃料タンクの貯蔵能力を最大にするために、高く評価される。
【0100】
直径変化率dDは、最初に成形したときのモノリスの直径に対する、その最初に成形した直径(具体的には、型または押出ダイの内径)と、型から押出しまたは取り出した後、およびその後乾燥または熱処理した後の完成したモノリスの測定した直径との差の百分率である。体積変化率dVは、最初の成形から乾燥および熱処理後の完成した状態までのモノリスの体積の相対的な変化であり、測定されたdD値の3次効果として導き出された。そのため、表3のdV値は100 [(1+dD/100)-1]と計算した。体積変化範囲VCRは、表3の各結合剤の種類に対するdV値の最大値と最小値との間の差であった(例えば、CMC結合剤の実施例のVCRは、-15.0%と-20.6%との間の差として、5.6%である)。それはモノリスが特定の結合剤で形成されるための体積の変動性の尺度である。
【0101】
【表3】
【0102】
本開示のモノリスの実施例9~11:Nuchar(登録商標)SA-1500とPTFEとの結合PTFEと結合させたNuchar(登録商標)SA-1500の円筒状モノリスを、同じ結合剤、同じ5wt%の結合剤含有量、および同じ3.00インチの内径である成形用の型を使用して、実施例8と同じ方法で調製した。
【0103】
本開示のモノリスの実施例12~14:KYBLOCK(登録商標)結合モノリスKYBLOCK(登録商標)結合活性炭の円筒状モノリスを、同じ結合剤、同じ10wt%の結合剤含有量、および同じ3.00インチの内径である成形用の型を使用して、実施例3と同じ方法で調製した。リン酸木質系の炭素「P」を、実施例12を製造するのに使用した。実施例13および14にそれぞれ使用した別のリン酸活性化AおよびKOH活性化木質系炭素を実験室で調製した。PICA PW-2は商業用グレードの、おそらく熱で活性化されたココナッツベースの炭素である。
【0104】
比較例15~23:木質系リン酸活性炭とCMCとの結合剤として7HFグレードのAqualon(登録商標)CMCと成形用の内径4.00インチの型を使用して、CMC結合活性炭の円筒状モノリスを製造した。モノリスを製造するのに使用されたリン酸活性化木質系炭素A~Iは、異なる細孔体積および細孔の大きさの分布で、実験室で調製された。モノリスの配合は、85.5wt%の活性炭、12.5wt%のCMC、および2wt%のポリエステル6デニール×1/4インチの繊維(Fiber Innovation Technology,Inc.から得た4DG(登録商標))であった。処理は、乾燥成分をパイロットのシンプソン混和機ミキサーに添加し、5分間混合し、続いて水を添加して液体と固体の合計濃度を1:1にし、次いでさらに35分間混合することからなっていた。非結合性ポリエステル繊維成分は加工ステップを通してモノリスの一体性を改善した。
【0105】
図7および表3に示すように、PTFEおよびKYBLOCK(登録商標)結合剤を用いた本開示の実施例は、その変化におけるはるかに小さい変動を伴い、CMCと結合させた比較例と比較して、その初期に形成した寸法の直径と比較して、はるかに小さい直径変化dDを経た。図8に示すように、結果として生じる体積変化および体積変化範囲は、本開示の実施例に対してはるかに低かった。
【0106】
ANG燃料タンク用に製造された吸着モノリスでは、体積変化範囲の値がより小さいものが特に望ましい。吸着剤の最大限の充填によりタンクの貯蔵容量が最大化し、製造中タンク間で吸着剤をより一貫して充填させるからである。すなわち、設定目標の寸法以下のモノリスを受け入れるように構成されたタンクでは、モノリスの寸法の変動が少ないと、モノリスをタンクの設計目標により近い寸法で一貫して形成することができ、そのためタンクは吸着剤をより多く、より安定した量で入れることができ、それによってより大きくより一貫性のある燃料貯蔵容量を実現するのである。さらに、モノリスの内側の寸法が燃料タンクの容器の内側の寸法に近いので、使用中にモノリス充填物が移動したり劣化したりする可能性が少なく、そうでなければ破断したモノリスから経時的に騒音やがたつきなどが生じることから、旅客車両にとって特に望ましい。したがって、本明細書に記載されているように、水性または可溶化結合剤と比較して、有用な吸着性気孔率の多少なりともより一定の維持を有することに加えて、また非常に単純化されたプロセスに対応することに加えて、機械的接着に基づく結合剤を有することによって、燃料タンク内でのより多くて信頼性の高い吸着剤の充填が、今では可能である。
【0107】
例示的な細孔体積および回復可能なNG貯蔵量を有するモノリスのさらなる実施例表4および図9は、本開示のさらなる例示的なモノリスと、例示的な細孔体積と、モノリスの体積に基づく回復可能または可逆的な貯蔵容量とを共有する。
【0108】
モノリスの体積ベースでの可逆的なNG容量g/LMは、可逆的なNG容量(g/100g-M)に10を掛けて、「100g-M当たり」から「kg-M当たり」に変換することによって求め、続いてモノリス密度(kg/L)を掛けてg/Lを得た。
【0109】
【表4】
【0110】
本開示のモノリスの実施例24~28:木質系リン酸活性炭とPTFEとの結合実施例24~28は実施例2と同様に調製した。実施例のモノリスを製造するのに使用されたリン酸活性化木質系炭素K~Oは、異なる細孔体積および細孔の大きさの分布で調製された。これらの実施例のモノリスの形成とは対照的に、実施例8は圧縮ステップの一部として加熱を用いた。
【0111】
図9は、表4のこれらの代替結合吸着剤についての体積分析基準で、大きさ/直径が9~27Åの細孔における細孔体積が増大するにつれて、天然ガスの可逆的な貯蔵能力が増大することを示している。本開示の実施例2、3および8のモノリスは、おそらく加熱下での圧縮または使用される特別なKOHの活性化法のおかげで、実施例24~28の傾向を上回る能力の向上を有するように思われる。実施例24~28について測定された9~27Åの大きさの細孔体積を超える、いくつかの実施例での増大した容量への推進とは無関係に、9~27Åの大きさの例外的なNG細孔体積を備えるモノリス物品が、約200cc/L-モノリス超、および約80g/L-モノリス超の(約32L-M/GGE未満)の可逆的な天然ガスの容量を備え、本明細書に記載の方法によって容易に調製されたこ
とは明らかである。
【0112】
追加の非水性結合剤の実施例上記実施例で使用されたもの以外の代替ポリマーは、剪断を用いて成分をブレンドし、ブレンドを乾燥させ、乾燥させたブレンドを最終的に加熱圧縮してよく整形させた円筒状モノリスを生成する簡単な方法によって、炭素を成功裏に結合することがわかった。活性炭は市販グレードのNuchar(商標)SA-1500であった。典型的な手順は、乳鉢と乳棒で総固形分を基準として約10wt%のポリマーを追加した水とブレンドして、全混合物の含水量を50wt%にし、110℃でブレンドを一晩乾燥させ、次いでポリマーの軟化点より10℃高くまで加熱したピストンダイ型で、乾燥させたブレンドを圧縮した。
【0113】
ポリフェニレンスルフィド(PPS)Celanese Fortron(登録商標)0205B4グレードのポリフェニレンスルフィド粉末(水分8wt%)を試験し、円筒状モノリスに成功裏に成形した。その手順は、32.87gの活性炭を乳鉢に添加し、続いて17.8gの水に希釈/分散された2.67gのFEPのピペットアリコートを添加することであった。混合物を乳棒で2分間混合し、次いで乾燥させた。1インチの内径のピストンダイ型を250℃に加熱した。3.05gのアリコートの乾燥材料を型に加え、型を2500psigに加圧し、250℃で5分間保持した。型を約2.5℃/分で50℃に冷却した。型込したモノリス部分をゆっくり減圧し、注意深く排出した。非常に良い部分が生成された。
【0114】
ポリイミドMichelman HP1632グレードのポリイミド分散液(14.9wt%の固形分)を試験し、円筒状モノリスに首尾よく成形した。その手順は、16.34gの活性炭を乳鉢に添加し、続いて1.4gの水で希釈した8.95gのポリイミドのピペットアリコートを添加することであった。混合物を乳棒で90秒間混合し、次いで乾燥させた。1インチの内径のピストンダイ型を240℃に加熱した。5.16gの乾燥材料のアリコートを型に添加し、2分間の休止後に型を2500psigに加圧し、250℃で5.75分間保持した。型を約2.5℃/分で50℃に冷却した。型込したモノリス部分をゆっくり減圧し、注意深く排出した。良好な部分が生成された。
【0115】
ポリアミド(ナイロン66)マイケルマン(Michelman)PA845Hグレードのポリアミド分散液(29.3wt%固形分)を試験し、円筒状モノリスへ成功裏に成形した。その手順は、16.34gの活性炭を乳鉢に添加し、続いて5.83gの水で希釈された4.56gのポリアミドのピペットアリコートを添加することであった。混合物を乳棒で90秒間混合し、次いで乾燥させた。1インチの内径のピストンダイ型を190℃に加熱した。4.62gの乾燥材料のアリコートを型に添加し、2分間の休止後に型を2500psigに加圧し、250℃で5分間保持した。型を約2.5℃/分で50℃に冷却した。型込したモノリス部分をゆっくり減圧し、注意深く排出した。非常に良い部分が生成された。代替のポリアミド、Michelman PA874グレードの分散液(固形分18.3wt%)は、同様に優れたモノリスを産出した。この実施例では、同量の活性炭を、3.07gの水で希釈した7.28gの分散液と混合した。圧縮した乾燥ブレンドの量は3.39gであった。他のすべての条件は同じであった。
【0116】
ペルフルオロアルコキシアルカンChemours PFAD 335Dグレードのペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)分散液(60.75wt%の固形分)を試験し、円筒状モノリスへ成功裏に成形した。その手順は、32.7gの活性炭を乳鉢に添加し、続いて16.3gの水で希釈された4.39gのPFAのピペットアリコートを添加することであった。混合物を乳棒で120秒間混合し、次いで乾燥させた。1インチの内径のピストンダイ型を、190℃に加熱した。3.23gの乾燥材料のアリコートを型に添加し、2分間の休止後に型を2500psigに加圧し、190℃で5分間保持した。型
を、約2.5℃/分で50℃に冷却した。型込したモノリス部分をゆっくり減圧し、注意深く排出した。良好な部分が生成された。
【0117】
フッ素化エチレンプロピレンChemours FEPD 121グレードのフッ素化エチレンプロピレン分散液(水分8wt%)を試験し、円筒状モノリスへ成功裏に成形した。その手順は、32.69gの活性炭を乳鉢に添加し、続いて16.9gの水中に希釈/分散された4.62gのFEPのピペットアリコートを添加することであった。混合物を乳棒で2分間混合し、次いで乾燥させた。1インチの内径のピストンダイ型を190℃に加熱した。3.40gの乾燥材料のアリコートを型に加え、2分間の休止後に型を2500psigに加圧し、190℃に5分間保持した。型を、約2.5℃/分で50℃に冷却した。型込したモノリス部分をゆっくり減圧し、注意深く排出した。良好な部分が生成された。
【0118】
本開示の軽量のモノリスの実施例
比較的狭い表面積(例えば、NのBET表面積で測定して<1400m/g)を有する「硬質」の炭素は、結合したモノリスブロックの製造に使用されてきた。これらの炭素が、製造業の知られている最新技術を容易に受け入れ(例えば、国際公開第2017/031260号)、これらのブロックが典型的に使用される濾過の用途に、満足のいくものであるためである。これとは対照的に、1400+m/gの面積を有する軟質の炭素はモノリスの安価な製造をもたらさないが、それでもこれらの材料は天然ガスの貯蔵に優れていることが発見された。
【0119】
天然ガス貯蔵用のモノリスブロックは、モノリス配合物に軟質の炭素のみを使用して、本開示の非水性結合剤系で、本開示の方法によって、容易に製造できることが見出された。軟質の炭素を追加する利点は、燃料タンク用のモノリス充填物の重量を大幅に低減することである。図5は、本開示による成形した軟質の炭素の優れた重量を、ANG燃料タンクの等価のGGE燃料容量に関して、およびANGタンクの体積に関して示す。車両の重量を30lb削減することで燃費が1%向上するという予測を使用すると、表5の例では、低い密度(単位体積当たりの質量が少ない)のモノリスに形成される表面積が大きい「軟質」の炭素を使用することによって、貯蔵される燃料のエネルギーの値を超える1.8~3.9%の車両の範囲での大幅な増加があることは、明らかである。そのため、粒子吸着剤粉末をモノリスに稠密に詰め込むことによる天然ガスの吸着容量には価値があるが、得られた低質量のモノリスでそのようにすることは、回復可能な燃料ガスを超える車両の範囲に対して、付加価値を与えた。
【0120】
【表5】
【0121】
複数回の燃料補給サイクル後の可逆的な天然ガスの容量の耐久性ANG吸着剤の天然ガス貯蔵能力についてよく見落とされる要因は、複数回の燃料補給サイクル後の初期サイクルの能力の耐久性、すなわち、繰り返しの加圧および減圧サイクルによる可逆的容量の喪失である。驚くべきことに、喪失は吸着剤物品またはモノリスの第1のサイクル保持能力、特に物品またはモノリスのリットル当たりの<9Åの大きさのccの細孔として定量化される、物品中の9Åの大きさの小さなマイクロ細孔の含有量と相関することが発見された。したがって、本開示のいくつかの実施形態は、これらの<9Åの大きさの細孔の含有量が少ない吸着剤を使用する。
【0122】
表6は、本開示による実施例および比較例に関する、ある範囲の細孔の大きさについての密度、細孔体積、天然ガス加圧-減圧試験の最初のサイクルについての体積分析保持率、および加圧-減圧試験の繰り返しサイクルについての可逆的な天然ガス容量についてのデータを含む。表6に、図10、11、および12のデータを提示する。
【0123】
【表6】
【0124】
実施例29は、実施例6と同じ調製手順によって、88wt%の活性炭、10wt%の
CMC結合剤、および2wt%の非結合繊維の配合物を用いて、熱により活性化したココナッツ系炭素を用いて調製した。
【0125】
実施例30は、実施例6と同じ調製手順によって、90wt%の活性炭、8wt%のCMC、および2wt%の非結合繊維の配合物を使用して、リン酸活性木質系炭素を用いて調製した。
【0126】
表7は、本開示の実施例のモノリスに関する、密度、ある範囲の細孔の大きさについての細孔体積、および天然ガス加圧-減圧試験の最初のサイクルについての体積分析保持率のさらなるデータを含む。表6と表7に、図13図16のデータを提示する。
【0127】
【表7】
【0128】
図10にg/L-可逆的モノリス容量基準で、図11に最初のサイクルの可逆的容量と比較した喪失累積パーセントで示すように、20サイクルまで試験した2つの実施例について、所与のサイクル数の可逆的天然ガス貯蔵容量のレベルに関して、また特に容量の耐久性に関して、実施例24のモノリスは比較例29より優れている。すなわち、最初のサイクルと比較した最初の10サイクルにわたる容量の相対的喪失は、比較例29による後続のサイクルにおける著しいさらなる喪失とは対照的に、実施例24についてははるかに少なく、後続の10サイクルを通してさらなる喪失はない。
【0129】
理論に縛られるものではないが、可逆的容量の喪失は、可逆的容量の能力を損なうこと
に対する、天然ガスとして知られる燃料混合物に通常存在する高い沸点の成分および汚染物質の蓄積に起因し、それらが次に繰り返しの加圧-減圧の結果として多孔質の燃料貯蔵吸着剤に蓄積すると考えられる。吸着剤の当業者によって容易に理解されるように、小さい大きさの細孔の方が、大きいエネルギーまたは吸着強度を有するとさらに考えられる。過度に小さい細孔から離れて歪んでいる細孔体積の吸着剤は、こうした高い沸点の成分の蓄積が少ない傾向があり、したがって、その可逆的容量は、繰り返しの燃料補給に関してより耐久性があるとここで主張される。実施例で使用した試験用のガスは、北米の天然ガスの一般的な分析と似ているが、メタンより高い沸点を持つ成分の濃度が顕著に高いため、組成は様々である(North American Energy Standards Boardの天然ガス仕様書、www.naesb.org/pdf2/wgq_bps100605w2.pdfを参照)ことに留意されたい。それ故、可逆的容量の喪失は天然ガスの組成に依存している可能性があり、相対的に耐久性のある吸着剤が、相対的に耐久性の低い吸着剤と比較して、信頼性のある燃料貯蔵容量を有することは明らかである(その有用な回復可能な貯蔵容量は、燃料の組成による変動が少ないまたは影響を受けにくい)。
【0130】
耐久性についての上記のメカニズムを支持して、図12は、その最初の加圧-減圧サイクルから測定された吸着モノリスのより優れた保持能力と、繰り返されるサイクルからの可逆的容量のより大きな喪失との相関関係を示す。例えば、最初の10サイクルにわたる可逆的容量の6%未満の喪失は、12g/L-モノリス未満の最初のサイクル保持率と相関する。実施例24は、最初の保持率が17g/L-モノリスである実施例29のサイクル10~20での明らかに乏しい耐久性と比較すると、10~20サイクルに由来する耐久性のある可逆的容量を有しており、その最初のサイクルでは約10g/L-モノリスの天然ガス保持性を有する。
【0131】
最初のサイクルのより保持力の低い実施例によって具体化しているように、可逆的容量において好ましい耐久性を得るために、9Åの大きさよりも小さい細孔においてより少ない体積が望まれることを、図13は示す。例えば、12g/L-モノリス未満の最初のサイクルの保持力は、100cc/L-モノリス未満の9Åの大きさ未満の細孔体積と相関する。表6および図15に示しているように、理解している耐久性の利点を伴わずに、9~12Åの大きさ/直径、および9Åの大きさ/直径未満に焦点を合わせることは、<9Åの大きさの細孔におけるより小さいマイクロ細孔の体積、したがってより低い可逆的容量から離れることを教示する。なぜなら、9Åの大きさの細孔における低体積の試料は、9~12Åの大きさよりも細孔体積が小さい傾向があるからである。実際、可逆的容量を増大させるための本開示のより大きな9~27Åの大きさの細孔体積に焦点を当てても、優れた耐久性に関する十分な指針を提示しない。例えば、図16に示しているように、<9Åの大きさの細孔体積の範囲を有する実施例に対して、200~277cc/Lの9~27Åの大きさの細孔体積が同様にあり、また大きさが<9Åの細孔で100cc/Lより顕著に大きいものも、顕著に小さいものもある。
【0132】
重要なことは、27Åよりも大きさが大きい、または50Åよりも大きさがはるかに大きい細孔は、おそらく凝縮吸着相を介する相当な貯蔵容量からは大きすぎるが、モノリス内の構成的な吸着剤粒子の中の、ガスの加圧-減圧の体積としての可逆的容量に対して、依然として重要な寄与をする役割を果たし得るということに留意することである。図14に示しているように、熱的および化学的活性化プロセスの化学的および物理的性質に起因して、ここでは9Åの大きさ未満の細孔として示されるマイクロ細孔の体積の減少と共に、ここでは27~490Åの大きさの範囲で示される、9~27Åの大きさの範囲外であるメソ細孔の範囲内では、より大きい大きさで細孔体積が増加することを予想するのは普通に見える。したがって、本開示のいくつかの実施形態の9Åよりも小さい大きさの細孔において、低減した細孔体積内で動作することにより、モノリス物品は、9~27Åの大
きさの細孔の体積を最大にすることから得られる可逆的容量以外に、凝縮相を形成するには大きすぎると理解されている、細孔における内部圧縮ガスからの可逆的容量の増大という利点を得る。図14によれば、これらの相対的に大きな27~490Åの大きさのメソポアの体積は、9Åより小さい大きさのマイクロ細孔の体積が100cc/L-モノリス未満の範囲にあるとき、50cc/L-モノリスを超える。
【0133】
全体として、約9~27Åの大きさの細孔における細孔体積の増大によってもたらされるような、天然ガス用の高い可逆的容量の必要性、繰り返しの加圧サイクリングでの耐久性がある可逆的容量の必要性、および圧縮ガス貯蔵細孔の利点を考慮すると、本開示の吸着性モノリス物品の細孔の体積分布は、約9Åの大きさよりも小さい細孔の約100cc/L-M未満の体積、約9~27Åの大きさの細孔の200cc/L-M超の体積、約27~490Åの大きさの細孔における約50cc/L-Mを超える体積、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つを含む。さらに、約9~27Åと約27~490Åの両方の大きさの細孔体積を最大にすることによって、粉末の所与の高い密度での物品への充填に対して吸着モノリスの質量が最小になり、それによって相対的に軽量な燃料貯蔵媒体の燃料経済的な利点がもたらされる。
【0134】
具体的な実施形態
一態様によれば、本開示はガスを貯蔵する方法を提供する。方法は、ガスを、≦40lb/GGEの作業重量分析容量および/または≦35L/GGEの体積分析容量を有する少なくとも1つの多孔質ガス吸蔵モノリスを含むガス貯蔵システムと接触させることを含む。
【0135】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、多孔質ガス吸蔵モノリスが、約9Åの大きさより小さい細孔における<約100cc/L-Mの体積、約9~27Åの大きさの細孔における>約200cc/L-Mの体積、約27~490Åの大きさの細孔における>約50cc/L-Mの体積、少なくとも0.4g/ccの部分密度、約9Å~約27Åの範囲の大きさを有する細孔の細孔体積、すなわち≧0.5cc/g、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つを有する。
【0136】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、作業重量分析容量は≦40lb/GGEである。
【0137】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、体積分析容量は30L/GGE以下である。
【0138】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、多孔質ガス吸蔵モノリスは、本明細書に記載のガス吸着材料および非水性結合剤を含む。
【0139】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、非水性結合剤は、フルオロポリマー、ポリアミド、ポリイミド、フィブリル化セルロース、高性能プラスチック、フルオロポリマーとのコポリマー、ポリアミドとのコポリマー、ポリイミドとのコポリマー、高性能プラスチックとのコポリマー、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つである。
【0140】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、フルオロポリマーは、ポリ(ビニリデンジフルオリド)、ポリテトラフルオロエチレン、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つである。
【0141】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、ポリアミドは、ナイロン-6,6’、ナイロン-6、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つである。
【0142】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、高性能プラスチックは、ポリフェニレンスルフィド、ポリケトン、またはポリスルホンの少なくとも1つである。
【0143】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、非水性結合剤が10wt%以下の量で存在する、ガス吸着材料が少なくとも90wt%の量で存在する、非水性結合剤が、結合剤の約50wt%~約70wt%の分散液である、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つである。
【0144】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、非水性結合剤が約2.5wt%~約7wt%の量で存在する、ガス吸着材料が少なくとも93wt%の量で存在する、非水性結合剤が結合剤の約55wt%~約65wt%の分散液である、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つである。
【0145】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、ガス吸着材料は、活性炭、ゼオライト、シリカ、有機金属骨格、共有結合有機骨格、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つである。
【0146】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、活性炭は、木材、ピートモス、ココナッツの殻、石炭、クルミの殻、合成ポリマーおよび/または天然ポリマーに由来する。
【0147】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、活性炭は、熱的に活性化されている、化学的に活性化されている、またはそれらの組み合わせである。
【0148】
別の態様によれば、本開示は多孔質ガス吸蔵モノリスを提供する。多孔質ガス吸蔵モノリスは、ガス吸着材料を含み、多孔質ガス吸蔵モノリスは、≦40lb/GGEの作業重量分析容量および/または≦35L/GGEの体積分析容量を有する。
【0149】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、ガス吸蔵モノリスは、本明細書に記載の非水性結合剤をさらに含む。
【0150】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、非水性結合剤が、フルオロポリマー、ポリアミド、ポリイミド、フィブリル化セルロース、高性能プラスチック、フルオロポリマーとのコポリマー、ポリアミドとのコポリマー、ポリイミドとのコポリマー、高性能プラスチックとのコポリマー、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つである。
【0151】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、フルオロポリマーは、ポリ(ビニリデンジフルオリド)、およびポリテトラフルオロエチレンからなる群から選択される少なくとも1つのフルオロポリマーである。
【0152】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、ポリアミドは、ナイロン-6,6’およびナイロン-6からなる群から選択される少なくとも1つのポリアミドである。
【0153】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、非水性結合剤は10wt%以下の量で存在する。
【0154】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、ガス吸着材料は少なくとも90wt%の量で存在する。
【0155】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、ガス吸着材料は、活性炭、ゼオライ
ト、シリカ、有機金属骨格、共有結合有機骨格、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つである。
【0156】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、活性炭は、木材、ピートモス、ココナッツの殻、石炭、クルミの殻、合成ポリマーおよび/または天然ポリマーに由来している。
【0157】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、活性炭は、熱的に活性化されている、化学的に活性化されている、またはそれらの組み合わせである。
【0158】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、モノリスは以下の、≧約0.4g/ccの部分密度、作業重量分析用量が≦30lb/GGEであること、体積分析容量が30L/GGE未満であること、ガス吸着材料が少なくとも93wt%の量で存在すること、非水性結合剤が、約2.5wt%~約7wt%の量で存在すること、非水性結合剤が、結合剤の約50wt%~約70wt%の分散液であること、約9Å~約27Å、すなわち≧0.5cc/gの範囲の大きさを有する細孔の細孔体積、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つを有する。
【0159】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、部分密度は約0.4g/cc~約0.75g/ccの範囲である。
【0160】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、部分密度は約0.4g/cc~約0.6g/ccの範囲内である。
【0161】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、作業重量分析容量は≦28lb/GGEである。
【0162】
さらなる態様によれば、本開示は、多孔質ガス吸蔵モノリスを製造する方法を提供する。この方法は、本明細書に記載のガス吸着材料と非水性結合剤とを混合すること、および混合物を成形構造物に圧縮または押し出すこと、または混合物をある形状に押し出すことを含む。
【0163】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、方法は、圧縮混合物に熱を加えることをさらに含む。
【0164】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、モノリスは以下の、非水性結合剤が、フルオロポリマー、ポリアミド、フルオロポリマーとのコポリマー、ポリアミドとのコポリマー、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つであること、またはガス吸着材料が、活性炭、ゼオライト、シリカ、有機金属骨格、共有結合有機骨格、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つであること、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つを有する。
【0165】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、モノリスは以下の、≧0.4g/ccの部分密度、≦40lb/GGEの作業重量分析容量、
≦35L/GGEの体積分析容量、約9~27Å、すなわち>0.5cc/gの範囲の大きさの細孔に対する細孔体積、ガス吸着材料が少なくとも90wt%の量で存在すること、非水性結合剤が10wt%以下の量で存在すること、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つを有する。
【0166】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、モノリスは以下の、約9Åの大きさ
より小さい細孔における<約100cc/L-Mの体積、約9~27Åの大きさの細孔における>約200cc/L-Mの体積、約27~490Åの大きさの細孔における>約50cc/L-Mの体積、約0.4g/cc~約0.75g/ccの範囲の部分密度、作業重量分析容量が30lb/GGE未満であること、体積分析容量が30L/GGE未満であること、ガス吸着材料が少なくとも93wt%の量で存在すること、非水性結合剤は約2.5wt%~約7wt%の量で存在すること、非水性結合剤は結合剤の約50wt%~約70wt%の分散液であること、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つを有する。
【0167】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、混合物を圧縮することは、少なくとも1,250psiの圧力を加えることを含む。
【0168】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、加えられる圧力は1,500psiより大きい。
【0169】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、成形構造物または押出し形状が、円柱、長円形の柱体、立方体、楕円形の柱体、長円形の柱体、または直方体である。
【0170】
さらに別の態様によれば、本開示はガス貯蔵システムを提供する。ガス貯蔵システムは、容器、およびその中に配置された多孔質ガス吸蔵モノリスであって、ガス吸着材料を含むモノリス、を含み、多孔質ガス吸蔵モノリスは、≦40lb/GGE(例えば、≦28lb/GGE)の作業重量分析容量および/または<35L/GGE(例えば、<30L/GGE)の体積分析容量を有する。
【0171】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、モノリスは、本明細書に記載の非水性結合剤をさらに含む。
【0172】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、モノリスは以下の、非水性結合剤が、フルオロポリマー、ポリアミド、フルオロポリマーとのコポリマー、ポリアミドとのコポリマー、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つであること、またはガス吸着材料が、活性炭、ゼオライト、シリカ、有機金属骨格、共有結合有機骨格、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つであること、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つを有する。
【0173】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、モノリスは以下の、ガス吸着材料が少なくとも90wt%の量で存在すること、非水性結合剤が、10wt%以下の量で存在すること、非水性結合剤が、結合剤の約50wt%~約70wt%の分散液であること、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つを有する。
【0174】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、モノリスは以下の、≧0.4g/ccの部分密度、≦40lb/GGEの作業重量分析容量、
<35L/GGEの体積分析容量、約9~27Å、すなわち≧0.5cc/gの範囲の大きさの細孔に対する細孔体積、ガス吸着材料が少なくとも93wt%の量で存在すること、非水性結合剤が7wt%以下の量で存在すること、非水性結合剤が結合剤の約55wt%~約65wt%の分散液であること、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つを有する。
【0175】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、容器は少なくとも1,000psiに耐えるように構成される。
【0176】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、細孔の約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、またはそれ以上(その間のすべての値および範囲を含む)が9~27Åの範囲内にある。
【0177】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、50%超、60%超、70%超、80%超、90%超、95%超(その間のすべての値および範囲を含む)が9~27Åの範囲にある。
【0178】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、60%を超える細孔が9~27Åの範囲にある。
【0179】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、70%を超える細孔が9~27Åの範囲にある。
【0180】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、80%を超える細孔が9~27Åの範囲内にある。
【0181】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、90%を超える細孔が9~27Åの範囲にある。
【0182】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、95%を超える細孔が9~27Åの範囲にある。
【0183】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、細孔の約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、またはそれ以上(間のすべての値および範囲を含む)が12~27Åの範囲内にある。
【0184】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、50%超、60%超、70%超、80%超、90%超、95%超(間のすべての値および範囲を含む)が12~27Åの範囲にある。
【0185】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、30%を超える細孔が12~27Åの範囲にある。
【0186】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、40%を超える細孔が12~27Åの範囲にある。
【0187】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、50%を超える細孔が12~27Åの範囲にある。
【0188】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、60%を超える細孔が12~27Åの範囲にある。
【0189】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、70%を超える細孔が12~27Åの範囲にある。
【0190】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、80%を超える細孔が約12~27Åの範囲にある。
【0191】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態では、本開示のモノリスは、約9Åの大き
さより小さい細孔における<約100cc/L-Mの体積、約9~27Åの大きさの細孔における>約200cc/L-Mの体積、約27~490Åの大きさの細孔における>約50cc/L-Mの体積、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つを含む。
【0192】
本開示の好ましい実施形態が本明細書に示され説明されてきたが、そのような実施形態は例としてのみ提示されていることが理解されよう。本開示の精神から逸脱することなく、当業者には多数の変形、変更および置換が思い浮かぶ。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の精神および範囲内に含まれるようなすべてのそのような変形を網羅することを意図している。さらに、システムは、システムを充電および/または放電するための少なくとも1つの装置、またはシステムを充電および/または放電するための複数の装置を含むことができる。
【0193】
本出願を通して引用されるすべての参考文献、特許、係属中の特許出願および公開された特許の内容は、参照により本明細書に明確に組み込まれる。
【0194】
当業者は、本明細書に記載の本開示の特定の実施形態に対する多くの均等物を認識し、または日常的な実験のみを用いて確かめることができる。そのような等価物は、添付の特許請求の範囲によって包含されることを意図している。本明細書に記載された詳細な実施例および実施形態は、例示目的のためだけに例として与えられており、決して本発明を限定するとは考えられないということが理解される。それを考慮した種々の修正または変更は、当業者に示唆され、本出願の精神および範囲内に含まれるものであり、添付の特許請求の範囲の範囲内で考慮される。例えば、成分の相対的な量は、所望の効果を最適化するために変動があってもよく、追加の成分を添加してもよく、および/または類似した成分を記載の成分の1つ以上の代わりに用いてもよい。本開示のシステム、方法、およびプロセスに関連するさらなる有利な特徴および機能性は、添付の特許請求の範囲から明らかである。さらに、当業者は、本開示の特定の実施形態に対する多くの均等物を認識し、または日常的な実験のみを用いて確かめることができる。そのような均等物は、添付の特許請求の範囲によって包含されることを意図している。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2022-03-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
約9Åの大きさより小さい細孔における約100cc/L-M未満の体積、約9~27Åの大きさの細孔における約200cc/L-Mよりも大きい体積、および約27~490Åの大きさの細孔における約50cc/L-Mよりも大きい体積を含む、多孔質ガス吸着材料。
【請求項2】
非水性結合剤をさらに含む、請求項1に記載の多孔質ガス吸着材料。
【請求項3】
前記非水性結合剤が、フルオロポリマー、ポリアミド、ポリイミド、フィブリル化セルロース、高性能プラスチック、フルオロポリマーとのコポリマー、ポリアミドとのコポリマー、ポリイミドとのコポリマー、高性能プラスチックとのコポリマー、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つである、請求項2に記載の多孔質ガス吸着材料。
【請求項4】
前記フルオロポリマーが、ポリ(ビニリデンジフルオリド)、フッ素化エチレンプロピレン、ペルフルオロアルコキシアルカン、およびポリテトラフルオロエチレンからなる群から選択される少なくとも1つのフルオロポリマーである、請求項3に記載の多孔質ガス吸着材料。
【請求項5】
前記ポリアミドが、ナイロン-6,6’、ナイロン-6、およびナイロン6,12からなる群から選択される少なくとも1つのポリアミドである、請求項4に記載の多孔質ガス吸着材料。
【請求項6】
前記非水性結合剤が、10wt%未満の量で存在する、請求項2に記載の多孔質ガス吸着材料。
【請求項7】
ガス吸着材料が、少なくとも90wt%の量で存在する、請求項1に記載の多孔質ガス吸着材料。
【請求項8】
前記ガス吸着材料が、活性炭、ゼオライト、シリカ、有機金属骨格、共有結合有機骨格、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つである、請求項7に記載の多孔質ガス吸着材料。
【請求項9】
前記活性炭が、木材、ピートモス、ココナッツの殻、石炭、クルミの殻、合成ポリマーおよび/または天然ポリマーに由来する、請求項8に記載の多孔質ガス吸着材料。
【請求項10】
前記活性炭が、熱的に活性化されている、化学的に活性化されている、またはそれらの組み合わせである、請求項9に記載の多孔質ガス吸着材料。
【請求項11】
前記多孔質ガス吸着材料が、以下の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の多孔質ガス吸着材料。
i.≦30lb/GGEの作業重量分析容量、
ii.30L/GGE未満の体積分析容量、
iii.ガス吸着材料が、少なくとも93wt%の量で存在する、
iv.非水性結合剤が、約2.5wt%~約7wt%の量で存在する、
v.非水性結合剤が、結合剤の約50wt%~約70wt%の分散液である、または
vi.それらの組み合わせ。
【請求項12】
前記多孔質ガス吸着材料は、約0.4g/cc~約2.0g/ccの部分密度を有する、請求項1に記載の多孔質ガス吸着材料。
【請求項13】
前記部分密度は、約0.4g/cc~約1.5g/ccの範囲内にある、請求項12に記載の多孔質ガス吸着材料。
【請求項14】
前記作業重量分析容量が、<28lb/GGEである、請求項11に記載の多孔質ガス吸着材料。
【請求項15】
天然ガスをガス貯蔵システムと接触させる工程を含む、天然ガスを貯蔵する方法であって、
前記ガス貯蔵システムは、多孔質ガス吸着材料を含み、
前記多孔質ガス吸着材料は、約9Åの大きさより小さい細孔における<約100cc/L-Mの体積、約9~27Åの大きさの細孔における>約200cc/L-Mの体積、および約27~490Åの大きさの細孔における>約50cc/L-Mの体積を含む、天然ガスを貯蔵する方法。
【請求項16】
体積分析容量が30L/GGE以下である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記多孔質ガス吸着材料が、ガス吸着材料および非水性結合剤を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記非水性結合剤が、フルオロポリマー、ポリアミド、ポリイミド、フィブリル化セルロース、高性能プラスチック、フルオロポリマーとのコポリマー、ポリアミドとのコポリマー、ポリイミドとのコポリマー、高性能プラスチックとのコポリマー、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記フルオロポリマーが、ポリ(ビニリデンジフルオリド)、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化エチレンプロピレン、ペルフルオロアルコキシアルカン、またはその組み合わせの少なくとも1つである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ポリアミドが、ナイロン-6,6’、ナイロン-6、ナイロン6,12、またはその組み合わせの少なくとも1つである、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
以下の少なくとも1つを含む、
前記非水性結合剤が、10wt%未満の量で存在する、
前記ガス吸着材料が少なくとも90wt%の量で存在する、
前記非水性結合剤が、前記結合剤の約50wt%~約70wt%の分散液である、またはそれらの組み合わせである、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
以下の少なくとも1つを含む、
非水性結合剤が、約2.5wt%~約7wt%の量で存在する、
ガス吸着材料が、少なくとも93wt%の量で存在する、
非水性結合剤が、結合剤の約55wt%~約65wt%の分散液である、または
それらの組み合わせの少なくとも1つである、
請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記ガス吸着材料が、活性炭、ゼオライト、シリカ、有機金属骨格、共有結合有機骨格、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つである、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
前記活性炭が、木材、ピートモス、ココナッツの殻、石炭、クルミの殻、合成ポリマーおよび/または天然ポリマーに由来する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記活性炭が、熱的に活性化されている、化学的に活性化されている、またはそれらの組み合わせである、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
天然ガスの入口および出口を有する容器と、
そこに配置された多孔質ガス吸着材料とを含み、前記多孔質ガス吸着材料は、
約9Åの大きさより小さい細孔における<約100cc/L-Mの体積、
約9~27Åの大きさの細孔における>約200cc/L-Mの体積、および
約27~490Åの大きさの細孔における>約50cc/L-Mの体積を含む、吸着天然ガス貯蔵システム。
【請求項27】
前記多孔質ガス吸着材料が非水性結合剤をさらに含む、請求項26に記載の吸着天然ガス貯蔵システム。
【請求項28】
前記多孔質ガス吸着材料が、以下の少なくとも1つを含む、請求項27に記載の吸着天然ガス貯蔵システム。
(i)前記非水性結合剤が、フルオロポリマー、ポリアミド、ポリイミド、フィブリル化セルロース、高性能プラスチック、フルオロポリマーとのコポリマー、ポリアミドとのコポリマー、ポリイミドとのコポリマー、高性能プラスチックとのコポリマー、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つである、
(ii)前記ガス吸着材料が、活性炭、ゼオライト、シリカ、有機金属骨格、共有結合有機骨格、または
(iii)それらの組み合わせ。
【請求項29】
前記多孔質ガス吸着材料が、以下の少なくとも1つを含む、請求項26に記載の吸着天然ガス貯蔵システム。
前記ガス吸着材料が少なくとも90wt%の量で存在する、
前記非水性結合剤が、10wt%未満量で存在する、
前記非水性結合剤が、前記結合剤の約50wt%~約70wt%の分散液である、または
それらの組み合わせ。
【請求項30】
前記多孔質ガス吸着材料が、以下の少なくとも1つを含む、請求項26に記載の吸着天然ガス貯蔵システム。
≦40lb/GGEの作業重量分析容量、
<35L/GGEの体積分析容量、
ガス吸着材料が、少なくとも93wt%の量で存在する、
前記非水性結合剤が、7wt%未満の量で存在する、
前記非水性結合剤が、結合剤の約55wt%~約65wt%の分散液である、または
それらの組み合わせ。
【請求項31】
前記容器が少なくとも1,000psiに耐えるように構成されている、請求項26に記載の吸着天然ガス貯蔵システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0055】
実施形態において、本開示の非水性結合剤は、フルオロポリマー(例えば、ポリ(ビニリデンジフルオリド)、ポリテトラフルオロエチレン、ペルフルオロアルコキシアルカン、またはフッ素化エチレンプロピレン)、ポリアミド(例えば、ナイロン-6,6’またはナイロン-6)、ポリイミド、高性能プラスチック(例えばポリフェニレンスルフィド)、フルオロポリマーとのコポリマー、ポリアミドとのコポリマー、ポリイミドとのコポリマー、高性能プラスチックとのコポリマーまたはそれらの組み合わせの少なくとも1つである。特定の実施形態では、本開示の組成物の非水性結合剤は、10wt%以下の量で存在する。例えば、本開示の組成物の非水性結合剤は、約2.5~約10wt%、約5.0~約10wt%、約7.5wt%~約10wt%、約9~約10wt%、約2.5~約8wt%、約5.0~約8wt%、約6.5wt%~約8wt%、約2.5~約7wt%、約5.0~約7wt%、約2.5~約5.0wt%、または2.5wt%以下の量で存在し得る。特定の実施形態では、非水性結合剤は、約1wt%、約1.5wt%、約2wt%、約2.5wt%、約3wt%、約3.5wt%、約4wt%、約4.5wt%、約5wt%、約5.5wt%、約6wt%、約6.5wt%、約7wt%、約7.5wt%、約8wt%、約8.5wt%、約9wt%、約9.5wt%、または約10wt%の量で存在する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0062】
実施形態では、モノリスは少なくとも0.4g/ccの部分密度を有する。例えば、モノリスの部分密度は、約0.40g/cc~約2.00g/cc、約0.40g/cc~約1.50g/cc、約0.40g/cc~約1.25g/cc、約0.40g/cc~約1.00g/cc、約0.40g/cc~約0.80g/cc、約0.40g/cc~約0.75g/cc、約0.40g/cc~約0.65g/cc、約0.40g/cc~約0.55g/cc、約0.40g/cc、~約0.55g/cc、約0.50g/cc~約2.00g/cc、約0.50g/cc~約1.50g/cc、約0.50g/cc~約1.25g/cc、約0.50g/cc~約1.00g/cc、約0.50g/cc~約0.75g/cc、約0.60g/cc~約2.00g/cc、約0.60g/cc~約1.50g/cc、約0.60g/cc~約1.25g/cc、約0.60g/cc~約1.00g/cc、約0.70g/cc~約2.00g/cc、約0.70g/cc~約1.50g/cc、約0.70g/cc~約1.25g/cc、約0.70g/cc~約1.00g/cc、約1.00g/cc~約2.00g/cc、約1.00g/cc~約1.50g/cc、約1.00g/cc~約1.25g/cc、約1.25g/cc~約2.00g/cc、約1.25g/cc~約1.50g/cc、または約1.50g/cc~約2.00g/ccであり得る。特定の実施形態では、部分密度は約0.40g/cc、約0.4/cc、約0.50g/cc、約0.55g/cc、約0.60g/cc、約0.65g/cc、約0.70g/cc、約0.75g/cc、約0.80g/cc、約0.85g/cc、約0.90g/cc、約0.95g/cc、約1.00g/cc、約1.05g/cc、約1.10g/cc、約10.15g/cc、約1.20g/cc、約1.25g/cc、約1.30g/cc、約1.35g/cc、約1.40g/cc、約1.40g/cc、約1.50g/cc、約1.55g/cc、約1.60g/cc、約1.65g/cc、約1.70g/cc、約1.75g/cc、約1.80g/cc、約1.85g/cc、約1.90g/cc、約1.95g/cc、または約2.00g/ccである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0098
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0098】
実施例8:Nuchar(登録商標)SA-1500活性炭とPTFEとの結合Nuchar(登録商標)SA-1500および60wt%ポリテトラフルオロエチレン分散液を、19:1のNuchar(登録商標)SA-1500対ポリテトラフルオロエチレン(すなわち、5wt%PTFE)の比で混合した。この材料を実施例2と同様に水を加えて混合し、次いでトレイオーブン(110℃に設定)で乾燥させて水を蒸発させた。乾燥させた材料を210℃に予熱した内径3インチの圧縮型に加え、5分間保持した後、7,000psiに加圧し、10分間一定の圧力を維持した。熱の使用は、所望の領域における細孔体積の低い閉塞と相まって、炭素および結合剤の圧縮を高め、CMCおよびUHMWPEと比較して優れた体積分析能力をもたらす。さらに、結合剤がより少ない量であることで、モノリスにてより多くの吸着剤を使用することが可能になる。実施例8の天然ガス吸着能力試験は1LのParrステンレス鋼反応器で行われたことに留意されたい。天然ガス/メタン吸着能力を測定するために先に概説した一連のステップは、圧力容器中のモノリスの直径によりよく適合するようにアルミニウム製スリーブを挿入したことを除いて同じままであった。Parrの利点は、試料の大きさがより大きく、モノリスの外側の範囲の外にある空のスペーの天然ガスに対するPV=znRTの補正の大きさが減ることに加えて、相対的に大きな内側の体積の方が、実際の燃料タンクの内側の体積に近くなっていることである。
【外国語明細書】