IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ナビタイムジャパンの特許一覧

特開2022-84607情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法
<>
  • 特開-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法 図1
  • 特開-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法 図2
  • 特開-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法 図3
  • 特開-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法 図4
  • 特開-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法 図5
  • 特開-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法 図6
  • 特開-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法 図7
  • 特開-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法 図8
  • 特開-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法 図9
  • 特開-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022084607
(43)【公開日】2022-06-07
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20220531BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20220531BHJP
   G06F 3/16 20060101ALI20220531BHJP
   G10L 15/00 20130101ALI20220531BHJP
   G10L 13/00 20060101ALI20220531BHJP
   G10L 15/30 20130101ALI20220531BHJP
【FI】
G06Q50/10
G01C21/26 A
G06F3/16 650
G06F3/16 690
G06F3/16 620
G10L15/00 200Q
G10L13/00 100M
G10L13/00 100S
G10L15/00 200A
G10L15/30
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022025251
(22)【出願日】2022-02-22
(62)【分割の表示】P 2017235779の分割
【原出願日】2017-12-08
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ウェブサイトの掲載日: 平成29年11月8日 ウェブサイトのアドレス: http://corporate.navitime.co.jp/topics/pr/201711/08_4292.html 公開者: 株式会社ナビタイムジャパン
(71)【出願人】
【識別番号】500168811
【氏名又は名称】株式会社ナビタイムジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】甲斐沼 大輔
(72)【発明者】
【氏名】林 哲也
(57)【要約】
【課題】ユーザにとって理解しやすく使い勝手のよいナビゲーションを実現できる情報処理システムを提供する。
【解決手段】情報処理システムは、音声入力手段および音声出力手段を有する固定端末と、視覚的出力手段を有する移動端末とを備えた情報処理システムにおいて、固定端末の音声入力手段に対する音声入力に応じて、固定端末用経路情報と移動端末用経路情報とを取得する経路取得手段と、取得した固定端末用経路情報を固定端末の音声出力手段から出力し、取得した移動端末用経路情報を移動端末の視覚的出力手段から出力する出力制御手段と、を備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声入力手段および音声出力手段を有する固定端末と、視覚的出力手段を有する移動端末とを備えた情報処理システムにおいて、
前記固定端末の前記音声入力手段に対する音声入力に応じて、固定端末用経路情報と移動端末用経路情報とを取得する経路取得手段と、
前記取得した固定端末用経路情報を前記固定端末の前記音声出力手段から出力し、前記取得した移動端末用経路情報を前記移動端末の前記視覚的出力手段から出力する出力制御手段と、
を備えた情報処理システム。
【請求項2】
前記固定端末用経路情報は経路の概要情報であり、前記移動端末用経路情報は経路の詳細情報である、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記概要情報は、料金、所要時間、出発時刻、出発までの残り時間のうちの少なくとも1つに関する情報である、請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記出力制御手段は、さらに経路情報に含まれる日時情報と、現在日時とに基づいて経路の概要情報を前記固定端末の前記音声出力手段から出力する、請求項2または3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記出力制御手段は、さらに所定条件に基づいて出力先、ならびに出力内容および/または出力タイミングを制御するものであり、
前記所定条件は、経路情報の情報量、日時条件、乗換回数、混雑状況、交通状況、移動手段のうちのすくなくとも1つに関する条件である、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記移動端末用経路情報は、前記固定端末用経路情報の探索条件であり、
前記移動端末用経路情報に関して前記移動端末の入力手段に対するユーザ操作を受け付けると、前記出力制御手段は、ユーザ操作時における日時条件および/または前記移動端末の位置情報と、前記探索条件とに基づいて、経路に関する詳細情報を前記移動端末の前記視覚的出力手段から出力する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記出力制御手段は、複数の候補経路情報のうち所定数の候補経路のみ固定端末用経路情報として前記固定端末の前記音声出力手段から出力し、その他の候補経路を含む経路情報を移動端末用経路情報として前記移動端末の前記視覚的出力手段から出力する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記出力制御手段は、一の経路情報のうち、特定区間の移動情報のみ固定端末用経路情報として前記固定端末の前記音声出力手段から出力し、その他の移動情報を移動端末用経路情報として前記移動端末の前記視覚的出力手段から出力する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記移動端末の入力手段に対するユーザ操作に応じて一の経路が選定されると、前記出力制御手段は、選定された経路の情報を前記固定端末の前記音声出力手段および/または前記固定端末と連携する他の移動端末の視覚的出力手段から出力する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項10】
移動に伴う交通機関や施設を、固定端末の音声入力手段に対する音声入力に応じて、予約または決済する予約決済手段をさらに備えた、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記固定端末の音声入力手段に対する音声入力に基づいて発話したユーザが認識され、前記出力制御手段は、認識されたユーザに紐づく移動端末の視覚的出力手段から移動端末用経路情報を出力する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記出力制御手段は、同じ読みの駅名や読みが部分一致する駅名が複数ある場合、最も可能性が高い駅名を利用した経路情報を前記固定端末の前記音声出力手段から出力し、その他の経路情報を前記移動端末の前記視覚的出力手段から出力する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項13】
コンピュータを、
固定端末の音声入力手段に対する音声入力に応じて、固定端末用経路情報と移動端末用経路情報とを取得する経路取得手段、
前記取得した固定端末用経路情報を前記固定端末の音声出力手段から出力し、前記取得した移動端末用経路情報を移動端末の視覚的出力手段から出力する出力制御手段、
として機能させる情報処理プログラム。
【請求項14】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって構成される情報処理システムであって、
固定端末の音声入力手段に対する音声入力に応じて、固定端末用経路情報と移動端末用経路情報とを取得する経路取得手段と、
前記取得した固定端末用経路情報を前記固定端末の音声出力手段から出力し、前記取得した移動端末用経路情報を移動端末の前記視覚的出力手段から出力する出力制御手段と、を備えた情報処理システムとして機能させるために、
上記コンピュータの少なくとも1つを上記経路取得手段および出力制御手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項15】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって、
固定端末の音声入力手段に対する音声入力に応じて、固定端末用経路情報と移動端末用経路情報とを取得する経路取得手段と、
前記取得した固定端末用経路情報を前記固定端末の音声出力手段から出力し、前記取得した移動端末用経路情報を移動端末の前記視覚的出力手段から出力する出力制御手段と、を備えた情報処理システムを構成するために、
上記経路取得手段および出力制御手段の少なくとも1つを備えた情報処理装置。
【請求項16】
経路取得手段が、固定端末の音声入力手段に対する音声入力に応じて、固定端末用経路情報と移動端末用経路情報とを取得するステップと、
出力制御手段が、前記取得した固定端末用経路情報を前記固定端末の音声出力手段から出力し、前記取得した移動端末用経路情報を移動端末の前記視覚的出力手段から出力するステップと、
を備えた情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、固定対話型端末、いわゆるスマートスピーカーが、登場している。。スマートスピーカーは、人工知能技術により音声認識を行うサーバにネットワークを介して通信可能に接続され、ユーザは、スマートフォンを取り出さなくても、スマートスピーカーに向かって話しかけるだけで、家電を操作したり、オンラインショッピングで商品を注文したり、スケジュールを確認したり、音楽を再生したり、ニュースや天気を読み上げたりすることができる。特許文献1には、スマートスピーカーの基本的な構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2016-505888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、スマートフォンでは乗換経路探索などのナビゲーション機能が多くのユーザにより日常的に利用されているものの、スマートスピーカーでナビゲーション機能を利用するには、次のような問題がある。すなわち、経路案内や運行状況は情報量が多いため、スマートスピーカーから案内情報を音声で出力させても、ユーザはそれを覚えきれず、内容を把握することが難しい。また、経路案内や運行状況は内容が複雑であるため、スマートスピーカーから案内情報の概要だけを音声で出力させても、ナビゲーションとしては役に立たないものとなる。
【0005】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたものである。本発明の目的は、ユーザにとって理解しやすく使い勝手のよいナビゲーションを実現できる情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報処理システムは、
音声入力手段および音声出力手段を有する固定端末と、視覚的出力手段を有する移動端末とを備えた情報処理システムにおいて、
前記固定端末の前記音声入力手段に対する音声入力に応じて、固定端末用経路情報と移動端末用経路情報とを取得する経路取得手段と、
前記取得した固定端末用経路情報を前記固定端末の前記音声出力手段から出力し、前記取得した移動端末用経路情報を前記移動端末の前記視覚的出力手段から出力する出力制御手段と、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザにとって理解しやすく使い勝手のよいナビゲーションを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施の形態に係る情報処理システムの概略的な構成を示す図である。
図2図2は、一実施の形態に係る情報処理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図3図3は、一実施の形態に係る情報処理システムの動作の一例を説明するための図である。
図4図4は、一実施の形態に係る情報処理システムの動作の一例を説明するための図である。
図5図5は、一実施の形態に係る情報処理システムの動作の一例を説明するための図である。
図6図6は、一実施の形態に係る情報処理システムの動作の一例を説明するための図である。
図7図7は、一実施の形態に係る情報処理システムの動作の一例を説明するための図である。
図8図8は、一実施の形態に係る情報処理システムの動作の一例を説明するための図である。
図9図9は、一実施の形態に係る情報処理システムの動作の一例を説明するための図である。
図10図10は、一実施の形態に係る情報処理システムの動作の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、各図において同等の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、同一符号の構成要素の詳しい説明は繰り返さない。また、本明細書において、「Aおよび/またはB」とは、AおよびBのいずれか一方または両方を意味するものとする。
【0010】
(情報処理システムの構成)
一実施形態に係る情報処理システムについて説明する。図1は、一実施形態に係る情報処理システム1の概略的な構成を示す図である。なお、同図において、各機能を行う機能部は、それぞれ各機能を行う手段ということができる。
【0011】
図1に示すように、情報処理システム1は、固定端末2と、サーバ3と、移動端末4とを備えている。固定端末2とサーバ3と移動端末4とは、インターネット等のネットワーク5を介して互いに通信可能に接続されている。ネットワーク5は、有線回線と無線回線のいずれでもよく、回線の種類や形態は問わない。なお、固定端末2とサーバ3と移動端末4の少なくとも一部は、コンピュータにより実現される。
【0012】
固定端末2は、ユーザが音声で操作可能な固定対話型端末、いわゆるスマートスピーカーであり、音声認識を行うサーバ(不図示)にネットワーク5を介して通信可能に接続されている。固定端末2は、家のリビングなど特定の空間内に据え置いて利用することが想定されているものである。固定端末2は、固定端末2と連携する家庭用電気機器(いわゆる家電)や周辺機器をコントロール可能であってもよい。ユーザは固定端末2と会話をするように操作できるので利便性が高い。
【0013】
図1に示すように、固定端末2は、固定端末通信部21と、固定端末制御部22と、固定端末記憶部23と、音声入力部24と、音声出力部25とを有している。各部は、バスを介して互いに通信可能に接続されている。
【0014】
固定端末通信部21は、固定端末2とネットワーク5との間の通信インターフェースで
ある。固定端末通信部21は、ネットワーク5を介して固定端末2とサーバ3との間で情報を送受信する。
【0015】
固定端末制御部22は、固定端末2の各種処理を行う制御手段である。固定端末制御部22は、固定端末2内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現されてもよいし、ハードウェアで実装されてもよい。
【0016】
固定端末記憶部23は、たとえば内蔵メモリや外部メモリ(SDメモリカード等)などのデータストレージである。固定端末記憶部23には、固定端末制御部22が取り扱う各種データが記憶される。固定端末記憶部23は、必ずしも固定端末2内に設けられていなくてもよく、固定端末記憶部23の一部または全部は、ネットワーク5を介して固定端末2と通信可能に接続された別の装置(たとえば、サーバ)内に設けられていてもよい。
【0017】
音声入力部24は、ユーザが固定端末2に音声で情報を入力するためのインターフェースであり、たとえばマイクロフォンである。
【0018】
音声出力部25は、固定端末2からユーザに対して各種情報を音声で出力するインターフェースであり、たとえばスピーカーである。
【0019】
次に、移動端末4について説明する。移動端末4は、ユーザが携帯して使用するものであり、たとえば、スマートフォンやタブレット端末などのモバイル端末である
【0020】
図1に示すように、移動端末4は、移動端末通信部41と、移動端末制御部42と、移動端末記憶部43と、移動端末入力部44と、視覚的出力部45とを有している。各部は、バスを介して互いに通信可能に接続されている。
【0021】
移動端末通信部41は、移動端末4とネットワーク5との間の通信インターフェースである。移動端末通信部41は、ネットワーク5を介して移動端末4とサーバ3との間で情報を送受信する。
【0022】
移動端末制御部42は、移動端末4の各種処理を行う制御手段である。移動端末制御部42は、移動端末4内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現されてもよいし、ハードウェアで実装されてもよい。
【0023】
移動端末記憶部43は、たとえば内蔵メモリや外部メモリ(SDメモリカード等)などのデータストレージである。移動端末記憶部43には、移動端末制御部42が取り扱う各種データが記憶される。移動端末記憶部43は、必ずしも移動端末4内に設けられていなくてもよく、移動端末記憶部43の一部または全部は、ネットワーク5を介して移動端末4と通信可能に接続された別の装置(たとえば、サーバ)内に設けられていてもよい。
【0024】
移動端末入力部44は、ユーザが移動端末4に情報を入力するためのインターフェースであり、たとえばタッチパネルやマイクロフォンである。
【0025】
視覚的出力部45は、移動端末4からユーザに対して各種情報を視覚的に出力するインターフェースであり、たとえば液晶ディスプレイ等の映像表示手段である。具体的には、たとえば、視覚的出力部45は、ユーザからの操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示する。
【0026】
次に、サーバ3について説明する。図1に示すように、サーバ3は、サーバ通信部31と、サーバ制御部32と、サーバ記憶部33とを有している。各部は、バスを介して互い
に通信可能に接続されている。
【0027】
このうちサーバ通信部31は、サーバ3とネットワーク5との間の通信インターフェースである。サーバ通信部31は、ネットワーク5を介して固定端末2および移動端末4とサーバ3との間で情報を送受信する。
【0028】
サーバ制御部32は、経路取得部32aと、出力制御部32bと、予約決済部32cとを有している。これらの各部は、サーバ3内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現されてもよいし、ハードウェアで実装されてもよい。
【0029】
経路取得部32aは、固定端末2の音声入力部24に対する音声入力に応じて、たとえば後述する経路ネットワーク情報データベース33aを参照して、固定端末用経路情報と移動端末用経路情報とを取得する。
【0030】
出力制御部32bは、たとえば後述するサーバ記憶部33の登録内容を参照して、固定端末2と連携する移動端末4を確認し、経路取得部32aにより取得された固定端末用経路情報を、固定端末2に送信して音声出力部25から出力させ、経路取得部32aにより取得された移動端末用経路情報を、移動端末4に送信して視覚的出力部45から出力させる。
【0031】
固定端末2と連携する移動端末4が複数存在する場合には、固定端末2の音声入力部24に対する音声入力に基づいて発話したユーザが認識され、出力制御部32bは、認識されたユーザに紐づく移動端末4の視覚的出力部45から移動端末用経路情報を出力させてもよい。
【0032】
出力制御部32bは、さらに所定条件に基づいて出力先、ならびに出力内容および/または出力タイミングを制御するものであってもよい。ここで、「所定条件」は、経路情報の情報量、日時条件(出発時刻等)、乗換回数、混雑状況、交通状況、移動手段のうちのすくなくとも1つに関する条件であってもよい。「所定条件」は、ユーザが設定可能な条件であってもよい。
【0033】
一例として、固定端末用経路情報は経路の概要情報であり、移動端末用経路情報は経路の詳細情報であってもよい。ここで、経路の概要情報は、経路の料金(運賃)、所要時間、出発時刻のうちの少なくとも1つに関する情報であってもよい。
【0034】
予約決済部32cは、外部の乗車券予約システムや宿泊施設予約システムなどを、ネットワーク5を介して利用して、経路の移動に伴う交通機関や各種施設を、固定端末2の音声入力部24に対する音声入力に応じて、予約または決済する。
【0035】
サーバ記憶部33は、たとえばハードディスク等の固定型データストレージである。サーバ記憶部33は、必ずしもサーバ3内に設けられなくてもよく、サーバ記憶部33の一部または全部は、ネットワーク5を介してサーバ3と通信可能に接続された別の装置内に設けられてもよい。
【0036】
サーバ記憶部33には、サーバ制御部32が取り扱う各種データが記憶される。たとえば、サーバ記憶部33は、交通ネットワーク情報を含む経路ネットワーク情報データベース33aと、地図情報を含む地図情報データベース33bとを含んでいる。
【0037】
交通ネットワーク情報は、鉄道やバス等の交通網や道路網を規定する情報である。交通網の情報としては、交通機関の路線情報、時刻表情報、料金情報等を含む。道路網の情報
は、例えば交差点等の道路網表現上の結節点であるノードのデータと、ノード間の道路区間であるリンクのデータとの組み合わせによって表現される。地図情報および経路ネットワーク情報は、渋滞状況の予測や経路探索に用いられる。
【0038】
地図情報は、全国および各地方の道路地図などの地図データと、地図データに対応付けられた地図オブジェクト情報を含む。地図オブジェクト情報とは、地図上に表示される施設の形状についての形状情報、地図上に表示される注記についての注記情報、地図上に表示される記号についての記号情報などである。また、地図情報は公共交通機関の路線図に関する路線図情報を含んでいてもよい。
【0039】
上記の交通ネットワーク情報および地図情報は、所定のタイミングでアップデートされてもよい。
【0040】
サーバ記憶部33には、固定端末2ごとに、固定端末2と連携する移動端末4の情報が登録されていてもよい。また、サーバ記憶部33には、各移動端末4のユーザの声紋情報が登録されていてもよい。
【0041】
(動作の一例(第1実施例))
次に、図2および図3を参照して、情報処理システム1の動作の一例について説明する。図2は、情報処理システム1の動作の一例を示すフローチャートである。図3は、情報処理システム1の動作の一例を説明するための図である。なお、以下の説明では、出発駅から目的駅までの乗換探索サービスを例に説明するが、トータルナビ(自宅などの出発地から目的地までのドア・ツー・ドアの経路探索サービス)にも適用可能であることは言うまでもない。
【0042】
まず、図2および図3に示すように、固定端末2の音声入力部24にウェイクワード(起動のためのキーワード)がユーザからの音声により入力されるなどして、固定端末2が起動されたのち、経路探索条件としての出発駅および目的駅がユーザからの音声により音声入力部24に入力されると、固定端末制御部22(または固定端末2に通信可能に接続された不図示の音声認識サーバ)は、音声入力部24に対するユーザの音声入力に基づいて出発駅および目的駅を確定する(ステップS10)。図3に示す例では、ユーザが固定端末2に向かって「A駅からB駅まで」と呼びかけると、固定端末制御部22(または不図示の音声認識サーバ)は、「A駅」を出発駅として確定し、「B駅」を目的駅として確定する。固定端末制御部22(または不図示の音声認識サーバ)は、ユーザの音声入力に基づいて確定された出発駅および目的駅の情報をサーバ3に送信する。
【0043】
サーバ3の経路取得部32aは、ユーザの音声入力に基づいて確定された出発駅および目的駅の情報を経路探索条件に設定し、この経路探索条件を満たすような経路の情報を、固定端末用経路情報と移動端末用経路情報として、経路ネットワーク情報データベース33aを参照して取得する(ステップS11)。図3に示す例では、経路取得部32aは、A駅からB駅までの経路として、第1~第3経路情報を取得する。各経路情報には、所要時間、運賃、出発時刻、到着時刻、運行状況、混雑状況などの各種情報が含まれる。
【0044】
次に、出力制御部32bは、サーバ記憶部33に記憶された登録内容を参照して、固定端末2と連携する移動端末4を確認する(ステップS12)。
【0045】
たとえば、住居内に設置された1台の固定端末2に家族各人の移動端末4を連携させている場合など、固定端末2と連携する移動端末4が複数存在する場合には、固定端末制御部22(または不図示の音声認識サーバ)が、音声入力部24に入力された音声の声紋など音声の特徴を分析して発話したユーザを認識し、出力制御部32bは、認識されたユー
ザに紐づく移動端末4を、サーバ記憶部33の登録内容を参照して確認し、移動端末用経路情報の出力先とする。一人に対して複数の移動端末が紐づいている場合には、紐づく端末全てを出力先としてもよく、最も優先度の高い端末を判定し一台のみに出力してもよい。
【0046】
次に、出力制御部32bは、所定条件に基づいて、経路情報の出力先、ならびに出力内容および/または出力タイミングを選定する(ステップS13)。たとえば、出力制御部32bは、経路情報の情報量が所定の値以上である場合には、経路の概要情報を固定端末用経路情報として選定し、経路情報全体(すなわち経路の詳細情報)を移動端末用経路情報として選定する。経路の概要情報は、固定端末2の音声出力部25から音声で出力された場合にユーザが容易に把握できるものであればよく、たとえば、経路の料金(運賃)、所要時間、出発時刻、出発までの残り時間のうちの少なくとも1つに関する情報であってもよい。図3に示す例では、第1~第3経路情報全体の情報量が大きく、音声で出力されてもユーザが聞き取れない可能性があるため、出力制御部32bは、第1経路情報における経路の料金および所要時間を、固定端末用経路情報として選定し、第1~第3経路情報全体を、移動端末用経路情報として選定する。
【0047】
出力制御部32bは、固定端末用経路情報を固定端末2に送信し、固定端末2の音声出力部25から固定端末用経路情報を音声で出力させる(ステップS14)。図3に示す例では、固定端末2の音声出力部25から「A駅からB駅までの経路は、所要時間N分、運賃はX円です。」という情報が音声で出力される。出力制御部32bは、固定端末用経路情報に係る経路の運行状況を監視し、列車遅延などの運行情報が発生した場合には、固定端末2の音声出力部25から運行情報を自動的に出力させてもよい。
【0048】
また、出力制御部32bは、移動端末用経路情報を移動端末4に送信し、移動端末4の視覚的出力部45から移動端末用経路情報を文字および/または画像で視覚的に出力させる。図3に示す例では、移動端末4の視覚的出力部45から、第1~第3経路情報全体が文字により一覧で表示される。
【0049】
以上のような本実施の形態によれば、経路取得部32aが、固定端末2の音声入力部24に対する音声入力に応じて経路情報を取得し、出力制御部32bが、固定端末2の音声出力部25だけでなく、固定端末2の音声出力部25と移動端末4の視覚的出力部45とを組み合わせて出力手段として利用し、固定端末用経路情報を固定端末2の音声出力部25から出力し、移動端末用経路情報を移動端末4の視覚的出力部45から出力する。ユーザからの音声入力により経路情報が取得されるとともに、取得された経路情報の内容や状況に応じて適切な出力先から経路情報が出力されることで、ユーザにとって理解しやすく使い勝手のよいナビゲーションを実現することができる。
【0050】
また、本実施の形態によれば、固定端末用経路情報は経路の概要情報であり、前記移動端末用経路情報は経路の詳細情報であって、固定端末2の音声出力部25からは経路の概要情報が出力されるため、ユーザはそれを聞き取って容易に内容を把握することができる。また、それだけでなく、移動端末4の視覚的出力部45から経路の詳細情報が出力されるため、ユーザは経路情報の詳細を任意のタイミングで確認してナビゲーションとして利用することが可能である。これにより、例えば家を出発するまでの状況においては、おおよその経路と出発すべき時刻などの移動開始に必須な情報に絞って出力し、その他の詳細な情報については、移動開始後の移動中を利用して確認できるよう出力するので、ユーザはスムーズな移動開始と詳細情報の把握を行うことができる。
【0051】
なお、図3に示す例では、出力制御部32bが、経路の概要情報を固定端末用経路情報として固定端末2の音声出力部25から出力させ、経路情報全体(すなわち経路の詳細情
報)を移動端末用経路情報として移動端末4の視覚的出力部45から出力させたが、経路取得部32aにより取得された経路情報の内容や状況に応じて適切な出力先から経路情報が出力されるのであれば、図3に示す例に限定されるものではない。
【0052】
(動作の別の一例(第2実施例))
たとえば、図4に示すように、出力制御部32bは、(図3に示す例と同様に)経路の概要情報を固定端末用経路情報として固定端末2の音声出力部25から出力させるが、(図3に示す例とは異なり)固定端末経路情報の探索条件を移動端末用経路情報として移動端末4の視覚的出力部45から出力させてもよい。
【0053】
図4に示す例では、出力制御部32bは、「A駅からB駅までの経路です。」という情報(固定端末経路情報の経路探索条件)を、移動端末4の視覚的出力部45からプッシュ通知で出力させる。
【0054】
そして、図4に示すように、移動端末入力部44に対するユーザ操作により、視覚的出力部45に出力された移動端末用経路情報(経路探索条件)のプッシュ通知が開けられると、移動端末制御部42は、経路探索要求と、ユーザ操作時における日時情報(図4に示す例では「16:22」)とを、サーバ3へと送信する。移動端末制御部42は、たとえば、GPS、ビーコンなどの電波航法手段による測位情報に基づいて移動端末4の現在位置の情報を取得し、経路探索要求およびユーザ操作時における日時情報とともに、移動端末4の現在の位置情報をサーバ3へと送信してもよい。
【0055】
経路取得部32aは、ユーザ操作時における日時条件および/または移動端末4の位置情報と、移動端末用経路情報(すなわち固定端末用経路情報の探索条件)とに基づいて、経路探索条件を再設定し、再設定された経路探索条件を満たすような経路の情報を、経路ネットワーク情報データベース33aを参照して取得する。図4に示す例では、A駅からB駅までの経路であって、移動端末4の現在位置またはA駅からの出発時刻が16時22分以降の経路が、経路取得部32aにより取得される。
【0056】
そして、出力制御部32bは、経路取得部32aが取得した経路に関する詳細情報を、移動端末4の視覚的出力部45から出力させる。この場合、移動端末4にて経路の詳細情報を確認するのが遅くなっても、その時間、場所に応じたタイムリーな経路情報が出力されるため、より使い勝手のよいナビゲーションを実現できる。
【0057】
(動作のさらに別の一例(第3実施例))
また、たとえば、図5に示すように、出力制御部32bは、経路情報に含まれる日時情報と、現在日時とに基づいて、経路の概要情報を固定端末2の音声出力部25から出力させる出力タイミングを設定してもよい。言い換えると、出力制御部32bは、経路情報に含まれる日時情報と現在日時との関係に基づくタイミングで、経路の概要情報を固定端末2の音声出力部25から出力させてもよい。
【0058】
図5に示す例では、出力制御部32bは、現在日時が、経路情報に含まれる日時情報の20分前になったら、経路の概要情報として出発までの残り時間に関する情報(「あと20分で、出発の時刻です」)を、固定端末2の音声出力部25から出力させる。出発までの残り時間が少なくなるにつれ、小まめに残り時間を報知するようにしてもよい。
【0059】
ここで、出力制御部32bは、設定された出力タイミング(出発時刻の20分前)に、固定端末2が備える近接センサ(不図示)からの情報に基づいて、ユーザが出発せずに固定端末2の周辺に未だいるのかどうかを判定し、ユーザが固定端末2の周囲にいると判定された場合にのみ、経路の概要情報を固定端末2の音声出力部25から出力させてもよい
【0060】
また、経路取得部32aは、設定された出力タイミング(出発時刻の20分前)に、経路の最新の交通状況または混雑状況を取得し、出力制御部32bは、経路の概要情報とともに、当該経路の最新の交通状況または混雑状況を、固定端末2の音声出力部25から出力させてもよい。
【0061】
図5に示す例では、出力制御部32bが経路情報に含まれる日時情報と現在日時とに基づいて音声出力部25からの出力タイミングを設定することにより、いわゆるリマインド機能が実現されるため、より使い勝手のよいナビゲーションを実現できる。なお、出力タイミングはユーザの指示により、たとえば10分後や次の日などに変更可能であってもよい。
【0062】
出力制御部32bは、出力対象の情報特性が経路情報や運行情報に該当するか否かを判定し、経路情報や運行情報に該当しない情報を音声出力部25から発話させる場合には、出力タイミングの制御を行わずに全て即時発話させるようにしてもよい。
【0063】
(動作のさらに別の一例(第4実施例))
また、たとえば、図6に示すように、出力制御部32bは、複数の候補経路情報のうち所定数の候補経路のみを、固定端末用経路情報として固定端末2の音声出力部25から出力させ、その他の候補経路を含む経路情報を、移動端末用経路情報として移動端末4の視覚的出力部45から出力させてもよい。
【0064】
図6に示す例では、出力制御部32bは、経路取得部32aにより取得された第1~第3経路情報のうち、第1経路情報のみを、固定端末用経路情報として固定端末2の音声出力部25から出力させ、第2、第3経路情報を含む全ての経路情報を、移動端末用経路情報として移動端末4の視覚的出力部45から出力させる。この場合も、出力制御部32bが、固定端末2の音声出力部25だけでなく、固定端末2の音声出力部25と移動端末4の視覚的出力部45とを組み合わせて出力手段として利用し、取得された経路情報の内容や状況に応じて適切な出力先から経路情報を出力させるため、ユーザにとって使い勝手のよいナビゲーションを実現できる。
【0065】
(動作のさらに別の一例(第5実施例))
また、たとえば、図7に示すように、出力制御部32bは、一の経路情報のうち、特定区間の移動情報のみ固定端末用経路情報として、固定端末2の音声出力部25から出力させ、その他の移動情報を含む移動情報を、移動端末用経路情報として移動端末4の視覚的出力部45から出力させてもよい。
【0066】
図7に示す例では、出力制御部32bは、A駅からF駅までの1つの経路情報のうち、出発駅であるA駅から最初の乗換駅であるD駅までの区間の移動情報のみを、固定端末用経路情報として固定端末2の音声出力部25から出力させ、出発駅であるA駅から目的駅であるF駅までの区間全体の移動情報、あるいはD駅以降の移動情報を、移動端末用経路情報として移動端末4の視覚的出力部45から出力させる。この場合も、出力制御部32bが、固定端末2の音声出力部25だけでなく、固定端末2の音声出力部25と移動端末4の視覚的出力部45とを組み合わせて出力手段として利用し、取得された経路情報の内容や状況に応じて適切な出力先から経路情報を出力させるため、ユーザにとって使い勝手のよいナビゲーションを実現できる。
具体的には、移動をする上で真っ先に必要となる情報である、最初に乗車すべき電車の情報のみを固定端末2で即時出力し、全体の詳細な移動情報を移動端末4で出力するので、最初の電車への乗り遅れや間違いを防ぐとともに、詳細な移動情報を乗車後の時間に余裕
があるタイミング等で確認することができる。
【0067】
(動作のさらに別の一例(第6実施例))
また、たとえば、図8に示すように、出力制御部32bは、音声入力部24から音声で入力された出発駅および/または目的駅について、同じ読みの駅名や読みが部分一致する駅名が複数ある場合、最も可能性が高い駅名を利用した経路情報を、固定端末2の音声出力部25から出力させ、その他の経路情報を移動端末4の視覚的出力部45から出力させてもよい。ここで、複数の駅名候補のうち、音声で入力された読みと一致する割合が最も高い駅名を、「最も可能性が高い駅名」と判定してもよいし、複数のユーザの検索ログ(リクエスト)数に基づき、需要が最も多い(=最も利用可能性が高い)駅名を、「最も可能性が高い駅名」と判定してもよい。
【0068】
図8に示す例では、目的駅として音声入力部24に入力された「びーえき」という音声と読みが完全一致ないし部分一致する駅名として「B駅」と「B一丁目駅」と「B二丁目駅」が存在する場合に、出力制御部32bは、読みが完全一致する「B駅」を最も可能性が高い駅名であると判断し、「B駅」を目的駅として探索された経路情報を、固定端末2の音声出力部25から出力させ、「B駅」を目的駅として探索された経路情報とともに、「B一丁目駅」を目的駅として探索された経路情報と、「B二丁目駅」を目的駅として探索された経路情報とを、移動端末4の視覚的出力部45から出力させる。この場合も、出力制御部32bが、固定端末2の音声出力部25だけでなく、固定端末2の音声出力部25と移動端末4の視覚的出力部45とを組み合わせて出力手段として利用し、取得された経路情報の内容や状況に応じて適切な出力先から経路情報を出力させるため、ユーザにとって使い勝手のよいナビゲーションを実現できる。
【0069】
(動作のさらに別の一例(第7実施例))
また、たとえば、図9に示すように、予約決済部32cが、移動に伴う交通機関や施設を、固定端末2の音声入力部24に対する音声入力に応じて、予約または決済してもよい。
【0070】
図9に示す例では、固定端末2の音声入力部24に対する音声入力(「お願い。通路側の座席がいいな。」)に応じて、予約決済部32cは、航空会社の航空券予約システムをネットワーク5を介して利用するなどして、W空港10時発のABC123便の通路側の座席の予約を行う。
【0071】
図9に示す例では、出力制御部32bによって、固定端末用経路情報が固定端末2の音声出力部25から出力されるだけでなく、予約決済部32cによって、当該経路の移動に伴う交通機関や施設を、固定端末2の音声入力部24に対する音声入力に応じて、予約または決済できるため、より使い勝手のよいナビゲーションを実現できる。
【0072】
(動作のさらに別の一例(第8実施例))
また、たとえば、図10に示すように、移動端末4の移動端末入力部44に対するユーザ操作に応じて一の経路が選定されると、出力制御部32bは、選定された経路の経路情報を固定端末2の音声出力部25および/または固定端末2と連携する他の移動端末(不図示)の視覚的出力部から出力してもよい。
【0073】
図10に示す例では、移動端末4の視覚的出力部45に出力された複数の候補経路のうち、20時35分にA駅に到着する経路がユーザ操作により選定される(たとえば、タッチパネル上で「送信」ボタンがタップ操作される)と、移動端末制御部42は、選定された経路の経路情報をサーバ3へと送信する。
【0074】
サーバ3の出力制御部32bは、選定された経路の経路情報(「20時35分にA駅に到着です」)を固定端末2の音声出力部25から出力する。このとき、出力制御部32bは、選定された経路の経路情報とともに、移動端末4のユーザに関する情報(「パパからお知らせです。」)を、固定端末2の音声出力部25から出力してもよい。
【0075】
図10に示す例では、固定端末2に対する音声入力により、移動端末4から経路情報を出力させるだけでなく、それとは逆向きで、移動端末4に対するユーザ操作により、固定端末2から経路情報を出力させることができるため、より使い勝手のよいナビゲーションを実現できる。
【0076】
本実施例において、移動端末4にて帰宅経路を探索して固定端末2へと送る操作を自動化してもよい。例えば、帰宅者の移動端末4から家族の移動端末または固定端末2宛に「今から帰るよ」といったメッセージを、サーバ3を介して送信すると、サーバ3のサーバ制御部32がメッセージの文脈を解釈し、今から帰宅する状況であるか否かを判定する。そして、サーバ制御部32は、今から帰宅する状況であると判定した場合には、サーバ記録部33に予め登録されているルートについて、メッセージの送信タイミングの時刻に基づいて経路探索を行い、探索結果に基づく自宅や最寄り駅への到着時刻に関する情報(「今会社を出たので19時10分、あと35分で家に着く見込みです」など」を、固定端末2から音声出力してもよい。また、サーバ制御部32は、メッセージの代わりに、帰宅者の移動端末4から送信されたスタンプや絵文字に基づいて(例えばスタンプや絵文字の識別子等から判定して)、今から帰宅する状況であることを判定し、同様の制御を行ってもよい。
【0077】
なお、上述した実施形態で説明した情報処理システム1の少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ハードウェアで構成する場合には、情報処理システム1の少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD-ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
【0078】
また、情報処理システム1の少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
【0079】
さらに、一つまたは複数の情報処理装置によって情報処理システム1を機能させてもよい。複数の情報処理装置を用いる場合、情報処理装置のうちの1つをコンピュータとし、当該コンピュータが所定のプログラムを実行することにより情報処理システム1の少なくとも1つの手段として機能が実現されてもよい。
【0080】
また、方法の発明においては、全ての工程(ステップ)をコンピュータによって自動制御で実現するようにしてもよい。また、各工程をコンピュータに実施させながら、工程間の進行制御を人の手によって実施するようにしてもよい。また、さらには、全工程のうちの少なくとも一部を人の手によって実施するようにしてもよい。
【0081】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や様々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0082】
1 情報処理システム
2 固定端末
21 固定端末通信部
22 固定端末制御部
23 固定端末記憶部
24 音声入力部
25 音声出力部
3 サーバ
31 サーバ通信部
32 サーバ制御部
32a 経路取得部
32b 出力制御部
32c 予約決済部
33 サーバ記憶部
33a 経路ネットワーク情報データベース
33b 地図情報データベース
4 移動端末
41 移動端末通信部
42 移動端末制御部
43 移動端末記憶部
44 移動端末入力部
45 視覚的出力部
5 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2022-03-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定端末の音声入力手段に対する音声入力に応じて、経路情報を取得する経路取得手段と、
前記経路情報に対して、固定端末用経路情報と、前記固定端末用経路情報とは異なる移動端末用経路情報とをそれぞれ選定し、前記固定端末用経路情報を固定端末の前記音声出力手段から出力し、前記移動端末用経路情報を前記移動端末の視覚的出力手段から出力する出力制御手段と、
を備えた情報処理システム。
【請求項2】
前記固定端末用経路情報は経路の概要情報であり、前記移動端末用経路情報は経路の詳細情報である、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記概要情報は、料金、所要時間、出発時刻、出発までの残り時間のうちの少なくとも1つに関する情報である、請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記出力制御手段は、前記経路情報に含まれる日時情報と、現在日時とに基づいて、経路の概要情報を前記固定端末の前記音声出力手段から出力する出力タイミングを設定する、請求項2または3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記出力制御手段は、前記経路情報に含まれる複数の候補経路情報のうち所定数の候補経路のみ固定端末用経路情報として選定し、その他の候補経路を含む経路情報を移動端末用経路情報として選定する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記出力制御手段は、一の経路情報のうち、特定区間の移動情報のみ固定端末用経路情報として選定し、その他の移動情報を移動端末用経路情報として選定する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記出力制御手段は、同じ読みの駅名や読みが部分一致する駅名が複数ある場合、前記経路情報に含まれる複数の候補経路情報のうち最も可能性が高い駅名を利用した候補経路情報を固定端末用経路情報として選定し、その他の候補経路情報を移動端末用経路情報として選定する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記出力制御手段は、前記経路情報の情報量、日時情報、乗換回数、混雑状況、交通状況、移動手段のうちのすくなくとも1つに基づいて、前記固定端末用経路情報と前記移動端末用経路情報とをそれぞれ選定する、および/または出力タイミングを制御する、請求項1~7のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記移動端末の入力手段に対するユーザ操作に応じて一の経路が選定されると、前記出力制御手段は、選定された経路の情報を前記固定端末の前記音声出力手段および/または前記固定端末と連携する他の移動端末の視覚的出力手段から出力する、請求項1~8のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項10】
移動に伴う交通機関や施設を、固定端末の音声入力手段に対する音声入力に応じて、予約または決済する予約決済手段をさらに備えた、請求項1~9のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記固定端末の音声入力手段に対する音声入力に基づいて発話したユーザが認識され、前記出力制御手段は、認識されたユーザに紐づく移動端末の視覚的出力手段から移動端末用経路情報を出力する、請求項1~10のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項12】
コンピュータを、
固定端末の音声入力手段に対する音声入力に応じて、経路情報を取得する経路取得手段、
前記経路情報に対して、固定端末用経路情報と、前記固定端末用経路情報とは異なる移動端末用経路情報とをそれぞれ選定し、前記固定端末用経路情報を前記固定端末の音声出力手段から出力し、前記移動端末用経路情報を移動端末の視覚的出力手段から出力する出力制御手段、
として機能させる情報処理プログラム。
【請求項13】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって構成される情報処理システムであって、
固定端末の音声入力手段に対する音声入力に応じて、経路情報を取得する経路取得手段と、
前記経路情報に対して、固定端末用経路情報と、前記固定端末用経路情報とは異なる移動端末用経路情報とをそれぞれ選定し、前記固定端末用経路情報を前記固定端末の音声出力手段から出力し、前記移動端末用経路情報を移動端末の視覚的出力手段から出力する出力制御手段と、
を備えた情報処理システムとして機能させるために、
上記コンピュータの少なくとも1つを上記経路取得手段および出力制御手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項14】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって、
固定端末の音声入力手段に対する音声入力に応じて、経路情報を取得する経路取得手段と、
前記経路情報に対して、固定端末用経路情報と、前記固定端末用経路情報とは異なる移動端末用経路情報とをそれぞれ選定し、前記固定端末用経路情報を前記固定端末の音声出力手段から出力し、前記移動端末用経路情報を移動端末の視覚的出力手段から出力する出力制御手段と、
を備えた情報処理システムを構成するために、
上記経路取得手段および出力制御手段の少なくとも1つを備えた情報処理装置。
【請求項15】
経路取得手段が、固定端末の音声入力手段に対する音声入力に応じて、経路情報を取得するステップと、
出力制御手段が、前記経路情報に対して、固定端末用経路情報と、前記固定端末用経路情報とは異なる移動端末用経路情報とをそれぞれ選定し、前記固定端末用経路情報を前記固定端末の音声出力手段から出力し、前記移動端末用経路情報を移動端末の視覚的出力手段から出力するステップと、
を備えた情報処理方法。