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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022084612
(43)【公開日】2022-06-07
(54)【発明の名称】セレンテラジン類似体
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/04 20060101AFI20220531BHJP
   C07D 519/00 20060101ALI20220531BHJP
   A61K 49/00 20060101ALI20220531BHJP
   C12Q 1/66 20060101ALI20220531BHJP
   G01N 33/50 20060101ALI20220531BHJP
   G01N 21/76 20060101ALI20220531BHJP
【FI】
C07D487/04 144
C07D487/04 CSP
C07D519/00 301
A61K49/00
C12Q1/66
G01N33/50 Z
G01N21/76
【審査請求】有
【請求項の数】33
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022025638
(22)【出願日】2022-02-22
(62)【分割の表示】P 2018543137の分割
【原出願日】2017-02-14
(31)【優先権主張番号】62/295,363
(32)【優先日】2016-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】593089149
【氏名又は名称】プロメガ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Promega Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(72)【発明者】
【氏名】シャクミン アントン
(72)【発明者】
【氏名】カークランド トマス
(72)【発明者】
【氏名】ウォーカー ジョエル
(72)【発明者】
【氏名】マクライト トマス
(72)【発明者】
【氏名】ホール メアリー
(72)【発明者】
【氏名】ウッド キース ヴイ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ルシフェラーゼをベースとするアッセイにおいて発光を検出するためのセレンテラジン類似体を提供する。
【解決手段】式(I)の化合物又はその互変異性体もしくは薬学的に許容可能な塩(式中、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、二環式アリール、三環式アリール、ヘテロアリール、二環式ヘテロアリール、三環式ヘテロアリール、複素環、シクロアルキル、ヘテロアリールカルボニル、またはホスホネートであり、qは、0~2である)による。

【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物
またはその互変異性体もしくは薬学的に許容可能な塩であって、式中、
1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、二環式アリール、三環式アリール、ヘテロアリール、二環式ヘテロアリール、三環式ヘテロアリール、複素環、シクロアルキル、ヘテロアリールカルボニル、またはホスホネートであり、
qは、0~2であり、
前記アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、二環式アリール、三環式アリール、ヘテロアリール、二環式ヘテロアリール、三環式ヘテロアリール、複素環、シクロアルキル、ヘテロアリールカルボニル及びホスホネートは、それぞれの存在において、独立して、置換されているかまたは非置換であり、
ただし、qが0の場合、
1は、C1~C5アルキルまたは
ではなく、ここでRaは、NH2、ハロゲン、OH、NHC(O)C1~C7アルキル、またはCO21~C7アルキルであり、
qが1の場合、
1は、C1~C4アルキル、
ではなく、ここでRcは、H、OH、OC(O)C1~C7アルキル、OCH2OC(O)C1~C7アルキルであり、Xは、S、O、NH、NCH3またはNCH2CH3であり、Zは、CHまたはNであり、
qが2の場合、
1は、C1~C3アルキルではなく、かつ
前記式(I)の化合物は、8-ベンジル-2-((1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オンではない、
前記化合物、またはその互変異性体もしくは薬学的に許容可能な塩。
【請求項2】
1が、フェニル、ピリジニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾトリアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、チエノピロリル、ピリミジニル、ピラジニル、チエノチエニル、チエニル、ジエチルホスホネート、イソキサゾリル、イミダゾチアゾリル、1,3-ジメチルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオニル、フラニル、ピラゾリル、ベンゾチエニル、C10~C12アルキル、ベンゾチアゾリル、シンナミル、ジベンゾフラニル、クロメニルまたはナフタレニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
8-ベンジル-2-(4-フルオロベンジル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-(2,4-ジフルオロベンジル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-(3-メトキシベンジル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-(4-フルオロ-3-メトキシベンジル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-(3-ヒドロキシベンジル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-(4-フルオロ-3-ヒドロキシベンジル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-(3-フルオロ-4-メトキシベンジル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-(4-フルオロ-2-メトキシベンジル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-(4-メトキシベンジル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
tert-ブチル(3-((8-ベンジル-3-オキソ-6-フェニル-3,7-ジヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジン-2-イル)メチル)フェニル)カルバメート、
8-ベンジル-2-((5-メトキシチオフェン-2-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
2-(3-アミノベンジル)-8-ベンジル-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-(4-(tert-ブチル)ベンジル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-(ナフタレン-2-イルメチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
2-([1,1’-ビフェニル]-4-イルメチル)-8-ベンジル-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
2-((2H-クロメン-3-イル)メチル)-8-ベンジル-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((1,3-ジフェニル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-(ジベンゾ[b,d]フラン-4-イルメチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-シンナミル-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
2-((3-アセチルベンゾ[d]チアゾール-2(3H)-イリデン)メチル)-8-ベンジル-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
tert-ブチル(4-((8-ベンジル-3-オキソ-6-フェニル-3,7-ジヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジン-2-イル)メチル)フェニル)カルバメート、
2-(4-アミノベンジル)-8-ベンジル-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
2-(4-(アリルオキシ)-3-メトキシベンジル)-8-ベンジル-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((5-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)チオ)フラン-2-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-6-フェニル-2-((5-(ピリジン-2-イル)チオフェン-2-イル)メチル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
2-(ベンゾ[b]チオフェン-3-イルメチル)-8-ベンジル-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-ドデシル-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
2-(ベンゾ[b]チオフェン-2-イルメチル)-8-ベンジル-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-6-フェニル-2-(ピリジン-4-イルメチル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((5-シクロヘキシルチオフェン-2-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
2-([2,2’-ビチオフェン]-5-イルメチル)-8-ベンジル-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((5-イソブチルチオフェン-2-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((5-(1-メチル-5-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-3-イル)チオフェン-2-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-6-フェニル-2-((5-(トリフルオロメチル)フラン-2-イル)メチル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
4-((8-ベンジル-3-オキソ-6-フェニル-3,7-ジヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジン-2-イル)メチル)安息香酸、
8-ベンジル-2-((5-(メトキシメチル)フラン-2-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((ペルフルオロフェニル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((1-メチル-3-(チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((5-クロロ-1-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((5-メチルフラン-2-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
3-((8-ベンジル-3-オキソ-6-フェニル-3,7-ジヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジン-2-イル)メチル)安息香酸、
8-ベンジル-2-((5-(モルホリノメチル)フラン-2-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
2-(3-(アミノメチル)ベンジル)-8-ベンジル-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
5-((8-ベンジル-3-オキソ-6-フェニル-3,7-ジヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジン-2-イル)メチル)-1,3-ジメチルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン、
8-ベンジル-2-(イミダゾ[2,1-b]チアゾール-6-イルメチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
N-(3-((8-ベンジル-3-オキソ-6-フェニル-3,7-ジヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジン-2-イル)メチル)フェニル)メタンスルホンアミド、
8-ベンジル-2-((3,5-ジメチルイソキサゾール-4-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-6-フェニル-2-(ピリジン-3-イルメチル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
ジエチル(8-ベンジル-3-オキソ-6-フェニル-3,7-ジヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジン-2-イル)ホスホネート、
8-ベンジル-2-(4-メトキシ-3-(メトキシメチル)ベンジル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-(3-(ジメチルアミノ)ベンジル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((5-(メトキシメチル)チオフェン-2-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-(3-(メトキシメチル)ベンジル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-(3-(ヒドロキシメチル)ベンジル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((2-メトキシピリミジン-5-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((3,4-ジメチルチエノ[2,3-b]チオフェン-2-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-6-フェニル-2-(ピラジン-2-イルメチル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-6-フェニル-2-((2-(プロピルチオ)ピリミジン-5-イル)メチル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((4-メチル-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-5-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
2-((1,2,3-チアジアゾール-5-イル)メチル)-8-ベンジル-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((1-メチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-(3,4-ジメトキシベンジル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-(3-(メチルチオ)ベンジル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
2-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イルメチル)-8-ベンジル-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-(3-((ジメチルアミノ)メチル)ベンジル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-(3-エトキシベンジル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((6-メチルピリジン-3-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((6-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((5-メトキシピリジン-3-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((6-メトキシピリジン-3-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((6-フルオロピリジン-3-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-6-フェニル-2-(2,4,6-トリフルオロベンジル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((2,6-ジメトキシピリジン-3-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((6-クロロ-4-メトキシピリジン-3-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((6-フルオロ-2-メトキシピリジン-3-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((2-フルオロ-6-メトキシピリジン-3-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((5-フルオロピリジン-3-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((2,6-ジフルオロピリジン-3-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((6-ブロモピリジン-3-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((6-クロロピリジン-3-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((2-フルオロピリジン-3-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((2,6-ジクロロピリジン-3-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-6-フェニル-2-スチリル-1,7-ジヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(2H)-オン、
8-ベンジル-2-(3-(2-メトキシエトキシ)ベンジル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、及び
3-((8-ベンジル-3-オキソ-6-フェニル-3,7-ジヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジン-2-イル)メチル)ベンゾニトリル、
またはその薬学的に許容可能な塩
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
請求項1に記載の化合物を含む、キット。
【請求項5】
ルシフェラーゼをさらに含む、請求項4に記載のキット。
【請求項6】
緩衝剤試薬をさらに含む、請求項4に記載のキット。
【請求項7】
試料内の発光を検出する方法であって、
試料と請求項1に記載の化合物とを接触させること、
前記試料中に存在しない場合に、前記試料とセレンテラジンを利用するルシフェラーゼとを接触させること、及び
発光を検出すること、
を含む、前記方法。
【請求項8】
前記試料が生細胞を含有する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記試料がセレンテラジンを利用するルシフェラーゼを含有する、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
トランスジェニック動物内での発光を検出する方法であって、
請求項1に記載の化合物をトランスジェニック動物に投与すること、及び
発光を検出すること、
を含み、前記トランスジェニック動物がセレンテラジンを利用するルシフェラーゼを発現するものである、前記方法。
【請求項11】
式(I)の化合物
の調製方法であって、式中、R1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、二環式アリール、三環式アリール、ヘテロアリール、二環式ヘテロアリール、三環式ヘテロアリール、複素環、シクロアルキル、ヘテロアリールカルボニル、またはホスホネートであり、qは、0~2であり、
前記方法が、化合物(vi)
を式(I)の化合物へ転換することを含む、前記方法。
【請求項12】
化合物(vi)を式(I)の化合物へ転換することが、ヒドリド還元剤による還元を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ヒドリド還元剤が、水素化ホウ素ナトリウムである、請求項2に記載の方法。
【請求項14】
化合物(A)
を溶媒の存在下で塩基及びR1-C(O)Hと反応させて、化合物(vi)を生成することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記塩基が、1,1,3,3-テトラメチルグアニジンである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記溶媒がメタノールである、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
化合物(B)
を溶媒の存在下で塩基及びR1-C(O)Hと反応させて、化合物(vi)を生成することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記塩基が、1,1,3,3-テトラメチルグアニジンである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記溶媒がメタノールである、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
化合物(ix)
を無水酢酸及び塩基と反応させて、化合物(vi)を生成することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項21】
化合物(vii)
をトリフルオロ酢酸と反応させて、化合物(ix)を生成することをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
化合物(C)
を溶媒の存在下で塩基及びR1-C(O)Hと反応させて、化合物(vii)を生成することをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記塩基が、1,1,3,3-テトラメチルグアニジンである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記溶媒がメタノールである、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
式(I)の化合物
の調製方法であって、式中、R1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、二環式アリール、三環式アリール、ヘテロアリール、二環式ヘテロアリール、三環式ヘテロアリール、複素環、シクロアルキル、ヘテロアリールカルボニル、またはホスホネートであり、qは、0~2であり、
前記方法が、化合物(xi)
を式(I)の化合物へ転換することを含む、前記方法。
【請求項26】
化合物(xi)を式(I)の化合物へ転換することが、化合物(xi)とカルボニルジイミダゾールとの反応を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
化合物(viii)
をトリフルオロ酢酸と反応させて、化合物(xi)を生成することをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
化合物(vii)
を金属触媒の存在下で水素添加して、化合物(viii)を生成することをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記金属触媒がロジウムを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
化合物(C)
を溶媒の存在下で塩基及びR1-C(O)Hと反応させて、化合物(vii)を生成することをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記塩基が、1,1,3,3-テトラメチルグアニジンである、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記溶媒がメタノールである、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
1が、フェニル、ピリジニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾトリアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、チエノピロリル、ピリミジニル、ピラジニル、チエノチエニル、チエニル、ジエチルホスホネート、イソキサゾリル、イミダゾチアゾリル、1,3-ジメチルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオニル、フラニル、ピラゾリル、ベンゾチエニル、C10~C12アルキル、ベンゾチアゾリル、シンナミル、ジベンゾフラニル、クロメニルまたはナフタレニルである、請求項11または請求項25に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年2月15日出願の米国仮特許出願番号第62/295,363号の利益を享受し、この内容を全て本明細書に参照により組み込む。
【0002】
技術分野
本開示は、セレンテラジン類似体、セレンテラジン類似体の作成方法、及びルシフェラーゼをベースとするアッセイにおけるセレンテラジン類似体の使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
生物発光アッセイは、細胞生理学の研究、特に遺伝子発現に関するプロセスにおいて広く使用されている。具体的には、ルシフェラーゼレポーター酵素は、この技術分野では極めて有用なツールであり、これまでは、生物発光アッセイに有用であり得る小さくかつ環境に反応しないルシフェラーゼを得るための集中的なタンパク質操作が行われてきている。全細胞バイオセンサ-測定、ハイスル-プットスクリーニングによる創薬、及びin vivoイメ-ジングを可能にする多数の有効なルシフェラーゼレポーターが存在し、それはさらに、生細胞内でのタンパク質-タンパク質相互作用、アポトーシス及び細胞生存度の研究をも可能にする。基質としてセレンテラジン及びセレンテラジン類似体を使用するルシフェラーゼは、その輝度及び許容性に起因して全細胞応用の中で最も広く使用されている系である。
【発明の概要】
【0004】
多数の既知のセレンテラジン類似体には欠陥があり、それが、ルシフェラーゼ基質としてのその有効性及びルシフェラーゼをベースとする発光アッセイにおける有用性を制限している。前記欠陥としては、細胞毒性、光感受性、熱力学的不安定性、水溶解度の低さ、及び細胞透過性の低さが挙げられる。したがって、その性質及び合成方法が改良されたセレンテラジン類似体が必要とされている。
【0005】
一態様では、式(I):
の化合物もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩が開示されており、式中、R1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、二環式アリール、三環式アリール、ヘテロアリール、二環式ヘテロアリール、三環式ヘテロアリール、複素環、シクロアルキル、ヘテロアリールカルボニル、またはホスホネートであり、そしてqは、0~2であって、式中、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、二環式アリール、三環式アリール、ヘテロアリール、二環式ヘテロアリール、三環式ヘテロアリール、複素環、シクロアルキル、ヘテロアリールカルボニル及びホスホネートは、それぞれの存在において、独立して、置換されているかまたは非置換である。
【0006】
さらに、前記化合物の製造方法、前記化合物を含むキット、及びルシフェラーゼをベースとする発光アッセイにおいて前記化合物をルシフェラーゼ基質として使用する方法も開示されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】セレンテラジンと比較した、HEK293細胞中の典型的な化合物の細胞生物発光活性を表すグラフである。
図2】セレンテラジンとの相対的なシグナル強度による、式(I)の化合物の等級序列を表すグラフである。
図3】HeLa細胞中の典型的な化合物を用いた細胞生存率アッセイの結果を示すグラフである。
図4】HeLa細胞中の典型的な化合物を用いた細胞生存率アッセイの結果を示すグラフである。
図5】HEK293細胞中の典型的な化合物を用いた細胞生存率アッセイの結果を示すグラフである。
図6】HEK293細胞中の典型的な化合物を用いた細胞生存率アッセイの結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
発明の詳細な説明
本明細書には、セレンテラジン類似体が開示されている。セレンテラジン類似体は、式(I)の化合物であり得、しかも発光するのにセレンテラジンを利用するタンパク質の有用な基質であり得、刺胞物類(例えば、Renillaルシフェラーゼ)、クラゲ(例えば、Aequoreaクラゲ由来のエクオリン)及び十脚類ルシフェラーゼ(例えば、Oplophorus gracilirostrisのルシフェラーゼ複合体)などの様々な海洋生物中に含まれているルシフェラーゼ及び発光タンパク質が挙げられるが、これらに限定されない。セレンテラジンと比較して、式(I)の化合物は、改善された水溶解度、改善された安定性、改善された細胞透過性、細胞との高い生体適合性、低減された自家生物発光、及び低い毒性のうち少なくとも1つを有している可能性がある。
【0009】
さらに、本明細書には、セレンテラジン類似体[式(I)の化合物]の製造方法も開示されている。セレンテラジン類似体の調製を目的とした、ロバストで万能な手法が3つ開示されている。これらの方法は、既存の合成方法を用いて調整できなかった類似体の調製を可能にする。記載されている方法論は、R1位にある様々な置換基を利用できるようにし、また、入手が容易な多様な出発物質を利用して穏やかな条件下で実行可能である。開示されている合成方法論は、予想外なことに、セレンテラジン類似体をベースとした生物発光法において様々な新規応用及び進展を提供する。
【0010】
1.定義
別段の定義がなければ、本明細書で使用される全ての科学技術用語は、当業者に一般に理解されているものと同じ意味を持つ。矛盾する場合は、定義を含む、本明細書に従う。好ましい方法及び物質を以下に説明するが、本明細書に記載されるものと類似または同等の方法及び物質も本発明の実施または試験に用いることができる。本明細書に記載の刊行物、特許出願書類、特許及び他の参考文献はいずれもその全体が参照により組み込まれる。本明細書に開示される物質、方法及び実施例は、単なる例示であって、限定を意図とするものではない。
【0011】
本明細書で使用するとき、用語「含む」、「包含する」、「having(有する)」、「has(有する)」、「可能である」、「含有する」、及びそれらの変形は、制限的ではない移行句、用語または単語を意図とするものであって、付加的な作用または構造の可能性を除外するものではない。単数形(「a」、「an」及び「the」)は、文脈による別段の明確な指示がない限り、複数の意味を包含する。本開示はさらに、明確に記載されていようとなかろうと、本明細書に示された実施形態または構成要素を「含む」、それ「からなる」及びそれ「から本質的になる」他の実施形態も企図する。
【0012】
数量とともに用いられる修飾語句「約」は、言及される値を包含し、そして文脈によって決定される意味を有する(例えば、それは、特定の測定数値に関して少なくともある程度の誤差を包含する)。修飾語句「約」はさらに、2つの終点の絶対値で定義された範囲をも開示すると考えられるべきである。例えば、「約2~約4まで」という表現は、「2~4まで」の範囲も開示する。用語「約」は、示された数の±10%を指す可能性がある。例えば、「約10%」は、9%~11%の範囲を示す可能性があり、また、「約1」は、0.9~1.1を表す可能性がある。「約」のもう一つの意味は、四捨五入のように文脈から明らかな場合もあり、例えば、「約1」は0.5~1.4を表す場合もある。
【0013】
具体的な官能基及び化学用語の定義について、以下にさらに詳細に説明する。この開示のために、化学元素は、元素周期律表(CASバ-ジョン、Handbook of Chemistry and Physics,75th Ed.の扉)に従って確認され、また、具体的な官能基は通常、そこに記載されたものと定義される。さらに、有機化学の一般的原理ならびに具体的な官能部分及び反応性は、Organic Chemistry,Thomas Sorrell,University Science Books,Sausalito(1999)、Smith and March March’s Advanced Organic Chemistry,5th Edition,John Wiley & Sons,Inc.,New York(2001)、Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers,Inc.,New York(1989)、Carruthers,Some Modern Methods of Organic Synthesis,3rd Edition,Cambridge University Press,Cambridge(1987)に記載されており、その内容全てが参照により本明細書に組み込まれる。
【0014】
本明細書で使用するとき、用語「アルコキシ」は、酸素原子によって親分子部分に付加された、本明細書で定義されたとおりのアルキル基を指す。アルコキシの代表例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2-プロポキシ、ブトキシ及びtert-ブトキシが挙げられるが、これらに限定されない。
【0015】
本明細書で使用するとき、用語「アルキル」は、炭素原子1~10個を含有する直鎖または分枝状の飽和炭化水素鎖を意味する。用語「低級アルキル」または「C1~C6アルキル」は、炭素原子1~6個を含有する直鎖または分枝状の炭化水素鎖を意味する。用語「C1~C3アルキル」は、炭素原子1~3個を含有する直鎖または分枝状の炭化水素鎖を意味する。アルキルの代表例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソ-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、3-メチルヘキシル、2,2-ジメチルペンチル、2,3-ジメチルペンチル、n-へプチル、n-オクチル、n-ノニル及びn-デシルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0016】
本明細書で使用するとき、用語「アルケニル」は、炭素原子2~10個を含有し、炭素-炭素二重結合を少なくとも1つ有する炭化水素鎖を意味する。アルケニル基は、置換されていてもまたは非置換であってもよい。例えば、アルケニル基は、フェニルなどのアリール基で置換されていてもよい。
【0017】
本明細書で使用するとき、用語「アルキニル」は、炭素原子2~10個を含有し、炭素-炭素三重結合を少なくとも1つ有する炭化水素鎖を意味する。アルキニル基は、置換されていてもまたは非置換であってもよい。例えば、アルキニル基は、フェニルなどのアリール基で置換されていてもよい。
【0018】
本明細書で使用するとき、用語「アルコキシアルキル」は、本明細書で定義されたとおりのアルキル基によって親分子部分に付加された、本明細書で定義されたとおりのアルコキシ基を指す。
【0019】
本明細書で使用するとき、用語「アルキレン」は、炭素原子1~10個、例えば炭素原子2~5個からなる直鎖または分枝状の炭化水素鎖由来の二価基を指す。アルキレンの代表例としては、-CH2CH2-、-CH2CH2CH2-、-CH2CH2CH2CH2-、及び-CH2CH2CH2CH2CH2-が挙げられるが、これらに限定されない。
【0020】
本明細書で使用するとき、用語「アリール」は、フェニル基、または二環式アリール融合環系もしくは三環式アリール融合環系を指す。二環式の融合環系は、親分子部分に付加されかつフェニル基と融合したフェニル基で例示される。三環式の融合環系は、親分子部分に付加されかつ2個の他のフェニル基と融合したフェニル基で例示される。二環式アリールの代表例としては、ナフチルが挙げられるが、これに限定されない。三環式アリールの代表例としては、アントラセニルが挙げられるが、これに限定されない。単環アリール、二環式アリール、及び三環式アリールは、環に含まれる任意の炭素原子によって親分子部分と結合しており、非置換であっても置換されていてもよい。
【0021】
本明細書で使用するとき、用語「シクロアルキル」は、炭素原子3~10個、ヘテロ原子0個及び二重結合0個を含有する炭素環系を指す。シクロアルキルの代表例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル及びシクロデシルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】
本明細書で使用するとき、用語「シクロアルケニル」は、炭素-炭素二重結合を少なくとも1つ含有しかつ好ましくは環当たり5~10個の炭素原子を有する非芳香族単環系または多環式環系を意味する。単環シクロアルケニルの代表例としては、シクロペンテニル、シクロヘキセニルまたはシクロヘプテニルが挙げられる。
【0023】
本明細書で使用するとき、用語「フルオロアルキル」は、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個または8個の水素原子がフッ素で置換された、本明細書で定義されたとおりのアルキル基を意味する。フルオロアルキルの代表例としては、2-フルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、及び3,3,3-トリフルオロプロピルなどのトリフルオロプロピルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0024】
本明細書で使用するとき、用語「アルコキシフルオロアルキル」は、本明細書で定義されたとおりのフルオロアルキル基によって親分子部分に付加された、本明細書で定義されたとおりのアルコキシ基を指す。
【0025】
本明細書で使用するとき、用語「フルオロアルコキシ」は、酸素原子によって親分子部分に付加された、少なくとも1つの、本明細書で定義されたとおりのフルオロアルキル基を意味する。フルオロアルキロキシの代表例としては、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ及び2,2,2-トリフルオロエトキシが挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
本明細書で使用するとき、用語「ハロゲン」または「ハロ」は、Cl、Br、IまたはFを意味する。
【0027】
本明細書で使用するとき、用語「ハロアルキル」は、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個または8個の水素原子がハロゲンで置換された、本明細書で定義されたとおりのアルキル基を意味する。
【0028】
本明細書で使用するとき、用語「ハロアルコキシ」は、酸素原子によって親分子部分に付加された、少なくとも1つの、本明細書で定義されたとおりのハロアルキル基を意味する。
【0029】
本明細書で使用するとき、用語「ヘテロアルキル」は、1つ以上の炭素原子がS、Si、O、P及びNから選択されるヘテロ原子で置換された、本明細書で定義されたとおりのアルキル基を意味する。ヘテロ原子は酸化されていてもよい。ヘテロアルキルの代表例としては、アルキルエ-テル、二級及び三級アルキルアミン、アミド、ならびにアルキルスルフィドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
本明細書で使用するとき、用語「ヘテロアリール」は、芳香族単環系または芳香族二環式環系もしくは芳香族三環式環系を指す。芳香族単環は、N、O及びSからなる群から独立して選択される少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、O、S及びNから独立して選択される1個、2個、3個または4個のヘテロ原子)を含有する5員環または6員環である。5員の芳香族単環は2つの二重結合を有し、また、6員の芳香族単環は3つの二重結合を有する。二環式ヘテロアリール基は、親分子部分に付加され、かつ本明細書で定義されたとおりの、単環のシクロアルキル基、本明細書で定義されたとおりの、単環のアリール基、本明細書で定義されたとおりの、単環のヘテロアリール基、または本明細書で定義されたとおりの、単環の複素環と融合した単環ヘテロアリール環で例示される。三環式ヘテロアリール基は、親分子部分に付加され、かつ本明細書で定義されたとおりの、単環のシクロアルキル基、本明細書で定義されたとおりの、単環のアリール基、本明細書で定義されたとおりの、単環のヘテロアリール基、または本明細書で定義されたとおりの、単環の複素環のうちの二つと融合した単環ヘテロアリール環で例示される。単環ヘテロアリールの代表例としては、ピリジニル(ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イルを包含する)、ピリミジニル、ピラジニル、チエニル、フリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソキサゾリル、ピラゾリル、及び2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジニルが挙げられるが、これらに限定されない。二環式ヘテロアリールの代表例としては、クロメニル、ベンゾチエニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾトリアゾリル、キノリニル、チエノピロリル、チエノチエニル、イミダゾチアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾフラニル、インドリル、キノリニル、イミダゾピリジン、ベンゾオキサジアゾリル、及びベンゾピラゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。三環式ヘテロアリールの代表例としては、ジベンゾフラニル及びジベンゾチエニルが挙げられるが、これらに限定されない。単環、二環式及び三環式のヘテロアリールは、環に含まれる任意の炭素原子または任意の窒素原子によって親分子部分と結合しており、非置換であっても置換されていてもよい。
【0031】
本明細書で使用するとき、用語「複素環」または「複素環式」は、単環式複素環、二環式複素環または三環式複素環を意味する。単環式複素環は、O、N及びSからなる群から独立して選択されるヘテロ原子を少なくとも1個を含有する3員環、4員環、5員環、6員環、7員環または8員環である。3員環または4員環は、二重結合を0個または1個と、O、N及びSからなる群から選択されるヘテロ原子1個とを含有する。5員環は、二重結合を0個または1個と、O、N及びSからなる群から選択されるヘテロ原子1個、2個または3個とを含有する。6員環は、二重結合を0個、1個または2個と、O、N及びSからなる群から選択されるヘテロ原子1個、2個または3個とを含有する。7員環及び8員環は、二重結合を0個、1個、2個または3個と、O、N及びSからなる群から選択されるヘテロ原子1個、2個または3個とを含有する。単環式複素環の代表例としては、アゼチジニル、アゼパニル、アジリジニル、ジアゼパニル、1,3-ジオキサニル、1,3-ジオキソラニル、1,3-ジチオラニル、1,3-ジチアニル、1,3-ジメチルピリミジン-2,4(1H、3H)-ジオン、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリニル、イソチアゾリジニル、イソキサゾリニル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、オキサジアゾリニル、オキサジアゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、オキセタニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピロリニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロチエニル、チアジアゾリニル、チアジアゾリジニル、1,2-チアジナニル、1,3-チアジアナニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、チオモルホリニル、1,1-ジオキシドチオモルホリニル(チオモルホリンスルホン)、チオピラニル及びトリチアニルが挙げられるが、これらに限定されない。二環式複素環は、フェニル基と融合した単環式複素環、または単環シクロアルキルと融合した単環式複素環、または単環シクロアルケニルと融合した単環式複素環、または単環式複素環と融合した単環式複素環、またはスピロ複素環基、または架橋した単環式複素環系であって、その環の2個の非隣接原子が、炭素原子1個、2個、3個または4個からなるアルキレン架橋または炭素原子2個、3個または4個からなるアルケニレン架橋によって結合したもの、である。二環式複素環の代表例としては、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、クロマニル、2,3-ジヒドロベンゾフラニル、2,3-ジヒドロベンゾチエニル、2,3-ジヒドロイソキノリン、2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル、アザビシクロ[2.2.1]ヘプチル(2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イルを含む)、2,3-ジヒドロ-1H-インドリル、イソインドリニル、オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロリル、オクタヒドロピロロピリジニル及びテトラヒドロイソキノリニルが挙げられるが、これらに限定されない。三環式複素環は、フェニル基と融合した二環式複素環、または単環シクロアルキルと融合した二環式複素環、または単環シクロアルケニルと融合した二環式複素環、または単環式複素環と融合した二環式複素環、または二環式複素環であって、二環式環の2個の非隣接原子が炭素原子1個、2個、3個または4個からなるアルキレン架橋または炭素原子2個、3個または4個からなるアルケニレン架橋によって結合したもの、で例示される。三環式複素環の例としては、オクタヒドロ-2,5-エポキシペンタレン、ヘキサヒドロ-2H-2,5-メタノシクロペンタ[b]フラン、ヘキサヒドロ-1H-1,4-メタノシクロペンタ[c]フラン、アザ-アダマンタン(1-アザトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン)、及びオキサ-アダマンタン(2-オキサトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン)が挙げられるが、これらに限定されない。単環、二環式及び三環式の複素環は、その環に含まれる任意の炭素原子または任意の窒素原子によって親分子部分と結合しており、非置換であっても置換されていてもよい。
【0032】
本明細書で使用するとき、用語「ヒドロキシル」は、-OH基を意味する。
【0033】
場合によっては、ヒドロカルビル置換基(例えば、アルキルまたはシクロアルキル)中の炭素原子の数は、前に付ける「Cx~Cy-」で示され、式中、xは、置換基中の炭素原子の最小値であり、また、yは、置換基中の炭素原子の最大値である。そのため、例えば「C1~C3-アルキル」は、1個~3個の炭素原子を含有するアルキル置換基を指す。
【0034】
用語「置換基」は、アリール基、ヘテロアリール基、フェニル基またはピリジニル基に、前記基の任意の原子位置で「置換された」基を指す。任意の原子は置換されていてもよい。
【0035】
用語「置換された」とは、1つ以上の非水素置換基でさらに置換され得る基を指す。置換基としては、ハロゲン、=O、=S、シアノ、ニトロ、フルオロアルキル、アルコキシフルオロアルキル、フルオロアルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、複素環、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルキレン、アリールオキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、アミノアルキル、アリールアミノ、スルホニルアミノ、スルフィニルアミノ、スルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、スルフィニル、-COOH、ケトン、アミド、カルバメート及びアシルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
本明細書に記載の化合物において、その基及び置換基は、原子及び置換基の許容される原子価に従って選択されてよく、その選択及び置換が結果として安定な化合物であって、例えば、転位、環化、脱離などによって自発的に変態しないものをもたらす。
【0037】
本明細書中の数値範囲の記述において、その範囲中に介在する数がそれぞれ同じ精度で明確に企図される。例えば、6~9の範囲の場合、数7及び8も6及び9に加えて企図され、また、6.0~7.0の範囲の場合、数6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9及び7.0も明確に企図される。
【0038】
2.化合物
式(I)
の化合物もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩が開示されており、式中、R1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、二環式アリール、三環式アリール、ヘテロアリール、二環式ヘテロアリール、三環式ヘテロアリール、複素環、シクロアルキル、ヘテロアリールカルボニル、またはホスホネートであり、そしてqは、0~2であって、式中、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、二環式アリール、三環式アリール、ヘテロアリール、二環式ヘテロアリール、三環式ヘテロアリール、複素環、シクロアルキル、ヘテロアリールカルボニル及びホスホネートは、それぞれの存在において、独立して、置換されているかまたは非置換である。
【0039】
特定の実施形態において、R1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、二環式アリール、三環式アリール、ヘテロアリール、二環式ヘテロアリール、三環式ヘテロアリール、複素環、シクロアルキル、ヘテロアリールカルボニル、またはホスホネートであり、qは、0~2であって、式中、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、二環式アリール、三環式アリール、ヘテロアリール、二環式ヘテロアリール、三環式ヘテロアリール、複素環、シクロアルキル、ヘテロアリールカルボニル及びホスホネートは、それぞれの存在において、ハロゲン、=O、=S、シアノ、カルバメート、ニトロ、フルオロアルキル、アルコキシフルオロアルキル、フルオロアルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、複素環、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリルオキシ、アルコキシアルキル、アルキレン、アリールオキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、アミノアルキル、アリールアミノ、スルホニルアミノ、スルフィニルアミノ、スルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、スルフィニル、-COOH、ケトン、アミド、カルバメート、シリル、置換シリルオキシ、t-ブチルジメチルシリルオキシ、アルキルスルファニル、スルファニル、チオトリアゾリル及びアシルからなる群から独立して選択される1個、2個、3個、4個、5個、6個または7個の官能基で独立して置換されているかまたは非置換である。
【0040】
特定の実施形態において、R1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、二環式アリール、三環式アリール、ヘテロアリール、二環式ヘテロアリール、三環式ヘテロアリール、複素環、シクロアルキル、ヘテロアリールカルボニル、またはホスホネートであり、そしてqは、0~2であって、式中、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、二環式アリール、三環式アリール、ヘテロアリール、二環式ヘテロアリール、三環式ヘテロアリール、複素環、シクロアルキル、ヘテロアリールカルボニル及びホスホネートは、それぞれの存在において、独立して、置換されているかまたは非置換であり、
ここで、qが0の場合、
1は、C1~C5アルキルまたは
ではなく、式中、Raは、NH2、ハロゲン、OH、NHC(O)C1-C7-アルキル、またはCO21-C7-アルキルであり、
ここで、qが1の場合、
1は、C1~C4アルキル、
ではなく、式中、Rcは、H、OH、OC(O)C1-C7-アルキル、OCH2OC(O)C1-C7-アルキルであり、Xは、S、O、NH、NCH3またはNCH2CH3であり、そしてZは、CHまたはNであり、そして
ここで、qが2の場合、
1は、C1~C3アルキルではなく、かつ式中、式(I)の化合物は、8-ベンジル-2-((1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オンではない。
【0041】
特定の実施形態において、R1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、二環式アリール、三環式アリール、ヘテロアリール、二環式ヘテロアリール、三環式ヘテロアリール、複素環、シクロアルキル、ヘテロアリールカルボニル、またはホスホネートであり、qは、0~2であって、式中、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、二環式アリール、三環式アリール、ヘテロアリール、二環式ヘテロアリール、三環式ヘテロアリール、複素環、シクロアルキル、ヘテロアリールカルボニル及びホスホネートは、それぞれの存在において、ハロゲン、=O、=S、シアノ、カルバメート、ニトロ、フルオロアルキル、アルコキシフルオロアルキル、フルオロアルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、複素環、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリルオキシ、アルコキシアルキル、アルキレン、アリールオキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、アミノアルキル、アリールアミノ、スルホニルアミノ、スルフィニルアミノ、スルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、スルフィニル、-COOH、ケトン、アミド、カルバメート、シリル、置換シリルオキシ、t-ブチルジメチルシリルオキシ、アルキルスルファニル、スルファニル、チオトリアゾリル及びアシルからなる群から独立して選択される1個、2個、3個、4個、5個、6個または7個の官能基で独立して置換されているかまたは非置換であり、
ここで、qが0の場合、
1は、C1~C5アルキルまたは
ではなく、式中、Raは、NH2、ハロゲン、OH、NHC(O)C1-C7-アルキル、またはCO21-C7-アルキルであり、
ここで、qが1の場合、
1は、C1~C4アルキル、
ではなく、式中、Rcは、H、OH、OC(O)C1-C7-アルキル、OCH2OC(O)C1-C7-アルキルであり、Xは、S、O、NH、NCH3またはNCH2CH3であり、そしてZは、CHまたはNであり、そして
ここで、qが2の場合、
1は、C1~C3アルキルではなく、かつ式中、式(I)の化合物は、8-ベンジル-2-((1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オンではない。
【0042】
特定の実施形態において、R1は、フェニル、ピリジニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾトリアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、チエノピロリル、ピリミジニル、ピラジニル、チエノチエニル、チエニル、ジエチルホスホネート、イソキサゾリル、イミダゾチアゾリル、1,3-ジメチルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオニル、フラニル、ピラゾリル、ベンゾチエニル、C10~C12アルキル、ベンゾチアゾリル、シンナミル、ジベンゾフラニル、クロメニルまたはナフタレニルであり、そしてqは、0~2であり、式中、前記フェニル、ピリジニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾトリアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、チエノピロリル、ピリミジニル、ピラジニル、チエノチエニル、チエニル、ジエチルホスホネート、イソキサゾリル、イミダゾチアゾリル、1,3-ジメチルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオニル、フラニル、ピラゾリル、ベンゾチエニル、C10~C12アルキル、ベンゾチアゾリル、シンナミル、ジベンゾフラニル、クロメニル及びナフタレニルは、それぞれの存在において、独立して置換されているかまたは非置換であり、
ここで、qが0の場合、
1は、C1~C5アルキルまたは
ではなく、式中、Raは、NH2、ハロゲン、OH、NHC(O)C1-C7-アルキル、またはCO21-C7-アルキルであり、
ここで、qが1の場合、
1は、C1~C4アルキル、
ではなく、式中、Rcは、H、OH、OC(O)C1-C7-アルキル、OCH2OC(O)C1-C7-アルキルであり、Xは、S、O、NH、NCH3またはNCH2CH3であり、そしてZは、CHまたはNであり、そして
ここで、qが2の場合、
1は、C1~C3アルキルではなく、かつ式中、式(I)の化合物は、8-ベンジル-2-((1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オンではない。
【0043】
特定の実施形態において、R1は、フェニル、ピリジニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾトリアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、チエノピロリル、ピリミジニル、ピラジニル、チエノチエニル、チエニル、ジエチルホスホネート、イソキサゾリル、イミダゾチアゾリル、1,3-ジメチルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオニル、フラニル、ピラゾリル、ベンゾチエニル、C10~C12アルキル、ベンゾチアゾリル、シンナミル、ジベンゾフラニル、クロメニルまたはナフタレニルであり、そしてqは、0~2であり、式中、前記フェニル、ピリジニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾトリアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、チエノピロリル、ピリミジニル、ピラジニル、チエノチエニル、チエニル、ジエチルホスホネート、イソキサゾリル、イミダゾチアゾリル、1,3-ジメチルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオニル、フラニル、ピラゾリル、ベンゾチエニル、C10~C12アルキル、ベンゾチアゾリル、シンナミル、ジベンゾフラニル、クロメニル及びナフタレニルは、それぞれの存在において、ハロゲン、=O、=S、シアノ、カルバメート、ニトロ、フルオロアルキル、アルコキシフルオロアルキル、フルオロアルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、複素環、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリルオキシ、アルコキシアルキル、アルキレン、アリールオキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、アミノアルキル、アリールアミノ、スルホニルアミノ、スルフィニルアミノ、スルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、スルフィニル、-COOH、ケトン、アミド、カルバメート、シリル、置換シリルオキシ、t-ブチルジメチルシリルオキシ、アルキルスルファニル、スルファニル、チオトリアゾリル及びアシルからなる群から独立して選択される1個、2個、3個、4個、5個、6個または7個の官能基で独立して置換されているかまたは非置換であり、
ここで、qが0の場合、
1は、C1~C5アルキルまたは
ではなく、式中、Raは、NH2、ハロゲン、OH、NHC(O)C1-C7-アルキル、またはCO21-C7-アルキルであり、
ここで、qが1の場合、
1は、C1~C4アルキル、
ではなく、式中、Rcは、H、OH、OC(O)C1-C7-アルキル、OCH2OC(O)C1-C7-アルキルであり、Xは、S、O、NH、NCH3またはNCH2CH3であり、そしてZは、CHまたはNであり、そして
ここで、qが2の場合、
1は、C1~C3アルキルではなく、かつ式中、式(I)の化合物は、8-ベンジル-2-((1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オンではない。
【0044】
代表的な式(I)の化合物としては、次のものが挙げられるが、これらに限定されない。
8-ベンジル-2-(4-フルオロベンジル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-(2,4-ジフルオロベンジル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-(3-メトキシベンジル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-(4-フルオロ-3-メトキシベンジル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-(3-ヒドロキシベンジル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-(4-フルオロ-3-ヒドロキシベンジル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-(3-フルオロ-4-メトキシベンジル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-(4-フルオロ-2-メトキシベンジル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-(4-メトキシベンジル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
tert-ブチル(3-((8-ベンジル-3-オキソ-6-フェニル-3,7-ジヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジン-2-イル)メチル)フェニル)カルバメート、
8-ベンジル-2-((5-メトキシチオフェン-2-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
2-(3-アミノベンジル)-8-ベンジル-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-(4-(tert-ブチル)ベンジル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-(ナフタレン-2-イルメチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
2-([1,1’-ビフェニル]-4-イルメチル)-8-ベンジル-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
2-((2H-クロメン-3-イル)メチル)-8-ベンジル-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((1,3-ジフェニル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-(ジベンゾ[b,d]フラン-4-イルメチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-シンナミル-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
2-((3-アセチルベンゾ[d]チアゾール-2(3H)-イリデン)メチル)-8-ベンジル-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
tert-ブチル(4-((8-ベンジル-3-オキソ-6-フェニル-3,7-ジヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジン-2-イル)メチル)フェニル)カルバメート、
2-(4-アミノベンジル)-8-ベンジル-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
2-(4-(アリルオキシ)-3-メトキシベンジル)-8-ベンジル-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((5-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)チオ)フラン-2-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-6-フェニル-2-((5-(ピリジン-2-イル)チオフェン-2-イル)メチル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
2-(ベンゾ[b]チオフェン-3-イルメチル)-8-ベンジル-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-ドデシル-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
2-(ベンゾ[b]チオフェン-2-イルメチル)-8-ベンジル-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-6-フェニル-2-(ピリジン-4-イルメチル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((5-シクロヘキシルチオフェン-2-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
2-([2,2’-ビチオフェン]-5-イルメチル)-8-ベンジル-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((5-イソブチルチオフェン-2-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((5-(1-メチル-5-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-3-イル)チオフェン-2-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-6-フェニル-2-((5-(トリフルオロメチル)フラン-2-イル)メチル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
4-((8-ベンジル-3-オキソ-6-フェニル-3,7-ジヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジン-2-イル)メチル)安息香酸、
8-ベンジル-2-((5-(メトキシメチル)フラン-2-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((ペルフルオロフェニル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((1-メチル-3-(チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((5-クロロ-1-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((5-メトキシフラン-2-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
3-((8-ベンジル-3-オキソ-6-フェニル-3,7-ジヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジン-2-イル)メチル)安息香酸、
8-ベンジル-2-((5-(モルホリノメチル)フラン-2-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
2-(3-(アミノメチル)ベンジル)-8-ベンジル-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
5-((8-ベンジル-3-オキソ-6-フェニル-3,7-ジヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジン-2-イル)メチル)-1,3-ジメチルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン、
8-ベンジル-2-(イミダゾ[2,1-b]チアゾール-6-イルメチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
N-(3-((8-ベンジル-3-オキソ-6-フェニル-3,7-ジヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジン-2-イル)メチル)フェニル)メタンスルホンアミド、
8-ベンジル-2-((3,5-ジメチルイソキサゾール-4-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-6-フェニル-2-(ピリジン-3-イルメチル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
ジエチル(8-ベンジル-3-オキソ-6-フェニル-3,7-ジヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジン-2-イル)ホスホネート、
8-ベンジル-2-(4-メトキシ-3-(メトキシメチル)ベンジル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-(3-(ジメチルアミノ)ベンジル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((5-(メトキシメチル)チオフェン-2-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-(3-(メトキシメチル)ベンジル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-(3-(ヒドロキシメチル)ベンジル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((2-メトキシピリミジン-5-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((3,4-ジメチルチエノ[2,3-b]チオフェン-2-イル)メチル-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-6-フェニル-2-(ピラジン-2-イルメチル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-6-フェニル-2-((2-(プロピルチオ)ピリミジン-5-イル)メチル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((4-メチル-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-5-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
2-((1,2,3-チアジアゾール-5-イル)メチル)-8-ベンジル-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((1-メチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-(3,4-ジメトキシベンジル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-(3-(メチルチオ)ベンジル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
2-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イルメチル)-8-ベンジル-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-(3-((ジメチルアミノ)メチル)ベンジル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-(3-エトキシベンジル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((6-メチルピリジン-3-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((6-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((5-メトキシピリジン-3-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((6-メトキシピリジン-3-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((6-フルオロピリジン-3-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-6-フェニル-2-(2,4,6-トリフルオロベンジル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((2,6-ジメトキシピリジン-3-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((6-クロロ-4-メトキシピリジン-3-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((6-フルオロ-2-メトキシピリジン-3-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((2-フルオロ-6-メトキシピリジン-3-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((5-フルオロピリジン-3-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((2,6-ジフルオロピリジン-3-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((6-ブロモピリジン-3-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((6-クロロピリジン-3-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((2-フルオロピリジン-3-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-2-((2,6-ジクロロピリジン-3-イル)メチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
8-ベンジル-6-フェニル-2-スチリル-1,7-ジヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(2H)-オン、
8-ベンジル-2-(3-(2-メトキシエトキシ)ベンジル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン、
3-((8-ベンジル-3-オキソ-6-フェニル-3,7-ジヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジン-2-イル)メチル)ベンゾニトリル、
及びそれらの薬学的に許容可能な塩。
【0045】
化合物名は、CHEMDRAW(登録商標)ULTRA v.12.0の一環としてStruct=Name命名アルゴリズムを使用して割り当てている。
【0046】
化合物は、非対称中心または不斉中心を含む立体異性体として存在する可能性がある。立体異性体は、不斉炭素原子周囲の置換基の構造に応じて「R」または「S」である。本明細書で使用するとき、用語「R」及び「S」は、IUPAC 1974,Recommendations for Section E,Fundamental Stereochemistry,in Pure Appl. Chem.(1976)45:13-30に定義されている通りの構造である。本開示は、様々な立体異性体及びその混合物を企図するものであって、これらは具体的には、本発明の範疇に含まれる。立体異性体としては、鏡像異性体及びジアステレオマ-、ならびに鏡像異性体またはジオステレオマ-の混合物が挙げられる。化合物の個々の立体異性体は、市販の出発物質から合成的に調製され得、これは非対称中心もしくは不斉中心を含み、またはラセミ混合物の調製に続き、当業者に周知の分割方法により調製され得る。前記分割方法は、(1)Furniss,Hannaford,Smith and Tatchell,“Vogel’s Textbook of Practical Organic Chemistry”,5th edition(1989),Longman Scientific & Technical,Essex CM20 2JE,Englandに記載されている通り、鏡像異性体の混合物をキラル補助基へ結合し、得られたジアステレオマ-混合物を再結晶もしくはクロマトグラフィーで分離して、光学的に純粋な生成物を前記補助基から選択的に遊離すること、または(2)光学鏡像異性体混合物をキラルクロマトグラフィーカラムで直接分離すること、または(3)分別再結晶法によって例示される。
【0047】
化合物は、互変異性体形に加えて構造異性体も有する可能性があり、また、これらがさらに本発明の態様を構成すると考えられるべきである。
【0048】
本開示はさらに、同位体で標識された化合物も包含しており、1個以上の原子が自然界に通常見られる原子質量もしくは質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子で置換されているという事実を別にすれば、式(I)に挙げたものと同一である。本発明の化合物に包含するのに好適な同位体の例は、水素、炭素、窒素、酸素、りん、硫黄、フッ素及び塩素であり、例えば、それぞれ2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、及び36Clであるが、これらに限定されない。重水素、すなわち2Hのようにより重い同位体で置換すると、代謝安定性が大きくなることに起因する特定の治療上の優位性、例えば、in vivo半減期の増加または必要用量の減少をもたらす可能性があり、それ故に、状況次第では好ましい可能性もある。化合物は、受容体の分配を決定するための医用画像及び陽電子放射型断層撮影法(PET)の研究において、陽電子放出同位体を組み込んでもよい。式(I)の化合物に組み込むことができる好適な陽電子放出同位体は、11C、13N、15O、18Fである。同位体で標識された式(I)の化合物は一般に、当業者に既知の従来技術によって調製されても、または同位体で標識されていない試薬の代わりに同位体で標識された適切な試薬を用いて添付の実施例における記載と類似の過程によって調製されてもよい。
【0049】
A.式(I)の化合物の性質
式(I)の化合物は、発光を生じるルシフェラーゼの基質であり得る。化合物は、改善された水溶解度、改善された安定性、改善された細胞透過性、細胞との高い生体適合性、低減された自家生物発光、及び低い毒性を有していてよい。
【0050】
「発光」とは、適切な条件下、例えばセレンテラジン類似体などの適した基質の存在下での、ルシフェラーゼの光出力を指す。光出力は、発光反応開始時の光出力の即時または近即時測定値(「T=0」発光または「フラッシュ」と称されることもある)として測定することができ、この反応は、セレンテラジン基質を追加すると開始し得る。様々な実施形態において、発光反応は溶液中で行われる。他の実施形態において、発光反応は固体支持体上で行われる。溶液は、溶解物、例えば原核または真核生物発現系における細胞由来のものを含有してもよい。別の実施形態では、発現が無細胞系で生じるかまたはルシフェラーゼタンパク質が細胞外培地に分必され、後者の場合、溶解物を生成する必要はない。いくつかの実施形態において、反応は、適切な物質、例えばセレンテラジン類似体、緩衝液などを、発光タンパク質を入れた反応チャンバ(例えば、96ウェルプレートなどのマルチウェルプレートのウェル)へ投入することによって開始する。さらに別の実施形態では、ルシフェラーゼ及び/またはセレンテラジン類似体(例えば、式(I)の化合物)を宿主に導入して、全生物または細胞、組織、外植片、あるいはその抽出物を包含する宿主またはその一部において発光測定を行うことができる。反応チャンバは読み取り装置内に位置してもよく、それにより、例えばルミノメーターまたは光電子増倍管を用いて光出力を測定することができる。光出力または発光はまた、例えば同じ反応チャンバ内で数秒間、数分間、数時間など、経時的に測定することもできる。光出力または発光は、経時的平均、信号衰退の半減期、一定時間にわたる信号の合計、またはピ-ク出力として報告することができる。発光は、相対的発光量(Relative Light Units、RLU)で測定され得る。
【0051】
式(I)の化合物のRLUは、セレンテラジンまたは既知のセレンテラジン類似体と相対的に、1以上、2以上、3以上、4以上、5以上、10以上、20以上、30以上、40以上、50以上、または100以上であってよい。
【0052】
「生体適合性」とは、細胞(例えば、原核または真核生物)のセレンテラジン類似体(例えば、式(I)の化合物)に対する耐容性を指す。セレンテラジン類似体の生体適合性は、宿主細胞で生じるストレスに関係している。
【0053】
セレンテラジン類似体(例えば、式(I)の化合物)の高い生体適合性は、細胞生存率及び/または細胞の成長速度を測定することによって求めることができる。例えば、セレンテラジン類似体の高い生体適合性は、セレンテラジン類似体に暴露された細胞にルシフェラーゼ発現がない場合に天然のまたは既知のセレンテラジンと比較して細胞生存率を測定して、セレンテラジン類似体が細胞に対してどれほど適合し及び/または毒性があるかを測定することによって求めることができる。
【0054】
具体的には、高い生体適合性は、細胞生存率解析を用いて(例えば、CELLTITER-GLO(登録商標)発光細胞生存率アッセイを用いて)、アポトーシスアッセイを用いて(例えば、CASPASE-GLO(登録商標)法を用いて)、または当該技術分野において既知の別の方法を用いて求めることができる。式(I)の化合物の細胞生存率またはアポトーシスに対する影響を、天然のまたは既知のセレンテラジン類似体の細胞生存率またはアポトーシスに対する影響と比較してもよい。
【0055】
高い生体適合性はまた、セレンテラジン類似体(例えば、式(I)の化合物)の細胞成長または遺伝子発現に対する影響を測定することによっても求めることができる。例えば、式(I)の化合物の高い生体適合性は、式(I)の化合物に暴露した細胞試料内で一定期間後に細胞数を測定するかまたは天然のもしくは既知のセレンテラジンに暴露した細胞またはセレンテラジンに暴露していない細胞と比較してストレス反応遺伝子の発現を測定することによって求めることができる。式(I)の化合物の細胞成長または遺伝子発現に対する影響は、天然のまたは既知のセレンテラジンと比較してよい。
【0056】
塩基性付加塩は、カルボキシル基と、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムもしくはアルミニウムなどの金属カチオンの水酸化物、炭酸塩または重炭酸塩、あるいは1級、2級または3級有機アミンなどの適した塩基との反応によって、開示する化合物の最終的な単離精製中に調製され得る。四級アミン塩、例えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、エチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N-ジメチルアニリン、N-メチルピペリジン、N-メチルモルホリン、ジシクロヘキシルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N,N-ジベンジルフェネチルアミン、1-エフェナミン及びN,N’-ジベンジルエチレンジアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジン、ピペラジンなどに由来するものなどを調製してもよい。
【0057】
B.式(I)の化合物の合成
セレンテラジン類似体を生成する現行法は、厳しい反応条件を用いる。この合成プロトコルの制限から、新規類似体の研究が遅くなった。さらに、前記方法の条件と様々な官能基との不適合性、及びケトアルデヒド/ケト酸前駆体を合成できないことが、セレンテラジンのC-2位での構造変化の制限の原因にもなっていた。
【0058】
ここで、式(I)の化合物の調製を遂行する3つのロバストな汎用的方法について説明する。前記方法は、現存する合成方法を使用して製造できなかった類似体の調製に有用である。開示されている方法論は、C-2位にある様々な置換基を利用できるようにし、また、多様なすぐに入手できるアルデヒドを出発物質として利用して比較的穏やかな条件下で実行され得る。
【0059】
式(I)の化合物は、合成過程で調整されても、または代謝過程で調製されてもよい。代謝過程による化合物の調製には、人体内もしくは動物体内(in vivo)で生じるものまたはin vitroで生じる過程が包含される。
【0060】
式(I)の化合物であって、式中、特に断りのない限り、R1基及びqが発明の概要欄に記載したような意味を有するものは、スキーム1~3に示す通りに合成することができる。
【0061】
以下のスキームの説明で使用している略語は次の通りである。Ac2Oは無水酢酸、CDIはカルボニルジイミダゾール、MeOHはメタノール、TMGは1,1,3,3-テトラメチルグアニジン、及びTFAはトリフルオロ酢酸である。
【0062】
スキーム1.中間体A~Cの合成
スキーム1に示すように、中間体A~Cは、アミノピラジンiから調製することができる。iをRh2(Oac)4存在下、ジアゾカルボニル類ii~ivで処理すると、アミノピラジンアセトホスホネートA~Cが形成され得る。中間体A~Cは、室温で安定であり得、そして様々な類似体に出発物質を提供する可能性がある。
【0063】
スキーム2.式(I)の化合物の合成
スキーム2は、式(I)の化合物への中間体A及びBの転換を表しており、式中、nは1である。中間体A及びBは、1,1,3,3-テトラメチルグアニジンで処理されてアルデヒドvとのホーナー・ワズワース・エモンズオレフィン化反応(式中、R1は発明の概要欄で定義した通りである)を生じることで、中間体viを生成することができる。中間体viを還元すると、式(I)の化合物を得ることができる。
【0064】
スキーム3.式(I)の化合物の合成
スキーム3は、中間体Cからの2つのルートによる式(I)の化合物の調製を表している。中間体Cは、1,1,3,3-テトラメチルグアニジンで処理されてアルデヒドvとホーナー・ワズワース・エモンズオレフィン化反応(式中、R1は発明の概要欄で定義した通りである)を生じることで、中間体viiを得ることができる。中間体viiを水素添加することで中間体viiiが生成し、次いで、TFAで処理した後、カルボニルジイミダゾールの添加によって促進される環化により、式(I)の化合物へと転換され得る。別法としては、中間体viiをTFAで処理することで、t-ブチルエステルの加水分解が生じて中間体ixが形成され得る。その後、無水酢酸、次いで水素化ホウ素ナトリウムを添加すると、式(I)の化合物が提供され得る。
【0065】
各ステップそれぞれに最適な反応条件及び反応時間は、用いられる特定の反応物と使用される反応物中に含まれる置換基とによって異なる可能性がある。具体的な手順は、実施例欄で展開する。反応は常套法で後処理を行うことができ、例えば、残渣から溶媒を除去してさらに、限定されないが、結晶化、蒸留、抽出、粉砕及びクロマトグラフィーなどの当該技術において一般に知られた方法論に従って精製されてよい。特に断りのない限り、出発物質及び試薬は市販のものであり、または市販の物質から化学文献に記載の方法を用いて当業者によって調製されてもよい。出発物質は、市販されていない場合、標準的な有機化学技法、既知の構造上同様の化合物の合成と類似した技法、もしくは上述のスキームと類似した技法から選択される手順、または合成例欄で説明する手順によって調製することができる。
【0066】
反応条件、試薬及び合成ル-トの順序の適切なコントロ-ル、反応条件と適合できない任意の化学官能基の保護、及び前記方法の反応順序内の好適な位置での脱保護を包含する所定の実験は、発明の範疇に包含される。好適な保護基、及び前記好適な保護基を用いた別の置換基の保護及び脱保護方法は、当業者に周知であり、その例は、PGM Wuts and TW Greene,in Greene’s book titled Protective Groups in Organic Synthesis(4th ed.),John Wiley & Sons,NY(2006)に見出すことができ、その全体が本明細書に参照により組み込まれる。本発明の化合物の合成は、前記合成スキーム及び具体例に記載のものと類似した方法によって達成され得る。
【0067】
開示する化合物の光学活性形が必要な場合、光学活性な出発物質(例えば、好適な反応ステップの不斉誘導によって調製されたもの)を用いて本明細書に記載の手順のうちの1つを行うことによって、または標準的な手順(クロマトグラフィー分離、再結晶または酵素的分割など)を用いて化合物もしくは中間体の立体異性体混合物を分割することによって得ることができる。
【0068】
同様に、化合物の純粋な構造異性体が必要な場合も、出発物質として純粋な構造異性体を用いて前記手順のうちの1つを行うことによって、または標準的な手順(クロマトグラフィー分離など)を用いて化合物もしくは中間体の構造異性体の混合物を分割することによって得ることができる。
【0069】
記載されているような合成スキーム及び具体例は例示であって、添付の請求項に定義されているとして本発明の範囲を制限するものと解されるべきではないと理解され得る。合成方法及び具体例の変更、修正及び均等物はいずれも、本請求項の範疇に包含される。
【0070】
3.使用方法及びキット
開示の化合物及びタンパク質は、ルシフェラーゼ基質、例えばセレンテラジン類似体が使用されていた任意の方法で使用され得る。例えば、セレンテラジン類似体を用いた生体発光法において使用して試料中の1つ以上の分子、例えば酵素、酵素反応の補因子、酵素基質、酵素阻害剤、酵素活性剤、もしくはOHラジカル、または1つ以上の条件、例えばレドックス条件を検出することが可能である。試料としては、動物(例えば、脊椎動物)、植物、真菌、生理液(例えば、血液、血漿、尿、粘膜分泌物)、細胞、細胞溶解物、細胞上清、または精製された細胞画分(例えば、細胞下画分)をあげることができる。前記分子の存在、量、スペクトル分布、放出動態または比活性度は検出または定量化され得る。分子は、多相溶液(例えば、エマルションもしくは懸濁液)を包含する溶液中で、または固体支持体(例えば、粒子、毛細管もしくはアッセイ容器)上で、検出または定量化され得る。
【0071】
特定の実施形態において、式(I)の化合物を使用してセレンテラジンを定量化することができる。いくつかの実施形態において、セレンテラジン(例えば、天然のもしくは既知のセレンテラジンまたは式(I)の化合物)は、比生化学活性、例えばアポトーシスまたは薬物代謝、のプローブとして使用することもできる。いくつかの実施形態では、セレンテラジン濃度は、対象である特定の酵素により作用し得る「プロセレンテラジン」または「プロ基質」によって特定の酵素活性とつながっている。いくつかの実施形態において、プロセレンテラジンは、ルシフェラーゼと併用したときに発光を直接支持できない分子であるが、対象である特定の酵素によって触媒過程を経てセレンテラジンへと転換され得る。いくつかの実施形態において、前記手法は、薬物代謝に使用される酵素、例えばシトクロムP450酵素、モノアミン酸化酵素、及びグルタチオンS-転移酵素、ならびにアポトーシスに使用される酵素、例えばカスパーゼなどの場合に使用され得る。例えば、セレンテラジン(例えば、天然のもしくは既知のセレンテラジン、または式(I)の化合物)は、6’-O-メチルなどの開裂基を含有するように修飾されてもよい。いくつかの実施形態において、特定のシトクロムP450酵素を使って培養した場合、6’O-メチルが開裂して、プロセレンテラジンがセレンテラジンへ転換して、ルシフェラーゼによって検出され得る。いくつかの実施形態において、プロセレンテラジンは、発光を支持する必要のある別の構成要素、例えば、ルシフェラーゼなどの発光タンパク質と併用することで、単一試薬及び均質なアッセイを提供することができる。例えば、試薬を試料に添加した場合、プロセレンテラジンがセレンテラジンへ転換するときに発光が生じる。様々な実施形態において、同様のアッセイは、他の酵素、小細胞、またはプロセレンテラジンからのセレンテラジンの生成に関連し得る他の細胞過程のために展開することができる。
【0072】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、生細胞内での発光を検出するのに使用され得る。いくつかの実施形態において、ルシフェラーゼは、細胞(レポーターまたはそれ以外として)及びセレンテラジンで処理された細胞(例えば、式(I)の化合物)内で発現して、培養液中で細胞に浸透して、ルシフェラーゼと反応して発光を生じる。細胞浸透性に加えて、式(I)の化合物は、細胞生存率の観点から天然のセレンテラジンと同等の生体適合性を示す。いくつかの実施形態において、培地における天然セレンテラジンの安定性を高めることが知られている化学修飾を含有する式(I)の化合物は、合成されて、よりロバストな生細胞ルシフェラーゼをベースとするレポ-ターアッセイに使用され得る。また別の実施形態において、ルシフェラーゼと式(I)の化合物とを含有する試料(細胞、組織、動物などを包含する)は、様々な顕微鏡検査及び画像技術を用いて検査されてよい。さらに別の実施形態において、分泌型ルシフェラーゼは、細胞内で生細胞レポーター系の一部として発現される。
【0073】
特定の実施形態において、本明細書で開示する式(I)の化合物は、キットの一部として提供されてよい。いくつかの実施形態において、キットは、1つ以上のルシフェラーゼ(ポリペプチドもしくはポリヌクレオチドの形態、またはその両方で)及びセレンテラジンと共に、好適な試薬及び本明細書で開示しているようなアッセイをユ-ザが実行できるようにする指示書をも包含し得る。セレンテラジンは、天然であっても、既知のものであっても、または本明細書で開示している式(I)の化合物であってもよい。キットはさらに、本明細書で開示しているような緩衝液を1つ以上包含してもよい。
【実施例0074】
4.実施例
実施例1.共通中間体(A、B、C)の合成
スキーム4.中間体A~Cの合成
A~Cの一般的な合成手順:5mL丸底フラスコにアミノピラジン(1、500mg、1.9ミリモル)、ジアゾ化合物(2~4、3.83ミリモル、2当量)、Rh2(OAc)4(84.57mg、10モル%)及びクロロベンゼン3mLを入れた。反応混合物を100℃で24時間加熱した。反応の進捗はLCMSでモニターした。24時間後、反応が100%転化に達した。混合物をセライトに吸着させて、ヘプタン中40%EtOAcを溶出液として用いてシリカカラムで精製した、所望の生成物を褐色固体として78~90%の収率で純粋に単離した。必要とされるジアゾホスホノアセテートは、Wang et al.Synlett,2007,11,1683-1686に従って合成した。
【0075】
メチル2-((3-ベンジル-5-フェニルピラジン-2-イル)アミノ)-2-(ジエトキシホスホリル)アセテート(A):収率90%、1H NMR(300 MHz, CDCl3) δ=8.40(s,1H),7.95-7.91(m,2H),7.49-7.40(m,2H), 7.40-7.19 (m, 6H), 5.33-5.19 (m, 2H),4.25(s,2H),4.18-3.85(m,4H),3.73(s, 3H),1.25 (t, J=6, 3H), 1.20 (t, J=6, 3H),13C NMR (75 MHz, CDCl3)δ=168.34, 168.32,149.76,149.64,142.24,141.72,137.14,136.66,136.40,128.85,128.77, 128.76 128.06, 126.96, 125.78, 63.72, 63.65, 63.63, 63.56, 53.55, 52.96, 51.61, 40.84, 16.33, 16.29, 16.25, 16.21.ESI-MS (m/z) [M+H] (C24H29N3O5P)実測値470.
【0076】
ベンジル2-((3-ベンジル-5-フェニルピラジン-2-イル)アミノ)-2-(ジエトキシホスホリル)アセテート(B):収率78%、1H NMR(300 MHz, CDCl3) δ=8.35(s,1H),7.94(d, J=7.2, 2H), 7.50-7.42 (m, 2H), 7.40 - 7.18 (m, 11H), 5.43 - 5.06 (m, 4H), 4.25 (s, 2H), 4.17 - 3.76 (m, 4H), 1.19 (t, J=7.1, 3H), 1.16 (t, J=7.0, 3H);13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ = 167.70, 167.68, 149.82, 149.70, 142.27, 141.73, 137.18, 136.63, 136.39, 135.20, 128.85, 128.79, 128.77, 128.43, 128.30, 128.29, 128.07, 126.94, 125.80, 67.57, 63.72, 63.64, 63.60, 63.51, 53.96, 52.04, 40.84, 16.29, 16.24, 16.21, 16.16;ESI-MS (m/z) [M+H] (C30H32N3O5P)実測値546.
【0077】
tert-ブチル2-((3-ベンジル-5-フェニルピラジン-2-イル)アミノ)-2-(ジエトキシホスホリル)アセテート(A):収率83%、1H NMR(300 MHz, CDCl3) δ=8.41(s,1H),7.95 (d, J=5.2, 2H), 7.52 - 7.16 (m, 8H), 5.30 - 5.06 (m, 2H), 4.31 - 4.17 (m, 2H), 4.15 - 3.83 (m, 4H), 1.44 (s, 9H), 1.25 (t, J=9, 3H), 1.19 (t, J=9 3H);13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ = 166.54, 166.52, 149.89, 149.79, 141.94, 141.60, 137.25, 136.58, 136.49, 128.80, 128.75, 127.98, 126.84, 125.73, 82.86, 63.46, 63.38, 63.29, 63.20, 54.43, 52.50, 40.75, 27.84, 16.34, 16.26;ESI-MS (m/z) [M+H] (C27H35N3O5P)実測値512.
【0078】
実施例2.式(I)の化合物の合成方法
スキーム5 方法I
式(I)の化合物を合成するための方法論の開発は、上記スキームに示すHWE(ホーナー・ワズワース・エモンズ)オレフィン化反応の反応条件を研究することから始まった。p-フルオロベンズアルデヒドと化合物AとのTHF中でのHWEオレフィン化反応では様々な塩基をスクリーニングした。これら初期実験からは、用いた塩基のpKaが11未満のとき(K2CO3またはDIPEA)に反応が進まないことが分かった。また一方、pKaが12以上の強い窒素塩基またはアルカリ金属塩基は、分解生成物からなる複合混合物を生成した。驚くことに、1,1,3,3-テトラメチルグアニジン(TMG)のTHF溶液(pKa約13.6)を使用すると、オレフィン化生成物の収率が低下した(表1のエントリー2参照)。
【0079】
大部分のアルデヒドは、化合物AとのHWE反応で使用されたときに、不飽和エステルxだけを提供するとは限らなかった。その代わり、xは環化してviを生成する傾向があった(スキーム5参照)。また一方、これら化合物は一般には不安定であり、特に非プロトン溶媒中及び高pHでは不安定であった。溶媒/塩基の組み合わせを用いた追加実験からは、多様なプロトン溶媒、好ましくはMeOHが環化生成物viを安定化するが(下記スキーム及び表1参照)、Aをメタノール中TMGで前処理することで、環化ジエチルホスホネート[ジエチル(8-ベンジル-3-オキソ-6-フェニル-3,7-ジヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジン-2-イル)ホスホネート、化合物1]が生じることが分かった。
【0080】
p-フルオロベンズアルデヒドを用いたモデル系では、いくつかの窒素塩基が、Aとp-フルオロベンズアルデヒドとの反応において所望の環化生成物Eをもたらした。一般に、MeOH中でTMG以外の塩基を使用することに利点はなかった(表1)。
【表1】
反応条件のスクリーニングで使用した塩基及び溶媒の頭文字:TMG:1,1,3,3-テトラメチルグアニジン、DBU:1,8-ジアザビシクロウンデカ-7-エン、t-BuTMG:2-tert-ブチル-1,1,3,3-テトラメチルグアニジン、TBD:1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、MeTBD:7-メチル-1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.40]デカ-5-エン。
*生成物D及びEの収率は、対応する反応混合物のLCMSトレ-スの積分によって得られた。条件:室温、A 10mg、溶媒(4mL)、TMG(3当量)、4-フルオロベンズアルデヒドアルデヒド3当量。
【0081】
Aとp-フルオロベンズアルデヒドとの反応では、DとEの生成物比がTMG-メタノール溶液中で確立される平衡によって決定され、そして前記条件下でのEの不安定性が24時間以内に反応成分を完全な崩壊に導くと推測された。個別に単離されたDとEを反応条件に再暴露すると、同様の比率のDとEをもたらした。さらに、反応をn-ブタノール中で行うと、同様の比率のDとEが生成されるが、n-Bu-エステル(R5=n-Bu)も形成された。そのため、最も広範な基質には、溶媒としてのメタノールがEを利用しやすかった。典型的に、メタノール中でのEの合成は4時間も必要とせず、しかもEの著しい分解が認められる前に反応を停止すると良好な収率で進んだ。
【0082】
方法Iの基本手順:20mLバイアル瓶にメチル2-((3-ベンジル-5-フェニルピラジン-2-イル)アミノ)-2-(ジエトキシホスホリル)アセテート(A)(100mg、0.21ミリモル、1当量)、アルデヒド(0.23ミリモル、1.1当量)及びメタノール12mLを入れた。前記溶液に、1,1,3,3-テトラメチルグアニジン(74mg、0.64ミリモル、3当量)を加えた。反応混合物を、最大転化に達するまで室温で攪拌した(2~6時間)。反応の進捗はLCMSでモニターした。混合物を水に流し込み、酢酸エチルで抽出してMgSO4によって乾燥させた。乾燥剤をろ別して、溶媒を減圧下で濃縮した。残渣は、シリカゲルにおいてジクロロメタンを溶出液としてフラッシュクロマトグラフィーを行った。一般構造viに相当するデヒドロセレンテラジンを赤色固体として単離して、それ以上精製せずに次のステップで使用した。デヒドロセレンテラジンviをジクロロメタン25mL及びメタノール10mLに溶解して0℃まで冷却した。この溶液に、NaBH4(24.2mg、0.64ミリモル、3当量)を加えて、反応混合物を0℃で30分間攪拌した。反応混合物は、0.1M HCL 50mLで反応を停止し、ジクロロメタンで抽出して、MgSO4によって乾燥させた。乾燥剤をろ別し、溶媒を減圧下で濃縮して、残渣を、ジクロロメタン/メタノールを溶出液として使用してシリカゲルで精製した。目的のセレンテラジン類似体を黄色固体として純粋に単離して、高真空下で乾燥させた。
【0083】
共通中間体Aと前記方法Iの基本手順を用いて、以下の化合物を製造した。収率は、中間体Aから開始する2段階手順で算出した。
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【表2-5】
【0084】
実施例3.式(I)の化合物を合成するための方法Iの変更
スキーム6.変更した方法I
方法Iのさらなる研究から、環化オレフィン中間体と未環化オレフィン中間体との平衡に時間がかかる場合、中間体Bの使用が有用であることが分かった。オレフィン化反応完了直後にviが形成され、未環化中間体は反応混合物中では検出されなかった。また一方、viは、メトキシドアタックによっても開環を生じて、xをもたらした。xを形成させないために、Bの100%転化(10~20分)後に反応を停止した。にもかかわらず、viを還元することで、式(I)の化合物はスムーズに得られた。この2段階手順は、10~20分で完了する可能性がある。さらに、課題である基質の収率が増加する可能性もある。
【0085】
この研究全体において、R1位にある電子吸引性置換基は、閉環形viの形成に有利に働く傾向があることが認められた。これをうまく利用して、変更した方法Iを用いて、R1位にピリジニル基を含有する式(I)の化合物を調製した。
【0086】
共通中間体Bと実施例2の方法Iの基本手順を用い、類似したやり方で、以下の化合物を製造した。収率は、中間体Bから開始する2段階手順で算出した。
【表3】
【0087】
実施例4.式(I)の化合物を合成するための方法II及びIII
方法Iは、様々な式(I)の化合物を利用可能とする、反応時間の短い、便利で迅速な方法である。しかしながら、電子不足の芳香環または反応性を示す複素環をR1位に含有する多くの式(I)化合物は、方法Iでは製造できない。場合により、オレフィン化及びその後の環化には時間がかかり、しかも生成物の著しい分解が認められた。他方、電子が豊富なアルデヒドは、HWEオレフィン化反応において転化速度が遅い傾向があり、非生産的な中間体であるかなりの量の1を形成する原因にもなった(実施例2参照)。
【0088】
この課題を回避するために、2つの代替ル-トが開発された。Cを利用することで、HWE反応中にイミダゾリノン環への環化を抑えることにより、不飽和エステルviiのみが提供された。その後、TFAで処理することで不飽和酸ixが生成され、2段階の環化及び還元順序によって式(I)の化合物へと転化された(方法II)。この方法では、viiが典型的に、優れた収率で単離された。加水分解手法の後に、方法IIは、影響を受けやすい中間体が高pH条件に暴露されないようにする。このようにして、生成物ixがTFA処置に対して安定であれば、方法IIは式(I)の化合物を方法Iよりも高収率で提供したが、手順はより時間がかかった。
【0089】
スキーム7.方法II
方法IIの基本手順:20mLバイアル瓶にtert-ブチル2-((3-ベンジル-5-フェニルピラジン-2-イル)アミノ)-2-(ジエトキシホスホリル)アセテート(C)(200mg、0.39ミリモル、1当量)、アルデヒド(0.43ミリモル、1.1当量)及びメタノール15mLを入れた。前記溶液に、1,1,3,3-テトラメチルグアニジン(135mg、1.2ミリモル、3当量)を加えて、反応混合物を室温で2時間攪拌した。反応の進捗はLCMSでモニターした。反応混合物を水に流し込み、酢酸エチルで抽出してMgSO4によって乾燥させた。乾燥剤をろ別し、溶媒を減圧下で濃縮して、一般構造viiを有する生成物はそれ以上精製せずに次のステップで使用した。
【0090】
viiのジクロロメタン(5mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(2mL)を加えた。反応混合物を室温で4時間攪拌した。反応の進捗はLCMSでモニターした。反応完了後、揮発物質を全て減圧下で除去し、残渣を高真空下で乾燥させた。得られた不飽和酸をTHF(10mL)に溶解し、この溶液に、無水酢酸(398mg、3.9ミリモル、10当量)、トリエチルアミン(395mg、3.9ミリモル、10当量)及びDMAP(4.8mg、0.039ミリモル、0.1当量)を加えた。反応混合物を室温で30分間攪拌して水に流し込み、その後、ジクロロメタンで抽出して、MgSO4によって乾燥させた。乾燥剤をろ別して、溶媒を減圧下で濃縮した。残渣は、シリカゲルにおいてジクロロメタンを溶出液としてフラッシュクロマトグラフィーを行った。一般構造viに相当するデヒドロセレンテラジンを赤色固体として単離して、それ以上精製せずに次のステップで使用した。
【0091】
デヒドロセレンテラジンviをジクロロメタン25mL及びメタノール10mLに溶解して0℃まで冷却した。この溶液に、NaBH4(44.26mg、1.2ミリモル、3当量)を加えて、反応混合物を0℃で30分間攪拌した。反応混合物は、0.1M HCL 100mLで反応を停止し、ジクロロメタンで抽出して、MgSO4によって乾燥させた。乾燥剤をろ別し、溶媒を減圧下で濃縮して、残渣をジクロロメタン/メタノールを溶出液としてシリカゲルで精製した。目的の式(I)のセレンテラジン類似体を黄色固体として純粋に単離して、高真空下で乾燥させた。
【0092】
方法IIIは、潜在的に不安定な合成中間体を回避する2つ目の代替手段である。不飽和エステルviiの水素添加は、ウィルキンソン触媒の存在下、高圧水素下で達成され、典型的に単離精製が容易な中間体viiiを得た。viiiをTFA処理した後、カルボニルジイミダゾール(CDI)を用いて対応する酸の分子内環化を行うことで、式(I)の化合物が得られた。方法IIIは、穏やかな反応条件を用いて、酸素及び水分の影響を受けやすい反応中間体を回避するが、この方法は、影響を受けやすい官能基を含有するセレンテラジン類似体のスケールアップと調製のいずれにも適している。しかしながら、高圧と長い反応時間が必要である。
【0093】
スキーム8.方法III
方法IIIの基本手順:20mLバイアル瓶にtert-ブチル2-((3-ベンジル-5-フェニルピラジン-2-イル)アミノ)-2-(ジエトキシホスホリル)アセテート(C)(200mg、0.39ミリモル、1当量)、アルデヒド(0.43ミリモル、1.1当量)及びメタノール15mLを入れた。前記溶液に、1,1,3,3-テトラメチルグアニジン(135mg、1.2ミリモル、3当量)を加えて、反応混合物を室温で1~2時間攪拌した。反応の進捗はLCMSでモニターした。反応完了後、混合物を水に流し込み、酢酸エチルで抽出してMgSO4によって乾燥させた。乾燥剤をろ別して、溶媒を減圧下で濃縮した。残渣を、ヘプタン/酢酸エチルを溶出液として用いシリカゲルでフラッシュクロマトグラフィーを使用して精製し、そして目標化合物viiを無色油として単離した。
【0094】
parr-shaker反応フラスコにtert-ブチル2-(3-ベンジル-5-フェニルピラジン-2-イルアミノ)-アクリレート誘導体vii(0.3ミリモル、1当量)、Rh(PPh33Cl(0.03ミリモル、0.1当量)及びエタノール50mLを入れた。反応容器にH2(50psi)を充満させて、室温で20時間振とうした。反応の進捗はLCMSでモニターした。次に、揮発物質を全て減圧下で除去し、残渣は、ヘプタン/酢酸エチルを溶出液として用いてシリカゲルでフラッシュクロマトグラフィーを行った。還元したアミノピラジン誘導体viiiを無色油として純粋に単離した。
【0095】
化合物viii(0.25ミリモル、1当量)をジクロロメタン(5mL)に溶解して、この溶液にトリフルオロ酢酸(2mL)を加えた。反応混合物を室温で12時間攪拌した。反応の進捗はLCMSでモニターした。反応完了後、揮発物質を全て減圧下で除去し、残渣をトルエン10mLと3回共蒸発させることでTFAを全て除去して、化合物xiを得た。高真空下で乾燥させた後、化合物xiをジクロロメタン(15mL)に溶解し、この溶液にカルボジイミダゾール(CDI)(122mg、0.75ミリモル、3当量)を加えた。反応混合物を室温で20分間攪拌した後、0.01M HCl(50mL)に流し込み、ジクロロメタンで抽出して、MgSO4によって乾燥させた。乾燥剤をろ別して、溶媒を減圧下で濃縮した。残渣は、ジクロロメタン/メタノールを溶出液としてシリカゲルでフラッシュクロマトグラフィーを行った。式(I)に相当するセレンテラジンを黄色固体として純粋に単離した。
【0096】
以下の典型的な中間体を単離して、方法IIIを用いて特性評価をした。
tert-ブチル(E)-2-((3-ベンジル-5-フェニルピラジン-2-イル)アミノ)-3-(3-シアノフェニル)アクリレート
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ = 10.03 (s, 1H), 8.31 (s, 1H), 8.15 (td, J=0.6, 1.6, 1H), 8.12 - 8.08 (m, 1H), 7.96 - 7.87 (m, 2H), 7.68 (t, J=7.7, 1H), 7.51 - 7.35 (m, 4H), 7.33 - 7.23 (m, 3H), 7.21 - 7.07 (m, 1H), 6.98 (s, 1H), 6.34 (s, 1H), 4.30 (s, 2H), 1.46 (s, 9H);13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ = 189.91, 164.29, 148.16, 143.74, 142.89, 137.18, 136.85, 136.79, 136.76, 136.62, 136.13, 133.27, 133.12, 132.29, 132.23, 131.08, 130.23, 130.09, 129.20, 129.12, 128.83, 128.54, 128.49, 127.41, 126.02, 121.99, 118.39, 117.54, 113.68, 112.55, 104.99, 82.43, 41.15, 27.89;ESI-MS (m/z) [M+H] (C31H29N4O2)実測値489.
tert-ブチル2-((3-ベンジル-5-フェニルピラジン-2-イル)アミノ)-3-(3-シアノフェニル)プロパノエート
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ = 8.40 (s, 1H), 7.98 - 7.92 (m, 2H), 7.50 - 7.43 (m, 3H), 7.38 - 7.23 (m, 7H), 7.22 - 7.18 (m, 1H), 7.11 (dt, J=1.5, 7.8, 1H), 5.02 (d, J=6.8, 1H), 4.93 - 4.79 (m, 1H), 4.15 (q, J=15.3, 3H), 3.10 (ddd, J=5.8, 13.9, 34.0, 2H), 1.38 (s, 9H);13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ = 170.81, 150.01, 141.21, 141.14, 138.34, 137.35, 136.79, 136.45, 133.91, 132.94, 130.36, 128.93, 128.91, 128.77, 128.58, 127.88, 127.03, 125.66, 118.72, 112.15, 82.50, 55.09, 40.94, 37.46, 27.96;ESI-MS (m/z) [M+H] (C31H31N4O2)実測値491.tert-ブチル(E)-2-((3-ベンジル-5-フェニルピラジン-2-イル)アミノ)-3-(1,2,3-チアジアゾール-5-イル)アクリレート
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ = 9.45 (s, 1H), 8.51 (s, 1H), 8.27 (s, 1H), 8.03 - 7.96 (m, 2H), 7.52 - 7.45 (m, 4H), 7.43 - 7.31 (m, 3H), 7.30 - 7.22 (m, 1H), 6.70 (s, 1H), 4.43 (s, 2H), 1.48 (s, 9H);13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ = 164.35, 159.03, 147.85, 144.44, 143.61, 136.90, 136.87, 136.42, 135.80, 133.05, 129.07, 128.85, 128.74, 128.54, 126.81, 126.09, 104.18, 82.10, 40.34, 27.87;ESI-MS (m/z) [M+H] (C26H26N5O2S)実測値472
tert-ブチル2-((3-ベンジル-5-フェニルピラジン-2-イル)アミノ)-3-(1,2,3-チアジアゾール-5-イル)プロパノエート
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ = 8.42 (s, 1H), 7.99 - 7.93 (m, 2H), 7.51 - 7.42 (m, 3H), 7.41 - 7.23 (m, 6H), 5.41 (d, J=6.6, 1H), 5.00 (dt, J=5.0, 6.5, 1H), 4.19 (dd, J=15.2, 58.4, 2H), 3.82 - 3.62 (m, 2H), 1.36 (s, 9H);13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ = 170.52, 158.41, 149.87, 141.26, 141.12, 137.38, 136.91, 136.87, 132.95, 129.02, 128.81, 128.78, 127.88, 127.01, 125.65, 82.60, 53.92, 40.98, 30.06, 27.83;ESI-MS (m/z) [M+H] (C26H28N5O2S)実測値474.
【0097】
以下の化合物は、前記方法II及びIIIによって製造した。収率は、中間体Cから開始する4段階手順で算出した。
【表4】
a:化合物は、NaBH4による最終還元ステップを排除したこと以外は、方法IIによって製造した。
【0098】
そのため、複数の合成方法論が確立されたが、これらの方法の作用域及び効用は、R1位に多様な置換基を有する式(I)の化合物を合成することによって実証された。先に示したように、電子吸引性置換基を有する芳香族基、電子供与性置換基を有する芳香族基、立体的に厳しい基、及び極性複素環モチ-フはいずれも、これら新規方法のうち一つを用いて合成するのに適している。
【0099】
実施例5.発光特性
発光アッセイ手順:スクリーニングしようとする化合物をそれぞれ、DMSO(5mM)に溶解した後、さらにNANO-GLO(登録商標)ルシフェラーゼアッセイ緩衝液で100uMまで希釈した。次に、希釈した基質をそれぞれ、精製NanoLuc(登録商標)ルシフェラーゼと等体積で混合してCO2非依存培地+10%FBSで希釈した。各基質の初期光出力は、GloMax(登録商標)マルチ+ルミノメーターで、基質の添加3分後及びその後、信号半減期を求める手法として5分間の間隔をあけて測定した。
【0100】
合成されたセレンテラジン類似体(式(I)の化合物)の一部について、ルシフェラーゼ基質としての適合性を評価した。NANOLUC(登録商標)ルシフェラーゼをスクリーニングに用いたが、これは、小さくて(19kDa)、安定で、しかも特に明るい酵素であるためである。表2は、相対的発光量(RLU)及び半減期デ-タ(天然セレンテラジンとの対比)が、中程度の電子供与性及び電子吸引性官能基で十分な耐容性があることを示すことを実証している。様々なピリジニル基も全体耐容性を示し、かなりの数がセレンテラジンよりも優れていることを実証した。全体的に、かなりの数の類似体が、発光する点でセレンテラジンよりも優れていた。
【表5】
【0101】
式(I)の化合物はさらに、追加アッセイにおいてルシフェラーゼ基質である可能性についても評価した。このアッセイでは、前記類似体を、既知のセレンテラジン類似体であって、ルシフェラーゼ基質としてセレンテラジンよりも優れていることが知られている8-ベンジル-2-(フラン-2-イルメチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン(C-1)と比較した。表3は、かなりの数の類似体が耐容性を示し、しかも8-ベンジル-2-(フラン-2-イルメチル)-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-3(7H)-オン)と同等またはより良好に機能することを実証している。
【表6】


【0102】
実施例6.細胞透過性及び生物発光活性
細胞培養:HeLa細胞及びHEK293細胞を、グルタミン0.3mg/ml、ペニシリン100IU/ml、ストレプトマイシン100μg/ml及び10%ウシ胎仔血清を含有するDMEM中、37℃において5%CO2中で保持した。ダルベッコ変法イ-グル培地(DMEM)、Opti-MEM、ペニシリン/ストレプトマイシン及びトリプシン-EDTAは、Life Technologies(Carlsbad)から入手した。ウシ胎仔血清(FBS)は、HyClone(GE Healthcare)から入手した。マイクロタイタ-プレートは、Corningから入手した。
【0103】
細胞ベースのルシフェラーゼアッセイ:NANOLUC(登録商標)ルシフェラーゼをCMVプロモ-タ-の支配下で安定に発現するHEK293細胞を、白色のTC処理済96ウェルプレートのウェル中の成長培地(10%FBSを追加したDMEM)100μlに、ウェル当たり細胞10000個の密度で蒔いて、24時間培養した。成長培地をその後、前記基質12.5μMを含有するOptiMEM 100μlと置き換えた。基質の追加直後に、GLOMAX(登録商標)Discoveマルチモ-ド検出プレート読み取り装置(Promega)を用いて発光シグナルを解析した。
【0104】
特定の化合物(64~77)の細胞透過性及び生物発光活性を、NANOLUC(登録商標)ルシフェラーゼを安定に発現するHEK293細胞を用いてセレンテラジンと比較して求めた(図1)。試験した化合物のうち大部分は、セレンテラジンと同等またはそれより強い発光シグナルを示し、また、少なくとも6つは、セレンテラジンよりも大幅な増加(5倍超)を示した。さらに、セレンテラジンとのシグナル強度比較による化合物の等級序列からも、生化学的アッセイと細胞ベースのルシフェラーゼアッセイとの間に強い相関関係が示された(図2)。合わせて前記結果は、試験した類似体が生体膜を自由に透過できて、生細胞内で良好な生物発光活性を示すことも示唆している。
【0105】
実施例7.細胞生存率
細胞生存率アッセイ;HEK293細胞またはHeLa細胞を、白色のTC処理済96ウェルプレートのウェル中の成長培地(10%FBSを追加したDMEM)100μlに、ウェル当たり細胞10000個の密度で蒔いて、24時間培養した。成長培地をその後、前記化合物の段階希釈物を含有するOpti-MEM培地100μlと置き換えた。次に、24時間培養後にCELLTITER(登録商標)Green細胞生存率アッセイ(Promega)を用い、製造者指示書に従って細胞生存率の変化を測定した。発光測定はいずれも、GLOMAX(登録商標)Discoverマルチモ-ドプレート読み取り装置(Promega)で行った。
【0106】
HeLa細胞(図3及び4)及びHEK293細胞(図5及び6)における化合物誘導型細胞毒性の評価からは、2つの異なる細胞株全体で基質毒性パターンに根本的な違いがないことが分かった。興味深いことに、フッ素化化合物65~68は一般に、セレンテラジンと比べると、両方の細胞株における毒性が低いことが実証された。その上、化合物76はさらに、いずれの細胞株においても毒性が特に低く、また、細胞ベースのアッセイではより高濃度の基質を使用してよいことが示された。
【0107】
前述の発明の詳細な説明及び添付の実施例は、単なる例示であって、本発明の範囲を制限するものと解されるべきではなく、それは添付の請求項及びその均等物によってのみ定義されるものであることが理解される。
【0108】
開示された実施形態に対する様々な変更及び修正は当業者に自明であろう。かかる変更及び修正は、限定されないが、化学構造、置換基、誘導体、中間体、合成、組成物、配合物、または本発明の使用方法を包含するものであって、その趣旨及び範囲を逸脱することなく実行可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【外国語明細書】