(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022084633
(43)【公開日】2022-06-07
(54)【発明の名称】無線ゲストエンゲージメントシステム
(51)【国際特許分類】
H04B 1/3827 20150101AFI20220531BHJP
H04W 4/021 20180101ALI20220531BHJP
H04W 4/38 20180101ALI20220531BHJP
H04W 84/10 20090101ALI20220531BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20220531BHJP
【FI】
H04B1/3827 130
H04W4/021
H04W4/38
H04W84/10 110
H05K5/02 C
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022027703
(22)【出願日】2022-02-25
(62)【分割の表示】P 2020115587の分割
【原出願日】2017-05-17
(31)【優先権主張番号】62/420,998
(32)【優先日】2016-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/440,938
(32)【優先日】2016-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/459,906
(32)【優先日】2017-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519142228
【氏名又は名称】カーニバル コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】CARNIVAL CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(72)【発明者】
【氏名】ジョン パジェット
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ジー ヤンゲン
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス スティール
(72)【発明者】
【氏名】カイル プレステンバック
(72)【発明者】
【氏名】リチャード ジェイ クリアド
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンス ボール
(72)【発明者】
【氏名】アダム レナーズ
(72)【発明者】
【氏名】グレン カーティス
(72)【発明者】
【氏名】マニー ベジョン
(72)【発明者】
【氏名】パトリック メンデューク
(72)【発明者】
【氏名】サンダー ラム
(57)【要約】 (修正有)
【課題】無線センシング技術を使用して施設のゲストとの自動エンゲージメントを実現する無線デバイスを提供する。
【解決手段】メダリオンとも呼ばれるゲストデバイス11は、外径約1.25インチ(0.75~2.5インチの範囲)、厚さ約3/8インチ(1/8~5/8インチの範囲)及び重量約1.8オンス(1.2~2.4オンスの範囲)のトークンの形態をとる。メダリオン11は、ゲストが装着する異なるアクセサリに挿入可能であり、アクセサリにより、メダリオン11をゲストに確実に取り付けて、ゲストが自らのメダリオンを不注意に紛失したり置き忘れたりしないことを確実にする。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面と、前記前面と同じ形状及び前記前面より大きい寸法を有する後面とを含む、テーパ形状を有する本体を含む無線デバイスであって、
前記本体は、空洞であって、その中にプロセッサ及び少なくとも1つの無線通信アンテナが配置される空洞を含む、無線デバイス。
【請求項2】
前記本体は、錐台形を有し、前記前面は、円形であり、前記後面は、円形であり、且つ前記前面のものより大きい直径を有する、請求項1に記載の無線デバイス。
【請求項3】
前記本体は、前記本体の外周に沿って開放金属リングを含み、及び前記開放金属リングは、前記本体の前記外周に沿って少なくとも1つのギャップを含む、請求項1に記載の無線デバイス。
【請求項4】
前記開放金属リングの前記少なくとも1つのギャップ内には、非導電性材料が配置される、請求項3に記載の無線デバイス。
【請求項5】
前記テーパ形状の本体の前記前面と側面との間の角度は、86~88度の範囲である、請求項1に記載の無線デバイス。
【請求項6】
前記テーパ形状の本体の前記前面及び後面は、2.5インチ以下の最大寸法を有し、及び前記テーパ形状の本体は、5/8インチ以下の厚さを有する、請求項1に記載の無線デバイス。
【請求項7】
前記本体内に埋め込まれ、且つ前記本体の外周に隣接して配置された4つの磁石をさらに含み、
前記4つの磁石のうちの少なくとも2つの隣接する磁石は、前記本体の前記外周に面する同じ極性の磁極をそれぞれ有する、請求項1に記載の無線デバイス。
【請求項8】
前記本体は、前記空洞内において、異なる通信標準を使用した通信のためにそれぞれ構成された少なくとも2つの無線通信アンテナをさらに含む、請求項1に記載の無線デバイス。
【請求項9】
前記本体は、前記空洞内において、Bluetooth low energy(BLE)通信のために構成された第一の無線通信アンテナと、近距離無線通信(NFC)通信のために構成された第二の無線通信アンテナとを含む、請求項8に記載の無線デバイス。
【請求項10】
前記第一の無線通信アンテナは、J字形状を有する、請求項9に記載の無線デバイス。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、米国特許商標庁に2017年3月15日に出願された米国特許出願公開第15/459,906号明細書並びに米国特許商標庁に2016年11月11日に出願された米国仮特許出願第62/420,998号明細書及び2016年12月30日に出願された同第62/420,938号明細書の利益を主張するものであり、これらの開示の全体が参照により本明細書に援用される。
【技術分野】
【0002】
本願の主題は、無線センシング技術を使用して施設のゲストとの自動エンゲージメントを提供する技術及び機器に関する。
【背景技術】
【0003】
ホテル及び行楽地、クルーズ船並びに他の小売及び商業施設のゲストは、ホスト側の高いレベルのサービス及びエンゲージメントを期待するようになってきた。サービスは、私有地及び/又は限定された人のみが立ち入ることができる領域に、バッジ若しくは他の形態の身分証明手段を提示したり、入場カードをスイープ若しくはタップしたり、又は他に積極的に自らを認証したりせずに容易に入れることを含む。エンゲージメントは、ゲストが身分を証明したり、自らの好み若しくは既存の予約をホストに思い出させたりすることを必要とせずに、ホストから個人的に認識され、それに基づいてサービス及び提案が提供されることを含み得る。
【0004】
これに関して、サービス及びエンゲージメントは、ユーザが名前又は身分証明情報を提供し、入場カードをタップ又はスイープし、ホストにコンピュータ端末を通じて予約関連情報を読み出してもらうことに基づいてのみ提供される。例えば、ゲストは、写真付きの身分証明書及びクレジットカードをチェックイン時に提示しなければならず、ゲストは、滞在中に入場カードをタップ又はスイープすることによってエレベータを作動させたり、又はジム施設及び個室のドアを開錠したりしなければならず、ゲストは、コンシェルジェ、レストランの案内係又はフロントデスクのスタッフとやり取りするたびに自らの確認を示さなければならない。その結果、提供者とゲストとの間のやり取りは、人間味のない事務的なものとなる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、低消費電力無線通信技術及び分散型センサネットワークにおける近年の改良に依存して、このようなゲストに対し、ゲストに積極的に自らの身分を証明及び/又は認証するように要求することなく、新しいサービスを提供する新規なゲストエンゲージメントシステムを提供する。それにより、このゲストエンゲージメントは、ホストがその施設全域でゲストとシームレスに係わり、ゲストに対し、そのゲストの過去の経験に基づいた提案を行うことを可能にする。
【0006】
本明細書の教示は、無線センシング技術の使用を通じて、行楽地、クルーズ船、ホテル、会議場、小売り及び他の商業施設、遊園地、カジノ又は他の大型施設(又は施設群)を含む(ただし、これらに限定されない)施設のゲストとのシームレスなエンゲージメントを提供するシステム及び方法を提供する。機能は、ゲストが個別のゲストデバイスを有することに依存し、これらは、施設全体を通じてゲストを自動的に特定及び認証することにより、ゲストにシームレスにサービスを提供するために使用される。
【0007】
ゲストエンゲージメントシステムは、デバイス及びそれに関連付けられたゲストを一意的に特定するビーコン信号を周期的に放送するゲストデバイス(メダリオンとも呼ばれる)に依存する。周期的ビーコン信号は、施設中に配置されたセンサによって検出され、ゲストエンゲージメントシステムにより、個人化されたサービスを提供するために使用される。サービスは、ホテルの客室又は船室のドアを含むドアを、ゲストがゲストの割り合てられた部屋のドアにごく近接することに基づいて自動開錠することを含む。サービスは、とりわけ、ゲストデバイスの安全な無線認証に基づく、チェックアウト時又は自動販売機で提供される自動支払サービス並びに対話式ディスプレイ及びポータルへの自動ログオンも含む。
【0008】
本発明の1つの態様によれば、ゲストエンゲージメントシステムは、ゲストエンゲージメントシステムのユーザに提供される複数のゲストデバイスを含み、各ゲストデバイスは、無線通信アンテナを含み、且つBluetooth(登録商標) low energy(BLE)通信を使用してゲストデバイスの固有の識別子を放送する周期的ビーコン信号を発するように動作可能である。ゲストエンゲージメントシステムは、センサネットワークをさらに含み、これは、それぞれ異なる既知の場所に取り付けられ、且つ複数のゲストデバイスのうち、センサに近接するゲストデバイスによってBLE通信を使用して発せられた固有の識別子を含む周期的ビーコン信号を検出するように動作可能な複数のセンサを含む。ゲストエンゲージメントシステムは、加えて、センサネットワークの複数のセンサの各々を接続する通信ネットワーク及び中央サーバを含む。中央サーバは、センサネットワークの複数のセンサの各々に通信ネットワークを介して通信可能に接続され、且つセンサネットワークのセンサによってBLE通信を使用して検出されたゲストデバイスのそれぞれの固有の識別子をセンサの既知の場所に関連付けるログと、タイムスタンプとを記憶する。
【0009】
本開示の他の態様によれば、ゲストエンゲージメントシステムは、ゲストエンゲージメントシステムのユーザに提供される複数のゲストデバイスを含み、各ゲストデバイスは、固有の識別子を有し、且つ「Bluetooth」 low energy(BLE)及び近距離無線通信(NFC)通信のためにそれぞれ構成された第一及び第二の無線通信アンテナを含む。ゲストエンゲージメントシステムは、センサネットワークをさらに含み、これは、それぞれ異なる場所に取り付けられた複数のセンサを含む。複数のセンサの少なくとも1つのセンサは、それに近接するゲストデバイスを検出し、且つそのゲストデバイスとのBLE通信に基づいてそれから固有の識別子を受信するように動作可能であり、及び複数のセンサの少なくとも1つの別のセンサは、それに近接するゲストデバイスを検出し、且つそのゲストデバイスとのNFC通信に基づいてそれから固有の識別子を受信するように動作可能である。ゲストエンゲージメントシステムは、センサネットワークの複数のセンサの各々を接続する通信ネットワーク及び中央サーバも含む。中央サーバは、センサネットワークの複数のセンサの各々に通信ネットワークを介して通信可能に接続され、且つセンサネットワークのセンサによってBLE又はNFC通信を使用して受信されたゲストデバイスのそれぞれの固有の識別子を関連付けるログを記憶する。
【0010】
本開示の1つの態様によれば、アセンブリは、無線デバイス及びアクセサリを含む。無線デバイスは、前面と、前面と同じ形状及び前面より大きい寸法を有する後面と、空洞であって、その中にプロセッサ及び少なくとも1つの無線通信アンテナが配置される空洞とを有する、テーパ形状のデバイス本体を有する。アクセサリは、ユーザによって装着されるように構成され、且つ無線デバイスを解放可能に受けるように構成されたテーパ形状の空洞を有するアクセサリ本体を有する。テーパ形状の空洞は、デバイス本体の前面及び後面と同じ形状を有する後方開口を含む。
【0011】
本開示の他の態様によれば、無線デバイスは、前面と、前面と同じ形状及び前面より大きい寸法を有する後面とを含む、テーパ形状を有する本体を含む。本体は、空洞であって、その中にプロセッサ及び少なくとも1つの無線通信アンテナが配置される空洞を含む。
【0012】
本開示の別の態様によれば、ユーザによって装着されるように構成されたアクセサリは、アクセサリが装着されるとき、ユーザに向かって且つそれと反対に面するようにそれぞれ構成された内面及び外面を有する本体を含む。本体は、本体の外面内の前方開口と、本体の内面の後方開口との間に延びるテーパ形状の空洞を有し、後方開口は、前方開口と同じ形状を有し、及び後方開口は、前方開口のものより大きい寸法を有する。
【0013】
本開示の他の態様によれば、携帯型無線デバイスは、完全に取り囲まれた空洞を有する本体を含み、本体は、2.5インチ以下のすべての寸法を有し、及び本体は、5/8インチ以下の厚さを有する。携帯型無線デバイスは、空洞内に配置されたプロセッサ、メモリ、バッテリ並びに第一及び第二の無線通信アンテナをさらに含む。第一及び第二の無線通信アンテナは、「Bluetooth」 low energy(BLE)及び近距離無線通信(NFC)通信のためにそれぞれ構成される。
【0014】
本開示の他の態様によれば、携帯型無線デバイスは、完全に取り囲まれた空洞を有する本体と、空洞内に配置されたプロセッサ、メモリ、バッテリ並びに第一及び第二の無線通信アンテナとを含む。第一及び第二の無線通信アンテナは、「Bluetooth」 low energy(BLE)及び近距離無線通信(NFC)通信のためにそれぞれ構成される。本体は、本体の空洞を実質的に取り囲むように配置された開放金属リングを含み、且つ開放金属リングは、少なくとも1つの開口であって、その中に配置された非導電性材料を有する少なくとも1つの開口を含む。
【0015】
本開示の他の態様によれば、携帯型無線デバイスは、完全に取り囲まれた空洞を有する本体と、空洞内に配置されたプロセッサ、メモリ、バッテリ並びに第一及び第二の無線通信アンテナとを含む。本体は、錐台形状と、円形である前面と、円形であり、且つ前面のものより大きい直径を有する後面とを有する。前面及び後面は、0.75~2.5インチの直径を有し、本体は、1/8~5/8インチの厚さを有し、且つ錐台形の本体の前面と側面との間の角度は、86~88度の範囲である。第一及び第二の無線通信アンテナは、「Bluetooth」 low energy(BLE)及び近距離無線通信(NFC)通信のためにそれぞれ構成される。
【0016】
本開示の他の態様によれば、電子ドアロックアセンブリは、ラッチアセンブリと、ドアロック通信モジュールと、アクセスパネルとを含む。ラッチアセンブリは、ラッチと、選択的にドアを開錠するように動作可能な電子制御施錠機構とを含む。ドアロック通信モジュールは、ラッチアセンブリの電子制御施錠機構に電気的に接続され、且つ無線通信のために構成された無線機を含む。アクセスパネルは、ドアロック通信モジュールとの無線通信のために構成された無線機と、ユーザデバイスとの無線通信のために構成された第一のトランシーバと、予約サーバとの通信のための第二のトランシーバとを含む。
【0017】
本開示の他の態様によれば、ドアラッチアセンブリは、ドアノブと、ドアノブの操作によって選択的に動作されるラッチと、ラッチを選択的に開錠するように動作可能な電子制御施錠機構と、ユーザのドアノブとの接触又は近接を感知するように動作可能な近接センサとを含む。電子制御施錠機構は、近接センサによって感知されたユーザのドアノブとの接触又は近接に基づいてラッチを選択的に開錠するように動作可能である。
【0018】
本開示の他の態様によれば、電子制御ドアロックを制御するアクセスパネルは、無線機と、第一及び第二のトランシーバとを含む。無線機は、電子制御施錠機構に電気的に接続されたドアロック通信モジュールとの無線通信のために構成される。第一のトランシーバは、電子制御施錠機構を作動させようとしているユーザを特定するための、ユーザデバイスとの無線通信のために構成される。第二のトランシーバは、電子制御施錠機構を作動させることを許可されたユーザの識別子を記憶する予約サーバとの通信のために構成される。無線機、第一のトランシーバ及び第二のトランシーバの各々は、異なる通信標準に従って動作する。
【0019】
他の利点及び新規な特徴は、下記の説明の一部に記載され、一部は、以下の説明及び添付の図面から当業者に明らかとなるか、又は実施例の製造若しくは動作によってわかり得る。本教示の利点は、後述の詳細な実施例に記されている方法、手段及び組合せの様々な態様の実践又は使用によって実現及び達成され得る。
【0020】
図面の図は、本教示による1つ又は複数の実装を限定としてではなく例としてのみ描いている。図中、同様の参照番号は、同じ又は同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1A】ゲストエンゲージメントシステムの構成要素を示すハイレベル機能ブロック図である。
【
図1B】ゲストエンゲージメントシステムの構成要素を示すハイレベル機能ブロック図である。
【
図2A】ゲストエンゲージメントシステムで使用されるメダリオン又はゲストデバイスと、その中にメダリオンを解放可能に挿入できるアクセサリとを示す。
【
図2B】ゲストエンゲージメントシステムで使用されるメダリオン又はゲストデバイスと、その中にメダリオンを解放可能に挿入できるアクセサリとを示す。
【
図2C】ゲストエンゲージメントシステムで使用されるメダリオン又はゲストデバイスと、その中にメダリオンを解放可能に挿入できるアクセサリとを示す。
【
図2D】ゲストエンゲージメントシステムで使用されるメダリオン又はゲストデバイスと、その中にメダリオンを解放可能に挿入できるアクセサリとを示す。
【
図2E】ゲストエンゲージメントシステムで使用されるメダリオン又はゲストデバイスと、その中にメダリオンを解放可能に挿入できるアクセサリとを示す。
【
図3A】ゲストエンゲージメントシステムで使用されるメダリオン又はゲストデバイスと、その中にメダリオンを解放可能に挿入できるアクセサリとを示す。
【
図3B】ゲストエンゲージメントシステムで使用されるメダリオン又はゲストデバイスと、その中にメダリオンを解放可能に挿入できるアクセサリとを示す。
【
図3C】ゲストエンゲージメントシステムで使用されるメダリオン又はゲストデバイスと、その中にメダリオンを解放可能に挿入できるアクセサリとを示す。
【
図3D】ゲストエンゲージメントシステムで使用されるメダリオン又はゲストデバイスと、その中にメダリオンを解放可能に挿入できるアクセサリとを示す。
【
図3E】ゲストエンゲージメントシステムで使用されるメダリオン又はゲストデバイスと、その中にメダリオンを解放可能に挿入できるアクセサリとを示す。
【
図4A】その中にメダリオンを解放可能に挿入できる別のアクセサリの分解斜視図を示す。
【
図4B】その中にメダリオンを解放可能に挿入できる別のアクセサリの分解斜視図を示す。
【
図4C】その中にメダリオンを解放可能に挿入できる別のアクセサリの分解斜視図を示す。
【
図4D】その中にメダリオンを解放可能に挿入できる別のアクセサリの分解斜視図を示す。
【
図4E】その中にメダリオンを解放可能に挿入できる別のアクセサリの分解斜視図を示す。
【
図4F】その中にメダリオンを解放可能に挿入できる別のアクセサリの分解斜視図を示す。
【
図5A】メダリオン又はゲストデバイスの構成要素である部品を示す一覧図である。
【
図5B】メダリオン又はゲストデバイスの構成要素である部品を示す一覧図である。
【
図5C】メダリオン又はゲストデバイスの構成要素である部品を示す一覧図である。
【
図5D】メダリオン又はゲストデバイスの構成要素である部品を示す一覧図である。
【
図5E】メダリオン又はゲストデバイスの構成要素である部品を示す一覧図である。
【
図5F】メダリオン又はゲストデバイスの構成要素である部品を示す一覧図である。
【
図5G】メダリオン又はゲストデバイスの構成要素である部品を示す一覧図である。
【
図5H】メダリオン又はゲストデバイスの構成要素である部品を示す一覧図である。
【
図5I】メダリオン又はゲストデバイスの構成要素である部品を示す一覧図である。
【
図5J】メダリオン又はゲストデバイスの構成要素である部品を示す一覧図である。
【
図5K】メダリオン又はゲストデバイスの構成要素である部品を示す一覧図である。
【
図5L】メダリオン又はゲストデバイスの構成要素である部品を示す一覧図である。
【
図6】メダリオンの機能的構成要素を示すブロック図である。
【
図7A】メダリオンとの相互作用に基づいてドアを自動的に開錠するようにする自動ドアロックアセンブリ及びその構成要素を示す。
【
図7B】メダリオンとの相互作用に基づいてドアを自動的に開錠するようにする自動ドアロックアセンブリ及びその構成要素を示す。
【
図7C】メダリオンとの相互作用に基づいてドアを自動的に開錠するようにする自動ドアロックアセンブリ及びその構成要素を示す。
【
図7D】メダリオンとの相互作用に基づいてドアを自動的に開錠するようにする自動ドアロックアセンブリ及びその構成要素を示す。
【
図7E】メダリオンとの相互作用に基づいてドアを自動的に開錠するようにする自動ドアロックアセンブリ及びその構成要素を示す。
【
図7F】メダリオンとの相互作用に基づいてドアを自動的に開錠するようにする自動ドアロックアセンブリ及びその構成要素を示す。
【
図7G】メダリオンとの相互作用に基づいてドアを自動的に開錠するようにする自動ドアロックアセンブリ及びその構成要素を示す。
【
図7H】メダリオンとの相互作用に基づいてドアを自動的に開錠するようにする自動ドアロックアセンブリ及びその構成要素を示す。
【
図7I】メダリオンとの相互作用に基づいてドアを自動的に開錠するようにする自動ドアロックアセンブリ及びその構成要素を示す。
【
図8A】ゲストエンゲージメントシステムのセンサ及びその構成要素である部品を示す一覧図である。
【
図8B】ゲストエンゲージメントシステムのセンサ及びその構成要素である部品を示す一覧図である。
【
図8C】ゲストエンゲージメントシステムのセンサ及びその構成要素である部品を示す一覧図である。
【
図8D】ゲストエンゲージメントシステムのセンサ及びその構成要素である部品を示す一覧図である。
【
図8E】ゲストエンゲージメントシステムのセンサ及びその構成要素である部品を示す一覧図である。
【
図8F】ゲストエンゲージメントシステムのセンサ及びその構成要素である部品を示す一覧図である。
【
図8G】ゲストエンゲージメントシステムのセンサ及びその構成要素である部品を示す一覧図である。
【
図8H】ゲストエンゲージメントシステムのセンサ及びその構成要素である部品を示す一覧図である。
【
図8I】ゲストエンゲージメントシステムのセンサ及びその構成要素である部品を示す一覧図である。
【
図8J】ゲストエンゲージメントシステムのセンサ及びその構成要素である部品を示す一覧図である。
【
図8K】ゲストエンゲージメントシステムのセンサ及びその構成要素である部品を示す一覧図である。
【
図8L】ゲストエンゲージメントシステムのセンサ及びその構成要素である部品を示す一覧図である。
【
図8M】ゲストエンゲージメントシステムのセンサ及びその構成要素である部品を示す一覧図である。
【
図8N】ゲストエンゲージメントシステムのセンサ及びその構成要素である部品を示す一覧図である。
【
図9】ゲストエンゲージメントシステムの、エンドデバイスを含む他の構成要素を示すハイレベル機能ブロック図である。
【
図10】ゲストエンゲージメントシステムの一部として使用可能なゲームステーションの斜視図である。
【
図11】ゲストエンゲージメントシステムの機能を実装するために使用され得るコンピュータハードウェアプラットフォームの簡略機能ブロック図である。
【
図12】ゲストエンゲージメントシステムの機能を実装するために使用され得るコンピュータハードウェアプラットフォームの簡略機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の詳細な説明では、多くの具体的な詳細が、関係する教示を十分に理解できるようにするために例として示されている。しかしながら、本教示は、このような詳細なしに実践され得ることが当業者に明らかであるはずである。他の例では、よく知られた方法、手順、構成要素及び/又は回路構成は、本教示の態様を不必要に曖昧にしないように、詳細を示さずに比較的ハイレベルで説明される。
【0023】
本明細書で開示されている様々な技術及び設備システムは、無線センシング技術を使用して施設のユーザ又はゲストとの自動エンゲージメントを可能にする。
【0024】
ゲストエンゲージメントシステムは、無線センシング技術に依存して、ゲストが装着するか又は持ち運ぶメダリオンに基づいてゲストを安全に特定し、安全な識別に基づいてゲストにサービスを自動的に提供する。システムは、加えて、ゲストの所在場所及び経験のデータベースを保持し、ゲストの所在場所に関係なくゲストにシームレスにサービスが提供できるようにすることにより、ゲストとの改善されたエンゲージメントを提供する。
【0025】
図1Aは、ゲストエンゲージメントシステム10の構成要素を示す全体的なブロック図を提供する。
図1Aのゲストエンゲージメントシステム10は、船舶(例えば、クルーズ船)、ホテル、レストラン、行楽地、会議場、医療センター若しくは他の治療施設、小売り又は他の商業施設、娯楽施設(例えば、コンサートホール、映画館、アリーナ若しくはスタジアム、遊園地若しくはカジノ)、交通センター(例えば、空港、マリンポート若しくはターミナル、鉄道駅若しくはバス停、複合輸送センター)又は他の施設若しくはこれらの施設の複合体等の施設内に提供され得る。一例において、施設は、多数のゲストを収容するクルーズ船又は複数のクルーズ船を含むクルーズ船社、関連する沿岸施設(例えば、港湾施設)及び提携施設(例えば、クリーズ船のゲストに陸上活動を提供する提携会社の施設)であり得る。他の例において、施設は、1つ又は複数のホテル、レストラン、劇場、遊園地及び他の関連施設が1つ又は複数の地理的な場所にわたって分散された行楽地であり得る。別の例において、施設は、会議又は展示会等の特定のイベントに関連付けられる、複数の提携施設(例えば、ホテル、レストラン、ミュージアム、アリーナ、モール又は他の小売店舗立地)の立地を含む一連の施設であり得る。ゲストエンゲージメントシステムのユーザは、本願では一般にゲスト12と呼ばれる。クルーズ船の例において、ゲスト12は、クルーズ船の乗客を含み、より一般的には客室係、スタッフ及びゲストデバイス11の他のユーザを含むことができる。他の例では、ゲスト12は、ゲストデバイス11のユーザを含む、ゲストエンゲージメントシステム10と相互作用するあらゆる人物を含むことができる。ゲスト12は、そのため、医療又は治療施設に関する例ではとりわけ患者、看護師、医師及び来院者、会議施設に関する例では会議主催者及び/又は出展者、各種の商業施設に関する例では買い物客、スタッフメンバー、旅行者及び販売員等を指し得る。
【0026】
ゲストエンゲージメントシステム10は、ゲスト12が装着するか又は持ち運ぶ、各々が関連するゲストを一意的に特定し、ゲストエンゲージメントシステム10との安全な通信のために構成されるメダリオン等のゲストデバイス11と無線通信するように構成される。本願に詳細に記載された例において、ゲストデバイス11は、メダリオンの形態をとり、一般に本開示ではメダリオンと呼ぶ。しかしながら、デバイス/メダリオン11は、他のフォーマットをとることができ、そのため、メダリオンという用語は、システム10の一部として使用され得るゲストデバイス11の範囲を限定するものではない。ゲストデバイス/メダリオン11は、好ましくは、軽量小型であり、ユーザが容易に装着するか又は持ち運ぶことができる。ゲストデバイス/メダリオン11は、少なくとも1つの無線通信技術/プロトコルを使用して通信するように構成され、好ましくは2つ以上の異なる無線通信技術/プロトコルを使用して通信するように構成される。例えば、メダリオン11は、近距離無線通信(NFC)標準及び「Bluetooth」 low energy(BLE)標準の両方に従って通信するように構成できるが、メダリオン11は、一般に、エネルギー消費を削減するために何れかの時点でこれらの標準の一方のみを使用して動作し得る。
【0027】
ゲストエンゲージメントシステム10は、施設中に取り付けられ、ゲストのメダリオン11と無線通信するように構成されたセンサ15のセンサネットワーク13を含む。ネットワーク13のセンサ15は、例えば、メダリオン11によって発せられたビーコン信号又は他の信号を検出することにより、ゲストの所在地(又はセンサ15との近接)を感知するために使用され得る。センサ15は、メダリオン11との双方向通信に携わってメダリオン11に情報を送信し、それから情報を受信することもできる。センサ15はまた、システムの特定のインタフェースデバイス17又はインタフェース機能、例えばドアロック17a、自動ドア又は回転式の入口、自動販売機17b、キャッシュレジスタ、スロットマシン、対話式ディスプレイ17c又はポータル17d等に位置付けられるか又は他にそれに関連付けられ得る。幾つかの状況では、センサ15がインタフェースデバイス17内に取り付けられ、他の状況では、インタフェースデバイス17に関連付けられたセンサ15がインタフェースデバイスの付近に取り付けられる。例えば、スポットライトセンサは、インタフェースデバイス17と相互作用するユーザが通るであろう場所の上方(例えば、インタフェースデバイス17の真正面及びそれから1フィートの範囲の位置の上方)に配置して、インタフェースデバイス17の真正面でそれに近接しているユーザのメダリオンによって発せられたビーコン信号のみを感知するようにすることができる。特定のインタフェースデバイス17又はインタフェース機能に関連付けられた場合、センサ15は、メダリオン11との双方向通信に携わり、デバイスとメダリオンとの間の安全な通信チャネルを提供して、例えば特定のゲストのメダリオンの安全な認証に基づくドアロックの自動解除を提供し得る。
【0028】
ゲストエンゲージメントシステム10は、BLE対応の移動機器、タブレットコンピュータ又は対話式ディスプレイ等のエンドデバイスを利用して、メダリオン11の感知(及びそれとの通信)を通じてゲストにサービスをさらに提供することができる。エンドデバイスを使用して提供されるサービスは、センサネットワーク13及びサービスを提供するためのインタフェースデバイス17のセンサ15を使用して提供される上述のサービスに加えて提供できる。以下にさらに詳細に説明するように(例えば、
図9の記述を参照されたい)、エンドデバイスを通じて提供されるサービスは、とりわけ、測位サービス(エンドデバイスがメダリオンのビーコン信号を感知し、感知されたメダリオン及び位置をシステムサーバ21に報告することに基づくメダリオンの測位を含む)及びメダリオンに各種の動作モード(例えば、スリープ、ビーコン及び双方向モード)に又はそれから切り換えさせることを含み得る。
【0029】
ゲストエンゲージメントシステム10は、センサのネットワーク13、インタフェースデバイス17及びメダリオン11に無線で、ゲストエンゲージメントシステム10と関連する施設中に提供された各種のセンサ15を介して通信可能に接続された1つ又は複数のサーバ21も含む。1つ又は複数の通信ネットワーク19は、システム10の各種の要素間の通信能力を提供する。1つの例において、ゲストエンゲージメントシステム10は、ゲストのメダリオンを認証し、暗号化及び解読サービスを提供するために使用される少なくとも1つの認証サーバを含む。システムは、ゲスト情報(例えば、ゲストの予約)のデータベースを記憶する1つ又は複数のサーバ、支払取引サーバ(例えば、ゲスト料金請求情報を含む)及び位置情報(例えば、施設内のセンサ15の位置及び施設全体及び他の場所のメダリオン11の位置)等をさらに含むことができる。
【0030】
ここで、ゲストエンゲージメントシステム10の各種の構成要素の詳細な説明を、添付の図面を参照しながら提供する。説明は、システムの構成要素の例示的な実施形態に焦点を当てており、構成要素及びシステムの属性及び機能の範囲を限定しない。
【0031】
システムでは、センサ15の2種類の構造を使用できる。1つの例において、ゲストエンゲージメントシステム10内の各個別センサ15は、プロセッサとメモリとを含み、これらは、少なくとも部分的にセンサ15の動作を制御する。このような例において、各センサは、加えて、センサ15を通信ネットワーク19に通信可能に接続するための通信ポートを含むネットワークトランシーバを含み得る。ネットワークトランシーバは、イーサネット(登録商標)、Wifi又は他の適当なトランシーバであり得る。
【0032】
代わりに又は加えて、ゲストエンゲージメントシステム10は、施設中に分散され、センサ15をそれに直接接続させるように動作可能なセンサネットワーク周辺機器14を含み得る。このような例において、
図1Bは、ゲストエンゲージメントシステム10のセンサネットワーク13のより詳細な図を示す全体的なブロック図を提供し、センサ15を通信ネットワーク19に接続するために使用されるセンサネットワーク周辺機器14を示す。特に、図に示されるように、センサネットワーク13のセンサ15のそれぞれは、それぞれのセンサネットワーク周辺機器14に直接接続され、それぞれ対応するセンサネットワーク周辺機器14から電源を受け取り、その制御下で動作する。次に、センサネットワーク周辺機器14は、通信ネットワーク19に接続され、ネットワーク19を通じてサーバ21と通信する。
【0033】
各センサネットワーク周辺機器は、一般に、「イーサネット」、Wifi又は他の適当なネットワークトランシーバ等、通信ネットワーク19と通信するためのネットワークトランシーバを含む。各センサネットワーク周辺機器14は、少なくとも1つの関連するセンサ15で接続するための少なくとも1つのポートをさらに含む。例えば、センサネットワーク周辺機器14は、典型的に、1つ又は複数の通信バスを含み、それを通じて複数のセンサ15又は他のデバイスを接続できる。例えば、センサネットワーク周辺機器14は、2つのバスを含み得、各々が1つの例において最大16のセンサ15を接続するように動作できる。これらの接続を通じて、センサネットワーク周辺機器14は、センサ15によって捕捉された感知情報を通信ネットワーク19及びサーバ21に送り、通信ネットワーク19及びサーバ21からの制御又は通信をセンサ15に送り返す役割を果たす。センサネットワーク周辺機器14は、さらに、センサ15がメダリオン11から受信したデータ又は他の通信を通信ネットワーク19及びサーバ21に送り、通信ネットワーク19及びサーバ21からの制御又は通信を、センサ15を介してメダリオン11に送り返し得る。
【0034】
各センサネットワーク周辺機器14は、プロセッサとメモリとを含み、それに接続されたセンサ15の動作を制御するように動作可能である。特に、センサネットワーク周辺機器14の使用により、ゲストエンゲージメントシステム10は、センサ15が最小限のオンボード処理パワー及びメモリを有する(又は全く有さない)状態で、及びセンサ15がシステムの初期据付け中に最小限のコンフィギュレーションのみを必要として機能できるようにすることができる。特に、センサネットワーク周辺機器14の使用を通じて、個別センサ15は、センサ15が通信ネットワーク19上でそれ自体を識別し、ネットワーク19上でそれぞれの各センサ15によって送信されたデータを、それぞれのセンサ15から生じたものとして識別するために使用する個々のネットワーク識別子(例えば、固有のネットワークアドレス)を記憶する必要がない。代わりに、センサネットワーク周辺機器14は、それに接続されたセンサ15から受信したデータを、ネットワーク19にわたって通信するためにパッケージするように構成され、特にそれぞれの各センサ15から受信したデータに、それぞれのセンサ15に関する識別子を関連付けるように構成される。センサネットワーク周辺機器14は、センサ15からのデータを、ネットワーク19にわたる通信のためにパケット化するようにさらに構成される。加えて、個別センサ15は、ネットワーク19上で通信するように動作可能である必要はなく、それぞれの各センサ15は、ネットワーク19にわたって通信されるパケットからそれぞれのセンサ向けのパケットを識別し、処理するのに十分な処理パワーを有する必要がない。代わりに、センサネットワーク周辺機器14は、ネットワーク19にわたって通信されたデータを処理し、それぞれのセンサネットワーク周辺機器14及び/又はそれに接続されたセンサ15向けのパケットを識別し、そのパケットに含まれる命令を処理し、処理された命令に従ってそれに接続された適当なセンサ15を制御するように構成される。
【0035】
上述のように、センサネットワーク周辺機器14の使用により、無線ゲストエンゲージメントシステム10は、ネットワーク通信回路構成を含み、処理パワー及びメモリを全く含まないか又は最小限のみ含む低コストのセンサ15を使用して動作することが可能となる。加えて、センサネットワーク周辺機器14の使用により、無線ゲストエンゲージメントシステム10が動作し、それを開始するのに個別のネットワーク識別子を各センサ15に割り当てなくてよく、及び/又はシステム内の各個別センサ15に個別のネットワーク識別子を割り当てなくてよいように構成できる。代わりに、無線ゲストエンゲージメントシステム10は、複数のセンサ15を、施設中に位置付けられている近くのセンサネットワーク周辺機器14に直接接続し、通信ネットワーク19を通じてサーバ21と通信するようにセンサネットワーク周辺機器14を構成することによって動作するように構成できる。
【0036】
上記の説明は、センサネットワーク周辺機器14が、メダリオン11の存在を感知し、及び/又はそれと通信するように構成されたセンサ15に直接接続されていることに焦点を当てたものであるが、センサネットワーク13とセンサネットワーク周辺機器14とは、より一般的には、他の種類のセンサ又はデバイス(
図1Bでは概して番号16で示されている)もサポートできる。具体的には、センサネットワーク13とセンサネットワーク周辺機器14とは、通信ネットワーク19を通じて他のセンサ又はデバイス16の動作を制御し、それからの感知データを送るために使用できる。センサ又はデバイス16は、煙又はCO(一酸化炭素)センサ、赤外線又は占有センサ、フォトダイオード又は光センサ、温度及び/又は湿度センサ等のセンサを含み得る。他のセンサ又はデバイス16は、スピーカ及び/又はマイクロフォン(例えば、場内アナウンス(PA)システムの部品)、アンテナ又はコントローラ(例えば、通風孔又は日よけを開閉するため)、スイッチ又はリレイ(例えば、照明、暖房、換気、電源のオン/オフを切り替えるため)及びカメラ(例えば、セキュリティシステムの一部として)等のデバイスも含むことができる。センサネットワーク周辺機器14は、自動販売機17b、対話式ディスプレイ17c及び本明細書を通して記載されている他のインタフェースデバイス17内に取り付けられたセンサをサポートするようにさらに構成できる。
【0037】
センサネットワーク周辺機器14によって提供される機能は、無線ゲストエンゲージメントシステム10の他の構成要素に組み込むこともできる。特に、センサネットワーク周辺機器14の機能は、プロセッサ、メモリ及び通信ネットワーク19にわたって通信するためのネットワークトランシーバを含む構成要素に組み込むことができる。例えば、
図1Bに示されるように、ドアロック17aと共に提供されるアクセスパネル705は、センサネットワーク周辺機器14として使用されるように構成され得る。アクセスパネル705は、
図7A~7Iに関連して後にさらに詳細に説明されることに留意されたい。
図1Bの例では、アクセスパネル705は、1つ又は複数のセンサ15をそれに接続するための少なくとも1つのポート及び/又はバスを含むことができ、アクセスパネル705は、センサネットワーク周辺機器14に関連して前述したセンサ15の動作をサポートするように構成され得る。
【0038】
前述のように、ゲストデバイス11は、
図2Aに示される例示的なメダリオン11等のメダリオン11の形態をとることができる。図のように、メダリオン11は、外径約1.25インチ(0.75~2.5インチの範囲)、厚さ約3/8インチ(1/8~5/8インチの範囲)及び重量約1.8オンス(1.2~2.4オンスの範囲)のトークンの形態をとる。
【0039】
メダリオン11は、ゲスト12が装着する異なるアクセサリに挿入可能に構成される。アクセサリにより、メダリオン11をゲスト12に確実に取り付けて、ゲストが自らのメダリオンを不注意に紛失したり、又は置き忘れたりしないことを確実にすることができる。
図2Bは、例示的なアクセサリ201を示し、これは、リストバンド又はブレスレットの形態をとる。ネックストラップ、ペンダント、キーチェーン、ネックレス、ベルトバックル、水着(例えば、ビキニのリング)及びボディピアス等、他の種類のアクセサリも使用でき、それらの幾つかが
図4A~4Fに示されている。メダリオン11は、リストバンド型アクセサリ201の、メダリオン11を受ける形状及び大きさの空洞に挿入されるように構成される。図のように、メダリオン11は、リストバンド型アクセサリ201の後面を介して、すなわちユーザに対向するように設計されたアクセサリ201の面、例えばリストバンドが装着されたときにユーザの手首と接触するように設計されたリストバンドの内面を介して挿入される。メダリオン11は、アクセサリ201がユーザによって装着されるとき、アクセサリ201から気付かないうちに滑り落ちることがあり得ない。特に、
図2Cに示されるように、メダリオン11を受けるように構成されたアクセサリ201の空洞は、テーパ形状とされ、そのため、斜めの又は面取りされた縁部を有することができ、それにより、メダリオン11は、アクセサリ201の空洞に挿入することができるが、空洞を通過してその前面を通ってアクセサリ201から出ることがあり得ない。
図2Cの例において、縁は、直角の縁部に対して約3度で斜めにされる(前又は裏面に対して87度の角度に対応する)。詳細には、
図2Cの例の空洞は、円柱形状を有さなくてもよく、代わりにテーパ形状、例えば円形の基部と、円形の基部に対して所定の角度(例えば、直角の縁に対して3度(+/-1度)で、87度の角度(86~88度の範囲)に対応する)で斜めにされた縁部を有する円錐を輪切りにした錐台の形状とを有し得る。角度は、空洞の後方/下側開口が前方/上側開口より大きく、それによってメダリオン11が空洞を通過しないようなものである。
【0040】
同様に、メダリオン11は、その外周面に沿った角度の付いた縁部を有するテーパ形状であり得、縁部は、これも
図2Cに示されているように、空洞のものと等しい所定の角度(例えば、直角の縁部に対して3度(+/-1度)で、前面又は裏面に対して87度(86~88度の範囲)の角度に対応する)で斜めにされ得る。メダリオンの斜めの縁部は、メダリオンが、メダリオン11の前/上面11aにおいて、メダリオン11の裏/下面11bに対して小さい寸法(例えば、より小さい直径)を有するようなものである。そのため、メダリオン11の斜めの縁部とアクセサリ201の空洞との組合せは、メダリオンが、メダリオン11の前面11aが外側に面し、裏面11bが後方に面するようにのみアクセサリ201内に配置できることが確実となる。加えて、メダリオン11は、空洞よりわずかに小さい大きさであり、メダリオン11を空洞内に容易に適合でき得る。例えば、メダリオン11は、空頭の内寸/内径より0.75mm(例えば、0.5~1mmの範囲)小さい外寸、例えば外径を有し、メダリオンが空洞と完全に整列しておらず、及び/又は空洞に対して傾いている場合、メダリオン11を空洞内に挿入できないことを確実にし得る。
【0041】
要約すれば、メダリオンは、それにより、以下の特徴によってアクセサリ201に容易且つ確実に連結することができる。メダリオン11は、斜めの縁部を有し、これは、メダリオンの「前」面から「後」面に所定の角度(例えば、3度)で傾斜して、アクセサリ201の、逆に形成された斜めの縁部と整列する。斜めの縁部の設計により、メダリオンをアクセサリの「後方」側に挿入することにより、メダリオン11をアクセサリと整列させることができる。メダリオン11は、アクセサリ201の後方からのみ挿入するか又は取り出すことができるため、メダリオンがアクセサリ201内にあるとき、メダリオン11をアクセサリ201から外すのに必要な力は後方に向けられ、そのため、アクセサリ201を装置しているゲストの体と反対(及び/又は他の面と反対で、メダリオンが容易に外れることを防止する)である。そのため、メダリオン11は、アクセサリが装着されているときに201、アクセサリ201から簡単に外れないか又は取り外すことができない。
【0042】
上記の説明は、メダリオン11が円形の形状を有し、対応する空洞も円形の形状を有することに焦点を当てたものである。しかしながら、本開示は、このようなメダリオン及び空洞に限定されない。より一般的に、メダリオン11及びアクセサリ内の対応する空洞は、楕円若しくは他の丸い形状又は正方形、長方形若しくは他の角形状(例えば、三角形、五角形、六角形等)を有し得る。何れの場合も、メダリオンの「前」面から「後」面に所定の角度(例えば、3度)で傾斜され、メダリオン11をアクセサリ201の後方から挿入するか又は取り外すことができないことを確実にする、斜めの縁部を含むテーパ形状を有し得る。このような場合、メダリオン11は、実質的に同様の(又は同一の)形状で異なる寸法を有する前及び後面を有し、メダリオン11にテーパ形状を付与し得、アクセサリの空洞は、同様に、実質的に同様の(又は同一の)形状で異なる寸法を有する前方及び後方開口を有し、空洞にテーパ形状を付与し得る。
【0043】
加えて、メダリオン11とアクセサリ201とは、磁石を含むことができ、これは、メダリオン11がアクセサリ201の空洞との所定の回転方位に自動的に位置決めされることを確実にする(例えば、アクセサリ201内のメダリオン11の自己整列)ために使用される。磁石は、加えて、メダリオン11とアクセサリ201との間の磁気接着を提供し、メダリオン11がアクセサリ201から緩む可能性を低下させる。この目的のために異なる数の磁石を使用できる。例えば、2、3、4若しくは5つ又はそれを超える磁石を使用できる。磁石は、メダリオン11及び空洞の周辺に沿って均等に離間され得、又はより一般的には、メダリオン11がアクセサリの空洞内に所望の向きで挿入されたとき、メダリオン11に取り付けられた各磁石が空洞の周辺に取り付けられた対応する磁石と整列するように選択された、周辺に沿った所定の位置において離間させることができる。
【0044】
図2Dに示されるように、4つの磁石をアクセサリ201の、メダリオン11に提供された4つの磁石と整合する位置に提供して、メダリオン11が常にX及びY軸内の正しい位置に向くようにすることができる。特に、
図2Eに示されるように、反対の極性の磁石をメダリオン11及びアクセサリ201の各位置に提供して、自動的にメダリオン11をアクセサリ201に対する特定の回転向きに整列させることができる。例えば、
図2Eの磁石連結機構において、メダリオン11及びアクセサリ201の上側(例えば、
図2Dに示される向きにおける「上側」)の磁石は、メダリオン11及びアクセサリ201の下側(例えば、
図2Dに示される向きにおける「下側」)の磁石に対して反対の極性を有し、メダリオン11を
図2D及び2Eに示される向きに対して回転方向に上下逆に挿入できないようにする。この特徴は、
図2B及び2Cに関して詳細に説明した斜めの縁部と共に、メダリオン11を1つの向きでのみ(又は優先的にその向きで)アクセサリ201に挿入できることを確実にする。
図3Aに示されているように、メダリオン11は、金属の外側リム及び金属の外側リムの内部に配置されたプラスチック本体を有することができる。メダリオン11に含まれる電子機器は、プラスチックの本体内に取り付けられる。金属の外側リムは、少なくとも1カ所で中断されて開放リングを形成し、結果的に生じたギャップ内にプラスチック又は他の非導電性スペーサを含む。例えば、
図3Aの実施形態において、金属の外側リムは、2つの別々の半円形の金属筐体で形成され、これは、メダリオン11の外側リムに沿って配置されたときに2つの正反対のギャップによって相互から分離される。金属の外側リム(又は金属の外側リム部品間)のギャップにより、金属の外側リムの周囲に渦電流が流れ得ないことが確実となり、それにより、渦電流の流れによってメダリオン11の無線通信能力が大きく減衰されないことが確実となる。或いは、
図3Eに示されるように、円形の金属筐体は、1つ又は複数のギャップを含むことができ、これらに射出成形されたプラスチックが充填される。また、
図3Eに示されるように、円形の金属筐体は、
図2D~2Eに関して上述したもののような磁石を配置するための陥入部を含むことができる。一般に、金属の外側リムは、非磁性材料で形成され、例えば光沢仕上げのアルミニウムで形成できる。
【0045】
図3Bに示されるように、金属の外側リムの同様のギャップをアクセサリ201に含めることもできる。詳細には、アクセサリ201が金属であるか、又はメダリオン11を格納するように構成された空洞の周辺に沿って金属構成要素を含む実施形態において、アクセサリ201は、空洞の金属の外側リムにギャップを含む。金属の外側リム(又は金属の外側リム部品間)のギャップにより、金属の外側リムの周辺に渦電流が流れ得ないことが確実となり、それにより、渦電流の流れによってアクセサリ201に格納されるメダリオン11の無線通信能力が大きく減衰されないことが確実となる。メダリオン11及びアクセサリ201の金属の外側リム内のギャップの適正な機能を確実にするために、メダリオン11とアクセサリ201とのギャップは、メダリオン11がアクセサリ201に取り付けられたときに整列するべきである。具体的には、ギャップの整列により、メダリオン11及びアクセサリ201の外側金属リムが相互に接触していても、金属リムが共同でメダリオン11の電子機器の周囲に金属の閉ループを形成しないことが確実となる。ギャップの整列を確実にするめために、
図2D及び2Eに関して前述したもののような磁石を使用して、アクセサリ201内のメダリオン11の所望の回転方向の整列を提供できる。磁石の形状及び極性は、メダリオンが、アクセサリ内において、金属の外側リム内のギャップが相互に整列した状態に(例えば、相互に隣接するか又は相互に接触するように)自動的に向けられるように配置される。
【0046】
メダリオン11内及びアクセサリ201内のギャップの幅は、メダリオン11とアクセサリ201とが完全に整列していなくても、金属の閉ループが形成されないことが確実となるように選択される。代わりに又は加えて、プラスチック等の絶縁ライナ41又は
図3C及び3Dに示される他の絶縁ライナを、メダリオン11を格納するアクセサリ201の空洞の内面に沿って提供できる。絶縁ライナ41は、空洞の円周全体に沿って延びることができ、又は絶縁ライナ41は、メダリオン11がアクセサリ201内に所望の向きで取り付けられたとき、メダリオン11の金属の外側リムのギャップと接触するように位置付けることができる。絶縁ライナ41により、メダリオン11及びアクセサリ201の金属の外側リム内のギャップ間を絶縁することにより、アクセサリ201の金属のリムがメダリオン11の金属の外側リム内のギャップにわたる短絡回路を形成しないことが確実となる。
【0047】
図2Bに示されるように、アクセサリ201は、リストバンドの形態をとることができる。しかしながら、他のアクセサリフォーマットも使用できる。例えば、
図4A~4Eは、その中にメダリオン11を挿入するように構成された様々な他の種類のアクセサリを示す。これに関して、
図4Aは、スポーツバンド型アクセサリを示し、これは、スポーツバンド(例えば、シリコーン製)、スポーツバンド内に適合し、磁石を保持するための陥入部を含む保持リング(例えば、ステンレススチール製であり、非導電性材料31が充填されたギャップを含む)及びバンドをユーザの手首の周囲で閉じるように設計された2部式金具を含む。保持リングは、その中央において、メダリオン11を解放可能に格納するように構成された空洞を含む。
図4Bは、クリップ(例えば、アルミニウム製)を示し、これは、メダリオン11を解放可能に格納するように構成された空洞を含み、空洞の周辺に沿って、非導電性材料31が充填されたギャップもさらに含む。クリップは、幾つかの例ではキーチェーンに取り付けられ得る。
図4Cは、カフ(例えば、ナイロン製)を示し、これは、カフ内に適合し、磁石を保持するための陥入部を含む保持リング(例えば、ステンレススチール製であり、プラスチック等の非導電性材料が充填されたギャップを含む)を含む。保持リングは、その中央において、メダリオン11を解放可能に格納するように構成された空洞を含む。
【0048】
図4Dは、ブレスレット(例えば、ステンレススチール製であり、非導電性材料31が充填されたギャップ32を含む)、及びブレスレットに適合し、磁石を保持するための陥入部34を含む保持リング33(例えば、ステンレススチール製であり、非導電性材料31が充填されたギャップを含む)を示す。保持リングは、その中央において、メダリオン11を解放可能に格納するように構成された空洞を含む。
図4Eは、ペンダント(例えば、ステンレススチール製であり、非導電性材料31が充填されたギャップ32を含む)、及びペンダントに適合し、磁石を保持するための陥入部を含む保持リング33(例えば、ステンレススチール製であり、非導電性材料31が充填されたギャップを含む)を示す。保持リングは、その中央において、メダリオン11を解放可能に格納するように構成された空洞を含む。幾つかの例において、ペンダントは、ゲストが装着するために装飾的チェーンに取り付けられるように構成される。他の例では、ペンダントは、キーチェーン又は他のアイテムに取り付けられるように構成される。最後に、
図4Fは、時計型バンドを使用して装着されるように構成されたマウントを示す。マウント(例えば、ステンレススチール製であり、非導電性材料が充填されたギャップを含む)は、マウントに適合し、磁石を保持するための陥入部を含む保持リング(例えば、ステンレススチール製であり、非導電性材料31が充填されたギャップを含む)を有する。
【0049】
図4A~4Eに示されるアクセサリは、メダリオン11をその中に取り付けることのできるアクセサリの非限定的な例である。しかしながら、ネックストラップ、ペンダント、キーチェーン、ネックレス、ベルトバックル、水着(例えば、ビキニのリング)及びボディピアス等を含む他の種類のアクセサリも使用され得る。
【0050】
メダリオン11の上記の説明は、
図5Aに示されるメダリオン等、メダリオン11の外的属性に焦点を当てたものである。具体的には、
図5Aは、例示的なメダリオン11の上面、下面及び側面図を示す。
図5B~5Eの以下の説明は、メダリオンの各種の実施形態の内的構造を詳細に示す。
【0051】
図5B、5C、5D及び5Eに示されているように、メダリオン11の様々な実施形態は、磁石501と、下キャップ503と、フォームフィラー505と、バッテリアセンブリ507(例えば、CR2025バッテリ)と、絶縁薄膜スペーサ509と、プリント回路基板アセンブリ(PCBA)511と、BLEアンテナ513(例えば、J字形BLEアンテナ)と、NFCアンテナ515(例えば、巻線コイルアンテナ)と、金属筐体517(例えば、アルミニウム製)と、上キャップ519とを含む。BLEアンテナ513は、PCB 511の上面にはんだ付けすることができる一方、NFCアンテナ515は、ポゴピンによってPCB 511に接続することができる。
図5Eの実施形態において、NFCアンテナ515は、耐久性のためにシリコーンでコーティングされる。
図5Bに示されるように、磁石501は、上キャップ519(又は代わりに下キャップ503)に提供された陥入部内に適合し、陥入部によって所定の場所に保持され得る。代わりに、
図5Eに示されるように、磁石501は、NFCアンテナ515のシリコーンコーティング中に提供された陥入部内に適合し得、陥入部によって所定の場所に保持され得る。
【0052】
図5B、5D及び5Eの実施形態において、金属筐体517は、下及び上キャップ503及び519から個別に製造される。金属筐体517は、アルミニウム又は他の金属で製作され得る一方、下及び上キャップ503及び519は、プラスチックで製作され得る。それに対して、
図5Cの実施形態において、上キャップ519は、金属筐体517と一体に形成される。例えば、
図5Cの実施形態において、上キャップ519と金属筐体517とは、金属を含む材料のブロック及びブロック内に配置されたプラスチック材料から機械加工され得、それにより、機械加工後、上キャップ519は、プラスチック又は他の絶縁材料が充填された1つ又は複数のギャップによって中断される、その外周面に沿って配置された開放金属リング(例えば、517)を有する。加えて、機械加工後、上キャップ519は、プラスチック(又は絶縁性)の中心を有する。この目的のために、機械加工に使用される材料のブロックは、プラスチック含浸金属であり得る。
【0053】
図5F及び5Gは、メダリオン11において使用されるPCBアセンブリ511の詳細図を示し、これは、PCBの上面に取り付けられたJ字形BLEアンテナを詳細に示す。
図5Fに示されるように、J字形BLEアンテナは、プレス-カット加工されたスチールで形成され、曲げ加工されたタブを含み、PCB上に配置するためのアラインメントピンを含むことができる。ピンは、接地及び給電パッドとの接続も提供し得る。
図5Gに示されるように、J字形BLEアンテナは、レーザダイレクトストラクチャリング(LDS)プロセスを使用して、金属メッキされた射出成形プラスチック部品として形成でき、PCB上の配置及びアラインメントにおいて使用するための成形部品の底部スナップ手段を含み得る。
【0054】
J字形BLEアンテナの詳細部の概略図が
図5H~5Lに提供されている。
図5H~5Kは、それぞれ正面、側面、後面、下面図から提供されるBLEアンテナの詳細部の概略図を示し、
図5Lは、BLEアンテナの斜視図を提供する。アンテナの寸法及び寸法の設計許容値は、図においてミリメートル(mm)で提供される。提供される寸法は、例示的であり、BLEアンテナは、BLEアンテナ要素がその中で使用されることになる特定の用途に応じて、示されている寸法に対して拡大又は縮小できる。図に示される実施形態において、アンテナの寸法は、例えば、放射要素の全体の長さを2.4GHzで約1/4波長に設定することにより、アンテナ全体の長さによってアンテナが2.4GHz範囲の所望の周波数で共鳴できるように設定される。さらに、J字形アンテナの曲率半径は、その中にアンテナが位置付けられるメダリオンの空洞によって設けられるスペース面の制約内でアンテナの曲率半径を最大にする一方、アンテナがメダリオンの金属の外側リングと接触しないように設定され得る。
【0055】
J字形BLEアンテナが、レーザダイレクトストラクチャリング(LDS)プロセスにより、金属めっきされた射出成形プラスチックとして形成される実施形態において、後面(
図5Jに示される)は、射出成形プラスチック部品から形成され得、前面(
図5Hに示される)は、実質的に全体が金属でめっきされ得る。前面上に形成された金属めっきは、後面まで延び得、特に
図5Jにおいてグレーのシェーディングで示された後面の部分まで延び得る。特に、金属めっきは、J字形アンテナの上縁521に沿ってアンテナの後面まで延び得、それにより、PCBA 511の接地端子に電気的に接続されるアンテナ接地端子が提供される。金属めっきは、J字形アンテナの、アンテナの後面に向かう側面突出部523にさらに延び得、それにより、PCBA 511に電気的に接続されるRF信号端子が提供される。動作中、PCBA 511は、このようにして、接地端子(521)とRF信号端子(523)との間に信号を印加することにより、アンテナを使用してBLE信号を発し得、これらの端子で信号を感知することにより、アンテナを使用してBLE信号を受信し得る。
【0056】
加えて、
図5Iに示される断面図に示されるように、J字形アンテナは、アンテナ要素PCBA 511の接地面より高い位置まで上昇させるために使用される2つの屈曲点を含む非平面の輪郭形状を有する。アンテナ要素を接地面より高く離間させることにより、アンテナ要素は、より多くのRFエネルギーを放出できる。最後に、J字形アンテナのコーナ部は、レーザトリミングにより、直角(90度)にして周波数の微調整が可能となるよう形成できる。
【0057】
図6は、メダリオン11の機能的構成要素を示すブロック図である。マイクロプロセッサ603、メモリ601、トランシーバ607及び609及びセンサ605を含む
図6に示される構成要素は、
図5B~5Eに示されるPCBA 511の部品を形成する。
【0058】
図6に示されるように、メダリオン11は、メモリ601と、マイクロプロセッサ603と、加速度計等の任意選択によるセンサ605と、1つ又は複数のトランシーバ607、609及び関連するアンテナ513、515と、バッテリ507とを含む。構成要素は、PCBA 511のPCBに統合される回路によって相互に通信可能及び/又は電気的に接続され得る。特に、メモリ601は、マイクロプロセッサ603に通信可能に接続され、それにより、メモリ601に記憶された機械実行可能なプログラミング命令は、マイクロプロセッサ603によって実行されて、本開示の全体に記載されているもの等の機能をメダリオン11に実行させることができる。プログラミング命令に加えて、メモリ601は、ゲストエンゲージメントシステム10によって使用される固有の識別子を記憶して、各メダリオンを一意的に識別する。メモリ610は、暗号化及び解読キー並びに暗号化されたデータも記憶できる。例えば、1つの例において、メモリは、メダリオンを一意的に識別し、メダリオンによって発せられるビーコン信号内で放送されるメダリオン11のための公開識別子と、同じくメダリオンを一意的に識別し、メダリオンを安全に認証するために使用される(例えば、支払で使用するため又はドアを開錠するため)秘密識別子との両方を記憶する。加えて、マイクロプロセッサ603は、加速度計センサ等の1つ又は複数の任意選択によるセンサ605及び1つ又は複数のトランシーバ607、609に通信可能に接続される。
【0059】
前述のように、メダリオンは、ゲストエンゲージメントシステム10との無線通信のために構成された少なくとも1つのトランシーバ及び関連するアンテナを含む。図のように、メダリオン11は、それぞれ異なる通信標準に従って動作する2つのトランシーバを含む。この例において、第一のトランシーバ607は、BLE標準に従って動作し、BLE通信に使用される、それに関連するアンテナ513に接続される一方、第二のトランシーバ609は、NFC標準(例えば、無線周波数識別(RFID)標準)に従って動作し、NFC通信に使用される、それに関連するアンテナ513に接続される。
図6では、各トランシーバは、専用アンテナを有するように示されているが、幾つかの実施形態では、2つ以上のトランシーバが同じアンテナを共有し得る。
【0060】
上で詳細に述べたように、BLEトランシーバ及びアンテナは、メダリオン11により、ゲストエンゲージメントシステム10が位置を特定し、ゲストを識別してそのゲストにサービスを提供することができるようにする周期的ビーコン信号を発するために使用される。BLEトランシーバ及びアンテナは、安全な通信のためにも使用できる。しかしながら、BLEトランシーバ及びアンテナの動作は、一般に、バッテリ507が動作のために十分な電源をメダリオン11に提供することを必要とする。バッテリ507の充電レベルが閾値未満に下がり、及び/又はバッテリ又はBLEトランシーバが故障すると、メダリオン11は、BLE信号を使用して通信することができないことがあり得る。このような状況では、メダリオンは、それでも受動NFC/RFIDデバイスとして動作できる。特に、受動NFC/RFIDデバイスとして機能するために、メダリオンは、動作のためにバッテリからの電源を必要としない。代わりに、メダリオンは、NFCアンテナを通じて、アンテナ内の電流を誘導する無線周波数信号から取得された電力に基づいて動作する。受動NFC/RFIDデバイスとして動作する場合、メダリオンは、RFID問い合わせ信号又はアンテナ内に十分な電流を誘導する他の信号を受信することに応答して、メダリオンの固有の識別子を含む信号を送信するように構成され得る。ゲストエンゲージメントシステム10は、そのため、ゲストのメダリオンがそのバッテリからの十分な動作電力を受信しなくても、ゲストに限定的なサービスを提供し得る。
【0061】
バッテリ507がBLEトランシーバの動作のための十分な電力を提供すると、メダリオン11は、3つの異なる動作モードを使用して動作するように構成される。具体的には、メモリ601は、プログラミング命令を記憶し、これは、マイクロプロセッサ603によって実行されると、メダリオン11を、3つの動作モードの選択された1つに従って動作させる。当初、メダリオン11がバッテリ507によって電源供給されて初めて作動されるとき、メダリオン11は、スリープ動作モードで動作する。スリープ動作モードは、非常に低消費電力の動作モードであり、これは、バッテリの電力を保存する。スリープ動作モードでは、メダリオン11は、認識されたゲストエンゲージメントシステム10からネットワークアドバタイズメントがないかを定期的にチェックし、認識されたゲストエンゲージメントシステム10からアドバタイズメントが受信されない限り、スリープ動作モードのままである。スリープ動作モードでは、メダリオンは、定期的なスケジュール、例えば30秒ごと、1分ごと又は5分ごと等によってネッワークアドバタイズメントがないかをチェックする。定期的なチェック期間中にネットワークアドバタイズメントが受信されると、メダリオン11は、そのアドバタイズメントが認識されたゲストエンゲージメントシステム10に関するものであるか否かを特定し、アドバタイズメントが、認識されたゲストエンゲージメントシステム10からのものであると特定されると、メダリオン11は、双方向動作モードに切り替わる。
【0062】
双方向動作モードでは、メダリオン11は、BLEトランシーバ607及びアンテナ513を介してビーコン信号を発することと、BLEトランシーバ607及びアンテナ513を介して認識されたゲストエンゲージメントシステム10からの通信がないかをチェックすることとの両方を行うように構成される。メダリオン11は、加えて、双方向動作モードでNFCトランシーバ609及びアンテナ515を介して通信がないかをさらにチェックし得る。メダリオン11は、双方向動作モードにおいて、定期的に、例えば10msごと又は100msごと等、認識されたゲストエンゲージメントシステム10からの通信がないかをチェックする。双方向動作モードに関するより詳細な説明は、ドアロックの説明に関して後に提供する。メダリオン11は、メダリオン11が認識されたゲストエンゲージメントシステム10からの通信を受信し、動作モードをビーコン動作モードに切り換えるまで、双方向動作モードでの動作を続け得る。双方向動作モードは、スリープ動作モードより大きい電力を消費し得る。
【0063】
ビーコン動作モードでは、メダリオン11は、BLEトランシーバ607及びアンテナ513を介してビーコン信号を発するように構成される。任意選択により、メダリオンは、BLEトランシーバ607及びアンテナ513を介して、認識されたゲストエンゲージメントシステム10からの通信がないかを定期的にチェックし得るが、チェック時間周期は、ビーコン動作モードでは双方向動作モードにおけるほど頻繁ではない(例えば、1秒ごと又は5秒ごと等)。その結果、ビーコン動作モードは、双方向動作モードより低い電力消費であるが、スリープ動作モードより高い電力消費に関連付けられる。ビーコン動作モード中の定期的なチェック期間は、認識されたゲストエンゲージメントシステム10から、動作モードが双方向動作モードに切り替わるような通信がないかをチェックするために使用される。
【0064】
双方向及びビーコン動作モードの両方において、定期的ビーコン信号は、メダリオン11から送信される。一般に、ビーコン信号は、メダリオンの固有の識別子を含み、定期的に(例えば、10msごと、100ms又は1秒ごと等)送信される。ビーコン信号は、認識されたゲストエンゲージメントシステム10のセンサ15によって感知され、ゲストエンゲージメントシステム10により、施設内のメダリオン11の大体の位置を特定するために使用され得る。ビーコン信号は、以下により詳細に説明するように、認識されたゲストエンゲージメントシステム10により、ゲストにサービスを提供するためにも使用される。
【0065】
メダリオン11は、認識されたゲストエンゲージメントシステム10のセンサ15と無線通信し、ゲストエンゲージメントシステムが、センサ15が取り付けられる施設のユーザ又はゲストとの自動エンゲージメントを提供することを可能にする。センサ15は、施設中に取り付けることができるが、幾つかのセンサ15は、特定のインタフェースデバイス17又はシステムのインタフェース機能に取り付けられるか又は他にこれらに関連付けられる。
図1Aに示されるように、インタフェースデバイス17は、ドアロック17a、自動ドア又は回転式入口、自動販売機17b、キャッシュレジスタ、スロットマシン、対話式ディスプレイ17c又はポータル17d等を含む。ドアロック17aの機能を提供する特定のインタフェースデバイス17について、
図7A~7Iに関して以下に詳細に説明する。
【0066】
ドアロック17aは、ゲストに対し、クルーズ船内の自らの船室、リゾートルーム又は他の立入り制限された施設(例えば、VIPラウンジ、スパ、ファットネス施設又はエレベータバンク等)に、単純にドアまで歩くこと、ハンドルに手を伸ばしてつかむこと、及びゲストのメダリオン11との無線通信に基づいて自動的に開錠されるドアを開けることによって入れるようにする。具体的には、ドアロック17aは、メダリオン11がドアの正面に(又はそれに近接して)存在することを検出し、許可されたゲスト又はサービス要員(例えば、客室係、メイド又は施設の技師)のためにドアを開錠する。加えて、ドアロック17aは、ディスプレイパネルを含むことができ、これは、ゲストに対して視覚的及び聴覚的な挨拶を提供し、ゲストの今後の行動に関するリアルタイムの情報及び/又はクルー、スタッフ若しくはそのゲストのグループの他のメンバーからのメッセージを提供できる。ドアロックディスプレイパネルは、パネルに取り付けられたカメラを含むことができ、これは、その部屋に入ろうとする無許可の人物の画像及びビデオ並びにその部屋に入るクルー、スタッフメンバー及び他の人物の画像を記録するために使用される。
【0067】
図7A~7Iは、ドアロック17aの、ゲストのメダリオン11との通信に基づいてドアを自動的に開錠する機能を提供する自動ドアロックアセンブリ700を例示的に示す。
図7Aに示されるように、自動ドアロックアセンブリ700は、船(例えば、クルーズ船)又はホテルにおいて、ゲストの部屋(例えば、船室又はホテルの客室)のドアを選択的に開錠するために使用できる。具体的には、自動ドアロックアセンブリ700は、ゲストの部屋のドアを選択的に開錠して、部屋に入ることができるようにするために使用できる。一般に、ドアは、部屋の内側からは常に開錠された状態であり、ゲストは、部屋からスムーズに出ることができる。
【0068】
自動ドアロックアセンブリ700は、
図7E、7G及び7Iにより詳細に示されているラッチアセンブリ701と、ラッチアセンブリ701を選択的に開錠するドアロックモジュール703と、ドアの付近に取り付けられたアクセスパネル705とを含む。ラッチアセンブリ701は、ラッチと、ドアのハンドル、ノブ又はドアのハンドル/ノブの機能を提供する他の機械的構成要素とを含み、一般にそれが制御するドアに取り付けられる。ラッチアセンブリ701は、ソレノイドによって制御される施錠機構等、電子的に制御される施錠及び開錠機構も含む。ラッチアセンブリ701の施錠及び開錠機構は、ドアロックモジュール703によって制御され、これは、施錠及び開錠信号を電子制御施錠機構に送信するように動作可能な電子モジュールである。ラッチアセンブリ701は、一般に、ドアを、物理的な鍵を使用して開錠できるようにする鍵式機構等の機械的な施錠及び開錠機構も含む。
【0069】
ドアロックモジュール703は、ラッチアセンブリ701、より具体的にはラッチアセンブリ701の施錠機構にワイヤ又は他の導体によって電気的に接続される。ドアロックモジュール703は、一般に、バッテリ式であり、ドアに取り付けられるが、ドアロックモジュール703は、実装に応じて異なる位置に配置できる。ドアロックモジュール703と、ラッチアセンブリ701の電子的に制御される施錠及び開錠機構との両方に電源供給するために同じバッテリが使用され得る。電子的に制御される施錠機構を制御することに加えて、ドアロックモジュール703は、アクセスパネル705と無線通信し、それからドアを開錠するための命令を受信する。
【0070】
アクセスパネル705は、ドアロックモジュール703と無線通信し、ドアを開錠するための命令をドアロックモジュール703に提供する。アクセスパネル705はまた、ゲストのメダリオン11と無線通信し、ゲストのメダリオン11に記憶された情報の安全な読取に基づいて、ドアロックモジュール703に対してドアを開錠するように命令するか否かを特定する。アクセスパネル705は、加えて、ゲストエンゲージメントシステム10の中央予約サーバ21と通信して、そのドアへのゲストのアクセス許可に関する情報を安全に読み取り、ゲストのメダリオン11から得られた情報(例えば、固有の暗号化された識別子)が、そのドアへのゲストの立入り許可のものとマッチするか否かに基づいて、ドアロックモジュール703にドアを開錠するように命令するか否かを特定する。アクセスパネル705は、バッテリ式であり得るが、アクセスパネル705は、一般に、外部電源から(例えば、パワーオーバー「イーサネット」(POE)を介して)電源を受け取る。幾つかの例において、アクセスパネル705は、例えば、Wi-Fiネットワークを介して中央予約サーバ21と無線通信する。しかしながら、一般に、アクセスパネル705は、有線ネットワーク(例えば、「イーサネット」ネットワーク)に接続され、それを通じて中央に予約サーバ21と無線通信し、それを通じて動作のための電源を受け取る。アクセスパネル705は、電線網又は発電機から受け取る電源が中断されても機能を継続できるように無停電電源(UPS)に接続され得る。
【0071】
図7C及び7Dは、例示的なアクセスパネル705の詳細図を提供する。図に示されているように、アクセスパネルは、フラットパネルディスプレイ(例えば、7’’タッチセンサ式ディスプレイ)と、内臓カメラと、BLE及び/又はNFCを介してメダリオン11と通信するための無線トランシーバ及び関連するアンテナとを含む。フラットパネルディスプレイは、その人のためにドアが開錠されるゲストに対する挨拶を提供し、その人のためにドアが開錠されないゲストに対する情報を提供し、且つ他の情報を提供するために使用できる。アクセスパネル705の他の機能は、以下により詳細に説明する。
【0072】
図7G及び7Iは、ドアハンドル/ノブ及びドアラッチ機構を含むラッチアセンブリ701の分解図を提供する。加えて、
図7Eは、ドアロックモジュール703を示し、これは、ラッチアセンブリ701のケース内に位置付けることができ、ラッチアセンブリ701の電子制御開錠機構の動作を制御する。
【0073】
加えて、
図7E、7G及び7Iに示されるように、ラッチアセンブリ701は、ドアハンドルのスピンドルに取り付けられ、ドアハンドルをラッチアセンブリ701の他の部分から電気的に絶縁するように構成された絶縁スリーブを含む。例えば、絶縁スリーブは、ドアハンドルをラッチ機構から絶縁し得る。ドアハンドルの絶縁により、ドアハンドルをドアロックモジュール703によってそのISM無線機のための通信アンテナとして使用することが可能となる。ドアハンドルの絶縁により、ドアロックモジュール703がドアのキャパシタンスをモニタし、ドアハンドルのキャパシタンスの変化を識別することもさらに可能にできる。1つの例において、ドアロックモジュール703は、ドアハンドルを公称電圧(例えば、0.05V)まで充電し、ドアハンドルの電位がゼロに戻ったことを特定することにより、ドアハンドルの電位の変化を測定する。ドアロックモジュール703によって実行されるキャパシタンスのモニタにより、ドアロックモジュール703は、人がドアハンドルに触るか、接触するか、又はそれに接近した(例えば、数センチメートル未満)ことを特定して、人がドアハンドルに接触するか又はそれに接近したときにのみ、ラッチアセンブリ701の開錠機構を作動させるようにすることができる。
【0074】
図7Fは、代替的なラッチアセンブリ701の半透明図を示す。図のように、ラッチアセンブリは、LED状態インジケータを含み、これは、ドアハンドルの基部の周囲に配置された透明なリング状のインジケータとして示されており、ドアラッチアセンブリの状態情報を提供するために使用される。1つの例において、LED状態インジケータは、ゲストがドアを開けることを許可される場合には緑の照明を提供し、ゲストがドアを開ける許可を拒否されたときには赤い照明を提供する。
【0075】
図7Hは、ドアロックモジュール703及びアクセスパネル705の構成要素を例示的に示すブロック図である。
図7Hに示されるように、ドアロックモジュール703は、ドアロックモジュール703の動作を制御するマイクロプロセッサと、マイクロプロセッサ上で実行される命令を記憶するメモリとを含む。ドアロックモジュール703は、加えて、無線周波数(RF)、赤外線(IR)又は容量式近接センサ等のセンサを含み、これらは、ゲストの手がドアハンドルに接触するか又はそれに接近したことを特定するために使用される。ドアロックモジュール703は、加えて、アクセスパネル705との暗号化された無線通信のための、ISMバンドで動作する無線機等の短距離無線機を含む。ドアロックモジュール703は、バッテリ及び4.5Vブーストコンバータ等の昇圧コンバータによって電源供給される。
【0076】
アクセスパネル705は、アクセスパネル705の動作を制御するマイクロプロセッサと、マイクロプロセッサ上で実行される命令を記憶するメモリとを含む。アクセスパネル705は、加えて、ドアロックモジュール703との暗号化された無線通信のための、ISMバンドで動作する無線機等の短距離無線機を含む。アクセスパネル705は、バックアップ電源を提供するためのバックアップバッテリを含むことができ、一般に、「イーサネット」ケーブルで受け取った電源等、外部電源から電力を受ける電源を含む。アクセスパネル705は、加えて、BLEトランシーバ及びアンテナ並びにNFCトランシーバ及びアンテナ等、メダリオン11と通信するための1つ又は複数のトランシーバ及び関連するアンテナを含む。幾つかの例において、アクセスパネル705のアンテナは、特にアクセスパネル705のディスプレイの外縁の周囲を取り囲むように設計される。加えて又は代わりに、アクセスパネル705は、ドアの真正面で天井に配置されたスポットライトセンサ15に関連付けられ(それに接続され)得、アクセスパネル705の動作は、ビーコン信号に基づき得、スポットライトセンサ15によって検出され、ドアの真正面にいるゲストのメダリオン11から発せられる。加えて、ネットワークトランシーバにより、アクセスパネル705は、有線又は無線ネットワークにわたり、例えばゲストエンゲージシステム10の中央予約サーバ21との通信ネットワーク19にわたり通信することができる。一般に、各アクセスパネル705は、それに隣接する1つの特定のドアに関連付けられ、アクセスパネル705は、その1つのドアのドアロックモジュール703と1対1で関連付けられ、それにより、アクセスパネル705は、1つのドアの開錠のみを制御でき、ドアロックモジュール703は、そのアクセスパネル705のみからのコマンドに応答して動作する。
【0077】
動作中、ラッチアセンブリ701は、一般に、デフォルトとしてドアを施錠状態に保持する。アクセスパネル705は、アクセスパネル705の付近で動作するメダリオン11によってビーコン信号が送信された場合にそれを検出するように、BLEトランシーバ(又は関連するセンサ15のBLEトランシーバ)を作動状態に保持する。この目的のために、アクセスパネル705及び/又はその関連するセンサ15は、アクセスパネルから2~4フィートの範囲内にある、認識されたメダリオンによって送信されるビーコン信号を検出するように構成され得る。そのため、認識されたメダリオン11がアクセスパネル705及び/又はその関連するセンサ15の読取り範囲内に入ると、アクセスパネル705は、そのメダリオン11によって送信された周期的ビーコン信号を受信し始め、ドア開錠シーケンスを開始する。
【0078】
第一に、認識されたビーコン信号の受信のタイミングに基づき、アクセスパネル705は、メダリオンがゲストエンゲージメントシステム10からの通信がないかをチェックする次の期間が始まることを特定する。次に、特定された期間中、アクセスパネル705は、メダリオン11との安全な接続を開始し、それにより、アクセスパネル705は、メダリオンの固有の秘密識別子(楕円曲線暗号法(ECC)による暗号化等の暗号化を使用する)を要求することができる。固有の秘密識別子は、メダリオン11を一意的に識別する暗号化コード、例えば48バイト暗号コードの形態をとることができる。要求に応答して、アクセスパネル705及びメダリオン11は、安全な及び/又は暗号化された通信チャネルを確立し、それを通じて、メダリオンは、その固有の秘密識別子をアクセスパネル705に提供する。一般に、固有の秘密識別子は、暗号化BLE接続上で通信される。固有の秘密識別子が受信されると、アクセスパネル705は、ロック制御ユニット(LCU)を作動させ、これは、ローカルメモリに照会して、その固有の秘密識別子に関連付けられるゲスト及びメダリオン11が現時点でドアにアクセスし得るか否かを特定する。この目的のために、アクセスパネル705は、そのローカルメモリ内において、現時点及び将来的にドアへのアクセスを許可されるメダリオンの固有の秘密識別子の記録を含むホワイトリストを保持する。メダリオン11から受信した固有の秘密識別子が暗号化されている場合、LCUは、その識別子を解読し、解読された識別子がホワイトリスト上にあるか否かを特定する。その固有の秘密識別子及びメダリオン11に関連付けられるゲストが現時点でドアへのアクセスを許可されているとアクセスパネル705が特定すると(例えば、その固有の秘密識別子がホワイトリストに含まれる)、アクセスパネル705は、その表示スクリーン上に歓迎メッセージを表示して、ドアの開錠を開始する。代替形態では、受信した識別子がドアへのアクセスを許可された識別子記録に載っていないとアクセスパネル705が特定した場合、アクセスパネル705は、ネットワーク19にわたって予約サーバ21に照会し、ドアへのアクセスを許可されたメダリオン識別子に関する更新情報(存在する場合)を読み出す。次に、受信された識別子が更新情報に含まれていない場合、アクセスパネル705は、そのゲストが現時点でそのドアにアクセスすることを許可されていないと特定し、任意選択により、そのカメラを作動させてそのゲストの写真を撮影し、その写真を中央サーバ21に送信する。アクセスパネル705がその付近内に複数メダリオン11を検出した場合、アクセスパネル705は、検出された各メダリオンについて上記のステップを実行し、ゲストが選択した言語でその表示スクリーンに歓迎メッセージを表示して、ドアへのアクセスを許可されたメダリオン11に関連付けられる各ゲストを識別し、検出されたメダリオンの少なくとも1つがホワイトリスト上にあれば、ドアの開錠を開始する。
【0079】
ドアの開錠の一環として、アクセスパネル705は、そのISM無線機を作動させて、関連するドアロックモジュール703のISM無線機との安全な通信チャネルを確立する。安全な通信チャネルが確立され、ゲスト又はクルーメンバーがそのドアへのアクセスを許可されていると特定されると、アクセスパネル705は、安全なISMチャネルにわたってアーミングコード(例えば、ドア開錠許可信号)をドアロックモジュール703に送信する。アーミングコードは、例えば、128ビット高度暗号化標準(AES)を使用して暗号化されるメッセージとして送信され得る。アーミングコードを受信することに応答して、ドアロックモジュール703は、近接センサ(例えば、容量式近接センサ)を作動させて、ゲスト(又はクルーメンバー)の手がドアハンドルに接触するか又はそれに接近したことをモニタする。ゲスト(又はクルーメンバー)の手がドアハンドルに接触するか又はそれに接近したと特定されると、ドアロックモジュール703は、ラッチアセンブリ701の開錠機構(例えば、ソレノイド)を作動させる。ドアが開錠され、開かれると、ドアロックモジュール703は、そのドアが開けられたことをアクセスパネル705に通信することができ、アクセスパネル705は、次に、メダリオン11にビーコン動作モードに戻るように命令することができる。
【0080】
任意選択により、ドアロックモジュール703は、人の手がドアのハンドルに接触するか又はそれに接近したことを常にモニタすることができる。したがって、ドア開錠許可信号がアクセスパネル705から受信されず、ドアロックモジュール703が、人の手がドアハンドルに接触するか又はそれに接近したと判断すると、ドアロックモジュール703は、無許可アクセス試行信号をアクセスパネル705に送信し得る。無許可アクセス試行信号を受信することに応答して、アクセスパネル705は、そのカメラを作動させて、ドアにアクセスしようとした人物の写真を撮影し、その写真を中央サーバ21に送信する。
【0081】
メダリオン11が双方向及びビーコン動作モードの両方で動作するように構成されている実施形態において、上述のドア開錠シーケンスは、追加のステップを含むことができる。メダリオン11が双方向動作モードで動作している場合、ドア開錠シーケンスは、前述のように処理できる。任意選択により、ドアが開錠されたと判断されると、ドアロックモジュール703は、ドアが開けられたことをアクセスパネル705に通信することができ、アクセスパネル705は、次に、メダリオンがビーコン動作モードに戻り得ることをメダリオン11に通信できる。
【0082】
メダリオン11がビーコン動作モードで動作している場合、ゲストエンゲージメントシステム10は、メダリオン11に対して双方向動作モードに切り替わるように命令することにより、メダリオン11がアクセスパネル705との安全な通信チャネルを確立して、アクセスパネル705にメダリオンの固有の秘密識別子を提供することができるようにする必要があり得る。この目的のために、アクセスパネル705は、1つの例において、メダリオンからのビーコン信号の受信タイミングに基づいて、メダリオンがゲストエンゲージメントシステム10からの通信がないか否かをチェックする次の期間が始まることを特定できる。次に、特定された期間中、アクセスパネル705は、メダリオン11に対し、メダリオンに双方向動作モードに切り替わらせる通信を送信する。例えば、アクセスパネル705は、メダリオンの固有の秘密識別子の要求を送信し得、その要求を受信することに応答して、メダリオンは、周期的ビーコン信号を引き続き送信しながら、双方向モードに切り替わり得る。
【0083】
他の例において、ゲストエンゲージメントシステム10は、メダリオン11がアクセスパネル705の付近に到達する前(例えば、アクセスパネル705から2~4フィート以内となる前)に、メダリオン11を双方向動作モードに切り替わらせ得る。その例において、ゲストエンゲージメントシステム10によって提供される測位サービスは、ゲストのメダリオン11を介して施設内の各ゲストの位置をモニタする。具体的には、ゲストエンゲージメントシステム10のセンサ15のネットワーク13は、ネットワークの各センサ15においてメダリオン11から受信されたビーコン信号を継続的にモニタし、各センサ15に近接するメダリオン11を、受信したビーコン信号及びその中に含まれる公開識別子に基づいて識別する。メダリオン11の位置のモニタリングに基づき、ゲストエンゲージメントシステム10は、認識されたメダリオンが、そのメダリオン11に関連付けられる施錠されたドアに接近しているか否かを特定できる。例えば、システム10は、メダリオン11が、そのメダリオンに関連付けられるゲストがアクセスできるドアを含むホールに入ったこと、又はメダリオン11がそのようなドアへの所定の近接度(例えば、100フィート以下)に到達したことを特定し得る。この特定に応答して、ゲストエンゲージメントシステム10は、メダリオン11の通信範囲内にある1つ又は複数のセンサ15に、メダリオン11を双方向動作モードに切り替えさせるためのウェイクコマンドをメダリオン11に送信させる。
【0084】
上記の例において、ゲストエンゲージメントシステム10は、加えて、メダリオン11がアクセスできるドアのアクセスパネル705に対し、メダリオン11がそのドアに接近するとウェイクコマンドを送信し得る。ウェイクコマンドに応答して、アクセスパネルは、その読取り範囲内にあり、アクセスパネル705によって記憶される許可ユーザリスト(例えば、ワホイトリスト)上にあるすべてのメダリオン11について、そのBLEトランシーバのモニタを開始できる。
【0085】
上述の自動ドアロックアセンブリ700の機能に関する上述の説明は、BLEベースの検出及びアクセスパネル705とメダリオン11との間の通信に焦点を当てたものである。しかしながら、アクセスパネル705とメダリオン11との何れも、NFCベースの検出及び通信のために構成され、アクセスパネル705は、NFCベースの通信に基づいて関連するドアを開錠するための機能も提供する。NFCベースの通信は、特に、メダリオンのバッテリがなくなり、したがってメダリオンがBLEベースのビーコン信号を発するか又はBLEベースの通信に携わることができなくなった場合に使用できる。NFCベース通信をサポートするために、アクセスパネル705は、定期的にNFC読取信号又はNFC問い合わせ信号を発し、これは、それに近接するすべての受動NFCベースデバイスにエネルギーを供給するために使用される。メダリオン11がアクセスパネル705に近接している場合、NFC読取信号は、メダリオンのNFCアンテナ及びトランシーバを作動させ、メダリオン11に、メダリオン11のための公開識別子を含むNFCベースの応答ビーコン信号をアクセスパネル705に提供させる。受信した応答信号に基づき、アクセスパネル705は、その後、メダリオン11との安全なNFCベースの通信チャネルを確立し、上述のBLEベースの開錠プロセスと同様の(すべての通信がBLEトランシーバではなくNFCトランシーバを使用して実行される点を除く)NFCベースの開錠プロセスに基づくドア開錠を進めることができる。NFCベースの開錠プロセスは、例えば、NFC対応アクセスカード等、メダリオン以外のNFC対応デバイスを使用しても使用できる。
【0086】
インタフェースデバイス17に取り付けられたセンサ15に加えて、ゲストエンゲージメントシステム10は、施設(複数の施設)中に設置される独立型センサ15のセンサネットワーク13を含む。各センサ15は、既知の位置を有し、ネットワーク13内のセンサ15は、各センサ15によって検出される各メダリオン11のログ及び関連するタイムスタンプを作成することにより、施設内のメダリオン11の位置を追跡するために使用される。さらに、各センサ15は、その通信範囲内にあるメダリオン11との双方向通信に携わることができ、これには、メダリオン11によって送信されるビーコン及び他の信号の感知を通じたメダリオン11の感知と、メダリオン11との信号の送受信とが含まれる。独立型センサ15の例は、
図8A~8Dに示され、説明される。具体的には、
図8A及び8Bは、指向性又は無指向性センサの図を示し、
図8C及び8Dは、スポットライトセンサの図を示す。無指向性センサは、センサの周囲の全方向に広がる長い通信範囲(例えば、30~50フィート、最大100フィート以上)を有し、指向性センサも、センサの周囲の幾つかの(すべてではない)方向に広がる同様に長い通信範囲(例えば、30~50フィート、最大100フィート以上)を有する。スポットライトセンサは、調節可能な直径を有する、より短いビーム形状の通信範囲を有し、最大で7~10フィート又はそれを超えて到達でき、ビーム形状は、典型的に、センサから選択された方向において、無指向性センサより短い距離に広がる通信範囲(例えば、15フィート以下)を有する。各センサの通信範囲は、上述の最大範囲の値から下方に調整できる点に留意されたい。
【0087】
図8Aは、底板811とレイドーム801との間に取り付けられた電子部品PCB 807及びアンテナPCB 803を含む指向性又は無指向性センサの分解図を示す。アンテナPCB 803は、その上に取り付けられたアンテナ要素802を有し、これは、アンテナPCB 803の回路構成に通信可能に接続される。アンテナ要素802は、センサに指向性又は無指向性感度を付与する
図8E~8H及び8K~8Nに詳細に示されているもののような独自の形状を有する。アンテナPCB 803は、ケーブル805を通じて電子部品PCB 807と通信し、コネクタ809は、電子部品PCB 807と有線ネットワーク19との間の接続を提供する。センサ15は、施設の天井若しくは壁に又はその中に(例えば、コネクタナット813を使用して)取り付けることができ、センサに近接する(例えば、通信範囲内にある)メダリオンをモニタし、これと通信するために使用できる。
図8Bは、すべての構成要素を合わせて取り付けた場合の指向性又は無指向性センサを示す。
【0088】
図8Cは、底板811とレイドーム801との間に取り付けられた電子部品PCB 807及びアンテナを含むスポットライトセンサの分解図を示す。化粧ベース814をさらに提供することができる。アンテナPCB 803は、その上に取り付けられたアンテナ要素802を有し、これは、アンテナPCB 803の回路構成に通信可能に接続される。アンテナ要素802は、
図8I~8Jに詳細に示されている、スポットライト又はスポットビーム指向性感度をセンサに付与する独自の形状を有する。アンテナは、フォームスペーサ804がその表面に取り付けられたアンテナPCB 803と、フォームスペーサ804上に取り付けられたアンテナ要素802とを含む。アンテナPCB 803は、ケーブル805を通じて電子部品PCB 807と通信し、コネクタ809は、電子部品PCB 807と有線ネットワーク19との間の接続を提供する。センサ15は、施設の天井若しくは壁に又はその中に(例えば、コネクタナット813を使用して)取り付けることができ、センサに近接する(例えば、通信範囲及びビーム内にある)メダリオンをモニタし、これと通信するために使用できる。
図8Dは、すべての構成要素を一体に取り付けた場合のスポットライトセンサを示す。
【0089】
図8A~8Dに示されるようなセンサ内に提供されるアンテナPCB 803に取り付けることのできるアンテナ要素802の詳細な図は、
図8E~8Mに関して提供される。
図8E~8Hは、
図8A及び8Bに示されるような指向性センサにおいて提供されるアンテナ要素802の詳細図を示す。アンテナ要素802は、施設内の壁又は天井取付位置のために設計され得、アンテナの前面への直線偏向放射方向を得るための広いビーム幅を有する指向性感知能力を提供し得る。
図8E~8Gに示される上面及び側面図に示されているように、アンテナ要素802は、逆V字形を有し、これは、中心線に関して概して対称であり、2つのタブがアンテナの主表面から下方に延びて、アナンテナPCB 803に取り付けるために使用される。
図8Eに示されるアンテナ主表面は、長方形の中央部分を含み、これは、長方形の中央部分の両側から延びる対称の平行四辺形の延長部を有する。アンテナ要素802の例示的な寸法は、インチで測定され、図中に提供されている。提供されている寸法は、例示的であり、アンテナ要素802は、アンテナ要素802(及び関連するセンサ15)がそのために設計された特定の用途に応じて、示されている寸法に対して拡大又は縮小できる。特に、寸法は、アンテナの中心周波数及びインピーダンスマッチングを変化させるために選択し、調整できる。例えば、提供される寸法は、アンテナ要素802に対し、対応するPCB接地間隔及び筐体の誘電近接度を考慮したときに2.4GHzの共鳴動作周波数(ISMバンド内のBLE動作範囲内)を提供するように選択され得る。アンテナの主表面から下方に延びる下側タブは、PCB 803に電気的に接続された給電タップ及び接地タップの役割を果たし、またアンテナ要素802をPCB接地面から離れた適当な高さに保持する役割も果たす。
【0090】
図8I~8Jは、
図8C及び8Dに示されているようなスポットライト(又はスポットビーム)センサに提供されたアンテナ要素802の詳細図を示す。アンテナ要素802は、施設内の天井取付位置(又は下方に傾斜した高い箇所での壁取付位置)のために設計され得、円偏波(CP)放射を得るための高ゲイン及び指向性の狭小ビーム(すなわちスポットライト)感知能力を提供し得る。
図8I~8Jに示される上面及び側面図に示されているように、アンテナ要素802は、概して平坦な形状を有し、対向する角が正方形の辺に対して45度の角度で除かれた正方形の形状を有する。
図8I及び8Jのアンテナ要素802は、
図8Cに示されるように、フォームスペーサ804を介してアンテナPCB803に取り付けられ得る。アンテナ要素802の例示的な寸法は、ミリメートル(mm)で測定され、図中に提供されている。提供されている寸法は、例示的であり、アンテナ要素802は、アンテナ要素802(及び関連するセンサ15)がそのために設計された特定の用途に応じて、示されている寸法に対して拡大又は縮小できる。特に、寸法は、アンテナの中心周波数、軸率及びインピーダンスマッチングを変化させるために選択し、調整できる。例えば、提供される寸法は、アンテナ要素802に対し、対応するPCB接地間隔及び筐体の誘電近接度を考慮したときに2.4GHzの共鳴動作周波数(ISMバンド内のBLE動作範囲内)を提供するように選択され得る。
【0091】
図8K~8Nは、関係センサ内に提供されるアンテナ要素802の詳細図を示す。例えば、
図8K~8Nに示されるアンテナ要素は、無指向性感知を提供し得、
図8A及び8Bに示されるもののようなセンサ15内で使用され得る。アンテナ要素802は、施設内の天井取付位置のために設計され得、アジマス無指向性感知パターンを得るための直線偏向幅広ビーム幅を提供し得る。
図8K~8Mに示される上面及び側面図に示されているように、アンテナ要素802は、中心線に関して概して対称の形状を有し、アンテナの主表面から下方に延びる2つのタブを含み、これらは、アンテナPCB803(例えば、
図8Aに示されている)に取り付けるために使用される。
図8Kに示されるアンテナの主表面は、概して円の形状を有する。アンテナ要素802の例示的な寸法は、インチで測定され、図中に提供されている。提供されている寸法は、例示的であり、アンテナ要素802は、アンテナ要素802(及び関連するセンサ15)がそのために設計された特定の用途に応じて、示されている寸法に対して拡大又は縮小できる。特に、寸法は、アンテナの中心周波数及びインピーダンスマッチングを変化させるために選択し、調整できる。例えば、提供される寸法は、アンテナ要素802に対し、対応するPCB接地間隔及び筐体の誘電近接度を考慮したときに2.4GHzの共鳴動作周波数(ISMバンド内のBLE動作範囲内)を提供するように選択され得る。アンテナの主表面から下方に延びる下側タブは、PCB 803に電気的に接続された給電タップ及び接地タップの役割を果たし、またアンテナ要素802をPCB接地面から離れた適当な高さに保持する役割も果たす。給電及び接地タップは、アンテナ放射要素802の表面に異なる電流方向を提供できる。
【0092】
一般に、ゲストエンゲージメントシステム10のインタフェースデバイス17に取り付けられたセンサ15、例えばドアの開錠に使用されるアクセスパネル705のアンテナは、そのインタフェースデバイス17に近接するゲストのメダリオン11のみを感知するように、限定された範囲(例えば、2~4フィート)を有するように調整される。加えて、インタフェースデバイス17のセンサ15は、選択された方向でのみメダリオン11を検出するように動作可能な指向性又はスポットライト型センサであり得る。このようにして、アクセスパネル705に関連付けられたセンサは、センサからの何れかの方向における限定された距離内に設置されたメダリオン11のみを検出するように動作可能であり得る一方、支払端末又は自動販売機のセンサは、センサから限定された角度範囲内(例えば、支払端末又は自動販売機の真正面)及びそれから限定された距離内(例えば、2フィート未満)に設置されたメダリオン11のみを検出し得る。
【0093】
前述のように、センサ15は、施設中に設置され、施設全体のメダリオン11の位置をモニタし、感知された信号に基づいてゲストにサービスを提供するために使用される。具体的には、センサ15は、ゲストエンゲージメントシステム10により、ゲストエンゲージメントシステム10に対して選択可能な精度で位置情報を提供するために使用される。低い精度では、メダリオン11の位置は、ある時点でメダリオン11からのビーコン信号を検出する1つ又は複数のセンサ15又は他のデバイスの識別子に基づいて識別される。このようにして、ある時点でのメダリオンの位置は、そのメダリオンの最後に検出されたビーコン信号を検出したセンサの既知の位置(及び/又はわかっている場合には他のデバイスの位置)に基づいて概算できる。より高い粒度でメダリオン11の位置を特定するために、メダリオンの位置は、ビーコン信号を受信したセンサの各々において測定されたビーコン信号の相対受信信号強度に基づいて、及び/又はセンサの感知範囲及び感知ビームの特性(例えば、感知範囲と感知方向)に基づいて特定される。特に、メダリオン11からのビーコン信号が3つ以上のセンサ15によって受信された場合、センサ15の各々におけるビーコン信号の相対受信信号強度(及び/又はセンサ15の各々におけるビーコン信号の受信時間間の遅延)を使用して、センサ15の各々の既知の位置に対するメダリオン11の位置を三角法で測定することができる。
【0094】
施設内のメダリオン11の位置のモニタは、センサネットワーク13のセンサ15によってだけでなく、ゲストエンゲージメントシステム10のインタフェースデバイス17に取り付けられたセンサ15によっても実行できる。例えば、施設中にある自動ドアロックアセンブリ700のアクセスパネル705は、アクセスパネル705を通過するすべてのメダリオン11を検出するために使用できる。アクセスパネル705は、検出されたすべてのメダリオン11の識別情報を中央位置サーバに送ることができ、これは、すべてのメダリオンの位置のログを関連するタイムスタンプと共に保持する。加えて、位置のモニタは、BLE又はNFC対応デバイス、例えばゲストエンゲージメントシステム10のサーバ21と通信するBLE又はNFC対応のモバイルデバイス、タブレットコンピュータ又は対話式ディスプレイによるメダリオン11の感知を通じて実行できる。BLE又はNFC対応のモバイルデバイス、例えばゲストのモバイルデバイス又はスタッフメンバーのタブレットは、そのデバイスの通信範囲内にあるメダリオン11を検出し、検出されたメダリオン11の識別子をデバイスの検出のタイムスタンプ及び位置譲歩(入手できる場合)と共に中央位置サーバに報告し得る。
【0095】
メダリオン11の位置の継続的なリアルタイムモニタを提供するために、メダリオン11を検出するセンサとデバイスの各々は、検出されたすべてのメダリオン11の識別情報を検出時間タイムスタンプと共に同じ中央位置サーバに送る。そのため、中央位置サーバは、すべてのメダリオンの位置のログ及び関連するタイムスタンプを保持する。中央位置サーバは、そのため、各メダリオンの最後に検出された位置を、そのメダリオン11に関する最後のログエントリに基づいて、又は適当であればそのメダリオン11のためのログ内の最後の2つ以上のエントリに基づいて(例えば、異なる位置感知方法を組み合わせることにより、より高い位置精度を提供するため)特定するために使用できる。このようにして、ゲストエンゲージメントシステム10は、各メダリオンの位置のリアルタイム(又は準リアルタイム)評価を提供する。位置情報は、ゲストエンゲージメントシステム10により、ゲスト又は他の追加のサービスを提供するため、例えばメダリオン11がアリーナに到着し、アリーナ内で移動し、アリーナ内に所定の時間にわたってとどまり、又はアリーナ若しくはセンサ15を備えるスペースを出たとき、個人化された対話を作動させるのに使用される通知イベントをシステムに提供するためにさらに使用できる。
【0096】
位置に基づくサービスは、施設の入口及び/又は出口付近に設置されたセンサ15の使用を通じてさらに向上させることができる。具体的には、中央位置サーバによって保持されるログ内の特定のメダリオン11に関する最後のエントリがその入口/出口に関するものである場合、すなわちログが施設内でのメダリオン11のそれ以降の検出を一切含まない場合、システムは、メダリオン11(及びそれに関連するゲスト)が施設を出たと特定し得る。次に、メダリオン11が再び同じ(又は異なる)入口/出口で検出された場合、そのメダリオンは、施設に再入場したと特定され得る。ゲストエンゲージメントシステム10は、それにより、施設内にあるメダリオン11のログと、施設を出たメダリオン11のログとを保持し得る。ユーザに対し、これらのログに基づいて、例えば他のゲストにその家族が施設を出た及び/又は施設に戻ったことを知らせるための通知を提供できる。
【0097】
上述の機能に加えて、ゲストエンゲージメントシステム10は、航海中の緊急集合又は避難等にさらに使用できる。具体的には、ゲストエンゲージメントシステム10は、施設(又は船)中にあるメダリオン11の位置をモニタするように構成されるセンサ15を含むため、ゲストエンゲージメントシステム10は、すべてのゲストのメダリオン11のモニタされた位置に基づいて、施設内のゲストの位置に関する現在の最新情報を常に保持する。ゲストの位置の現在の情報に基づいて、ゲストエンゲージメントシステム10は、緊急集合又は避難行動を実行する際、緊急集合場所又は避難路にゲストをダイナミックに割り当てることができる。具体的には、ゲストエンゲージメントシステム10は、緊急集合又は避難行動がトリガされたときにゲストをその現在の位置に最も近い緊急集合場所又は避難路に割り当てる方法でゲストを緊急集合場所又は避難路にダイナミックに割り当てることができる。ゲストエンゲージメントシステム10は、加えて又は代わりに、緊急集合又は避難行動がトリガされたとき、特定の緊急集合場所又は避難路が過負荷状態になることを避けるようにゲストを緊急集合場所又は避難路ダイナミックに割り当てることができる。例えば、大勢のゲストが施設の特定の部分に集中している(例えば、大勢のゲストが船尾又はその付近にいる)状況では、ダイナミック割当てを使用して、船首又はその付近の緊急集合場所又は避難路に割り当てて、何れの緊急集合場所又は避難路もゲストで過負荷とならないことを確実にし得る。加えて、ゲストエンゲージメントシステム10は、緊急集合又は避難行動中にメダリオン及びゲイトの位置をモニタし、施設内のそのゲストの位置の変化(すなわち移動)のリアルタイムのモニタに基づいて得られた最新のリアルタイム情報に基づいて、特定のゲストに割り当てられた緊急集合場所又は避難路をダイナミックに変更することができる。このようにして、ゲストに割り当てられた緊急集合場所又は避難路は、ゲストが緊急集合又は避難行動中に予定外のルートをたどった場合、例えばゲストが緊急集合又は避難動作中に子供を探しに予定外のルートをたどった場合、又はゲストが避難中に煙の充満した廊下を迂回しなければならない場合に更新できる。
【0098】
ゲストエンゲージメントシステム10は、緊急集合又は避難行動中にゲスト全員が退避した部屋を、例えばその部屋にメダリオンが1台も存在しないと特定すること、及び/又はその部屋に関連付けられるゲスト全員が施設の他の場所にいると(モニタされたゲストのメダリオンの位置に基づいて)特定することにより、自動的に識別するためにさらに使用できる。逆に、ゲストエンゲージメントシステム10は、緊急集合又は避難行動中にその中にゲストがいる部屋を(モニタされたゲストのメダリオンの位置に基づいて)識別し、クルー及び/又は緊急時対応要員を識別された部屋に向かわせ、ゲストの避難を支援させるために使用できる。
【0099】
緊急集合及び/又は避難において使用されるゲストエンゲージメントシステム10の上記の特徴は、部分的には、ゲストエンゲージメントシステムが緊急集合又は避難行動中にゲストに情報を通信できることによって可能となる。この目的のために、ゲストエンゲージメントシステム10は、施設中にあるアクセスパネル705、対話式ディスプレイ17c及びポータル17d等に依存する。具体的には、ゲストエンゲージメントシステム10は、インタフェースデバイス17のディスプレイ上に緊急集合及び/又は避難命令、例えば緊急集合場所及び避難路を指す矢印(又はより詳細な命令)を提供する。命令は、さらに、各インタフェースデバイス17の付近で検出されたメダリオンを有する個々のゲストに合わせてカスタマイズし、例えば1人のゲストには特定の方向に避難するように命令し、他のゲストには他の方向に避難するように命令する(例えば、他のゲストをその人のグループの他のゲストと再び一緒にできるようにするため)ことができる。命令は、ゲストに対し、同じグループの他のゲストに関する情報を提供して、ゲストの子供、夫若しくは妻又は友人の現在の場所、それらに割り当てられた緊急集合場所及び/又はそれらに割り当てられた避難路に関する情報を提供することもできる。命令は、各ゲストに合わせてカスタマイズし、ゲストが選択する言語で表示することもできる。
【0100】
ゲストエンゲージメントシステム10は、様々なモダリティ及び端末を通じてサービス及びゲストとのエンゲージメントを提供する。例えば、
図9に示されるように、ゲストエンゲージメントシステム10は、エンドデバイス18、例えばモバイルデバイス18a(例えば、スマートフォン)、タブレットコンピュータ18b、対話式ディスプレイ18c(例えば、タッチ式表示スクリーン)、ウェブ対応テレビ(例えば、船室テレビ)、デスクトップコンピュータ18d及び/又はウェブインタフェース並びにキオスク等を通じてサービス及びエンゲージメントを提供できる。一般に、エンドデバイス18は、プロセッサ、メモリ、記憶プログラム命令、ディスプレイ及びタッチスクリーン等のユーザ入力インタフェースを含むが、追加の構成要素(又はより少ない構成要素)が使用され得る。対話式ディスプレイ18c、ウェブ対応テレビ及びキオスク等を含む幾つかのエンドデバイス18は、インタフェースデバイス17としても機能し得、その逆もあり得る。特に、BLE対応の(例えば、BLEトランシーバを含む)エンドデバイス18は、一般に、インタフェースデバイス17として機能できる。逆に、ユーザ入力インタフェースを含み、以下により詳細に説明するゲストエンゲージメントアプリケーションへのアクセスを提供するインタフェースデバイス17は、エンドデバイス18として機能できる。
【0101】
ゲストエンゲージメントシステム10によって提供されるサービス及びエンゲージメントは、専用のゲストエンゲージメントアプリケーション等のエンドデバイス18上に記憶され、それによって実行されるアプリケーション又は他の実行可能プログラムを通じて提供され得る。サービス及びエンゲージメントは、代わりに又は加えて、エンドデバイス18によって実行されるウェブブラウザを通じてアクセスされるサーバ21上で実行され、サーバ21との通信接続を有するゲストエンゲージメントインタフェース等のウェブベースのインタフェースを通じて提供され得る。サービス及びエンゲージメントは、一般に、少なくとも部分的に、エンドデバイス18のネットワーク接続(例えば、インターネット接続)を介してゲストエンゲージメントシステム10のサーバ21から読み出されたデータ及び情報に依存するが、特定のサービス及びエンゲージメントは、ネットワーク接続なしに又はサーバ21から読み出されたデータ及び情報なしに提供できる。サーバ21と通信するために、エンドデバイス18は、
図9において、通信ネットワーク19を通じたサーバ21との無線(例えば、エンドデバイス18a及び18bの場合)又は有線(例えば、エンドデバイス18c及び18dの場合)接続を有するように示されている。通信ネットワーク19は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)及びインターネット等の1つ又は複数を含むことができる点に留意されたい。
【0102】
図9に示されるように、それを通じてサービス及びエンゲージメントが提供されるエンドデバイス18の幾つかは、BLE対応デバイス、例えばBLE対応モバイルデバイス18a、タブレットコンピュータ18b又は対話式ディスプレイ18cであり得る。このようなエンドデバイス18がゲストエンゲージメントアプリケーションを実行すると、ゲストエンゲージメントアプリケーションは、任意選択でエンドデバイス18のBLEトランシーバを作動させて、追加のサービスをユーザに提供し得る。例えば、ゲストエンゲージメントアプリケーションは、エンドデバイス18のBLEトランシーバを作動させ、作動したBLEトランシーバを使用して、エンドデバイス18のBLE通信範囲内にあるメダリオン11から発せられるビーコン信号がないかをチェックし得る。ゲストエンゲージメントアプリケーションは、任意選択により、それからビーコン信号が受信されたメダリオン11の識別子をそのエンドデバイス18の受信タイムスタンプ及び位置情報(入手可能な場合)と共にサーバ21に報告し得る。ゲストエンゲージメントアプリケーションは、作動させたBLEトランシーバを使用して、それからビーコン信号が受信されたメダリオン11との双方向通信にさらに携わり得る。1つの例において、ゲストエンゲージメントアプリケーションは、メダリオン11の動作モードを変えさせ得る。1つの用途の場合、ゲストエンゲージアプリケーションは、エンドデバイス18のBLEトランシーバに、ゲストエンゲージメントシステムからのアドバタイズメントを発するようにさせ、メダリオン11がアドバタイズメントを検出したとき、その通信範囲内のすべてのメダリオン11にスリーブモードから変わるようにさせ得る。他の用途の場合、ゲストエンゲージメントアプリケーションは、ビーコンモードで動作中のメダリオン11を双方向モード又はスリープ動作モードに切り換えさせるか、双方向モードで動作中のメダリオン11をビーコンモード又はスリーブ動作モードに切り換えさせ得る。
【0103】
幾つかの例において、ゲストエンゲージメントアプリケーションは、加えて又は代わりに、アプリケーションがNFC対応のエンドデバイス18上で実行されたときにエンドデバイス18のNFCトランシーバを作動させ得る。このような状況では、アプリケーションを使用してメダリオン11を検出し、NFCを介したメダリオン11との通信に携わることができる。特に、本明細書の説明は、エンドデバイス18とメダリオン11との間のBLEベースの通信に焦点を当てているが、BLEベースに関して説明した特徴は、NFC対応のエンドデバイス18を使用する場合、エンドデバイス18とメダリオン11との間のNFCベースの通信を通じても同様に作動させ得る。
【0104】
本明細書を通じたゲストエンゲージメントアプリケーションへの言及は、ゲストエンゲージメントアプリケーションがエンドデバイス18に記憶され、それによって実行されるアプリケーション又は他の実行可能なプログラムの形態をとる例を指すだけでなく、ゲストエンゲージメントアプリケーションがウェブベースのインタフェース又は他の端末ベースのインタフェースの形態をとる例も指す。一般に、アプリケーションベース及びウェブベースのインタフェースを通じて提供されるユーザインタフェースは、同様であるが、ゲストエンゲージメントアプリケーションの特定の機能は、アプリケーションベース又はウェブベースのインタフェース上でのみ提供され得る。加えて、ゲストエンゲージメントアプリケーションへの言及は、アプリケーションの異なるバージョンを指し得、これには、ゲスト向けの機能のみを含むゲスト専用バージョン、ホスト又はスタッフに提供される追加の機能を含むスタッフ専用バージョン、スタッフメンバーを監督する監督者に提供される機能を含む監督者専用バージョン及びシステム管理者にのみ提供される機能を含む管理者バージョンが含まれる。
【0105】
エンドデバイス18を通じてゲストエンゲージメントアプリケーションを使用するために、ゲストは、一般に、自らの身分証明及び認証を行う必要がある。身分証明及び認証が行われないと、そのゲストは、アプリケーションの限定的な特徴のみにアクセスし得、そのゲストは、特にユーザのプロフィールに基づく情報にアクセスできないことがあり得る。ゲストエンゲージメントアプリケーションがBLE対応のエンドデバイス18上で実行される例では、ゲストエンゲージメントアプリケーションは、ゲストのメダリオンからのBLEビーコン信号がないかをチェックし、1つ又は複数のビーコン信号を検出することに応答して、検出されたビーコン信号に基づいて自動的に識別されたゲストのために個人化されたログオンページを提供できる。したがって、ゲストは、パスワード又は個人識別番号(PIN)をアプリケーションに入力することにより、自らを認証してアプリケーションにログインすることができる。アプリケーションが、BLE対応ではないエンドデバイス18上で実行される場合及び/又はゲストのメダリオンのビーコン信号がアプリケーションによって検出されない場合、ゲストは、ユーザ名及びパスワード又は個人識別番号(PIN)の両方をアプリケーションに入力することにより、自らの身分証明及び認証を行ってアプリケーションにログインできる。アプリケーションがゲスト自身のモバイルデバイス18a上で実行される場合、ゲストは、ゲストがアプリケーションにアクセスするたびにパスワード又はPINを入力しなくてもよいように、アプリケーションへのログイン状態のままにすることを選択できることに留意されたい。そうでなれば、ゲストは、ユーザとのやり取りが所定の長さの時間にわたって行われない場合、アプリケーションから自動的にログアウトされ得る。加えて、ログオンがメダリオのビーコン信号の検出に基づく場合、ゲストは、メダリオンのビーコン信号が所定の長さの時間にわたってアプリケーション又はエンドデバイス18によって検出できなくなった場合又はメダリオン11がエンドデバイス18から離れたと特定された場合、自動的にログアウトされ得る。
【0106】
ログインすると、アプリケーションは、自動的にサーバ21にアクセスし、識別及び認証されたゲストに関連付けられたプロフィール情報をそれから安全に読み出し得る。アプリケーションは、ゲストに対し、足りないプロフィール情報を提供するか、記入するか、又は見直すように促すためにも使用でき、これは、その後、アプリケーションからサーバ21にアップロードされる。プロフィール情報には、氏名、身分証明写真、ブッキング及び他の予約情報並びに支払情報(例えば、そのゲストの記憶された支払モダリティに関する情報)等が含まれ得る。プロフィール情報は、ゲストに関連する他の情報も含むことができ、これには、ゲストの過去、現在、将来の行動(ブッキング及び予約並びに位置データに基づいて特定される)、過去、現在、将来の場所(ブッキング及び予約並びに位置データに基づいて特定される)、過去、現在、予定された将来の注文及び選好等が含まれる。プロフィール情報は、ゲストに関連する写真、音楽、ビデオ及び他の種類のデータを含むこともできる。
【0107】
アプリケーションのゲスト専用バージョンを通じて、ゲストエンゲージメントシステム10は、ゲストに様々なサービスを提供する。例えば、アプリケーションを使用するゲストは、アプリケーションを使用して、宿泊、レストラン、ショー及びアクティビティ等の過去、現在、将来の登録を含むそのゲストのブッキング、登録及び予約を見直すことができる。ゲストは、アプリケーションを使用して、利用可能な宿泊、レストラン、ショー及びアクティビティ等に関する情報を受信し、その予約を行うこともできる。情報は、そのゲストのプロフィール情報に基づいてそのゲストのために個人化された将来のブッキング、登録及び予約に関する推奨に基づき得る。ゲストは、アプリケーションを使用して、ゲストエンゲージングシステム10によって提供される写真、ビデオ及び他のメディアアイテムを見直すこともでき、これには、そのゲストに関連付けられる写真、ビデオ及び他のメディアアイテムが含まれる。メディアアイテムのゲストとの関連付けは、ゲストのプロフィール情報と、メディアアイテムのためのタグ付けされた情報とのマッチング、例えばあるビデオが、ゲストのメダリオンが訪れた場所で撮影されたものであることを示すプロフィール及びタグ情報、ある写真がゲストに関係する人物を含むことを、その写真が撮られたときにその人のメダリオンが撮影者の付近で検出されたことに基づいて示すプロフィール及びタグ情報等に基づき得る。アプリケーションは、ゲーム(任意選択により賭博ゲームを含む)、ショッピング及び他の機能へのアクセスも提供し得る。
【0108】
ゲストエンゲージメントシステム10により、ゲストは、アプリケーションのゲスト専用バージョンを使用してライブショーを観ることができ得る。ショーは、例えば、そこでゲストエンゲージメントアプリケーションにアクセスできるゲストの船室テレビを通じて見ることができる。詳細には、ゲストエンゲージメントアプリケーションを使用するゲストは、ゲストエンゲージメントシステム10が取り付けられた施設内の劇場若しくは他の会場又は施設の外で行われるショー等のライブショーを、アプリケーションを通じて観ることを選択し得る。選択に応答して、ゲストにそのイベントのライブの音声及び/又はビデオストリームが提示される。加えて、アプリケーションにより、ゲストは、ライブショーに出演している演者と対話することができる。詳細には、アプリケーションにより、ゲストは、例えば、アプリケーションのユーザ入力インタフェース(例えば、船室テレビのオンスクリーンキーボード又はリモートコントローラ)で演者に向けたメッセージをタイプするか、又はフィードバックボタン(例えは、「拍手」ボタン、「笑い」ボタン、「サムアップ」ボタン又は「ハート」ボタン等)を選択することにより、演者にインスタントメッセージ等のフィードバックを送信できるようにすることが可能となる。インスタントメッセージ及びフィードバックは、その後、演者の前に設置されたスクリーン上に表示され、及び/又は演者に対して(例えば、事前に録音された拍手又は笑い声を作動させることによって)音声フィードバックとして提供され、それにより、演者にゲストから受けたフィードバックが知らされ、演者は、ショーでゲストと係ることができる。
【0109】
幾つかの例において、ゲストエンゲージメントアプリケーションは、アプリケーションのユーザ(ゲストとスタッフとの両方を含む)がアプリケーションを使用して相互に通信できるようにするために通信機能を提供する。通信機能は、ユーザ間のテキスト、音声及び/又はビデオによる通信、例えばチャットによる通信、インスタントメッセージ(IM)、ボイスメール又はビデオボイスメール等を含むことができる。加えて、通信機能により、ユーザが、位置情報を含む、リンクされた他のユーザに関する情報を取得できるようにすることができる。リンクされたユーザは、ゲストの場合、そのグループ内の他のゲスト(例えば、同じ予約に含まれる他のゲスト、例えば子供若しくは両親等)又はそのゲストとのリンク要求を受け入れたゲスト若しくはスタッフメンバーの場合、スタッフメンバーがサービスを提供する相手となる1人若しくは複数の人物(例えば、スタッフメンバーが飲食物を届けることを注文したゲスト)を含むことができる。例えば、ユーザがリンクされると、ゲストエンゲージメントアプリケーションの通信機能は、ゲストに(例えば、他のゲストが施設内にいるか又は施設を出たことを示すための)一般的な位置情報及び/又は(例えば、他のゲストがそれぞれの船室にいることを示すための)正確な位置情報を提供し得る。通信機能は、リンクされた他のゲストがインスタント通信に参加できるか否かも含み得、幾つかの例では、施設から出たゲストをインスタント通信に参加できないと識別し得る。
【0110】
ゲストエンゲージメントシステム10は、ゲストエンゲージメントアプリケーションのスタッフ専用バージョンを通じて他の機能を提出する。ゲストエンゲージメントアプリケーションのスタッフ専用バージョンは、ホスト及びスタッフが使用するエンドデバイス18上で実行されて、施設のゲストにサービス及びエンゲージメントを提供できる。通常、ホストとスタッフとは、ゲストエンゲージメントアプリケーションのスタッフ専用バージョンにBLE対応のタブレットコンピュータ18bのエンドデバイス(例えば、そのエンドデバイスはBLEトランシーバ及びBLEアンテナを含む)でアクセスするが、幾つかの状況では、ホストとスタッフとは、他のエンドデバイス(例えば、対話式ディスプレイ18c、ポータル及びドアロックのアクセスパネル705等)を通じてアプリケーションにアクセスする。
【0111】
1つの例において、ゲストエンゲージメントアプリケーションのスタッフ専用バージョンは、スタッフメンバーによってゲストと携わるために使用され得る。この目的のために、ゲストエンゲージメントアプリケーションは、エンドデバイス18のBLEトランシーバを使用して、エンドデバイス18の付近(例えば、BLE通信範囲内)にメダリオン11があればそれを検出する。具体的には、BLEトランシーバは、エンドデバイス18に近接するメダリオン11によって発せられるビーコン信号を検出するために使用される。1つ又は複数のビーコン信号が検出されると、ゲストエンゲージメントアプリケーションのスタッフ専用バージョンは、発せられたビーコン信号に含まれる各メダリオンの公開識別子を読み出し、サーバ21から読み出された識別子及び関連するゲストに関連付けられるプロフィール情報を読み出すように構成される。読み出されたプロフィール情報は、一般に、そのゲストに関連する写真及び氏名(又はニックネーム)を含む。読み出されたプロフィール情報は、その後、エンドデバイス18のディスプレイ上に提供され、それにより、スタッフメンバー又はホストは、読み出されたプロフィール情報に基づいてゲストと携わることができる。例えば、読み出されたプロフィール情報に基づいて、スタッフメンバーは、ゲストを視覚的に識別し、名前又はニックネームによってゲストに挨拶し、及びゲストの今後のブッキングについてゲストと話し合うことができる。
【0112】
複数のゲストに関するプロフィール情報がエンドデバイス18によって受信される状況では、ゲストエンゲージメントアプリケーションは、その複数のゲストのプロフィール情報を表示し得る。幾つかの例において、プロフィールは、エンドデバイス18からの各ゲストの推定距離の順番で表示され得、この場合、推定距離は、各ゲストのメダリオン11に関連付けられ、エンドデバイス18によって検出されるそれぞれのBLEビーコン信号に関連する信号強度又は送信遅延に基づいて特定できる。
【0113】
読み出されたプロフィール情報に基づいて、スタッフメンバー又はホストは、ゲストを支援することができる。例えば、スタッフメンバー又はホストは、ゲストのブッキング、登録及び予約を見直し、将来のブッキング、登録及び予約のために、ゲストのプロフィール情報に基づいてゲストのために個人化された情報を提供し、且つ/又は推奨若しくは予約を行い、ゲストに運ばれる飲食物を注文し、ゲストが施設内で道に迷わないように支援する等を行うことができる。アプリケーションは、スタッフメンバー又はホストがゲストと共にゲーム(任意選択により賭博ゲームを含む)に携わり、他の機能を提供することができるようにもし得る。
【0114】
ゲストエンゲージメントシステム10は、アプリケーションのスタッフ専用バージョンを通じて支払機能をさらに提供できる。前述のように、メダリオン11は、メダリオン11と支払端末(例えば、17b)との間の安全な通信チャネルを確立し、メダリオンの固有の秘密識別子又はそのメダリオン11に記憶された他の暗号化された情報を使用して、安全な通信チャネルにわたってメダリオン11の識別情報を認証し、認証された識別情報に基づいて、認証されたメダリオン11に関連する支払情報を使用して支払取引を処理することにより、支払に使用できる。このような支払取引は、メダリオン11と支払端末(例えば、17b)との間のBLE又はNFC通信によって実行でき、自動販売機、キャッシュレジスタ及びスタッフメンバー又はレジ係がいなくてよい他の支払端末によって実行できる。加えて、合理化された支払プロセスは、アプリケーションのスタッフ専用バージョンを通じて使用できる。具体的には、アプリケーションのスタッフ専用バージョンを通じて、スタッフメンバーは、ゲストの外観と、ゲストのプロフィール内に記憶された写真との比較に基づいて、ゲストの視覚的認識を通じてゲストの認証を行うことができる。特に、ゲストエンゲージメントシステム10は、アプリケーションのスタッフ専用バージョンを使用して、スタッフメンバーに対し、ゲストの勘定としての支払を許可するようにプロンプトによって求め得る。プロンプトは、例えば、スタッフメンバーがアプリケーションを通じてゲストに代わって注文すること(例えば、飲食物の注文、ツアーへの登録、ショーの座席のブッキング、部屋のアップグレード又はゲームへの参加料の支払等)を選択することに応答して提示され得る。プロンプトは、一般に、スタッフが支払を許可できるようにするために、2つの相補的な識別モダリティに依存し得るが、他の数の識別モダリティ(1つの識別モダリティを含む)が使用され得る。例えば、プロンプトは、支払金が請求されるゲストのメダリオン11を検出し(例えば、BLE及びNFC通信モダリティを使用してメダリオン11を検出し)、検出されたメダリオン11に関するプロフィール情報(写真を含む)をサーバ21から読み出し、そのメダリオン11に関連付けられるゲストの写真を表示し、スタッフメンバーと対話しているゲストが表示された写真と一致することを視覚的に確認するようにスタッフメンバーにプロンプトで求め、スタッフメンバーから、ゲストが写真とマッチしたとの確認を受けると、支払を処理するアプリケーションのスタッフ専用バージョンを実行するエンドデバイス18に依存し得る。この例において、使用される2つの相補的な識別モダリティは、メダリオン11の検出及びゲストの識別情報の視覚的確認であるが、他の例では他のモダリティ(及び異なる数及びその組合せ)を使用できる。
【0115】
ゲストエンゲージメントシステム10は、ウェイファインディング機能も提供し、ゲストエンゲージメントアプリケーションを通じてウェイファインディングのためのインタフェースも提供する。ゲストエンゲージメントシステム10によって提供されるウェイファインディング機能は、移動参照フレーム内及び固定参照フレーム内のウェイファインディングに使用できる。例えば、クルーズ船上のウェイファインディングの場合、GPS等の従来の測位システムは、幾つかの理由から簡単に使用できない。第一に、クルーズ船は、移動でき、船内のウェイファインディングは、したがって、固定(例えば、陸上の)参照フレームではなく、船舶の移動参照フレームに基づく必要がある。その結果、GPSベースの測位及び他の固定参照フレーム測位は、限定的にのみ利用され、これは、ユーザのGPSに基づく位置が、移動する船に対してそのユーザが存在する場所を特定するために使用できないからである。第二に、クルーズ船は、実質的な質量の金属等の表面を含み、これは、GPSベースの信号の伝播を妨害し(それにより、GPS信号を船内で受信できない)、及び/又は金属面での電磁信号の反射の結果として実質的な信号ノイズを発生させる。その結果、従来の測位システムは、一般に、船上でのウェイファインディングに有効でない。
【0116】
上述の欠点に対処するために、ゲストエンゲージメントシステム10は、ゲストエンゲージメントシステム10のセンサのネットワーク13に基づく独自のウェイファインディング機能を提供する。詳細には、ゲストエンゲージメントシステム10は、メダリオン11が検出された場所のデータベースを保持する。データベース内の各記録は、メダリオンのための識別子(例えば、デバイスのビーコン信号の一部として放送されるメダリオン11のための公開識別子)、位置に関する識別子(例えば、ビーコン信号を検出したセンサ15又は他のアンテナ若しくはデバイスの場所の識別子及び/或いは三角法、マルチラテレーション又は他の測位方法に基づくより正確な測位)及びタイムスタンプを含む。ゲストエンゲージメントシステム10によって実行される測位は、そのため、センサネットワーク13のセンサに基づいて、且つエンドデバイス18及びインタフェースデバイス17等によって検出されるビーコンに基づいて実行できる。前述のように、測位は、それを通じてビーコン信号が検出されたセンサ15の種類に応じて(例えば、スポットライトセンサは、無指向性センサより詳細な位置情報を提供する)、三角法、マルチラテレーション、送信遅延又は複数のセンサからの信号強度情報の何れが使用されるか等に応じて異なる精度レベルで実行され得る。
【0117】
そのため、ゲストエンゲージメントシステム10によって提供されるウェイファインディング機能は、ゲストエンゲージメントアプリケーションを通じて提供されるウェイファインディングを含め、ゲストエンゲージメントシステム10によって実行される測位に基づいて提供される。具体的には、ゲストの位置は、ゲストエンゲージメントシステム10のサーバ21により、ユーザのメダリオン11の位置を特定し、特定された位置を、ゲストエンゲージメントアプリケーションを通じてゲストに報告することによって特定される。例えば、ゲストの位置は、ゲストが現在使用中のエンドデバイス18上に提供されるアプリケーションのユーザインタフェース上に示される地図又は船の立体モデル上に重ねて表示され得る。このようにして、ゲストの位置は、一般に、ゲストが使用するエンドデバイス18によって特定されるのではなく、ゲストの位置は、代わりに、一般にゲストエンゲージメントシステム10によって(例えば、ゲストエンゲージメントシステム10のサーバ21によって)、ゲストエンゲージメントシステム10のセンサネットワーク13によって検出されたゲストのメダリオン11の位置に基づいて特定される。
【0118】
前述のように、ゲストエンゲージメントシステム10のセンサネットワーク13は、船上の施設及び船外の施設を含む複数の異なる施設に広げることができる。ゲストエンゲージメントシステム10は、そのため、固定施設(例えば、陸上のもの)、移動施設(例えば、船上のもの)並びに固定及び移動構成要素の両方を含む施設(例えば、クルーズ船の乗客がクルーズ中に立ち入る船上及び陸上施設の両方を含み得る施設)を含む施設の何れにおいても、正確な測位及びウェイファインディングを提供するために使用できる。このような場合、ゲストエンゲージメントシステム10は、ゲストが、現在、固定された(例えば、陸上の)又は移動中の(例えば、船上の)参照フレーム上の何れにいるかに応じて、適当な固定又は移動参照フレームに従ってゲストの位置を自動的に特定し、ゲストの現在位置に対応すると特定された参照フレーム内のゲストエンゲージメントアプリケーションを通じて位置情報を提供できる。
【0119】
前述のように、ゲストエンゲージメントシステム10は、ゲストの位置/場所を、メダリオン11に基づいて、より詳細にはメダリオン11によって発せられたビーコン新語が検出された場所に基づいて特定できる。検出は、システム10のセンサ15の動作、より具体的には各センサ15が据え付けられた既知の場所及び各センサの感知範囲(例えば、指向性感知範囲の形状及び向き)に依存する。検出は、モバイルデバイス18a及びタブレットコンピュータ18b等、位置が変化するエンドデバイス18を含むエンドデバイス18によるビーコン信号の検出にも依存できる。詳細には、エンドデバイス18の場合、固定場所を有するエンドデバイス18の位置は、ゲストエンゲージメントシステム10のサーバ21によって記憶でき、記憶された位置情報は、検出されたメダリオン11の位置を特定するために使用できる。
【0120】
移動可能なエンドデバイス18の場合、ゲストエンゲージメントシステム10は、エンドデバイス18の現在位置を特定するために2つの情報源に依存し、それにより、エンドデバイス18によって検出されたメダリオン11の位置を推測することができる。第一に、ゲストエンゲージメントシステム10は、エンドデバイス18から、ビーコン信号がそれから検出されたメダリオン11の識別子を含む周期的レポートを受信することができ、そのレポートをそれから受信したエンドデバイス18の位置を特定することにより、メダリオン11の位置を推測できる。ゲストエンゲージメントシステム10は、その後、エンドデバイス18の位置を、エンドデバイス18がそれを通ってシステム10の通信ネットワーク19に接続されるWi-Fi又は他の無線アクセスポイントの識別情報に基づいて特定することにより、メダリオン11の位置を推測できる。この目的のために、ゲストエンゲージメントシステム10は、施設内の各無線アクセスポイントの取付位置を識別するデータベースを保持し、データベースを使用して、エンドデバイス18によって検出されたエンドデバイス18及びメダリオン11の位置を特定する。無線アクセスポイントの識別情報は、エンドデバイス18によってゲストエンゲージメントシステム10に報告されるか、ゲストエンゲージメントシステム10により、エンドデバイス18から受信したバケットに含まれるヘッダ情報に基づいて特定され得る。
【0121】
第二に、エンドデバイス18から受信され、そのエンドデバイスによって検出されたメダリオン11を識別する周期的レポートの一部として、ゲストエンゲージメントシステム10は、エンドデバイス18の位置情報を、このような位置情報が入手可能となったときに受信し得る。エンドデバイス18によって報告される位置情報は、GPSベースの位置特定等、エンドデバイス自体の位置特定機能に基づいてエンドデバイス18によって特定された位置であり得る。このような状況では、ゲストエンゲージメントシステム10は、エンドデバイス18が提供された報告による位置情報を使用して、エンドデバイス18によって検出されたメダリオン11の位置を特定できる。ゲストエンゲージメントシステム10は、移動参照フレームの位置情報(例えば、その上でエンドデバイス18が移動している船のGPS位置)を使用して、移動参照フレームに対するエンドデバイス18の位置をさらに特定することができる。
【0122】
ウェイファインディング機能は、ゲストエンゲージメントシステム10により、ゲストエンゲージメントアプリケーションのユーザが他のゲスト又はスタッフメンバーの位置を、他のゲスト又はスタッフメンバーをリアルタイムで追跡することによって特定できるようにするために使用可能である。このゲスト追跡機能は、ゲストにより、他のゲスト(例えば、友達、夫又は妻、子供等)の位置を特定するため、及びスタッフメンバー又はホストにより、(例えば、食べ物、飲み物若しくは他の注文品を届けるため又は他の方法でゲストを支援するために)ゲストの位置を特定するため、並びに他の状況で使用可能である。ゲスト追跡機能により、アプリケーションの1人のユーザに、ゲストエンゲージメントアプリケーションを通じて、ゲストエンゲージメントシステム10によって特定された他のゲストの現在地に関する情報を提供することが可能となり、これには、他のゲストの現在位置の表示がアプリケーションのユーザインタフェース上に示される地図上又船(又は他の施設)の立体モデル上に重ねて表示されることが含まれる。ゲスト追跡機能により、1人のユーザに、ユーザの位置(ゲストエンゲージメントシステム10により、そのユーザのメダリオン11の検出位置に基づいて特定される)と、他のゲストの位置(ゲストエンゲージメントシステム10により、他のゲストのメダリオン11の検出位置に基づいて特定される)との組合せに基づいて、他のゲストの現在位置に向かうウェイファインディング方向を提供することも可能となる。位置は、ユーザとゲストとが施設内を移動するのに合わせてリアルタイムで更新され得、ウェイファインディング方向は、それに対応してリアルタイムで更新され得る。
【0123】
上述のゲストエンゲージメントシステム10の機能により、以下のサービス(例示的なクルーズ船の例に関して説明する)を提供できるようにし得る。
【0124】
ゲストエンゲージメントシステム10により、ゲストエンゲージメントアプリケーションを通じて、ゲストは、システムが据え付けられた施設の外からシステムを使用できる。例えば、ゲストは、アプリケーションのウェブベースバージョンを通じて、又はアプリケーションを実行するエンドデバイス18(例えば、モバイルフォン18a、タブレットコンピュータ18b若しくはデスクトップコンピュータ18d等)を通じて自らのプロフィールにアクセスすることによって家から使用できる。ゲストは、その後、時間があるときにパスポート情報等の必要な書類情報を入力し、健康申告用紙及び旅程を記入し、希望の支払方法を入力することにより、自らのゲストプロフィールを投入できる。ゲストは、写真をアップロードし、自らのプロフィールをさらに個人化するためのデジタルアバターを作成し、例えば自らの船室に早く届くように荷物のピックアップサービスを手配又は予約することもできる。
【0125】
ゲストは、特に旅行前にメダリオン11を入手している場合、空港にいるときにさらに関与できる。例えば、ゲストが、ゲストエンゲージメントシステム10がその中で動作可能な施設に移動している場合、そのゲストは、目的地の空港でスタッフメンバーによって迎えられ得る。その例では、空港に配置されたスタッフメンバーは、ゲストエンゲージメントアプリケーションを実行するエンドデバイス18を携帯し得る。スタッフメンバーは、エンドデバイス18及びアプリケーションを使用して、到着するゲストのメダリオン11を検出し、写真を含む、そのゲストに関するプロフィール情報を読み出し、メダリオン11の近接度と、写真に基づくゲストの視覚的認識とに基づいてゲストを認識し得る。スタッフメンバーは、そのため、ゲストを個人として歓迎し、その書類情報の状態を確認し、空港内で案内する(例えば、空港ターミナル行きの大型バス乗り場にゲストを案内する)ことができる。
【0126】
大型バスでの移動中、ゲストは、そのエンドデバイス18(例えば、モバイルフォン18a又はタブレットコンピュータ18b)を通じて再びゲスト専用アプリケーションにアクセスし、目的地の施設(例えば、1つの例ではクルーズ船)で提供されるオプションを探したり、アクティビティを予約したり、そこで経験する人々、場所及び文化について調べたりすることができる。
【0127】
加えて、クルーズターミナル(例えば、クルーズ船の例で)に到着すると、ゲストは、スタッフメンバーとのそれ以上の最小限のやり取りのみで乗船することができ得、それは、ゲストがすでにメダリオン11を携帯して、それが客室の鍵として機能するからである。加えて、ターミナルのスタッフメンバーは、スタッフ専用アプリケーションを実行するエンドデバイス18を使用して、到着したゲストを識別し、登録プロセスを依然として終えていないゲストを識別し、これらのゲストに近付いてこのプロセスの完了を支援し得る。
【0128】
ゲストエンゲージメントシステム10の一部として使用できるインタフェースデバイス17の別の例は、
図10に示されているようなゲームステーションである。ゲームステーション100は、ゲストが賭博ゲーム、他のゲストとの協力型ゲーム及び他のゲストとの対戦ゲームを含むゲームに従事できる。
各ゲームステーション100は、一般に、複数のゲストのため(例えば、
図10に示される例では4人のゲスト)のための人間工学的な座席101を含むが、ゲスト1人のためのゲームステーション100又は異なる数のゲストのためのモジュール式ゲームステーション100も使用できる。座席101は、ゲストを、相互に対面し、ゲストとゲームステーションの支援構成要素との間に中央のフレームが設けられるように位置付けることができる。
図10に示されるように、何人かのゲストが隣り合って座ることもできる。ゲームステーション100はまた、中央フレームに取り付けられ、ゲームのプレイスクリーン及び画像をユーザに対して表示するために使用される1つ又は複数の表示スクリーン102と、キーボード、タッチパッド又はタッチセンサ式ディスプレイ等、中央フレームに取り付けられて、ユーザからの入力を受信するために使用される入力デバイス103とを含む。入力デバイス103は、マイクロフォン(例えば、ゲームステーション100内の異なる場所に設置された複数のマイロフォンを含むマイクロフォンアレイ)、光センサ及び/又は超音波近接センサも含むことができ、これらは、ゲームステーション内のユーザのよりよいユーザ入力、ユーザの位置データ及び/又はユーザの動きのデータを提供するために使用される。
【0129】
ゲームステーション100は、1つ又は複数のセンサ15(図示せず)も含み、これは、ステーション100内(例えば、隠れた又は離散した場所)に取り付けられ、ステーション100内に現在座っているか又は他にステーション100を使用しているゲストを識別するために使用される。センサ15は、ステーション100のユーザのメダリオン11を検出して、ユーザがゲームステーション100にログインし、ゲームを行うことができるようにするために使用される。センサ15は、ステーション100のユーザのメダリオン11との安全な通信接続を確立して、メダリオン11を認証し、支払取引を行うようにするためにも使用できる。一般に、センサ15は、ゲームステーション100の座席101に向けられたビームを感知して、ゲームステーション100に座っているゲストのメダリオン11をすでに検出している。幾つかの例において、センサ15の感知ビームは、ゲームステーション100内にあるメダリオン11のみがセンサ15によって検出できるように調整される。ある例において、センサ15は、各座席内のメダリオン11を別々に検出するように位置決めされ、調整され、それにより、ゲームステーションは、それぞれの異なる座席位置にいるゲストを区別できる。座席位置は、幅2フィート、床からの高さ0~5フィート、テーブル縁の1フィート背後(ユーザの足元の財布/バッグを覆うため)から、テーブルの縁から3フィートまでの領域として定義され得る。メダリオン11は、アクセサリ、ポケット(前又は後)又は座席位置に置かれたバッグ内にあるときに検出され得る。
【0130】
幾つかの実施形態において、ゲームステーション100は、ゲームステーション100の座席101から上に延びる屋根105も含む。
図10の例において、屋根105は、2つのブレース107によって支持され、半透明の材料又はメッシュ材料で形成される。ブレース107は、屋根105を支持し、その中に多色照明を提供するために使用される照明(例えば、LED照明)が組み込まれている。照明は、ゲームステーション100のプロセッサによって制御されて、ゲームステーション100でプレイされるゲームと同期させた動作パターン及び又は色パターンを有する照明を出力し得る。ブレース107は、内蔵された水の霧吹き口及び/又は芳香剤/香水の霧吹き口をさらに有することができる。霧吹き口は、給水バルブ又はタンク(例えば、芳香剤タンク)に、ブレース107を通ってゲームステーション100の座席101に延びる配管によって接続され得る。給水バルブに接続された霧吹き口は、ゲームステーション100のプロセッサにより、ゲームステーション100でプレイされているゲームと同期させた動作パターンを有する霧を放出するように選択的に制御され得る。1つ又は複数の芳香剤タンクに接続された霧吹き口は、ゲームステーション100のプロセッサにより、ゲームステーション100でプレイされているゲームと同期させた動作パターン及び又は香りを有する芳香剤(又は芳香剤の混合物)を放出するように選択的に制御され得る。別々の霧吹き口及び配管をブレース107内に設けて、霧と芳香剤とを別々に独立して提供し得る。加えて、異なる霧吹き口及びパイプを設けて、ゲームステーション100に異なる芳香剤を放出し得る。
【0131】
ゲームステーション100は、典型的に、表示スクリーン及び照明を通じて提供される視覚的フィードバックに加えて、ユーザのための追加の感覚的フィードバックモダリティを含む。例えば、ゲームステーション100は、典型的に、音声によるフィードバックのためのスピーカ(例えば、中央フレーム、座席101及びブレース107に取り付けられたスピーカ)並びにとりわけユーザ入力デバイス103及び座席101に取り付けられたアクチュエータによって提供される触覚又は感触によるフィードバックを含む。
【0132】
ゲームステーション100は、1つ又は複数の外向きの表示スクリーン109を含むこともでき、その上にゲームプレイスクリーン及び画像をリルタイムで表示して、他のゲストがゲームの進行を見られるようにすることができる。幾つかの例では、外向きの表示スクリーン109は、タッチ式であり、それにより、見ているゲストがゲームプレイに参加し、且つ/又はゲームプレイ及びプレイヤーの結果について賭けを行うことができる。このような例では、ゲームステーション100は、外向きの表示スクリーン109の前にいるゲストのメダリオン11を感知するように設置された1つ又は複数の外向きのセンサ15を含むことができる。外向きのセンサ15は、ゲストのメダリオン11を検出して、これらのゲストが外向きの表示スクリーン109を介してゲームステーション100にログインし、ゲストがゲームプレイに参加するか、又はそれに対して賭けを行うことができるようにし得る。外向きの表示スクリーン109は、ゲストにより、ゲームプレイに登録するか又は順番待ちをするためにも使用され得、それにより、ゲームステーション100の座席位置が空いたとき、ゲストをその登録した又は順番待ちしていたゲームプレイに参加するように案内することができる。
【0133】
ゲームステーション100の動作は、座席101内に設けられたコンピューティングプラットフォームによって制御され得る。コンピューティングプラットフォームは、典型的に、1つ又は複数のプロセッサ(例えば、幾つかの実施形態では3つ以上のプロセッサ)、ゲームプレイのためのプログラム命令を記憶するメモリ、電源(例えば、無停電電源(UPS)を含む)及びディスプレイ並びに入力デバイス102、103及び109の各々への接続を含む。コンピューティングプラットフォームは、通信ネットワーク19を介してゲストエンゲージメントシステム10のサーバ21にも接続される。コンピューティングプラットフォームは、霧吹き口を制御するアクチュカータ並びに照明、霧吹き口及び触覚又は感触によるフィードバックを制御するコントローラにさらに接続される。各種のフィードバックモダリティは、各プレイヤーの座席位置に関して個別に制御され得、それにより、異なるプレイヤーに対し、コンピューティングプラットフォームの制御によっていつでも異なる感覚的フィードバック(霧、芳香剤、音、触覚、感触、光及び表示を含む)を提供できる。
【0134】
図11及び12は、汎用コンピュータハードウェアプラットフォームの機能的ブロック図を提供する。
図11は、本明細書に記載されているサーバ21の何れか等のサーバを実装するために典型的に使用され得るネットワーク又はホストコンピュータプットフォームを示す。
図12は、ゲストエンゲージメントシステム10のポータル(例えば、17d)又は他の種類のワークステーション若しくは端末機器を実装するために使用され得る、ユーザインタフェース要素を備えるコンピュータを示すが、
図12のコンピュータは、適当にプログラムされていればサーバとしても動作し得る。当業者であれば、このようなコンピュータ設備の構造、プログラミング及び一般的な動作に精通しており、その結果、図面は、自明であると考えられる。
【0135】
例えば、サーバは、パケットデータ通信のためのデータ通信インタフェースを含む。サーバは、プログラム命令を実行するための1つ又は複数のプロセッサの形態の中央処理ユニット(CPU)も含む。サーバプラットフォームは、典型的に、内部通信バス、プログラムストレージ並びにサーバによって処理及び/又は通信される各種のデータファイルのためのデータストレージプログラムを含むが、サーバは、ネットワーク通信を介してプログラミング及びデータを受信することが多い。このようなサーバのハードウェア要素、オペレーティングシステム及びプログラミング言語は、従来の性質のものであり、当業者は、それに十分に精通していると想定される。当然のことながら、サーバ機能は、多数の同様のプラットフォーム上に分散的に実装し、処理負荷を分散させることができる。
【0136】
別段の明記がない限り、下記の特許請求の範囲を含め、本明細書に記載されているすべての測定値、数値、評価、位置、大きさ、サイズ及び他の仕様は、概算であり、正確ではない。これらは、それが関係する機能及びそれが係る技術において慣例であるものと矛盾しない合理的範囲を有するものとする。
【0137】
保護の範囲は、以下の特許請求の範囲によってのみ限定される。その範囲は、特許請求の範囲内で使用されている文言を、本明細書及び後述の審査経過に照らして解釈した場合の通常の意味と矛盾しない限り最も広く、またすべての構造的及び機能的均等物を包含するものとし、そのように解釈されるべきである。それにもかかわらず、特許請求の範囲の何れも、特許法第101条、第102条又は第103条の要件を満たさない主題を包含するものではなく、そのように解釈されるべきでもない。このような主題が意図せず包含されることを本明細書により否認する。
【0138】
上述のものを除き、記述又は例示された内容の何れも、何れかの構成要素、ステップ、特徴、目的、利益、利点又はその均等物が公衆に提供されるようにするものではなく、又はそのように解釈されるべきではない。
【0139】
本明細書で使用されている用語及び表現は、具体的な意味がそれ以外に本明細書に記載されている場合を除き、これらの対応するそれぞれの調査及び研究分野に関してそのような用語及び表現と一致する通常の意味を有することを理解されたい。第一、第二等の関係語は、1つの項目又は動作を他のものから区別するためにのみ使用され得、必ずしもこのような項目又は動作間の何れの実際のこのような関係又は順番も要求又は黙示しているわけではない。「含む」、「含んでいる」又はその単語の他の変化形は、非排他的な含有を包含するものであり、それにより、一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は装置は、それらの要素のみを含むのではなく、明示されていないか又はそのようなプロセス、方法、物品若しくは装置に本来的な他の要素も含み得る。「1つの(a)又は「1つの(an)」を伴う要素は、それ以上制約されない限り、その要素を含むプロセス、方法、物品又は装置内に他にも同じ要素が存在することを排除しない。
【0140】
本開示の要約は、読者が本技術的開示の性質を迅速に確認できるようにするために提供される。これは、それが特許請求の範囲又はその意味を解釈又は限定するために使用されないとの理解で提出される。加えて、上記の詳細な説明では、本開示をわかりやすくするために各種の実施形態で様々な特徴がまとめられていることがわかり得る。この開示方法は、特許請求される実施形態が、各請求項に明記されているもの以外の特徴を必要するという意図を反映するものと解釈されない。むしろ、後述の特許請求の範囲に反映されているように、進歩的な主題は、単独の開示された実施形態のすべての特徴の一部にある。そのため、後述の特許請求の範囲は、本明細書により詳細な説明に含められ、各請求項は、特許請求される別々の主題として独立している。
【0141】
上記は、最良の形態と考えられるもの及び/又は他の例を説明しているが、それに対する各種の改良形態がなされ得、本願で開示されている主題は、様々な形態及び例において実装され得、教示は、多くの用途に応用され得、その幾つかのみが本明細書で説明された。以下の特許請求の範囲により、本開示の範囲内に含まれるすべての応用形態、改良形態及び変更形態を特許請求することが意図される。
【0142】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
[実施形態1]
ゲストエンゲージメントシステムであって、
前記ゲストエンゲージメントシステムのユーザに提供される複数のゲストデバイスであって、各ゲストデバイスは、無線通信アンテナを含み、且つBluetooth low energy(BLE)通信を使用して前記ゲストデバイスの固有の識別子を放送する周期的ビーコン信号を発するように動作可能である、複数のゲストデバイスと、
複数のセンサであって、それぞれ異なる既知の場所に取り付けられ、且つ前記複数のゲストデバイスのうち、前記センサに近接するゲストデバイスによってBLE通信を使用して発せられた前記固有の識別子を含む前記周期的ビーコン信号を検出するように動作可能である、複数のセンサを含むセンサネットワークと、
前記センサネットワークの前記複数のセンサの各々を接続する通信ネットワークと、
前記通信ネットワークを介して前記センサネットワークの前記複数のセンサの各々に通信可能に接続され、且つ前記センサネットワークのセンサによってBLE通信を使用して検出されたゲストデバイスのそれぞれの固有の識別子を前記センサの前記既知の場所に関連付けるログと、タイムスタンプとを記憶する中央サーバと
を含むゲストエンゲージメントシステム。
[実施形態2]
前記センサネットワークの前記複数のセンサは、関連付けられた電子制御ドアロックを制御するようにそれぞれ構成された複数のアクセスパネルを含み、及び
各アクセスパネルは、それに近接するゲストデバイスによってBLE通信を使用して発せられた前記固有の識別子を含む前記周期的ビーコン信号を検出し、且つ前記検出された周期的ビーコンの前記固有の識別子に基づいて、前記関連付けられた電子制御ドアロックを選択的に開錠するように動作可能である、実施形態1に記載のゲストエンゲージメントシステム。
[実施形態3]
前記中央サーバは、各電子制御ドアロックに、前記電子制御ドアロックにアクセスすることを許可されたゲストデバイスの固有の識別子のリストを関連付ける中央予約サーバを含み、
各アクセスパネルは、前記検出された周期的ビーコンの前記固有の識別子が、前記電子制御ドアロッへのアクセスを許可されたゲストデバイスの固有の識別子の、前記中央サーバに記憶された前記リストの識別子とマッチするか否かに基づいて、前記関連付けられた電子制御ドアロックを選択的に開錠するように動作可能である、実施形態2に記載のゲストエンゲージメントシステム。
[実施形態4]
各アクセスパネルは、BLE通信を使用して検出された前記固有の識別子を、前記通信ネットワークを介して前記中央サーバに報告するようにさらに動作可能である、実施形態2に記載のゲストエンゲージメントシステム。
[実施形態5]
各アクセスパネルは、
前記関連付けられた電子制御ドアロックの電子制御施錠機構に電気的に接続されたドアロック通信モジュールとの無線通信のために構成された無線機と、
前記電子制御施錠機構を作動させようとしているユーザを識別するための、前記ゲストデバイスとの無線BLE通信のために構成された第一のトランシーバと、
前記電子制御施錠機構を作動させることを許可されたユーザの識別子を記憶する前記中央サーバとの通信のために構成された第二のトランシーバと
を含む、実施形態2に記載のゲストエンゲージメントシステム。
[実施形態6]
各アクセスパネルの前記無線機、第一のトランシーバ及び第二のトランシーバは、異なる通信標準に従って動作する、実施形態5に記載のゲストエンゲージメントシステム。
[実施形態7]
前記ゲストエンゲージメントシステムのユーザに個人化されたサービスを提供する複数のインタフェースデバイスをさらに含み、
各インタフェースデバイスは、前記センサネットワークの前記複数のセンサのうちの関連付けられたセンサを含み、且つそれに近接するユーザに、前記ユーザのゲストデバイスによってBLE通信を使用して発せられた前記固有の識別子に基づいて特定された前記ユーザの識別情報に基づいて、前記個人化されたサービスを提供する、実施形態2に記載のゲストエンゲージメントシステム。
[実施形態8]
前記インタフェースデバイスは、対話式表示パネル、自動販売機、キャッシュレジスタ又はスロットマシンである、実施形態7に記載のゲストエンゲージメントシステム。
[実施形態9]
前記中央サーバは、ゲストデバイスのそれぞれの固有の識別子に、前記ゲストデバイスに関連付けられたユーザの口座又は支払情報を関連付ける支払サーバを含み、及び
前記中央サーバは、前記複数のインタフェースデバイスのうちのインタフェースデバイスから、前記ユーザのゲストデバイスによってBLE通信を使用して発せられた前記固有の識別子を含む支払許可要求を受信することに応答して、前記ユーザのための支払を処理するように構成される、実施形態7に記載のゲストエンゲージメントシステム。
[実施形態10]
前記中央サーバは、ゲストデバイスのそれぞれの固有の識別子に、前記ユーザの氏名及び写真を含む、前記関連付けられたユーザのプロフィール情報を関連付けるゲスト情報を記憶し、及び
各インタフェースデバイスは、それに近接するユーザに、前記ユーザの前記ゲストデバイスによってBLE通信を使用して発せられ、且つ前記インタフェースデバイスによって検出された前記固有の識別子に基づいて前記中央サーバから読み出された前記ユーザの前記デバイスプロフィール情報に基づいて、個人化されたサービスを提供する、実施形態7に記載のゲストエンゲージメントシステム。
[実施形態11]
前記センサネットワークは、プロセッサ、メモリ及び前記通信ネットワークにわたる通信のために構成されたネットワークトランシーバをそれぞれ含む複数のセンサネットワーク周辺機器を含み、及び
前記センサネットワークのセンサは、それぞれのセンサネットワーク周辺機器に電気的に接続され、且つ前記それぞれのセンサネットワーク周辺機器を介して前記通信ネットワークに通信可能に接続される、実施形態1に記載のゲストエンゲージメントシステム。
[実施形態12]
各センサネットワーク周辺機器は、前記センサネットワークの複数のセンサへの電気接続をサポートするように構成された通信バスを含む、実施形態11に記載のゲストエンゲージメントシステム。
[実施形態13]
ゲストエンゲージメントシステムであって、
前記ゲストエンゲージメントシステムのユーザに提供される複数のゲストデバイスであって、各ゲストデバイスは、固有の識別子を有し、且つBluetooth low energy(BLE)及び近距離無線通信(NFC)通信のためにそれぞれ構成された第一及び第二の無線通信アンテナを含む、複数のゲストデバイスと、
それぞれ異なる場所に取り付けられた複数のセンサを含むセンサネットワークであって、前記複数のセンサの少なくとも1つのセンサは、それに近接するゲストデバイスを検出し、且つ前記ゲストデバイスとのBLE通信に基づいてそれから固有の識別子を受信するように動作可能であり、及び前記複数のセンサの少なくとも1つの別のセンサは、それに近接するゲストデバイスを検出し、且つ前記ゲストデバイスとのNFC通信に基づいてそれから固有の識別子を受信するように動作可能である、センサネットワークと、
前記センサネットワークの前記複数のセンサの各々を接続する通信ネットワークと、
前記センサネットワークの前記複数のセンサの各々に前記通信ネットワークを介して通信可能に接続され、且つ前記センサネットワークのセンサによってBLE又はNFC通信を使用して受信されたゲストデバイスのそれぞれの固有の識別子を関連付けるログを記憶する中央サーバと
を含むゲストエンゲージメントシステム。
[実施形態14]
前記センサネットワークの前記複数のセンサのうちのセンサは、前記複数のゲストデバイスのうちのゲストデバイスとの双方向通信に携わるように動作可能である、実施形態13に記載のゲストエンゲージメントシステム。
[実施形態15]
前記センサネットワークの前記複数のセンサのうちのセンサは、前記複数のゲストデバイスのうちのゲストデバイスとの安全な暗号化された通信に携わるように動作可能である、実施形態14に記載のゲストエンゲージメントシステム。
[実施形態16]
前記センサネットワークの前記複数のセンサは、関連付けられた電子制御ドアロックを制御するようにそれぞれ構成された複数のアクセスパネルを含み、及び
各アクセスパネルは、BLE通信を使用したゲストデバイスとの暗号化された双方向通信に携わって、前記ゲストデバイスを認証し、且つ前記認証されたゲストデバイスの識別情報に基づいて、前記関連付けられた電子制御ドアロットを選択的に開錠するように動作可能である、実施形態13に記載のゲストエンゲージメントシステム。
[実施形態17]
前記センサネットワークの前記複数のセンサは、ゲストデバイスに基づいて支払を許可するようにそれぞれ構成された複数の自動販売機を含み、及び
各自動販売機は、NFC通信を使用したゲストデバイスとの暗号化された双方向通信に携わって、前記ゲストデバイスを認証し、且つ前記認証されたゲストデバイスの識別情報に基づいて前記支払を選択的に許可するように動作可能である、実施形態13に記載のゲストエンゲージメントシステム。
[実施形態18]
各ゲストデバイスは、BLE通信を使用して前記ゲストデバイスの前記固有の識別子を放送する周期的ビーコン信号を発するように構成され、及び
前記センサネットワークの各センサは、前記複数のゲストデバイスのうち、前記センサに近接するゲストデバイスによってBLE通信を使用して発せられた前記固有の識別子を含む前記周期的ビーコン信号を検出するように動作可能である、実施形態13に記載のゲストエンゲージメントシステム。
[実施形態19]
各ゲストデバイスは、第一及び第二の動作モードに従って選択的に動作するように構成され、各ゲストデバイスは、前記第一の動作モードにおいて、BLE通信のために構成された前記第一の無線通信アンテナを使用する双方向通信に携わり、且つ前記第二の動作モードにおいて、BLE通信のために構成された前記第一の無線通信アンテナを使用してビーコン信号を周期的に放送するビーコンモードに携わり、及び
前記センサネットワークの各センサは、その通信範囲内におけるゲストデバイスに、前記ゲストデバイスに前記第一及び第二の動作モード間で動作モードを切り換えさせるコマンドを送信するように動作可能である、実施形態13に記載のゲストエンゲージメントシステム。
[実施形態20]
前記センサネットワークの前記複数のセンサは、前記センサを取り囲むすべての方向においてそれに近接するゲストデバイスを検出するように構成された無指向性センサと、ビーム形状の通信範囲を有し、前記ビーム形状の通信範囲内でそれに近接するゲストデバイスのみを検出するように構成されたスポットライトセンサとを含む、実施形態13に記載のゲストエンゲージメントシステム。
[実施形態21]
前記センサネットワークは、プロセッサ、メモリ及び前記通信ネットワークにわたる通信のために構成されたネットワークトランシーバをそれぞれ含む複数のセンサネットワーク周辺機器を含み、及び
各センサネットワーク周辺機器は、前記複数のセンサの少なくとも1つのセンサに電気的に接続され、且つ前記少なくとも1つのセンサと前記通信ネットワークとの間の通信接続を提供する、実施形態13に記載のゲストエンゲージメントシステム。
[実施形態22]
各センサネットワーク周辺機器は、前記センサネットワークの複数のセンサへの電気接続をサポートするように構成された通信バスを含む、実施形態13に記載のゲストエンゲージメントシステム。
[実施形態23]
前面と、前記前面と同じ形状及び前記前面より大きい寸法を有する後面と、空洞であって、その中にプロセッサ及び少なくとも1つの無線通信アンテナが配置される空洞とを含む、テーパ形状のデバイス本体を有する無線デバイスと、
ユーザによって装着されるように構成されたアクセサリであって、アクセサリ本体を有するアクセサリと
を含むアセンブリであって、
前記アクセサリ本体は、前記無線デバイスを解放可能に受けるように構成されたテーパ形状の空洞を有し、及び前記テーパ形状の空洞は、前記デバイス本体の前記前面及び後面と同じ形状を有する後方開口を含む、アセンブリ。
[実施形態24]
前記デバイス本体は、錐台形を有し、前記前面は、円形であり、前記後面は、円形であり、且つ前記前面のものより大きい直径を有し、及び
前記アクセサリ本体の前記空洞は、錐台形を有する、実施形態23に記載のアセンブリ。
[実施形態25]
前記空洞は、前記アクセサリが装着されるとき、前記無線デバイスの前記前面が前記ユーザと反対に面する向きでのみ前記無線デバイスを受けることができる、実施形態23に記載のアセンブリ。
[実施形態26]
前記アクセサリ本体は、前記アクセサリが装着されるとき、前記ユーザに向かって且つその反対に面するようにそれぞれ構成された内面及び外面を有し、及び
前記アクセサリの前記テーパ形状の空洞は、前記アクセサリ本体の前記内面及び外面間に延び、且つ前記内面に沿って、前記外面に沿った寸法より大きい寸法を有し、それにより、前記空洞は、前記後面を通してのみ前記無線デバイスを受けることができる、実施形態25に記載のアセンブリ。
[実施形態27]
前記テーパ形状のデバイス本体の前記前面と側面との間の角度は、前記アクセサリ本体の外面と、前記アクセサリ本体内の前記テーパ形状の空洞の側面との間の角度と実質的に等しい、実施形態23に記載のアセンブリ。
[実施形態28]
前記テーパ形状のデバイス本体の前記前面と前記側面との間の前記角度は、86~88度の範囲であり、及び
前記アクセサリ本体の前記外面と前記テーパ形状の空洞の前記側面との間の前記角度は、86~88度の範囲である、実施形態27に記載のアセンブリ。
[実施形態29]
前記無線デバイスは、前記デバイス本体内に埋め込まれ、且つ前記デバイス本体の外周に隣接して配置された少なくとも2つの磁石を含み、
前記アクセサリは、前記アクセサリ本体内に埋め込まれ、且つ前記空洞の周辺に隣接して配置された少なくとも2つの磁石を含み、及び
前記無線デバイス及び前記アクセサリの前記磁石は、前記無線デバイスが前記アクセサリの前記空洞内に配置されるとき、前記無線デバイスを前記アクセサリに対して特定の回転向きに保持するように配置されるか又は向けられる、実施形態23に記載のアセンブリ。
[実施形態30]
前記無線デバイスは、4つの磁石を含み、且つ前記アクセサリは、4つの磁石を含み、
前記無線デバイスの前記4つの磁石のうちの少なくとも2つの隣接する磁石は、前記デバイス本体の前記外周に面する同じ極性の磁極をそれぞれ有し、及び
前記アクセサリの前記4つの磁石のうちの少なくとも2つの隣接する磁石は、前記空洞の前記周辺に面する同じ極性の磁極をそれぞれ有する、実施形態29に記載のアセンブリ。
[実施形態31]
前記デバイス本体は、前記デバイス本体の外周に沿って開放金属リングを含み、且つ前記開放金属リングは、前記デバイス本体の前記外周に沿って少なくとも1つのギャップを含み、
前記アクセサリ本体は、前記空洞の周辺に沿って開放金属リングを含み、且つ前記開放金属リングは、前記空洞の前記周辺に沿って少なくとも1つのギャップを含み、及び
前記無線デバイス及び前記アクセサリの前記磁石は、前記無線デバイスが前記アクセサリの前記空洞内に配置されるとき、前記デバイス本体の前記開放金属リングの前記少なくとも1つのギャップを前記空洞の前記開放金属リングの前記少なくとも1つのギャップに隣接して保持するように配置されるか又は向けられる、実施形態29に記載のアセンブリ。
[実施形態32]
前面と、前記前面と同じ形状及び前記前面より大きい寸法を有する後面とを含む、テーパ形状を有する本体を含む無線デバイスであって、
前記本体は、空洞であって、その中にプロセッサ及び少なくとも1つの無線通信アンテナが配置される空洞を含む、無線デバイス。
[実施形態33]
前記本体は、錐台形を有し、前記前面は、円形であり、前記後面は、円形であり、且つ前記前面のものより大きい直径を有する、実施形態32に記載の無線デバイス。
[実施形態34]
前記本体は、前記本体の外周に沿って開放金属リングを含み、及び前記開放金属リングは、前記本体の前記外周に沿って少なくとも1つのギャップを含む、実施形態32に記載の無線デバイス。
[実施形態35]
非導電性材料は、前記開放金属リングの前記少なくとも1つのギャップ内に配置される、実施形態34に記載の無線デバイス。
[実施形態36]
前記テーパ形状の本体の前記前面と側面との間の角度は、86~88度の範囲である、実施形態32に記載の無線デバイス。
[実施形態37]
前記テーパ形状の本体の前記前面及び後面は、2.5インチ以下の最大寸法を有し、及び前記テーパ形状の本体は、5/8インチ以下の厚さを有する、実施形態32に記載の無線デバイス。
[実施形態38]
前記本体内に埋め込まれ、且つ前記本体の外周に隣接して配置された4つの磁石をさらに含み、
前記4つの磁石のうちの少なくとも2つの隣接する磁石は、前記本体の前記外周に面する同じ極性の磁極をそれぞれ有する、実施形態32に記載の無線デバイス。
[実施形態39]
前記本体は、前記空洞内において、異なる通信標準を使用した通信のためにそれぞれ構成された少なくとも2つの無線通信アンテナをさらに含む、実施形態32に記載の無線デバイス。
[実施形態40]
前記本体は、前記空洞内において、Bluetooth low energy(BLE)通信のために構成された第一の無線通信アンテナと、近距離無線通信(NFC)通信のために構成された第二の無線通信アンテナとを含む、実施形態39に記載の無線デバイス。
[実施形態41]
前記第一の無線通信アンテナは、J字形状を有する、実施形態40に記載の無線デバイス。
[実施形態42]
ユーザによって装着されるように構成されたアクセサリであって、
前記アクセサリが装着されるとき、前記ユーザに向かって且つそれと反対に面するようにそれぞれ構成された内面及び外面を有する本体を含み、
前記本体は、前記本体の前記外面の前方開口と、前記本体の前記内面の後方開口との間に延びるテーパ形状の空洞を有し、前記後方開口は、前記前方開口と同じ形状を有し、及び前記後方開口は、前記前方開口のものより大きい寸法を有する、アクセサリ。
[実施形態43]
前記空洞は、錐台形を有し、前記前方及び後方開口は、円形であり、及び前記後方開口は、前記前方開口のものより大きい直径を有する、実施形態42に記載のアクセサリ。
[実施形態44]
前記本体は、前記空洞の周辺に沿って開放金属リングを含み、及び前記開放金属リングは、前記空洞の前記周辺に沿って少なくとも1つのギャップを含む、実施形態42に記載のアクセサリ。
[実施形態45]
非導電性材料は、前記開放金属リングの前記少なくとも1つのギャップ内に配置される、実施形態44に記載のアクセサリ。
[実施形態46]
前記空洞に面する前記開放金属リングの表面の少なくとも一部に配置された非導電性層をさらに含む、実施形態44に記載のアクセサリ。
[実施形態47]
前記非導電性層は、前記空洞に面する前記開放金属リングの前記表面上に配置されて、前記少なくとも1つのギャップを覆う、実施形態44に記載のアクセサリ。
[実施形態48]
前記テーパ形状の空洞の前記外面と側面との間の角度は、86~88度の範囲である、実施形態42に記載のアクセサリ。
[実施形態49]
前記本体内に埋め込まれ、且つ前記空洞の周辺に隣接して配置された4つの磁石をさらに含み、
前記4つの磁石のうちの少なくとも2つの隣接する磁石は、前記空洞の前記周辺に面する同じ極性の磁極をそれぞれ有する、実施形態42に記載のアクセサリ。
[実施形態50]
完全に取り囲まれた空洞を有する本体であって、2.5インチ以下のすべての寸法を有し、且つ5/8インチ以下の厚さを有する本体と、
前記空洞内に配置されたプロセッサ、メモリ、バッテリ並びに第一及び第二の無線通信アンテナと
を含む携帯型無線デバイスであって、
前記第一及び第二の無線通信アンテナは、Bluetooth low energy(BLE)及び近距離無線通信(NFC)通信のためにそれぞれ構成される、携帯型無線デバイス。
[実施形態51]
プリント回路基板(PCB)であって、その主表面上に取り付けられた前記プロセッサ及び前記メモリを有するプリント回路基板(PCB)をさらに含み、
前記バッテリは、前記空洞内の前記PCBの第一の側に配置され、及び前記第一の無線通信アンテナは、前記空洞内の前記PCBの前記第一の側とは反対の第二の側に配置される、実施形態50に記載の携帯型無線デバイス。
[実施形態52]
前記第一の通信アンテナは、J字形状を有し、且つ前記PCBの前記プロセッサ及びメモリと同じ側に配置される、実施形態51に記載の携帯型無線デバイス。
[実施形態53]
前記第二の通信アンテナは、前記空洞の円形の周辺に沿って配置された巻線コイルアンテナである、実施形態51に記載の携帯型無線デバイス。
[実施形態54]
前記メモリは、前記携帯型無線デバイスに固有の識別子を記憶し、及び
前記プロセッサは、BLE通信を使用して前記携帯型無線デバイスの前記固有の識別子を放送する周期的ビーコン信号を発するように前記第一の無線通信アンテナを制御する、実施形態50に記載の携帯型無線デバイス。
[実施形態55]
前記プロセッサは、第一及び第二の動作モードに従って選択的に動作し、
前記プロセッサは、前記第一の動作モードにおいて、BLE通信のために構成された前記第一の無線通信アンテナを使用した双方向通信に携わり、及び
前記プロセッサは、前記第二の動作モードにおいて、BLE通信のために構成された前記第一の無線通信アンテナを使用して前記ビーコン信号を周期的に放送するビーコンモードに携わる、実施形態54に記載の携帯型無線デバイス。
[実施形態56]
前記プロセッサは、BLE通信のために構成された前記第一の無線通信アンテナを使用して、リモート通信デバイスとの安全な通信リンクを確立するように構成される、実施形態50に記載の携帯型無線デバイス。
[実施形態57]
前記プロセッサは、BLE通信のために構成された前記第一の無線通信アンテナを使用して、リモート通信デバイスに送信された通信を暗号化するように構成される、実施形態56に記載の携帯型無線デバイス。
[実施形態58]
前記プロセッサは、楕円曲線暗号化法(ECC)による暗号化を使用して通信を暗号化するように構成される、実施形態57に記載の携帯型無線デバイス。
[実施形態59]
前記メモリは、前記携帯型無線デバイスに固有の公開及び秘密識別子の両方を記憶し、
前記プロセッサは、BLE通信を使用して前記携帯型無線デバイスの前記固有の公開識別子を放送する周期的ビーコン信号を発するように前記第一の無線通信アンテナを制御し、及び
前記プロセッサは、BLE通信を使用してリモート通信デバイスと確立された安全な通信リンクにわたってのみ前記秘密識別子を送信するように前記第一の無線通信アンテナを制御する、実施形態56に記載の携帯型無線デバイス。
[実施形態60]
バッテリレベルが、BLE通信のために構成された前記第一の無線通信アンテナの動作に必要な最小閾値未満であるとき、NFC通信のために構成された前記第二の無線通信アンテナを介して通信するように動作可能である、実施形態50に記載の携帯型無線デバイス。
[実施形態61]
完全に取り囲まれた空洞を有する本体と、
前記空洞内に配置されたプロセッサ、メモリ、バッテリ並びに第一及び第二の無線通信アンテナと
を含む携帯型無線デバイスであって、
前記第一及び第二の無線通信アンテナは、Bluetooth low energy(BLE)及び近距離無線通信(FC)通信のためにそれぞれ構成され、及び
前記本体は、前記本体の前記空洞を実質的に取り囲むように配置された開放金属リングを含み、且つ前記開放金属リングは、少なくとも1つの開口であって、その中に配置された非導電性材料を有する少なくとも1つの開口を含む、携帯型無線デバイス。
[実施形態62]
BLE通信のために構成された前記第一の通信アンテナは、J字形状を有する、実施形態61に記載の携帯型無線デバイス。
[実施形態63]
プリント回路基板(PCB)であって、その主表面上に取り付けられた前記プロセッサ及び前記メモリを有するプリント回路基板(PCB)をさらに含み、
前記J字形の第一の通信アンテナは、前記PCBの前記主表面上の前記プロセッサ又はメモリを覆うように取り付けられる、実施形態62に記載の携帯型無線デバイス。
[実施形態64]
前記バッテリは、前記空洞内において、前記PCBの前記J字形の第一の通信アンテナとは反対の側に配置される、実施形態63に記載の携帯型無線デバイス。
[実施形態65]
前記本体は、
前記本体の前記空洞を実質的に取り囲むように配置された前記開放金属リングと、
前記開放金属リングと係合して、それぞれ前記空洞の前側及び裏側をカバーするように構成された前板及び裏板と
を含む、実施形態61に記載の携帯型無線デバイス。
[実施形態66]
前記本体は、前記本体の外周に沿って前記開放金属リングに隣接して配置された4つの磁石を含み、
前記4つの磁石のうちの少なくとも2つの隣接する磁石は、前記本体の前記外周に面する同じ極性の磁極をそれぞれ有する、実施形態61に記載の携帯型無線デバイス。
[実施形態67]
前記メモリは、前記携帯型無線デバイスに固有の識別子を記憶し、及び
前記プロセッサは、BLE通信を使用して前記携帯型無線デバイスの前記固有の識別子を放送する周期的ビーコン信号を発するように前記第一の無線通信アンテナを制御する、実施形態61に記載の携帯型無線デバイス。
[実施形態68]
前記プロセッサは、第一及び第二の動作モードに従って選択的に動作し、
前記プロセッサは、前記第一の動作モードにおいて、BLE通信のために構成された前記第一の無線通信アンテナを使用した双方向通信に携わり、及び
前記プロセッサは、前記第二の動作モードにおいて、BLE通信のために構成された前記第一の無線通信アンテナを使用して前記ビーコン信号を周期的に放送するビーコンモードに携わる、実施形態67に記載の携帯型無線デバイス。
[実施形態69]
前記プロセッサは、BLE通信のために構成された前記第一の無線通信アンテナを使用して、リモート通信デバイスとの安全な通信リンクを確立するように構成される、実施形態61に記載の携帯型無線デバイス。
[実施形態70]
完全に取り囲まれた空洞を有する本体と、
前記空洞内に配置されたプロセッサ、メモリ、バッテリ並びに第一及び第二の無線通信アンテナと
を含む携帯型無線デバイスであって、
前記本体は、錐台形状と、円形である前面と、円形であり、且つ前記前面のものより大きい直径を有する後面とを有し、
前記前面及び後面は、0.75~2.5インチの直径を有し、前記本体は、1/8~5/8インチの厚さを有し、且つ前記錐台形の本体の前記前面と側面との間の角度は、86~88度の範囲であり、及び
前記第一及び第二の無線通信アンテナは、Bluetooth low energy(BLE)及び近距離無線通信(NFC)通信のためにそれぞれ構成される、携帯型無線デバイス。
[実施形態71]
電子ドアロックアセンブリであって、
ラッチと、選択的にドアを開錠するように動作可能な電子制御施錠機構とを含むラッチアセンブリと、
前記ラッチアセンブリの前記電子制御施錠機構に電気的に接続され、且つ無線通信のために構成された無線機を含むドアロック通信モジュールと、
前記ドアロック通信モジュールとの無線通信のために構成された無線機と、ユーザデバイスとの無線通信のために構成された第一のトランシーバと、予約サーバとの通信のための第二のトランシーバとを含むアクセスパネルと
を含む電子ドアロックアセンブリ。
[実施形態72]
前記アクセスパネルの前記無線機、第一のトランシーバ及び第二のトランシーバは、それぞれ異なる通信標準に従って動作する、実施形態71に記載の電子ドアロックアセンブリ。
[実施形態73]
前記アクセスパネルは、Bluetooth low energy(BLE)通信標準を使用する前記第一のトランシーバを介して前記ユーザデバイスと通信し、且つ前記第二のトランシーバ及び有線ネットワーク接続を介して前記予約サーバと通信する、実施形態71に記載の電子ドアロックアセンブリ。
[実施形態74]
前記ドアロック通信モジュール及び前記アクセスパネルは、ISMバンドで動作する近距離無線機を介して通信する、実施形態71に記載の電子ドアロックアセンブリ。
[実施形態75]
前記ドアロック通信モジュールは、前記ドアロック通信モジュールの前記無線機を介して前記アクセスパネルとの暗号化された無線通信に携わるように構成され、及び
前記アクセスパネルは、前記アクセスパネルの前記無線機を介して前記ドアロック通信モジュールとの暗号化された無線通信に携わり、且つ前記アクセスパネルの前記第一のトランシーバを介して前記ユーザデバイスとの暗号化された無線通信に携わるように構成される、実施形態71に記載の電子ドアロックアセンブリ。
[実施形態76]
前記アクセスパネルは、前記第一のトランシーバを介した前記ユーザデバイスとの無線通信を通じて前記ユーザデバイスから固有の識別子を受信し、前記第二のトランシーバを介して前記予約サーバから受信された許可されたユーザに関する情報に基づいて、前記受信された固有の識別子が、許可されたユーザに対応するか否かを特定し、且つ前記特定の結果に基づいて、前記ドアロック通信モジュールにドア開錠信号を選択的に送信するように構成される、実施形態71に記載の電子ドアロックアセンブリ。
[実施形態77]
前記アクセスパネルは、前記予約サーバから受信され、且つ前記ユーザデバイスから受信された前記固有の識別子に基づいて選択された情報を表示するように構成されたディスプレイと、前記特定の前記結果に基づいてユーザの画像を選択的に撮影するように構成されたカメラとをさらに含む、実施形態76に記載の電子ドアロックアセンブリ。
[実施形態78]
前記ラッチアセンブリは、ドアノブと、ユーザの前記ドアノブとの接触又は近接を感知するように動作可能な近接センサとをさらに含み、及び
前記電子制御施錠機構は、前記近接センサによって感知された前記ユーザの前記ドアノブとの前記接触又は近接に基づいて前記ドアを選択的に開錠するように動作可能である、実施形態71に記載の電子ドアロックアセンブリ。
[実施形態79]
前記ドアノブは、電気的に絶縁され、及び前記近接センサは、前記電気的に絶縁されたドアノブに電気的に接続され、且つ前記ユーザの前記電気的に絶縁されたドアノブとの接触又は近接を感知するように動作可能な容量式タッチセンサである、実施形態78に記載の電子ドアロックアセンブリ。
[実施形態80]
前記ドアノブは、アースから電気的に絶縁され、及び前記ドアノブは、前記ドアロック通信モジュールの前記無線機のための通信アンテナとして機能する、実施形態78に記載の電子ドアロックアセンブリ。
[実施形態81]
ドアノブと、
前記ドアノブの操作によって選択的に動作されるラッチと、
前記ラッチを選択的に開錠するように動作可能な電子制御施錠機構と、
ユーザの前記ドアノブとの接触又は近接を感知するように動作可能な近接センサと
を含むドアラッチアセンブリであって、
前記電子制御施錠機構は、前記近接センサによって感知された前記ユーザの前記ドアノブとの前記接触又は近接に基づいて前記ラッチを選択的に開錠するように動作可能である、ドアラッチアセンブリ。
[実施形態82]
前記ドアラッチアセンブリのスピンドルに取り付けられ、且つ前記ドアノブを前記ドアラッチアセンブリの他の部分から電気的に絶縁するように構成された電気絶縁スリーブをさらに含む、実施形態81に記載のドアラッチアセンブリ。
[実施形態83]
前記ドアノブは、電気的に絶縁され、及び前記近接センサは、前記電気的に絶縁されたドアノブに電気的に接続され、且つ前記ユーザの前記電気的に絶縁されたドアノブとの接触又は近接を感知するように動作可能な容量式タッチセンサである、実施形態81に記載のドアラッチアセンブリ。
[実施形態84]
前記電子制御施錠機構は、前記近接センサが前記ユーザの前記ドアノブとの接触又は近接を感知するときにのみ、ソレノイドを作動させて前記ドアラッチアセンブリを開錠するように動作可能である、実施形態81に記載のドアラッチアセンブリ。
[実施形態85]
前記ドアラッチアセンブリの前記電子制御施錠機構に電気的に接続され、且つ無線通信のために構成された無線機を含むドアロック通信モジュールをさらに含む、実施形態81に記載のドアラッチアセンブリ。
[実施形態86]
前記電子制御施錠機構は、前記ドアロック通信モジュールが前記無線機を介して開錠信号を受信することに応答して前記ラッチを開錠するように動作可能である、実施形態85に記載のドアラッチアセンブリ。
[実施形態87]
前記ドアロック通信モジュールが前記開錠信号を受信することに応答して、前記電子制御施錠機構は、前記近接センサが前記ユーザの前記ドアノブとの接触又は近接を感知するときにのみ、前記ラッチを開錠するように動作可能である、実施形態86に記載のドアラッチアセンブリ。
[実施形態88]
前記ドアノブは、アースから電気的に絶縁され、及び前記ドアノブは、前記ドアロック通信モジュールの前記無線機のための通信アンテナとして機能する、実施形態85に記載のドアラッチアセンブリ。
[実施形態89]
電電子制御ドアロックを制御するアクセスパネルであって、
電子制御施錠機構に電気的に接続されたドアロック通信モジュールとの無線通信のために構成された無線機と、
前記電子制御施錠機構を作動させようとしているユーザを特定するための、ユーザデバイスとの無線通信のために構成された第一のトランシーバと、
前記電子制御施錠機構を作動させることを許可されたユーザの識別子を記憶する予約サーバとの通信のために構成された第二のトランシーバと
を含み、
前記無線機、第一のトランシーバ及び第二のトランシーバの各々は、異なる通信標準に従って動作する、アクセスパネル。
[実施形態90]
Bluetooth low energy(BLE)通信標準を使用する前記第一のトランシーバを介して前記ユーザデバイスと通信し、且つ前記第二のトランシーバ及び有線ネットワーク接続を介して前記予約サーバと通信する、実施形態89に記載のアクセスパネル。
[実施形態91]
ISMバンドで動作する短距離無線機を介して前記ドアロック通信モジュールと通信する、実施形態89に記載のアクセスパネル。
[実施形態92]
前記無線機を介して前記ドアロック通信モジュールとの暗号化された無線通信に携わるように構成され、及び
前記第一のトランシーバを介して前記ユーザデバイスとの暗号化された無線通信に携わるように構成される、実施形態89に記載のアクセスパネル。
[実施形態93]
前記第一のトランシーバを介した前記ユーザデバイスとの無線通信を通じて前記ユーザデバイスから固有の識別子を受信し、前記第二のトランシーバを介して前記予約サーバから受信された許可されたユーザに関する情報に基づいて、前記受信された固有の識別子が、許可されたユーザに対応するか否かを特定し、且つ前記特定の結果に基づいて、前記ドアロック通信モジュールを介してドア開錠信号を選択的に送信するように構成される、実施形態89に記載のアクセスパネル。
[実施形態94]
前記予約サーバから受信され、且つ前記ユーザデバイスから受信された前記固有の識別子に基づいて選択された情報を表示するように構成されたディスプレイと、
前記特定の前記結果に基づいてユーザの画像を選択的に撮影するように構成されたカメラと
をさらに含む、実施形態93に記載のアクセスパネル。
[実施形態95]
前記第一のトランシーバに通信可能に連結され、且つ前記アクセスパネルの前記ディスプレイの外周に沿って配置された通信アンテナをさらに含む、実施形態94に記載のアクセスパネル。