(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022084650
(43)【公開日】2022-06-07
(54)【発明の名称】不正の検出
(51)【国際特許分類】
G07F 7/06 20060101AFI20220531BHJP
【FI】
G07F7/06
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022029839
(22)【出願日】2022-02-28
(62)【分割の表示】P 2018550815の分割
【原出願日】2017-04-10
(31)【優先権主張番号】16164517.1
(32)【優先日】2016-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】513110654
【氏名又は名称】トムラ システムズ エーエスエー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ノードブライン,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ヒューネス ヘルゲセン ハンセン,アンダーズ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】空き容器回収機を対象とした不正の試みの検出のためのシステム及び方法を提供する。
【解決手段】空き容器回収機によって受け取られた食品又は飲料容器を照射する1つの放射放出装置と、照射することに応答して、食品又は飲料容器において反射された、且つ/又は、これを通じて透過された、且つ/又は、これから放出された、放射を検出するように構成された1つの放射検出装置と、1つの処理ユニットであって、少なくとも1つの放射検出装置から検出済みの放射に対応する情報を受け取ること、更なる放射の存在を判定するべく情報を分析することであって、更なる放射は、正当な食品又は飲料容器からは、受け取られない、こと、且つ、更なる放射の存在の判定の際に、食品又は飲料容器を不正なものとして分類することを行うように構成された1つの処理ユニットと、を有する。
【選択図】
図1a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空き容器回収機システムにおいて不正を検出する方法(300)であって、前記空き容器回収機システムは、少なくとも1つの放射放出装置と、放射検出装置と、少なくとも1つの処理ユニットと、を有し、前記方法は、
- 検証マークと、前記検証マークの周りのバックグラウンドと、を担持する、食品又は飲料容器を受け取るステップ(302)であって、前記検証マークは、セキュリティマーク又はバーコードであり、前記セキュリティマークは、バーコードデコーディングの使用により、且つ/又は、文字認識及び/若しくは欧字認識及び/若しくはパターン認識の使用により、読み取られるように構成されている、ステップ(302)と、
- 前記少なくとも1つの放射放出装置から放出される、光学放射の波長範囲内の波長を有する放射により、前記検証マークを含む、前記食品又は飲料容器の表面を照射するステップ(304)と、
- 前記少なくとも1つの放射放出装置から放出された、且つ、前記食品又は飲料容器において後から反射された、放射、及び/若しくは、前記少なくとも1つの放射放出装置から放出された、且つ、前記食品又は飲料容器において後から透過された、放射、を検出し、且つ/又は、前記放射検出装置により、前記照射することに応答して前記食品又は飲料容器から放出された放射を検出するステップ(306)と、
- 前記検出済みの放射に対応する情報を前記放射検出装置から前記少なくとも1つの処理ユニットに送信するステップ(308)と、
- 前記少なくとも1つの処理ユニットにおいて、
- 前記バックグラウンドから放出された更なる放射の存在を判定するべく、前記検出済みの放射に対応する前記情報を分析するステップ(310)であって、前記更なる放射は、正当な食品又は飲料容器からは、受け取られない、ステップ(310)と、
- 前記更なる放射の前記存在の判定の際(312a)に、前記食品又は飲料容器を不正なものとして分類するステップ(314a)と、
を含む方法(300)。
【請求項2】
- 前記検出済みの放射に対応する情報を前記処理ユニットに送信する前記ステップは、正当な食品及び飲料容器から受け取られた前記波長範囲外の波長を有する放射を検出した際にのみ、実行され、且つ、
- 前記バックグラウンドから放出された更なる放射の前記存在を判定する前記ステップは、前記照射検出装置から情報を受け取ることに等しい、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
- 少なくとも1つの分類された波長スペクトルを表す情報を前記処理ユニットに提供するステップであって、前記少なくとも1つの分類された波長スペクトルのそれぞれは、正当なものとして又は正当ではないものとして分類されている、ステップを更に含み、
- 放射を検出する前記ステップは、波長スペクトルを登録することを含み、
- 前記検出済みの放射に対応する情報を前記処理ユニットに送信する前記ステップは、前記登録された波長スペクトルを表す情報を前記処理ユニットに送信することを含み、且つ、
- 前記バックグラウンドから放出された更なる放射の前記存在を判定する前記ステップは、前記登録された波長スペクトルに対応する前記情報を前記少なくとも1つの分類された波長スペクトルと比較し、且つ、この比較に基づいて、更なる放射の任意の存在を識別することを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記バックグラウンドからの更なる放射の前記存在を判定するべく、前記検出済みの放射に対応する前記情報を分析する前記ステップは、前記容器表面の空間分解画像を表す情報を正当なセキュリティマーキング又は検証マークの既定の画像を表す情報と比較することを含まない、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記処理ユニットにおいて、
- 前記容器上の検証エリアを識別するステップであって、前記検証エリアは、前記検証マークと、前記検証マークの周りのバックグラウンドと、を含む、ステップと、
- バーコードデコーディングの使用により、且つ/又は、文字認識及び/若しくは欧字認識及び/若しくはパターン認識の使用により、前記検証エリア内において含まれている前記検証マークに対して読取り動作を実行するステップと、
- 前記検証マークの正常な読取りの際に、前記食品又は飲料容器を潜在的に正当なものとして分類するステップと、
を含む更なる試験が実行される、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記バックグラウンドから放出された更なる放射を判定する前記ステップは、前記食品又は飲料容器上において存在している不正な材料(114)を検出することを含み、且つ、前記不正な材料は、前記検証マークに対する前記バックグラウンドを形成しており、且つ、任意選択により、紙、プラスチックフォイル、金属フォイル、織物、バルクプラスチック、又はこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記バックグラウンドから放出された更なる放射の前記存在を判定するべく、前記検出された放射に対応する前記情報を分析する前記ステップ(310)は、前記受け取られた放射が既定の閾値を超過していると判定するステップを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
空き容器回収機(1)における不正の検出のためのシステム(100)であって、
- 前記空き容器回収機によって受け取られた食品又は飲料容器(102)のエリアを照射するべく、光学放射の波長範囲内の放射(106)を放出するように構成された少なくとも1つの放射放出装置(104)であって、前記エリアは、検証マークと、前記検証マークの周りのバックグラウンドと、を含み、前記検証マークは、セキュリティマーク及び/又はバーコードである、放射放出装置(104)と、
- 前記少なくとも1つの放射放出装置から放出された、且つ、前記食品又は飲料容器において後から反射された、且つ/又は、前記少なくとも1つの放射放出装置から放出された、且つ、前記食品又は飲料容器を通じて後から透過された、放射(108)を検出し、且つ/又は、前記放射検出装置により、前記照射することに応答して前記食品又は飲料容器から放出された放射を検出するように構成された少なくとも1つの放射検出装置(110)と、
- 前記少なくとも1つの放射検出装置との通信状態にある少なくとも1つの処理ユニット(115)であって、
- 前記少なくとも1つの放射検出装置から前記検出済みの放射に対応する情報を受け取ること、
- 前記容器上の検証エリアを識別することであって、前記検証エリアは、前記検証マークと、前記検証マークの周りの前記バックグラウンドと、を含む、こと、
- 更なる放射の存在を判定するべく、前記検出済みの放射に対応する前記情報を分析することであって、前記更なる放射は、正当な食品又は飲料容器からは、受け取られない、こと、且つ、
- 前記更なる放射の前記存在の判定の際に、前記食品又は飲料容器を不正なものとして分類すること、
- バーコードデコーディングの使用により、且つ/又は、文字認識及び/若しくは欧字認識及び/若しくはパターン認識の使用により、前記検証エリア内において含まれている前記検証マークを読み取ること、且つ、任意選択により、
- 前記検証マークの正常な読取りの際に、前記食品又は飲料容器を潜在的に正当なものとして分類すること、
を行うように構成された少なくとも1つの処理ユニット(115)と、
を有するシステム(100)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの放射放出装置は、紫外線範囲、可視範囲、及び赤外線範囲からなる群から選択された1つ又は複数の波長範囲内の放射を放出し、且つ、
任意選択により、前記放射放出装置は、前記1つ又は複数の波長範囲内においてのみ、放射を放出する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記更なる放射は、前記食品又は飲料容器上において存在している不正な材料(114)に由来しており、前記不正な材料は、好ましくは、前記検証マークに対する前記バックグラウンドを形成しており、且つ、前記不正な材料は、任意選択により、紙、プラスチックフォイル、金属フォイル、織物、バルクプラスチック、又はこれらの組合せからなる群から選択された1つ又は複数の要素である、請求項8又は9に記載のシステム。
【請求項11】
検証マークは、前記不正な材料上において存在しており、且つ、前記不正な材料は、前記食品又は飲料容器上において提供されているオリジナルのバーコード又はオリジナルのセキュリティマーキングをカバー又は置換し、或いは、その他の方式により、前記食品又は飲料容器の前記外観を変更している、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記更なる放射は、前記紫外線範囲、前記可視範囲、及び前記赤外線範囲、並びに/又は、蛍光放射からなる群から選択された1つ又は複数の波長範囲内の放射を有する、請求項8~11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
- 前記食品又は飲料容器には、バーコード又はセキュリティマークが提供されており、且つ、
- 前記放射検出装置は、前記バーコード又はセキュリティマークにおいて、又はその近傍において、反射された光を受け取るように構成され、且つ/又は、前記バーコード又はセキュリティマークにおいて、又はその近傍において、放出された光を受け取るように構成されている、請求項8~12のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項14】
前記放射検出装置は、前記紫外線範囲、前記可視範囲、及び前記赤外線範囲からなる群から選択された1つ又は複数の波長範囲内の放射を検出するように構成されている、請求項8~13のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
前記少なくとも1つの処理ユニットは、前記更なる放射の欠如の判定の際に、前記食品又は飲料容器を正当なものとして又は潜在的に正当なものとして分類するように更に構成されている、請求項8~14のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つの処理ユニットは、少なくとも第1及び第2の処理ユニットを有し、且つ、
前記第1及び第2の処理ユニットは、
- 前記少なくとも1つの放射検出装置から前記検出済みの放射に対応する情報を受け取ること、
- 更なる放射の前記存在を判定するべく、前記検出済みの放射に対応する前記情報を分析することであって、前記更なる放射は、正当な食品又は飲料容器からは、受け取られない、こと、
- 前記更なる放射の前記存在の判定の際に、前記食品又は飲料容器を不正なものとして分類すること、
という前記ステップを協働状態において実行するように構成されている、請求項18~15のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項17】
請求項8~16のいずれか1項に記載の不正の検出のためのシステムが提供された空き容器回収機。
【請求項18】
前記少なくとも1つの処理ユニットは、処理回路を有し、且つ、前記処理回路の第1の部分は、前記空き容器回収機の前記ハウジングの内側に配置され、且つ、前記処理回路の第2の部分は、前記空き容器回収機の前記ハウジングの外側に配置されており、且つ、
前記処理回路の前記第1及び第2の部分は、
- 前記少なくとも1つの放射検出装置から前記検出済みの放射に対応する情報を受け取ること、
- 更なる放射の存在を判定するべく、前記検出済みの放射に対応する前記情報を分析することであって、前記更なる放射は、正当な食品又は飲料容器からは、受け取られない、こと、
- 前記更なる放射の前記存在の判定の際に、前記食品又は飲料容器を不正なものとして分類すること、
という前記ステップを協働状態において実行するように構成されている、請求項17に記載の空き容器回収機。
【請求項19】
空き容器回収機(1)における不正の検出のためのシステム(100)であって、
- 前記空き容器回収機によって受け取られた食品又は飲料容器(102)を照射するべく、光学放射の波長範囲内の放射(106)を放出するように構成された少なくとも1つの放射放出装置(104)と、
- 前記少なくとも1つの放射放出装置から放出された、且つ、前記食品又は飲料容器において後から反射された、且つ/又は、前記少なくとも1つの放射放出装置から放出された、且つ、前記食品又は飲料容器を通じて後から透過された、放射(108)を検出し、且つ/又は、前記放射検出装置により、前記照射することに応答して前記食品又は飲料容器から放出された放射を検出するように構成された少なくとも1つの放射検出装置(110)と、
- 前記少なくとも1つの放射検出装置との通信状態にある少なくとも1つの処理ユニット(115)であって、
- 前記少なくとも1つの放射検出装置から、前記検出済みの放射に対応する情報を受け取ること、
- 更なる放射の存在を判定するべく、前記検出済みの放射に対応する前記情報を分析することであって、前記更なる放射は、正当な食品又は飲料容器からは、受け取られない、こと、且つ、
- 前記更なる放射の前記存在の判定の際に、前記食品又は飲料容器を不正なものとして分類すること、
を行うように構成された少なくとも1つの処理ユニット(115)と、
を有するシステム(100)。
【請求項20】
空き容器回収機システムにおいて不正を検出する方法(300)であって、前記空き容器回収機システムは、少なくとも1つの放射放出装置と、放射検出装置と、少なくとも1つの処理ユニットと、を有し、前記方法は、
- 食品又は飲料容器を受け取るステップ(302)と、
- 前記少なくとも1つの放射放出装置から放出された、光学放射の波長範囲内の波長を有する放射により、前記食品又は飲料容器の表面を照射するステップ(304)と、
- 前記少なくとも1つの放射放出装置から放出された、且つ、前記食品又は飲料容器において後から反射された、放射、及び/若しくは、前記少なくとも1つの放射放出装置から放出された、且つ、前記食品又は飲料容器において後から透過された、放射、を検出し、且つ/又は、前記放射検出装置により、前記照射することに応答して前記食品又は飲料容器から放出された放射を検出するステップ(306)と、
- 前記検出済みの放射に対応する情報を前記放射検出装置から前記少なくとも1つの処理ユニットに送信するステップ(308)と、
- 前記少なくとも1つの処理ユニットにおいて、
- 更なる放射の存在を判定するべく、前記検出済みの放射に対応する前記情報を分析するステップ(310)であって、前記更なる放射は、正当な食品又は飲料容器からは、受け取れられない、ステップ(310)と、
- 前記更なる放射の前記存在の判定の際(312a)に、前記食品又は飲料容器を不正なものとして分類するステップ(314a)と、
を含む方法(300)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の技術分野
本発明は、空き容器回収機を対象とした不正の試みの検出のためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
空き容器回収機(RVM:reverse vending machine)は、食品及び飲料容器などの使用済みの物品を受け取ると共にお金をユーザーに返す装置である。空き容器回収機は、強制リサイクル法又は容器預託金法を有する地域において一般的なものである。空き容器回収機は、ポイ捨てを防止すると共に資源を節約するために、食品及び飲料容器をリサイクルするべく、多年にわたって使用されている。このような使用済みの飲料容器をリサイクルするための一般的なシステムは、通常、顧客が自身の使用済みの容器を空き容器回収機まで持参することに基づいており、且つ、そのお返しとして、顧客は、現金に交換可能な、或いは、例えば、食料品店における、支払に使用しうるレシートを受け取っている。
【0003】
空き容器回収機は、ガラスや異なる種類の金属及びプラスチックなどの様々な材料から製造された使用済みの容器を受け取るように開発されている。容器の真偽は、空き容器回収機内において、又はこれとの関連において、取り付けられた異なるシステムにより、後から検証されている。容器の真偽の検証は、容器の形状、材料、又はその他の物理的特性に基づきうるが、容器の表面上に配置されたバーコード又はセキュリティマーク、或いは、これらのプロパティの組合せにも、基づきうる。
【0004】
空き容器回収機は、不正の試みを検出及び処理可能であることを要し、従って、これに基づいて、空き容器回収機は、返却不能な物品を拒絶できることになる。不正の試みを検出するためのシステムは、長年にわたって、益々進化しているが、不正の試みも、同様に進化している。従って、この課題を充足するように、これらのシステムの絶え間ない改善に対するニーズが存在している。
【0005】
歴史的には、不正を低減するために、複製が容易ではないセキュリティマーキングを提供することが重要とされているが、このような対策は、通常、費用を所要するマーキング及び/又は高空間分解能を有する高度な検出器システムを必要としている。従来技術(独国特許第10247252号)は、このようなシステムの一例を提示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明の概要
本発明の1つの目的は、当技術分野の現状を改善し、上述の問題点のうちの少なくともいくつかを軽減し、且つ、空き容器回収機における不正の検出のための改善されたシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、空き容器回収機(RVM)における不正の検出のためのシステムが提供される。システムは、
- 前記空き容器回収機によって受け取られた食品又は飲料容器を照射するべく、光学放射の波長範囲内の放射を放出するように構成された少なくとも1つの放射放出装置と、
- 少なくとも1つの放射検出装置であって、前記少なくとも1つの放射放出装置から放出された、且つ、前記食品又は飲料容器において後から反射された、且つ/又は、前記少なくとも1つの放射放出装置から放出された、且つ、前記食品又は飲料容器を通じて後から透過された、放射を検出し、且つ/又は、前記放射検出装置により、前記照射することに応答して前記食品又は飲料容器から放出された放射を検出するように構成された少なくとも1つの放射検出装置と、
- 前記少なくとも1つの放射検出装置との通信状態にある処理ユニットであって、
- 前記少なくとも1つの放射検出装置から、検出済みの放射に対応する情報を受け取ること、
- 更なる放射の存在を判定するべく、検出済みの放射に対応する前記情報を分析することであって、更なる放射は、正当な食品又は飲料容器からは、受け取られない、こと、且つ、
- 前記更なる放射の存在の判定の際に、前記食品又は飲料容器を不正なものとして分類すること、
を行うように構成された処理ユニットと、
を有する。
【0008】
本発明の代替の第1の態様によれば、空き容器回収機における不正の検出のためのシステムは、
- 前記空き容器回収機によって受け取られた前記食品又は飲料容器のエリアを照射するべく、光学放射の波長範囲内の放射を放出するように構成された少なくとも1つの放射放出装置であって、このエリアは、検証マークと、前記検証マークを取り囲む又はその周りのバックグラウンドと、を含み、前記検証マークは、セキュリティマーク及び/又はバーコードである、放射放出装置と、
- 少なくとも1つの放射検出装置であって、前記少なくとも1つの放射放出装置から放出された、且つ、前記食品又は飲料容器において後から反射された、且つ/又は、前記少なくとも1つの放射放出装置から放出された、且つ、前記食品又な飲料容器を通じて後から透過された、放射を検出し、且つ/又は、前記放射検出装置により、前記照射に応答して前記食品又は飲料容器から放出された放射を検出するように構成された少なくとも1つの放射検出装置と、
- 前記少なくとも1つの放射検出装置との通信状態にある少なくとも1つの処理ユニットであって、
- 前記少なくとも1つの放射検出装置から、検出済みの放射に対応する情報を受け取ること、
- 前記容器上の検証エリアを識別することであって、この検証エリアは、前記検証マークと、前記検証マークを取り囲む又はその周りの前記バックグラウンドと、を含む、こと、
- 更なる放射の存在を判定するべく、検出済みの放射に対応する前記情報を分析することであって、更なる放射は、正当な食品又は飲料容器からは、受け取られない、こと、且つ、
- 前記更なる放射の存在の判定の際に、前記食品又は飲料容器を不正なものとして分類すること、
- バーコードデコーディング及び/又はパターン又は文字認識の使用により、前記検証エリア内に含まれている検証マークを読み取ること、且つ、任意選択により、
- 検証マークの正常な読取りの際に、前記食品又は飲料容器を潜在的に正当なものとして分類すること、
を行うように構成された少なくとも1つの処理ユニットと、
を有する。
【0009】
本発明の第2の態様によれば、空き容器回収機システムにおいて不正を検出する方法が提供される。空き容器回収機システムは、少なくとも1つの放射放出装置と、放射検出装置と、少なくとも1つの処理ユニットと、を有し、方法は、
- 食品又は飲料容器を受け取るステップと、
- 光学放射の波長範囲内の波長を有する放射によって前記食品又は飲料容器の表面を照射するステップであって、放射は、前記少なくとも1つの放射放出装置から放射される、ステップと、
- 前記少なくとも1つの放射放出装置から放出された、且つ、前記食品又は飲料容器において後から反射された、放射を検出し、且つ/又は、前記少なくとも1つの放射放出装置から放出された、且つ、前記食品又は飲料容器を通じて後から透過された、放射を検出し、且つ/又は、前記放射検出装置により、前記照射することに応答して前記食品又は飲料容器から放出された放射を検出するステップと、
- 検出済みの放射に対応する情報を前記放射検出装置から前記少なくとも1つの処理ユニットに送信するステップと、
- 前記少なくとも1つの処理ユニットにおいて、
- 更なる放射の存在を判定するべく、検出済みの放射に対応する前記情報を分析するステップであって、更なる放射は、正当な食品又は飲料容器からは、受け取られない、ステップと、
- 前記更なる放射の存在の判定の際に、前記食品又は飲料容器を不正なものとして分類するステップと、
を含む。
【0010】
本発明の代替の第2の態様によれば、少なくとも1つの放射放出装置、放射検出装置、及び少なくとも1つの処理ユニットを有する空き容器回収機システムにおいて不正を検出する方法が提供され、且つ、方法は、
- 検証マークと、前記検証マークを取り囲む又はその周りのバックグラウンドと、を担持する食品又は飲料容器を受け取るステップであって、前記検証マークは、セキュリティマーク又はバーコードであり、セキュリティマークは、バーコードデコーディングの使用により、且つ/又は、文字認識及び/若しくは欧字認識及び/若しくはパターン認識の使用により、読み取られる/デコーディングされるように構成されている、ステップと、
- 光学放射の波長範囲内の波長を有する放射により、前記検証マークを含む、前記食品又は飲料容器の表面を照射するステップであって、放射は、前記少なくとも1つの放射放出装置から放出される、ステップと、
- 前記少なくとも1つの放射放出装置から放出された、且つ、前記食品又は飲料容器において後から反射された、放射、及び/若しくは、前記少なくとも1つの放射放出装置から放出された、且つ、前記食品又は飲料容器において後から透過された、放射、を検出し、且つ/又は、前記放射検出装置により、前記照射することに応答して前記食品又は飲料容器から放出された放射を検出するステップと、
- 検出済みの放射に対応する情報を前記放射検出装置から前記少なくとも1つの処理ユニットに送信するステップと、
- 前記少なくとも1つの処理ユニットにおいて、
- 前記バックグラウンドから放出された更なる放射の存在を判定するべく、検出済みの放射に対応する前記情報を分析するステップであって、更なる放射は、正当な食品又は飲料容器からは、受け取られない、ステップと、
- 前記更なる放射の存在の判定の際に、前記食品又は飲料容器を不正なものとして分類するステップと、
を含む。
【0011】
本発明の第3の態様によれば、本発明の前記第1の態様による不正の検出のためのシステムが提供された空き容器回収機が提供される。
【0012】
本発明は、高度な検出器を必要としないと共に特別なマーキングを必要としない、不正をキャッチする、容易に実装される方法を提供している。換言すれば、本発明の核心は、セキュリティマーク又はバーコードの検証によるのではなく、セキュリティマーク又はバーコードがその上部に印刷されている材料を検証することによって不正の試みをキャッチするという点にある。
【0013】
また、本発明との関係において、空き容器回収機によって取り扱われる食品又は飲料容器は、回収済みの食品又は飲料容器、或いは、空の食品及び飲料容器、或いは、使用済みの食品及び飲料容器、とも呼称される場合がある。また、多くの空き容器回収機においては、容器は、空ではない状態において、受け取られる場合もあり、且つ、いくつかの例においては、開封されていない状態において、受け取られる場合もある。
【0014】
本発明の要旨は、返金が存在する任意のタイプの消費者物品を取り扱う空き容器回収機に対して適用可能であり、想定されるこのような機械の例は、携帯電話機、電池、及び/又はパッケージングを取り扱う空き容器回収機である。即ち、システム及び方法は、食品及び飲料容器を参照して記述されている基本的に同一の原理に従って、これらの物品に関係する不正を検出するべく、使用することができる。
【0015】
以上においては、前記少なくとも1つの処理ユニットは、前記少なくとも1つの放射検出装置から、検出済みの放射に対応する情報を受け取るように構成されていると記述されている。換言すれば、前記少なくとも1つの処理ユニットは、前記少なくとも1つの放射検出装置から情報を受け取るように構成されており、情報は、前記少なくとも1つの放射検出装置によって検出される放射に対応しているか、又はこれに等しい。
【0016】
本明細書においては、「読取り(reading)」又は「デコーディング(decoding)」という用語は、バーコード、セキュリティマーク、又は検証マークによって担持されているメッセージをデコーディングするべく、バーコードデコーディング及び/又は文字認識及び/又は欧字認識及び/又はパターン認識を使用することであると理解されたい。メッセージは、空間的な延在を有するグラフィカルメッセージであってもよく、空間的な延在を有するグラフィカルメッセージの例は、EANコード、QRコード(登録商標)、欧字、並びに、陰陽(yin and yang)サインなどのシンボルである。
【0017】
以下、本発明の前記態様の例及び実施形態について説明する。
【0018】
本発明の少なくとも1つの例示用の実施形態によれば、光学放射は、DIN5031規格による100nm~1mmの範囲の波長を有する放射である。
【0019】
本発明との関係において、食品又は飲料容器の表面材料は、容器が製造されている材料のみならず、容器表面上に存在している任意の材料をも含む。表面材料は、1つ又は複数の異なる層から構成することが可能であり、この場合に、これらの層も、同一の又は異なる材料から構成することができる。容器表面上において存在している材料は、例えば、製造者により、且つ/又は、そのような容器を販売する店舗から、提供されたラベル又はタグなどのように、容器が消費者に対して販売される前に、容器上において配置されることが可能であり、或いは、無関係な材料である。無関係な材料は、容器が顧客に販売された後に、容器に、通常は、容器表面に、追加された材料である。無関係な材料は、埃などの不正ではないものと、不正なものと、の両方でありうる。不正な材料は、正当ではない容器を正当なものとして見なすように、空き容器回収機をだますべく、食品又は飲料容器に提供される。その上部に印刷されたバーコードに基づいて容器の正当性を判定するRVMが存在している。バーコードが、例えば、預託金協会のメンバなどによって発行されたものに対応している場合に、容器は、正当なものとして見なされることになり、対応していない場合には、正当なものとして見なされない。従って、例えば、海外などにおいては、RVMをだますために、しばしば、消費者に販売される際に容器上において存在している正当ではないバーコードの上部に正当なバーコードが提供されている。この例においては、正当なバーコードが、無関係な材料であり、正当ではないバーコードは、無関係な材料ではない。また、当然のことながら、消費者に販売された際にはバーコードを有していなかった容器上に正当なバーコードを提供することもできよう。
【0020】
一例によれば、不正な容器は、例えば、3Dプリンタなどにより、ゼロから製造されており、この不正な容器は、任意選択により、正当なバーコード又はセキュリティマークを含むことができる。これらの例においては、容器の全体が、無関係な材料を表しており、これは、同時に、不正なものでもある。
【0021】
別の例によれば、容器とは異なる物体が、即ち、空き容器回収機が受け入れるように設計されているものとは異なる物体が、ベースとして使用されている。この例においては、物体の全体が、無関係な材料を表しており、これは、同時に、不正なものでもある。
【0022】
無関係な材料を有していない表面は、容器の正常な表面と呼称される。
【0023】
一般に、放射が材料又は材料表面と相互作用しうる方法には、3つの方法が存在しており、即ち、放射は、材料又は材料表面において反射されることが可能であり、材料又は材料表面によって吸収されることが可能であり、且つ/又は、材料又は材料表面を通じて透過することができる。更に詳しくは、反射は、拡散反射及び/又は鏡面反射でありうる。更には、照明放射は、ビームが食品又は飲料容器の最も外側の表面を貫通した後に、表面において且つ/又は表面内において反射されうる。更には、放射の第1の部分は、容器の表面上において配置されている無関係な材料において反射されうる一方で、放射の第2の部分は、容器の正常な表面において反射され、この正常な表面は、無関係な材料の側部に、或いは、その下方に、配置されている。
【0024】
これに加えて、又はこの代わりに、照明放射は、部分的に又は完全に、容器を通じて透過することが可能であり、且つ、任意選択により、同時に、容器上において配置されている材料上において反射されることも可能である。このような材料は、不正なものと不正ではないものの両方である、無関係な材料でありうる。
【0025】
これに加えて、又はこの代わりに、照明放射は、容器の正常な表面及び/又は無関係な材料内において吸収されることも可能であり、且つ、任意選択により、自発的に、放射は、容器の正常な表面及び/又は無関係な材料から放出されてもよい。この放出光は、例えば、蛍光又は類似の効果に起因したものでありうる。
【0026】
本発明の少なくとも1つの例示用の実施形態によれば、空き容器回収機における不正の検出のためのシステムは、空き容器回収機内において取り付けられる自給型のユニット内において配置することが可能であり、即ち、ユニットは、放射放出装置及び放射検出器装置のみならず、処理ユニットをも有する。また、放射放出装置、放射検出器装置、及び処理ユニットは、空き容器回収機内において別個に取り付けることもできる。更には、処理ユニットは、空き容器回収機内において配置することもできるが、販売機外において、同一の部屋内において、或いは、別の場所において、配置することもできよう。処理ユニットは、有線又は無線で、或いは、有線又は無線接続の組合せにより、空き容器回収機に接続することができる。
【0027】
本発明の少なくとも1つの例示用の実施形態によれば、いくつかの放射放出装置及び/又はいくつかの放射検出器装置が存在していてもよい。複数の放射放出装置は、1つのユニットとして空き容器回収機内において取り付けることもできるが、別個に取り付けることもできる。放射放出装置は、食品又は飲料容器が異なる角度から放射を受け取るような方式により、取り付けることができよう。更には、複数の放射検出器装置は、空き容器回収機内において、ユニットとして取り付けることもできるが、別個に取り付けることもできる。放射検出器装置は、食品又は飲料容器の表面における又はその内部における反射の後の異なる方向において散乱している放射を検出しうるような方式により、取り付けることができる。
【0028】
本発明の少なくとも1つの例示用の実施形態によれば、空き容器回収機は、容器が照射される際に容器を受け入れると共に支持するためのレセプタクルを有することができる。
【0029】
上述のように容器と相互作用した放射は、後から、放射検出装置によって受け取られる。放射検出装置が、受け取られた放射波長の少なくとも一部分に対する感度を有している場合には、放射検出装置が感度を有するこの放射は、放射検出装置によって検出及び登録されることになる。放射の登録は、検出済みの放射をアナログ及び/又はデジタルフォーマットに変換することを含む。本発明との関係においては、放射検出装置によって登録された放射、並びに、放射検出装置によって記録された放射、という用語は、相互交換可能に使用されており、且つ、放射検出装置によって検知された放射、或いは、登録された放射又は記録された放射とも呼称されうるであろう。換言すれば、放射の登録は、放射の記録と呼称することもできる。
【0030】
本発明との関係において、更なる放射を受け取ることは、既定の波長範囲の放射を受け取ることを意味しており、この放射は、無関係な材料が存在していない場合に容器から受け取られる放射との比較において、格段に大きな強度を有する。格段に大きな強度は、正当な容器から受け取られるものとの比較において、少なくとも10倍だけ、又は少なくとも100倍だけ、又は少なくとも1000倍だけ、又は少なくとも10000倍だけ、大きい。有利には、更なる放射の強度は、明らかに、放射検出器装置のノイズレベルを上回っている。
【0031】
本発明の少なくとも1つの例示用の実施形態によれば、更なる放射は、1つの検出器からの、又はいくつかの検出器からの、(例えば、既定の時間インターバルにおける、且つ/又は、1つ又は複数の波長範囲における、例えば、合計記録放射などの)結果的に得られる強度に対応する又はこれに等しい値により、登録することができる。1つ又は複数のピクセル化センサが使用されるケースにおいては、結果的に得られる強度は、これらのピクセルのすべて又はサブセットの合計でありうる。更には、結果的に得られる強度は、1つ又は複数の既定の波長範囲にわたる、1つ又は複数の記録された波長スペクトルの加算又は積分を介して、算出することもできる。
【0032】
本発明の少なくとも1つの例示用の実施形態によれば、検出された放射に対応する情報の前記処理ユニットへの転送は、正当な食品及び飲料容器から受け取られた波長範囲外の波長を有する放射を検出した際にのみ、実行されており、且つ、更なる放射の存在の判定、或いは、前記バックグラウンドから放出された更なる放射の存在の判定は、前記放射検出装置から情報を受け取ることに等しい。
【0033】
本開示において使用されている「処理ユニット」は、例えば、限定を伴うことなしに、プロセッサ、マイクロプロセッサ、PLC、中央処理ユニット、汎用コンピュータ、スーパーコンピュータ、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、パームトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ワークステーションコンピュータ、サーバー、又はこれらに類似したもの、或いは、プロセッサ、マイクロプロセッサ、中央処理ユニット、汎用コンピュータ、スーパーコンピュータ、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、パームトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ワークステーションコンピュータ、サーバー、又はこれらに類似したもののアレイ、などの、1つ又は複数の命令に従ってデータを操作する能力を有する、任意の機械、装置、回路、コンポーネント、又はモジュール、或いは、機械、装置、回路、コンポーネント、又はこれらに類似したものの任意のシステムを意味している。更には、コンピュータは、通信リンク上において通信するように構成された電子装置を含むこともできる。電子装置は、例えば、限定を伴うことなしに、携帯電話機、パーソナルデータアシスタント(PDA:personal data assistant)、モバイルコンピュータ、固定型のコンピュータ、スマートフォン、移動局、ユーザー機器、又はこれらに類似したものを含むことができる。ある種のデータの操作は、中継ロジックが使用されうるほどに、単純に実現することができる。
【0034】
更には、処理ユニットは、2つ以上のプロセッサを含むこともできる。プロセッサは、空き容器回収機内において、或いは、空き容器回収機外において、同一の場所又は異なる場所に位置することができる。これに加えて、プロセッサは、有線又は無線で、互いに接続することもできる。
【0035】
一例によれば、処理ユニットは、処理回路を有する。処理回路の第1の部分は、放射検出装置の近傍において配置され、且つ、例えば、記録された放射のフィルタリングなどの、前記記録済みの放射の事前処理を実行し、空き容器回収機の内部又は外部の異なる場所において配置された処理回路の第2の部分は、記録された放射の事前処理から出力を受け取り、且つ、例えば、更なる放射の存在の判定又は前記バックグラウンドから放出された更なる放射の存在の判定などの、その後続の処理を実行する。一例によれば、処理回路の第1及び第2の部分は、遠隔場所において配置された異なる回路基板として構成することができる。処理回路の第1及び第2の部分は、有線及び/又は無線で互いに接続されている。
【0036】
本発明の少なくとも1つの実施形態によれば、前記少なくとも1つの処理ユニットは、処理回路を有し、且つ、前記処理界の第1の部分は、空き容器回収機のハウジングの内側に配置され、且つ、前記処理回路の第2の部分は、空き容器回収機のハウジングの外側において配置されており、この場合に、前記処理回路の前記第1及び第2の部分は、
- 前記少なくとも1つの放射検出装置から、検出済みの放射に対応する情報を受け取ること、
- 更なる放射の存在を判定するべく、或いは、前記バックグラウンドから放出された更なる放射の存在を判定するべく、検出済みの放射に対応する前記情報を分析することであって、更なる放射は、正当な食品又は飲料容器からは、受け取られない、こと、
- 前記更なる放射の存在の判定の際に、前記食品又は飲料容器を不正なものとして分類すること、
という前記ステップを協働状態において実行するように構成されている。
【0037】
本発明との関係において、空き容器回収機のハウジングという用語は、空き容器回収機の最も外側のカバーを意味しており、即ち、その内部には、食品及び飲料容器を搬送及び/又は保持するための手段が配置されている。
【0038】
本発明との関係において、例えば、データの処理及び/又は保存及び/又は取得に関係する動作が、例えば、本段落の直後の2つの段落におけるように、記述されている際には、そのような動作は、処理ユニット及びその内部の処理回路によって実行することができる。
【0039】
一例によれば、検出及び記録済みの放射は、1つ又は複数の既定の放射値と比較され、この放射値は、それぞれ、正当なものとして又は正当ではないものとして分類されている。この比較に基づいて、検出及び記録済みの放射は、正当なものとして又は正当ではないものとして判定される。1つの比較が、波長範囲の全体について実行されてもよく、或いは、波長範囲が、サブセットに分割されてもよく、この場合には、1つの比較は、それぞれのサブセットが既定の放射値の個々の組と関連付けられている状態において、それぞれのサブセットごとに実施される。
【0040】
本発明の一例によれば、波長スペクトルが、放射検出装置によって検出及び記録されており、好ましくは、検出器によって提供される情報のフォーマットは、異なる放射強度が異なる既定の波長範囲にリンクされるようなものである。この記録された波長スペクトルに対応する、又はこれを表す、情報が、前記処理ユニットに送信される。その後に、登録された波長スペクトルに対応する又はこれを表す情報が、少なくとも1つの分類された波長スペクトル、即ち、正当なものとして又は正当ではないものとして分類された既知の波長スペクトル、と比較され、且つ、この比較に基づいて、更なる放射の任意の存在が識別される。
【0041】
本発明の少なくとも1つの実施形態によれば、放射が検出及び記録されるたびに、同一の又は実質的に同一の照射及び/又は同一の波長範囲が使用され、この記録された放射が、更なる放射の存在のために、後から分析されている。同一の照射及び/又は同一の波長範囲の使用は、放射が放出及び/又は検出されるたびに、光源及び/又は検出器の前において同一のフィルタ(存在する場合に)が使用されることを含んでいる。放射放出装置、放射検出器、並びに、存在する場合に、任意のフィルタなどのような、光学コンポーネントの使用年数又は安定性に起因して、照射又は波長範囲の変動が存在している場合にも、これは、依然として、同一の又は実質的に同一の照射及び/又は波長範囲の使用を構成するものと見なされる。但し、異なる照明のシーケンス(例えば、IR及び可視光)が、異なる照射において)、例えば、セキュリティマーキング内の、異なる特徴を検出するべく、使用されている場合には、これは、同一の又は実質的に同一の照射及び/又は波長範囲の使用ではない。
【0042】
これに加えて、又はこの代わりに、少なくとも1つの実施形態によれば、更なる放射の存在を判定する際に、処理ユニットは、例えば、容器が、予想されたように、位置決めされ、且つ、運動していることを判定するべく、2D分解画像内におけるパターン認識を使用しておらず、これに加えて、又はこの代わりに、特徴検出を使用しておらず、これに加えて、又はこの代わりに、特徴抽出を使用しておらず、これに加えて、又はこの代わりに、1つ又は複数のデジタル化画像内において容器の望ましい部分又は形状(特徴)を検出又は特定するためのアルゴリズムを使用してはいない。使用されていない認識/検出の例は、エッジ、コーナー、小塊、及び隆起部の検出を含む。
【0043】
任意選択により、放射放出装置及び/又は放射検出装置は、記録された放射内におけるノイズレベル及び/又はバックグランド照明のレベルを減少させることにより、例えば、更なる放射を相対的に容易に検出可能なものとするべく、光学フィルタを有することができる。
【0044】
本発明の少なくとも1つの実施形態によれば、少なくとも1つの放射放出装置は、紫外線範囲、可視範囲、及び赤外線範囲からなる群から選択された1つ又は複数の波長範囲内の放射を放出している。任意選択により、前記放射放出装置は、前記1つ又は複数の波長範囲内においてのみ、放射を放出している。
【0045】
本発明の少なくとも1つの例示用の実施形態によれば、紫外線範囲内の放射は、100nm~400nmの範囲内の波長であり、これは、DIN5031によれば、UV-Cの100~280nm、UV-Bの280~400nm、及びUV-Aの315~400nmに分割することができる。更には、可視範囲内の放射は、400nm~800nmの範囲内の波長を有し、これは、紫色、青緑色、緑色、黄緑色、黄色、オレンジ色、及び赤色の光に分割することができる。更には、赤外線範囲内の放射は、800nm~1mmの範囲内の波長であり、これは、IR-Aの800~1400nm、IR-Bの1400nm~3,0μm、及びIR-Cの3.0μm~1mmに分割することができる。放射供給源は、上述の範囲又はサブ範囲のうちの少なくとも1つ内の放射を放出しており、且つ、2つ以上の記述されているサブ範囲内の、即ち、上述の範囲及びサブ範囲の組合せ内の、放射を放出することができる。放射が、1つの波長範囲内において放出されている、というのは、放射が、この波長範囲外においても放出されることを排除するものではない。換言すれば、放射が、1つの波長内において放出されている、というのは、放射が、この1つの波長範囲内の波長を有することを意味している。
【0046】
本発明の少なくとも1つの例示用の実施形態によれば、放射放出装置は、例えば、1つ又は複数の発光ダイオードでありうる。更には、放射放出装置は、白熱ランプ、蛍光ランプ、或いは、重水素ランプ又はキセノンランプなどのガス放電ランプでありうる。
【0047】
本発明の少なくとも1つの例示用の実施形態によれば、更なる放射は、前記食品及び飲料容器上において存在している不正な材料に由来している。
【0048】
本発明の少なくとも1つの例示用の実施形態によれば、更なる放射は、食品又は飲料容器が紫外線範囲内の放射によって照射されることに応答した、不正な材料に由来する蛍光でありうる。従って、蛍光は、100nm~400nmの波長を有しうる。蛍光は、例えば、不正な材料のために使用された紙の内部の光沢剤に由来しうる。ボトルは、例えば、蛍光印刷やボトル表面を通じて可視状態にある蛍光ドリンクなどに起因して、蛍光性を有することが知られており、このようなボトルの蛍光性を有していない部分のみを照射することにより、これらの物品の誤った分類を回避することができる。
【0049】
別の例によれば、NIR放射による照射が使用されている。食品及び飲料パッケージングのバーコード内において使用されている最も黒色の顔料は、可視及びNIRを含む光学波長の広い範囲において、強力な吸収性を有する。同様に、レーザー印刷において使用されている黒色のトナーも、広いスペクトルに跨って、吸収性を有する。但し、インクジェットプリンタにおいて使用されている黒色インクは、可視範囲(400~700nm)内において吸収性を有する一方で、通常は、NIR波長に対しては、透明である。従って、例えば、900nmにおいて放出しているランプは、バーコードの白色及び黒色ゾーンの両方において反射されることになり、且つ、この更なる放射は、検出することができると共に、不正の評価に変換することができる。
【0050】
従って、
1)更なる放射が検出されない場合には、物体は、正当であると仮定されるが、(レーザープリンタに伴って実施された場合には)不正なものである場合があり、
2)更なる放射が検出された場合には、物体は、高信頼性を伴って、不正であると仮定される。
【0051】
更には、更なる放射は、反射された放射である可能性があり、この場合には、不正な材料は、不正な材料を有していない食品又は飲料容器によって反射される放射の量との比較において、相対的に大きな強度の反射された放射をもたらす。
【0052】
本発明の少なくとも1つの例示用の実施形態によれば、不正な材料は、紙、プラスチックフォイル、金属フォイル、織物、又はバルクプラスチックからなる群から選択された1つ又は複数の要素である。
【0053】
本発明の少なくとも1つの例示用の実施形態によれば、放射放出装置、放射検出装置、及び/又はこれらの組合せは、不正な材料の光学的放射応答にマッチングするように、当業者によって選択されてもよい。即ち、不正な材料からの光学照射応答を正当な容器の光学照射応答と比較することにより、当業者は、放射放出装置及び放射検出装置の適切な組合せのみならず、記録された放射を分析するためのアルゴリズムをも選択することができる。
【0054】
本発明の少なくとも1つの例示用の実施形態によれば、バーコード又はセキュリティマーキングは、前記不正な材料上において存在しており、且つ、不正な材料は、前記食品又は飲料容器上において提供されたオリジナルのバーコード又はオリジナルのセキュリティマーキングをカバー又は置換している。
【0055】
本発明の少なくとも1つの例示用の実施形態によれば、不正な材料は、例えば、現金又は賞品得点に交換されうるレシートなどの、報酬を実現するべく、食品又は飲料容器上において配置されており、この賞品は、食品又は飲料容器が不正な材料を伴うことなしに返された場合には、受け取られなかったであろう。
【0056】
本発明の少なくとも1つの実施形態によれば、更なる放射は、紫外線放射、蛍光放射、可視放射、及び赤外線放射のうちの1つ又は複数を有し、且つ/又は、紫外線範囲、可視範囲、及び赤外線範囲、及び/又は蛍光放射からなる群から選択された1つ又は複数の波長範囲内の放射を有する。
【0057】
本発明の少なくとも1つの例示用の実施形態によれば、更なる放射は、容器の表面において且つ/又はその内部において反射された放射、容器の1つ又は複数の表面を通じて透過された放射、のみならず、不正な材料から放出された放射、でありうる。
【0058】
本発明の少なくとも1つの例示用の実施形態によれば、食品又は飲料容器には、バーコード又はセキュリティマークが提供されており、且つ、放射検出装置は、前記バーコード又はセキュリティマークにおいて又はその近傍において反射された光を受け取るように構成されており、且つ/又は、前記バーコード又はセキュリティマークにおいて又はその近傍において放出された光を受け取るように構成されている。
【0059】
本発明の少なくとも1つの例示用の実施形態によれば、放射放出装置及び/又は放射検出装置は、任意選択により、バーコード及び/又はセキュリティマーク及び/又はバーコード及び/又はセキュリティマークの近傍を照射する又はそれからの放射を検出するように、構成することができる。バーコード及び/又はセキュリティマークの近傍は、バーコード及び/又はセキュリティマークの周りの又はこれを取り囲むエリアである。近傍は、バーコード又はセキュリティマークの外部において計測された0mm~10mmの範囲内の距離であり、且つ、好ましくは、UPC又はEANコードに適しうるコードの側部までの0~3mmの距離である。従って、照射されるエリア及び/又は放射が検出されるエリアは、例えば、1700mm2~5500mm2の範囲内であってもよい。
【0060】
本明細書においては、検証マークの周りの且つ/又はこれを取り囲む且つ/又はその背後のバックグラウンドは、検証マーク又はこのマークと関連する負の空間の近傍の、但し、これを含まない、容器のエリアである。白色表面上において印刷された黒色及び白色ラインを有するEANバーコードの場合には、バックグラウンドは、バーコード内の白色ラインのみならず、バーコードを取り囲む白色エリアの両方である。
【0061】
本発明の少なくとも1つの例示用の実施形態によれば、食品又は飲料容器上において存在しうる様々なセキュリティマーキング及び/又はバーコードが存在している。このようなセキュリティマーキングは、例えば、特定のスペクトルプロパティを有するインク、蛍光顔料、燐光顔料、エンボス加工されたパターン、又はホログラフィック薄膜であってもよい。
【0062】
本発明の少なくとも1つの例示用の実施形態によれば、放射検出装置は、紫外線範囲、可視範囲、及び赤外線範囲からなる群から選択された1つ又は複数の波長範囲内の放射を検出するように構成されている。
【0063】
本発明の少なくとも1つの例示用の実施形態によれば、放射検出装置は、1つ又は複数のフォトダイオード及び/又はCCD又はCMOSアレイ及び/又は1つ又は複数のカメラセンサなどの1つ又は複数の画像センサを有することができる。1つ又は複数のフォトダイオード又は画像センサは、互いに分離した且つ/又は離隔した状態において、空き容器回収機内において取り付けることができる。更には、フォトダイオードは、GaP、GaAs、Si、Ge、InGaAs、又はHgCdTeから製造することができる。
【0064】
本発明の少なくとも1つの例示用の実施形態によれば、前記処理ユニットにおいて受け取られる、検出済みの放射に対応する情報は、アナログ又はデジタルフォーマットにおいて受け取られている。
【0065】
本発明の少なくとも1つの例示用の実施形態によれば、放射検出装置からの読取りは、異なるデジタルフォーマットを有することができる。更には、放射検出装置からの読取りは、異なるサイズを有することも可能であり、即ち、収集される情報の量は、異なりうる。例えば、情報は、不正な材料の存在を通知する信号のみを含むことが可能であり、或いは、光学放射のスペクトルを収集することも可能であり、即ち、情報は、異なる波長に関係する異なる強度を含んでいる。収集されたスペクトルは、光学放射との関係において上述したサブ波長範囲のうちの1つ又は複数内のものでありうる。
【0066】
本発明の少なくとも1つの例示用の実施形態によれば、情報は、有線又は無線で、或いは、有線及び無線の組合せにより、放射検出装置から処理ユニットに転送することが可能であり、即ち、情報は、距離の一部分においては、有線によって伝達され、且つ、距離の別の部分においては、無線で伝達されている。
【0067】
本発明の少なくとも1つの例示用の実施形態によれば、処理ユニットは、画像のフォーマットを有しうる、放射検出装置から受け取られた情報を処理することができる。このような画像は、画像処理ソフトウェアにより、アルゴリズムを使用して分析することができる。
【0068】
本発明の少なくとも1つの例示用の実施形態によれば、正当な食品又は飲料容器からは受け取られない、前記バックグラウンドから放出された更なる放射の存在を判定するべく、検出済みの放射に対応する前記情報を分析する前記ステップは、前記容器上の検証エリアを識別するステップを更に含んでおり、この検証エリアは、前記検証マークと、前記検証マークを取り囲むバックグラウンドと、を含む。
【0069】
本発明の少なくとも1つの例示用の実施形態によれば、前記不正な材料は、好ましくは、前記検証マークに対するバックグラウンドを形成している。
【0070】
本発明の少なくとも1つの例示用の実施形態によれば、更なる放射を判定する、或いは、前記バックグラウンドから放出された更なる放射を判定する、前記ステップは、前記食品又は飲料容器上において存在している不正な材料を検出することを含んでおり、且つ、この不正な材料は、前記検証マークに対するバックグラウンドを形成しており、且つ、この不正な材料は、任意選択により、紙、プラスチックフォイル、金属フォイル、織物、バルクプラスチック、又はこれらの組合せからなる群から選択される。
【0071】
本発明の少なくとも1つの例示用の実施形態によれば、正当な容器は、わずかに蛍光性を有するバックグラウンド及び/又はわずかに蛍光性を有する正当性マーキング印刷を有することができる(例えば、わずかに蛍光性を有する材料は、正当性マーキングと関連する負及び/又は正の空間のために使用されている)。これらが正当なものとして見なされるために、前記バックグラウンドから放出された更なる放射の存在を判定するべく検出済みの放射に対応する前記情報を分析する前記ステップは、受け取られた放射が、異なる波長について同一であるか又は異なりうる、且つ、異なる容器タイプについて同一であるか又は異なりうる、既定の強度閾値を超過していると判定するステップを含む。容器タイプは、例えば、検証マークの使用により、或いは、その他の従来の手段により、判定することができる。これに加えて、又はこの代わりに、処理ユニットは、正当性マーキング印刷又は正当性マークと関連する正の空間の一部分であると見なされる、容器のエリアを「隠蔽」又は破棄することができる。これに加えて、又はこの代わりに、前記バックグラウンドから放出された更なる放射の存在を検出するべく検出済みの放射に対応する前記情報を分析する前記ステップを実行する際には、バックグラウンド又は正当性マークと関連する負の空間の一部分であると見なされる容器のエリアのみが考慮される。
【0072】
これに加えて、又はこの代わりに、前記バックグラウンドから放出された更なる放射の存在を判定するべく検出済みの放射に対応する前記情報を分析する前記ステップは、受け取られた放射が、異なる波長において同一であるか又は異なりうる、且つ、異なるコンテナタイプについて同一であるか又は異なりうる、既定の強度閾値を超過していると判定するステップを含む。これは、その結果、強度閾値を既定の1つ又は複数の値に設定することにより、なんらかの更なる放射を放出するインクによって印刷された検証マークを担持する、且つ/又は、なんらかの更なる放射を放出する、バックグラウンド上において印刷された検証マークを担持する、容器を正当なものとして分類することが許容されることから、有利である。即ち、更なる放射が強度閾値を下回っている場合には、容器は、正当なものとして、或いは、潜在的に正当なものとして、分類されるが、更なる放射が閾値を上回っている場合には、容器は、正当ではないものとして分類される(正当ではないバックグラウンドは、高度な蛍光性を有する)。
【0073】
本発明の少なくとも1つの例示用の実施形態によれば、前記更なる放射の欠如の判定の際に、前記食品又は飲料容器は、正当なものとして又は潜在的に正当なものとして分類される。食品又は飲料容器は、例えば、食品又は飲料容器が正当なものとして最終的に分類される前に、本発明によるものとは異なる更なる試験の実行を要する場合には、潜在的に正当なものと分類することができる。
【0074】
更なる試験は、検証マークの読取り、デコーディング、及び/又は検証を伴う、既知のRVM機内において使用されている従来の試験であってもよく、本明細書の「背景技術」の節の第2及び第4段落において記述されている1頁の18~25行も参照されたい。試験は、正当性マークを含む又はこれを含むものと思われるエリアが識別される時点まで、ボトルの表面エリアがサーチ又はスキャンされることを伴っていてもよく、その後に、検証マークは、例えば、その識別されたマークが、予想された検証マークのフォーマットを有する、即ち、バーコードのように思われるものが、実際に、バーコートである、と判定することのみにより、且つ/又は、例えば、EANコードによって表されている数値が正当なバーコードであるなどのように、検証マーク内の情報又はメッセージを検証マークに関する(RVM内の又はこの外の)保存されている情報と比較することにより、或いは、検証マークが有効であると判定するべく(陰陽サインなどの)グラフィカルな検証マークとRVM機の内部又は外部に保存されている検証マークのデジタル表現との間の空間的な対応性をチェックすることにより、読み取られ、且つ/又は、デコーディングされ、且つ/又は、検証される。
【0075】
本発明の少なくとも1つの例示用の実施形態によれば、
- 前記容器上の検証エリアを識別し、検証エリアは、前記検証マークと、前記検証マークを取り囲むバックグラウンドと、を含み、
- バーコードデコーディング及び/又は欧字認識及び/又は文字認識及び/又はパターン認識の使用により、前記検証エリア内に含まれている検証マークに対して読取り又はデコーディング動作を実行し、且つ、任意選択により、
- 検証マークの正常な読取り又はデコーディングの際に、前記食品又は飲料容器を潜在的に正当なものとして分類するステップは、前記少なくとも1つの処理ユニットにおいて実行され、且つ、前記バックグラウンドから放出された更なる放射の存在を判定する前記ステップの前に又は後に、実行することができる。従って、前記少なくとも1つの処理ユニットは、上述のステップを実行するように構成されている。
【0076】
本発明の少なくとも1つの例示用の実施形態によれば、同一のセンサ読取り又は容器検証マークの同一の画像又は前記放射検出装置からの検出済みの放射に対応する同一の情報は、前記バックグラウンドから放出された更なる放射の存在の判定の際、のみならず、バーコードデコーディング及び/又は欧字認識及び/又は文字認識及び/又はパターン認識の使用によって前記検証エリア内に含まれている検証マークに対して読取り又はデコーディング動作を実行する際、の両方において使用されている。
【0077】
本発明の少なくとも1つの例示用の実施形態によれば、異なるセンサ読取り又は容器検証マークの異なる画像又は前記放射検出装置からの検出済みの放射に対応する異なる情報は、バーコードデコーディング及び/又は欧字認識及び/又は文字認識及び/又はパターン認識の使用によって前記検証エリア内に含まれている検証マークに対して読取り又はデコーディング動作を実行する際、のみならず、前記バックグラウンドから放出された更なる放射の存在の判定の際、の両方において使用されている。
【0078】
本発明の少なくとも1つの例示用の実施形態によれば、処理ユニットによって分析された後に、且つ、不正の試みが発見された際に、情報は、例えば、RVMが配置されている店内において、顧客に、或いは、RVMを監視している人物に、伝達することができる。更には、不正の試みが発見された場合には、食品又は飲料容器は拒絶される。或いは、この代わりに、又はこれに加えて、顧客を写真撮影することも可能であり、且つ、試みられた不正の証拠として、不正な容器を保持することもできよう。
【0079】
本発明の少なくとも1つの例示用の実施形態によれば、少なくとも1つの処理ユニットは、少なくとも第1及び第2の処理ユニットを有し、
この場合に、前記処理ユニットは、
- 前記少なくとも1つの放射検出装置から、検出された放射に対応する情報を受け取ること、
- 更なる放射の存在を判定するべく、或いは、前記バックグラウンドから放出された更なる放射の存在を判定するべく、検出済みの放射に対応する前記情報を分析することであって、更なる放射は、正当な食品又は飲料容器からは、受け取られない、こと、
- 前記更なる放射の存在の判定の際に、前記食品又は飲料容器を分類すること、且つ、任意選択により、
- 前記更なる放射の欠如の判定の際に、前記食品又は飲料容器を正当なものとして又は潜在的に正当なものとして分類すること、
という前記ステップを協働状態において実行するように構成されている。
【0080】
本発明の少なくとも1つの例示用の実施形態によれば、検出器からの読取りは、例えば、プロセッサとの通信状態にあるASIC又はFPGAを使用することにより、保存されている正当な且つ/又は正当ではない波長スペクトルと比較されている。この比較に基づいて、更なる放射の任意の存在と、従って、不正な材料の存在と、が識別される。
【0081】
本発明の少なくとも1つの例示用の実施形態によれば、更なる放射の存在を判定するための、或いは、前記バックグラウンドから放出された更なる放射の存在を判定するための、検出済みの放射に対応する前記情報の分析は、容器表面の空間分解画像を既定の画像又は正当なセキュリティマーキングの既定の画像を表す情報と比較することを含まない。これに加えて、又はこの代わりに、更なる放射の存在を判定するための、或いは、前記バックグラウンドから放出された更なる放射の存在を判定するための、検出済みの放射に対応する前記情報の分析は、例えば、既知のセキュリティマークが存在すると判定するためのパターン認識の使用を含まない。これに加えて、又はこの代わりに、更なる放射は、セキュリティマーキング自体からではなく、その上部にセキュリティマーキングが提供される不正な材料から受け取られる。このケースにおいては、検出及び/又は認識されるものは、セキュリティマーキングではなく、不正な材料である。独国特許第10247252号は、1つは、可視光内であり、且つ、1つは、赤外光内である、2つの異なるセキュリティマークが存在していると判定するためのパターン認識の使用について記述している。記述は、例えば、容器表面の画像が既知の正当なセキュリティ画像と比較されている、独国特許第10247252号において実行されている方法は、本発明によっては実行されないことを説明している。本発明の少なくとも1つの例によれば、画像の比較が存在しておらず、不正な材料に由来する放射についてのサーチのみが存在している。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【
図1】本発明の少なくとも1つの例示用の実施形態によるシステムの概略図を示す。
【
図2】本発明の少なくとも1つの例示用の実施形態による食品又は飲料容器からの記録済みの蛍光のカメラ画像を示す。
【
図4】本発明の少なくとも1つの実施形態による不正の検出のための方法のフローチャートを示す。
【
図5】空き容器回収機の一例を斜視図において示す。
【発明を実施するための形態】
【0083】
発明の詳細な説明
この詳細な説明においては、空き容器回収機における不正の検出のためのシステムの実施形態について記述されている。これは、決して、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の範囲は、例えば、添付の図面に示されている不正の検出のためのシステムのその他のタイプ又は変形と共に、その他の状況においても適用可能であることに留意されたい。更には、特定のコンポーネントが本発明の一実施形態との関連において言及されていることは、それらのコンポーネントが、利点を伴って、本発明のその他の実施形態と共に使用されえないことを意味するものではない。
【0084】
図5は、物体の支持、回転、ソート、及びコンベヤユニット3と、検出器装置4と、ボタンによって起動されるレシートプリンタ7と、セーフティ装置8と、を有する例示用の空き容器回収機を示している。物品を返す際には、物品は、空き容器回収機のハウジング内の開口部を通じてユニットに挿入される。
【0085】
図1aは、空き容器回収機における不正の検出のための例示用のシステム100を示している。食品又は飲料容器102の検証のためのシステム100は、放射放出装置104と、放射検出装置110と、を有する。更には、システム100は、処理ユニットをも有する(図示されてはいない)。
【0086】
食品又は飲料容器102は、ガラス、或いは、様々な種類の金属、或いは、様々な種類のプラスチックなどの、様々な材料から製造されている。食品又は飲料容器102は、空き容器回収機内において取り付けられたレセプタクル上において配置されてもよく、空き容器回収機は、レセプタクルが照射された際に、レセプタクルを支持するように構成されている。
【0087】
放射放出装置104は、紫外線放射、可視放射、及び/又は赤外線放射の供給源であってもよい。放射放出装置104は、例えば、UVのLED供給源であってもよい。更には、システム100は、複数の放射放出装置104を含むこともできる。
【0088】
放射検出装置110は、単一のフォトダイオード、いくつかのダイオード、及び/又はピクセル化センサであってもよい。一例によれば、放射検出器は、容器の一部分を観察していてもよく、この部分は、任意選択により、少なくとも1つのプレーン内において容器を完全に取り囲むことができる。
図1aには、1つのプレーン内において容器を完全に取り囲んでいる円102が示されている。或いは、この代わりに、一部分は、少なくとも1つのプレーン内において容器を部分的にのみ取り囲んでいる。
図1b内の要素114は、2つのプレーン内において容器を部分的に取り囲んでいる。
【0089】
処理ユニットは、同一の又は異なる場所において配置することができる。処理ユニットは、放射検出装置から情報を受け取り、且つ、空き容器回収機に持参された食品又は飲料容器102が、正当なものであるのか又は不正なものであるのかを判定するべく、その情報を分析する。
【0090】
システム100は、ユニットとして、或いは、別個に、空き容器回収機内において取り付けることができる。更には、システム100は、不正の検出を更に改善するべく、光学フィルタなどの、その他の光学装置/ツールを含むこともできる。
【0091】
図1bは、
図1aと同一のシステム100を示している。
図1aとの関連において記述されている部分に加えて、
図1bは、食品又は飲料容器102上において配置された不正な材料114を更に示している。放射放出装置104によって不正な材料を照射することにより、更なる放射が、放射検出装置110において受け取られる。システム100に接続された処理ユニットは、放射検出装置において検出された情報を分析し、且つ、食品又は飲料容器102が正当なものであるのか又は不正なものであるのかを判定する。
【0092】
図2aは、正当な食品又は飲料容器からの蛍光信号を示すカメラ画像を示している。
【0093】
図2bは、不正な食品又は飲料容器からの蛍光信号を示すカメラ画像を示しており、この場合に、不正な食品又は飲料容器には、漂白された紙が提供されており、不正な食品又は飲料容器は、この例においては、385nmである、UV放射によって照射されている。CHEATというテキストが、Edding2000永久マーカーにより、漂白された紙の上部に記入されている。
図2aとの比較において、不正な容器からの検出放射は、正当な容器からの検出放射よりも、10倍だけ大きい。不正な材料に起因したこのような更なる放射は、拒絶のための、或いは、容器を不正なものとして分類するための、根拠である。
【0094】
図3には、それぞれの波長ごとの散乱光又は蛍光光の組み合わせられたスペクトルが示されている。このデータは、近距離において市販グレードのプリンタ用紙のシートを照射し、且つ、スペクトロメータまで延在する光ファイバによって散乱光を収集することにより、収集されたものである。スペクトルは、ソースのピークが等しい高さを有するように、正規化されている。蛍光帯域内の信号の割合は、365nmの場合には、87%であり、385nmの場合には、80%であり、且つ、405nmの場合には、56%である。
【0095】
図4は、空き容器回収機における不正の検出のための例示用の方法300を示している。方法を実行するための適切なシステムについては、上述の
図1との関連において記述されている。当然のことながら、この例示用の方法を実行するべく、その他のシステムを使用することができる。
【0096】
方法300の第1のステップ302は、食品又は飲料容器を受け取ることを含む。使用済みの容器は、空き容器回収機内において取り付けられたレセプタクルによって受け取られてもよく、これは、少なくとも本明細書において提示されている方法のステップにおいて、支持するように構成されている。次のステップ304は、食品又は飲料容器の表面を照射することを含む。放射放出装置は、容器の表面を直接的に照射するか、或いは、容器の表面上において配置されたバーコード及び/又はセキュリティマーキングの近傍を照射する。次のステップ306は、容器の表面から反射及び/又は放出された放射を検出することを含む。反射された放射は、この表面において又はその内部において反射されうる。放出された放射は、例えば、蛍光性を有しうる。次のステップ308は、放射検出装置から処理ユニットに情報を転送することを含む。次のステップ310は、処理ユニット内において情報を分析することを含む。放射検出装置から転送される情報の分析は、パターン認識を含まない。分析された結果が、次のステップ312において示されている。このステップ312は、不正な材料が存在するかどうかを判定すること312a、或いは、不正な材料が存在しないかどうかを判定すること312b、を含む。後続のステップ314は、食品又は飲料容器が不正なものであるのか314a、或いは、正当なものであるのか314b、を分類することを含む。
【0097】
当然のことながら、図示の実施形態に対して変形が、実施されてもよく、且つ、これらは、本発明の範囲に依然として含まれることを理解されたい。当業者は、添付の請求項において定義されている本発明の範囲を逸脱することなしに、本明細書において記述されている実施形態のいくつかの変更が可能であることを認識する。
【0098】
実施形態の項目別のリスト
項目1:空き容器回収機(1)における不正の検出のためのシステム(100)であって、前記システムは、
- 前記空き容器回収機によって受け取られた食品又は飲料容器(102)を照射するための光学放射の波長範囲内の放射(106)を放出するように構成された少なくとも1つの放射放出装置(104)と、
- 前記少なくとも1つの放射放出装置によって放出された、且つ、前記食品又は飲料容器において後から反射された、且つ/又は、前記少なくとも1つの放射放出装置から放出された、且つ、前記食品又は飲料容器を通じて後から透過された、放射(108)を検出し、且つ/又は、前記放射検出装置により、前記照射することに応答して前記食品又は飲料容器から放出された放射を検出するように構成された少なくとも1つの放射検出装置(110)と、
- 前記少なくとも1つの放射検出装置との通信状態にある少なくとも1つの処理ユニット(115)であって、
- 前記少なくとも1つの放射検出装置から検出済みの放射に対応する情報を受け取ること、
- 更なる放射の存在を判定するべく、検出済みの放射に対応する前記情報を分析することであって、更なる放射は、正当な食品又は飲料容器からは、受け取られない、こと、且つ、
- 前記更なる放射の存在の判定の際に、前記食品又は飲料容器を不正なものとして分類すること、
を行うように構成された少なくとも1つの処理ユニットと、
を有する。
【0099】
項目2:項目1に記載のシステムであって、この場合に、前記少なくとも1つの放射放出装置は、紫外線範囲、可視範囲、及び赤外線範囲からなる群から選択された1つ又は複数の波長範囲内の放射を放出し、且つ、
任意選択により、前記放射放出装置は、前記1つ又は複数の波長範囲内においてのみ、放射を放出する。
【0100】
項目3:前記先行する項目のいずれか1つの項目に記載のシステムであって、この場合に、前記更なる放射は、前記食品又は飲料容器上において存在している不正な材料(114)に由来している。
【0101】
項目4:項目3に記載のシステムであって、この場合に、前記不正な材料は、紙、プラスチックフォイル、金属フォイル、織物、バルクプラスチック、又はこれらの組合せからなる群から選択された1つ又は複数の要素である。
【0102】
項目5:項目3又は4に記載のシステムであって、この場合に、バーコード又はセキュリティマーキングが、前記不正な材料上において存在しており、且つ、この不正な材料は、前記食品又は飲料容器上において提供されているオリジナルのバーコード又はオリジナルのセキュリティマーキングをカバー又は置換し、或いは、その他の方式により、前記食品又は飲料容器の外観を変更している。
【0103】
項目6:先行する項目のいずれか1つの項目に記載のシステムであって、この場合に、前記更なる放射は、紫外線範囲、可視範囲、及び赤外線範囲、並びに/又は、蛍光放射からなる群から選択された1つ又は複数の波長範囲内の放射を有する。
【0104】
項目7:先行する項目のいずれか1つの項目に記載のシステムであって、この場合に、
- 前記食品又は飲料容器には、バーコード又はセキュリティマークが提供されており、且つ、
- 前記放射検出装置は、前記バーコード又はセキュリティマークにおいて、又はその近傍において、反射された光を受け取るように構成され、且つ/又は、前記バーコード又はセキュリティマークにおいて、或いは、その近傍において、放出された光を受け取るように構成されている。
【0105】
項目8:先行する項目のいずれか1つの項目に記載のシステムであって、この場合に、前記放射検出装置は、紫外線範囲、可視範囲、及び赤外線範囲からなる群から選択された1つ又は複数の波長範囲内の放射を検出するように構成されている。
【0106】
項目9:先行する項目のいずれか1つの項目に記載のシステムであって、この場合に、前記少なくとも1つの処理ユニットは、前記更なる放射の欠如の判定の際に、前記食品又は飲料容器を正当なものとして又は潜在的に正当なものとして分類するように更に構成されている。
【0107】
項目10:先行する項目のいずれか1つの項目に記載のシステムであって、この場合に、前記少なくとも1つの処理ユニットは、少なくとも第1及び第2の処理ユニットを有し、且つ、
前記第1及び第2の処理ユニットは、
- 前記少なくとも1つの放射検出装置から、検出済みの放射に対応する情報を受け取ること、
- 更なる放射の存在を判定するべく、検出された放射に対応する前記情報を分析することであって、更なる放射は、正当な食品又は飲料容器からは、受け取られない、こと、且つ、
- 前記更なる放射の存在の判定の際に、前記食品又は飲料容器を不正なものとして分類すること、
という前記ステップを協働状態において実行するように構成されている。
【0108】
項目11:空き容器回収機システム内において不正を検出する方法(300)であって、空き容器回収機システムは、少なくとも1つの放射放出装置と、放射検出装置と、少なくとも1つの処理ユニットと、を有し、前記方法は、
- 食品又は飲料容器を受け取るステップ(302)と、
- 光学放射の波長範囲内の波長を有する放射により、前記食品又は飲料容器の表面を照射するステップ(304)であって、放射は、前記少なくとも1つの放射放出装置から放出されている、ステップと、
- 前記少なくとも1つの放射放出装置から放出された、且つ、前記食品又は飲料容器において後から反射された、放射、及び/若しくは、前記少なくとも1つの放射放出装置から放出された、且つ、前記食品又は飲料容器において後から透過された、放射、を検出し、且つ/又は、前記照射検出装置により、前記照射することに応答して前記食品又は飲料容器から放出された放射を検出するステップ(306)と、
- 検出済みの放射に対応する情報を前記放射検出装置から前記少なくとも1つの処理ユニットに送信するステップ(308)と、
- 前記少なくとも1つの処理ユニットにおいて、
- 更なる放射の存在を判定するべく、検出済みの放射に対応する前記情報を分析するステップ(310)であって、更なる放射は、正当な食品又は飲料容器からは、受け取られない、ステップと、
- 前記更なる放射の存在の判定の際(312a)に、前記食品又は飲料コンテを不正なものとして分類するステップ(314a)と、
を含む。
【0109】
項目12:項目11に記載の方法であって、この場合に、
- 検出済みの放射に対応する情報を前記処理ユニットに送信する前記ステップは、正当な食品及び飲料容器から受け取られた波長範囲外の波長を有する放射を検出した際にのみ、実行され、且つ、
- 更なる放射の存在を判定する前記ステップは、前記放射検出装置から情報を受け取ることに等しい。
【0110】
項目13:項目11又は12に記載の方法であって、
- 少なくとも1つの分類された波長スペクトルを表す情報を前記処理ユニットに提供するステップであって、前記少なくとも1つの分類された波長スペクトルのそれぞれは、正当なものとして又は正当ではないものとして分類されている、ステップを更に含み、且つ、この場合に、
- 放射を検出する前記ステップは、波長スペクトルを登録することを含み、
- 検出済みの放射に対応する情報を前記処理ユニットに送信する前記ステップは、前記登録された波長スペクトルを表す情報を前記処理ユニットに送信することを含み、且つ、
- 更なる放射の存在を判定する前記ステップは、登録された波長スペクトルに対応する前記情報を前記少なくとも1つの分類された波長スペクトルと比較し、且つ、この比較に基づいて、更なる放射の任意の存在を識別することを含む、方法。
【0111】
項目14:項目11~13のいずれか1つの項目に記載の方法であって、この場合に、更なる放射の存在を判定するべく、検出済みの放射に対応する前記情報を分析する前記ステップは、容器表面の空間分解画像を表す情報を正当なセキュリティマーキングの既定の画像を表す情報と比較することを含まない、方法。
【0112】
項目15:項目1~10のいずれか1つの項目に記載の不正の検出のためのシステムが提供された空き容器回収機。
【0113】
項目16:項目15に記載の空き容器回収機であって、この場合に、前記少なくとも1つの処理ユニットは、処理回路を有し、且つ、前記処理回路の第1の部分は、空き容器回収機のハウジングの内側に配置され、且つ、前記処理回路の第2の部分は、空き容器回収機のハウジングの外側に配置されており、且つ、
前記処理回路の前記第1及び第2の部分は、
- 前記少なくとも1つの放射検出装置から、検出済みの放射に対応する情報を受け取ること、
- 更なる放射の存在を判定するべく、検出された放射に対応する前記情報を分析することであって、更なる放射は、正当な食品又は飲料容器からは、受け取られない、こと、且つ、
- 前記更なる放射の存在の判定の際に、前記食品又は飲料容器を不正なものとして分類すること、
という前記ステップを協働状態において実行するように構成されている、空き容器回収機。
【手続補正書】
【提出日】2022-03-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を受け入れると共に支持するためのレセプタクルと、少なくとも1つの放射放出装置と、放射検出装置と、少なくとも1つの処理ユニットと、を有する空き容器回収機システムにおいて、不正を検出する方法(300)であって、
前記レセプタクルが、少なくとも1つの検証マークと、前記少なくとも1つの検証マークの各々の周りのバックグラウンドと、を担持する、食品又は飲料容器を受け取ること(302)であって、前記少なくとも1つの検証マークの各々は、セキュリティマーク又はバーコードであり、前記セキュリティマーク又は前記バーコードは、空間的な延在を有するグラフィカルメッセージをデコードするために、バーコードデコーディングの使用により、且つ/又は、文字認識及び/若しくは欧字認識及び/若しくはパターン認識の使用により、読み取られるように構成されており、前記セキュリティマーク又は前記バーコードの周りの前記バックグラウンドは、前記セキュリティマーク又は前記バーコードの近傍に設けられている、受け取るステップ(302)と、
前記少なくとも1つの放射放出装置が、光学放射の波長範囲内の波長を有する放射を放出することにより、前記検証マークを含む前記食品又は飲料容器の表面を照射するステップ(304)と、
前記放射検出装置が、前記少なくとも1つの放射放出装置から放出された且つ前記食品又は飲料容器において後から反射された放射、及び/若しくは、前記少なくとも1つの放射放出装置から放出された且つ前記食品又は飲料容器において後から透過された放射を検出し、且つ/又は、前記照射することによって前記食品又は飲料容器から放出された放射を検出するステップ(306)と、
前記少なくとも1つの処理ユニットが、前記放射検出装置からの検出済みの放射に対応する情報を受信するステップ(308)と、
前記少なくとも1つの処理ユニットにおいて、
前記食品又は飲料容器において、前記セキュリティマーク又は前記バーコードの近傍
に設けられた、前記セキュリティマーク又は前記バーコードと、前記バックグラウンド とを含む検証エリアを識別し、かつ、前記セキュリティマーク又は前記バーコードの近 傍にある前記バックグラウンドから放出された更なる放射の存在を判定するために、前 記検出済みの放射に対応する前記情報を分析するステップ(310)であって、前記更 なる放射は、蛍光放射を含み、かつ、正当な食品又は飲料容器からの放射ではない、分 析するステップ(310)と、
前記更なる放射の前記存在の判定(312a)の際に、前記食品又は飲料容器を不正 なものとして分類するステップ(314a)と、
を含む、
方法(300)。
【請求項2】
前記食品又は前記飲料容器の表面を照射すること(304)は、紫外線範囲内の波長の光及び/又は紫色の光で前記食品又は前記飲料容器を照射することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記検証マークの近傍にある前記バックグラウンドは、前記検証マークから10mmの範囲内のバックグラウンドである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記検証エリアは、大きさが1700mm2~5500mm2の範囲内である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記受信するステップ(308)は、正当な食品及び飲料容器から受け取られた前記波長範囲外の波長を有する放射を検出した際にのみ実行され、
前記分析するステップ(310)は、前記放射検出装置からの情報を受け取る、
請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの処理ユニットが、少なくとも1つの分類された波長スペクトルを表す情報を受信するステップであって、前記少なくとも1つの分類された波長スペクトルのそれぞれは、正当なもの又は正当ではないものとして分類されている、受信するステップを更に含み、
前記検出するステップ(306)は、波長スペクトルを登録することを含み、
前記受信するステップ(308)は、前記少なくとも1つの処理ユニットが、前記登録された波長スペクトルを表す情報を受信することを含み、
前記分析するステップ(310)において、前記バックグラウンドから放出された更なる放射の前記存在を判定することは、前記登録された波長スペクトルに対応する前記情報を前記少なくとも1つの分類された波長スペクトルと比較し、且つ、前記比較に基づいて、更なる放射の任意の存在を識別することを含む、
請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記分析するステップ(310)は、前記食品又は飲料容器表面の空間分解画像を表す情報を正当なセキュリティマーキング又は検証マークの既定の画像を表す情報と比較することを含まない、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの処理ユニットにおいて、
前記食品又は飲料容器上の検証エリアを識別するステップであって、前記検証エリアは、前記検証マークと、前記検証マークの周りのバックグラウンドとを含む、識別するステップと、
バーコードデコーディングの使用により、且つ/又は、文字認識及び/若しくは欧字認識及び/若しくはパターン認識の使用により、前記検証エリア内において含まれている前記検証マークに対して読取り動作を実行するステップと、
前記検証マークの正常な読取りの際に、前記食品又は飲料容器を正当な可能性があるものとして分類するステップと、
を含む更なる試験が実行される、
請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記分析するステップ(310)において、前記バックグラウンドから放出された更なる放射を判定することは、前記食品又は飲料容器上において存在している不正な材料(114)を検出することを含み、前記不正な材料は、前記検証マークに対して前記バックグラウンドを形成しており、前記不正な材料は、紙、プラスチックフォイル、金属フォイル、織物、バルクプラスチック、又はこれらの組合せからなる群から任意に選択されたものである、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記分析するステップ(310)は、前記受け取られた放射が既定の閾値を超過していると判定するステップを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
空き容器回収機(1)における不正の検出のためのシステム(100)であって、
前記空き容器回収機によって受け取られた食品又は飲料容器(102)のエリアを照射するために、光学放射の波長範囲内の放射(106)を放出するように構成された少なくとも1つの放射放出装置(104)であって、前記エリアは、少なくとも1つの検証マークと、前記少なくとも1つの検証マークの各々の周りのバックグラウンドと、を含み、前記少なくとも1つの検証マークの各々、セキュリティマーク又はバーコードであり、前記セキュリティマーク又は前記バーコードは、空間的な延在を有するグラフィカルメッセージをデコードするために、バーコードデコーディングの使用により、且つ/又は、文字認識及び/若しくは欧字認識及び/若しくはパターン認識の使用により、読み取られるように構成されており、前記セキュリティマーク又は前記バーコードの周りの前記バックグラウンドは、前記セキュリティマーク又は前記バーコードの近傍に設けられている、少なくとも1つの放射放出装置(104)と、
前記少なくとも1つの放射放出装置から放出された、且つ、前記食品又は飲料容器において後から反射された、且つ/又は、前記少なくとも1つの放射放出装置から放出された、且つ、前記食品又は飲料容器を通じて後から透過された、放射(108)を検出し、且つ/又は、前記照射することに応答して前記食品又は飲料容器から放出された放射を検出するように構成された、少なくとも1つの放射検出装置(110)と、
前記少なくとも1つの放射検出装置との通信状態にある少なくとも1つの処理ユニット(115)であって、
前記少なくとも1つの放射検出装置からの検出済みの放射に対応する情報を受け取る こと、
前記食品又は飲料容器上の検証エリアを識別することであって、前記検証エリアは、 前記少なくとも1つの検証マークと、前記少なくとも1つの検証マークの近傍に設けら れた前記バックグラウンドとを含む、識別すること、
前記セキュリティマーク又は前記バーコードの近傍にある前記バックグラウンドから 放出された更なる放射の存在を判定するために、前記検出済みの放射に対応する前記情 報を分析することであって、前記更なる放射は、正当な食品又は飲料容器からの放射で はなく、前記更なる放射は、蛍光放射を含む、分析すること、
前記更なる放射の前記存在の判定の際に、前記食品又は飲料容器を不正なものとして 分類すること、
空間的な延在を有するグラフィカルメッセージをデコードするように、バーコードデ コーディングの使用により、且つ/又は、文字認識及び/若しくは欧字認識及び/若し くはパターン認識の使用により、前記検証エリア内において含まれている前記検証マー クを読み取ること、及び、任意選択により、
前記検証マークの正常な読取りの際に、前記食品又は飲料容器を正当な可能性がある ものとして分類すること、
を行うように構成された、少なくとも1つの処理ユニット(115)と、
を有する、
システム(100)。
【請求項12】
前記少なくとも1つの放射放出装置(104)は、紫外線範囲内の放射(106)及び/又は紫色の放射(106)を放出するように構成されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの放射放出装置は、紫外線範囲、可視範囲、及び赤外線範囲からなる群から選択された1つ又は複数の波長範囲内の放射を放出し、且つ、
任意選択により、前記放射放出装置は、前記1つ又は複数の波長範囲内においてのみ、放射を放出する、請求項11又は12に記載のシステム。
【請求項14】
前記更なる放射は、前記食品又は飲料容器上において存在している不正な材料(114)に由来しており、前記不正な材料は、前記検証マークに対する前記バックグラウンドを形成しており、且つ、前記不正な材料は、紙、プラスチックフォイル、金属フォイル、織物、バルクプラスチック、又はこれらの組合せからなる群から任意に選択された1つ又は複数の要素である、請求項11~13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
検証マークは、前記不正な材料上において存在しており、前記不正な材料は、前記食品又は飲料容器上において提供されているオリジナルのバーコード又はオリジナルのセキュリティマーキングをカバー又は置換し、或いは、前記食品又は飲料容器の外観を変更している、請求項11~14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記更なる放射は、紫外線範囲、可視範囲、及び赤外線範囲、並びに/又は、蛍光放射からなる群から選択された1つ又は複数の波長範囲内の放射を有する、請求項11~15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記食品又は飲料容器には、バーコード又はセキュリティマークが提供されており、
前記放射検出装置は、前記検証エリアに反射された光を受け取るように構成され、且つ/又は、前記検証エリアから放出された光を受け取るように構成されている、請求項11~16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記放射検出装置は、紫外線範囲、可視範囲、及び赤外線範囲からなる群から選択された1つ又は複数の波長範囲内の放射を検出するように構成されている、請求項11~17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記少なくとも1つの処理ユニットは、前記更なる放射の欠如の判定の際に、前記食品又は飲料容器を正当なものとして又は正当な可能性があるものとして分類するように更に構成されている、請求項11~18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
前記少なくとも1つの処理ユニットは、少なくとも第1及び第2の処理ユニットを有し、
前記第1及び第2の処理ユニットは、
前記少なくとも1つの放射検出装置から前記検出済みの放射に対応する情報を受け取ること、
前記検証マークの近傍にある前記バックグラウンドから放出された更なる放射の前記存在を判定するために、前記検出済みの放射に対応する前記情報を分析することであって、前記更なる放射は、正当な食品又は飲料容器からの放射ではないこと、
前記更なる放射の前記存在の判定の際に、前記食品又は飲料容器を不正なものとして分類すること、
を協働状態において実行するように構成されている、請求項11~19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
不正の検出のための請求項11~20のいずれか一項に記載のシステムを備える、空き容器回収機。
【請求項22】
前記少なくとも1つの処理ユニットは、処理回路を有し、且つ、前記処理回路の第1の部分は、前記空き容器回収機のハウジングの内側に配置され、且つ、前記処理回路の第2の部分は、前記空き容器回収機の前記ハウジングの外側に配置されており、
前記処理回路の前記第1及び第2の部分は、
前記少なくとも1つの放射検出装置から前記検出済みの放射に対応する情報を受け取ること、
前記検証マークの近傍にある前記バックグラウンドから放出された更なる放射の前記存在を判定するために、前記検出済みの放射に対応する前記情報を分析することであって、前記更なる放射は、正当な食品又は飲料容器からの放射ではないこと、
前記更なる放射の前記存在の判定の際に、前記食品又は飲料容器を不正なものとして分類すること、
を協働状態において実行するように構成されている、請求項21に記載の空き容器回収機。
【外国語明細書】