(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022084667
(43)【公開日】2022-06-07
(54)【発明の名称】光学的に切り換え可能なデバイスの制御
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20220531BHJP
G06F 3/16 20060101ALI20220531BHJP
E06B 9/24 20060101ALI20220531BHJP
G02F 1/15 20190101ALN20220531BHJP
【FI】
G06F3/01 510
G06F3/01 570
G06F3/16 630
E06B9/24 C
G02F1/15 502
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022031460
(22)【出願日】2022-03-02
(62)【分割の表示】P 2018555922の分割
【原出願日】2017-04-25
(31)【優先権主張番号】62/327,880
(32)【優先日】2016-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】509335373
【氏名又は名称】ビュー, インコーポレイテッド
【住所又は居所原語表記】195 S. Milpitas Blvd., Milpitas, CA 95035 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】シュリヴァスタヴァ、ダイリャ
(72)【発明者】
【氏名】メンデンホール、マーク ディー.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】光学的に切り換え可能なデバイスを制御するための方法及び装置を提供する。
【解決手段】方法は、1つ以上の光学的に切り換え可能なデバイスが、音声制御及び/又はジェスチャ制御を介して制御され、光学的に切り換え可能なデバイスのネットワーク上で実装され、ネットワーク上の複数の光学的に切り換え可能なデバイスの光学状態を制御するように実装される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレクトロクロミックデバイスの色合い状態を制御する方法であって、
(a)前記エレクトロクロミックデバイスの前記色合い状態を所望される色合い状態に変更するための情報を伝える音声コマンドまたはジェスチャコマンドをユーザから受信することと、
(b)前記音声コマンドまたはジェスチャコマンドを実行して、前記エレクトロクロミックデバイスを前記所望される色合い状態に遷移させることと、を含む、方法。
【請求項2】
(c)(a)で作成された前記音声コマンドまたはジェスチャコマンドが起こっているか否かを示す、前記ユーザに対する応答を生成することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、前記エレクトロクロミックデバイスのネットワーク上で実装され、前記方法は、前記ネットワーク上のエレクトロクロミックデバイスの前記色合い状態を制御するように実装されている、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
(a)の前記ユーザからの前記音声コマンドまたは前記ジェスチャコマンドは、前記エレクトロクロミックデバイスが、(i)より暗く、またはより明るくなるべき、(ii)より不透明に、またはより透明になるべき、および/または、(iii)より高反射に、またはより低反射になるべきであることを示す、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
(a)の前記ユーザからの前記音声コマンドまたは前記ジェスチャコマンドは、前記エレクトロクロミックデバイスの起動時の色合い状態を参照せずに、前記所望される色合い状態を示す、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
(a)の前記ユーザからの前記音声コマンドまたは前記ジェスチャコマンドは、1つ以上の規則に従って前記所望される色合い状態に切り換えるように前記エレクトロクロミックデバイスに命令する音声コマンドである、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記1つ以上の規則は、スケジュールに関するものであり、前記音声コマンドは、スケジュールされた時間に前記所望される色合い状態に切り換えるように前記エレクトロクロミックデバイスに命令する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記規則は、気象に関するものであり、前記音声コマンドは、特定の気象条件が起こった場合に前記所望される色合い状態に切り換えるように前記エレクトロクロミックデバイスに命令する、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記エレクトロクロミックデバイスは、建物内に設置され、前記1つ以上の規則は、前記建物内の環境条件に関するものであり、前記音声コマンドは、前記建物内の内部条件が起こった場合に前記所望される色合い状態に切り換えるように前記エレクトロクロミックデバイスに命令する、請求項6から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
(a)の前記ユーザからの前記音声コマンドまたは前記ジェスチャコマンドは、前記ジェスチャコマンドを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
ユーザからの音声コマンドまたはジェスチャコマンドに応答してエレクトロクロミックデバイスの色合い状態を制御するためのシステムであって、
(a)マイク、ビデオカメラ、およびモーションセンサからなる群から選択される少なくとも1つの要素であって、前記音声コマンドまたはジェスチャコマンドは、前記マイク、ビデオカメラ、および/またはモーションセンサによって知覚され、前記音声コマンドまたはジェスチャコマンドは、前記エレクトロクロミックデバイスの色合い状態を所望の色合い状態に変更するための情報を伝える、要素と、
(b)前記エレクトロクロミックデバイスと通信可能に連結され、かつ前記エレクトロクロミックデバイスの前記色合い状態を制御するように構成されたコントローラと、
(c)前記エレクトロクロミックデバイスを前記所望の色合い状態に遷移させるように前記音声コマンドまたはジェスチャコマンドを実行するように構成されたコマンド実行モジュールと、を備える、システム。
【請求項12】
エレクトロクロミックデバイスのネットワーク上で実装され、前記システムは前記ネットワーク上の複数のエレクトロクロミックデバイスの前記色合い状態を制御するように実装されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記音声コマンドを解釈するように構成された音声認識モジュールをさらに備える、請求項11または12に記載のシステム。
【請求項14】
前記ジェスチャコマンドを解釈するように構成されたジェスチャ認識モジュールをさらに備える、請求項11から13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記ユーザに対する応答を生成するように構成された応答生成モジュールをさらに備える、請求項11から14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記ユーザが、前記音声コマンドまたは前記ジェスチャコマンドで要求されたように前記エレクトロクロミックデバイスを制御するように認証されているか否かを確認するように構成された認証モジュールをさらに備える、請求項11から15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記マイク、前記ビデオカメラ、および/または前記モーションセンサは、前記エレクトロクロミックデバイスに内蔵して提供されている、請求項11から16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記マイク、前記ビデオカメラ、および/または前記モーションセンサは、前記エレクトロクロミックデバイスと通信する電子デバイス上に提供されている、請求項11から17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記電子デバイスは、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、パーソナルコンピュータ、フィットネスデバイス、時計、または壁掛ユニットである、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記ジェスチャコマンドは、前記モーションセンサによって知覚され、前記モーションセンサは、前記エレクトロクロミックデバイスと通信する電子デバイス上に提供されており、前記モーションセンサは、1つ以上の加速度計、ジャイロスコープ、および/または磁力計を備える、請求項11から19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
音声認識モジュールまたはジェスチャ認識モジュールをさらに備え、前記音声認識モジュールまたは前記ジェスチャ認識モジュールは、前記音声コマンドまたは前記ジェスチャコマンドをテキストコマンドに変換するように構成され、前記コマンド実行モジュールは、前記テキストコマンドを実行することによって、前記音声コマンドまたは前記ジェスチャコマンドを実行する、請求項11から20のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年4月26日に出願された、米国仮特許出願第62/327,880号に対する優先権を主張し、その開示は、その全体の参照によって、かつあらゆる目的のために本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、光学的に切り換え可能なデバイス、より具体的には、光学的に切り換え可能なデバイスを制御するための方法および装置に関する
【背景技術】
【0003】
光学的に切り換え可能な窓の開発および展開がエネルギー効率を考慮して増えてきており、システム統合が勢いを増している。エレクトロクロミック窓は、光学的に切り換え可能な窓の有望な分類である。エレクトロクロミズムは、材料が、異なる電子状態に励起されたときに、1つ以上の光学特性の可逆的な電気化学的に媒介された変化を呈する現象である。エレクトロクロミック材料およびそれらから作成されたデバイスは、例えば、家庭用、商業用、または他の用途の窓に組み込まれ得る。エレクトロクロミック窓の色、色調、透過率、吸光度、または反射率は、例えば、エレクトロクロミック材料全体に電圧を印加して、エレクトロクロミック材料内の変化を誘導することによって変更され得る。かかる性能は、窓を通過し得る様々な波長の光の強度を管理することを可能にし得る。比較的最近の関心のある分野の1つは、光学的に切り換え可能な窓内の光学遷移を駆動して、所望される照明条件を提供しながら、かかるデバイスの電力消費を低減し、それらが統合されるシステムの効率を改善するためのインテリジェント制御システムおよびアルゴリズムである。
【発明の概要】
【0004】
本明細書の様々な実施形態は、光学的に切り換え可能なデバイスを制御するための方法、システム、およびネットワークに関する。いくつかの場合において、1つ以上の光学的に切り換え可能なデバイスは、音声制御および/またはジェスチャ制御を使用して制御され得る。
【0005】
開示される実施形態の一態様において、光学的に切り換え可能なデバイスの光学状態を制御する方法が提供され、方法は、(a)光学的に切り換え可能なデバイスの光学状態を所望される光学状態に変更するための情報を伝える音声コマンドまたはジェスチャコマンドをユーザから受信することと、(b)音声認識またはジェスチャ認識を使用して、音声コマンドまたはジェスチャコマンドを、それぞれ、テキストコマンドに変換することと、(c)(b)からのテキストコマンドを分析して、(a)のユーザからの音声コマンドまたはジェスチャコマンドを解釈することと、(d)テキストコマンドを実行して、光学的に切り換え可能なデバイスを所望される光学状態に遷移させることと、を含む。
【0006】
一定の実施形態において、方法は、(e)(a)で作成された音声コマンドまたはジェスチャコマンドが起こっているか否かを示す、ユーザに対する応答を生成することをさらに含み得る。これらまたは他の場合において、方法は、(f)ユーザが(a)で受信された音声コマンドまたはジェスチャコマンドを実行するように認証されているか否かを確認することをさらに含み得る。方法は、光学的に切り換え可能なデバイスのネットワーク上で実装され得、ネットワーク上の複数の光学的に切り換え可能なデバイスの光学状態を制御するように実装され得る。
【0007】
音声コマンドまたはジェスチャコマンドは、様々な異なる制御選択肢に関連し得る。一例において、(a)のユーザからの音声コマンドまたはジェスチャコマンドは、光学的に切り換え可能なデバイスの起動時の光学状態に対する相対的な比較に基づいて所望される光学状態を記述する。例えば、(a)のユーザからの音声コマンドまたはジェスチャコマンドは、光学的に切り換え可能なデバイスが、より暗く、またはより明るくなるべきであることを示し得る。同様に、(a)のユーザからの音声コマンドまたはジェスチャコマンドは、光学的に切り換え可能なデバイスが、より不透明に、またはより透明になるべきであることを示し得る。別の例において、(a)のユーザからの音声コマンドまたはジェスチャコマンドは、光学的に切り換え可能なデバイスが、より高反射に、またはより低反射になるべきであることを示す。いくつかの場合において、(a)のユーザからの音声コマンドまたはジェスチャコマンドは、段階的変更が、光学的に切り換え可能なデバイスの光学状態になされるべきであることを示す。
【0008】
一定の実施形態において、(a)のユーザからの音声コマンドまたはジェスチャコマンドは、光学的に切り換え可能なデバイスの起動時の光学状態を参照せずに、光学的に切り換え可能なデバイスの別個の光学状態として所望される光学状態を記述する。様々な実装において、(a)のユーザからの音声コマンドまたはジェスチャコマンドは、1つ以上の規則に従って所望される光学状態に切り換えるように光学的に切り換え可能なデバイスに命令する音声コマンドである。一例において、規則は、スケジュールに関するものであり、音声コマンドは、スケジュールされた時間に所望される光学状態に切り換えるように光学的に切り換え可能なデバイスに命令する。別の例において、規則は、気象に関するものであり、音声コマンドは、特定の気象条件が発生した場合に所望される光学状態に切り換えるように光学的に切り換え可能なデバイスに命令する。別の例において、光学的に切り換え可能なデバイスは、建物内に設置され、規則は、建物内の環境条件に関するものであり、かつ音声コマンドは、建物内の内部条件が発生した場合に所望される光学状態に切り換えるように光学的に切り換え可能なデバイスに命令する。いくつかのかかる場合において、建物内の内部条件は、建物内の温度に関するものである。
【0009】
様々な動作が、いくつかの異なる位置で発生し得る。いくつかの場合において、(a)~(d)の各々は、光学的に切り換え可能なデバイスが設置されている建物内に設置された1つ以上のコントローラ上で局所的に行われる。いくつかのかかる場合において、(a)~(d)の各々は、光学的に切り換え可能なデバイスに内蔵して設置された1つ以上のコントローラ上で局所的に行われる。いくつかの他の実施形態において、(c)は、光学的に切り換え可能なデバイスが設置されている建物から遠隔に位置するプロセッサ上で行われる。
【0010】
一定の実施形態において、(a)のユーザからの音声コマンドまたはジェスチャコマンドは、ジェスチャコマンドを含む。ユーザは、いくつかの実施形態において、光学的に切り換え可能なデバイスを指し示すことによってそれを識別し得る。様々な場合において、方法は、ジェスチャコマンドおよび音声コマンドの両方を解釈することを含み得、ジェスチャコマンドは、ユーザが制御することを所望する光学的に切り換え可能なデバイスがどれかを識別し、音声コマンドは、光学的に切り換え可能なデバイスの所望される光学状態を示す。
【0011】
1つ以上の辞書が、方法を実装するために使用され得る。一定の実施形態において、(b)は、音声コマンドまたはジェスチャコマンドをテキストコマンドに変換するために2つ以上の辞書を使用することを含み、第1の辞書が、音声コマンドまたはジェスチャコマンドの第1の部分を変換するときに使用され、第2の辞書が、音声コマンドまたはジェスチャコマンドの第2の部分を変換するときに使用される。これらのまたは他の場合において、(c)は、テキストコマンドを分析するために2つ以上の辞書を使用することを含み得、第3の辞書が、テキストコマンドの第1の部分を分析するときに使用され、第4の辞書が、テキストコマンドの第2の部分を分析するときに使用される。
【0012】
開示された実施形態のさらなる態様において、ユーザからの音声コマンドまたはジェスチャコマンドに応答して光学的に切り換え可能なデバイスの光学状態を制御するためのシステムが提供され、システムは、(a)マイク、ビデオカメラ、およびモーションセンサからなる群から選択される少なくとも1つの要素と、(b)光学的に切り換え可能なデバイスと通信可能に連結され、かつ光学的に切り換え可能なデバイスの光学状態を制御するように構成されたコントローラと、(c)(i)音声コマンドをテキストコマンドに変換するように構成された音声認識モジュール、または(ii)ジェスチャコマンドをテキストコマンドに変換するように構成されたジェスチャ認識モジュールのいずれかであって、音声コマンドが、マイクによって知覚され、ならびに/またはジェスチャコマンドが、ビデオカメラおよび/もしくはモーションセンサによって知覚される、音声認識モジュールまたはジェスチャ認識モジュールのいずれかと、(d)音声認識モジュールまたはジェスチャ認識モジュールによって生成されたテキストコマンドを解釈するように構成されたコマンド処理モジュールと、(e)コマンド処理モジュールからの解釈されたテキストコマンドを実行するように構成されたコマンド実行モジュールと、を備える。
【0013】
一定の実施形態において、システムは、(f)ユーザに対する応答を生成するように構成された応答生成モジュールと、(g)ユーザに対する応答を通信するように構成された応答通信モジュールと、をさらに含み得、応答は、ユーザに視覚的および/または聴覚的に通信される。
【0014】
いくつかの場合において、システムは、(h)ユーザが、ユーザからの音声コマンドまたはジェスチャコマンドで要求されたように光学的に切り換え可能なデバイスを制御するように認証されているか否かを確認するように構成された認証モジュールを含む。認証モジュールは、特定の期間にわたってユーザを認証するように構成され、かつ特定の期間が経過した後に追加の認証を要求するように構成され得る。いくつかの場合において、認証モジュールは、ユーザにパスコードを用いてログインすることを要求することによってユーザが認証されているか否かを確認する。別の例において、認証モジュールは、ユーザを識別するために顔認識を使用することによってユーザが認証されているか否かを確認する。別の例において、認証モジュールは、ユーザを識別するために音声認識を使用することによってユーザが認証されているか否かを確認する。様々な実施形態において、認証モジュールは、ユーザが新しい音声コマンドまたは新しいジェスチャコマンドを提供するたびにユーザが認証されているか否かを確認するように構成されている。これらのまたは他の実装において、認証モジュールは、音声認識モジュール、ジェスチャ認識モジュール、および/またはコマンド処理モジュールでどの1つまたは複数の辞書が使用されるかに影響を及ぼし得る。
【0015】
マイク、ビデオカメラ、および/またはモーションセンサは、いくつかの場合において、光学的に切り換え可能なデバイスに内蔵して提供され得る。いくつかの他の場合において、マイク、ビデオカメラ、および/またはモーションセンサは、光学的に切り換え可能なデバイスと通信する電子デバイス上に提供され得る。例えば、電子デバイスは、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、パーソナルコンピュータ、フィットネスデバイス、時計、または壁掛ユニットであり得る。いくつかの実施形態において、ジェスチャコマンドは、モーションセンサによって知覚され、モーションセンサは、1つ以上の加速度計、ジャイロスコープ、および/または磁力計を含む。システムは、ネットワーク上に各々設置された複数の光学的に切り換え可能なデバイスの光学状態を制御するように構成され得る。
【0016】
開示される実施形態のさらなる態様において、エレクトロクロミックデバイスの制御システムを照会する方法が提供され、方法は、(a)ユーザからの照会を受信することであって、照会が、会話形態で提供され、照会が、エレクトロクロミックデバイス用の制御システムの一部であるデバイスによって受信される、受信することと、(b)照会をテキスト照会に変換するために音声認識を使用することと、(c)(b)からのテキスト照会を分析して、(a)のユーザからの照会を解釈することと、(d)照会に対する回答を決定することと、(e)回答をユーザに提供することと、を含む。
【0017】
いくつかの実施形態において、回答は、(e)(i)ユーザが回答を視覚的に知覚することができるように回答を表示すること、および/または(ii)ユーザが回答を聴覚的に知覚することができるように回答を音読することによって、ユーザに提供される。照会は、エレクトロクロミックデバイスに関するものであり得る。いくつかの場合において、照会は、エレクトロクロミックデバイスの現在の光学状態および/またはエレクトロクロミックデバイス上の進行中の光学遷移に関するものである。いくつかの他の場合において、照会は、エレクトロクロミックデバイスの将来の光学状態および/またはエレクトロクロミックデバイス上の将来の光学遷移に関するものである。いくつかの実施形態において、動作(d)の照会に対する回答を決定することは、回答を決定するようにインターネットを検索することを含む。
【0018】
これらのおよび他の特徴は、関連する図面を参照して以下に説明されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】いくつかの実装において、音声制御を実装するために使用され得るモジュールの一例のブロック図を示す。
【
図2A】一定の実装において、音声制御を使用してエレクトロクロミック窓を制御する方法のフローチャートを示す。
【
図2B】複数の辞書が使用される一定の実装において、音声制御を使用してエレクトロクロミック窓を制御する方法のフローチャートを示す。
【
図2C】具体例による、音声制御を実装する方法のフローチャートを示す。
【
図3A】エレクトロクロミック窓を制御する壁デバイスとのユーザ対話を示す。
【
図3B】本明細書に説明される一定の制御方法を実装するために使用され得る構成要素の様々な構成を示す。
【
図3C】本明細書に説明される一定の制御方法を実装するために使用され得る構成要素の様々な構成を示す。
【
図3D】本明細書に説明される一定の制御方法を実装するために使用され得る構成要素の様々な構成を示す。
【
図3E】本明細書に説明される一定の制御方法を実装するために使用され得る構成要素の様々な構成を示す。
【
図4】いくつかの実装による、エレクトロクロミック窓100の断面図を示す。
【
図5】いくつかの実装による、制御プロファイルの一例を例示する。
【
図6】いくつかの実装による、複数のIGUを制御するように動作可能なネットワークシステムの一例のブロック図を示す。
【
図7】いくつかの実装による、マスタコントローラ(MC)の一例のブロック図を示す。
【
図8】いくつかの実装による、ネットワークコントローラ(NC)のブロック図を示す。
【
図9】いくつかの実装による、ネットワークコントローラのモジュールの一例のブロック図を示す。
【0020】
様々な図面における同様の参照番号および呼称は、同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下の詳細な説明は、主題を開示する目的のための特定の実装例を対象とする。開示された実装は、当業者が開示された主題を実施することを可能にするように十分に詳細に説明されているが、本開示は、本明細書に説明された特定の実装例に限定されない。それどころか、本明細書に開示された概念および教示は、それらの概念および範囲から逸脱することなく、多数の異なる形態および方式で実装および適用され得る。例えば、開示された実装は、エレクトロクロミック窓(スマート窓とも呼ばれる)に焦点を当てているが、本明細書に開示されるシステム、デバイスおよび方法のいくつかは、組み込むための不要な実験なしで、または太陽光線に応答して受動的に色調付くサーモクロミックコーティングもしくはフォトクロミックコーティング等の受動コーティングではなく、能動的に切り換える/制御される他のタイプの光学的に切り換え可能なデバイスを組み込みながら、作成、適用または使用され得る。いくつかの他のタイプの能動的に制御される光学的に切り換え可能なデバイスとしては、とりわけ、液晶デバイス、浮遊粒子デバイス、およびマイクロブラインドが挙げられる。例えば、かかる他の光学的に切り換え可能なデバイスの一部または全部は、本明細書に説明されるコントローラの開示された実装のうちの1つ以上と、給電、駆動、またはそうでなければ制御もしくは統合され得る。加えて、以下の説明において、「~するように動作可能」、「~するように適合される」、「~するように構成される」、「~するように設計される」、「~するようにプログラムされる」または「~することが可能である」という語句は、必要に応じて互換的に使用され得る。
【0022】
音声およびジェスチャ制御
いくつかの実施形態において、音声および/またはジェスチャ制御が、光学的に切り換え可能なデバイスと対話するために使用され得る。かかる制御方法は、ユーザが特定の構成要素(例えば、スイッチ、ノブ、キーパッド、タッチ画面等)に接触するか、またはそうでなければそれと物理的に相互作用することを必要とし得る従来の制御方法に比べて、より便利であり得る。音声制御は、一定の障害を持つユーザにとって特に有益であり得る。
【0023】
コマンドの一例
一般に言うと、音声および/またはジェスチャ制御は、光学的に切り換え可能なデバイス上の任意のタイプのコマンドを実装するために使用され得る。例えば、音声および/またはジェスチャ制御は、単一の光学的に切り換え可能なデバイスに対する色調付けコマンド(例えば、「窓1を色調4に変更」または「窓1をより暗くする」)、または光学的に切り換え可能なデバイスグループまたは区域に対する色調付けコマンド(例えば、「区域1内の窓を色調4に変更」または「区域1内の窓をより暗くする」または「区域1内の窓をかなり暗くする」等)を実装するために使用され得る。コマンドは、関連する光学的に切り換え可能なデバイスが変更するべき別個の光学状態(例えば、別個の色調レベル、または他の別個の光学状態)または光学的に切り換え可能なデバイスの光学状態の相対的変更(例えば、より暗く、より明るく、より高反射に、より低反射に、または、例えば、「私の事務所は、暗過ぎるので、もっと明るくしてください」もしくは「私は、プロジェクタを起動したい」(システムに部屋を暗くさせる)もしくは「ここは暑い」(システムに窓を暗くさせて熱利得を遮断させる)等)に関し得る。相対的変更が使用されるとき、制御システムは、コマンドを実行するために光学的に切り換え可能なデバイスの光学状態の段階的変更(例えば、10%、より暗くまたはより明るく)を実装するように設計または構成され得る。各段階的変更の程度は、予め定義され得る。代替的にまたは追加的に、制御システムは、ユーザによって指定されたサイズまたは程度の段階的変更を実装するように設計または構成され得る。かかるコマンドは、コマンドで使用される任意の相対的単語(例えば、「非常に」もしくは「少し」、または「より明るく」もしくは「より暗く」等)によって修正され得る。
【0024】
音声制御はまた、光学的に切り換え可能なデバイスのスケジュールを設定するためにも使用され得る。例えば、ユーザは、特定の時間/日に色調付くように光学的に切り換え可能なデバイスを指示し得る(例えば、「月曜日から金曜日の午後2時に区域1の窓を色調4にする」または「午前の太陽は、ここを暑くする」(太陽がブラインドの該当する側部を照らすときに、システムに、午前の時間帯の間、窓を色調付けさせる)または「私は、午後に山をよく見ることができない」(システムに、窓を午後にかなり色調付けさせて、午後の間、それらを明るくさせる)。同様に、音声制御は、光学的に切り換え可能なデバイスに対する色調付け規則を実装するために使用され得る(例えば、「区域1の窓を、外が晴れているときに、色調4に色調付ける」または「この部屋の内側の温度が70°Fを超える場合、この部屋の窓を色調付ける」)。光学的に切り換え可能なデバイス(サーモスタット、BMS、電子デバイス等の任意の他のネットワーク構成要素を含む)のネットワーク上に実装され得るあらゆる規則は、音声制御を介して開始され得る。
【0025】
音声制御は、スマート窓システム用の制御アーキテクチャの様々な構成要素上、例えば、内蔵窓コントローラもしくは他の窓コントローラ、ネットワークコントローラ、マスタコントローラ、壁スイッチ(例えば、制御構成要素とのインターフェース)ならびに/または上記のデバイスおよび/もしくは構成要素のいずれかもしくは全てと相互接続する別個のデバイス上に実装され得る。
【0026】
ジェスチャ制御は、音声制御を使用するときに認識され得る単語のより広範な辞書と比較して、認識され得る運動のより限定された辞書によって、ある程度、より限定され得る。しかしながら、ジェスチャ制御は依然として、多くのタイプのコマンドを実装するために使用され得る。例えば、ジェスチャ制御は、特定の窓または窓グループがより明るい状態またはより暗い状態(または非エレクトロクロミックな光学的に切り換え可能なデバイスが使用される場合、他の光学状態)に変化するべきであることを示すために使用され得る。ユーザは、関連する窓の前に立つことによって、および/または関連する窓を指し示すことによって、変更されるべき窓を指示することができる。ユーザは、例えば、その手または腕を上下させるか、または手のひらを開閉することによって、所望される変更を示すことができる。認識されたジェスチャの辞書が、ジェスチャ制御を介して実現され得るコマンドのタイプを定義するために作成され得る。より広範なジェスチャ辞書は、光学的に切り換え可能なデバイスのより精密かつより複雑な制御を可能にし得る。しかしながら、使い易さという点では、ある程度のトレードオフが存在し、より小さなジェスチャ辞書は、ユーザが習得することをより容易にする。
【0027】
いくつかの場合において、ジェスチャは、ビデオカメラによって知覚され得る。カメラは、任意の利用可能なデバイス上に提供され得、かついくつかの例において、エレクトロクロミック窓もしくはフレーム上の、壁掛ユニットの一部として、壁掛ユニットと相互接続するデバイスの一部として(例えば、スマートフォン、タブレット、または他の電子デバイス)、ハンドヘルドデバイスの一部として(例えば、スマートフォン、タブレット、または他の電子デバイス)、またはエレクトロクロミックもしくは他の光学的に切り換え可能な窓を制御するように構成される任意の他のデバイスの一部として提供される。代替的または追加的に、ユーザは、運動/加速/等を検知するように構成される検知デバイスを保持、装着、またはそうでなければ動かしながらジェスチャし得る。検知デバイスの読み取り値は、ユーザが行ったのが何のジェスチャであるかを決定することを助けるために使用され得る。運動検知デバイスは、1つ以上の加速度計、ジャイロスコープ、および/または磁力計等を含み得る。いくつかの実施形態において、検知デバイスは、フィットネスデバイス(例えば、各々San Francisco、CAのFitbit Inc.またはJawbone製の様々なウェアラブルデバイスのいずれか)、時計(例えば、Cupertino、CAのApple Inc.またはPalo Alto、CAのPebble Technology Corporation製)、または同様のウェアラブルデバイスであり得る。一定の実施形態において、顔認識ソフトウェアが、窓の色調レベルを変更するコマンドとして顔の表情の変化を決定するために使用される。
【0028】
音声制御を介して開始され得る別のタイプのコマンドは、「聞き取りモード」をオフにすることである。聞き取りモードがオンのとき、コマンドを聞き取るデバイスは、口述コマンドを受け取ることができる。聞き取りモードがオフのとき、コマンドを聞き取るデバイスは、かかるコマンドを受け取る/聞く/記録することができない。以下にさらに説明されるように、コマンドを聞き取るデバイスは、例えば、窓コントローラ、IGU、壁デバイス、および/または他の電子デバイス(例えば、電話、タブレット等)の一部であり得る。ユーザは、プライバシーの向上、エネルギー節約等のために聞き取りモードをオフにすることを所望し得る。いくつかの場合において、ユーザは、聞き取りモードが指定された期間(例えば、会議の継続期間)、オフになることを要求し得る。聞き取りモードを再びオンにするために、ユーザは、ボタン/タッチ画面(例えば、コマンドを聞き取るデバイス上、窓コントローラ、IGU、壁デバイス、または他の電子デバイス上の)を押し得るか、またはそうでなければ聞き取りモードが再びオンになるべきことを示し得る。デバイスは、聞き取りモードがオンおよび/またはオフであるときにそのことを示し得る。一例において、1つ以上の照明(例えば、LED)は、聞き取りモードがオンまたはオフかを示し得る。照明は、聞き取りモードがオンであることを示すためにオンにされ得、聞き取りモードがオフであることを示すためにオフにされ得る(またはその逆)。別の例において、第1の照明または照明色が、聞き取りモードがオンであることを示し得、第2の照明または照明色が、聞き取りモードがオフであることを示し得る。別の例において、デバイスは、聞き取りモードが無効(または有効)であることのユーザへの合図として、音声キューを使用し得、例えば、定期的に、例えば、放音し得る。一定の実装において、聞き取りモードは、ある期間(例えば、1分、10分、30分、1時間、2時間、3時間、1日等)の間、無効化され得、その後、聞き取りモードが自動的に再有効化され得る。聞き取りモードが無効化される期間は、ユーザによって選択されてもよく、または予め設定されてもよい。いくつかの実施形態において、聞き取りモードは、初期設定によって有効化される。言い換えると、聞き取りモードは、オフにされない限りオンである(例えば、上述のように、恒久的にオフにされるか、またはある期間、オフにされる)。他の実施形態において、初期設定は、聞き取りモードがオフであってもよい。これらの実施形態において、聞き取りモードは、聞き取りモードをオンにするコマンドが受信されない限り、有効化されない。
【0029】
同様に、ジェスチャコマンドが使用されるとき、ユーザは、ジェスチャコマンドを解釈する関連デバイスが、「注視モード」にあるか否かを制御し得る。聞き取りモードと同様に、注視モードは、オンおよびオフを切り換えられ得る。デバイスが注視モードにあるとき、デバイスは、ジェスチャコマンドを検知および解釈することができる。注視モードがオフであるとき、デバイスは、ジェスチャコマンドを検知、記録、および/または処理することができない。一般的に言うと、聞き取りモードに関して本明細書に提供された詳細は、注視モードに同様に適用され得る。
【0030】
一定の実施形態において、音声コマンドは、光学的に切り換え可能なデバイスを制御しているシステム(または光学的に切り換え可能なデバイスがインストールされているネットワーク上のいくつかのコンポーネント)に質問を尋ねるために使用され得る。質問は、光学的に切り換え可能なデバイスに直接的に、またはより一般的には、光学的に切り換え可能なデバイスまたはネットワーク上のデバイスグループに関し得る。例えば、ユーザは、特定の光学的に切り換え可能なデバイスに対する現在の光学状態が何かを尋ねることができる(例えば、「窓1の色調レベルは何ですか?」)。同様に、ユーザは、特定の光学的に切り換え可能な装置に対して予定されている行動が何かを尋ねることができる(例えば、「次回、私のオフィスの窓が暗くなり始めるのはいつか?」)。質問はまた、ネットワークがアクセスを有する任意の他の情報にも関し得る。例えば、ユーザは、気象データ(例えば、温度データ、雲データ、降水データ、予測データ等)、位置データ(例えば、「私は、どこにいるか?」または「最も近いプリンタ/出口/洗面所/等にここからどうやって行けばいいか?」)、アクセスデータ(例えば、「私は、この部屋の窓の色調レベルを制御することを許容されているか?)」等に関して尋ねることができる。ユーザはまた、光学的に切り換え可能なデバイスが一定の方式で実施している理由の説明を尋ねることもできる。一例において、ユーザは、「なぜ窓1を色調付けているか?」を尋ねることができ、システムは、照会に応答して、「雲が20分以内に晴れることが予測され、白日の遮断に色調付けている」ことを説明し得る。この特徴は、光学的に切り換え可能なデバイスが、ユーザにとって直ちに観察可能/理解可能ではない場合がある規則を実行するようにプログラムされている場合に特に有用である。回答は、視覚的(例えば、画面上に)または聴覚的(例えば、スピーカを通して)に提供され得る。
【0031】
音声コマンドはまた、無線通信に対して室内のプライバシーの程度を制御するためにも使用され得る。いくつかの実施形態において、光学的に切り換え可能な窓は、特定の波長が窓を通過することを阻止または許容するために使用され得る1つ以上のアンテナを含むようにパターン化され得る。有効化されたとき、これらのパターン化されたアンテナは、携帯電話通信、Wi-Fi(登録商標)通信等を阻止することによって向上したセキュリティ/プライバシーを提供し得る。パターン化されたアンテナおよび関連するプライバシーの検討は、2015年11月24日に出願され、WINDOW ANTENNASと題された、PCT出願第PCT/US15/62387号に論じられ、これは、その全体の参照によって本明細書に組み込まれる。
【0032】
辞書
音声および/またはジェスチャ制御が使用されるとき、1つ以上の辞書が定義され得る。音声制御のために、辞書は、システムが解釈/理解するように構成される、一組の単語および/または語句を定義し得る。同様に、ジェスチャ制御のために、辞書は、システムが解釈/理解するように構成される、一組のジェスチャを定義し得る。辞書は、階層化されてもよく、例えば、第1のレベルの辞書にコマンドが与えられ、第2のレベルの新しい辞書が、コマンドを受信するために開始され得、一度受信されると、さらに別のレベルの辞書が、有効化され得る。この方式において、個々の辞書は、過度に複雑である必要はなく、エンドユーザは、所望するコマンド構造に素早く達することができる。
【0033】
定義され得る単語または語句の例としては、各光学的に切り換え可能なデバイスまたはデバイスグループに対する名称/識別情報(例えば、「窓1」、「グループ1」、「区域1」等)が挙げられる。かかる名称/識別情報はまた、光学的に切り換え可能なデバイスの位置に基づいてもよい。この点において、辞書は、位置(例えば、「1階」、または「休憩室」、または「東向き」)に基づいて光学的に切り換え可能なデバイスを識別する単語、および/またはユーザ(または何人かの他の人)と識別されている光学的に切り換え可能なデバイスとの間の関係(例えば、「私のオフィス」、「左の窓」、または「Deepaの部屋」)を提供する単語を含めるように定義され得る。
【0034】
辞書はまた、命令され得る所望されるコマンドに関する単語も定義し得る。例えば、辞書は、「色調」、「明瞭」、「最明瞭」、「より暗い」、「最も暗い」、「より明るい」、「最も明るい」、「より多い」、「より少ない」、「非常に」、「少し」、「色調レベル」、「色調1」、「色調2」等の単語を含み得る。音声コマンドを使用するとき、光学的に切り換え可能なデバイスに命令するときに人によって使用されそうな任意の単語が、辞書に含められ得る。システムが、ユーザが光学的に切り換え可能なデバイスの行動に対するスケジュールまたは規則を設定することを許容するように構成される場合において、1つまたは複数の辞書が、かかるコマンドを理解するために必要な任意の単語を含み得る(例えば、「月曜日」、「火曜日から金曜日」、「午前」、「午後」、「就寝時間」、「日の出」、「もし」、「その後」、「いつ」、「しない」「曇り」、「晴れ」、「程度」、「誰か」、「誰も」、「運動」、「のみ」等)。同様に、システムが、ユーザが質問をすることを許容するように構成される場合において、1つまたは複数の辞書は、システムが回答するように設計される質問のタイプを理解するために必要とされる任意の単語を含み得る。
【0035】
上記のように、人々にとって習得がより容易であり得、より高速および/またはより局所的な処理を可能にし得るより小さい辞書と比較して、より高精度な制御、より自然/柔軟なコマンド、およびより複雑な機能(例えば、回答がインターネット上で入手可能である任意の質問に回答する)を可能にし得る、より大きな辞書間にいくつかのトレードオフが存在する。より小さな辞書は、連続する辞書へのアクセスが、次の辞書へのアクセスを許容されるために1つの辞書に適切な音声またはジェスチャコマンドを提供するユーザによって提供される、階層化形式で使用され得る。
【0036】
いくつかの実施形態において、単一の辞書が、使用され得る。他の場合において、2つ以上の辞書が使用されてもよく、特定のタイミングで使用される辞書は、コマンドのタイプ、またはユーザが伝えようとしているコマンドの一部分に依存する。例えば、第1の辞書は、ユーザが制御することを望む光学的に切り換え可能なデバイスがどれかをユーザが識別するときに使用され得、第2の辞書は、ユーザが光学的に切り換え可能なデバイスにさせたいことが何かをユーザが識別するときに使用され得る。第1の辞書は、関連する光学的に切り換え可能なデバイスを識別するために必要とされる任意の単語を含み得、一方で第2の辞書は、ユーザが光学的に切り換え可能なデバイスにさせたいことを解釈するために必要とされる任意の単語を含み得る。かかる文脈辞書は、システムが、特定の辞書が使用されているときに常に理解/解釈するように構成される、単語の限定されたサブセットを提供し得る。これは、ユーザのコマンドを解釈することを容易にし得る。さらなる例が以下に提供される。
【0037】
一定の実装において、1つ以上の辞書は、特定のユーザに合わせて調整され得る。ユーザが切り換えることを所望するエレクトロクロミック窓がどれかを定義/決定するための辞書は、例えば、ユーザが切り換えることを認証されている窓がどれかに基づいて制限され得る。一例において、ユーザAは、窓1~5を切り換えることを許容され、一方でユーザBは、窓6~10を切り換えることを許容される。ユーザAからのコマンドを転写および/または解釈するために使用される1つまたは複数の辞書は、窓1~5を識別することに限定され得、一方でユーザBからのコマンドを転写および/または解釈するために使用される辞書は、窓6~10を識別することに限定され得る。
【0038】
各辞書は、ユーザがシステムを通してより容易にナビゲートすることを可能にする一定のキーワードを含み得る。かかるキーワードは、「ヘルプ」、「戻る」、「戻れ」、「前の」、「元に戻す」、「スキップする」、「再起動する」、「開始する」、「停止する」、「中止する」等の語句を含み得る。ユーザがヘルプを要求したとき、システムは、システムが現在、所与のタイミングで使用されている辞書に基づいて受け付ける/理解するように構成される、単語、語句、コマンド、窓等をユーザに通信する(例えば、視覚的および/または聴覚的に)ように構成され得る。例えば、ユーザがヘルプを要求するが、一方でシステムが切り換えのために利用可能な異なる窓を定義する辞書にアクセスしている場合、システムは、そのタイミングで利用可能な入力が、例えば、「窓1」、「窓2」、「窓3」、「グループ1」等であることを通信し得る。
【0039】
セキュリティ/認証
いくつかの実施形態において、システムは、コマンドが実行される前に、ユーザが特定のコマンドを行うことを認証されることを確実にするように作用し得る。これは、未認証ユーザが光学的に切り換え可能なデバイスに対する変更を行うことを防止し得る。これが特に重要である1つの設定は、多くの人々が一度に存在し得る会議室である。かかる場合において、光学的に切り換え可能なデバイスの光学状態を変更する権限を有しない人々が変更を行うことを確実に防止することが所望され得る。これは、室内の人々によってなされる、耳にするコメント(通常、関連がない)に基づいて、光学的に切り換え可能なデバイスが変更を行うことになるリスクを低下させ得る。この特徴が重要である別の設定は、商用オフィス空間であり、個々の人々が、例えば、その作業空間の近くで制限された、いくつかの光学的に切り換え可能なデバイスを各々制御し得ることが所望される。一例において、各人は、その特定のオフィス、またはその特定の階等にある光学的に切り換え可能な窓を制御することを認証され得る。任意の場合において、音声またはジェスチャコマンドを介して光学遷移を開始させることができる人々のみがそれを行うように認証されることを確実にすることは、有益である。
【0040】
認証は、いくつかの方式で行われ得る。一例において、ユーザは、自身を識別するためにシステムに「ログイン」し得る。これは、電子デバイス(例えば、スマートフォン、タブレット等)のアプリケーションにログインすること、パスコードをキー入力または音声入力すること等によって行われ得る。別の例において、音声認識が、ユーザの識別情報を確認するために使用され得る。さらなる例において、顔認識、指紋スキャン、網膜スキャン、または他の生体認証基盤方法が、ユーザの識別情報を確認するために使用され得る。異なる認証手順が、異なるアプリケーション/文脈に最適であり得る。特定の例において、ユーザは、自動的に認証され得る。かかる認証は、物理的認証トークン(例えば、適切な識別情報を有するRFIDバッジ、BLEビーコン、UWFビーコン等)、およびトークンを読み取るセンサへの物理的認証トークンの近接に基づき得る。センサは、光学的に切り換え可能なデバイス上、光学的に切り換え可能なデバイスと通信するコントローラ上、光学的に切り換え可能なデバイスと通信する壁掛ユニット上等に提供され得る。検証は、局所的(例えば、トークンを読み取るセンサ上、光学的に切り換え可能なデバイス上、コントローラ上、壁掛ユニット上等)、またはクラウド内で行われ得る。
【0041】
いくつかの場合において、認証は、必要とされるときにいつでも行われ得、認証は、設定時間が経過した後、またはユーザが設定時間(例えば、24時間後、または1時間後、または10分後)、使用を停止した後に満了し得る。自動ログアウトに使用される時間は、窓が設置されている設定に依存し得る(例えば、窓が公衆エリアまたはプライベートエリアにあるか否か)。いくつかの場合において、認証は、ユーザがログアウトするまで満了しなくてもよい(例えば、限定されるものではないが、ログアウトを口述で要求する、ログアウトボタンを押す等を含む任意の利用可能な方法を使用して)。一定の実施形態において、認証は、コマンドが作成されるたびに行われてもよい。いくつかのかかる実施形態において、認証は、単一のコマンドを解釈するときでさえ、段階的に行われてもよい。第1の認証段階において、ユーザがネットワーク上で任意の変更を行うことを認証されているか否かを決定し得、第2の認証段階において、ユーザが要求/開始した特定の変更を行うことをユーザが認証されているか否を決定し得る。
【0042】
認証プロセスはまた、音声および/またはジェスチャコマンドを解釈するために使用される辞書をさらに制限するために使用されてもよい。例えば、特定のユーザのための1つまたは複数の辞書は、ユーザが制御することを認証されていない光学的に切り換え可能なデバイス(またはかかるデバイスのグループ/区域)を遮断し得る。一例において、ユーザは、区域1および区域2内の光学的に切り換え可能なデバイスを制御することのみを認証され、そのためこのユーザのコマンドを解釈するために使用される1つまたは複数の辞書は、「区域1」および「区域2」を含み得るが、「区域3」を排除する。コマンドを解釈/理解するために必要な任意の他の単語もまた、辞書に含められ得る。
【0043】
音声/ジェスチャ制御技術の例
図1は、開示された音声制御の実施形態を実施するときに使用され得る、数個のモジュールを含む、音声/ジェスチャ制御システム900のブロック図を提供する。これらのモジュールは、特定のアプリケーションに応じて、別個にまたは共に実装され得る。モジュールは、別個のハードウェア部分で提供され得、様々なプロセッサを制御し得る。モジュールは、同時または非同時に実行され得る。一般的に言うと、各モジュールは、コントローラ(例えば、窓コントローラ、ネットワークコントローラ、および/またはマスタコントローラ)、光学的に切り換え可能なデバイス、壁デバイス、ルータ、および/または遠隔プロセッサ上に独立して実装され得る。一定の実装において、モジュールのうちの1つ以上は、
図7のプロセッサ402、
図8のプロセッサ502、および/または窓コントローラの処理ユニット上に実装され得る。各モジュール内で、任意の関連する処理が、以下にさらに論じられるように、局所的または遠隔的に行われ得る。この処理は、中央位置/デバイスで行われてもよく、いくつかの位置/デバイス全体に分散されてもよい。
【0044】
音声認識モジュール902は、会話をテキストに変換/転写する。言い換えると、このモジュールへの入力は、通常、会話であり(ユーザによって話され、マイクによって取得/記録される)、このモジュールからの出力は、通常、文字列またはファイルである。このモジュールは、いくつかの商業的に利用可能な会話をテキストにする製品/サービス/ライブラリを使用して実装され得る。一例として、Carnegie Mellon University of Pittsburgh、PAは、CMU Sphinx等の使用され得るいくつかのオープンソース会話ソフトウェアリソースを提供する。追加の例としては、Burlington、MAのNuance Communications,Inc.から入手可能なDragon productsおよびCincinnati、OHのVoice Tech Group,Inc.から入手可能なTaztiが挙げられる。音声認識モジュール902はまた、光学的に切り換え可能なデバイスに関連する音声制御のために特別に設計されたカスタムソフトウェアを使用して実装され得る。
【0045】
コマンド処理モジュール904は、所望されるコマンド命令を決定するためにテキストを解釈する。言い換えると、このモジュールへの入力は、通常、テキストファイルであり(音声認識モジュール902によって生成され得る)、一方で出力は、関連する光学的に切り換え可能なデバイスに所望されるコマンドを開始させる窓コントローラ(またはネットワーク上の別のコントローラ)によって解釈され得る一組のコマンド/命令である。この機能はまた、言語処理または自然言語処理とも呼ばれ得る。会話認識モジュール902と同様に、コマンド処理モジュール904は、いくつかの利用可能な製品/サービスを使用して、または特定のアプリケーションのために特別に開発されたソフトウェアを使用して実装され得る。
【0046】
認証モジュール906は、本明細書に論じられる認証/セキュリティ技術を実施するために使用され得る。一般的に、認証モジュール906は、コマンドを与える人がコマンドを作成するように認証されていることを確実にするように使用され得る。モジュールは、コマンドで識別された光学的に切り換え可能なデバイスを、ユーザが制御することを認証されている光学的に切り換え可能なデバイスのリストと比較し得る。ユーザが、制御することを認証されていない光学的に切り換え可能なデバイスを制御しようとする場合、制御モジュール906は、光学的に制御可能なデバイスを制御することを認証されていないことをユーザに通知する(例えば、視覚的および/または聴覚的に)ように構成され得る。他の場合において、未認証コマンドが与えられたとき、いずれの動作も行われない(例えば、ユーザへの通知もなく、光学的に切り換え可能なデバイスの切り換えもない)。
【0047】
コマンド実行モジュール908は、関連する光学的に切り換え可能なデバイス上のコマンドを実行する。コマンドは、マスタコントローラ、ネットワークコントローラ、および/または窓コントローラ上で実行され得る。一例において、コマンドは、マスタコントローラに、特定のグループまたは区域内の全ての窓を所望の色調レベルにするように命令することによって実行され得る。一般的に、コマンドは、本明細書に説明される制御装置/方法のいずれかで/いずれかによって実行され得る。
【0048】
応答生成モジュール910は、応答通信モジュール912によってユーザに通信されることになる応答を生成する。応答生成モジュール910によって生成された応答は、テキスト応答であってもよい。テキスト応答は、応答通信モジュール912を使用して、例えば、スクリーン上でユーザに表示され得る。代替的または追加的に、応答通信モジュール912は、テキスト応答を、ユーザに再生される会話応答(例えば、音声ファイル)に変換し得る。任意の適切なテキストから会話への方法が、これを実現するために使用され得る。一般的に、応答生成モジュール910および応答通信モジュール912は、ユーザへの応答を生成および通信するように共に機能し得る。
【0049】
応答生成モジュール910および応答通信モジュール912の1つの目的は、制御システムによってどのコマンドが理解されたかをユーザに通知することであり得る。同様に、これらのモジュールは、ユーザのコマンドに応答して光学的に切り換え可能なデバイスが行っている任意の動作に関してユーザに通知するために使用され得る。一例において、応答生成モジュール910は、ユーザによって与えられた基本コマンド(例えば、「窓1を色調4にする」または「晴れてきたときに窓1を色調4に色調付ける」)を繰り返す応答を生成し得る。応答は、その後、応答通信モジュール912を介してユーザに通信され得る。応答生成モジュール910および応答通信モジュール912はまた、ユーザからの説明を求めるためにも使用され得る。例えば、ユーザが窓1または窓2を変更したいか否かが不明である場合、応答生成モジュール910は、ユーザに明確化/さらなる情報を促すために使用され得る。
【0050】
図2Aは、音声制御を使用して1つ以上の光学的に切り換え可能なデバイス(例えば、エレクトロクロミック窓)を制御する方法1000のフローチャートを例示する。方法1000は、ユーザが音声コマンドを提供するときに、動作1001で開始する。音声コマンドは、例えば、音声制御システムの構成および音声制御処理の頑強性に依存して、様々な方法で与えられ得る。音声制御システムは、音声コマンドを受信するように構成および配置された少なくとも1つのマイクを含む。マイクは、光学的に切り換え可能なデバイス、壁掛デバイス(上述のように、壁掛デバイスは、壁、またはテーブル、カウンタートップ等の部屋の別に位置に位置付けられ得る)、またはスマートフォン、タブレット、ラップトップ、PC等の別の電子デバイス上に位置し得る。コマンドの一例としては、「窓1を色調4にする」が挙げられる。
【0051】
次に、動作1003において、聞き取りモードがオンであるか否かが決定される。聞き取りモードがオンであるとき、マイクは、ユーザからの音声コマンドを聞き取り/録音することができる。聞き取りモードがオフであるとき、マイクは、オフであるか、またはそうでなければ光学的に切り換え可能なデバイスに関連する音声コマンドを受け付けない。聞き取りモードが「オフ」である間、マイクが「オン」のままであり得る一例としては、マイクがユーザの携帯電話に位置し、かつユーザがその携帯電話で無関係な通話を行っているときである。動作1003の決定は、受動的に行われ得る。聞き取りモードがオンではない場合、マイクは、動作1001で作成された音声コマンドを受け取らず/記録せず、動作1004に示されるように、何も起こらない。上記のように、一定の実施形態において、ユーザは、動作1002に示されるように、聞き取りモードを手動で任意に有効化し得る。この場合、方法は、ユーザがコマンドを繰り返す動作1001に進み得る。動作1003において聞き取りモードがオンである場合、方法は、動作1005に進み、音声コマンドは、テキストコマンドに変換/転写される。音声からテキストへの変換は、
図1の音声認識モジュール902によって行われ得る。
【0052】
特定の実施形態において、音声からテキストへの変換は、上記のように1つ以上の辞書によって影響され得る。例えば、関連する辞書に記憶された単語または語句に類似する発音の単語または語句は、全く同一ではなくても、辞書に記憶された単語/語句に変換され得る。特定の例において、ユーザは、「窓1を色調4に切り換える」コマンドを与えるが、音声認識モジュールは、該コマンドを「窓1を色調フロアに切り換える」として最初に解釈する。音声認識モジュールと関連付けられた関連する1つまたは複数の辞書が、「窓1」、「窓2」、「色調1」、「色調2」、「色調3」、および「色調4」等の語句を定義するが、「フロア」という単語を含むいずれの語句も含まない場合、音声認識モジュールは、ユーザが、関連付けられた1つまたは複数の辞書内の関連する意味を有しない、最初に理解された「色調フロア」ではなく、「色調4」を言おうとしたことを認識し得る。言い換えると、テキストから会話への動作の結果は、使用されている関連する辞書によって制限されるか、またはそうでなければ影響され得る。
【0053】
次に、動作1007において、テキストコマンドが解釈される。この解釈は、
図1のコマンド処理モジュール904によって行われ得る。動作1005に関して論じられた音声からテキストへの変換と同様、動作1007のテキストコマンドの解釈は、使用されている1つまたは複数の辞書によって影響され得る。この動作は、ユーザが変更を要求している1つまたは複数の光学的に切り換え可能なデバイスがどれかを具体的に識別し、特定の要求された変更を具体的に識別することを含み得る。例えば、ユーザによって提供されたコマンドが「窓1を色調4に切り換える」である場合、解釈は、(1)ユーザが、窓1に対する変更を要求していること、および(2)要求された変更が、窓を色調4に切り換えることに関すること、を決定することを含み得る。
【0054】
動作1007のテキストコマンド解釈(および動作1005の音声からテキストへの変換)は、ユーザの選好および/またはユーザのアクセス許可によって影響され得る。例えば、ユーザが「窓をより暗くする」という音声コマンドを作成すると、システムは、ユーザが通常切り換える窓がどれかに基づいて、および/またはユーザが切り換えを許容されている窓がどれかに基づいて、切り換えられることを所望される窓がどれかを解釈し得る。
【0055】
動作1009において、要求されたコマンドを作成することをユーザが認証されているか否かが決定される。認証は、上記のように、いくつかの方式で開始/検証され得る。認証は、
図1に説明された認証モジュール906によって行われ得る。要求されたコマンドを作成することをユーザが認証されていない場合、方法は、(1)何も起こらないか、または(2)ユーザがコマンドを作成することについて未認証であることをユーザに通知するように応答が生成されるか、のいずれかである動作1010で終了する。応答は、視覚的(例えば、光学的に切り換え可能な窓、壁掛デバイス、または他の電子デバイス上の視覚的ディスプレイを介して)、および/または聴覚的に(例えば、光学的に切り換え可能なデバイス、壁掛デバイス、または他の電子デバイス上のスピーカを介して音声ファイルを再生することによって)提供され得る。応答生成に関するさらなる詳細が以下に提供される。
【0056】
要求されたコマンドを作成することをユーザが認証されている場合、方法は、ステップ1011に進み、テキストコマンドが実行される。コマンドは、本明細書に記載の方法およびシステムのいずれかを使用して実行され得る。コマンドは、
図1のコマンド実行モジュール908を使用して実行され得る。様々な場合において、コマンドは、光学的に切り換え可能なデバイスが設置されたネットワークを介して実行され得、1つ以上の窓コントローラ、ネットワークコントローラ、および/またはマスタコントローラを含み得る。一般的に言うと、動作1011は、動作1001でユーザによって要求されたコマンドを実行することを含む。
【0057】
動作1013において、ユーザに対する応答が生成される。応答は、
図1の応答生成モジュール910によって生成され得る。応答は、要求されたコマンドが実行されていることを確認し得る。応答は、ユーザが正しく理解されたか否かをユーザがわかるように、コマンドの内容を具体的に示し得る。応答の一例としては、「窓1を色調4に切り換える」が挙げられ得る。「OK」または緑色の照明および/または音等のより簡単な肯定的な応答は、コマンドの内容を具体的に繰り返さずに、ユーザが聞き取られたことをユーザに知らせ得る(例えば、応答生成モジュール910および/または応答通信モジュール912を使用して)。特定の例において、応答は、システムが所望されるコマンドを正しく理解したことをユーザが確認する要求を含み得る。かかる場合において、コマンドは、かかる確認がユーザから受信されるまで、実行されない場合がある。
【0058】
動作1015において、応答がユーザに通信される。応答は、
図1の応答通信モジュール912によってユーザに通信され得る。応答は、視覚的(例えば、ディスプレイ上に)、および/または聴覚的に(例えば、スピーカを介して)、ユーザに提示され得る。ディスプレイおよび/またはスピーカは、光学的に切り換え可能なデバイス、壁掛デバイス、または他の電子デバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、PC等)上に提供され得る。ディスプレイおよび/またはスピーカは、マイクと同一ユニット内に設けられてもよく、またはそれらは、別個のユニット内に提供されてもよい。聴覚応答が提供される一定の場合において、応答生成は、応答の所望されるテキストを生成すること(例えば、応答生成モジュール910を使用して)、その後、所望されるテキストに対応する音声ファイルを生成および再生すること(例えば、応答通信モジュール912を使用して)を含み得る。方法1000は、様々な方式で実施され得る。いくつかの実施形態において、一定の動作は、
図2Aに示されているものから順不同で起こる。
【0059】
一定の実施形態において、音声制御方法は、上記のように、2つ以上の辞書を使用することを含み得る。
図2Bは、2つ以上の音声制御関連辞書を使用して1つ以上の光学的に切り換え可能なデバイスを制御する方法1020のフローチャートを例示する。
図2Bの方法1020は、コマンドの異なる部分に異なる辞書を適用することによって、コマンドが断片的様式で解釈されることを除いて、
図2Aの方法1000と同様である。
図2Bに例示される多くの動作は、
図2Aに提示されたものと同一であり、簡潔化のために説明は、繰り返されない。
【0060】
方法1020について、動作1003において聞き取りモードがオンであると決定された後、音声コマンドの部分1は、第1の辞書を使用してテキストコマンドの部分1に変換される。使用される特定の辞書は、解釈されているテキストの一部に対応し得る。次に、テキストを解釈/変換する音声コマンドの追加の部分が存在するか否かが決定される。解釈すべき音声コマンドの追加の部分が存在する場合、方法は、動作1027に進み、辞書が、別の辞書に任意に切り換えられる。選択される次の辞書は、解釈されるべきコマンドの次の部分に対応し得る。方法は、その後、動作1025に戻り、音声コマンドの部分2が、コマンドの部分1に関して使用されたものとは異なる辞書を任意に使用して、テキストコマンドの部分2に変換される。動作1025/1026/1027のループは、コマンドの部分の全てが適切な辞書を使用してテキストに変換されるまで継続する。
【0061】
一例において、完全な音声コマンドは、「窓1を色調4に切り換える」である。音声コマンドの1つの部分(例えば、部分1)は、ユーザが切り換えることを所望する光学的に切り換え可能なデバイス、この場合において「窓1」を識別することに関し得る。音声コマンドの別の部分(例えば、部分2)は、所望されるコマンド/最終的な光学状態が何であるか、この場合において「色調4」への切り換えを識別することに関連し得る。コマンドの異なる部分は、特定のシステムにとって所望されるように構造化され得る。より構造化されたコマンドは、処理/解釈がより容易であり得、これは、局所的処理をより魅力的な選択肢にする可能性がある。あまり構造化されていないコマンドは、処理/解釈がより難しく、これは、遠隔処理をより魅力的な選択肢にする可能性がある。
【0062】
音声コマンドの全ての部分がテキストに変換された後、テキストコマンドの異なる部分は、完全なテキストコマンドを定義するために共に結合され、方法は、動作1007に進む。方法の残りの部分は、
図2Aに関して説明されたものと同一である。
【0063】
同様の実施形態において、テキストコマンド解釈が断片的様式で行われ得る(音声コマンドからテキストコマンドへの変換が断片的様式で行われるのではなく)。
図2Aを参照すると、動作1007のテキストコマンド解釈は、任意にテキストコマンドの異なる部分に適用される異なる辞書によって、
図2Bの動作1025/1026/1027に関して説明されたように反復して行われ得る。
【0064】
別の同様の実施形態において、動作1005の音声コマンドからテキストコマンドへの変換、および動作1007のテキストコマンド解釈の両方が、
図2Bの動作1025/1026/1027に関して説明されたように断片的様式で行われ得る。
【0065】
さらに、動作1009に関して説明された認証は、断片的様式で決定され得る。例えば、第1の認証チェックは、ユーザが任意の変更を行うことを許容されているか否かを決定し得る。第2の認証チェックは、ユーザが切り換えを要求している特定の光学的に切り換え可能なデバイスを切り換えることをユーザが許容されているか否かを決定し得る。第3の認証チェックは、ユーザが、要求された特定の変更を行うことを許容されているか否かを決定し得る(例えば、ユーザがデバイスを損傷させることになる色調状態を要求することを防止するか、またはユーザが関連する光学的に切り換え可能なデバイスにわたるいくつかの制御を許容されている場合であっても、要求された変更が実施されることを防止する、光学的に切り換え可能なデバイスの色調状態を管理する任意の最優先規則が存在するか否かをチェックする)。認証は、全て同時に行われてもよく、または異なるタイミングで行われてもよい。特定のユーザのアクセス権限に応じて、他のユーザに対して、異なる辞書が、そのユーザに使用され得る。
【0066】
図2Cは、オフィスビル内のユーザが、ユーザのオフィス内の窓を特定の色調状態に切り換えるように制御システムに要求する具体例に関して、
図2Aに示されるものと同様のフローチャートを図示する。方法1030は、動作1031で開始し、ユーザは、音声で「私の窓を色調4に切り換える」ことを要求する。聞き取りモードがオンではない場合、システムは、動作1034に示されるように、ユーザの要求に応答して何の動作も行わない。いくつかの場合において、ユーザは、動作1032に示されるように、聞き取りモードを手動で任意に有効化し得る。この場合、本方法は、ユーザがコマンドを繰り返す、動作1031に進み得る。動作1033において聞き取りモードがオンであるとき、方法は、動作1035に進み、音声コマンドがテキストコマンドに変換される。上述のように、これは、
図1の音声認識モジュール902によって実施され得る。この時点において、制御システムは、ユーザによって与えられた音声コマンドの音声記録、および音声コマンドの内容を示すテキストファイルを有し得る。
【0067】
次に、動作1037において、テキストコマンドが解釈される。これは、
図1のコマンド処理モジュール904によって行われ得る。この動作は、変更されるべき窓がどれかを識別することを含み得る。この例において、ユーザは、「私の窓」を変更するよう要求した。制御システムは、コマンドを与えているのが誰かを分析することによって変更すべき窓がどれか、ユーザが変更することを認証されている窓がどれか、ユーザが頻繁に変更する窓がどれか、データベース内でユーザと関連付けられている窓がどれか、ユーザがコマンドを作成したときにユーザが近くにいる窓がどれか、等を識別し得る。ユーザの識別は、認証に関して上記のようにいくつかの方式で行われ得る。この特定の例において、制御システムは、音声認識を使用してユーザを識別し、各従業員を各従業員のオフィスにある窓と関連付けるデータベースを利用して、変更する窓がどれかを識別する。動作1037の終了時、制御システムは、ユーザのオフィス内の全ての窓を色調4に切り換えることをユーザが望むことを識別している。
【0068】
動作1039において、ユーザがコマンドを作成することを認証されているか否かが決定される。これは、
図1の認証モジュール906によって行われ得る。この場合において、認証プロセスは、音声認識を含む。システムは、動作1031においてユーザによって与えられた、記録された音声コマンドを分析し、それをこのユーザおよび他のユーザからの以前の記録と比較し得る。このプロセスは、システムが、動作1031においてコマンドを作成したのが誰かを識別することを可能にする。認証プロセスはまた、識別されたユーザが変更することを要求した窓を、該ユーザが変更することを許容されていることを確実にすることも含み得る。この例において、制御システムは、各ユーザをユーザが変更することを認証されている各窓と関連付けるデータベースを利用することによって、ユーザのオフィス内の窓を変更することをユーザが認証されているか否かをチェックする。この例のユーザは、フロア10で働いており、フロア10の全ての窓を切り換えることを認証されている。それゆえに、方法は、動作1041に進み、コマンドが実行され(例えば、
図1のコマンド実行モジュール908を介して)、ユーザのオフィス内の全ての窓が、色調4に切り換わり始める。ユーザが未認証コマンドを作成する場合において(例えば、ユーザが、ユーザのオフィスが位置するフロア10の窓を切り換えることのみを認証されているときに、ユーザがフロア9の同僚を訪ねて、同僚のオフィス内の窓を色調4にすることを要求する)、方法は、何も起こらないか、またはコマンドシステムが、要求されたコマンドを作成することをユーザが認証されていないことを示すか、のいずれかである、動作1040に進み得る。システムは、要求されたコマンドを作成することをユーザが未認証である理由を説明してもよく、説明しなくてもよく、および/またはユーザが変更することを認証されている窓があれば、その窓がどれかを説明してもよい。
【0069】
動作1043において、制御システムは、「あなたのオフィス内の窓が色調4まで暗くなっている」ことを示す応答を生成する。これは、
図1の応答生成モジュール910によって行われ得る。応答は、影響されることになる窓がどれか、およびそれらが受ける特定の動作(例えば、暗くなること、明るくなること、最終的に要求された色調状態等)を示し得る。この例において、動作1043は、応答が何であるかを示すテキストファイルを生成することを含む。次に、動作1045において、応答がユーザに通信される。これは、
図1の応答通信モジュール912によって行われ得る。応答は、様々な場合において、視覚的または聴覚的に通信され得る。一例において、この動作は、応答についてテキストファイル内の応答に対応する音声ファイルを生成することを含み得る。音声ファイルは、その後、ユーザのコマンドが聞き取られ、かつシステムがユーザの要求に応じて動作していることをユーザがわかるように、ユーザに対して再生され得る。代替的または追加的に、テキストファイル(またはテキストファイルに基づいて生成された別のファイル)が、ユーザのコマンドが聞き取られたことをユーザが視覚的に認識することができるように、ユーザに表示され得る。
【0070】
ジェスチャコマンドが音声コマンドの代わりに使用される場合において、カメラが、ユーザのコマンドを知覚および記録するために、マイクロホンの代わりに(またはそれに加えて)使用され得る。
図1のモジュール902等の音声認識モジュールの代わりに、ジェスチャ認識モジュールが使用され得る。
【0071】
構成要素の配置および処理ステップの分割
図3Aは、エレクトロクロミック窓1100a~1100dの光学状態を制御するためのデバイス1105と対話するユーザを例示する。この例において、デバイス1105は、上記の壁掛デバイスである。一例において、壁掛デバイスは、電子タブレットまたは類似のデバイス等のスマートデバイスであるか、またはそれを含む。デバイス1105は、限定されるものではないが、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、PC等を含む、エレクトロクロミック窓1100a~1100dを制御するように構成された任意の数の異なる電子デバイスであってもよい。デバイス1105は、エレクトロクロミック窓を制御するように構成されているアプリケーション/プログラムを動作させ得る。一定の実施形態において、デバイス1105は、例えば、有線接続または無線接続(例えば、WiFi、Bluetooth(登録商標)、低電力Bluetooth、ZigBee(登録商標)、WiMax等)を介して、アクセスポイント1110と通信し得る。アクセスポイント1110は、Wi-Fi(登録商標)準拠デバイスが有線ネットワークに接続することを可能にするネットワークハードウェアデバイスであってもよい。デバイス1105は、いくつかが
図3Bから
図3Eに例示される、いくつかの異なる接続スキームを介してコントローラ(例えば、窓コントローラ、ネットワークコントローラ、および/またはマスタコントローラ)と通信し得る。
【0072】
図3Bにおいて、デバイス1105は、スイッチ1115に接続されるアクセスポイント1110に接続される。スイッチ1115は、ルータ1120およびコントローラ1125の両方に接続される。異なる要素間の接続は、特定の用途に応じて、有線であってもよく、または無線であってもよい。一例において、アクセスポイント1110は、無線アクセスポイントであり、アクセスポイント1110とデバイス1105との間の接続は、無線である。上述のように、デバイス1105は、エレクトロクロミック窓を制御するように構成された任意の数の電子デバイスであり得る。ルータ1120は、セキュリティを強化するためのファイアウォール保護を含み得る。コントローラ1125は、窓コントローラであってもよく、ネットワークコントローラであってもよく、またはマスタコントローラであってもよい。コントローラ1125が窓コントローラではない場合、コントローラ1125は、例えば、
図6に関して説明されたように、ネットワークを介して関連する窓コントローラに命令を中継し得る。
【0073】
図3Cにおいて、デバイス1105は、コントローラ1125に接続されるアクセスポイント1110に接続される。これらの接続の各々は、有線であってもよく、または無線であってもよい。
図3Dにおいて、デバイス1105は、コントローラ1125に直接接続される。この接続は、有線であってもよく、または無線であってもよい。
図3Eにおいて、デバイス1105は、クラウド1130(例えば、インターネット)に接続される。クラウド1130はまた、コントローラ1125に接続されたスイッチ1115に接続された、ルータ1120とも接続される。接続は、特定の用途に応じて、有線であってもよく、または無線であってもよい。特定の例において、デバイス1105は、クラウド1130と無線で接続する(例えば、3G、4G等を介して)スマートフォンである。
【0074】
図3Bから
図3Eは、コントローラ1125に関連するエレクトロクロミック窓に対する変更を行わせるように、デバイス1105がコントローラ1125と通信することを可能にするためのいくつかの考えられる配置を示す。一定の配置は、一定の状況に対して適切であり得る。例えば、異なる配置が、異なる処理ステップの強度、異なる構成要素に対する任意のハードウェア制限、プライバシーの所望されるレベル、および他の関心事に応じて、適切であり得る。例えば、デバイス1105およびコントローラ1125(ならびにネットワーク上の関連する構成要素)が、制限された処理能力を有する場合、クラウド1130で多くの処理を実施することが望ましい場合があり、
図3Eの配置は、特に有益であり得る。対照的に、プライバシーが最重要事項であり、社内(例えば、ファイアウォール化されたネットワーク内)で全てを実施することが所望される場合、
図3Bから
図3D、(特に、デバイス1105がコントローラ1125に直接接続する
図3D)の配置が、比較的より有益であり得る。関連して、
図3Bから
図3Dに示される配置は、利用可能な外部インターネット接続がない場合において特に有用であり得る。
【0075】
一般的に、異なる処理ステップは、関連する処理ステップを実施するために十分な処理能力および接続性を有する任意のデバイス上で各々独立して行われ得る。例えば、1つ以上のプロセッサは、各窓コントローラ、ネットワークコントローラ、マスタコントローラ、壁掛デバイス(または関連する電子デバイス)、および/または遠隔処理位置(クラウド上の、製造者/ベンダー/顧客等によって管理された遠隔処理位置)上で提供され得る。様々な場合において、プロセッサは、異なる構成要素間で分散されてもよい。他の場合において、プロセッサは、より集中して位置してもよい(例えば、全てが壁掛デバイス、窓コントローラ、ネットワークコントローラ、またはマスタコントローラ内にある)。数例が提供される。
【0076】
一例において、デバイス1105は、
図3Bから
図3Dのいずれかに示されるようにコントローラ1125と接続される。デバイス1105は、この例において比較的高度な処理能力を有して提供される。デバイス1105は、コントローラ1125と関連付けられた1つ以上のエレクトロクロミック窓に関する音声コマンドを受け付ける。この例の目的について、コントローラ1125は、マスタコントローラであるが、他の例において、ネットワークコントローラまたは窓コントローラであってもよい。
図2Aに示される方法1000に関して、動作1001(ユーザが音声コマンドを与える)は、デバイス1105で起こり得る。デバイス1105は、分析のために音声コマンドを記録し得る。動作1003(聞き取りモードがオンであるかどうかを決定する)は、デバイス1105で同様に起こるが、この決定は、受動的になされてもよい。動作1005(音声コマンドがテキストコマンドに変換される)もまた、デバイス1105が十分な処理能力を有して提供されると仮定すると、デバイス1105上で起こり得る。同様に、動作1007(テキストコマンドが解釈される)は、デバイス1105が十分な処理能力を有する場合、デバイス1105上で起こり得る。動作1009(認証)は、異なるユーザに関連する情報および各ユーザに関連するアクセス許可を記憶し得またはそうでなければそれらにアクセスし得る、コントローラ1125上で起こり得る。動作1011(テキストコマンドが実行される)もまた、コントローラ1125(ならびに関連するコントローラおよび関連付けられたエレクトロクロミック窓)上で起こり得、関連するエレクトロクロミック窓を動作1001の指示に従って変化させる。動作1013(ユーザへの応答が生成される)は、デバイス1105が十分な処理能力を有すると仮定すると、デバイス1105上で起こり得る。動作1015(応答がユーザに通信される)は、ユーザが応答を知覚することができるように(例えば、視覚的または聴覚的に)、デバイス1105で起こり得る。
【0077】
関連する例において、デバイス1105は、比較的低い処理能力を有し得る。それゆえに、処理ステップのいくつかは、デバイス1105からコントローラ1125に移され得る。この場合において、コントローラ1125は、十分な処理能力を有する任意のコントローラ(例えば、マスタコントローラ、ネットワークコントローラ、窓コントローラ、またはそれらの組み合わせ)であり得る。デバイス1105に残り得る機能の例としては、動作1001(ユーザが音声コマンドを与える)、動作1015(応答がユーザに通信される)が挙げられる。コントローラ1125に切り換えられ得る機能の例としては、動作1005(音声コマンドがテキストコマンドに変換される)、動作1007(テキストコマンドが解釈される)、および動作1013(ユーザへの応答が生成される)が挙げられ、これらがコントローラ1125上で実施され得る。例えば、ユーザへの応答の内容は、コントローラ1125で生成され得、その後、応答は、デバイス1105でユーザに表示および/または再生され得る。
【0078】
別の例において、デバイス1105は、
図3Eに示されるように、クラウド1130を介してコントローラ1125と通信する。クラウド1130の処理能力は本質的に無制限である。したがって、様々な処理ステップが、クラウド1130内で実施され得る。
図2Aの方法1000を参照すると、クラウド1130内で実施され得る処理ステップの例としては、動作1005(音声コマンドがテキストコマンドに変換される)、動作1007(テキストコマンドが解釈される)、動作1009(認証)、および動作1013(ユーザへの応答が生成される)が挙げられる。これらの機能のうちの1つ以上はまた、コントローラ1125で実施されてもよい。特定の例において、動作1001(ユーザが音声コマンドを与える)は、デバイス1105で起こり、動作1003(聞き取りモードがオンであるか否かを決定する)は、デバイス1105で起こり、動作1005(音声コマンドがテキストコマンドに変換される)は、クラウド1130上で起こり、動作1007(テキストコマンドが解釈される)は、クラウド1130上で起こり、動作1009(認証)は、コントローラ1125上で起こり、動作1011(テキストコマンドが実行される)は、コントローラ1125および関連付けられたエレクトロクロミック窓で起こり、動作1013(ユーザへの応答を生成する)は、コントローラ1125および/またはクラウド1130(これらの一方または両方が、応答の内容を生成するために使用され得る)上で起こり、動作1015は、デバイス1105上で起こる(ユーザへの応答を表示および/または再生する)。
【0079】
エレクトロクロミック窓アーキテクチャの例
図4は、いくつかの実装による、エレクトロクロミック窓100の断面側面図を示す。エレクトロクロミック窓は、色調付けまたは着色を提供するために使用されるエレクトロクロミックデバイス(ECD)を含む光学的に切り換え可能な窓の一種である。エレクトロクロミック窓100の例は、絶縁ガラスユニット(IGU)として製造、構成され得、またはそうでなければ提供され得、以下、IGU100とも呼ばれる。この慣例は、例えば、それが共通であり、かつ建物内の設置のために提供されるときに、エレクトロクロミック窓ガラス(「ライト」とも呼ばれる)を保持するための基礎構成として機能するIGUを有するように所望され得るため、一般的に使用される。IGUライトまたは窓ガラスは、単一基板または2つの基板の一積層等の複数基板構成であり得る。IGU、特に、二重または三重窓ガラス構成を有するものは、他の単一窓ガラス構成に対していくつかの利点を提供し得、例えば、複数窓ガラス構成は、単一窓ガラス構成と比較されたときに、向上した断熱、遮音、環境保護および/または耐久性を提供し得る。複数窓ガラス構成はまた、例えば、エレクトロクロミックフィルム、ならびに関連付けられた層および導電性相互接続が、複数窓ガラスIGUの内部表面上に形成され、かつIGUの内部容積108内の不活性ガス充填によって保護され得るため、ECDのための向上した保護を提供し得る。
【0080】
図4は、第1の表面S1および第2の表面S2を有する第1の窓ガラス104を含むIGU100の実装の一例をより具体的に示す。いくつかの実施形態において、第1の窓ガラス104の第1の表面S1は、屋外または外側の環境等の外部環境に面する。IGU100はまた、第1の表面S3および第2の表面S4を有する第2の窓ガラス106も含む。いくつかの実施形態において、第2の窓ガラス106の第2の表面S4は、家、建物または車両、あるいは家、建物または車両の中の部屋もしくは区画の内側の環境等の、内部環境に面する。
【0081】
いくつかの実施形態において、第1および第2の窓ガラス104および106は、透明または少なくとも可視スペクトルの光に対して透光性である。例えば、窓ガラス104および106の各々は、ガラス材料、特に建築用ガラス、または、例えば、酸化シリコン(SOx)ベースのガラス材料等の他の飛散防止ガラス材料から形成され得る。より具体的な例として、第1の窓ガラス104および第2の窓ガラス106の各々は、ソーダ石灰ガラス基板またはフロートガラス基板であり得る。かかるガラス基板は、例えば、約75%のシリカ(SiO2)ならびにNa2O、CaOおよびいくつかの少量の添加物から構成され得る。しかしながら、第1の窓ガラス104および第2の窓ガラス106の各々は、適切な光学的、電気的、熱的および機械的特性を有する任意の材料から形成され得る。例えば、第1の窓ガラス104および第2の窓ガラス106の一方または両方として使用され得る他の適切な基板は、他のガラス材料、ならびにプラスチック、半塑性および熱可塑性の材料(例えば、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリスチレン、ポリカーボネート、アリルジグリコールカーボネート、SAN(スチレンアクリロニトリルコポリマー)、ポリ(4-メチル-1-ペンテン)、ポリエステル、ポリアミド)、または鏡材である。いくつかの実施形態において、第1の窓ガラス104および第2の窓ガラス106の各々は、例えば、焼き戻し、加熱、または化学強化によって、強化され得る。
【0082】
一般的に、第1の窓ガラス104および第2の窓ガラス106の各々、ならびにIGU100は、全体的に長方形である。しかしながら、いくつかの他の実装において他の形状が考えられ、所望され得る(例えば、円形、楕円形、三角形、曲線状、凸または凹形状)。いくつかの具体的な実装において、第1の窓ガラス104および第2の窓ガラス106の各々の長さ「L」は、約20インチ(in.)~約10フィート(ft.)の範囲であり得、第1の窓ガラス104および第2の窓ガラス106の各々の幅「W」は、約20in.~約10ft.の範囲であり得、第1の窓ガラス104および第2の窓ガラス106の各々の厚さ「T」は、約0.3ミリメートル(mm)~約10mmの範囲であり得る(ただし、より小さいおよびより大きい、他の長さ、幅、または厚さ、が考えられ、特定のユーザ、マネージャ、管理者、建築者、設計者または所有者の必要性に基づいて所望され得る)。基板104の厚さTが3mm未満である例において、通常、基板は、より厚く、かつしたがって薄い基板104を保護する、追加の基板に積層される。加えて、IGU100は、2つの窓ガラス(104および106)を含むが、いくつかの他の実装において、IGUは、3つ以上の窓ガラスを含んでもよい。さらに、いくつかの実装において、窓ガラスのうちの1つ以上は、それ自体が2つ、3つ、またはそれよりも多い層または子部品としての窓ガラスの積層構造であってもよい。
【0083】
第1の窓ガラス104および第2の窓ガラス106は、内部容積108を形成するために、通常、フレーム構造である、スペーサ118によって互いに離間される。いくつかの他の実装において、内部容積は、アルゴン(Ar)によって充填されるが、いくつかの他の実施形態において、内部容積108は、別の希ガス(例えば、クリプトン(Kr)またはキセノン(Xn))、別のガス(非希ガス)、またはガスの混合物(例えば、空気)等の別のガスによって充填されてもよい。内部容積108をAr、Kr、またはXn等のガスで充填することは、これらのガスの低熱伝導性によるIGU100を介した伝導熱伝達を低減し、かつそれらの大きな原子量によって遮音性を改善し得る。いくつかの他の実装において、内部容積108は、空気または他のガスを排気され得る。スペーサ118は、概して、内部容積108、つまり、第1の窓ガラス104と第2の窓ガラス106との間の空間の高さ「C」を決定する。
図4において、ECD、シール材120/122およびバスバー126/128の厚さは、寸法通りではなく、これらの構成要素は、概して、非常に薄いが、例示の容易さのみのために誇張されている。いくつかの実装において、第1の窓ガラス104と第2の窓ガラス106との間の空間「C」は、約6ミリメートル~約30ミリメートルの範囲である。スペーサ118の幅「D」は、約5mm~約15mmの範囲であり得る(ただし、他の幅も考えられ、所望され得る)。
【0084】
断面図に示されていないが、スペーサ118は、概して、IGU100の全側部(例えば、IGU100の頂部、底部、左側部および右側部)の周囲に形成されたフレーム構造である。例えば、スペーサ118は、発泡体またはプラスチック材料から形成され得る。しかしながら、いくつかの他の実施形態において、スペーサは、金属または他の導電性材料、例えば、基板の各々に対するシールのための2つの側部、ならびにライトを支持および分離し、シール材124を塗布する表面としての1つの側部の少なくとも3つの側部を有する金属管または溝構造から形成され得る。第1の一次シール120は、スペーサ118と第1の窓ガラス104の第2の表面S2とを接着および密封する。第2の一次シール122は、スペーサ118と第2の窓ガラス106の第1の表面S3とを接着および密封する。いくつかの実装において、一次シール120および122の各々は、例えば、ポリイソブチレン(PIB)等の接着シール材から形成され得る。いくつかの実装において、IGU100は、スペーサ118の外側のIGU100全体の周囲の境界を密封する二次シール124をさらに含む。このため、スペーサ118は、第1の窓ガラス104および第2の窓ガラス106の縁から距離「E」、内側に嵌め込まれ得る。距離「E」は、約4mm~約8mmの範囲であり得る(ただし、他の距離も考えられ、所望され得る)。いくつかの実装において、二次シール124は、例えば、シリコン、ポリウレタンおよび水密シールを形成する同様の構造的シール材等の、耐水性を有し、かつアセンブリに構造的支持を付加する等の、接着シール材から形成され得る。
【0085】
図4に図示される特定の構成および形状因子において、基板104の表面S2上を覆うECDは、その全周の周囲にスペーサ118およびスペーサ118の下まで延在する。この構成は、一次シール材120内のECDの縁を保護するので機能的に望ましく、スペーサ118の内周内に、いかなるバスバーまたはスクライブラインも有しないモノリシックECDが存在するため、審美的に望ましい。かかる構成は、2012年4月24日に発行され、ELECTROCHROMIC WINDOW FABRICATION METHODSと題された、米国特許第8,164,818号(代理人整理番号VIEWP006)、2012年4月25日に出願され、ELECTROCHROMIC WINDOW FABRICATION METHODSと題された、米国特許出願第13/456,056号(代理人整理番号VIEWP006X1)、2012年12月10日に出願され、THIN-FILM DEVICES AND FABRICATIONと題された、PCT特許出願第PCT/US2012/068817号(代理人整理番号VIEWP036WO)、2016年9月27日に発行され、THIN-FILM DEVICES AND FABRICATIONと題された米国特許第9,454,053号(代理人整理番号VIEWP036US)、および2014年12月13日に出願され、THIN-FILM DEVICES AND FABRICATIONと題された、PCT特許出願第PCT/US2014/073081号(代理人整理番号VIEWP036X1WO)により詳細に説明され、これらの全ては、それらの全体の参照によって、かつあらゆる目的のために本明細書に組み込まれる。
【0086】
図4に示される実装において、ECD110は、第1の窓ガラス104の第2の表面S2上に形成される。いくつかの他の実装において、ECD110は、別の適切な表面、例えば、第1の窓ガラス104の第1の表面S1、第2の窓ガラス106の第1の表面S3または第2の窓ガラス106の第2の表面S4上に形成され得る。ECD110は、エレクトロクロミック(「EC」)スタック112を含み、それ自体が1つ以上の層を含み得る。例えば、ECスタック112は、エレクトロクロミック層、イオン伝導層、および対向電極層を含み得る。いくつかの実施形態において、エレクトロクロミック層は、1つ以上の無機固体材料から形成される。エレクトロクロミック層は、電気化学的カソード材料または電気化学的アノード材料を含む、いくつかの材料のうちの1つ以上を含み得るか、またはそれらから形成され得る。例えば、エレクトロクロミック層として使用するために適切な金属酸化物は、酸化タングステン(WO
3)およびそのドープされた配合物を含み得る。いくつかの実装において、エレクトロクロミック層は、約0.05μm~約1μmの範囲の厚さを有し得る。
【0087】
いくつかの実装において、対向電極層は、無機固体材料から形成される。対向電極層は、概して、ECデバイス110が、例えば、透明状態にあるとき、イオンの容器として機能し得るいくつかの材料または材料層の1つ以上を含み得る。一定の実装において、対向電極は、イオン貯蔵層として機能するのみならず、アノードを着色する。例えば、対向電極層に適切な材料は、ニッケル酸化物(NiO)およびニッケルタングステン酸化物(NiWO)、ならびに、それらのドープされた形態、例えば、非限定的例として、ニッケルタングステン酸化タンタル、ニッケルタングステン酸化スズ、ニッケルバナジウム酸化物、ニッケルクロム酸化物、ニッケルアルミニウム酸化物、ニッケルマンガン酸化物、ニッケルマグネシウム酸化物、ニッケルタンタル酸化物、ニッケルスズ酸化物を含む。いくつかの実装において、対向電極層は、約0.05μm~約1μmの範囲の厚さを有し得る。
【0088】
イオン伝導層は、ECスタック112が光学状態間を遷移するときに、イオンが輸送される媒体(例えば、電解質の様式で)として機能する。いくつかの実装において、イオン導電層は、エレクトロクロミックおよび対向電極層の関連するイオンに対して高伝導であるが、正常動作中に起こる電子移動(電気的短絡)が無視できるように十分に低い電子伝導性でもある。高イオン伝導性を有する薄いイオン伝導層は、高速イオン電導を可能にし、その結果、高性能ECデバイス110の高速切り換えを可能にする。いくつかの実装において、イオン伝導層は、約1nm~約500nmの範囲の範囲、より一般的には、約5nm~100nmの厚さの範囲を有し得る。いくつかの実装において、イオン伝導層もまた無機固体である。例えば、イオン伝導層は、1つ以上のケイ酸塩、酸化シリコン(シリコンアルミニウム酸化物を含む)、酸化タングステン(タングステン酸リチウムを含む)、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化リチウムおよびホウ酸塩から形成され得る。これらの材料はまた、リチウムを含む、異なるドーパントでドープされ得、例えば、リチウムドープシリコン酸化物は、リチウムシリコンアルミニウム酸化物、リチウムリン酸窒化物(LiPON)等を含む。
【0089】
いくつかの他の実装において、エレクトロクロミック層および対向電極層は、イオン伝導層をその間に有しておらず、互いにすぐ隣に、ときには直接接触して形成され、その後、イオン伝導材料が、エレクトロクロミック層と対向電極層との間の原位置に形成される。適切なデバイスのさらなる説明は、ELECTROCHROMIC DEVICESと題され、Wangらによって2014年7月1日に発行された、米国特許第8,764,950号、およびELECTROCHROMIC DEVICESと題され、Pradhanらによって2016年2月16日に発行された米国特許第9,261,751号にあり、これらの各々は、その全体の参照によって、かつあらゆる目的のために本明細書に組み込まれる。いくつかの実装において、ECスタック112はまた、1つ以上の受動層等の1つ以上の追加の層も含み得る。例えば、受動層は、水分を提供するか、または耐擦傷性を提供するように、一定の光学特性を改善するために使用され得る。これらの受動層または他の受動層はまた、ECスタック112を密封するようにも機能し得る。加えて、導電層(以下に説明される第1のTCO層114および第2のTCO層116等)を含む、様々な層が、反射防止または保護酸化物または窒化物層によって処理され得る。
【0090】
エレクトロクロミックおよび対向電極材料の選択または設計は、概して、考えられる光学遷移を管理する。動作中、ECスタック112(例えば、第1のTCO層114と第2のTCO層116との間)の厚さにわたって生成された電圧に応答して、エレクトロクロミック層は、対向電極層に、または対向電極層からイオンを移動させるか、または交換して、エレクトロクロミック層を所望される光学状態に駆動する。いくつかの実施形態において、ECスタック112を透明状態に遷移させるために、正の電圧が、ECスタック112にわたって印加される(例えば、エレクトロクロミック層が対向電極層よりも正の電位であるように)。いくつかのかかる実装において、正の電圧の印加に応答して、スタック内の利用可能なイオンは、主に対向電極層内に存在する。ECスタック112にわたる電位の大きさが低下するとき、または電位の極性が逆転したとき、イオンは、イオン伝導層をわたってエレクトロクロミック層に戻るように輸送され、エレクトロクロミック材料を不透明状態(または「より濃い」、「より暗い」または「より低い透明度の」状態)に遷移させる。反対に、異なる特性を有するエレクトロクロミック層を使用するいくつかの他の実装において、ECスタック112を不透明状態に遷移させるために、負の電圧が、対向電極層に対してエレクトロクロミック層に印加され得る。かかる実装において、ECスタック112にわたる電位の大きさが低下するか、またはその極性が逆転したとき、イオンは、イオン伝導層をわたってエレクトロクロミック層に戻るように輸送され、エレクトロクロミック材料を透明または「退色した」状態(または「より薄い」、「より明るい」または「より透明の」状態)に遷移させる。
【0091】
いくつかの実装において、対向電極層への、または対向電極層からのイオンの移動または交換はまた、対向電極層内の光学遷移を結果としてもたらす。例えば、いくつかの実装において、エレクトロクロミックおよび対向電極層は、相補的な着色層である。より具体的には、いくつかのかかる実装において、イオンが対向電極層内に輸送されたとき、またはその後、対向電極層は、より透明になり、同様に、イオンがエレクトロクロミック層の外に輸送されたとき、またはその後、エレクトロクロミック層は、より透明になる。反対に、極性を切り換えるか、または電位が低下したとき、イオンは、対向電極層からエレクトロクロミック層内に輸送され、対向電極層およびエレクトロクロミック層の両方は、低い透明度になる。
【0092】
1つ以上の特定の例において、ECスタック112の厚さにわたる適切な電位の印加に応答して、対向電極層は、保持しているイオンの全部または一部分を、エレクトロクロミック層内の光学遷移を引き起こすエレクトロクロミック層に輸送する。いくつかのかかる実装において、例えば、対向電極層が、NiWOから形成されるとき、対向電極層はまた、エレクトロクロミック層に輸送されたイオンの消失によって光学遷移する。電荷がNiWOからなる対向電極層から除去されたとき(つまり、対向電極層からエレクトロクロミック層にイオンが輸送されたとき)、対向電極層は、反対方向に遷移することになる。
【0093】
一般的に、1つの光学状態から別の光学状態へのエレクトロクロミック層の遷移は、エレクトロクロミック材料内への可逆的イオン挿入(例えば、インターカレーションによる)および電荷平衡電子の対応する注入によって引き起こされ得る。いくつかの例において、光学遷移の原因となるイオンの一部は、エレクトロクロミック材料中に不可逆的に結合される。不可逆的に結合したイオンの一部または全部は、物質中の「不感電荷」を補償するために使用されたと考えられ、即ち、十分なイオンが、不可逆的に結合されることになるイオンを補償するために加えられ、不可逆的に結合されるイオンの一部は、不感電荷を構成する。いくつかの実装において、適切なイオンは、リチウムイオン(Li+)および水素イオン(H+)(即ち、プロトン)を含む。いくつかの他の実装において、他のイオンが適切であり得る。例えば、酸化タングステン(WO3-y(0<y≦~0.3))内へのリチウムイオンのインターカレーションは、酸化タングステンを透明状態から青色状態に変化させる。
【0094】
以下の説明は、一般的に色調遷移に焦点を当てる。色調遷移の一例は、透明(または「半透明」、「退色」または「最も薄い色調」)状態から不透明(「完全に暗い」または「完全に濃い色調」)状態への遷移である。色調遷移の別の例は、不透明状態から透明状態への逆の遷移である。色調遷移の他の例は、様々な中間色調状態への、またはそこからの遷移、例えば、薄い色調、より明るい、もしくはより透明な状態から、より濃い色調、より暗い、もしくは低透明度の状態への遷移、またはその逆を含む。かかる色調状態の各々、およびそれらの間の色調遷移は、透過率に関して特徴付けられるか、または説明され得る。例えば、色調遷移は、現在の透過率(%T)から目標%Tへのものであるとして説明され得る。反対に、いくつかの他の例において、色調状態の各々およびそれらの間の色調遷移は、色調のパーセント、例えば、現在の色調のパーセントから目標の色調のパーセントへの遷移に関して特徴付けられるか、または説明され得る。
【0095】
しかしながら、以下の説明は、概して、色調状態、および色調状態間の色調遷移に焦点を当てているが、他の光学状態および光学遷移もまた、様々な実装で達成可能である。したがって、適切、かつ別段の指示がない限り、色調状態または色調遷移に対する言及はまた、他の光学状態および光学遷移を包含するようにも意図される。言い換えると、光学状態および光学状態遷移はまた、本明細書では、それぞれ、色調状態および色調状態遷移と呼ばれることになるが、これは、IGU302によって達成可能な光学状態および状態遷移を限定することを意図するものではない。例えば、かかる他の光学状態および状態遷移は、様々な色、色の濃さ(例えば、より明るい青色からより暗い青色、およびその逆)、反射率(例えば、より低反射率からより高反射率、およびその逆)、偏光(例えば、より低偏光からより高偏光、およびその逆)、および散乱密度(例えば、より低散乱からより高散乱、またはその逆)等と関連付けられた状態および状態遷移を含み得る。同様に、色調遷移を引き起こすこと、および色調状態を維持することを含む、色調状態を制御するためのデバイス、制御アルゴリズムまたはプロセスへの言及もまた、かかる他の光学遷移および光学状態を包含するようにも意図される。加えて、光学的に切り換え可能なデバイスに提供される電圧、電流または他の電気的特性、およびかかる制御と関連付けられた機能または動作を制御することはまた、以下、デバイスまたはそれぞれのIGUを「駆動すること」として説明され得、これは、駆動することが、色調状態遷移または現在の色調状態の維持を含むか否かにかかわらない。
【0096】
ECD110は、概して、第1および第2の導電(または「導電性」)層を含む。例えば、ECD110は、ECスタック112の第1の表面に隣接する第1の透明導電性酸化物(TCO)層114、およびECスタック112の第2の表面に隣接する第2のTCO層116を含み得る。いくつかの実装において、第1のTCO層114は、第2の表面S2上に形成され得、ECスタック112は、第1のTCO層114上に形成され得、第2のTCO層116は、ECスタック112上に形成され得る。いくつかの実装において、第1のTCO層114および第2のTCO層116は各々、1つ以上の金属によってドープされた金属酸化物を含む1つ以上の金属酸化物から形成され得る。例えば、いくつかの適切な金属酸化物およびドープ金属酸化物としては、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)、ドープ酸化インジウム、酸化スズ、ドープ酸化スズ、フッ化酸化スズ、酸化亜鉛、酸化亜鉛アルミニウム、ドープ酸化亜鉛、酸化ルテニウムおよびドープ酸化ルテニウム等が挙げられ得る。かかる材料は、本明細書では、TCOと呼ばれるが、この用語は、他の適切な材料の中でも、一定の薄膜金属ならびに導電性金属窒化物および複合導体等の一定の非金属材料等の透明かつ導電性を有する、非酸化物および酸化物を包含する。いくつかの実装において、第1のTCO層114および第2のTCO層116は、少なくとも、エレクトロクロミズムがECスタック112によって呈される波長の範囲内で実質的に透明である。いくつかの実装において、第1のTCO層114および第2のTCO層116は各々、例えば、スパッタリングを含む物理蒸着(PVD)プロセスによって沈着され得る。いくつかの実装において、第1のTCO層114および第2のTCO層116は各々、約0.01ミクロン(μm)~約μmの範囲の厚さを有し得る。透明な導電性材料は、通常、エレクトロクロミック材料または対向電極材料よりも著しく大きい電子伝導性を有する。
【0097】
第1のTCO層114および第2のTCO層116は、ECスタック112の厚さにわたって電位(電圧)を印加するために、ECスタック112のそれぞれの第1および第2の表面にわたって電荷を分配するように機能する。例えば、第1の印加電圧は、TCO層のうちの第1のTCO層に印加され得、第2の印加電圧は、TCO層のうちの第2のTCO層に印加され得る。いくつかの実装において、第1のバスバー126は、第1の印加電圧を第1のTCO層114に分配し、第2のバスバー128は、第2の印加電圧を第2のTCO層116に分配する。いくつかの他の実装において、第1のバスバー126および第2のバスバー128のうちの一方は、第1のTCO層114および第2のTCO層116のうちのそれぞれ一方を接地し得る。他の実装において、負荷は、2つのTCOに対して漂遊され得る。様々な実施形態において、ECスタック112の1つ以上の光学特性を修正し、したがって光学遷移を引き起こすために、コントローラは、第1および第2の印加電圧の一方または両方を変更して、ECスタック112にわたって印加される実効電圧の大きさおよび極性の一方または両方の変化をもたらす。望ましくは、第1のTCO層114および第2のTCO層116は、ECスタック112のそれぞれの表面上に電荷を均一に分布させるように機能し、それぞれの表面の外部領域から表面の内部領域への比較的小さいオーム損を伴う。したがって、第1のTCO層114および第2のTCO層116のシート抵抗を最小にすることが概して望ましい。言い換えると、第1のTCO層114および第2のTCO層116の各々が、それぞれの層の全ての部分にわたって実質的に等電位層としての挙動を示すことが概して望ましい。この方式において、第1のTCO層114および第2のTCO層116は、ECスタック112の厚さにわたって電位を均一に印加して、ECスタック112の均一な光学遷移をもたらし得る。
【0098】
いくつかの実装において、第1のバスバー126および第2のバスバー128の各々は、ECスタック112の少なくとも1つの境界に沿って第1の窓ガラス104の長さに沿って配向されるように、印刷、パターン化されまたはそうでなければ形成される。例えば、第1のバスバー126および第2のバスバー128の各々は、銀インク等の導電性インクを線の形態で沈着させることによって形成され得る。いくつかの実装において、第1のバスバー126および第2のバスバー128の各々は、第1の窓ガラス104の全長(またはほぼ全長)に沿って、かついくつかの実装において、ECスタック112の2つ以上の縁に沿って延在する。
【0099】
いくつかの実装において、第1のTCO層114、ECスタック112、および第2のTCO層116は、第1の窓ガラス104の縁まで延在しない。例えば、レーザエッジ消去(LED)または他の動作が、第1のTCO層114、ECスタック112、および第2のTCO層116の一部分を除去するために使用され得、それにより、これらの層が、約8mm~約10mmの範囲内(ただし、他の距離も考えられ、所望され得る)にあり得る、距離「G」、第1の窓ガラス104のそれぞれ縁から分離されるか、または内側に嵌め込まれる。加えて、いくつかの実施形態において、第1の窓ガラス104の一方側に沿ったECスタック112および第2のTCO層116の縁部分が除去されて、第1のバスバー126が第1のTCO層114上に形成されることを可能にし、第1のバスバー126と第1のTCO層114との間の導電性連結を可能にする。第2のバスバー128は、第2のTCO層116上に形成されて、第2のバスバー128と第2のTCO層116との間の導電性連結を可能にする。いくつかの実装において、
図4に示されるように、第1のバスバー126および第2のバスバー128は、スペーサ118と第1の窓ガラス104との間の領域内に形成される。例えば、第1のバスバー126および第2のバスバー128の各々は、約2mm~約3mmの範囲内(ただし、他の距離も考えられ、所望され得る)にあり得る、少なくとも距離「F」によって、スペーサ118の内縁から内側に嵌め込まれ得る。この配置は、例えば、バスバーが視野から隠れるようにすることを含む、いくつかの理由に対して有利であり得る。
【0100】
上記のように、IGU慣例の使用法は、単に便宜上のためのものである。実際に、いくつかの実装において、エレクトロクロミック窓の基本ユニットは、ECDが形成されるか、またはそうでなければ配置され、かつ関連付けられた電気接続が連結される(ECDを駆動するために)、透明材料の窓ガラスまたは基板として画定され得る。したがって、以下の説明のIGUへの言及は、必ずしも
図4のIGU100を参照して説明された構成要素の全てを含むとは限らない。
【0101】
光学遷移を駆動するための制御プロファイルの例
図5は、いくつかの実装による、制御プロファイル200の一例を例示する。制御プロファイル200は、上記のECD110等の光学的に切り換え可能なデバイス内の遷移を駆動するために使用され得る。いくつかの実施形態において、窓コントローラが、ECDを第1の光学状態(例えば、透明状態または第1の中間状態)から第2の光学状態(例えば、完全に濃い色調状態またはより濃い色調の中間状態)に駆動するように制御プロファイル200を生成および適用するために使用され得る。ECDをより濃い色調状態からより薄い色調状態に、逆方向に駆動するために、窓コントローラは、同様であるが反転したプロファイルを適用し得る。例えば、第2の光学状態から第1の光学状態にECDを駆動するための制御プロファイルは、
図5に図示される電圧制御プロファイルの鏡像であり得る。いくつかの他の実装において、色調および明色化のための制御プロファイルは非対称であってもよい。例えば、第1のより濃い色調状態から第2のより薄い色調状態に遷移することは、いくつかの事例において、その逆、つまり、第2のより薄い色調状態から第1のより濃い色調状態への遷移よりも多くの時間を必要とする。他のいくつかの事例において、その逆、つまり、第2のより薄い色調状態から第1のより濃い色調状態に遷移することが、より時間を必要とし得ることが正しい場合もある。言い換えると、デバイスアーキテクチャおよび材料の長所によって、退色化または明色化は、必ずしも単に着色または色調付けの逆であるとは限らない。実際に、ECDは、しばしば、エレクトロクロミック材料への、またはそれらからのイオンインターカレーションおよびデインターカレーションの駆動力の差によって、各遷移に対して異なる挙動を示す。
【0102】
いくつかの実装において、制御プロファイル200は、ECDに提供される電圧を変化させることによって実装される電圧制御プロファイルである。例えば、
図5の実線は、色調遷移および後続の維持期間の経過中にECDにわたって印加される実効電圧V
Effを表す。言い換えると、実線は、ECDの2つの導電層(例えば、ECD110の第1のTCO層114および第2のTCO層116)に印加される電圧V
App1およびV
App2の相対差を表し得る。
図5の点線は、デバイスを流れる対応する電流(I)を表す。例示された例において、電圧制御プロファイル200は、遷移を開始するランプから駆動までの段階202、遷移を駆動し続ける駆動段階、ランプから保持までの段階、および後続の保持段階の4つの段階を含む。
【0103】
ランプから駆動までの段階202は、時間t0の初期値から時間t1のVDriveの最大駆動値まで大きさが増加する電圧ランプの印加によって特徴付けられる。いくつかの実装において、ランプから駆動までの段階202は、窓コントローラによって既知または設定された3つの駆動パラメータである、t0の初期電圧(遷移の開始時のECDにわたる現在の電圧)、VDrive(最終的な光学状態を管理する)、およびランプが印加される時間(遷移の速度を示す)によって定義され得る。追加的または代替的に、窓コントローラはまた、目標ランプ速度、最大ランプ速度、またはランプのタイプ(例えば、線形ランプ、2次ランプまたはn次ランプ)を設定し得る。いくつかの用途において、ランプ速度は、ECDを損傷させることを避けるように制限され得る。
【0104】
駆動段階204は、時間t1で開始し、最終的な光学状態に達する(またはほぼ達した)時点の時間t2で終了する、一定電圧VDriveの印加によって特徴付けられる。ランプから保持までの段階206は、時間t2で駆動値VDriveから時間t3でVHoldの最小保持値まで大きさが低下する電圧ランプの印加によって特徴付けられる。いくつかの実装において、ランプから保持までの段階206は、窓コントローラによって既知または設定された3つの駆動パラメータである、駆動電圧VDrive、保持電圧VHold、およびランプが印加される時間によって定義され得る。追加的または代替的に、窓コントローラはまた、ランプ速度またはランプのタイプ(例えば、線形ランプ、2次ランプまたはn次ランプ)も設定し得る。
【0105】
保持段階208は、時間t3で開始する一定電圧VHoldの印加によって特徴付けられる。保持電圧VHoldは、最終的な光学状態でECDを維持するために使用される。したがって、保持電圧Vholdの印加の持続時間は、ECDが最終的な光学状態に保持されるべき時間の長さと同時であり得る。例えば、ECDと関連付けられた非理想特性のために、漏れ電流ILeakが、ECDからの電荷の低速排出を結果としてもたらし得る。かかる電荷の排出は、ECDにわたるイオンの対応する逆転を結果としてもたらし得、その結果、光学遷移の低速逆転をもたらし得る。かかる用途において、保持電圧VHoldは、漏れ電流を相殺または防止するために継続的に印加され得る。いくつかの他の実装において、保持電圧VHoldは、所望される光学状態を「復元」するために、言い換えると、ECDを所望される光学状態に戻すために、周期的に印加され得る。
【0106】
図5を参照して例示および説明された電圧制御プロファイル200は、いくつかの実装形態に適切な電圧制御プロファイルの一例に過ぎない。しかしながら、多くの他のプロファイルが、かかる実装または様々な他の実装もしくは用途に望ましいか、または適切であり得る。これらの他のプロファイルはまた、本明細書に開示されたコントローラおよび光学的に切り換え可能なデバイスを使用して即座に達成され得る。例えば、いくつかの実施形態において、電流プロファイルが、電圧プロファイルの代わりに適用され得る。いくつかのかかる事例において、
図5に示される電流密度のプロファイルに類似する電流制御プロファイルが適用され得る。いくつかの他の実装において、制御プロファイルは、4つよりも多い段階を有し得る。例えば、電圧制御プロファイルは、1つ以上のオーバードライブ段階を含み得る。実装の一例において、第1の段階202の間に印加される電圧ランプは、駆動電圧V
Driveを超えてオーバードライブ電圧V
ODまで大きさが増加し得る。いくつかのかかる実装において、第1の段階202は、適用される電圧がオーバードライブ電圧V
ODから駆動電圧V
Driveまで低下する、ランプ段階203に追従され得る。他のかかる実施態様において、オーバードライブ電圧V
ODは、ランプが駆動電圧V
Driveまで戻る前の比較的短い時間にわたって印加され得る。
【0107】
加えて、いくつかの実装において、印加された電圧または電流プロファイルは、デバイスにわたって開回路条件を提供するために、比較的短い時間にわたって中断され得る。かかる開回路条件が有効である間に、実際の電圧または他の電気的特性が、測定、検出、またはそうでなければ決定されて、光学遷移がどの程度進行したかを監視し、いくつかの事例において、プロファイルの変化が望ましいものであるか否かを決定し得る。かかる開回路条件はまた、保持段階の間に提供されて、保持電圧VHoldが印加されるべきか否か、または保持電圧VHoldの大きさが変更されるべきか否かを決定し得る。光学遷移の駆動および監視に関する追加の情報は、2014年6月20日に出願され、CONTROLLING TRANSITIONS IN OPTICALLY SWITCHABLE DEVICESと題された、PCT特許出願第PCT/US14/43514号で提供され、これは、その全体の参照によって、かつあらゆる目的のために本明細書に組み込まれる。
【0108】
コントローラネットワークアーキテクチャの例
多くの事例において、光学的に切り換え可能な窓は、建物の外囲体の相当な部分を形成するか、または占有し得る。例えば、光学的に切り換え可能な窓は、企業のオフィスビル、他の商用ビルまたは住居用建物の壁、前面、さらには屋根の相当な部分を形成し得る。様々な実装において、コントローラの分散ネットワークが、光学的に切り換え可能な窓を制御するために使用され得る。
図6は、いくつかの実装による、複数のIGU302を制御するように動作可能なネットワークシステム300の一例のブロック図を示す。例えば、IGU302の各々は、
図4を参照して上に説明されたIGU100と同一または類似であり得る。ネットワークシステム300の1つの主要な機能は、IGU302内のECD(または他の光学的に切り換え可能なデバイス)の光学状態を制御することである。いくつかの実装において、窓302のうちの1つ以上は、例えば、各窓が2つ以上の独立して制御可能なECDまたは区域を含む複数区域窓であってもよい。様々な実装において、ネットワークシステム300は、IGU302に提供される電力信号の電気的特性を制御するように動作可能である。例えば、ネットワークシステム300は、IGU302内のECDに印加される電圧を制御するために色調命令(本明細書では「色調コマンド」とも呼ばれる)を生成および通信し得る。
【0109】
いくつかの実装において、ネットワークシステム300の別の機能は、IGU302から状態情報(以下、「情報」が「データ」と互換的に使用される)を取得することである。例えば、所与のIGUの状態情報は、IGU内のECDの現在の色調状態の識別情報、またはそれに関する情報を含み得る。ネットワークシステム300はまた、IGU302上もしくはIGU302内に統合されるか、または建物上もしくは建物の周囲の様々な他の位置にあるかにかかわらず、温度センサ、フォトセンサ(本明細書では光センサとも呼ばれる)、湿度センサ、空気流量センサ、または着座センサ等の様々なセンサからデータを取得するように動作可能でもあり得る。
【0110】
ネットワークシステム300は、様々な能力または機能を有する任意の適切な数の分散コントローラを含み得る。いくつかの実装において、様々なコントローラの機能および配置が階層的に定義される。例えば、ネットワークシステム300は、複数の分散窓コントローラ(WC)304、複数のネットワークコントローラ(NC)306、およびマスタコントローラ(MC)308を含む。いくつかの実装において、MC308は、数十または数百のNC306と通信し、それらを制御し得る。様々な実装において、MC308は、1つ以上の有線または無線リンク316(以下、「リンク316」と総称される)を介してNC306に高レベルの命令を発行する。命令は、例えば、それぞれのNC306によって制御されるIGU302の光学状態に遷移を引き起こすための色調コマンドを含み得る。各NC306は、1つ以上の有線または無線リンク314(以下、「リンク314」と総称される)を介して、いくつかのWC304と通信し、それらを制御し得る。例えば、各NC306は、数十または数百のWC304を制御し得る。各WC304は、順番に、1つ以上の有線または無線リンク312(以下、「リンク312」と総称される)を介して、1つ以上のそれぞれのIGU302と通信、それらを駆動、またはそうでなければ制御し得る。
【0111】
MC308は、色調コマンド、状態要求コマンド、データ(例えば、センサデータ)要求コマンドまたは他の命令を含む通信を発行し得る。いくつかの実装において、MC308は、一定の所定の時刻(曜日または年に基づいて変化し得る)に、または特定のイベント、条件、またはイベントもしくは条件の組み合わせ(例えば、取得されたセンサデータによって決定されるか、あるいはユーザもしくはアプリケーションによって開始された要求、またはかかるセンサデータおよびかかる要求の組み合わせに基づく)の検出に基づいて、かかる通信を定期的に発行し得る。いくつかの実装において、MC308が、一組の1つ以上のIGU302の色調状態変更を引き起こすように決定したとき、MC308は、所望される色調状態に対応する色調値を生成または選択する。いくつかの実装において、一組のIGU302は、第1のプロトコル識別情報(ID)(例えば、BACnet ID)と関連付けられる。MC308は、その後、第1の通信プロトコル(例えば、BACnet互換プロトコル)を介して、リンク316を経由して色調値および第1のプロトコルIDを含む、本明細書で「一次色調コマンド」と呼ばれる通信を生成および送信する。いくつかの実装において、MC308は、順番に遷移されるべき一組のIGU302を制御する、特定の1つ以上のWC304を制御する、特定のNC306に一次色調コマンドをアドレス指定する。
【0112】
NC306は、色調値および第1のプロトコルIDを含む一次色調コマンドを受信し、第1のプロトコルIDを1つ以上の第2のプロトコルIDにマッピングする。いくつかの実装において、第2のプロトコルIDの各々は、WC304のうちの対応する1つを識別する。NC306は、続いて、第2の通信プロトコルを介して、リンク314を経由して、識別されたWC304の各々に色調値を含む第2の色調コマンドを送信する。いくつかの実装において、二次色調コマンドを受信するWC304の各々は、色調値に基づいて内部メモリから電圧または電流プロファイルを選択して、そのそれぞれの接続されたIGU302を、色調値と一致する色調状態に駆動する。WC304の各々は、その後、リンク312を経由して電圧または電流信号を生成し、そのそれぞれの接続されたIGU302に提供して、電圧または電流プロファイルを適用する。
【0113】
いくつかの実装において、様々なIGU302が、EC窓の区域に有利にグループ化され得、各区域は、IGU302のサブセットを含む。いくつかの実装において、IGU302の各区域は、1つ以上のそれぞれのNC306と、これらのNC306によって制御される1つ以上のそれぞれのWC304とによって制御される。いくつかのより具体的な実装において、各区域は、単一のNC306と、単一のNC306によって制御される2つ以上のWC304によって制御され得る。言い換えると、区域は、IGU302の論理グループを表し得る。例えば、各区域は、建物の特定の位置またはエリア内の一組のIGU302に対応し得、それらは、その位置に基づいて共に駆動される。より具体的な例として、4つの面または側面である、北面、南面、東面および西面を有する建物を考える。また、建物が10階建てであると考える。かかる教示的例において、各区域は、特定のフロア上および4つの面のうちの特定の1つにある一組のエレクトロクロミック窓100に対応し得る。追加的または代替的に、各区域は、1つ以上の物理的特性(たとえば、サイズまたは年数等のデバイスパラメータ)を共有する一組のIGU302に対応し得る。いくつかの他の実装において、IGU302の区域は、例えば、セキュリティ指定またはビジネス階層等の1つ以上の非物理的特性に基づいてグループ化され得る(例えば、マネージャのオフィスの境界にあるIGU302は、1つ以上の区域にグループ化され得るが、非マネージャのオフィスの境界にあるIGU302は、1つ以上の異なる区域にグループ化され得る)。
【0114】
かかる実装において、各NC306は、1つ以上のそれぞれの区域内のIGU302の全てをアドレス指定し得る。例えば、MC308は、目標区域を制御するNC306に一次色調コマンドを発行し得る。一次色調コマンドは、目標区域の抽象識別情報(以下、「区域ID」とも呼ぶ)を含み得る。いくつかのかかる実装において、区域IDは、上記の例にちょうど説明されたような、第1のプロトコルIDであってもよい。かかる場合において、NC306は、色調値および区域IDを含む一次色調コマンドを受信し、区域IDを、区域内のWC304と関連付けられた第2のプロトコルIDにマッピングする。いくつかの他の実装において、区域IDは、第1のプロトコルIDよりも高いレベルの抽象であり得る。かかる場合において、NC306は、まず、区域IDを1つ以上の第1のプロトコルIDにマッピングし、続いて、第1のプロトコルIDを第2のプロトコルIDにマッピングし得る。
【0115】
ネットワークとのユーザまたは第三者の対話
いくつかの実装において、MC308は、1つ以上の有線または無線リンク318(以下、「リンク318」)を介して、1つ以上の外向きネットワーク310(以下、「外向きネットワーク310」と総称される)に連結される。かかる実装において、MC308は、取得された状態情報またはセンサデータを、外向きネットワーク310内の、または外向きネットワーク310によってアクセス可能な遠隔コンピュータ、モバイルデバイス、サーバ、データベースに通信し得る。いくつかの実装において、かかる遠隔デバイス内で実行する、第三者アプリケーションまたはクラウド基盤アプリケーションを含む、様々なアプリケーションが、MC308からのデータにアクセスするか、またはMC308にデータを提供し得る。いくつかの実装において、認証されたユーザまたはアプリケーションは、ネットワーク310を介して様々なIGU302の色調状態を修正する要求をMCU308に通信し得る。いくつかの実装において、MC308は、まず、色調コマンドを発行する前に、要求を承諾するか否かを決定し得る(例えば、電力の検討に基づいて、またはユーザが適切な認証を有するか否かに基づいて)。MC308は、その後、色調値を計算、決定、選択またはそうでなければ生成し、一次色調コマンド内の色調値を送信して、関連付けられたIGU302内の色調状態遷移を引き起こし得る。
【0116】
例えば、ユーザは、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータまたはモバイルデバイス(例えば、スマートフォン)等のコンピューティングデバイスから、かかる要求を提示し得る。いくつかのかかる実装において、ユーザのコンピューティングデバイスは、MC308と、いくつかの事例において、MC308内で実行するマスタコントローラアプリケーションと通信することができるクライアント側アプリケーションを実行し得る。いくつかの他の実装において、クライアント側アプリケーションは、MC308と同一または異なる物理デバイスもしくはシステム内の別個のアプリケーションと通信し得、その後、マスタコントローラアプリケーションと通信して、所望される色調状態修正をもたらし得る。いくつかの実装において、マスタコントローラアプリケーションまたは他の別個のアプリケーションは、ユーザによって提示された要求を認証するようにユーザを認証するために使用され得る。いくつかの実装において、ユーザは、色調付けられるべきIGU302を選択し、かつクライアント側アプリケーションを介して部屋番号を入力することによって、MC308に選択を通知し得る。
【0117】
追加的または代替的に、いくつかの実装において、ユーザのモバイルデバイスまたは他のコンピューティングデバイスは、様々なWC304と無線で通信し得る。例えば、ユーザのモバイルデバイス内で実行するクライアント側アプリケーションは、色調状態制御信号を含む無線通信をWC304に送信して、WC304に接続されたそれぞれのIGU302の色調状態を制御し得る。例えば、ユーザは、クライアント側アプリケーションを使用して、ユーザによって占有された(または将来、ユーザまたは他人によって占有される)部屋に隣接するIGU302の色調状態を維持または修正し得る。かかる無線通信は、様々な無線ネットワークトポロジおよびプロトコルWCを使用して生成、フォーマットまたは送信され得る。
【0118】
いくつかのかかる実装において、ユーザのモバイルデバイス(または他のコンピューティングデバイス)からそれぞれのWC304に送信される制御信号は、それぞれのNC306からWC304によって以前に受信された色調値を上書きし得る。言い換えると、WC304は、色調値に基づいてではなく、ユーザのコンピューティングデバイスからの制御信号に基づいて、印加電圧をIGU302に提供し得る。例えば、WC304に記憶され、WC304によって実行される制御アルゴリズムまたは規則セットは、認証されたユーザのコンピューティングデバイスからの1つ以上の制御信号がNC306から受信された色調値よりも優先することを規定し得る。高需要の場合における等のいくつかの他の事例において、NC306からの色調値等の制御信号は、ユーザのコンピューティングデバイスからWC304によって受信されたいかなる制御信号よりも優先し得る。いくつかの他の事例において、制御アルゴリズムまたは規則セットは、一定のユーザもしくはグループまたはユーザのクラスのみからの色調の上書きが、かかるユーザに承諾されたアクセス許可、およびいくつかの事例において、時刻またはIGU302の位置を含む他の因子に基づいて優先され得ることを規定し得る。
【0119】
いくつかの実装において、認証されたユーザのコンピューティングデバイスからの制御信号の受信に基づいて、MC308は、既知のパラメータの組み合わせに関する情報を使用して、通常のユーザに望ましく、一方でいくつかの事例においてまた電力を効率的に使用する、照明条件を提供する色調値を計算、決定、選択またはそうでなければ生成し得る。いくつかの他の実装において、MC308は、コンピューティングデバイスを介して色調状態変更を要求した特定のユーザによって、またはそのユーザに対して定義された事前設定選好に基づいて色調値を決定し得る。例えば、ユーザは、パスワードを入力するか、またはそうでなければ色調状態変更を要求するためにログインするか、もしくは認証を取得することを必要とされ得る。かかる場合において、MC308は、パスワード、セキュリティトークンに基づいて、または特定のモバイルデバイスもしくは他のコンピューティングデバイスの識別情報に基づいて、ユーザの識別情報を決定し得る。ユーザの識別情報を決定した後、MC308は、その後、ユーザの事前設定選好を検索し、事前設定選好を単独または他のパラメータ(電力検討または様々なセンサからの情報)との組み合わせで使用して、それぞれのIGU302を色調付ける際の使用のための色調値を生成および送信し得る。
【0120】
壁掛デバイス
いくつかの実装において、ネットワークシステム300はまた、壁掛スイッチ、調光器または他の色調状態制御デバイスも含み得る。壁掛スイッチは、概して、WCに接続された電気機械的インターフェースを意味する。壁掛スイッチは、WCに色調コマンドを伝え得、WCは、その後、色調コマンドをNCに伝え得る。かかるデバイスはまた、以下に「壁掛デバイス」とも総称されるが、かかるデバイスは、壁に据え付けられた実装に限定される必要はない(例えば、かかるデバイスはまた、天井または床に位置するか、あるいは机または会議テーブル上もしくはその中に統合され得る)。例えば、建物のオフィス、会議室または他の部屋の一部または全部は、隣接するIGU302の色調状態を制御する際の使用のための、かかる壁掛デバイスを含み得る。例えば、特定の部屋に隣接するIGU302は、区域にグループ化され得る。壁掛デバイスの各々は、部屋に隣接するIGU302の色調状態または他の機能もしくはパラメータを制御するために、エンドユーザ(例えば、それぞれの部屋の占有者)によって操作され得る。例えば、一定の時刻において、隣接するIGU302は、外部から部屋に入る光エネルギーの量を低減させるために暗い状態に色調付けされ得る(例えば、AC冷却要件を低減するために)。ここで、ユーザがその部屋の使用を所望すると仮定する。様々な実装において、ユーザは、暗い状態からより明るい色調状態への色調状態遷移を引き起こすために、制御信号を通信するように壁掛デバイスを操作し得る。
【0121】
いくつかの実装において、各壁掛デバイスは、ユーザが、隣接する部屋のIGU302の特定の色調状態を選択すること、または現在の色調レベルを増減することを可能にする、1つ以上のスイッチ、ボタン、調光器、ダイヤルまたは他の物理的ユーザインターフェースコントロールを含み得る。追加的または代替的に、壁掛デバイスは、ユーザが特定の色調状態を選択すること(例えば、仮想ボタンを選択すること、ドロップダウンメニューから選択することまたは色調レベルもしくは色調パーセンテージを入力することによって)、または色調状態を修正すること(例えば、「暗く」の仮想ボタン、「明るく」の仮想ボタンを選択すること、または仮想ダイヤルを回すこと、もしくは仮想バーをスライドさせることによって)を可能にするタッチ画面インターフェースを有するディスプレイを含んでもよい。いくつかの他の実装において、壁掛デバイスは、ユーザが、スマートフォン、マルチメディアデバイス、タブレットコンピュータまたは他のポータブルコンピューティングデバイス(例えば、Cupertino,CAのApple,Inc.製のIPHONE(登録商標)、IPOD(登録商標)またはIPAD(登録商標))等のポータブルデバイスを物理的かつ通信可能にドッキングすることを可能にする、ドッキングインターフェースを含み得る。かかる実装において、ユーザは、ポータブルデバイスへの入力を介して色調レベルを制御し得、これは、その後、ドッキングインターフェースを経由して壁掛デバイスによって受信され、続いて、MC308、NC306またはWC304に通信される。かかる実装において、ポータブルデバイスは、壁掛デバイスによって提示されるAPIと通信するためのアプリケーションを含み得る。
【0122】
例えば、壁掛デバイスは、色調状態変更の要求をMC308に送信し得る。いくつかの実装において、MC308は、まず、要求を承諾するか否かを決定し得る(例えば、電力の検討に基づいて、またはユーザが適切な認証/アクセス許可を有するか否かに基づいて)。MC308は、その後、色調値を計算、決定、選択、またはそうでなければ生成し、一次色調のコマンド内の色調値を送信して、隣接するIGU302内の色調遷移を引き起こし得る。いくつかのかかる実装において、各壁掛デバイスは、1つ以上の有線リンクを介して(例えば、CANもしくはイーサネット(登録商標)準拠回線等の通信回線を介して、または電力線通信技術を使用する電力線を介して)MC308と接続され得る。いくつかの他の実装において、各壁掛デバイスは、1つ以上の無線リンクを介してMC308と接続され得る。いくつかの他の実装において、壁掛デバイスは、顧客対向ネットワーク等の外向きネットワーク310と接続され得(1つ以上の有線または無線接続を介して)、その後、リンク318を介してMC308と通信する。
【0123】
いくつかの実装において、MC308は、壁掛デバイスをIGU302と関連付ける、事前にプログラムされるか、または発見された情報に基づいて、壁掛デバイスと関連付けられたIGU302を識別し得る。いくつかの実装において、MC308に記憶され、かつMC308によって実行される制御アルゴリズムまたは規則セットは、壁掛デバイスからの1つ以上の制御信号が、MC308によって以前に生成された色調値よりも優先することを規定し得る。高需要(例えば、高電力需要)時等のいくつかの他の事例において、MC308に記憶され、かつMC308によって実行される制御アルゴリズムまたは規則セットは、MC308によって以前に生成された色調値が、壁掛デバイスから受信された、いかなる制御信号よりも優先することを規定し得る。
【0124】
いくつかの他の実装または事例において、壁掛デバイスからの色調状態変更要求または制御信号に基づいて、MC308は、既知のパラメータの組み合わせに関する情報を使用して、通常のユーザに望ましく、一方でいくつかの事例においてまた電力を効率的に使用する、照明条件を提供する色調値を生成し得る。いくつかの他の実装において、MC308は、壁掛デバイスを介して色調状態変更を要求した特定のユーザによって、またはそのユーザに対して定義された事前設定選好に基づいて色調値を生成し得る。例えば、ユーザは、壁掛デバイスへのアクセスを得るために、壁掛デバイスにパスワードを入力するか、あるいはセキュリティトークンまたはIBUTTONもしくはその他の1-Wireデバイス等のセキュリティフォブを使用することを必要とされ得る。かかる事例において、MC308は、パスワード、セキュリティトークンまたはセキュリティフォブに基づいて、ユーザの識別情報を決定し、ユーザの事前設定選好を検索し、かつ事前設定選好を単独または他のパラメータ(電力検討または様々なセンサからの情報)と組み合わせて使用して、それぞれのIGU302の色調値を計算、決定、選択し得、またはそうでなければ生成し得る。
【0125】
いくつかの他の実装において、壁掛デバイスは、色調状態変更要求を適切なNC306に送信し得、NC306は、その後、要求、または要求に基づく通信をMC308に通信する。例えば、各壁掛デバイスは、MC308についてちょうど説明されたもの等の1つ以上の有線リンクを介して、または無線リンク(以下に説明されるもの等)を介して、対応するNC306と接続され得る。いくつかの他の実装において、壁掛デバイスは、適切なNC306に要求を送信し得、NC308は、その後、MC308から以前に受信された一次色調コマンド、またはNC306によって以前に生成された一次もしくは二次色調コマンドを上書きするか否かをそれ自体が決定する(以下に説明されるように、NC306は、いくつかの実装において、最初に色調コマンドをMC308から受信せずに、色調コマンドを生成し得る)。いくつかの他の実装において、壁掛デバイスは、隣接するIGU302を制御するWC304に要求または制御信号を直接通信し得る。例えば、各壁掛デバイスは、MC308についてちょうど説明されたもの等の1つ以上の有線リンクを介して、または無線リンクWCを介して、対応するWC304と接続され得る。
【0126】
いくつかの特定の実装において、NC306またはMC308は、壁デバイスからの制御信号が、NC306またはMC308によって以前に生成された色調値よりも優先されるべきか否かを決定する。上に説明されたように、いくつかの実装において、壁デバイスは、NC306と直接通信し得る。しかしながら、いくつかの他の実装において、壁デバイスは、MC308に直接またはWC304に直接、要求を通信し、その後、要求をNC306に通信してもよい。さらに他の実装において、壁掛デバイスは、顧客対向ネットワーク(例えば、建物の所有者またはオペレータによって管理されるネットワーク等)に要求を通信し、その後、要求(またはそれに基づく要求)を、直接またはMC308によって間接的に、NC306に渡し得る。いくつかの実装において、NC306またはMC308に記憶され、かつNC306またはMC308によって実行される制御アルゴリズムまたは規則セットは、壁掛デバイスからの1つ以上の制御信号が、NC306またはMC308によって以前に生成された色調値よりも優先することを規定し得る。高需要(例えば、高電力需要)時等のいくつかの他の事例において、NC306またはMC308に記憶され、かつNC306またはMC308によって実行される制御アルゴリズムまたは規則セットは、NC306またはMC308によって以前に生成された色調値が、壁掛デバイスから受信された、いかなる制御信号よりも優先することを規定し得る。
【0127】
MC308を参照して上に説明されたように、いくつかの他の実装において、壁掛デバイスからの色調状態変更要求または制御信号に基づいて、NC308は、既知のパラメータの組み合わせに関する情報を使用して、通常のユーザに望ましく、一方でいくつかの事例においてまた電力を効率的に使用する、照明条件を提供する色調値を生成し得る。いくつかの他の実施形態では、NC306またはMC308は、壁デバイスを介して色調状態変更を要求した特定のユーザによって、またはそのユーザに対して定義された事前設定選好に基づいて、色調値を生成することができる。MC308を参照して上に説明されたように、ユーザは、壁掛デバイスへのアクセスを得るために、壁掛デバイスにパスワードを入力するか、あるいはセキュリティトークンまたはIBUTTONもしくはその他の1-Wireデバイス等のセキュリティフォブを使用することを必要とされ得る。かかる事例において、NC306は、ユーザの識別情報を決定するためにMC308と通信し得るか、またはMC308は単独で、パスワード、セキュリティトークンまたはセキュリティフォブに基づいて、ユーザの識別情報を決定し、ユーザの事前設定選好を検索し、かつ事前設定選好を単独または他のパラメータ(電力検討または様々なセンサからの情報)と組み合わせて使用して、それぞれのIGU302の色調値を計算、決定、選択し得、またはそうでなければ生成し得る。
【0128】
いくつかの実装において、MC308は、外部データベース(または「データストア」または「データウェアハウス」)320に連結される。いくつかの実装において、データベース320は、有線ハードウェアリンク322を介してMC308と連結されたローカルデータベースであり得る。いくつかの他の実装において、データベース320は、内部プライベートネットワークを介して、または外向きネットワーク310を経由して、MC308によってアクセス可能な遠隔データベースまたはクラウド基盤データベースであり得る。いくつかの実装において、他のコンピューティングデバイス、システムまたはサーバもまた、例えば、外向きネットワーク310を経由して、データベース320内に記憶されたデータを読み取るためにアクセスを有し得る。加えて、いくつかの実装において、1つ以上の制御アプリケーションまたは第三者アプリケーションもまた、外向きネットワーク310を介してデータベース内に記憶されたデータを読み取るためにアクセスを有し得る。いくつかの場合において、MC308は、MC308によって発行された対応する色調値を含む全ての色調コマンドの記録をデータベース320内に記憶する。MC308はまた、状態およびセンサデータを収集し、それをデータベース320に記憶し得る。かかる事例において、WC304は、IGU302からセンサデータおよび状態データを収集し、リンク316を経由したMC308との通信のためのリンク314を経由して、それぞれのNC306にセンサデータおよび状態データを通信し得る。追加的または代替的に、NC306またはMC308自体もまた、建物内の光センサ、温度センサまたは着座センサ、ならびに建物の上、周囲に接続され得、またはそうでなければ建物の外部(例えば、建物の屋根の上)に位置付けられた光センサもしくは温度センサ等の様々なセンサに接続され得る。いくつかの実装において、NC306またはWC304はまた、状態またはセンサデータを記憶するために直接、データベース320に送信し得る。
【0129】
他のシステムまたはサービスとの統合
いくつかの実装において、ネットワークシステム300はまた、建物全体または建物構内の統合された効率的エネルギー制御システムとして、最新の暖房、換気、および空調(HVAC)システム、内部照明システム、セキュリティシステムまたは電力システムと連携して機能するように設計され得る。ネットワークシステム300のいくつかの実装は、建物管理システム(BMS)324との統合に適している。BMSは、HVACシステム(炉または他のヒータ、空調、送風機および通気口を含む)、照明システム、電力システム、エレベータ、防火システム、およびセキュリティシステム等の、建物の機械的および電気的設備を監視および制御するために建物内に設置され得る広範囲なコンピュータベースの制御システムである。BMSは、占有者または建物マネージャもしくは他の管理者によって設定された選好に従って建物内の条件を維持するためのハードウェアならびに関連付けられたファームウェアおよびソフトウェアを含み得る。ソフトウェアは、例えば、インターネットプロトコルまたはオープン標準に基づき得る。BMSは、通常、それが建物内の環境を制御するよう機能する、大きな建物内で使用され得る。例えば、BMSは、建物内の照明、温度、二酸化炭素レベル、および湿度を制御し得る。建物の環境を制御するために、BMSは、規則に従ってまたは条件に応答して、様々な機械的および電気的デバイスをオンおよびオフに切り替え得る。かかる規則および条件は、例えば、建物マネージャまたは管理者によって選択または指定され得る。BMSの1つの機能は、暖房および冷房のエネルギー損失およびコストを最小にしつつ、建物の占有者にとって快適な環境を維持することであり得る。いくつかの実装において、BMSは、監視および制御のみならず、例えばエネルギーを節約し、建物運用コストを低下させるように、様々なシステム間の相乗効果を最適化するようにも構成され得る。
【0130】
追加的または代替的に、ネットワークシステム300のいくつかの実装は、スマートサーモスタットサービス、アラートサービス(例えば、火災検出)、セキュリティサービスまたは他の機器自動化サービスとの統合に適している。ホームオートメーションサービスの一例としては、Nest Labs of Palo Alto、Californiaで製造されたNEST(登録商標)がある(NEST(登録商標)は、Mountain View、CaliforniaのGoogle,Inc.の登録商標である)。本明細書に使用されるように、BMSの参照はまた、いくつかの実装において、かかる他の自動化サービスを包含するか、またはそれらと置換され得る。
【0131】
いくつかの実装において、MC308およびBMS324等の別個の自動化サービスは、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)を介して通信し得る。例えば、APIは、MC308内のマスタコントローラアプリケーション(またはプラットフォーム)と連携して、またはBMS324内の建物管理アプリケーション(またはプラットフォーム)と連携して実行し得る。MC308およびBMS324は、1つ以上の有線リンク326を経由して、または外向きネットワーク310を介して通信し得る。いくつかの事例において、BMS324は、IGU302を制御するための命令をMC308に通信し、その後、一次色調コマンドを生成して適切なNC306に送信し得る。いくつかの実装において、NC306またはWC304はまた、BMS324と直接通信し得る(有線/ハードウェアリンクを通して、または無線データリンクを通して無線で、のいずれか)。いくつかの実装において、BMS324はまた、MC308、NC306およびWC304のうちの1つ以上によって収集された、センサデータ、状態データおよび関連付けらえたタイムスタンプデータ等のデータを受信し得る。例えば、MC308は、ネットワーク310を経由してかかるデータを公開し得る。かかるデータがデータベース320内に記憶されるいくつかの他の実装において、BMS324は、データベース320内に記憶されたデータの一部または全部へのアクセス権を有し得る。
【0132】
マスタコントローラの例
図7は、いくつかの実装による、マスタコントローラ(MC)400の一例のブロック図を示す。例えば、
図7のMC400は、
図6のネットワークシステム300を参照して上に説明されたMC308を実装するために使用され得る。本明細書に使用される際、「MC400」への参照はまた、MC308を包含し、逆も同様であり、言い換えると、2つの参照は、互換的に使用され得る。MC400は、1つ以上のコンピュータ、コンピューティングデバイスもしくはコンピュータシステム(本明細書では、別途示されない限り、必要に応じて互換的に使用される)内またはそれらとして実装され得る。加えて、「MC400」の参照は、説明された機能、動作、プロセスまたは能力を実装するためのハードウェア、ファームウェアおよびソフトウェアの任意の適切な組み合わせを総称する。例えば、MC400は、マスタコントローラアプリケーション(本明細書では「プログラム」または「タスク」とも呼ばれる)を実装するコンピュータを意味し得る。
【0133】
図7に示されるように、MC400は、概して、1つ以上のプロセッサ402(以下、「プロセッサ402」とも総称される)を含む。プロセッサ402は、単一コアまたはマルチコアプロセッサ等の中央処理装置(CPU)であり得るか、またはそれを含み得る。プロセッサ402は、いくつかの実装において、デジタル信号プロセッサ(DSP)またはネットワークプロセッサを追加的に含み得る。いくつかの実装において、プロセッサ402はまた、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)も含み得る。プロセッサ402は、一次メモリ404、二次メモリ406、内向きネットワークインターフェース408および外向きネットワークインターフェース410と連結される。一次メモリ404は、例えば、ダイナミックRAM(DRAM)デバイスを含む1つ以上のランダムアクセスメモリ(RAM)デバイス等の1つ以上の高速メモリデバイスを含み得る。かかるDRAMデバイスは、例えば、他の適切なメモリデバイスの中でも、同期DRAM(SDRAM)デバイスおよびダブルデータレートSDRAM(DDRSDRAM)デバイス(DDR2SDRAM、DDR3SDRAM、およびDDR4SDRAMを含む)、サイリスタRAM(T-RAM)およびゼロキャパシタ(Z-RAM(登録商標))を含む。
【0134】
二次メモリ406は、1つ以上のハードディスクドライブ(HDD)または1つ以上のソリッドステートドライブ(SSD)を含み得る。いくつかの実装において、メモリ406は、例えば、Linux(登録商標)カーネルに基づいてオペレーティングシステム等のマルチタスクオペレーティングシステムを実装するためのプロセッサ実行可能コード(または「プログラミング命令」)を記憶し得る。いくつかの他の実装において、オペレーティングシステムは、UNIX(登録商標)またはUnixライク基盤オペレーティングシステム、Microsoft Windows(登録商標)基盤オペレーティングシステム、または別の適切なオペレーティングシステムであってもよい。メモリ406はまた、上に説明されたマスタコントローラアプリケーションを実装するためにプロセッサ402によって実行可能なコード、および他のアプリケーションまたはプログラムを実装するためのコードも記憶し得る。メモリ406はまた、ネットワークコントローラ、窓コントローラおよび様々なセンサから収集された状態情報、センサデータまたは他のデータも記憶し得る。
【0135】
いくつかの実装において、MC400は、「ヘッドレス」システムであり、つまり、ディスプレイモニタまたは他のユーザ入力デバイスを含まないコンピュータである。かかる実装において、管理者または他の認証されたユーザは、MC400内に記憶された情報にアクセスして検索するために、MC400内にデータを書き込むかまたは記憶するために、かつMC400によって実装または使用された様々な機能、動作、プロセッサもしくはパラメータを制御するために、ネットワーク(例えば、ネットワーク310)を経由して遠隔コンピュータまたはモバイルコンピューティングデバイスからMC400にログインするか、またはそうでなければそれらにアクセスし得る。いくつかの他の実装において、MC400はまた、ディスプレイモニタおよび直接ユーザ入力デバイス(例えば、マウス、キーボードおよびタッチ画面のうちの1つ以上)も含み得る。
【0136】
様々な実装において、内向きネットワークインターフェース408は、MC400が様々な分散コントローラと通信することを可能にし、いくつかの実装において、様々なセンサと通信することも可能にする。内向きネットワークインターフェース408は、1つ以上の有線ネットワークインターフェースまたは1つ以上の無線ネットワークインターフェース(1つ以上の無線送受信機を含む)を総称し得る。
図6のネットワークシステム300の文脈において、MC400は、MC308を実装することができ、内向きネットワークインターフェース408は、リンク316を経由して下流NC306との通信を可能にし得る。
【0137】
外向きネットワークインターフェース410は、MC400が、1つ以上のネットワークを経由して様々なコンピュータ、モバイルデバイス、サーバ、データベースまたはクラウド基盤データベースシステムと通信することを可能にする。外向きネットワークインターフェース410はまた、1つ以上の有線ネットワークインターフェースまたは1つ以上の無線ネットワークインターフェース(1つ以上の無線送受信機を含む)を総称し得る。
図6のネットワークシステム300の文脈において、外向きネットワークインターフェース410は、リンク318を経由して外向きネットワーク310を介してアクセス可能な様々なコンピュータ、モバイルデバイス、サーバ、データベースまたはクラウド基盤データベースシステムとの通信を可能にし得る。上に説明されたように、いくつかの実装において、かかる遠隔デバイス内で実行する、第三者アプリケーションまたはクラウド基盤アプリケーションを含む、様々なアプリケーションが、MC400に介してMC400またはデータベース320からのデータにアクセスするか、またはこれらにデータを提供し得る。いくつかの実装において、MC400は、MC400と様々な第三者アプリケーションとの間の通信を容易にするための1つ以上のAPIを含む。MC400が可能にし得るAPIの実装のいくつかの例は、2015年12月8日に出願され、MULTIPLE INTERACTING SYSTEMS AT A SITEと題された、PCT特許出願第PCT/US15/64555号(代理人整理番号VIEWP073WO))に説明され、これは、その全体の参照によって、かつあらゆる目的のために本明細書に組み込まれる。例えば、かかる第三者アプリケーションは、サーモスタットサービス、アラートサービス(例えば、火災検出)、セキュリティサービスまたは他の機器自動化サービスを含む様々な監視サービスを含み得る。監視サービスおよびシステムの追加の例は、2015年3月5日に出願され、MONITORING SITES CONTAINING SWITCHABLE OPTICAL DEVICES AND CONTROLLERSと題された、PCT特許出願第PCT/US2015/019031号(代理人整理番号VIEWP061WO)に見出され得、これは、その全体の参照によって、かつあらゆる目的のために本明細書に組み込まれる。
【0138】
いくつかの実装において、内向きネットワークインターフェース408および外向きネットワークインターフェース410の一方または両方は、BACnet互換インターフェースを含み得る。BACnetは、通常、ビル自動化および制御ネットワークで使用され、ASHRAE/ANSI135およびISO16484-5標準によって定義される通信プロトコルである。BACnetプロトコルは、それらが実施する特定のサービスに関係なく、情報を交換するためにコンピュータ化された建物自動化システムおよびデバイスのための機構を広く提供する。例えば、BACnetは従来、暖房、換気および空調制御(HVAC)システム、照明制御システム、アクセスまたはセキュリティ制御システム、および火災検出システムならびにそれらの関連付けられた設備間の通信を可能にするために使用されてきた。いくつかの他の実装において、内向きネットワークインターフェース408および外向きネットワークインターフェース410の一方または両方は、oBIX(オープン建物情報交換)互換インターフェースまたは別のRESTfulWebサービス基盤インターフェースを含み得る。したがって、以下の説明は、時折、BACnet実装に焦点を当てるが、他の実装において、oBIXまたは他のRESTfulWebサービスと互換性のある他のプロトコルが使用されてもよい。
【0139】
BACnetプロトコルは、概して、サーバ対クライアントアーキテクチャに基づく。いくつかの実装において、外向きネットワーク310から見て、MC400は、BACnetサーバとして機能する。例えば、MC400は、様々な情報を、ネットワーク310を経由して外向きネットワークインターフェース410を通して、様々な認証されたコンピュータ、モバイルデバイス、サーバもしくはデータベース、またはかかるデバイス上で実行している様々な認証されたアプリケーションに公開し得る。残りのネットワークシステム300から見たとき、MC400は、クライアントとして機能し得る。かかる実装において、NC306は、WC304から取得された状態データ、センサデータまたは他のデータを収集および記憶し、かつMC400がアクセス可能であるようにこの取得されたデータを公開する、BACnetサーバとして機能する。
【0140】
MC400は、クライアントとして、BACnet標準データタイプを使用してNC306の各々に通信し得る。かかるBACnetデータタイプは、アナログ値(AV)を含み得る。かかる実装形態において、各NC306は、AVの配列を記憶する。AVの配列は、BACnet IDによって組成され得る。例えば、各BACnet IDは、少なくとも2つのAVと関連付けられ得、AVのうちの第1のAVは、MC400によって設定された色調値と関連付けられ得、AVのうちの第2のAVは、それぞれのWC304から設定された(または受信された)状態指示値と関連付けられ得る。いくつかの実装において、各BACnet IDは、1つ以上のWC304と関連付けられ得る。例えば、WC304の各々は、コントローラエリアネットワーク(CAN)車両バス標準ID(以下、「CAN ID」と呼ばれる)等の第2のプロトコルIDによって識別され得る。かかる実装において、各BACnet IDは、NC306内の1つ以上のCAN IDと関連付けられ得る。
【0141】
いくつかの実装において、MC400が1つ以上のIGU302の色調を決定したとき、MC400は、目標IGU302を制御する1つ以上のそれぞれのWC304と関連付けられたNC306内のAVに特定の色調値を書き込む。いくつかのより具体的な実装において、MC400は、目標IGU302を制御するWC304と関連付けられたBACnet IDを含む一次色調コマンドを生成する。一次色調コマンドはまた、目標IGU302用の色調値も含み得る。MC400は、NC306のネットワークアドレスを使用して、内向きインターフェース408を通して特定のNC306への一次色調コマンドの送信を指示し得る。例えば、NC306のネットワークアドレスは、インターネットプロトコル(IP)アドレス(例えば、IPv4またはIPv6アドレス)、またはメディアアクセス制御(MAC)アドレス(例えば、イーサーネットリンク316を経由して通信するとき)を含み得る。
【0142】
MC400は、パラメータの組み合わせに基づいて1つ以上のIGU302の色調値を計算、決定、選択し得またはそうでなければ生成し得る。例えば、パラメータの組み合わせは、時刻、日付、または季節の時期等の時間またはカレンダー情報を含み得る。追加的または代替的に、パラメータの組み合わせは、例えば、IGU302に対する太陽の方向等の太陽暦情報を含み得る。いくつかの事例において、IGU302に対する太陽の方向は、地球上の建物の地理的位置およびIGUが向いている方向(例えば、北-東-下座標系の)に関して既知の情報と共に、時間およびカレンダー情報に基づいてMC400によって決定され得る。パラメータの組み合わせはまた、外部温度(建物の外部)、内部温度(目標IGU302に隣接する室内)、またはIGU302の内部容積内の温度を含み得る。パラメータの組み合わせはまた、気象に関する情報(例えば、快晴、晴れ、一面曇り、曇り、雨または雪であるかどうか)も含み得る。時刻、日付、または太陽の方向等のパラメータは、MC308にプログラムされ、MC308によってトラッキングされ得る。外部温度、内部温度またはIGU温度等のパラメータは、建物内、建物上もしくは建物周囲のセンサ、またはIGU302上もしくはIGU302内に統合されたセンサから取得され得る。気象に関するいくつかの情報はまた、かかるセンサから取得され得る。追加的または代替的に、時刻、日付、太陽の方向、または気象等のパラメータは、ネットワーク310を経由して第三者アプリケーションを含む様々なアプリケーションによって提供され得るか、またはそれらによって提供された情報に基づいて決定され得る。色調値を生成するためのアルゴリズム、ルーチン、モジュール、または他の手段の追加の例は、2013年2月21日に出願され、CONTROL METHOD FOR TINTABLE WINDOWSと題された米国特許出願第13/772,969号(代理人整理番号VIEWP049)、および2015年5月7日に出願され、CONTROL METHOD FOR TINTABLE WINDOWSと題された、PCT特許出願第PCT/US15/029675号(代理人整理番号VIEWP049X1WO)に説明されており、これらの両方は、それらの全体の参照によって、かつあらゆる目的のために本明細書に組み込まれる。
【0143】
一般的に、各IGU302内の各ECDは、ECスタックにわたって印加される適切な駆動電圧に応答して、ECスタックの材料特性によって画定される連続色調スペクトル内の実質的に任意の色調の状態に色調付けされることができる。しかしながら、いくつかの実装において、MC400は、有限数の離散的な色調値から色調値を選択するようにプログラムされる。例えば、色調値は、整数値として指定され得る。いくつかのかかる実装において、利用可能な離散的な色調値の数は、4、8、16、32、64、128または256以上であり得る。例えば、2ビットの2進数は、4つの可能な整数の色調値のうちのいずれか1つを指定するために使用され得、3ビットの2進数は、8つの可能な整数の色調値のうちのいずれか1つを指定するために使用され、4ビットの2進数は、16の可能な整数の色調値のうちのいずれか1つを指定するために使用され、5ビットの2進数は、32の可能な整数の色調値のうちのいずれか1つを指定するために使用され得、以下同様である。各色調値は、目標色調レベルと関連付けられ得る(例えば、最大色調、最大安全色調、または最大の所望されるもしくは利用可能な色調)。教示的目的のために、MC400が4つの利用可能な値、0、5、10および15の中から選択する(4ビット以上の2進数を使用する)一例を考える。色調値0、5、10および15は、60%、40%、20%および4%、もしくは60%、30%、10%および1%の目標色調レベル、または別の望ましい、有利な、もしくは適切な一組の目標色調レベルとそれぞれ関連付けられ得る。
【0144】
ネットワークコントローラの例
図8は、いくつかの実装による、ネットワークコントローラ(NC)500の一例のブロック図を示す。例えば、
図8のNC500は、
図6のネットワークシステム300を参照して上に説明されたNC306を実装するために使用され得る。本明細書に使用される際、「NC500」の参照はまた、NC306を包含し、逆もまた同様であり、言い換えると、2つの参照は、互換的に使用され得る。NC500は、1つ以上のネットワーク構成要素、ネットワークデバイス、コンピュータ、コンピューティングデバイスもしくはコンピュータシステム(本明細書では、別途示されない限り、必要に応じて互換的に使用される)内またはそれらとして実装され得る。加えて、「NC500」の参照は、説明された機能、動作、プロセスまたは能力を実装するためのハードウェア、ファームウェアおよびソフトウェアの任意の適切な組み合わせを総称する。例えば、NC500は、ネットワークコントローラアプリケーション(本明細書では「プログラム」または「タスク」とも呼ばれる)を実装するコンピュータを意味し得る。
【0145】
図8に示されるように、NC500は、概して、1つ以上のプロセッサ502(以下、「プロセッサ502」とも総称される)を含む。いくつかの実装において、プロセッサ502は、マイクロコントローラとして、またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくはコンプレックスプログラマブル論理デバイス(CPLD)等の、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)もしくはプログラマブル論理デバイス(PLD)を含む1つ以上の論理デバイスとして実装され得る。PLDに実装される場合、プロセッサは、PLDに知的財産(IP)ブロックとしてプログラムされ得るか、または埋め込みプロセッサコアとしてPLDに恒久的に形成され得る。いくつかの他の実装において、プロセッサ502は、単一コアまたはマルチコアプロセッサ等の、中央処理装置(CPU)であり得るか、またはそれを含み得る。プロセッサ502は、一次メモリ504、二次メモリ506、下流ネットワークインターフェース508および上流ネットワークインターフェース510と連結される。いくつかの実装において、一次メモリ504は、例えば、システムオンチップ(SOC)パッケージとして、またはPLD自体の中の埋め込みメモリ内に、プロセッサ502と統合され得る。いくつかの他の実装において、NC500は、代替的または追加的に、例えば1つ以上のRAMデバイス等の1つ以上の高速メモリデバイスを含み得る。
【0146】
二次メモリ506は、1つ以上のルックアップテーブルまたは値の配列を記憶する1つ以上のソリッドステートドライブ(SSD)を含み得る。いくつかの実装において、二次メモリ506は、MC400から受信された第1のプロトコルID(例えば、BACnet ID)を、WC304のそれぞれ1つを各々識別する第2のプロトコルID(例えば、CAN ID)にマッピングする、およびその逆のルックアップテーブルを記憶し得る。いくつかの実装において、二次メモリ506は、追加的または代替的に、1つ以上の配列またはテーブルを記憶し得る。いくつかの実装において、かかる配列またはテーブルは、カンマ区切り値(CSV)ファイルとして、または別のテーブル構造ファイル形式を介して記憶され得る。例えば、ファイルの各行は、WC304とのトランザクションに対応するタイムスタンプによって識別され得る。各行は、WC304によって制御されるIGU302に対する色調値(C)(例えば、一次色調コマンドでMC400によって設定される)と、WC304によって制御されるIGU302に対する状態値(S)と、設定点電圧(例えば、有効印加電圧VEff)と、IGU302内のECDにわたって測定、検出、またはそうでなければ決定された実際の電圧レベルVActと、IGU302内のECDを通して測定、検出またはそうでなければ決定された実際の電流レベルIActと、様々なセンサデータと、を含み得る。いくつかの実装において、CSVファイルの各行は、NC500によって制御されるWC304の各々および全てのかかる状態情報を含み得る。かかる実装において、各行はまた、それぞれのWC304の各々と関連付けられたCAN IDまたは他のIDも含む。
【0147】
NC500がネットワークコントローラアプリケーションを実行するコンピュータ内に実装される、いくつかの実装において、二次メモリ506はまた、例えば、Linux(登録商標)カーネルに基づいてオペレーティングシステム等のマルチタスクオペレーティングシステムを実装するためのプロセッサ実行可能コード(または「プログラミング命令」)を記憶し得る。いくつかの他の実装において、オペレーティングシステムは、UNIX(登録商標)またはUnixライク基盤オペレーティングシステム、Microsoft Windows(登録商標)基盤オペレーティングシステム、または別の適切なオペレーティングシステムであってもよい。メモリ506はまた、上に説明されたネットワークコントローラアプリケーションを実装するためにプロセッサ502によって実行可能なコード、および他のアプリケーションまたはプログラムを実装するためのコードも記憶し得る。
【0148】
様々な実装において、下流ネットワークインターフェース508は、NC500が分散WC304と通信することを可能にし、いくつかの実装において、様々なセンサと通信することも可能にする。
図6のネットワークシステム300の文脈において、NC500は、NC306を実装することができ、下流ネットワークインターフェース508は、リンク314を経由してWC304との通信を可能にし得る。下流ネットワークインターフェース508は、1つ以上の有線ネットワークインターフェースまたは1つ以上の無線ネットワークインターフェース(1つ以上の無線送受信機を含む)を総称し得る。いくつかの実施形態において、下流インターフェース508は、CANBusインターフェースを含み得、これは、NC500が、CANBusプロトコルに従って(例えば、CANopen通信プロトコルを介して)、コマンド、要求または他の命令を様々なWC304に分散させること、およびWC304から状態情報を含む応答を受信することを可能にする。いくつかの実装において、単一のCANbusインターフェースは、NC500と数十、数百または数千のWC304との間の通信を可能にし得る。追加的または代替的に、下流インターフェース508は、1つ以上のユニバーサルシリアルバス(USB)インタフェース(または「ポート」)を含み得る。いくつかのかかる実装において、CANbus通信プロトコルを介した通信を可能にするために、USB対CANアダプタが、下流インターフェース508のUSBポートをCANbus互換ケーブルと連結するために使用され得る。いくつかのかかる実装において、NC500がさらに多くのWC304を制御することを可能にするために、USBハブ(例えば、2、3、4、5、10以上のハブポートを有する)が、下流インターフェース508のUSBポートに挿し込まれ得る。USB対CANアダプタは、その後、USBハブの各ハブポートに挿し込まれ得る。
【0149】
上流ネットワークインターフェース510は、NC500がMC400、およびいくつかの実装において、様々な他のコンピュータ、サーバ、またはデータベース(データベース320を含む)とも通信することを可能にする。上流ネットワークインターフェース510はまた、1つ以上の有線ネットワークインターフェースまたは1つ以上の無線ネットワークインターフェース(1つ以上の無線トランシーバを含む)を総称し得る。
図6のネットワークシステム300の文脈において、上流ネットワークインターフェース510は、リンク318を経由してMC308との通信を可能にし得る。いくつかの実装において、上流ネットワークインターフェース510はまた、外向きネットワーク310を経由して、第三者アプリケーションおよびクラウド基盤アプリケーションを含むアプリケーションと通信するようにも連結され得る。例えば、NC500が、コンピュータ内のタスクとして実行するネットワークコントローラアプリケーションとして実装される実装において、ネットワークコントローラアプリケーションは、オペレーティングシステムおよび上流ネットワークインターフェース510を介して外向きネットワーク310と直接通信し得る。いくつかの他の実装において、NC500は、MC308上で動作し、かつCANbusインターフェースを介してCANbusデバイスを管理する、タスクとして実装され得る。かかる実装において、MCへのTCP/IPまたはUDP/IP通信に加えて、またはそれに代えて、通信は、UNIXドメインソケット(UDS)もしくは共有メモリのような他の通信方法、または他の非IP通信方法を介し得る。
【0150】
いくつかの実装において、上流インターフェース510は、BACnet互換インターフェース、oBIX互換インターフェース、または別のRESTfulWebサービス基盤インターフェースを含み得る。
図7を参照して上に説明されたように、いくつかの実装において、NC500は、WC304から取得された状態データ、センサデータまたは他のデータを収集および記憶し、かつMC400がアクセス可能であるようにこの取得されたデータを公開する、BACnetサーバとして機能する。いくつかの実装において、NC500はまた、この取得されたデータを、ネットワーク310を経由して直接的に、つまり、最初にMC400にデータを渡すことなく、公開し得る。NC500はまた、いくつかの点でルータと同様に機能する。例えば、NC500は、CANBusゲートウェイに対してBACnetとして機能し得、BACnetプロトコルに従ってMC400から送信された通信を受信し、コマンドまたはメッセージをBACnetプロトコルからCANBusプロトコル(例えば、CANopen通信プロトコル)に変換し、コマンドまたは他の命令をCANBusプロトコルに従って様々なWC304に分散させる。
【0151】
BACnetは、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)上に構築される。いくつかの他の実装において、非ブロードキャスト基盤通信プロトコルが、MC400とNC500との間の通信に使用され得る。例えば、伝送制御プロトコル(TCP)は、UDPとは対照的にトランスポート層として機能し得る。いくつかのかかる実装において、MC400は、oBIX互換通信プロトコルを介してNC500と通信し得る。いくつかの他の実装において、MC400は、ウェブソケット互換通信プロトコルを介してNC500と通信し得る。かかるTCPプロトコルはまた、NC500が互いに直接通信することも可能にし得る。
【0152】
様々な実装において、NC500は、1つ以上の上流プロトコルと1つ以上の下流プロトコルとの間でプロトコル翻訳(または「変換」)を実施するように構成され得る。上に説明されたように、NC500は、BACnetからCANopen、およびその逆の翻訳を実施し得る。別の例として、NC500は、oBIXプロトコルを介してMC400から上流通信を受信し、通信を下流WC304への送信のためにCANopenまたは他のCAN互換プロトコルに翻訳し得、その逆も可能である。いくつかの無線実装において、NC500またはMC400はまた、例えば、IEEE802.11標準に基づくプロトコル(例えば、WiFi)、IEEE802.15.4標準に基づくプロトコル(例えば、ZigBee、6LoWPAN、ISA100.11a、WirelessHARTまたはMiWi)、Bluetooth標準に基づくプロトコル(クラシックBluetooth、高速Bluetoothおよび低電力Bluetoothプロトコルを含み、Bluetoothv4.0、v4.1およびv4.2バージョンを含む)、またはEnOcean標準(ISO/IEC14543-3-10)に基づくプロトコルを含む、様々な無線プロトコルも翻訳し得る。例えば、NC500は、oBIXプロトコルを介してMC400からの上流通信を受信し、通信を下流WC304への送信のためにWiFiまたは6LoWPANに翻訳し得、その逆も可能である。別の例として、NC500は、WiFiまたは6LoWPANを介してMC400から上流通信を受信し、通信を下流WC304への送信のためにCANopenに翻訳し得、その逆も可能である。いくつかの他の例において、NC500ではなくMC400が、下流WC304への送信のためのかかる翻訳を処理する。
【0153】
図7を参照して上に説明されたように、MC400が1つ以上のIGU302の色調を決定したとき、MC400は、目標IGU302を制御する1つ以上のそれぞれのWC304と関連付けられたNC500内のAVに特定の色調値を書き込み得る。いくつかの実装において、そのようにするために、MC400は、目標IGU302を制御するWC304と関連付けられたBACnet IDを含む一次色調コマンド通信を生成する。一次色調コマンドはまた、目標IGU302用の色調値も含み得る。MC400は、例えば、IPアドレスまたはMACアドレス等のネットワークアドレスを使用して、一次色調コマンドの送信をNC500に指示し得る。MC400から上流インターフェース510を通してかかる一次色調コマンドを受信することに応答して、NC500は、通信をアンパッケージし、一次色調コマンドのBACnet ID(または他の第1のプロトコルID)を1つ以上のCAN ID(または他の第2のプロトコルID)にマッピングし、一次色調コマンドからの色調値をCAN IDの各々と関連付けられたそれぞれのAVのうちの第1のAVに書き込み得る。
【0154】
いくつかの実装において、NC500は、その後、CAN IDによって識別されるWC304の各々に対する二次色調コマンドを生成する。各二次色調コマンドは、それぞれのCAN IDによってWC304のそれぞれ1つにアドレス指定され得る。各二次色調コマンドはまた、一次色調コマンドから抽出された色調値も含み得る。NC500は、第2の通信プロトコルを介して(例えば、CANOpenプロトコルを介して)下流インターフェース508を通して第2の色調コマンドを目標WC304に送信する。いくつかの実装において、WC304が、かかる二次色調コマンドを受信するとき、WC304は、WC304の状態を示す状態値をNC500に返信する。例えば、色調状態値は、WCが目標IGU302を色調付けるプロセスにあることを示す「色調状態」もしくは「遷移状態」、目標IGU302が目標色調状態であること、または遷移が終了していることを示す「有効」もしくは「完了」状態、またはエラーを示す「エラー状態」を表し得る。状態値がNC500内に記憶された後、NC500は、状態情報を公開し得、あるいはそうでなければMC400または様々な他の認証されたコンピュータもしくはアプリケーションにアクセス可能な状態情報を作成し得る。いくつかの他の実装において、MC400は、知能、スケジュール化ポリシー、またはユーザ上書きに基づいて、NC500から特定のWC304の状態情報を要求し得る。例えば、知能は、MC400内またはBMS内にあり得る。スケジュール化ポリシーは、MC400、ネットワークシステム300内の別の記憶位置、またはクラウド基盤システム内に記憶され得る。
【0155】
統合マスタコントローラおよびネットワークコントローラ
上に説明されたように、いくつかの実装において、MC400およびNC500は、それぞれ、マスタコントローラアプリケーションおよびネットワークコントローラアプリケーションとして実装され得、それぞれの物理コンピュータまたは他のハードウェアデバイス内で実行する。いくつかの代替的な実装において、マスタコントローラアプリケーションおよびネットワークコントローラアプリケーションの各々は、同一物理ハードウェア内に実装され得る。例えば、マスタコントローラアプリケーションおよびネットワークコントローラアプリケーションの各々は、例えば、Linux(登録商標)カーネルに基づくオペレーティングシステムまたは別の適切なオペレーティングシステム等のマルチタスクオペレーティングシステムを含む単一のコンピュータデバイス内で実行する別個のタスクとして実装され得る。
【0156】
いくつかのかかる統合された実装において、マスタコントローラアプリケーションおよびネットワークコントローラアプリケーションは、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)を介して通信し得る。いくつかの特定の実装において、マスタコントローラおよびネットワークコントローラアプリケーションは、ループバックインターフェースを経由して通信し得る。参考として、ループバックインターフェースは、オペレーティングシステムを通して実装される仮想ネットワークインターフェースであり、これは、同一デバイス内で実行するアプリケーション間の通信を可能にする。ループバックインターフェースは、通常、IPアドレス(しばしば、IPv4では127.0.0.0/8アドレスブロック、またはIPv6では0:0:0:0:0:0:0:1アドレス(これは::1としても表現される))によって識別される。例えば、マスタコントローラアプリケーションおよびネットワークコントローラアプリケーションは、互いに目標とされる通信をループバックインターフェースのIPアドレスに送信するように各々プログラムされ得る。この方式において、マスタコントローラアプリケーションがネットワークコントローラアプリケーションに通信を送信するとき、またはその逆のとき、通信は、コンピュータから離れる必要はない。
【0157】
MC400およびNC500がマスタコントローラおよびネットワークコントローラアプリケーションとしてそれぞれ実装される実装において、概して、2つのアプリケーション間の通信での使用に適切な利用可能なプロトコルを制限する制約は、存在しない。これは、マスタコントローラアプリケーションとネットワークコントローラアプリケーションとが同一または異なる物理コンピュータ内のタスクとして実行しているか否かにかかわらず、一般的に当てはまる。例えば、スイッチまたはルータ境界によって画定されるように1つのネットワークセグメントへの通信を制限する、BACnet等のブロードキャスト通信プロトコルを使用する必要はない。例えば、oBIX通信プロトコルは、MC400およびNC500との間の通信のためのいくつかの実装において使用され得る。
【0158】
ネットワークシステム300の文脈において、NC500の各々は、それぞれの物理コンピュータ内でタスクとして実行しているネットワークコントローラアプリケーションのインスタンスとして実装され得る。いくつかの実装において、ネットワークコントローラアプリケーションのインスタンスを実行するコンピュータのうちの少なくとも1つは、MCコントローラ400を実装するためにマスタコントローラアプリケーションのインスタンスも実行する。例えば、マスタコントローラアプリケーションの1つのインスタンスのみが、任意の所与のタイミングで、ネットワークシステム300内で有効に実行し得るが、ネットワークコントローラアプリケーションのインスタンスを実行するコンピュータのうちの2つ以上は、インストールされたマスタコントローラアプリケーションのインスタンスを有し得る。この方式において、冗長性が、マスタコントローラアプリケーションを現在実行しているコンピュータがもはやシステム300全体の単一の故障点にならないように、追加される。例えば、マスタコントローラアプリケーションを実行しているコンピュータが故障した場合、またはマスタコントローラアプリケーションのその特定のインスタンスが別途、機能を停止した場合、インストールされたマスタネットワークアプリケーションのインスタンスを有するコンピュータのうちの別の1つが、他の故障したインスタンスに代わるようにマスタコントローラアプリケーションを実行することを開始し得る。いくつかの他の用途において、マスタコントローラアプリケーションの1つよりも多いインスタンスが、同時に実行している場合がある。例えば、マスタコントローラアプリケーションの機能、プロセスまたは動作は、マスタコントローラアプリケーションのうちの2つ(またはそれよりも多い)のインスタンスに分散され得る。
【0159】
窓コントローラの例
窓コントローラの一例は、CONTROLLERS FOR OPTICALLY-SWITCHABLE DEVICESと題され、2016年10月26日に出願された、PCT特許出願第PCT/US16/58872号にさらに説明され、これは、その全体の参照によって本明細書に組み込まれる。光学的に切り換え可能なデバイスのためのコントローラはまた、CONTROLLERS FOR OPTICALLY-SWITCHABLE DEVICESと題され、2016年10月26日に出願された米国特許出願第15/334832号にも説明されており、これは、その全体の参照によって本明細書に組み込まれる。
【0160】
スマートネットワークコントローラ
いくつかの実装において、
図8を参照して説明されたNC500は、
図7のMC400の担当であるように上に説明される機能、プロセスまたは動作のうちのいくつかに代わり得る。追加的または代替的に、NC500は、MC400を参照して説明されていない追加の機能または能力を含み得る。
図9は、いくつかの実装による、ネットワークコントローラのモジュールの一例のブロック図を示す。例えば、
図9のモジュールは、ハードウェア、ファームウェアおよびソフトウェアの任意の適切な組み合わせでNC500内に実装され得る。NC500がコンピュータ内で実行するネットワークコントローラアプリケーションとして実装されるいくつかの実装において、
図1のモジュールの各々はまた、ネットワークコントローラアプリケーション内で実行するアプリケーション、タスクまたはサブタスクとしても実装され得る。
【0161】
いくつかの実装において、NC500は、それが制御するWCからの状態情報を定期的に要求する。例えば、NC500は、数秒毎、数十秒毎、毎分、数分毎または任意の望ましい期間後に、それが制御するWCの各々に状態要求を通信し得る。いくつかの実装において、各状態要求は、CAN IDまたはそれぞれのWCの他の識別情報を使用して、WCのそれぞれ1つに向けられる。いくつかの実装において、NC500は、各一巡の状態取得中に、それが制御するWCの全てを順番に通って進行する。言い換えると、NC500は、状態要求が各一巡の状態取得においてWCの各々に順番に送信されるように、NC500が制御するWCの全てを通ってループする。状態要求が所与のWCに送信された後、NC500は、その後、一巡の状態取得においてWCの次の1つに状態要求を送る前に、それぞれのWCから状態情報を受信することを待つ。
【0162】
いくつかの実装において、状態情報が、NC500が制御するWCの全てから受信された後、NC500は、その後、一巡の色調コマンド分散を実施する。例えば、いくつかの実装において、各一巡の状態取得の後に一巡の色調コマンド分散が続き、その後、次の一巡の状態取得および次の一巡の色調コマンド分散が続き、以下同様である。いくつかの実装において、各一巡の色調コマンド分散中、NC500は、NC500が制御するWCの各々に色調コマンドを送信するように進行する。いくつかのかかる実装において、NC500はまた、一巡の色調コマンド分散中、NC500が制御するWCの全てを順番に通って進行する。言い換えると、NC500は、色調コマンドが各一巡の色調コマンド分散においてWCの各々に順番に送信されるように、NC500が制御するWCの全てを通ってループする。
【0163】
いくつかの実装において、各状態要求は、どの状態情報がそれぞれのWCから要求されているかを示す命令を含む。いくつかの実装において、かかる要求の受信に応答して、それぞれのWCは、要求された状態情報をNC500に送信することによって応答する(例えば、上流の一組のケーブル内の通信ラインを介して)。いくつかの他の実装において、初期設定による各状態要求は、WCに、それが制御する一組のIGUに対する所定の一組の情報を送信させる。いずれにしても、各状態要求に応答してWCがNC500に通信する状態情報は、例えば、IGUが色調遷移を行っているか、または色調遷移が終了しているか否かを示す、IGUに対する色調状態値を含み得る。追加的または代替的に、色調状態値Sまたは別の値は、色調遷移の特定の段階(例えば、電圧制御プロファイルの特定の段階)を示し得る。いくつかの実施形態では、状態値Sまたは別の値はまた、WCがスリープモードにあるか否かも示し得る。状態要求に応答して通信される状態情報はまた、例えば、MC400またはNC500によって設定された、IGUに対する色調値(C)も含み得る。応答はまた、色調値(例えば、有効印加VEffの値)に基づいてWCによって設定された設定点電圧も含み得る。いくつかの実装において、応答はまた、IGU内のECDにわたって(例えば、増幅器およびフィードバック回路を介して)測定、検出、またはそうでなければ決定された、ほぼリアルタイムの実際の電圧レベルVActも含み得る。いくつかの実装において、応答はまた、IGU内のECDを介して(例えば、増幅器およびフィードバック回路を介して)測定、検出、またはそうでなければ決定された、ほぼリアルタイムの実際の電流レベルIActも含み得る。応答はまた、例えば、IGU上またはIGU内に統合された光センサまたは温度センサから収集された、様々なほぼリアルタイムのセンサデータも含み得る。
【0164】
CANOpen等のいくつかのプロトコルは、WCからNC500、およびその逆に送信されたデータの各フレームのサイズを制限する。いくつかの事例において、各状態要求の送信、およびかかる要求に応答する状態情報の受信は、実際には複数の双方向通信を含み、したがって複数のフレームを含む。例えば、上に説明された各状態要求は、上に説明された状態値の各々に対して別個の部分要求を含み得る。より具体的な例として、NC500から特定のWCへの各状態要求は、状態値Sを要求する第1の部分要求を含み得る。第1の部分要求に応答して、WCは、状態値Sを含む承認およびフレームをNC500に送信し得る。NC500は、その後、第2の部分要求を、色調値Cを要求するWCに送信し得る。第2の部分要求に応答して、WCは、承認、および色調値Cを含むフレームをNC500に送信し得る。VEff、VActおよびIActならびにセンサデータの値は、別個のそれぞれの部分要求および応答によって同様に取得され得る。
【0165】
いくつかの他の実装において、順番に基づいてWCの各々に状態要求をポーリングまたは送信するのではなく、NC500は、特定のWCに状態要求を非同期的に送信し得る。例えば、それは、WCの全てから定期的に状態情報(C、S、VEff、VActおよびIActを含む)を受信するために有用ではない場合がある。例えば、それは、色調コマンドを最近、受信もしくは実装したか、色調遷移を現在行っているか、色調遷移を最近終了したか、または状態情報が比較的長期間収集されていない、WCのうちの特定の1つのみからかかる情報を非同期に要求することが望ましい場合がある。
【0166】
いくつかの他の実装において、WCの各々に状態要求を個別的にポーリングまたは送信するのではなく、順番に基づくか、または非同期のいずれかにかかわらず、WCの各々は、その状態情報(C、S、VEff、VActおよびIAct)を定期的に一斉送信し得る。いくつかのかかる実装において、WCの各々は、状態情報を無線で一斉送信し得る。例えば、各WCは数秒、数十秒、数分または数十分毎に状態情報を一斉送信し得る。いくつかの実装において、WCは、大量の集合的帯域幅を占有することを避けるために、一定の時間にそれらのそれぞれの状態情報を一斉送信するように同期化され得る。加えて、一斉送信期間は、異なる一組(上に説明された区域等)のWCについて異なり、かつ、例えば、建物内のそれぞれのIGUの位置および太陽に対する位置に基づいて、またはIGUに隣接する部屋が占有されているか否かに基づいて、異なるタイミングであり得る。
【0167】
いくつかの他の実装において、WCの各々は、その状態情報を一定の条件に応答して、例えば、色調遷移を開始するとき、色調遷移を終了するとき、VActが閾値分変化するとき、IActが閾値分変化するとき、センサデータ(例えば、光度または温度)が閾値分変化するとき、着座センサが、隣接する部屋が占有されていることを示すとき、またはスリープモードに入るかもしくはスリープモードから復帰するとき、一斉送信し得る。NC500は、かかる一斉送信された状態情報を待ち、それを受け入れたときに、状態情報を記録し得る。有利には、一斉送信を行う実装において、一組のWCから状態情報を受信するために必要とされる時間は、状態情報をWCから要求する必要がなく、したがって各WCと関連付けられた往復遅延がないため、約半分に短縮される。代わりに、各WCからNC500に状態情報を送信するために必要な時間と関連付けられた一方向の待機時間のみが存在する。
【0168】
いくつかの他の実装において、電源投入時またはその後に、WCの各々は、デバイスパラメータ、駆動パラメータおよびライトIDまたは接続されたIGUに対する他のECD IDを読み取るように構成され得る。WCは、その後、それらのCAN ID、ならびにライトIDおよび関連付けられたデバイスおよび駆動パラメータを一斉送信する。つまり、いくつかの実装において、かかる一斉送信は、NCまたは他のコントローラによる、かかるデータに対するいかなる要求もなく、またはそれらに関係なく、WC内の1つ以上のプロセッサによって開始される。IDおよびパラメータが一斉送信されたとき、NC500は、IDおよびパラメータを受信および処理し得る。いくつかの実装において、WCによって一斉送信されたメッセージからのライトIDおよびパラメータは、その後、NCからMCに通信され、MCは、例えば、既知のCAN IDのリストを含むテーブルにそれらを記憶する。例えば、テーブルの各行は、CAN ID、CAN IDと関連付けられたWC位置ID、接続されたライトID、ライトIDに関連付けられたそれぞれの窓の位置、ならびにそれぞれのECDに対するデバイスおよび駆動パラメータを含み得る。いくつかの実装において、MCは、MCが故障した場合でさえ、別のMCがインスタンス化され、かつクラウド内のテーブルにアクセスし得るように、クラウド基盤データベースシステム内のテーブルを記憶し得る。
【0169】
いくつかの事例において、試運転中、現場サービス技術者は、2つ以上の隣接窓の色調の知覚された差異に基づいて、アドホックなライト間マッチングを実施することを介在および試行し得る。かかる場合において、技術者は、1つ以上のECDの駆動パラメータが修正されるべきであることを決定し得、これらの修正が、その後、実装される。いくつかの実装において、WCは、修正されたパラメータを対応するNCに一斉送信するように構成され、NCから、パラメータがMCに通信され得る。WCが、その後、故障またはエラーを経験する状況において、NCまたはMCは、例えば、WCがWCのCAN IDおよび/またはWC位置ID等のデータを定期的に一斉送信するように構成されている状況で、もはや一斉送信がないため、WCが故障したことを決定し得る。故障したWCが新しいWCと交換され、その後、電源投入されたとき、新しいWCは、対応するライトIDを読み取り、上に説明されたように、新しいWCのCAN IDおよび接続されたライトIDを一斉送信することになる。NCまたはMCが、この情報を受信したとき、NCまたはMCは、ライトIDを使用してテーブルルックアップを実施することによって、データベーステーブルから故障したWCの修正された駆動パラメータを検索するように構成され得る。かかる事例において、NCまたはMCはまた、新しいCANIDをWC位置IDおよび関連付けられたライトIDに割り当てることによってテーブルを自動的に更新するようにも構成される。NCまたはMCは、その後、修正された駆動パラメータを新しいWCに自動的に通信することになる。この方式において、試運転中に修正されたその駆動パラメータを有したECDは、それぞれのWCが交換されたときでさえ、修正された駆動パラメータによって依然として駆動され得る。駆動パラメータを自動的に修正、更新、および適用するための他の技術は、METHOD OF COMMISSIONING ELECTROCHROMIC WINDOWSと題され、Shrivastavaらによって、2017年3月3日に出願された、PCT特許出願第PCT/US17/20805号(代理人整理番号VIEWP008X2WO)にさらに説明されるように、いくつかの実装において実施され得、この特許出願は、その全体の参照によって、かつあらゆる目的のために本明細書に組み込まれる。
【0170】
いくつかのかかる実装において、順番に基づいてWCの各々に色調コマンドを送信するのではなく、NC500は、有線または無線接続のいずれかを通して特定のWCに色調コマンドを非同期に送信し得る。例えば、それは、定期的にWCの全てに色調コマンドを送信するために有用ではない場合がある。例えば、それは、状態情報がちょうど(または最近)受信されたか、または色調コマンドが比較的長期間送信されていない、異なる色調状態に遷移される、WCのうちの特定の1つのみに色調コマンドを非同期に送信するために望ましい場合がある。
【0171】
データロガー
いくつかの実装において、NC500はまた、NC500によって制御されたIGUと関連付けられたデータを記録するためのデータロギングモジュール(または「データロガー」)802も含み得る。いくつかの実装において、データロガー802は、状態要求に対する応答の一部または全部の各々内に含まれた状態情報を記録する。上に説明されたように、各状態要求に応答してWCがNC500に通信する状態情報は、IGUに対する色調状態値(S)、色調遷移の特定の段階(例えば、電圧制御プロファイルの特定の段階)を示す値、WCがスリープモードであるか否かを示す値、色調値(C)、色調値に基づいてWCによって設定された設定点電圧(例えば、有効印加VEffの値)、IGU内のECDにわたって測定、検出またはそうでなければ決定された実際の電圧レベルVAct、IGU内のECDを通して測定、検出またはそうでなければ決定されたIAct、および、例えば、IGU上またはIGU内に統合された光センサまたは温度センサから収集された、様々なセンサデータを含み得る。いくつかの他の実装において、NC500は、RabbitMC、ActiveMQまたはKafkaのようなメッセージ照会内の状態情報を収集および照会し得、本明細書にさらに説明されるように、データ整理/圧縮、イベント検出等の後続処理のためのMCに状態情報をストリーミングし得る。
【0172】
いくつかの実装形態において、NC500内のデータロガー802は、カンマ区切り値(CSV)ファイル等のログファイルの形態で、または別のテーブル構造ファイル形式を介して、WCから受信された様々な情報を収集および記憶する。例えば、CAVファイルの各行は、それぞれの状態要求と関連付けられ得、C、S、VEff、VActおよびIActの値、ならびに状態要求に応答して受信されたセンサデータ(または他のデータ)を含み得る。いくつかの実装において、各行は、それぞれの状態要求に対応するタイムスタンプによって識別される(例えば、状態要求がNC500によって送信されたとき、データがWCによって収集されたとき、データを含む応答がWCによって送信されたとき、または応答がNC500によって受信されたとき)。いくつかの実装において、各行はまた、それぞれのWCと関連付けられたCAN IDまたは他のIDも含む。
【0173】
いくつかの他の実装において、CSVファイルの各行は、NC500によって制御されたWCの全てに対して要求されたデータを含み得る。上に説明されたように、NC500は、各一巡の状態要求中、それが制御するWCの全てを順番に通ってループし得る。いくつかのかかる実装において、CSVファイルの各行は、タイムスタンプ(たとえば、第1列で)によって依然として識別されるが、タイムスタンプは、各個々の要求ではなく、各一巡の状態要求の開始と関連付けられ得る。1つの特定の例において、列2~6は、NC500によって制御されるWCのうちの第1のWCに対する値C、S、VEff、VActおよびIActをそれぞれ含み得、列7~11は、WCのうちの第2のWCに対する値C、S、VEff、VAct、およびIActをそれぞれ含み得、列12~16は、WCのうちの第3のWCに対する値C、S、VEff、VActおよびIActを含み得、以下、NC500によって制御されたWCの全てを通して同様である。CSVファイルの後続行は、次の一巡の状態要求に対する、それぞれの値を含み得る。いくつかの実装において、各行はまた、各WCによって制御されたそれぞれのIGUと統合された光センサ、温度センサまたは他のセンサから取得されたセンサデータも含み得る。例えば、かかるセンサデータ値は、WCのうちの第1のWCに対するC、S、VEff、VActおよびIActの値の間のそれぞれの列内であるが、行内のWCのうちの次のWCに対するC、S、VEff、VActおよびIActの値の前に入力され得る。追加的または代替的に、各行は、例えば、建物の1つ以上の前面上または屋上に位置付けられた、1つ以上の外部センサからのセンサデータ値を含み得る。いくつかのかかる実装において、NC500は、各一巡の状態要求の終了時に、外部センサに状態要求を送信し得る。
【0174】
コンパクト状態
上に説明されたように、CANopen等のいくつかのプロトコルは、WCからNC500、およびその逆に送信される各フレームのサイズを制限する。いくつかの事例において、各状態要求の送信、およびかかる要求に応答する状態情報の受信は、実際には、複数の双方向通信およびフレームを含む。例えば、上に説明された各状態要求は、上に説明された状態値の各々に対して別個の部分要求を含み得る。いくつかの実装において、要求された値C、S、VEff、VActおよびIActのうちの2つ以上の各々は、単一の応答である、コンパクト状態応答内で共に送信され得る。例えば、いくつかの実装において、C、S、VEff、VActおよびIActのうちの2つ以上の値は、1つのフレームに収まるようにフォーマットされる。例えば、CANopenプロトコルは、各フレーム内で送信され得るデータペイロードのサイズを8バイトに制限する(各バイトは、8ビットを含む)。また、CANopenのサービスデータオブジェクト(SDO)サブプロトコルが使用される実装において、CANopenフレームのデータペイロード部分の最大サイズは、4バイト(32ビット)である。いくつかの実装において、値VEff、VActおよびIActの各々のサイズは、10ビットである。したがって、VEff、VActおよびIActの値の各々は、単一のSDOフレーム内にパッケージ化され得る。これは、2ビットの余りを残す。いくつかの実装において、CおよびSの値の各々は、1つのそれぞれの1つのビットによって指定され得る。かかる場合において、C、S、VEff、VActおよびIActのうちの値の全ては、32ビットのみを使用して指定され、したがって、1つのSDO CANopenフレーム内にパッケージ化され得る。
【0175】
いくつかの実装において、追加の時間節約が、一斉送信状態要求を使用して達成され得る。例えば、個々の(または「ユニキャスト」ベースの)WCの各々に状態要求を送信するのではなく、NC500は、それが制御するWCの全てに単一の状態要求を一斉送信し得る。上に説明されたように、状態要求の受信に応答して、各WCは、1つ以上のコンパクト状態応答内の値C、S、VEff、VActおよびIAct等の状態情報を通信することによって応答するようにプログラムされ得る。
【0176】
プロトコル変換モジュール
上に記載されたように、NC500のうちの1つの機能は、例えば、WCとMC400との間、またはWCと外向きネットワーク310との間の情報の分散を可能にするために、様々な上流および下流プロトコル間で翻訳することにあり得る。いくつかの実装において、プロトコル変換モジュール804が、かかる翻訳または変換サービスを担当する。様々な実装において、プロトコル変換モジュール904は、いくつかの上流プロトコルのうちのいずれかと、いくつかの下流プロトコルのうちのいずれかとの間の翻訳を実施するようにプログラムされ得る。上に説明されたように、かかる上流プロトコルは、BACnet等のUDPプロトコル、oBix等のTCPプロトコル、これらのプロトコル上に構築された他のプロトコル、および様々な無線プロトコルを含み得る。下流プロトコルは、例えば、CANopen、他のCAN互換プロトコル、および、例えば、IEEE802.11標準に基づくプロトコル(例えば、WiFi)、IEEE802.15.4標準に基づくプロトコル(例えば、ZigBee、6LoWPAN、ISA100.11a、WirelessHARTまたはMiWi)、Bluetooth標準に基づくプロトコル(クラシックBluetooth、高速Bluetoothおよび低電力Bluetoothプロトコルを含み、Bluetoothv4.0、v4.1およびv4.2バージョンを含む)、またはEnOcean標準(ISO/IEC14543-3-10)に基づくプロトコルを含む、様々な無線プロトコルを含み得る。
【0177】
統合された分析
いくつかの実装において、NC500は、データロガー802によってロギングされた情報(例えば、CSVファイルとして)を定期的、例えば24時間毎に、MC400にアップロードする。例えば、NC500は、イーサネットデータリンク316を介してファイル転送プロトコル(FTP)または別の適切なプロトコルを介してCSVファイルをMC400に送信し得る。いくつかのかかる実装において、状態情報は、その後、データベース320内に格納され得るか、または外向きネットワーク310を経由してアプリケーションにアクセス可能にされ得る。
【0178】
いくつかの実装において、NC500はまた、データロガー802によってロギングされた情報を分析する機能を含み得る。例えば、分析モジュール906は、リアルタイムでデータロガー802によってロギングされた生の情報を受信および分析し得る。様々な実装において、分析モジュール806は、データロガー802からの生の情報に基づいて決定を行うようにプログラムされ得る。いくつかの他の実装において、分析モジュール806は、データベース320と通信して、状態情報がデータベース320内に記憶された後にデータロガー802によってロギングされた状態情報を分析し得る。例えば、分析モジュール806は、VEff、VActおよびIAct等の電気的特性の生の値を、予測された値または値の予測された範囲と比較し、比較に基づいて特別な条件をフラグ付けし得る。例えば、かかるフラグ付けされた条件は、短絡、エラー、またはECDに対する損傷等の故障を示す電力スパイクを含み得る。いくつかの実装において、分析モジュール806は、かかるデータを色調決定モジュール810または電力管理モジュール812に通信する。
【0179】
いくつかの実装において、分析モジュール806はまた、データロガー802から受信した生データをフィルタリングして、データベース320内に情報をより知的にまたは効率的に記憶し得る。例えば、分析モジュール806は、「関心のある」情報のみをデータベースマネージャ808に渡してデータベース320内に記憶するようにプログラムされ得る。例えば、関心のある情報は、異常値、予測された値から逸脱した値(経験的な値または履歴値に基づく等)、または遷移が発生している特定の期間に対する値を含み得る。どのように生データがフィルタリング、構文解析、一時的に保存、かつデータベース内に長期的に効率的に記憶されうるかのより詳細な例は、2015年5月7日に出願され、CONTROL METHOD FOR TINTABLE WINDOWSと題された、PCT特許出願第PCT/US15/029675号(代理人整理番号VIEWP049X1WO)に説明され、これは、その全体の参照によって、かつあらゆる目的のために本明細書に組み込まれる。
【0180】
データベースマネージャ
いくつかの実装において、NC500は、データロガー804によってロギングされた情報を定期的、例えば、1時間毎、数時間毎または24時間毎にデータベースに記憶するように構成されたデータベースマネージャモジュール(または「データベースマネージャ」)808を含む。いくつかの実装において、データベースは、上に説明されたデータベース320等の外部データベースであり得る。いくつかの他の実装において、データベースは、NC500の内部にあり得る。例えば、データベースは、NC500の二次メモリ506内またはNC500内の別の長期メモリ内のグラファイトデータベース等の時系列データベースとして実装され得る。実装のいくつかの例において、データベースマネージャ808は、NC500のマルチタスクオペレーティングシステム内のバックグラウンドプロセス、タスク、サブタスク、またはアプリケーションとして実行するグラファイトデーモンとして実装され得る。時系列データベースは、時系列データベースが経時的に分析されたデータに対してより効率的であるため、SQL等の関係データベースに対して有利であり得る。
【0181】
いくつかの実装において、データベース320は、2つ以上のデータベースを総称し得、これらの各々は、ネットワークシステム300内のNC500の一部または全部によって取得された情報の一部または全部を記憶し得る。例えば、冗長性の目的のために複数のデータベース内に情報のコピーを記憶することが望ましい場合がある。いくつかの実装において、データベース320は、多数のデータベースを総称し得、これらの各々は、それぞれのNC500の内部である(グラファイトまたは他の時系列データベース等)。また、第三者アプリケーションを含むアプリケーションからの情報に対する要求が、データベース間で分散され、より効率的に処理され得るように、複数のデータベース内に情報のコピーを記憶することが望ましい場合もある。いくつかのかかる実装において、データベースは、整合性を維持するために、定期的にまたは別様に同期され得る。
【0182】
いくつかの実装において、データベースマネージャ808はまた、分析モジュール806から受信されたデータをフィルタリングして、内部または外部のデータベース内に情報をより知的にまたは効率的に記憶し得る。例えば、データベースマネージャ808は、追加的または代替的に、「関心のある」情報のみをデータベースに記憶するようにプログラムされ得る。再度、関心のある情報は、異常値、予測された値から別様に逸脱した値(経験的な値または履歴値に基づく等)、または遷移が発生している特定の期間に対する値を含み得る。どのように生データがフィルタリング、構文解析、一時的に保存、かつデータベース内に長期的に効率的に記憶され得るかのより詳細な例は、2015年5月7日に出願され、CONTROL METHOD FOR TINTABLE WINDOWSと題された、PCT特許出願第PCT/US15/029675号(代理人整理番号VIEWP049X1WO)に説明され、これは、その全体の参照によって、かつあらゆる目的のために本明細書に組み込まれる。
【0183】
色調の決定
いくつかの実装において、WC、NC500またはMC400は、IGUに対する色調値を計算、決定、選択するまたはそうでなければ生成するための知能を含む。例えば、
図7のMC400を参照して上に説明されたものと同様に、色調決定モジュール810は、様々なアルゴリズム、タスク、またはサブタスクを実行して、パラメータの組み合わせに基づいて色調値を生成し得る。パラメータの組み合わせは、例えば、データロガー802によって収集および記憶された状態情報を含み得る。パラメータの組み合わせはまた、時刻、日付、または季節の時期等の時間またはカレンダー情報も含み得る。追加的または代替的に、パラメータの組み合わせは、例えば、IGUに対する太陽の方向等の太陽暦情報を含み得る。パラメータの組み合わせはまた、外部温度(建物の外部)、内部温度(目標IGUに隣接する室内)、またはIGUの内部容積内の温度も含み得る。パラメータの組み合わせはまた、気象に関する情報(例えば、快晴、晴れ、一面曇り、曇り、雨または雪であるかどうか)も含み得る。時刻、日付、または太陽の方向等のパラメータは、NC500にプログラムされ、かつNC500によってトラッキングされ得る。外部温度、内部温度またはIGU温度等のパラメータは、建物内、建物上もしくは建物周囲のセンサ、またはIGU上もしくはIGU内に統合されたセンサから取得され得る。いくつかの実装において、様々なパラメータは、APIを介してNC500と通信し得る第三者アプリケーションを含む様々なアプリケーションによって生成され得るか、それらによって生成された情報に基づいて決定され得る。例えば、ネットワークコントローラアプリケーション、またはそれが動作するオペレーティングシステムは、APIを提供するようにプログラムされ得る。
【0184】
いくつかの実装において、色調決定モジュール810はまた、様々なモバイルデバイスアプリケーション、壁デバイスまたは他のデバイスを介して受信されたユーザ上書きに基づいて色調値も決定し得る。いくつかの実装において、色調決定モジュール810はまた、第三者アプリケーションおよびクラウド基盤アプリケーションを含む、様々なアプリケーションで受信されたコマンドまたは命令に基づいて、色調値を決定し得る。例えば、かかる第三者アプリケーションは、サーモスタットサービス、アラートサービス(例えば、火災検出)、セキュリティサービスまたは他の機器自動化サービスを含む様々な監視サービスを含み得る。監視サービスおよびシステムの追加の例は、2015年3月5日に出願され、MONITORING SITES CONTAINING SWITCHABLE OPTICAL DEVICES AND CONTROLLERSと題された、PCT/US2015/019031(代理人整理番号VIEWP061WO)に見出され得る。かかるアプリケーションは、1つ以上のAPIを介してNC500内の色調決定モジュール810および他のモジュールと通信し得る。NC500が可能にし得るAPIのいくつかの例は、2015年12月8日に出願され、MULTIPLE INTERFACING SYSTEMS AT A SITEと題された、PCT特許出願第PCT/US15/64555号(代理人整理番号VIEWP073WO))に説明される。
【0185】
電力管理
上に説明されたように、分析モジュール806は、VEff、VActおよびIActの値、ならびにリアルタイムに取得されたか、またはデータベース320内に以前に記憶されたかのいずれかのセンサデータを、予測された値または値の予測された範囲と比較し、比較に基づいて特別な条件をフラグ付けし得る。分析モジュール806は、かかるフラグ付けされたデータ、フラグ付けされた条件または関連情報を電力管理812に渡し得る。例えば、かかるフラグ付けされた条件は、短絡、エラー、またはECDに対する損傷を示す電力スパイクを含み得る。電力管理モジュール812は、その後、フラグ付けされたデータまたは条件に基づいて動作を修正し得る。例えば、電力管理モジュール812は、電力需要が降下するか、故障したWCへのコマンドを停止するか(それらを停止状態にする)、WCへのコマンドをスタガリングすることを開始するか、ピーク電力を管理するか、またはヘルプ信号を発するまで、色調コマンドを遅延させ得る。
【0186】
結論
1つ以上の態様において、本明細書に説明された機能のうちの1つ以上は、本明細書に開示された構造およびその構造等価物を含む、ハードウェア、デジタル電子回路、アナログ電子回路、コンピュータソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせに実装され得る。本明細書に説明された主題の一定の実装はまた、1つ以上のコントローラ、コンピュータプログラム、または物理的構造、例えば、窓コントローラ、ネットワークコントローラ、および/またはアンテナコントローラの動作による実行のための、またはそれらを制御するように、コンピュータ記憶媒体上にエンコードされた、コンピュータプログラム命令の1つ以上のモジュールとして実装され得る。エレクトロクロミック窓として、またはそのために提示された任意の開示された実装は、より一般的には、切り換え可能な光学デバイス(窓、鏡等を含む)として、またはそのために実装され得る。
【0187】
本開示に説明された実施形態に対する様々な修正は、当業者にとって容易に明らかであり得、本明細書に定義された一般的な原理は、本開示の概念または範囲から逸脱することなく他の実装に適用され得る。したがって、特許請求の範囲は、本明細書に示される実装に限定されることを意図するものではないが、本明細書に開示された、本開示、原理および新規な特徴と矛盾しない最も広い範囲を与えられるべきである。加えて、当業者は、「上方」および「下方」という用語が、図の説明の容易さのために使用される場合があり、適切に配向されたページ上の図の配向に対応する相対位置を示し、かつ実装される際のデバイスの適切な配向を反映していない場合があることを容易に認めるであろう。
【0188】
別個の実装の文脈で本明細書に説明される一定の特徴はまた、単一の実装の組み合わせでも実装され得る。反対に、単一の実装の文脈で説明される様々な特徴はまた、別々に複数の実装で、または任意の適切な部分的組み合せでも実装され得る。さらに、特徴は、一定の組み合わせで作用するものとして上に説明されており、最初にそのように主張されていても、主張された組み合わせからの1つ以上の特徴は、いくつかの場合において組み合わせから切り取られてもよく、主張された組み合わせは、部分的組み合わせまたは部分的組み合わせの変形を対象とする場合がある。
【0189】
同様に、動作が特定の順序で図面に図示されているが、これは、動作が、望ましい結果を達成するために、示された特定の順序もしくは順番に実施される必要があること、または全ての例示された動作が実施されることを必ずしも意味するものではない。さらに、図面は、フロー図の形態でもう1つのプロセスの例を概略的に図示し得る。しかしながら、図示されていない他の動作が、概略的に例示されているプロセスの例に組み込まれてもよい。例えば、1つ以上の追加の動作が、例示された動作のいずれかの前、後、同時、または間に実施されてもよい。一定の状況において、マルチタスクおよび並列処理が、有利であり得る。さらに、上に説明された実装の様々なシステム構成要素の分離は、全ての実装でかかる分離を必要とするように理解されるべきではなく、説明されたプログラム構成要素およびシステムが、概して、単一のソフトウェア製品内に共に統合されてもよく、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化されてもよいことが理解されるべきである。加えて、他の実装は、以下の特許請求の範囲の範囲内にある。いくつかの場合において、特許請求の範囲に記載された動作は、異なる順序で実施されてもよく、依然として望ましい結果を達成し得る。
【0190】
一定の文書が、参照によって本明細書に組み込まれる。かかる文書になされた否認または拒否が、必ずしも本実施形態に当てはまるとは限らないことが理解されるべきである。同様に、かかる文書で必須として説明される特徴は、本実施形態で使用されてもよく、使用されなくてもよい。
(項目1)
光学的に切り換え可能なデバイスの光学状態を制御する方法であって、
(a)上記光学的に切り換え可能なデバイスの上記光学状態を所望される光学状態に変更するための情報を伝える音声コマンドまたはジェスチャコマンドをユーザから受信することと、
(b)音声認識またはジェスチャ認識を使用して、上記音声コマンドまたは上記ジェスチャコマンドを、それぞれ、テキストコマンドに変換することと、
(c)(b)からの上記テキストコマンドを分析して、(a)の上記ユーザからの上記音声コマンドまたは上記ジェスチャコマンドを解釈することと、
(d)上記テキストコマンドを実行して、上記光学的に切り換え可能なデバイスを上記所望される光学状態に遷移させることと、を含む、方法。
(項目2)
(e)(a)で作成された上記音声コマンドまたは上記ジェスチャコマンドが起こっているか否かを示す、上記ユーザに対する応答を生成することをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
(f)上記ユーザが、(a)で受信された上記音声コマンドまたは上記ジェスチャコマンドを実行するように認証されているか否かを確認することをさらに含む、項目1または2に記載の方法。
(項目4)
上記方法は、光学的に切り換え可能なデバイスのネットワーク上で実装され、上記方法は、上記ネットワーク上の複数の光学的に切り換え可能なデバイスの上記光学状態を制御するように実装されている、項目1~3のいずれか1項に記載の方法。
(項目5)
(a)の上記ユーザからの上記音声コマンドまたは上記ジェスチャコマンドは、上記光学的に切り換え可能なデバイスの起動時の光学状態に対する相対的な比較に基づいて上記所望される光学状態を記述する、項目1~4のいずれか1項に記載の方法。
(項目6)
(a)の上記ユーザからの上記音声コマンドまたは上記ジェスチャコマンドは、上記光学的に切り換え可能なデバイスが、より暗く、またはより明るくなるべきであることを示す、項目5に記載の方法。
(項目7)
(a)の上記ユーザからの上記音声コマンドまたは上記ジェスチャコマンドは、上記光学的に切り換え可能なデバイスが、より不透明に、またはより透明になるべきであることを示す、項目5に記載の方法。
(項目8)
(a)の上記ユーザからの上記音声コマンドまたは上記ジェスチャコマンドは、上記光学的に切り換え可能なデバイスが、より高反射に、またはより低反射になるべきであることを示す、項目5に記載の方法。
(項目9)
(a)の上記ユーザからの上記音声コマンドまたは上記ジェスチャコマンドは、段階的変更が、上記光学的に切り換え可能なデバイスの上記光学状態になされるべきであることを示す、項目1~8のいずれか1項に記載の方法。
(項目10)
(a)の上記ユーザからの上記音声コマンドまたは上記ジェスチャコマンドは、上記光学的に切り換え可能なデバイスの起動時の光学状態を参照せずに、上記光学的に切り換え可能なデバイスの別個の光学状態として上記所望される光学状態を記述する、項目1~4のいずれか1項に記載の方法。
(項目11)
(a)の上記ユーザからの上記音声コマンドまたは上記ジェスチャコマンドは、1つ以上の規則に従って上記所望される光学状態に切り換えるように上記光学的に切り換え可能なデバイスに命令する音声コマンドである、項目1~10のいずれか1項に記載の方法。
(項目12)
上記規則は、スケジュールに関するものであり、上記音声コマンドは、スケジュールされた時間に上記所望される光学状態に切り換えるように上記光学的に切り換え可能なデバイスに命令する、項目11に記載の方法。
(項目13)
上記規則は、気象に関するものであり、上記音声コマンドは、特定の気象条件が起こった場合に上記所望される光学状態に切り換えるように上記光学的に切り換え可能なデバイスに命令する、項目11に記載の方法。
(項目14)
上記光学的に切り換え可能なデバイスは、建物内に設置され、上記規則は、上記建物内の環境条件に関するものであり、上記音声コマンドは、上記建物内の内部条件が起こった場合に上記所望される光学状態に切り換えるように上記光学的に切り換え可能なデバイスに命令する、項目11に記載の方法。
(項目15)
上記建物内の上記内部条件は、上記建物内の温度に関するものである、項目14に記載の方法。
(項目16)
(a)~(d)の各々は、上記光学的に切り換え可能なデバイスが設置されている建物内に設置された1つ以上のコントローラ上で局所的に行われる、項目1~15のいずれか1項に記載の方法。
(項目17)
(a)~(d)の各々は、上記光学的に切り換え可能なデバイスに内蔵して設置された1つ以上のコントローラ上で局所的に行われる、項目16に記載の方法。
(項目18)
(c)は、上記光学的に切り換え可能なデバイスが設置されている建物から遠隔に位置するプロセッサ上で行われる、項目1~15のいずれか1項に記載の方法。
(項目19)
(a)の上記ユーザからの上記音声コマンドまたは上記ジェスチャコマンドは、ジェスチャコマンドを含む、項目1~10または16~18のいずれか1項に記載の方法。
(項目20)
上記ユーザは、上記光学的に切り換え可能なデバイスを指し示すことによってそれを識別する、項目19に記載の方法。
(項目21)
上記方法は、上記ジェスチャコマンドおよび上記音声コマンドの両方を解釈することを含み、上記ジェスチャコマンドは、上記ユーザが制御することを所望する光学的に切り換え可能なデバイスがどれかを識別し、上記音声コマンドは、上記光学的に切り換え可能なデバイスの上記所望される光学状態を示す、項目1~20のいずれか1項に記載の方法。
(項目22)
(b)は、上記音声コマンドまたは上記ジェスチャコマンドを上記テキストコマンドに変換するために2つ以上の辞書を使用することを含み、第1の辞書が、上記音声コマンドまたは上記ジェスチャコマンドの第1の部分を変換するときに使用され、第2の辞書が、上記音声コマンドまたは上記ジェスチャコマンドの第2の部分を変換するときに使用される、項目1~21のいずれか1項に記載の方法。
(項目23)
(c)は、上記テキストコマンドを分析するために2つ以上の辞書を使用することを含み、第3の辞書が、上記テキストコマンドの第1の部分を分析するときに使用され、第4の辞書が、上記テキストコマンドの第2の部分を分析するときに使用される、項目1~22のいずれか1項に記載の方法。
(項目24)
ユーザからの音声コマンドまたはジェスチャコマンドに応答して光学的に切り換え可能なデバイスの光学状態を制御するためのシステムであって、
(a)マイク、ビデオカメラ、およびモーションセンサからなる群から選択される少なくとも1つの要素と、
(b)上記光学的に切り換え可能なデバイスと通信可能に連結され、かつ上記光学的に切り換え可能なデバイスの上記光学状態を制御するように構成されたコントローラと、
(c)(i)上記音声コマンドをテキストコマンドに変換するように構成された音声認識モジュール、または(ii)上記ジェスチャコマンドを上記テキストコマンドに変換するように構成されたジェスチャ認識モジュールのいずれかであって、
上記音声コマンドが、上記マイクによって知覚され、ならびに/または上記ジェスチャコマンドが、上記ビデオカメラおよび/もしくは上記モーションセンサによって知覚される、音声認識モジュールまたはジェスチャ認識モジュールのいずれかと、
(d)上記音声認識モジュールまたは上記ジェスチャ認識モジュールによって生成された上記テキストコマンドを解釈するように構成されたコマンド処理モジュールと、
(e)上記コマンド処理モジュールからの上記解釈されたテキストコマンドを実行するように構成されたコマンド実行モジュールと、を備える、システム。
(項目25)
(f)上記ユーザに対する応答を生成するように構成された応答生成モジュールと、
(g)上記ユーザに対する上記応答を通信するように構成された応答通信モジュールと、をさらに備え、上記応答は、上記ユーザに視覚的および/または聴覚的に通信される、項目24に記載のシステム。
(項目26)
(h)上記ユーザが、上記ユーザからの上記音声コマンドまたは上記ジェスチャコマンドで要求されたように上記光学的に切り換え可能なデバイスを制御するように認証されているか否かを確認するように構成された認証モジュールをさらに備える、項目24または25に記載のシステム。
(項目27)
上記認証モジュールは、特定の期間にわたって上記ユーザを認証するように構成され、かつ上記特定の期間が経過した後に追加の認証を要求するように構成されている、項目26に記載のシステム。
(項目28)
上記認証モジュールは、上記ユーザにパスコードを用いてログインすることを要求することによって上記ユーザが認証されているか否かを確認する、項目26または27に記載のシステム。
(項目29)
上記認証モジュールは、上記ユーザを識別するために顔認識を使用することによって上記ユーザが認証されているか否かを確認する、項目26または27に記載のシステム。
(項目30)
上記認証モジュールは、上記ユーザを識別するために音声認識を使用することによって上記ユーザが認証されているか否かを確認する、項目26または27に記載のシステム。
(項目31)
上記認証モジュールは、上記ユーザが新しい音声コマンドまたは新しいジェスチャコマンドを提供するたびに上記ユーザが認証されているか否かを確認するように構成されている、項目26または28~30のいずれか1項に記載のシステム。
(項目32)
上記認証モジュールは、上記音声認識モジュール、上記ジェスチャ認識モジュール、および/または上記コマンド処理モジュールでどの1つまたは複数の辞書が使用されるかに影響を及ぼす、項目26~31のいずれか1項に記載のシステム。
(項目33)
上記マイク、上記ビデオカメラ、および/または上記モーションセンサは、上記光学的に切り換え可能なデバイスに内蔵して提供されている、項目24~32のいずれか1項に記載のシステム。
(項目34)
上記マイク、上記ビデオカメラ、および/または上記モーションセンサは、上記光学的に切り換え可能なデバイスと通信する電子デバイス上に提供されている、項目24~33のいずれか1項に記載のシステム。
(項目35)
上記電子デバイスは、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、パーソナルコンピュータ、フィットネスデバイス、時計、または壁掛ユニットである、項目34に記載のシステム。
(項目36)
上記ジェスチャコマンドは、上記モーションセンサによって知覚され、上記モーションセンサは、1つ以上の加速度計、ジャイロスコープ、および/または磁力計を備える、項目34に記載のシステム。
(項目37)
上記システムは、ネットワーク上に各々設置された複数の光学的に切り換え可能なデバイスの上記光学状態を制御するように構成されている、項目24~36のいずれか1項に記載のシステム。
(項目38)
エレクトロクロミックデバイスの制御システムを照会する方法であって、
(a)ユーザからの照会を受信することであって、上記照会が、会話形態で提供され、上記照会が、上記エレクトロクロミックデバイス用の上記制御システムの一部であるデバイスによって受信される、受信することと、
(b)上記照会をテキスト照会に変換するために音声認識を使用することと、
(c)(b)からのテキスト照会を分析して、(a)の上記ユーザからの照会を解釈することと、
(d)上記照会に対する回答を決定することと、
(e)上記回答を上記ユーザに提供することと、を含む、方法。
(項目39)
上記回答は、(e)(i)上記ユーザが上記回答を視覚的に知覚することができるように上記回答を表示すること、および/または(ii)上記ユーザが上記回答を聴覚的に知覚することができるように上記回答を音読することによって、上記ユーザに提供される、項目38に記載の方法。
(項目40)
上記照会は、上記エレクトロクロミックデバイスに関するものである、項目38に記載の方法。
(項目41)
上記照会は、上記エレクトロクロミックデバイスの現在の光学状態および/または上記エレクトロクロミックデバイス上の進行中の光学遷移に関するものである、項目40に記載の方法。
(項目42)
上記照会は、上記エレクトロクロミックデバイスの将来の光学状態および/または上記エレクトロクロミックデバイス上の将来の光学遷移に関するものである、項目40に記載の方法。
(項目43)
動作(d)の上記照会に対する上記回答を決定することは、上記回答を決定するようにインターネットを検索することを含む、項目38に記載の方法。
【外国語明細書】