(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022084668
(43)【公開日】2022-06-07
(54)【発明の名称】高せん断加工によって生成された飲料ナノエマルジョン
(51)【国際特許分類】
A23L 2/38 20210101AFI20220531BHJP
A23L 2/44 20060101ALI20220531BHJP
A23L 2/52 20060101ALI20220531BHJP
A23L 2/62 20060101ALI20220531BHJP
【FI】
A23L2/38 Z
A23L2/44
A23L2/52
A23L2/62
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022031585
(22)【出願日】2022-03-02
(62)【分割の表示】P 2018526839の分割
【原出願日】2016-11-18
(31)【優先権主張番号】14/952,159
(32)【優先日】2015-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】591235706
【氏名又は名称】ペプシコ・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100122301
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 憲史
(74)【代理人】
【識別番号】100157956
【弁理士】
【氏名又は名称】稲井 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100170520
【弁理士】
【氏名又は名称】笹倉 真奈美
(72)【発明者】
【氏名】バドレッディン・アハチ-アリ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本開示は、飲料ナノエマルジョン、及びかかる飲料ナノエマルジョンを製造するための方法に関する。より具体的には、本開示は、高せん断加工を使用して飲料ナノエマルジョンを製造するための方法に関する。
【解決手段】飲料ナノエマルジョンであって、
(a)12重量%~40重量%の量の油、
(b)1重量%~30重量%の量の乳化剤、
(c)任意に防腐剤、および
(d)水、を含み、
前記ナノエマルジョンが、0.05ミクロン~1ミクロンのd95の粒子サイズ、及び10s-1で2800cp~10s-1で50,000cpの粘度を有し、前記飲料ナノエマルジョンが調製中に高圧ホモジナイザーで処理されたものではない、飲料ナノエマルジョンである。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料ナノエマルジョンを調製するための方法であって、
(a)油、乳化剤、水、及び任意選択で防腐剤を含む混合物を提供する工程、及び
(b)前記混合物を高せん断ミキサーで混合して前記ナノエマルジョンを取得する工程であって、前記混合物が、前記混合の少なくとも一部の間に、10s-1で2800cp~10s-1で50,000cpの粘度を有する、工程、を含み、
前記ナノエマルジョンが、0.05ミクロン~1ミクロンのd95の粒子サイズを有する、方法。
【請求項2】
前記混合物が、12重量%~40重量%の前記油を含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記油が、中鎖トリグリセライド、ブドウ種子油、大豆油、パーム油、菜種油、ヒマワリ種子油、落花生油、綿実油、オリーブ油、アボカド油、ヤシ油、紅花油、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される無香味油である、請求項1及び2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
前記油が、柑橘油、コーラ油、アーモンド油、グレープフルーツ油、シナモン油、レモン油、ライム油、オレンジ油、ペパーミント油、タンジェリン油、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される香味油である、請求項1及び2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記油が、ステロールエステル、スタノールエステル、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される疎水性の混濁剤である、請求項1及び2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記油が、14重量%~28重量%の量で存在する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記油が、20重量%の量で存在する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記乳化剤が、アラビアガム、加工澱粉、ペクチン、キサンタンガム、グアーガム、アルギン酸プロピレングリコール、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記乳化剤が、1重量%~30重量%の量で存在する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記乳化剤が、10重量%~30重量%の量で存在する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記混合物が、20,000s-1~300,000s-1のせん断速度で混合される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記混合物が、30,000s-1~250,000s-1のせん断速度で混合される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記ナノエマルジョンが、0.2ミクロン~0.8ミクロンのd95の粒子サイズを有する、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記ナノエマルジョンが、0.3ミクロン~0.6ミクロンのd95の粒子サイズを有する、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記混合物が、前記混合の少なくとも一部の間に、10s-1で2800cp~10s-1で30,000cpの粘度を有する、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
水を前記ナノエマルジョンに添加して希釈されたナノエマルジョンを取得することを更に含み、前記希釈されたナノエマルジョンが、6重量%~10重量%の前記油を含有し、前記希釈されたナノエマルジョンが、0.05ミクロン~1ミクロンのd95の粒子サイズを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
飲料ナノエマルジョンであって、
(a)12重量%~40重量%の量の油、
(b)1重量%~30重量%の量の乳化剤、
(c)任意に防腐剤、および
(b)水、を含み、
前記ナノエマルジョンが、0.05ミクロン~1ミクロンのd95の粒子サイズ、及び10s-1で2800cp~10s-1で50,000cpの粘度を有する、飲料ナノエマルジョン。
【請求項18】
前記油が、中鎖トリグリセライド、ブドウ種子油、大豆油、パーム油、菜種油、ヒマワリ種子油、落花生油、綿実油、オリーブ油、アボカド油、ヤシ油、紅花油、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される無香味油である、請求項17に記載のナノエマルジョン。
【請求項19】
前記油が、柑橘油、コーラ油、アーモンド油、グレープフルーツ油、シナモン油、レモン油、ライム油、オレンジ油、ペパーミント油、タンジェリン油、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される香味油である、請求項17に記載のナノエマルジョン。
【請求項20】
前記油が、ステロールエステル、スタノールエステル、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される疎水性の混濁剤である、請求項17に記載のナノエマルジョン。
【請求項21】
前記油が、14重量%~28重量%の量で存在する、請求項17~20のいずれか一項に記載のナノエマルジョン。
【請求項22】
前記油が、20重量%の量で存在する、請求項17~20のいずれか一項に記載のナノエマルジョン。
【請求項23】
前記乳化剤が、アラビアガム、加工澱粉、ペクチン、キサンタンガム、グアーガム、アルギン酸プロピレングリコール、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項17~22のいずれか一項に記載のナノエマルジョン。
【請求項24】
前記乳化剤が、10重量%~30重量%の量で存在する、請求項17~23のいずれか一項に記載のナノエマルジョン。
【請求項25】
前記乳化剤が、20重量%~30重量%の量で存在する、請求項17~23のいずれか一項に記載のナノエマルジョン。
【請求項26】
前記ナノエマルジョンが、0.2ミクロン~0.8ミクロンのd95の粒子サイズを有する、請求項17~25のいずれか一項に記載のナノエマルジョン。
【請求項27】
前記ナノエマルジョンが、0.3ミクロン~0.6ミクロンのd95の粒子サイズを有する、請求項17~25のいずれか一項に記載のナノエマルジョン。
【請求項28】
前記ナノエマルジョンが、10s-1で2800cp~10s-1で30,000cpの粘度を有する、請求項17~27のいずれか一項に記載のナノエマルジョン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野および背景
本開示は、飲料ナノエマルジョン、及びかかる飲料ナノエマルジョンを製造するための方法に関する。より具体的には、本開示は、高せん断加工を使用して飲料ナノエマルジョンを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料ナノエマルジョンは、典型的には、1ミクロン以下、すなわち、d95<1ミクロンの粒子サイズを有する水中油型エマルジョンである。これらのナノエマルジョンは、香味油又は懸濁油、乳化剤、水、及び任意に防腐剤を含む。エマルジョン濃縮物中の油のレベルは、6~10重量%の範囲である。また、1:1より大きい乳化剤と油との重量比を、d95<1ミクロンの目標の油の粒子サイズとの組み合わせで使用して、飲料ナノエマルジョン及び最終飲料製品における物理的安定性を確保する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これらの飲料ナノエマルジョンを製造するための現在の製造プロセスは、(1)乳化剤を水に分散/溶解させた後、懸濁油又は香味油を添加して混合槽内でエマルジョンプレミックスを形成する工程であって、エマルジョンの粒子サイズは、典型的には、d95>2ミクロンであり、更なる小型化が必要である、工程、及び(2)工程(1)で形成されたエマルジョンプレミックスを高圧ホモジナイザ(3000~5000psiの圧力)に圧送して油滴を目標の粒子サイズ(d95<1ミクロン)まで崩壊させる工程、の2つの工程からなる。この2工程プロセスは、時間がかかり、大量のエネルギーを消費する。また、現在のプロセスでは、より少ない水を含む濃縮粘性エマルジョンを生成することはできない。高圧ホモジナイザーは、それらの固有の設計(ホモジナイザーの小さなオリフィスが詰まること)に起因して、濃縮粘性エマルジョンを処理することができない。このため、上記プロセスの制限に対処するために、濃縮飲料ナノエマルジョンを製造するための代替的な方法が必要である。
【0004】
発明の概要
本概要は、概念の抜粋を簡略して紹介するために提供されており、これについては後述の「発明を実施するための形態」で更に詳しく説明する。本項は、本発明の主要又は本質的な特徴を識別することを意図しない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、濃縮ナノエマルジョン及び希釈ナノエマルジョンの両方を生成し、均質化工程を排除することにより、バッチサイクル時間を最大50%まで低減するための方法が提供される。このプロセスは、高せん断混合を使用して高濃度の水中油型ナノエマルジョンを生成することを含む。飲料の安定性のために必要とされる目標サイズを満たすナノエマルジョンの粒子サイズは、高い油のレベル/粘度が使用されるとき、均質化することを必要とせずに、高せん断混合によって達成されている。濃縮エマルジョンは、そのまま、又は所望の油のレベル及び粘度に希釈されて供給されることがある。
【0006】
一態様では、本開示は、飲料ナノエマルジョンを調製するための方法であって、
(a)油、乳化剤、水、及び任意選択で防腐剤を含む混合物を提供する工程、及び
(b)混合物を高せん断ミキサーで混合してナノエマルジョンを取得する工程であって、混合物は、混合の少なくとも一部の間に、10s-1で2800cp~10s-1で50,000cpの粘度を有する、工程、を含み、
ナノエマルジョンは、0.05ミクロン~1ミクロンのd95の粒子サイズを有する、方法を提供する。
一態様では、混合物は、12重量%~40重量%の油を含有する。
【0007】
一態様では、本開示は、飲料ナノエマルジョンであって、
(a)12重量%~40重量%の量の油、
(b)1重量%~30重量%の量の乳化剤、
(c)任意に防腐剤、及び
(d)水、を含み、
ナノエマルジョンは、0.05ミクロン~1ミクロンのd95の粒子サイズ、及び10s-1で2800cp~10s-1で50,000cpの粘度を有する、飲料ナノエマルジョンを提供する。
【0008】
本明細書中の重量%の量は、最終的な飲料ナノエマルジョン中の有効成分の量を指す。
【0009】
いくつかの実施形態は、添付図面の図において、限定としてではなく、例として例示されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、未加工の調合物A~Cの粘度を示す。
【0011】
【
図2】
図2は、予備乳化された調合物Aの高せん断加工から取得されたエマルジョンの粒子サイズ、及び予備乳化された調合物Aの粒子サイズを示す。
【0012】
【
図3】
図3は、予備乳化された調合物Bの高せん断加工から取得されたエマルジョンの粒子サイズ、及び予備乳化された調合物Bの粒子サイズを示す。
【0013】
【
図4】
図4は、予備乳化された調合物Cの高せん断加工から取得されたエマルジョンの粒子サイズを示す。
【0014】
【
図5】
図5は、予備乳化されていない調合物Cの高せん断加工から取得されたエマルジョンの粒子サイズ、及び予備乳化されていない調合物Cの粒子サイズを示す。
【0015】
【
図6】
図6は、調合物A~Cから取得された高せん断前の混合物の粒子サイズを示す。
【0016】
【
図7】
図7は、調合物A~Cから取得された高せん断後のエマルジョンの粒子サイズを示す。
【0017】
【
図8】
図8は、3000、4000、及び5000psi下での2パス後の予備乳化された調合物Aの高圧均質化から取得されたエマルジョンの粒子サイズを示す。
【0018】
【
図9】
図9は、3000、4000、及び5000psi下での3パス後の予備乳化された調合物Aの高圧均質化から取得されたエマルジョンの粒子サイズを示す。
【0019】
【
図10】
図10は、3000、4000、及び5000psi下での1パス後の予備乳化された調合物Bの高圧均質化から取得されたエマルジョンの粒子サイズを示す。
【0020】
【
図11】
図11は、予備乳化された調合物A及びBの高圧均質化から取得されたエマルジョンの粒子サイズに対する圧力、パス数、及びエマルジョン濃度の影響を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
定義
具体的に記載されているか又は文脈から明らかでない限り、本明細書において使用される際、本明細書において開示される数値は、当該技術分野における通常の公差の範囲内、例えば、記載された値の10%以内として理解される。本明細書中の重量%の量は、最終的な飲料ナノエマルジョン中の有効成分の量を示す。
【0022】
「含む(include)」、「含んでいる(including)」、「含有する(contain)」、「含有している(containing)」などの非限定用語は、「含んでいる(comprising)」を意味する。これらの非限定的移行句は、追加の列挙されない要素又は方法工程を排除しない、要素、方法工程などの非限定的列挙を導入するために使用される。
【0023】
「からなる(consisting of)」という移行句及びその変形形態は、これらに通常関連する不純物を除いて、列挙されていないいかなる要素、工程、又は成分も排除する。
【0024】
「から本質的になる(consists essentially of)」という移行句、又は「から本質的になる(consist essentially of)」若しくは「から本質的になっている(consisting essentially of)」などの変形形態は、指定された方法、構造又は組成の基本的性質若しくは新規性質を物質的に変化させない要素、工程、又は成分を除いて、列挙されないいかなる要素、工程、又は成分も排除する。
【0025】
また、本発明の要素又は成分に前置する「a」及び「an」という不定冠詞は、実例、すなわち、要素又は成分の出現の数に関して非制限的であることが意図されている。したがって、「a」又は「an」は、1つ又は少なくとも1つを含むと解釈されるべきであり、要素又は成分の単数語形はまた、数字が単数であることを明確に意味しない限り、複数も含む。
【0026】
「発明」又は「本開示」という用語は、本明細書において使用される際、非限定的用語であり、特定の発明の任意の単一の実施形態を指すことが意図されていないが、本願において記載されたようにすべての可能な実施形態を包含する。
【0027】
飲料ナノエマルジョンを調製する方法
一態様では、本開示は、飲料ナノエマルジョンを調製するための方法であって、
(a)油、乳化剤、水、及び任意に防腐剤を含む混合物を提供する工程、及び
(b)混合物を高せん断ミキサーで混合してナノエマルジョンを取得する工程であって、混合物は、混合の少なくとも一部の間に、10s-1で2800cp~10s-1で50,000cpの粘度を有する、工程、を含み、
ナノエマルジョンは、0.05ミクロン~1ミクロンのd95の粒子サイズを有する、方法を提供する。
【0028】
一態様では、混合物は、12重量%~40重量%の油を含有する。
【0029】
一態様では、飲料ナノエマルジョンを調製するための方法は、水をナノエマルジョンに添加して希釈されたナノエマルジョンを取得することを更に含み、希釈されたナノエマルジョンは、油を6重量%~10重量%含有し、希釈されたナノエマルジョンは、0.05ミクロン~1ミクロンのd95の粒子サイズを有する。
【0030】
一態様では、本開示は、飲料ナノエマルジョンであって、
(a)12重量%~40重量%の量の油、
(b)1重量%~30重量%の量の乳化剤、
(c)任意に防腐剤、及び
(d)水、を含み、
ナノエマルジョンは、0.05ミクロン~1ミクロンのd95の粒子サイズ、及び10s-1で2800cp~10s-1で50,000cpの粘度を有する、飲料ナノエマルジョンを提供する。
【0031】
いくつかの実施形態では、本開示において使用される油は、疎水性の懸濁剤である。疎水性の懸濁剤は、ステロールエステル、スタノールエステル、及びそれらの組み合わせから選択することができる。
【0032】
ステロールエステル及びスタノールエステルは、懸濁を提供することに加えて、定期的に1日当たり約1.3グラムの量で消費されると、ヒトにおける低密度リポ蛋白(low-density lipoprotein、LDL)コレステロールレベルを低減させるなどの健康上の利点を提供することが示されている。ステロールエステル及びスタノールエステルはそれぞれ、遊離ステロール及び遊離スタノールのエステル化形態である。スタノールは、ステロール又は植物ステロールの飽和形態又は水素添加形態である。
【0033】
植物ステロールは、植物油又はトール油を由来とすることができる。植物油由来のステロールの共通源としては、ヤシ油、トウモロコシ油、綿油、オリーブ油、パーム油、落花生油、菜種油、カノーラ油、紅花油、亜麻仁油、綿実油、大豆油、ヒマワリ油、クルミ油、及びアボカド油が挙げられるが、これらに限定されない。また、ステロールは、トール油由来とすることができる。トール油は、針葉樹植物の木材から取得することができる。
【0034】
遊離形態及びエステル化形態のスタノール並びにエステル化形態ステロールは、遊離ステロールほどは天然源から容易に入手可能ではない。したがって、遊離ステロールを水素添加して遊離スタノールを生成しなければならず、遊離ステロール及び遊離スタノールをエステル化してステロールエステル及びスタノールエステルを生成しなければならない。エステル化形態の好適なステロール及びスタノールは、Raisio Benecol及びMcNeil NutritionalsよりBenecol(登録商標)の商標名で、Archer Daniels MidlandよりCardioAid(登録商標)の商標名で、CognisよりVegaPure(登録商標)の商標名で、MultiBene GroupよりMultiBene(登録商標)の商標名で、並びに当該技術分野で公知の他のものより市販されている。
【0035】
いくつかの実施形態では、油は、無香味油、香味油、及びそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0036】
無香味油の非限定例としては、当業者には公知であるように、中鎖トリグリセライド、植物油、ブドウ種子油などが挙げられる。好適な植物油の非限定例としては、当業者には公知であるように、大豆油、パーム油、菜種油、ヒマワリ種子油、落花生油、綿実油、オリーブ油、アボカオ油、ヤシ油、紅花油、他の植物油、及びそれらの組み合わせが挙げられる。一実施形態では、油は、ヤシ油である。
【0037】
香味油の非限定例としては、当該技術分野では公知であるように、柑橘油、コーラ油、精油などが挙げられる。精油の非限定例としては、当業者には公知であるように、アーモンド油、グレープフルーツ油、シナモン油、レモン油、ライム油、オレンジ油、ペパーミント油、タンジェリン油、他の精油、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0038】
いくつかの実施形態では、油は、飲料ナノエマルジョン中に10重量%~50重量%の量で存在する。いくつかの実施形態では、油は、飲料ナノエマルジョン中に12重量%~40重量%、12重量%~35重量%、12重量%~30重量%、12重量%~25重量%、12重量%~20重量%、16重量%~40重量%、16重量%~35重量%、16重量%~30重量%、16重量%~25重量%、16重量%~20重量%、20重量%~40重量%、20重量%~35重量%、20重量%~30重量%、20重量%~25重量%、25重量%~40重量%、25重量%~35重量%、25重量%~30重量%、30重量%~40重量%、30重量%~35重量%、及び35重量%~40重量%の量で存在する。いくつかの実施形態では、油は、飲料ナノエマルジョン中に14重量%~30重量%、14重量%~28重量%、14重量%~26重量%、14重量%~24重量%、14重量%~22重量%、及び14重量%~20重量%の量で存在する。いくつかの実施形態では、油は、飲料ナノエマルジョン中に16重量%及び20重量%の量で存在する。所望の量の油は、ナノエマルジョンの粘度に依存し得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、油の割合がより高い飲料ナノエマルジョンを水で希釈して、油の割合がより低い飲料ナノエマルジョンを取得することができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、本開示において使用される乳化剤としては、当業者には公知であるように、アラビアガム、加工澱粉、ペクチン、キサンタンガム、グアーガム、アルギン酸プロピレングリコール、モノグリセリド、ジグリセリド、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム(dioctyl sulfosuccinate sodium、DOSS)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート(Tween(登録商標)20)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミタート(Tween(登録商標)40)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート(Tween(登録商標)60)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(Tween(登録商標)80)、ソルビタンモノラウレート(Span(登録商標)20)、ソルビタンモノパルミタート(Span(登録商標)40)、ベタイン、他の乳化剤、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、乳化剤は、アラビアガム、加工澱粉、ペクチン、キサンタンガム、グアーガム、アルギン酸プロピレングリコール、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、乳化剤は、加工澱粉である。
【0041】
いくつかの実施形態では、乳化剤は、飲料ナノエマルジョン中に1重量%~40重量%の量で存在する。いくつかの実施形態では、乳化剤は、飲料ナノエマルジョン中に1重量%~30重量%、1重量%~25重量%、1重量%~20重量%、1重量%~15重量%、5重量%~30重量%、5重量%~25重量%、5重量%~20重量%、5重量%~15重量%、10重量%~30重量%、10重量%~25重量%、10重量%~20重量%、10重量%~15重量%、15重量%~30重量%、15重量%~25重量%、15重量%~20重量%、20重量%~30重量%、及び20重量%~25重量%の量で存在する。いくつかの実施形態では、乳化剤は、飲料ナノエマルジョン中に14重量%、16重量%、18重量%、20重量%、22重量%、24重量%、26重量%、28重量%、及び30重量%の量で存在する。乳化剤の所望の量は、油の存在量及び乳化剤のタイプに依存し得、安定したナノエマルジョンを製造するのに十分であるべきである。
【0042】
いくつかの実施形態では、飲料ナノエマルジョンは、防腐剤を更に含む。防腐剤の非限定例としては、クエン酸、ソルビン酸、安息香酸、それらのアルカリ金属塩、及びそれらのいずれかの混合物が挙げられる。
【0043】
高せん断混合は、当業者には公知の任意の好適なミキサーによって遂行することができる。好適なミキサーの非制限例としては、タービン撹拌機、静的ミキサー、及び当業者には公知の他の高せん断ミキサーが挙げられる。タービン撹拌機は、Scott Turbon(登録商標)Mixer,Inc.,Adelanto,Calif.、及び当該技術分野では公知の他のものより市販されている。当該技術分野で時にはモーションレスミキサー又はインラインミキサーとして知られている静的ミキサーは、種々のサイズ及び形状であり、オハイオ州デイトンのChemineer Inc.,Sulzer Corp傘下のSulzer Chemtech Ltd.,スイスのWinterthur、ニューヨーク州のCharles Ross & Son Co.,Hauppauge、及び他の当該技術分野では公知のものより市販されている。
【0044】
高せん断ミキサーは、共に近接して配置された2つの平行な表面を有する。混合される材料は、表面間にある。せん断速度は、表面間の距離によって分割された表面の相対速度である。表面は、平行なプレート又は環状の円筒表面などの種々の構成を有し得る。本明細書において記載されるせん断速度を達成することができる当該技術分野では公知の任意のせん断ミキサーを使用することができる。ローターステーターミキサーのせん断速度γ(s-1)は、ローター先端速度Vtip(m/s)と、ステーターとローターとの間の隙間g(m)との間の比である。ローター先端速度Vtip=π*D*nであり、式中、Dはローター径(m)であり、nは1秒当たりの回転速度である(nはRPM/60として定義される)。
【0045】
いくつかの実施形態では、油及び乳化剤を含む混合物は、20,000s-1~300,000s-1のせん断速度で混合される。いくつかの実施形態では、油及び乳化剤を含む混合物は、少なくとも20,000s-1、少なくとも30,000s-1、少なくとも50,000s-1、少なくとも100,000s-1、少なくとも150,000s-1、少なくとも200,000s-1、少なくとも250,000s-1、及び少なくとも300,000s-1のせん断速度で混合される。いくつかの実施形態では、油及び乳化剤を含む混合物は、20,000s-1~300,000s-1、30,000s-1~300,000s-1、50,000s-1~300,000s-1、100,000s-1~300,000s-1、150,000s-1~300,000s-1、200,000s-1~300,000s-1、250,000s-1~300,000s-1、20,000s-1~250,000s-1、20,000s-1~200,000s-1、20,000s-1~200,000s-1、20,000s-1~150,000s-1、20,000s-1~100,000s-1、20,000s-1~50,000s-1、及び20,000s-1~30,000s-1のせん断速度で混合される。
【0046】
油、乳化剤、及び水を含む混合物の粘度は、Anton Paar RheoQC Rheometerを使用することによって測定することができる。同心円筒(CC27)測定カップ及び対応するスピンドルを使用して、これらのエマルジョンのための粘度対せん断速度プロファイルを測定する。粘度を測定するために使用される異なるタイプの機器は、同じ試料について異なる測定値をもたらすことがある。本明細書において説明される値は、Anton Paar RheoQC Rheometerで測定されたものであり、同じ機器で測定された値と比較されるべきである。いくつかの実施形態では、混合物は、高せん断混合の少なくとも一部の間に、10s-1で2800センチポアズ(centipoise、cp)~10s-1で50,000cpの粘度を有する。いくつかの実施形態では、混合物は、10s-1で3000cp~10s-1で50,000cp、10s-1で5000cp~10s-1で50,000cp、10s-1で10,000cp~10s-1で50,000cp、10s-1で20,000cp~10s-1で50,000cp、10s-1で30,000cp~10s-1で50,000cp、及び10s-1で40,000cp~10s-1で50,000cpの粘度を有する。いくつかの実施形態では、混合物は、10s-1で2800cp~10s-1で40,000cp、10s-1で2800cp~10s-1で30,000cp、10s-1で2800cp~10s-1で20,000cp、10s-1で2800cp~10s-1で10,000cp、10s-1で2800cp~10s-1で5000cp、10s-1で2800cp~10s-1で4000cp、及び10s-1で2800cp~10s-1で3000cpの粘度を有する。
【0047】
飲料ナノエマルジョンの粒子サイズは、30nm~3000μの範囲の粒子サイズを測定することができるレーザー回折式粒子サイズ分析器を使用することによって測定することができる。HoribaのLA-950モデルを使用して、ナノエマルジョンの粒子サイズ分布を測定した。別様に記載されない限り、本開示における粒子サイズ又は粒子径は、粒子のd95を指す。いくつかの実施形態では、飲料ナノエマルジョンは、0.05ミクロン~1ミクロンのd95の粒子サイズを有する。いくつかの実施形態では、飲料ナノエマルジョンは、0.05ミクロン、0.1ミクロン、0.2ミクロン、0.3ミクロン、0.4ミクロン、0.5ミクロン、0.6ミクロン、0.7ミクロン、0.8ミクロン、及び0.9ミクロンのd95の粒子サイズを有する。いくつかの実施形態では、飲料ナノエマルジョンは、0.1ミクロン~1ミクロン、0.2ミクロン~1ミクロン、0.3ミクロン~1ミクロン、0.4ミクロン~1ミクロン、0.5ミクロン~1ミクロン、0.6ミクロン~1ミクロン、0.7ミクロン~1ミクロン、0.8ミクロン~1ミクロン、及び0.9ミクロン~1ミクロンのd95の粒子サイズを有する。いくつかの実施形態では、飲料ナノエマルジョンは、0.2ミクロン~0.8ミクロン、0.3ミクロン~0.6ミクロン、及び0.4ミクロン~0.5ミクロンのd95の粒子サイズを有する。
【0048】
本発明による飲料ナノエマルジョンを飲料製造プロセスの任意の好適な段階で飲料に組み込むことができることを当業者は理解するであろう。
【0049】
以下の実施例は、本発明のある好ましい実施形態の説明として意図されるものであり、本発明の限定を意味するものではない。
【実施例0050】
内部又は外部の高せん断ローターステーターミキサーを装備した混合槽を使用することによって、濃縮飲料ナノエマルジョンを生成することができる。高せん断混合を使用することによって濃縮ナノエマルジョン(12重量%~40重量%の油)を生成するための方法をここで開示する。また、所望のレベルまで濃縮ナノエマルジョンを水で希釈することによって希釈ナノエマルジョン(6重量%~10重量%の油)を生成するための方法をここで開示する。開示される方法は、バッチサイクル時間を低減し、高圧均質化の必要性を排除する。
【0051】
実施例1:調合物A~C
表1に示される3つのタイプの調合物を使用した。調合物Aは、10重量%のヤシ油を使用した標準調合である。調合物B及びCは、調合物Aよりも濃縮されたものであり、それぞれ38%及び50%の体積低減をもたらした。調合物A~Cは、特定量のヤシ油、変性食品澱粉、安息香酸ナトリウム、クエン酸、及び水を混合することによって取得した。
【表1】
【0052】
調合物A~Cは、異なる粘度を有する。調合物B及びCは、調合物Aよりも粘性が高かった(
図1及び表2)。調合物Cは、その高い粘度ゆえ、高圧ホモジナイザーによって加工することができない。同心円筒(CC27)測定カップ及び対応するスピンドルを有するAnton Paar RheoQC Rheometerを使用して、調合物A~Cの粘度対せん断速度プロファイルを測定した。
【表2】
【0053】
実施例2:予備乳化された混合物の高せん断加工
調合物A~Cを、25℃で30分間、150RPMで運転されるタービン撹拌機を装備した混合前容器の中で予備乳化した。
【0054】
次いで、予備乳化された混合物を、高せん断ローターステーターミキサーで加工し、結果を
図2~4に示した。ローターステーターミキサーケースのせん断範囲は、25k RPMについては300000s
-1、20k RPMについては240,000s
-1、及び15k RPMについては180,000s
-1である。
【0055】
図2の曲線210によって例示されるように、予備乳化された調合物A(10重量%の油)は、7μmより大きいd
95であった。予備乳化された調合物Aを、最大300,000s
-1(25k RPM)のせん断速度で5分間、最大3パス、再循環モードで高せん断ローターステーターミキサーで加工した。
図2の曲線220、230、及び240は、1パス、2パス、及び3パス後の得られたエマルジョンの粒子サイズ(d
95)が、それぞれ5.0、4.1、及び3.1μmであることを示す。
【0056】
図3の曲線310によって例示されるように、予備乳化された調合物B(16重量%の油)は、1μmより大きい粒子サイズ(d
95)であった。15k、20k、及び25k RPMでの高せん断加工の3パスから取得されたエマルジョンは、
図3の曲線320、330、及び340によって示されるように、それぞれ0.83、0.65、及び0.69μmの粒子サイズ(d
95)であった。
【0057】
予備乳化された調合物C(20重量%の油)については、0.5μm未満の粒子サイズ(d
95)を有するエマルジョンを生成するために、180,000~300,000s
-1のせん断速度での高せん断加工を1パスしか必要としない(
図4)。曲線410、420、及び430は、15k、20k、及び25k RPMでの高せん断加工の1パスから得られたエマルジョンの粒子サイズが、それぞれ0.43、0.37、及び0.44μmであることを示す。
【0058】
実施例3:予備乳化されていない混合物の高せん断加工
調合物C(20重量%の油)を、180,000s-1(15k RPM)~300,000s-1(25k RPM)の範囲のせん断速度で5分間、最大3パス、再循環モードで、25℃~40℃の温度で5分間、ローターステーター高せん断ミキサーで加工した。
【0059】
結果を
図5に示した。
図5の曲線520、530、及び540は、15k、20k、及び25k RPMでの高せん断加工の3パス後の得られた粒子サイズ(d
95)が、それぞれ0.69、0.63、及び0.57μmであることを示す。
【0060】
実施例4:高せん断前の混合物と高せん断後のエマルジョンとの比較
調合物A~Cを、中央の撹拌機及びインラインローターステーター高せん断ミキサーを装備したバッチミキサの中に添加した。各調合物を、20℃で150RPMの速度の撹拌機で、かつ槽内の高せん断はオフにして、混合した。得られた高せん断前の混合物の粒子サイズを測定し、結果を
図6に示した。曲線610、620、及び630は、調合物A、B、及びCから誘導された高せん断前の混合物の粒子サイズ(d
95)が、それぞれ40、15、及び4μmであることを示す。
【0061】
次いで、高せん断前の混合物を、ローターステーター高せん断ミキサーを用いて、2500RPMで、30,000s
-1のせん断速度で10分間加工した。高せん断後のエマルジョンの粒子サイズを測定し、結果を
図7に示した。曲線710、720、及び730は、調合物A、B、及びCから取得されたエマルジョンの粒子サイズ(d
95)が、それぞれ1.05、0.32、及び0.29μmであることを示す。
【0062】
実施例5:予備乳化された調合物Aの高圧均質化
比較として、高圧均質化を使用することによって調合物A~Cからナノエマルジョンを調製する実験を行った。予備乳化された混合物を、実施例2において記載されるように、調合物A~Cの各々について取得した。
【0063】
予備乳化された混合物を、APV高圧ホモジナイザーを通じて、3000~5000psiの間の圧力で、1パス、2パス、及び3パスにわたって加工した。
図8の曲線830は、調合物A(10重量%の油)が5000psi下での均質化の2パス後に1μm未満の粒子サイズ(d
95)を有するナノエマルジョンを提供したことを示す。
図9の曲線910、920、及び930は、調合物Aが均質化の3パス後に3000、4000、及び5000psi下で1μm未満の粒子サイズ(d
95)を有するナノエマルジョンを提供したことを示す。
【0064】
実施例6:予備乳化された調合物Bの高圧均質化
調合物B(16重量%の油)の予備乳化された混合物を、APV高圧ホモジナイザーを通じて、3000~5000psiの間の圧力で、1パス、2パス、及び3パスにわたって加工した。高い粘度ゆえ、予備乳化された調合物Bを、ベンチスケールの高圧ホモジナイザーを通じて加工することは困難である。調合物Bの予備乳化された混合物は、その高い粘度により、より大きなスケールの高圧ホモジナイザーで加工することができなかった。調合物Cの予備乳化された混合物は、更に高い粘度を有し、ベンチスケール又はより大きなスケールの高圧ホモジナイザーで加工することができなかった。
【0065】
図10の曲線1010、1020、及び1030は、それぞれ3000psi、4000psi、及び5000psi下での均質化のわずか1パス後に、得られたエマルジョンが1μm未満の粒子サイズ(d
95)であったことを示す。
【0066】
予備乳化された調合物A及びBについて、エマルジョンの粒子サイズに対する圧力及びパス数の影響を
図11に示す。パス数ゼロでは、予備乳化された調合物Aは、4μmより大きい粒子サイズ(d
95)であり、予備乳化された調合物Bは、1μm未満の粒子サイズ(d
95)であった。
【0067】
特定の実施形態の前述の説明は、当業者が知識を適用することにより、他の人にも可能である、かかる特定の実施形態を種々の用途に容易に変更及び/又は適合させ、過度の実験をすることなく、本開示の一般的な概念から逸脱することなく、本発明の一般的な性質を完全に明らかにするであろう。したがって、そのような適応及び修正は、本明細書に提示された教示及び指導に基づいて、開示された実施形態の等価物の意味及び範囲内にあることが意図される。本明細書の表現法又は用語法は、本明細書の用語法又は表現法が教示及び指針に照らして当業者によって解釈されるように、説明の目的のためであって限定のためではないことを理解されたい。
【0068】
本開示の広がり及び範囲は、上記の例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではないが、特許請求の範囲及びそれらの等価物に従ってのみ規定されるべきである。
【0069】
本明細書に記載された様々な態様、実施形態及び選択肢のすべては、任意の変形形態及びすべての変形形態において組み合わせることができる。
【0070】
本明細書で言及されたすべての刊行物、特許及び特許出願は、各個々の刊行物、特許又は特許出願が具体的に、かつ個々に参照により組み込まれることが示されているのと同様に、参照により組み込まれている。
前記油が、中鎖トリグリセライド、ブドウ種子油、大豆油、パーム油、菜種油、ヒマワリ種子油、落花生油、綿実油、オリーブ油、アボカド油、ヤシ油、紅花油、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される無香味油である、請求項1に記載のナノエマルジョン。
前記油が、柑橘油、コーラ油、アーモンド油、グレープフルーツ油、シナモン油、レモン油、ライム油、オレンジ油、ペパーミント油、タンジェリン油、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される香味油である、請求項1に記載のナノエマルジョン。
前記乳化剤が、アラビアガム、加工澱粉、ペクチン、キサンタンガム、グアーガム、アルギン酸プロピレングリコール、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載のナノエマルジョン。