(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022084706
(43)【公開日】2022-06-07
(54)【発明の名称】複数の受信装置を介した無線電力充電システム及び方法
(51)【国際特許分類】
H02J 50/40 20160101AFI20220531BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20220531BHJP
H02J 50/20 20160101ALI20220531BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20220531BHJP
H02J 50/80 20160101ALI20220531BHJP
H01Q 1/24 20060101ALI20220531BHJP
【FI】
H02J50/40
H02J7/00 301D
H02J50/20
H02J50/10
H02J50/80
H01Q1/24 Z
【審査請求】有
【請求項の数】24
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022033708
(22)【出願日】2022-03-04
(62)【分割の表示】P 2021207191の分割
【原出願日】2016-12-23
(31)【優先権主張番号】15/046,372
(32)【優先日】2016-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/047,831
(32)【優先日】2016-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/271,837
(32)【優先日】2015-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/046,393
(32)【優先日】2016-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/387,465
(32)【優先日】2015-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/387,205
(32)【優先日】2015-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/046,131
(32)【優先日】2016-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/046,210
(32)【優先日】2016-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/046,255
(32)【優先日】2016-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/046,305
(32)【優先日】2016-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/046,348
(32)【優先日】2016-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/269,729
(32)【優先日】2016-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514160238
【氏名又は名称】エナージャス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ホッセイニ,アリスター
(72)【発明者】
【氏名】リーブマン,マイケル,エー.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】十分な充電を提供するために特定の向きに置くことを必要とすることのない、低電力の無線充電を可能にする複数の受信装置を介した無線電力充電システム及び方法を提供する。
【解決手段】電子装置を充電するためにRFエネルギー信号を生成する充電表面において、通信コンポーネント210は、筐体202を含む充電表面によって充電されることになる電子装置から無線信号を受信するのに応答して、マイクロコントローラ208へ、デジタル信号214を用いて通知され、応答性よく、通信コンポーネント210がアンテナ204a~204nに印加されるRFエネルギー信号216を生成する。電源212は、充電表面上の又は充電表面における回路に給電するために使用され、ラップトップ、壁面充電器、内部電池、外部電池又は他の電源へのUSB又はマイクロUSB接続を介して提供される。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線装置であって、
充電表面から1つ又は複数のRF信号を受信するように構成された第1のアンテナと、
前記無線装置に近接する1つ又は複数の無線装置に1つ又は複数の異なるRF信号を送信し、及び、前記無線装置に近接する1つ又は複数の無線装置から1つ又は複数の異なるRF信号を受信するように構成された第2のアンテナと、を含み、
前記無線装置は、前記1つ又は複数のRF信号を、電池を充電するための電気エネルギーに変換するように構成される、無線装置。
【請求項2】
前記無線装置は、前記無線装置とは別個の、前記1つ又は複数の無線装置のうちの追加の無線装置の無線充電のために、1つ又は複数の追加のRF信号を生成するように更に構成される、請求項1に記載の無線装置。
【請求項3】
前記無線装置は、複数のユニットセルを更に含み、前記複数のユニットセルは、前記追加の無線装置が前記複数のユニットセルのうちの少なくとも1つの近距離場の距離内に配置されるのに応答して、前記追加の無線装置の前記電池を充電するためにRFエネルギー信号が存在するように構成される、請求項2に記載の無線装置。
【請求項4】
前記近距離場の距離は約10mm未満である、請求項3に記載の無線装置。
【請求項5】
前記無線装置は、前記無線装置とは別個の、前記1つ又は複数の無線装置のうちの追加の無線装置と、前記第2のアンテナを介してデータ及びメッセージを通信するように更に構成される、請求項1~4のいずれか一項に記載の無線装置。
【請求項6】
無線電力伝送のためのシステムであって、
第1の電子装置であって、充電表面から1つ又は複数のRF信号を受信するように構成された第1のアンテナと、前記第1の電子装置の近傍にある1つ又は複数の他の電子装置に1つ又は複数の異なるRF信号を送信及び受信するように構成された第2のアンテナと、を含む、第1の電子装置、並びに
第2の電子装置であって、前記第1の電子装置から前記1つ又は複数の異なるRF信号を受信するように構成された第3のアンテナと、前記第2の電子装置が前記第1の電子装置の前記近傍にある場合に前記第2の電子装置が前記第1の電子装置から前記1つ又は複数の異なるRF信号を受信するのに応答して、充電されるように構成された電池と、を含む、第2の電子装置、を含む、システム。
【請求項7】
前記第1の電子装置は、前記1つ又は複数の異なるRF信号を生成するように構成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の電子装置は、前記第2の電子装置の前記第3のアンテナが、前記ユニットセルのうちの少なくとも1つの近距離場の距離内に配置されるのに応答して、前記第2の電子装置の前記電池を充電するために、RFエネルギー信号を存在させるように構成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記第2の電子装置は、別個のRF信号を生成するように構成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記第2の電子装置は、複数のユニットセルを含み、前記複数のユニットセルは、前記第1の電子装置の前記第1のアンテナが、前記複数のユニットセルのうちの少なくとも1つの近距離場の距離内に配置されるのに応答して、前記第1の電子装置の電池を充電するために、前記別個のRF信号を存在させるように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第2の電子装置は、前記第1の電子装置の上に配置される、請求項6~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記第2の電子装置及び前記第1の電子装置は、同一平面上に互いに対して近距離場の距離で配置される、請求項6~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記近傍は約10mm未満である、請求項6~12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記第2の電子装置が前記第1の電子装置に近接して配置された場合に、メッセージを交換するために前記第1の電子装置と前記第2の電子装置との間の通信チャンネルが確立される、請求項6~13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記第2の電子装置は、前記通信チャンネルを介して、前記第1の電子装置に電力を受け取りたいとのリクエストを送信する、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
無線電力伝送のための方法であって、
第1の電子装置のアンテナによって、前記第1の電子装置の近傍にある第2の電子装置に1つ又は複数のRF信号を送信すること、を含み、
前記第2の電子装置は、
前記第1の電子装置から前記1つ又は複数のRF信号を受信するように構成された第2のアンテナと、
前記第2の電子装置が前記第1の電子装置の前記近傍にある場合に、前記第2の電子装置が前記第1の電子装置から前記1つ又は複数のRF信号を受信するのに応答して、充電されるように構成された電池と、を含む、方法。
【請求項17】
前記第1の電子装置の複数のユニットセルは、前記第2の電子装置の前記第2のアンテナが前記複数のユニットセルのうちの少なくとも1つの前記近距離場の距離内に配置されるのに応答して、前記RF信号を保存し、RFエネルギー信号を存在させる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第2の電子装置の追加の複数のユニットセルは、前記第1の電子装置の第3のアンテナが前記追加の複数のユニットセルのうちの少なくとも1つの前記近距離場の距離内に配置されるのに応答して、前記RF信号を受け取り、RFエネルギー信号を存在させる、請求項16~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記第2の電子装置は前記第1の電子装置の上に配置される、請求項16~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記第2の電子装置及び前記第1の電子装置は、同一平面上に前記近距離場の距離にある、請求項16~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記近傍は約10mm未満である、請求項16~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記第2の電子装置が前記第1の電子装置の前記近傍にある場合にメッセージを交換するために、前記第1の電子装置と前記第2の電子装置との間に通信チャンネルを確立することを更に含む、請求項16~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記通信チャンネルを介して前記第1の電子装置に電力を受け取りたいとのリクエストを、前記第2の電子装置によって送信することを更に含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
電子装置を充電するための方法であって、
充電表面の複数のユニットセルの少なくとも一部の内部にRFエネルギー信号を存在させるために、前記充電表面の前記複数のユニットセルにRF信号を印加することと、
前記電子装置のアンテナが前記複数のユニットセルのうちの少なくとも1つから近距離場の距離内に配置された場合、前記電子装置の前記アンテナで前記RFエネルギー信号を受信することと、
前記アンテナが前記RFエネルギー信号を受信するのに応答して、前記電子装置の電池を充電することと、を含む方法。
【請求項25】
前記ユニットセルのうちの少なくとも1つによって、前記RFエネルギー信号が前記電子装置の前記アンテナに漏出される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記RFエネルギー信号はある中心周波数で動作し、
前記RFエネルギー信号を漏出させることは、前記アンテナが前記中心周波数に同調され、かつ前記複数のユニットセルのうちの前記少なくとも1つから前記近距離場の距離内に配置された場合に、前記複数のユニットセルのうちの前記少なくとも1つによって、前記RFエネルギー信号を漏出させることを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記RFエネルギー信号は、ある中心周波数で動作し、前記アンテナが前記中心周波数に同調されている場合に前記アンテナで受信される、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記近距離場の距離は約4mm未満である、請求項24~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記電子装置は、前記電池が充電される前に、前記受信したRFエネルギー信号を整流する、請求項24~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記充電表面はメタマテリアルを含む、請求項24~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記RFエネルギー信号はある中心周波数で動作し、前記充電表面の前記複数のユニットセルは、前記中心周波数に同調されたアンテナが前記複数のユニットセルのうちの前記少なくとも1つから前記近距離場の距離内に配置されていない場合に、前記RFエネルギー信号を保持するように構成される、請求項24~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記RF信号を印加することは、パッチアンテナを使用して前記RFエネルギー信号を生成することを含む、請求項24~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記充電表面の前記複数のユニットセルのうちの1つ又は複数内に前記RFエネルギー信号を保持することを更に含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記RFエネルギー信号は、前記複数のユニットセルのうちの少なくとも1つによって、前記複数のユニットセルのうちの前記少なくとも1つに配置された開口部を通して漏出される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記RFエネルギー信号が受信される前記アンテナは、前記電子装置の外部に位置する、請求項24~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
システムであって、
RF信号を生成するように構成されたRF回路と、
複数のユニットセルであって、前記RF信号を受け取るように、かつ、前記複数のユニットセルの少なくとも幾つかの内部にRFエネルギー信号を存在させるように構成された複数のユニットセルを含む充電表面と、
電子装置のアンテナが前記複数のユニットセルのうちの1つ又は複数に対して近距離場の距離内に配置された場合に、前記電子装置のアンテナが前記RFエネルギー信号を受信するのに応答して、前記電子装置を充電するように構成された受信回路と、を含むシステム。
【請求項37】
前記RFエネルギー信号はある中心周波数で動作し、前記充電表面の前記複数のユニットセルは、前記アンテナが前記中心周波数に同調されている場合、前記電子装置の前記アンテナに前記RFエネルギー信号を漏出させるように構成される、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記近距離場の距離は約4mm未満である、請求項36~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記受信回路は、前記受信したRFエネルギー信号を整流するように構成された整流回路を含む、請求項36~38のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項40】
前記RF回路は1つ又は複数のパッチアンテナを含む、請求項36~39のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項41】
前記充電表面はメタマテリアルを含む、請求項36~40のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項42】
前記複数のユニットセルの各ユニットセルは、パッチアンテナを有する第1の基板層と、開口部を有する第2の基板層とを含む、請求項36~41のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項43】
前記複数のユニットセルの各ユニットセルは、パッチアンテナと、前記パッチアンテナの実質的に周囲に配置された開口部とを有する第1の基板層を含む、請求項36~41のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項44】
前記RFエネルギー信号はある中心周波数で動作し、前記複数のユニットセルの各ユニットセルは、前記中心周波数に同調されたアンテナが前記複数のユニットセルのうちの少なくとも1つから前記近距離場の距離内に配置されていない場合に、前記RFエネルギー信号を保持するように構成される、請求項36~43のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項45】
前記アンテナは前記電子装置の外部に位置する、請求項36~44のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
一般的に、本開示は無線充電に関する。より具体的には、本開示は低電力近距離場充電表面に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
ラップトップコンピュータ、スマートフォン、携帯用ゲーム装置、タブレット、又はその他などの電子装置は、動作するために電力を必要とする。一般的に理解されるように、電子機器は1日に少なくとも1回、又は使用頻度の高い若しくは電力を大量消費する電子装置では1日に2回以上と、頻繁に充電される。そのような作業は退屈であり、ユーザによっては負担になることがある。例えば、ユーザは、電子機器の電力が不足した場合の用心のために、充電器を持ち運ぶ必要があることがある。更に、ユーザによっては、電子機器を接続する利用可能な電源を見つけなくてはならず、これには時間がかかる。最後に、ユーザによっては、電子装置を充電できるように、壁又は何等かの他の電源にプラグ接続しなくてはならない。しかしながら、そのような作業は、充電中に電子装置を使えなくしたり、又は携帯できなくしたりすることがある。
【0003】
幾つかの従来の解決策には、誘導性の充電パッドが含まれ、これには、磁気誘導コイル又は共振コイルが用いられることがある。当技術分野で理解されるように、そのような解決策は、電子装置が(i)誘導性充電パッド上の特定の位置に載置されること、及び(ii)特定の配向を有する電磁場に起因して、給電のために特定の向きに置かれること、を依然として必要とする。更に、誘導性充電ユニットは、両方の装置(即ち、充電器、及び充電器によって充電される装置)内に大きなコイルを必要とするが、これは、例えば、寸法及び費用という理由から望ましくないことがある。従って、電子装置が誘導性充電パッド上に正しい配向で置かれないと、十分に充電できなかったり、又は充電を受けられなかったりすることがある。また、充電マットの使用後に電子装置が期待された通りに充電されていないと、ユーザは苛立つことがあり、それによって充電マットの信頼性が損なわれることがある。
【0004】
従って、十分な充電を提供するために特定の向きに置くことを必要とすることのない、低電力の無線充電を可能にする充電表面の経済的なアプリケーションに対する要求がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
概要
一実施形態では、本開示は電子装置を充電するための方法を提供し、この方法は、複数のユニットセルを有する充電表面にRF信号を印加して、ユニットセルのうちの少なくとも1つから近距離場の距離内に電子装置のアンテナが配置されるのに応答して電子装置を充電するために、RFエネルギーを充電表面のユニットセルの内部に存在させることを含む。ユニットセルは、少なくとも部分的に周期的構造であることがあり、周期的構造は局所的に周期的であり得る一方で、周期的構造内の位置の関数として適応性があることがある。
【0006】
一実施形態では、本開示は充電表面装置を提供し、この充電表面装置は、RF信号を生成するように構成された回路と、複数のユニットセルであって、RF信号を受け取るように、かつ、複数のユニットセルのうちの少なくとも1つの表面から測った近距離場の距離内に電子装置のアンテナが配置されるのに応答して電子装置を充電するために、RFエネルギー信号を存在させるように構成された、複数のユニットセルと、を含む。
【0007】
一実施形態では、本開示は電子装置を充電するための方法を提供し、この方法は、充電表面の複数のユニットセルにRF信号を印加して、RFエネルギー信号を充電表面のユニットセルの内部に存在させることと、電子装置のアンテナがユニットセルのうちの少なくとも1つから近距離場の距離内に配置されると電子装置のアンテナでRFエネルギー信号を受信することと、アンテナがRFエネルギー信号を受信するのに応答して電子装置の電池を充電することと、を含む。
【0008】
一実施形態では、本開示はシステムを提供し、このシステムは、RF信号を生成するように構成されたRF回路と、RF信号を受け取るように、かつ、受信装置が存在しない場合にはユニットセルの内部にRFエネルギー信号が閉じ込められる/保存されるように、かつ、受信機が表面の近距離場領域内にある場合にエネルギーを漏出させるように構成された複数のユニットセルを含む適応的結合表面(ここでは、充電表面)と、を含む。充電されるべき電子装置の受信回路は、この電子装置のアンテナが(結合表面の)ユニットセルのうちの1つ又は複数から近距離場の距離内に配置されると、電子装置のアンテナがRFエネルギー信号を受信するのに応答して、電子装置を充電するように構成されることがある。
【0009】
一実施形態では、本開示は電子装置を充電するための方法を提供し、この方法は、RF信号を生成することと、ユニットセルのパッチアンテナ部材(即ち、結合表面内部に配置されており、パッチアンテナ部材又は励起素子は結合表面設計の一部(例えば、ユニットセルのうちの1つ)であることがあるか、又は励起素子は他のユニットセルの内部に配置された追加の素子であることがある)に、ビアを通って延びている導電線によって、RF信号を印加することと、パッチアンテナによって、ユニットセル内でRFエネルギー信号を生成することと、電子装置のアンテナがユニットセルから近距離場の距離内に配置されると、ユニットセルから電子装置のアンテナにRFエネルギー信号を漏出させることと、を含む。
【0010】
一実施形態では、本開示は充電表面装置を提供し、この充電表面装置は、1つ又は複数のRF信号を受け取るように構成された複数のユニットセルを含み、各ユニットセルは、(i)1つ又は複数のRF信号のうちの1つを受け取り、(ii)電子装置を充電するためのRFエネルギー信号を生成する、ように構成されたパッチアンテナと、電子装置のアンテナがそれぞれのユニットセルから近距離場の距離内に配置されると、ユニットセルからRFエネルギー信号を漏出させるように構成された開口部と、を含む。
【0011】
一実施形態では、本開示は装置を充電するための方法を提供し、この方法は、充電表面の複数のユニットセルにRF信号を印加して、RFエネルギー信号を充電表面のユニットセルの内部に存在させることと、電子装置のアンテナが複数のユニットセルのうちの少なくとも1つから近距離場の距離内に配置されるのに応答して、高調波スクリーンフィルタ素子を使用してRFエネルギー信号をフィルタリングして、電子装置を充電するためのRFエネルギー信号を生成することと、を含む。
【0012】
一実施形態では、本開示は充電表面装置を提供し、この充電表面装置は、RF信号を生成するように構成された回路と、RF信号を受け取るように、かつ、ユニットセルのうちの1つ又は複数の内部にRFエネルギー信号を存在させるように構成された複数のユニットセルと、複数のユニットセルのうちの少なくとも1つから近距離場の距離内に電子装置のアンテナが配置されるのに応答して電子装置を充電するために、RFエネルギー信号をフィルタリングするように構成された高調波スクリーンフィルタ素子と、を含む。
【0013】
一実施形態では、本開示は充電表面装置の製造方法を提供し、この方法は、RF信号を生成するように構成された回路を複数のユニットセルに結合することと、なお、複数のユニットセルはRF信号を受け取るように、かつ、ユニットセルのうちの1つ又は複数の内部にRFエネルギー信号を存在させるように構成されており、また、複数のユニットセルのうちの少なくとも1つから近距離場の距離内に電子装置のアンテナが配置されるのに応答して電子装置を充電するために、RFエネルギー信号をフィルタリングするように構成された高調波スクリーンフィルタ素子を取り付けることと、を含む。
【0014】
一実施形態では、本開示は電子装置を充電するための方法を提供し、この方法は、ある中心周波数を含むある帯域幅で構成され、かつ無線信号を通信するために使用される、アンテナによって、その中心周波数で動作する無線充電信号を受信することと、なお、無線充電信号はアンテナから近距離場の距離内に配置された充電表面から受信され、また、アンテナが閾値水準を超える電力を受信しているとの判断に応答して、受信した無線充電信号を整流器にルーティングして無線充電信号を電力信号に変換することと、を含む。
【0015】
一実施形態では、本開示はシステムを提供し、このシステムは、無線信号を通信するために使用されるアンテナによって受信された無線充電信号からの電力を判断するように構成された受信回路と、なお、無線充電信号はアンテナから近距離場の距離内に配置された充電表面からアンテナによって受信され、また、電力を閾値水準と比較するように構成された比較回路と、受信した無線充電信号を整流して整流された信号を生成するように構成された整流回路と、整流された信号を、充電可能電池を充電するための電圧に変換するように構成された電圧変換器と、電力が閾値水準を超えている場合に受信した無線充電信号を整流器にルーティングするように構成されたスイッチング回路と、を含む。
【0016】
一実施形態では、本開示は電子装置を充電するための方法を提供し、この方法は、電子装置を充電するためのリクエストを示す信号を受信することと、この信号を受信するのに応答してRF信号を生成することと、充電表面の複数のユニットセルにRF信号を印加して、電子装置を充電するためにRFエネルギー信号を充電表面のユニットセル内に存在させることと、電子装置のアンテナが複数のユニットセルのうちの少なくとも1つへの近距離場の距離内に配置されると、RFエネルギー信号を、充電表面の複数のユニットセルから電子装置のアンテナに漏出させることと、を含む。
【0017】
一実施形態では、本開示は充電表面装置を提供し、この充電表面装置は、電子装置を充電するためのリクエストを示す信号を受信するように構成された制御回路と、それぞれがRFエネルギー信号を生成するように構成された複数のパッチアンテナと、電子装置のアンテナが、中心周波数に同調され、かつ複数のユニットセルのうちの少なくとも1つから近距離場の距離内に配置されると、ユニットセルからRFエネルギー信号を漏出させるように構成された複数のユニットセルと、を含む。
【0018】
一実施形態では、本開示は電子装置を充電するための方法を提供し、この方法は、充電表面のユニットセル内に低電力RFエネルギー信号を生成することと、電子装置のアンテナがユニットセルから近距離場の距離内に配置されると、低電力RFエネルギー信号を充電表面のユニットセルから電子装置のアンテナに漏出させることと、充電表面のユニットセル内の低電力RFエネルギー信号を感知することと、充電表面のユニットセル内の低電力RFエネルギー信号を閾値水準と比較することと、低電力RFエネルギー信号が閾値水準未満である場合に、充電表面のユニットセル内に次の低電力RFエネルギー信号を生成することと、を含む。
【0019】
一実施形態では、本開示は充電表面装置を提供し、この充電表面装置は、低電力RFエネルギー信号を生成するように構成され得る、パッチアンテナなどの給電素子と、給電素子、ここではパッチアンテナを含むユニットセルであって、電子装置のアンテナがユニットセルから近距離場の距離内に配置されていない場合には低電力RFエネルギー信号を保持し、電子装置のアンテナがユニットセルから近距離場の距離内に配置されると、低電力RFエネルギー信号を漏出させるように構成されたユニットセルと、制御回路であって、ユニットセル内の低電力RFエネルギー信号を感知し、低電力RFエネルギー信号を閾値と比較し、低電力RFエネルギー信号が閾値未満である場合には、パッチアンテナが、ユニットセル内に保存される次の低電力RFエネルギー信号を生成する、ように構成される制御回路と、を含む。
【0020】
一実施形態では、本開示は電子装置を充電するための方法を提供し、この方法は、金属構造体が充電表面の表面に近接して配置されるのに応答して、充電表面からRFエネルギー信号を漏出させて、RFエネルギー信号が、充電表面の表面と金属構造体との間に形成された空間に進入するようにし、その結果、電子装置のアンテナが漏出したRFエネルギー信号を受信し、受信したRFエネルギー信号を整流器にルーティングしてRFエネルギー信号を変換し、充電可能電池を充電できることを含む。
【0021】
一実施形態では、本開示は電子装置を充電するための方法を提供し、この方法は、充電表面の複数のユニットセルにRF信号を印加して、RFエネルギー信号を充電表面のユニットセル内部に存在させることと、RFエネルギー信号を、ユニットセルのうちの1つ又は複数から、充電表面の表面とユニットセルのうちの1つ又は複数から近距離場の距離内に配置された電子装置の金属部分との間に形成された間隙に漏出させて、電子装置のアンテナが電子装置を充電するためにRFエネルギー信号を受信するようにすることと、を含む。
【0022】
一実施形態では、本開示は充電表面装置を提供し、この充電表面装置は、RF信号を生成するように構成された回路と、複数のユニットセルとを含み、複数のユニットセルは、RF信号を受け取るように構成され、かつ、ユニットセルのうちの1つ又は複数から、充電表面の表面と電子装置の金属部分との間に形成された空洞/間隙にRFエネルギー信号を漏出させて、電子装置のアンテナが電子装置を充電するためにRFエネルギー信号を受信するようにすることにより、ユニットセルのうちの1つ又は複数から近距離場の距離内に配置された電子装置を充電するために、RFエネルギー信号をユニットセル内に存在させるように構成される。
【0023】
一実施形態では、無線電力伝送のためのシステムが、第1の装置であって、充電表面から1つ又は複数のRF信号を受信するように構成された第1のアンテナと、第1の装置に近接した1つ又は複数の装置に1つ又は複数のRF信号を送信及び受信するように構成された第2のアンテナと、を含む第1の装置、並びに第2の装置であって、第1の装置から1つ又は複数のRF信号を受信するように構成された第1のアンテナと、第2の装置が第1の装置に近接して存在する場合に、第2の装置が第1の装置から1つ又は複数のRF信号を受信するのに応答して充電されるように構成された電池と、を含む第2の装置、を含む。
【0024】
一実施形態では、無線電力伝送のための方法が、第1の装置のアンテナによって、第1の装置に近接する第2の装置に1つ又は複数のRF信号を送信することを含み、第2の装置は、第1の装置から1つ又は複数のRF信号を受信するように構成された第1のアンテナと、第2の装置が第1の装置に近接して存在する場合に、第2の装置が第1の装置から1つ又は複数のRF信号を受信するのに応答して充電されるように構成された電池と、を含む。
【0025】
一実施形態では、無線装置が、充電表面から1つ又は複数のRF信号を受信するように構成された第1のアンテナと、この無線装置に近接する1つ又は複数の無線装置に1つ又は複数の異なるRF信号を送信及び受信するように構成された第2のアンテナと、を含む。無線装置は、電池を充電するためにRFエネルギーを電気エネルギーに変換するように構成される。
【0026】
図面の簡単な説明
本開示の実施形態について、添付の図面を参照して、例として説明する。添付の図面は概略的であり、正確な縮尺で描かれていないことがある。図面は、従来技術を表すものとして示されていない限り、本開示の態様を表す。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1A】本開示の一実施形態による、電子装置を充電するためにRFエネルギー信号を生成する例示的な充電表面上に配置された電子装置の例示的な実施形態を示す。
【
図1B】本開示の一実施形態による、電子装置が配置される表面を含む、例示的なテーブルの図である。
【
図2A】本開示の一実施形態による、電子装置を充電するためにRFエネルギー信号を生成するための、例示的な充電表面の概略図である。
【
図2B】本開示の1つ又は複数の実施形態による例示的な充電表面の動作を示す流れ図である。
【
図2C】本開示の1つ又は複数の実施形態による例示的な充電表面のより詳細な動作を示す流れ図である。
【
図3A】本開示の一実施形態による、充電表面によって生成されたRFエネルギー信号を受信するための例示的な電子装置の概略図である。
【
図3B】本開示の1つ又は複数の実施形態による例示的な電子装置の動作を示す流れ図である。
【
図4A】近距離場の距離内に電子装置が配置されていない場合の充電表面を表す回路の概略図を示す。
【
図4B】近距離場の距離内に電子装置が配置されている場合の充電表面を表す回路の概略図を示す。
【
図4C】充電表面の近距離場の距離内に電子装置が配置されていない場合と配置されている場合のエネルギーの流れの2つの状態を伴う、等価回路の概略モデルを示す。
【
図5A】本開示の一実施形態による、2つの基板層を含む充電表面のアンテナ部分の例示的な実施形態の上面図を示す。
【
図5B】本開示の一実施形態による、2つの基板層を含む充電表面の給電部分(即ち、表面の接地面に作られたスロット)の例示的な実施形態の底面図である。
【
図5C】本開示の一実施形態による、
図5A及び
図5Bに示した充電表面のアンテナ部分用に使用されるユニットセルの例示的な実施形態の斜視図である。
【
図5D】本開示の一実施形態による、
図5Cに示したユニットセルの例示的な実施形態の俯瞰図である。
【
図6A】本開示の一実施形態による、1つの基板層を用いて形成された充電表面のアンテナ部分の例示的な実施形態の上面図である。
【
図6B】本開示の一実施形態による、1つの基板層を用いて形成された充電表面のアンテナ部分の例示的な実施形態の底面図を示す。
【
図6C】本開示の一実施形態による、
図6A及び
図6Bに示した充電表面のアンテナ部分の一部を含むユニットセルの例示的な実施形態の斜視図を示す。
【
図6D】本開示の一実施形態による、
図6Cに示したユニットセルの例示的な実施形態の俯瞰図を示す。
【
図6E】複数のユニットセルを含む例示的な充電表面の断面図を示す。
【
図7A】本開示の一実施形態による、充電表面から近距離場の距離内に配置された電子装置の例示的な実施形態の断面図を示す。
【
図8A】本開示の一実施形態による、金属表面を有する電子装置と充電装置の表面との間に位置する例示的なRFエネルギー信号の共振を示す。
【
図8B】本開示の一実施形態による、電子装置を充電するために共振カプラ―を提供する充電表面のより詳細な概略図を示す。
【
図8C】本開示の一実施形態による、電子装置を充電するために共振カプラ―を提供する充電表面のより詳細な概略図を示す。
【
図8D】本開示の一実施形態による、電子装置を充電するために共振カプラ―を提供する充電表面のより詳細な概略図を示す。
【
図9】本開示の一実施形態による、充電表面を使用して電子装置を充電するための例示的な方法の流れ図を示しており、電子装置は、充電したいとのリクエストを示す信号を通信するか、又はさもなければ充電表面と対になる。
【
図10】本開示の一実施形態による、電子装置が、充電したいとのリクエストを示す信号を通信しない場合の、充電表面を使用して電子装置を充電するための例示的な方法の流れ図を示す。
【
図11A】高調波スクリーンフィルタ素子を有する充電表面のユニットセルの一実施形態の斜視図を示しており、高調波スクリーンフィルタ素子は、ユニットセルの上面の上又は上方に配置される。
【
図11B】高調波スクリーンフィルタ素子を有する充電表面のユニットセルの一実施形態の断面図を示しており(但し、高調波フィルタスクリーンは、周期的なユニットセルから作製されることがある)、高調波スクリーンフィルタ素子は、ユニットセルの上面の上又は上方に配置される。
【
図12A】高調波スクリーンフィルタ素子を有する充電表面のユニットセルの一実施形態の斜視図を示しており、高調波スクリーンフィルタ素子は、ユニットセルの基板層の内部に配置される。
【
図12B】高調波スクリーンフィルタ素子を有する充電表面のユニットセルの一実施形態の断面図を示しており、高調波スクリーンフィルタ素子は、ユニットセルの基板層の内部に配置される。
【
図13A】本開示の一実施形態による、複数の装置間での無線電力伝送を示す概略図である。
【
図13B】本開示の一実施形態による、複数の装置間での無線電力伝送を示す概略図である。
【
図14】本開示の一実施形態による、複数の装置間での無線電力伝送の動作を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
詳細な説明
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する添付の図面への参照がなされる。図面は正確な縮尺又は比率ではないことがあり、図面では、文脈がそうではないことを規定しない限り、同様の符号は通常、同様の構成要素を特定する。詳細な説明、図面、特許請求の範囲において説明される例示的な実施形態は、限定することを意味してはいない。本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他の実施形態を用いることができ、かつ/又は他の変更を加えることができる。
【0029】
無線充電及び高インピーダンス表面
図1Aは、充電表面に関する本開示の一実施形態を示しており、この実施系形態では、例示的な電子装置104が例示的な充電表面102上に配置されており、例示的な充電表面102は電子装置104を充電するための無線周波数(RF)エネルギー信号を生成する。充電表面102はパッドとして示されているが、充電表面102は任意の形態を有してもよく、例えば、机上表面若しくはその一部、別の電子装置若しくは非電子装置の筐体、又は、本明細書で説明するように、電子装置を充電若しくは給電するために近距離場RF信号を介してRF充電を行うことができる任意の他の表面などであってもよいことを理解されたい。充電表面102は、電子装置104、より具体的には電子装置104のアンテナが充電表面102から近距離場の距離(例えば、約4mm未満であることが好ましい)内に配置されると、電子装置104によって受信される無線電力伝送用の1つ又は複数のRFエネルギー信号を生成することができる。充電表面102の用途及び構成に応じて、4mmよりも大きい距離と4mmよりも短い距離との両方の、代替の近距離場の距離を利用することもできる。受信されたRFエネルギー信号は次いで、電子装置104の電池を充電するために、電力変換回路(例えば、整流回路)(図示せず)によって電力信号に変換される。実施形態によっては、充電表面102によって出力される総電力は、連邦通信委員会(FCC)規則第15編(低電力、非認可の送信機)に準拠するために、1ワット以下である。
【0030】
実施形態によっては、電子装置104は、本明細書で説明するRF電力変換コンポーネントを含む任意の電子装置を含むことがある。例えば、電子装置は、タブレット、ラップトップ、携帯電話、PDA、若しくはスマートウォッチ、フィットネス装置、ヘッドセットなどのウェアラブル装置などの様々な携帯可能技術の任意のもの、又は、本明細書で説明する原理を利用して再充電可能な若しくは動作可能な任意の他の携帯型の、可動式の、若しくは他の電子装置技術のものとすることができる。
【0031】
実施形態によっては、充電表面102は、複数の側壁106、上面108、及び底面(図示せず)によって画定される筐体を含むことがある。上面108は、底面上に延在する。側壁106は、上面108と底面との間にまたがる。実施形態によっては、筐体はプラスチックで形成されるが、代替的に又は追加的に、他の材料、例えば、木材、金属、ゴム、ガラス、又は本明細書に記載する機能を提供することができる他の材料から形成することもできる。
図1Aに示すように、充電表面102は直方体の形状をしているが、他の2次元又は3次元の形状、例えば、立方体、球体、半球体、ドーム状、円錐形、ピラミッド状、又は、開いた形状若しくは閉じた形状であろうとなかろうと、任意の他の多角形の若しくは非多角形の形状も可能である。実施形態によっては、筐体は防水性又は耐水性である。充電表面102は、硬くても又は可撓性を有してもよく、任意選択的に、机の上又はテーブルの上に置かれた時に動かないようにするためのすべり防止底面を含むことがある。同様に、上面108は、面108と電子装置との間の動きを阻止するために、すべり防止領域(例えば、ストリップ)(図示せず)を含むか、又は全体的にすべり防止処理されていることがある。更に、固定具又は他のガイドを上面108に取り付けて、ユーザが電子装置を位置決めするのを助けることができる。筐体は、充電表面102の様々な構成要素を収容することができ、これらの構成要素については本明細書で更に詳細に説明する。なお、充電表面は、受信装置からの熱を吸収するために、熱伝導性材料(例えば、窒化アルミニウム)から作製されることがある。更に、結合表面全体は、表面を形成するようにユニットセルを成形するために使用されることがある高DK(即ち、高誘電体誘電率)のプラスチック/セラミックから作製されることがある。
【0032】
以下でより詳細に説明するように、充電表面102は、少なくとも部分的に基板材料から形成される複数のユニットセルアンテナを含むことがある。基板は、FR4、Rogers、セラミック、又は当技術分野で知られている任意の他の材料などの、メタマテリアル(即ち、送信される信号の波長に比べて小さい、パッチ、双極子、又はスロットなどの要素を使用して作製される人工材料)を含むことがある。ユニットセルは、電子装置104が充電表面102上に配置されるのに先立って、電子装置104を充電するために使用されるRFエネルギー信号を保持するように設計される。即ち、近距離場の距離内に配置される電子装置104のアンテナが無い場合、又は、電子装置104のアンテナがRFエネルギー信号を受信するように同調されていないか又は別の態様で構成されていない場合、ユニットセルはRFエネルギー信号を漏出しないか、又は最小限の漏出を有する。しかしながら、ユニットセルは、受信アンテナが、ユニットセルから近距離場の距離内に配置され、かつ、RFエネルギー信号の周波数に同調されている(又は、RFエネルギー信号を受信するように別の態様で構成されている)場合、ユニットセルから電子装置104のアンテナにRFエネルギー信号を漏出させられるように適応的に構成される。本開示では、アンテナの一実施形態は、メタマテリアルを有する充電表面102からのRFエネルギー信号の漏出が発生する場合、特定の周波数に「同調されている」とみなされる。ユニットセルの1つ又は複数の表面を、メタマテリアルを用いて形成することができる。例えば、設計基準に応じて、接地面、アンテナパッチ、及び/又はその両方をメタマテリアルで形成することができる。
【0033】
充電表面102のユニットセルの構成において、ユニットセルは、電子装置104が充電表面102の近接場内に配置されるのに先立って、ユニットセルの基板内で生成され基板内を伝搬する周波数信号が実質的に充電表面102内部で保持され得るように、周期的に間隔をおいて配置され所定の大きさに作製されることがある。即ち、電子装置104のアンテナが充電表面102の近距離場内に配置されると、ユニットセルの表面において、静電容量及びインダクタンスの電気的特性が電子装置によって持ち込まれるのに起因して、充電表面の境界条件の変化が起こる(
図4A及び
図4Bを参照)。
【0034】
電磁気の同調により、充電表面102のアンテナの近距離場の距離内にある特定のユニットセルにおいて漏出を可能にすることがもたらされるように、表面を設計することができる。適切に「同調」されると、RFエネルギー信号は充電表面102のユニットセルの基板内に保持され、漏出はおこらないか、最小限になる。充電表面102の近距離場内にアンテナが無い場合、RFエネルギー信号は充電表面102の表面から反射され、その結果、漏出はおこらないか、最小限になる。また、電子装置104のアンテナが充電表面102の近距離場内にある場合、適切に「同調」されていると、充電表面102の表面特性が変化し、信号が電子装置104のアンテナの位置においてユニットセルのスロット双極子又は他の特徴と整列され、その位置で漏出を発生させることができる。異なる周波数が使用されることになる場合には、この異なる周波数に対応して漏出を回避するために、充電表面102のユニットセルに対して寸法変更を行うことがある。一例として、より高い周波数が使用される場合、同様の性能を提供するために、より小さなユニットセルを含めることが必要である。
【0035】
図1Bに関して、電子装置114が配置される表面112を含む例示的なテーブル110の図が示されている。表面112は、充電表面102と同じ又は類似の原理及び構成を利用した充電表面として、完全に又は部分的に動作するように構成されることがある。例えば、充電表面を含む家具を提供することにより、電子装置114を充電表面112上に配置してもよく、電子装置114は、
図1Aに示したような別個の充電装置又は外部パッドからは独立して充電される。多種多様な装置、家具、及び/又は構造体を、その装置、家具、及び/又は構造体の1つ又は複数の表面領域上に充電表面を含むように構成することができることを、理解されたい。水平の表面が望ましいが、代替の角度のついた表面を設けることもできることを、理解されたい。
【0036】
図示するように、アンテナ層116が充電表面102と同じ又は類似の構造を提供し、その結果、RFエネルギー信号の周波数に同調されたアンテナが充電表面102の近距離場の距離内に配置されるのに応答して、RFエネルギー信号を充電表面102から漏出させることができる。一実施形態では、充電表面112の全体が電子装置を動作可能なように充電するように構成されるのではなく、本明細書で説明するように、充電表面112の一部が充電機能を実行するように構成されることがある。
【0037】
図2Aは、
図1Aの充電表面102の一実施形態を含む様々な構成要素の概略
図200を示す。充電表面102は筐体202を含み、ここには、アンテナ素子204(アンテナ素子204a~204nとして示される)、デジタル信号プロセッサ(DSP)又はマイクロコントローラ208、及び任意選択的な通信コンポーネント210が含まれることがある。筐体202は、信号又は波の送信及び/又は受信を可能にする任意の適切な材料、例えばプラスチック又は硬質ゴムから作製されることがある。アンテナ素子204は、それぞれ充電表面102のユニットセルのうちの1つの内部に配置され、900MHz、2.5GHz、又は5.8GHzなどの周波数帯域で動作するのに適切なアンテナタイプを含むことがある、というのも、これらの周波数帯域は、連邦通信委員会(FCC)規則第18編(工業、科学、及び医療(ISM)用装置)に準拠するからである。他の周波数及び複数の周波数も可能である。適切なアンテナタイプには、例えば、高さ約1/24インチ(約0.1センチメートル)から約1インチ(2.54センチメートル)、及び幅約1/24インチから約1インチのパッチアンテナが含まれることがある。例えば、とりわけメタマテリアル及びダイポールアンテナなどの他のタイプのアンテナ素子204を使用することができる。
【0038】
一実施形態では、マイクロコントローラ208は、アンテナ素子204を使用してRF伝送を生成及び制御するための回路を含むことがある。これらのRF信号は、適切な圧電材料、フィルタ、及び他のコンポーネントを使用した局部発振器チップ(図示せず)を含むRF回路(図示せず)、並びに外部電源212を使用して、生成することができる。次いで、これらのRF信号は、アンテナ204に接続され、充電表面102のユニットセル内にRFエネルギー信号を存在させる。マイクロコントローラ208は、RF信号を生成する時間を決定し、結果として生じるRFエネルギー信号によって適切な電力レベルが生成されるようにするために、受信機自体のアンテナ素子を通じて受信機によって送信された情報を処理することができる。実施形態によっては、これは、前述したように、かつ当技術分野で理解されるように、RFエネルギー信号が所望の周波数範囲内で生成されるようにするように構成された通信コンポーネント210を使用して、達成することができる。代替の構成では、局部信号発生器を使用するのではなく、非局部信号発生器(即ち、充電表面102の外部)を利用することがある。
【0039】
実施形態によっては、電力増幅器(図示せず)及び利得制御回路(図示せず)を各アンテナ204に適用することがある。しかしながら、充電表面102内で使用され得るアンテナの数を考慮すると、複数のアンテナ204のそれぞれに給電するためのRFエネルギー信号(アンテナ204に印加される信号)を生成するために、RF信号(充電表面102に供給されるか又は充電表面102内部で生成されるRF信号)を増幅するように1つ又は複数の電力増幅器を使用することは、回路の削減とより低いコストを可能にする。1つの特定の実施形態では、4つのRF入力ポート(図示せず)を使用して充電表面102のアンテナ204に給電することがある。充電表面102の設計において、充電表面102の内部にある単一のRF入力ポート又はRF発生器が、特定の数又は比率のアンテナ204をサポートすることができる。
【0040】
一実施形態では、通信コンポーネント210は、Bluetooth(登録商標)又はZigBee(登録商標)などの標準的な無線通信プロトコルを含むことがある。更に、通信コンポーネント210を使用して、電子装置104又は表面102用の識別子、電池レベル、位置、充電データ、又は他のそのようなデータなどの、他のデータを伝送することができる。他の通信コンポーネントも可能であり、これには、電子装置104の位置を決定するための音波三角測量のための周波数感知装置、レーダー、又は赤外線カメラ、が含まれることがある。
【0041】
一実施形態では、通信コンポーネントが、充電表面102によって充電されることになる電子装置から無線信号(例えば、Bluetooth(登録商標)信号)を受信するのに応答して、マイクロコントローラ208は、デジタル信号214を用いて通知されて、応答性よく、通信コンポーネント210がアンテナ204に印加されることになるRFエネルギー信号216を生成するようにすることができる。代替の実施形態では、通信コンポーネントは、無線信号を受信するためにそれ自体のRF回路及びアンテナを有することがあり、マイクロコントローラは、充電用のRFエネルギーをアンテナに印加させる。そのような構成では、RFポート(
図5B及び
図6Bを参照)は、RF信号が、処理のためかつアンテナ204への伝達のために、通信コンポーネント210に伝達されるようにするために、導電体を提供することができる。更に別の実施形態では、電池パック、携帯装置の保護ケース、又は電子装置を充電若しくは給電するために使用され得る任意の他の装置などの、別個の装置が、充電表面102から無線信号を受信するためのRF回路及びアンテナを含むことがある。
【0042】
一実施形態では、別個のアンテナ(図示せず)が、RF信号を受信し、受信したRF信号を、処理のためかつ/又はアンテナ204に直接的にルーティングするために、通信コンポーネント210に伝達するように構成されることがある。別個のアンテナの使用により、本明細書で説明するように、近距離場の態様で電子装置を充電又は給電するために充電表面102にRF充電信号を送信する遠距離場送信機から遠隔で充電表面102を操作可能にすることができる。
【0043】
電源212は、ラップトップ、壁面充電器、内部電池、外部電池、又は他の電源、への接続(例えば、USB又はマイクロUSB接続)を介して提供されることがある。電源212は、充電表面102上の又は充電表面102における回路に給電するために使用されることがある。
【0044】
図2Bは、本開示の1つ又は複数の実施形態による充電表面102の一般的な動作を示す流れ
図250である。ステップ252で、充電表面102は、充電表面102のユニットセルのうちの1つ又は複数内でRFエネルギー信号を生成する。ユニットセルは、ユニットセルのアンテナ204のいずれかから近距離場の距離内に配置される電子装置104のアンテナが無い場合、又は、電子装置104のアンテナがRFエネルギー信号を受信するように同調されていないか又は別の態様で構成されていない場合、電子装置104を充電するために使用されるRFエネルギー信号の実質的に全て(例えば、RFエネルギー信号より-30dB低いなどの、特定の漏出閾値未満)を保持する。ステップ254で、ユニットセルは、電子装置104のアンテナが、(i)ユニットセルアンテナ204のうちの1つから近距離場の距離内に配置され、かつ、(ii)RFエネルギー信号の周波数に同調されている(又は、RFエネルギー信号を受信するように別の態様で構成されている)場合、ユニットセルから電子装置104のアンテナにRFエネルギー信号を漏出できるように適応する。RFエネルギー信号を漏出できるようにするためのユニットセルのこの適応は、容量性インダクタンス素子(アンテナ)がユニットセルのうちの1つ又は複数の近距離場内に配置された結果である。この工程は、電子装置104を充電し続ける。
【0045】
図2Cは、本開示の1つ又は複数の実施形態による例示的な充電表面のより詳細な工程260を示す流れ図である。工程260はステップ262で開始することができ、ステップ262では、RFエネルギー信号が充電表面において供給されることがある。このRFエネルギー信号は、充電表面の基板内部に収容される(閉じ込められる/保存される)か又は基板内を伝搬することによって、充電表面に供給されるRFエネルギー信号であり得る。代替の実施形態では、RFエネルギー信号を充電表面に供給するのではなく、静電容量、インダクタンス、又はRF信号の変化が、受動又は能動の電子装置によって充電表面で感知されるまで、RFエネルギー信号を基板内で伝搬させるために使用されるRF信号をオフにすることがある。実施形態によっては、RFエネルギー信号は、電子装置が充電表面に近接して配置されているか、又は実際に充電表面の近距離場内にあると判断されるまで、RFエネルギー信号は断続的にオンにされるか、又は低電力レベルでオンにされることがある。
【0046】
ステップ264で、電子装置のRFアンテナが、充電表面の近距離場に入ることがある。近距離場とは、本明細書で更に説明するように、充電表面近傍での静電容量及び/又はインダクタンスの変化に応答して、充電表面が表面からRFエネルギー信号を漏出させることができる範囲であり得る。
【0047】
ステップ266で、RFアンテナが充電表面の近距離場に入るのに応答して、RFエネルギー信号が充電表面から漏出することができる。一例として、充電表面の基板内部に分配され伝搬するRFエネルギー信号のRFエネルギーの量が5Wである場合、RFエネルギー信号は、充電表面の近距離場内にある電子装置のアンテナの位置(例えば、1つ又は複数のユニットセルの上方)に自動的にルーティングされ、そこから、充電表面の近距離場に入るアンテナに5Wが印加されるように漏出されることがある。当技術分野で理解されるように、充電表面の近距離場内にあることから生じる充電量は、2つのアンテナ間の結合量に基づく。例えば、結合比が1である場合、0dBの損失がおこる。例えば、結合比が0.5である場合、3dBの損失がおこる。
【0048】
ステップ268で、充電表面の近距離場からRFアンテナが出ると、ステップ270で、RFエネルギー信号は充電表面から漏出するのを停止する。そのとき、RFエネルギー信号は再び充電表面の基板内部に閉じ込められる/保存される。或いは、一実施形態では、RFエネルギー信号を生成するために充電表面に印加されるRF信号は、電力を節約するためにオフにされる。
【0049】
図3Aは、電子装置104の一実施形態を含む様々な構成要素の概略
図300を示す。電子装置104は、受信コンポーネント302、1つ又は複数のアンテナ304、本開示に従って充電されることになる電池312、及び任意選択的な通信コンポーネント310を含むことがある。実施形態によっては、通信コンポーネント310は受信コンポーネント302内に含まれることがある。実施形態によっては、受信コンポーネント302は、1つ又は複数のスイッチ素子305、整流器306、及び電力変換器308を含む回路を含んでおり、整流器306及び電力変換器308は結合されていることがある。受信機302は、電子装置104の内部に配置され、電子装置のアンテナ304、電池312、及び任意選択的な通信コンポーネント310に接続されることがある。実施形態によっては、受信コンポーネント302は、信号又は波の送信及び/又は受信を可能にする任意の適切な材料、例えばプラスチック又は硬質ゴムから作製される筐体を含むことがある。
【0050】
装置のアンテナ304は、
図2Aに関して上記で説明した帯域と同様の周波数帯域で動作するための適切なアンテナタイプを含むことがある。実施形態によっては、装置のアンテナ304は、電子装置104とのWi-Fiデータ通信用に設計されたアンテナ、及び、電子装置104の電気通信に関連した無線データ通信用に設計されたアンテナを含むことがある。アンテナ304は、消費者による使用のために容易に入手可能に生産されたアンテナなどの、従来型でかつ電子装置104に固有のものであることがある。実施形態によっては、上述したような周波数帯域で動作する装置のアンテナ304は、少なくとも2つの目的を満足させる。1つの例示的な目的は、ユーザデータの通信のため並びに無線充電機能に関連したデータの通信のために、Bluetooth又はWLANなどの無線標準を介して、電子装置104とのデータ通信を容易にすることである。第2の目的は、充電表面からRF充電信号を受信し、この信号を受信コンポーネント302に提供することである。そのような実施形態では、装置のアンテナ304は2つの機能を果たし、無線充電信号を受信するための別個の専用アンテナは存在しない。
【0051】
しかしながら、他の実施形態では、電子装置104は2組のアンテナを含むことがある。1つ又は複数のアンテナの第1の組は、ユーザデータ並びに無線充電動作に関連したデータの通信のための、Bluetooth又はWLANなどを介した無線データ通信を容易にするためのものであり、1つ又は複数のアンテナの第2の組は、RF無線充電信号を受信し、この信号を受信コンポーネント302に供給するためのものである。これらの実施形態では、アンテナの1つの組は、RF充電信号の受信専用である。なお、この実施形態では、アンテナの別個の組を使用することにより、望ましい場合には、データ通信及びRF充電が異なる周波数で動作することが可能になる。
【0052】
充電表面は、特定の動作周波数帯域を有する。電子装置104のアンテナの動作周波数帯域に応じて、電子装置104のアンテナは、近距離場内での電力伝送が行われるように、充電表面の動作周波数帯域内であるべきである。一例として、RFエネルギー信号のRF周波数がWi-Fi周波数帯域内で動作する場合、移動体通信用のアンテナは、充電表面の周波数帯域の外側にあるおかげで、RFエネルギー信号の漏出を引き起こさない。一実施形態では、アンテナ、電力変換器、及び電池を有するパワーパックなどの別個の装置を、従来の移動体通信(例えば、GSM、LTE、等)の周波数帯域外の周波数で動作するように構成することができる。一例として、充電表面を、無認可の周波数帯域に渡って動作するように構成することができ、パワーパックも、その周波数帯域に渡って動作するように構成することができ、その結果、充電表面によって充電されるときに通信が影響を受けないようになる。
【0053】
実施形態によっては、受信コンポーネント302は、電子装置アンテナ304の代わりに又は電子装置アンテナ304に加えて使用されるアンテナ(図示せず)を組み込むことがある。そのような実施形態では、適切なアンテナタイプは、高さ約1/24インチから約1インチ及び幅約1/24インチから約1インチのパッチアンテナ、又は充電表面102によって生成されるRFエネルギー信号を受信することができるダイポールアンテナなどの任意の他のアンテナを含むことがある。アンテナによって送信される周波数に応じて、代替の寸法を利用することもできる。いずれにせよ、元の装置アンテナ304が使用されるか又は受信機302に組み込まれた追加のアンテナが使用されるかに関わらず、アンテナは、充電表面102から近距離場の距離内に配置されると、充電表面102によって生成されたRFエネルギー信号を受信するように同調されているか又はさもなければ受信するように構成されているべきである。実施形態によっては、受信コンポーネント302は、RFエネルギー信号が受信されたことを示すための警告信号を引き起こす回路を含むことがある。警告信号は、例えば、視覚的な、オーディオの、又は物理的な表示を含むことがある。代替的な実施形態では、電子装置の内部にあるアンテナを使用するのではなく、電子装置(例えば、携帯電話)用の、一例として保護ケースとして同時に動作することがある「バックパック」などの別個の充電装置が、RFエネルギー信号をDC電力信号に変換する電力変換電子装置に加えてアンテナを含むことがある。
【0054】
スイッチ素子305は、アンテナ304のうちの1つ又は複数で受信されたRFエネルギー信号を検出することができ、また、検出した信号が閾値を超える電力レベルに相当する場合に、この信号を整流器306に導くことができる。スイッチ素子は、ダイオード、トランジスタ、又は他の電子装置から形成することができ、この他の電子装置は、絶対的な又は平均の電力レベルを決定するために利用されることがあり、この電力レベルは、スイッチ素子305が信号を受信機から整流器306にルーティングし、それによって電力変換を行うようにする。例えば、実施形態によっては、スイッチは、アンテナ304で受信されたRFエネルギー信号が10mWより大きな無線電力伝送を示す場合に、受信したRFエネルギー信号を整流器306に導くことがある。他の実施形態では、スイッチは、受信したRFエネルギー信号が25mWより大きな無線電力伝送を示す場合に、その受信したRFエネルギー信号を導くことがある。このスイッチングは、電力サージが印加されるのを防止することにより、電子装置104の電子部品、例えば受信回路などが損傷することを防ぐように作用する。閾値電力に達していない場合、電子装置は従来の態様で動作する。
【0055】
整流器306はダイオード、抵抗器、インダクタ、及び/又はコンデンサを含んで、当技術分野で理解されるように、アンテナ304によって生成された交流(AC)電圧を直流(DC)電圧に整流する。実施形態によっては、整流器306及びスイッチ305は、損失を最小にするために、アンテナ素子304に技術的に可能な限り近接して配置されることがある。AC電圧を整流した後、DC電圧は電力変換器308を使用して調節及び/又は調整されることがある。電力変換器308は、入力に関わらず一定の電圧出力を電子装置、又はこの実施形態では電池312に提供するのを助けることができるDC-DC変換器とすることができる。典型的な電圧出力は、約0.5ボルト~約10ボルトであり得る。他の電圧出力レベルも利用可能である。
【0056】
図2Aに関して上述したのと同様の、任意選択的な通信コンポーネント310を電子装置104に含めて、通信コンポーネント210及び他の電子機器と通信することができる。通信コンポーネント310は、受信コンポーネント302と一体化されていてもよく、又は、電子装置104内に配置された個別のコンポーネントであってもよい。実施形態によっては、通信コンポーネント310は、Bluetooth(登録商標)又はZigBee(登録商標)を含み得る標準的な無線通信プロトコルに基づくことがある。更に、通信コンポーネント310を使用して、電子装置104又は充電表面102用の識別子、電池レベル、位置、電子装置104に特有の電力要件、又は他のデータなどの、他のデータを通信することができる。
【0057】
図3Bは、本開示の1つ又は複数の実施形態による電子装置104の一般的な動作を示す流れ
図350である。ステップ352で、アンテナ304が、RFエネルギー信号の周波数に同調されており(又は、RFエネルギー信号を受信するように別の態様で構成されており)、ユニットセルのアンテナ204のうちの1つ又は複数から近距離場の距離内に配置される場合、アンテナ304は、充電表面102のユニットセルのうちの1つ又は複数からRFエネルギー信号を受信する。ステップ354で、受信コンポーネント302は、受信したRFエネルギー信号を、ステップ356で装置の電池312を充電するために使用される電力信号に変換する。或いは、電池を充電するのではなく、電力信号は電子装置の回路に直接的に給電してもよく、それによって、電子装置が電池とは無関係に動作するようにできる。
【0058】
図4Aは、電子装置104が充電表面102から近距離場の距離内に配置されていない場合の、充電表面102の電気的状態を表す電気回路モデル400aの概略図を示す。電気回路モデル400aは、電子装置のアンテナ304が充電表面102から近距離場の距離内に配置されていない場合の、充電表面102の電磁的動作を表す回路402を含む。電気回路モデル400aは、電子装置のアンテナが充電表面102の近距離場の距離内に配置されていない状態で前もって、充電表面102が高インピーダンスとして同調されていないか又は別の態様で動作しないおかげで、RF信号を漏出させないか又は別の態様で出力しないように構成されている充電表面102のモデルを表す。
【0059】
図4Bは、電子装置104が充電表面102から近距離場の距離内に配置され、電子装置104のアンテナ304が、充電表面102によって生成されるRFエネルギー信号の中心周波数に同調されている場合の、充電表面102と電子装置104との間の電気的接続を表す電気回路モデル400bの概略図を示す。この電気回路モデルは、回路404を含み、回路404は、電子装置104が充電表面102の回路402と電磁力によって結合されて、充電表面102の電磁的動作に変化を引き起こしていることを表す。電気回路モデル400bは、当技術分野で理解され、
図4C及び
図4Dに関して更に説明するように、代表的な電気回路モデル400bを結合効果のおかげで同調させるように、電子装置のアンテナが充電表面102の近距離場の距離内に配置されるとRF信号を漏出させるように又はRF信号を別の態様で出力するように構成された充電表面102のモデルを表す。
【0060】
図4Cは、充電表面の近距離場の距離内に電子装置が配置されていない場合と配置されている場合のエネルギーの流れの2つの状態を伴う、等価回路の概略モデルを示す。第1の状態では、空気が、充電表面の高インピーダンス表面からのエネルギーの反射を引き起こしている。第2の状態では、表面の近距離場内にアンテナ受信機を含めることで、充電表面の高インピーダンス表面を通るエネルギーの流れを可能にする誘導結合が形成される。
図4Dは、
図4Cの概略モデルの代替の表現を示す図である。
図4C及び
図4Dのモデルは単純化されており、より複雑なモデルを利用して適応的な高インピーダンス表面を表すことができることを、理解されたい。
【0061】
ここで
図5A~
図5Dを参照すると、充電表面のアンテナ部分500の例示的な実施形態が提供され、この実施形態では、アンテナ部分500は、マトリックス構造に配置された複数のユニットセル502を含む。実施形態によっては、ユニットセル502のそれぞれは、2つの基板層515a及び515bを含む。実施形態によっては、ユニットセル502のそれぞれの上部基板層515aは、ユニットセル502の上部に配置される開口部506を画定する金属部分504(例えば、銅)を含む。実施形態によっては、各ユニットセル502の底部基板層515bは、ビア508を通って接地面514に至る電気接続部を有する金属パッチ512を含むパッチアンテナ510を含む。実施形態によっては、接地面514はメタマテリアルであることがある。実施形態によっては、接地面514は、RF信号をユニットセル502に伝導させるために
図5Bに示すようにRFポート505に接続されている。
【0062】
実施形態によっては、パッチアンテナ510は、上部基板層515a内部で放射するRFエネルギー信号を生成するように構成される。本開示によれば、RFエネルギー信号が、減衰するか、又は充電表面上に配置された電子装置のアンテナ304(
図3)に漏出されるまで、RFエネルギー信号は上部基板層515a内にとどまる。
【0063】
実施形態によっては、開口部506の寸法は、RFエネルギー信号の周期的周波数に従って決定され、その結果、RFエネルギー信号の周波数に同調されたアンテナが、ユニットセル502のうちの少なくとも1つから近距離場の距離(例えば、約4mm未満)内に配置されない限り、RFエネルギー信号はそれぞれのユニットセル502の開口部506から漏出しない。
【0064】
ここで
図6A~
図6Dを参照すると、充電表面のアンテナ部分600の例示的な実施形態が提供され、この実施形態では、アンテナ部分600は、マトリックス構造に配置された複数のユニットセル602から構成される。実施形態によっては、ユニットセル602のそれぞれは、ユニットセル602の上部に配置される開口部606を画定する金属部分604(例えば、銅)を有する1つの基板層615を含む。実施形態によっては、ユニットセル602は、ビア608を通って接地面614に至る電気接続部を有する金属パッチ612によって形成されるパッチアンテナ610も含む。実施形態によっては、接地面614は、
図6Bに示すように、RFポート605に物理的かつ電気的に接続されることがある。実施形態によっては、RFポート605を使用して、ユニットセル602のそれぞれに印加されるべきRFエネルギー信号発生器からのRFエネルギー信号を提供することがあり、接地面614は、RFポート605の接地部分に電気的に接続されることがある。
【0065】
図6A~
図6Dに示す実施形態では、パッチアンテナ610は、開口部606が金属パッチ612の周囲に形成されるように、ユニットセル602の内部に配置される。実施形態によっては、パッチアンテナ610は、基板層615の上面からRFエネルギー信号を伝搬させるように構成される。本開示によれば、RFエネルギー信号が減衰するか又は電子装置のアンテナ304によって受信されるまで、RFエネルギー信号は基板層615の上面上又は上面付近にとどまる。
【0066】
実施形態によっては、開口部606の寸法は、パッチアンテナ610によって生成されるRFエネルギー信号の周期的周波数に従って決定され、その結果、RFエネルギー信号の周波数に同調されたアンテナが、ユニットセル602のうちの少なくとも1つから近距離場の距離内に配置されない限り、RFエネルギー信号はユニットセル602の開口部606から漏出しないか、又は漏出が最小限になる。開口部606は、電子装置が近距離場内に配置されていない場合にRFエネルギー信号の漏出を防止するように適切に同調されるように、RFエネルギー信号の周波数に応じて寸法が変更されることがある。なお、ユニットセルの層の数は用途に応じて変化することがあり、層の数が異なると、ユニットセルから異なる応答が提供されて、異なる高調波応答(例えば、異なる無線給電用途のための、より高い又はシフトされた高調波周波数)が提供されることがある。
【0067】
図6Eは、複数のユニットセル622a~622n(集合的に622)を含む例示的な充電表面620の断面図を示す。実施形態によっては、ユニットセル622はビア624、パッチ又はスロット626、基板628、及び表面素子630を含む。実施形態によっては、表面素子630は、複数の穴又はパッチ632a~632n(集合的に632)を含む。実施形態によっては、ユニットセル622の長さ及び幅は、約5mm~約10mmの間である。なお、ユニットセルによって伝搬される若しくは閉じ込められる/保存される周波数、及び/又は基板622を形成するために使用される材料、の関数として、代替の寸法を利用することができる。実施形態によっては、基板628は、Rogers FR-4、セラミック、又は他の材料から形成されることがある。実施形態によっては、セラミックなどの基板628を使用することにより、ユニットセルの寸法を、基板628を使用しない場合に可能である寸法よりもより小さくすることが可能になる。
【0068】
共振
共振カプラ―は、充電されることになる装置が電力の伝送を有効にし、充電システムの一部として動作するときに、形成されることがある。例えば、
図7A及び
図8A~
図8Cで更に説明するように、金属ケースを有する携帯電話を利用して充電装置を完成させることがある。実施形態によっては、充電システムは2つの異なる段階で動作することがある。第1の段階は、場が、給電点(例えば、接地面上のスロット)を通って第1の空洞に供給され、第1の空洞の構造内に閉じ込められることを可能にする。第1の空洞は、金属ケースを有する電子装置によって接触された場合又は金属ケースを有する電子装置の近くに接近した場合に活性化される、幾つかの接触/漏出点を含むことがある。第2の段階は、電子装置が接触点で表面上に配置されたときに動作することがあり、その結果、充電表面の上部に電子装置によって部分的に形成された第2の空洞からエネルギーが漏出する。
【0069】
図7A、
図8A~
図8Cは、本開示の一実施形態による、充電表面700から近距離場の距離D
NF内の距離Dに配置された電子装置104の断面図を示す。従って、本実施形態によれば、電子装置104のアンテナ304は距離Dに配置され、距離Dは、近距離場の距離D
NF内である。近距離場内の充電表面700によって生成されたRFエネルギー信号は、電子装置104のアンテナ304によって受信される前に、特定の極性化を実現しない。実施形態によっては、近距離場の距離D
NFは、約4mm未満である。
【0070】
図7A及び
図8A~
図8Cに図示する実施形態では、電子装置104は、金属面702a、702b、及び702cから概ね形成され、かつ画定間隙704a及び704bを含む背面701を含み、この画定間隙704a及び704bは非金属であり、プラスチック、ガラス、又は信号若しくは波の送信及び/若しくは受信を可能にするのに適した任意の他の材料から形成されることがある。間隙704a及び704bは、アンテナ304が間隙704a及び704bを通って入ってくる信号を受信できるように、アンテナ304の近傍に配置される。金属面702a、702b、及び702cは、
図8Aに示すようにRFエネルギー信号802を反射し、その結果、充電表面700によって生成されたRFエネルギー信号802は、間隙704a及び704bのうちの少なくとも一方に達するまで、充電表面700の上面708と金属面702a、702b、及び702cのうちの1つ又は複数との間に形成された空洞706の内部をジグザグに移動するか又は共振する。RFエネルギー信号802は、例えば金属面702bと充電表面700の上面との間を、空洞706に閉じ込められた波としてジグザグに移動するか又は共振する(
図8Aを参照。2つの表面の間でRFエネルギー信号802が反射している)。間隙704a及び704bは充電表面700の上方、より具体的には充電表面700の1つ又は複数のユニットセルの上方に配置され、その結果、RFエネルギー信号802は空洞706をジグザグに移動して、間隙704a及び704bのうちの一方に到達することができる。RFエネルギー信号802が間隙704aに達すると、RFエネルギー信号802は間隙704aを通って入り、装置のアンテナ304によって受信される。
【0071】
実施形態によっては、
図8B及び
図8Cに示すように、充電表面700はカバー802を含むように示されており、カバー802の内部には、第1の空洞804a及び第2の空洞804b(集合的に804)が、この2つの空洞804を分離する接地面806によって形成されている。接地面は、本明細書で説明するように、メタマテリアルから形成されていることがある。充電表面700は、RFエネルギー信号を放射する1つ又は複数の接触点810も含むことがある。動作時に、第1の段階は、RFエネルギー信号が、給電点(例えば、接地面上のスロット)を通って第1の空洞804aに供給され、第1の空洞804aの構造内に閉じ込められることを可能にする。第1の空洞804aは、金属ケースを有する電子装置によって接触された場合又は金属ケースを有する電子装置の近くに接近した場合に活性化される、幾つかの接触/漏出点810を含むことがある。第2の段階は、電子装置が接触点810のうちの少なくとも1つでカバー802上に配置されたときに動作することがあり、その結果、充電表面700のカバー802の上部に電子装置によって部分的に形成された第2の空洞804bからエネルギーが漏出する。この充電表面700では僅かの接触点810しか利用されないので、RFエネルギー信号を供給するために必要な電力増幅器がより少なくて済み、それによって、より多くの接触点を有する場合よりもコストが低くなる。一実施形態では、4つの接触点810を利用することができる。しかしながら、接触点の数は、充電表面700によって提供される面積の大きさに応じて変化することがあることを、理解されたい。大きな面積(例えば、机)が設けられている場合には、より多くの接触点810が設けられる。小さな面積(例えば、パッド)が設けられている場合には、より少ない接触点810が設けられる。
【0072】
図7A及び
図8Aに示すような幾つかの実施形態では、金属面702a、702b、及び702cは、充電表面700の上面708に実質的に平行に配置される。RFエネルギー信号802は、三角波の反射を有するものとして
図8Aで表わされているが、RFエネルギー信号802は、当技術分野で理解されるように、他のパターンで反射されることがあることを、理解されたい。本明細書で使用する場合、「ジグザグに移動する」とは、RFエネルギー信号が、表面から反射することによって、空間又は空洞に沿って又は通って移動することを指す。
【0073】
図8Dは、電子装置104が充電表面700上に配置されていることを示す。電子機器が充電表面700上に配置されているので、RFエネルギー信号からのエネルギーの流れ812が、電子装置104及び充電表面によって形成される空洞内に生成される。
【0074】
図7Bは、
図7Aの電子装置104の例示的な電子的概略図を示す。電子装置104は、アンテナ304がRF信号706を受信するようにその内部に配置されている2つの間隙704を含むように示されている。アンテナ304は、導電体710を介してRF集積回路(RF-IC)708と電気的に通信している。RF-IC708は、スイッチ712及び整流装置714を含むように示されている。スイッチ712は、信号を伝達するときに、RF信号706が送受信機(XCVR)716にルーティングされるように構成されることがある。送受信機716は、当技術分野で理解されるように、ユーザ通信用に使用される従来の送受信機である。しかしながら、RF信号706が0.1W又は0.25Wなどの一定の閾値レベルをよぎるのに応答して、スイッチ712が活性化されて、RF信号706が、内部に1つ又は複数の整流器718を含む整流装置714にルーティングされるようにすることがある。スイッチ712は、当技術分野で理解されるように、固体スイッチであり得る。整流装置714からの出力は、電子装置104に給電するために使用される電池720にルーティングされることがある。
【0075】
ここで
図9を参照すると、本開示の一実施形態による充電表面700を用いて電子装置104を充電するための例示的な方法が、流れ
図900に示されている。
図9に示した実施形態では、充電表面102は、それぞれの通信コンポーネント210及び310を介して、電子装置104と通信する。ステップ902で、充電表面の通信コンポーネント210は、電子装置の通信コンポーネント310から、電子装置104を充電したいとのリクエストを示す信号を受信する。実施形態によっては、この信号は、例えば、電子装置104の識別、電池レベル、電子装置104の電力要件、又は他の情報を含むことがある。例えば、場合によっては、電子装置104は、例えば、スマートウォッチ又は他の着用可能な技術などの、より低い電力要件を有する装置であることがある。スマートウォッチに損傷を与える大きな電力サージを受けることを回避するために、充電リクエストには0.5Wなどの極限電力を含めることができる。代替の電力レベルも利用可能である。同様に、電子装置104は、より大きな電力要件を有することがある。そのような場合では、充電リクエストは、電子装置104を充電するための、5Wなどのより大きな電力要件を含むことがある。
【0076】
能動的な充電リクエストを受信するのではなく、充電表面は、充電表面によって送信されたRFエネルギー信号の反射が存在するかしないかを、これに限定するものではないが含めて、電子装置が充電表面の近くにあることを示す、電子装置からの何らかの無線信号又は放射信号を受信又は感知することがある。電子装置からのそのような信号を感知するために、任意の受信機又はセンサを利用してもよい。代替の実施形態では、近接スイッチ又は圧力スイッチを利用して、電子装置が充電表面に近接しているか又は充電表面上に配置されていることを検出することがある。更に、磁気スイッチ又は光スイッチを利用してもよい。
【0077】
ステップ904で、マイクロコントローラ208は、充電リクエストにおいて提供されたデータに従って、RFエネルギー信号の生成を開始する。例えば、充電リクエストが電子装置104の電力要件を示す場合、マイクロコントローラ208は、電子装置104に送信される電力が、充電リクエストにおいて伝達された電力要件と適合するように、RFエネルギー信号を生成させる。上記のスマートウォッチの例によれば、マイクロコントローラ208は、スマートウォッチに0.5Wの無線電力伝送を供給できるRFエネルギー信号を充電表面700に生成させることができる。一実施形態では、電子装置が感知されると、RFエネルギー信号が生成されることがある。
【0078】
本明細書で考察するように、RFエネルギー信号は、充電表面700のユニットセル内で生成され、RFエネルギー信号が減衰するか又は漏出するまで、ユニットセル内に実質的にとどまる。RFエネルギー信号の周波数に同調されたアンテナ304がユニットセルのうちの1つ又は複数から近距離場の距離内に配置されると、ステップ906で、それらのユニットセルは、RFエネルギー信号がアンテナ304に漏出されることを可能にする。
【0079】
ステップ908で、漏出したRFエネルギー信号は、RFエネルギー信号の周波数に同調され、かつユニットセルから近距離場の距離内に配置されたアンテナ304で受信される。
【0080】
ステップ910で、受信されたRFエネルギー信号は、電子装置104の電池312を充電するために電力信号に変換される。このステップは、アンテナ304で受信されたRFエネルギー信号を検出することと、RFエネルギー信号が閾値(例えば、10mW)よりも大きな電力信号を示す場合にスイッチ機構305を作動させることと、整流器306を介して信号を整流することと、整流された信号を変換器308を介してDC電力信号に変換することと、を含むことがある。次いでステップ912で、電力信号は、電子装置の電池312を充電するか又は動作させるために使用される。
【0081】
流れ
図900には示していないが、実施形態によっては、通信コンポーネント310が、充電表面700に信号を送信して、充電を中断又は停止させるようにリクエストすることがある。これは、例えば、電子装置104の電池312が完全に充電されたか若しくは所望の充電レベルに達した場合、電子装置104がオフにされた場合、通信コンポーネント310がオフにされるか若しくは通信コンポーネント210との通信範囲外に移動した場合、又は他の理由で、発生することがある。別の実施形態では、電子装置が、利用されるセンサに応じて電気的に、物理的に、又は別の態様でもはや感知されない場合、通信コンポーネント210はオフにされることがある。
【0082】
ここで
図10を参照すると、本開示の一実施形態による充電表面700を用いて電子装置104の存在を感知し充電するための例示的な方法が、流れ
図1000に示されている。
図10に示した実施形態では、電子装置104は、それぞれの通信コンポーネント210及び310を介して、充電表面102と通信しない。この実施形態は、電子装置104がオフにされているか、空になった電池を有するか、又は別の理由により充電表面700と通信できない場合を表している。従って、本実施形態では、充電表面700は、未検出の電子装置104を過度の電力で溢れさせないような態様で動作する。これは、使えなくなった電池を有する、従って送信機と通信することができない受信機を充電することができる態様である。
【0083】
ステップ1002で、充電表面700は、低電力RFエネルギー信号を生成し、この低電力RFエネルギー信号は、電子装置104に無線の低電力伝送を提供することができるRFエネルギー信号である。具体的には、低電力RFエネルギー信号を介して伝送することができる電力は「低電力」であるように、マイクロコントローラ208が低電力RFエネルギー信号の生成を開始する。例えば、実施形態によっては、低電力は1Wである。代替の電力レベルも利用可能である。実施形態によっては、電子装置が充電表面の近距離場の距離内に配置されていることを検出することは、ユニットセルのパッチアンテナ204を1%のデューティサイクルで作動させることによって、達成することができる。
【0084】
本開示によれば、低電力RFエネルギー信号は、充電表面700のユニットセル内で生成され、低電力RFエネルギー信号が減衰するか又は漏出するまで、ユニットセル内にとどまる。低電力RFエネルギー信号の周波数に同調された(受信機の)アンテナ304がユニットセルのうちの1つ又は複数から近距離場の距離内に配置されると、ステップ1004で、それらのユニットセルは、RFエネルギー信号がアンテナ304に漏出されることを可能にする。
【0085】
ステップ1006で、マイクロコントローラ208は、ユニットセル内に存在する低電力RFエネルギー信号を感知することができる。例えば、実施形態によっては、マイクロコントローラ208は、低電力RFエネルギー信号の「反射」を検出することができるRFカプラ―などの感知回路を含むことがあり、この反射は、例えば、ユニットセル内に存在する低電力RFエネルギー信号の約10%を表す。従って、マイクロコントローラ208は、マイクロコントローラ208によって感知された反射値に基づいて、ユニットセル内に存在する低電力RFエネルギー信号を計算することができる。ステップ1006で行われる感知は、
図10では順番に示されているが、このステップは、任意の順序で実行されてもよく、又は流れ
図1000で実行される処理と並列して連続的に繰り返されてもよいことを理解されたい。低電力RFエネルギー信号は、
図1000に示すように、電子装置が存在しているかどうかを判断するために、周期的に又は非周期的に、パルス状で又は他の態様で生成されることがある。
【0086】
一旦マイクロコントローラ208がユニットセル内に存在する低電力RFエネルギー信号を感知すると、感知された低電力RFエネルギーは、ステップ1008で閾値と比較されて、ユニットセル内で後に続く低電力RFエネルギー信号を生成するかどうかが判断される。感知された低電力RFエネルギー信号が閾値未満である場合とは、低電力RFエネルギー信号が、減衰したか、又は、低電力RFエネルギー信号の周波数に同調され、かつユニットセルのうちの1つ又は複数から近距離場の距離内に配置されたアンテナに漏出したかのいずれかであるという状況を示している。従って、感知された低電力RFエネルギー信号が閾値未満である場合、低電力RFエネルギー信号は漏出したか又は減衰したかのいずれかであると推定されるので、この工程はステップ1002に戻り、マイクロコントローラ208がアンテナ204を作動させて後に続く低電力RFエネルギー信号を生成する。さもなければ、反射が閾値を超える場合、低電力RFエネルギー信号は基板内にとどまり、後に続くRF信号は生成されず、その結果、充電表面700のユニットセルはエネルギーを増加させ続けない。従って、工程はステップ1006に戻り、マイクロコントローラ208はユニットセル内に存在する低電力RFエネルギー信号を感知し続ける。
【0087】
図10に示した方法は、通信コンポーネント310が充電表面700と通信していない状況を示す。例えば、電子装置104の電池312は、通信コンポーネント310を作動させるにはあまりに枯渇していることがある。しかしながら、一旦電池312が十分に充電されると、電子装置104は、実施形態によっては、通信コンポーネント310を作動させることがある。そのとき、通信コンポーネント310は、充電表面700の通信コンポーネント210との通信を開始することがあり、充電表面700は、
図9に図示し上述した充電方法に切り換わることがある。
【0088】
高調波フィルタ
従来の送電システムでは、システムを形成する様々な電子素子はひとまとめにされることが多く、それぞれのまとめられた素子が受ける損失は合成され、その結果、システムは全体として、個々の素子の個別の損失よりも大きな損失を受ける。例えば、システムが、90%の効率である増幅器とひとまとめにされた90%の効率のアンテナを有する場合、これらの2つの要素を含むシステムの総合効率は、約81%である。より多くの要素が追加されると、システムの全体的な効率は更に低下する。従って、開示される充電表面の効率を高めるために、充電表面の幾つかの実施形態は高調波フィルタなどのフィルタ素子を含んで、意図した無線充電信号以外の周波数での放射エネルギーを低減することができ、特に、意図した無線充電信号の高調波のエネルギーを低減することができる。高調波フィルタは、例えば、これらの周波数成分を40dB~70dBだけ減衰させることができる。
【0089】
図11A及び
図11Bは、充電表面102の一実施形態を含む代表的なユニットセル1102の斜視図及び断面図をそれぞれ示しており、各ユニットセル1102は、ユニットセル1102の上面上に配置された高調波フィルタ素子1104を有する。
図11A及び
図11Bに示したユニットセル1102は、上記で説明し
図6A~
図6Dに示したものと類似しているが、高調波フィルタ素子1104は、上記で説明し
図5A~
図5Dに示した実施形態などの異なる実施形態のユニットセルの上面上に配置されていることがある。
【0090】
なお、各ユニットセル1102に含まれる高調波フィルタ素子1104は、不連続なフィルタ素子であることがあり、又は、充電表面102を形成する複数のユニットセル1102の上面にまたがる、より大きな単一の高調波フィルタ素子の一部であることがある。従って、そのような実施形態では、充電表面102は、ユニットセル1102上に配置される高調波フィルタ素子1104を含み、その結果、充電表面102は、送信アンテナ(例えば、パッチアンテナ610)のマトリックス(又はアレイ)の上に配置された高調波フィルタを含むようになる。
【0091】
図11A及び
図11Bで示した実施形態では、ユニットセル1102のそれぞれは単一の基板層615を含み、ユニットセル1102のそれぞれに存在する高調波フィルタ素子1104は、それらのユニットセル1102の上面領域全体にまたがる単一の高調波フィルタ素子を含む。しかしながら、他の実施形態では、高調波フィルタ素子1104は複数の高調波フィルタ素子を含むことがあり、複数の高調波フィルタ素子のうちの1つが、ユニットセル1102を形成する素子のうちの1つの上面上に配置される。なお、高調波阻止フィルタを有するユニットセルは、より複雑なユニットセル、例えば、ユニットセル内部により多くの層及び特徴を含むユニットセルによって形成することができる。例えば、この後者の実施形態は、パッチアンテナ610の上面領域上に配置された高調波フィルタ素子1104、金属部分604の上面領域上に配置された高調波フィルタ素子1104、及び開口部606を覆う高調波フィルタ素子が無いこと、によって表すことができる。
【0092】
実施形態によっては、高調波フィルタ素子1104は2つ以上のスクリーン層から形成され、各層は、意図した無線充電信号の特定の高調波を除去するスクリーンを含む。高調波フィルタ1104は、RFエネルギー信号が特定の周波数(本明細書では中心周波数とも呼ぶ)で動作するように、パッチアンテナ610によって生成されたRFエネルギー信号をフィルタリングするように作用する。高調波フィルタ素子1104が受動的な機械的デバイスであることの結果として、電子的なフィルタと比べて、信号電力の損失が低減される。
【0093】
図12A及び
図12Bは、充電表面102の一実施形態を含む代表的なユニットセル1202の斜視図及び断面図をそれぞれ示しており、各ユニットセル1202は、ユニットセル1202の上部基板層515a内部(又は任意選択的に、上部基板層515aと底部基板層515bとの間)に配置された高調波フィルタ素子1204を有する。なお、各ユニットセル1202に含まれる高調波フィルタ素子1204は、不連続なフィルタ素子であることがあり、又は、充電表面102を形成する複数のユニットセル1202の上部基板層515aにまたがる、より大きな単一の高調波フィルタ素子の一部であることがある。従って、そのような実施形態では、充電表面102は、ユニットセル1202の上部基板層515a内部に配置される高調波フィルタ素子1204を含み、その結果、充電表面102は、送信アンテナ(例えば、パッチアンテナ510)のマトリックス(又はアレイ)の上に配置された高調波フィルタを含むようになる。
【0094】
図12A及び
図12Bで示した実施形態では、ユニットセル1202は上部基板層515a及び底部基板層515bを含み、ユニットセル1202のそれぞれの上部基板層515a内に存在する高調波フィルタ素子1204は、それらのユニットセル1202の上部基板層515aの領域全体にまたがる単一の高調波フィルタ素子を含む。しかしながら、他の実施形態では、高調波フィルタ素子1204は、上部基板層515aの一部分のみに及ぶことがあり、その結果、高調波フィルタ素子1204は、底部基板層515b内に配置されたパッチアンテナ510の上方のみに配置される。
【0095】
実施形態によっては、高調波フィルタ素子1204は2つ以上のスクリーン層から形成され、各層は、意図した無線充電信号の特定の高調波を除去するスクリーンを含む。高調波フィルタ1204は、RFエネルギー信号が特定の周波数(本明細書では中心周波数とも呼ぶ)で動作するように、パッチアンテナ510によって生成されたRFエネルギー信号をフィルタリングするように作用する。高調波フィルタ素子1204が受動的な機械的デバイスであることの結果として、電子的なフィルタと比べて、信号電力の損失が低減される。
【0096】
受信装置の積み重ね
図13A及び
図13Bは、例示的な実施形態による、複数の電子装置1302、1304間の無線充電システム1300の構成要素を示す。説明を容易にするために、
図13A及び
図13Bは、2つの装置1302、1304間の無線電力伝送を示す。しかしながら、当業者であれば、本明細書で説明する無線電力伝送が2つ以上の電子装置間で行われ得ることを理解するであろう。例示的な実施形態では、第1の電子装置1302は、近距離場充電技術を通じて充電表面1306から電力を受け取ることができ、次いで、第2の電子装置1304に電力を供給することができる。代替的な実施形態では、第1の電子装置1302は、遠距離場RF電力伝送などの他の技術を使用して、電力を受け取ることがある。
【0097】
図13Aに示すように、実施形態によっては、電子装置1302、1304を積み重ねるか、又は別の態様で互いに接触して配置して、充電表面1306から第1の装置1302への、次いで第1の装置1302から第2の装置1304への電力の伝送を実現することがある。
図13Bに示すように、第1の装置1302は近距離場電力伝送技術を使用して充電表面1306から電力を受け取ることがあり、次いで、第1の装置1302は遠距離場電力伝送技術を使用して第2の装置1304に電力を伝送することがある。
【0098】
近距離場RF電力伝送技術は、送信側充電表面1306を含むことがあり、この送信側充電表面1306は、RFエネルギーを閉じ込めるための空洞又は基板などの幾つかの物理層と、電子装置1302、1304をその上に配置するための上面と、を含む。近距離場充電表面は、RFエネルギーを基板又は空洞層に持ち込むように構成されることがあり、RFエネルギーは、受信機側アンテナ又は電子装置1302、1304によって何らかの物理的な状態が持ち込まれるまで、閉じ込められたままになる。実施態様によっては、RFエネルギーは、適切に同調された受信側アンテナを有する電子装置1302、1304がRFエネルギーを解放するために上面に十分に近接して配置された場合にのみ、充電表面1306の表面を通じて漏出する。実施態様によっては、電子装置1302、1304の金属部が表面層に接触するまで、RFエネルギーは基板又は空洞層内に「閉じ込められ」たままである。他の可能な技術を使用することもできるが、近距離場技術とは、受信側電子装置1302、1304又は受信側アンテナによって何らの物理的条件が満足されるまで、RFエネルギーが充電表面1306内に閉じ込められたままであるシステム及び方法を一般的に指すことがある。多くの場合、これは、直接接触から約10ミリメートルまでの範囲の動作距離を有することがある。例えば、動作距離が1ミリメートルである場合には、第1の電子装置1302は、RFエネルギーが充電表面1306の基板又は空洞層から漏出される前に、1ミリメートル以内にある必要がある。
【0099】
遠距離場RF電力伝送技術は、送信側装置が、1インチ(2.54センチメートル)未満から50フィート(15.24メートル)超までの範囲であり得る幾らかの距離に渡ってRF電力波を送信するように構成された1つ又は複数のアンテナ(図示せず)のアレイを含む、という状況を含むことがある。近接遠距離場電力伝送では、送信側装置は、12インチ(30.48センチメートル)未満などの限定された距離内で電力波を送信するように構成されることがある。これは、例えば、送信側装置が電力波を送信する前に受信側装置に送信側装置からの近接さの閾値を入力するよう要求すること、又は、電力波が電力を送達する有効範囲を制限すること、などの任意の数の方法で制限することができる。実施態様によっては、近接送信機として機能する送信側装置が、特定の位置又はその近傍に集束するように電力波を送信することがあり、その結果、電力波は強め合う干渉パターンを生成する。受信側装置は、強め合う干渉パターンから結果として得られるエネルギーを受け取ることができるアンテナ及び回路を含むことがあり、次いで、そのエネルギーを、受信装置に結合された又は受信装置を含んでいる電子装置用の使用可能な交流(AC)又は直流(DC)電力に変換することがある。
【0100】
電子装置1302、1304は、本明細書で説明する様々な処理及びタスクを実行することができる近距離場及び/又は遠距離場アンテナを含む、任意の電子装置であり得る。例えば、第1の装置1302及び第2の装置1304は、RF信号を使用してRFエネルギーを生成、送信、及び/又は受信するように構成されたアンテナ及び回路を含むことがある。
図13A及び
図13Bでは、第1の装置1302及び第2の装置1304は携帯電話として示されている。しかしながら、これは、可能な電子装置1302、1304を限定するものとみなされるべきではない。可能な電子装置1302、1304の非限定的な例としては、タブレット、ラップトップ、携帯電話、PDA、スマートウォッチ、フィットネス装置、ヘッドセット、又は本明細書に記載する原理を利用して再充電または動作できる任意の他の装置、が挙げられる。
【0101】
充電表面1306は、充電表面1306の上面の下にある基板又は空洞内に閉じ込められる、無線電力送信用の1つ又は複数のRFエネルギー信号を生成することができる。第1の装置1302の適切に同調されたアンテナが充電表面1306から近距離場の距離(例えば、約10mm未満)内に配置されると、閉じ込められたRFエネルギーは上面を通じて漏出され、第1の装置1302によって受け取られることができる。従って、第1の装置1302の適切に同調されたアンテナは、充電表面1306内部に閉じ込められたRF信号が、充電表面1306を通って第1の装置1302のアンテナに漏出されるか又は放射されるようにすることができる。受信されたRFエネルギー信号は次いで、第1の装置1302の電池に給電又は充電するために、電力変換回路(例えば、整流回路)によって電力信号に変換される。
図13A及び
図13Bに示した例示的な実施形態では、充電表面1306は箱形の装置として示されているが、充電表面1306は任意の形状因子、形態、及び/又は形状を有することができることを理解されたい。実施形態によっては、充電表面1306によって出力される総電力は、連邦通信委員会(FCC)規則第15編(低電力、非認可の送信機)に準拠するために、1ワット以下である。
【0102】
充電表面1306が第1の電子装置1302に対して送信側装置として機能し得る態様と同様に、第1の電子装置1302は、第2の電子装置1304に対して送信側装置として同様に機能するように構成されることがある。
【0103】
図13Aに示すように、実施形態によっては、第1の装置1302は、第2の装置1304の適切に同調されたアンテナがRFエネルギーを第2の装置1304のアンテナに漏出させるまで、第1の装置1302の表面層の下にRFエネルギー信号が閉じ込められるようにする、充電表面1306と同様の、近距離場RF充電表面用のコンポーネントを含むことがある。
【0104】
追加的に又は代替的に、
図13Bに示すように、実施態様によっては、第1の装置1302は、1つ又は複数の電力波を第2の電子装置1304のアンテナに送信するように構成された1つ又は複数のアンテナのアレイを含む遠距離場近接送信機として機能するように構成されることがある。
【0105】
実施形態によっては、第1の装置1302は、第2の装置1304などの他の装置との無線及び/又は有線の通信を実現するための通信コンポーネント(図示せず)を含むことがある。場合によっては、通信コンポーネントは第1の装置1302の埋込コンポーネントであることがある。また場合によっては、通信コンポーネントは、任意の有線又は無線の通信媒体を介して第1の装置1302に取り付けられていることがある。通信コンポーネントは、通信コンポーネントが、第2の装置1304などの他の装置と様々なタイプのデータ及びメッセージを含む通信信号を通信できるようにする、電気機械的なコンポーネント(例えば、プロセッサ、アンテナ)を含むことがある。これらの通信信号は、任意の数の有線又は無線プロトコル並びに関連するハードウェア及びソフトウェア技術を使用してデータを通信することができる、通信をホスティングするための別個のチャンネルを表すことができる。通信コンポーネントは、Bluetooth(登録商標)、ワイヤレス・フィディリティー(Wi-Fi)、近距離無線通信(NFC)、ZigBee、及びその他などの任意の数の通信プロトコルに基づいて動作することがある。しかしながら、通信コンポーネントは無線周波数ベースの技術に限定はされず、第2の装置1304などの他の装置の音波三角測量のためのサウンド装置、レーダー装置、及び近赤外装置を含むことがあることを理解されたい。
【0106】
動作時には、第1の装置1302の通信コンポーネントは、第2の携帯装置1304から通信信号を受信することがあり、この通信信号は、第1の装置1302から電力を受け取りたいとのリクエストを含むデータを含んでいる。追加的に又は代替的に、第1の電子装置1302は第2の装置1304から1つ又は複数の無線ブロードキャストされたメッセージを受信することがあり、それによって、第1の電子装置1302が第2の電子装置1304の存在を検出し、第2の電子装置1304に電力の送出を開始することを可能にするか、又は、基板若しくは空洞層をRFエネルギーで溢れさせ始めることを可能にする。そのようなリクエストメッセージは、装置のタイプ、電池タイプ及び現在の電池の充電量などの装置の電池の詳細、並びに装置の現在位置に関連したデータも含むことがある。実施態様によっては、第1の電子装置1302は、メッセージ内に含まれるデータを使用して、RFエネルギーを第2の装置1304に伝送又は別の態様で移送するための様々な動作上のパラメータを決定することがあり、第2の装置1304はこのRFエネルギーを捕捉して、使用可能な交流(AC)又は直流(DC)電気に変換する。
【0107】
例えば、第1の装置1302が近距離場充電表面として機能する場合、第1の装置1302は、第2の装置1304が閾値距離の内部にあることを示す閾値信号強度を有する通信信号を第1の電子装置1302の通信コンポーネントが受信すると、第1の装置1302内部の近距離場充電表面に電力を送る(例えば、係合する、オンにする、起動する)ように構成されることがある。
【0108】
別の例として、第1の装置1302が遠距離場近接送信機として機能する場合、第1の装置1302は、第2の装置1304からの通信信号受信データを使用することがあり、この通信信号受信データは、第2の装置1304の位置を特定し、第2の電子装置1304が第1の装置1304から閾値距離内にあるかどうかを判定するために、第1の装置1302によって使用することができる。
【0109】
同様に、第2の装置1304の通信コンポーネントは、通信信号を使用して、例えば、第1の装置1302に電力を伝送するように要求するメッセージを第1の装置1302に送信するか又は別の態様でブロードキャストするために使用することができるデータをやり取りする。このメッセージには、例えば、電池電力情報、現在位置を示すデータ、第2の装置1304のユーザについてのデータ情報、電力受信の効率を示す、充電されるべき第2の装置1304についての情報、及び、電力の送出を停止するようにとのリクエスト並びに他のタイプの有用なデータを含むことがある。通信信号に含まれ得る様々なタイプの情報の非限定的な例としては、ビーコンメッセージ、第1の装置1302用の装置識別子(装置ID)、第1の装置1302用のユーザ識別子(ユーザID)、第2の装置1304の電池レベル、第2の装置1304の位置、及び他のそのような情報、が挙げられる。
【0110】
場合によっては、RFエネルギーが漏出され第1の装置1302から第2の装置1304に放射されることができる、第1の装置1302の近距離場の距離内に第2の装置1304が入ると、これらの装置は、それぞれの装置1302、1304のそれぞれの通信コンポーネントによって採用される無線又は有線の通信プロトコル(例えば、Bluetooth(登録商標))に従って、通信チャンネルを確立することがある。場合によっては、第2の装置1304が、通信コンポーネントによって採用される有線又は無線の通信プロトコルの、第1の装置1302の有効通信距離に入ると、第2の装置1304は、第1の装置1302と通信チャンネルを確立することがある。近距離場の距離は、送信側装置(例えば、充電表面1306)が閉じ込められたRF波信号を漏出させ、適切に同調された受信側装置(例えば、第1の電子装置1302)に伝送させる、送信側装置と受信側装置との間の最小距離として規定することができる。この近距離場の距離は、直接接触から約10ミリメートルまでの範囲であり得る。場合によっては、近接遠距離場の距離は、1つ又は複数の電力波を受信側装置に伝送することを可能にする、送信側装置と受信側装置との間の最小距離であることがあり、これは最大で約12インチ(30.48センチメートル)までの範囲であり得る。代替の実施形態では、任意の遠距離場の距離を使用することができる。
【0111】
第2の装置1304のアンテナは、第1の装置1302から漏出した又は放射されたRF信号から、又は第1の装置1302から送信された電力波から、エネルギーを取り込むことができる。充電表面1306又は第1の装置1302のいずれかからの電力波から又は漏出からRF信号が受信された後、第1及び第2の装置1302、1304の両方の回路及び他の構成要素(例えば、集積回路、増幅器、整流器、電圧調整器)は、次いで、RF信号(例えば、無線周波数電磁放射)のエネルギーを電気エネルギー(即ち、電気)に変換することができ、この電気エネルギーは、電池に保存されるか、又はそれぞれの電子装置1302、1304に給電することができる。場合によっては、例えば、第2の装置1304の整流器は、電気エネルギーをACから第2の装置1304によって使用可能なDCの形態に変換することがある。ACからDCへの変換に加えて、又はその代替として、他のタイプの調整を適用することもできる。例えば、電圧調整器などの電圧調整回路は、第2の装置1304が要求するように電気エネルギーの電圧を増加させたり減少させたりすることができる。
【0112】
代替の実施形態では、第1の装置1302が第2の装置1304に充電リクエストを送信することがある。充電リクエストは、第1の装置1302のユーザ、第1の装置1302の詳細、第1の装置1304の電池充電量、第1の装置1302の現在位置、に関するデータを含むことがある。充電リクエストを受信すると、第2の装置1304はこのリクエストを受け入れるか又は拒否することができる。第2の装置1304は、第1の装置1302のユーザ、第1の装置1302の詳細、第1の装置1302の電池充電量、第1の装置1302の現在位置に関連した追加の詳細を、これらに限定するものではないが、そのような詳細がリクエスト中に存在していない場合に、リクエストすることがある。リクエストを受け入れると、第2の装置1304は第1の装置1302の位置を決定することがある。第2の装置1304は、第1の装置1302の位置を決定するために、センサ検出、熱マッピング検出、及びその他などの1つ又は複数の技術を使用することがある。一旦第1の装置1302の位置が決定されると、第2の装置1304は第1の装置1302にRF信号を送信することがあり、このRF信号は、第1の装置1302のアンテナ及び/又は回路によって捕捉されて、第1の装置1302の電池を充電することができる。
【0113】
再び
図13Aを参照すると、実施形態によっては、第1の装置1302及び第2の装置1304は、充電表面1306の有無に関わらず、互いから電力を伝送するために互いの上に配置されることがある。別の実施形態では、第1の装置1302及び第2の装置1304は、
図13Bに示すように、同一平面上にあり互いに近接して置かれて、一方の又は別の装置から電力を伝送することがある。当業者であれば、第1の装置1302と第2の装置1304との間の電力伝送は、互いに対する配置に関わりなく、それらの装置が互いから近距離場の距離内にある場合に発生することを、理解するであろう。
【0114】
一実施形態では、第1の装置1302は、充電表面1306から電力を受け取り、同時に、その近距離場内にある第2の装置1304に電力を伝送することがある。別の実施形態では、第1の装置1302は任意の適切な電力の受信源(例えば、遠距離場アンテナ)から電力を受け取り、同時に、近距離場の距離内の第2の装置1304に電力を伝送することがある。更に別の実施形態では、第1の装置1302及び第2の装置1304は、それらの近距離場内の第3の装置に電力を伝送することがある。更に別の実施形態では、第1の装置1302及び第2の装置1304のそれぞれは、それらの近距離場内にある2つ以上の装置に個別に又はまとめて電力を伝送する。
【0115】
図14は、本開示の一実施形態による、複数の装置間での無線電力伝送の動作を示す流れ図である。
【0116】
ステップ1602で、第2の装置が第1の装置の近距離場の距離に入る。一実施形態では、第2の装置のユーザは、第1の装置から近距離場の距離内に第2の装置を手動で載置することがある。近距離場の距離は、約10mm未満であり得る。第1の装置及び第2の装置は、RF信号を生成、送信、及び受信するように構成された回路を含むことがある。第1の装置及び第2の装置の回路は複数のユニットセルを含むことがあり、この複数のユニットセルは、RF信号を受け取るように構成される。
【0117】
ステップ1604で、第2の装置と第1の装置との間に通信チャンネルが確立される。第1の装置及び第2の装置は、通信コンポーネントを含むことがあり、この通信コンポーネントを介して、互いの間でデータを送信するために通信チャンネルが確立されることがある。通信コンポーネントは、Bluetooth(登録商標)、ワイヤレス・フィディリティー(Wi-Fi)、近距離無線通信(NFC)、ZigBee、及びその他などの任意の数の通信プロトコルに基づいて動作することがある。
【0118】
一実施形態では、通信チャンネルは、第2の装置が第1の装置の近距離場に入る前に、第1の装置と第2の装置との間で確立されることがある。別の実施形態では、通信チャンネルは、第2の装置が第1の装置の近距離場に入った後に、第1の装置と第2の装置との間で確立されることがある。
【0119】
ステップ1606で、第2の装置は、電池を充電するために、通信チャンネルを介して第1の装置に電力を受け取りたいとのリクエストを送信する。別の実施形態では、第2の装置のユーザは、第2の装置のユーザインターフェースを介して、電力を受け取りたいとのリクエストを第1の装置に送信する。このリクエストに加えて、第2の装置は、第2の装置のユーザ、第2の装置の詳細、第2の装置の電池充電量、又は第2の装置の現在位置を含むがこれらに限定はされない追加のデータを含むことがある。充電リクエストを受信すると、第1の装置はこのリクエストを受け入れるか又は拒否することができる。別の実施形態では、第1の装置のユーザが、第1の装置のユーザインターフェースを介してリクエストを受け入れるか又は拒否することがある。リクエストへの応答は、第2の装置のユーザインターフェース上で受け取られることがある。
【0120】
ステップ1608で、第2の装置は、第1の装置から受信したRF信号を使用して電池を充電することができる。第2の装置のリクエストを受け入れた後で、第1の装置は第2の装置の位置を決定することがある。一旦第2の装置の位置が決定されると、第1の装置は第2の装置にRF信号を送信することがあり、このRF信号は、第2の装置のアンテナ及び/又は回路によって捕捉されて、第2の装置の電池を充電することができる。
【0121】
実施形態によっては、第1の装置から第2の装置への電力伝送の開始は、第1及び/又は第2の装置のユーザインターフェース上でそれらの装置のユーザによって行われる。ユーザは、一方の装置から他方への無線充電をいつ開始し停止するかを選択することができ、また、ユーザは、どの装置が送信機になりどの装置が受信機になるかを更に選択することができる。更に、ユーザは、目標時間、目標電力レベル等を選択することにより、電力伝送の終了を選択することができる。
【0122】
第2の装置のアンテナは、RF信号からエネルギーを取り入れることができ、このエネルギーは、結果としてその場所でRF信号が蓄積されることによって形成され得るものである。RF信号が受信されるか、かつ/又はエネルギーがエネルギーのポケットから収集された後、第2の装置の回路(例えば、集積回路、増幅器、整流器、電圧調整器)はRF信号(例えば、無線周波数電磁放射)のエネルギーを電気エネルギー(即ち、電気)に変換することができ、電気エネルギーは第2の装置の電池に保存されることができる。
【0123】
一実施形態では、第1の装置の回路は、RF信号を受け取るように構成された複数のユニットセルを含み、これらの複数のユニットセルは、第2の装置のアンテナがこれらのユニットセルのうちの少なくとも1つの近距離場の距離内に配置されるのに応答して、第2の装置の電池を充電するためにRFエネルギー信号を存在させるように構成される。別の実施形態では、第2の装置の回路は、RF信号を受け取るように構成された複数のユニットセルを含み、これらの複数のユニットセルは、第1の装置のアンテナがこれらのユニットセルのうちの少なくとも1つの近距離場の距離内に配置されるのに応答して、第1の装置の電池を充電するためにRFエネルギー信号を存在させるように構成される。
【0124】
前述の方法の説明及び流れ図は、単に例証的な例として提供されたものであり、様々な実施形態のステップが、提示された順序で実行されなくてはならないことを要求又は意味するように意図したものではない。前述の実施形態におけるステップは、任意の順序で実行されてもよい。「次いで(then)」「次に(next)」等の語は、ステップの順序を限定するように意図したものではない。これらの語は、単に、方法の説明を通じて読者を導くために使用される。工程の流れ図は、動作を逐次的な工程として説明していることがあるが、動作の多くは、並列に又は同時に行うことができる。更に、動作の順序は並べ替えることができる。工程は、方法、関数、手続き、サブルーチン、サブプログラム等に相当することがある。工程が関数に相当する場合、その終了は、呼び出し元関数又は主関数に関数を戻すことに相当することがある。
【0125】
本明細書に開示した実施形態に関連して説明した、様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、及びアルゴリズムステップは、電子的ハードウェア、コンピュータソフトウェア、又はその両方の組み合わせとして実装することができる。ハードウェアとソフトウェアとのこの互換性を明確に示すために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、及びステップについては、上記では一般的に、それらの機能性の観点から説明した。そのような機能性がハードウェアとして実装されるか又はソフトウェアとして実装されるかは、特定の用途及びシステム全体に課される設計制約に依存する。熟練した職人であれば、記載された機能性を特定の用途毎に様々な態様で実装することができるが、そのような実装の決定は、本発明の範囲からの逸脱を引き起こすと解釈されるべきではない。
【0126】
コンピュータソフトウェアで実装される実施形態は、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語等、又はそれらの任意の組み合わせで実装することができる。コードセグメント又は機械実行可能命令は、手続き、関数、サブプログラム、プログラム、ルーティン、サブルーチン、モジュール、ソフトウェアパッケージ、クラス、又は、命令、データ構造、若しくはプログラムステートメントの任意の組み合わせ、を表すことがある。コードセグメントは、情報、データ、引数、パラメータ、又はメモリ内容を渡すこと及び/又は受け取ることにより、別のコードセグメント又はハードウェア回路に結合されることがある。情報、引数、パラメータ、データ等は、メモリ共有、メッセージの受け渡し、トークンの受け渡し、ネットワーク伝送などを含む任意の適切な手段を介して受け渡され、転送され、又は送信されることがある。
【0127】
これらのシステム及び方法を実装するために使用される実際のソフトウェアコード又は特化された制御ハードウェアは、本発明を限定するものではない。従って、ソフトウェア及び制御ハードウェアは本明細書の記載に基づいてシステム及び方法を実装するように設計することができることが理解される特定のソフトウェアコードを参照することなく、システム及び方法の動作及び振る舞いが説明された。
【0128】
ソフトウェアで実装される場合、機能は、非一時的なコンピュータ可読又はプロセッサ可読の記憶媒体上の1つ又は複数の命令又はコードとして、保存されることがある。本明細書で開示する方法又はアルゴリズムのステップは、コンピュータ可読又はプロセッサ可読の記憶媒体上にあり得るプロセッサ実行可能ソフトウェアモジュールで実現されることがある。非一時的なコンピュータ可読又はプロセッサ可読の媒体は、コンピュータ記憶媒体と、ある場所から別の場所へコンピュータプログラムを移動させるのを容易にする有形の記憶媒体と、の両方を含む。非一時的なプロセッサ可読記憶媒体は、コンピュータによってアクセスすることができる任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、そのような非一時的なプロセッサ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROM、又は他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置、若しくは他の磁気記憶装置、又は、命令若しくはデータ構造の形式で所望のプログラムコードを保存するのに使用することができ、かつ、コンピュータ若しくはプロセッサによってアクセスすることができる、任意の他の有形の記憶媒体、を含むことがある。本明細書で使用する場合、ディスク(disk)及びディスク(disk)には、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピーディスク、及びブルーレイディスクが含まれ、ディスク(disk)は通常データを磁気的に再生し、ディスク(disk)はデータをレーザーを用いて光学的に再生する。上記の組み合わせも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。更に、方法又はアルゴリズムの動作は、コンピュータプログラム製品に組み込むことができる非一時的なプロセッサ可読媒体及び/又はコンピュータ可読媒体上の、コード及び又は命令のうちの1つ又は任意の組み合わせ又は集合として存在することがある。
【0129】
開示した実施形態の前述の説明は、当業者が本発明を実施又は使用することができるように提供されたものである。これらの実施形態への様々な修正例は当業者には容易に明らかであり、本明細書で規定する一般的な原理は、本発明の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他の実施形態に適用することができる。従って、本発明は、本明細書に示した実施形態に限定されるように意図されるものではなく、以降の特許請求の範囲並びに本明細書に開示した原理及び新規の特徴と一致する最も広い範囲を授けられるべきである。
【0130】
様々な態様及び実施形態を開示したが、他の態様及び実施形態も考えられる。開示した様々な態様及び実施形態は、例示の目的のためのものであり、限定することを意図したものではなく、真の範囲及び趣旨は以降の特許請求の範囲によって示される。
【手続補正書】
【提出日】2022-04-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線装置であって、
充電表面から1つ又は複数のRF信号を受信するように構成された第1のアンテナと、
前記無線装置に近接する1つ又は複数の無線装置に1つ又は複数の異なるRF信号を送信し、及び、前記無線装置に近接する1つ又は複数の無線装置から1つ又は複数の異なるRF信号を受信するように構成された第2のアンテナと、を含み、
前記無線装置は、前記1つ又は複数のRF信号を、電池を充電するための電気エネルギーに変換するように構成される、無線装置。
【手続補正書】
【提出日】2022-04-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信装置に無線で電力を送達する方法であって、
電磁通信信号を送信するのに十分な電力が受信装置に不足している間、
近距離場充電パッドに含まれるユニットセルのアンテナを介して、第1の電力レベルで無線周波数(RF)電力伝送波を放射し、前記近距離場充電パッドは前記ユニットセルを含む複数のユニットセルを含み、
前記近距離場充電パッドによって、前記複数のユニットセルのうちの1つ又は複数のユニットセルによって反射された前記RF電力伝送波に関連したエネルギーの量を検出し、かつ
前記近距離場充電パッドによって、前記量が閾値を満たす場合に前記受信装置が前記近距離場充電パッドの近距離場の距離内にあると判断することと、
前記受信装置が前記近距離場充電パッドの前記近距離場の距離内にあると判断することに応答して、前記ユニットセルの前記アンテナを介して、前記第1の電力レベルで前記RF電力伝送波を放射し続けることと、
前記受信装置によって生成された電磁通信信号を受信すると、
前記第1の電力レベルで前記RF電力伝送波を放射することを停止し、かつ
前記ユニットセルの前記アンテナを介して、前記第1の電力レベルよりも高い第2の電力レベルで新しいRF電力伝送波を放射することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の電力レベルで前記RF電力伝送波を放射することは、いずれかの受信装置が前記近距離場充電パッドの前記近距離場の距離内にあることを検出することの前に起こる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記電磁通信信号は、前記受信装置の装置特有の特性を含み、前記ユニットセルの前記アンテナによって放射された前記新しいRF電力伝送波の前記第2の電力レベルは、前記受信装置の前記装置特有の特性に少なくとも部分的に基づいて決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記装置特有の特性は、前記受信装置の識別子、前記受信装置の電池レベル、及び前記受信装置の電力要件のうちの1つ又は複数を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記近距離場充電パッドは、前記受信装置から前記電磁通信信号を受信するための通信無線機を含み、
前記受信装置は、前記近距離場充電パッドに前記電磁通信信号を送信するための対応する通信無線機を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記複数のユニットセルの各ユニットセルは、それぞれのアンテナを介して、前記第1の電力レベルでそれぞれのRF電力伝送波を放射する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記RF電力伝送波に関連した前記エネルギーの量を検出することは、前記近距離場充電パッドの前記複数のユニットセルによって反射された前記RF電力伝送波のそれぞれに関連したそれぞれのエネルギーの量を検出することと共に実行される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記近距離場充電パッドは、コントローラ及びRFカプラーを含み、
前記コントローラは、前記RFカプラーに接続され、
前記RFカプラーは、(i)前記複数のユニットセルのうちの前記1つ又は複数のユニットセルによって反射された前記RF電力伝送波に関連した前記エネルギーの量を検出し、かつ(ii)前記コントローラに前記量を提供する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記受信装置は、
RF電力伝送波を受信するための無線電力受信機と、
前記無線電力受信機に結合された電子装置と、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
受信装置に無線で電力を送達するための近距離場充電パッドであって、
電磁通信信号を送信するのに十分な電力が受信装置に不足している間、
近距離場充電パッドに含まれるユニットセルのアンテナを介して、第1の電力レベルで無線周波数(RF)電力伝送波を放射し、前記近距離場充電パッドは前記ユニットセルを含む複数のユニットセルを含み、
前記近距離場充電パッドによって、前記複数のユニットセルのうちの1つ又は複数のユニットセルによって反射された前記RF電力伝送波に関連したエネルギーの量を検出し、かつ
前記近距離場充電パッドによって、前記量が閾値を満たす場合に前記受信装置が前記近距離場充電パッドの近距離場の距離内にあると判断することと、
前記受信装置が前記近距離場充電パッドの前記近距離場の距離内にあると判断することに応答して、前記ユニットセルの前記アンテナを介して、前記第1の電力レベルで前記RF電力伝送波を放射し続けることと、
前記受信装置によって生成された電磁通信信号を受信すると、
前記第1の電力レベルで前記RF電力伝送波を放射することを停止し、かつ
前記ユニットセルの前記アンテナを介して、前記第1の電力レベルよりも高い第2の電力レベルで新しいRF電力伝送波を放射することと、を
含む近距離場充電パッド。
【請求項11】
前記第1の電力レベルで前記RF電力伝送波を放射することは、いずれかの受信装置が前記近距離場充電パッドの前記近距離場の距離内にあることを検出することの前に起こる、請求項10に記載の近距離場充電パッド。
【請求項12】
前記電磁通信信号は、前記受信装置の装置特有の特性を含み、前記コントローラは、前記受信装置の前記装置特有の特性に少なくとも部分的に基づいて、前記新しいRF電力伝送波の前記第2の電力レベルを決定するように更に構成される、請求項10に記載の近距離場充電パッド。
【請求項13】
前記装置特有の特性は、前記受信装置の識別子、前記受信装置の電池レベル、及び前記受信装置の電力要件のうちの1つ又は複数を含む、請求項12に記載の近距離場充電パッド。
【請求項14】
前記近距離場充電パッドは、前記受信装置から前記電磁通信信号を受信するための通信無線機を含み、
前記受信装置は、前記近距離場充電パッドに前記電磁通信信号を送信するための対応する通信無線機を含む、請求項10に記載の近距離場充電パッド。
【請求項15】
前記複数のユニットセルの各ユニットセルは、それぞれのアンテナを介して、前記第1の電力レベルでそれぞれのRF電力伝送波を放射する、請求項10に記載の近距離場充電パッド。
【請求項16】
前記RF電力伝送波に関連した前記エネルギーの量を検出することは、前記近距離場充電パッドの前記複数のユニットセルによって反射された前記RF電力伝送波のそれぞれに関連したそれぞれのエネルギーの量を検出することと共に実行される、請求項15に記載の近距離場充電パッド。
【請求項17】
前記コントローラは、前記RFカプラーに接続され、
前記RFカプラーは、(i)前記複数のユニットセルのうちの前記1つ又は複数のユニットセルによって反射された前記RF電力伝送波に関連した前記エネルギーの量を検出し、かつ(ii)前記コントローラに前記量を提供する、請求項10に記載の近距離場充電パッド。
【請求項18】
前記受信装置は、
RF電力伝送波を受信するための無線電力受信機と、
前記無線電力受信機に結合された電子装置と、を含む、請求項10に記載の近距離場充電パッド。
【請求項19】
実行可能命令を記憶する非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、近距離場充電パッドと通信している1つ又は複数のプロセッサによって実行される場合に、前記近距離場充電パッドに、
電磁通信信号を送信するのに十分な電力が受信装置に不足している間、
近距離場充電パッドに含まれるユニットセルのアンテナを介して、第1の電力レベルで無線周波数(RF)電力伝送波を放射し、前記近距離場充電パッドは前記ユニットセルを含む複数のユニットセルを含み、
前記近距離場充電パッドによって、前記複数のユニットセルのうちの1つ又は複数のユニットセルによって反射された前記RF電力伝送波に関連したエネルギーの量を検出し、かつ
前記近距離場充電パッドによって、前記量が閾値を満たす場合に前記受信装置が前記近距離場充電パッドの近距離場の距離内にあると判断することと、
前記受信装置が前記近距離場充電パッドの前記近距離場の距離内にあると判断することに応答して、前記ユニットセルの前記アンテナを介して、前記第1の電力レベルで前記RF電力伝送波を放射し続けることと、
前記受信装置によって生成された電磁通信信号を受信すると、
前記第1の電力レベルで前記RF電力伝送波を放射することを停止し、かつ
前記ユニットセルの前記アンテナを介して、前記第1の電力レベルよりも高い第2の電力レベルで新しいRF電力伝送波を放射することと、を実行させる、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項20】
前記第1の電力レベルで前記RF電力伝送波を放射することは、いずれかの受信装置が前記近距離場充電パッドの前記近距離場の距離内にあることを検出することの前に起こる、請求項19に記載の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項21】
前記電磁通信信号は、前記受信装置の装置特有の特性を含み、前記ユニットセルの前記アンテナによって放射された前記新しいRF電力伝送波の前記第2の電力レベルは、前記受信装置の前記装置特有の特性に少なくとも部分的に基づいて決定される、請求項19に記載の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項22】
前記装置特有の特性は、前記受信装置の識別子、前記受信装置の電池レベル、及び前記受信装置の電力要件のうちの1つ又は複数を含む、請求項21に記載の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項23】
前記近距離場充電パッドは、前記受信装置から前記電磁通信信号を受信するための通信無線機を含み、
前記受信装置は、前記近距離場充電パッドに前記電磁通信信号を送信するための対応する通信無線機を含む、請求項19に記載の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項24】
前記受信装置は、
RF電力伝送波を受信するための無線電力受信機と、
前記無線電力受信機に結合された電子装置と、を含む、請求項19に記載の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【外国語明細書】