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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022084729
(43)【公開日】2022-06-07
(54)【発明の名称】支持補助部材
(51)【国際特許分類】
   F16L 59/135 20060101AFI20220531BHJP
   F16L 3/14 20060101ALI20220531BHJP
【FI】
F16L59/135
F16L3/14 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022036198
(22)【出願日】2022-03-09
(62)【分割の表示】P 2021136622の分割
【原出願日】2021-08-24
(31)【優先権主張番号】P 2020196247
(32)【優先日】2020-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000119830
【氏名又は名称】因幡電機産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】山口 悟史
【テーマコード(参考)】
3H023
3H036
【Fターム(参考)】
3H023AC04
3H023AD04
3H023AD08
3H023AD54
3H036AA01
3H036AC06
3H036AD07
3H036AE04
(57)【要約】
【課題】汎用の長尺体支持具に対しても安定的に取付可能であり、かつ、適切に位置決めすることができる支持補助部材を実現する。
【解決手段】長尺体(8)を吊下支持する長尺体支持具(6)の支持部(61)と長尺体(8)との間に介装される支持補助部材(1)は、支持プレート(10)と、支持プレート(10)の下面に片持ち状態で設けられた弾性保持片(20)と、支持プレート(10)の上面に設けられた係止部(30)とを備える。弾性保持片(20)が、支持プレート(10)との間に支持部(61)を挟持するとともに、その先端側が貫通孔を通って支持プレート(10)の上面側で係止部(30)に係止される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺体を吊下支持する長尺体支持具の支持部と前記長尺体との間に介装される支持補助部材であって、
前記長尺体の長手方向に沿って延在するとともに貫通孔を有する支持プレートと、
前記支持プレートの下面に片持ち状態で設けられた弾性体からなり、前記支持部を保持するための弾性保持片と、
前記支持プレートの上面に設けられた係止部と、を備え、
前記弾性保持片が、その基端側が前記支持プレートの下面との間に前記支持部を挟持するとともに、その先端側が前記貫通孔を通って前記支持プレートの上面側で前記係止部に係止される支持補助部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持補助部材に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば空調用配管や排水管等の長尺体を吊下支持するために、長尺体支持具が用いられている。このような長尺体支持具を用いる場合には、当該長尺体支持具の支持部とこれに支持された長尺体との間に支持補助部材が介装される場合がある。支持補助部材は、支持部の長尺体長手方向での支持幅よりも長い支持長さに構成されて、広い支持面積で長尺体を分散支持する。これにより、長尺体を安定した姿勢で支持することができるとともに、長尺体が配管を被覆する保温材を含む場合における保温材の圧壊による保温性能の低下を抑制することができる。
【0003】
このような支持補助部材の一例が、特開2009-133430号公報(特許文献1)に開示されている。特許文献1の支持補助部材(吊り金具用補助部材10)は、弧状の支持プレートの下面に突起部(突起部11a)を有している。そして、その突起部を長尺体支持具(吊り金具20)の支持部(バンド部30)に設けられた孔部(穿孔30a)に嵌合させることで、長尺体支持具の支持部に対して着脱自在となっている。また、孔部と突起部との嵌合により、長尺体支持具に対して支持補助部材が位置決めされている。
【0004】
しかし、特許文献1の支持補助部材は、支持部に孔部を有する専用の長尺体支持具と共に使用されることが前提となっている。このため、汎用の長尺体支持具(支持部に孔部が設けられていない長尺体支持具)と共に使用する場合には、突起部の先端が支持部の内面に当接して、突起部の周辺部位が支持部から浮き上がってしまい安定が良くないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009-133430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
汎用の長尺体支持具に対しても安定的に取付可能であり、かつ、適切に位置決めすることができる支持補助部材の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る支持補助部材は、
長尺体を吊下支持する長尺体支持具の支持部と前記長尺体との間に介装される支持補助部材であって、
前記長尺体の長手方向に沿って延在するとともに貫通孔を有する支持プレートと、
前記支持プレートの下面に片持ち状態で設けられた弾性体からなり、前記支持部を保持するための弾性保持片と、
前記支持プレートの上面に設けられた係止部と、を備え、
前記弾性保持片が、その基端側が前記支持プレートの下面との間に前記支持部を挟持するとともに、その先端側が前記貫通孔を通って前記支持プレートの上面側で前記係止部に係止される。
【0008】
この構成によれば、支持補助部材に設けられた弾性保持片は長尺体支持具の支持部を下面側から保持するので、支持プレートは、長尺体支持具の支持部に対して面接触する状態で載置可能である。よって、長尺体支持具の支持部に対して支持補助部材を、特定部位が浮き上がる等の不都合なく安定的に取り付けることができる。また、片持ち状態で設けられた弾性保持片が、その基端側で支持プレートの下面との間に支持部を挟持するので、支持部との間の摺動抵抗によって位置ずれを生じにくくすることができる。その際、弾性保持片の先端側は支持プレートの上面側で係止部に係止させることによって支持部に対する弾性保持片の圧接力を高めることができ、摺動抵抗を高めて位置ずれをさらに生じにくくできる。従って、汎用の長尺体支持具に対しても安定的に取付可能であり、かつ、適切に位置決めすることができる支持補助部材を実現することができる。
【0009】
以下、本発明の好適な態様について説明する。但し、以下に記載する好適な態様例によって、本発明の範囲が限定される訳ではない。
【0010】
一態様として、
前記貫通孔が平面視で前記弾性保持片と重なる位置に設けられているとともに、前記貫通孔における前記弾性保持片の先端側の部位に対して幅方向に隣接して前記係止部が設けられていることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、弾性保持片の先端側を上下方向に持ち上げるだけで、簡単に、貫通孔を通って支持プレートの上面側へと導くことができる。弾性保持片の先端側を支持プレートの上面側へと導いた後は、それを幅方向に変位させるだけで、簡単に、係止部に係止させることができる。よって、弾性保持片の先端側を、容易に、貫通孔を通って支持プレートの上面側で係止部に係止させることができる。
【0012】
一態様として、
前記貫通孔が、前記弾性保持片の幅に応じた幅の幅狭部と、前記係止部に対して前記長手方向に隣接して設けられ、前記幅狭部よりも幅広の幅広部と、を有することが好ましい。
【0013】
この構成によれば、幅狭部を弾性保持片の幅に応じた幅とすることで、弾性保持片が通過可能としつつ、支持補助部材全体としての強度の低下を小さく抑えることができる。また、係止部に対して長尺体の長手方向に隣接する位置に相対的に幅広の幅広部を有することで、先端側を係止部に係止させるための弾性保持片の幅方向への変位を適切に行うことができる。
【0014】
一態様として、
前記支持プレートは、前記長手方向に沿って延びる複数のリブ部を有し、
複数の前記リブ部のうちの一部の側面を含んで、前記係止部が構成されていることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、複数のリブ部の存在によって支持プレートの強度を高めることができる。また、そのようなリブ部の一部を利用して、その側面を係止部として兼用させることで、係止部を別途設ける場合に比べて構成の簡素化を図ることができる。また、リブ部の高さの範囲内に弾性保持片の先端部の大部分を収めることができ、支持プレートの上面側で弾性保持片を係止部に係止させながらも、上方への実質的な突出代を極力小さく抑えることができる。よって、長尺体を安定的に支持することができる。
【0016】
一態様として、
前記弾性保持片は、その基端側の厚みに比べて先端側の厚みが薄いことが好ましい。
【0017】
この構成によれば、弾性保持片のうち相対的に厚みが薄い先端側を、容易に弾性変形させて、支持プレートの上面側で係止部に係止させることができる。また、弾性保持片のうち相対的に厚みが厚い基端側で、支持プレートの下面との間に支持部を安定的に挟持することができる。よって、長尺体支持具に対する位置決めをより適切に行うことができる。
【0018】
一態様として、
前記弾性保持片は、その先端部が支持プレート側に位置するように屈曲形成されていることが好ましい。
【0019】
この構成によれば、支持プレートの下面に設けられた弾性保持片の先端側を、支持プレートの上面側で係止部に容易に係止することができる。
【0020】
一態様として、
前記支持プレートにおける幅方向の少なくとも一方側に、前記支持部に対して前記長手方向の両側から係合可能な係合部がそれぞれ設けられていることが好ましい。
【0021】
この構成によれば、幅方向の少なくとも一方側で、支持部に対して長尺体の長手方向の両側から係合部が係合することで、長尺体支持具に対して支持補助部材を長手方向に位置決めすることができる。
【0022】
一態様として、
前記支持プレートは、幅方向の少なくとも一方側に、前記支持部の前記長手方向の長さに応じた間隔で少なくとも幅方向に沿って延びる部位を有するようにその側縁から形成された一対のスリットを有し、
前記支持プレートにおける一対の前記スリットよりも前記長手方向の外側にある部分の内縁により、前記係合部が構成されていることが好ましい。
【0023】
この構成によれば、支持プレートの幅方向の少なくとも一方側に側縁から延びる一対のスリットを形成するだけで、容易に、支持部に対して長尺体の長手方向の両側から係合可能な係合部を設けることができる。よって、簡易な構成で、長尺体支持具に対して支持補助部材を長手方向に位置決めすることができる。
【0024】
一態様として、
前記支持プレートの側縁の位置での一対の前記スリットどうしの間隔が、前記支持部の前記長手方向の長さよりも短いことが好ましい。
【0025】
この構成によれば、長尺体支持具に対して支持補助部材を取り付けた後、その抜け止めを図ることができる。また、弾性保持片の先端側を係止部に係止させてしっかりと保持する前の段階でも、長尺体支持具に対して支持補助部材を仮止めすることができる。
【0026】
一態様として、
一対の前記スリットのうち、前記長手方向において前記弾性保持片の基端側に位置する方に対して前記長手方向に隣接して、前記支持プレートから下面側に突出する突起部が設けられていることが好ましい。
【0027】
この構成によれば、長尺体支持具に対して長尺体の長手方向に沿って支持補助部材をスライド移動させる際、突起部を一種のストッパーとして機能させることができる。すなわち、長尺体支持具に突起部が当接することによって、長尺体支持具に対する支持補助部材の長手方向の位置合わせを容易に行うことができる。
【0028】
一態様として、
前記支持プレートは、一対の前記スリットどうしの間に位置する中央部位と、一対の前記スリットよりも前記長手方向の外側に位置する一対の外側部位と、を有し、
前記長尺体支持具に取り付けられた状態で、前記中央部位の曲率に比べて一対の前記外側部位の曲率が小さいことが好ましい。
【0029】
この構成によれば、支持プレートの中央部位で長尺体支持具に沿って安定的に載置されつつ、相対的に曲率が小さい一対の外側部位で長尺体の長手方向の両側から長尺体支持具に係合することができる。従って、長尺体支持具に対して安定的に取付可能であり、かつ、長尺体の長手方向に適切に位置決めすることができる。
【0030】
一態様として、
前記弾性保持片の中間部の位置において前記支持プレートの下面に設けられた支持片部をさらに備え、
前記弾性保持片が、前記支持片部によって側方から支持された状態で、当該支持片部よりも先端側の部分が前記係止部に係止されることが好ましい。
【0031】
この構成によれば、支持片部の設置位置を調整することで、弾性保持片が係合部に係合した状態において、弾性保持片のうち基端部から支持片部に当接するまでの部分を長尺体の長手方向に沿わせることができる。よって、長尺体支持具に対する支持補助部材の取り付けをさらに安定化することができる。また、この構成では、弾性保持片が支持片部と係合部との間でより大きく撓んでより大きなテンションが作用するので、この点からも、支持補助部材の取り付けをより一層安定化することができる。
【0032】
本発明に係る長尺体支持ユニットは、
長尺体を吊下支持する長尺体支持具と、
上述したいずれかの支持補助部材と、を備える。
【0033】
この構成によれば、長尺体支持具を用いて長尺体を吊下支持する際に、長尺体支持具に対して適切な位置に安定的に支持補助部材を取り付けることができる。そして、長尺体支持具と長尺体との間に支持補助部材を介装することで、広い支持面積で長尺体を分散支持することができ、長尺体を安定した姿勢で支持することができる。また、例えば長尺体が配管を被覆する保温材を含む場合に、保温材の圧壊による保温性能の低下を抑制することができる。
【0034】
本発明のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】第1実施形態の長尺体支持ユニットを用いた施工例を示す斜視図
図2】支持補助部材の斜視図
図3】支持補助部材の斜視図
図4】支持補助部材の平面図
図5】支持補助部材の正面図
図6】長尺体支持ユニットの斜視図
図7図6におけるVII-VII断面図
図8】長尺体支持ユニットの正面図
図9】長尺体支持ユニットの施工手順の一局面を示す図
図10】長尺体支持ユニットの施工手順の一局面を示す図
図11】長尺体支持ユニットの施工手順の一局面を示す図
図12】第2実施形態の支持補助部材の斜視図
図13】長尺体支持ユニットの斜視図
図14】別態様の支持補助部材の斜視図
図15】別態様の支持補助部材の正面図
図16】別態様の支持補助部材の正面図
図17】別態様の支持補助部材の正面図
図18】別態様の支持補助部材の正面図
図19】別態様の支持補助部材の平面図
図20】別態様の支持補助部材の平面図
図21】別態様の支持補助部材の平面図
図22】別態様の支持補助部材の平面図
図23】別態様の支持補助部材の平面図
図24】別態様の支持補助部材の平面図
図25】別態様の支持補助部材の平面図
図26】別態様の支持補助部材の斜視図
図27】別態様の支持補助部材の斜視図
図28】別態様の長尺体支持ユニットの下面図
図29】別態様の長尺体支持ユニットの正面図
図30】別態様の長尺体支持ユニットの正面図
図31】別態様の支持補助部材の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0036】
〔第1実施形態〕
支持補助部材及び長尺体支持ユニットの第1実施形態について、図面を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態の長尺体支持ユニット100は、長尺体8を吊下支持するためのユニットであり、長尺体8を吊下支持する長尺体支持具6と、この長尺体支持具6と共に用いられる支持補助部材1とを備えている。支持補助部材1は、長尺体支持具6における長尺体8の支持部61と長尺体8との間に介装されて用いられる。
【0037】
長尺体支持具6は、天井から垂設される吊ボルト(図示せず)に対して取り付けられ、長尺体8を横架姿勢で吊下支持する。吊ボルトは、長尺体8の配設方向に沿って配置されている。長尺体8の配設方向に沿う複数箇所に、所定間隔を隔てて複数の吊ボルトが設置され、それぞれの吊ボルトに取り付けられた長尺体支持具6により、配設方向の全体に亘って長尺体8が吊下支持されている。
【0038】
長尺体8は、例えば線状体、管状体、及び帯状体等の、一方向に延びる長尺状の構造を有するものである。このような長尺体8としては、例えば配管類や電線類等を例示することができる。本実施形態の長尺体8は、一例として、空調装置用の配管類であり、冷媒経路を形成する金属製の配管部材81と、その周囲を被覆する被覆部材82(ウレタンフォームやグラスウール等からなる保温材ないし断熱材)とを含んでいる。
【0039】
長尺体支持具6は、長尺体8を支持する支持部61と、吊ボルトに取り付けるための取付部63とを備えている。また、本実施形態の長尺体支持具6は、蓋部(図示せず)をさらに備えている。支持部61、取付部63、及び蓋部は、それぞれ金属製の板状部材で構成されている。
【0040】
支持部61は、略U字状に形成されている。支持部61は、円弧状に湾曲した底部で長尺体8を下方から支持する。取付部63は、リベット等の固着手段を用いて支持部61と一体化されている。取付部63は、吊ボルトに対して軸方向の異なる位置で係止される一対のフック部を含む。それぞれのフック部が吊ボルトの外面のネジ山に係止することで、長尺体支持具6の全体が吊ボルトに取り付けられる。蓋部は、支持部61に対して開閉自在に連結されている。蓋部は、支持部61の上部開口を開け放った姿勢(開放姿勢)で、当該支持部61に長尺体8を収容可能となる。支持部61に長尺体8が収容された後は、蓋部は、支持部61の上部開口を閉じた姿勢(閉止姿勢)となり、長尺体8の抜けを防止する。
【0041】
図1に示すように、支持補助部材1は、長尺体支持具6の支持部61に取り付けられて用いられる。支持補助部材1は、長尺体8の長手方向Lにおいて長尺体支持具6の支持部61の支持幅よりも長い支持長さに構成されている。支持補助部材1は、長尺体8の長手方向Lに沿って、支持部61に対して長手方向Lの両側に延出するように配置される。広い支持面積で長尺体8を分散支持することにより、長尺体8を安定した姿勢で支持することができ、また、被覆部材82の圧壊による性能低下を抑制することができる。
【0042】
図2図5に示すように、支持補助部材1は、支持プレート10と、弾性保持片20と、係止部30と、係合部40とを備えている。これらは、例えばポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ウレタン等の、弾性を有する合成樹脂を用いて一体的に形成されている。
【0043】
支持プレート10は、支持補助部材1の主要部を構成する板状部材であり、長尺体支持具6の支持部61に取り付けられた状態で長尺体8の長手方向Lに沿って延在する。支持プレート10は、その長手方向が長尺体8の長手方向Lに沿うように取り付けられることから、以下の説明では、支持プレート10長手方向も「長手方向L」と表す。また、長手方向Lに直交する支持プレート10の短手方向を「幅方向W」と表す。
【0044】
支持プレート10は、プレート本体11を主体として構成されている。プレート本体11は、幅方向Wの中央部分において、平面視(上下方向に見た状態)で矩形状に形成されている。プレート本体11の一方の面である上面11aは、長尺体支持具6に取り付けられた状態で長尺体8が載置される載置面となる。プレート本体11の他方の面である下面11bは、長尺体支持具6に取り付けられた状態で支持部61に受止支持される被支持面となる。
【0045】
本実施形態では、プレート本体11の上面11a(載置面)には、長手方向Lに沿って延びる複数の上側リブ部13が形成されている。また、プレート本体11の下面11b(被支持面)には、長手方向Lに沿って延びる複数の下側リブ部14が形成されている。本実施形態では、複数の上側リブ部13と複数の下側リブ部14とは、幅方向Wにおける互いに対応する位置に設けられている。このような複数の上側リブ部13及び下側リブ部14を設けることで、長手方向Lの剛性を高めつつ、長尺体支持具6の支持部61に沿う湾曲変形を容易化することができる。
【0046】
プレート本体11の中央部には、上下に貫通する貫通孔16が形成されている。貫通孔16は、長手方向Lに沿って形成されている。図4に示すように、貫通孔16は、平面視で、プレート本体11の下面11b側に設けられた弾性保持片20と重なる位置に形成されている。本実施形態の貫通孔16は、弾性保持片20の幅に応じた幅の幅狭部16Aと、幅狭部16Aよりも幅広の幅広部16Bとを有する。幅広部16Bは、長手方向Lにおける後述する弾性保持片20の薄肉部22Bに対応する位置に形成されている。また、幅広部16Bは、本実施形態では平面視で台形状に形成されている。
【0047】
本実施形態の支持プレート10は、プレート本体11から幅方向Wの両側に延出する一対の延出部12を有する。延出部12は、平面視で扁平な台形状に形成されている。延出部12の側縁12aは、長手方向Lの中央にある当該長手方向Lに平行な部分と、その両側にある長手方向Lに対して傾斜する部分とを有する。幅方向Wの両側の延出部12には、側縁12aからプレート本体11側に向かって延びる一対のスリット41がそれぞれ形成されている。
【0048】
幅方向Wの両側にそれぞれ形成された一対のスリット41により、支持プレート10は、中央部位18と、その両側の一対の外側部位19とに区画されている。中央部位18は、長手方向Lにおける一対のスリット41どうしの間の部位である。外側部位19は、長手方向Lにおける中央部位18(一対のスリット41のうちのいずれか)よりも外側の部位である。一対の外側部位19は、長手方向Lの長さが等しくても良いし、互いに異なってもいても良い。上記の貫通孔16は、一方の外側部位19から中央部位18を超えて他方の外側部位19に亘って形成されている。また、貫通孔16の幅広部16Bは、本実施形態では一方の外側部位19だけに形成されている。
【0049】
また、図3に示すように、一方の外側部位19における延出部12に、対応するスリット41に対して長手方向Lに隣接して、支持プレート10から下面11b側に突出する突起部45が設けられている。本実施形態では、突起部45は、平板状の突起として形成されている。突起部45は、スリット41に対して長手方向Lに隣接し、かつ、幅方向Wにおいて側縁12aにかかる位置に設けられている。
【0050】
弾性保持片20は、弾性体からなり、支持プレート10(プレート本体11)の下面11bに片持ち状態で設けられている。弾性保持片20は、支持プレート10の中央部に(一方の外側部位19から中央部位18を超えて他方の外側部位19に亘って)、長手方向Lに沿って配置されている。弾性保持片20の長手方向Lに沿う長さは、長尺体支持具6の支持部61の支持幅よりも長く設定されている。このため、弾性保持片20は、支持部61に取り付けられたとき、支持部61に対して、長尺体8の長手方向Lの両側に延出するように配置される。
【0051】
弾性保持片20は、長尺体支持具6の支持部61を下面側から保持する。本実施形態の弾性保持片20は、支持プレート10と一体的に形成された基部21と、基部21と一体的に形成されて長手方向Lに延びる片部からなる保持片部22とを有する。弾性保持片20は、基部21を根元部分とし、保持片部22における基部21とは反対側の先端部を開放端部とする、弾性アームで構成されている。弾性保持片20は、基部21の部分を固定端として保持片部22が撓み変形可能となっている。保持片部22は、幅方向W及び上下方向(厚み方向)の両方に撓み変形可能となっている。
【0052】
図5に示すように、保持片部22は、基部21側から先端側に向かって、平行延在部22Aと、薄肉部22Bと、傾斜延在部22Cと、先端傾斜部22Dとを有する。平行延在部22Aは、基部21の下端部から、支持プレート10(プレート本体11)に対して平行に延びている。薄肉部22Bは、平行延在部22Aよりも厚みが薄く形成され、平行延在部22Aから連続して延びている。薄肉部22Bも、支持プレート10(プレート本体11)に対して平行に延びている。傾斜延在部22Cは、薄肉部22Bから、支持プレート10側に次第に近づくように傾斜して延びている。本実施形態では、支持プレート10、基部21、平行延在部22A、薄肉部22B、及び傾斜延在部22Cに囲まれる空間として、保持空間Rが形成されている。この保持空間Rに、長尺体支持具6の支持部61が保持される。
【0053】
先端傾斜部22Dは、傾斜延在部22Cから、支持プレート10から次第に離れるように傾斜して延びている。先端傾斜部22Dの支持プレート10側の面は、長尺体支持具6への支持補助部材1の取付時に支持部61が円滑に保持空間Rに収まるように案内する差込案内面22eとなっている。
【0054】
弾性保持片20は、その基端側にある基部21及び平行延在部22Aの厚みに比べて、先端側にある薄肉部22B及び先端傾斜部22Dの厚みが薄くなっている。特に、薄肉部22Bの厚みを相対的に薄くすることで、弾性保持片20の先端側を容易に撓み変形させることができる。また、弾性保持片20は、その先端部にある傾斜延在部22C及び先端傾斜部22Dが、支持プレート10側に位置するように屈曲形成されている。このように、弾性保持片20の先端側を屈曲形成することで、弾性保持片20を撓ませる距離を短くすることができる。
【0055】
図2に示すように、弾性保持片20の先端側が係止される係止部30が、支持プレート10(プレート本体11)における弾性保持片20が設けられている側とは反対側となる、上面11aに設けられている。本実施形態では、プレート本体11の上面11aに形成された複数の上側リブ部13のうちの一部を利用して、係止部30が構成されている。本実施形態では、上側リブ部13が「リブ部」に相当する。
【0056】
さらに本例では、複数の上側リブ部13のうち、弾性保持片20の先端側で貫通孔16に対して幅方向Wに隣接するものにおける貫通孔16とは反対側の側面が、長手方向Lに対して傾斜する傾斜側面13aとなっている(図4を参照)。この傾斜側面13aは、貫通孔16の幅広部16Bに対して長手方向Lに隣接して設けられている。傾斜側面13aは、弾性保持片20の先端側に向かうに従って次第に幅方向Wの外側に向かうように僅かに傾斜している。そして、その傾斜側面13a及び当該傾斜側面13aから連続するプレート本体11の上面11aに、弾性保持片20の先端側が係止される。本実施形態では、複数の上側リブ部13のうちの一部に形成された傾斜側面13a(それから連続するプレート本体11の上面11aの部分を含む)により、係止部30が兼用構成されている。
【0057】
上述したように、支持プレート10(プレート本体11)の下面11bに弾性保持片20が設けられ、プレート本体11における平面視で弾性保持片20と重なる位置に貫通孔16が形成されている。このため、弾性保持片20は、上下方向に撓み変形して、その先端側が貫通孔16を通って支持プレート10(プレート本体11)の上面11a側に突出可能である。また、貫通孔16は幅広部16Bを含み、この幅広部16Bは、係止部30を兼用する一部の上側リブ部13の傾斜側面13aに対して長手方向Lに隣接して設けられている。このため、弾性保持片20は、幅方向Wにも撓み変形して、その先端側が係止部30(傾斜側面13a+上面11a)に係止可能である。
【0058】
実際、支持補助部材1が長尺体支持具6の支持部61に取り付けられたとき、図6図8に示すように、弾性保持片20は、その先端側(傾斜延在部22C及び先端傾斜部22D)が貫通孔16を通って支持プレート10の上面11a側で係止部30に係止される。一方、支持プレート10(プレート本体11)の下面11b側では、弾性保持片20は、その基端側(平行延在部22A)がプレート本体11の下面11bとの間に支持部61を挟持する。このとき、弾性保持片20が弾性変形した状態で係止部30に係止されることで、支持部61に対する弾性保持片20の圧接力を高めることができ、摺動抵抗を高めて位置ずれ(ここでは、特に幅方向Wの位置ずれ)を生じにくくすることができる。
【0059】
本実施形態の支持補助部材1は、長尺体支持具6の支持部61に取り付けられた状態で当該支持部61に対して長手方向Lから係合可能な係合部40をさらに備えている。係合部40は、支持プレート10における幅方向Wの両側に、支持部61に対して長手方向Lの両側から係合可能なようにそれぞれ設けられている。このような係合部40を設け、幅方向Wの両側で、支持部61に対して長手方向Lの両側から係合部40を係合させることで、長尺体支持具6に対して支持補助部材1を長手方向Lに位置決めすることができる。
【0060】
上述したように、支持プレート10における幅方向Wの両側の延出部12に、側縁12aからプレート本体11側に向かって延びる一対のスリット41がそれぞれ形成されている(図2図4を参照)。一対のスリット41は、長尺体支持具6の支持部61の長手方向Lの長さに応じた間隔で少なくとも幅方向Wに沿って延びる部位を有している。本実施形態では、一対のスリット41のうちの一方(長手方向Lにおける弾性保持片20の基端側に位置する方)は、幅方向Wに沿ってまっすぐに延びる直線状スリット41Aとなっている。一対のスリット41のうちの他方(長手方向Lにおける弾性保持片20の先端側に位置する方)は、直線状スリット41Aに平行な平行部分41cと、それに交差する斜行部分41dとを有する折線状スリット41Bとなっている。
【0061】
本実施形態では、直線状スリット41Aと折線状スリット41Bの平行部分41cとの間の長手方向Lの間隔が、支持部61の長手方向Lの長さに対応している。そして、支持プレート10(プレート本体11)における一対のスリット41よりも長手方向Lの外側に位置している外側部位19の内縁19aにより、係合部40が構成されている。
【0062】
この点について補足すると、支持補助部材1が長尺体支持具6の支持部61に取り付けられた状態で、一対のスリット41どうしの間の中央部位18が、支持部61の湾曲形状に追従して湾曲する(図6及び図7を参照)。中央部位18に対して長手方向Lの両側にある一対の外側部位19は、中央部位18に追従してある程度湾曲するものの、その湾曲の程度は小さく抑えられる。すなわち、支持部61に取り付けられた状態で、中央部位18の曲率に比べて一対の外側部位19の曲率が小さくなる。これにより、長手方向Lに見て、外側部位19が支持部61と交差する状態で配置され、当該外側部位19の内縁19aが支持部61に対して長手方向Lから係合する。
【0063】
本実施形態では、一対のスリット41のうちの一方が折線状スリット41Bとされているので、一方の外側部位19は、延出部12の側縁12aに沿って中央部位18側に張り出す張出片42を有している。そして、支持プレート10(延出部12)の側縁12aの位置での一対のスリット41どうしの間隔(本例では、直線状スリット41Aと折線状スリット41Bの斜行部分41dとの間の間隔)が、支持部61の長手方向Lの長さよりも短くなっている。張出片42は、支持部61からの支持補助部材1の抜け止めとして機能する。例えば長尺体支持具6の支持部61に支持補助部材1を取り付けた後、弾性保持片20を係止部30(傾斜側面13a+上面11a)に係止させる前であっても、取付状態を適切に維持することができる。
【0064】
長尺体支持具6に支持補助部材1を取り付けるには、以下のようにすれば良い。まず、図9に示すように、長尺体支持具6の支持部61に対して、長手方向Lに沿って支持補助部材1を挿入する。その際、支持プレート10を支持部61の上側を通るように配置し、弾性保持片20の保持片部22の開放端である先端傾斜部22Dの側を先頭にして、支持補助部材1を長手方向Lにスライド移動させて挿入する。このとき、先端傾斜部22Dは、先端側において支持プレート10からより離間するように傾斜しているため、スライド移動に伴い、支持部61を保持空間Rに円滑に収まらせることができる。支持補助部材1は、弾性保持片20の基部21が支持部61に対して長手方向Lに当接するまでスライド移動される。
【0065】
このとき、挿入方向前側(弾性保持片20の先端側)の外側部位19は、長尺体支持具6の支持部61を越えて挿入され、支持部61によっては外側から支持されない状態となるので、中央部位18に比べて湾曲の程度が小さくなる。それに伴い、当該外側部位19に設けられた張出片42は、支持部61の外側に位置する状態となる。
【0066】
この状態で、図10に示すように、長手方向Lに沿ってそれまでとは反対方向に支持補助部材1をスライドさせる。このスライド移動は、挿入方向前側の外側部位19の内縁19aが支持部61に対して長手方向Lに当接するまで行われる。この操作により、当該外側部位19に設けられた張出片42が、支持部61に対して外側から引っ掛かる状態となる。また、挿入方向後ろ側(弾性保持片20の基端側)の外側部位19も、支持部61にはかからない位置となり、中央部位18に比べて湾曲の程度が小さくなる。それに伴い、当該外側部位19の内縁19a及びそこに設けられた突起部45が、支持部61に対して長手方向Lに係合する状態となる。このようにして、長尺体支持具6に対して支持補助部材1を長手方向Lに位置決めすることができる。よって、長手方向Lの適正な位置で、長尺体支持具6に対して支持補助部材1を適切に仮止めすることができる。
【0067】
最後に、長尺体支持具6に対する支持補助部材1の周方向の位置調整をした上で、図11に示すように、弾性保持片20の先端側を係止部30(傾斜側面13a+上面11a)に係止させる(係止部30については図6及び図7を参照)。弾性保持片20を弾性変形させ、その先端側を貫通孔16を通って支持プレート10(プレート本体11)の上面11a側に突出させて、上面11a側で係止部30に係止させる。これにより、支持プレート10と弾性保持片20とで長尺体支持具6の支持部61を抱え込んで、長尺体支持具6に対して支持補助部材1を適切に保持することができる。また、弾性保持片20は、その基端側でプレート本体11の下面11bとの間に支持部61を挟持するので、摺動抵抗が高まり、周方向に位置ずれしにくくなる。
【0068】
このように、本実施形態の支持補助部材1によれば、長手方向Lの適正な位置で長尺体支持具6に対して適切に保持することができ、しかも周方向にもずれにくい。よって、例えばその後に長尺体8を配設するとき、長尺体8を長尺体支持具6に挿入する際にも、長手方向L及び周方向にずれることなく、支持補助部材1で確実に長尺体8を下方から支持することができる。長尺体支持具6の構造に依存せずに支持補助部材1の構造だけによってそれが実現されているため、支持部61に孔部が形成されていない汎用の長尺体支持具6に対しても、好適に適用することができる。
【0069】
〔第2実施形態〕
支持補助部材及び長尺体支持ユニットの第2実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態の支持補助部材1は、弾性保持片20等の個数及び位置が第1実施形態とは異なっている。また、当該支持補助部材1の具体的形状に加え、長尺体支持ユニット100は、長尺体支持具6の具体的形状が第1実施形態とは異なっている。以下、本実施形態の支持補助部材1及び長尺体支持ユニット100について、主に第1実施形態との相違点について説明する。なお、特に明記しない点に関しては、第1実施形態と同様であり、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0070】
図12に示すように、本実施形態の支持補助部材1は、複数(本例では2つ)の弾性保持片20を備えている。複数の弾性保持片20は、幅方向Wに所定間隔を隔てて互いに平行に設けられている。また、それに対応して、支持補助部材1は、複数(弾性保持片20と同数となる本例では2つ)の貫通孔16及び係止部30(傾斜側面13a+上面11a)を備えている。係止部30は、それぞれ対応する貫通孔16に対して幅方向Wに隣接して設けられている。係止部30は、それぞれ対応する貫通孔16に対して、幅方向Wの中央側に設けられている。本実施形態において2つの弾性保持片20は、それぞれの先端部が互いに近接するように幅方向Wに撓み変形されて、対応する係止部30に係止される。
【0071】
図13に示すように、本実施形態の長尺体支持ユニット100に備えられる長尺体支持具6は、円環状の支持部61を備えている。また、長尺体支持具6は、円環状の支持部61の上部に、ボックス状の取付部(図示せず)を備えている。なお、この長尺体支持具6には、蓋部は備えられていない。
【0072】
本実施形態の支持補助部材1でも、長手方向L及び周方向にずれることなく、支持補助部材1で確実に長尺体8を下方から支持することができる。
【0073】
〔その他の実施形態〕
(1)上記の各実施形態では、係止部30が貫通孔16における弾性保持片20の先端側の部位に対して幅方向Wに隣接して設けられている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば係止部30が、貫通孔16における弾性保持片20の先端側の部位に対して幅方向Wに多少離間して設けられても良い。
【0074】
(2)上記の各実施形態では、貫通孔16が幅狭部16Aとそれよりも幅広の幅広部16Bとを有する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、貫通孔16が一律の幅を有するように形成されても良い。
【0075】
(3)上記の各実施形態では、プレート本体11の上面11aに複数の上側リブ部13が形成されている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば図14に示すように、プレート本体11が上側リブ部13を有さなくても良い。この場合、専用の係止部30がプレート本体11の上面11aに設けられても良い。図示の例では、係止突起31からなる係止部30が、貫通孔16における弾性保持片20の先端側の部位に対して幅方向Wに隣接して設けられている。
【0076】
(4)上記の各実施形態では、複数の上側リブ部13と複数の下側リブ部14とが幅方向Wにおける互いに対応する位置に設けられている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、上側リブ部13と下側リブ部14とが幅方向Wに交互に設けられても良い。
【0077】
(5)上記の各実施形態では、弾性保持片20を構成する保持片部22が、平行延在部22Aと薄肉部22Bと傾斜延在部22Cと先端傾斜部22Dとを有する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば保持片部22が、薄肉部22Bを有さずに、平行延在部22Aと傾斜延在部22Cと先端傾斜部22Dとだけを有して形成されても良い。この場合において、例えば図15に示すように、保持片部22が、長尺体支持具6の支持部61に引っ掛けるための引掛部22Eを一体的に備えていても良い。また、例えば図16に示すように、保持片部22のうちの平行延在部22Aが、先端側に向かうに従って次第に厚みが薄くなるように形成されても良い。また、例えば図17に示すように、弾性保持片20(保持片部22)に、支持プレート10側に突出する凸部24が一体的に形成されても良い。この場合において、例えば図18に示すように、弾性保持片20(保持片部22)に支持プレート10側に突出する凸部24が一体的に形成されるとともに、支持プレート10(プレート本体11)に弾性保持片20側に突出する凸部15が一体的に形成されても良い。この場合、弾性保持片20の凸部24と支持プレート10の凸部15とは、幅方向Wにおいて、同じ位置に設けられても良いし、異なる位置に設けられても良い。凸部24や凸部15の形状は、例えば半球状や円錐状等、各種の形状であって良い。これら以外にも、弾性保持片20の具体的構成は適宜変更することができる。
【0078】
(6)上記の各実施形態では、弾性保持片20が1つ又は2つ設けられている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、弾性保持片20の個数は3つ以上であっても良い。
【0079】
(7)上記の各実施形態では、支持補助部材1が、長尺体支持具6の支持部61に対して長手方向Lから係合可能な係合部40を備えている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば図14に示すように、支持補助部材1が係合部40を備えなくても良い。この場合、図示の例のように、支持プレート10が幅方向Wの両側に一対の延出部12を有さずに、平面視矩形状のプレート本体11だけで構成されても良い。
【0080】
(8)上記の各実施形態では、支持補助部材1が幅方向Wの両側に係合部40を備えている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、支持補助部材1が幅方向Wの一方側だけに係合部40を備えていても良い。
【0081】
(9)上記の各実施形態では、係合部40を構成する一対のスリット41が、直線状スリット41Aと折線状スリット41B(平行部分41c+斜行部分41d)とを有する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば図19に示すように、係合部40が一対の直線状スリット41Aで構成されても良い。この場合において、例えば図20に示すように、一対の直線状スリット41Aに挟まれる部分に、貫通穴43が形成されても良い。また、例えば図21に示すように、折線状スリット41Bがクランク状に形成されても良く、例えば図22に示すように、一対の折線状スリット41Bで係合部40が構成されても良い。また、例えば図23に示すように、一対のスリット41のうちの少なくとも一方が、斜めに直線状に延びるように形成されても良い。また、係合部40を構成する一対のスリット41が完全に独立して設けられるのではなく、例えば図24及び図25に示すように、一対のスリット41が、それぞれにおける側縁12a側の部位を共用する(言い換えれば、一方のスリット41が他方のスリットから分岐する)ように形成されても良い。これら以外にも、一対のスリット41の具体的構成、ひいては係合部40の具体的構成は、適宜変更することができる。
【0082】
(10)上記の各実施形態では、突起部45が平板状の突起で構成されている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば図26に示すように、突起部45がL型リブで構成されても良い。これ以外にも、突起部45の具体的構成は適宜変更することができる。
【0083】
(11)上記の各実施形態で説明した支持補助部材1において、支持プレート10(プレート本体11)が、中央部位18にマグネットを備えていても良い。このようにすれば、長尺体支持具6が磁性体で構成される場合に、長尺体支持具6に対する支持補助部材1の仮止めをより適切に行うことができる。
【0084】
(12)上記の各実施形態の支持補助部材1において、支持補助部材1が、例えば図27図29に示すように、弾性保持片20の中間部の位置において支持プレート10の下面11bに設けられた支持片部50をさらに備えても良い。支持片部50は、支持プレート10の下面11bから例えば三角形状(二等辺三角形状や直角三角形状等)に突出するように形成することができる。また、支持片部50は、幅方向Wにおいて、弾性保持片20の基部21の位置に対して、弾性保持片20の幅方向Wの厚み分だけオフセットした位置に形成することができる。
【0085】
このような構成では、弾性保持片20の先端側を支持プレート10(プレート本体11)の上面11a側で係止部30に係止させる際に、弾性保持片20は支持片部50によって側方から支持された状態となる。弾性保持片20は、その基部21から支持片部50に当接するまでの部分が長手方向Lに沿う(言い換えれば、長尺体支持具6の支持部61に直交する)状態となるので、長尺体支持具6に対する支持補助部材1の取り付けを安定化することができる。また、弾性保持片20の先端側はより大きく撓んでより大きなテンションが作用するので、この点からも、支持補助部材1の取り付けをさらに安定化することができる。
【0086】
なお、このような構成を採用する場合、例えば図30及び図31に示すように、長尺体支持具6の支持部61に貫通穴62を設け、当該貫通穴62に嵌合する嵌合突起55を、支持補助部材1の支持プレート10に設けても良い。嵌合突起55は、例えば支持補助部材1の支持プレート10の下面11bであって弾性保持片20の直下の位置に設けても良い。この場合、例えば、支持プレート10の長手方向Lにおける長尺体支持具6の支持部61の範囲内の位置に、貫通孔16を幅方向Wに架橋する架橋部17を設け、その架橋部17に嵌合突起55を形成しても良い。三角形状の支持片部50は、長尺体支持具6の支持部61に対して支持補助部材1を長手方向Lにスライドさせて取り付ける際に、嵌合突起55が支持部61を乗り越えるのを案内する取付ガイドとしても機能し得る。
【0087】
(13)上記の各実施形態の支持補助部材1において、例えば図29に示すように、弾性保持片20を構成する保持片部22の薄肉部22Bが長手方向Lにおける長尺体支持具6の支持部61の範囲内の位置に設けられても良い。また、その薄肉部22Bよりも先端側に、上下方向の厚みが厚く形成された厚肉部22Fが設けられても良い。このような厚肉部22Fを設けることで、弾性保持片20の先端側を係止部30に係止させる際に、支持プレート10と保持片部22の厚肉部22Fとで長尺体支持具6の支持部61を強固に挟み込むことができる。よって、長尺体支持具6に対する支持補助部材1の取り付けを安定化することができる。
【0088】
(14)上記の各実施形態では、支持補助部材1が弾性保持片20とその先端側が係止される係止部30とを備え、支持プレート10と弾性保持片20とで長尺体支持具6の支持部61を抱え込む構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、弾性保持片20及び係止部30を備えずに、支持プレート10と一対のスリット41からなる係合部40とを備える支持補助部材1も、本明細書によって開示される。このような支持補助部材1は、以下の構成を備える。
【0089】
長尺体8を吊下支持する長尺体支持具6の支持部61と長尺体8との間に介装される支持補助部材1であって、
長尺体8の長手方向Lに沿って延在する支持プレート10を備え、
支持プレート10は、幅方向Wの少なくとも一方側に、支持部61の長手方向Lの長さに応じた間隔で少なくとも幅方向Wに沿って延びる部位(直線状スリット41A,折線状スリット41Bの斜行部分41d)を有するようにその側縁12aから形成された一対のスリット41を有し、
幅方向Wの少なくとも一方側で、支持プレート10における一対のスリット41よりも長手方向Lの外側にある部分(外側部位19)の内縁19aにより、長手方向Lの両側から支持部61に対して係合可能となっている。
【0090】
この構成によれば、支持プレート10の幅方向Wの少なくとも一方側に側縁12aから延びる一対のスリット41を形成するだけで、容易に、支持部61に対して長尺体8の長手方向Lの両側から係合可能な構造を設けることができる。そして、幅方向Wの少なくとも一方側で、支持部61に対して長尺体8の長手方向Lの両側から一対のスリット41よりも長手方向Lの外側にある部分(外側部位19)の内縁19aを係合させることで、長尺体支持具6に対して支持補助部材1を長手方向Lに位置決めすることができる。よって、簡易な構成で、長尺体支持具6に対して支持補助部材1を長手方向Lに位置決めすることができる。
【0091】
(15)上述した各実施形態(上記の各実施形態及びその他の実施形態を含む;以下同様)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【符号の説明】
【0092】
1 支持補助部材
6 長尺体支持具
8 長尺体
10 支持プレート
11a 上面
11b 下面
12 延出部
12a 側縁
13 上側リブ部(リブ部)
13a 傾斜側面
16 貫通孔
16A 幅狭部
16B 幅広部
18 中央部位
19 外側部位
19a 内縁
20 弾性保持片
22C 傾斜延在部
22D 先端傾斜部
30 係止部
31 係止突起
40 係合部
41 スリット
41A 直線状スリット
41B 折線状スリット
41c 平行部分
41d 斜行部分
45 突起部
50 支持片部
61 支持部
100 長尺体支持ユニット
L 長手方向
W 幅方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31