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特開2022-84744組織の固定および癒合のためのインプラント
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022084744
(43)【公開日】2022-06-07
(54)【発明の名称】組織の固定および癒合のためのインプラント
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/58 20060101AFI20220531BHJP
   A61F 2/44 20060101ALI20220531BHJP
【FI】
A61B17/58
A61F2/44
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022039052
(22)【出願日】2022-03-14
(62)【分割の表示】P 2020512779の分割
【原出願日】2018-05-11
(31)【優先権主張番号】62/505,257
(32)【優先日】2017-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519401745
【氏名又は名称】カッティング エッジ スピン エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】カイル,カンツ
(72)【発明者】
【氏名】ペイテル,シャム
(57)【要約】      (修正有)
【課題】関節を直線化または別様に安定化させること、骨折骨の断片を固定すること、および、連続的な脊椎、仙腸骨、ならびに他の隣接した骨を固定位置に固定ならびに安定化することが可能である、インプラント装置を提供する。
【解決手段】固定用インプラントは、ヘッド部、軸部、および遠位先端部を含み、ヘッド部、軸部、および遠位先端部のうちの1つまたは複数は、カニューレが挿入され得る。軸部は、雄ネジ山を含むヘッド部からテーパ状遠位先端部まで延長する螺刻された内方成長部分と、内方成長部分の長さに沿って延長する少なくとも1つの開放状の網状組織体と、を含む。開放状の網状組織体は、螺旋、トラスの配列、開放状の相互接続された細孔の骨組み、ランダムな開放状の相互接続された細孔の多孔性枠組、およびこれらの組み合わせの1つまたは組み合わせから選択される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定用インプラントであって、
近位端部から遠位端部までの長さを有する軸部と、
前記軸部とその近位端部において一体であり、かつ、駆動器具との係合のために構成されたツール用凹陥部を有するヘッド部と、
前記軸部とその遠位端部において一体である先端部と、
前記軸部の外部表面に沿って延長する少なくとも1つのネジ山と、
を備える、固定用インプラントであり、
前記軸部の少なくとも一部、または、前記軸部の少なくとも一部および前記先端部および前記ヘッド部のうちの1つ以上は、海綿骨構造体を模倣する開放状でかつ相互接続された細孔の骨組みを備える開放状の網状組織体を有し、
前記ヘッド部は、前記ヘッド部が前記軸部と比較してより大きい外径を欠くようなヘッドレス構成を有する、固定用インプラント。
【請求項2】
前記少なくとも1つのネジ山は金属から形成され、前記開放状の網状組織体は、金属、ならびにPEK、PEEK、PAEK、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される生分解性ポリマーのうちの1つから形成される、請求項1に記載の固定用インプラント。
【請求項3】
前記少なくとも1つのネジ山は、前記開放状の網状組織体の表面と一体である、請求項1に記載の固定用インプラント。
【請求項4】
前記開放状の網状組織体は、前記少なくとも1つのネジ山の間の間隙において露出される、請求項1に記載の固定用インプラント。
【請求項5】
前記軸部のすべては、前記開放状の網状組織体から構成される、請求項1に記載の固定用インプラント。
【請求項6】
前記先端部のすべては、前記開放状の網状組織体から構成される、請求項5に記載の固定用インプラント。
【請求項7】
前記軸部の少なくとも一部を通して形成されたカニューレをさらに備える、請求項1に記載の固定用インプラント。
【請求項8】
前記カニューレは、前記ヘッド部から前記シャンクを通る前記先端部までの前記固定用インプラントの全体を通して形成される、請求項7に記載の固定用インプラント。
【請求項9】
前記軸部は有窓状である、請求項1に記載の固定用インプラント。
【請求項10】
固定用インプラントであって、
近位端部から遠位端部までの長さを有する軸部と、
前記軸部とその近位端部において一体であり、かつ、駆動器具との係合のために構成されたツール用凹陥部を有するヘッド部と、
前記軸部とその遠位端部において一体である先端部と、
前記軸部の外部表面に沿って延長する少なくとも1つのネジ山と、
を備える、固定用インプラントであり、
前記軸部の少なくとも一部は、海綿骨構造体を模倣する開放状でかつ相互接続された細孔の骨組みを備える開放状の網状組織体を有し、
前記ヘッド部は、前記ヘッド部が前記軸部と比較してより大きい外径を欠くようなヘッドレス構成を有し、
前記先端部および前記ヘッド部は、非多孔性でありかつソリッド状の物質から形成される、固定用インプラント。
【請求項11】
前記軸部は、前記軸部を通過するカニューレを含まない、請求項10に記載の固定用インプラント。
【請求項12】
前記軸部は穿孔を含まず、前記少なくとも1つのネジ山は、前記ヘッド部から前記先端部まで連続しており、前記先端部はセルフタッピングである、請求項11に記載の固定用インプラント。
【請求項13】
前記少なくとも1つのネジ山は、前記軸部に沿って少なくとも1つの短い螺刻されていない部分により割り込まれる、請求項10に記載の固定用インプラント。
【請求項14】
前記固定用プラントは、前記軸部の少なくとも一部を通して形成されたカニューレをさらに備え、前記軸部は穿孔を含まない、請求項13に記載の固定用インプラント。
【請求項15】
前記軸部は有窓状である、請求項13に記載の固定用インプラント。
【請求項16】
前記軸部は有窓状である、請求項10に記載の固定用インプラント。
【請求項17】
前記少なくとも1つのネジ山は、前記ヘッド部から前記先端部まで連続しており、前記先端部はセルフタッピングであり、前記固定用プラントは、前記軸部の少なくとも一部を通して形成されたカニューレをさらに備える、請求項16に記載の固定用インプラント。
【請求項18】
前記軸部のすべては、前記開放状の網状組織体から構成される、請求項10に記載の固定用インプラント。
【請求項19】
前記軸部は穿孔を含まず、前記少なくとも1つのネジ山は、前記ヘッド部から前記先端部まで連続しており、前記先端部はセルフタッピングであり、前記固定用プラントは、前記軸部の少なくとも一部を通して形成されたカニューレをさらに備える、請求項18に記載の固定用インプラント。
【請求項20】
固定用インプラントであって、
近位端部から遠位端部までの長さを有する軸部と、
前記軸部とその近位端部において一体であり、かつ、駆動器具との係合のために構成されたツール用凹陥部を有するヘッド部と、
前記軸部とその遠位端部において一体である先端部と、
前記軸部の外部表面に沿って延長する少なくとも1つのネジ山と、
を備える、固定用インプラントであり、
前記軸部の少なくとも一部は、海綿骨構造体を模倣する開放状でかつ相互接続された細孔の骨組みを備える開放状の網状組織体を有し、
前記ヘッド部は部分的に球形状であり、
前記先端部および前記ヘッド部は、非多孔性でありかつソリッド状の物質から形成される、固定用インプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2017年5月12日に出願された米国仮特許出願整理番号第62/505,257号の優先権を合衆国法典第35巻第119条(e)のもとで主張する。米国仮特許出願整理番号第62/505,257号の全体は、参照することにより本願に援用される。
【0002】
本願は、組織(特に骨組織、さらに詳細には、いくつかの事例では、仙腸関節と関連付けられた脊柱内の骨組織)を固定するための多様な例示的な装置および手術技術について説明する。
【背景技術】
【0003】
整形外科学の環境では、様々な状態(外傷、変性、および先天性異常を含む)は、介入的インプラントおよび手術技術が骨修復、骨安定化、骨矯正のうちの1つまたは複数を達成することを必要とし得る。例えば関節を直線化または別様に安定化させるための、骨折骨の断片を固定するための、および、連続的な脊椎、仙腸骨、および他の隣接する骨を固定位置に固定および安定化するための、従来の処置は機械的インプラントを使用して開発されてきた。これらのインプラントは、金属、ポリマー、バイオ材料、および他の生物学的に許容される材料のうちの1つまたは組み合わせから構成される、骨ネジ、アンカー、棒状体、バンド、プレート、および、これらデバイスの組み合わせを含む。
【0004】
1つの事例では、固定および癒合は、仙腸関節において発生する仙腸骨の機能不全または不安定性に対処するために必要である。典型的な被術者では、仙腸関節は仙骨と腸骨との間にまたがり、1~2度の自然な度合いの可動性、またはうなずき運動を有する。仙腸関節に外傷が生じた場合、通常の狭い可動範囲が拡大され、過剰な動きがもたらされ得る。これは多くの場合、診断が困難である。なぜなら、仙骨関節における過剰な動きは腰部および脚部の痛みを伴うが、これらの痛みは他の脊椎の問題および整形外科上の問題と共通する症状であるためである。ひとたび診断されると、仙腸関節の固定および癒合に対する外科的な選択肢が存在する。仙腸関節が有する自然な動きのために、通常の骨ネジタイプのインプラントは、回転に対して脆弱であり、最終的には破損してしまう。
【発明の概要】
【0005】
したがって、関節を直線化または別様に安定化させること、骨折骨の断片を固定すること、および、連続的な脊椎、仙腸骨、ならびに他の隣接した骨を固定位置に固定ならびに安定化することが可能である、インプラント装置が必要とされる。係る改善されたインプラント装置は、骨の固定の安定性を維持する(例えば、接合された骨、インプラント、およびこれらの組み合わせの固定を不安定化させ、これらの動きまたは遊動を生じさせる、骨およびインプラントの一方または両方の回転を防止すること)ために必要とされる。したがって応用は、固定された関節における不安定性および過剰な動きを矯正すること、および、関節における、骨の接合された部分における、および、骨に固定されたインプラントの状況に置ける、望ましい程度の癒合を達成するために回転による破損および引き抜きによる破損に対する抵抗を提供すること、を含むであろう。いくつかの特定の応用では、骨のより大きい食いつきおよび保持を、ならびに、強化された組織一体化のための特徴を、含む、仙腸関節のより安定な固定を向上させるとともに係る固定を提供する装置が必要とされる。
【0006】
全般的な発明概念の特徴および利点は、添付の図面一式において本明細書で表現される図を含む、添付の図を参照してなされた以下の説明から明らかとなることであろう。これら図面の簡単な説明を以下にあげる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】斜位図、側面図、側部断面図において示される、開放状の螺旋体の上に雄ネジを有することを特徴とする、固定用インプラントの他の実施形態を示す図である。
図2】斜位図、側面図、側部断面図において示される、ソリッド状の内側円筒形貫通管路を有する開放状の螺旋体の上に雄ネジを有することを特徴とする、固定用インプラントのさらに他の実施形態を示す図である。
図3】斜位図、側面図、側面断面図において示される、開放状の組織化トラス構成の上に雄ネジを有することを特徴とする、固定用インプラントのさらに他の実施形態を示す図である。
図4】斜位図、側面図、側部断面図において示される、ソリッド状の内側円筒形貫通管路を有する開放状の組織化トラス構成の上に雄ネジを有することを特徴とする、固定用インプラントのさらに他の実施形態を示す図である。
図5】斜位図、側面図、側面断面図において示される、異なるピッチを有する2つの螺旋を含む開放状の螺旋体の上に雄ネジを有することを特徴とする、固定用インプラントのさらに他の実施形態を示す図である。
図6】斜位図、側面図、側部断面図において示される、ソリッド状の内側円筒形貫通管路を有する開放状の非組織化トラス構成の上に雄ネジを有することを特徴とする、固定用インプラントのさらに他の実施形態を示す図である。
図7】斜位図、側面図、側面断面図において示される、カニューレがインプラントに挿入されず、開放状の螺旋体の上に雄ネジを有することを特徴とする、固定用インプラントのさらに他の実施形態を示す図である。
図8】斜位図、側面図、側部断面図において示される、カニューレがインプラントに挿入されず、開放状の連続的非組織化トラス構成の上に雄ネジを有することを特徴とする、固定用インプラントのさらに他の実施形態を示す図である。
図9】最上部画像は、雄ネジと、ランダムな開放状の相互接続された細孔の内部枠組と、を有する、側面断面図おいて示された、カニューレが挿入されていないインプラントを示し、中間部画像は、内部枠組が部分的にのみ形成された、側部断面図において示された、上部画像の固定用部材の変化例を示し、第3の底部画像は、雄ネジと、ランダムな開放状の相互接続された細孔の多孔性内部枠組と、を有する、側部断面図において示された、カニューレが挿入されていないインプラントの代替的な実施形態を示す、固定用インプラントの3つの代替的な実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、全般的な発明概念に係る例示的な実施形態について説明し、いかなる方法においても本発明の範囲を限定することを意図するものではない。実際に、本明細書において説明される本発明は、本明細書で説明される例示的な実施形態よりも広く、係る実施形態により限定されず、本明細書で使用される用語は、完全な通常の意味を有する。
【0009】
全般的な発明概念について、本発明の例示的な実施形態を必要に応じて参照しつつ、説明する。全般的な発明概念は、異なる形態で具体化され得、本明細書で説明される実施形態に限定されるものと解釈すべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が十分かつ完全となるよう、および、全般的な発明概念の範囲を当業者に対して十分に伝えるよう、提供されたものである。
【0010】
本明細書において使用される単数形の「1つの」および「その」は、内容的に明らかに単数のみを指す場合を除き、複数形も含むことを意図する。任意の対象物に対して使用される「近位」という用語は、当該対象物の操作員(または他の記載される何らかの基準点)に対して最も近い位置にある当該対象物の部分を指し、「遠位」という用語は、当該対象物の操作員(または他の記載される何らかの基準点)に対して最も遠い位置にある当該対象物の部分を指す。「操作員」という用語は、特にケアの提供に関して、医療患者に臨床ケアを提供する任意の専門職員または専門職補佐員を意味し、係る専門職員または専門職補佐員を指す。
【0011】
本明細書で使用される解剖学的参照は、係る用語に関して医学界で理解されている標準的な意味を有することが意図され、解剖学的特徴に対する空間的参照を提供する任意のおよびすべての用語は、当該技術分野において慣例の意味を有する。例えば、本願は以下の用語に対する参照を含み得る。すなわち「頭の方」、「頭方」、および「上方」は頭部に向かう方向を指し、「尾方」および「下方」は脚部に向かう方向を指す。同様に、「背面」および「後方」という用語は背部に向かう方向を指し、「腹側」および「前方」という用語は前部に向かう方向を指す。「側方」という用語は患者の側部に向かう方向を指す。「中央」という用語は、側部から離間する患者の中心線に向かう方向を指し、「同側」と言う用語は操作員または参照される対象物に対して近い位置にある側部に向かう方向を指し、「対側」という用語は操作員または参照される対象物に対して遠い位置にある側部に向かう方向を指す。
【0012】
「患者」は、本発明の組成物を用いる予防的治療を含む治療を施される動物(特にヒト)を指すために使用される。「凹状」は本明細書では、凹んだ表面の特定的な形状を参照することなく、凹んだ表面を説明するために使用される。非限定的な事例として、凹状面は、丸い断面、楕円形の断面、正方形の断面、または長方形の断面を有する管状であり得る。
【0013】
特記なきかぎり、本明細書、図面、および請求項で使用される量、特性、その他を表現するすべての数値は、すべての例において、「約」という用語で修飾されるものとして理解されるべきである。したがって特記なきかぎり、本明細書および請求項において記載される数値的特性は、本発明の様々な実施形態において望ましい好適な特性に応じて変動し得る近似値である。全般的な発明概念の広範な範囲を説明する数値範囲およびパラメータが近似値であるにも関わらず、具体例に記載される数値は可能なかぎり高い精度で報告される。しかし任意の数値は、それぞれの測定値において見られる誤差に起因する特定の誤差を本質的に含む。
【0014】
本明細書における例示的な技術において説明され得る放射線透過写真術の使用による視覚化の参照は、多数の利用可能なモダリティのうちの1つにおいて操作員が手術野および患者を視覚化するための選択肢の単なる代表である。視覚化の代替的な装置および代替的なモダリティが手術室における利用可能性、操作員の好み、および露出限界に関連する他の要因に応じて用いられ得ることは、当業者により理解されるであろう。技術の過程における器具の配置の確認は適切である一方で、技術におけるステップの順序に関する頻度およびタイミングは変動し得、本明細書における説明は限定的であることを意図するものではない。したがって、より多くのまたはより少ない観点から、より多くのまたはより少ない画像が収集され得る。
【0015】
当業者は、体内の位置に対する参照が特定の外科的アプローチに対する単なる代表であることを理解するであろう。さらに本明細書におけるいくつかの参照は、図面において示される代表的な画像の内容の文脈において作られる。全般的な機材を含む、より少数または追加的な機材が操作員の好みにしたがって使用され得る。さらに、特定の機材に対する本明細書における参照は、全般的な選択肢が利用可能である場合に、または操作員のこのみにしたがって、他の器具の使用に対する選択肢に関して、限定的であることを意図しない。
【0016】
本願は、関節および他の骨固定のための装置の多様な実施形態について説明する。いくつかの特定の実施形態では、仙腸関節を固定するための装置が提供される。本明細書で示される事例および図面は、仙腸関節癒合のための用途における使用に関して説明され得るが、本明細書で開示の装置は、他の多様な整形外科応用において使用され得るものであり、単独で、または、他のインプラントを定位置に保持することを支援するために他の固定または矯正に対して(例えば、脊椎固定手術などにおいて)使用される装置の付属物として、使用され得ることが理解されるであろう。
【0017】
固定用インプラント
多様な実施形態によれば、本発明では、近位ヘッド部と、遠位先端部を有する軸部と、を含む固定用部材を有する固定用インプラントが提供される。固定用インプラントは、例えば、仙腸関節などの関節における近接する骨、または骨折断片を含むいくつかの事例で、骨組織などの組織の固定を達成するために使用されると有利である。このインプラントは、他の固定用部材の設計と比較して回転運動、回転遊動、および、引き抜きに対して強化された抵抗を提供する。なおこの利点は、インプラントの少なくとも1部分の3次元開放構造の表面積が大きく増加したことの結果としての骨係合表面の増加、オッセオインテグレーションに対する可能性の向上、骨の食いつきの強化のうちの1つまたは複数に起因する。固定用インプラントは、多様な異なる実施形態において海綿骨の開放状の相互接続された多孔性に似せてモデル化されたヘッド部および軸部の特徴のうちの1つまたは複数を含む。
【0018】
多様な実施形態によれば、固定用部材の軸部は、軸部を通る1つまたは複数の開口部またはスロットを含む。これらの開口部またはスロットは、いくつかの実施形態では、骨内部成長をさらに向上させるために軸部の周縁部の周りに複数が配置されている。これらの開口部は、本明細書では開放コアと称され、海綿骨の枠組に相当する枠組を提供する開放状の網状組織体から形成される。本明細書でさらに説明されるように、開放コアは、ヘッド部分および軸部部分のうちのいずれかの内部にも形成され得、少なくとも1つの開放状の網状組織体を含む。いくつかの特定の実施形態では、軸部部分は、開放状の網状組織体を含む開放コアを含み、ヘッド部および遠位先端部のうちの一方または両方は、固体であり、貫通カニューレを含み得る。いくつかの実施形態では、開放状の網状組織体は、少なくとも1つの細長い螺旋と、組織化された配置のトラスと、ランダムな配置のトラスと、ランダムな開放状の相互接続された細孔の枠組または骨組みと、ランダムな開放状の相互接続された細孔の多孔性枠組と、のうちの1つまたは組み合わせから選択され得る。したがっていくつかの実施形態では、固定用インプラントの全体は、少なくとも1つの種類の開放網状組織構造体またはこれらの組み合わせから形成された開放コアを有し得る。
【0019】
多様な実施形態によれば、開放状の網状組織体の固定用インプラントは、物質(骨充填剤、および、骨内部成長を促進するであろう他の物質を含む)が軸部の開放コアに対して進入または脱出することを可能にする。もちろん、いくつかの係る実施形態では、固定用インプラントはいかなる充填材物質も提供され得ない。多様な実施形態によれば、固定用インプラントの全体または一部は、金属およびポリマーのうちの1つまたは複数から形成され得る。特に、ヘッド部、軸部、開放コア、および遠位先端部は、金属およびポリマーから選択された物質のうちの1つまたは組み合わせから、部分的または全体的に形成され得る。いくつかの特定の事例では、柱状体を形成する物質の全部または一部は、骨誘導性であり得、チタンなどの物質、またはその他から選択され得る。いくつかの実施形態では、固定用インプラントの全体は、金属、ポリマー、またはこれらの組み合わせから形成される開放コアを有し得、ハイドロキシアパタイトなどの他の追加的な物質を含んでもよく、または含まなくてもよい。開放コアは開かれていてもよく、または閉じられていてもよい。
【0020】
開放状の網状組織体は、完全な骨の一体化を最適化するめに、骨の周囲360度のすべての骨材料間の連通を可能にする開放状の相互接続されたマトリクスを有する。これは、通常であればソリッド状の軸部の本体において1つまたは一連の穿孔を有する既存のネジ設計よりも有利である。なお係る穿孔は不完全な(すなわち、360度未満の)係合を提供する。開放状の網状組織体の3次元構造体は、骨内部成長を促進するよう設計された従来の中空ネジの軸部の本体に設けられた貫通孔および他の穿孔と比較して、骨内部成長を促進するようより大きい支持と応力分散とを提供することが可能である。骨における海綿骨の機能と同様に、開放状の網状組織体の開放状の網状組織構造は、骨に対して周縁上で接触する全地点において、周縁上で骨内部成長するための開放状の部分を提供する一方で、穿孔により達成可能である応力分散よりも、さらに均等な応力分散を可能にする。
【0021】
図1を参照すると固定用部材100の例示的な実施形態が示されている。骨ネジの全般的形状に略類似する固定用部材100は、ヘッド部110と、軸部130の長さに沿って螺旋形状を有する螺旋体150を含む開放コアの上に雄ネジ140を有する軸部130と、を有することを特徴とする。多様な実施形態によれば、螺旋体150の形状である図1において示される開放コアは、骨に固定されたときにインプラントを通して骨が増殖することを促進するよう適応された本発明に係る開放状の網状組織体の1例を提供する。図1および他の実施形態において示されているように、ネジ140は、開放コアの開放上の網状組織体を形成する螺旋体150上に配置され、螺旋体150に対して一体化されている。それにより、螺旋体150は、ネジ140間の間隙において、軸部130の少なくとも1部分の長さに沿って少なくとも部分的に視認され、螺旋体150における組織浸潤および骨内部成長が可能となるよう、螺旋体150に対するアクセスが提供される。
【0022】
再び図1を参照すると、この例示的な実施形態では、固定用インプラント100は近位ヘッド部110を含む。近位ヘッド部110は形状において略球形であり、ヘッド部110から遠位先端部160を通り抜ける中央貫通カニューレ180と、駆動器具に対して係合するためのツール用凹陥部120と、を有する。代替的な実施形態では、ヘッド部形状は略半球状、略円筒形状、略円錐形状、および略円錐台形であり得る。ヘッド部110および遠位先端部160のそれぞれはカニューレが挿入され、かつ、別様にソリッド状(すなわち、開放状の網状組織で形成されていない)である。代替的な実施形態では、遠位先端部160およびヘッド部110のうちの1つまたは複数は、カニューレが挿入されず、かつ、ソリッド状であってもよく、またはカニューレが挿入され、かつ、部分的または全体的に、ソリッド状および開放状の網状組織のうちの一方から形成されてもよい。ここで、図7図9を参照すると、代替的な図示される実施形態において示されているように、例えば図7において示されているように、ヘッド部710および遠位先端部760はソリッド状である(カニューレが挿入されていない)。
【0023】
例示的な固定用インプラント100は、近位ヘッド部110と遠位先端部160との間で画定される長さと、テーパ状の円錐台形の形状を有する遠位先端部160を有する、近位から遠位に向かってテーパしない略円筒形である形状と、を有する軸部130を含む。代替的な多様な実施形態では、軸部形状は、略円筒形状、略円錐形状、および略円錐台形から選択される。インプラントの形状および比率が限定的であることが意図されないこと、および、様々な実施形態のヘッド部、軸部、および遠位先端部のそれぞれの相対的寸法が変動し得ること、は理解されるであろう。多様な代替的な実施形態では、軸部130の全体または一部のみは、軸部130の長さに沿って開放コアの周りに配置された1つまたは複数の雄ネジ140を有し得る。
【0024】
本開示に係る多様な実施形態では、開放コアは、少なくとも1つの細長い螺旋と、組織化された配置のトラスと、ランダムな配置のトラスと、ランダムな開放状の相互接続された細孔の枠組または骨組みと、ランダムな開放状の相互接続された細孔の多孔性枠組と、のうちの1つまたは組み合わせから選択される開放状の網状組織構造で形成される。さらに、開放コアは、その中心において開放状であってもよく(ヘッド部および遠位先端部のうちの一方または両方にカニューレが挿入されているかどうかに関わらず)、または、ソリッド状であってもよく、本明細書で上述したように開放状の網状組織構造を含んでもよく、または、ソリッド状の内側壁部(例えば円筒形壁部、または有窓壁部、またはこれらの組み合わせ)を含んでもよい。本明細書で簡略に説明されているように、図1図3図5図6、および図7のうちの各図面では、開放コアが開放状の中心部を有する固定用インプラントが示されており(図7は、ヘッド部および遠位先端部にカニューレが挿入されていない1例である)、図2および図4の各図面では、開放コアがその中心部にソリッド状の、カニューレが挿入された円筒形壁部を含む、固定用インプラントが示されており、図8および図9の各図面には、開放コアが開放状の網状組織で連続的に充填され、かつ、ヘッド部および遠位先端部にカニューレが挿入されていない、固定用インプラントが示されている。
【0025】
図面において図示される実施形態のうちの各実施形態が、ヘッド部と、遠位先端部と、1つまたは複数の開放状の網状組織体を含む軸部と、を含む特徴の多様な組み合わせを含む一方で、図面には示されない特徴の組み合わせを含む多数の可能な実施形態が存在することが当業者により理解されるであろう。したがって多様な代替的な実施形態では、固定用インプラントは、雄ネジを有する開放状の網状組織体により包囲された貫通カニューレと、雄ネジを有する開放状の網状組織体により包囲されたソリッド状壁部または有窓壁部により包囲された貫通カニューレと、雄ネジを有する開放状の網状組織体により包囲された固体と、雄ネジを有する連続的な開放状の網状組織体と、の構成のうちの任意の1つまたは複数を、近位部から遠位部へのヘッド部と遠位先端部との間のその長さの少なくとも1部分に沿って有し得る。したがって図1は、近位ヘッド部分から遠位先端部までの貫通カニューレを有し、近位ヘッド部分および先端部のうちのそれぞれは別様にソリッド状(開放状の網状組織ではない)であり、軸部は開放状の網状組織体により包囲された空隙(貫通カニューレ)を含む、固定用インプラントの1例である。
【0026】
ここで図2を参照すると、開放コアの上に雄ネジ240を含む軸部230を有することと、開放コアは軸部230の長さに沿って螺旋の形状を有する螺旋体250を含むことと、螺旋体250は壁部がソリッド状である内側円筒形貫通管路270を有することと、を特徴とする固定用インプラント200のさらに他の実施形態が示されている。図示の実施形態では、ヘッド部210および遠位先端部260のそれぞれにカニューレ280が挿入され、ヘッド部210は駆動器具と係合するためのツール用凹陥部220を含む。
【0027】
ここで図3を参照すると、開放コアの上に雄ネジ340を含む軸部330を有することと、開放コアは組織化されたトラス体350を含むことと、を特徴とする固定用インプラント300のさらに他の実施形態が示されている。図示の実施形態では、ヘッド部310および遠位先端部360のそれぞれにカニューレ380が挿入され、ヘッド部310は駆動器具と係合するためのツール用凹陥部320を含む。
【0028】
ここで図4を参照すると、開放コアの上に雄ネジ440を含む軸部430を有し、開放コアは、壁部がソリッド状の内側円筒形貫通管路470を有する組織化されたトラス体450を含む、固定用インプラントのさらに他の実施形態が示されている。図示の実施形態では、ヘッド部410および遠位先端460のそれぞれにカニューレ480が挿入され、ヘッド部410は駆動器具と係合するためのツール用凹陥部420を含む。
【0029】
図5には固定用インプラント500のさらに他の実施形態が示されており、固定用インプラント500は、2つの絡み合わされた螺旋(各螺旋は異なるピッチを有する)を含む二重螺旋体550を含む開放コアの上に雄ネジ540を有することを特徴とする軸部530を有する。図示の実施形態では、ヘッド部510および遠位先端560のそれぞれにカニューレ580が挿入され、ヘッド部510は駆動器具と係合するためのツール用凹陥部520を含む。
【0030】
ここで図6を参照すると、開放コアの上に雄ネジ640を含む軸部630を有することと、開放コアは、壁部がソリッド状の内側円筒形貫通管路670を有する非組織化されたトラス体650を含むことと、を特徴とする固定用インプラント600のさらに他の実施形態が示されている。図示の実施形態では、ヘッド部610および遠位先端670のそれぞれにカニューレ680が挿入され、ヘッド部610は駆動器具と係合するためのツール用凹陥部820を含む。
【0031】
ここで図7を参照すると、開放状の(空隙を含む)螺旋体750の上に雄ネジ740を有する軸部730を有することを特徴とする固定用インプラント700のさらに他の実施形態が示されている。なお図示の実施形態では、ヘッド部710および遠位先端部760のそれぞれにカニューレが挿入されず、ヘッド部710は駆動器具と係合するためのツール用凹陥部720を含む。
【0032】
ここで図8を参照すると、開放状の連続的な非組織化されたトラス体850の上に雄ネジ840を有する軸部830を有することを特徴とする固定用インプラント800のさらに他の実施形態が示されている。なお軸部830、ヘッド部810、および遠位先端部860にカニューレが挿入されず、ヘッド部810は駆動器具と係合するためのツール用凹陥部120を含む。
【0033】
ここで図9を参照すると固定用インプラントの3つの代替的な実施形態が示されている。図9の上部画像を参照すると、図示の実施形態は、雄ネジ940と、海綿骨の多孔性網状組織に基づいた技術的に設計されたモデルであるランダムな開放状の相互接続された細孔の骨組みを含む開放状の骨組体950と、を有する、カニューレが挿入されていない固定用インプラント900である。再び図9を参照すると、中間部パネルには、上で示された固定用インプラント900の変化例である固定用インプラント900’が示されている。ここでは軸部930は、その長さに沿ってネジ940を含み、軸部930の長さの一部のみが開放状の骨組体950から形成され、軸部930の1部分はソリッド状である。図9の底部画像を参照すると、図示の実施形態は、雄ネジ1040と、海綿骨の多孔性網状組織を緊密に模倣するランダムな開放状の相互接続された細孔の枠組を含む多孔性本体1050と、を有するカニューレが挿入されていない固定用インプラント1000である。
【0034】
多様な実施形態によれば、固定用インプラントの開放状で多孔性の開放コアは、付加(3D)製造、従来の機械加工、および下位パーツの組み立てを含む、多様な処理のうちのいずれかにより形成され得る。いくつかの実施形態では、ヘッド部および軸部のうちの一方または両方の開放状で多孔性の開放コアは別個に形成される。なお、固定用インプラント上のあらゆるネジは金属から選択された物質から形成され、開放コアは、PEK、PEEK、PAEKなどの生体適合性ポリマー、他の生分解性ポリマー、骨材料、BMP、その他のうちの1つまたは複数を含む複合材料を使用して別個に形成される。
【0035】
いくつかの代表的な実施形態では、固定用インプラントは、固定用部材がヘッド部と、ネジ部分を含む細長い軸部と、を含むかぎり、骨ネジであるか、または、骨ネジに類似する。いくつかの実施形態では、軸部分は、螺刻されないヘッド部の近位にある。係る固定用部材が、ネジ山の個数、頻度、ピッチ、螺旋角度、ネジ山の角度、外径ならびに内径のうちの任意の1つまたは複数において異なり得る1つまたは複数の異なるネジ特徴を含み得ることは、理解されるであろう。ネジは、雄ネジ(固定用インプラントから離間する方向に延長する)、雌ネジ(雄ネジを受け止めるために固定用インプラントに繰り込まれたノッチ、溝部、または管路)、およびこれらの組み合わせであり得る。さらに、ネジ特徴のうちの任意の1つまたは複数は、「V」形状、正方形、鋸歯、逆鋸歯ネジ、およびこれらの組み合わせから選択された形状を含む、当該技術分野で周知の形状であり得る。ネジ特徴は、左ネジまたは右ネジであり得、ネジ特徴は、セルフカッティングもしくはセルフタッピング、または非セルフカッティングもしくは非セルフタッピング、およびこれらの組み合わせであり得る。さらに、ネジは、軸部上にのみ存在してもよく、または軸部上に、および、ヘッド部および遠位先端部の少なくとも1部分のうちの1つまたは複数上に、存在してもよい。本明細書において以前に述べたように、雄ネジを有する固定用部材は代替的にネジと称されてもよい。
【0036】
さらに他の代表的な実施形態では、固定用インプラントは、固定用部材がヘッド部と部分的にのみ螺刻された細長い軸部とを含むかぎり、骨アンカーまたは骨プラグであるかまたは骨アンカーまたは骨プラグに類似する。いくつかの係る実施形態では、係る固定用部材が、例えば皮質骨および海綿骨などの組織との係合を向上させるための1つまたは複数の表面特徴を含み得、係る表面特徴がキール、フィン、および遠位球状部または隆起を含むがこれらに限定されないことは、理解されるであろう。いくつかの実施形態では、固定用インプラントは、骨誘導に対して好適である表面処理を有し得、1つまたは複数の多孔性を示し、生物学的薬剤を含む骨誘導剤を含み得る。
【0037】
いくつかの実施形態によれば、固定用部材は、直径が固定されているかまたは遠位から近位まで増加する、全体的な円筒形状、円錐形状、または円錐台形状を有し得る。いくつかの特定的な実施形態では、ヘッド部は円錐台形状、球形状、または半球状の形状を有する。いくつかの実施形態では、軸部は、テーパ状または円錐形状の遠位先端部を有する、全体的に円筒形状または略円筒形状を有する。様々な実施形態では、固定用部材は、全体が螺刻された軸部を有してもよく、または短い螺刻されていない部分を有してもよい。
【0038】
本明細書で使用される固定用インプラントの近位ヘッド部分を指す「ヘッド部」という用語は、球形、形状(例えば、1つまたは複数の平板部を有する略球形)、半球形、円錐台形、円盤状、平坦から選択された構造体を意味し、係る構造体を含む。したがってヘッド部に関する多様な実施形態では、固定用インプラントは、従来の骨ネジ、椎弓根ネジ、ヘッドレスネジ、および他の形状のうちの1つに類似する。各事例において、固定用インプラントのヘッド部分は、骨に対する挿入を支援するために少なくとも1つの特徴を有するよう適応される。いくつかの実施形態によれば、固定用部材は、平坦表面または上部を含むヘッド部を有し得、軸部の外径と比較してより大きい外径をさらに含み得る。なおヘッド部は、ドライバを受容するための1つまたは複数の内部係合特徴を有する内側ボアを含み得る。係る特徴は、螺旋ドライバを受容するための螺旋構成、または、螺刻されたドライバキャップを受容するための雌ネジ、またはあらゆる他の可能な係合特徴のうちの任意の特徴、のうちの1つまたは複数を含み得る。固定用部材のヘッド部および軸部、および任意の螺刻されたドライバキャップは、いくつかの実施形態では、ガイドまたはキルシュナー鋼線をその中を通して受容するためにカニューレが挿入され得る。
【0039】
さらに、いくつかの実施形態では、固定用部材はカニューレが挿入され得る。いくつかの実施形態では、固定用部材の1部分のみがカニューレを挿入され、いくつかの実施形態では、固定用部材はカニューレが挿入されない。
【0040】
いくつかの係る実施形態では、固定用部材の形状は、細長い軸を横断する断面において円形以外であり得、したがって、固定用部材は、卵形および三角形を含む非円形の形状のうちの任意の1つを有し得る。いくつかの実施形態では、固定用部材の全部または一部のみが断面において円形であり得、固定用部材の全体または他の部分は、卵形および三角形を含む円形以外の断面を有し得る。いくつかの例示的な実施形態では、固定用部材は円錐台形の先端部と、先端部が骨の穴に押し込まれることが可能となるよう断面において三角形である近位隣接部分を有し得る。さらにいくつかの実施形態では、固定用部材は、ヘッド部、軸部、および先端部のそれぞれと同一の直径を有し得る。
【0041】
全般的な発明概念に関する様々な発明的な態様、概念、および特徴について、多様な例示的な実施形態の内容において本明細書で説明および図示してきたが、これらの多様な態様、概念、および特徴は、単独で、または多様な態様、概念、および特徴の様々な組み合わせおよびサブ組み合わせにおいて、多数の代替的な実施形態において使用され得る。本明細書で特記なきかぎり、係る組み合わせおよびサブ組み合わせの全部は、全般的な発明概念の範囲に含まれることが意図される。さらに、本発明の多様な態様、概念、および特徴(例えば、代替的な物質、構造、構成、方法、装置、構成要素、代替物(形状、適合、機能に関する)、その他など)に関する多様な代替的な実施形態について本明細書で説明してきたが、係る説明は、現時点で周知であるかまたは将来開発されるかに関わらず利用可能な代替的な実施形態についての完全かつ排他的な一覧であることを意図しない。
【0042】
当業者は、発明的な態様、概念、特徴のうちの1つまたは複数を追加的な実施形態に容易に取り入れ得、係る実施形態が本明細書において明示的に開示されていない場合でさえも、全般的な発明概念の範囲内で使用する。追加的に、本発明のいくつかの特徴、概念、および態様が、好適な構成または方法であるものとして本明細書において説明され得るが、係る説明は、特記なきかぎり、係る特徴が要求または必要とされることを示唆することを意図しない。さらに、例示的または代表的な値および範囲が本開示の理解を支援するために含まれ得るが、係る値および範囲は、限定的な意味で解釈されるべきではなく、重要な値または範囲であることが明示的に記載されていないかぎり、重要な値または範囲であることを意図するものではない。
【0043】
さらに、多様な態様、特徴、および概念は、発明的であるかまたは発明の形成部分であると本明細書において明示的に特定され得るが、係る特定は、排他的であることを意図するものではない。むしろ、明示的にそのように特定されることなくまたは特定の発明の一部であると特定されることなく本明細書に完全に記載される発明的な態様、概念、および特徴が存在し得る。例示的な方法または処理に関する説明は、すべてのステップが、すべての場合において要求されるものとして含まれることに限定されず、また、ステップが提示される順序は、特記なきかぎり、要求または必要とされるものとして解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
図9