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特開2022-8487インレイ伸張要素を有するニット構成要素を組み込んだ履物製品および組立方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022008487
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】インレイ伸張要素を有するニット構成要素を組み込んだ履物製品および組立方法
(51)【国際特許分類】
   A43B 23/02 20060101AFI20220105BHJP
   D04B 1/00 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
A43B23/02 101A
D04B1/00 A
D04B1/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021153961
(22)【出願日】2021-09-22
(62)【分割の表示】P 2019238274の分割
【原出願日】2015-09-25
(31)【優先権主張番号】62/057,264
(32)【優先日】2014-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】14/535,413
(32)【優先日】2014-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514144250
【氏名又は名称】ナイキ イノベイト シーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】メイア,エイドリアン
【テーマコード(参考)】
4F050
4L002
【Fターム(参考)】
4F050BC00
4F050HA30
4F050HA89
4L002AA05
4L002BA00
4L002BA02
4L002BA06
4L002DA00
4L002EA06
4L002FA00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】アッパーに利用する材料要素の数を減らすことにより、アッパーの製造効率およびリサイクル性を高めながら、廃棄物を少なくする。
【解決手段】さまざまな製品は、複数のニット構成要素100部分で形成されたニット構成要素を含んでもよい。ニット構成要素は、一体ニット構造で形成され、および、複数のチューブ状リブ構造126と複数の織物状区域128とを含む。履物製品は、ニット構成要素を組み込んだアッパーを含んでもよい。アッパーは、ラッピングプロセスによって組み立ててもよい。アッパーは、履物製品の足先領域、中足領域、バンプ領域およびかかと領域上で、チューブ状リブ構造が異なる方向性で配列されている区域を備えていてもよい。アッパーのいくつかの領域は、他の領域よりも多くのチューブ状リブ構造を有していてもよく、いくつかのチューブ状リブ構造は、伸張性要素を含むことができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の熱可塑性ポリマー材料のストランドから形成されるニット構成要素であって、
第1チューブ状リブ構造、第2チューブ状リブ構造、及び前記第1チューブ状リブ構造と前記第2チューブ状リブ構造との間に配置される織物状区域を含む第1区域と;
前記第1区域とは異なり、前記第1チューブ状リブ構造、前記第2チューブ状リブ構造、及び前記第1チューブ状リブ構造と前記第2チューブ状リブ構造との間に配置される前記織物状区域を含む第2区域と;
を備え、
前記第1区域は、第1の特性を有し、前記第2区域は、前記第1の特性とは異なる第2の特性を有する、
ニット構成要素。
【請求項2】
前記第1の特性は、第1の伸張度であり、前記第2の特性は、第2の伸張度であり、前記第2の伸張度は、前記第1の伸張度とは異なる、
請求項1に記載のニット構成要素。
【請求項3】
前記第1の特性は、第1の幅であり、前記第2の特性は、第2の幅であり、前記第2の幅は、前記第1の幅とは異なる、
請求項1に記載のニット構成要素。
【請求項4】
前記第1区域は、前記ニット構成要素に加えられる力に応答して、ニュートラル位置から延びた位置へ動くように構成される、
請求項1に記載のニット構成要素。
【請求項5】
前記第2区域は、前記ニット構成要素に加えられる前記力に応答して、前記ニュートラル位置を維持するように構成される、
請求項4に記載のニット構成要素。
【請求項6】
前記第1区域は、力が前記ニット構成要素から除去されることに応答して、延びた位置からニュートラル位置へ動くように構成される、
請求項1に記載のニット構成要素。
【請求項7】
前記第2区域は、前記力が前記ニット構成要素から除去されることに応答して、前記延びた位置を維持するように構成される、
請求項6に記載のニット構成要素。
【請求項8】
1つ以上の熱可塑性ポリマー材料のストランドから形成される第1の複数のコースを含む織物状区域と;
前記織物状区域に隣接して位置するチューブ状構造であって、第2の複数のコースを含む、チューブ状構造と;
を備え、
前記織物状区域及び前記チューブ状構造の第1区域は第1の特性を有し、
前記織物状区域及び前記チューブ状構造の第2区域は、前記第1の特性とは異なる第2の特性を有し、前記第2区域は、前記第1区域とは異なる、
製品。
【請求項9】
前記第1の特性は、第1の伸張度であり、前記第2の特性は、第2の伸張度であり、前記第2の伸張度は、前記第1の伸張度とは異なる、
請求項8に記載の製品。
【請求項10】
前記第1の特性は、第1の幅であり、前記第2の特性は、第2の幅であり、前記第2の幅は、前記第1の幅とは異なる、
請求項8に記載の製品。
【請求項11】
前記第1区域は、前記製品に加えられる力に応答して、ニュートラル位置から延びた位置へ動くように構成される、
請求項8に記載の製品。
【請求項12】
前記第2区域は、前記製品に加えられる前記力に応答して、前記ニュートラル位置を維持するように構成される、
請求項11に記載の製品。
【請求項13】
前記第1区域は、力が前記製品から除去されることに応答して、延びた位置からニュートラル位置へ動くように構成される、
請求項8に記載の製品。
【請求項14】
前記第2区域は、前記力が前記製品から除去されることに応答して、前記延びた位置を維持するように構成される、
請求項13に記載の製品。
【請求項15】
ニット構成要素を製造する方法であって、
前記ニット構成要素の織物状区域を画定するように第1の複数のコースを編むことであって、前記第1の複数のコースは、1つ以上の熱可塑性ポリマー材料のストランドを含む、第1の複数のコースを編むことと;
前記織物状区域に隣接する前記ニット構成要素のチューブ状構造を画定するように第2の複数のコースを編むことであって、前記第2の複数のコースは、1つ以上の熱可塑性ポリマー材料のストランドを含み、前記織物状区域及び前記チューブ状構造は、第1区域及び前記第1区域とは異なる第2区域を含む、第2の複数のコースを編むことと;
前記1つ以上の熱可塑性ポリマー材料の前記ストランドの間に熱的結合を形成するように、前記織物状区域及び前記チューブ状構造の前記第2区域に熱を印加することと;
を含む、ニット構成要素を製造する方法。
【請求項16】
前記熱は、前記第2区域が延びた位置にあるときに前記第2区域に印加される、
請求項15に記載のニット構成要素を製造する方法。
【請求項17】
前記熱は、前記第1区域には印加されない、
請求項16に記載のニット構成要素を製造する方法。
【請求項18】
前記熱は、前記第2区域がニュートラル位置にあるときに前記第2区域に印加される、
請求項15に記載のニット構成要素を製造する方法。
【請求項19】
前記熱は、前記第1区域には印加されない、
請求項18に記載のニット構成要素を製造する方法。
【請求項20】
幅特性及び伸張特性のうちの1つ又は複数が、前記第1区域と前記第2区域との間で異なる、
請求項15に記載のニット構成要素を製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、履物製品に関し、具体的には、ニット構成要素を組み込んだ履物製品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の履物製品は、一般的に、2つの主要な要素、すなわち、アッパーおよびソール構造を含む。アッパーは、ソール構造に固定されて、足を快適にかつ安定して受け入れるための空洞を履物の内部に形成している。ソール構造は、アッパーの下側区域に固定され、それによって、アッパーと地面との間に配置される。たとえば、運動用の履物では、ソール構造は、ミッドソールおよびアウトソールを含んでもよい。ミッドソールは、多くの場合、ウォーキング、ランニングおよび他の歩行活動中に、足および脚にかかる応力を少なくするように地面の反力を弱めるポリマー発泡材料を含んでいる。また、ミッドソールは、力をさらに弱め、安定性を高め、または足の動きに影響を及ぼす、流体充填チャンバ、プレート、モデレータ、または、他の要素を含んでもよい。アウトソールは、ミッドソールの下面に固定されて、ゴム等の耐久性のある耐摩耗性材料から形成されたソール構造の地面係止部を形成している。また、ソール構造は、履物の快適性を高めるために、空洞内に、および足の下面に近接して配置された中敷きを含んでもよい。
【0003】
アッパーは、大略的に、足の甲回り区域およびつま先区域の上に、足の内側側部および外側側部に沿って、足の下に、および足のかかと区域の周りに延びている。バスケットボール用履物およびブーツ等のいくつかの履物製品では、アッパーは、足首に支持または保護を与えるために、上方および足首の周りに延びていてもよい。アッパーの内部の空洞へのアクセスは、一般に、履物のかかと領域の足首開口部によってもたらされる。
【0004】
さまざまな材料要素(たとえば、布地、ポリマー発泡体、ポリマーシート、革、合成皮革)が、従来、アッパーを製造する際に利用されている。たとえば、運動用の履物では、アッパーは、それぞれがさまざまな接合材料要素を含む複数の層を有していてもよい。例として、それらの材料要素は、耐伸張性、耐摩耗性、柔軟性、通気性、圧縮性、快適性および速乾性を、アッパーの異なる区域に付与するように選択してもよい。アッパーの異なる区域に異なる特性を付与するために、材料要素は、所望の形状に切断してから、通常は、縫製または接着剤で互いに接合することが多い。また、材料要素は、同じ区域に複数の特性を付与するために、層状構成で接合されることが多い。アッパーに組み込まれる材料要素の数および種類が増えるにつれ、材料要素の輸送、保管、切断および接合に関連する時間および費用も増加する可能性がある。切断および縫製プロセスから出る廃材も、アッパーに組み込まれる材料要素の数および種類が増えるにつれて、さらに多く蓄積する。さらに、アッパーの材料要素の数が多くなるほど、種類および数が少ない材料要素から形成されたアッパーよりもリサイクルが難しくなることがある。そのため、アッパーに利用する材料要素の数を減らすことにより、アッパーの製造効率およびリサイクル性を高めながら、廃棄物を少なくすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,931,762号明細書
【特許文献2】米国特許第7,347,011号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2012/0234052号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの態様において、ニット構成要素は一体ニット構造で形成され、ニット構成要素は、第1のヤーンから形成された複数のコースを含む複数の織物状区域(webbed areas)を含む。織物状区域は、ニュートラル位置と延びた位置との間で動くように構成されている。織物状区域は、ニュートラル位置に向かって動くように、および織物状区域に印加される力に対応して、延びた位置に向かって伸張するように、付勢されている。また、ニット構成要素は、織物状区域に隣接している複数のチューブ状リブ構造も含んでいる。チューブ状リブ構造は、第2のヤーンから形成された複数のコースを含む。複数のチューブ状リブ構造は、同じ広がりを有して重なっている2つのニット層と、2つのニット層の間に中空を形成するように大略的に固定されていない中央区域とを含む。
【0007】
別の態様では、ソールと、ソールに取り付けられているアッパーとを備えている履物製品が開示されている。アッパーは、一体ニット構造で形成されたニット構成要素を含む。ニット構成要素は、複数の織物状区域と、複数のチューブ状リブ構造とを含んでいる。複数の織物状区域は、第1のヤーンから形成された複数のコースを含んでいる。チューブ状リブ構造は、第2のヤーンから形成された複数のコースを含んでいる。チューブ状リブ構造は、織物状区域に隣接して設けられている。複数のチューブ状リブ構造は、同じ広がりを有して重なっている2つのニット層と、2つのニット層の間に中空を形成するように大略的に固定されていない中央区域とを含む。織物状区域は、ニュートラル位置と延びた位置との間で動くように構成されている。織物状区域は、ニュートラル位置に向かって動くように付勢されている。織物状区域は、織物状区域に印加される力に対応して、ニュートラル位置から延びた位置へ伸張するように構成されている。
【0008】
別の態様では、一体ニット構造で形成されたニット構成要素を製造する方法が開示されている。その方法は、ニット構成要素の第1の織物状区域を画定するように、第1の複数のコースを編むことを含む。ニット構成要素は、長手方向および横方向に関連している。第1の織物状区域は、ニュートラル位置と延びた位置との間で動くように構成されている。第1の織物状区域は、ニュートラル位置に向かって付勢されている。第1の織物状区域は、第1の織物状区域に印加される力に対応して、第1の織物状区域の延びた位置に向かって横方向に伸張するように構成されている。その方法において、第1の複数のコースを編むことは、ニット構成要素の長手方向に沿って、第1の複数のコースを延ばすことを含む。また、その方法は、ニット構成要素の第1のチューブ状リブ構造を画定するように、第2の複数のコースを編むことも含む。第1の複数のコースのうちの少なくとも1つは、一体ニット構造の第1の織物状区域および第1のチューブ状構造を形成するように、第2の複数のコースのうちの少なくとも1つと接合される。その方法において、第2の複数のコースを編むことは、ニット構成要素の長手方向に沿って、第2の複数のコースを延ばすことを含む。
【0009】
本実施形態の他のシステム、方法、特徴および利点は、以下の図面および詳細な説明を検討すれば、当業者には明らかであるか、または明らかになるであろう。そのようなすべての追加的なシステム、方法、特徴および利点が、この説明およびこの概要の範囲内に含まれること、本実施形態の範囲内に含まれること、および以下のクレームによって保護されることが意図されている。
【0010】
本開示は、以下の図面および説明を参照することで、より良く理解することができる。図面の構成要素は、必ずしも縮尺どおりではなく、代わりに、本開示の原理を説明するにあたって強調を施している。さらに、図面中で、同様の符号は、異なる図にわたって、類似の部材を示す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】ニット構成要素の実施形態の斜視図であり、ニット構成要素が第1の位置で図示されている。
図2】第2の位置で示す、図1のニット構成要素の実施形態の斜視図である。
図3】ニット構成要素の実施形態の斜視図であり、ニット構成要素が、実線で第1の位置で図示され、また、ニット構成要素は、破線で第2の位置で図示されている。
図4図1の線4-4に沿ったニット構成要素の実施形態の断面図である。
図5図2の線5-5に沿ったニット構成要素の実施形態の断面図である。
図6】伸張性要素を含むニット構成要素の実施形態の断面図である。
図7】伸張性要素を含むニット構成要素の実施形態の斜視図である。
図8】ニット構成要素の実施形態の詳細図である。
図9】ニット構成要素を製造するために構成された編み機の実施形態の模式的斜視図である。
図10A図1のニット構成要素の実施形態の模式的なニッティングの略図である。
図10B】インレイ伸張要素を含む図1のニット構成要素の実施形態の模式的なニッティングの略図である。
図11】ニット構成要素の実施形態を製造する方法の実施形態の模式図であり、織物状区域が形成されていることが図示されている。
図12】ニット構成要素の実施形態を製造する方法の実施形態の模式図であり、チューブ状構造が形成されていることが図示されている。
図13】ニット構成要素の実施形態を製造する方法の実施形態の模式図であり、織物状区域およびチューブ状リブ構造が既に付加されている。
図14】伸張性要素を含むニット構成要素の実施形態を製造する方法の実施形態の模式図であり、チューブ状構造が形成されている。
図15】伸張性要素を含むニット構成要素の実施形態を製造する方法の実施形態の模式図であり、チューブ状構造が形成され、およびケーブルがチューブ状構造に組み込まれている。
図16】伸張性要素を含むニット構成要素の実施形態を製造する方法の実施形態の模式図であり、チューブ状構造が形成されている。
図17】伸張性要素を含むニット構成要素の実施形態を製造する方法の実施形態の模式図であり、チューブ状リブ構造および織物状区域が既に付加されている。
図18】第1の位置におけるニット構成要素の実施形態である。
図19】第2の位置におけるニット構成要素の実施形態である。
図20】ニット構成要素を含む履物製品用アッパーの実施形態の上面図である。
図21】ニット構成要素の実施形態を含むアッパーの組立方法の斜視図である。
図22】ニット構成要素の実施形態を含むアッパーの組立方法の斜視図である。
図23】ニット構成要素の実施形態を含むアッパーの組立方法の斜視図である。
図24】ニット構成要素の実施形態を含むアッパーの組立方法の斜視図である。
図25】ニット構成要素の実施形態を含む履物製品の外側側部の等角図である。
図26】ニット構成要素の実施形態を含む履物製品の内側側部の図である。
図27】ニット構成要素の実施形態を含む履物製品の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の説明および添付図面は、ニット構成要素およびニット構成要素の製造に関するさまざまな概念を開示している。ニット構成要素は、さまざまな製品に利用できるが、それらのニット構成要素のうちの1つを組み込む履物製品が、実施例として以下に開示されている。ニット構成要素は、履物に加えて、他の種類の衣料品(たとえば、シャツ、パンツ、ソックス、ジャケット、下着)、運動用具(たとえば、ゴルフバッグ、野球用およびフットボール用グローブ、サッカーボール規制構造体)、入れ物(たとえば、リュックサック、バッグ)ならびに家具の装飾用品(たとえば、椅子、カウチ、車両用座席)に用いてもよい。また、ニット構成要素は、ベッドカバーリング(たとえば、シーツ、毛布)、テーブルカバーリング、タオル、旗、テント、帆およびパラシュートに用いてもよい。ニット構成要素は、自動車および航空宇宙用途、フィルタ材料、医療用繊維製品(たとえば、包帯、綿棒、インプラント)、土木工事用繊維シート、作物保護用の農業用繊維シート、および熱や放射から保護または絶縁する工業用衣料品を含む産業用の技術的布地として用いてもよい。したがって、本願明細書に開示されているニット構成要素および他の概念は、個人用および産業用の目的の両方のためのさまざまな製品に組み込むことができる。
【0013】
図1は、本開示の例示的な実施形態に従って図示されたニット構成要素100を示す。いくつかの実施形態において、ニット構成要素100には、ニット構成要素100の性質および/または物理特性に影響を与える異なる構造部を設けてもよい。例示的な実施形態において、ニット構成要素100の少なくとも一部は、ニット構成要素に強度および/または支持を与えるリブ構造を含むことができる。場合によって、リブ構造は、チューブを形成するように閉じられている同一の広がりを有して重なっているニット層によってニット構成要素100内に形成された中空チューブとすることができる。他の場合においては、リブ構造は、より詳細に以下で説明するように、チューブ内に設けられている追加的な構成要素を含んでもよい。
【0014】
いくつかの実施形態において、リブ構造の間に延びているニット構成要素100の少なくとも一部は、柔軟に、弾性的に、および弾力的にすることができる。より具体的には、いくつかの実施形態において、ニット構成要素100は、弾力的に伸張し、変形し、圧縮し、撓み、または、他の形で、第1の位置と第2の位置との間で動くことができる。さらに、いくつかの実施形態において、ニット構成要素100は、圧縮可能にすることができ、および圧縮された状態からニュートラル位置に復元することができる。
【0015】
図1は、ニット構成要素100の実施形態の第1の位置を示し、また、図2は、ニット構成要素100の実施形態の第2の位置を示す。明確にするため、図3は、ニット構成要素100を両方の位置で示し、この場合、第1の位置は実線で表され、また、第2の位置は破線で表されている。いくつかの実施形態において、ニット構成要素100は、第1の位置に向かって動くように付勢することができる。したがって、いくつかの実施形態では、ニット構成要素100を第2の位置へ動かすように、ニット構成要素100に力を加えることができる。いくつかの実施形態において、解放された場合、ニット構成要素100は、弾力的に復元して、第1の位置へ戻ることができる。いくつかの実施形態において、ニット構成要素100は、負荷にさらされる可能性があり、その結果、圧縮または伸張する可能性がある。他の実施形態では、ニット構成要素100は、一旦、圧縮負荷が低下すると、図1の第1の位置まで復元することができる。
【0016】
ニット構成要素100の弾力性および弾性は、利益をもたらすことができる。たとえば、ニット構成要素100は、負荷がかかった場合に弾力的に変形して、その負荷に抗してクッション性をもたらすことができる。その場合、一旦、負荷が低下すると、ニット構成要素100は、その元の位置まで復元することができ、およびクッション性、構造的補強および支持を与え続けることができる。さらに、隣接するリブ構造の間の部分におけるニット構成要素100の弾性は、以下で、さらに説明するように、伸張の度合いまたは量を調節することにより、さまざまな方向でのニット構成要素100上へのリブ構造の配置を可能にする。
【0017】
例示的な実施形態において、ニット構成要素100は、ニット構成要素100のさまざまな部分に配置された複数のリブ構造を含むことができる。それらのリブ構造は、ニット構成要素100が、波状、起伏状、畝状、または他の一様でない外観を有するように配列できる非平面状区域として構成されている。いくつかの実施形態において、ニット構成要素100が、図1に示す第1の位置から、図2に示す第2の位置に向かって動いた場合、ニット構成要素100は、第2の位置において、比較的平らになる可能性がある。1つの実施形態においては、第1の位置に動いて戻った場合、ニット構成要素100の波形が強まる可能性がある。いくつかの実施形態において、ニット構成要素100の波形は、ニット構成要素100の動きの範囲および伸張性を増強する可能性がある。したがって、いくつかの実施形態において、ニット構成要素100は、高度の緩衝性またはクッション性を与えることができる。
【0018】
次に、図1図7を参照すると、ニット構成要素100が、履物製品から分離されて描かれている。いくつかの実施形態において、本開示によるニット構成要素(たとえば、ニット構成要素100)は、履物製品のアッパーに組み込むことができる。例示的な実施形態において、ニット構成要素は、履物製品のアッパーのかなりの部分を形成してもよい。
【0019】
さまざまな実施形態において、ニット構成要素100は、一体ニット構造で形成されている。本願明細書および特許請求の範囲で用いる場合、ニット構成要素(たとえば、ニット構成要素100、または、本願明細書に記載されている他のニット構成要素)は、編みプロセスによってワンピース要素として形成された場合、「一体ニット構造」で形成されていると定義される。すなわち、編みプロセスは、大幅な追加的製造工程またはプロセスを要することなく、ニット構成要素100のさまざまな形状構成および構造を実質的に形成する。一体ニット構造は、それらの構造もしくは要素が共通の少なくとも1つのコースを含む(すなわち、共通のヤーンを共有する)ように接合されているヤーンまたは他のニット材料から成る1つ以上のコースを含む、および/または各構造もしくは要素の間が実質的に連続しているコースを含む構造もしくは要素を有するニット構成要素を形成するのに用いることができる。この構成を用いて、一体ニット構造のワンピース要素が提供されている。
【0020】
ニット構成要素100の部分は、後の編みプロセスに従って、互いに接合することができる(たとえば、ニット構成要素100の端部が接合される)が、ニット構成要素100は、ワンピースニット要素として形成されているため、依然として一体ニット構造で形成された状態のままである。さらに、ニット構成要素100は、編みプロセスの後に他の要素(たとえば、締めひも、ロゴ、商標、および注意書きや材料情報を記載した札、他の構造要素)が付与された場合も、依然として一体ニット構造で形成された状態のままである。
【0021】
異なる実施形態では、一体ニット構造で形成されたニット構成要素100を製造するために、縦編みまたは(平編みプロセスまたは丸編みプロセスを含むがこれらに限定されない)横編みプロセス、または、ニット構成要素を形成するのに適している他の何らかの編みプロセスを含む任意の適当な編みプロセスを用いてもよい。ニット構成要素のさまざまな構成および一体ニット構造を伴うニット構成要素100を形成するための方法の実施例は、Duaの特許文献1およびDuaらの特許文献2に開示されており、各々の開示は、参照によってその全体が本願明細書に組み込まれる。例示的な実施形態において、平編みプロセスは、より詳細に以下で説明するように、ニット構成要素100を形成するのに用いてもよい。
【0022】
参照目的のため、ニット構成要素100は、図1図7においては、デカルト座標系に関連して図示されている。具体的には、ニット構成要素100の長手方向102、横方向104および厚さ方向106が図示されている。しかし、ニット構成要素100は、動径座標系またはその他の座標系に関して図示することができる。
【0023】
図1図3に図示されているように、ニット構成要素100のいくつかの実施形態は、前面108および裏面110を含むことができる。さらに、異なる実施形態において、ニット構成要素100は、周縁部114を含むことができる。周縁部114は、ニット構成要素100の境界を画定することができる。1つの実施形態において、ニット構成要素100は、前面108と裏面110との間で厚さ方向106に延びている、周縁部114に沿った、目に見える厚さを有してもよい。いくつかの実施形態において、ニット構成要素100の周縁部114は、ニット構成要素100の周囲に延びていてもよく、およびニット構成要素の構成により、任意の数の側部にさらに細分化してもよい。たとえば、ニット構成要素100の1つの実施形態において、周縁部114は、図1図3に図示されているように、ニット構成要素100のほぼ矩形状を画定する4つの側部を含むことができる。
【0024】
より具体的には、いくつかの実施形態においては、図1図3に図示されているように、ニット構成要素100の周縁部114は、第1の縁部116と、第2の縁部118と、第3の縁部120と、第4の縁部122とに細分化することができる。第1の縁部116と第2の縁部118とを、長手方向102において離間させることができる。第3の縁部120と第4の縁部122とを、横方向104において離間させることができる。第3の縁部120は、第1の縁部116と第2の縁部118との間で延びることができ、また、第4の縁部122も、第1の縁部116と第2の縁部118との間で延びることができる。いくつかの実施形態において、ニット構成要素100は、大略的に矩形にすることができる。しかし、ニット構成要素100は、本開示の範囲から逸脱することなく、規則的および不規則な(非幾何学的)形状を含む任意の形状を画定できることは正しく認識されるであろう。
【0025】
異なる実施形態では、ニット構成要素100の前面108および/または裏面110は、波紋状、波形、凹凸状、波状、畝状、または、他の一様でない非平面状にすることができる。どのような波形も、断続的または連続的であってもよい。また、いくつかの実施形態において、ニット構成要素100は、一連の非平面状の形状構成または構造を含むことができることは正しく認識されるであろう。たとえば、ニット構成要素100は、リブ、トンネル、頂点およびトラフ、波形、段、隆起および凹状チャネル、または、ニット構成要素100のニット構造によって形成された他の一様でない形状構成を含むことができる。それらが存在するそのような形状構成は、ニット構成要素100を横切って任意の方向に延びることができる。いくつかの実施形態において、ニット構成要素100は、複数のチューブ状リブ構造126と、複数の織物状区域128とを含むことができる。この説明のために、チューブ状リブ構造126と織物状区域128とをまとめて「リブ状形状構成」と呼ぶことにする。
【0026】
チューブ状リブ構造126は、大略的に、同じ広がりを有して重なっている2つ以上のニット層で構成されたニット構成要素100の区域とすることができる。ニット層は、ニット材料、たとえば、糸、ヤーンまたはストランドによって形成されているニット構成要素100の部分であってもよい。2つ以上のニット層は、ニット構成要素100内に、チューブ状リブ構造126として識別されるチューブまたはトンネルを形成するように、一体ニット構造で形成してもよい。チューブ状リブ構造126を形成しているニット層の側部または縁部は、他の層に固定してもよいが、中央区域は、大略的には、各ニット層を形成しているニット材料の2つの層の間に中空を形成するように、固定されていない。いくつかの実施形態において、チューブ状リブ構造126の中央区域は、別の要素(たとえば、伸張性要素)を、チューブ状リブ構造126を形成している2つのニット層の間に配設できるように、および2つのニット層の間の中空を通るように構成してもよい。
【0027】
ニット構成要素100は、任意の適当な数のチューブ状リブ構造126を含むことができる。いくつかの実施形態において、ニット構成要素100の2つ以上のチューブ状リブ構造126は、互いに同様の形状および寸法を有することができる。他の実施形態では、チューブ状リブ構造126の形状および寸法は、ニット構成要素100にわたって変えることができる。いくつかの実施形態において、チューブ状リブ構造126は、大略的に円筒形として形作ってもよい。例示的な実施形態において、チューブ状リブ構造126は、前面108に付随する幅広の上部と、裏面110に付随する細い下方部とを有する細長い円筒形状を有していてもよい。他の実施形態では、チューブ状リブ構造126は、大略的に円筒形または楕円円筒として形作ることができる。ニット構成要素は、異なる形状のチューブ状リブ構造126を含むことができる。
【0028】
大略的に、織物状区域128は、ニット構成要素100のさまざまな要素および/または構成要素の間の接続部であってもよい。織物状区域128は、ニット構成要素100の残りの部分とともに一体ニット構造で形成され、およびワンピースニット要素として一緒にさまざまな部分に接続するように機能してもよい。ニット構成要素100は、適当な任意の数の織物状区域128を含むことができる。異なる実施形態では、織物状区域128は、1つのニット層から成るニット構成要素100の区域とすることができる。いくつかの実施形態において、織物状区域128は、ニット構成要素の1つの部分と、ニット構成要素100の別の部分との間に延びていてもよい。1つの実施形態において、織物状区域128は、1つのチューブ状リブ構造と別のチューブ状リブ構造との間に延びることができる。異なる実施形態では、織物状区域128は、1つのチューブ状リブ構造とニット構成要素100の別の部分との間に延びていてもよい。別の実施形態では、織物状区域128は、1つのチューブ状リブ構造と、ニット構成要素100の縁部との間に延びていてもよい。
【0029】
いくつかの実施形態において、織物状区域128は、2つ以上のチューブ状リブ構造126の間に交互に配置してもよい。例示的な実施形態において、織物状区域128は、2つ以上の隣接するチューブ状リブ構造126の間に延びて、それらのチューブ状リブ構造126を接続することができる。この構成の場合、織物状区域128およびチューブ状リブ構造126は、一体ニット構造から成るニット構成要素100と一緒に形成される。
【0030】
さらに、図4および図5に図示されているように、ニット構成要素100は、いくつかの区域の前面108から裏面110までで測ったニット層の厚さ400を有することができる。いくつかの実施形態において、ニット層の厚さ400は、ニット構成要素100の全域で実質的に一定にすることができる。他の実施形態では、ニット層の厚さ400は、特定の部分が他の部分よりも厚くなっている状態で変化させることができる。いくつかの実施形態では、ニット層の厚さ400は、使用するヤーンの直径に従って選択しおよび制御できることは正しく認識されるであろう。また、別の実施形態では、ニット層の厚さ400は、ヤーンのデニールに従って制御することもできる。さらに、他の実施形態では、ニット層の厚さ400は、ニット構成要素100内のステッチ密度に従って制御することができる。
【0031】
上述したように、ニット構成要素100は、弾力的に撓むことができ、圧縮可能にし、および伸張可能にすることができる。織物状区域128および/またはチューブ状リブ構造126は、撓み、変形し、または、他の形で、ニット構成要素100が伸張する際に動くことができる。たとえば、図1および図4の第1の位置において、織物状区域128は、相対的に圧縮されてコンパクトな状態のままにすることができる。図2および図5の第2の位置においては、織物状区域128は、相対的により大きく延ばして伸張させることができる。さらに、織物状区域128の伸張は、ニット構成要素100の伸張および平坦化をもたらす可能性がある。また、いくつかの実施形態において、チューブ状リブ構造126は、圧縮または延ばすことができる。
【0032】
いくつかの実施形態において、図1および図4に示すニット構成要素100の第1の位置は、伸張していない位置またはニュートラル位置と呼ぶこともできる。図2および図5の実施形態に示す第2の位置は、伸張した位置または延びた位置と呼ぶこともできる。
【0033】
ニット構成要素100が第2の位置まで伸張されている場合、ニット構成要素100の弾力性および弾性は、一旦、伸張力が取り除かれると、ニット構成要素100が復元して、図1および図4に示す第1の位置へ戻って動くことを可能にする。言い換えると、ニット構成要素100は、第1の位置に向かって付勢することができる。
【0034】
いくつかの実施形態においては、図3に図示されているように、第1の位置から第2の位置へのニット構成要素100の動きは、ニット構成要素100を、横方向104に伸張させて引き延ばすことができる。より具体的には、図3に図示されているように、ニット構成要素100は、横方向104に沿って、第3の縁部120から第4の縁部122までで測った、第1の位置における第1の幅300を有することができる。対照的に、ニット構成要素100は、図4に図示されているように、第1の幅300よりも長い第2の幅302を有することができる。ニット構成要素100は、それが伸張される際に、さまざまな幅を有することができることは正しく認識されるであろう。場合によっては、第1の幅300および/または第2の幅302は、それぞれ、ニット構成要素100を含む材料、および印加される力の量に部分的に依存して変化する可能性がある。
【0035】
図3を見て分かるように、ニット構成要素100は、長手方向102に沿って第1の縁部116と、第2の縁部118との間で測った全長304も有することができる。いくつかの実施形態において、長さ304は、実質的に一定にすることができる。他の実施形態では、ニット構成要素100は、長さ304が可変となるように、長手方向102において、ある程度の伸張性を呈することができる。1つの実施形態において、織物状区域128およびチューブ状リブ構造126は、長手方向102に伸張してもよい。いくつかの実施形態において、ニット構成要素100は、長さ304が増加するように、長手方向102に沿った力に応じて伸張することができる。他の実施形態では、ニット構成要素100は、長手方向102よりも横方向104において、著しく高い伸張性を呈することができる。
【0036】
さらに、ニット構成要素100は、ニット構成要素100が動くにつれて変化する本体厚さを有することができる。本体厚さは、厚さ方向106におけるニット構成要素100のチューブ状リブ構造126の高さを指す。たとえば、いくつかの実施形態において、本体厚さは、ニット構成要素100が伸張および圧縮する際に、チューブ状リブ構造126の湾曲が変化するにつれて変わる可能性がある。具体的には、図3に図示されているように、ニット構成要素100は、実線で描かれている、第1の位置における第1の本体厚さ306を有し、また、ニット構成要素100は、破線で描かれている、第2の位置における第2の本体厚さ308を有している。図3では、第1の本体厚さ306は、第2の本体厚さ308よりも大きい。
【0037】
また、ニット構成要素100の異なる区域は、異なる本体厚さを有することができる。異なる実施形態では、ニット構成要素100の1つの部分は、ニット構成要素100の別の部分よりも大きい本体厚さを有していてもよい。別の実施形態では、ニット構成要素100のいくつかのチューブ状リブ構造は、より大きな伸張を受ける可能性があり、およびニット構成要素100の他のチューブ状リブ構造の本体厚さよりも小さい本体厚さを有していてもよい。
【0038】
次に、ニット構成要素100の織物状区域128およびチューブ状リブ構造126について、より詳細に説明する。いくつかの実施形態において、織物状区域128は、図1図3に図示されているように、細長くかつ実質的に直線状にすることができる。より具体的には、織物状区域128は、それぞれのウェブ軸130に沿って長手方向に延びることができ、そのうちの1つが図1に実施例として示されている。織物状区域128は、図2に図示されているように、第1の長手方向端部134と、第2の長手方向端部136とを含むことができる。同様に、チューブ状リブ構造126は、それぞれのチューブ軸132に沿って長手方向に延びることができ、そのうちの1つが、図1に実施例として示されている。チューブ状リブ構造126は、図1および図2に図示されているように、第1の長手方向端部138と、第2の長手方向端部140とを含むことができる。いくつかの実施形態において、ウェブ軸130およびチューブ軸132は、実質的に直線状に、および長手方向102に平行にすることができる。他の実施形態では、ウェブ軸130および/またはチューブ軸132は、長手方向102に対して曲げることができる。また、いくつかの実施形態において、織物状区域128およびチューブ状リブ構造126は、互いに非平行にすることができる。1つの実施形態において、チューブ状リブ構造126は、織物状区域128よりも大きな湾曲を呈していてもよい。別の実施形態では、織物状区域128は、チューブ状リブ構造126よりも大きな湾曲を呈していてもよい。
【0039】
さらに、いくつかの実施形態においては、図2に図示されているように、織物状区域128の第1の長手方向端部134は、ニット構成要素100の第1の縁部116に近接して配置することができ、また、織物状区域128の第2の長手方向端部136は、ニット構成要素100の第2の縁部118に近接して配置することができる。同様に、チューブ状リブ構造126の第1の長手方向端部138は、ニット構成要素100の第1の縁部116に近接して配置することができ、また、チューブ状リブ構造126の第2の長手方向端部140は、ニット構成要素の第2の縁部118に近接して配置することができる。
【0040】
さらに、いくつかの実施形態において、織物状区域128の第1の長手方向端部134と、チューブ状リブ構造126の第1の長手方向端部138とは、協働してニット構成要素100の第1の縁部116を画定することができる。同様に、いくつかの実施形態において、織物状区域128の第2の長手方向端部136と、チューブ状リブ構造126の第2の長手方向端部140とは、協働してニット構成要素100の第2の縁部118を画定することができる。
【0041】
織物状区域128は、第1の織物状区域142を含むことができる。いくつかの実施形態において、第1の織物状区域142は、他の織物状区域128の代表とすることができる。図1図5を参照すると、異なる実施形態において、第1の織物状区域142は、湾曲していてもよく、または、横方向104に沿って、比較的平らになっていてもよい。1つの実施形態において、第1の織物状区域142は、大略的に平坦にすることができる。他の実施形態では、第1の織物状区域142は、湾曲させることができ、または、角度を付けることができる。いくつかの実施形態において、第1の織物状区域142は、前面108を凹状にすることができる。他の実施形態では、第1の織物状区域142は、前面108を凸状にすることができる。
【0042】
いくつかの実施形態において、織物状区域128は、他の実施形態と比較して、より大きな程度まで伸張させることができ、その結果、実質的に平らな形状のニット構成要素100を生じることを理解すべきである。それらの実施形態では、織物状区域128は、丸みを帯びた形状よりも比較的より平坦な形状を備えていてもよい。
【0043】
いくつかの実施形態において、ニット構成要素100の織物状区域128は、他の織物状区域128と同様の形状および寸法を有することができる。他の実施形態では、織物状区域128の形状および寸法は、ニット構成要素100の全域で変えることができる。
【0044】
異なる実施形態では、チューブ状リブ構造126は、第1のチューブ状構造146を含むことができる。いくつかの実施形態において、第1のチューブ状構造146は、他のチューブ状リブ構造126の代表とすることができる。いくつかの実施形態において、第1のチューブ状構造146は、チューブ形状を有することができる。図4および図5に図示されているように、断面を見た場合、チューブ状リブ構造126は、第1の湾曲部416と、第2の湾曲部418とを含むことができる。例示的な実施形態において、第1の湾曲部416は、チューブ状リブ構造126のそれぞれの上部および底部において、第2の湾曲部418の反対側に配置されている。いくつかの実施形態において、第1の湾曲部416と、第2の湾曲部418とを、チューブ状リブ構造126を形成するチューブを画定するように一緒に編んでもよい。図4および図5の実施形態では、第1の湾曲部416および第2の湾曲部418は、第1の移行部420の縁部に沿って、および第2の移行部422の縁部にも沿って合流して、トンネルまたはチューブ形状を形成している。
【0045】
いくつかの実施形態において、第1の湾曲部416は、ニット構成要素の前面108の部分を備えることができる。いくつかの実施形態において、第2の湾曲部418は、ニット構成要素100の裏面110の部分を備えることができる。第1の湾曲部416および第2の湾曲部418は、一緒に、第1のチューブ状構造146の2つの側部を備えることができる。異なる実施形態では、第1の湾曲部416は、1つのニット層で構成してもよく、また、第2の湾曲部418は、別のニット層で構成してもよい。
【0046】
第1のチューブ状構造146のさまざまな区域は、異なる形状を備えることができる。異なる実施形態では、第1の湾曲部416および第2の湾曲部418は、動くことができ、および形状を変化させることができる。いくつかの実施形態において、第1の湾曲部416および/または第2の湾曲部418は、比較的水平にまたは平らにすることができる。他の実施形態では、第1の湾曲部416および/または第2の湾曲部418は、さまざまな量だけ丸みを付けること、または湾曲させることができる。
【0047】
他の実施形態では、第1の湾曲部416および/または第2の湾曲部418は、チューブ状リブ構造126の湾曲区域を備えることができる。第1の湾曲部416および/または第2の湾曲部418は、いくつかの実施形態では、より大きな程度まで、また他の実施形態では、より小さな程度まで、湾曲させるか、または曲げることができる。たとえば、いくつかの実施形態において、第1の湾曲部416および/または第2の湾曲部418を形成するニット材料から成るコースの量は、第1の湾曲部416および/または第2の湾曲部418のそれぞれの関連する湾曲の程度または量を変更するように変えてもよい。さらに、第1の湾曲部416および/または第2の湾曲部418の各々の湾曲の方向は変えてもよい。1つの実施形態において、第1の湾曲部416および/または第2の湾曲部418は、第1のチューブ状構造146を、前面108で凸状にし、裏面110で凸状にすることができるように設けてもよい。
【0048】
異なる実施形態では、チューブ状リブ構造126は、1つ以上の中空チューブを画定することができる。中空チューブ112は、トンネルまたはチャネルの構成を有する、チューブ状リブ構造の第1の湾曲部416と第2の湾曲部418との間に設けられた大略的に固定されていない区域であってもよい。いくつかの実施形態において、第1のチューブ状構造146は、大略的に円筒形状または楕円形状を備えていてもよく、中空チューブ112は、長手方向102において、第1のチューブ状構造146の全長にわたって延びている。いくつかの実施形態において、中空チューブ112は、チューブ状リブ構造126内にトンネルを形成してもよく、およびチューブ状リブ構造126の長さに沿ってある程度まで延びていてもよい。他の実施形態では、中空チューブ112は、チューブ状リブ構造126の全長にわたって延びていてもよい。いくつかの実施形態において、1つの中空チューブの直径と、他の中空チューブの直径とは、以下でさらに説明するように、異なっていてもよい。
【0049】
異なる実施形態では、織物状区域128およびチューブ状リブ構造126は、さまざまな構成で配置してもよい。図4に図示されているように、織物状区域128とチューブ状リブ構造126とを、互いに対して離間させることができる。たとえば、いくつかの実施形態において、織物状区域128とチューブ状リブ構造126とを、横方向104に離間させることができる。また、いくつかの実施形態において、織物状区域128とチューブ状リブ構造126とを、ニット構成要素100を横切って交互パターンで配列することができる。より具体的には、図1図5に図示されているように、織物状区域128は、第1の織物状区域142および第2の織物状区域144を含むことができる。同様に、チューブ状リブ構造126は、第1のチューブ状構造146および第2のチューブ状構造148を含むことができる。第1のチューブ状構造146は、第1の織物状区域142と第2の織物状区域144との間に設けることができ、およびそれらの織物状区域を分離することができる。さらに、第1の織物状区域142は、第1のチューブ状構造146と第2のチューブ状構造148との間に設けることができ、およびそれらのチューブ状構造を分離することができる。いくつかの実施形態において、この交互構成は、横方向104において、ニット構成要素100の全域で繰り返すことができる。
【0050】
たとえば、図4および図5に示す実施形態等のいくつかの実施形態において、ニット構成要素100は、第3のチューブ状構造432と、第3の織物状区域442と、第4のチューブ状構造434と、第4の織物状区域444と、第5のチューブ状構造436と、第5の織物状区域446と、第6のチューブ状構造438とをさらに含むことができる。第3のチューブ状構造432は、ニット構成要素100の第3の縁部120を画定することができる。第3の織物状区域442が、横方向104において、第3の縁部120から離れて動き、第3のチューブ状構造432に隣接して設けられている。また、第4のチューブ状構造434は、第3の織物状区域442に隣接して設けられ、また、第2の織物状区域144は、第4のチューブ状構造434に隣接して設けられている。上述したように、第1の織物状区域142は、第2のチューブ状構造148に隣接して設けられ、第1のチューブ状構造146は、第1の織物状区域142に隣接して設けられ、第2の織物状区域144は、第1のチューブ状構造146に隣接して設けられている。さらに、第2のチューブ状構造148は、第4の織物状区域444に隣接して設けられ、第4の織物状区域444は、第5のチューブ状構造436に隣接して設けられている。第5のチューブ状構造436は、第5の織物状区域446に隣接して設けられ、第5の織物状区域446は、第6のチューブ状構造438に隣接して設けられている。第6のチューブ状構造438は、第4の縁部122を画定することができる。
【0051】
いくつかの実施形態において、織物状区域128とチューブ状リブ構造126とを、互いに対して直接隣接させて取り付けることができる。より具体的には、図5の実施形態に示すように、第1の織物状区域142は、第1の移行部420において、第1のチューブ状構造146に取り付けることができる。また、第1の織物状区域142は、第2の移行部422において、第2のチューブ状構造148にも取り付けられている。この構成は、織物状区域とチューブ状リブ構造とから成る隣接する他のペアでも同様に繰り返すことができる。
【0052】
他の実施形態では、織物状区域およびチューブ状リブ構造の構成は、異なっていてもよい。1つの実施形態においては、2つ以上の織物状区域をニット構成要素100内で互いに隣接して配置してもよい。別の実施形態では、2つ以上のチューブ状リブ構造を、ニット構成要素100内で互いに隣接して配置してもよい。いくつかの実施形態において、織物状区域および/またはチューブ状リブ構造は、ニット構成要素100の他の部分に隣接して配置してもよい。
【0053】
異なる実施形態では、織物状区域128およびチューブ状リブ構造126の位置は、ニット構成要素100が、図1および図4の第1の位置と、図2および図5の第2の位置との間で動く際に変化してもよい。図4に図示されているように、織物状区域128は、ニット構成要素100が第1の位置にある場合に、圧縮されたまたは伸張していない位置(unstretched position)にすることができる。いくつかの実施形態において、チューブ状リブ構造126は、ニット構成要素100が第1の位置にある場合には、同様に、圧縮されたまたは伸張していない位置にすることができる。対照的に、図5に図示されているように、織物状区域128は、ニット構成要素100が第2の位置にある場合、延びたまたは伸張した位置(stretched position)にすることができ、また、チューブ状リブ構造126は、同様に、ニット構成要素100が第2の位置にある場合には、延びたまたは伸張した位置にすることができる。織物状区域128の横方向の幅は、ニュートラル位置においては、延びた位置と比較して、より小さくすることができる。また、図4図5に図示されているように、チューブ状リブ構造126の第1の湾曲部416およびと第2の湾曲部418との中間点(midpoints)は、図3に図示されているように、本体厚さが第1の本体厚さ306から第2の本体厚さ308に変化する際に、伸張した位置において、伸張していない位置と比較して、互いにさらに近づけることができる。同様に、図4および図5に図示されているように、いくつかの実施形態において、第1の移行部420は、延びたまたは伸張した位置の場合よりも、弛んだまたはニュートラル位置において、第2の移行部422に、より近づけることができる。このことは、ニット構成要素100のニュートラルまたは伸張していない第1の位置と、ニット構成要素100の延びたまたは伸張した第2の位置とに関連する、圧縮されたまたは伸張した位置の間で動く際の、それぞれのチューブ軸132周りの第1の湾曲部416および第2の湾曲部418の湾曲の変化にある程度依存している。このことは、第1の湾曲部416および第2の湾曲部418が、図4から図5まで、仮想参照面402に近づいて動く際に見ることができる。
【0054】
いくつかの実施形態において、隣接するチューブ状リブ構造126の構成は、隣接するチューブ状リブ構造126の各ペアの間に配置された織物状区域128が、上面108から見た場合に、ニュートラルまたは伸張していない位置において、少なくとも部分的に見えなくなるように設けてもよい。すなわち、各隣接するチューブ状リブ構造126の第1の湾曲部416は、下の織物状区域128が、ニット構成要素100の伸張していない位置において見えないように、互いに接触または近接していてもよい。ある力がニット構成要素100に加えられて、ニット構成要素100を伸張していない位置から伸張した位置へ動かした場合、織物状区域128とチューブ状リブ構造126との相対位置は、ニュートラル位置から離れて、延びた位置に移動され、その結果、下にある織物状区域128は、上面108から見えるようになる可能性がある。例示的な実施形態において、織物状区域128は、チューブ状リブ構造126よりも際立つタイプまたは色のヤーンを用いて編んでもよく、その結果、ニット構成要素100を伸張していない位置から伸張した位置へ動かした場合、織物状区域128のコントラストが上面108から見えるようになる。
【0055】
異なる実施形態では、織物状区域128およびチューブ状リブ構造126は、ニット構成要素が、伸張していないまたはニュートラル位置から、伸張したまたは延びた位置へ動いた際に、異なる伸張度を有することができる。たとえば、図4において、第5の織物状区域446は幅W1を有し、また、第1のチューブ状構造146は、幅W2を有している。図5では、第5の織物状区域446は幅W2を有し、また、第1のチューブ状構造146は、幅W4を有している。ニット構成要素100が、図4の第1の位置から、図5の第2の位置へ動くと、幅W1は幅W2まで増加し、また、幅W3は幅W4まで増加する。いくつかの実施形態において、織物状区域128に沿って生じる横方向の伸張は、チューブ状リブ構造126に沿って生じる伸張よりも大きくすることができる。たとえば、1つの実施形態において、幅W1から幅W2への増加の割合は、幅W3から幅W4への増加の割合よりも大きくてもよい。いくつかの実施形態において、この差は、チューブ状リブ構造126の特定の構造に起因する可能性があり、この場合、2つのニット層(たとえば、第1の湾曲部416と第2の湾曲部418)とが一緒に接合され、そのことが、伸張の量を制限することができる。他の実施形態では、この差は、チューブ状リブ構造126のニッティングで選択されたストランド、および/または以下でさらに説明するように、伸張性要素等の、チューブ状リブ構造126の開口部112内への他の材料の包含による可能性がある。
【0056】
さらに、いくつかの実施形態において、織物状区域128および/またはチューブ状リブ構造126は、図1および図4に示すニュートラル位置に向かって付勢することができる。いくつかの実施形態において、織物状区域128およびチューブ状リブ構造126は、図2および図5に示す、延びたまたは伸張した位置に向かって動くことにより、力に応答することができる。一旦、伸張力が低下すると、織物状区域128およびチューブ状リブ構造126は、図1および図4に示すニュートラル位置に戻ることができる。負荷が取り除かれると、ニット構成要素100の弾性、および織物状区域128とチューブ状リブ構造126とによってもたらされる付勢が、図4の位置へのニット構成要素100の復元をもたらすことができる。
【0057】
異なる実施形態では、ニット構成要素100は、伸張した位置から、よりコンパクトな位置への復元を制限するように改良することができる。いくつかの実施形態において、このプロセスは、ニット構成要素100を、少なくとも部分的に融着性材料で構成できる場合に好適である。1つの実施形態において、その材料は、熱可塑性ポリマー材料を含んでもよい。一般的に、熱可塑性ポリマー材料は、加熱されると軟化または溶融し、また、冷却されると固体状態に戻る。幅広い熱可塑性ポリマー材料をニット構成要素100に利用できるが、可能性のある熱可塑性ポリマー材料の例は、熱可塑性ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレンおよびポリオレフィンを含む。
【0058】
いくつかの構成では、ニット構成要素100は、全体的に、実質的にまたは部分的に、1つ以上の熱可塑性ポリマー材料から形成してもよい。ニット構成要素100を熱可塑性ポリマー材料から形成することの利点は、均一な特性、熱的結合を形成する能力、効率的な製造、弾性的伸張、および比較的高い安定性または引張強度である。単一の熱可塑性ポリマー材料を用いてもよいが、ニット構成要素100内の個々のストランドは、複数の熱可塑性ポリマー材料から形成してもよい。さらに、各ストランドは、共通の熱可塑性ポリマー材料から形成してもよいが、異なるストランドを異なる材料から形成してもよい。実施例として、ニット構成要素100のいくつかのストランドは、第1の種類の熱可塑性ポリマー材料から形成してもよく、それに対して、ニット構成要素100の他のストランドは、第2の種類の熱可塑性ポリマー材料から形成してもよく、また、ニット構成要素100のさらなるストランドは、異なる材料で形成してもよい。
【0059】
熱可塑性ポリマー材料は、さまざまな伸張および融着特性を有するように選択してもよく、また、材料は、弾性的であると見なしてもよい。関連する事柄として、使用する熱可塑性ポリマー材料は、さまざまな復元特性を有するように選択してもよい。すなわち、ニット構成要素100は、伸張された後に、元のニュートラル形状に戻るように形成することができる。しかし、異なる実施形態では、ニット構成要素100は、異なる部分が、伸張および復元に対して異なる能力を含むように形成および/または処理してもよい。
【0060】
ニット構成要素100は、ニット構成要素100を形成している材料に対する異なる処理の結果として、さまざまなニュートラル構成で維持してもよい。ニット構成要素100は、元の位置への復元を抑制する何らかの方法で処理してもよい。処理は、化学的処理、熱の印加、製造もしくは材料の変更または他の処理を含んでもよい。ニット構成要素100の形成に用いる材料は、処理の選択に影響を与える可能性がある。1つの実施形態においては、伸張した位置を維持するための熱の利用を可能にするために、融着性材料を選択してもよい。したがって、いくつかの実施形態において、ニット構成要素100の1つ以上の部分は、伸張した位置を維持することができ、この場合、材料の弾力的復元特性は低下する。
【0061】
したがって、いくつかの実施形態においては、1つ以上の区域における伸張を維持してもよい。換言すれば、ニット構成要素100の区域は、圧縮負荷がない場合でも、他の区域に対して伸張したままであってもよい。いくつかの実施形態において、1つの区域における伸張度と別の区域における伸張度とを、異ならせることができる。その結果、ニット構成要素100の1つの区域の幅も、同じ数のリブ状形状構成を含むニット構成要素100の他の区域の幅と異ならせることができる。存在する伸張の程度により、一連のリブ状形状構成を備えるニット構成要素100の1つの区画は、同じセットのリブ状形状構成を備えているニット構成要素100の別の区画の平均幅よりも大きい平均幅を有していてもよい。したがって、ニット構成要素100は、圧縮負荷がない場合でも維持することができるさまざまなレベルの伸張を、構成要素の全域で含んでいてもよい。
【0062】
さらに、リブ状形状構成の方向性も、ニット構成要素100がさまざまな形で伸張される際に変化してもよいことに留意すべきである。この態様については、以下において、ニット構成要素を組み込んだ製品に関連して、より詳細に説明する。
【0063】
異なる実施形態では、図6図10に図示されているように、1つ以上の伸張性要素600をニット構成要素100に組み込むことができる。伸張性要素600は、ニット構成要素100に対して支持を与えることができる。言い換えると、伸張性要素600は、ランニング、ジャンプまたは他の動きの最中に、ニット構成要素100が変形、伸張に耐えること、または、その他の形で着用者の足のための支持を与えることを可能にする。伸張性要素は、パフォーマンス特性を向上させるような方法で配置してもよい。伸張性要素は、強度、支持を向上させることができ、および構造的補強を与えることができる。
【0064】
いくつかの実施形態において、伸張性要素600は、ニット構成要素100の一体ニット構造の間に、1つ以上のチューブ状リブ構造内に組み込み、挿入し、または該構造内に延ばすことができる。言い換えると、伸張性要素600は、ニット構成要素100の編みプロセス中に組み込むことができる。1つの実施形態において、伸張性要素600は、チューブ状構造を横切って延ばすことができる。いくつかの実施形態において、伸張性要素600は、チューブ状リブ構造の第1の湾曲部416および第2の湾曲部418によって形成されたトンネル内にあってもよい。
【0065】
図6には、ニット構成要素100の一部の断面が図示されている。第1のチューブ状構造602および第2のチューブ状構造604が描かれており、織物状区域606が、2つのチューブ状リブ構造の間に配置されている。伸張性要素600は、第1のケーブル608が、第1のチューブ状構造602のトンネル内に配置され、および第2のケーブル610が、第2のチューブ状構造604のトンネル内に配置されるように、ニット構成要素100の一体ニット構造の間に挿入することができる。第1のケーブル608および第2のケーブル610は、互いに独立して図示されている。しかし、いくつかの実施形態において、第1のケーブル608および第2のケーブル610は、単一の連続した長さのケーブルで構成してもよい。
【0066】
伸張性要素600は、図7に図示されているように、1つ以上のチューブ状リブ構造に沿って延びていてもよい。異なる実施形態では、伸張性要素600は、ニット構成要素100の全域でさまざまな構成で配置してもよい。伸張性要素600は、いくつかまたはすべてのチューブ状リブ構造内に存在していてもよい。伸張性要素600は、さまざまなパターンで、または、ニット構成要素100に沿って、さまざまな間隔で配置してもよい。図7では、ニット構成要素100は、伸張性要素600が、描かれているチューブ状リブ構造の半分のトンネル、または、この場合、6つのチューブ状リブ構造のうちの3つのトンネルに沿って配置された状態で図示されている。図7の実施形態では、第1のケーブル702と、第2のケーブル704と、第3のケーブル706とが図示されている。第1のケーブル702は、第1のチューブ状構造146のトンネル714に沿って延び、第2のケーブル704は、第4のチューブ状構造434のトンネル720に沿って延び、第3のケーブル706は、第3のチューブ状構造432のトンネル718に沿って延びている。第1のケーブル702、第2のケーブル704および第3のケーブル706は、互いに独立して描かれているが、いくつかの実施形態では、第1のケーブル702、第2のケーブル704および第3のケーブル706は、単一の連続する長さのケーブルで構成してもよいことに留意することが重要である。換言すれば、単一のケーブルは、第1のチューブ状構造146のトンネル714から現れて、たとえば、隣接する第4のチューブ状構造434のトンネル720に入ることによってニット構成要素100に戻り、任意の数の追加的なチューブ状リブ構造を通るように続く。
【0067】
他の実施形態では、ニット構成要素100は、より少ないトンネルまたはより多いトンネル内に伸張性要素600を含んでもよい。1つの実施形態において、伸張性要素600は、互いに隣接しているチューブ状リブ構造126内に設けてもよい。別の実施形態では、伸張性要素600は、ニット構成要素100のチューブ状リブ構造126の大部分に、または、すべてのチューブ状リブ構造126内に存在していてもよい。1つの実施形態において、伸張性要素600は、より大きく互いに離れているチューブ状リブ構造126内に設けてもよい。別の実施形態では、伸張性要素600は、互い違いの、または、交互の構成を形成するように、1つおきのチューブ状リブ構造126内に存在していてもよい。したがって、伸張性要素600を含むチューブ状リブ構造126は、伸張性要素600を含んでいないチューブ状リブ構造126に隣接していてもよい。他の実施形態では、伸張性要素600の存在は、規則的でなくてもよい。たとえば、伸張性要素600を含む2つ以上のチューブ状リブ構造126があってもよく、またそれらは、伸張性要素600を含まない1つ以上のチューブ状リブ構造126に隣接させることができる。さらに、伸張性要素600を含む1つ以上のチューブ状リブ構造126があってもよく、またそれらは、伸張性要素600を含まない2つ以上のチューブ状リブ構造126に隣接させてもよい。他の実施形態では、ニット構成要素100は、該ニット構成要素100の1つの領域に伸張性要素600を含んでもよく、およびニット構成要素100の別の領域には、伸張性要素600を含まなくてもよい。さらに他の実施形態では、ニット構成要素100は、伸張性要素600を含んでいなくてもよい。
【0068】
異なる実施形態では、伸張性要素600は、さまざまな材料から形成してもよい。伸張性要素600は、たとえば、ロープ、糸、帯、ケーブル、ヤーン、ストランド、フィラメントまたは鎖を含むさまざまな材料から成っていてもよい。いくつかの実施形態において、伸張性要素600は、編み機、または、ニット構成要素100を形成する他の装置で利用できる材料から形成してもよい。伸張性要素600は、幅および厚さよりも実質的に大きい長さを呈する大略的に細長いファイバまたはストランドであってもよい。したがって、伸張性要素600に適した材料は、レーヨン、ナイロン、ポリエステル、ポリアクリル系、絹、綿、カーボン、ガラス、アラミド(たとえば、パラアラミドおよびメタアラミド繊維)、超高分子量ポリエチレン、および液晶ポリマーから形成されるさまざまなフィラメント、ファイバおよびヤーンを含む。ニット構成要素を形成しているヤーンと比較して、伸張性要素の厚さは、より大きくてもよい。いくつかの構成では、伸張性要素は、ニット構成要素のヤーンよりも著しく大きい厚さを有していてもよい。伸張性要素の断面形状は丸みを帯びていてもよいが、三角形、四角形、長方形、楕円形、または、不規則な形状も用いてもよい。さらに、伸張性要素を形成している材料は、限定するものではないが、綿、エラステイン、ポリエステル、レーヨン、ウール、ナイロンおよびその他の適当な材料を含む、ニット構成要素内のヤーンのためのいずれかの材料を含んでもよい。伸張性要素600は、横方向104と厚さ方向106とにおける幅が実質的に等しい断面(たとえば、丸みを帯びた、または正方形の断面)を有していてもよいが、いくつかの伸張性要素は、それらの厚さよりも幾分大きい幅を有していてもよい(たとえば、長方形、卵型、または、細長い断面)。
【0069】
異なる実施形態では、伸張性要素600のサイズおよび長さは変えてもよい。いくつかの実施形態において、伸張性要素600は、1つ以上のチューブ状リブ構造にわたって延びていてもよい。他の実施形態では、伸張性要素600は、1つ以上のチューブ状リブ構造の長さにわたって部分的に延びているだけでもよい。別の実施形態では、伸張性要素600は、1つ以上のチューブ状リブ構造の長さを超えて延びていてもよい。いくつかの実施形態において、第1のケーブル702は、いくつかのチューブ状リブ構造内の第1の長さを含んでもよく、また、第2のケーブル704は、他のチューブ状リブ構造内の第2の長さを含んでもよい。たとえば、1つの実施形態において、第1のケーブル702は、1つ以上のチューブ状リブ構造の長さに部分的にわたって延びていてもよく、第2のケーブル704は、別のチューブ状構造の全長にわたって延びていてもよいが、第3のケーブル706は、チューブ状構造の長さを超えて延びていてもよい。
【0070】
異なる実施形態では、伸張性要素600の端部は、チューブ状リブ構造の第1の長手方向端部134および/またはチューブ状リブ構造の第2の長手方向端部136に入ることができおよび/またはそこから出ることができる。伸張性要素600は、緊張状態、長さ、摩擦、または他の態様を調節してもよい。いくつかの実施形態において、伸張性要素は、その伸張性要素の動きを安定化および抑制するように、その長さに沿った任意の箇所で固定してもよい。たとえば、場合によっては、伸張性要素600は、それらの端部が、指定された箇所を越えて、チューブ状リブ構造の1つを介して引っ張られるのを防ぐために、1つ以上の長手方向端部において固定してもよい。他の場合においては、2つ以上のチューブ状リブ構造を介して、単一の伸張性要素をループさせてもよく、それによって、伸張性要素が、特定の箇所を越えて、チューブ状リブ構造内に引っ張られるのを防いでもよい。
【0071】
異なる実施形態では、伸張性要素600と、チューブ状リブ構造126の内側面との間の抵抗を調節してもよい。摩擦は、チューブ状リブ構造126および/または伸張性要素600のさまざまな構成によって変更してもよい。このことは、伸張性要素600が、さまざまなレベルの伸張または圧縮で、トンネルを通って動くことを可能にする。好適なレベルの剛性により、伸張性要素600と、チューブ状リブ構造126の内側面との接触の量を調節してもよい。
【0072】
異なる実施形態では、伸張性要素600とニット構成要素100との間の抵抗を調節するために、上述したことを含む1つ以上の変更を、織物状区域128、チューブ状リブ構造126または伸張性要素600に対して行ってもよいことを理解すべきである。いくつかの実施形態は、他の構成を可能にする。たとえば、1つの実施形態において、ケーブルの直径を大きくしてもよいが、伸張性要素に対応するチューブ状リブ構造の1つ以上のニット層の横方向の長さは小さくなる可能性がある。別の実施形態では、1つ以上のニット層の厚さは小さくしてもよく、および/またはそれらのニット層に関連する伸張性要素の直径は大きくしてもよい。
【0073】
次に、図8を参照すると、ニット構成要素100の一部が、平坦な構成で詳細に図示されている。図示されているように、ニット構成要素100は、ニット構成要素100を画定するように編まれる1つ以上のヤーン、ストランド、単繊維、複合繊維またはその他のストランドを含むことができる。ヤーン808は、複数の連続するコース800および複数の連続するウェール802を画定するように編むことおよび縫うことができる。いくつかの実施形態において、コース800は、大略的に長手方向102に延びることができ、また、ウェール802は、大略的に横方向104に延びることができる。
【0074】
織物状区域128の典型的な部分およびチューブ状リブ構造126のニット層の典型的な部分も図8に示されている。この平坦な構成では、チューブ状リブ構造126は、説明のため2次元状態で図示され、チューブ状リブ構造126の3次元構成が仮想線で図示されている。図示されているように、ニット構成要素100の複数のコース800は、織物状区域128を画定する複数のウェブコース806を含む。また、図示されているように、ニット構成要素100の複数のコース800は、チューブ状リブ構造126を画定するのを補助する複数のチューブ状コース804を含むことができる。いくつかの実施形態において、ウェブコース806は、ウェブ軸130と同じ方向に延びることができ、また、チューブ状コース804は、図1および図2でも言及したチューブ軸132と同じ方向に延びることができる。
【0075】
織物状区域128の編みパターンは、チューブ状リブ構造126の編みパターンと逆にすることができる。たとえば、チューブ状リブ構造126の1つ以上の部分は、フロントジャージーニットパターンを用いて編むことができ、また、織物状区域128の1つ以上の部分は、リバースジャージーニットパターンを用いて編むことができる。他の実施形態では、チューブ状リブ構造126は、リバースジャージーステッチパターンを用いて編むことができ、また、織物状区域128は、フロントジャージーステッチパターンを用いて編むことができる。この種の編みパターンによってもたらされる固有の付勢が、織物状区域128およびチューブ状リブ構造126の付勢されたカーリング、ローリング、フォールディングまたは圧縮挙動を少なくとも部分的に引き起こす可能性があることは正しく認識されるであろう。また、いくつかの実施形態では、織物状区域128は、チューブ状リブ構造126の1つのニット層とは逆のパターンで縫ってもよいことも正しく認識されるであろう。
【0076】
例示的な実施形態においては、編みプロセス中に、少なくとも1つのチューブ状コース804を、ループおよび近接するチューブ状リブ構造126を形成するように、少なくとも1つのウェブコース806に対して編み付けることによって接合してもよい。たとえば、図8に図示されているように、チューブ状リブ構造126を形成する1つのチューブ状コース804の第1の部分850は、1つのウェブコース806の取付部852に編み付けることによって接合してもよい。第1の部分850と取付部852とを、各チューブ状コース804および各ウェブコース806の部分に互いにループを形成するように、編み機の前床および後床の両方を横切ってヤーンで編むことによって接合してもよい。この構成の場合、チューブ状リブ構造126は、図1図7に図示されているように、実質的に平坦な2次元構造から、隆起した3次元構造に移る可能性がある。
【0077】
織物状区域128は、任意の数のウェブコース806を含むことができ、また、チューブ状リブ構造126は、任意の数のチューブ状コース804を含むことができる。図8の実施形態では、織物状区域128は、4つのウェブコース806を含み、また、図示されているチューブ状リブ構造126のニット層は、4つのチューブ状コース804を含む。しかし、ウェブコース806およびチューブ状コース804の数は、図8の実施形態と異ならせることができる。たとえば、他の実施形態では、織物状区域128は、5~10のウェブコース806を含むことができ、また、チューブ状リブ構造126の単一のニット層は、5~10のチューブ状コース804を含むことができる。また、織物状区域128の湾曲は、含まれているウェブコース806の数によって影響を受ける可能性があり、また、チューブ状リブ構造126の湾曲は、含まれているチューブ状コース804の数によって影響を受ける可能性がある。より具体的には、ウェブコース806の数を増やすことにより、織物状区域128の幅、湾曲および/または伸張性を増加させることができる。同様に、チューブ状コース804の数を増やすことにより、チューブ状リブ構造126のいくつかまたはすべての幅および/または湾曲を増加させることができる。織物状区域128内のウェブコース806の数は、十分な布地を与えて、十分な弾性の織物状区域128を可能にするように選択することができる。チューブ状リブ構造126内のチューブ状コース804の数は、十分な布地を与えて、いくつかまたはすべてのチューブ状リブ構造126が十分にカールして中空チューブを形成するように選択することができる。
【0078】
いくつかの実施形態において、ヤーン808は、織物状区域128およびチューブ状リブ構造126の弾力性を高めるように材料から形成することができ、または、別の方法で構成することができる。ヤーン808は、綿、エラステイン、ポリマー材料、または、2つ以上の材料の組合せ等の任意の適当な材料から形成することができる。また、いくつかの実施形態において、ヤーン808は、伸張可能におよび弾性的にすることができる。したがって、ヤーン808は、長さをかなり伸張させることができ、およびその元のニュートラルな長さに戻るように付勢することができる。いくつかの実施形態において、ヤーン808は、破断することなく、そのニュートラルな長さから少なくとも25%、長さを増すように弾性的に伸張することができる。さらに、いくつかの実施形態において、ヤーン808は、そのニュートラルな長さから少なくとも50%、長さを弾性的に増加させることができる。また、いくつかの実施形態において、ヤーン808は、そのニュートラルな長さから少なくとも75%、長さを弾性的に増加させることができる。さらに、いくつかの実施形態において、ヤーン808は、そのニュートラルな長さから少なくとも100%、長さを弾性的に増加させることができる。したがって、ヤーン808の弾性は、ニット構成要素100全体の弾力性を高めることができる。
【0079】
さらに、いくつかの実施形態において、ニット構成要素100は、複数の異なるヤーンを用いて編むことができる。たとえば、図8において、織物状区域128の少なくとも1つの部分は、第1のヤーン810を用いて編むことができ、また、チューブ状リブ構造126の少なくとも1つの部分は、第2のヤーン812を用いて編むことができる。いくつかの実施形態において、第1のヤーン810と第2のヤーン812とは、少なくとも1つの特性を異ならせることができる。たとえば、第1のヤーン810と第2のヤーン812とは、外観、直径、デニール、弾性、質感または他の特性を異ならせることができる。いくつかの実施形態では、第1のヤーン810と第2のヤーン812とは、色を異ならせることができる。したがって、ニット構成要素100が図1および図4の第1の位置にあるときに、見る人が前面108を見ると、第1のヤーン810は見ることができ、また、第2のヤーン812は見えない可能性がある。そして、ニット構成要素100が、図2および図5の位置まで伸張すると、第2のヤーン812を見せることができる。したがって、ニット構成要素100の外観は変化することができ、また、第1のヤーン810および第2のヤーン812は、美的に魅力的な著しい視覚コントラストをもたらすことができる。
【0080】
別の実施形態では、ニット構成要素100の少なくともいくつかの部分において、第1のヤーン810の弾性は、第2のヤーン812の弾性よりも大きい。このことは、伸張に対する、チューブ状リブ構造126よりも大きな能力を有することができる織物状区域128を備えたニット構成要素100の1つ以上の部分を生じさせる可能性がある。
【0081】
ニット構成要素100は、何らかの適当な機械、実施態様および技術を用いて製造することができる。たとえば、いくつかの実施形態において、ニット構成要素100は、編み機、たとえば、図9に示す編み機900を用いて自動的に製造することができる。編み機900は、何らかの適当なタイプ、たとえば、横編み機で構成することができる。しかし、編み機900を、本開示の範囲から逸脱することなく、別のタイプで構成できることは正しく認識されるであろう。
【0082】
図9の実施形態に図示されているように、編み機900は、複数の前針904を有する前針床902と、複数の後針908を有する後針床906とを含むことができる。前針904は、共通平面内に配列することができ、また、後針908は、前針904の平面と交差する異なる共通平面内に配列することができる。前針床902および後針床906は、互いに対して角度を付けてもよい。いくつかの実施形態において、前針床902および後針床906は、それらがVベッドを形成するように角度を付けてもよい。編み機900は、前針床902および後針床906の上を移動するように構成されている1つ以上のフィーダーをさらに含むことができる。図9では、第1のフィーダー910と、第2のフィーダー912とが示されている。第1のフィーダー910が移動する際、第1のフィーダー910は、ニット構成要素100を編むために、第1のヤーン810を前針904および/または後針908に送給することができる。第2のフィーダー912が移動する際、第2のフィーダー912は、第2のヤーン812を前針904および/または後針908に送給することができる。
【0083】
前方レール920および後方レール922を含む一組のレールは、前針床902および後針床906の交差部の上におよびその交差部に平行に延びていてもよい。レールは、フィーダーのための取付箇所を備えていてもよい。前方レール920および後方レール922は、それぞれ、各々が1つ以上のフィーダーを収容する2つの側部を有していてもよい。図示されているように、前方レール920は、両側部に第1のフィーダー910および第2のフィーダー912を含み、また、後方レール922は、第3のフィーダー914を含んでいる。2つのレールが描かれているが、編み機900のさらなる構成は、より多くのフィーダーのための取付箇所を備えるための追加的なレールを含んでもよい。
【0084】
フィーダーは、前方レール920および後方レール922に沿って移動し、それによって、ヤーンを針に供給することができる。図9に図示されているように、ヤーンは、第1のスプール916および/または第2のスプール918によってフィーダーに供給される。より具体的には、第1のヤーン810は、第1のスプール916から第1のフィーダー910まで延び、第2のヤーン812は、第2のスプール918から第2のフィーダー912まで延びている。図示されてはいないが、第1のスプール916および第2のスプール918と実質的に同様の方法でヤーンをフィーダーに供給するために、追加的なスプールを用いてもよい。
【0085】
いくつかの実施形態において、織物状区域128は、前針床902の前針904または後針床906の後針908のいずれかを用いて形成することができる。チューブ状リブ構造は、前針床902および後針床906の両方の針を用いて形成することができる。
【0086】
いくつかの実施形態において、連続する織物状区域128の間のチューブ状リブ構造を編むための例示的なプロセスは、編み機900を用いて実行してもよい。図10Aおよび図10Bは、チューブ状リブ構造、たとえば、ニット構成要素100のチューブ状リブ構造126を形成するための例示的な編みプロセスの典型的なニッティングの略図またはルーピングの略図を示す。図10Aに示す1つの実施形態において、織物状区域128は、後針床906を用いて第1のヤーン810から形成することができ、その後、チューブ状リブ構造126が、後針床906および前針床902を用いて第2のヤーン812から形成され、および別の織物状区域128が、後針床906を用いて第1のヤーン810から形成される。以下の説明は、図10A図10Bに模式的に図示されている編みプロセスについて記載しており、この説明で言及されている前針床902および後針床906が図9に模式的に図示されていることは理解されるであろう。
【0087】
図10Aを参照すると、織物状区域128の形成後、後針床906と前針床902との間に延びているコースを形成してもよい。次に、1つ以上のコースを前針床902上で編んでもよい。たとえば、チューブ状リブ構造126の第1の湾曲部を形成しているコースは、前針床902上で第2のヤーン812を用いて形成することができる。次いで、前針床902上の最後のコース1000の後、チューブ状リブ構造126を形成している第2のヤーン812は、後針床906を用いてコース1002を編むのに用いてもよい。たとえば、コース1002は、チューブ状リブ構造126を閉じて中空トンネルを形成する、チューブ状リブ構造126の第2の湾曲部を形成してもよい。コース1002が、チューブ状リブ構造126の形成を完了させた後、前針床902上の前の最後のコース1000および後針床906上のコース1002に対して互いにループが形成される、後針床906と前針床902との間に延びている別のコース1004を形成してもよい。後針床906と前針床902との間に延びているコース1004にステッチを用いることにより、チューブ状リブ構造126を形成する第2のヤーン812を、後針床906を用いて第1のヤーン810によって別の織物状区域128を形成する追加的なコースと結合されるように繰り返すことができる。
【0088】
この実施形態では、チューブ状リブ構造126は、後針床906上で編まれた1つのコースと、前針床902上で編まれた5つのコースとを用いて形成してもよい。この構成の場合、チューブ状リブ構造126の細長い円筒形状を設けることができる。
【0089】
他の実施形態では、チューブ状リブ構造126の形状および/またはサイズを変えるために、異なる数のコースを、前針床902および後針床906の一方または両方の上で編んでもよい。場合によっては、後針床906および/または前針床902上で編まれるコースの数を増減させることにより、それに応じて、チューブ状リブ構造126のサイズを拡大または減少させてもよい。他の場合においては、後針床906または前針床902の一方の上で編まれるコースの数を他方に対して増加させることにより、チューブ状リブ構造126の形状を変更してもよい。たとえば、後針床906上で編まれるコースの数を増加させることにより、ニット構成要素100の前面108の湾曲と同様になるように、ニット構成要素100の裏面110の湾曲に丸みを付けるために、チューブ状リブ構造126の形状を変えてもよい。
【0090】
チューブ状リブ構造126の完成後、プロセスは、別の織物状区域128を形成するために繰り返すことができる。その後、完成したニット構成要素100が、所望の数の織物状区域128およびチューブ状リブ構造126を有して形成されるまで、後針床906等を用いて、追加的な織物状区域128をニット構成要素100に追加することができる。
【0091】
他の実施形態では、ニット構成要素100の形成は同様であってもよいが、使用する針床の切り替えを伴う可能性がある。たとえば、図10Aおよび図10Bに示すプロセスは、両側の針床を用いて実行してもよく、その結果、織物状区域128を、前針床902を用いて形成することができ、その後、ニット構成要素100の部分を、前針床902から後針床906へ移すことができる。図10Aおよび図10Bに示す残りのステップは、図示されているのとは反対側の針床を用いて、同一の順序で実行することができる。編み機900のさまざまな針床を用いて、織物状区域128およびチューブ状リブ構造126を形成するその他の方法は、上記の説明に基づいて、当業者には明らかになるであろう。
【0092】
図10Aに関連して説明した例示的なプロセスにおいては、中空のチューブ状リブ構造126が形成される。他の実施形態では、1つ以上のチューブ状リブ構造126の固定されていない中央区域内に、伸張性要素を挿入してもよい。図10Bは、インレイ伸張性要素を含むチューブ状リブ構造126を形成するための例示的なプロセスを示す。図10Bに図示されているように、そのプロセスは、図10Aに図示されている中空のチューブ状リブ構造126を形成するためのプロセスと実質的に同様である。しかし、図10Bのプロセスでは、後針床906上でコース1002を形成した後、伸張性要素600が、チューブ状リブ構造126の部分に挿入される。伸張性要素600は、特許文献3に記載されているコンビネーションフィーダーおよび関連する挿入方法を用いて挿入してもよく、その出願の開示は、その全体が本願明細書に組み込まれる。
【0093】
伸張性要素600が、チューブ状リブ構造126の部分に挿入された後、チューブ状リブ構造126の形成を完了させるために、第2のヤーン812を用いて、追加的なコース1004を編んでもよい。この構成の場合、伸張性要素600は、チューブ状リブ構造126内に収容され、およびチューブ状リブ構造126の長さに沿って延びている、固定されていない中央区域を貫通して設けられている。
【0094】
さらに、図11図17は、複数の織物状区域および複数のチューブ状リブ構造を有するニット構成要素1100を編むプロセスを示す。図11図17は、ニット構成要素1100のさまざまな部分を編むのに用いられるプロセスの典型的で例示的な図にすぎない。履物製品用のアッパーに組み込まれることになる完成したニット構成要素を形成するために、ここには図示されていない追加的なステップまたはプロセスを用いてもよい。また、ニット構成要素1100のさまざまな部分のニット構造をうまく説明するために、図には、ニット構成要素1100の比較的小さな区画のみが図示されている可能性がある。さらに、編み機900およびニット構成要素1100のさまざまな要素の縮尺または寸法は、編みプロセスをうまく説明するために、強調されている可能性がある。
【0095】
図11図17では、説明のために、ニット構成要素1100が、前針床902と後針床906との間で形成されているが、ニット構成要素1100は、(a)編みプロセスの説明の際に、より見やすいように、および(b)互いに対するおよび針床に対するニット構成要素の部分の位置を示すために、前針床902および後針床906に隣接して図示されていることを理解すべきである。前針および後針は、明確にするために、図11図17には描かれていない。また、1つのレールと、限られた数のフィーダーとが描かれているが、追加的なレール、フィーダーおよびスプールを用いてもよい。したがって、編み機900の大略的構造は、編みプロセスを説明するために単純化されている。
【0096】
図11を参照すると、編み機900の一部が図示されている。この実施形態では、編み機900は、第1のフィーダー910および第2のフィーダー912を含んでいてもよい。他の実施形態では、追加的なフィーダーを用いてもよく、および前方レール920および/または後方レール922の前または後側に配設してもよい。
【0097】
図11において、スプール(図示せず)からの第1のヤーン810は、第1のフィーダー910を通り、そして、第1のヤーン810の端部は、第1のフィーダー910の端部において、給糸先端部から外側へ延びている。どのような種類のヤーン(たとえば、フィラメント、糸、ロープ、帯、ケーブル、鎖またはストランド)が第1のフィーダー910を通ってもよい。第2のヤーン812は、同様に、第2のフィーダー912を通って、給糸先端部から外側へ延びている。いくつかの実施形態において、第1のヤーン810および第2のヤーン812は、ニット構成要素1100の部分を形成するのに用いてもよい。
【0098】
異なる実施形態では、編みプロセスは、織物状区域またはチューブ状リブ構造のいずれかの形成によって始めてもよい。各織物状区域またはチューブ状リブ構造は、ニット構成要素1100の区画と呼んでもよい。1つの織物状区域またはチューブ状リブ構造の完成の後に、第2の織物状区域またはチューブ状リブ構造の形成が続いてもよい。ニット構成要素1100の複数の区画は、織物状区域とチューブ状リブ構造とを交互に形成してもよい。この編みプロセスは、ニット構成要素1100が完全に形成されるまで続けてもよい。
【0099】
図11の実施形態では、第1のチューブ状構造1102と、第1の織物状区域1104と、第2のチューブ状構造1106とを含む、ニット構成要素1100の3つの区画が、編み機900によって既に形成されている。また、第2の織物状区域1108の形成が、編み機900上で進行している。前述したように、織物状区域は、編み機900の前針床902または後針床906のいずれかによって編んでもよい。第1のフィーダー910は、ニット構成要素1100の完成していない第4の縁部122に沿って配置される。第1のフィーダー910は、前針床902または後針床906のいずれかに第1のヤーン810を送り込んでもよい。前針床902または後針床906は、第1のヤーン810を受け入れて、第2の織物状区域1108のコースを画定するループを形成することができる。図におけるその機械の下には、それが形成されているときのニット構成要素1100が等角図で描かれている。
【0100】
図12の続きの図では、第1のチューブ状リブ構造1102と、第1の織物状区域1104と、第2のチューブ状リブ構造1106と、第2の織物状区域1108とを含む、ニット構成要素1100の4つの区画が、編み機900によって既に形成されている。第3のチューブ状リブ構造1200の形成が、編み機900上で進行している。前述したように、チューブ状リブ構造は、編み機900の前針床902および後針床906の両方によって編んでもよい。第1のフィーダー910および第2のフィーダー912は、ニット構成要素1100の完成されていない第4の縁部122の近くに配置される。第1のフィーダー910は、前針床902または後針床906のいずれかに第1のヤーン810を送り込んでもよい。いくつかの実施形態において、前針床902は、第1のヤーン810を受け入れて、第3のチューブ状リブ構造1200の第1の湾曲部416を形成しているコースを画定するループを形成することができる。他の実施形態では、後針床906は、第1のヤーン810を受け入れて、第3のチューブ状リブ構造1200の第1の湾曲部416のコースを画定するループを形成することができる。図におけるその機械の下には、ニット構成要素1100が、それが形成されているときの等角図で描かれている。
【0101】
異なる実施形態では、チューブ状リブ構造のさまざまな区域は、編み機900の異なる要素によって形成してもよい。例示的な実施形態において、第1の湾曲部416は、前針床902によって形成してもよく、また、第2の湾曲部418は、後針床906によって形成してもよく、その結果、第1のフィーダー910は、第1のヤーン810を前針床902に送り込み、第2のフィーダー912は、第2のヤーン812を後針床906に送り込む。別の実施形態では、第1の湾曲部416は、後針床906によって形成してもよく、また、第2の湾曲部418は前針床902によって形成してもよく、その結果、第1のフィーダー910は、第1のヤーン810を後針床906に送り込み、第2のフィーダー912は、第2のヤーン812を前針床902に送り込む。
【0102】
図13は、6つのチューブ状リブ構造と5つの織物状区域とを含む11の区画を備えたニット構成要素1100の形成を描いている。例示的な実施形態において、各織物状区域は、織物状区域のいずれかの側部の2つの隣接するチューブ状リブ構造の間に設けられている。ニット構成要素1100が所望の寸法で完成するまで、編みプロセスを続行することができ、および所望の量の織物状区域およびチューブ状リブ構造を形成することができる。さらに、ニット構成要素1100の他のさまざまな部分を形成するために、他の公知の編みプロセスや方法を用いてもよい。
【0103】
異なる実施形態では、編みプロセスは、ニット構成要素1100の部分に、1つ以上の伸張性要素を組み込むことを含んでもよい。図14図17を参照すると、伸張性要素を含むニット構成要素1100の実施形態が描かれている。図14では、ニット構成要素1100には、5つの完成したチューブ状リブ構造と、5つの織物状区域と、部分的に形成された第6のチューブ状リブ構造とを含む11の区画が既に設けられている。この図における完成した各チューブ状リブ構造は、チューブ状リブ構造の中空の中央の固定されていない区域を通って延びている伸張性要素を含んでいることが見て分かる。前述したように、ニット構成要素1100に含まれているさまざまな伸張性要素の構成があってもよいことを理解すべきである。たとえば、いくつかの実施形態では、伸張性要素は、ニット構成要素に付随するチューブ状リブ構造の総数のうちの選択された数を通して設けてもよい。この構成の場合、伸張に対する追加的な支持および抵抗を、チューブ状リブ構造内の伸張性要素の所望の配置によって選択的に与えてもよい。
【0104】
再び図14を参照すると、第6のチューブ状リブ構造1404の形成が進行中である。前述したように、チューブ状リブ構造は、編み機900の前針床902および後針床906の両方によって編んでもよい。第1のフィーダー910および第2のフィーダー912は、ニット構成要素1100の完成していない第4の縁部122に沿って配置される。第2のフィーダー912は、前針床902または後針床906のいずれかに第2のヤーン812を送り込んでもよい。いくつかの実施形態において、前針床902は、第2のヤーン812を受け入れて、第6のチューブ状リブ構造1404の第1の湾曲部416を画定するループを形成することができる。他の実施形態では、後針床906は、第2のヤーン812を受け入れて、第6のチューブ状リブ構造1404の第1の湾曲部416を画定するループを形成することができる。
【0105】
具体的には、1つの実施形態において、第1の湾曲部416は、前針床902によって形成してもよく、第2の湾曲部418は、後針床906によって形成してもよく、その結果、第2のフィーダー912は、第2のヤーン812を前針床902に供給し、また、第2のフィーダー912は、第2のヤーン812を後針床906にも供給する。ニット構成要素1100の各部分を形成するのに用いられる針床、フィーダーおよび/またはヤーンの選択は変えてもよいことを理解すべきである。たとえば、別の実施形態では、第6のチューブ状リブ構造1404の部分は、上述したように、両側の針床を用いて形成してもよく、その結果、第1の湾曲部416は、後針床906によって形成してもよく、また、第2の湾曲部418は、前針床902によって形成してもよい。さらに、他の実施形態では、織物状区域を形成するのに用いられる同じヤーンを、チューブ状リブ構造を形成するのに同様に用いてもよく、その結果、第1のフィーダー910は、第1のヤーン810を前針床902および後針床906に供給して、第6のチューブ状リブ構造1404を形成する際に用いる。編み機900の下には、それが形成されている際のニット構成要素1100が等角図で描かれている。
【0106】
第1のフィーダー910および第2のフィーダー912は、ニット構成要素1100の第4の縁部122に沿ってスタート位置に戻って、第6のチューブ状リブ構造1404の部分を形成する次のコースを始めることができる。このステップに続いて、第3のフィーダー914は、図15に図示されているように、ニット構成要素1100内に挿入されるように伸張性要素1500を供給する。いくつかの実施形態において、第3のフィーダー914は、第6のチューブ状リブ構造1404の長さに沿って、伸張性要素1500を供給して挿入する際に、前方レール920または後方レール922に沿って移動してもよい。異なる実施形態では、第6のチューブ状リブ構造1404の第1の湾曲部416および/または第2の湾曲部418は、伸張性要素1500が、第6のチューブ状リブ構造1404の内側面に沿って挿入される際に、形成され続けてもよい。図15では、伸張性要素1500は、第6のチューブ状リブ構造1404の長さに沿って既に挿入されている。
【0107】
いくつかの実施形態において、第1のフィーダー910および第2のフィーダー912は、第6のチューブ状リブ構造1404の部分を形成する別のコースを始めてもよい。図16では、第6のチューブ状リブ構造1404は、該第6のチューブ状リブ構造1404を完全に形成するためのさらなるコースによって完成されつつあり、それによって、第6のチューブ状リブ構造1404の中空の固定されていない中央区域の内部に伸張性要素1500を収容している。図17は、連続する各チューブ状リブ構造の間の5つの織物状区域によって分けられている伸張性要素を含む6つのチューブ状リブ構造を備えるニット構成要素1100の形成を示す。また、伸張性要素を含んでいないチューブ状リブ構造も含めてよいことを理解すべきである。ニット構成要素1100が完成するまで、このプロセスを続行することができ、および伸張性要素を備えているか否かにかかわらず、所望の量の織物状区域およびチューブ状リブ構造を形成することができる。
【0108】
ニット構成要素を形成するためのこの例示的なプロセスを用いて、ニット構成要素1100の製造を効率的にすることができる。また、ニット構成要素1100は、著しい量の廃材を生じることなく、実質的に形成することができる。
【0109】
既に説明したように、異なる実施形態では、1つ以上の織物状区域および/またはチューブ状リブ構造は、圧縮されたまたはニュートラルな位置から、より延びたまたは伸張した位置に向かって動くことができる。図18および図19は、圧縮負荷または力が、どのようにしてニット構成要素1808の実施形態の1つの区域を変形させる可能性があるかを示す。前述したように、圧縮負荷の影響下では、リブ状形状構成、すなわち、一連の交互の織物状区域およびチューブ状リブ構造は、図18に見られる圧縮された位置から、図19に見られる、より延びた位置に向かって動くことができる。いくつかの実施形態においては、圧縮負荷が取り除かれたか、または低下したときに、リブ状形状構成は、復元して、圧縮された位置に戻ることができる。ニット構成要素1808が、この弾性の結果として、圧縮負荷を緩和し、減衰させ、または他の形で低下させることができることは正しく認識されるであろう。
【0110】
図18では、ニット構成要素1808の実施形態の一部が、図1と同様のニュートラル位置で図示されている。いくつかのチューブ状リブ構造1802および織物状区域1800が図示されている。ニット構成要素1808は、第1の幅1806になっている。図19では、同じ織物状区域1800およびチューブ状リブ構造1802は、それらが圧縮負荷に応答して、ニット構成要素が、図2と同様の第2の幅1900まで伸張された場合が図示されている。第1の幅1806は、第2の幅1900よりも小さい。いくつかの実施形態では、織物状区域1800は、チューブ状リブ構造1802よりも大きな伸張を呈していてもよい。1つの実施形態においては、印加される力の量と、力が印加された位置とに応じて、ニット構成要素1808のいくつかの区域は、他の区域よりも、より多く伸張してもよい。図19では、長手方向102よりも横方向104において、より大きな伸張が存在する。
【0111】
また、いくつかの実施形態において、リブ状形状構成は、ニット構成要素1808の異なる区域に沿って、サイズ、構造、形状およびその他の特性を異ならせることができる。たとえば、図18および図19の実施形態では、第1の幅1810および第2の幅1804を含む、織物状区域の異なる幅がニット構成要素1808内に描かれている。第1の幅1810は、第2の幅1804よりも大きい。各織物状区域の幅は、各織物状区域のために編まれるコースの数を変えることによって、編みプロセス中に決定してもよい。たとえば、第1の幅1810が第2の幅1804よりも大きい実施形態では、織物状区域のより大きな幅は、第1の幅1810を有する織物状区域を形成する、より多い数のコースに依存する可能性がある。同様に、織物状区域のより小さな幅は、第2の幅1804を有する織物状区域を形成する、より少ない数のコースに依存する可能性がある。他の実施形態では、織物状区域1800および/またはチューブ状リブ構造1802の幅は、ニット構成要素1808にわたって変えることができる。リブ状形状構成のサイズが増加または減少するにつれて、ニット構成要素1808で利用可能な伸張および弾性を変更することができる。たとえば、織物状区域1800が、より大きな幅(たとえば、第1の幅1810)を備えている区域は、より弾力的であってもよく、および、より小さな幅(たとえば、第2の幅1804)の織物状区域1800に対してさらなる伸張を可能にする。
【0112】
ニット構成要素は、任意の適当な製品内で画定することができ、および/または製品内に含めることができる。ニット構成要素は、製品に弾性を与えることができる。したがって、いくつかの実施形態において、製品は、少なくとも部分的に伸張可能および弾力的にすることができる。さらに、製品は、1つ以上のニット構成要素ピースの包含により、ユーザに対してクッション性をもたらすことができる。
【0113】
異なる実施形態では、ニット構成要素は、履物製品用のさまざまな構成要素または要素を形成するのに用いることができる。履物製品用のアッパー2000の実施形態が図20に示されている。アッパー2000は、図1図8のニット構成要素の1つ以上の形状構成を含むことができるニット構成要素2002から成る。アッパー2000は、以下でさらに説明する、アッパー2000が、ラッピングプロセスを介して組み立てられることを可能にするように設計されている不規則な形状を備えている。大略的に、アッパー2000は、長手方向102に沿った2つの対向する側部を表す第1の端部2004および第2の端部2006、ならびに上縁部2010および底縁部2012を含んでいる。アッパー2000は、カラー部2014と、スロート部2016と、下方領域2020とをさらに含んでいる。カラー部2014は、カラー部2014の対向する端部を大略的に表す第1の側部2030および第2の側部2032を含んでもよい。スロート部2016は、スロート開口部2040において、一方の側が終端してもよい。下方領域2020は、底縁部2012の近傍にニット構成要素2002の部分を含んでいるが、スロート部2016は、上縁部2010の近傍の部分を含んでいる。下方領域2020は、大略的に第1の端部2004から第2の端部2006へ延びているが、スロート部2016は、大略的に第1の端部2004からスロート開口部2040へ延びている。したがって、図20の実施形態では、リブ状形状構成、すなわち、下方領域2020に設けられた織物状区域およびチューブ状リブ構造は、スロート部2016に設けられたリブ状形状構成よりも、長手方向102における長さがより長くなっている。換言すれば、下方領域2020に設けられた形状構成は、第1の端部2004から第2の端部2006まで連続的に延びており、また、スロート部2016内のリブ状形状構成は、第1の端部2004から、スロート開口部2040に沿った区域まで連続的に延びている。
【0114】
ニット構成要素2002は、第1の部分2022と、第2の部分2024と、第3の部分2026と、第4の部分2028とをさらに備えている。第1の部分2022は、第1の端部2004から第1の境界2034まで延びている。第2の部分2024は、第1の境界2034から第2の境界2036まで延びている。第3の部分2026は、第2の境界2036から第3の境界2038まで延びている。第4の部分2028は、第3の境界2038から、ニット構成要素2002の第2の端部2006まで延びている。いくつかの実施形態において、ニット構成要素2002のスロート部2016は、ニット構成要素2002の残りの領域とは異なる数のチューブ状リブ構造および/または織物状区域を含むことができる。いくつかの実施形態においては、1つ以上の伸張性要素2018をアッパー2000に含めてもよい。
【0115】
第1の境界2034、第2の境界2036および第3の境界2038は、単に説明を意図するものであり、構成要素の正確な領域を画定することを意図するものではないことは理解されるであろう。
【0116】
図21図24は、履物製品に使用されるニット構成要素2002を組み込んだアッパー2000を組み立てる例示的なプロセスの実施形態を示す。参照目的のため、履物製品に関連するさまざまな構成要素は、足の異なる領域とも関連付けられている。履物製品に関連する構成要素は、アッパー、ソール、ベロ、締めひも、つま先および/またはヒールカウンター、製品形成部材、または、履物に付随する他の個別の要素を含んでもよい。製品形成部材は、限定するものではないが、靴型、型、基礎的要素、鋳型、または、他のこのようなデバイスおよび/またはピースを含んでもよい。
【0117】
図21では、アッパー2000は、製品形成部材2100と関連付けられて図示されている。製品形成部材2100、および履物に関連するその他の構成要素は、完成した履物製品のさまざまな領域を表すさまざまな領域に分けてもよい。図21図24の実施形態では、製品形成部材2100は、6つの大略的領域、すなわち、足先領域2112と、中足領域2102と、バンプ領域2106と、かかと領域2104と、ソール区域2124と、足首領域2114とに分けられている。足先領域2112は、つま先と、中足骨と指骨とを接続している関節とに対応する履物の部分を大略的に含んでいる。中足領域2102は、足のアーチ区域に対応する履物または構成要素の部分を大略的に含んでいる。バンプ領域2106は、つま先から、足と足首とがつながる区域まで延びている、足の前部および上部を覆う部分を大略的に含んでいる。かかと領域2104は、踵骨を含む、足の後部に大略的に対応している。ソール区域2124は、足のソールに対応する区域を大略的に含んでいる。ソール区域2124は、典型的には、履物製品の地面係止面に関連している。足首領域2114は、足首と、足と足首とがつながる区域とに対応する履物または構成要素の部分を大略的に含んでいる。スロート開口部2040は、足首領域2114に関連していてもよい。
【0118】
一貫性および利便性のために、方向を表す形容詞が、図示されている実施形態に対応するこの詳細な説明の全体で用いられている。前方向(「前方」)という用語は、履物製品が足に対して着用された場合に、足先領域2112に向かう方向、またはつま先に向かう方向を指す。後方向(「後方」)という用語は、履物製品が足に対して着用された場合に、かかと領域2104に向かう方向、または足の後ろに向かう方向を指す。また、反対の方向に対応する上方向および下方向があってもよい。上方向(「上方」)という用語は、履物製品を見たときに、ソール区域2124からアッパーに向かう垂直方向である。下方向(「下方」)という用語は、履物製品を見たときに、アッパーからソール区域2124に向かう方向を指す。
【0119】
また、履物に関連する構成要素、たとえば、製品形成部材2100は、足先領域2112、中足領域2102およびかかと領域2104の各々を通って延びている外側側部2108および内側側部2110を含んでもよく、および足に関して製品の両側に対応している。より具体的には、外側側部2108は、足の外側区域(すなわち、他方の足から遠ざかる方を向く面)に対応し、また、内側側部2110は、足の内側区域(すなわち、他方の足の方を向く面)に対応している。さらに、履物に関連する構成要素は、前方部2116を含んでもよい。前方部2116は、かかと領域2104の前方の領域を備えている。
【0120】
足先領域2112、中足領域2102、バンプ領域2106、かかと領域2104、ソール区域2124、足首領域2114、外側側部2108、内側側部2110および前方部2116という用語は、履物に関連するさまざまな個別の構成要素、たとえば、アッパー、ソール構造、履物製品、製品形成部材および/またはアッパーに適用することができることに留意すべきである。足先領域2112、中足領域2102、バンプ領域2106、かかと領域2104、ソール区域2124、足首領域2114および前方部2116は、単に説明を意図しており、また、構成要素の正確な領域を画定することは意図されていないことは理解されるであろう。同様に、内側側部2110および外側側部2108は、1つの構成要素を2つの半体で正確に画定するのではなく、1つの構成要素の2つの側部を大略的に表すことが意図されている。
【0121】
いくつかの実施形態において、製品形成部材2100は、製品の組立を容易にするのに用いることができる。他の実施形態では、最も一般的には靴型を含む、異なる基礎的要素または頑丈な型を組立のプロセスに用いてもよい。図21では、第1の端部2004は、足先領域2112に沿っておよび中足領域2112の外側側部2108に部分的に沿って製品形成部材2100の下面に、取外し可能に取り付けられている。アッパー2000の第1の部分2022は、それがバンプ領域2106を完全に覆うように、製品形成部材2100の全域に拡げられる。
【0122】
図22では、アッパー2000が、製品形成部材2100を覆ってさらに拡げられている状態で図示されている。第2の部分2024は、製品形成部材2100の内側側部2110に対応する区域に配置されている。アッパー2000の底縁部2012の部分は、内側側部2110に沿って、製品形成部材2100の下面に、取外し可能に取り付けられている。
【0123】
このステップに続いて、アッパー2000は、図23に示すかかと領域2104の周りに巻き付けられる。第3の部分2026は、製品形成部材2100のかかと領域2104に対応する区域に沿って既に配置されている。アッパー2000の底縁部2012の部分は、かかと領域2104に沿って、製品形成部材2100の下面に、取外し可能に取り付けられている。
【0124】
図24に示す次のステップでは、アッパー2000は、第4の部分2028が、製品形成部材2100の周りに持って来られて、外側側部2108に沿って配置されるように、さらに巻き付けられる。スロート開口部2040は、第4の部分2028が、図24のカラー部2014の背後に隠れている第1の部分2022に合流したときに形成してもよい。カラー部2014の第2の側部2032の部分は、スロート開口部2040を覆うカラー部2014の第1の側部2030の部分と合流、接合、または他の形で結合してもよい。同様に、第2の端部2006の部分は、アッパー2000の第1の端部2004の部分と合流、接合、または他の形で結合してもよい。アッパー2000の底縁部2012の部分は、かかと領域2104の外側側部2108および中足領域2102の部分に沿って、製品形成部材2100の下面に、取外し可能に取り付けられている。
【0125】
図25図27は、図20のニット構成要素2002を備えている、組付け済のアッパー2500を含む履物製品(「履物」)2512の実施形態を示す。履物製品2512の形成時に、ソール構造(「ソール」)2514は、ソール区域2124に沿って、組付け済のアッパー2500に固定することができ、および履物2512が着用されたときに、着用者の足と地面との間に拡がることができる。ソール2514は、図25図27の実施形態とは異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、ソール2514は、均一なワンピース部材とすることができる。あるいは、いくつかの実施形態において、ソール2514は、複数の構成要素、たとえば、アウトソール、ミッドソールおよび/またはインソールを含むことができる。また、ソール2514は、地面係止面を含むことができる。
【0126】
組付け済のアッパー2500は、着用者の足を収容する空洞を画定することができる。言い換えると、組付け済のアッパー2500は、空洞を画定する内側面を画定することができる。着用者の足が空洞内に収容されると、組付け済のアッパー2500は、その着用者の足を少なくとも部分的に格納して包み込むことができる。組付け済のアッパー2500は、足首領域2114を取り囲んでもよいカラー2516も含むことができる。カラー2516は、空洞からの足の出し入れ中の着用者の足の通過を可能にするように構成されている開口部を含むことができる。
【0127】
ニット構成要素を組み込んだ組付け済のアッパー2500は、方向性の違い、間隔、ストランド、サイズ、および織物状区域および/またはチューブ状リブ構造の構成を含む、リブ状形状構成から成るさまざまな構成を含んでもよい。いくつかの実施形態において、リブ状形状構成は、支配的な方向性に従うニット構成要素の部分にわたって、ストライプまたはラインのパターンを形成することができる。他の実施形態では、リブ状形状構成の方向性は、1つの方向においては、組付け済のアッパー2500の1つの部分にわたっていてもよく、および別の方向においては、組付け済のアッパー2500の異なる部分にわたっていてもよい。アッパー2500の異なる部分に沿ったリブ状形状構成の方向性は、各領域において、構造的補強および弾性が向上している履物2512を提供するのに役に立つ方向で構成してもよい。
【0128】
図25図27は、履物2512の組付け済のアッパー2500に沿ったリブ状形状構成の、可能性のある方向性を示す。他の実施形態では、リブ状形状構成は、図25図27の実施形態とは異ならせて方向付けることができることに留意すべきである。図25に示す実施形態では、組付け済のアッパー2500の5つのゾーンは、チューブ状リブ構造1802および織物状区域1800の方向性および間隔のバリエーションを説明するために拡大されている。
【0129】
第1ゾーン2502では、チューブ状リブ構造1802および織物状区域1800は、それらがかかと領域2104から延びて、履物2512の外側側部2108に沿って下方向に、および中足領域2102に向かって概して対角線上に移るにつれて、ある角度で方向付けられている。チューブ状リブ構造1802および織物状区域1800の幅は、大略的に一定であり、および大略的には同じサイズから成っている。
【0130】
第2ゾーン2504では、チューブ状リブ構造1802および織物状区域1800は、それらがかかと領域2104から延びて、外側側部2108に沿って下方向に、および第2の端部2006に向かって概して対角線上に移るにつれて、ある角度で方向付けられている。この場合、チューブ状リブ構造1802および織物状区域1800の幅は大略的には一定であるが、織物状区域1800は、第1ゾーン2502の織物状区域よりも実質的により狭くなっている。
【0131】
第3ゾーン2506では、見る人が履物2512を上から見ている場合、チューブ状リブ構造1802および織物状区域1800は、それらが、バンプ領域2106に沿って足先領域2112に向かって延びるように概して対角線上に、前方におよび外側側部2109に向かって延びている。この場合、織物状区域1800は、2つの異なる幅を含んでいる。第1の幅1804の織物状区域1800は、第2の幅1810の織物状区域1800よりも、実質的により狭くなっている。さらに、チューブ状リブ構造1802は、第1の幅1810の織物状区域1800に隣接する区域において広がっている。他の実施形態では、チューブ状リブ構造1802は、実質的に一定の幅のままでもよいが、織物状区域1800は、さまざまな幅の区域を含んでいる。いくつかの実施形態において、チューブ状リブ構造1802は、組付け済のアッパー2500のいくつかの区域では変わってもよいが、織物状区域1800は、同じ区域において、実質的に一定の幅のままである。
【0132】
第4ゾーン2508では、見る人が履物2512を上から見ている場合、チューブ状リブ構造1802および織物状区域1800は、それらが、バンプ領域2106に沿って足先領域2112に向かって延びるように概して対角線上に、前方におよび外側側部2109に向かって延びている。この場合、チューブ状リブ構造1802および織物状区域1800の幅は大略的に一定であるが、織物状区域1800は、チューブ状リブ構造1802よりも、実質的により狭くなっている。さらに、第4ゾーン2508におけるチューブ状リブ構造1802の幅は、第1ゾーン2502におけるチューブ状リブ構造1802の幅よりも小さいように見える可能性がある。
【0133】
第5ゾーン2510では、見る人が履物2512を上から見ている場合、チューブ状リブ構造1802および織物状区域1800は、それらが、バンプ領域2106に沿って足先領域2112に向かって延びるように概して対角線上に、前方におよび外側側部2109に向かって延びている。この場合、チューブ状リブ構造1802および織物状区域1800の幅は大略的に一定であるが、織物状区域1800は、見る人にそれらが見えなくてもよい程度に狭くなっている。この場合、織物状区域1800は、1つまたは2つのみのウェブコースを備えていてもよい。したがって、場合によっては、チューブ状リブ構造1802は、互いに直接的に隣接しているように見えてもよい。
【0134】
異なる実施形態では、第1ゾーン2502、第2ゾーン2504、第3ゾーン2506、第4ゾーン2508および第5ゾーン2510に関連するリブ状形状構成から成る構成は、履物2512を支持して弾性を与えることができる特定の方向性を備えていてもよい。たとえば、第1ゾーン2502および第2ゾーン2504はともに、ニット構成要素2002の第4の部分2028に相当する、チューブ状リブ構造1802および織物状区域1800の実施形態を示す。そのため、ニット構成要素2002が、組付け済のアッパー2500に組み込まれた場合、第4の部分2028に含まれているリブ状形状構成は、「第4の方向性」に関連する方向に従うと見なすことができる。第4の方向性という用語は、この明細書およびクレームを通して用いる場合、第3の境界2038に沿って設けられたチューブ状リブ構造が、組付け済のアッパー2500の第2の端部2006に沿って設けられたチューブ状リブ構造の位置に対して後方および上方に配設されているリブ状形状構成から成る構成を指す。
【0135】
さらに、第3ゾーン2506、第4ゾーン2508および第5ゾーン2510は併せて、ニット構成要素2002の第1の部分2022に相当する、チューブ状リブ構造1802および織物状区域1800から成る実施形態を示す。そのため、ニット構成要素2002が、組付け済のアッパー2500に組み込まれた場合、第1の部分2022に含まれているリブ状形状構成は、「第1の方向性」に関連する方向に従うと見なすことができる。第1の方向性という用語は、この明細書およびクレームを通して用いる場合、(図25図27において、第4の部分2028およびカラー2516の背後に隠れている)第1の端部2004に沿って設けられているチューブ状リブ構造が、組付け済のアッパー2500の第1の境界2034に沿って設けられたチューブ状リブ構造の位置に対して前方に、および、より外側側部2108に向かって配設されているリブ状形状構成から成る構成を指す。また、第1の部分2022におけるリブ状形状構成の第1の方向性は、第4の部分2028におけるリブ状形状構成の第4の方向性とは異なっていることが、見て分かる。当然、他の部分を、第1の方向性および/または第4の方向性と同様であってもよい、または異なっていてもよいさらに他の方向性と関連付けてもよい。
【0136】
図26では、組付け済のアッパー2500の4つのゾーンは、チューブ状リブ構造および織物状区域の方向性および間隔のバリエーション、ならびに可能性のある材料の違いを説明するために拡大されている。第6ゾーン2600では、この区域において、内側側部2110に沿ってソール2514の周囲の湾曲に対して相対的に平行に延びているように方向付けられたチューブ状リブ構造1802および織物状区域1800は、足先領域2112から中足領域2102に向かって延びている。チューブ状リブ構造1802および織物状区域1800の幅は、大略的に一定であり、実質的に同じサイズから成っている。
【0137】
第7ゾーン2602では、この区域において、内側側部2110に沿ってソール2514の周囲の湾曲に対して相対的に平行に延びているように方向付けられたチューブ状リブ構造1802および織物状区域1800は、中足領域2102からかかと領域2104に向かって延びている。この場合、チューブ状リブ構造1802および織物状区域1800の幅は大略的に一定であるが、織物状区域1800は、第6ゾーン2600の織物状区域1800よりも実質的に狭くなっている。
【0138】
第8ゾーン2604では、チューブ状リブ構造1802および織物状区域1800は、かかと領域2104の内側側部2110に沿って後方向に延び、およびこの区域において、内側側部2110に沿ってソール2514の周囲の湾曲に対して相対的に平行に方向付けられている。この場合、織物状区域1800は、2つの異なる幅を含む。第1の幅1804を有する織物状区域1800は、第2の幅1810を有する織物状区域1800よりも実質的に幅広になっている。さらに、チューブ状リブ構造1802は、第2の幅1810を有する織物状区域1800に隣接する区域において、より幅広になっている。他の実施形態では、チューブ状リブ構造1802は、実質的に一定の幅のままでもよいが、織物状区域1800は、さまざまな幅の区域を含んでいる。いくつかの実施形態において、チューブ状リブ構造1802は、組付け済のアッパー2500のいくつかの区域では幅が変わってもよいが、織物状区域1800は、同じ区域において、実質的に一定の幅のままである。他の実施形態では、チューブ状リブ構造1802および織物状区域1800はともに、同じ区域において、幅が変わってもよい。
【0139】
異なる実施形態では、第6ゾーン2600、第7ゾーン2602、第8ゾーン2604および第9ゾーン2606に関連するリブ状形状構成から成る構成は、履物2512を支持して弾性を与えることができる特定の方向性を備えていてもよい。たとえば、第6ゾーン2600、第7ゾーン2602および第8ゾーン2604は、ニット構成要素2002の第2の部分2024に相当する、チューブ状リブ構造1802および織物状区域1800の実施形態を示す。そのため、ニット構成要素2002が、組付け済のアッパー2500に組み込まれた場合、第2の部分2024に含まれているリブ状形状構成は、「第2の方向性」に関連する方向に従うと見なすことができる。第2の方向性という用語は、この明細書およびクレームを通して用いる場合、第1の境界2034に沿って設けられたチューブ状リブ構造が、組付け済のアッパー2500の第2の境界2036に沿って設けられたチューブ状リブ構造の位置に対して前方に配設されているリブ状形状構成から成る構成を指す。
【0140】
第9ゾーン2606では、カラー部2014の1つの区域が、この区域におけるニット構造の1つの可能性のある実施形態を示すように拡大されている。いくつかの実施形態において、カラー部2014は、リブ状形状構成を含んでもよい。他の実施形態では、カラー部2014は、リブ状形状構成を含んでいないニット材料から成っていてもよい。図26に示す1つの実施形態において、カラー部2014は、メッシュ領域を含む。いくつかの実施形態において、カラー部2014は、着用者の足首への履物2512の固定を容易にしてもよい。
【0141】
図27では、組付け済のアッパー2500の2つのゾーンは、チューブ状リブ構造および織物状区域の方向性および間隔のバリエーション、ならびに可能性のある材料の違いを説明するために拡大されている。第10ゾーン2700では、チューブ状リブ構造1802および織物状区域1800は、内側側部2110から外側側部2108に向かって延び、およびこの区域において、かかと領域2104に沿ってソール2514の周囲の湾曲に対して相対的に平行に方向付けられている。この場合、チューブ状リブ構造1802および織物状区域1800の幅は、大略的に一定であるが、織物状区域1800は、チューブ状リブ構造1802よりも狭くなっている。
【0142】
第11ゾーン2702では、カラー部2014の1つの区域は、この区域において、ニット構造の1つの可能性のある実施形態を示すように拡大されている。いくつかの実施形態において、カラー部2014は、さまざまなコースおよびウェールを画定する複数のインターメッシュループを備えていてもよい。すなわち、ニット要素は、さまざまな質感および構造を有するニット布地から成る構造を有していてもよい。たとえば、第11ゾーン2702では、カラー部2014に、ニットメッシュ部2704、およびニットソリッド部2706が存在している。
【0143】
異なる実施形態では、第10ゾーン2700に関連するリブ状形状構成から成る構成は、履物2512を支持して弾性を与えることができる特定の方向性を備えていてもよい。たとえば、第10ゾーン2700は、ニット構成要素2002の第3の部分2026に相当する、チューブ状リブ構造1802および織物状区域1800の実施形態を示す。そのため、ニット構成要素2002が、組付け済のアッパー2500に組み込まれた場合、第3の部分2026に含まれているリブ状形状構成は、「第3の方向性」に関連する方向に従うと見なすことができる。第3の方向性という用語は、この明細書およびクレームを通して用いる場合、第2の境界2036に沿って設けられたチューブ状リブ構造が、組付け済のアッパー2500の第3の境界2038に沿って設けられたチューブ状リブ構造の位置に対して、より内側側部2110に向かって配設され、およびチューブ状リブ構造が、かかと領域2104に沿って、ソール2514の周囲に実質的に平行になっているリブ状形状構成から成る構成を指す。
【0144】
履物製品2512の異なる領域におけるリブ状形状構成のさまざまな方向性は、向上した支持、安定性、制御性および耐久性を着用者に与えることができる。チューブ状リブ構造および織物状区域の構成は、より良好なパフォーマンス、アジリティおよび柔軟性を増進させることができる。具体的には、リブ状形状構成の部分が、外側側部2108のソール2514の周囲からバンプ領域2106を越えて通り、内側側部2110に向かって延びている場合、足が左右に動く際に、着用者は、追加的な支持、構造的補強およびクッション性を有する可能性がある。横方向の支持は、リブ状形状構成が、外側側部2108に沿った変形に耐える際に増加し、着用者が、さまざまなプレー、たとえば、横方向のカッティング動作を行う際に、その着用者がより良いパフォーマンスを行うことを可能にしている。また、リブ状形状構成の特定の方向性は、足の良好な回内運動制御をもたらす可能性がある。このことは、組付け済のアッパー2500に含まれているニット構成要素2002が、前述したように、長手方向102よりも、横方向104に沿って、より大きな伸張の能力を有しているということに、ある程度依存している。
【0145】
さらに、ニット構成要素が、チューブ状リブ構造の中を通って設けられた1つ以上の伸張性要素、たとえば、ニット構成要素2002の伸張性要素2018を含む実施形態では、それらの伸張性要素はさらに、チューブ状リブ構造の方向付けによって配置される際に、伸張性要素の方向に従う、伸張に対する支持および抵抗を与える。この構成の場合、伸張性要素2018を含むニット構成要素2002の部分は、外側側部2108に沿って、追加的な横方向の支持を与えて、着用者が、さまざまなプレー、たとえば、横方向のカッティング動作を行う際に、その着用者がより良いパフォーマンスを行うことを可能にするように構成してもよい。また、いくつかの実施形態では、ニット構成要素2002の特定のチューブ状リブ構造内での伸張性要素2018の選択的包含または欠如は、完成した履物製品の所望の部分における、ある程度の伸張または変形を可能にする。
【0146】
かかと領域2104は、同様の方法で支持され、この場合、リブ状形状構成は、ソール2514の周囲に平行に向けられている。その結果、当該領域の長手方向102における伸張の能力が、横方向104における伸張に対して制限されるため、かかとが動いている間、着用者に対して、より大きな安定性および制御性が存在する。また、着用者には、高いアジリティももたらされる可能性がある。たとえば、アーチ区域および母指球区域における足の湾曲に関連する組付け済のアッパー2500の区域に設けられたリブ状形状構成は、より大きな柔軟性をもたらすように方向付けられているため、着用者は、曲げ動作中に、より良好な反応性および快適性を実感できる。組付け済のアッパー2500に関して利用可能な全体的な構造的強化は、支持および制御性の両方の向上、ならびに曲げ動作中のより大きな安定性をもたらすのに役に立つ可能性がある。
【0147】
図25図27の実施形態は、例示にすぎず、および、ニット構成要素を含むアッパーの1つの実施形態を示しているにすぎないことを理解すべきである。他の実施形態では、組付け済のアッパー2500のリブ状形状構成の形状、長さ、厚さ、幅、構成、方向付けおよび密度は変えてもよい。
【0148】
他の製品も、ニット構成要素100を同様に含むことができる。たとえば、ニット構成要素100は、衣料製品のストラップまたは他の部分に含めることができる。他の実施形態では、ニット構成要素100はさらに、バッグまたは他の入れ物用のストラップに含めることができる。いくつかの実施形態では、入れ物製品は、ダッフルバッグと同様の1つ以上の形状構成を含むことができる。他の実施形態では、入れ物製品は、リュックサックまたは他の入れ物と同様の形状構成を含むことができる。リブ状形状構成は、ストラップが、入れ物本体から負荷を受けたときに、ストラップが長くなることを可能にするように弾性的に変形することができる。いくつかの実施形態において、リブ状形状構成は、周期的負荷を減衰させることができる。また、リブ状形状構成は、ストラップが、ユーザの体に適合すること、および/またはクッション性を与えることを可能にするように、圧縮時に変形することができる。追加的な実施形態は、衣料製品へのニット構成要素100の組み込みを含んでもよい。衣料製品は、スポーツブラ、シャツ、ヘッドバンド、靴下または他の製品を含む、いずれかの適当なタイプとすることができることは正しく認識されるであろう。ニット構成要素100を組み込んだ衣料製品の利用により、着用者が、バランス、快適性、グリップ、支持およびその他の機能の向上を実感できる可能性がある。
【0149】
さらに、本願明細書において説明したタイプのニット構成要素を、他の製品にも同様に組み込むことができることは正しく認識されるであろう。たとえば、いくつかの実施形態において、ニット構成要素100は、縁のある帽子、縁のない帽子またはヘルメットに含めることができる。いくつかの実施形態において、ニット構成要素100は、縁のある帽子、縁のない帽子またはヘルメット用のライナーとすることができる。したがって、ニット構成要素100の弾性は、製品を着用者の頭に適合させるのに役に立つ、縁のある帽子、縁のない帽子またはヘルメットを可能にする。また、ニット構成要素100は、着用者の頭のためのクッション性をもたらすこともできる。
【0150】
1つの態様において、一体ニット構造で形成されたニット構成要素が提供される。そのニット構成要素は、第1のヤーンから形成された複数のコースを含む複数の織物状区域を備えることができる。
【0151】
織物状区域は、ニュートラル位置と延びた位置との間で動くように構成することができる。織物状区域は、ニュートラル位置に向かって動くように付勢することができる。さらに、織物状区域は、織物状区域に印加される力に応答して、延びた位置に向かって伸張するように構成することができる。
【0152】
ニット構成要素は、織物状区域に隣接している複数のチューブ状リブ構造をさらに備えることができる。チューブ状リブ構造は、第2のヤーンから形成された複数のコースを含むことができる。複数のチューブ状リブ構造は、(i)同じ広がりを有して重なっている2つのニット層と、(ii)それら2つのニット層の間に中空を形成するように、大略的に固定されていない中央区域とを備えることができる。
【0153】
ニット構成要素は、長手方向および横方向に関連付けることができる。複数の織物状区域および複数のチューブ状リブ構造は、長手方向に沿って延びることができる。
【0154】
複数の織物状区域と複数のチューブ状リブ構造とを、横方向に離間させることができる。ニット構成要素は、ニュートラル位置と伸張した位置との間で、横方向に伸張するように構成することができる。ニット構成要素は、ニュートラル位置に向かって付勢することができる。
【0155】
複数の織物状区域および複数のチューブ状リブ構造は、ニット構成要素の大部分にわたって交互に配置することができる。
【0156】
ニット構成要素は、第1の部分および第2の部分をさらに備えることができる。第1の部分および第2の部分は、少なくとも1つの織物状区域を共通して含んでもよい。第1の部分の少なくとも1つの織物状区域を形成しているコースの数は、第2の部分の少なくとも1つの織物状区域を形成しているコースの数よりも少なくすることができる。
【0157】
複数のチューブ状リブ構造の少なくとも1つのチューブ状リブ構造は、2つのニット層の間の中空内の、中央の固定されていない区域に設けられた伸張性要素を含むことができる。
【0158】
ニット構成要素は、少なくとも第1の織物状区域および第2の織物状区域を含む複数の織物状区域を備えることができる。
【0159】
複数のチューブ状リブ構造は、少なくとも第1のチューブ状リブ構造および第2のチューブ状リブ構造を含むことができる。第1のチューブ状リブ構造は、第1の湾曲部および第2の湾曲部を含んでもよい。第1の湾曲部と第2の湾曲部とを、第1の縁部に沿って接合することができ、また、第1の湾曲部と第2の湾曲部とを、第2の縁部に沿って接合することができる。
【0160】
第1の織物状区域は、第1のチューブ状リブ構造の第1の縁部に隣接させることができる。第2の織物状区域は、第1のチューブ状リブ構造の第2の縁部に隣接させることができる。第2のチューブ状リブ構造は、第3の湾曲部および第4の湾曲部を含むことができる。第3の湾曲部と第4の湾曲部とを、第3の縁部に沿って接合することができ、また、第3の湾曲部と第4の湾曲部とを、第4の縁部に沿って接合することができる。
【0161】
第2の織物状区域は、第2のチューブ状リブ構造の第3の縁部に隣接させることができる。
【0162】
複数の織物状区域は、フロントジャージーニットパターンおよびリバースジャージーニットパターンの一方を含んでもよい。
【0163】
1つの態様においては、履物製品が提供される。履物製品は、ソールと、ソールに取り付けられているアッパーとを備えることができる。アッパーは、一体ニット構造で形成されたニット構成要素を含むことができる。
【0164】
ニット構成要素は、複数の織物状区域および複数のチューブ状リブ構造を備えることができ、複数の織物状区域は、第1のヤーンで形成された複数のコースを含み、チューブ状リブ構造は、第2のヤーンで形成された複数のコースを含む。
【0165】
チューブ状リブ構造は、織物状区域に隣接して設けることができる。複数のチューブ状リブ構造は、(i)同じ広がりを有して重なっている2つのニット層と、(ii)それら2つのニット層の間に中空を形成するように、大略的に固定されていない中央区域とを備えることができる。
【0166】
織物状区域は、ニュートラル位置と延びた位置との間で動くように構成することができる。織物状区域は、ニュートラル位置に向かって動くように付勢することができる。
【0167】
織物状区域は、織物状区域に印加される力に応答して、ニュートラル位置から、延びた位置へ伸張するように構成することができる。
【0168】
第1のヤーンと第2のヤーンとは、異ならせることができる。
【0169】
第1のヤーンで形成された複数の織物状区域のうちの1つの少なくとも1つのコースは、第2のヤーンで形成された複数のチューブ状リブ構造のうちの1つの少なくとも1つのコースに接続することができる。
【0170】
アッパーは、バンプ領域および内側側部をさらに含むことができ、バンプ領域に沿って設けられた複数の織物状区域および複数のチューブ状リブ構造は、第1の方向性に沿って整列させることができ、内側側部に沿って設けられた複数の織物状区域および複数のチューブ状リブ構造は、第1の方向性とは異なる第2の方向性に沿って整列させることができる。
【0171】
アッパーは、かかと領域を含むことができ、かかと領域に沿って設けられた複数の織物状区域および複数のチューブ状リブ構造は、第1の方向性とも第2の方向性とも異なる第3の方向性に沿って整列させることができる。
【0172】
ニット構成要素は、スロート部と、スロート開口部と、下方領域と、第1の端部と、第2の端部とを含むことができる。
【0173】
下方領域の複数の織物状区域および複数のチューブ状リブ構造は、ニット構成要素の第1の端部から、ニット構成要素の第2の端部まで延びていることができる。
【0174】
カラー部の複数の織物状区域および複数のチューブ状リブ構造は、ニット構成要素の第1の端部から、ニット構成要素のスロート開口部に沿った区域まで延びていることができる。
【0175】
下方領域の複数のチューブ状リブ構造のうちの少なくとも1つは、2つのニット層の間の中空内の、中央の固定されていない区域内に設けられた伸張性要素を含むことができる。
【0176】
複数の織物状区域は、第1の織物状区域および第2の織物状区域を備えることができる。第1の織物状区域は、第1の幅を有してもよく、また、第2の織物状区域は、第2の幅を有してもよい。第1の幅は、第2の幅よりも小さくすることができる。
【0177】
複数の織物状区域および複数のチューブ状リブ構造は、ニット構成要素の大部分にわたって交互に配置することができる。
【0178】
本発明は、一体ニット構造で形成されたニット構成要素を製造する方法も提供する。
【0179】
したがって、第1の複数のコースは、ニット構成要素の第1の織物状区域を画定するように編むことができる。ニット構成要素は、長手方向および横方向に関連付けることができる。
【0180】
第1の織物状区域は、ニュートラル位置と延びた位置との間で動くように構成することができる。
【0181】
第1の織物状区域は、ニュートラル位置に向かって付勢することができる。
【0182】
第1の織物状区域は、第1の織物状区域に印加される力に応答して、第1の織物状区域の延びた位置に向かって横方向に伸張するように構成することができる。
【0183】
第1の複数のコースを編むことは、ニット構成要素の長手方向に沿って、第1の複数のコースを延ばすことを含むことができる。
【0184】
第2の複数のコースを編むことは、ニット構成要素の第1のチューブ状リブ構造を画定することを含むことができる。
【0185】
第1の複数のコースのうちの少なくとも1つは、一体ニット構造の第1の織物状区域および第1のチューブ状構造を形成するように、第2の複数のコースのうちの少なくとも1つと接合することができる。
【0186】
第2の複数のコースを編むことは、ニット構成要素の長手方向に沿って、第2の複数のコースを編むことを含んでもよい。
【0187】
第1のチューブ状リブ構造を画定するように第2の複数のコースを編むステップは、2つの同一の広がりを有して重なっているニット層を編むことと、2つのニット層の間に中空を形成するように大略的に固定されていない第1のチューブ状リブ構造の中央区域を設けることとをさらに含むことができる。
【0188】
上記方法は、第1のチューブ状リブ構造の中央区域の中空内に伸張性要素を挿入するステップを含んでもよい。
【0189】
第1の織物状区域を編むことは、第1のヤーンで第1の織物状区域を編むことを含んでもよい。第1のチューブ状リブ構造を編むことは、第2のヤーンで第1のチューブ状構造を編むことを含むことができ、第2のヤーンは、第1のヤーンとは異なっている。
【0190】
上記方法は、第1の織物状区域と実質的に同様である第2の織物状区域を編むことと、第1のチューブ状リブ構造と実質的に同様である第2のチューブ状リブ構造を編むこととをさらに含むことができる。
【0191】
第1のチューブ状リブ構造は、横方向において、第1の織物状区域に隣接して配置することができる。第1の織物状区域は、横方向において、第1のチューブ状リブ構造と第2のチューブ状リブ構造との間に配置することができ、また、第2のチューブ状リブ構造は、横方向において、第2の織物状区域に隣接して配置することができる。
【0192】
第1の織物状区域、第1のチューブ状リブ構造、第2の織物状区域および第2のチューブ状リブ構造は、一体ニット構造で形成することができる。
【0193】
上記の態様は、アッパーに使用する材料要素の数を減らすのに役に立ち、そのため、アッパーの製造効率およびリサイクル性を高めながら、廃棄物を減らすことができる。
【0194】
要約すると、本開示のニット構成要素は、弾性にすることができ、およびさまざまな種類の負荷の下で変形することができる。この弾性は、たとえば、製品をより快適に着用できるように、クッション性をもたらすことができる。また、この弾性は、製品が、伸張し、および元の幅に戻って復元することを可能にする。したがって、いくつかの実施形態では、ニット構成要素は、製品が、着用者の体に適合すること、および/または負荷を減衰させることを可能にする。さらに、ニット構成要素は、効率的に製造し、および組み立てることができる。
【0195】
本開示のさまざまな実施形態について説明してきたが、その説明は、限定的であるというよりも、例示的であることが意図されており、また、当業者には、本開示の範囲内において、より多くの実施形態および実施態様が可能であることは明らかであろう。したがって、本開示は、添付クレームおよびそれらの等価物の観点を除いて限定すべきではない。また、さまざまな変更および変形を、添付クレームの範囲内で行うことができる。前述のクレームを参照する場合の「いずれかの」という用語は、クレームにおいて用いる場合、(i)いずれか一項、または、(ii)参照される2つ以上のクレームのいずれかの組合せを意味することが意図されている。
【0196】
これとは別に、別の態様では、製品は、第1のヤーンから形成された複数のコースを含む複数の織物状区域を備えてもよい。
【0197】
織物状区域は、ニュートラル位置と延びた位置との間で動くように構成することができ、織物状区域は、ニュートラル位置に向かって動くように付勢されている。
【0198】
製品は、織物状区域に隣接している複数のチューブ状構造を備えていてもよく、チューブ状構造は、複数のコースを含んでいる。
【0199】
織物状区域またはチューブ状リブ構造の少なくとも1つは、構成要素に印加される力に応答して、織物状区域を延びた位置へ動かすように伸張するように構成することができる。
【0200】
複数のチューブ状構造は、第2のヤーンで形成された複数のコースを含むことができ、第2のヤーンは、第1のヤーンとは異なっている。
【0201】
複数のチューブ状構造は、(i)同じ広がりを有して重なっている2つのニット層と、(ii)それら2つのニット層の間に中空を形成するように、大略的に固定されていない中央区域とを備えることができる。
【0202】
製品は、ニット構成要素を含むことができ、ニット構成要素は、複数の織物状区域および複数のチューブ状構造を備えている。
【0203】
ニット構成要素は、一体ニット構造で形成することができる。
【0204】
複数のチューブ状構造の少なくとも1つのチューブ状構造は、2つのニット層の間の中
空内の、中央の固定されていない区域内に設けられた伸張性要素を含むことができる。
【0205】
別の態様では、アッパーを設けてもよく、アッパーは、複数の織物状区域および複数のチューブ状リブ構造を備え、複数の織物状区域は、第1のヤーンから形成された複数のコースを含んでいる。
【0206】
チューブ状リブ構造は、織物状区域に隣接して配置することができる。
【0207】
織物状区域は、ニュートラル位置と延びた位置との間で動くように構成することができ、織物状区域は、ニュートラル位置に向かって動くように付勢されている。
【0208】
織物状区域およびチューブ状リブ構造の少なくとも1つは、アッパーに印加される力に応答して、ニュートラル位置から、延びた位置へ伸張するように構成することができる。
【0209】
複数のチューブ状リブ構造は、第2のヤーンから形成された複数のコースを含むことができ、第2のヤーンは、第1のヤーンとは異なっている。
【0210】
複数のチューブ状リブ構造は、(i)同じ広がりを有して重なっている2つのニット層と、(ii)それら2つのニット層の間に中空を形成するように、大略的に固定されていない中央区域とを備えることができる。
【0211】
製品は、ニット構成要素を含むことができ、ニット構成要素は、複数の織物状区域および複数のチューブ状リブ構造を備えている。
【0212】
ニット構成要素は、一体ニット構造で形成することができる。
【0213】
複数のチューブ状構造のうちの少なくとも1つのチューブ状構造は、2つのニット層の間の中空内の、中央の固定されていない区域内に設けられた伸張性要素を含むことができる。
図1
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図10A
図10B
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【外国語明細書】