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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022084923
(43)【公開日】2022-06-07
(54)【発明の名称】生検部位マーカー
(51)【国際特許分類】
   A61B 10/02 20060101AFI20220531BHJP
【FI】
A61B10/02 300Z
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022058961
(22)【出願日】2022-03-31
(62)【分割の表示】P 2020030882の分割
【原出願日】2015-10-08
(31)【優先権主張番号】62/061,586
(32)【優先日】2014-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515259878
【氏名又は名称】デヴィコア メディカル プロダクツ,インク.
【氏名又は名称原語表記】DEVICOR MEDICAL PRODUCTS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100126561
【弁理士】
【氏名又は名称】原嶋 成時郎
(72)【発明者】
【氏名】ラモス,ラモン アルベルト
(72)【発明者】
【氏名】ラインバッハ,ジェシカ ピゾハ
(72)【発明者】
【氏名】ロビンソン,アンドリュー トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ペイン,グウェンドリン ペレッツ
(72)【発明者】
【氏名】ケラー,ブライアン ロバート
(57)【要約】
【課題】生検部位マーカーを提供する。
【解決手段】組織のマーキング装置は、(a)末端部と、前記末端部に近位して配置した側面開口とを含むカニューレと、(b)前記カニューレの内部で延設されて、作動前状態から作動状態に移行するように構成したフレキシブル展開部を画定するロッドと、(c)前記ロッドが前記フレキシブル展開部を前記作動状態に移行させるように構成したことにより、前記側面開口を通って排出される生検部位マーカーと、を備える。
【選択図】図22
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織のマーキング装置であって、
(a)末端部と、前記末端部に近位して配置した側面開口とを含むカニューレと、
(b)前記カニューレの内部で延設されて、作動前状態から作動状態に移行するように構成したフレキシブル展開部を画定するロッドと、
(c)前記ロッドが前記フレキシブル展開部を前記作動状態に移行させるように構成したことにより、前記側面開口を通って排出される生検部位マーカーと、を備え、
前記フレキシブル展開部が、前記ロッドの末端部に近位するとともに前記生検部位マーカーの側方に位置するノッチを含み、
前記ノッチは、前記生検部位マーカーを固定する、
ことを特徴とする組織のマーキング装置。
【請求項2】
前記フレキシブル展開部は、1つまたは2つ以上の所定の位置で該フレキシブル展開部を変形させるように構成した1つまたは2つ以上のひだを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のマーキング装置。
【請求項3】
前記フレキシブル展開部は、1つまたは2つ以上の所定の位置で該フレキシブル展開部を変形させるように構成した1つまたは2つ以上のノッチを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のマーキング装置。
【請求項4】
前記フレキシブル展開部は、前記ロッドの並進に応答して座屈することにより、前記生検部位マーカーを前記側面開口から排出するように構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載のマーキング装置。
【請求項5】
前記フレキシブル展開部は、該フレキシブル展開部が前記作動前状態であるときに、前記ロッドによって画定される長手軸に沿って整列している、
ことを特徴とする請求項4に記載のマーキング装置。
【請求項6】
前記フレキシブル展開部は、前記カニューレの内部で前記ロッドの末端部が並進すると、前記作動前状態から前記作動状態に移行するように構成される、
ことを特徴とする請求項4に記載のマーキング装置。
【請求項7】
前記フレキシブル展開部は前記側面開口と対向し得るように配置されるとともに、該フレキシブル展開部は、該フレキシブル展開部が前記作動前状態であるときに前記生検部位マーカーを前記カニューレの内部に収納させるように構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載のマーキング装置。
【請求項8】
前記フレキシブル展開部は、前記ロッドと一体化されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のマーキング装置。
【請求項9】
前記フレキシブル展開部は1つまたは2つ以上のひだを含み、
前記1つまたは2つ以上のひだはそれぞれ、該フレキシブル展開部に弱い箇所を付与することにより、該フレキシブル展開部が前記ロッドによって長手方向に圧縮されると、所定の形状に変形させることができるように構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載のマーキング装置。
【請求項10】
側面開口を含むカニューレを用いたマーカー送達装置であって、
(a)前記カニューレの内部で前記側面開口に対して移動するように構成したロッドと、
(b)前記ロッドの長手軸に沿う真っ直ぐな形状を有するとともに、前記ロッドの移動に応答して前記真っ直ぐな形状から変形して生検部位マーカーを前記カニューレの前記側面開口から排出するように構成した、フレキシブル展開部と、を備え、
前記フレキシブル展開部は、前記ロッドと一体であり、前記生検部位マーカーと解放可能に係合する、
ことを特徴とするマーカー送達装置。
【請求項11】
前記フレキシブル展開部は、前記ロッドに固定されて該ロッドから延設され、該ロッドの末端部の並進に応答して該ロッドの前記長手軸に対して曲がって変形するように構成される、
ことを特徴とする請求項10に記載のマーカー送達装置。
【請求項12】
前記ロッドは、前記カニューレの内部で並進して前記フレキシブル展開部を長手方向に圧縮することによって前記カニューレの長手軸に対して曲げることにより、前記生検部位マーカーを前記側面開口から排出するように構成される、
ことを特徴とする請求項10に記載のマーカー送達装置。
【請求項13】
前記フレキシブル展開部は、前記生検部位マーカーを固定するノッチを含む、
ことを特徴とする請求項10に記載のマーカー送達装置。
【請求項14】
前記フレキシブル展開部は、該フレキシブル展開部が前記ロッドによって長手方向に圧縮されると、該フレキシブル展開部が複数の所定の箇所で変形されるように構成した複数のひだをさらに含む、
ことを特徴とする請求項13に記載のマーカー送達装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生検部位マーカーに関する。
【0002】
本出願は、本出願の譲受人に譲渡され、本明細書にその全体が参照文献として引用された、2014年10月8日に出願された米国仮出願番号62/061,586号「生検マーカー(BIOPSY MARKER)」に対して優先権を主張する。
【背景技術】
【0003】
生検サンプルは、多様な装置を使用して多様な医療施術で多様な方法で得られる。生検装置は、単純な視覚誘導(visual guidance)、促進誘導(palpatory guidance)、定位誘導(stereotactic guidance)、超音波誘導(ultrasound guidance)、MRI誘導、PEM誘導、BSGI誘導下で使用されることができ、又はその他の場合に使用されることができる。例えば、一部の生検装置は、患者から1つ以上の生検サンプルを採取するために一回の挿入でユーザが片手を使用して完全に操作できる。また、一部の生検装置は、例えば、流体(例えば、加圧空気、食塩水、大気、真空等)の伝達のために、電力の伝達のために、及び/又は命令の伝達などのために、真空モジュール及び/又は制御モジュールにテザリングされ得る(tethered)。その他の生検装置は、テザリングされることなく、又は他の装置と接続されて、完全に又は少なくとも部分的に作動可能である。
【0004】
単に例示的な生検装置及び生検システム構成要素は、1996年6月18日に発行された「自動化された生検及び軟組織採取方法及び装置」という名称の米国特許第5,526,822号;1999年7月27日に発行された「自動化された生検及び軟組織採取装置」という名称の米国特許第5,928,164号;2000年1月25日に発行された「自動化された生検装置用真空制御システム及び方法」という名称の米国特許第6,017,316号;2000年7月11日に発行された「自動化された手術生検装置のための制御装置」という名称の米国特許第6,086,544号;2000年12月19日に発行された「外科用流体採取装置」という名称の米国特許第6,162,187号;2002年8月13日に発行された「作動モードの選択のための遠隔制御を有する外科用生検システムを使用する方法」という名称の米国特許第6,432,065号;2003年9月11日に発行された「MRI互換外科的生検装置」という名称の米国特許第6,626,849号;2004年6月22日に発行された「手術モードの選択のための遠隔制御が可能な手術生検システム」という名称の米国特許第6,752,768号;2004年6月22日に発行された「外科的生検装置用遠隔サムホイール」という名称の米国特許第7,442,171号;2010年1月19日に発行された「手動で回転可能なピアス」という名称の米国特許第7,648,466号;2010年11月23日に発行された「生検装置組織ポート調整」という名称の米国特許第7,837,632号;2010年12月1日に発行された「テザーレス(Tetherless)生検装置のためのクラッチ及びバルブシステム」という名称の米国特許第7,854,706号;2011年3月29日に発行された「手術モードを選択するための遠隔制御を有する手術生検システム」という名称の米国特許第7,914,464号;2011年5月10日に発行された「生検装置のための真空タイミングアルゴリズム」という名称の米国特許第7,938,786号;2011年12月21日に発行された「回転可能にリンクされたサムホイール及び組織サンプルホルダを有する組織生検装置」という名称の米国特許第8,083,687号;及び2012年2月21日に発行された「生検サンプル保管」という名称の米国特許第8,118,755号がある。上記引用された米国特許の各々の開示は本願に参照として含まれる。
【0005】
いくつかの形態で、今後参照するために生検部位の位置をマークすることが好ましい場合がある。例えば、生検部位から組織サンプルを採取する前に、採取する間又は採取した後に1つ又はそれ以上のマーカーを生検部位に配置させることもできる(deposit)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5526822号公報
【特許文献2】米国特許第5928164号公報
【特許文献3】米国特許第6017316号公報
【特許文献4】米国特許第6086544号公報
【特許文献5】米国特許第6162187号公報
【特許文献6】米国特許第6432065号公報
【特許文献7】米国特許第6626849号公報
【特許文献8】米国特許第6752768号公報
【特許文献9】米国特許第7442171号公報
【特許文献10】米国特許第7648466号公報
【特許文献11】米国特許第7837632号公報
【特許文献12】米国特許第7854706号公報
【特許文献13】米国特許第7914464号公報
【特許文献14】米国特許第7938786号公報
【特許文献15】米国特許第8083687号公報
【特許文献16】米国特許第8118755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、生検部位マーカーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
次は、そのような態様に対する基本的な理解を提供するために1つ以上の様態の単純化された要約を提供する。この要約は、全ての考慮された側面に対する広範囲な概要でなく、全ての側面の核心的な要素又は重要な要素を識別したり一部又は全ての側面の範囲を説明しない。その唯一の目的は1つ以上の要素に対する概念を後述のより詳細な説明の前置きとして単純化された形態で提示する。
【0009】
本願はマーキング装置、マーカー送達装置、およびマーカーの展開方法を提供する。組織のマーキング装置は、(a)末端部と、前記末端部に近位して配置した側面開口とを含むカニューレと、(b)前記カニューレの内部で延設されて、作動前状態から作動状態に移行するように構成したフレキシブル展開部を画定するロッドと、(c)前記ロッドが前記フレキシブル展開部を前記作動状態に移行させるように構成したことにより、前記側面開口を通って排出される生検部位マーカーと、を備える。なお、生検マーカーは、軸に沿って順に配列された3つの形状部を含むことができ、それぞれの形状部は、第1表面、及び第1表面に平行する第2表面を有するようにしてもよい。第1狭小部は、3つの形状部のうち第1形状部を3つの形状部のうち第2形状部と連結させることができる。第2狭小部は、3つの形状部のうち第2形状部を3つの形状部のうち第3形状部に連結できる。第1狭小部は、第1形状部の第1表面が第2形状部の第1表面に対して第1角度になるように軸を中心に捩れる。第2狭小部は、第2形状部の第1表面が第3形状部の第1表面に対して第2角度になるように軸を中心に捩れる。
【0010】
1つ以上の態様は以下で十分に説明され特に請求範囲で指摘された特徴を含む。次の説明及び添付された図面は1つ以上の様態の特定の例示的な特徴を詳しく説明する。しかし、これらの特徴は多様な様態の原理が採用され得る多様な方式のうち一部のみを示し、かかる説明はそのような全ての態様及びその均等物を含むと意図される。
【発明の効果】
【0011】
上述のように、本発明によれば、ロッドのフレキシブル展開部が作動前状態から作動状態に移行することによって生検部位マーカーがカニューレの側面開口から排出される。また、生検マーカーについては、第1表面及び第1表面に平行する第2表面を有し、軸に沿って順に配列された3つの形状部と、前記3つの形状部のうち第1形状部を前記3つの形状部のうち第2形状部と連結する第1狭小部、及び前記3つの形状部のうち第2形状部を前記3つの形状部のうち第3形状部と連結する第2狭小部を含んで前記第1の狭小部を前記第1形状部の前記第1表面が前記第2形状部の前記第1表面に対して第1の角度になるように捻ることができ、前記第2狭小部を前記第2形状部の前記第1表面が前記第3形状部の前記第1表面に対して第2角度になるように前記軸を中心に捻ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
開示された態様は説明のために提供された添付された図面と関連づけて後述され、開示された態様を制限せず、同じ名称は同じ構成要素を示す。
【0013】
図1】平らな生検マーカーの平面図である。
図2A】捩れた生検マーカーの平面図である。
図2B図2Aの捩れた生検マーカーの端面図である。
図3】他の平らな生検マーカーの平面図である。
図4A】捩れた生検マーカーの平面図である。
図4B図4Aの捩れた生検マーカーの端面図である。
図5A】磁気共鳴映像における図2Aの捩れた生検マーカーの表現を示す図である。
図5B】磁気共鳴映像における図2Aの捩れた生検マーカーの表現を示す図である。
図6】多様な形態の生検マーカーを示す図である。
図7】多様な形態の生検マーカーを示す図である。
図8】多様な形態の生検マーカーを示す図である。
図9】多様な形態の生検マーカーを示す図である。
図10】多様な形態の生検マーカーを示す図である。
図11】多様な形態の生検マーカーを示す図である。
図12】多様な形態の生検マーカーを示す図である。
図13】多様な形態の生検マーカーを示す図である。
図14】多様な形態の生検マーカーを示す図である。
図15】多様な形態の生検マーカーを示す図である。
図16】多様な形態の生検マーカーを示す図である。
図17】多様な形態の生検マーカーを示す図である。
図18】多様な形態の生検マーカーを示す図である。
図19】カプセル内の生検マーカーを示す図である。
図20】マーカーとマーカーを配置するために予め曲げられたプッシュロッドを示す図である。
図21】マーカーとマーカーを配置するために予め曲げられたプッシュロッドを示す図である。
図22】マーカーとマーカーを配置するために予め曲げられたプッシュロッドを示す図である。
図23】予め曲げられたワイヤ展開器に取り付けられた他のマーカーを示す図である。
図24】予め曲げられたワイヤ展開器に取り付けられた他のマーカーを示す図である。
図25】予め曲げられたワイヤ展開器に取り付けられた他のマーカーを示す図である。
図26】予め曲げられたワイヤ展開器に取り付けられた他のマーカーを示す図である。
図27】細長い生体吸収性マーカーを示す図である。
図28】細長い生体吸収性マーカーを示す図である。
図29】細長い生体吸収性マーカーを示す図である。
図30】細長い生体吸収性マーカーを示す図である。
図31】ふさ(tassles)付きの球形のマーカーを示す図である。
図32】ふさ(tassles)付きの球形のマーカーを示す図である。
図33】泡立て器(whisk)形状のマーカーを示す図である。
図34】マーカーを囲む生体吸収性物質の形状を示す図である。
図35】メッシュ(mesh)マーカーを示す図である。
図36】メッシュ(mesh)マーカーを示す図である。
図37】メッシュ(mesh)マーカーを示す図である。
図38】らせん状マーカーを示す図である。
図39】らせん状マーカーを示す図である。
図40】コイルマーカーを示す図である。
図41】コイルマーカーを示す図である。
図42】気泡を有するプラスチックマーカーを示す図である。
図43】球形スプリングマーカーを示す図である。
図44】ひだ付きマーカー展開器を示す図である。
図45】ひだ付きマーカー展開器を示す図である。
図46A】2つの形状部及び狭小部を有する平らなマーカーを示す図である。
図46B】2つの形状部及び狭小部を有する平らなマーカーを示す図である。
図47A】2つの形状部及び狭小部を有する捩れたマーカーを示す図である。
図47B】2つの形状部及び狭小部を有する捩れたマーカーを示す図である。
図48A】貫通孔を有する平らなマーカーを示す図である。
図48B】貫通孔を有する平らなマーカーを示す図である。
図49A】3つの貫通孔を有する平らなマーカーを示す図である。
図49B】3つの貫通孔を有する平らなマーカーを示す図である。
図50A】狭小部のない捩れたマーカーを示す図である。
図50B】狭小部のない捩れたマーカーを示す図である。
図51A】2つの形状部及び狭小部を有する平らなマーカーを示す図である。
図51B】2つの形状部及び狭小部を有する平らなマーカーを示す図である。
図52A】2つの形状部及び狭小部を有する平らなマーカーを示す図である。
図52B】2つの形状部及び狭小部を有する平らなマーカーを示す図である。
図53A】3つの長方形の形状部及び2つの狭小部を有する捩れたマーカーの多様な図面を示す図である。
図53B】3つの長方形の形状部及び2つの狭小部を有する捩れたマーカーの多様な図面を示す図である。
図53C】3つの長方形の形状部及び2つの狭小部を有する捩れたマーカーの多様な図面を示す図である。
図53D】3つの長方形の形状部及び2つの狭小部を有する捩れたマーカーの多様な図面を示す図である。
図53E】3つの長方形の形状部及び2つの狭小部を有する捩れたマーカーの多様な図面を示す図である。
図54A】3つの長方形の形状部及び2つの狭小部を有する捩れたマーカーの多様な図面を示す図である。
図54B】3つの長方形の形状部及び2つの狭小部を有する捩れたマーカーの多様な図面を示す図である。
図54C】3つの長方形の形状部及び2つの狭小部を有する捩れたマーカーの多様な図面を示す図である。
図54D】3つの長方形の形状部及び2つの狭小部を有する捩れたマーカーの多様な図面を示す図である。
図54E】3つの長方形の形状部及び2つの狭小部を有する捩れたマーカーの多様な図面を示す図である。
図55A】2つの互いに異なる形状部及び延長された狭小部を有する捩れたマーカーの多様な図面を示す図である。
図55B】2つの互いに異なる形状部及び延長された狭小部を有する捩れたマーカーの多様な図面を示す図である。
図55C】2つの互いに異なる形状部及び延長された狭小部を有する捩れたマーカーの多様な図面を示す図である。
図55D】2つの互いに異なる形状部及び延長された狭小部を有する捩れたマーカーの多様な図面を示す図である。
図55E】2つの互いに異なる形状部及び延長された狭小部を有する捩れたマーカーの多様な図面を示す図である。
図56A】貫通孔のない捩れたマーカーの多様な図面を示す図である。
図56B】貫通孔のない捩れたマーカーの多様な図面を示す図である。
図56C】貫通孔のない捩れたマーカーの多様な図面を示す図である。
図56D】貫通孔のない捩れたマーカーの多様な図面を示す図である。
図56E】貫通孔のない捩れたマーカーの多様な図面を示す図である。
図57A】3つの形状部及び2つの捩れた部分を有する捩れたマーカーの多様な図面を示す図である。
図57B】3つの形状部及び2つの捩れた部分を有する捩れたマーカーの多様な図面を示す図である。
図57C】3つの形状部及び2つの捩れた部分を有する捩れたマーカーの多様な図面を示す図である。
図57D】3つの形状部及び2つの捩れた部分を有する捩れたマーカーの多様な図面を示す図である。
図57E】3つの形状部及び2つの捩れた部分を有する捩れたマーカーの多様な図面を示す図である。
図58A】3つの形状部及び2つの捩れた部分を有する捩れたマーカーの多様な図面を示す図である。
図58B】3つの形状部及び2つの捩れた部分を有する捩れたマーカーの多様な図面を示す図である。
図58C】3つの形状部及び2つの捩れた部分を有する捩れたマーカーの多様な図面を示す図である。
図59A】他のマーカーの多様な図面を示す図である。
図59B】他のマーカーの多様な図面を示す図である。
図59C】他のマーカーの多様な図面を示す図である。
図59D】他のマーカーの多様な図面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
これより多様な態様が図面を参照して説明される。次の説明で、説明の目的として、1つ以上の態様に対する完全な理解を提供するために複数の特定の細部事項が提示される。しかし、かかる側面がかかる具体的な細部事項なしでも実行され得ることは自明であり得る。
【0015】
図1は、平らな生検マーカー10の平面図である。平らな生検マーカー10は、3つの形状部12a,12b,12cを含むことができる。図示のように、形状部12a,12b,12cは、略円形である。しかし、形状部12a,12b,12cは、三角形、長方形、楕円形又は任意の他の多角形又は曲線形でもよいことを理解するべきである。一実施形態で、形状部12a,12b,12cは丸い角を有してもよい。形状部12a,12bは、狭小部14aに連結されることができ、形状部12b,12cは、狭小部14bによって連結されることができる。形状部12a,12b,12cは、狭小部14a,14bに比べて相対的に大きくてもよい。一特徴として、それぞれの形状部12a,12b,12cは、それぞれの貫通孔16a,16b,16cを含むことができる。図示のように、貫通孔16a,16b,16cは略円形でもよい。しかし、貫通孔16a,16b,16cは、三角形、長方形、楕円形、又は任意の他の多角形又は曲線形でもよい。また、一部の形状部は貫通孔を有しない場合もある。例えば、マーカー10は貫通孔16を含む1つ、2つ又は3つの形状部12a,12b,12cを含むことができる。一実施形態で、平らな生検マーカー10の長さは約2.5mmであり得る。形状部10での幅は約0.76mmであり得る。ブランク10は約0.1mmの厚さであり得る。
【0016】
一様態で、平らな生検マーカー10は、スタンピング工程を用いてステンレススチール、チタニウム又は他の金属シートで製造できる。シートから1つ以上の平らな生検マーカー10を切断するためにダイが用いられることができる。平らな生検マーカー10は捩れた生検マーカーに対するブランクの役割を行うことができる。
【0017】
図2Aは、捩れた生検マーカー20の平面図である。捩れた生検マーカー20は、軸26を中心に狭小部14a,14bで平らな生検マーカー10を捩じりながら平らな生検マーカー10から形成され得る。したがって、マーカー20は、形状部12a,12b,12cに対応する3つの形状部22a,22b,22cを含むことができる。一態様で、図2Bに示すように、狭小部24aは、形状部22aの表面と形状部22bの表面の間の第1角度が約45度になるように軸26を中心に捩れることができる。本明細書に用いられたように、「約」という用語は角度に適用された場合、例えば、製造の許容誤差を説明するために±5度の範囲を許容することができる。狭小部は、0度乃至180度の間の他の角度で捩れてもよい。例えば、狭小部は15度、30度、40度、50度、60度、75度、90度などで捩れてもよい。一様態で、前記狭小部24bは、前記形状部22bと前記形状部22cの間の第2角度が約45度になったり、形状部22bと形状部22cの間の第2角度が形状部22cの形状と形状部22a及び22bを区別する他の角度になれるように捩れることができる。第2角度は第1角度と異なってもよい。一特徴として、形状部22aと形状部22cの間の全体角度は約90度の場合がある。例えば、マーカー20を見るために使用されるイメージング技術に基づいて他の角度が選択されることもできる。
【0018】
図3は、他の平らな生検マーカー30の平面図である。平らな生検マーカー30は、3つの形状部32a,32b,32cを含むことができる。図示のように、中央形状部32bは略円形である。しかし、形状部32bは、三角形、長方形、楕円形、又は任意の他の多角形又は曲線形でもよいことを理解するべきである。中央形状部32bは、貫通孔36を含むことができる。図示のように、貫通孔36は略円形でもよい。しかし、貫通孔36は、三角形、長方形、楕円形、又は任意の他の多角形又は曲線形であってもよいことを理解するべきである。一実施形態で、中央形状部32bは、貫通孔を含まなくてもよく、1つ以上の貫通孔を含んでもよい。端部の形状部32a,32cは開放された形状でもよい。図示のように、端部の形状部32a,32cはそれぞれ開放された半円形でもよい。端部の形状部32a,32cは、マーカーブランク30の端部に向かうそれぞれの切開部38a,38bを含むことができる。形状部32a,32bは狭小部34aによって連結されてもよく、形状部32b,32cは狭小部34bによって連結されてもよい。
【0019】
図4Aは、捩れた生検マーカーの平面図である。捩れた生検マーカー40は、狭小部34a,34bで平らな生検マーカー30を捩じって平らな生検マーカー30から形成され得る。したがって、捩れた生検マーカー40は、前記形状部32a,32b,32cに対応する3つの形状部42a,42b,42cを含むことができる。一態様で、図4Bに示すように、前記狭小部44aは、前記形状部42aと前記形状部42bの間の第1角度が約45度になるように捻れることができる。狭小部34aは、0度乃至180度の間の他の角度で捩じれてもよい。例えば、狭小部は、15度、30度、40度、50度、60度、75度、90度などで捩じれてもよい。一様態で、前記狭小部44bは、前記形状部42bと前記形状部42cの間の第2角度が約45度になったり、形状部42bと形状部42cの間の第2角度が形状部42cの形状と形状部42a及び42bを区別する他の角度になれるように捩れることができる。前記形状部42aと前記形状部42cの間の全体角度は約90度の場合がある。例えば、マーカーを見るために使用されるイメージング技術に基づいて他の角度が選択されることもできる。切開部48a,48bは、マーカー40を端部から見て凹状の表面を露出させることができる。
【0020】
一様態で、生検マーカー20又は生検マーカー40は、コラーゲン、ゼラチンなどのような生体吸収性物質にカプセル化できる。生体吸収性物質は圧縮されることができる。一様態で、生体吸収性物質を圧縮させるために使用される力は内蔵された生検マーカーに力を加えることもできる。一様態で、生検マーカー20又は生検マーカー40の大きさ、形態及び厚さは顕著な変形又は破損なく圧縮中に加えられる力に耐えることができるように選択されることができる。
【0021】
一様態で、生検マーカー20又は生検マーカー40は、生検手順の進行中に柔らかな人間又は動物組織に移植されることができる。例えば、生検マーカー20,40は、生検部位を表示するために乳房生検中に人間乳房組織に挿入されることができる。生検マーカー20,40が生体吸収性物質内に内蔵されると、生体吸収性物質は生検マーカーの中心内に生検マーカー20,40を位置させることを助けることができる。生検マーカー20は、挿入後に動物組織内で回転できる。また、組織がイメージ化される時、組織は圧搾されて追加的な回転を起こすことができる。生検マーカーの方向はイメージング前にはわからない。生検マーカー20又は生検マーカー40は、他の映像技法のうちX線(ステレオ)、超音波及び磁気共鳴映像(MRI)を含む多様な映像技法を使用して映像化できる。
【0022】
X線において、複合ステレオイメージを提供するために2つ以上の角度が用いられることができる。例えば、乳房組織は一般に頭尾方向アプローチ、内外側方向アプローチ、そして、2つの上記アプローチの間の45度の角度で映像化できる。生検マーカー20,40の捩れは周辺組織に比べて人工的であると認識できる形状を有することで、マーカー20,40を識別することを助ける他に、各イメージングアプローチからマーカー20,40の可視性を増加させることを助けることができる。例えば、アプローチのうち1つが生検マーカー20,40の縦軸26と整列される場合、マーカーの総表面積は形状部22,42のそれぞれの部分的な表面がイメージングされることができるため増加され得る。上記アプローチが縦軸に対して横方向であれば、少なくとも1つの形状部22,42の表面がイメージ化されることができる。
【0023】
超音波検査において、生検マーカー20,40は反射性特性(echogenic features)を提供できる多様な湾曲表面及び凹状表面を含む。例えば、貫通孔36,46は互いに異なる角度に配向された反射性特徴を提供できる。また、生検マーカー40で、切開部48はマーカー40が縦軸と整列してイメージングされる時、凹状面を露出させることができる。
【0024】
MRIにおいて、映像は冠状、矢状及び軸方向のスライスを使用して生成できる。X線映像化に関して上述したように、生検マーカー20,40の捩れは周辺組織に比べて人工的であると認識できる形状を有することで、マーカー20,40を識別することを助ける他に、各方向から見ることができる少なくとも1つの表面を提供できる。磁気共鳴はマーカー20,40の材料に基づいて追加の効果を有する。金属材料はアーティファクト(artifact)、すなわちマーカー20,40の物理的境界の外部のイメージを生成する。アーティファクトはブルーム(bloom)と称される場合もある。一般に、マーカーによって生成されたアーティファクトはMRイメージの暗い点であり得るが、病変又は嚢腫は造影剤を吸収して相対的に明るい地点を生成できる。マーカーによって生成されたアーティファクトは周辺組織のイメージを不明瞭にして周辺組織に病変や嚢腫があるか否かを判断することを困難にする。一部の最新のMR機械は、高級のイメージ処理技術を使用してアーティファクトを減らすことができる。場合によっては、かかるアーティファクトの減少によってイメージでマーカーを見つけることが困難な場合がある。
【0025】
図5A及び5Bは、磁気共鳴映像化において捩れた生検マーカー20の表示50を図示する。一般にマーカーによって生成されたアーティファクトはマーカーの質量にほぼ比例する。チタニウムマーカーは一般にステンレススチールマーカーに比べてアーティファクトが少ない。例えば、ライン52は、チタニウムマーカーによって生成され得るアーティファクトを示すことができるが、一方で、ライン54は、同じ寸法を有するステンレススチールマーカーによって生成され得るアーティファクトを示すことができる。医師はマーカーの未来のイメージングに用いられる可能性がもっとも大きいMRマシンに基づいてマーカーを選択できる。縦軸に対する横方向に映像が撮影された場合、図5Aに示すように、捩れた生検マーカー20は3つの別個のローブ(lobe)を生成できる。縦軸に沿って映像化された場合、図5Bに示すように、捩れた生検マーカー20は一般に円形アーティファクトを生成できるが、2つのローブが区別されることができる。マーカー20の貫通孔16又はマーカー40の貫通孔46及び切開部48はマーカー20,40によって生成されたアーティファクトを減少させることを助けることができる。例えば、貫通孔及び切開部は貫通孔又は切開部のない類似した形状部に比べてそれぞれの形状部の質量を減少させることができる。一特徴として、アーティファクトは、マーカー20,40の外部エッジからは少なく延長しながら貫通孔又は切開部の内部に延長されることができる。
【0026】
また、図6乃至図18は、マーカーに対する多様な付加的な形状及び特徴を図示する。かかる追加的な形状又は特徴は好ましいイメージング特性を有するマーカーを生成するために捩れたマーカー20,40と結合され得る。また、互いに異なる形状のマーカーは後続の手順で各生検位置に対する固有のマーカーを提供するために用いられることができる。
【0027】
図6は、星状のマーカーを図示する。
【0028】
図7は、貫通孔を有する星状のマーカーを図示する。
【0029】
図8は、ジャッキ状のマーカーを図示する。ジャッキ状のマーカーは互いに異なるアプローチ又は方向でイメージングできる。
【0030】
図9は、凹状の皿状のマーカーを図示する。マーカーの凹状の表面は超音波イメージングにおいて反射性(echogenic)表面を提供できる。
【0031】
図10は、三角形状のマーカーを図示する。
【0032】
図11は、円錘形マーカーを図示する。円錘形は曲げられて三角形効果を減らす。
【0033】
図12は、ハート状のマーカーを図示する。
【0034】
図13は、貫通孔によって形成された別個の形状を有するマーカーを図示する。例えば、マーカーが笑顔で現れる場合がある。貫通孔の大きさ及び形状を変更することによって互いに異なる形状が生成できる。
【0035】
図14は、文字のような形状のマーカーを図示する。例えば、マーカーは大文字Aのような形状でもよい。他の文字形状のマーカーや特定の文字形状のマーカーは特定のマーカーを識別するために役立つ。
【0036】
図15は、数字のようなマーカーを図示する。例えば、マーカーは数字1の形状でもよい。他の数字形状のマーカー又は特定の数字形状のマーカーは特定のマーカーを識別するために役立つ。
【0037】
図16は、貫通スロットを有する長方形のマーカーを図示する。
【0038】
図17は、貫通孔のパターンを有する長方形のマーカーを示す。
【0039】
図18は、刺付き矢印形状のマーカーを図示する。マーカーの突出部又は刺は他のアプローチ又は方向でイメージングされ得る表面を提供できる。
【0040】
図19は、カプセルに含まれたマーカーを例示する。カプセルは生検腔(biospy cavity)で時間の経過によって吸収され得るゼラチンのような生体吸収性物質で形成されることができる。カプセルは第2生体吸収性物質に埋められた上述のマーカー20,40のようなマーカーを含むことができる。製造中において、カプセルは2つの半分が分離されることを防止するために均一な形状を有し得る。また、2つのカプセルの半分部をアルコール又は結合剤で共に固着させることができる。
【0041】
図20は、生検腔にマーカーを配置するためのマーカー及び予め曲げられたプッシュロッドを図示する。マーカーは予め曲げられたプッシュロッドの端部に形成された生体吸収性物質にカプセル化されることができる。図21に例示されたように、マーカー及び予め曲げられたプッシュロッドは、生検針を介して進むことができる。生検針の縦方向カニューレで、予め曲げられたプッシュロッドは真っすぐになることができる。図22に示すように、マーカーが生検針の孔に到達すると、予め曲げられたプッシュロッドは曲げられた形状に戻ってマーカーを保有する生体吸収性物質が生検針から突出できる。生検針を操作する医師は予め曲げられたプッシュロッドが曲げられた位置に戻ることを認知できる。プッシュロッドが曲げられた構成に戻る時、予め曲げられたプッシュロッドの縦方向運動は防止されることもできる。生検針のカッタはマーカーを含む生体吸収性物質のチップをせん断するために用いられることができる。
【0042】
図23は、予め曲げられたワイヤ展開器に取り付けられた他のマーカーを図示する。予め曲げられたワイヤはマーカーをカプセル化する生体吸収性物質に部分的に埋められ得る。図24に例示されたように、マーカーと予め曲げられたワイヤは生検針を介して進むことができる。生検針の縦方向カニューレで、予め曲げられたワイヤは、まっすぐになることができる。図25に示すように、マーカーが生検針の孔に到達すると、予め曲げられたワイヤは曲げられた形状に戻ってマーカーを保有する生体吸収性物質が生検針から突出できる。医師は生検針を操作しながら予め曲げられたワイヤが曲げられた構成に戻ることがわかる。ワイヤが曲げられた構成に戻る時、予め曲げられたワイヤの縦方向運動も防止され得る。予め曲げられたワイヤが近位に引っ張られる時、生体吸収性物質は生検針又はカッタの孔の縁を捕まるか、あるいはカプセル化されたマーカーがワイヤとともに収縮することを防止して生体吸収性物質からワイヤを除去できマーカーを生検腔に残す。
【0043】
図27は、コラーゲンのような生体吸収性物質で形成された細長いマーカーを図示する。1つ以上の永久金属又はセラミックマーカーが細長いマーカーに挿入されることができる。図28に例示されたように、細長いマーカーはマーカー展開器を使用して展開されることができる。細長いマーカーはマーカー展開器内で曲げられることができる。図29に示すように、マーカー展開器は側面開口を有する生検針のカニューレを介して展開されることができる。細長いマーカーは、プッシュロッド(push rod)でマーカー展開器の末端部へ押されることができる。図30に例示されたように、細長いマーカーがマーカー展開器の外に押し出されると、まっすぐになることができる。まっすぐになった長いマーカーが生検針の側面開口に再度入ることは容易でない。
【0044】
図31は、ふさ(tassle)付きの球形マーカーを例示する。前記球はコラーゲンのような生体吸収性物質で製造されることができ、その中に埋められた永久マーカーを含むことができる。ふさは縫合材料で作ることができる。ふさ付きの球形のマーカーはふさが球に従うようにマーカー展開器を介して配置できる。図32で確認できるように、ふさ付きの球形のマーカーを生検腔に押し入れると、ふさが広がりマーカーの移動を減らすことができる。
【0045】
図33は、泡立て器形状のマーカーを示す。マーカーの分岐(tines)は配置中に共に維持されることができる。マーカーが配置されると分岐は広がることができる。この分岐はマーカーの移動を減らすために役立つことができ、マーカーのイメージ化可能領域を増加させることができる。
【0046】
図34は、マーカーを囲む生体吸収性物質の形状を図示する。生体吸収性物質は、初期に長さに沿って1つ以上のX型セクションを有する円筒状に形成され得る。前記生体吸収性物質はマーカー展開器内に合うように圧縮されることができる。生体吸収性物質は生検腔内で膨脹できる。X型断面は移動を減少させてイメージ性能を向上させることができる。同じ質量を有する生体吸収性物質のシリンダに比べて、X字形の断面を有する生体吸収性物質はより大きな内接積体積(inscribed volume)を有し得る。
【0047】
図35は、展開器内部のメッシュマーカーを図示する。メッシュマーカーは風船を使用して配置できる。図36に例示されたように、メッシュマーカーは生検針の終端をすぎて展開されることができ、風船は拡張されてメッシュマーカーを拡張させることができる。例えば、メッシュマーカーは生検腔の大きさに拡張されることができる。図37で説明したように、風船は収縮されると生検針を介して後に後退することができ、マーカーを残すことができる。
【0048】
図38は、らせん状マーカーを図示する。らせん状マーカーは生検針の末端部を介して展開され得る。図39に例示されたように、らせん状マーカーはらせん状マーカーを生検針の端部で組織内にねじ結合させることによって配置されることができる。マーカー展開器はプッシュロッドが展開器を介して移動する時、プッシュロッドが回転するようにねじ結合され得る。螺旋形マーカーは移動可能性がほぼない組織内で堅固に固定され得る。
【0049】
図40は、側面開口を有する生検針を介して配置されるコイルマーカーを図示する。コイルマーカーは広がる時、永久的に弾性力を有し変形されない材料で形成された緩いスプリングであり得る。例えば、コイルマーカーはチタニウムで形成され得る。コイルマーカーは生検針又はマーカー展開器の縦方向カニューレを介して広がるためまっすぐになることができる。コイルマーカーが生検腔に配置されると、コイルマーカーは図41と共にコイル型スプリング構成に戻ることができる。
【0050】
図42は、気泡を有するプラスチックマーカーを図示する。プラスチックマーカーは金属又はセラミックマーカーの周りに成形され得る。プラスチックマーカーが成形される時、気泡がプラスチックに誘導され得る。気泡はフィラーとしてガラスの球体を使用して形成されてもよい。気泡又はガラス球体は超音波イメージングのためのマーカーに密度差を作ることができる。
【0051】
図43は、球形スプリングマーカーを図示する。球形スプリングマーカーは平らに圧縮されて生体吸収性物質内に埋められ得る。球形スプリングマーカーはここに説明された配置装置及び技術のうち1つを使用して配置できる。生体吸収性物質は生検腔で吸収されることができ、球形スプリングマーカーは球形に戻ることができる。
【0052】
図44は、ひだ付きマーカー展開器を図示する。ひだ付きマーカー展開器はマーカー展開器が縦に圧縮される時どのように変形されるかを予め決定するひだ、ノッチ又は弱い地点を含むことができる。例えば、ひだ付きマーカー展開器にはマーカーを固定するノッチとマーカーに隣接する2つのひだが含まれることができる。図45に示すように、ひだ付きマーカー展開器が生検装置の末端部に対抗して押されると、ひだ付きマーカー展開器はノッチ及びひだ付き部分で曲げられてマーカーが側面開口から側方向に排出されるようにすることができる。
【0053】
図46A及び図46Bは、2つの形状部及び狭小部を有する平らなマーカーを図示する。それぞれの形状部はその外側に切開部を有する。一様態で、マーカーは長さが約0.1インチ、幅が0.037インチ及び厚さが0.006インチであり得る。マーカーの大きさはマーカーの材質によって異なる場合がある。例えば、チタニウムマーカーの寸法はステンレススチールマーカーに比べて大きく調整することができる。
【0054】
図47A及び47Bは、2つの形状部及び狭小部を有する捩れたマーカーを図示する。それぞれの形状部はD字の形状を有し、文字Dのような形状の貫通孔を含む。一様態で、マーカーは長さが約0.1インチ、幅が0.037インチ及び厚さが0.007インチであり得る。
【0055】
図48A及び48Bは、貫通孔を有する平らなマーカーを図示する。一特徴として、マーカーは長い楕円形の形状を有し得る。それぞれの貫通孔は広い文字Dのような形状であり得る。マーカーは長さが約0.1インチ、幅が0.037インチ及び厚さが0.007インチであり得る。
【0056】
図49A及び49Bは、3つの貫通孔を有する平らなマーカーを図示する。マーカーは長さが約0.16インチ、幅が0.37インチ及び厚さが0.007インチである長い楕円形でもよい。貫通孔は台形のような他の形状でもよい。ブリッジング部は貫通孔の間で延長された側面を連結させることができる。ブリッジング部は斜めであっても直線であってもよい。
【0057】
図50A及び50Bは、狭小部のない捩れたマーカーを図示する。代わりに、捩れたマーカーは長い楕円形の平面マーカーに形成され得る。捩じるとマーカーの長い面が曲がることができる。マーカーは長さが約0.12インチ、幅が0.037インチ、厚さが0.007インチであり得る。
【0058】
図51A及び51Bは、2つの形状部及び狭小部を有する平らなマーカーを図示する。前記形状部は外側に広がり中央に向かって狭くなることができる。前記形状部は類似した形状の貫通孔を含むことができる。一様態で、マーカーは長さが約0.1インチ、幅が0.026インチ及び厚さが0.007インチであり得る。
【0059】
図52A及び52Bは、2つの形状部及び狭小部を有する平らなマーカーを図示する。それぞれの形状部は長く複数の貫通孔を含むことができる。一様態で、マーカーは長さが約0.13インチ、幅が0.026インチ及び厚さが0.007インチであり得る。
【0060】
図53A乃至53Eは、3つの形状部502a-502c及び2つの狭小部504a及び502bを有する捩れたマーカー500の多様な図面を図示する。捩れたマーカー500は、捩れたマーカー20(図2A)と同じでよい。それぞれの形状部502は、丸い四角形で形成されてもよい。貫通孔506は丸い長方形に形成されてもよい。図53Eに図示されたように、それぞれの形状部の間の角度は約45度でもよい。すなわち、形状部502aの表面と形状部502bの表面の間の角度は45度でもよく、形状部502bの表面と形状部502cの表面の間の角度は45度でもよい。他の様態で、マーカー500は捩じれて各形状部502の間の角度が約30度になることができる。
【0061】
図54A乃至54Eは、3つの形状部512及び2つの狭小部514を有する捩れたマーカー510の多様な図面を図示する。捩れたマーカー510は、捩れたマーカー20(図2A)と同じでよい。それぞれの形状部512は、丸い四角形に形成され得る。貫通孔516は円形でもよい。図54Eに示すように、それぞれの形状部の表面間の角度は約60度でもよい。すなわち、形状部512aの表面と形状部512bの表面の間の角度は60度でもよく、形状部512bの表面と形状部512cの表面の間の角度は60度でもよい。3つの形状部を有するマーカーに対して、60度の角は平らな表面のそれぞれが他の表面から同じ角度で捩じれるようにすることができる。すなわち、前記形状部512aの表面は前記形状部512cの表面に対して60度の角度を有し得る。かかる配置は軸に対して横断する任意の角度から形状部の表面の一部を提供できる。
【0062】
図55A乃至55Eは、2つの互いに異なる形状部及び延長された狭小部を有する捩れたマーカーの多様な図面を図示する。例えば、第1形状部は円形でもよい。第1形状部は貫通孔を含むことができる。第2形状部は十字型又はプラス符号形状のであり得る。延長された狭小部は捩れることができる。一様態で、延長された狭小部は捩れる応力を減少させることができ、例えば、マーカーを囲む生体吸収性物質が圧縮される時に損傷に対する強度を提供できる。
【0063】
図56A乃至56Eは、捩れたマーカーが貫通孔を含まないことを除いては図55A乃至55Eのマーカーと類似した捩れたマーカーの多様な図面を図示する。
【0064】
図57A乃至57Eは、3つの形状部及び2つの捩じれた部分を有する捩れたマーカーの多様な図面を図示する。形状部は互いに異なる形状を有し得る。例えば、図示のように、外部形状部は十字型又はプラス符号のような形状でもよく、中間形状部はハートのような形状でもよい。ハート形状は狭小部に連結されるように修正できる。それぞれの形状部は貫通孔(図示せず)を含むこともできる。
【0065】
図58A乃至58Cは、3つの形状部及び2つの捩じれた部分を有する捩じれたマーカー多様な図面を図示する。外形部分は図57と類似した形状、すなわち十字型又はプラス符号のような形状でもよい。中央の形状部は長方形でもよい。狭小部はそれぞれ約60度まで捩じれてもよい。
【0066】
図59A乃至59Dは、マーカーの多様な図面を図示する。マーカーは形状部、捩れた部分及びローリング(rolled)部分を有し得る。形状部は本明細書で論じられた任意の形状であり得る。例えば、図59Aに示すように、形状部は長方形でもよい。形状部は1つ以上の貫通孔を含むことができる。ローリング部は1つ以上の寸法で曲げられるか又はローリング(rolled)され得る。一様態で、ローリング部は、ローリングされるか曲げられた平らな部分に形成され得る。例えば、図59A乃至59Dに示すように、ローリング部は長方形の平らな形状部に形成され得る。一様態で、図59A乃至59Dのマーカーに対するマーカーブランクは初期にはT字型でもよく、Tの上部は各側面から内側にローリングされることができる。ローリング部は、1つ以上の貫通孔を含むこともできる。図示のように、例えば、図59Dに示すように、ローリング部のそれぞれの側面上の貫通孔が整列されることができる。ローリング部の両側面は、例えば、マーカーの中心軸に沿って会うことができる。捩れた部分は形状部とローリング部を連結させることができる。一様態で、捩れた部分の1つ以上の下位部分は互いに異なる方向に捩れる場合がある。例えば、捩れた部分の一側上のサブ-部分は一方向に捩じれ、捩れた部分の他の側上のサブ-部分は反対方向に捩じれ得る。一特徴として、前記マーカーは捩じれない連結部分を含んだり、前記形状部は前記ローリング部と連続的に形成され得る。
【0067】
前述した説明は例示的な態様及び/又は実施例を説明しているが、添付された請求範囲によって定義されたような説明された様態及び/又は実施例の範囲から逸脱することなく多様な変更及び修正が行なわれることができることを理解するべきである。また、説明された様態及び/又は実施例の要素が単数形で記述されたり請求され得るが、単数への制限が明示的に言及されない限り、複数形が考慮される。また、任意の様態及び/又は実施例の全部又は一部は他の言及がない限り、任意の他の態様及び/又は実施例の全部又は一部とともに用いられ得る。
【符号の説明】
【0068】
10,20,30,40 生検マーカー
500,510 捩れたマーカー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
図51
図52
図53
図54
図55
図56
図57
図58
図59
【手続補正書】
【提出日】2022-04-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体吸収性担体;及び
1つ以上のコイルを含むマーカー要素
を含む、生検部位マーカーであって、
前記マーカー要素の一部が前記生体吸収性担体内に配置され、前記マーカー要素の少なくとも一部が、生検部位の組織に係合するように、前記1つ以上のコイルに対して移動するように構成されている、生検部位マーカー。
【請求項2】
前記マーカー要素が複数の分岐を含み、前記複数の分岐が、配置中に一緒に維持され、配置後に互いに広げられて組織に係合するように構成されている、請求項1に記載の生検部位マーカー。
【請求項3】
前記生体吸収性担体が生体吸収性物質を含み、前記1つ以上のコイルが前記生体吸収性物質内に埋められている、請求項1に記載の生検部位マーカー。
【請求項4】
前記生体吸収性担体が生体吸収性物質を含み、前記1つ以上のコイルが前記生体吸収性物質内に埋められ、前記生体吸収性物質が、前記生体吸収性物質の吸収時に、前記マーカー要素の少なくとも一部の移動を可能にするように構成されている、請求項1に記載の生検部位マーカー。
【請求項5】
前記生体吸収性担体が生体吸収性物質を含み、前記1つ以上のコイルが前記生体吸収性物質内に埋められ、前記生体吸収性物質がコラーゲン又はゼラチンを含む、請求項1に記載の生検部位マーカー。
【請求項6】
前記マーカー要素の一部が前記生体吸収性担体から延長する、請求項1に記載の生検部位マーカー。
【請求項7】
前記生体吸収性担体が生体吸収性物質を含み、前記1つ以上のコイルが前記生体吸収性物質内に埋められ、前記1つ以上のコイルが、前記生体吸収性物質の吸収時に球形を明確に示すように、前記生体吸収性物質内で配向されている、請求項1に記載の生検部位マーカー。
【請求項8】
前記1つ以上のコイルが、コイル型スプリング構成を形成する、請求項1に記載の生検部位マーカー。
【請求項9】
前記1つ以上のコイルが、コイル型スプリング構成を形成し、前記1つ以上のコイルがマーカー物質で形成され、前記マーカー物質が曲げられた時に永久的に弾性力を有し変形しないように構成されている、請求項1に記載の生検部位マーカー。
【請求項10】
前記1つ以上のコイルがスプリング構成を形成し、前記1つ以上のコイルが、前記マーカー要素の一部が、カニューレを介して広がるために、まっすぐな構成に変形することを可能にするように構成されている、請求項1に記載の生検部位マーカー。
【請求項11】
前記生体吸収性担体がポリマー物質を含み、前記ポリマー物質が、超音波イメージングで使用するように構成される複数の気泡を含む、請求項1に記載の生検部位マーカー。
【請求項12】
前記生体吸収性担体がポリマー物質を含み、前記ポリマー物質が、超音波イメージングで使用するように構成される複数の気泡を含み、前記複数の気泡の各気泡がガラスの球体によって明確に示されている、請求項1に記載の生検部位マーカー。
【請求項13】
前記1つ以上のコイルがらせん形状構成を形成する、請求項1に記載の生検部位マーカー。
【請求項14】
生体吸収性部分;及び
前記生体吸収性部分の一部内に配置されたワイヤ要素
を含む、生検部位マーカーであって、
前記ワイヤ要素がコイルを明確に示し、前記コイルが、生検部位に前記生検部位マーカーを配置するために、平らな構成への前記ワイヤ要素の変形を可能にするように構成されている、生検部位マーカー。
【請求項15】
前記ワイヤ要素が、前記生体吸収性部分の吸収時に、所定の形状に移行するように構成されている、請求項14に記載の生検部位マーカー。
【請求項16】
前記ワイヤ要素が、前記生体吸収性部分の吸収時に、球形に移行するように構成されている、請求項14に記載の生検部位マーカー。
【請求項17】
前記コイルがスプリングを明確に示す、請求項14に記載の生検部位マーカー。
【請求項18】
前記コイルが、前記コイルが広がる時に、弾性力を有し変形しないように構成されている金属物質を有する、請求項14に記載の生検部位マーカー。
【請求項19】
担体;及び
前記担体の一部内に配置されたマーカー要素
を含む、生検部位マーカーであって、
前記マーカー要素が、複数の分岐を含み、前記分岐が配置位置から配置後位置に移動するように構成され、前記分岐が、前記配置位置で一緒に維持され、前記分岐が、前記配置後位置で互いに対して広げられて、前記生検部位マーカーを組織に固定する、生検部位マーカー。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本願は生検部位マーカーを提供する。生検部位マーカーは、生体吸収性担体;及び1つ以上のコイルを含むマーカー要素を含み、前記マーカー要素の一部が前記生体吸収性担体内に配置され、前記マーカー要素の少なくとも一部が、生検部位の組織に係合するように、前記1つ以上のコイルに対して移動するように構成されている。なお、生検マーカーは、軸に沿って順に配列された3つの形状部を含むことができ、それぞれの形状部は、第1表面、及び第1表面に平行する第2表面を有するようにしてもよい。第1狭小部は、3つの形状部のうち第1形状部を3つの形状部のうち第2形状部と連結させることができる。第2狭小部は、3つの形状部のうち第2形状部を3つの形状部のうち第3形状部に連結できる。第1狭小部は、第1形状部の第1表面が第2形状部の第1表面に対して第1角度になるように軸を中心に捩れる。第2狭小部は、第2形状部の第1表面が第3形状部の第1表面に対して第2角度になるように軸を中心に捩れる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
上述のように、本発明によれば、マーカー要素の一部が生体吸収性担体内に配置され、マーカー要素の少なくとも一部が、生検部位の組織に係合するように、1つ以上のコイルに対して移動する。また、生検マーカーについては、第1表面及び第1表面に平行する第2表面を有し、軸に沿って順に配列された3つの形状部と、前記3つの形状部のうち第1形状部を前記3つの形状部のうち第2形状部と連結する第1狭小部、及び前記3つの形状部のうち第2形状部を前記3つの形状部のうち第3形状部と連結する第2狭小部を含んで前記第1の狭小部を前記第1形状部の前記第1表面が前記第2形状部の前記第1表面に対して第1の角度になるように捻ることができ、前記第2狭小部を前記第2形状部の前記第1表面が前記第3形状部の前記第1表面に対して第2角度になるように前記軸を中心に捻ることができる。