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特開2022-84938ソフトハンドオーバにおける機能強化されたアップリンク動作
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022084938
(43)【公開日】2022-06-07
(54)【発明の名称】ソフトハンドオーバにおける機能強化されたアップリンク動作
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/18 20090101AFI20220531BHJP
   H04W 28/04 20090101ALI20220531BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20220531BHJP
【FI】
H04W36/18
H04W28/04 110
H04W72/04 137
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022061618
(22)【出願日】2022-04-01
(62)【分割の表示】P 2021126371の分割
【原出願日】2004-08-25
(31)【優先権主張番号】60/497,747
(32)【優先日】2003-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】60/507,554
(32)【優先日】2003-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】60/508,797
(32)【優先日】2003-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】60/520,207
(32)【優先日】2003-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】60/585,174
(32)【優先日】2004-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】521543004
【氏名又は名称】パンテック ワイヤレス, リミティッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】特許業務法人ナガトアンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ステファン ジー.ディック
(72)【発明者】
【氏名】ステファン イー.テリー
(72)【発明者】
【氏名】チャン グゥオドン
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ エム.ミラー
(72)【発明者】
【氏名】シン スン-ヒュク
(57)【要約】
【課題】ソフトハンドオーバ時のワイヤレス通信システムにおける機能強化されたアップリンク(EU)動作のための方法を提供する。
【解決手段】本システムは、無線送受信ユニット(WTRU)、少なくとも2つのノードB、および無線ネットワークコントローラ(RNC)を備える。1つのノードBをプライマリノードBとして指定し、そのプライマリノードBが、アップリンクスケジュール作成およびハイブリッド自動再送要求(H-ARQ)を含むソフトハンドオーバ時のEU動作を制御する。ソフトバッファの破壊は、ソフトハンドオーバ時に、プライマリノードBがH-ARQを制御することにより、回避される。代案として、RNCが、H-ARQを含むソフトハンドオーバ時のEU動作を制御する。この場合、RNCは、各ノードBのエラーチェック結果に基づいて、最終的な肯定応答/否定応答(ACK/NACK)の決定を生成する。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線送受信機と、
プロセッサと、を備える無線送受信ユニット(WTRU)であって、
プライマリセルが一つのネットワークノードに関連付けられるとともに一つ以上の非プライマリセルが当該ネットワークノードに関連付けられている情況下で、
前記無線送受信機および前記プロセッサによって、
前記プライマリセルおよび前記一つ以上の非プライマリセルを含む複数のセルの肯定応答(ACK)/否定応答(NACK)情報を監視し、
前記一つ以上の非プライマリセルのうち当該WTRUがダウンリンク共有チャネル送信を受信する際の送信元となる少なくとも一つの非プライマリセルの表示を含むメッセージを、前記プライマリセル上で受信し、及び
前記受信されたメッセージに応答して、前記一つ以上の非プライマリセルのうちの前記表示により示された少なくとも一つの非プライマリセルから、前記ダウンリンク共有チャネル送信を受信して処理する、ように構成された、無線送受信ユニット(WTRU)。
【請求項2】
前記WTRUによる前記プライマリセル上での前記メッセージの受信と、前記一つ以上の非プライマリセルののうちの前記表示により示された少なくとも一つの非プライマリセルからの前記ダウンリンク共有チャネル送信の受信と、の間には、時間のずれがある、請求項1に記載のWTRU。
【請求項3】
前記無線送受信機および前記プロセッサは、さらに、前記プライマリセルのみ、ダウンリンクチャネルのメッセージを監視するように構成されている、請求項1に記載のWTRU。
【請求項4】
前記無線送受信機および前記プロセッサは、さらに、複数のダウンリンクチャネルの前記メッセージを監視するように構成されている、請求項1に記載のWTRU。
【請求項5】
前記無線送受信機および前記プロセッサは、さらに、前記複数のセルのいずれかから否定応答(NACK)を受信することに応答して、データを再送信するように構成されている、請求項1に記載のWTRU。
【請求項6】
無線送受信ユニット(WTRU)によって実行される方法であって、
プライマリセルが一つのネットワークノードに関連付けられるとともに一つ以上の非プライマリセルが当該ネットワークノードに関連付けられた情況下で、前記プライマリセルおよび前記一つ以上の非プライマリセルを含む複数のセルの肯定応答(ACK)/否定応答(NACK)情報を監視するステップと、
前記一つ以上の非プライマリセルのうち前記WTRUがダウンリンク共有チャネル送信を受信する際の送信元となる少なくとも一つの非プライマリセルの表示を含むメッセージを、前記WTRUが前記プライマリセル上で受信するステップと、
前記受信されたメッセージに応答して、前記一つ以上の非プライマリセルのうちの前記表示により示された少なくとも一つの非プライマリセルから、前記ダウンリンク共有チャネル送信を受信して処理するステップと、を含む、方法。
【請求項7】
前記WTRUによる前記プライマリセル上での前記メッセージの受信と、前記一つ以上の非プライマリセルのうちの前記表示により示された少なくとも一つの非プライマリセルからの前記ダウンリンク共有チャネル送信の受信と、の間には、時間のずれがある、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記WTRUは、前記プライマリセルのみ、ダウンリンクチャネルの前記メッセージを監視する、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記WTRUは、複数のダウンリンクチャネルの前記メッセージを監視する、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記WTRUによって、前記複数のセルのいずれかから否定応答(NACK)を受信することに応答して、データを再送信することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
無線送受信機と、
プロセッサと、を備える無線ネットワークノードであって、
前記無線送受信機および前記プロセッサは、
プライマリセルが前記無線ネットワークノードに関連付けられるとともに一つ以上の非プライマリセルが当該ネットワークノードに関連付けられている情況下で、、
前記プライマリセルおよび前記一つ以上の非プライマリセルの構成情報を無線送受信ユニット(WTRU)へ送信し、
前記一つ以上の非プライマリセルのうち、ダウンリンク共有チャネル送信が予定されている少なくとも一つの非プライマリセルの表示を含むメッセージを、前記プライマリセル上で前記無線送受信ユニット(WTRU)へ送信する、無線ネットワークノード。
【請求項12】
前記無線送受信機および前記プロセッサは、前記一つ以上の非プライマリセルのうちの前記表示により示された少なくとも一つの非プライマリセル上で、前記ダウンリンク共有チャネル送信を送信するように構成されている、請求項11に記載の無線ネットワークノード。
【請求項13】
前記WTRUによる前記プライマリセル上での前記メッセージの受信と、前記一つ以上の非プライマリセルのうちの前記インジケータにより示された少なくとも一つの非プライマリセルからの前記ダウンリンク共有チャネル送信の受信と、の間には、時間のずれがある、請求項11に記載の無線ネットワークノード。
【請求項14】
前記無線送受信機及び前記プロセッサは、複数のセルのいずれかから否定応答(NACK)を送信し、再送信されたデータを受信するように構成されている、請求項11に記載の無線ネットワークノード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤレス通信に関する。より詳細には、本発明は、ソフトハンドオーバ時の機能強化されたアップリンク(EU)動作に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話のワイヤレス通信ネットワークは、複数の対象領域に分割されている。ネットワーク内の各対象領域は、ノードBによってサービスが提供される。ワイヤレス送受信ユニット(WTRU)は移動につれて、ネットワーク内で1つの対象領域から別の対象領域に動く場合がある。
【0003】
WTRUは、特定の対象領域に対して指定されたノードBにより、サービスが提供される。各ノードBが対象とする領域は互いに重なり合っているので、領域の境界において、WTRUは2つ以上のノードBを用いて接続を確立することができる。WTRUがネットワーク内で1つの対象領域から別の対象領域に移動するとき、WTRUはハンドオーバを介す。ソフトハンドオーバは、複数のセルを巡って動きながら、中断のない通信を確保するのに、広く使用される。
【0004】
ソフトハンドオーバは、WTRUが同時に2つ以上のノードBに対し、同時に接続されているときに生じる。ソフトハンドオーバにおいては、WTRUをサービスしている全てのノードBが受信データを処理し、受信データは、マクロダイバーシティ合成用の無線ネットワークコントローラ(RNC)に対してルーティングされる。簡単にするため、RNCは、CRC(Cyclic Redundancy Check)のようなエラー検出技術を用いて、CRCにパスするパケットを受け付けてもよい。
【0005】
ソフターハンドオーバは、ソフトハンドオーバの特殊な例である。WTRUがソフターハンドオーバ状態であるとき、WTRUは、同一ノードBに属する2つ以上のセルに接続されている。ソフトハンドオーバと対照的に、ソフターハンドオーバにおいては、最大比合成の有無に関わらず、マクロダイバーシティを、ノードB内で実行することができる。
【0006】
自動再送要求(ARQ)は、エラーが検出された場合、それを用いて、受信者が送信者によるパケットの再送信を要求する技術である。ハイブリッドARQ(H-ARQ)は、それを用いて、送信されたデータブロックを部分的エラー訂正のため受信者側で符号化し、訂正されないエラーを有するデータブロックのみを再送信する技術である。先行技術、即ち、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)においては、ノードBによりH-ARQ機能を終了して制御し(ノードB制御H-ARQと呼ばれる技術)、それにより、間違って受信されたパケットの迅速な送信と再送信が可能になる。HSDPAにおけるH-ARQはソフトハンドオーバに必要ではないので、この特徴は極めて好ましく且つ実用的であった。この特徴はEUにとっても極めて好ましいが、ソフトハンドオーバ時に動作するEU(およびH-ARQ)に向いているので、問題が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ソフトハンドオーバ状態においてノードBが制御するH-ARQに伴う問題の1つは、リンクの不安定である。関連アップリンク(UL)およびダウンリンク(DL)の制御シグナリングは、ソフトハンドオーバの利点を得ないので、エラーが起こりやすく、かなりの電力のオフセット値が必要である。DL方向においては、WTRUが全ての関係ノードBから肯定応答(ACK)または否定応答(NACK)信号を受信することができない場合がある。ULにおいては、全ての関係ノードBがWTRUから関連制御シグナリングを受信することは出来ない場合がある。これにより、ソフトバッファの破壊が生じる場合がある。
【0008】
ソフトバッファは、ノードBにおいてH-ARQを実装するためのバッファである。ノードBが受信はしたが肯定応答はしていないデータパケットは、インクリメンタル合成のためにソフトバッファ内に格納される。したがって、送信はしたが、その前に肯定応答をしていないデータパケットは、NACKシグナリングに応答して送信される同一データパケットの再送信と合成される。チェイス合成はインクリメンタル合成の特殊な例である。ソフトバッファ破壊は、異なるノードBの間でH-ARQプロトコルの配列の狂いを生じ、ソフトハンドオーバの利点を失う結果となる。先行技術システムに関連付けられる問題を生じることなく、効率の良いH-ARQ動作を果たすことが望ましい。
【0009】
ノードBは、多くの場合は、RNCがノードB上に全体制御を保持しているときであっても、もっと効率の良い決定をして、短時間ベースでRNCよりも良くUL無線リソースを管理することができる。ノードBが、EU動作において、WTRUにUL無線リソースを割当てるためには、ノードBは、いくつかのWTRU固有パラメータを識別しなければならない。現行の3GPP規格では、RNCのみが、無線リソース制御(RRC)のメッセージを用いて、WTRU固有パラメータを識別することができる。したがって、EU送信における無線リソースの適切なスケジューリングのために、その情報をノードBにフォワードする必要がある。
【0010】
RNCは、ソフトハンドオーバ状態において各WTRU用のセルのアクティブセットを維持する。このRNCは、WTRUのアクティブセットにセルを追加または削除するかの決定を、WTRUとノードBが提供する測定値および各セルにおいて利用可能な無線リソースの管理における測定値に基づいて行う。現行の3GPP規格で、RNCは、RRC無線ベアラ(RB)制御プロシージャを適用してアクティブセットのセルをWTRUと協調させ、ノードBアプリケーションパート/無線ネットワークサブシステムアプリケーションパート(NBAP/RNSAP)無線リンクプロシージャを適用してアクティブセットのセルを各ノードBと協調させる。
【0011】
ソフトハンドオーバ時に、若干の情報を、ネットワークエンティティ間で通信してEU動作を支援しなければならない。この情報には、これらに限定はされないが、アクティブセットに関連する情報、ソフトハンドオーバ時の送信を制御するノードBに関する情報、ソフトハンドオーバ時のEUスケジューリング情報、およびソフトハンドオーバ時のACK/NACK状態情報が含まれる。現行の3GPP規格は、ソフトハンドオーバ時のEU動作において不可欠の必要情報を転送する固有プロトコルを定義していない。したがって、WTRU固有情報およびその他のEU関連情報を、RNC、ノードBおよびWTRUの間で転送するプロトコルを定義して、ノードBが無線リソースをスケジュールできるようにして、ソフトハンドオーバ時にEU接続を正確にハンドオーバする必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、ワイヤレス通信システムにおけるソフトハンドオーバ時のEU動作に関する。ワイヤレス通信システムは、WTRU、少なくとも2つのノードB、およびRNCを含む。本発明の一実施形態に従って、WTRU毎に1つのノードBをプライマリノードBとして指定し、EUアクティブセット内の他のノードBは何れも非プライマリノードBとして指定する。プライマリノードBは、ソフトハンドオーバ時に、EUスケジュール作成とH-ARQを含む、EU動作を制御する。ソフトバッファの破壊は,ソフトハンドオーバ時に、プライマリノードBのみがH-ARQを制御することにより、回避される。代案として、RNCが、ソフトハンドオーバ時に、H-ARQを含むEU動作を制御する。この場合、RNCは、ノードBのエラーチェック結果に基づいて、最終的なACK/NACKの決定を生成する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】本発明の第1実施形態の図である。
図1B】本発明の第1実施形態の図である。
図2A】本発明の第2実施形態の図である。
図2B】本発明の第2実施形態の図である。
図3A】本発明の第3実施形態の図である。
図3B】本発明の第3実施形態の図である。
図4A】本発明の第4実施形態の図である。
図4B】本発明の第4実施形態の図である。
図5】本発明によるノードBとRNCとの間の簡素化された接続を示す図である。
図6】本発明によるACK/NACK信号を転送するシステム図である。
図7】本発明によるACK/NACK信号を転送するシステム図である。
図8A】本発明によるソフターハンドオーバのためのシステム図およびプロセス図である。
図8B】本発明によるソフターハンドオーバのためのシステム図およびプロセス図である。
図9】本発明によりネットワークエンティティ間でWTRU固有情報を転送する図である。
図10】本発明によりハンドオーバ時にネットワークエンティティ間で情報を転送する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
全体を通じて類似要素を類似番号で表す付属図面を参照して本発明を記述する。
【0015】
以下で言及するとき、用語「WTRU」は、これらに限定されないが、ユーザ機器、移動局、固定または移動加入者ユニット、ページャ、またはワイヤレス環境において動作できる任意のその他のタイプの装置を含む。以下で言及するとき、用語「ノードB」は、これらに限定されないが、基地局、サイトコントローラ、アクセスポイント、またはワイヤレス環境における任意のその他の型のインターフェース装置を含む。
【0016】
図1Aおよび1Bは、本発明の第1実施形態のシステム100およびプロセス150の図である。WTRU102は、ソフトハンドオーバのため、異なるノードB104a、104bが制御する少なくとも2つのセルとの接続を確立する。WTRU102から送信されるデータパケットは、ソフトハンドオーバ時に、少なくとも2つのノードB104a、104bが別個に受信して処理する(ステップ152)。
【0017】
「アクティブセット」内のノードBのグループのうち1つをプライマリノードB104aとして指定し、アクティブセット内のその他のノードBは、非プライマリノードB104bとして指定する。RNC106またはWTRU102が、この決定を行う(ステップ152)。RNC106が決定を行う場合は、RNC106が全てのノードB104a、104bおよびWTRU102に通知する。WTRU102が決定を行う場合は、WTRU102は、全てのノードB104a、104bか、代わりに全てのノードB104a、104bに通知するRNC106のいずれかに通知する。
【0018】
プライマリノードB104aに関する決定をするに当たって、RNC106は統計、即ち、特定のWTRUの送信に関してノードB104a、104bが復号化に成功した数を用いて、最良のUL性能を有するノードB104a、104bを識別する。評価するのは、ノードBが制御する最良のセルの性能であって、ノードBに関連付けられた全てのセルの性能ではない。RNC106は、上述のUL性能およびWTRU102測定値から得られるDL性能の両方を評価することによっても、プライマリノードB104aを選択する。RNC106は次いで、ノードB104a、104bおよびWTRU102に対し、どれがプライマリノードB104aになるかについて、それぞれ、IubシグナリングおよびRRCシグナリングを通じて通告する。WTRU102も、プライマリノードB104aをノードBからの高速なレイヤ1シグナリングを通じて通知される。
【0019】
プライマリノードB104aがインクリメンタル合成を採用し、非プライマリノードB104bはインクリメンタル合成を用いてもよいし、用いなくてもよい。非プライマリノードB104bがインクリメンタル合成を使用しない場合、非プライマリノードB104bは、単純ARQを使用し、また常に自分のバッファをリフレッシュして、一切の合成を行わない。この方式は、ソフトハンドオーバ状態におけるソフトバッファの破壊の問題を解消する。プライマリノードB104aおよび非プライマリノードB104bの双方がインクリメンタル合成を実施する場合は、ソフトバッファの破壊は、ノードB104a、104bにどのデータパケットが送信中かを通知するWTRU102により送られる、物理的制御シグナリングにおける新規データインジケータまたはシーケンス番号を用いて解消してもよい。それによりノードB104a、104bは、ソフトバッファを破壊がないよう管理することができる。
【0020】
アクティブセット内の全てのノードB104a、104bは、WTRU102からデータパケットを受信する(ステップ154)。各ノードB104a、104bは、データパケットにおけるエラーチェックを実行し、データパケットの復号化における成功または失敗の表示を生成する(ステップ156)。データパケットの受信に成功したか否かの決定は、巡回冗長度検査(CRC)を実施するように、エラーチェックプロシージャを介して実行する。ノードBによるデータパケット復号化における成功または失敗の表示は、各種の異なる形式で構成することができるが、以下では、本発明の全ての実施形態において、CRC結果またはACK/NACKとして述べる。しかしながら、本発明の技術に従ってエラーチェックの任意の種類を実行してもよいので、用語「CRC」または「ACK/NACK」は、本発明の、例証としての使用のみであって限定としての使用ではないことを理解しなければならない。
【0021】
ノードB104a、104bが、エラーチェックが決定するところで、データパケットを正確に復号化する場合、ノードB104a、104bは、そのデータパケットをRNC106に対して送信する。プライマリノードB104aがデータパケットからACKを導出すると、非プライマリノードB104bからのCRC結果を待つことなく、ACK信号をWTRU102およびRNC106に対して送信し、ソフトバッファをリフレッシュする(ステップ158)。プライマリノードB104aが、データパケットからNACKを導出する場合は、RNCに対しNACKを送信して、RNCからの最終的な決定またはRNC106を通じてフォワードされる非プライマリノードBからのCRC結果を待つ(ステップ158)。プライマリノードB104aは、以下に記述するようなタイマーを設定することがある。プライマリノードB104aは、RNC106が行う最終的な決定または非プライマリノードB104bからフォワードされるCRC結果に従ってACK/NACK信号をWTRU102に対して送信する。
【0022】
非プライマリノードB104bは、データパケットからACKを導出する場合のみ、データパケットをRNC106に対して送信する(ステップ158)。RNC106は、ACK/NACKの決定を行う(ステップ160)。RNC106がノードB104a、104bから少なくとも1つのACKを受信する場合、RNC106はACKの決定を行い、RNC106がノードB104a、104bから所定時間の期間内にACKを受信しない場合、RNC106はNACKの決定を行う。RNC106は、プライマリノードB104aに対してACK/NACKの決定を送信する。RNC106は、プライマリノードB104aがACKを導出する場合は、プライマリノードB104aに対しACKの決定を送信しないことがある。RNC106は、非プライマリノードB104bにおけるインクリメンタル合成の方式に応じて、任意で、ソフトバッファ管理のために、非プライマリノードB104bに対しACK/NACKの決定を送信する。
【0023】
RNC106は、任意で、非プライマリノードB104bから引渡されるパケットを使用する。RNC106が非プライマリノードB104bから配信されるパケットを使用する場合は、RNC106のメディアアクセスコントロール(MAC)機能が、関係ノードB104a、104b全てから受信する全てのパケット上で、順序付けされていない配信のメカニズムを実行する。無線リンク制御(RLC)層が順序外れの送信を確認すると、これはデータが失われたとして再送信を要求する。RNC106が非プライマリノードB104bから引渡されるパケットを使用しない場合、そのRNC106は、プライマリノードB104aから受信するパケットのみを処理する。RNC106は、データパケットを抽出してMACレベルリオーダリングバッファに入れる。RNC MACが順序付け直し処理を実行した後、そのデータをRLC層に送付する。欠落したパケットを確認し、RLCメッセージ送付を通じてWTRU102に通告する。
【0024】
任意選択で、ノードBとRNCとの間のエラーチェック結果の送信において、簡素化された接続を実施してもよい。高速で簡素化された接続を、図5を参照して説明する。簡素化された接続は、RNC506とノードB504a、504bとの間の高速なシグナリング専用で、RNC506とノードB504a、504bとの間の長い遅延を解消する。高速で簡素化された接続510a、510bを、ノードB504a、504bとRNC506との間に確立する。ノードB504a、504bからRNC506に対するCRC結果、およびRNC506からノードB504a、504bに対するACK/NACK結果が、簡素化された接続510a、510bを通じて送信される。ノードB504a、504bの間に直接物理的連結は必要でない。むしろ、ノードB504a、504bの間の論理チャネルが必要である。RNC506が、論理チャネルの設置を調整する。
【0025】
高速で簡素化された接続510a、510bは、2つの代案を用いて実施する。第1代案に従って、RNC506と2つのノードB504a、504bとの間にそれぞれ、2つの論理チャネルを確立する。RNC506は、1つのノードB504bからH-ARQシグナリング510bを受信し、それを別のノードB504aに対してフォワード510aする前に処理する。RNC506は、シグナリングを処理することにより、各ノードB504a、504bのH-ARQ処理の状態を認識する。上述のとおり、CRC結果はRNC506が処理して、RNC506が最終的なACK/NACKの決定を行い、そのACK/NACKの決定をノードB504a、504bに対して送信する。
【0026】
ノードB504a,504bのいずれかから最初のACKをRNC506内で受信すると、そのRNC506はACKの決定を全てのノードB504a、504bに対して送信する。全てのノードB504a、504bがNACKを導出する場合は、全てのノードB504a,504bがCRC結果を提供するのを待つのに若干の時間を要する。したがって、RNC506は、任意に、全てのノードBが応答するのを待つタイマーを設定し、タイマーが時間切れになるとき、RNC506は全てのノードB504a,504bに対してNACKを送信してもよい。
【0027】
第2代案に従って、2つのノードB504a、504b間にRNC506を介して単一の論理チャネルを確立する。RNC506は、CRC結果を1つのノードB504bから受信し、それを処理しないで別のノードB504aに対してフォワードのみをする。この処理は、シグナリングが、RNC506において処理されることなくノードB504a、504bの間でルーティングされるだけなので、高速である。したがって、これはRNC506における処理遅延およびプロトコル遅延を回避する。各ノードB504a、504bが、アクティブセット内の全ての関係ノードB504a、504bから収集するCRC結果に基づいて、ACK/NACKの決定を導出する。いずれかのノードBから少なくとも1つのACKがある場合、各ノードB504a、504bにおいて最終的なACKの決定を行う。さもなければ、ノードB504a、504bがNACKの最終的な決定を行う。上述のように、各ノードB504a、504bは、ノードB504a、504bのうちいずれかからの最初のACKの受信のときに、ACKの決定を生成する。ノードB504a、504bは、別のノードB504a、504bからのACKを待つタイマーを設定して、タイマーの時間切れまでにノードB504a、504bが全くACKを受信しない場合、ノードB504a、504bはNACKの決定を生成する。
【0028】
ノードB504a、504bとRNC506との間の簡素化された接続は、ここに記述する本発明のあらゆる実施形態において実施してもよい。
【0029】
図6および図7を参照して、RNCとノードBとの間のACK/NACKの決定のシグナリングを説明する。図6は、非プライマリノードB604bが、プライマリノードB604aと同一の制御RNC(CRNC)606を有するシステム600を示す。この場合、CRNC606が、非同期ACKをWTRU602に対し、プライマリノードB604aを介して送る。
【0030】
図7は、非プライマリノードB704bが、プライマリノードB704aのCRNC706aとは異なるCRNC706bを有するシステム700を示す。この場合、サービングRNC(SRNC)707は、非同期ACKをWTRU702に対し、プライマリノードB704aを介して送る。
【0031】
図2Aおよび図2Bは、本発明の第2実施形態のシステム200およびプロセス250の図である。この第2実施形態においては、各ノードB204a、204bにおいてインクリメンタル合成が実行され、それによりノードB204a、204bは、WTRU202からの増加した冗長度の有無に関わらず、以前のデータパケットの送信を同一データパケットの再送信と合成する。
【0032】
WTRU202は、異なるノードB204a、204bが制御する少なくとも2つのセルとの接続をソフトハンドオーバのために確立し、WTRU202から送信されるデータパケットを、ノードB204a、204bが別個に受信して処理する(ステップ252)。各ノードB204a、204bがデータパケットにおけるエラーチェックを実行してCRC結果を生成する(ステップ254)。各ノードB204a、204bは、そのCRC結果をRNC206に対して送付する。同時に、各ノードB2041、204bは、そのCRC結果をWTRU202に対しても送付する(ステップ256)。WTRU202は、ノードB204a、204bから受信した少なくとも1つのACKがあるか否かに関して判定を行う(ステップ258)。WTRU202は、ACKおよびNACKの両方の信号をノードB204a、204bから受信することがある。WTRU202が全くACKを受信しない場合、そのデータパケットの再送信をスケジュールする(ステップ264)。ノードB204a、204bは、再送信と以前の送信とのインクリメンタル合成を実行する。WTRU202がノードB204a、204bのいずれかから少なくとも1つのACKを受信する場合、WTRU202は次のデータパケットを送信する(ステップ262)。
【0033】
RNC206も、ノードB204a、204bから収集するACK/NACK信号に基づいて、ACK/NACKの決定を行う(ステップ260)。RNC206は、RNC206がノードB204a、204bから少なくとも1つのACKを受信する場合、ACKの決定を生成して送信する(ステップ268)。さもなければ、RNC206は、NACKの決定を生成してノードB204a、204bに対し送信する(ステップ270)。ACK/NACKの決定は、ノードB204a、204bに対して送信する。各ノードB204a、204bは、RNC206からACKの決定を一旦受信すると、そのソフトバッファをリフレッシュする(ステップ272)。この方式を用いて、ソフトバッファ破壊を解消する。
【0034】
図3Aおよび3Bは、本発明の第3実施形態のシステム300およびプロセス350の図である。WTRU302は、ソフトハンドオーバのため、異なるノードB304a、304bが制御するセルとの少なくとも2つ接続を確立する。WTRU302が送信するデータパケットは、ソフトハンドオーバ時に、少なくとも2つのノードB304a、304bが別個に受信して処理する(ステップ352)。各ノードB304a、304bがデータパケットにおけるエラーチェックを実行し、受信するデータパケットにおけるエラーチェックに基づいてACK/NACK結果を生成する(ステップ354)。ノードBコーディネータ308が提供され、ノードB304a、304b間およびノードB304a、304bとRNC306との間の調整を行う。各ノードB304a、304bがACK/NACK結果をノードBコーディネータ308に対し送る(ステップ356)。この実施形態においては、WTRU302に対してACKまたはNACKを送信するか否かの最終的な決定は、ノードBコーディネータ308が行う。関係ノードB304a、304bのいずれかが、エラーチェックの結果としてACKを生成したか否かを判定する(ステップ358)。その場合、ノードBコーディネータ308は、全ての関係ノードB304a、304bそれぞれに対し、各ノードB304a、304bにおいて導出したエラーチェックの結果に関わりなく、対応するソフトバッファをフラッシュアウトして新しい送信に備えることを命令する(ステップ360)。それに応答して、各ノードB304a、304bは、WTRU302に対してACKを送り、そのソフトバッファをリフレッシュする(ステップ362)。
【0035】
全てのノードB304a、304bからのエラーチェックの結果が失敗である(即ち、全てのノードB304a、304bがNACKを生成する)か、または応答タイマーノードBコーディネータが時間切れとなる場合、ノードBコーディネータ308は、全てのノードB304a、304bに対し、送信されたデータパケットを上手く復号化することに失敗したこと、およびデータパケットの再送信を準備しなければならないことを通知する(ステップ364)。それに応答して、ノードB304a、304bはWTRU302に対してNACKを送る(ステップ366)
図4Aおよび4Bは、本発明の第4実施形態のシステム400およびプロセス450の図である。ソフトハンドオーバのため、WTRU402は、アクティブセット内の異なるノードB404a、404bが制御する少なくとも2つのセルと、別個の接続を確立する。WTRU402が送信するデータパケットは、ソフトハンドオーバ時にノードB404a、404bにより別個に受信、処理される(ステップ452)。各ノードB404a、404bは、受信したデータパケットにおけるエラーチェックを実行し、そのデータパケット復号化の成功または失敗の表示を生成する(ステップ454)。
【0036】
各ノードB404a、404bは、CRCの結果をRNC406に送信する(ステップ456)。ノードB404a、404bがデータパケットの復号化に成功した場合、ノードB404a、404bは、ACKをデータパケットと共にRNC406に送る。ノードB404a、404bがデータパケットの復号化に失敗した場合、ノードB404a、404bは、NACKをRNC406に送る。ACKおよびNACKは各データブロックと共に、ノードB404a、404bとRNC406との間のIub/Iurフレームプロトコルの範囲内で送られる。RNC406は、ノードB404a、404bが行うエラーチェックの結果から、データパケットの送信に関する最終的なACK/NACKの決定を行う(ステップ458)。RNC406は、ノードB404a、404bから少なくとも1つのACKを受信する場合、ACKの決定を行う。そうでなければ、RNC406はNACKの決定を行う。RNC406によるACKまたはNACKの決定は次いで、それぞれステップ460および464において、ノードB404a、404bに対し返信される。各ノードB404a、404bは、RNC406からACKの決定を受信すると、自身のバッファを消去する。全てのノードB404a、404bは、RNC406が生成するものと同一のACKまたはNACK信号を、各ノードB404a、404bが独立してデータパケットから導出するCRCの結果に関わらず、WTRU402に対して送信する(ステップ462および466)。この場合、WTRU402は、ノードB404a、404bから受信したACK/NACKフィードバック信号に対して最大比合成法(MRC)を適用してもよい。
【0037】
各ノードB404a、404b内のソフトバッファは、ノードB404a、404bが導出した関連するエラーチェック結果に関わらずRNC406が行うACK/NACKの決定に従って管理される。その結果、本発明の第4実施形態により、RNC406は各ノードB404a、404b内のソフトバッファ状態を揃えることができる。加えて、WTRU402は、全てのノードB404a、404bが同一のACK/NACKシグナリングを送信するので、ACK/NACKシグナリングに対するソフトハンドオーバの利点を得ることができる。そのように、全ての関連ノードB404a、404bからWTRU402に対して返信されるACK/NACK信号は同一であるから、WTRU402は、ACK/NACKシグナリングに関してマクロダイバーシティコンバイン(最大比合成法)を実施することができる。
【0038】
図2Aを参照して、本発明の第5実施形態を説明する。第5実施形態は、ノードB204a、204bがソフトハンドオーバ時に、インクリメンタル合成を実行しない点を除いて、第2実施形態と同様である。WTRU202は、ソフトハンドオーバのため、異なるノードB204a、204bが制御する少なくとも2つのセルとの接続を確立する。WTRU202が送信するデータパケットは、ソフトハンドオーバ時に少なくとも2つのノードB204a、204bが別個に受信して処理する。各ノードB204a、204bは、データパケットにおけるエラーチェックを実行して、ACK/NACK信号をWTRU202に送信する。ノードB204a、204bは、ACKを送信識別子と共にRNC206に対し送る。WTRU202は、一連のデータパケットを送ると同時に、MACレベルを見て、ソフトハンドオーバ状態では任意のノードB204a、204bからのACKを、ソフトハンドオーバ状態でないときは現在のノードBのみからのACKを探す。この方法は、ACKに対するタイムアウト閾値を超えるか、または全てのセルが順序外れを報告するかのいずれかの際に再送信を発生させる。代案として、この実施形態は、図1Aに示す第1実施形態を含む別の実施形態に関係させて実装されてもよい。
【0039】
図8Aおよび8Bは、本発明に従ったソフターハンドオーバのためのシステム800およびプロセス850の図である。ソフターハンドオーバ時に、WTRU802は、同一ノードB804が制御する2つ以上のセル808との接続を確立する(ステップ852)。WTRU802からのEU送信は、セル808のそれぞれが独立して処理し(ステップ854)、WTRU802から受信されたセル808の送信のそれぞれは、これらのセルを制御するノードB804が処理する(ステップ856)。WTRU802が送信する送信のインクリメンタル合成に関しては、2つの代案がある。
【0040】
第1代案に従うと、ノードB804は、全ての関係セル808からデータパケットを受信し、データパケットにおけるエラーチェックを実行する前に、最大比合成法のような技術を用いて、これらを合成する。結果の合成データパケットは、ノードB804においてエラーチェックされる。
【0041】
第2代案に従って、セル808それぞれがデータパケットを独立して処理して、WTRU802から受信するデータパケットにおけるエラーチェックを判定する。ノードB804は、アクティブセット内のセル808のいずれかでエラーチェックをパスしたデータパケットを受け入れる。
【0042】
ダウンリンクにおいて、ノードB804は、ACK/NACKを含むメッセージをWTRU802に対し、関係セル808全部を介して送る(ステップ858)。WTRU802は、関係セル808からの全てのチャネル、好ましくは共有チャネル、を監視して、ダウンリンクメッセージを検出する必要がある。WTRU802がセル808のそれぞれから監視しなければならない共有チャネルの数は、4チャネルまでといったように、限定される。
【0043】
セル808のうち1つをプライマリセル808aとして指定し、その他のセルを非プライマリセル808bとして指定してよい。プライマリセル808aは、WTRU802に割当てられたダウンリンク共有チャネルのいずれかの上でメッセージを送る。このメッセージは、非プライマリセル808b用の共有チャネルインジケータを搬送する。非プライマリセル808bは、共有チャネルインジケータが示すチャネル上でメッセージを送る。この方式を実施するため、プライマリセル808aからの共有チャネルインジケータの送信と、非プライマリセル808bからのメッセージの送信との間には、時間のずれがある。WTRU802はまず、プライマリセル808aから全ての共有チャネルを監視する。共有チャンネルのうち1つがWTRU802に対するメッセージを搬送していることをWTRU802が検出すると、WTRU802は共有チャンネルインジケータをダウンリンクメッセージと共にプライマリセル808aから読取る。次いでWTRU802は、共有チャネルインジケータが示す非プライマリセル808bからメッセージを受信する。この方式を用いて、WTRU802が監視すべきチャネル数を削減できる。WTRU802は次いで、最大比合成法のような技術を用いて、全ての関係セル808から受信するメッセージを合成する。
【0044】
代案として、DLに関しては、プライマリセル808aのみがWTRU802に対してメッセージを送信してもよい。ノードB804は、ダウンリンクメッセージをプライマリセル808aを介して送信し、非プライマリセル808b全部はWTRU802に対するダウンリンクシグナリングを切り離す。この方式を用いて、WTRU802の受信処理は簡素化され、ダウンリンク干渉が削減される。
【0045】
図9は、本発明に従って、WTRU固有の情報を転送してEU動作912を支援するシステム900の図である。最初にRNC906は、初期接続において、RRCメッセージング908を用いてWTRU902からWTRU固有の情報を取得する。次いで、WTRU固有の情報は、RNC906からノードB904にフォワードされ、WTRU902のためのEU送信のスケジューリングに使用される。RNC906からノードB904への情報転送は、Iubインターフェース910を介して、SRNCがCRNCと同一でない場合はIurインターフェースを介する。新しいシグナリング機構が、RNC906からノードB904に対し情報を転送するために利用される。または代案として、関連するWTRU固有の情報をRNC906がノードB904に対しフォワードするため、IurおよびIubインターフェース上の既存機構を修正してもよい。
【0046】
図10は、本発明に従って、ソフトハンドオーバ時にネットワークエンティティ間で情報を転送するシステム1000の図である。EU動作の間、WTRU1002がサービングセルまたはサービングノードBを変更する必要がある場合は、ソフトまたはソフターハンドオーバが起動される。以下においては、簡単にするため、本発明をソフトハンドオーバに関してのみ説明する。ソフトハンドオーバ時に、EU作業を支援するため、若干の情報をネットワークエンティティ間で通信しなければならない。この情報には、これらに限らないが、アクティブセットに関する情報、システムがそう指定するならばプライマリノードBに関する情報、EUスケジューリング/レート情報、およびACK/NACK状態情報が含まれる。
【0047】
RNC1006は、ハンドオーバのためセルのアクティブセットを維持する。RNC1006は、ノードB1004a、1004bとWTRU1002から報告する測定値と、利用可能な無線リソースとに基づいて、アクティブセット内のセルを選択、削除する。RNC1006がアクティブセットに対してセルを選択すると、RNC1006は、ノードB1004a、1004bおよびWTRU1002に対しメッセージを送り、EUに対するソフトハンドオーバを支援するための、アクティブセットに対して選択されたセルを通知する。アクティブセットにセルを追加または削除する毎に、RNC1006はアクティブセットを更新するメッセージを送る。このメッセージは、既存のRRCおよびNBAP/RNSAPアクティブセット管理プロシージャまたは新規プロシージャを用いて送信する。
【0048】
RNC1006またはノードB1004aのいずれか、1004bおよびWTRU1002は、ソフトハンドオーバ時に、1つのノードBをプライマリノードB1004aとして指定し、アクティブセット内のその他のノードBを非プライマリノードB1004bとして指定できる。各ノードB1004a、1004bが測定して報告するUL性能および/またはWTRU1002が測定して報告するDL性能に基づいて、プライマリノードB1004aが選択される。
【0049】
ソフトハンドオーバ時に、プライマリノードB1004aのみが、WTRU1002に対する無線リソースのスケジューリングおよび割当を実行する。プライマリノードB1004aは、RNC1006に対し、IubNBAPシグナリングを介して、またはEUフレームプロトコル内で、スケジュールされたEU送信を通知する。RNC1006は次いで、非プライマリノードB1004bに対し、EUに対する無線リソースの割当および受信するデータのルーティングを通知する。これはNBAP上で、またはEUフレームプロトコルの中でもシグナリングされる。代案として、非プライマリノードB1004bは、IubNBAPのプロシージャにより、各セルがアクティブセット内にある期間、EU物理チャネルのセットを通知される。アクティブセット内の非プライマリノードB1004bのそれぞれは、プライマリノードB1004aがスケジュールした無線リソースの割当とは独立して、これらのチャネルを連続して受信する。
【0050】
本発明の特徴と要素を、特定の組合せにおける好適な実施形態において記述したけれども、特徴または要素のそれぞれは、好適な実施形態のその他の特徴および要素なしに単独にも、または好適な実施形態のその他の特徴および要素を伴うかまたは伴わない各種の組合せにおいても使用することができる。
【符号の説明】
【0051】
100,200,300,400,500 システム
102,202,302,402,502 WTRU
104,204,304,404,504 ノードB
106,206,306,406,506 RNC
308 ノードBコーディネータ
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2022-04-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線送受信機と、
プロセッサと、を備える無線送受信ユニット(WTRU)であって、
プライマリセルが一つのネットワークノードに関連付けられるとともに一つ以上の非プライマリセルが当該ネットワークノードに関連付けられている情況下で、
前記無線送受信機および前記プロセッサによって、
前記プライマリセルおよび前記一つ以上の非プライマリセルを含む複数のセルの肯定応答(ACK)/否定応答(NACK)情報を監視し、
前記一つ以上の非プライマリセルのうち当該WTRUがダウンリンク共有チャネル送信を受信する際の送信元となる少なくとも一つの非プライマリセルのインジケータを含むメッセージを、前記プライマリセルから受信し、及び
前記受信されたメッセージに応答して、前記一つ以上の非プライマリセルのうちの前記インジケータにより示された前記少なくとも一つの非プライマリセルから、前記ダウンリンク共有チャネル送信を受信して処理する、ように構成された、無線送受信ユニット(WTRU)。
【請求項2】
前記WTRUによる前記プライマリセルからの前記メッセージの受信と、前記一つ以上の非プライマリセルののうちの前記インジケータにより示された前記少なくとも一つの非プライマリセルからの前記ダウンリンク共有チャネル送信の受信と、の間には、時間のずれがある、請求項1に記載のWTRU。
【請求項3】
前記無線送受信機および前記プロセッサは、さらに、前記プライマリセルのみ、ダウンリンクチャネルのメッセージを監視するように構成されている、請求項1に記載のWTRU。
【請求項4】
前記無線送受信機および前記プロセッサは、さらに、複数のダウンリンクチャネルの前記メッセージを監視するように構成されている、請求項1に記載のWTRU。
【請求項5】
前記無線送受信機および前記プロセッサは、さらに、前記複数のセルのいずれかから否定応答(NACK)を受信することに応答して、データを再送信するように構成されている、請求項1に記載のWTRU。
【請求項6】
無線送受信ユニット(WTRU)によって実行される方法であって、
プライマリセルが一つのネットワークノードに関連付けられるとともに一つ以上の非プライマリセルが当該ネットワークノードに関連付けられた情況下で、前記プライマリセルおよび前記一つ以上の非プライマリセルを含む複数のセルの肯定応答(ACK)/否定応答(NACK)情報を監視するステップと、
前記一つ以上の非プライマリセルのうち前記WTRUがダウンリンク共有チャネル送信を受信する際の送信元となる少なくとも一つの非プライマリセルのインジケータを含むメッセージを、前記WTRUが前記プライマリセルから受信するステップと、
前記受信されたメッセージに応答して、前記一つ以上の非プライマリセルのうちの前記インジケータにより示された前記少なくとも一つの非プライマリセルから、前記ダウンリンク共有チャネル送信を受信して処理するステップと、を含む、方法。
【請求項7】
前記WTRUによる前記プライマリセルからの前記メッセージの受信と、前記一つ以上の非プライマリセルのうちの前記インジケータにより示された前記少なくとも一つの非プライマリセルからの前記ダウンリンク共有チャネル送信の受信と、の間には、時間のずれがある、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記WTRUは、前記プライマリセルのみ、ダウンリンクチャネルの前記メッセージを監視する、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記WTRUは、複数のダウンリンクチャネルの前記メッセージを監視する、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記WTRUによって、前記複数のセルのいずれかから否定応答(NACK)を受信することに応答して、データを再送信することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
無線送受信機と、
プロセッサと、を備える無線ネットワークノードであって、
前記無線送受信機および前記プロセッサは、
プライマリセルが前記無線ネットワークノードに関連付けられるとともに一つ以上の非プライマリセルが当該ネットワークノードに関連付けられている情況下で、、
前記プライマリセルおよび前記一つ以上の非プライマリセルの構成情報を無線送受信ユニット(WTRU)へ送信し、
前記一つ以上の非プライマリセルのうち、ダウンリンク共有チャネル送信が予定されている少なくとも一つの非プライマリセルのインジケータを含むメッセージを、前記プライマリセルから前記無線送受信ユニット(WTRU)へ送信する、無線ネットワークノード。
【請求項12】
前記無線送受信機および前記プロセッサは、前記一つ以上の非プライマリセルのうちの前記インジケータにより示された前記少なくとも一つの非プライマリセルから、前記ダウンリンク共有チャネル送信を送信するように構成されている、請求項11に記載の無線ネットワークノード。
【請求項13】
前記WTRUによる前記プライマリセルからの前記メッセージの受信と、前記一つ以上の非プライマリセルのうちの前記インジケータにより示された前記少なくとも一つの非プライマリセルからの前記ダウンリンク共有チャネル送信の受信と、の間には、時間のずれがある、請求項11に記載の無線ネットワークノード。
【請求項14】
前記無線送受信機及び前記プロセッサは、複数のセルのいずれかから否定応答(NACK)を送信し、再送信されたデータを受信するように構成されている、請求項11に記載の無線ネットワークノード。