(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022084982
(43)【公開日】2022-06-08
(54)【発明の名称】端板ユニット
(51)【国際特許分類】
H05H 13/04 20060101AFI20220601BHJP
【FI】
H05H13/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020196451
(22)【出願日】2020-11-27
(71)【出願人】
【識別番号】503221861
【氏名又は名称】株式会社マイテック
(71)【出願人】
【識別番号】504151365
【氏名又は名称】大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構
(74)【代理人】
【識別番号】110002273
【氏名又は名称】特許業務法人インターブレイン
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 丈晃
(72)【発明者】
【氏名】山野井 豊
(72)【発明者】
【氏名】倉崎 るり
(72)【発明者】
【氏名】山田 功
(72)【発明者】
【氏名】山田 純平
【テーマコード(参考)】
2G085
【Fターム(参考)】
2G085AA11
2G085AA13
2G085BA16
2G085BD04
2G085BE02
(57)【要約】
【課題】真空ダクトの開口端を閉止する端板構造を簡易かつ低コストに実現する。
【解決手段】端板ユニット1は、真空ダクト104の開口端に取り付けられる取付面20を有する環状又は枠状の第1フランジ10と、第1フランジ10における取付面20とは反対側面に位置するシール面22に、第1フランジ10の開口端を取り囲むように設けられたシール収容部24と、シール収容部24に嵌着される金属製のシール部材26と、シール部材26を間に介装するようにシール面22に取り付けられて第1フランジ10の開口端を閉止する一方、荷電粒子が透過可能な端板12と、第1フランジ10との間に端板12を挟持する第2フランジ14と、第1フランジ10と第2フランジ14との対向面におけるシール部材26よりも半径方向外側位置を軸線方向に締結する締結部材30と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷電粒子が内部を進行する真空ダクトの開口端を閉止する端板ユニットであって、
前記真空ダクトの開口端に取り付けられる取付面を有する環状又は枠状の第1フランジと、
前記第1フランジにおける前記取付面とは反対側面に位置するシール面に、前記第1フランジの開口端を取り囲むように設けられたシール収容部と、
前記シール収容部に嵌着される金属製のシール部材と、
前記シール部材を間に介装するように前記シール面に取り付けられて前記第1フランジの開口端を閉止する一方、前記荷電粒子が透過可能な端板と、
前記第1フランジとの間に前記端板を挟持する第2フランジと、
前記第1フランジと前記第2フランジとの対向面における前記シール部材よりも半径方向外側位置を軸線方向に締結する締結部材と、
を備えることを特徴とする端板ユニット。
【請求項2】
前記締結部材が、前記第2フランジに沿って配置された複数のねじであることを特徴とする請求項1に記載の端板ユニット。
【請求項3】
前記端板の硬度が、前記シール部材の硬度よりも高いことを特徴とする請求項1又は2に記載の端板ユニット。
【請求項4】
前記第1フランジおよび前記第2フランジの硬度が、前記シール部材の硬度よりも高いことを特徴とする請求項3に記載の端板ユニット。
【請求項5】
前記第1フランジおよび前記第2フランジが、それぞれアルミニウム合金からなることを特徴とする請求項4に記載の端板ユニット。
【請求項6】
前記シール部材は、前記第1フランジ、前記第2フランジおよび前記端板のいずれよりも大きな展性を有することを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の端板ユニット。
【請求項7】
前記第1フランジおよび前記第2フランジの少なくとも一方に設けられ、冷却水を循環させるための冷却パイプをさらに備えることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の端板ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空ダクトの開口端を閉止する端板構造に関する。
【背景技術】
【0002】
シンクロトロンなどの加速器は、真空ダクトの周囲に電磁石を配置した装置ユニットを多数連結して構成される。イオン源で生成された荷電粒子は、その多数の真空ダクト内を進行する過程で高エネルギーとなるよう加速され、所定のターゲットに導かれる。隣接する装置ユニットは、真空ダクトの開口端に設けられたフランジ同士をクランプなどで固定することにより気密に連結される(特許文献1参照)。
【0003】
このような加速器は、荷電粒子のビーム輸送系に沿って非常に多くの装置ユニットを並設するが、設置スペースの都合などにより、それらの全ての真空ダクトを連結するのは容易でない。また、ビーム輸送系を途中で分離又は合流させるために、一部の装置ユニット間に空間を設けざるを得ない場合もある。
【0004】
このような場合、その一部の装置ユニット間において真空ダクトの連通が遮断され、両ユニット間に空間が形成される。その空間を挟んで対向する真空ダクトの開口端は、合成樹脂フィルム等の隔壁により閉止される。この隔壁は「真空窓」とも呼ばれる。このようにしても荷電粒子はその合成樹脂フィルム等を透過できるため、一方の装置ユニットから他方の装置ユニットへ導かれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで近年、加速器におけるビーム強度の増大とともに真空ダクトの口径も大きくなっている。その結果、合成樹脂フィルムは劣化の問題が顕著となり使用できなくなりつつある。そこで、金属板を真空ダクトの端部フランジに固定するなどが考えられるが、荷電粒子ビームの品質を低下させないために、金属板をできるだけ薄くしなければならない。しかし、金属板を薄くすると、真空ダクトの開口端への固定が難しくなる。
【0007】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、真空ダクトの開口端を閉止する端板構造を簡易かつ低コストに実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある態様は、真空ダクトの開口端を閉止する端板ユニットである。真空ダクトは、荷電粒子がその内部を進行する。この端板ユニットは、真空ダクトの開口端に取り付けられる取付面を有する環状又は枠状の第1フランジと、第1フランジにおける取付面とは反対側面に位置するシール面に、第1フランジの開口端を取り囲むように設けられたシール収容部と、シール収容部に嵌着される金属製のシール部材と、シール部材を間に介装するようにシール面に取り付けられて第1フランジの開口端を閉止する一方、荷電粒子が透過可能な端板と、第1フランジとの間に端板を挟持する第2フランジと、第1フランジと第2フランジとの対向面におけるシール部材よりも半径方向外側位置を軸線方向に締結する締結部材と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、真空ダクトの開口端を閉止する端板構造を簡易かつ低コストに実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態に係る端板ユニットが適用される装置の要部を表す図である。
【
図2】端板ユニットおよびその周辺の構成を表す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明においては便宜上、図示の状態を基準に各構造の位置関係を表現することがある。以下の実施形態およびその変形例について、ほぼ同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0012】
まず、本実施形態の端板ユニットが適用される装置の概要について説明する。
図1は、実施形態に係る端板ユニットが適用される装置の要部を表す図である。同図においては説明の便宜上、端板ユニット周辺の切欠断面が示されている。
【0013】
端板ユニット1は、シンクロトロンやサイクロトロンのような加速器100におけるビーム輸送系のダクト部に適用される。加速器100は、装置ユニット102を多数連結して構成される。装置ユニット102は、内部が真空状態に保たれた真空ダクト104の周囲に電磁石(図示略)を配置して構成される。
【0014】
上述のように、ビーム輸送系の一部には、隣接する装置ユニット102間で真空ダクト104の連通が遮断され、両ユニット間に空間Sが形成される箇所(以下「連結間欠箇所」ともいう)がある。空間Sは大気圧下にある。端板ユニット1は、その連結間欠箇所にて対向する真空ダクト104の開口端を閉止するように設けられる。
【0015】
このように端板ユニット1により真空ダクト104の開口端を閉止することにより、真空ダクト104の内部を高真空に維持できる。一方、端板ユニット1が荷電粒子を透過させることが可能な材質からなるため、荷電粒子は、一方の装置ユニット102から空間Sを越えて他方の装置ユニット102へ導かれ、ビーム輸送系を設定どおりに進行できる(図中二点鎖線矢印参照)。
【0016】
端板ユニット1は、荷電粒子が連結間欠箇所を通過する際にそのエネルギーロスが発生することを抑制しつつ、真空ダクト104の真空度を高く維持するための構造を有する。以下、その詳細について説明する。
【0017】
図2は、端板ユニット1およびその周辺の構成を表す断面図である。
図3は、端板ユニット1の構成を表す正面図(
図2におけるA方向矢視図)である。
図4は、第1フランジの構成を表す正面図である。
図5は、端板の構成を表す正面図である。
【0018】
図2に示すように、端板ユニット1は、第1フランジ10、端板12および第2フランジ14を軸線方向に組み付けて構成される。真空ダクト104の開口端には径方向外向きに延出するフランジ106が一体に設けられている。第1フランジ10は、アルミニウム合金からなる環状部材であり、真空ダクト104と同軸状に組み付けられる。
【0019】
第1フランジ10は、フランジ106に取り付けられる環状の取付面20を有する。第1フランジ10とフランジ106とは、その外周縁近傍の対向面にシール部材108を介装させた状態でクランプ装置110により締結固定されている。本実施形態では、クランプ装置110として、特許文献1に記載のチェーンクランプ装置が採用される。シール部材108についても、特許文献1に記載の金属製のOリングが採用される。これらの詳細については説明を省略する。
【0020】
第1フランジ10の取付面20とは反対側に端板12、第2フランジ14が順次配設されている。第1フランジ10における取付面20の反対側面に環状のシール面22が設けられ、そのシール面22に沿ってシール収容部24が形成されている。シール収容部24は環状溝からなり、シール部材26が嵌着されている。
【0021】
本実施形態では、シール部材26として、銅合金にスズめっきを施した金属製のOリングが採用される。シール部材26は、中空構造を有し、第1フランジ10と端板12との間に介装される。シール部材26は、特許文献1に記載のOリングのように、金属製のコイルに金属板を巻き付けた構造を有するものでもよい。それにより、シール部材26がつぶされたときに適度な反力を確保し、シール性能を向上できる。
【0022】
図3にも示すように、第2フランジ14は、アルミニウム合金からなる環状部材であり、シール部材26よりも小さな内径を有し、シール部材26よりも大きな外径を有する。第2フランジ14の端板12とは反対側面に環状のワッシャ28を配置し、そのワッシャ28に沿って等間隔で配置した複数のねじ30(ボルト)を締めることにより、第1フランジ10と第2フランジ14とが締結される。これら複数のねじ30は、第1フランジ10と第2フランジ14との対向面におけるシール部材26よりも半径方向外側位置を軸線方向に締結する。
【0023】
本実施形態では、締結される部材について、硬度が高いものから順に第1フランジ10>第2フランジ14>端板12>シール部材26となる。また、シール部材26の展性は、第1フランジ10、第2フランジ14および端板12のいずれの展性よりも大きい。そのように各部材の材質が選定されている。
【0024】
より詳細には、
図4に示すように、第1フランジ10は、段付円環状の本体32を有する。その本体32の背面側(取付面20の近傍)に、クランプ装置110を取り付けるためのテーパ面34が設けられている。シール収容部24は環状をなし、第1フランジ10の開口端36を取り囲むように形成されている。そのシール収容部24を環状に取り囲むように複数のねじ穴38が配設されている。また、本体32の外周面に沿って環状の凹状嵌合部40が設けられている。
【0025】
図5に示すように、端板12は、円板状の本体42と、本体42の外周縁近傍に沿って配設された複数のねじ挿通孔44を有する。端板12はステンレスからなり、その板厚が0.1mm以下の薄板であるため、荷電粒子の良好な透過性を確保できる。ねじ挿通孔44は、第1フランジ10のねじ穴38に対応する位置に設けられている。
【0026】
図2に戻り、第2フランジ14およびワッシャ28にも、第1フランジ10のねじ穴38に対応する位置にねじ挿通孔46、48がそれぞれ設けられている。第1フランジ10の外周面には、冷却パイプ50が組み付けられている。
図3にも示すように、冷却パイプ50は環状の本体52を有し、その本体52が凹状嵌合部40に嵌合するように組み付けられている。本体52の内側面が凹状嵌合部40に当接している。本体52の一端には入口ポート54が設けられ、他端には出口ポート56が設けられている。
【0027】
本体52の周囲に沿って複数の押さえ部材58が設けられ、それぞれねじ60により第1フランジ10に固定されている。それにより、冷却パイプ50と第1フランジ10とがしっかりと固定され、両者の当接状態が確保されている。
【0028】
装置ユニット102に設けられた給水装置(図示せず)から冷却パイプ50へ冷却水が供給される。その冷却水は、入口ポート54から導入されて本体52に沿って流れ、出口ポート56から給水装置に戻される。この冷却水の循環により冷却パイプ50が冷却され、その冷却温度が第1フランジ10を介して端板12に伝達される。
【0029】
すなわち、荷電粒子が端板12を透過する際には、その荷電粒子の衝突エネルギーにより端板12に高熱が発生する。上述のように端板12の厚みが0.1mm以下と小さいため、その温度上昇によっては端板12が溶ける虞があるところ、冷却水の循環によりその温度上昇を抑制できる。その結果、端板12の寿命を長く維持できる。
【0030】
図6は、端板ユニット1の分解図(断面図)である。
端板ユニット1の組み立てに際しては、第1フランジ10のシール収容部24にシール部材26を嵌着させた後、端板12、第2フランジ14およびワッシャ28を組み付ける。そして、複数のねじ30を締め付けトルクが概ね均一となるように締めることにより、第1フランジ10と第2フランジ14とが軸線方向に締結される。それにより、第1フランジ10と第2フランジ14との間に端板12がしっかりと挟持され、第1フランジ10の開口端が閉止される。
【0031】
また、上述のように、端板12の硬度を第1フランジ10および第2フランジ14のいずれの硬度よりも低くする一方、シール部材26の硬度よりも高くすることで、シール部材26を適度に変形させることができる。また、シール部材26の展性を第1フランジ10および端板12のいずれの展性よりも大きくすることで、シール部材26を安定に変形させることができる。それにより、第1フランジ10と端板12との間のシール性を良好に維持でき、真空ダクト104内を高真空に保つことができる。
【0032】
以上に説明したように、本実施形態では、第1フランジ10と端板12との間にシール部材26を介装させた状態で第1フランジ10と第2フランジ14との間に端板12を挟み、両フランジをねじで締結するという簡易な構成で端板ユニット1を実現できる。
【0033】
ここで、第2フランジ14を省略して第1フランジ10に端板12を直接溶接することも考えられる。しかし、端板12が薄板からなるため、その溶接熱が端板12を溶かしてしまう虞がある。その場合、端板12のみならず第1フランジ10も使用不能となる。そのような溶接の失敗が、材料歩留まりの低下につながる。さらに、第1フランジ10と端板12とを同種の材質にしなければならないといった制約もある。また、両者をろう付け(ろう接)することも考えられるが、その接合強度が小さいため、耐放射環境下における信頼度が低いなど技術的問題が残る。
【0034】
一方、厚みの大きい単一の金属板を切削加工(中ぐり加工)することでその底部を端板として機能させることも考えられる。しかし、その底部を0.1mm以下とするには相当熟達した技術を要し、材料歩留まりも悪い。この点、本実施形態では締結による固定方法を採用するため、このような問題が生じない。すなわち、本実施形態によれば、端板ユニット1を簡易かつ低コストに実現できる。締結による固定方法を採用したことにより、シール部材を適度に変形させて気密性を十分に確保できるとともに、締結部の摩擦力により安定した固定性能を得ることができる。
【0035】
また、その締結により端板12を着脱可能に固定する構成を採用するため、端板12が劣化したときにこれを簡単に交換できる。端板12は薄板であるが故に他の部品と比べて劣化又は損傷し易いところ、端板12のみの交換で足りる。シール部材26についても金属製Oリングとしたことで、有機Oリングと比較して放射線劣化が少なく、高温又は極低温時における気密性保持に対する信頼性も高い。劣化した場合には、端板12と同様に容易に交換できる。このため、メンテナンス時間を短くできるとともに部品コストを抑えることもでき、端板ユニットとしての維持コストの低減につながる。
【0036】
さらに、本実施形態によれば、第1フランジ10、端板12、第2フランジ14およびシール部材26の材質を上述のように設定したことでシール性能を確保でき、端板ユニット1として真空ダクト104内を高真空に保つという機能を有効に発揮できる。
【0037】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はその特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で種々の変形が可能であることはいうまでもない。
【0038】
上記実施形態では、第1フランジ10および第2フランジ14をアルミニウム合金からなるものとしたが、少なくとも一方をステンレスその他の金属からなるものとしてもよい。また、端板12をステンレスからなるものとしたが、アルミニウム合金、銅合金、ニッケルその他の金属からなるものとしてもよい。さらに、シール部材26を銅合金からなるものとしたが、ステンレスその他の金属からなるものとしてもよい。ただし、第1フランジおよび第2フランジの硬度が、シール部材の硬度よりも高くなるように材質の選定をするのが好ましい。また、端板の硬度が、第1フランジおよび第2フランジのいずれの硬度よりも低く、シール部材の硬度よりも高くなるように材質の選定をするのが好ましい。
【0039】
上記実施形態では、第1フランジ10および第2フランジ14として、円環状の部材を例示したが、真空ダクトの開口端のフランジ形状に応じてこれらのフランジの形状を適宜変更してもよい。例えば角環状(多角形状)その他の枠形状としてもよい。また、端板12として円形状の薄板を例示したが、第1フランジおよび第2フランジの形状に応じて正方形などの多角形状とするなど適宜変更してもよい。
【0040】
上記実施形態では、シール部材26を中空の金属製Oリングとしたが、多角形状その他の断面形状を有するシールリングを採用することもできる。シールリングは中空構造であってもよいし、中実構造であってもよい。金属ガスケットを採用してもよい。
【0041】
上記実施形態では、冷却パイプ50を第1フランジ10に設ける構成を例示した。変形例においては、第2フランジ14に冷却パイプを設けてもよい。第1フランジ10および第2フランジ14の双方に冷却パイプを設けてもよい。
【0042】
上記実施形態では、第1フランジ10と第2フランジ14とをねじにより締結する構成を例示した。変形例においては、両フランジをクランプ装置その他の締結手段により固定してもよい。具体的には、
図2に示したクランプ装置110による締結を、第1フランジ10と第2フランジ14との間に設けてもよい。その場合、第1フランジ10と第2フランジ14の外径を一致させ、両者の外周部の形状をテーパ状としてもよい。
【0043】
上記実施形態では、加速器内の真空ダクト104について端板ユニット1を適用する例を示した。変形例においては、加速器外の真空ダクト(加速器から出射されたビームを通す真空ダクト)について上記端板ユニットを適用してもよい。
【0044】
なお、本発明は上記実施例や変形例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。上記実施例や変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成してもよい。また、上記実施例や変形例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 端板ユニット、10 第1フランジ、12 端板、14 第2フランジ、20 取付面、22 シール面、24 シール収容部、26 シール部材、30 ねじ、32 本体、36 開口端、38 ねじ穴、40 凹状嵌合部、44 ねじ挿通孔、46 ねじ挿通孔、50 冷却パイプ、54 入口ポート、56 出口ポート、58 押さえ部材、60 ねじ、100 加速器、102 装置ユニット、104 真空ダクト、108 シール部材、110 クランプ装置、S 空間。