(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022085042
(43)【公開日】2022-06-08
(54)【発明の名称】超音波探触子
(51)【国際特許分類】
A61B 8/00 20060101AFI20220601BHJP
G01N 29/24 20060101ALI20220601BHJP
H04R 17/00 20060101ALI20220601BHJP
【FI】
A61B8/00
G01N29/24
H04R17/00 330J
H04R17/00 332
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020196519
(22)【出願日】2020-11-27
(71)【出願人】
【識別番号】000232483
【氏名又は名称】日本電波工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】那珂 洋二
(72)【発明者】
【氏名】和田 哲哉
(72)【発明者】
【氏名】込山 和彦
【テーマコード(参考)】
2G047
4C601
5D019
【Fターム(参考)】
2G047AA12
2G047AC13
2G047BC13
2G047CA01
2G047EA12
2G047EA15
2G047GB02
2G047GB25
2G047GE05
2G047GF19
4C601BB21
4C601BB22
4C601EE10
4C601GB04
4C601GB32
4C601GB34
4C601GB35
4C601GB36
4C601GC02
5D019AA01
5D019BB17
5D019FF04
5D019GG03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】音響レンズを移動させて超音波の焦点位置を調整できる実用的な構造を持つ新規な超音波探触子を提供する。
【解決手段】超音波探触子10は、被診断物W側から順に直線状に配置した、固定型の第1音響レンズ11、可動型の第2音響レンズ13及び超音波振動子モジュール15と、前記第2音響レンズを前記直線に平行に移動するための音響レンズ移動機構17と、を備えている。そして、前記第1音響レンズは、超音波の入射面r1iの曲率が出射面の曲率r1oより急な両面曲面の音響レンズであり、前記第2音響レンズは、超音波の入射面r2iの曲率が出射面r2oの曲率より緩い音響レンズである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被診断物側から順に直線状に配置した、固定型の第1音響レンズ、可動型の第2音響レンズ及び超音波振動子モジュールと、前記第2音響レンズを前記直線に平行に駆動するための音響レンズ移動機構と、を備える超音波探触子であって、
前記第1音響レンズは、超音波を拡散する音響レンズであり、前記第2音響レンズは前記超音波を収束する音響レンズであることを特徴とする超音波探触子。
【請求項2】
前記第1音響レンズは、超音波の入射面の曲率が出射面の曲率より急な両面曲面の音響レンズであり、前記第2音響レンズは、超音波の入射面の曲率が出射面の曲率より緩い音響レンズであることを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子。
【請求項3】
前記第2音響レンズは、前記入射面が平面で、前記出射面が凹面となっている凹レンズであることを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波探触子。
【請求項4】
前記超音波振動子モジュールと前記第2音響レンズとの間、及び、前記第2音響レンズと前記第1音響レンズとの間は、音速が第1音速C1となる超音波伝搬媒質で満たされており、
前記第2音響レンズは、第2音速C2となる材質で構成してあり、
前記第1音響レンズは、第3音速C3となる材質で構成してあり、
前記被診断物の音速を第4音速C4としたとき、
前記C1,C2,C3,C4は、C1<C2、C1<C3、C4<C3を満たすことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の超音波探触子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波の焦点位置を可変できる超音波探触子に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波の焦点位置を可変できる超音波探触子は、そうで無い場合に比べ、汎用性が高まるので好ましい。このような超音波探触子であれば、体内の深部を探触する場合や、皮膚の表層部を探触する場合等のいずれにも対応できるからである。
【0003】
この種の超音波探触子の従来例として、例えば、特許文献1に開示されたものがある。この超音波探触子は、音速の異なる液体の界面状態を変化させて、超音波の焦点位置を変えるものであった。
【0004】
また、他の従来例として、例えば特許文献2に開示の超音波探触子があった。これは、
図6に示したように、振動子アレイ51と、そこから発せられる超音波ビームを収束する複数の音響レンズ53,55,57と、これら音響レンズの少なくとも1つの位置を変えるレンズ移動機構59と、レンズ移動機構の制御回路61と、を備えた超音波探触子63であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2012-504011号公報
【特許文献2】特開平1-126542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に開示されたものは、超音波探触子の姿勢によって重力の影響具合が変化した場合や超音波探触子の操作速度によって、液体界面の形状が変化するため、液体の界面の形状を正確に変化させることが難しく、従って、超音波の焦点位置を正確に制御できないという問題点があった。
【0007】
また、特許文献2に開示されたものは、音響レンズを直接移動する構造であるため、特許文献1の場合に比べ、重力、操作速度の影響は受けにくいので、超音波の焦点調整構造としては、比較的確実な構造と言えた。しかし、特許文献2には、音響レンズを3つ備えた例が簡単に記載されているにすぎず、音響レンズを移動させて超音波の焦点位置を調整する実用的な構造は開示されていない。
【0008】
この出願は、上記の点に鑑みなされたものであり、従って、本出願の目的は、音響レンズを移動させて超音波の焦点位置を調整する実用的な構造を持つ新規な超音波探触子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的の達成を図るため、この発明の超音波探触子によれば、被診断物側から順に直線状に配置した、固定型の第1音響レンズ、可動型の第2音響レンズ及び超音波振動子モジュールと、前記第2音響レンズを前記直線に平行に駆動するための音響レンズ移動機構と、を備える超音波探触子であって、
前記第1音響レンズは、超音波を拡散する音響レンズであり、前記第2音響レンズは前記超音波を収束する音響レンズであることを特徴とする。
【0010】
この発明を実施するに当たり、前記第1音響レンズは、超音波の入射面の曲率r1iが出射面の曲率r1o(
図1参照。以下、同様)より急な両面曲面の音響レンズであり、前記第2音響レンズは、超音波の入射面の曲率r2iが出射面の曲率r2oより緩い音響レンズであることが好ましい。
また、さらに好ましくは、前記第2音響レンズは、前記入射面r2iが平面で、前記出射面r2oが凹面となっている凹レンズであることが好ましい。
なお、上記の第1音響レンズおよび第2音響レンズ各々は、典型的には、
図2(A)、
図2(B)それぞれに示すように、超音波振動子モジュールの長手方向、すなわちアレイ状の振動子群の並ぶ方向に沿って長尺な形状を持ち、かつ、前記長手方向に直交する方向が上記の曲率を持つ曲面となっている音響レンズである。
【0011】
この発明を実施するに当たり、前記超音波振動子モジュールと前記第2音響レンズとの間、及び、前記第2音響レンズと前記第1音響レンズとの間は、音速が第1音速C1となる超音波伝搬媒質で満たされており、
前記第2音響レンズは、第2音速C2となる材質で構成してあり、
前記第1音響レンズは、第3音速C3となる材質で構成してあり、
前記被診断物の音速を第4音速C4としたとき、
前記C1,C2,C3,C4は、C1<C2、C1<C3、C4<C3を満たすことが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
この発明の超音波探触子によれば、詳細は
図3を用いて後述するが、超音波モジュールから出力される超音波は、第2音響レンズによって収束されて第1音響レンズに入力し、そして第1音響レンズによって拡散される。ただし、第2音響レンズが可動型であるため、第2音響レンズが第1音響レンズから遠い位置にある場合と、近い位置にある場合とで、超音波の第1音響レンズへの入射位置が変わる(
図3(D)中のHa、Hc参照)。従って、超音波の焦点位置を可変でき、かつ、実用的な構造を持つ新規な超音波探触子を実現できる。しかも、2つの音響レンズによって実現できるから、焦点位置を変えることができる小型な超音波探触子を実現できる。また、第1音響レンズは固定型であるため、被診断物への影響も無い。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、実施形態の超音波探触子10を説明するため、内部を透視して示した正面図、その側面図、その底面図である。
【
図2】
図2(A)は、実施形態の第1音響レンズ11の斜視図、
図2(B)は、実施形態の第2音響レンズ13の斜視図、
図2(C)は、音響レンズ移動機構17の一例を説明する図である。
【
図3】
図3(A)~(C)各々は、第2音響レンズ13の位置の違いによって超音波の焦点位置が変わる様子を示したイメージ図、
図3(D)は、
図3(A)及び
図3(C)の各状態での焦点位置が変わる原理を説明する図である。
【
図4】
図4は、実施形態の超音波探触子10の使用例を説明する図であり、タブレット端末31と協働して構成した超音波診断装置の例である。
【
図5】
図5(A)は、実施形態の超音波探触子10の他の使用例を説明する図であり、超音波探触子10を専用の超音波診断装置40に接続して使用する例であり、
図5(B)は、いわゆるコンベックスアレイ型の超音波探触子10xに本発明を適用した例を説明する図である。
【
図6】
図6は、音響レンズを移動する型の従来の超音波探触子63を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照してこの発明の実施形態について説明する。なお、説明に用いる各図はこれら発明を理解できる程度に概略的に示してあるにすぎない。また、説明に用いる各図において、同様な構成成分については同一の番号を付して示し、その説明を省略する場合もある。また、以下の実施形態中で述べる形状、材質等はこの発明の範囲内の好適例に過ぎない。従って、本発明は以下の実施形態のみに限定されるものではない。
【0015】
1. 実施形態の超音波探触子10の構造
先ず、
図1を参照して、実施形態の超音波探触子10の構造について説明する。
この超音波探触子10は、いわゆるリニア型の超音波探触子に本発明を適用した例を示している。この超音波探触子10は、被診断物W側から順に直線状に配置した、固定型の第1音響レンズ11、可動型の第2音響レンズ13及び超音波振動子モジュール15を備えている。さらに、超音波探触子10は、第2音響レンズ13を直線Lに平行に移動するための音響レンズ移動機構17を備えている。さらに、超音波探触子10は、自身を画像診断装置などに接続するためのケーブル19を備えている。また、超音波探触子10は、必要に応じて、超音波の送受信回路等を含む回路モジュール21を備えていても良い。これら構成成分11,13,15,17、19、21は、筐体10a内に配置してある。以下、各構成成分の具体的構成例について、説明する。
【0016】
第1音響レンズ11及び第2音響レンズ13各々は、超音波探触子の製造で用いられている従来公知の材料で構成することができる。これに限られないが、例えば金属、又は、例えばポリメチルペンテン等のプラスチック等で構成できる。
ただし、第1音響レンズ11は、超音波を拡散する音響レンズであり、第2音響レンズ13は超音波を収束する音響レンズである。第2音響レンズ13と第1音響レンズ11は、第2音響レンズ13で収束される超音波を、第1音響レンズ11で拡散し、然も、拡散したままではなく、第1音響レンズ11を通過した後に焦点を結ぶようなレンズ条件に設定してある。具体的には、第1音響レンズ11は、超音波の入射面の曲率r1iが出射面の曲率r1oより急な両面曲面の音響レンズで構成してあり、第2音響レンズ13は、超音波の入射面の曲率r2iが出射面の曲率r2oより緩い音響レンズで構成してある。
上記の各曲率r1i、r1o、r2i及びr2oは、各音響レンズでの音速、音速比、目的とするフォーカス範囲、筐体10aの大きさ等を考慮し、選択する。
【0017】
また、超音波振動子モジュール15は、任意好適な構成とできる。例えば、超音波振動子モジュール15を、第2音響レンズ側から、音響整合層、振動子アレイ部、バッキング材(いずれも図示を省略)を備えた構成のものとすることができる。振動子アレイ部は、PZT等の任意好適な圧電振動子群によって構成できる。
【0018】
また、超音波振動子モジュール15と第2音響レンズ13との間、及び、第2音響レンズ13と第1音響レンズ11との間は、音速が第1音速C1となる超音波伝搬媒質によって満たしてある。具体的には、筐体10aの内部に水密構造を構成してあり、第1音速C1となる超音波媒質、例えば好適なオイルで満たしてある。
また、第2音響レンズ13は、第2音速C2となる材質で構成してあり、第1音響レンズ11は、第3音速C3となる材質で構成してある。ただし、C2=C3の場合でも、C2≠C3の場合であっても良い。これら音響レンズ11,13の材質は、例えば、上記したように妥当な金属又は樹脂等である。
また、被診断物Wの音速を第4音速C4と定義したとき、上記の各音速C1~C4は、C1<C2、C1<C3、C4<C3を満たすよう、設定してある。このような、音速条件であると、上記の音響レンズの条件と相俟って、超音波の焦点位置を可変できる。
なお、当該探触子10の使用時は、当該探触子10と被診断物Wとの間に、超音波診断で通常用いられる任意好適なゲルを介在させても勿論良い。
【0019】
また、音響レンズ移動機構17は、第2音響レンズ13を、第1音響レンズ11及び第2音響レンズ13の配列方向すなわち直線Lに平行に移動するものであり、例えば、
図2に示す構造のもので構成できる。
すなわち、第2音響レンズ13に接続され、ギヤg1を有し、直線移動可能な直動部材17a、ギヤg1に対応するギヤg2を有し、回転可能な歯車17b、歯車を左右回転させるモータ17c、直動部材17aの原点検出センサ17d、及び、モータ17cを制御する制御回路17eを備えた、音響レンズ移動機構17である。モータ17cは、ステッピングモータ、DCモータ等、任意のもので良い。DCモータを用いる場合は相対位置検出用のエンコーダと組み合わせて用いるのが良い。もちろん、音響レンズ移動機構17の上記構成は一例に過ぎない。例えば、超音波探触子を把持する部分近傍に操作部材を設け、操作部材の機械的な動きを可動レンズの動きに連動させるような機械式移動機構、送りネジによる機械式移動機構等、他の任意好適な移動機構でも良い。また、原点検出センサを用いず、可動レンズが停止部材にぶつかる位置を原点位置と認識するような方式でも良い。
【0020】
また、ケーブル19は、回路モジュール21を設ける場合は回路モジュール21の所定の入出力端子に接続してあり、回路モジュール21を設けない場合は、超音波振動子モジュール15の振動子アレイ部に接続してある。
【0021】
また、回路モジュール21は、超音波の送受信回路等を含むものであり、超音波探触子10を、専用の画像診断装置ではなく、タブレット、スマートフォン、パソコンなど携帯端末に接続して、画像診断装置を構成する場合に設ける。携帯端末側には専用のアプリケーションソフトを内蔵しておき、回路モジュール21と協働して画像診断装置を構成できる。
【0022】
筐体10aは、この例の場合、長尺な形状をしていて、かつ、中央部が人によって持ち易いように凹状10bにしてある。また、筐体10a内には、超音波伝搬媒質を満たせる水密構造を有している。筐体10aは、樹脂、金属等、任意好適な材料で構成できるが、好ましくは樹脂で構成するのが良い。
【0023】
2. 超音波の焦点調整
次に、本発明の理解を深めるために、超音波探触子10での超音波の焦点位置の調整原理について、
図3を参照して説明する。ここで、
図3(A)~(C)各々は、超音波探触子10の第2音響レンズ13を移動して第1音響レンズ11との距離を3つの状態に変化させた場合の超音波の焦点位置の違いを概略的に示した図である。また、
図3(D)は、
図3(A)及び
図3(C)の状態各々での、第1音響レンズ11付近の超音波の挙動を示したイメージ図である。
【0024】
図3(A)の場合、第2音響レンズ13は、超音波振動子モジュール15に近い位置、従って第1音響レンズ11から遠い位置にある。そのため、超音波振動子モジュール15から出た超音波は、直ぐに第2音響レンズ13で収束され、その後に第1音響レンズ11までの長い距離を進んで第1音響レンズ11に入る。その状態を拡大した図が、
図3(D)中の超音波Uaiである。すなわち、超音波Uaiは、第1音響レンズ11に対し、レンズ中心Pからレンズの外周方向の高さHaの位置で、第1音響レンズ11に入る。そして、この超音波Uaiは、第1音響レンズ11の界面において、第1音響レンズ11の両面の曲率の関係およびスネルの法則によって屈曲して、焦点位置fa(
図3(A)参照)に焦点を結ぶ。すなわち、
図3(A)の場合は、第1音響レンズ11を通過した超音波Uaoは、第1音響レンズ11から比較的近い位置である焦点位置faに焦点を結ぶ。なお、
図3(D)に示したNaは、超音波Uaiの第1音響レンズ11に入射した位置での、第1音響レンズ11に対する法線である。
【0025】
一方、
図3(C)の場合、第2音響レンズ13は、超音波振動子モジュール15から離れた位置、従って第1音響レンズ11に近い位置にある。そのため、超音波振動子モジュール15から出た超音波は、音速C1である超音波伝搬媒質中を直進した後、第2音響レンズ13で収束され直ぐに第1音響レンズ11に入る。その状態を拡大した図が、
図3(D)中の超音波Uciである。すなわち、超音波Uciは、第1音響レンズ11に対し、レンズ中心Pからレンズの外周方向の高さHc、すなわち高さHaよりも高い位置で、第1音響レンズ11に入る。この超音波Uciは、第1音響レンズ11において、スネルの法則に従い屈曲して、焦点位置fc(
図3(C)参照)に焦点を結ぶ。すなわち、
図3(C)の場合は、第1音響レンズ11を通過した超音波Ucoは、第1音響レンズ11から遠い位置である焦点位置fcに焦点を結ぶ。なお、
図3(D)に示したNcは、超音波Uciの第1音響レンズ11に入射した位置での、第1音響レンズ11に対する法線である。
【0026】
また、
図3(B)の場合は、第2音響レンズ13は、超音波振動モジュール15と第1音響レンズ11との間の中間位置にあるので、第1音響レンズ11を通過した超音波Uboは、
図3(A)の場合と
図3(C)の場合の中間の位置である焦点位置fbに焦点を結ぶ。
この発明の超音波探触子10は、上記したような原理によって、超音波の焦点位置を可変できる。
【0027】
3. 本発明の超音波探触子の使用例
次に、本発明の理解を深めるために、
図4、
図5を参照して、本発明の超音波探触子10の使用例について説明する。
先ず、
図4に示した例は、超音波探触子10を、タブレット等の携帯端末31に接続して、超音波画像診断装置を構成した例である。タブレット等の携帯端末31内に超音波探触子を制御するアプリケーションソフトを格納してある。超音波探触子10とタブレット等の携帯端末31との接続は、互いのUSBコネクタ21a、31aを介して行っている例を示してある。
また、
図5(A)に示した例は、超音波探触子10を、病院等に設置されている専用の超音波画像診断装置40に接続した例である。この
図5(A)に示した例の場合は、回路モジュール21は設けずに、超音波画像診断装置40に設けた専用のかつ高機能な回路モジュールにより超音波探触子10xを制御することが好ましい。
また、
図5(B)に示した例は、いわゆるコンベックス型の超音波探触子10xに本発明を適応した例を示している。詳細は省略するが、超音波振動モジュール15xが、コンベックス型に対応する形状になっている。なお、コンベックス型の場合は、可動レンズを移動させるとコンベックスの曲率Rとレンズのそれとが同心とならなくなってしまうが、可動レンズの移動範囲の概略中央位置に置いて同心Rとなるように設計をすることで、上記影響を最小限にできる。また、いわゆるシングル型の超音波探触子に対しても本発明は適用できる。
【符号の説明】
【0028】
10:実施形態の超音波探触子 10a:筐体
11:第1音響レンズ 13:第2音響レンズ
15:超音波振動子モジュール 17:音響レンズ移動機構
19:ケーブル W:被診断物
r1i:第1音響レンズの入射面の曲率
r1o:第1音響レンズの出射面の曲率
r2i:第2音響レンズの入射面の曲率
r2o:第2音響レンズの出射面の曲率