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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022085064
(43)【公開日】2022-06-08
(54)【発明の名称】電動トラック
(51)【国際特許分類】
   B60K 1/04 20190101AFI20220601BHJP
   B62D 21/02 20060101ALI20220601BHJP
【FI】
B60K1/04 Z
B62D21/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020196545
(22)【出願日】2020-11-27
(71)【出願人】
【識別番号】598051819
【氏名又は名称】ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Daimler AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 120,70372 Stuttgart,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100176946
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 智恵
(74)【代理人】
【識別番号】100092978
【弁理士】
【氏名又は名称】真田 有
(74)【代理人】
【識別番号】100111143
【弁理士】
【氏名又は名称】安達 枝里
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 直龍
【テーマコード(参考)】
3D203
3D235
【Fターム(参考)】
3D203AA13
3D203AA31
3D203AA33
3D203BA03
3D203BA06
3D203BA07
3D203CA23
3D203CA25
3D203CA26
3D203CA34
3D203CB09
3D203CB19
3D203DA72
3D203DA73
3D203DA86
3D203DB05
3D235AA06
3D235BB03
3D235BB05
3D235BB06
3D235BB07
3D235BB18
3D235BB19
3D235CC12
3D235CC15
3D235DD37
3D235EE64
3D235FF02
3D235FF06
3D235FF07
3D235FF34
3D235HH22
3D235HH25
3D235HH26
(57)【要約】
【課題】電動トラックにおいて、衝突時のバッテリパックの保護性能を確保しつつ高重量化を抑制する。
【解決手段】車長方向D1にそれぞれ向く一対の第1側面42,43を有するバッテリパック4が車長方向D1において隣り合うように複数個設けられる電動トラック3は、各バッテリパック4の車長方向D1の両側に配置されたバッテリ側ブラケット5と、バッテリ側ブラケット5及びサイドレール21を連結するフレーム側ブラケット6とを含む。バッテリ側ブラケット5のうち、車長方向D1において互いに隣り合う中間ブラケット5Aは、バッテリパック4の第1側面42,43に対向する対向面51に軽量化孔が設けられる。一方、車長方向D1の最も外側に配置される外側ブラケット5Bは、対向面51に軽量化孔が設けられない。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラダーフレームを構成するサイドレールの下方に搭載され、車長方向にそれぞれ向く一対の第1側面と前記サイドレールよりも車幅方向の外側に位置して前記車幅方向にそれぞれ向く一対の第2側面とを有するバッテリパックが、前記車長方向において隣り合うように複数個設けられる電動トラックであって、
各々の前記バッテリパックの前記車長方向の両側に配置され、前記第1側面に対向する対向面と前記対向面の上縁及び下縁から延出して前記バッテリパックの上面及び下面にそれぞれ重なる一対の延出面とを有するバッテリ側ブラケットと、
前記バッテリ側ブラケットと前記サイドレールとを連結するフレーム側ブラケットと、を含み、
前記バッテリ側ブラケットのうち、前記車長方向において互いに隣り合う中間ブラケットは、前記対向面に軽量化孔が設けられ、前記車長方向の最も外側に配置される外側ブラケットは、前記対向面に軽量化孔が設けられない
ことを特徴とする、電動トラック。
【請求項2】
前記外側ブラケットは、前記対向面において車載機器を搭載する機器搭載部を有する
ことを特徴とする、請求項1に記載の電動トラック。
【請求項3】
前記車載機器は、前記バッテリパックから出力される電力を複数の補機に分配する配電装置である
ことを特徴とする、請求項2に記載の電動トラック。
【請求項4】
前記中間ブラケットは、前記対向面の車高方向の中央領域に前記軽量化孔が設けられている
ことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の電動トラック。
【請求項5】
互いに隣り合う二つの前記中間ブラケットは、前記軽量化孔の配置が互いに等しい
ことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の電動トラック。
【請求項6】
互いに隣り合う二つの前記中間ブラケットは、前記軽量化孔の配置が互いに異なる
ことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の電動トラック。
【請求項7】
前記外側ブラケットと前記車長方向において隣り合うように配置されたリーフサスペンションを含む
ことを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の電動トラック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、複数のバッテリパックを搭載する電動トラックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、環境への負荷を低減する観点から、駆動用のバッテリの電力をモータに供給することで走行する電気自動車やハイブリッド自動車等の電動車両の開発が進んでいる。近年では、トラック等の商用車の分野においても、電動車両の開発が行われている(例えば特許文献1参照)。このような電動の商用車においては、コスト低減の観点から、乗用車に用いられる汎用バッテリパックを適用することが検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-113063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、乗用車向けのバッテリパックは、車体の内部に搭載されることを前提としているため、その筐体自体の耐荷重強度が比較的低いという課題がある。したがって、このようなバッテリパックをラダーフレームの下方に搭載する電動トラックでは、バッテリパックを支持する支持装置(ブラケット)に高い耐荷重強度が要求される。
一方で、電動トラックは、乗用車よりも重量が大きいことから、乗用車向けのバッテリパックを複数搭載する必要がある。このため、上記の耐荷重強度の要求のみを考慮すると、支持装置の総重量が増大して電動トラックの高重量化を招く虞がある。
【0005】
本件は、上記のような課題に鑑み創案されたものであり、電動トラックにおいて衝突時のバッテリパックの保護性能を確保しつつ高重量化を抑制することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本件は上記の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様又は適用例として実現できる。
【0007】
(1)本適用例に係る電動トラックは、ラダーフレームを構成するサイドレールの下方に搭載され、車長方向にそれぞれ向く一対の第1側面と前記サイドレールよりも車幅方向の外側に位置して前記車幅方向にそれぞれ向く一対の第2側面とを有するバッテリパックが、前記車長方向において隣り合うように複数個設けられる電動トラックであって、各々の前記バッテリパックの前記車長方向の両側に配置され、前記第1側面に対向する対向面と前記対向面の上縁及び下縁からそれぞれ延出して前記バッテリパックの上面及び下面に重なる一対の延出面とを有するバッテリ側ブラケットと、前記バッテリ側ブラケットと前記サイドレールとを連結するフレーム側ブラケットと、を含み、前記バッテリ側ブラケットのうち、前記車長方向において互いに隣り合う中間ブラケットは、前記対向面に軽量化孔が設けられ、前記車長方向の最も外側に配置される外側ブラケットは、前記対向面に軽量化孔が設けられないことを特徴としている。
【0008】
このような電動トラックによれば、側突(側面衝突)時に、側突荷重がバッテリ側ブラケットを通じて衝突側から反対側へと伝達されるため、衝突側の部材だけでなく衝突側と反対側の部材でも側突荷重を吸収できる。よって、側突時のバッテリパックの保護性能を高められる。
ただし、バッテリ側ブラケットにおいて側突荷重を主に伝達するのは、対向面と延出面との角部(剛性が比較的高い部位)であるため、バッテリ側ブラケットの対向面における車高方向の中央領域は、側突荷重の伝達にあまり寄与しない。これに加えて、互いに隣り合う中間ブラケットは、対向面が露出しないことから、衝突(前後衝突及び側突)時であっても他の部材と接触しにくい。このため、対向面が露出する外側ブラケットと比べて、中間ブラケットには高い耐荷重強度が要求されない。
【0009】
したがって、バッテリ側ブラケットのうち、中間ブラケットの対向面には軽量化孔を設けることで、上記のとおり側突荷重の伝達機能を確保すると共に耐荷重強度の要求を満たしつつも、中間ブラケットを軽量化できる。一方で、外側ブラケットの対向面には軽量化孔を設けないことで、外側ブラケットの耐荷重強度を確保できる。よって、衝突時のバッテリパックの保護性能を確保しつつ、高重量化を抑制できる。
【0010】
(2)本適用例に係る電動トラックにおいて、前記外側ブラケットは、前記対向面において車載機器を搭載する機器搭載部を有してもよい。
外側ブラケットが機器搭載部を有していれば、外側ブラケットの対向面に車載機器を搭載できるため、車載機器の搭載性を高められる。また、電動トラックの前後衝突時に、衝撃荷重が外側ブラケットに入力されるよりも前に車載機器に入力されることで、衝撃荷重の初期入力を外側ブラケットで吸収するよりも前に車載機器で吸収できる。この結果、外側ブラケットを通じてバッテリパックに伝達される衝撃荷重が低減されるため、前後衝突時におけるバッテリパック保護性能を高められる。
【0011】
(3)本適用例に係る電動トラックにおいて、前記車載機器は、前記バッテリパックから出力される電力を複数の補機に分配する配電装置であってもよい。
機器搭載部に搭載される車載機器が配電装置であれば、バッテリパックの関連機器である配電装置をバッテリパックの近傍の外側ブラケットに搭載できるため、ハーネスの配索性を高められる。また、配電装置をバッテリ側ブラケット及びバッテリパックと共に(一体で)移動させることが可能となるため、配電装置の脱着作業性を高められる。
【0012】
(4)本適用例に係る電動トラックにおいて、前記中間ブラケットは、前記対向面の車高方向の中央領域に前記軽量化孔が設けられていてもよい。
このように、軽量化孔の位置が、中間ブラケットの対向面と延出面との角部ではなく対向面の車高方向の中央領域に設定されることで、対向面と延出面との角部の剛性低下を防止できる。これにより、中間ブラケットにおける側突荷重の伝達機能がより適切に確保されるため、側突時におけるバッテリパックの保護性能をより確実に確保できる。
【0013】
(5)本適用例に係る電動トラックにおいて、互いに隣り合う二つの前記中間ブラケットは、前記軽量化孔の配置が互いに等しくてもよい。
このような軽量化孔の配置によれば、二つの中間ブラケットとして共通の部材を適用できるため、コスト削減を図れる。また、隣り合う二つの中間ブラケットで剛性が互いに等しくなるため、剛性の均等化を図れる。
【0014】
(6)本適用例に係る電動トラックにおいて、互いに隣り合う二つの前記中間ブラケットは、前記軽量化孔の配置が互いに異なってもよい。
このような軽量化孔の配置によれば、一方の中間ブラケットの軽量化孔が設けられた部位を、他方の中間ブラケットの軽量化孔が設けられない部位で補強できる。これにより、二つの中間ブラケットを一つのユニットとして捉えた場合に、このユニットのいずれの位置においても剛性が確保されやすくなる。また、このように剛性を確保しながらも、軽量化孔による肉抜き量を増やす(各々の中間ブラケットにおいて軽量化孔を拡大する)ことが可能となるため、中間ブラケットの更なる軽量化を図れる。
【0015】
(7)本適用例に係る電動トラックは、前記外側ブラケットと前記車長方向において隣り合うように配置されたリーフサスペンションを含んでもよい。
このようなリーフサスペンションを含む電動トラックでは、前後衝突時にリーフサスペンションと外側ブラケットとが接触しうる。これに対し、上記のとおり対向面に軽量化孔が設けられない外側ブラケットによれば、耐荷重強度が確保されているため、高重量物であるリーフサスペンションと接触した場合であっても、バッテリパックへの影響を低減できる。よって、前後衝突時におけるバッテリパックの保護性能を確保できる。
【発明の効果】
【0016】
本件によれば、電動トラックにおいて衝突時のバッテリパックの保護性能を確保しつつ高重量化を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態に係る電動トラックの要部上面図である。
図2】バッテリパック、バッテリ側ブラケット及び補助ブラケットの分解斜視図である。
図3図1からラダーフレーム及びフレーム側ブラケットを省略した図である。
図4】二つの中間ブラケットを上下に分解して示す後面図である。
図5】一変形例に係る二つの中間ブラケットを上下に分解して示す後面図(図4に対応する図)である。
図6】一変形例に係る二つの中間ブラケットを上下に分解して示す後面図(図4に対応する図)である。
図7】外側ブラケットの正面図(前面図又は後面図)である。
図8】機器搭載部の一例を示す模式的な断面図である。
図9】機器搭載部の一例を示す模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図面を参照して、本件の実施形態について説明する。以下の実施形態はあくまでも例示に過ぎず、この実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。下記の実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。また、必要に応じて取捨選択でき、あるいは適宜組み合わせられる。
【0019】
[1.構成]
[1-1.全体構成]
図1に示すように、本実施形態に係る電動トラック3は、ラダーフレーム2を備えた電動車両(電気自動車、ハイブリッド車)であって、駆動用の複数のバッテリパック4に蓄えられた電力を図示しないモータに供給することで走行する。
以下、電動トラック3の前後方向を車長方向D1ともいい、電動トラック3の左右方向を車幅方向D2ともいう。また、車長方向D1と車幅方向D2とのいずれにも直交する上下方向を車高方向D3ともいう。図面では、前方を「FR」で示し、右方を「RH」で示し、上方を「UP」で示す。なお、図1には、電動トラック3の下部構造を示しており、ラダーフレーム2の上方に配置される上部構造(ボデー)は省略している。
【0020】
ラダーフレーム2は、電動トラック3の骨格をなす部材であって、高い剛性及び強度を有する。ラダーフレーム2は、車長方向D1に延びる一対のサイドレール21と、車幅方向D2に延びてサイドレール21同士を連結する複数のクロスメンバ22とを含む。
一対のサイドレール21は、車幅方向D2に互いに離隔して配置される。各サイドレール21は、車長方向D1及び車高方向D3に沿う板状のウェブ部の上縁及び下縁から、一対の板状のフランジ部が車幅方向D2の内側に向けて延出するチャネル形状(断面U字状)をなす。
複数のクロスメンバ22は、車長方向D1に互いに離隔して配置される。なお、図1には三つのクロスメンバ22を例示するが、電動トラック3に設けられるクロスメンバ22の数は特に限定されない。
【0021】
電動トラック3には、バッテリパック4が車長方向D1において互いに隣り合うように複数個設けられている。本実施形態では、二個のバッテリパック4が車長方向D1に並設された電動トラック3を例示する。二個のバッテリパック4は、互いに等しく構成されている。
各バッテリパック4は、例えば、乗用車に用いられる汎用の高電圧バッテリパックである。電動トラック3において、各バッテリパック4は、一対のサイドレール21の下方に搭載され、各サイドレール21よりも車幅方向D2の外側に突出している。ここでは、車高方向D3の寸法が車長方向D1及び車幅方向D2の各寸法よりも小さい(薄い)箱型のバッテリパック4を例示する。ただし、バッテリパック4の形状は特に限定されない。
【0022】
各バッテリパック4は、車長方向D1にそれぞれ向く一対の第1側面42,43と、車幅方向D2にそれぞれ向く一対の第2側面41とを有する。以下、前方に向く第1側面42を「前面42」ともいい、後方に向く第1側面43を「後面43」ともいう。
一対の第2側面41は、一対のサイドレール21よりも車幅方向D2の外側にそれぞれ位置する。より具体的にいえば、右の第2側面41は右のサイドレール21よりも右側に位置し、左の第2側面41は左のサイドレール21よりも左側に位置する。
【0023】
各バッテリパック4は、上記のように第2側面41がサイドレール21よりも車幅方向D2の外側に配置されることから、車幅方向D2の寸法がサイドレール21のウェブ部間の距離よりも大きく確保されている。これにより、各バッテリパック4は大容量化が図られている。
以下、二個のバッテリパック4のうち、前方に配置された一方を「前バッテリパック4」ともいい、後方に配置された他方を「後バッテリパック4」ともいう。
【0024】
本実施形態の電動トラック3では、前バッテリパック4の前方と後バッテリパック4の後方とのそれぞれに、リーフサスペンション1が配置されている。リーフサスペンション1は、板状のばね片を重ね合せて形成された高重量の弾性体であって、図示しない車輪からサイドレール21に伝わる振動を吸収する機能をもつ。
前バッテリパック4の前方に配置されたリーフサスペンション1は、フロントサスペンションの一部であって、左右の前輪から左右のサイドレール21に伝わる振動を吸収する。一方、後バッテリパック4の後方に配置されたリーフサスペンション1は、リアサスペンションの一部であって、左右の後輪から左右のサイドレール21に伝わる振動を吸収する。
【0025】
電動トラック3は、バッテリパック4を支持する支持装置として、バッテリ側ブラケット5及びフレーム側ブラケット6を含む。バッテリ側ブラケット5は、各バッテリパック4の車長方向D1の両側(前後)に配置される外壁体であって、各バッテリパック4を衝撃荷重から保護する機能をもつ。一方、フレーム側ブラケット6は、サイドレール21から車幅方向D2の外側かつ下方へ延びており、各バッテリパック4をサイドレール21から吊り下げる機能をもつ。
【0026】
本実施形態の電動トラック3には、バッテリ側ブラケット5及びフレーム側ブラケット6と共に上記の支持装置を構成する補助ブラケット7が更に設けられている。補助ブラケット7は、各バッテリパック4の車幅方向D2の両側(左右)に配置される外壁体であって、各バッテリパック4を衝撃荷重から保護する機能をもつ。このように本実施形態では、バッテリ側ブラケット5と補助ブラケット7とが、バッテリパック4の四方を囲むように配置され、バッテリパック4を収容している。
【0027】
ここで、図2を参照して、一つのバッテリパック4に対して設けられた一対のバッテリ側ブラケット5と一対の補助ブラケット7とについて説明する。なお、図2には、バッテリパック4として後バッテリパック4を例示する。
バッテリ側ブラケット5及び補助ブラケット7はいずれも、鋼板で形成されており、チャネル形状(断面U字状)をなす。一対のバッテリ側ブラケット5は、後述の対向面51を除いて互いに同様(前後対称)に形成される。また、一対の補助ブラケット7も、互いに同様(左右対称)に形成される。
【0028】
各バッテリ側ブラケット5は、車幅方向D2に延在する。各バッテリ側ブラケット5は、バッテリパック4の第1側面42,43(前面42又は後面43)に対向する対向面51と、対向面51の上縁及び下縁からバッテリパック4側へそれぞれ延出した一対の延出面52とを有する。詳細にいえば、バッテリパック4の前側に配置されるバッテリ側ブラケット5は、バッテリパック4の前面42に対向する対向面51と、対向面51の上縁及び下縁から後方へそれぞれ延出した一対の延出面52とを有する。また、バッテリパック4の後側に配置されるバッテリ側ブラケット5は、バッテリパック4の後面43に対向する対向面51と、対向面51の上縁及び下縁から前方へそれぞれ延出した一対の延出面52とを有する。
【0029】
各バッテリ側ブラケット5の一対の延出面52は、バッテリパック4の上面及び下面にそれぞれ重なる。すなわち、対向面51の上縁から延出した延出面52がバッテリパック4の上方に配置され、対向面51の下縁から延出した延出面52がバッテリパック4の下方に配置される。
【0030】
各補助ブラケット7は、車長方向D1に延在する。各補助ブラケット7は、バッテリパック4の第2側面41に対向するウェブ面71と、ウェブ面71の上縁及び下縁からバッテリパック4側(車幅方向D2の内側)へそれぞれ延出した一対のフランジ面72とを有する。補助ブラケット7の一対のフランジ面72は、バッテリ側ブラケット5の一対の延出面52にそれぞれ重ねられ、図示しない固定具でバッテリ側ブラケット5の延出面52と結合される。
【0031】
図1に示すように、フレーム側ブラケット6は、バッテリ側ブラケット5とサイドレール21とを連結する。本実施形態のフレーム側ブラケット6は、バッテリ側ブラケット5の上側の延出面52とサイドレール21のウェブ部との双方に固定されることで、バッテリ側ブラケット5とサイドレール21とを連結している。なお、フレーム側ブラケット6の個数は特に限定されないが、ここではフレーム側ブラケット6が各バッテリパック4の左右に二つずつ(各バッテリパックに合計四つ)設けられた例を示す。
【0032】
[1-2.要部構成]
図3は、図1からラダーフレーム2及びフレーム側ブラケット6を省略した図である。図3に示すように、バッテリ側ブラケット5には、車長方向D1において互いに隣り合う二つの中間ブラケット5Aと、車長方向D1の最も外側に配置される二つの外側ブラケット5Bとが含まれる。なお、バッテリ側ブラケット5に含まれる中間ブラケット5Aの数は、二つに限定されない。例えば、三個のバッテリパック4が車長方向D1において隣り合うように配置された電動トラックでは、隣接するバッテリパック4同士の間で互いに隣り合う二つの中間ブラケット5Aが二組(合計四つ)設けられる。
【0033】
中間ブラケット5Aは、バッテリパック4同士の間に対向面51が配置されたバッテリ側ブラケット5である。中間ブラケット5Aは、他の中間ブラケット5Aと隣り合うことから、対向面51が露出しない。
一方、外側ブラケット5Bは、バッテリパック4同士の間ではなく、最も前側に位置するバッテリパック4の前方、又は最も後側に位置するバッテリパック4の後方に対向面51が配置されたバッテリ側ブラケット5である。外側ブラケット5Bは、他のバッテリ側ブラケット5と隣り合っておらず、対向面51が露出している。本実施形態の電動トラック3では、上記のリーフサスペンション1が外側ブラケット5Bと車長方向D1において隣り合うように配置されている。
【0034】
図4に示すように、中間ブラケット5Aの対向面51には軽量化孔53が設けられている。ここでは、各々の中間ブラケット5Aの対向面51において、互いに等しい円形状の三つの軽量化孔53が車幅方向D2に等間隔で配置された例を示す。ただし、軽量化孔53の形状、個数、配置はここで例示するものに限定されない。
本実施形態の軽量化孔53は、中間ブラケット5Aにおいて対向面51と延出面52とがなす各角部を避けて設けられている。換言すれば、軽量化孔53は、中間ブラケット5Aの対向面51における車高方向D3の中央領域(対向面51のうち、上縁及び下縁を除いた領域)に設けられている。
【0035】
本実施形態の中間ブラケット5Aは、いずれも左右対称な構造であって、互いに等しく形成されている。また、二つの中間ブラケット5Aは、互いに隣り合う状態で、軽量化孔53の配置が互いに等しくなる。すなわち、二つの中間ブラケット5Aにおいて、軽量化孔53は互いに鏡面対称となるように配置されている。このように、本実施形態では、二つの中間ブラケット5Aに設けられた軽量化孔53同士が車長方向D1から視て完全に重なる。
【0036】
一方、図5,6に示すように、二つの中間ブラケット5Aは、軽量化孔53の配置が互いに異なっていてもよい。図5には、二つの中間ブラケット5A,5Aにおいて、車幅方向D2に等間隔で並ぶ複数の軽量化孔53が互いに半ピッチずれて(互い違いに)配置された例を示す。また、図6には、一方の中間ブラケット5Aの左半部と、他方の中間ブラケット5Aの右半部とのそれぞれに軽量化孔53が設けられた例を示す。なお、図5には円形状の軽量化孔53を例示し、図6には長円形状の軽量化孔53を例示するが、軽量化孔53の形状はこれらの例示に限定されない。
図5,6に二点鎖線で示すように、変形例に係る二つの中間ブラケット5Aでは、軽量化孔53同士が鏡面対称とならない。よって、これらの二つの中間ブラケット5Aに設けられた軽量化孔53同士は、車長方向D1から視て重ならない(具体的には、車幅方向D2にずれている)。
【0037】
軽量化孔53が設けられる中間ブラケット5Aに対し、図7に示すように、外側ブラケット5Bの対向面51には軽量化孔が設けられない。したがって、外側ブラケット5Bの対向面51には、中間ブラケッ5Aの対向面51と比べて高い剛性及び強度が確保される。換言すれば、各々の中間ブラケット5Aは、軽量化孔53が設けられることで、軽量化孔が設けられない各々の外側ブラケット5Bよりも剛性及び強度が低減されている。
【0038】
ここで、図3に示すように、互いに隣り合う二つの中間ブラケット5Aを一つの中間ユニット50として捉える。本実施形態では、一つの中間ユニット50の剛性と、一つの外側ブラケット5Bの剛性とが、互いに等しくなるように設定されている。このような剛性の設定は、例えば、各バッテリ側ブラケット5(中間ブラケッ5A及び外側ブラケット5B)の材質や板厚や形状を適宜調整することにより実現できる。また、中間ユニット50の剛性は、対向面51に設けられる軽量化孔53の形状、個数、配置などを変更することによっても調整できる。
【0039】
図3に二点鎖線で示すように、外側ブラケット5Bは、対向面51において車載機器10を搭載する機器搭載部9を備えてもよい。機器搭載部9に搭載される車載機器10としては、例えば、バッテリパック4から出力される電力を複数の補機に分配する配電装置(PDU;Power Distribution Unit)が挙げられる。なお、図3及び後述の図8,9には、前バッテリパック4の前側に配置される外側ブラケット5Bに設けられた機器搭載部9を例示するが、これに代えて(あるいは加えて)、後バッテリパック4の後側に配置される外側ブラケット5Bに機器搭載部9が設けられてもよい。
【0040】
機器搭載部9は、車載機器10の取付先となる部位であって、車載機器10を取付可能な構造を有する。図8,9にそれぞれ示すように、機器搭載部9は、外側ブラケット5Bの対向面51に車載機器10を取り付けるための溶接ボルト91や溶接ナット94を含んでもよい。
【0041】
図8に示すように、溶接ボルト91は、対向面51の内側(バッテリパック4側)に溶接された頭部92と、頭部92から対向面51よりも外側(バッテリパック4から離隔する側)に突出したネジ部93とを有する。詳細にいえば、溶接ボルト91は、外側ブラケット5Bの対向面51を貫通する孔部55に対し、ネジ部93がバッテリパック4側から挿通された状態で、対向面51の内側に固定されている。
溶接ボルト91のネジ部93は、車載機器10(又はそのブラケット等)に形成された貫通孔(図示略)に挿通されたうえで、ナット14と締結される。これにより、溶接ボルト91を含む機器搭載部9に車載機器10が取り付けられる。
【0042】
図9に示すように、溶接ナット94は、対向面51の内側に溶接される。詳細にいえば、溶接ナット94は、孔部55と同軸上に配置された状態で対向面51の内側に固定される。
溶接ナット94は、車載機器10(又はそのブラケット等)に形成された貫通孔(図示略)に外側から挿通されたボルト15と締結される。これにより、溶接ナット94を含む機器搭載部9に車載機器10が取り付けられる。
【0043】
機器搭載部9に車載機器10を搭載する手法は、上記の溶接ボルト91及び溶接ナット94を用いた手法に限定されず、公知の種々の手法を適用できる。例えば、車載機器10は、対向面51に溶接されていない通常のボルトやナット(図示略)により、機器搭載部9に搭載されてもよい。あるいは、車載機器10は、機器搭載部9に直接溶接されてもよい。
【0044】
[2.作用及び効果]
(1)各バッテリパック4の車長方向D1の両側に配置されたバッテリ側ブラケット5によれば、電動トラック3の側突時に、衝突側から反対側へと車幅方向D2に側突荷重を伝達できる。これにより、衝突側の部材(例えば、左右いずれか一方のサイドレール21やフレーム側ブラケット6や補助ブラケット7)だけでなく、衝突側と反対側の部材でも側突荷重が吸収されるため、側突時のバッテリパック4の保護性能を高められる。
【0045】
ただし、バッテリ側ブラケット5において側突荷重を主に伝達するのは、剛性が比較的高い部位である。具体的に言えば、側突荷重は、主に対向面51と延出面52との角部を通じて車幅方向D2に伝達される。したがって、バッテリ側ブラケット5の対向面51における車高方向D3の中央領域は、側突荷重の伝達にあまり寄与しない。これに加えて、バッテリ側ブラケット5のうち、互いに隣り合う中間ブラケット5Aは、対向面51が露出しないことから、電動トラック3の衝突時であっても他の部材(中間ブラケット5A以外の部材)と接触しにくい。このため、対向面51が露出する外側ブラケット5Bと比べて、中間ブラケット5Aには高い耐荷重強度が要求されない。
【0046】
したがって、バッテリ側ブラケット5のうち、中間ブラケット5Aの対向面51には軽量化孔53を設けることで、上記のとおり側突荷重の伝達機能を確保すると共に耐荷重強度の要求を満たしつつも、中間ブラケット5Aを軽量化できる。一方で、外側ブラケット5Bの対向面51には軽量化孔を設けないことで、外側ブラケット5Bの耐荷重強度が確保されるため、電動トラック3の前後衝突時に外側ブラケット5Bが他の部材と接触したとしても、バッテリパック4への影響を低減できる。よって、電動トラック3によれば、衝突(側突及び前後衝突)時のバッテリパック4の保護性能を確保しつつ、高重量化を抑制できる。
【0047】
ところで、個々のバッテリ側ブラケット5(中間ブラケット5A及び外側ブラケット5B)の剛性が等しい場合には、隣り合う二つの中間ブラケット5Aからなる中間ユニット50の剛性が、他のバッテリ側ブラケット5と隣り合わない一つの外側ブラケット5Bの剛性よりも高くなる。このため、中間ユニット50が設けられた領域と、一つの外側ブラケット5Bが配置された領域とで、剛性の不均衡が生じ、側突荷重の伝達機能にも差が生じうる。
【0048】
これに対し、電動トラック3では、個々の中間ブラケット5Aが、軽量化孔53により個々の外側ブラケット5Bよりも低剛性に形成されていることから、上記のような剛性の不均衡を抑制できる。したがって、中間ユニット50が設けられた領域と外側ブラケット5Bが配置された領域とのいずれにおいても、側突荷重の伝達機能を適切に確保できる。よって、側突時におけるバッテリパック4の保護性能をより適切に確保できる。
【0049】
また、電動トラック3では、バッテリパック4の第2側面41がサイドレール21よりも車幅方向D2の外側に位置するため、バッテリパック4の大容量化を図れる。この反面、側突時には、側突荷重がサイドレール21に入力されるよりも前にバッテリパック4の第2側面41に入力されうるため、バッテリパック4の保護性能を高めることが求められる。これに対し、バッテリ側ブラケット5によれば、上記のとおり側突荷重の伝達機能を確保すると共に耐荷重強度の要求を満たせるため、バッテリパック4の大容量化を図りつつも、側突時におけるバッテリパック4の保護性能を確保できる。
【0050】
(2)機器搭載部9を有する外側ブラケット5Bによれば、外側ブラケット5Bの対向面51に車載機器10が搭載されるため、車載機器10の搭載性を高められる。また、電動トラック3の前後衝突時に、衝撃荷重が外側ブラケット5Bに入力されるよりも前に車載機器10に入力されることで、衝撃荷重の初期入力を外側ブラケット5Bで吸収するよりも前に車載機器10で吸収できる。この結果、外側ブラケット5Bに伝達される衝撃荷重を低減できるため、外側ブラケット5Bを通じてバッテリパック4に伝達される衝撃荷重も低減できる。よって、前後衝突時におけるバッテリパック4の保護性能を高められる。
【0051】
(3)機器搭載部9に搭載される車載機器10が、バッテリパック4から出力される電力を複数の補機に分配する配電装置であれば、バッテリパック4の関連機器である配電装置をバッテリパック4の近傍の外側ブラケット5Bに搭載できる。このため、例えばバッテリパック4と配電装置とを繋ぐハーネスの配索性を高められる。また、バッテリ側ブラケット5で支持されたバッテリパック4をサイドレール21から脱着する場合に、配電装置をバッテリ側ブラケット5及びバッテリパック4と共に(一体で)移動させられる。このため、配電装置の脱着作業性を高められる。
【0052】
(4)対向面51の車高方向D3の中央領域に軽量化孔53が設けられた中間ブラケット5Aによれば、対向面51と延出面52との角部の剛性低下を防止できる。このため、中間ブラケット5Aにおける側突荷重の伝達機能をより適切に確保できる。よって、側突時におけるバッテリパック4の保護性能をより確実に確保できる。
【0053】
(5)互いに隣り合う二つの中間ブラケット5Aにおいて軽量化孔53の配置が互いに等しければ、これらの中間ブラケット5Aとして共通の部材を適用できる。よって、コスト削減を図れる。また、隣り合う二つの中間ブラケット5Aにおいて剛性が互いに等しくなるため、剛性の均等化を図れる。
【0054】
(6)これに対し、互いに隣り合う二つの中間ブラケット5Aにおいて軽量化孔53の配置が互いに異なっていれば、一方の中間ブラケット5Aの軽量化孔53が設けられた部位を、他方の中間ブラケット5Bの軽量化孔53が設けられない部位で補強できる。これにより、二つの中間ブラケット5Aを一つのまとまりとして捉えた中間ユニット50のいずれの位置でも剛性が確保されやすくなるため、電動トラック3の衝突時であっても各々の中間ブラケット5Aの局所的な変形を抑制できる。また、上記のように中間ユニット50の全域で剛性を確保しながらも、軽量化孔53による肉抜き量を増やす(各々の中間ブラケット5Aにおいて軽量化孔53を拡大する)ことが可能となるため、中間ブラケット5Aの更なる軽量化を図れる。
【0055】
(7)外側ブラケット5Bと車長方向D1において隣り合うようにリーフサスペンション1が配置された電動トラック3では、前後衝突時にリーフサスペンション1と外側ブラケット5Bとが接触しうる。これに対し、上記のとおり対向面51に軽量化孔が設けられない外側ブラケット5Bによれば、耐荷重強度が確保されているため、高重量物であるリーフサスペンション1と接触した場合であっても、リーフサスペンション1によるバッテリパック4への影響を低減できる。よって、前後衝突時におけるバッテリパック4の保護性能を確保できる。
【0056】
[3.変形例]
上記の電動トラック3の構成は一例である。電動トラック3には、三個以上のバッテリパック4が車長方向D1において隣り合うように設けられてもよい。この場合であっても、車長方向D1において互いに隣り合う中間ブラケット5Aの対向面51に軽量化孔53を設け、車長方向D1の最も外側に配置される外側ブラケット5Bの対向面51には軽量化孔を設けないことで、上記の実施形態と同様に、衝突時のバッテリパック4の保護性能を確保しつつ高重量化を抑制できる。
【0057】
フレーム側ブラケット6の構成、配置及び個数は、上記の例示に限定されない。また、補助ブラケット7は省略されてもよい。
機器搭載部9の具体的な構造も、上記の例示に限定されない。機器搭載部9は、溶接ボルト91及び溶接ナット94の双方を含んでもよいし、溶接ボルト91及び溶接ナット94以外の構造を含んでもよい。また、機器搭載部9に搭載される車載機器10としては、上記の配電装置に限らず、電動トラック3に搭載される様々な機器を採用できる。
リーフサスペンション1は省略されてもよい。上記の外側ブラケット5Bによれば、対向面51に軽量化孔が設けられないことで耐荷重強度が確保されているため、前後衝突時にリーフサスペンション1以外の部材と接触した場合であっても、バッテリパック4への影響を低減できる。
【符号の説明】
【0058】
1 リーフサスペンション
2 ラダーフレーム
3 電動トラック
4 バッテリパック
5 バッテリ側ブラケット
5A 中間ブラケット
5B 外側ブラケット
6 フレーム側ブラケット
7 補助ブラケット
9 機器搭載部
10 車載機器
14 ナット
15 ボルト
21 サイドレール
22 クロスメンバ
31 前輪
32 後輪
41 第2側面
42 前面(第1側面)
43 後面(第1側面)
50 中間ユニット
51 対向面
52 延出面
53 軽量化孔
55 孔部
71 ウェブ面
72 フランジ面
91 溶接ボルト
92 頭部
93 ネジ部
94 溶接ナット
D1 車長方向
D2 車幅方向
D3 車高方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9