(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022085065
(43)【公開日】2022-06-08
(54)【発明の名称】車両のフレーム構造
(51)【国際特許分類】
B62D 21/02 20060101AFI20220601BHJP
【FI】
B62D21/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020196546
(22)【出願日】2020-11-27
(71)【出願人】
【識別番号】598051819
【氏名又は名称】ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Daimler AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 120,70372 Stuttgart,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100187322
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 直輝
(74)【代理人】
【識別番号】100111143
【弁理士】
【氏名又は名称】安達 枝里
(72)【発明者】
【氏名】石黒 雅也
(72)【発明者】
【氏名】小此木 茂
(72)【発明者】
【氏名】秋山 二朗
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 満
【テーマコード(参考)】
3D203
【Fターム(参考)】
3D203AA13
3D203BA03
3D203CA52
3D203DA12
(57)【要約】
【課題】ブレーキチャンバとの干渉を回避しつつ、必要な強度を確保するための補強部材を設けた車両のフレーム構造を提供する。
【解決手段】第1側壁部11と第1上壁部13と第1下壁部12とから形成される断面コの字形状のサイドレール10と、断面コの字形状をなし、車両上下方向の長さが第1側壁部より小さく、第1側壁部の内側に取り付けられる第1補強部材20と、断面L字形状をなし、車両上下方向の長さが第1側壁部より小さく、第1側壁部の車幅方向外側に取り付けられる第2補強部材30と、断面L字形状をなし車幅方向に延在して、サイドレールを接続する第3補強部材40と、サイドレールの下に配置される車両のブレーキチャンバ3と、を備え、サイドレールは、第1下壁部において、ブレーキチャンバの車両上下方向の直上に切欠き部14が形成されており、第1~第4補強部材は、少なくとも一部が切欠き部の直上に位置するように取り付けられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1側壁部と第1上壁部と第1下壁部とから形成される断面コの字形状をなし、コの字の開口が車幅方向に対向して車両前後方向に延在する一対のサイドレールと、
第2側壁部と第2上壁部と第2下壁部とから形成される少なくとも一部が断面コの字形状をなし、前記第2側壁部の車両上下方向の長さが前記第1側壁部の車両上下方向の長さより小さく、前記第2側壁部が前記第1側壁部の車幅方向内側の面に接し、かつ、前記第2上壁部が前記第1上壁部の車両上下方向の内側の面に接して取り付けられる第1補強部材と、
第3側壁部と第3下壁部とから形成される断面L字形状をなし、前記第3側壁部の車両上下方向の長さが前記第1側壁部の車両上下方向の長さより小さく、前記第3側壁部が前記第1側壁部の車幅方向外側の面に接して取り付けられる第2補強部材と、
断面L字形状をなし車幅方向に延在して、前記一対のサイドレールを接続する第3補強部材と、
前記サイドレールの下に配置される車両のブレーキチャンバと、
を備え、
前記サイドレールは、前記第1下壁部において、前記ブレーキチャンバの車両上下方向の直上に切欠き部が形成されており、
前記第1補強部材、前記第2補強部材、及び前記第3補強部材は、少なくとも一部が前記切欠き部の直上に位置するように取り付けられる、
ことを特徴とする車両のフレーム構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両のフレーム構造に関する。
【背景技術】
【0002】
大型や中型のトラックなどは、加圧空気を発生させるための空気圧縮機を用い、加圧空気でブレーキ装置の作動やエアーサスペンションの弾性力付与を行っているものがある。例えば、特許文献1には、加圧空気をブレーキ装置のブレーキチャンバやエアーサスペンションのエアスプリングに供給するエアー供給路を備えた車両が開示されている。こうしたブレーキ装置等は、一対のサイドレールと、これらサイドレールに略直行して配設される複数のクロスメンバと、から構成されるフレーム構造に懸架されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、サイドレールの直下にブレーキチャンバが配置される場合、車両が積載状態で、車体が振動するとサイドレールの下側フランジ(下壁部)にブレーキチャンバが干渉する虞がある。そこで、サイドレールにおいて、干渉する箇所を凹ませることが考えられるが、凹ませる場合は、新たに型が必要となり、型の製造費がかかるため、コストが高くなる。また、型を製造するには、また、多くの時間を要する虞がある。よって、サイドレールとブレーキチャンバの干渉を避けるため、サイドレールに切欠き部を設けることが考えられる。しかし、サイドレールに切欠き部を設けた場合、サイドレールの強度が問題になる可能性がある。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、サイドレールに切り欠き部を設けてブレーキチャンバとの干渉を回避しつつ、必要な強度を確保するための補強部材を設けた車両のフレーム構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様又は適用例として実現することができる。
【0007】
本適用例に係る車両のフレーム構造は、第1側壁部と第1上壁部と第1下壁部とから形成される断面コの字形状をなし、コの字の開口が車幅方向に対向して車両前後方向に延在する一対のサイドレールと、第2側壁部と第2上壁部と第2下壁部とから形成される少なくとも一部が断面コの字形状をなし、前記第2側壁部の車両上下方向の長さが前記第1側壁部の車両上下方向の長さより小さく、前記第2側壁部が前記第1側壁部の車幅方向内側の面に接し、かつ、前記第2上壁部が前記第1上壁部の車両上下方向の内側の面に接して取り付けられる第1補強部材と、第3側壁部と第3下壁部とから形成される断面L字形状をなし、前記第3側壁部の車両上下方向の長さが前記第1側壁部の車両上下方向の長さより小さく、前記第3側壁部が前記第1側壁部の車幅方向外側の面に接して取り付けられる第2補強部材と、断面L字形状をなし車幅方向に延在して、前記一対のサイドレールを接続する第3補強部材と、前記サイドレールの下に配置される車両のブレーキチャンバと、を備え、前記サイドレールは、前記第1下壁部において、前記ブレーキチャンバの車両上下方向の直上に切欠き部が形成されており、前記第1補強部材、前記第2補強部材、及び前記第3補強部材は、少なくとも一部が前記切欠き部の直上に位置するように取り付けられる、ことを特徴とする。
【0008】
このように構成された車両のフレーム構造は、サイドレールのブレーキチャンバが直下に配置される箇所に切欠き部が設けられている。これにより、車両が積載状態で沈み込んだ場合でも、サイドレールの直下にあるブレーキチャンバとの干渉を避けることができる。また、サイドレールの第1側壁部の両側面に第1補強部材と第2補強部材が取り付けられた領域は、車幅方向の厚みが実質的に増加し、当該領域全体の変形が抑制される。また、左右一対のサイドレールは、切欠き部の直上に配置される第3補強部材により相互に接続され拘束されることにより更に変形が抑制される。このようにして、サイドレールの切欠き部の強度低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態の車両のフレーム構造を適用した車両の後輪部分を左上方から見た部分斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態の車両のフレーム構造を車両内側から見た部分斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態の車両のフレーム構造を車両外側から見た部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づき説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態の車両のフレーム構造を適用した車両1の後輪部分を左上方から見た部分斜視図である。車両1は、例えば、運送を目的とするトラックである。
図1において車両1は、ブレーキドラム2R、2L、ブレーキドラム2R、2Lに備えられたブレーキシュー(不図示)を圧縮空気で駆動制御するブレーキチャンバ3R、3L、その他の艤装品、これら艤装品を懸架するためのラダー形のフレーム構造4、を備える。なお、前後とは車両の前後、上下とは車両の鉛直方向(垂直方向)における上下、左右とは車両の車幅方向における左右を示しているものとして、以下説明する。
図1では車両1の左後輪部分を代表に説明するが、右後輪部分も同様の構成をなしており、詳しい説明は省略する。
【0012】
ブレーキドラム2R、2Lは、車両1に搭載されるのエアブレーキ機構の構成部品であり、図示しない各車軸に固定され、車軸とともに回転する円筒形状の部材(ドラム)の内側にブレーキシューが押し付けられて、制動力や拘束力を得るためのものである。
【0013】
ブレーキチャンバ3R、3Lは、圧縮空気の圧力を機械的往復運動に変換し、ブレーキドラム2R、2Lのブレーキシューを動かすためのアクチュエーターである。ブレーキチャンバ3R、3Lは、ブレーキドラム2R、2Lの前方に隣接して設置され、本実施形態では、フレーム構造4の後述するサイドレール10R、10Lの直下に配置されている。
【0014】
フレーム構造4は、左右一対のサイドレール10R、10L及び複数のクロスメンバ5A、5Bを備える。サイドレール10R、10Lは、車両1の前後方向に延在し、互いに平行に配置される。また、サイドレール10R、10Lは、断面コ字型に形成され、それぞれコの字の開口を車幅方向に対向して配置される。クロスメンバ5A、5Bは、左側の左サイドレール10Lと右側の右サイドレール10Rを接続する。
図1において、一方のクロスメンバ5Aはブレーキドラム2L、2R及びブレーキチャンバ3L、3Rよりも車両前方側に、他方のクロスメンバ5Bはブレーキドラム2L、2R及びブレーキチャンバ3L、3Rよりも車両後方側に配置されている。
【0015】
また、フレーム構造4は、サイドレール10R、10Lの車幅方向内側に取り付けられる第1補強部材として内側スティフナ20R、20L(
図1では右側のみ表示)と、サイドレール10R、10Lの車幅方向外側に取り付けられる第2の補強部材としての外側スティフナ30R、30L(
図1では左側のみ表示)と、右サイドレール10Rと左サイドレール10Lとを接続する第3の補強部材としての補助クロスメンバ40を備える。以下、本実施形態のフレーム構造4の構造は基本的に左右対称であるため、部分的な詳細については右側の構造を示す図を用いて説明し、左側については省略する。
【0016】
図2は、本発明の一実施形態の車両のフレーム構造4の右側部分を車両内側下方から見た斜視図である。
図3は、本発明の一実施形態の車両のフレーム構造4の右側部分を車両外側上方から見た斜視図である。具体的には、本実施形態の車両のフレーム構造4の主要部であるサイドレール10R、内側スティフナ20R、外側スティフナ30R、補助クロスメンバ40を、それぞれ、車両内側又は車両外側から見た斜視図である。また、
図4はサイドレール10Rのみの部分斜視図である。
【0017】
図2、
図3及び
図4に示すように、サイドレール10Rは、前後方向及び上下方向に延びる平板状の第1側壁部11R(いわゆるウェブ)と、第1側壁部11Rの下辺及び上辺から車幅方向に平行に延びる板状の第1下壁部12R及び第1上壁部13R(いわゆるフランジ)と、を有してコの字形状に形成されている。サイドレール10Rは、艤装品を支持又は懸架するために十分な板厚及び大きさを有し、例えば板金を曲げ加工して形成される。
【0018】
また、サイドレール10Rは、少なくとも第1下壁部12Rにおいて、ブレーキチャンバ3Rの直上に切欠き部14Rが形成されている。具体的には、切欠き部14Rは、車幅方向及び車両上下方向においては第1下壁部12Rから第1側壁部11Rに亘り、かつ、車両前後方向にはブレーキチャンバ3Rの前後方向の長さより小さく、形成されている。更に、サイドレール10Rは、切欠き部14Rの直上において、第1側壁部11Rにパイロット孔15Rを有する。なお、図示しないが、サイドレール10Rには艤装品等を取り付けるための取付孔を多数有しており、これら取付孔よりもパイロット孔15Rは径の大きい円孔である。内側スティフナ20R、外側スティフナ30R、補助クロスメンバ40にも取付孔が形成されており、各取付孔に図示しないボルトやリベット等の固定部材を用いてサイドレール10Rに各補強部材が取り付けられている。
【0019】
図5は、内側スティフナ20Rの斜視図である。
図2、
図5に示すように、内側スティフナ20Rは、平板状の第2側壁部21Rと、第2側壁部21Rの下辺全体から車幅方向内側に延びる板状の第2下壁部22R及び第2側壁部21Rの上辺の車両後部側の一部から車幅方向内側に延びる板状の第2上壁部23Rと、とから形成されている。つまり、内側スティフナ20Rの車両前側は断面L字状に、車両後側は断面コの字状に形成されている。このように、車両後側のみに第2上壁部23Rを形成することで、軽量化を図りつつサイドレール10Rを補強することができる。また、内側スティフナ20Rは、第2側壁部21Rにおいて、サイドレール10Rのパイロット孔15Rに対応する位置に同径のパイロット孔24Rを有する。内側スティフナ20Rは、サイドレール10Rと同じ材質又はより機械的強度の高い材質の板金を曲げ加工して形成される。
【0020】
内側スティフナ20Rは、
図2に示すように、第2上壁部23Rの上面がサイドレール10Rの第1上壁部13Rの下面と接して、かつ、第2側壁部21Rの車幅方向外側面がサイドレール10Rの第1側壁部11Rの車幅方向内側面と接して、取り付けられている。また、内側スティフナ20Rは、
図2に示すように、第2側壁部21Rの車両上下方向の長さが、サイドレール10Rの第1側壁部11Rの車両上下方向の長さより小さく、車両前後方向の長さがブレーキチャンバ3Rの車両前後方向の長さより大きい。即ち、内側スティフナ20Rの全体がサイドレール10Rの内側に収容される大きさである。具体的には、車両上下方向において、第2下壁部22Rは第1側壁部11Rの切欠き部14Rの上端付近の位置に来る長さである。
【0021】
また、内側スティフナ20Rは、
図1に示すように、パイロット孔24Rから車両前側がクロスメンバ5Aの取付位置まで伸びている。このように内側スティフナ20Rが、隣接するクロスメンバ5Aの領域まで延長されていることにより、クロスメンバ5Aの取り付けに対する補強も兼ねることができる。
【0022】
図6は、外側スティフナ30Rの斜視図である。
図3、
図6に示すように、外側スティフナ30Rは、平板状の第3側壁部31Rと、第3側壁部31Rの下辺全体から車幅方向外側に延出する第3下壁部32Rとから形成される、断面L字の形状をなしている。また、外側スティフナ30Rは、第3側壁部31Rにおいて、サイドレール10Rのパイロット孔15Rに対応する位置に同径のパイロット孔33Rを有する。外側スティフナ30Rは、例えば、サイドレール10Rと同じ材質又はより機械的強度の高い材質の板金を曲げ加工して形成される。
【0023】
外側スティフナ30Rは、
図3に示すように、第3側壁部31Rの車幅方向内側面がサイドレール10Rの第1側壁部11Rの車幅方向外側面と接して、サイドレール10Rに取り付けられている。また、外側スティフナ30Rは、第3側壁部31Rの車両上下方向の長さがサイドレール10Rの第1側壁部11Rの車両上下方向の長さより小さい。具体的には、車両上下方向において、第3下壁部32Rが第1側壁部11Rの切欠き部14Rの上端位置よりも上側に位置している。
【0024】
サイドレール10R、内側スティフナ20R、外側スティフナ30Rの、それぞれのパイロット孔15R、24R、33Rは、同サイズ及び同形状であり、サイドレール10Rに対して内側スティフナ20R及び外側スティフナ30Rを位置決めに用いることが可能な孔である。これにより、内側スティフナ20R及び外側スティフナ30Rは、その少なくとも一部が切欠き部14Rの真上に位置するようにサイドレール10Rに取り付けられる。また、第1側壁部11R、第2側壁部21R、第3側壁部31Rは、その他にも図示しない取付孔等各種の孔が形成されるが、サイドレール10Rに内側スティフナ20R及び外側スティフナ30R、が装着された状態で、取付孔の形状、サイズ及び位置が一致するように形成されている。
【0025】
再び
図1、
図2、及び
図3を参照すると、補助クロスメンバ40は、それぞれ車両上下方向に延びる平板状の第4側壁部41と、当該第4側壁部41の下辺から車両前方に延びる板状の第4下壁部42とから形成される断面L字形状をなし、車幅方向に延在する。また、補助クロスメンバ40は、第4側壁部41の車幅方向両端部分においては、上側の一部から車両前方に延出する固定部43R、43L(
図2に右側の固定部43Rのみ表示)を有する。
図2に示すように、固定部43Rの車幅方向外側面が内側スティフナ20Rの第2側壁部21Rの車幅方向内側面と当接して取り付けられている(補助クロスメンバ40の左側の固定部43Lも同様)。このようにして、補助クロスメンバ40は、左右一対のサイドレール10R、10Lを接続する。更に、補助クロスメンバ40は取り付けられた状態において、固定部43Rがパイロット孔15R、24R、33Rの直上に位置し、第4下壁部42の右端がパイロット孔15R、24R、33Rの直下に位置している。すなわち、補助クロスメンバ40は、切欠き部14Rの直上に位置するように取り付けられる。このようにパイロット孔15R、24R、33Rは補助クロスメンバ40の位置決めにも使用可能である。
【0026】
このように構成された車両1のフレーム構造4は、ブレーキチャンバ3Rが直下に配置される箇所において、サイドレール10Rに切欠き部14Rが設けられている。つまり、サイドレール10Rにおいてブレーキチャンバ3Rの直上に切欠き部14Rが形成されている。これにより、車両1が積載状態で沈み込んだ場合でも、サイドレール10Rとブレーキチャンバ3Rとの干渉を避けることができる。また、サイドレール10Rの第1側壁部11Rの車幅方向両側の面に内側スティフナ20Rと外側スティフナ30Rが取り付けられた領域は、車幅方向の厚みが実質的に増加し、当該領域全体の変形が抑制される。更に、応力が集中しやすい切欠き部14R付近に、車幅方向に広がる面を有する第2下壁部22Rと第3下壁部32Rが配置されることにより、切欠き部14R付近の変形が抑制される。また、左右一対のサイドレール10R、10Lは、切欠き部14Rの直上に配置される補助クロスメンバ40により相互に接続され拘束されることにより更に変形が抑制される。このようにして、サイドレール10Rの切欠き部14Rの強度低下を抑制することができる。
【0027】
以上で本発明に係る車両のフレーム構造の実施形態についての説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。
【0028】
上記実施形態においては、内側スティフナ20R、外側スティフナ30R、補助クロスメンバ40は固定部材を用いてサイドレール10Rに固定されていたが、溶接により固定しても構わない。これにより、確実に固定でき、ボルト緩み等の点検も不要となる。
【符号の説明】
【0029】
1 車両
2R、2L ブレーキドラム
3R、3L ブレーキチャンバ
4 フレーム構造
5A、5B クロスメンバ
10R、10L サイドレール
11R、11L 第1側壁部
12R、12L 第1下壁部
13R、13L 第1上壁部
14R、14L 切り掛け部
15R、15L パイロット孔
20R、20L 内側スティフナ
21R、21L 第2側壁部
22R、22L 第2下壁部
23R、23L 第2上壁部
24R、24L パイロット孔
30R、30L 外側スティフナ
31R、31L 第3側壁部
32R、32L 第3下壁部
33R、33L パイロット孔
40 補助クロスメンバ
41 第4側壁部
42 第4下壁部
43R、43L 固定部