(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022085085
(43)【公開日】2022-06-08
(54)【発明の名称】電源装置
(51)【国際特許分類】
H02M 7/04 20060101AFI20220601BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20220601BHJP
H05K 5/03 20060101ALI20220601BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20220601BHJP
【FI】
H02M7/04 D
H05K5/02 L
H05K5/03 A
H05K1/02 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020196578
(22)【出願日】2020-11-27
(71)【出願人】
【識別番号】000100562
【氏名又は名称】アール・ビー・コントロールズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106105
【弁理士】
【氏名又は名称】打揚 洋次
(72)【発明者】
【氏名】西野 哲也
【テーマコード(参考)】
4E360
5E338
5H006
【Fターム(参考)】
4E360BA03
4E360BC05
4E360BD05
4E360CA01
4E360EA27
4E360ED02
4E360FA17
4E360GA53
4E360GB91
4E360GC04
5E338BB04
5E338BB13
5E338CD23
5E338EE01
5E338EE60
5H006HA06
5H006HA08
(57)【要約】
【課題】従来の発明では電源基板を収納するカバーとして2つの部材を形成しなければならず、製造コストが高騰するばかりか、一方の部材に電源基板を固定した後で、さらに他方の部材を一方の部材に係合させるという工程が必要となり、電源装置の組み立て工数が多くなるという不具合が生じる。
【解決手段】電源基板の一方の面に電源装置用の電子部品が実装され、この一方の面および電子部品を金属等の不燃性材料で形成されたカバーで覆われた電源装置であって、上記電源基板の他方の面を、この他方の面に被着された銅箔で覆い、この銅箔を上記カバーの外部に対して露出させた。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源基板の一方の面に電源装置用の電子部品が実装され、この一方の面および電子部品を金属等の不燃性材料で形成されたカバーで覆われた電源装置において、上記電源基板の他方の面を、この他方の面に被着された銅箔で覆い、この銅箔を上記カバーの外部に対して露出させたことを特徴とする電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源基板を不燃材で囲んだ電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電源装置は外部から供給される商用の100ボルトの交流電力を整流し、各所に使用する直流の直流電力に変換して出力する。このように商用電力を使用するため、故障が生じると高温を発生する場合がある。この高温のため電子部品や回路基板から発火もしくは発煙した場合には、他の個所に影響しないように、電源基板を金属などの不燃性材料で形成されたカバーで覆う必要がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このものでは、完全に電源基板をカバーで囲む必要があるので、カバーを2つの部材で構成して、一方の部材内に電源基板を収納させた後で他方の部材を一方の部材に係合させてカバーとして完成させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-174602号公報(
図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の発明では電源基板を収納するカバーとして2つの部材を形成しなければならず、製造コストが高騰するばかりか、一方の部材に電源基板を固定した後で、さらに他方の部材を一方の部材に係合させるという工程が必要となり、電源装置の組み立て工数が多くなるという不具合が生じる。
【0006】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、電源基板を囲むカバーとして1つの部材のみで電源基板からの延焼などを防止することのできる電源装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明による電源装置は、電源基板の一方の面に電源装置用の電子部品が実装され、この一方の面および電子部品を金属等の不燃性材料で形成されたカバーで覆われた電源装置において、上記電源基板の他方の面を、この他方の面に被着された銅箔で覆い、この銅箔を上記カバーの外部に対して露出させたことを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、電源基板の一方の面側を、この一方の面側に実装された電子部品と共に、カバーで覆うと共に、このカバーの開口を回路基板の他方の面に被着された銅箔で覆うことによって、電源基板全体を不燃材料で囲うようにできる。
【発明の効果】
【0009】
以上の説明から明らかなように、本発明は、カバーの開口を電源基板の他方の面に被着された銅箔で覆うので、カバーとして1つの部材でよく、かつそのカバーに電源基板を固定すると同時にカバーの開口を銅箔という不燃材料で覆うことができるので、カバーとしてコストを低減すると共に、電源装置の組み立て工数を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】電源基板をカバーに組み付けた状態でのII-II断面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1を参照して、1は電源基板であり、この電源基板1の一方の面11には電子部品が実装されている。そして、この電源基板1は4本のネジ21によってカバー2にねじ止めされている。このカバー2および4本のネジ21は共に金属で形成されている。また、このようにカバー2に電源基板1が固定されると、電源基板1の一方の面11がカバー2の内側に面し、電源基板1の他方の面12がカバー2の外側に面することになる。
【0012】
図2を参照して、電源基板1の一方の面11には電子部品3を含む電子回路を形成するためのパターン13が被着されている。また、電源基板1には電子部品3のリード線31が挿通されるスルーホール14が形成されている。このスルーホール14の内周面には導電性の銅箔が被着されており、スルーホール14内の銅箔は上記パターン13に導通している。従って、他方の面12側からフローハンダを行うと、溶融したハンダがスルーホール14内に吸い上げあられ、リード線31をパターン13に対して導通させることになる。
【0013】
図3を合わせて参照して、電源基板1の他方の面12には銅箔15が被着されている。ただし、この銅箔15はスルーホール14と接触しないように、スルーホール14に対して所定の寸法を確保できるように銅箔15を除去している。また、残りの大部分を占める銅箔15は上記のフローハンダ工程でハンダが被着しないようにレジストで被覆した。なお、上記カバー2に対してネジ21を介して電気的に接続し、ノイズの漏洩を遮断する場合には、ネジ21の座面にはレジストを被覆させずにハンダが被着するようにしてもよい。
【0014】
上記構成により、電源基板1は不燃性である金属製のカバー2と電源基板1の他方の面12のほとんどの部分を覆う銅箔15とによって囲まれるので、万一電源基板1から発火してもカバー2の外部への延焼を防止することができる。
【0015】
なお、本発明は上記した形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもかまわない。
【符号の説明】
【0016】
1 電源基板
2 カバー
3 電子部品
11 一方の面
12 他方の面
13 パターン
14 スルーホール
15 銅箔