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特開2022-85128間仕切り装置のパネル連結方法及びパネル連結構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022085128
(43)【公開日】2022-06-08
(54)【発明の名称】間仕切り装置のパネル連結方法及びパネル連結構造
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/74 20060101AFI20220601BHJP
【FI】
E04B2/74 561K
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020196635
(22)【出願日】2020-11-27
(71)【出願人】
【識別番号】000105693
【氏名又は名称】コマニー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154966
【弁理士】
【氏名又は名称】海野 徹
(72)【発明者】
【氏名】大浦 航平
(57)【要約】      (修正有)
【課題】有線による電気配線設備や電気通信配線設備を備えており施工が容易な間仕切り装置のパネル連結方法及びパネル連結構造を提供する。
【解決手段】パネル10を水平方向に移動させてフック31の先端部31bをフック穴32に通過させた後、下方向に移動させることで先端部をフック穴に係止させる。そして、パネルの下方向への移動に伴い、第1接続端子の凹部と第2接続端子の凸部とが上下方向から嵌り合う。パネルをスタッドに取り付けると同時に左右のパネルの内部の配線同士を電気的に接続できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のパネルと、垂直に起立してその側面に前記パネルが係止される複数のスタッドと、前記パネルの側面を前記スタッドに係止するための係止手段と、前記パネルの内部に配線を施すための配線設備とを備える間仕切り装置のパネル連結方法において、
前記係止手段が、前記パネルの側面において幅方向に突出しておりその先端部が垂下するフックと、前記スタッドの側面に形成されたフック穴とを備えており、前記パネルを水平方向に移動させて前記先端部を前記フック穴に通過させた後、前記パネルを下方向に移動させることで前記先端部を前記フック穴に係止させるものであり、
前記配線設備が、前記パネルの側面において幅方向に突出する第1接続端子と、他の前記パネルの側面において幅方向に突出する第2接続端子と、前記第1接続端子及び前記第2接続端子に有線で繋がる前記配線とを備えており、
前記パネルの下方向への移動に伴い、前記第1接続端子の凹部又は凸部と前記第2接続端子の凸部又は凹部とが上下方向から嵌り合うことを特徴とする間仕切り装置のパネル連結方法。
【請求項2】
複数のパネルと、垂直に起立してその側面に前記パネルが固定される複数のスタッドと、前記パネルの側面を前記スタッドに係止するための係止手段と、前記パネルの内部に配線を施すための配線設備とを備える間仕切り装置のパネル連結方法において、
前記係止手段が、前記パネルの側面において幅方向に突出しておりその先端部が垂下するフックと、前記スタッドの側面に形成されたフック穴とを備えており、前記パネルを水平方向に移動させて前記先端部を前記フック穴に通過させた後、前記パネルを下方向に移動させることで前記先端部を前記フック穴に係止させるものであり、
前記配線設備が、前記パネルの側面において幅方向に突出する第1接触端子と、他の前記パネルの側面において幅方向に突出する第1被接触端子と、前記第1接触端子及び前記第1被接触端子に有線で繋がる前記配線とを備えており、
前記パネルの下方向への移動に伴い、前記第1接触端子が前記第1被接触端子に接触することを特徴とする間仕切り装置のパネル連結方法。
【請求項3】
複数のパネルと、垂直に起立してその側面に前記パネルが係止される複数のスタッドと、前記パネルの側面を前記スタッドに係止するための係止手段と、前記パネルの内部に配線を施すための配線設備とを備える間仕切り装置のパネル連結方法において、
前記係止手段が、前記パネルの側面において幅方向に突出しておりその先端部が垂下するフックと、前記スタッドの側面に形成されたフック穴とを備えており、前記パネルを水平方向に移動させて前記先端部を前記フック穴に通過させた後、前記パネルを下方向に移動させることで前記先端部を前記フック穴に係止させるものであり、
前記配線設備が、前記パネルの側面において幅方向に突出する第3接続端子と、前記スタッドに取り付けられる第4接続端子と、前記第3接続端子及び前記第4接続端子に有線で繋がる前記配線とを備えており、
前記パネルの下方向への移動に伴い、前記第3接続端子の凹部又は凸部と前記第4接続端子の凸部又は凹部とが上下方向から嵌り合うことを特徴とする間仕切り装置のパネル連結方法。
【請求項4】
複数のパネルと、垂直に起立してその側面に前記パネルが係止される複数のスタッドと、前記パネルの側面を前記スタッドに係止するための係止手段と、前記パネルの内部に配線を施すための配線設備とを備える間仕切り装置のパネル連結方法において、
前記係止手段が、前記パネルの側面において幅方向に突出しておりその先端部が垂下するフックと、前記スタッドの側面に形成されたフック穴とを備えており、前記パネルを水平方向に移動させて前記先端部を前記フック穴に通過させた後、前記パネルを下方向に移動させることで前記先端部を前記フック穴に係止させるものであり、
前記配線設備が、前記パネルの側面において幅方向に突出する第2接触端子と、前記スタッドに取り付けられる第2被接触端子と、前記第2接触端子及び前記第2被接触端子に有線で繋がる前記配線とを備えており、
前記パネルの下方向への移動に伴い、前記第2接触端子が前記第2被接触端子に接触することを特徴とする間仕切り装置のパネル連結方法。
【請求項5】
複数のパネルと、垂直に起立してその側面に前記パネルが係止される複数のスタッドと、前記パネルの側面を前記スタッドに係止するための係止手段と、前記パネルの内部に配線を施すための配線設備とを備える間仕切り装置のパネル連結構造において、
前記係止手段が、前記パネルの側面において幅方向に突出しておりその先端部が垂下するフックと、前記スタッドの側面に形成されたフック穴とを備えており、
前記先端部が前記フック穴に係止するものであり、
前記配線設備が、前記パネルの側面において幅方向に突出する第1接続端子と、他の前記パネルの側面において幅方向に突出する第2接続端子と、前記第1接続端子及び前記第2接続端子に有線で繋がる前記配線とを備えており、
前記先端部が前記フック穴に係止した状態で、前記第1接続端子の凹部又は凸部と前記第2接続端子の凸部又は凹部とが上下方向から嵌り合っていることを特徴とする間仕切り装置のパネル連結構造。
【請求項6】
複数のパネルと、垂直に起立してその側面に前記パネルが固定される複数のスタッドと、前記パネルの側面(左右の端部)を前記スタッドに係止するための係止手段と、前記パネルの内部に配線を施すための配線設備とを備える間仕切り装置のパネル連結方法において、
前記係止手段が、前記パネルの側面において幅方向に突出しておりその先端部が垂下するフックと、前記スタッドの側面に形成されたフック穴とを備えており、
前記先端部が前記フック穴に係止するものであり、
前記配線設備が、前記パネルの側面において幅方向に突出する第1接触端子と、他の前記パネルの側面において幅方向に突出する第1被接触端子と、前記第1接触端子及び第1前記被接触端子に有線で繋がる前記配線とを備えており、
前記先端部が前記フック穴に係止した状態で、前記第1接触端子が前記第1被接触端子に接触していることを特徴とする間仕切り装置のパネル連結構造。
【請求項7】
複数のパネルと、垂直に起立してその側面に前記パネルが係止される複数のスタッドと、前記パネルの側面を前記スタッドに係止するための係止手段と、前記パネルの内部に配線を施すための配線設備とを備える間仕切り装置のパネル連結方法において、
前記係止手段が、前記パネルの側面において幅方向に突出しておりその先端部が垂下するフックと、前記スタッドの側面に形成されたフック穴とを備えており、
前記先端部が前記フック穴に係止するものであり、
前記配線設備が、前記パネルの側面において幅方向に突出する第3接続端子と、前記スタッドに取り付けられる第4接続端子と、前記第3接続端子及び前記第4接続端子に有線で繋がる前記配線とを備えており、
前記先端部が前記フック穴に係止した状態で、前記第3接続端子の凹部又は凸部と前記第4接続端子の凸部又は凹部とが上下方向から嵌り合っていることを特徴とする間仕切り装置のパネル連結構造。
【請求項8】
複数のパネルと、垂直に起立してその側面に前記パネルが係止される複数のスタッドと、前記パネルの側面を前記スタッドに係止するための係止手段と、前記パネルの内部に配線を施すための配線設備とを備える間仕切り装置のパネル連結方法において、
前記係止手段が、前記パネルの側面において幅方向に突出しておりその先端部が垂下するフックと、前記スタッドの側面に形成されたフック穴とを備えており、
前記先端部が前記フック穴に係止するものであり、
前記配線設備が、前記パネルの側面において幅方向に突出する第2接触端子と、前記スタッドに取り付けられる第2被接触端子と、前記第2接触端子及び前記第2被接触端子に有線で繋がる前記配線とを備えており、
前記先端部が前記フック穴に係止した状態で、前記第2接触端子が前記第2被接触端子に接触していることを特徴とする間仕切り装置のパネル連結構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有線による電気配線設備や電気通信配線設備を備えており施工が容易な間仕切り装置のパネル連結方法及びパネル連結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のパネルを幅方向に連結させることで空間を適当な広さに仕切るための間仕切り装置において、各パネルの内部に電気配線を通すと共に、パネルの側面に接続端子を設けておき、隣接するパネルの接続端子同士を接続して電気配線を繋ぐことで、電気配線設備をできるだけパネル外部に露出させない仕組みが知られている。
例えば特許文献1にはパネル内部の幅方向(左右方向)に給電ケーブルを通しておき、左側のパネルの給電ケーブルの受電コネクタと、右側のパネルの給電ケーブルの給電コネクタとを接続する構成が開示されている。同様の構成は特許文献2及び3にも開示されている。
また、特許文献4及び5には隣接する2枚のパネルの間を導電性接続ブロックや導通結線部材で繋ぐ技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭61-170217号公報
【特許文献2】特開平3-28443号公報
【特許文献3】特開平4-228746号公報
【特許文献4】特開昭61-211433号公報
【特許文献5】特開平4-197013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献に開示された技術では次のような問題がある。
左側のパネルの受電コネクタと、右側のパネルの給電コネクタとを作業者が手作業で接続したり、2枚のパネルを作業者が導電性接続ブロックや導通結線部材で繋いだりする必要があるため、作業が煩雑で時間がかかるという問題がある。
また、パネルに外力が作用して左右のパネルの間に隙間が生じた場合、受電コネクタと給電コネクタが外れてしまい、給電ケーブルに接続していた電子機器類が故障してしまうおそれがある。
また、有線による電気配線設備だけでなく、有線による電気通信配線設備も備えるのが好ましい。
【0005】
本発明は、このような問題を考慮して、有線による電気配線設備や電気通信配線設備を備えており施工が容易な間仕切り装置のパネル連結方法及びパネル連結構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の間仕切り装置のパネル連結方法は、複数のパネルと、垂直に起立してその側面に前記パネルが係止される複数のスタッドと、前記パネルの側面を前記スタッドに係止するための係止手段と、前記パネルの内部に配線を施すための配線設備とを備える間仕切り装置のパネル連結方法において、前記係止手段が、前記パネルの側面において幅方向に突出しておりその先端部が垂下するフックと、前記スタッドの側面に形成されたフック穴とを備えており、前記パネルを水平方向に移動させて前記先端部を前記フック穴に通過させた後、前記パネルを下方向に移動させることで前記先端部を前記フック穴に係止させるものであり、前記配線設備が、前記パネルの側面において幅方向に突出する第1接続端子と、他の前記パネルの側面において幅方向に突出する第2接続端子と、前記第1接続端子及び前記第2接続端子に有線で繋がる前記配線とを備えており、前記パネルの下方向への移動に伴い、前記第1接続端子の凹部又は凸部と前記第2接続端子の凸部又は凹部とが上下方向から嵌り合うことを特徴とする。
【0007】
本発明の間仕切り装置のパネル連結方法は、複数のパネルと、垂直に起立してその側面に前記パネルが固定される複数のスタッドと、前記パネルの側面を前記スタッドに係止するための係止手段と、前記パネルの内部に配線を施すための配線設備とを備える間仕切り装置のパネル連結方法において、前記係止手段が、前記パネルの側面において幅方向に突出しておりその先端部が垂下するフックと、前記スタッドの側面に形成されたフック穴とを備えており、前記パネルを水平方向に移動させて前記先端部を前記フック穴に通過させた後、前記パネルを下方向に移動させることで前記先端部を前記フック穴に係止させるものであり、前記配線設備が、前記パネルの側面において幅方向に突出する第1接触端子と、他の前記パネルの側面において幅方向に突出する第1被接触端子と、前記第1接触端子及び前記第1被接触端子に有線で繋がる前記配線とを備えており、前記パネルの下方向への移動に伴い、前記第1接触端子が前記第1被接触端子に接触することを特徴とする。
【0008】
本発明の間仕切り装置のパネル連結方法は、複数のパネルと、垂直に起立してその側面に前記パネルが係止される複数のスタッドと、前記パネルの側面を前記スタッドに係止するための係止手段と、前記パネルの内部に配線を施すための配線設備とを備える間仕切り装置のパネル連結方法において、前記係止手段が、前記パネルの側面において幅方向に突出しておりその先端部が垂下するフックと、前記スタッドの側面に形成されたフック穴とを備えており、前記パネルを水平方向に移動させて前記先端部を前記フック穴に通過させた後、前記パネルを下方向に移動させることで前記先端部を前記フック穴に係止させるものであり、前記配線設備が、前記パネルの側面において幅方向に突出する第3接続端子と、前記スタッドに取り付けられる第4接続端子と、前記第3接続端子及び前記第4接続端子に有線で繋がる前記配線とを備えており、前記パネルの下方向への移動に伴い、前記第3接続端子の凹部又は凸部と前記第4接続端子の凸部又は凹部とが上下方向から嵌り合うことを特徴とする。
【0009】
本発明の間仕切り装置のパネル連結方法は、複数のパネルと、垂直に起立してその側面に前記パネルが係止される複数のスタッドと、前記パネルの側面を前記スタッドに係止するための係止手段と、前記パネルの内部に配線を施すための配線設備とを備える間仕切り装置のパネル連結方法において、前記係止手段が、前記パネルの側面において幅方向に突出しておりその先端部が垂下するフックと、前記スタッドの側面に形成されたフック穴とを備えており、前記パネルを水平方向に移動させて前記先端部を前記フック穴に通過させた後、前記パネルを下方向に移動させることで前記先端部を前記フック穴に係止させるものであり、前記配線設備が、前記パネルの側面において幅方向に突出する第2接触端子と、前記スタッドに取り付けられる第2被接触端子と、前記第2接触端子及び前記第2被接触端子に有線で繋がる前記配線とを備えており、前記パネルの下方向への移動に伴い、前記第2接触端子が前記第2被接触端子に接触することを特徴とする。
【0010】
本発明の間仕切り装置のパネル連結構造は、複数のパネルと、垂直に起立してその側面に前記パネルが係止される複数のスタッドと、前記パネルの側面を前記スタッドに係止するための係止手段と、前記パネルの内部に配線を施すための配線設備とを備える間仕切り装置のパネル連結構造において、前記係止手段が、前記パネルの側面において幅方向に突出しておりその先端部が垂下するフックと、前記スタッドの側面に形成されたフック穴とを備えており、前記先端部が前記フック穴に係止するものであり、前記配線設備が、前記パネルの側面において幅方向に突出する第1接続端子と、他の前記パネルの側面において幅方向に突出する第2接続端子と、前記第1接続端子及び前記第2接続端子に有線で繋がる前記配線とを備えており、前記先端部が前記フック穴に係止した状態で、前記第1接続端子の凹部又は凸部と前記第2接続端子の凸部又は凹部とが上下方向から嵌り合っていることを特徴とする。
【0011】
本発明の間仕切り装置のパネル連結構造は、複数のパネルと、垂直に起立してその側面に前記パネルが固定される複数のスタッドと、前記パネルの側面(左右の端部)を前記スタッドに係止するための係止手段と、前記パネルの内部に配線を施すための配線設備とを備える間仕切り装置のパネル連結方法において、前記係止手段が、前記パネルの側面において幅方向に突出しておりその先端部が垂下するフックと、前記スタッドの側面に形成されたフック穴とを備えており、前記先端部が前記フック穴に係止するものであり、前記配線設備が、前記パネルの側面において幅方向に突出する第1接触端子と、他の前記パネルの側面において幅方向に突出する第1被接触端子と、前記第1接触端子及び第1前記被接触端子に有線で繋がる前記配線とを備えており、前記先端部が前記フック穴に係止した状態で、前記第1接触端子が前記第1被接触端子に接触していることを特徴とする。
【0012】
本発明の間仕切り装置のパネル連結構造は、複数のパネルと、垂直に起立してその側面に前記パネルが係止される複数のスタッドと、前記パネルの側面を前記スタッドに係止するための係止手段と、前記パネルの内部に配線を施すための配線設備とを備える間仕切り装置のパネル連結方法において、前記係止手段が、前記パネルの側面において幅方向に突出しておりその先端部が垂下するフックと、前記スタッドの側面に形成されたフック穴とを備えており、前記先端部が前記フック穴に係止するものであり、前記配線設備が、前記パネルの側面において幅方向に突出する第3接続端子と、前記スタッドに取り付けられる第4接続端子と、前記第3接続端子及び前記第4接続端子に有線で繋がる前記配線とを備えており、前記先端部が前記フック穴に係止した状態で、前記第3接続端子の凹部又は凸部と前記第4接続端子の凸部又は凹部とが上下方向から嵌り合っていることを特徴とする。
【0013】
本発明の間仕切り装置のパネル連結構造は、複数のパネルと、垂直に起立してその側面に前記パネルが係止される複数のスタッドと、前記パネルの側面を前記スタッドに係止するための係止手段と、前記パネルの内部に配線を施すための配線設備とを備える間仕切り装置のパネル連結方法において、前記係止手段が、前記パネルの側面において幅方向に突出しておりその先端部が垂下するフックと、前記スタッドの側面に形成されたフック穴とを備えており、前記先端部が前記フック穴に係止するものであり、前記配線設備が、前記パネルの側面において幅方向に突出する第2接触端子と、前記スタッドに取り付けられる第2被接触端子と、前記第2接触端子及び前記第2被接触端子に有線で繋がる前記配線とを備えており、前記先端部が前記フック穴に係止した状態で、前記第2接触端子が前記第2被接触端子に接触していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の間仕切り装置のパネル連結方法及び間仕切り装置のパネル連結構造によれば、スタッドに対してパネルを水平方向に移動させ、次に下方向に移動させることでパネルをスタッドに取り付けられるだけでなく、同時に左右のパネルの内部の配線同士を電気的に接続できるので施工が容易になる。
また、フックを使用してパネルをスタッドに強固に取り付けるのでパネルがスタッドから脱落し難く、配線が切断される可能性を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1の実施の形態の間仕切り装置の正面図(a)、パネル及びスタッドの斜視図(b)及びパネルの平面図(c)
図2】間仕切り装置の連結方法を示す図(a)~(c)であり、各図の上が平面図で下が正面図
図3】間仕切り装置の連結方法を示す図(a)~(c)であり、各図の上が平面図で下が正面図
図4】第1の実施の形態の第1接続端子と第2接続端子を示す図(a)及び(b)であり、各図の上が平面図で下が正面図。また、第1接続端子と第2接続端子の変形例を示す正面図(c)及び(d)
図5】間仕切り装置の連結方法を示す図(a)及び(b)であり、各図の上が平面図で下が正面図
図6】間仕切り装置の連結方法を示す図(a)及び(b)であり、各図の上が平面図で下が正面図
図7】第2の実施の形態の第1接触端子と第1被接触端子を示す図(a)及び(b)であり、各図の上が平面図で下が正面図
図8】間仕切り装置の連結方法を示す図(a)及び(b)であり、各図の上が平面図で下が正面図
図9】間仕切り装置の連結方法を示す図(a)及び(b)であり、各図の上が平面図で下が正面図
図10】第3の実施の形態の第3接続端子と第4接続端子を示す図(a)及び(b)であり、各図の上が平面図で下が正面図
図11】間仕切り装置の連結方法を示す図(a)及び(b)であり、各図の上が平面図で下が正面図
図12】間仕切り装置の連結方法を示す図(a)及び(b)であり、各図の上が平面図で下が正面図
図13】第4の実施の形態の第2接触端子と第2被接触端子を示す図(a)及び(b)であり、各図の上が平面図で下が正面図
図14】間仕切り装置の連結方法を示す図(a)及び(b)であり、各図の上が平面図で下が正面図
図15】間仕切り装置の連結方法を示す図(a)及び(b)であり、各図の上が平面図で下が正面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1の実施の形態]
本発明の間仕切り装置のパネル連結方法及びパネル連結構造の第1の実施の形態について説明する。
図1に示すように間仕切り装置1はパネル10、スタッド20、係止手段30及び配線設備40(図4参照)を備える。
【0017】
パネル10は矩形状の板体である。パネル10の構成は周知であるため詳細な説明は省略するが、本実施の形態のパネル10はパネル本体部11及び表面材12を備える。
パネル本体部11の材質は特に限定されず、例えば紙製のハニカムコア、石膏ボード、ケイ酸カルシウム板、ベニヤ板等を用いることができる。
表面材12はパネル本体部11の表裏両面を覆うための部材である。表面材12の材質は特に限定されず、例えば金属や樹脂を用いることができる。
図1(c)に示すようにパネル10の左右の側面は表面材12が左右方向にのびることで平面視コ字状になっている。コ字状の開口部13はパネル本体部11の外側に向いている。
【0018】
図1(b)に示すようにスタッド20は垂直に起立する部材であり、その左右の側面にパネル10が固定される。角部に使用する間仕切り装置の場合はスタッド10に対して2枚のパネル10が平面視直角に取り付けられる。スタッド20の構成は周知であるため詳細な説明は省略するが、本実施の形態のスタッド20は中空の部材であり、その左右の側面に縦孔21を備えている。スタッド20としていわゆる角パイプを使用してもよい。スタッド20の左右の側面には後述するフック穴32が形成されている。
【0019】
係止手段30はパネル10の側面をスタッド20に係止するための部材であり、フック31とフック穴32とを備えている。
フック31はその基部31aがパネル10の側面に取り付けられた状態で幅方向に突出しており、その先端部31bが垂下している。フック31は前後一対であり、パネル10の側面の上下に二対取り付けられている。
フック穴32はスタッド20の側面に形成された上下方向にのびる穴であり複数形成されている。
【0020】
パネル10をスタッド20に取り付ける手順について説明する。なお、理解を容易にするために図2では左側のパネル10の右側面の周囲及び右側のパネル10の左側面の周囲を表面材12を取り除いて表している。他の図面も同様である。
まず図2(a)に示すようにスタッド20の左右にパネル10を配置し、図2(b)に示すように右側のパネル10を水平方向に移動させることでフック31の先端部31bをフック穴32に通過させる。スタッド20の前後は表面材12で覆われる。そして図2(c)に示すようにパネル10を下方向に移動させることで先端部31bをフック穴32に係止させる。以上で右側のパネル10がスタッド20に取り付けられる。左側のパネル10も同様に図3(a)に示すように水平方向に移動させてフック31の先端部31bをフック穴32に通過させ、図3(b)に示すように下方向に移動させることで先端部31bをフック穴32に係止させる。以上で図3(c)に示すように左右のパネル10のスタッド20への取り付けが完了する。
【0021】
配線設備40はパネル10の内部に配線41を施すための設備である。図4(a)に示すように配線設備40は第1接続端子42と第2接続端子43を備えており、第1接続端子42と第2接続端子43とは縦孔21を通ってスタッド20の内部で図4(b)に示すように接続される。第1接続端子42と第2接続端子43は導電性の材料から成る。配線設備40として電気配線だけでなくインターネット通信等の電気通信用の配線であってもよい。
図5(a)に示すように第1接続端子42はその基部が左側のパネル10の側面に取り付けられた状態で幅方向に突出しており、その先端に上下方向に開口した第1開口部42a(凹部)を備える。
第2接続端子43はその基部が右側のパネル10の側面に取り付けられた状態で幅方向にのびており、その先端に上向きに突出した第2突出部43a(凸部)を備える。
【0022】
図5(b)に示すように第2接続端子43を備える右側のパネル10を上述の方法でスタッド20に係止した状態では、第2突出部43aは縦孔21を通ってスタッド20の内部に位置している。図6(a)に示すように第1接続端子42を備える左側のパネル10を水平方向に移動させてフック31の先端部31bをフック穴32に通過させる。この状態では第1開口部42aは縦孔21を通ってスタッド20の内部に位置している。図6(b)に示すように左側のパネル10を下方向に移動させると、第1開口部42aはスタッド20の内部を下降していき、第2突出部43aと嵌り合う。
これにより第1接続端子42と第2接続端子43の接続が完了し、第1接続端子42に繋がる配線41と第2接続端子43に繋がる配線41とが電気的に接続される。
なお、図4(c)及び(d)に示すように第2突出部43aを下向きに設けて、右側のパネル10を下方向に移動させることで第1開口部42aと嵌り合うことにしてもよい。
【0023】
[第2の実施の形態]
本発明の間仕切り装置のパネル連結方法及びパネル連結構造の第2の実施の形態について説明するが、上記第1の実施の形態と同一の構成となる箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
図7に示すように本実施の形態では配線設備40が第1接触端子44と第1被接触端子45を備える点に特徴を有する。第1接触端子44と第1被接触端子45は導電性の材料から成る。
【0024】
具体的には、図8(a)に示すように第1接触端子44はその基部44aが左側のパネル10の側面に取り付けられた状態で幅方向に突出しており、その先端44bが垂下して幅方向に弾性変形可能になっている。
第1被接触端子45はその基部45aが右側のパネル10の側面に取り付けられた状態で幅方向にのびており、その先端45bが垂下している。
【0025】
図8(b)に示すように第1被接触端子45を備える右側のパネル10をスタッド20に係止した状態では、第1被接触端子45の先端はスタッド20の内部に垂下している。図9(a)に示すように第1接触端子44を備える左側のパネル10を水平方向に移動させてフック31の先端部31bをフック穴32に通過させ、図9(b)に示すように左側のパネル10を下方向に移動させることで、第1接触端子44が下降していき、その先端が弾性変形しながら第1被接触端子45に接触する。
これにより第1接触端子44と第1被接触端子45の接続が完了し、第1接触端子44に繋がる配線41と第1被接触端子45に繋がる配線41とが電気的に接続される。
【0026】
[第3の実施の形態]
本発明の間仕切り装置のパネル連結方法及びパネル連結構造の第3の実施の形態について説明するが、上記各実施の形態と同一の構成となる箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
図10に示すように本実施の形態では配線設備40が第3接続端子46と第4接続端子47とを備えている点と、図11(b)に示すように第4接続端子47がスタッド20の内部に取り付けられる点に特徴を有する。第3接続端子46と第4接続端子47は導電性の材料から成り、第3接続端子46と第4接続端子47はスタッド20の内部で図10(b)に示すように接続される。
【0027】
具体的には、図11(a)に示すように第3接続端子46はその基部46aが左側のパネル10の側面に取り付けられた状態で、その先端に上下方向に開口した第3開口部46b(凹部)を備える。
図11(b)に示すように第4接続端子47はその基部47aがスタッド20の内部に取り付けられており、その上面に第4突出部47b(凸部)を幅方向に2つ備える。
第4接続端子47をスタッド20の内部に取り付けて、図12(a)に示すように第3接続端子46を備える左側のパネル10を水平方向に移動させてフック31の先端部31bをフック穴32に通過させ、図12(b)に示すようにパネル10を下方向に移動させると、第3開口部46bはスタッド20の内部を下降していき、第4突出部47bの左側と嵌り合う。
これにより第3接続端子46と第4接続端子47の接続が完了する。図示は省略するが右側のパネル10についても同様に第3開口部46bと第4突出部47bの右側とを嵌め合う。これにより左側のパネル10の第3接続端子46に繋がる配線41と、右側のパネル10の第3接続端子46に繋がる配線41とが、第4接続端子47を介して電気的に接続される。
【0028】
[第4の実施の形態]
本発明の間仕切り装置のパネル連結方法及びパネル連結構造の第4の実施の形態について説明するが、上記各実施の形態と同一の構成となる箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
図13に示すように本実施の形態では配線設備40が第2接触端子48と第2被接触端子49を備える点に特徴を有する。第2接触端子48と第2被接触端子49は導電性の材料から成る。
【0029】
具体的には、図14(a)に示すように第2接触端子48はその基部48aが左側のパネル10の側面に取り付けられた状態で幅方向に突出しており、その先端48bが垂下して幅方向に弾性変形可能になっている。
図14(b)に示すように第2被接触端子49は平面視四角形の基部49aがスタッド20の内部に取り付けられており、その上面に被接触部49bを備える。
第2被接触端子49をスタッド20の内部に取り付けて、図15(a)に示すように第2接触端子48を備える左側のパネル10を水平方向に移動させてフック31の先端部31bをフック穴32に通過させ、図15(b)に示すように左側のパネル10を下方向に移動させることで、第2接触端子48が下降していき、その先端が弾性変形しながら第2被接触端子49の被接触部49bに接触する。
これにより第2接触端子48と第2被接触端子49の接続が完了する。図示は省略するが右側のパネル10についても同様に第2接触端子48を第2被接触端子49に接触させる。これにより左側のパネル10の第2接触端子48に繋がる配線41と、右側のパネル10の第2接触端子48に繋がる配線41とが、第2被接触端子49を介して電気的に接続される。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、有線による電気配線設備や電気通信配線設備を備えており施工が容易な間仕切り装置のパネル連結方法及びパネル連結構造であり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0031】
1 間仕切り装置
10 パネル
11 パネル本体部
12 表面材
13 開口部
20 スタッド
21 縦孔
30 係止手段
31 フック
31a 基部
31b 先端部
32 フック穴
40 配線設備
41 配線
42 第1接続端子
42a 第1開口部(凹部)
43 第2接続端子
43a 第2突出部(凸部)
44 第1接触端子
44a 基部
44b 先端
45 第1被接触端子
45a 基部
45b 先端
46 第3接続端子
46a 基部
46b 第3開口部(凹部)
47 第4接続端子
47a 基部
47b 第4突出部(凸部)
48 第2接触端子
48a 基部
48b 先端
49 第2被接触端子
49a 基部
49b 被接触部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15