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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022085181
(43)【公開日】2022-06-08
(54)【発明の名称】治具及び規制部材
(51)【国際特許分類】
   B31D 1/02 20060101AFI20220601BHJP
【FI】
B31D1/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020196730
(22)【出願日】2020-11-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(72)【発明者】
【氏名】神田 龍一
(72)【発明者】
【氏名】楠田 美佑紀
【テーマコード(参考)】
3E075
【Fターム(参考)】
3E075BA83
3E075CA01
3E075DA32
3E075DD02
3E075GA04
(57)【要約】
【課題】第1シートと第2シートを正確且つ容易に貼り合わせられる治具及び規制部材を提供する。
【解決手段】粘着シートである第1シートを、第2シートの厚み方向上側に重ねてから貼り合わせる為の治具であって、厚み方向と直交する方向を第1方向とし、厚み方向と直交するとともに第1方向と交差する方向を第2方向としたときに、重ねられた第1シートと第2シートに対し、第1シートの第1方向における第1端縁及び第2シートの第1方向における第2端縁との第1方向の位置を規制する第1規制部と、重ねられた第1シートと第2シートに対し、第1シートの第2方向における第3端縁及び第2シートの第2方向における第4端縁との第2方向の位置を規制する第2規制部と、重ねられた第1シートと第2シートに対し、第1シート及び第2シートの外縁を含む外形部の一部を露出した状態で厚み方向から挟む挟持手段とを備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘着シートである第1シートを、第2シートの厚み方向上側に重ねてから貼り合わせる為の治具であって、
前記厚み方向と直交する方向を第1方向とし、前記厚み方向と直交するとともに前記第1方向と交差する方向を第2方向としたときに、
重ねられた前記第1シートと前記第2シートに対し、前記第1シートの前記第1方向における第1端縁及び前記第2シートの前記第1方向における第2端縁との前記第1方向の位置を規制する第1規制部と、
重ねられた前記第1シートと前記第2シートに対し、前記第1シートの前記第2方向における第3端縁及び前記第2シートの前記第2方向における第4端縁との前記第2方向の位置を規制する第2規制部と、
重ねられた前記第1シートと前記第2シートに対し、前記第1シート及び前記第2シートの外縁を含む外形部の一部を露出した状態で前記厚み方向から挟む挟持手段と
を備えたことを特徴とする治具。
【請求項2】
前記第1シートは剥離紙を含み、前記剥離紙には、前記第1規制部と前記第2規制部とにより前記第1シートの前記第1端縁及び前記第3端縁の夫々の位置が規制された状態で、前記第2方向と平行に延びる直線状のスリットが設けられ、
前記挟持手段は、重ねられた前記第1シート及び前記第2シートに対し、前記第1シートの前記スリットで分断される前記第1方向の一方側の前記剥離紙に対応する部分を前記厚み方向から挟み、前記第1方向の他方側の前記剥離紙に対応する部分を前記厚み方向から挟まない
ことを特徴とする請求項1に記載の治具。
【請求項3】
前記挟持手段は、弾性部材であり、前記厚み方向の両側から、重ねられた前記第1シート及び前記第2シートを、前記弾性部材の弾性力で押圧して挟持する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の治具。
【請求項4】
前記第1規制部は、前記挟持手段に設けられ、重ねられた前記第1シートの前記第1端縁及び前記第2シートの前記第2端縁に当接することにより、前記第1シートと前記第2シートの前記第1方向の位置を規制する
ことを特徴とする請求項1~3の何れか一つに記載の治具。
【請求項5】
前記第2規制部は、前記挟持手段に設けられ、重ねられた前記第1シートの前記第3端縁及び前記第2シートの前記第4端縁に当接することにより、前記第1シートと前記第2シートの前記第2方向の位置を規制する
ことを特徴とする請求項1~4の何れか一つに記載の治具。
【請求項6】
前記第1規制部の前記第2方向から見た形状は、V字状である
ことを特徴とする請求項5に記載の治具。
【請求項7】
前記第1規制部は、可撓性を有し、
前記第1シートの前記第1端縁及び前記第2シートの前記第2端縁に当接する第1当接部と、
前記第1シートのうち、前記第2シートとは反対側の面に当接する第2当接部と、
前記第2シートのうち、前記第1シートとは反対側の面に当接する第3当接部と
を備え、
前記挟持手段は、前記第2当接部と前記第3当接部を前記厚み方向の両側から挟むことにより、位置が規制された前記第1シートと前記第2シートとを挟む
ことを特徴とする請求項6に記載の治具。
【請求項8】
前記第2当接部と前記第3当接部とがなす角度は、90度以下である
ことを特徴とする請求項7に記載の治具。
【請求項9】
前記挟持手段は、挟持される少なくとも前記第1シート及び前記第2シートを含む複数のシートの前記厚み方向の中心を基準とした対称形状である
ことを特徴とする請求項1~8の何れか一つに記載の治具。
【請求項10】
前記第1規制部は、前記第1シートと前記第2シートのうち少なくとも何れかの前記第2方向の長さの少なくとも半分の長さの前記第1端縁及び前記第2端縁に当接することで、前記第1シートと前記第2シートの前記第1方向の位置を規制する
ことを特徴とする請求項1~9の何れか一つに記載の治具。
【請求項11】
前記挟持手段は、前記第2方向に沿って伸縮する伸縮部であって、前記第1シートの前記第1端縁と前記第2シートの前記第2端縁を前記厚み方向の両側から覆うことにより、前記第1シート及び前記第2シートが前記厚み方向への移動を規制する前記伸縮部を備えた
ことを特徴とする請求項1~10の何れか一つに記載の治具。
【請求項12】
前記伸縮部の基端とは反対側の一端部に設けられ、前記第1シートの前記第1端縁と前記第2シートの前記第2端縁に当接し、前記第1シートと前記第2シートの前記第1方向の位置を規制する第3規制部を備えた
ことを特徴とする請求項11に記載の治具。
【請求項13】
重ねられた第1シートと第2シートを厚み方向の両側から挟持可能な挟持部材に取り付けられ、前記第1シートと前記第2シートの夫々を位置決めするものであって、
前記厚み方向と直交する方向を第1方向とし、前記厚み方向と直交するとともに前記第1方向と交差する方向を第2方向としたときに、
重ねられた前記第1シートと前記第2シートに対し、前記第1シートの前記第1方向における第1端縁及び前記第2シートの前記第1方向における第2端縁の前記第1方向の位置を規制する第1規制部と、
重ねられた前記第1シートと前記第2シートに対し、前記第1シートの前記第2方向における第3端縁及び前記第2シートの前記第2方向における第4端縁の前記第2方向の第2規制部と
を備えたことを特徴とする規制部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治具及び規制部材に関する。
【背景技術】
【0002】
テープ状の第1ラベルを基準に、テープ状の第2ラベルを重ねて貼り合わせるラベル貼り合わせ装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。第1ラベル及び第2ラベルは、粘着層が裏面に設けられたテープと、粘着層を介してテープの裏面に貼付された剥離テープを備える。ラベル貼り合わせ装置は、案内部と固定部を備える。案内部は、第1ラベル及び第2ラベルの夫々の端面を、案内面に沿わせることで位置決めする。固定部は、案内部に、第1ラベルと第1ラベルに重ねた第2ラベルを固定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-66835号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記ラベル貼り合わせ装置は、案内面に垂直な方向への第1ラベル及び第2ラベルの位置決めは出来ても、案内面に平行な方向への位置決めはユーザが手探りで行う必要があった。また、ユーザは、第1ラベルに第2ラベルを重ねて固定した状態で、第2ラベルから剥離テープを一部剥がして折り返し、露出した粘着層で第1ラベルに貼り付ける。第2ラベルのテープと剥離テープは同じ大きさなので、第2ラベルと第1ラベルを貼り合わせるには技量が必要で、上手く貼り合わされない可能性があった。
【0005】
本発明の目的は、第1シートと第2シートを正確且つ容易に貼り合わせられる治具及び規制部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、例えば、以下の態様を開示する。
【0007】
第1態様に係る治具は、粘着シートである第1シートを、第2シートの厚み方向上側に重ねてから貼り合わせる為の治具であって、前記厚み方向と直交する方向を第1方向とし、前記厚み方向と直交するとともに前記第1方向と交差する方向を第2方向としたときに、重ねられた前記第1シートと前記第2シートに対し、前記第1シートの前記第1方向における第1端縁及び前記第2シートの前記第1方向における第2端縁との前記第1方向の位置を規制する第1規制部と、重ねられた前記第1シートと前記第2シートに対し、前記第1シートの前記第2方向における第3端縁及び前記第2シートの前記第2方向における第4端縁との前記第2方向の位置を規制する第2規制部と、重ねられた前記第1シートと前記第2シートに対し、前記第1シート及び前記第2シートの外縁を含む外形部の一部を露出した状態で前記厚み方向から挟む挟持手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
第1態様の治具によれば、治具は、第1シート及び第2シートの外縁を含む外形部の一部を露出した状態で、第1シートと第2シートを厚み方向から挟む。故に、第1シート及び第2シートの外形部の一部が露出されているので、ユーザは、挟持手段により挟まれた状態の第1シートと第2シートを容易に取り扱うことが可能である。故に、ユーザは、第1シートと第2シートを正確且つ容易に貼り合わせられる。
【0009】
第2態様に係る規制部材は、重ねられた第1シートと第2シートを厚み方向の両側から挟持可能な挟持部材に取り付けられ、前記第1シートと前記第2シートの夫々を位置決めするものであって、前記厚み方向と直交する方向を第1方向とし、前記厚み方向と直交するとともに前記第1方向と交差する方向を第2方向としたときに、重ねられた前記第1シートと前記第2シートに対し、前記第1シートの前記第1方向における第1端縁及び前記第2シートの前記第1方向における第2端縁の前記第1方向の位置を規制する第1規制部と、重ねられた前記第1シートと前記第2シートに対し、前記第1シートの前記第2方向における第3端縁及び前記第2シートの前記第2方向における第4端縁の前記第2方向の第2規制部とを備えたことを特徴とする。
【0010】
第2態様の規制部材によれば、第1規制部と第2規制部により、第1シートと第2シートとの位置を容易に規制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態の治具1の平面図である。
図2】治具1が閉状態の場合のA-A断面図である。
図3】治具1が開状態の場合のA-A断面図である。
図4】上層ラベル12と下層ラベル11を張り合わせた合成ラベル10を示す図である。
図5】治具1により下層ラベル11と上層ラベル12が挟持された状態を示す平面である。
図6】下層ラベル11と上層ラベル12を挟み込み、上層ラベル12を捲り上げた状態を示す図である。
図7】第2実施形態の治具100の平面図である。
図8】治具100が閉状態の場合のB-B断面図である。
図9】治具100が開状態の場合のB-B断面図である。
図10】治具100により下層ラベル11と上層ラベル12が挟持された状態を示す平面である。
図11】(a)は第3実施形態の治具300の平面図であり、(b)は閉状態の治具300の右側面図であり、(c)は開状態の治具300の右側面図である。
図12】治具300により下層ラベル11と上層ラベル12が挟持された状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1図6を参照し、第1実施形態の治具1を説明する。以下説明は、図中に矢印で示す左右、前後、上下を使用する。なお、図中における治具1の方向は、説明の便宜上、図中に矢印で示す向きで説明する。また、図5図6における下層ラベル11及び上層ラベル12の方向においても、同様に図中に矢印で示す向きで説明する。
【0013】
図1図3を参照し、治具1の構造を説明する。図1図3に示すように、治具1は、クリップ部材6とガイド部材13とを備える。クリップ部材6は所謂ダブルクリップであり、ガイド部材13はクリップ部材6に対して挿通されている。
【0014】
クリップ部材6は、基台2、挟持部3、4、取手部7、8で構成されている。クリップ部材6は板バネである。基台2は、左右方向に延びる長方形の板状部材である。クリップ部材6は、上下方向において対称形状である。挟持部3、4は、左右方向に延びる長方形状の板状部材である。挟持部3の後端は、基台2の下端と接続する。挟持部4の後端は、基台2の上端と接続する。図2に示すように、挟持部3、4の前端部は、弾性力により互いに当接する方向へ付勢される。閉じた状態の挟持部3、4は、基台2から前方へ向けて互いに接近する。
【0015】
挟持部3、4には夫々、取手部7、8が固定されている。図3に示すように、ユーザが取手部7、8の後端部を互いに接近する方向に付勢することで、挟持部3、4の前端部は、互いに離間する方向に移動する。これにより、治具1は、閉じた状態の閉状態(図2参照)から前方に向けて開口する開状態(図3参照)となる。
【0016】
ガイド部材13は、第1ガイド部13A(図1参照)、第2ガイド部13B(図2図3参照)、フィルム部材15(図2図3参照)で構成されている。第1ガイド部13Aは、前後方向に延びる直方体状の形状である。第2ガイド部13Bは、左右方向に延びる略三角柱状の形状である。第2ガイド部13Bの左端部は、第1ガイド部13Aの後端部と接続している。つまり、第1ガイド部13Aと第2ガイド部13Bとは、一体として形成されている。第2ガイド部13Bの前端部には、後方に凹む凹み部13C(図2図3参照)が設けられる。
【0017】
ガイド部材13は、第2ガイド部13Bの後面が、基台2に対して接着剤等で固定されている。この場合、第1ガイド部13Aは、クリップ部材6の左端部に配置される。これにより、ガイド部材13は、第1ガイド部13Aの右端部が左右方向において位置決めされ、第2ガイド部13Bの凹み部13Cが前後方向において位置決めされる。
【0018】
フィルム部材15は、可撓性を有する部材である。フィルム部材15は、第1当接部15Aと第2当接部15Bと第3当接部15Cとを備える。第1当接部15Aは、左右方向に長い略長方形の形状である。第2当接部15Bは、左右方向に長い略長方形の形状である。第1当接部15Aの下端部と第2当接部15Bの下端部は、互いに接続して第3当接部15Cを形成する。
【0019】
第1当接部15Aの後端部と第2当接部15Bの後端部は、第2ガイド部13Bの凹み部13Cに対して、接着剤等で固定されている。従って、フィルム部材15は、第3当接部15Cの前後方向の位置が位置決めされる。
【0020】
治具1の開閉動作を説明する。図2に示すように、ユーザが取手部7、8を解放した場合、クリップ部材6の挟持部3、4は、弾性力により互いに接近する方向に移動する。フィルム部材15の第1当接部15Aと第2当接部15Bは、互いに接近する方向に付勢される。このとき、治具1は閉状態となり、第1当接部15Aと第2当接部15Bの対向面は、互いに接触した状態となる。
【0021】
図3に示すように、ユーザが取手部7、8を互いに近づく方向に付勢すると、クリップ部材6の挟持部3、4は、互いに離間する方向に移動する。このとき、治具1は開状態となる。この場合、フィルム部材15の第1当接部15Aと第2当接部15Bは、自己の付勢力により互いに離間する方向に移動する。即ち、フィルム部材15は、左側面視、前方に向けて延びるV字状となる。この時、第2当接部15Bと第3当接部15Cとがなす角度は、90度以下であるとよい。
【0022】
図4を参照し、合成ラベル10の構成を説明する。合成ラベル10は、複数のラベルを重ね貼りして作成される。合成ラベル10は、例えば、下層ラベル11と上層ラベル12で構成される。合成ラベル10の印刷画像は、ユーザの意図した基礎となる画像である。該基礎の画像を二つの印刷画像に分割し、分割した印刷画像を夫々のラベル用テープに印刷装置(図示略)で印刷し、二つのラベルを作成する。
【0023】
ラベル用テープは、剥離紙付きの粘着テープである。なお、剥離紙には、幅方向の中央に左右方向に沿って剥離紙を分割可能な左右方向の直線状のスリットP(図5参照)が設けられる。このとき、ベースとなるラベルは下層ラベル11であり、その下層ラベル11の面上に重ね貼りされるラベルは上層ラベル12である。ユーザは、治具1を用いて、下層ラベル11の面上に、上層ラベル12を位置決めして重ね貼りする。
【0024】
図5図6を参照し、治具1の使用方法の一例を説明する。ユーザは、先ず、下層ラベル11と上層ラベル12を印刷装置(図示略)で夫々印刷する。次いで、ユーザは治具1を開状態とし(図3参照)、上層ラベル12を下層ラベル11の上に重ねて、フィルム部材15の第1当接部15Aと第2当接部15Bの間に重ね置く。
【0025】
次いで、ユーザは、下層ラベル11と上層ラベル12の夫々の後端部11C、12Cを、後方へ移動する。この場合、下層ラベル11と上層ラベル12の後端部11C、12Cは、第1当接部15Aと第2当接部15Bにより、第3当接部15Cまで案内される。ユーザは、重ね合わせた下層ラベル11と上層ラベル12の夫々の後端部11C、12Cを、フィルム部材15の第3当接部15Cに当接させる。これにより、フィルム部材15は、上層ラベル12と下層ラベル11の前後方向の位置を規制する。
【0026】
ユーザは、重ね合わせた下層ラベル11と上層ラベル12の夫々の左端部11B、12Bを、ガイド部材13の第1ガイド部13Aの右端に当接させる。これにより、ガイド部材13は、上層ラベル12と下層ラベル11の左右方向の位置を規制する。従って、下層ラベル11と上層ラベル12は、夫々の左後方角部の位置が揃う。
【0027】
次いで、ユーザは、ガイド部材13の第1ガイド部13Aとフィルム部材15の第3当接部15Cとにより左後方角部が揃えられた状態で、治具1を開状態(図3参照)から閉状態(図2参照)とする。クリップ部材6は、第1当接部15Aと第2当接部15Bとを厚み方向の両側から挟むことにより、位置が規制された上層ラベル12と下層ラベル11とを、弾性力で押圧して挟む。この場合、フィルム部材15の第1当接部15Aは、上層ラベル12のうち、下層ラベル11とは反対側の面に当接する。第2当接部15Bは、下層ラベル11のうち、上層ラベル12とは反対側の面に当接する。
【0028】
ここで、クリップ部材6により下層ラベル11と上層ラベル12が挟持されると、挟持された上層ラベル12と下層ラベル11は、これらの外縁を含む外形部の一部を露出した状態となる。下層ラベル11と上層ラベル12の外形部とは、下層ラベル11と上層ラベル12の辺縁部の全体を意味し、下層ラベル11と上層ラベル12の外側から見える面、及び外縁を意味する。外縁とは、下層ラベル11と上層ラベル12を平面視で見たとき、即ち、下層ラベル11と上層ラベル12の面に直交する厚み方向から見たときの外縁を意味する。
【0029】
なお、図5に示すように、第3当接部15Cからクリップ部材6の前端までの前後方向の長さL1は、例えば、下層ラベル11及び上層ラベル12の後端部11C、12CからスリットPまでの長さL2より短いのが好ましい。これにより、下層ラベル11及び上層ラベル12の夫々の剥離紙に設けられたスリットPは、クリップ部材6の前端部よりも前方にはみ出した位置に配置される。また、下層ラベル11及び上層ラベル12は、前端部11A、12AからスリットPの後側までが外部に露出した状態となる(図5参照)。
【0030】
上記の通り、上層ラベル12は、前端部12AからスリットPを含む部分までが露出した状態である。ユーザは、下層ラベル11に対して、上層ラベル12の前端部12A側であって、スリットPを含む部分までを捲り上げる(図6参照)。これにより、上層ラベル12の剥離紙は、自身のコシによってスリットPにおいて分断され、夫々の切断端121、122が粘着シートから浮き上がる。
【0031】
ユーザは、上層ラベル12の二分割された剥離紙のうち前端部12A側の剥離紙のみを剥がす。そして、ユーザは、上層ラベル12の粘着シートのうち剥離紙を剥がした部分を、下層ラベル11の上面に貼り合わせる。
【0032】
ユーザは、治具1を開状態として、前端部12A側が貼りついた下層ラベル11と上層ラベル12を取り外す。このとき、下層ラベル11に対して上層ラベル12の前端部12A側が貼りついているので、下層ラベル11と上層ラベル12の位置関係は保持される。
【0033】
ユーザは、上層ラベル12から後端側にある残りの剥離紙を粘着シートから剥がし、下層ラベル11の上面に貼り合わせて、合成ラベル10(図4参照)を作成する。
【0034】
以上説明したように、治具1は、粘着シートである上層ラベル12を、下層ラベル11の厚み方向上側に重ねてから貼り合わせる為のものである。フィルム部材15は、重ねられた上層ラベル12と下層ラベル11に対し、上層ラベル12の前後方向における後端部12C及び下層ラベル11の前後方向における後端部11Cとの前後方向の位置を規制する。ガイド部材13は、重ねられた上層ラベル12と下層ラベル11に対し、上層ラベル12の左右方向における左端部12B及び下層ラベル11の左右方向における左端部11Bとの左右方向の位置を規制する。クリップ部材6は、重ねられた上層ラベル12と下層ラベル11に対し、上層ラベル12及び下層ラベル11の外縁を含む外形部の一部を露出した状態で厚み方向から挟む。
【0035】
治具1は、上層ラベル12及び下層ラベル11の外縁を含む外形部の一部を露出した状態で、上層ラベル12と下層ラベル11を厚み方向から挟む。故に、上層ラベル12及び下層ラベル11の外形部の一部が露出されているので、ユーザは、クリップ部材6により挟まれた状態の上層ラベル12と下層ラベル11を容易に取り扱うことが可能である。故に、ユーザは、上層ラベル12と下層ラベル11を正確且つ容易に貼り合わせられる。
【0036】
上層ラベル12は、剥離紙を含む。剥離紙にはスリットPが設けられる。フィルム部材15とガイド部材13とにより上層ラベル12の後端部11C及び左端部12Bの夫々の位置が規制された状態で、スリットPは、左右方向と平行に延びる。クリップ部材6は、重ねられた上層ラベル12及び下層ラベル11に対し、上層ラベル12のスリットPで分断される前後方向の後方側の剥離紙に対応する部分を厚み方向から挟み、且つ前後方向の前方側の剥離紙に対応する部分を厚み方向から挟まない。クリップ部材6は、上層ラベル12及び下層ラベル11に対し、前後方向の後方側の剥離紙に対応する部分を厚み方向から挟む。故に、ユーザは、前方側の剥離紙を容易に剥がすことが可能である。
【0037】
クリップ部材6は、弾性部材であり、厚み方向の両側から、重ねられた上層ラベル12及び下層ラベル11を、弾性力で押圧して挟む。故に、ユーザは、ラベルの位置を合わせた後に、取手部7、8への押圧をする必要が無くなる。
【0038】
フィルム部材15は、クリップ部材6に設けられ、重ねられた上層ラベル12の後端部11C及び下層ラベル11の後端部12Cに当接する。フィルム部材15は、上層ラベル12と下層ラベル11の前後方向の位置を規制する。治具1は、フィルム部材15がクリップ部材6に設けられるので、簡易な構造で上層ラベル12と下層ラベル11の前後方向の位置を規制できる。
【0039】
ガイド部材13の第1ガイド部13Aは、クリップ部材6に設けられ、重ねられた上層ラベル12の左端部12B及び下層ラベル11の左端部11Bに当接する。これにより、上層ラベル12と下層ラベル11の左右方向の位置を規制する。治具1は、ガイド部材13がクリップ部材6に設けられるので、簡易な構造で上層ラベル12と下層ラベル11の左右方向の位置を規制できる。
【0040】
フィルム部材15の左右方向から見た形状は、V字状である。フィルム部材15は、V字状であることで、上層ラベル12の後端部12Cと下層ラベル11の後端部11Cを容易に案内でき、且つ上層ラベル12と下層ラベル11との位置を容易に規制できる。
【0041】
フィルム部材15は、可撓性を有し、第1当接部15Aと第2当接部15Bと第3当接部15Cとを備える。第3当接部15Cは、上層ラベル12の後端部12C及び下層ラベル11の後端部11Cに当接する。第1当接部15Aは、上層ラベル12のうち、下層ラベル11とは反対側の面に当接する。第2当接部15Bは、下層ラベル11のうち、上層ラベル12とは反対側の面に当接する。クリップ部材6は、第1当接部15Aと第2当接部15Bを厚み方向の両側から挟むことにより、位置が規制された上層ラベル12と下層ラベル11とを挟む。第1当接部15Aと第2当接部15Bは、上層ラベル12と下層ラベル11を案内する。第3当接部15Cは、案内された上層ラベル12の後端部12Cと下層ラベル11の後端部11Cに当接し、前後方向の位置を規制する。故に、ユーザは、上層ラベル12と下層ラベル11の位置を容易に規制できる。また、クリップ部材6は、第1当接部15Aと第2当接部15Bを厚み方向の両側から挟むことにより、位置が規制された上層ラベル12と下層ラベル11を挟む。故に、治具1は、クリップ部材6が第1当接部15Aと第2当接部15Bを介して上層ラベル12と下層ラベル11を挟むので、上層ラベル12と下層ラベル11に傷がつく可能性を低減できる。
【0042】
第1当接部15Aと第2当接部15Bとがなす角度は、90度以下である。故に、ユーザは、上層ラベル12の後端部12Cと下層ラベル11の後端部11Cを、第1当接部15Aまで容易に案内できる。
【0043】
クリップ部材6は、挟持される少なくとも上層ラベル12及び下層ラベル11を含む複数のシートの厚み方向の中心を基準とした対称形状ある。クリップ部材6は、複数のシートの厚み方向の中心を基準とした対称形状なので、ユーザは、ユーザが好む側の手で治具を使用することができる。
【0044】
図7図10を参照し、本発明の第2実施形態である治具100を説明する。治具100は、第1実施形態の治具1と一部構造が共通する。治具100は、伸縮部16、17、位置決め部材18を備える点が第1実施形態とは異なる。また、治具100は、ガイド部材13の代わりにガイド部材113を備える点が異なる。よって、以下の説明では、第1実施形態の治具1と共通する構造、形状等については、同一符号を付して説明を省略し、第1実施形態の治具1と異なる部分を中心に説明する。
【0045】
ガイド部材113は、第1ガイド部13A(図7参照)と第2ガイド部113B(図8図9参照)とを備える。第1ガイド部13Aは、第1実施形態と同一部材である。第2ガイド部113Bは、前後方向における長さが、第1実施形態の第2ガイド部13Bよりも短く設定される。また、第2ガイド部113Bは、上下方向の幅が、第1実施形態の第2ガイド部13Bよりも短く形成される。ガイド部材113は、第2ガイド部113Bの下端がクリップ部材6の基台2の中央部に対して接着剤等で固定される。第2ガイド部113Bの上端には、下方に凹む凹み部113Cが設けられる。第2ガイド部113Bの凹み部113Cは、第1実施形態の凹み部13Cよりも、低い位置に設けられる。
【0046】
フィルム部材15は、第1実施形態と同じ構成であるが、第1当接部15Aの下端と第2当接部15Bの下端が、第2ガイド部113Bの凹み部113Cに接着剤で固定されている点が異なる。フィルム部材15は、クリップ部材6が閉じた状態で、第1当接部15Aと第2当接部15Bが当接する(図8参照)。また、フィルム部材15は、クリップ部材6が開いた状態で、左側面視V字状となる(図9参照)。
【0047】
図7(a)に示すように、伸縮部16、17は、収縮状態において、クリップ部材6の内側に格納されている。伸縮部16は、上下対称の形状である。上側の伸縮部16は、クリップ部材6の挟持部4の内面と基台2の上端部との内面に沿って設けられる。下側の伸縮部16は、クリップ部材6の挟持部3の内面と基台2の下端部に沿って設けられる。図7(b)に示すように、伸縮部16は、基台2を基端として伸縮可能である。伸縮部16が右方に伸びる場合、伸縮部16の左端部に設けられた係止部(図示略)は、クリップ部材6の右端部に設けられた被係止部(図示略)に対して係止する。
【0048】
図7(a)に示すように、伸縮部17は、収縮状態において、伸縮部16の内側に格納される。伸縮部17は、上下対称の形状である。上側の伸縮部17は、上側の伸縮部16の内面に沿って設けられる。下側の伸縮部17は、下側の伸縮部16の内面に沿って設けられる。上下の伸縮部17により、第2ガイド部113Bが挟まれた状態となる。図7(b)に示すように、伸縮部17は、基台2を基端として伸縮可能である。伸縮部17が右方に伸びた場合、伸縮部17の左端部に設けられた係止部(図示略)は、伸縮部16の右端部に設けられた被係止部(図示略)に対して係止する。
【0049】
位置決め部材18は、伸縮部17の右端部に接着剤等で固定されている。位置決め部材18の前端部には、後方に凹む凹み部18Aが設けられる(図7(c))。凹み部18Aの上下方向における位置は、フィルム部材15の第3当接部15Cと同じ位置である。伸縮部16、17が左右方向に伸縮した場合、位置決め部材18は、上下方向における位置を維持した状態で、伸縮部16、17の伸縮に応じて、左右方向に移動する。
【0050】
図10を参照し、治具100の使用方法の一例を簡単に説明する。ユーザは、治具100を用いて、下層ラベル11と上層ラベル12を重ね貼りして合成ラベル10を作成する。ユーザは、第1実施形態と同様に、下層ラベル11と上層ラベル12を用意する。
【0051】
上層ラベル12及び下層ラベル11が長いほど、上層ラベル12及び下層ラベル11の右端側が不安定な状態となる。このため、ユーザは、伸縮部16、17を調節して、位置決め部材18の位置を調整する。位置決め部材18は、上層ラベル12と下層ラベル11のうち左右方向の長さの少なくとも半分の長さまで伸ばしておくのがよい。これにより、位置決め部材18は、上層ラベル12と下層ラベル11の略中央の位置を支えることが可能となる。この場合、上層ラベル12、下層ラベル11は、安定して支持される。
【0052】
次いで、ユーザは治具100を開状態(図9参照)とし、上層ラベル12を下層ラベル11の上に重ねて、フィルム部材15の内側に重ね置く。この時、上層ラベル12の後端部12Cと下層ラベル11の後端部11Cは、位置が調整された伸縮部16、17の内側に案内され、厚み方向における移動が規制される。これにより、下層ラベル11と上層ラベル12は、厚み方向における位置が安定する。
【0053】
ユーザは、重ね合わせた下層ラベル11と上層ラベル12の夫々の後端部11C、12Cを、フィルム部材15の第3当接部15Cと、位置決め部材18の凹み部18Aとに当接させる。なお、位置決め部材18は、左右方向の位置が調整されているので、後端部11C、12Cのうち、左右方向の中央部に対して当接する。これにより、ユーザは、下層ラベル11と上層ラベル12の後端部11C、12Cの前後方向の位置を位置決めする。
【0054】
次いで、ユーザは、重ね合わせた下層ラベル11と上層ラベル12の夫々の左端部11B、12Bを、ガイド部材113の第1ガイド部13Aの右端に当接させる(図10参照)。これにより、ユーザは、下層ラベル11の左端部11Bと上層ラベル12の左端部12Bを位置決めする。下層ラベル11と上層ラベル12は、夫々の左後方角部の位置が揃うので、ユーザは、下層ラベル11と上層ラベル12の外縁を容易に揃えることができる。
【0055】
次いで、ユーザは、第1ガイド部13A、第3当接部15C、凹み部18Aにより上層ラベル12と下層ラベル11が位置決めされた状態で、クリップ部材6を閉状態とする(図8参照)。このとき、ユーザは、クリップ部材6により下層ラベル11と上層ラベル12を挟持する。
【0056】
その後、ユーザは、第1実施形態の場合と同様に、下層ラベル11と上層ラベル12とを張り合わせて、合成ラベル10を作成する。
【0057】
以上、説明したように、位置決め部材18は、上層ラベル12と下層ラベル11の後端部11C、12Cのうち、左右方向の中央部に当接する。これにより、上層ラベル12と下層ラベル11の前後方向の位置を規制する。位置決め部材18は、後端部11C、12Cのうち、左右方向の中央部に対して当接するので、上層ラベル12と下層ラベル11を安定して規制できる。故に、ユーザは、作業しやすい。
【0058】
クリップ部材6は、伸縮部16、17を備える。伸縮部16、17は、左右方向に沿って伸縮する。伸縮部16、17は、上層ラベル12の後端部12Cと下層ラベル11の後端部11Cを厚み方向の両側から覆う。これにより、上層ラベル12及び下層ラベル11は、厚み方向への移動が規制される。治具1は、クリップ部材6の伸縮部16、17により、上層ラベル12と下層ラベル11の厚み方向への移動を規制できる。
【0059】
位置決め部材18は、伸縮部17において、基端とは反対側の右端部に設けられる。位置決め部材18は、上層ラベル12の後端部12Cと下層ラベル11の後端部11Cに当接する。位置決め部材18は、上層ラベル12と下層ラベル11の前後方向の位置を規制する。治具1は、位置決め部材18を備えるので、上層ラベル12と下層ラベル11の前後方向の位置を更に安定して規制できる。
【0060】
図11を参照し、本発明の第3実施形態である治具300を説明する。上記実施形態では、クリップ部材6を用いて上層ラベル12と下層ラベル11を挟持したが、治具300は、第1挟持部材24、第2挟持部材25、バネ部材39が設けられる点が異なる。また、上記実施形態では、ガイド部材13、113が設けられたが、治具300では、ガイド部材48が設けられる点が異なる。
【0061】
図11に示すように、第1挟持部材24は、平面視において、略長方形状であり、前後方向に延びる部材である。また、第1挟持部材24は、右側面視において、下方に屈曲する(図11(b)(c)参照)。
【0062】
第2挟持部材25は、平面視において、略長方形状の板部材であり、前後方向において延びる部材である。第2挟持部材25は、右側面視において、上方に屈曲する(図11(c)参照)。第1挟持部材24と第2挟持部材25は、屈曲部24A、25Aにて互いに係合し、左右方向に延びる回転軸23が挿通されている。なお、第1挟持部材24の屈曲部24Aには、後方に凹む凹み部33が設けられる。
【0063】
第1挟持部材24と第2挟持部材25は、屈曲部24A、25Aの回転軸23を中心として回動可能である。バネ部材39は、第1挟持部材24の後端部と第2挟持部材25の後端部に亘って設けられる。バネ部材39は、第1挟持部材24の後端部と第2挟持部材25の後端部とを互いに離間する方向へ付勢する(図9(b)参照)。
【0064】
ガイド部材48は、第2挟持部材25の左端部の前方側に固定されている。ガイド部材48は、平面視、上下方向に延びる直方体状の形状である(図11(a)参照)。ガイド部材48は、右側面視、第2挟持部材25の前端側から下方に向けて突出する(図11(b)参照)。なお、ガイド部材48は、第2挟持部材25の前端側の移動と共に移動する。
【0065】
治具300の動作について簡単に説明する。第1挟持部材24の後端部と第2挟持部材25の後端部は、バネ部材39により互いに離間する方向に付勢される。従って、第1挟持部材24の挟持部29と、第2挟持部材25の挟持部31は、互いに接近し当接した状態となる。これにより、治具300は、閉状態(図11(b)参照)となる。
【0066】
一方、ユーザが第1挟持部材24と第2挟持部材25の後端部を互いに接近する方向に移動すると、夫々の挟持部29、31は、互いに離間する方向へ移動する。これにより、治具300は、開状態(図11(c)参照)となる。
【0067】
治具300による上層ラベル12と下層ラベル11の位置決めについて説明する。まず、ユーザは、治具300を開状態とする。次いで、上層ラベル12を下層ラベル11の上側に重ね合わせて、挟持部29、31の間に重ねおく。ユーザは、上層ラベル12と下層ラベル11の後端部11C、12Cを、凹み部33に対して当接させる。これにより、上層ラベル12と下層ラベル11は、前後方向の位置が位置決めされる。
【0068】
また、ユーザは、上層ラベル12と下層ラベル11の左端部11B、12Bを、ガイド部材48に対して当接させる。これにより、上層ラベル12と下層ラベル11は、左右方向の位置が位置決めされる。
【0069】
ユーザは、ガイド部材48と凹み部33により上層ラベル12と下層ラベル11が位置決めされた状態で、治具300を閉状態とする。これにより、第1挟持部材24の挟持部29と、第2挟持部材25の挟持部31は、上層ラベル12と下層ラベル11とを挟持する。
【0070】
その後、ユーザは、第1実施形態、第2実施形態と同様に、上層ラベル12と下層ラベル11を張り合わせて合成ラベル10を作成する。
【0071】
以上説明したように、第3実施形態の治具300によれば、簡易な構造で容易に上層ラベル12と下層ラベル11とを位置決めできる。故に、ユーザは、簡単に上層ラベル12と下層ラベル11を位置決めできる。
【0072】
上記説明において、上層ラベル12は本発明の「第1シート」の一例であり、下層ラベル11は本発明の「第2シート」の一例である。前後方向は本発明の「第1方向」の一例であり、左右方向は本発明の「第2方向」の一例である。厚み方向に重ねられた上層ラベル12の後端部12Cは、本発明の「第1端縁」の一例であり、下層ラベル11の後端部11Cは、本発明の「第2端縁」の一例である。重ねられた上層ラベル12の左端部12Bは本発明の「第3端縁」の一例であり、下層ラベル11の左端部11Bは本発明の「第4端縁」の一例である。フィルム部材15は本発明の「第1規制部」の一例である。第1ガイド部13Aは本発明の「第2規制部」の一例である。クリップ部材6は本発明の「挟持手段」の一例である。位置決め部材18は本発明の「第3規制部」の一例である。ガイド部材13は本発明の「規制部材」の一例である。
【0073】
本発明の治具1、100、300は、上記した第1~第3実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更が可能である。上記実施形態において、ガイド部材13は、上層ラベル12及び下層ラベル11の左端部11B、12Bに当接することで位置決めしたがこれに限らない。例えば、ユーザは、上層ラベル12と下層ラベル11の右端部11D、12Dをガイド部材13、113、48に対して当接させてもよい。また、治具1、100、300は、下層ラベル11と上層ラベル12の前端部12Aを、第3当接部15C、凹み部33に対して当接させてもよい。この場合、治具1、100、300は、対称の形状を有するので、ユーザの利き手によらず使用することが可能である。
【0074】
ガイド部材13の形状及び大きさは適宜変更してよい。ガイド部材13は、第1ガイド部13Aと第2ガイド部13Bが一体して形成されたが、別部材でもよい。この場合、第1ガイド部13Aと第2ガイド部13Bは、夫々クリップ部材6に接着剤等で固定されればよい。ガイド部材13は、第2ガイド部13Bが基台2に対して接着剤で固定されたが、別の方法で固定してもよい。フィルム部材15の形状は適宜変更してよい。フィルム部材15は設けられなくともよい。この場合、凹み部13C、113Cに対して下層ラベル11と上層ラベル12の後端部11C、12Cが当接すればよい。
【0075】
下層ラベル11及び上層ラベル12の形状がテープ状でなくともよい。この場合、下層ラベル11及び上層ラベル12が、他の形状(例えば三角形、円形、菱形等)であった場合にも、夫々の角を位置決めしてもよい。
【0076】
上層ラベル12の剥離紙には、上層ラベル12の長さ方向に平行なスリットPを、剥離紙の幅方向の中間位置を通過するように形成したがこれに限らない。この場合、スリットPの形成位置は、前後方向において、適宜位置を変更してもよい。また、剥離紙は、透明で且つ図柄が印刷されたものであってもよい。この場合、剥離紙が透明なので、位置合わせが容易になることに加え、図柄で剥離紙を視認できるので、剥がし忘れを防止できる。
【0077】
第2実施形態において、伸縮部16、17が設けられたがこれに限らない。伸縮部16、17のうち、何れかが設けられてもよいし、別途伸縮部を追加してもよい。位置決め部材18の形状は、上記実施形態に限らず適宜変更してよい。
【0078】
第3実施形態において、第1挟持部材24、第2挟持部材25の形状は適宜変更してよい。また、凹み部33の形状は、適宜変更してよい。
【符号の説明】
【0079】
1、100、200 治具
2 基台
6 クリップ部材
11 下層ラベル
12 上層ラベル
11B、12B 左端部
11C、12C 後端部
13 ガイド部材
13A 第1ガイド部
13B 第2ガイド部
15 フィルム部材
15A 第1当接部
15B 第2当接部
15C 第3当接部
16、17 伸縮部
18 位置決め部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12