(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022085231
(43)【公開日】2022-06-08
(54)【発明の名称】遊技機用基板ユニット
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20220601BHJP
A63F 7/02 20060101ALI20220601BHJP
【FI】
A63F5/04 601B
A63F7/02 334
A63F7/02 326Z
A63F5/04 699
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020196809
(22)【出願日】2020-11-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】390026620
【氏名又は名称】山佐株式会社
(72)【発明者】
【氏名】薮本 道人
(72)【発明者】
【氏名】米積 孝之
(72)【発明者】
【氏名】西山 幸祐
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 一彦
(72)【発明者】
【氏名】森 穂積
(72)【発明者】
【氏名】羽川 信也
(72)【発明者】
【氏名】井上 勉
(72)【発明者】
【氏名】矢野 卓
【テーマコード(参考)】
2C088
2C182
【Fターム(参考)】
2C088BC31
2C088EA10
2C182DA40
2C182DB07
(57)【要約】
【課題】制御基板に配設された電子部品の型番や規格等を従来構成に比べて把握容易な遊技機用基板ユニットを提供する。
【解決手段】基板ケース107の、メイン制御基板63の実装面側に、封印に係る情報を記録するための封印情報記録部150が配設された遊技機用基板ユニット6にあって、メイン制御基板63の実装面に、文字情報170dが上面に表示された第1の型番のICチップ164a,164bと、文字情報170eが上面に表示された第2の型番のICチップ165a,165bが配設され、メイン制御基板63の実装面側から視認した時に、第1の型番のICチップ164bと第2の型番のICチップ165bは、封印情報記録部150の塗りつぶし領域151~156と部分的に重なって文字情報170dが不透明部151~156に隠れ、第1の型番のICチップ164aと第2の型番のICチップ165aは、文字情報170dが不透明部151~158と重ならないように配置する。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明な基板ケースと、前記基板ケースに収容された制御基板とを備え、開放時に痕跡が残るように前記基板ケースを封印可能な遊技機用基板ユニットであって、
前記基板ケースには、前記制御基板の実装面側に、封印に係る情報を記録するための封印情報記録部が配設されており、
前記制御基板の実装面には、第1の型番のICチップと第2の型番のICチップが夫々複数配設されており、
前記封印情報記録部は、前記制御基板の前記実装面側から視認した時に、前記第1の型番のICチップのうちの少なくとも1個、および、前記第2の型番のICチップのうちの少なくとも1個と重なる位置に配設されており、
前記第1の型番のICチップと前記第2の型番のICチップは特定の表示領域に複数の文字で構成される文字情報を上面に備え、
前記封印情報記録部は、透明部と、前記透明部よりも透過度が低く前記文字情報の視認性が低い不透明部を含み、
前記不透明部は前記特定の表示領域における前記複数の文字のうち、1文字分の表示領域より広い領域において、連続して透過度が低くなっている塗りつぶし領域を含み、
前記第1の型番のICチップと前記第2の型番のICチップは、
夫々の少なくとも1つが、前記制御基板の前記実装面側から視認した時に、前記封印情報記録部の前記塗りつぶし領域と部分的に重なって、前記文字情報の一部または全部が隠れる位置に配設されており、
かつ、夫々の少なくとも1つが、前記制御基板の前記実装面側から視認した時に、前記文字情報が前記不透明部と重ならない位置に配設されていることを特徴とする遊技機用基板ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御基板と、前記制御基板を収容する基板ケースとを備え、遊技機に装着される遊技機用基板ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機用の制御基板は、基板ケースに収容されて、基板ユニットとして遊技機に装着される。基板ケースは、制御基板の不正改造の有無を確認するために透明樹脂で構成されて、基板ケースの外側から制御基板を視認可能にしている。また、基板ケースには、基板ケースの開放時に痕跡が残るように封印されており、基板ケースの表面には、当該封印に係る情報を記録する封印情報記録部が設けられている(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、遊技機用の制御基板には、種々の電子部品が実装される。こうした電子部品の表面には、型番や規格等を示す文字情報が表示されており、これらの文字情報を参考に、制御基板に実装された電子部品を把握可能となっている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-175758号公報 段落0055
【特許文献2】特開2019-180760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、制御基板を収容する基板ケースは透明樹脂で構成されるが、封印情報記録部は不透明部を含んでおり、制御基板全体が基板ケース外から視認容易というわけでなく、封印情報記録部の付近は、不透明部によって比較的視認し難くなっている。制御基板には、スペースの都合上、封印情報記録部の付近にも電子部品が配設されるため、封印情報記録部付近の電子部品は、文字情報の読取りが困難で、型番や規格等を把握し難くなっている。
【0006】
本発明はかかる現状に鑑みて為されたものであり、従来構成に比べて制御基板に配設された電子部品の型番や規格等を把握容易な遊技機用基板ユニットの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、透明な基板ケースと、前記基板ケースに収容された制御基板とを備え、開放時に痕跡が残るように前記基板ケースを封印可能な遊技機用基板ユニットであって、前記基板ケースには、前記制御基板の実装面側に、封印に係る情報を記録するための封印情報記録部が配設されており、前記制御基板の実装面には、第1の型番のICチップと第2の型番のICチップが夫々複数配設されており、前記封印情報記録部は、前記制御基板の前記実装面側から視認した時に、前記第1の型番のICチップのうちの少なくとも1個、および、前記第2の型番のICチップのうちの少なくとも1個と重なる位置に配設されており、前記第1の型番のICチップと前記第2の型番のICチップは特定の表示領域に複数の文字で構成される文字情報を上面に備え、前記封印情報記録部は、透明部と、前記透明部よりも透過度が低く前記文字情報の視認性が低い不透明部を含み、前記不透明部は前記特定の表示領域における前記複数の文字のうち、1文字分の表示領域より広い領域において、連続して透過度が低くなっている塗りつぶし領域を含み、前記第1の型番のICチップと前記第2の型番のICチップは、夫々の少なくとも1つが、前記制御基板の前記実装面側から視認した時に、前記封印情報記録部の前記塗りつぶし領域と部分的に重なって、前記文字情報の一部または全部が隠れる位置に配設されており、かつ、夫々の少なくとも1つが、前記制御基板の前記実装面側から視認した時に、前記文字情報が前記不透明部と重ならない位置に配設されていることを特徴とする遊技機用基板ユニットである。
【0008】
かかる構成では、同じ型番のICチップは、文字情報だけでなく、形態も共通しているため、実装面側から視認した時に、文字情報を対比できなくても、形態の同一性に基づいて、型番を同じくするICチップを見つけることができる。本発明では、第1の型番や第2の型番のICチップは、不透明部に文字情報の視認性を阻害されない位置に少なくとも1つ配置されるため、これらの型番のICチップについては、不透明部の塗りつぶし領域によって文字情報を視認困難なものでも、不透明部の塗りつぶし領域に視認性を阻害されない位置に配置された同型のICチップを見つけて文字情報を参照することによって、型番や規格等を推定できる。このように、かかる構成によれば、封印情報記録部の塗りつぶし領域によって型番や規格等を把握困難な電子部品を低減できるため、従来構成に比べて、制御基板に配設された電子部品の把握が容易となる。
【0009】
また、本発明の別の態様として、透明な基板ケースと、前記基板ケースに収容された制御基板とを備え、開放時に痕跡が残るように前記基板ケースを封印可能な遊技機用基板ユニットであって、前記基板ケースには、前記制御基板の実装面側に、封印に係る情報を記録するための封印情報記録部が配設されており、前記制御基板の実装面には、第1のICチップと第2のICチップが相互に隣り合うように配設されており、前記封印情報記録部は、前記制御基板の前記実装面側から視認した時に、少なくとも前記第1のICチップと重なる位置に配設されており、前記第1のICチップと前記第2のICチップは特定の表示領域に複数の文字で構成される同じ文字情報を上面に備えた同型のICチップであって、前記封印情報記録部は、透明部と、前記透明部よりも透過度が低く前記文字情報の視認性が低い不透明部を含み、前記不透明部は前記特定の表示領域における前記複数の文字のうち、1文字分の表示領域より広い領域において、連続して透過度が低くなっている塗りつぶし領域を含み、 前記第1のICチップは、前記制御基板の前記実装面側から視認した時に、前記封印情報記録部の前記塗りつぶし領域と部分的に重なって、前記文字情報の一部または全部が隠れる位置に配設されており、前記第2のICチップは、前記制御基板の前記実装面側から視認した時に、前記第2のICチップの前記文字情報が前記不透明部と重ならない位置に配設されていることを特徴とする遊技機用基板ユニットが提案される。
【0010】
かかる構成では、同じ型番の第1のICチップと第2のICチップは、文字情報だけでなく、形態も共通しているため、両者を実装面側から視認した時に、文字情報の同一性を確認できなくても、形態の同一性から、両者が同型であると推定できる。このため、本発明では、第1のICチップの文字情報が不透明部の塗りつぶし領域に隠れていても、隣り合う同型の第2のICチップに表示された文字情報を参照することによって、第1のICチップの型番や規格等を推定できる。このように、本発明によれば、封印情報記録部の不透明部の塗りつぶし領域の裏側に文字情報が隠れていても、第1のICチップを容易に把握できるため、従来構成に比べて、制御基板に配設された電子部品の把握が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1実施形態にかかるスロットマシンの正面図である。
【
図2】
図1のスロットマシンの前面扉が開いた状態での斜視図である。
【
図3】スロットマシンの電気的構成を示すブロック図である。
【
図6】基板ケース107及びメイン制御基板63の分解斜視図である。
【
図8】(a)は、基板ユニット6の正面図である。(b)は、封印情報記録部150の拡大図である。
【
図10】(a)は、メイン制御基板63の正面中央部の拡大図である。(b)は、メイン制御基板63を基板ケース107に収容した状態で、(a)と同じ部位を、基板ユニット6の正面側から見た図である。
【
図11】(a)は
図10(a)のX部分を配線172も含めて示す拡大図である。(b)は
図10(b)のY部分を配線172も含めて示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る遊技機の一例であるスロットマシン1について、
図1~
図11を参照して説明する。なお、下記実施例において、本発明に係る第1のICチップは、
図9において上から二番目に配設された第四型のICチップ164b及び第五型のICチップ165bに夫々相当し、本発明に係る第2のICチップは、
図9において一番上に配設された第四型のICチップ164a及び第五型のICチップ165aに夫々相当する。また、本発明に係る第1の型番のICチップと第2の型番のICチップは、第四型のICチップ164と第五型のICチップ165に夫々相当する。
【0013】
(構成)
スロットマシン1の構成の概略について
図1、
図2を参照して説明する。
【0014】
この実施形態におけるスロットマシン1は、予め設定された複数の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態において、メダルなどの遊技媒体が規定数投入されることを条件とする遊技者の操作に基づいて一回の遊技が実行されるものであって、例えば
図1に示すように構成されている。すなわち、このスロットマシン1では、筐体3の前面が前面扉5により開閉自在に閉塞され、この前面扉5のほぼ中央高さの位置に操作板7が配設されると共に、この操作板7の上方に正面板9が配設されている。
【0015】
そして、この正面板9には横長矩形の表示窓11が設けられている。また、表示窓11の内側には、
図1、
図2に示すように、複数種類の図柄を予め定められた順序で可変表示する左・中・右リール13L,13M,13Rが配置されている。これら左・中・右リール13L,13M,13Rには、複数種類の図柄が合計20個、所定の配列でそれぞれ設けられている。また、各図柄には、0番から19番までの図柄番号が順に付されている。そして、例えば、図柄番号0番から20番までの図柄が印刷されたリールテープがリールの周面に貼り付けられて各リール13L,13M,13Rがそれぞれ形成される。また、各リール13L,13M,13Rが回転すると、図柄番号19番、18番、…、0番、19番、…の予め定められた順に複数の図柄がそれぞれ表示窓11に変動表示される。表示窓11からは、各リール13L,13M,13Rの回転が停止すると、図柄が上段、中段および下段にそれぞれ1個の合計3個ずつ覗くように設定されている。すなわち、3個すべてのリール13L,13M,13Rが停止すると、縦3列横3行に配列された合計9個の図柄が表示窓11に停止表示されるようになっている。なお、例えば、予め定められたライン(例えば中段ライン)が入賞ラインとして設定されている。
【0016】
また、各リール13L,13M,13Rをそれぞれ独立して回転駆動できるように、各リール13L,13M,13Rには、それぞれステッピングモータにより構成される
図3に示すリールモータ14L,14M,14Rが連結されている。
【0017】
更に、操作板7には、内部に貯留されているクレジットメダルから1枚ずつのメダル投入を指示するためのベットスイッチ15、クレジットメダルから1ゲーム(遊技)あたりの最大投入枚数(3枚に設定されている)のメダル投入を指示するための最大ベットスイッチ17、演出に関与するために操作する演出ボタン42、各リール13L,13M,13Rを回転させて各図柄の可変表示を開始させるレバー状のスタートスイッチ19、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転をそれぞれ停止させて各図柄の可変表示を停止させる左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21R、クレジットメダルを払い出すための精算スイッチ23、およびメダル投入口25が設けられている。また、各リール13L,13M,13Rにより複数種類の図柄を可変表示する複数の可変表示列が形成されており、各ストップスイッチ21L,21M,21Rは、各リール13L,13M,13Rそれぞれに対応して設けられている。
【0018】
また、正面板9の上方のほぼ中央には、動画などを表示して遊技者に当選や入賞などを告知したり、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様を報知したりする演出を行うための液晶表示器27が設けられている。また、液晶表示器27のすぐ上方には、各種の入賞図柄が表示された説明パネル29が設けられ、液晶表示器27および説明パネル29の左右には、音楽や音声などによる演出を行うためのスピーカ31L,31Rがそれぞれ設けられている。なお、
図2に示すように、後述するメダル払出口39の左右にもスピーカ31L,31Rがそれぞれ設けられている。また、説明パネル29およびスピーカ31L,31Rの上辺には中央ランプ部33Mが配設され、その左右には左・右ランプ部33L,33Rがそれぞれ配設されている。各ランプ部33M,33L,33Rには、それぞれ発光ダイオードなどの光源が配設されている。これらのランプ部33M,33L,33Rは一体的に形成され、遊技者に当選や入賞を告知するなどの演出を行うための上部ランプ部33を構成している。
【0019】
また、操作板7の下方には、装飾画などが表示された下部パネル35が設けられ、この下部パネル35の左右には、それぞれ複数の光源が例えば2列に並んで配置された下部ランプ部37L,37Rが設けられている。また、下部パネル35の下方には、メダル払出口39や、このメダル払出口39から払い出されるメダルを受けるメダル受け41が設けられている。また、正面板9の右下隅には、3つのリールに対する入賞ラインの位置を示す図形(図示省略)が描かれ、正面板9の左下隅にはクレジットメダルの貯留枚数を表示するクレジット表示器45、メダルの払出枚数を表示する払出表示器46が配設されている。このクレジット表示器45は、例えば2個の7セグメントLEDで構成され、2桁の貯留枚数(最大で50枚)が表示可能になっている。また、払出表示器46は、例えば2個の7セグメントディスプレイで構成され、2桁の払出枚数が表示可能になっている。なお、7セグメントディスプレイは、棒状に形成されるとともに、「8」の字状に配列された7つのセグメントと、小数点となる小さな丸い1つのセグメント(DP)とが組み合わされた計8つのセグメントを有するものであり、各セグメントは発光ダイオードにより構成されている。なお、払出表示器46は発生したエラーに対応するエラーコードの表示や役抽選の結果など、メイン制御基板63の制御に関する情報を報知(表示)するための報知用表示器としても用いられることがある。また、払出表示器46の上方には、有利区間ランプ47が配設されている。有利区間は、遊技者の操作態様により有利な結果が得られる役が当選したときに操作態様を報知することが許容された区間であり、有利区間ランプ47の点灯により、有利区間であることが確定する。この実施形態では、有利区間中に必ず有利区間ランプ47が点灯する訳ではなく、有利区間に移行してから、所定の点灯条件が成立したときに点灯する。ただし、一旦有利区間ランプ47が点灯した後は、当該有利区間が終了して非有利区間に移行するまでは点灯が維持される。なお、有利区間ランプ47については、払出表示器46の小数点となるセグメントDPで代用してもよい。遊技者に有利な操作態様を報知しない遊技機については他の用途で用いる場合がある。
【0020】
また、
図2に示すように、各リール13L,13M,13Rを支持する支持枠体13が、筐体3内の後壁に固定されている。筐体3内の支持枠体13の下方には、
図2に示すように、メダルをメダル払出口39に排出するためのホッパーユニット43が配設されている。また、メダル投入口25付近の裏面側には、
図2に示すように、メダル投入口25に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して正規のメダルのみをホッパーユニット43に導くメダルセレクタ48が配設されている。なお、筐体3内部には、メダル通路が設けられており、メダルセレクタ48において非正規のメダルとして排除されたメダルや、ホッパーユニット43から払い出されたメダルが、このメダル通路を通過してメダル払出口39から払い出される。また、ホッパーユニット43の左側には、
図2に示すように、操作ボックス49が筐体3内の左側壁に固定されている。この操作ボックス49には、電源のオンオフを切り替える電源スイッチ50(
図3参照)が設けられるとともに、オンとオフとが切り替えられる設定変更開始処理用のキーシリンダからなる変更処理開始スイッチ56(
図3参照)、設定変更時の設定値の切り替えを行うのに用いられるリセットスイッチ52(
図3参照)が設けられている。ただし、変更処理開始スイッチ56がオンの状態で電源スイッチ50がオンにされると、リセットスイッチ52を用いた設定変更処理が開始される。なお、リセットスイッチ52は、エラーが発生した際のエラーを解除するためのスイッチとしても用いられる。
【0021】
続いて、スロットマシン1の電気的な構成について
図3を参照して説明する。
図3はスロットマシンの電気的構成を示すブロック図である。
【0022】
図3において、投入センサ53は、筐体3内部のメダル投入口25近傍であってメダルセレクタ48部分に設けられ、メダル投入口25に投入されたメダルを1枚ずつ検出するものである。払出センサ54は、ホッパーユニット43の出口に設けられ、メダル払出口39に払い出されるメダルを1枚ずつ検出するものである。
【0023】
左・中・右位置センサ55L,55M,55Rは、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置をそれぞれ検出するためのものであり、例えば左・中・右リール13L,13M,13Rにそれぞれ設けられた突起部を検出するフォトインタラプタからなり、左・中・右リール13L,13M,13Rが回転すると、一周ごとに突起部を検出してその検出信号をメイン制御基板63に出力する。この実施形態では、例えば左・中・右位置センサ55L,55M,55Rが上記突起部を検出したときに、それぞれ図柄番号19番の図柄が表示窓11の中段に位置するように構成されている。
【0024】
ホッパーモータ57はホッパーユニット43に配設され、その駆動によりメダルをメダル払出口39に向けて払い出すものである。
【0025】
また、このスロットマシン1では、遊技の進行に関する制御を行うメインCPU61が実装されたメイン制御基板63と、メイン制御基板63に実装されたメインCPU61から送信された情報に基づき所定の演出(例えば、遊技の進行に合わせた演出)に関する制御を行うサブCPU71が実装されたサブ制御基板73とが別々に設けられており、メイン制御基板63からサブ制御基板73に対して各種の遊技情報が一方向で送信される。なお、メイン制御基板63は、外部から不正にアクセスすることができないように、基板ケース内に厳重に封印されている。また、基板ケースには、不正に解放されたことを確実に視認することができるように、種々の対策が講じられている。
【0026】
(メイン制御基板)
次に、メイン制御基板63について説明する。
【0027】
メイン制御基板63に実装されたメインCPU61は、ROM67に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を備えている。
【0028】
メインCPU61は、当選した当選役グループ(1または複数の役を構成役として有する。)の種類や役の入賞・非入賞等により、スロットマシン1が備える複数の遊技状態のうちいずれか一つの遊技状態にスロットマシン1の遊技を制御する。
【0029】
また、メインCPU61は、電源スイッチ50、変更処理開始スイッチ56、リセットスイッチ52に対する所定の設定変更操作に基づいて、出玉率(獲得メダル数÷投入メダル数×100[%])の調整をするための設定(設定1~設定6)を変更する。
【0030】
また、メインCPU61は、制御した遊技状態の種類、および、設定した設定値(設定1から設定6)に基づき、複数の役抽選テーブルから1つの役抽選テーブルを選択する。この役抽選テーブルには、予め設定された複数の当選役グループそれぞれについて、当選役グループと当該当選役グループが役抽選において当選となる抽選値の範囲とが対応づけて記憶されている。
【0031】
また、メインCPU61は、スタートスイッチ19が遊技者により操作されると、役抽選用の乱数を所定の範囲内で発生させ、発生させた乱数値を抽選値としてスタートスイッチ19が操作されたタイミングで抽出する。そして、メインCPU61は、選択した役抽選値テーブルと抽出した抽選値とを用いて当選役グループの当選かどうかの決定を行う。
【0032】
また、メインCPU61は、スタートスイッチ19が遊技者により操作されると、各リール13L,13M,13Rの回転を開始させ、左・中・右位置センサ55L,55M,55Rの検出信号と、左・中・右リール13L,13M,13Rを駆動する各リールモータ14L,14M,14Rへの供給パルス数とに基づき、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置をそれぞれ検出する。メインCPU61は、全てのリール13L,13M,13Rが定速回転となったときに、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作を有効操作として受付ける状態となる。この状態で各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作が遊技者により行われると、メインCPU61は、検出した各左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置と、遊技者による各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様(例えば押し順や操作タイミング)と、役抽選結果とに基づき、予め設定されているすべりコマ数(引き込み可能範囲:通常、最大4コマ)の範囲内で各リール13L,13M,13Rが停止するように停止制御を行う。
【0033】
全てのリール13L,13M,13Rの回転が停止した後、メインCPU61は、リール13L,13M,13Rの入賞ラインの図柄組合せが、役抽選により当選した当選役グループを構成する役に対応する図柄組合せであるかどうかの判定を行い、入賞ラインの図柄組合せが当該役に対応する図柄組合せである場合は、当該役に入賞したと判定し、そうでない場合はハズレと判定する。メインCPU61は、役抽選により当選した当選役グループを構成する役に入賞したと判定したときに、それがメダル払い出しのある役の入賞であれば、ホッパーユニット43を動作させて、入賞した役に対応した払出数だけメダルを払い出すものである。ただし、メインCPU61はクレジットメダルの貯留枚数が上限値(この実施形態では例えば50枚)に達していない場合は、払出数分だけクレジットメダルの枚数を増加させる。
【0034】
また、メインCPU61は、メダルセレクタ48の動作を制御することにより、メダル受入可と受入不可とを切り替える。
【0035】
また、メインCPU61は、設定値、遊技状態、役抽選結果に関する情報、図柄判定結果に関する情報、各リール13L,13M,13Rの回転・停止状態、メダルの払出状態、前面扉5の開放または閉塞の状態、スロットマシン1のエラー状態などスロットマシン1の状態を表すデータ、各ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19等の遊技者により操作される操作器具の操作に関する情報などの種々の情報をサブ制御基板73(サブCPU71)に送信するためのコマンドを生成し、生成したコマンドをサブ制御基板73のサブCPU71に送信する。なお、コマンドはメイン制御基板63からサブ制御基板73に一方通行で送信される。
【0036】
(サブ制御基板)
次に、サブ制御基板73について説明する。サブ制御基板73は、メイン制御基板63から送信されたコマンドを受信し、メイン制御基板63の動作や状態に応じた演出を行うものである。サブ制御基板73に実装されたサブCPU71は、メモリ75に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアにより実現される種々の機能を備えている。
【0037】
サブCPU71は、メイン制御基板63(メインCPU61)により送信された種々のデータを含むコマンドを受信する。そして、サブCPU71は、受信したコマンドに応じて、演出の内容を決定し、決定した演出の内容に応じて、例えば、液晶表示器27に動画等の画像を表示する表示制御を行ったり、スピーカ31L,31Rからの音声の出力制御を行ったり、上部ランプ部33や下部ランプ部37L,37Rの光源を一斉にあるいは個別に点滅させる制御を行ったり、演出ボタン42の操作に基づいた演出の制御を行ったりする。
【0038】
本実施例の基板ユニット6は、メイン制御基板63を透明な基板ケース107に収容してなるものである。
図5に示すように、基板ユニット6は、屈曲した金属片からなる一対の取付金具109a,109bを備え、筐体3の背面側を覆う背板139に取付金具109a,109bが螺子114で固定され、メイン制御基板63を収容した基板ケース107が取付金具109a,109bに取り付けられる。ここで、左側の取付金具109aと基板ケース107は、螺子114で締結される。一方、右側の取付金具109bは、基板ケース107に差し込んだ状態で、後述するロック部材112を貫通孔に挿通することによって、基板ケース107に係止される。また、各取付金具109a,109bを背板139に固定する螺子114は、基板ケース107によって覆われることとなるため、基板ケース107の装着状態では、取付金具109a,109bは背板139から取り外し不能となる。なお、以下では、
図4中の手前側を基板ユニット6、基板ケース107、及びメイン制御基板63の正面側とし、
図4中の上下、左右を、基板ユニット6、基板ケース107、及びメイン制御基板63の上下、左右として説明する。
【0039】
基板ケース107は、
図6に示すように、背面側が開放された矩形箱状のカバー部材110と、正面側が開放された矩形箱状のベース部材111とを固定螺子(図示省略)で組み付けてなるものであり、カバー部材110とベース部材111の組付時に形成される内部空間に、メイン制御基板63が収容される。具体的には、カバー部材110及びベース部材111は、正面視において、メイン制御基板63よりも一回り大きい横長矩形状をなしており、基板ケース107の内部空間は、メイン制御基板63を全て収容可能な直方体形状をなしている。
【0040】
カバー部材110及びベース部材111は、透明樹脂からなる成形品であり、カバー部材110とベース部材111を透して基板ケース107の内部を視認できるよう構成されている。
図5,6に示すように、カバー部材110にはコネクタ開口部123が形成されており、基板ケース107にメイン制御基板63を収容した状態では、メイン制御基板63に実装されたコネクタ16a,16b,16cがコネクタ開口部123から外部に露出し、メイン制御基板63の、コネクタ16a,16b,16cを除く部分は、カバー部材110及びベース部材111によって密閉される。また、メイン制御基板63にはコネクタ16a,16b,16c以外のコネクタが実装されており、対応したコネクタ開口部から外部に露出している。
【0041】
メイン制御基板63に対する不正行為を防止するために、基板ケース107にメイン制御基板63を収容した状態で、カバー部材110とベース部材111は分離困難に係合する。具体的には、右側部の封印構造40によって両部材110,111が係合され、さらに、固定螺子(図示省略)によって両部材110,111が相互に締結される。
【0042】
封印構造40は、
図6,7に示すように、カバー部材110とベース部材111の右側壁に形成された貫通孔125a,125bに、ロック部材112を挿通することにより、両部材110,111の右側壁を係合させるものである。封印構造40は、基板ケース107の右側部に6組設けられており、任意の封印構造40によって、カバー部材110とベース部材111の右側壁を係合可能となっている。ロック部材112は、係止ピン142を突成してなる不透明な樹脂部材である。ベース部材111の右側壁には、ロック部材保持枠136が形成されており、ロック部材112は、係止ピン142を内側に向けて、ロック部材保持枠136に保持されている。そして、
図7に示すように、かかるロック部材112を内側に押し込むと、カバー部材110とベース部材111の右側壁を係止ピン142が貫通し、両部材110,111の右側壁が係止ピン142によって係合されて、当該封印構造40により基板ケース107が封印される。
【0043】
図7に示すように、封印構造40によって基板ケース107が封印されると、カバー部材110又はベース部材111に開口部を形成しなければ、基板ケース107を開放できない。返しが形成された係止ピン142を両部材110,111の右側壁から抜き取るのは困難であり、基板ケース107の内部に切断用工具を挿入して、基板ケース107の内部で係止ピン142を切断しなければ、カバー部材110とベース部材111の係合を解除できないためである。このため、本実施例では、カバー部材110の、各封印構造40の正面側部分に、切断用工具挿入用の開口部を容易に形成可能な矩形状の薄肉部126が設けられている。
【0044】
このように、本実施例では、基板ケース107は、封印構造40によって封印されており、基板ケース107を開放する際には、ロック部材112の係止ピン142を切断しなくてはならない。すなわち、本実施例では、基板ケース107を開放した際に、係止ピン142に開放の痕跡が残ることとなる。このため、本実施例では、係止ピン142が切断されているか否かをチェックすることにより、基板ケース107が許可なく開放されていないかを確認できる。なお、本実施例に係る封印構造40は、ロック部材112によりカバー部材110とベース部材111を係合させるものであるが、かかるロック部材112に加えて、又はロック部材112に替えて、カバー部材110とベース部材111に跨がるように貼付する封印シールを採用してもよい。
【0045】
図8(a)は基板ユニット6の正面図である。
図8(a)に示すように、基板ケース107には、正面中央部に矩形状の封印情報記録部150が配設される。
図8(b)は封印情報記録部150の拡大図である。
図8(a)に示すように、封印情報記録部150は、封印構造40による基板ケース107の封印に係る情報を記録するためのものである。具体的には、封印情報記録部150には、各ロック部材112を使用した日付と、使用した担当者とを記入するための封印情報記入欄151~154が四箇所設けられている。より具体的には、基板ユニット6の製造現場にて、メイン制御基板63を基板ケース107に収容し、ロック部材112を外側から押し込んで基板ケース107を封印した時は、その日付と担当者名を、第1の封印情報記入欄151にペンやスタンプで記入する。次に、スロットマシン1の製造現場にて、ロック部材112を外側から押し込んで、筐体3に固定された取付金具109bに基板ユニット6を係止した時は、第2の封印情報記入欄152に記入をする。そして、スロットマシン1の出荷後に、遊技場にて検査のために基板ケース107を開放し、再びロック部材112を外側から押し込んで基板ケース107を封印した時は、第3の封印情報記入欄153に記入する。最後に、基板ユニット6をメーカーに返却するために、基板ユニット6をスロットマシン1から取り外して、再びロック部材112を外側から押し込んで基板ケース107を封印した時は、第4の封印情報記入欄154に記入する。また、封印情報記録部150の上部には、識別情報印字部155と二次元コード印字部156が設けられる。図示は省略しているが、識別情報印字部155には、封印に係る情報として、メイン制御基板63に割り当てられた識別情報(主基板番号)が印字される。また、二次元コード印字部156には当該識別情報等を記録する二次元コードが印字される。
【0046】
また、
図8(a)に示すように、基板ケース107の正面中央部には封印情報記録部150の貼付位置を示す凹凸部200(指示手段)を備えており、凹凸部に封印情報記録部150の頂点や辺を合わせて貼付することで、規定の位置からはみ出すことなく封印情報記録部150を貼付することができる。
【0047】
なお、本実施例では指示手段を凹凸部としているが、本発明に係る指示手段は凹凸部に限るものではない。例えば、基板ケース107表面を粗面加工しているものや、レーザ加工や印刷等により透過率を変えて見た目で貼付領域を示すものであってもよい。また、本実施例では封印情報記録部150の左上頂点を指示手段の頂点と合わせることで貼付位置を規定するものであるが、別の頂点を合わせて貼付位置を規定したり、隣り合う二辺を合わせて貼付位置を規定したりするものであってもよい。
【0048】
封印情報記録部150は、片面に接着剤が塗布された透明な樹脂フィルムの上に印刷形成されて、
図8(a)に示すように、基板ケース107の正面中央部に貼付される。ここで、
図8(b)に示すように、封印情報記録部150の封印情報記入欄151~154や、識別情報印字部155、二次元コード印字部156には、各情報を記入・印字し易いように、白色インキによる不透明な下地印刷(塗りつぶし領域)が施されている。また、封印情報記録部150には、「主基板番号」、「かしめ使用記録」、「用途」、「年月日」などの説明文字158や枠線157も印刷されるが、これらも、同じ白色インキによって不透明な線や文字で印刷される。すなわち、本実施例の封印情報記録部150は、封印情報記入欄151~154、識別情報印字部155、二次元コード印字部156、枠線157、および説明文字158が不透明部となっており、その他の部位は透明となっている。特に、封印情報記入欄151~154、識別情報印字部155、二次元コード印字部156については、前述したように、各情報を記入・印字するため、ある程度の領域にわたって下地用の連続した塗りつぶし領域を備えている。具体的には、封印情報記入欄151~154、識別情報印字部155、二次元コード印字部156は、後述する第四型のICチップ164や第五型のICチップ165に印字される文字情報170d,170eの表示領域180,190における1文字分の領域180a,190aよりも広い領域が連続して不透明となっている。対して、説明文字158や枠線157については、文字や細い線が印刷されるため、連続した塗りつぶし領域ではなく、各印刷部の間に透明な領域を備えたものとなっており、1文字分の領域180a,190aよりも広い領域が連続して不透明となっていない。
【0049】
なお、封印情報記録部150における透明および不透明は、完全に透明(透過度100%)、完全に不透明(透過度0%)に限るものではなく、基板ケース107および封印情報記録部150を透して基板内部が視認できる程度の透過度のものを透明とし、基板ケース107および封印情報記録部150を透して基板内部が視認できない程度の透過度のものを不透明としている。
【0050】
図9は、メイン制御基板63の正面図である。基板ユニット6を構成するメイン制御基板63は、スロットマシン1の遊技の進行を統括的に制御するメイン制御基板である。メイン制御基板63のプリント基板115は横長矩形状をなしており、その四隅には、プリント基板115を基板ケース107に固定するためのネジ貫通孔22が形成される。メイン制御基板63は、正面側が電子部品を実装する実装面となっており、プリント基板115の正面側には、各種の電子部品161~167が配設される。詳述すると、プリント基板115の正面側には、形態の異なる6つの型番のICチップ161~166が配設される。第一型のICチップ161はマイクロコンピュータを構成し、第二型のICチップ162はトランジスタアレイであってスイッチング素子を構成し、第三型のICチップ163はレギュレータを構成し、第四型のICチップ164と第五型のICチップ165はバッファ(シュミットトリガバッファ)を構成し、第六型のICチップ166は否定回路を構成するものである。これらのうち、第一型のICチップ161は、プリント基板115に実装されたソケット117に装着され、その他のICチップ162~166は、プリント基板115にはんだ付けされる。第一型のICチップ161と第二型のICチップ162と第三型のICチップ163と第六型のICチップ166は、プリント基板115に1個ずつ配設されるが、その他の型番のICチップ164,165は複数個ずつ配設される。具体的には、第四型のICチップ164(164a~164d)と第五型のICチップ165(165a~165d)は4個ずつ配設される。ここで、複数個ずつ配設される型番のICチップ164,165は、同型のものが縦一列に並ぶように配置されている。なお、
図9に示すように、各ICチップ161~166には、型番を示す文字情報170a~170fが夫々印字される。具体的には、6種類の型番のICチップ161~166には、夫々の型番「ICA001」、「ICB002」、「ICC003」、「ICD004」、「ICE005」、「ABC」(
図10(a)参照)が、上面側(メイン制御基板63の正面側)に印字される。
【0051】
また、
図9に示すように、プリント基板115におけるICチップ161~166の配設位置近傍には、白インキにより各々異なる部品番号が印刷されている。例えば、ICチップ161の配設位置近傍には「IC1」が印刷され、ICチップ162の配設位置近傍には「IC2」が印刷され、ICチップ163の配設位置近傍には「IC3」が印刷され、ICチップ164(164a~164d)の配設位置近傍には「IC4」~「IC7」が順番に印刷され、ICチップ165(165a~165d)の配設位置近傍には「IC8」~「IC11」が順番に印刷され、ICチップ166の配設位置近傍には「IC12」が印刷されている。この部品番号により、電子部品の型番を確認せずともどの位置にどの電子部品が配設されているべきか、設計者や技術者であれば容易に把握することはできる。
【0052】
また、
図9に示すように、プリント基板115の左上部には、各種スイッチの作動状態をチェックするためのLEDアレイ167が配設される。また、プリント基板115の下部中央には、コネクタ16a,16b,16cが実装される。なお、以上に図示して説明した電子部品161~167は、プリント基板115に配設されたものの一部であり、図示は省略しているが、プリント基板115の正面側には、その他の電子部品(コンデンサや抵抗、ダイオードなど)が複数実装される。また、
図9等では図示を省略しているが、プリント基板115の表裏には、銅箔からなる配線パターンが視認可能な状態で形成されている。
【0053】
次に、本発明の要部に係る構成について説明する。
図8等では図示を省略しているが、上述のように、基板ケース107の正面側を構成するカバー部材110は透明樹脂からなる成形品であるため、本実施例で基板ユニット6は、正面側からカバー部材110を透して、内部のメイン制御基板63を視認可能となっている。しかしながら、カバー部材110の正面中央部に配設される封印情報記録部150は、上述のように不透明部の塗りつぶし領域151~156を有しているため、不透明部の塗りつぶし領域151~156と前後に重なる部分については、メイン制御基板63を正面側から視認困難となっている。本実施例では、このようにメイン制御基板63の一部が正面側から視認困難となっていても、電子部品161~167を把握し易いように、プリント基板115に電子部品161~167が配置される。以下、具体的に説明する。
【0054】
図10(a)は、メイン制御基板63の正面中央部の拡大図であり、
図10(b)は、メイン制御基板63を基板ケース107に収容した状態(封印情報記録部150を貼付した状態)で、
図10(a)と同じ部位を基板ユニット6の正面側から見た図である。
図10(b)に示されるように、本実施例では、基板ユニット6を正面側から視認した時に、6個のICチップ164,165が、封印情報記録部150の不透明部151~158と重なることとなり、そのうち3個のICチップ164,165が封印情報記録部150の不透明部151~156により視認困難となる。具体的には、中央部に縦一列に配設された第四型のICチップ164a~164dのうち、ICチップ164bの文字情報170dの表示領域180における1文字分の表示領域180aが封印情報記録部150の塗りつぶし領域155,156より小さく、正面側から視認した時に、封印情報記録部150の塗りつぶし領域155,156と部分的に重なる位置に配置されているため、文字情報170dの一部が、塗りつぶし領域155,156に隠れて視認困難となっている。例えば、上から2番目の第四型のICチップ164bの文字情報170dは、「ICD004」の「IC」が二次元コード印字部156の裏側に隠れ、残りの「D004」のうち、「004」は、識別情報印字部155裏側に隠れて視認困難となっている。
【0055】
また、第四型のICチップ164a~164dの右側に縦一列に配設された第五型のICチップ165a~165dについても、ICチップ165b,165dの文字情報170eの表示領域190における1文字分の表示領域190aが封印情報記録部150の塗りつぶし領域151,153より小さく、正面側から視認した時に、封印情報記録部150の塗りつぶし領域151,153と部分的に重なる位置に配置されているため、文字情報170eの一部が、封印情報記録部150の塗りつぶし領域151,153に隠れて視認困難となっている。例えば、上から2番目の第五型のICチップ165bの文字情報170eは、「ICE005」の「E005」が第1の封印情報記入欄151の裏側に隠れ、上から4番目の第五型のICチップ165bの文字情報170eは全て第3の封印情報記入欄153の裏側に隠れて視認困難となっている。
【0056】
ここで、第五型のICチップ165cについては、文字情報170eのうち、「E005」の部分が不透明部の説明文字158の裏側に隠れているものの、説明文字158は文字情報170eの表示領域190における1文字分の表示領域190aよりも広い領域で連続して不透明ではなく、部分的に透明な領域がある。そのため、文字情報170eの視認は塗りつぶし領域の裏側に隠れた文字情報を見るよりも比較的容易に視認できる。特にメイン制御基板63を設置した状態で文字情報を確認する際には、光を当てて文字情報を確認するが、塗りつぶし領域の裏側に隠れた文字情報には光が届かないため視認が難しいのに対し、説明文字158や枠線157の裏側に隠れた文字情報は、光の照射方向を変えることで文字情報に光が届くため、容易に視認することができる。なお、文字情報の表示領域における1文字分の表示領域とは、ICのパッケージに刻印または印刷されている文字情報の各文字よりも僅かに大きく、文字情報の各文字を囲む矩形の領域であり、
図10(a)に示すように「ICD004」や「ICE005」のそれぞれの文字情報に対応した領域(例えば「4」に対応した領域180a)である。
【0057】
また、
図10(b)に示すように、第四型のICチップ164a~164dの右側には「IC4」~「IC7」という部品番号が印刷されているが、このうち「IC5」という部品番号は正面側から視認した時に、封印情報記録部150の塗りつぶし領域155と全体が重なる位置に配置されているため、ここにどの部品が配置されるべきかを視認により確認することは困難である。しかし、「IC5」と連続する部品番号である「IC4」や「IC6」が封印情報記録部150の塗りつぶし領域151~156と重なる領域には印刷されておらず、「IC4」~「IC6」が縦一列に印刷されているため、この視認困難な部品番号が「IC5」であると容易に推察できる。
【0058】
同様に、第五型のICチップ165a~165dの左側には「IC8」~「IC11」という部品番号が印刷されているが、このうち「IC11」という部品番号は正面側から視認した時に、封印情報記録部150の塗りつぶし領域154と全体が重なる位置に配置されているため、ここにどの部品が配置されるべきかを視認により確認することは困難である。しかし、「IC11」と連続する部品番号である「IC8」~「IC10」が封印情報記録部150の塗りつぶし領域151~156と重なる領域には印刷されておらず、「IC8」~「IC11」が縦一列に印刷されているため、この視認困難な部品番号が「IC11」であると容易に推察できる。
【0059】
このように、正面側から視認した時に、封印情報記録部150の塗りつぶし領域151~156と重なる位置に配設されたICチップ164b,165b,165dについては、型番を示す文字情報170d,170eが視認困難となっている。しかしながら、本実施例では、これらのICチップ164b,165b,165dと同じ型番のICチップ164a,165aが、正面側から視認した時に、封印情報記録部150の不透明部151~158と重ならない位置にも配設されているため、文字情報170d,170eを視認困難なICチップ164b,165b,165dの型番を推定できる。
【0060】
具体的には、
図10(b)に示すように、第四型のICチップ164a~164dについては、一番上のICチップ164aが、封印情報記録部150の不透明部151~158と全く重ならない位置に配置され、文字情報170dを正面側から視認容易となっている。また、第五型のICチップ165a~165dについても、一番上のICチップ165aが、封印情報記録部150の不透明部151~158と全く重ならない位置に配置され、文字情報170eを正面側から視認容易となっている。一方、文字情報170d,170eを視認容易でないICチップ164c,164d,165cと視認困難なICチップ164b,165b,165dは、封印情報記録部150の不透明部151~158や塗りつぶし領域151~156と部分的に重なってはいるが、全体が隠れているわけでなく、パッケージやピンの形態をある程度視認可能であるため、型番を読み取れなくても、形態の特徴を周囲のICチップ161~165と対比して、同じ特徴のものを探すことで、文字情報170d,170eを視認容易な位置に配設された、同型のICチップ164a,165aを見つけることができる。また、視認困難な部品の部品番号は、視認できる部品番号と連続する部品番号であったり、飛び石の部品番号であったりすることから、視認困難な部品番号が視認できる部品番号と同型の電子部品であることが推定できる。このため、本実施例では、文字情報170dを視認容易でない第四型のICチップ164c,164dと視認困難な第四型のICチップ164bについては、視認可能な形態の特徴に基づいて、文字情報170dを視認容易な位置にある同じ型番のICチップ164aを見つけて、その上面に印字された文字情報170dを参照することにより、それらの型番を推定できる。同様に、文字情報170eを視認容易でない第五型のICチップ165cと視認困難な第五型のICチップ165b,165dについても、視認可能な形態の特徴に基づいて、文字情報170eを視認容易な位置にある同じ型番のICチップ165aを見つけて、その上面に印字された文字情報170eを参照することにより、それらの型番を推定できる。
【0061】
ここで、視認容易でない第四型のICチップ164c,164dと視認容易でない第五型のICチップ165cについては、前述した通り文字情報170d,170eの一部が説明文字158や枠線157の裏側に隠れているものの、文字情報170eの表示領域190における1文字分の表示領域190aよりも広い領域で連続して不透明ではなく、部分的に透明な領域があるため、文字情報170d,170eの視認はICチップ164a,165aよりも容易ではないが、塗りつぶし領域の裏側に隠れた文字情報を見るよりも比較的容易に視認できる。
【0062】
また、
図10(b)に示すように、不透明部と重なる位置であっても、説明文字158や枠線157等、文字情報の表示領域における1文字分の表示領域よりも広い領域で連続して不透明ではない領域に第六型のICチップ166を配設している。これについては前述したように、封印情報記録部150の説明文字158や枠線157と重なっている文字情報の視認は比較的容易であるため、第四型のICチップ164a~164dや第五型のICチップ165a~165dのように、型番を推定するために視認容易な位置にある同じ型番のICチップ164a、165aを配設することなく第六型のICチップ166を配設することができるためである。このように、封印情報記録部の枠線等、細い不透明部については少し見る角度を変えたり、文字情報を見るための光の照射角度を変えたりすることで容易に確認できるため、配設部品を封印情報記録部の貼付領域外に配設している部品に限定することなく、部品を配設することができ、設計自由度を増すことができる。
【0063】
このように、本実施例では、封印情報記録部150の塗りつぶし領域151~156によって、一部のICチップ164b,165b,165dの文字情報170d,170eが視認困難となっていても、形態の同一性を手がかりにして、文字情報170d,170eを視認容易な同型のICチップ164a,165aを探すことにより、それらの型番を推定することができる。このため、本実施例では、封印情報記録部150と重なる位置にICチップ164a~164d,165a~165dを配設しつつ、封印情報記録部150の塗りつぶし領域151~156によって型番を把握困難なICチップ164b,165b,165dを従来構成よりも低減できるという利点がある。特に、本実施例では、正面視において、封印情報記録部150の塗りつぶし領域151~156と文字情報170d,170eが重なる全てのICチップ164b,165b,165dに対して、封印情報記録部150の塗りつぶし領域151~156と文字情報170d,170eが重ならない位置に同型のICチップ164a,165aが配設されているため、封印情報記録部150の塗りつぶし領域151~156によって文字情報170d,170eを視認困難となる全てのICチップ164a~164d,165a~165dの型番を把握できるという利点がある。
【0064】
特に、本実施例では、文字情報170d,170eが視認困難となっているICチップ164b,165b,165dの中でも、上部に配置された2つのICチップ164b,165bについては、
図9に示すように、文字情報170dを視認容易な同型のICチップ164a,165aと上下に隣り合うように配置されているため、文字情報170d,170eを視認容易な同型のICチップ164a,165aを容易に発見でき、また、上下に隣り合う配置関係から、両者が同一の型番であると強く推定できるという利点がある。
【0065】
また、
図10(b)に示すように、基板ケース107の凹凸部200は貼付領域を規定することで封印情報記録部150の塗りつぶし領域151~156が決まった位置から上下左右にずれることで想定していた部分以外を視認困難とすることを防ぐことができる。
【0066】
また、
図10(b)に示すように、また、基板ケース107の凹凸部200とは、ICチップ164a,165aの文字情報170d,170eは正面視で重ならないようになっている。これは、凹凸部200は作業者の目につきやすいように粗面加工をしたり、基板ケースの厚さを変えたりしているため、透過率が低くなっている。そのため、ICチップ164a,165aの文字情報170d,170eと凹凸部200とが正面視で重なることで、封印情報記録部150の塗りつぶし領域151~156に隠れた文字情報170d,170eの推定に阻害する要因となってしまうことを防ぐためである。
【0067】
また、本実施例では、
図11(a)に示すように、文字情報170d,170eを視認容易なICチップ164a,165aと、これらと隣り合うように配設された、文字情報170d,170eを視認困難な同型のICチップ164b,165bとがプリント基板115上の配線172で相互接続されており、
図11(b)に示すように、基板ユニット6の正面側から当該配線172を視認可能となっている。このため、本実施例では、正面側から視認した時に、上下に隣り合うICチップ164a,164b,165a,165bの相互接続関係によって、両者が同型であると推定し易いという利点がある。特に、上記ICチップ164a,164b,165a,165bの間を相互接続する配線172は、
図10(b)に示すように、正面側から視認した時に、一方のICチップ164a,165aと他方のICチップ164b,165bの相互に対向する2つの側縁を結ぶように視認されるため、両者が同型であると一層推定し易くなっている。
【0068】
以上に、本発明の実施例を説明したが、本発明は、上記実施例の形態に限らず本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。例えば、上記実施例は、スロットマシンのメイン制御基板に係る基板ユニットであるが、本発明は、スロットマシンの他の制御基板(サブ制御基板や画像制御基板等)に係る基板ユニットであってもよいし、他の遊技機(パチンコ機等)に係る基板ユニットであってもよい。
【0069】
また、上記実施例では、正面視において封印情報記録部150の塗りつぶし領域151~156と文字情報170d,170eが重なる位置に配置された全てのICチップ164b,165b,165dに対して、文字情報170d,170eの視認性が阻害されない位置に同じ型番のICチップ164a,165aが配設されている。しかしながら、本発明は、不透明部と文字情報が重なる位置に配置された一部のICチップに対してのみ、不透明部に文字情報の視認性を阻害されない同型のICチップが配設されたものであってもよい。
【0070】
また、上記実施例では、メイン制御基板63に1個ずつ配設される第一型のICチップ161及び第三型のICチップ163は、封印情報記録部150と重ならない位置に配設されている。このように、1個ずつ配設される型番の電子部品については、文字情報170a,170cを視認容易となるように、封印情報記録部150の不透明部151~156と全く重ならない位置、より好ましくは封印情報記録部150と全く重ならない位置に配設されることが好ましい。ただし、本発明は、同型のものがメイン制御基板63上に存在しないICチップ70a,70cが、封印情報記録部150の塗りつぶし領域151~156と文字情報170a,170cが重なる位置に配設されたものを除外するものではない。かかる構成とした場合でも、制御基板に配設されたICチップの型番等を、従来構成に比べて容易に把握可能となるためである。なお、マイクロコンピュータやレギュレータの他に、メイン制御基板63に1個だけ配設され得る電子部品としては、発信回路を構成するICチップなどが挙げられる。
【0071】
また、
図11(a)に示すように、上記実施例では、本発明に係る第1のICチップ164b,165bと第2のICチップ164a,165aは、相互に対向する2つの側縁に設けられた全ての端子が、プリント基板115上の配線172によって相互接続されているが、かかる配線172は、一方のICチップ164b,165bの少なくとも1つの端子と、他方のICチップ164a,165aの少なくとも1つの端子を相互接続するものであってもよい。
【0072】
また、
図11(a)に示すように、上記実施例では、本発明に係る第1のICチップ164b,165bと第2のICチップ164a,165aの、相互に対向する側縁を結ぶ配線172は、両側縁を最短距離で直線状に結んでいるが、かかる配線172は、屈曲したものであっても構わない。また、上記実施例では、本発明に係る第1のICチップ164b,165bと第2のICチップ164a,165aの、相互に対向する側縁を結ぶ配線172は、両側縁に配設された端子同士を接続しているが、かかる配線172は、両側縁に配線された端子の脇を通って、ICチップの下を通り抜けるものであっても構わない。
【0073】
また、上記実施例では、文字情報170d,170eを視認困難なICチップ164b~164d,165b~165dに対して、文字情報170d,170eを視認容易な同型のICチップ164a,165aが封印情報記録部150の不透明部151~158と重ならない位置に配設されているが、本発明に係る第2のICチップは、少なくとも文字情報が封印情報記録部の不透明部と重ならない位置に配置されていればよく、文字情報以外の部分が不透明部や塗りつぶし領域と重なる位置に配置されていてもよい。
【0074】
また、上記実施例では、ICチップ161~165に印字される文字情報170a~170eは、夫々の型番を示しているが、本発明に係る文字情報は、型番を示すものに限らず、電子部品の機能や特性を直接又は間接的に特定可能なものであればよい。例えば、本発明に係る文字情報は、型番に加えて、又は型番に替えて、電子部品の規格を示すものであってもよい。
【0075】
また、上記実施例では、封印情報記録部150は矩形状をなしているが、本発明に係る封印情報記録部は、矩形状以外の形状であってもよい。また、上記実施例の封印情報記録部150は、樹脂フィルム上に印刷したものを基板ケース107(カバー部材110)に貼付しているが、本発明に係る封印情報記録部は、基板ケース107に直接印刷されたものであってもよい。
【0076】
また、上記実施例では、
図11(a)に示すように、上下に隣り合うように配設されたICチップ164a,164bの間には、配線172だけが設けられているが、本発明に係る第1のICチップと第2のICチップの間には、ICチップ以外の比較的小型の電子部品(抵抗やダイオード等)が配設されていてもよい。
【0077】
また、上記実施例では、メイン制御基板63は片側(正面側)が実装面となっていたが、本発明に係る制御基板は両面が実装面であるものを含む。
【符号の説明】
【0078】
6 遊技機用基板ユニット
63 制御基板
107 基板ケース
150 封印情報記録部
151~154 封印情報記入欄(不透明部、塗りつぶし領域)
155 識別情報印字部(不透明部、塗りつぶし領域)
156 二次元コード印字部(不透明部、塗りつぶし領域)
157 枠線(不透明部)
158 説明文字(不透明部)
161~165 ICチップ
170a~170f 文字情報
【手続補正書】
【提出日】2021-05-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明な基板ケースと、前記基板ケースに収容された制御基板とを備え、開放時に痕跡が残るように前記基板ケースを封印可能な遊技機用基板ユニットであって、
前記基板ケースには、前記制御基板の実装面側に、封印に係る情報を記録するための封印情報記録部が配設されており、
前記制御基板の実装面には、第1の型番のICチップと第2の型番のICチップが夫々複数配設されており、
前記封印情報記録部は、前記制御基板の前記実装面側から視認した時に、前記第1の型番のICチップのうちの少なくとも1個、および、前記第2の型番のICチップのうちの少なくとも1個と重なる位置に配設されており、
前記第1の型番のICチップと前記第2の型番のICチップは特定の表示領域に複数の文字で構成される文字情報を上面に備え、
前記封印情報記録部は、透明部と、前記透明部よりも透過度が低く前記文字情報の視認性が低い不透明部を含み、
前記不透明部は前記特定の表示領域における前記複数の文字のうち、1文字分の表示領域より広い領域において、連続して透過度が低くなっている塗りつぶし領域を含み、
前記第1の型番のICチップと前記第2の型番のICチップは、
夫々の少なくとも1つが、前記制御基板の前記実装面側から視認した時に、前記封印情報記録部の前記塗りつぶし領域と部分的に重なって、前記文字情報の一部または全部が隠れる位置に配設されており、
かつ、夫々の少なくとも1つが、前記制御基板の前記実装面側から視認した時に、前記封印情報記録部と重ならない位置に配設されていることを特徴とする遊技機用基板ユニット。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明は、透明な基板ケースと、前記基板ケースに収容された制御基板とを備え、開放時に痕跡が残るように前記基板ケースを封印可能な遊技機用基板ユニットであって、前記基板ケースには、前記制御基板の実装面側に、封印に係る情報を記録するための封印情報記録部が配設されており、前記制御基板の実装面には、第1の型番のICチップと第2の型番のICチップが夫々複数配設されており、前記封印情報記録部は、前記制御基板の前記実装面側から視認した時に、前記第1の型番のICチップのうちの少なくとも1個、および、前記第2の型番のICチップのうちの少なくとも1個と重なる位置に配設されており、前記第1の型番のICチップと前記第2の型番のICチップは特定の表示領域に複数の文字で構成される文字情報を上面に備え、前記封印情報記録部は、透明部と、前記透明部よりも透過度が低く前記文字情報の視認性が低い不透明部を含み、前記不透明部は前記特定の表示領域における前記複数の文字のうち、1文字分の表示領域より広い領域において、連続して透過度が低くなっている塗りつぶし領域を含み、前記第1の型番のICチップと前記第2の型番のICチップは、夫々の少なくとも1つが、前記制御基板の前記実装面側から視認した時に、前記封印情報記録部の前記塗りつぶし領域と部分的に重なって、前記文字情報の一部または全部が隠れる位置に配設されており、かつ、夫々の少なくとも1つが、前記制御基板の前記実装面側から視認した時に、前記封印情報記録部と重ならない位置に配設されていることを特徴とする遊技機用基板ユニットである。