(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022085302
(43)【公開日】2022-06-08
(54)【発明の名称】車両ドアの照明装置
(51)【国際特許分類】
B60Q 3/217 20170101AFI20220601BHJP
B60Q 3/80 20170101ALI20220601BHJP
B60Q 3/54 20170101ALI20220601BHJP
【FI】
B60Q3/217
B60Q3/80
B60Q3/54
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020196917
(22)【出願日】2020-11-27
(71)【出願人】
【識別番号】000100366
【氏名又は名称】しげる工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085556
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100115211
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 三十義
(74)【代理人】
【識別番号】100153800
【弁理士】
【氏名又は名称】青野 哲巳
(72)【発明者】
【氏名】栗原 康浩
【テーマコード(参考)】
3K040
【Fターム(参考)】
3K040AA02
3K040DB03
3K040EA03
3K040EB01
3K040FA09
3K040GA04
3K040GB08
3K040GC04
(57)【要約】
【課題】 夜間において車両を停止させてドアを開いた時に、後続車両の運転者がドアを容易に視認することができるドアの照明装置を提供する。
【解決手段】
照明器30が、インストルメントパネル13の側面に設けられ、車幅方向外側に向かって広がる照明光Aを出射する。これにより、開き状態にあるフロントドア20の車室12側の面を広い範囲にわたって照らすことができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両本体に設けられた照明器を備え、前記照明器は車幅方向外側に向かって広がる照明光を出射し、これにより、開き状態にあるドアの車室側の面を照らすことを特徴とする車両ドアの照明装置。
【請求項2】
前記照明器は、インストルメントパネルの左右の側面の少なくとも一方に設けられ、照明光を前記車両本体の乗降口を通して、開き状態にある前記ドアとしてのフロントドアに出射することを特徴とする請求項1に記載の車両ドアの照明装置。
【請求項3】
前記照明器が、前記フロントドアが閉じ状態にある時、照明光を前記フロントドアに出射し、前記フロントドアの車室側の面からの反射光により、前記インストルメントパネルと前記フロントドアの隙間から車室を間接照明することを特徴とする請求項2に記載の車両ドアの照明装置。
【請求項4】
さらにドア開閉検出器を備え、前記ドア開閉検出器により検出される前記ドアの開きに応答して前記照明器が点灯することを特徴とする請求項1または2に記載の車両ドアの照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開き状態の車両ドアを照明する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
夜間に車両を停止させてドアを開いた時に、後続車両の運転者に注意を喚起することが望ましい。特許文献1では、ドアの車室側の面に発光器が設けられており、後続車両の運転者はこの発光器からの光を直接視認することにより、開いたドアの存在を知ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の照明装置では、発光器からの局所的な光が後続車両の運転者の目に入るため、開いたドアを認識しづらい。ドアを認識させるためには、広範囲にわたって照明器を設置しなくてはならない。また、ドアに専用のハーネスを配線する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、車両ドアの照明装置において、車両本体に設けられた照明器を備え、前記照明器は車幅方向外側に向かって広がる照明光を出射し、これにより、開き状態にあるドアの車室側の面を照らすことを特徴とする。
上記構成によれば、開き状態のドアの車室側の面を効率良く広範囲に照らすことができ、後続車両の運転者にドアの存在を確実に認識させることができる。また、ドアに照明器専用のハーネスを配線せずに済む。
【0006】
好ましくは、前記照明器は、インストルメントパネルの左右の側面の少なくとも一方に設けられ、照明光を前記車両本体の乗降口を通して、開き状態にある前記ドアとしてのフロントドアに出射する
上記構成によれば、開き状態のフロントドアを効率良く照らすことができる。
【0007】
一態様では、前記照明器が、前記フロントドアが閉じ状態にある時、照明光を前記フロントドアに出射し、前記フロントドアの車室側の面からの反射光により、前記インストルメントパネルと前記フロントドアの隙間から車室を間接照明する。
上記構成によれば、車室内の比較的暗い隅部特に足元を柔らかい関節照明で照らすことができる。
【0008】
他の態様では、さらにドア開閉検出器を備え、前記ドア開閉検出器により検出される前記ドアの開きに応答して、前記照明器が点灯する。
上記構成によれば、ドアが閉じられている時に照明器を点灯させずに済む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、開いたドアを効率良く広範囲に照らすことができ、後続車両の運転者に開いたドアを確実に認識させることができる。また、ドアに照明器専用のハーネスを配線せずに済む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係るドア照明装置を装備した車両の要部を、ドア開き状態で示す斜視図である。
【
図2】ドア開き状態での同照明装置の作用を示す概略平面図である。
【
図3】ドア閉じ状態での同照明装置の作用を示す概略平面図である。
【
図4】他の実施形態を示す同照明装置の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態に係る車両ドアの照明装置について図面を参照しながら説明する。
図1は一般的な乗用車(車両)の前部を示す。車両本体10の前部の左右に形成された乗降口11がそれぞれフロントドア20(ドア)により開閉されるようになっている。車両本体10の構成は周知であるので簡単に説明すると、車両本体10の車室12の前方には、車幅方向に細長いインストルメントパネル13(以下、インパネと略称する)が配置され、このインパネ13の上方にフロントガラス14が配置されている。乗降口11の前縁はフロントピラー15により画成されている。
【0012】
フロントドア20は、その前縁を中心にして車両本体10に回動可能に支持されている。フロントドア20は、窓部21とその下側の主部22とを有している。主部22の上部とインパネ13は略同じ高さにある。
【0013】
図1、
図2に示すように、インパネ13の左右の側面には、発光器30が取り付けられている。この発光器30の出射面は車幅方向外側を向いており、車幅方向外側に向かって広がる照明光Aを出射するようになっている。
【0014】
上記構成をなすドア照明装置の作用について説明する。インパネ13の側面に設けた発光器30から車幅方向外側に向かって出射される照明光Aは、
図1、
図2に示すようにフロントドア20が開いた時に、乗降口11を通ってフロントドア20の車室12側の面に至り、この面を照らす。照明光Aが広がりながらフロントドア20に至ること、および開き状態のフロントドア20が車軸に対して傾斜していることにより、フロントドア20の車室12側の面を広範囲に照らすことができる。そのため、夜間において後続車両の運転者は開き状態のフロントドア20を確実に認識することができ、安全性を向上させることができる。しかも、発光器30がインパネ13の側面に取り付けられているので、フロントドア20の主部22を確実に照らすことができる。
【0015】
本実施形態では、発光器30は常時点灯している。
図3に示すようにフロントドア20が閉じた状態では、照明光Aはフロントドア20の車室12側の面に当たって反射し、この反射光はインパネ13の側面と閉じ状態のフロントドア20との間の隙間40から、間接照明光Bとして車室12に供給され、車室12の隅部、特に乗員の足元近傍を柔らかく照らすことができる。
【0016】
図4に示す他の実施形態では、発光器30はスイッチ31を介してバッテリ32に接続されている。スイッチ31は、例えばピラー15に設けられたドア開閉検出器33によりオン・オフされるようになっている。フロントドア20が閉じられている時には、スイッチ31はオフになっており、発光器30は消灯状態を維持される。フロントドア20が開くと、ドア開閉検出器33が「開き状態」を検出してスイッチ31をオンにし、これにより発光器30が点灯する。
【0017】
本発明は上記実施形態に制約されず、さらに種々の態様が可能である。
発光器は、車両に設けられた車外の明るさを検出する照度センサ又はライトスイッチ(イルミネーション信号)に応答して夜間のみ点灯してもよい。
上記実施形態では発光器からの照明光は自然の広がりをもってドアを照らすが、発光器の広がり角度範囲を、レンズを含む光学系により制限して、ドアをより明るく照らすようにしてもよい。
【0018】
上記実施形態では発光器30をフロントパネル13の側面に設けたが、車両本体10の他の部位、例えばフロントピラー15、乗降口11の周縁を画成する枠部またはその近傍、座席の側部等に設けてもよい。この場合、発光器30の光軸を調節して、照明光が開き状態のフロントドア20の主部22を照らすようにするのが好ましい。
本発明の照明装置を、リアドアを照明するために用いてもよい。発光器は、車両本体のセンターピラー、リアピラー、乗降口の周縁を画成する枠部またはその近傍、座席の側部等に設けることができる。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明は車両のドアを照明する装置に適用できる。
【符号の説明】
【0020】
10 車両本体
11 乗降口
12 車室
13 インストルメントパネル
20 フロントドア(ドア)
30 発光器
33 ドア開閉検出器
40 隙間
A 照明光
B 間接照明光