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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022085311
(43)【公開日】2022-06-08
(54)【発明の名称】情報提供システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20220601BHJP
   G06Q 50/30 20120101ALI20220601BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020196927
(22)【出願日】2020-11-27
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】梁井 慶一
(72)【発明者】
【氏名】田野井 務
(72)【発明者】
【氏名】本多 浩一郎
【テーマコード(参考)】
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
5H181AA06
5H181BB05
5H181CC04
5H181CC27
5H181MA32
5H181MA37
5L049CC42
(57)【要約】
【課題】利便性の高い情報提供システムを提供する。
【解決手段】情報提供システム30は、乗合車両15に利用される車両1の停留所10に設けられた案内板20を備える。また、この案内板20の制御装置50は、人認識装置75及び情報提供装置35として機能する。更に、人認識装置75としての制御装置50は、停留所10に待機する搭乗予定者40を認識するとともに、その搭乗予定者40の属性αを取得する機能を有する。そして、情報提供装置35としての制御装置50は、この搭乗予定者40の属性αを含んだ搭乗予定者情報Iepを、その停留所10に向かう車両1に提供する機能を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の停留所に設けられて該停留所に待機した搭乗予定者を認識するとともに該搭乗予定者の属性を取得する機能を有した人認識装置と、
前記属性を含んだ搭乗予定者情報を前記停留所に向かう前記車両に提供する機能を有した情報提供装置と、を備える情報提供システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報提供システムにおいて、
前記人認識装置は、前記搭乗予定者が前記車両に乗車する際に搭載スペースを確保することが望まれる介助器具の利用者に区分される前記属性を有していることを判別する機能を有し、
前記情報提供装置は、前記介助器具の利用者に区分される前記属性を有した前記搭乗予定者が前記停留所に待機していることを示す前記搭乗予定者情報を前記車両に提供する機能を有すること、を特徴とする情報提供システム。
【請求項3】
請求項2に記載の情報提供システムにおいて、
前記車両は、該車両の搭乗者に対して前記搭乗予定者情報に基づく搭乗案内情報を出力する機能を有した情報出力装置を備えるものであって、
前記情報出力装置は、前記搭載スペースの提供を促す前記搭乗案内情報の出力を実行する機能を有すること、を特徴とする情報提供システム。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の情報提供システムにおいて、
前記情報提供装置は、前記搭載スペースの空き状況を前記車両から取得し、該車両の運行案内情報として、前記介助器具の利用者に区分される前記属性を有した前記搭乗予定者に提供する機能を有すること、を特徴とする情報提供システム。
【請求項5】
請求項1~請求項4の何れか一項に記載の情報提供システムにおいて、
前記人認識装置は、前記搭乗予定者が優先的に着席することが望まれる着席優先者に区分される前記属性を有していることを判別する機能を有し、
前記情報提供装置は、前記着席優先者に区分される前記属性を有した前記搭乗予定者が前記停留所に待機していることを示す前記搭乗予定者情報を前記車両に提供する機能を有すること、を特徴とする情報提供システム。
【請求項6】
請求項5に記載の情報提供システムにおいて、
前記車両は、該車両の搭乗者に対して前記搭乗予定者情報に基づく搭乗案内情報を出力する機能を有した情報出力装置を備えるものであって、
前記情報出力装置は、前記着席優先者に対する座席の提供を促す前記搭乗案内情報の出力を実行する機能を有すること、を特徴とする情報提供システム。
【請求項7】
請求項5又は請求項6に記載の情報提供システムにおいて、
前記情報提供装置は、座席の空き状況を前記車両から取得し、該車両の運行案内情報として、前記着席優先者に区分される前記属性を有した前記搭乗予定者に提供する機能を有すること、を特徴とする情報提供システム。
【請求項8】
請求項1~請求項7の何れか一項に記載の情報提供システムにおいて、
前記車両は、ドア開口部に展開されるスロープ装置を備えるものであって、
前記人認識装置は、前記搭乗予定者が前記スロープ装置を展開することが望まれるスロープ利用者に区分される前記属性を有していることを判別する機能を有し、
前記情報提供装置は、前記スロープ利用者に区分される前記属性を有した前記搭乗予定者が前記停留所に待機していることを示す前記搭乗予定者情報を前記車両に提供する機能を有すること、を特徴とする情報提供システム。
【請求項9】
請求項8に記載の情報提供システムにおいて、
前記車両は、前記搭乗予定者情報に基づいて前記スロープ装置の作動を制御するスロープ制御装置を備えること、を特徴とする情報提供システム。
【請求項10】
請求項1~請求項9の何れか一項に記載の情報提供システムにおいて、
前記人認識装置は、前記搭乗予定者の撮影画像を解析することにより前記属性を判別する機能を有すること、を特徴とする情報提供システム。
【請求項11】
請求項1~請求項10の何れか一項に記載の情報提供システムにおいて、
前記人認識装置は、前記搭乗予定者による前記属性の申告を受け付ける機能を有すること、を特徴とする情報提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、特許文献1に記載があるように、乗合車両に利用される車両の停留所に待機した搭乗予定者の人数を取得することにより、その乗降時間を推定する。そして、これにより、その混雑状況を考慮した上で車両の運行計画を調整する構成が提案されている。また、例えば、特許文献2に記載のように、このような乗合車両に提供される情報提供システムとして、その停留所に車両の運行状況を表示する電子ペーパーを配置する。更に、この従来例には、停留所の状況に応じて、その電子ペーパーに表示する文字のサイズを変更する構成が開示されている。そして、このような構成を採用することにより、その利便性を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-86735号公報
【特許文献2】特許第6360266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような情報提供システムにおいては、常に、より一層の利便性向上が求められている。そして、上記従来技術もまた、その進化する利便性の追求に応え得るとは言い切れないのが実情である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する情報提供システムは、車両の停留所に設けられて該停留所に待機した搭乗予定者を認識するとともに該搭乗予定者の属性を取得する機能を有した人認識装置と、前記属性を含んだ搭乗予定者情報を前記停留所に向かう前記車両に提供する機能を有した情報提供装置と、を備える。
【0006】
上記構成によれば、車両が停留所に到着する前に、その車両側で、停留所に待機する搭乗予定者の属性を含んだ搭乗予定者情報を利用することができる。そして、これにより、利便性の向上を図ることができる。
【0007】
上記課題を解決する情報提供システムは、前記人認識装置は、前記搭乗予定者が前記車両に乗車する際に搭載スペースを確保することが望まれる介助器具の利用者に区分される前記属性を有していることを判別する機能を有し、前記情報提供装置は、前記介助器具の利用者に区分される前記属性を有した前記搭乗予定者が前記停留所に待機していることを示す前記搭乗予定者情報を前記車両に提供する機能を有することが好ましい。
【0008】
上記構成によれば、車両が停留所に到着する前に、その車両側で、例えば、車椅子やベビーカー等、介助器具の利用者に区分される属性を有した搭乗予定者が停留所に待機していることを示す搭乗予定者情報を利用することができる。そして、これにより、その利便性を向上させることができる。
【0009】
上記課題を解決する情報提供システムは、前記車両は、該車両の搭乗者に対して前記搭乗予定者情報に基づく搭乗案内情報を出力する機能を有した情報出力装置を備えるものであって、前記情報出力装置は、前記搭載スペースの提供を促す前記搭乗案内情報の出力を実行する機能を有することが好ましい。
【0010】
上記構成によれば、車両が停留所に到着する前に、その介助器具の利用者に区分される属性を有した搭乗予定者が利用する搭載スペースを確保しやすくなる。そして、これにより、その介助器具の利用者としての属性を有した搭乗予定者の利便性を向上させることができる。
【0011】
上記課題を解決する情報提供システムは、前記情報提供装置は、前記搭載スペースの空き状況を前記車両から取得し、該車両の運行案内情報として、前記介助器具の利用者に区分される前記属性を有した前記搭乗予定者に提供する機能を有することが好ましい。
【0012】
上記構成によれば、車両が停留所に到着する前に、その介助器具の利用者に区分される属性を有した搭乗予定者に対し、介助器具の搭載スペースに空きがあるか否かを知らせることができる。そして、これにより、その介助器具の利用者としての属性を有した搭乗予定者の利便性を向上させることができるとともに、この搭乗予定者に安心感を与えることができる。
【0013】
上記課題を解決する情報提供システムは、前記人認識装置は、前記搭乗予定者が優先的に着席することが望まれる着席優先者に区分される前記属性を有していることを判別する機能を有し、前記情報提供装置は、前記着席優先者に区分される前記属性を有した前記搭乗予定者が前記停留所に待機していることを示す前記搭乗予定者情報を前記車両に提供する機能を有することが好ましい。
【0014】
上記構成によれば、車両が停留所に到着する前に、その車両側で、着席優先者に区分される属性を有した搭乗予定者が停留所に待機していることを示す搭乗予定者情報を利用することができる。そして、これにより、その利便性を向上させることができる。
【0015】
上記課題を解決する情報提供システムは、前記車両は、該車両の搭乗者に対して前記搭乗予定者情報に基づく搭乗案内情報を出力する機能を有した情報出力装置を備えるものであって、前記情報出力装置は、前記着席優先者に対する座席の提供を促す前記搭乗案内情報の出力を実行する機能を有することが好ましい。
【0016】
上記構成によれば、車両が停留所に到着する前に、その着席優先者に区分される属性を有した搭乗予定者が利用する座席を確保しやすくなる。そして、これにより、その着席優先者としての属性を有した搭乗予定者の利便性を向上させることができる。
【0017】
上記課題を解決する情報提供システムは、前記情報提供装置は、座席の空き状況を前記車両から取得し、該車両の運行案内情報として、前記着席優先者に区分される前記属性を有した前記搭乗予定者に提供する機能を有することが好ましい。
【0018】
上記構成によれば、車両が停留所に到着する前に、その着席優先者に区分される属性を有した搭乗予定者に対し、座席に空きがあるか否かを知らせることができる。そして、これにより、その着席優先者としての属性を有した搭乗予定者の利便性を向上させることができるとともに、この搭乗予定者に安心感を与えることができる。
【0019】
上記課題を解決する情報提供システムは、前記車両は、ドア開口部に展開されるスロープ装置を備えるものであって、前記人認識装置は、前記搭乗予定者が前記スロープ装置を展開することが望まれるスロープ利用者に区分される前記属性を有していることを判別する機能を有し、前記情報提供装置は、前記スロープ利用者に区分される前記属性を有した前記搭乗予定者が前記停留所に待機していることを示す前記搭乗予定者情報を前記車両に提供する機能を有することが好ましい。
【0020】
上記構成によれば、車両が停留所に到着する前に、その車両側で、スロープ利用者に区分される属性を有した搭乗予定者が停留所に待機していることを示す搭乗予定者情報を利用することができる。そして、これにより、その利便性を向上させることができる。
【0021】
上記課題を解決する情報提供システムは、前記車両は、前記搭乗予定者情報に基づいて前記スロープ装置の作動を制御するスロープ制御装置を備えることが好ましい。
上記構成によれば、スロープ利用者に区分される属性を有した搭乗予定者が停留所に待機している場合に、車両の到着後、速やかに、そのドア開口部にスロープ装置を展開することができる。そして、これにより、そのスロープ利用者としての属性を有した搭乗予定者の利便性を向上させることができる。
【0022】
上記課題を解決する情報提供システムは、前記人認識装置は、前記搭乗予定者の撮影画像を解析することにより前記属性を判別する機能を有することが好ましい。
上記構成によれば、簡素な構成にて、速やかに、その搭乗予定者の属性を取得することができる。
【0023】
上記課題を解決する情報提供システムは、前記人認識装置は、前記搭乗予定者による前記属性の申告を受け付ける機能を有することが好ましい。
上記構成によれば、例えば、「色覚障害者」等、外観からは判別することのできない搭乗予定者の属性についても、これを取得することができる。そして、例えば、荒天時等、正しく搭乗予定者の属性を取得できない場合であっても、その搭乗予定者の申告に基づいて訂正することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、利便性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】乗合車両に利用される車両の外観図。
図2】乗合車両に利用される車両の外観図。
図3】車両の停留所、案内板、及び搭乗予定者の説明図。
図4】情報提供システムの概略構成図。
図5】案内板の概略構成図。
図6】案内板の制御ブロック図。
図7】搭乗予定者の認識及び属性の取得、並びに搭乗予定者情報及び運行案内情報の提供についての処理手順を示すフローチャート。
図8】属性データベースの概略構成図。
図9】識別データベースの概略構成図。
図10】属性区分データベースの概略構成図。
図11】搭乗予定者の属性を含む搭乗予定者情報を車両に提供する処理手順の一例を示すフローチャート。
図12】搭乗予定者による属性の申告を受け付ける際の処理手順を示すフローチャート。
図13】車両の制御ブロック図。
図14】車両の搭乗者に対する搭乗案内情報の出力を実行する際の処理手順を示すフローチャート。
図15】着席優先者に対する座席の提供を促す搭乗案内情報の出力を実行する際の処理手順を示すフローチャート。
図16】介助器具利用者に対する搭載スペースの提供を促す搭乗案内情報の出力を実行する際の処理手順を示すフローチャート。
図17】搭乗予定者情報に基づきスロープ装置の作動を制御する際の処理手順を示すフローチャート。
図18】搭乗予定者に車両の運行案内情報を提供する際の処理手順を示すフローチャート。
図19】運行案内リストの概略構成図。
図20】運行案内リストの概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、情報提供システムの一実施形態を図面に従って説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態の車両1は、車両前後方向に延在する四角略箱状の車体2を有している。また、車体2の側面2sには、乗員の乗降口となるドア開口部3が設けられている。そして、このドア開口部3には、車両前後方向、相反する方向に開閉動作する一対のスライドドア4f,4rが設けられている。
【0027】
即ち、車両前方側のスライドドア4fは、車両前方側に移動することにより開作動し、車両後方側に移動することにより閉作動する。一方、車両後方側のスライドドア4rは、車両後方側に移動することにより開作動し、車両前方側に移動することにより閉作動する。更に、これらの各スライドドア4f,4rは、それぞれ、図示しないアクチュエータの駆動力に基づき開閉動作するパワースライドドア装置としての構成を有している。そして、本実施形態の車両1は、これらの各スライドドア4f,4rが連動するかたちで、そのドア開口部3を開閉する構成になっている。
【0028】
更に、本実施形態の車両1は、ドア開口部3が全開状態にある場合において、このドア開口部3の下端に展開されるスロープ装置5を備えている。尚、このスロープ装置5もまた、図示しないアクチュエータに駆動されることにより展開され、及び車体2内に格納されるパワースロープ装置としての構成を有している。そして、本実施形態の車両1は、このスロープ装置5を利用することで、その乗員が、例えば、車椅子やベビーカー等の介助器具、或いは自転車や車輪付きのキャリーケース等の利用者であっても、容易に、そのドア開口部3から乗降することが可能となっている。
【0029】
図3及び図4に示すように、本実施形態の車両1は、予め定められた停留所10に停車する乗合車両15に利用される。また、この車両1の停留所10には、その所在を示す案内板20が設けられている。更に、本実施形態においては、この案内板20がインターネット21に接続されている。そして、これにより、この案内板20を用いた情報提供システム30が形成されている。
【0030】
詳述すると、本実施形態の案内板20は、インターネット21を介して車両1と直接的に、或いは、そのインターネット21に接続されたサーバー31が形成するクラウド32を介した情報通信を実行する。そして、本実施形態の情報提供システム30は、これにより、この停留所10の案内板20を情報提供装置35として、その停留所10に待機する搭乗予定者40に車両1の運行案内情報Iosを提供し、及び、この搭乗予定者40に関する搭乗予定者情報Iepを車両1に提供する構成となっている。
【0031】
さらに詳述すると、図5及び図6に示すように、本実施形態の案内板20は、例えば、無線アンテナ等、そのインターネット21を介した情報通信を行うための通信装置41を備えている。また、この案内板20には、その車両1の運行案内情報Iosを視覚的に出力するためのディスプレイ42、及び音出力するためのスピーカー43が設けられている。更に、本実施形態の案内板20には、この案内板20が設けられた停留所10及び周辺の画像を撮影するためのカメラ44、及び音情報を取得するためのマイク45が設けられている。そして、本実施形態の案内板20は、そのディスプレイ42が、接触又は近接により利用者が操作入力を行うことのできるタッチパネル46として機能する構成となっている。
【0032】
また、本実施形態の案内板20において、これらの通信装置41、ディスプレイ42、スピーカー43、カメラ44、マイク45、及びタッチパネル46は、それぞれ、制御装置50によって、その作動が制御されている。更に、この制御装置50には、その情報提供装置35としての案内板20に擬似的な人格を付与する人工知能51が実装されている。尚、本実施形態の情報提供システム30においては、この人工知能51を「車掌エージェント」と称する。そして、本実施形態の情報提供システム30は、これにより、停留所10に待機する搭乗予定者40と案内板20とが対話するかたちで、その運行案内情報Iosの提供を行うことのできる構成となっている。
【0033】
具体的には、本実施形態の制御装置50は、通信装置41を用いた情報通信を制御する情報通信制御部61を備えている。更に、制御装置50は、ディスプレイ42及びスピーカー43を用いた情報出力を制御する情報出力制御部62を備えている。そして、制御装置50は、そのマイク45及びタッチパネル46を用いた操作入力を制御する情報入力制御部63を備えている。
【0034】
尚、本実施形態の情報通信制御部61は、停留所10に待機する搭乗予定者40が、例えば、スマートフォン等の携帯端末70を所持する場合に、この携帯端末70と情報通信を行う機能を有している(図3参照)。そして、本実施形態の情報提供システム30は、これにより、その携帯端末70を用いて搭乗予定者40に対する情報出力を実行し、及び、搭乗予定者40による情報入力を受け付けることのできる構成となっている。
【0035】
また、本実施形態の制御装置50は、案内板20に設けられたカメラ44が写す停留所10の撮影画像を解析することにより、その停留所10に待機する搭乗予定者40を認識する人認識制御部71を備えている。例えば、この人認識制御部71は、その停留所10に設定された待機位置範囲内に検出した人を搭乗予定者40として認識する。更に、本実施形態の制御装置50は、その認識した搭乗予定者40の属性αを判定する属性判定制御部72を備えている。そして、本実施形態の情報提供システム30は、これにより、その停留所10の案内板20に設けられた情報提供装置35及び人認識装置75としての制御装置50、詳しくは、この制御装置50に実装された人工知能51が、車両1の搭乗予定者40に対して、その属性αを踏まえた運行案内情報Iosの提供を行う構成となっている。
【0036】
更に、本実施形態の情報提供システム30においては、この制御装置50が、搭乗予定者40の属性αを含んだ搭乗予定者情報Iepを生成する。そして、本実施形態の情報提供システム30は、これにより、その搭乗予定者40の属性αを含んだ搭乗予定者情報Iepが車両1に送信される構成となっている。
【0037】
即ち、図7のフローチャートに示すように、本実施形態の制御装置50は、その人認識装置75としての機能に基づき停留所10に待機する搭乗予定者40を認識すると(ステップ101:YES)、続いて、この搭乗予定者40の属性αを取得する(ステップ102)。更に、制御装置50は、その属性αを含んだ搭乗予定者情報Iepを生成する(ステップ103)。そして、本実施形態の制御装置50は、その情報提供装置35としての機能に基づいて、この搭乗予定者情報Iepを車両1に提供する(ステップ104)。
【0038】
次に、制御装置50は、車両1と情報通信を行うことにより、その車両1の運行案内情報Iosを生成する(ステップ105)。そして、本実施形態の制御装置50は、上記ステップ102で取得した搭乗予定者40の属性αを踏まえた上で、この搭乗予定者40に対して車両1の運行案内情報Iosを提供する(ステップ106)。
【0039】
さらに詳述すると、図8に示すように、本実施形態の制御装置50は、その記憶領域50xに、搭乗予定者40の属性αに関する分類項目が登録された属性データベース76を保持する。
【0040】
具体的には、この属性データベース76には、その属性αの分類項目として、例えば、「大人」「子供」「高齢者」「外国人」等が登録されている。また、この属性データベース76には、その属性αの分類項目として、例えば、「妊婦」「乳幼児連れ」「車椅子利用者」「肢体不自由者」等が登録されている。更に、この属性データベース76には、その属性αの分類項目として、「視覚障害者」「色覚障害者」「聴覚障害者」「内部障害者」等が登録されている。尚、本実施形態の情報提供システム30において、「乳幼児連れ」は、「ベビーカー利用者」として取り扱われる。また、「内部障害者」は、疾患を有した「傷病者」を表している。そして、本実施形態の制御装置50は、この属性データベース76に登録された分類項目の中から、その認識された搭乗予定者40が何れに属するかを判定する構成になっている。
【0041】
また、図9に示すように、本実施形態の制御装置50は、その搭乗予定者40の属性αを判定する際に参照する識別データベース77を記憶領域50xに保持する。
具体的には、この識別データベース77には、撮影画像に現れる識別対象ITと、この識別対象ITの保持者が該当する属性αの分類項目とが、互いに関連付けられた状態で登録されている。例えば、この識別データベース77には、「ハートプラスマーク」と「内部障害者」とが互いに関連付けられた状態で登録されている。また、例えば、「ヘルプマーク」は「内部障害者」「肢体不自由者」「妊婦」に関連付けられ、「マタニティマーク」は「妊婦」に関連付けられた状態で登録されている。更に、例えば、「白杖」は「視覚障害者」に関連付けられ、「杖」は「肢体不自由者」に関連付けられた状態で登録されている。そして、例えば、「車椅子」は「車椅子利用者」に関連付けられ、「ベビーカー」は「乳幼児連れ」に関連付けられた状態で登録されている。
【0042】
即ち、本実施形態の制御装置50は、この識別データベース77を参照することにより、例えば、その搭乗予定者40の撮影画像中に「マタニティマーク」が写っている場合には、この搭乗予定者40の属性αが「妊婦」であると判定する。また、例えば、その搭乗予定者40の撮影画像中に「白杖」が写っている場合には、この搭乗予定者40の属性αが「視覚障害者」であると判定する。そして、例えば、その搭乗予定者40の撮影画像中に「ベビーカー」が写っている場合には、この搭乗予定者40の属性αが「乳幼児連れ」であると判定する。
【0043】
更に、図10に示すように、本実施形態の制御装置50は、その記憶領域50xに、上記属性データベース76に登録された属性αの分類項目よりも大きな属性区分βと、この属性区分βに該当する属性αとが互いに関連付けられた状態で登録された属性区分データベース78を保持する。
【0044】
具体的には、本実施形態の属性区分データベース78には、その属性区分βとして、例えば、車両1に乗車する際、その搭載スペース80を確保することが望まれる介助器具の利用者であることを示す「介助器具利用者」が登録されている。そして、この属性区分データベース78には、その「介助器具利用者」に該当する属性αとして、「車椅子利用者」「乳幼児連れ」が登録されている。
【0045】
また、本実施形態の属性区分データベース78には、その属性区分βとして、例えば、優先的に着席することが望まれる「着席優先者」が登録されている。そして、この属性区分データベース78には、併せて、その「着席優先者」に該当する属性αとして、「高齢者」「妊婦」「肢体不自由者」「視覚障害者」「内部障害者」「車椅子利用者」「乳幼児連れ」が登録されている。
【0046】
更に、本実施形態の属性区分データベース78には、その属性区分βとして、例えば、乗降時、その車両1に設けられたスロープ装置5を展開することが望まれる「スロープ利用者」が登録されている。そして、この属性区分データベース78には、併せて、その「スロープ利用者」に該当する属性αとして、「車椅子利用者」「乳幼児連れ」が登録されている。
【0047】
即ち、本実施形態の制御装置50は、この属性区分データベース78を参照することにより、停留所10に待機する搭乗予定者40が、これらの各属性区分βに該当する属性αを有していることを判別する。そして、本実施形態の制御装置50は、これにより、その情報提供装置35及び人認識装置75としての機能に基づいて、判別した属性区分βに該当する属性αを有した搭乗予定者40が停留所10に待機していることを示す搭乗予定者情報Iepを車両1に提供する構成になっている。
【0048】
具体的には、図11のフローチャートに示すように、制御装置50は、その取得した搭乗予定者40の属性αが「介助器具利用者」に区分される場合(ステップ201:YES)、このような「介助器具利用者」に区分される属性αを有した搭乗予定者40が停留所10に待機している旨の搭乗予定者情報Iepを車両1に提供する(ステップ202)。また、制御装置50は、その取得した搭乗予定者40の属性αが「着席優先者」に区分される場合(ステップ203:YES)、このような「着席優先者」に区分される属性αを有した搭乗予定者40が停留所10に待機している旨の搭乗予定者情報Iepを車両1に提供する(ステップ204)。そして、制御装置50は、その取得した搭乗予定者40の属性αが「スロープ利用者」に区分される場合(ステップ205:YES)、このような「スロープ利用者」に区分される属性αを有した搭乗予定者40が停留所10に待機している旨の搭乗予定者情報Iepを車両1に提供する(ステップ206)。
【0049】
また、本実施形態の制御装置50は、その情報入力制御部63による情報入力の受付機能、及び情報通信制御部61による携帯端末70との情報通信機能に基づいて、搭乗予定者40による属性αの申告を受け付ける。そして、本実施形態の情報提供システム30は、これにより、例えば、「色覚障害者」等、カメラ44を用いた画像解析では判別することのできない搭乗予定者40の属性αについても、これを取得することのできる構成となっている。
【0050】
詳述すると、図12のフローチャートに示すように、本実施形態の制御装置50は、停留所10の案内板20に設けられたタッチパネル46を搭乗予定者40が操作した場合(ステップ301:YES)に、その操作入力が、この搭乗予定者40の属性αを申告するものであるかを判定する(ステップ302)。そして、その操作入力が属性αの申告である場合(ステップ302:YES)には、この申告を受け付けることで、その搭乗予定者40の属性αを取得する(ステップ303)。
【0051】
また、制御装置50は、案内板20に設けられたマイク45を用いた搭乗予定者40の音声入力を検出した場合(ステップ304:YES)にも、その音声入力に属性αの申告が含まれているか否かを判定する(ステップ302)。更に、制御装置50は、搭乗予定者40が保持する携帯端末70との情報通信を行った場合(ステップ305:YES)にも、その情報通信の内容に属性αの申告が含まれているか否かを判定する(ステップ302)。そして、これらの場合にも、その申告を受け付けることで、搭乗予定者40の属性αを取得する(ステップ303)。
【0052】
一方、図13に示すように、本実施形態の車両1は、この車両1を走行させる走行ユニット81、同じく車両1に設けられたスライドドア4f,4rのアクチュエータ82及びスロープ装置5のアクチュエータ83の作動を制御する車両制御装置90を備えている。
【0053】
具体的には、この車両制御装置90は、車両1の走行を制御する走行制御部91、スライドドア4f,4rの開閉動作を制御するドア制御部92、並びにスロープ装置5の展開及び格納動作を制御するスロープ制御部93を備えている。
【0054】
また、本実施形態の車両1には、その停留所10に設けられた上記案内板20と同様に、通信装置111、ディスプレイ112、スピーカー113、カメラ114、マイク115、及びタッチパネル116が設けられている。更に、本実施形態の車両制御装置90にも、情報通信制御部121、情報出力制御部122、情報入力制御部123、人認識制御部131、及び属性判定制御部132が設けられている。そして、本実施形態の情報提供システム30においては、これにより、この車両制御装置90が、上記案内板20と同等の、その車両1に設けられた人認識装置175として機能する。
【0055】
更に、本実施形態の情報提供システム30において、車両制御装置90は、その情報出力制御部122及び情報通信制御部121の動作に基づいて、車両1に乗車した搭乗者140に対する情報出力装置150として機能する。尚、本実施形態の車両制御装置90にも、上記案内板20の制御装置50に実装された人工知能51と同様の人工知能151が実装されている。そして、本実施形態の情報提供システム30は、これにより、車両1に設けられた情報出力装置150の機能に基づいて、この車両1の搭乗者140に対する搭乗案内情報Isgの出力を実行する構成となっている。
【0056】
具体的には、図14のフローチャートに示すように、本実施形態の車両制御装置90は、停留所10の案内板20が提供する搭乗予定者情報Iepを取得すると(ステップ401)、この搭乗予定者情報Iepに基づいた搭乗案内情報Isgを生成する(ステップ402)。そして、その情報出力装置150としての機能に基づいて、この搭乗案内情報Isgを車両1の搭乗者140に出力する構成となっている(ステップ403)。
【0057】
詳述すると、図15のフローチャートに示すように、本実施形態の車両制御装置90は、停留所10の案内板20が提供する搭乗予定者情報Iepに基づいて、「着席優先者」に区分される属性αを有した搭乗予定者40が停留所10に待機しているかを判定する(ステップ501)。そして、情報出力装置150としての車両制御装置90は、停留所10に待機する搭乗予定者40に「着席優先者」がいる場合(ステップ501:YES)には、その「着席優先者」に区分される属性αを有した搭乗予定者40に対する座席160の提供を促す搭乗案内情報Isgの出力を実行する(ステップ502)。
【0058】
更に、本実施形態の車両制御装置90は、「着席優先者」の座席160が確保されているかを確認し(ステップ503)、その座席160が確保されていない場合(ステップ503:NO)には、座席160が確保されるまで(ステップ503:YES)、その座席160の提供を促す搭乗案内情報Isgの出力を繰り返す(ステップ502)。そして、座席160が確保されていることを確認した場合には、その旨を停留所10の案内板20に送信する(ステップ504)。
【0059】
また、図16のフローチャートに示すように、本実施形態の車両制御装置90は、停留所10の案内板20が提供する搭乗予定者情報Iepに基づいて、「介助器具利用者」に区分される属性αを有した搭乗予定者40が停留所10に待機しているかを判定する(ステップ601)。更に、車両制御装置90は、停留所10に待機する搭乗予定者40に「介助器具利用者」がいる場合(ステップ601:YES)、続いて、車両1に設けられた介助器具の搭載スペース80に空きがあるかを確認する(ステップ602)。そして、その搭載スペース80に空きがあることを確認した場合(ステップ602:YES)には、停留所10の案内板20に対し、その停留所10に待機する「介助器具利用者」に区分される属性αを有した搭乗予定者40が利用することのできる介助器具の搭載スペース80が確保されている旨を送信する(ステップ603)。
【0060】
一方、上記ステップ602において、その搭載スペース80に空きがないことを確認した場合(ステップ602:NO)、本実施形態の車両制御装置90は、続いて、その介助器具の搭載スペース80を「介助器具利用者」に区分される属性αを有した搭乗者140が利用しているか否かを判定する(ステップ604)。そして、「介助器具利用者」ではない搭乗者140が介助器具の搭載スペース80を利用していると判定した場合(ステップ604:NO)には、「介助器具利用者」に区分される属性αを有した搭乗予定者40に対する搭載スペース80の提供を促す搭乗案内情報Isgの出力を実行する(ステップ605)。
【0061】
また、本実施形態の車両制御装置90は、その搭載スペース80の提供を促す搭乗案内情報Isgの出力に続いて、介助器具の搭載スペース80が確保できたか否かを確認する(ステップ606)。更に、車両制御装置90は、搭載スペース80が確保されていない場合(ステップ606:NO)には、搭載スペース80が確保されるまで(ステップ606:YES)、その搭載スペース80の提供を促す搭乗案内情報Isgの出力を繰り返す(ステップ605)。そして、これにより、「介助器具利用者」が利用することのできる搭載スペース80が確保されていることを確認した場合(ステップ606:YES)に、その旨を停留所10の案内板20に送信する(ステップ603)。
【0062】
尚、本実施形態の車両制御装置90は、上記ステップ604において、「介助器具利用者」に区分される属性αを有した搭乗者140が搭載スペース80を利用していると判定した場合(ステップ604:YES)には、上記ステップ605及びステップ606の処理を実行しない。そして、この場合、「介助器具利用者」としての搭乗予定者40が利用することのできる搭載スペース80が空いてない旨を、その停留所10の案内板20に送信する(ステップ607)。
【0063】
また、本実施形態の車両制御装置90は、停留所10の案内板20が提供する搭乗予定者情報Iepに基づいて、その車両1のドア開口部3に設けられたスライドドア4f,4rの作動を制御するドア制御装置180、及び、そのスロープ装置5の作動を制御するスロープ制御装置190として機能する。
【0064】
詳述すると、図17のフローチャートに示すように、本実施形態の車両制御装置90は、車両1に「スロープ利用者」としての属性αを有した搭乗者140が乗っているかを判定する(ステップ701)。更に、車両制御装置90は、車両1の搭乗者140に「スロープ利用者」がいる場合(ステップ701:YES)、続いて、この「スロープ利用者」が、次の停留所10で降車予定であるか否かを判定する(ステップ702)。そして、この「スロープ利用者」が降車予定である場合(ステップ702:YES)には、車両1が停留所10に停車した後、その二枚のスライドドア4f,4rの両方を開作動、つまりは両開きさせ、及び、そのドア開口部3の下端にスロープ装置5を展開させる(ステップ703)。
【0065】
また、本実施形態の車両制御装置90は、車両1に「スロープ利用者」が乗っていないと判定した場合(ステップ701:NO)、停留所10の案内板20が提供する搭乗予定者情報Iepに基づいて、「スロープ利用者」に区分される属性αを有した搭乗予定者40が停留所10に待機しているかを判定する(ステップ704)。更に、車両制御装置90は、車両1に乗っている「スロープ利用者」としての属性αを有した搭乗者140が降車予定ではない場合(ステップ702:NO)にも、その搭乗予定者情報Iepに基づいて、「スロープ利用者」に区分される属性αを有した搭乗予定者40が停留所10に待機しているかを判定する(ステップ704)。そして、停留所10に「スロープ利用者」としての搭乗予定者40が待機している場合(ステップ704:YES)にも、車両1が停留所10に停車した後、その二枚のスライドドア4f,4rの両方を開作動、つまりは両開きさせ、及び、そのドア開口部3の下端にスロープ装置5を展開させる(ステップ703)。
【0066】
更に、本実施形態の車両制御装置90は、上記ステップ704において、停留所10に「スロープ利用者」としての搭乗予定者40が待機していないと判定した場合(ステップ704:NO)、続いて、次の停留所10における乗降者数が多数であるか否かを判定する(ステップ705)。尚、本実施形態の車両1において、このステップ705における乗降者数判定は、搭乗予定者情報Iepに示された搭乗予定者40の人数と、その車両制御装置90に実装された人工知能151が推定する搭乗者140の降車人数とを足し合わせることにより行われる。そして、本実施形態の車両制御装置90は、その乗降者数の大小に応じてスライドドア4f,4rの開閉動作を制御する。
【0067】
具体的には、本実施形態の車両制御装置90は、次の停留所10における乗降者数が多数であると判定した場合(ステップ705:YES)には、車両1が停留所10に停車した後、その二枚のスライドドア4f,4rの両方を開作動させる(ステップ306)。また、車両制御装置90は、次の停留所10における乗降者数が少数であると判定した場合(ステップ705:NO)には、車両1が停留所10に停車した後、その二枚のスライドドア4f,4rの何れか一方を開作動させる(ステップ307)。そして、本実施形態の車両制御装置90は、これらのステップ306又はステップ307を実行する場合、即ち、「スロープ利用者」に区分される属性αを有した搭乗予定者40又は搭乗者140が乗降しない場合には、何れも、そのドア開口部3の下方にスロープ装置5を展開させない構成となっている。
【0068】
また、図18のフローチャートに示すように、本実施形態の情報提供システム30において、停留所10に設けられた情報提供装置35及び人認識装置75として機能する案内板20の制御装置50は、インターネット21を介した情報通信により、この停留所10に向かう車両1の運行状況Soを取得する(ステップ801)。更に、制御装置50は、同じくインターネット21を介した情報通信により、車両1の座席情報Issを取得する(ステップ802)。具体的には、その運行状況Soには、車両1の運行計画や現在位置等が含まれている。また、その座席情報Issには、車両1の空席状況や座席160の予約状況が含まれている。そして、本実施形態の制御装置50は、これら車両1の運行状況So及び座席情報Issに基づいて、その停留所10に待機する搭乗予定者40に対する共通の運行案内情報IosAを提供し(ステップ803)、及び、その搭乗予定者40の属性αに応じた個別の運行案内情報IosBを提供する(ステップ804)。
【0069】
詳述すると、図19に示すように、本実施形態の制御装置50は、その共通の運行案内情報IosAとして、停留所10に待機する搭乗予定者40に提供する運行案内情報Iosの内容が登録された運行案内リストLaを記憶領域50xに保持する。そして、制御装置50は、この運行案内リストLaを参照することにより、その情報提供装置35としての機能に基づいて、停留所10に待機する搭乗予定者40に共通の運行案内情報IosAの提供を実行する。
【0070】
具体的は、この運行案内リストLaには、例えば、車両1が停留所10に到着する前に提供する運行案内情報Iosとして、この停留所10に接近する車両1の「行き先案内」が登録されている。また、同じく車両到着前の運行案内情報Iosとして、例えば、車両1の「到着予定時刻案内」「遅れ時間案内」や「空席案内」「座席の予約状況案内」等の項目が登録されている。更に、この運行案内リストLaには、例えば、車両1が停留所10に到着したときに提供する運行案内情報Iosとして、車両1の「接近・到着案内」や「ドア作動の注意喚起」「スロープ展開・格納の注意喚起」等の項目が登録されている。そして、同じく車両到着時の運行案内情報Iosとして、例えば、停車中の車両1に接近する自転車等に気をつける等、「乗降時及び降車時の注意喚起」等の項目が登録されている。
【0071】
また、図20に示すように、本実施形態の制御装置50は、その記憶領域50xに、搭乗予定者40の属性αと、その属性αに応じた運行案内情報IosBのサービス内容γとが互いに関連付けられた状態で登録された運行案内リストLbを保持する。そして、制御装置50は、この運行案内リストLbを参照することにより、その情報提供装置35としての機能に基づいて、停留所10に待機する搭乗予定者40の属性αに応じたサービス内容γで、その搭乗予定者40に個別の運行案内情報IosBを提供する。
【0072】
具体的には、この運行案内リストLbには、例えば、「子供」としての属性αに関連付けて、「表示位置変更」「ひらがな表記」等のサービス内容γが登録されている。そして、本実施形態の制御装置50は、これにより、「子供」としての属性αを有する搭乗予定者40に運行案内情報Iosを提供する場合には、この「子供」の目線に合わせて、その案内板20のディスプレイ42に表示する運行案内情報Iosの位置を低くし、及び、その文字表示を「ひらがな」に変更する。
【0073】
また、本実施形態の運行案内リストLbには、例えば、「高齢者」としての属性αに関連付けて、「文字大」「音出力大」「表示色変更」等のサービス内容γが登録されている。そして、本実施形態の制御装置50は、これにより、「高齢者」としての属性αを有する搭乗予定者40に運行案内情報Iosを提供する場合には、その案内板20のディスプレイ42に表示する文字を大きくし、及び、そのスピーカー43から出力する音情報の音量を大きくする等を実行する。
【0074】
更に、本実施形態の運行案内リストLbには、例えば、「車椅子利用者」としての属性αに関連付けて、「表示位置変更」が、そのサービス内容γとして登録されている。そして、本実施形態の制御装置50は、これにより、「車椅子利用者」としての属性αを有する搭乗予定者40に運行案内情報Iosを提供する場合には、この車椅子に着座する搭乗予定者40の目線に合わせて、その案内板20のディスプレイ42に表示する運行案内情報Iosの位置を低くする。
【0075】
また、本実施形態の運行案内リストLbには、例えば、「視覚障害者」としての属性αに関連付けて、「指向性音出力」が、そのサービス内容γとして登録されている。即ち、本実施形態の案内板20に設けられたスピーカー43は、その音出力を特定方向に絞り込むことのできる指向性スピーカーとしての機能を有している。更に、本実施形態の制御装置50は、これにより、「視覚障害者」としての属性αを有する搭乗予定者40に運行案内情報Iosを提供する場合には、この搭乗予定者40に向けて音出力を実行することにより、所謂「声掛け」を実行する。換言すると、情報提供装置35としての制御装置50は、指向性を有した音出力を用いて運行案内情報Iosの提供を実行する機能を有する。そして、本実施形態の情報提供システム30は、これにより、その「視覚障害者」としての属性αを有する搭乗予定者40に対しても、適切に運行案内情報Iosを提供することのできる構成となっている。
【0076】
更に、本実施形態の運行案内リストLbには、例えば、「色覚障害者」としての属性αに関連付けて、「表示色変更」が、そのサービス内容γとして登録されている。そして、本実施形態の制御装置50は、これにより、「色覚障害者」としての属性αを有する搭乗予定者40に運行案内情報Iosを提供する場合には、この搭乗予定者40が見やすい色に、その案内板20のディスプレイ42に対する運行案内情報Iosの表示を変更する。
【0077】
換言すると、情報提供装置35としての制御装置50は、「色覚障害者」としての属性αを有する搭乗予定者40に対して、視覚情報を含んだ運行案内情報Iosの提供を実行する際、この搭乗予定者40が識別しやすいように、その視覚情報の色調整を行う機能を有する。そして、本実施形態の情報提供システム30は、これにより、その「色覚障害者」としての属性αを有する搭乗予定者40に対しても、適切に運行案内情報Iosを提供することのできる構成となっている。
【0078】
また、本実施形態の運行案内リストLbには、例えば、「聴覚障害者」としての属性αに関連付けて、「視覚情報変換」が、そのサービス内容γとして登録されている。そして、本実施形態の制御装置50は、これにより、「聴覚障害者」としての属性αを有する搭乗予定者40に運行案内情報Iosを提供する場合には、そのスピーカー43から出力する音情報を、例えば、「手話」「筆談」や口の動きで表す「口パク」等に変換する。
【0079】
換言すると、情報提供装置35としての制御装置50は、音情報を含んだ運行案内情報Iosの提供を実行する際には、その音情報を視覚的に表現する視覚情報として出力する機能を有する。そして、本実施形態の情報提供システム30は、これにより、その「聴覚障害者」としての属性αを有する搭乗予定者40に対しても、適切に運行案内情報Iosを提供することのできる構成となっている。
【0080】
更に、本実施形態の運行案内リストLbには、例えば、「介助器具利用者」としての属性αに関連付けて、「搭載スペースの確保案内」が、そのサービス内容γとして登録されている。即ち、本実施形態の制御装置50は、上記のように停留所10に向かう車両1から、この停留所10の案内板20に送信された介助器具の搭載スペース80についての空き状況を取得する。そして、制御装置50は、これにより、「介助器具利用者」としての属性αを有する搭乗予定者40に対し、その個別の運行案内情報IosBとして、この「介助器具利用者」が利用することのできる介助器具の搭載スペース80の有無を提供する。
【0081】
また、本実施形態の運行案内リストLbには、例えば、「着席優先者」としての属性αに関連付けて、「座席の確保案内」が、そのサービス内容γとして登録されている。即ち、本実施形態の制御装置50は、上記のように停留所10に向かう車両1から、この停留所10の案内板20に送信された、その「着席優先者」の利用することのできる座席160の空き状況を取得する。そして、制御装置50は、これにより、「着席優先者」としての属性αを有する搭乗予定者40に対し、その個別の運行案内情報IosBとして、この「着席優先者」が利用することのできる座席160の有無を提供する構成になっている。
【0082】
次に、本実施形態の作用について説明する。
即ち、乗合車両15に利用される車両1の停留所10に設けられた案内板20の制御装置50は、情報提供装置35及び人認識装置75として機能する。これにより、停留所10に待機する搭乗予定者40が認識されるとともに、その搭乗予定者40の属性αが取得される。そして、この搭乗予定者40の属性αを含んだ搭乗予定者情報Iepが、その停留所10に向かう車両1に提供される。
【0083】
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1)情報提供システム30は、乗合車両15に利用される車両1の停留所10に設けられた案内板20を備える。また、この案内板20の制御装置50は、人認識装置75及び情報提供装置35として機能する。更に、人認識装置75としての制御装置50は、停留所10に待機する搭乗予定者40を認識するとともに、その搭乗予定者40の属性αを取得する機能を有する。そして、情報提供装置35としての制御装置50は、この搭乗予定者40の属性αを含んだ搭乗予定者情報Iepを、その停留所10に向かう車両1に提供する機能を有する。
【0084】
上記構成によれば、車両1が停留所10に到着する前に、その車両1側で、停留所10に待機する搭乗予定者40の属性αを含んだ搭乗予定者情報Iepを利用することができる。そして、これにより、利便性の向上を図ることができる。
【0085】
(2)人認識装置75としての制御装置50は、搭乗予定者40が、車両1に乗車する際、例えば、車椅子やベビーカー等、その利用する介助器具の搭載スペース80を確保することが望まれる「介助器具利用者」に区分される属性αを有していることを判別する機能を有する。そして、情報提供装置35としての制御装置50は、その「介助器具利用者」に区分される属性αを有した搭乗予定者40が停留所10に待機していることを示す搭乗予定者情報Iepを車両1に提供する機能を有する。
【0086】
上記構成によれば、車両1が停留所10に到着する前に、その車両1側で、「介助器具利用者」に区分される属性αを有した搭乗予定者40が停留所10に待機していることを示す搭乗予定者情報Iepを利用することができる。そして、これにより、その利便性を向上させることができる。
【0087】
(3)車両1に設けられた車両制御装置90は、その車両1の搭乗者140に対して搭乗予定者情報Iepに基づいた搭乗案内情報Isgの出力を実行する情報出力装置150として機能する。そして、この情報出力装置150としての車両制御装置90は、「介助器具利用者」に区分される属性αを有した搭乗予定者40が利用する搭載スペース80の提供を促す搭乗案内情報Isgの出力を実行する機能を有する。
【0088】
上記構成によれば、車両1が停留所10に到着する前に、その「介助器具利用者」に区分される属性αを有した搭乗予定者40が利用する搭載スペース80を確保しやすくなる。そして、これにより、その「介助器具利用者」としての属性αを有した搭乗予定者40の利便性を向上させることができる。
【0089】
(4)情報提供装置35としての制御装置50は、搭載スペース80の空き状況を車両1から取得し、この車両1の運行案内情報Iosとして、その「介助器具利用者」に区分される属性αを有した搭乗予定者40に提供する機能を有する。
【0090】
上記構成によれば、車両1が停留所10に到着する前に、その「介助器具利用者」に区分される属性αを有した搭乗予定者40に対し、介助器具の搭載スペース80に空きがあるか否かを知らせることができる。そして、これにより、その「介助器具利用者」としての属性αを有した搭乗予定者40の利便性を向上させることができるとともに、この搭乗予定者40に安心感を与えることができる。
【0091】
(5)人認識装置75としての制御装置50は、搭乗予定者40が、優先的に着席することが望まれる「着席優先者」に区分される属性αを有していることを判別する機能を有する。そして、情報提供装置35としての制御装置50は、その「着席優先者」に区分される属性αを有した搭乗予定者40が停留所10に待機していることを示す搭乗予定者情報Iepを車両1に提供する機能を有する。
【0092】
上記構成によれば、車両1が停留所10に到着する前に、その車両1側で、「着席優先者」に区分される属性αを有した搭乗予定者40が停留所10に待機していることを示す搭乗予定者情報Iepを利用することができる。そして、これにより、その利便性を向上させることができる。
【0093】
(6)情報出力装置150としての車両制御装置90は、「着席優先者」に対する座席160の提供を促す搭乗案内情報Isgの出力を実行する機能を有する。
上記構成によれば、車両1が停留所10に到着する前に、その「着席優先者」に区分される属性αを有した搭乗予定者40が利用する座席160を確保しやすくなる。そして、これにより、その「着席優先者」としての属性αを有した搭乗予定者40の利便性を向上させることができる。
【0094】
(7)情報提供装置35としての制御装置50は、座席160の空き状況を車両1から取得し、この車両1の運行案内情報Iosとして、その「着席優先者」に区分される属性αを有した搭乗予定者40に提供する機能を有する。
【0095】
上記構成によれば、車両1が停留所10に到着する前に、その「着席優先者」に区分される属性αを有した搭乗予定者40に対し、座席160に空きがあるか否かを知らせることができる。そして、これにより、その「着席優先者」としての属性αを有した搭乗予定者40の利便性を向上させることができるとともに、この搭乗予定者40に安心感を与えることができる。
【0096】
(8)車両1は、そのドア開口部3に展開されるスロープ装置5を備える。また、人認識装置75としての制御装置50は、停留所10に待機する搭乗予定者40が、スロープ装置5を展開することが望まれる「スロープ利用者」に区分される属性αを有していることを判別する機能を有する。そして、情報提供装置35としての制御装置50は、この「スロープ利用者」に区分される属性αを有した搭乗予定者40が停留所10に待機していることを示す搭乗予定者情報Iepを車両1に提供する機能を有する。
【0097】
上記構成によれば、車両1が停留所10に到着する前に、その車両1側で、「スロープ利用者」に区分される属性αを有した搭乗予定者40が停留所10に待機していることを示す搭乗予定者情報Iepを利用することができる。そして、これにより、その利便性を向上させることができる。
【0098】
(9)車両制御装置90は、搭乗予定者情報Iepに基づいてスロープ装置5の作動を制御するスロープ制御装置190を備える。
上記構成によれば、「スロープ利用者」に区分される属性αを有した搭乗予定者40が停留所10に待機している場合に、車両1の到着後、速やかに、そのドア開口部3にスロープ装置5を展開することができる。そして、これにより、その「スロープ利用者」としての属性αを有した搭乗予定者40の利便性を向上させることができる。
【0099】
(10)人認識装置75としての制御装置50は、搭乗予定者40の撮影画像を解析することにより、この搭乗予定者40の属性αを判別する機能を有する。これにより、簡素な構成にて、速やかに、その搭乗予定者40の属性αを取得することができる。
【0100】
(11)人認識装置75としての制御装置50は、搭乗予定者40による属性αの申告を受け付ける機能を有する。
上記構成によれば、例えば、「色覚障害者」等、外観からは判別することのできない搭乗予定者40の属性αについても、これを取得することができる。そして、例えば、荒天時等、正しく搭乗予定者40の属性αを取得できない場合であっても、その搭乗予定者40の申告に基づいて訂正することができる。
【0101】
(12)人認識装置75としての制御装置50は、搭乗予定者40が「視覚障害者」としての属性αを有していることを判別する機能を有する。そして、情報提供装置35としての制御装置50は、その「視覚障害者」としての属性αを有した搭乗予定者40に対し、指向性を有した音出力を用いて運行案内情報Iosの提供を実行する機能を有する。これにより、「視覚障害者」としての属性αを有する搭乗予定者40に対しても、適切に運行案内情報Iosを提供することができる。
【0102】
(13)人認識装置75としての制御装置50は、搭乗予定者40が「色覚障害者」としての属性αを有していることを判別する機能を有する。そして、情報提供装置35としての制御装置50は、その「色覚障害者」としての属性αを有した搭乗予定者40に対し、視覚情報を含んだ運行案内情報Iosの提供を実行する際、識別しやすいように、その視覚情報の色調整を行う機能を有する。これにより、「色覚障害者」としての属性αを有する搭乗予定者40に対しても、適切に運行案内情報Iosを提供することができる。
【0103】
(14)人認識装置75としての制御装置50は、搭乗予定者40が「聴覚障害者」としての属性αを有していることを判別する機能を有する。そして、情報提供装置35としての制御装置50は、その「聴覚障害者」としての属性αを有した搭乗予定者40に対し、音情報を含んだ運行案内情報Iosの提供を実行する際、視覚的に、その音情報を表現する視覚情報を出力する機能を有する。これにより、「聴覚障害者」としての属性αを有する搭乗予定者40に対しても、適切に運行案内情報Iosを提供することができる。
【0104】
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0105】
・乗合車両15に利用される車両1の形状や大きさは、任意に変更してもよい。そして、停留所10に設けられた案内板20の形状や大きさについてもまた、任意に変更してもよい。
【0106】
・上記実施形態では、車椅子又はベビーカーの利用者を、車両1に乗車する際、搭載スペース80を確保することが望まれる「介助器具利用者」とした。しかし、これに限らず、この「介助器具利用者」の属性区分βには、同様に搭載スペース80を確保することが望まれる他の介助器具の利用者を含めてもよい。更に、例えば、大型のキャリーケース等、介助器具以外の荷物を保持する者についても、その搭載スペース80を確保することが望まれる「介助器具利用者」とみなす構成としてもよい。そして、「着席優先者」や「スロープ利用者」等の属性区分βについてもまた、その該当する搭乗予定者40の属性αは、任意に変更してもよい。
【0107】
・車両1に提供する搭乗予定者情報Iepに含まれる搭乗予定者40の属性αについては、任意に設定してもよい。
・上記実施形態では、車両1の停留所10に設けられた案内板20の制御装置50が、その情報提供装置35及び人認識装置75として機能することとしたが、これらの情報提供装置35及び人認識装置75の構成は、任意に変更してもよい。例えば、その情報提供装置35と人認識装置75とが別体に設けられた構成であってもよい。
【0108】
・上記実施形態では、車両1に設けられた車両制御装置90が、その乗車した搭乗者140に対する情報出力装置150として機能することとしたが、この情報出力装置150の構成は、任意に変更してもよい。
【0109】
・また、人認識装置75は、必ずしも、その機能の全てが停留所10内で完結していなくともよい。例えば、その機能の一部が、インターネット21を介して接続されたサーバー31に実装されていてもよい。そして、情報提供装置35についてもまた、必ずしも、その機能の全てが停留所10内で完結していなくともよい。
【0110】
次に、上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(イ)車両の停留所に設けられて該停留所に待機した搭乗予定者を認識するとともに該搭乗予定者の属性を取得する機能を有した人認識装置と、前記搭乗予定者の属性に応じて個別に前記車両の運行案内情報を提供する機能を有した情報提供装置と、を備え、前記人認識装置は、前記搭乗予定者が視覚障害者としての前記属性を有していることを判別する機能を有し、前記情報提供装置は、前記視覚障害者としての前記属性を有した前記搭乗予定者に対し、指向性を有した音出力を用いて前記運行案内情報の提供を実行する機能を有すること、を特徴とする情報提供システム。これにより、視覚障害者としての属性を有する搭乗予定者に対しても、適切に運行案内情報を提供することができる。
【0111】
(ロ)車両の停留所に設けられて該停留所に待機した搭乗予定者を認識するとともに該搭乗予定者の属性を取得する機能を有した人認識装置と、前記搭乗予定者の属性に応じて個別に前記車両の運行案内情報を提供する機能を有した情報提供装置と、を備え、前記人認識装置は、前記搭乗予定者が色覚障害者としての前記属性を有していることを判別する機能を有し、前記情報提供装置は、前記色覚障害者としての前記属性を有した前記搭乗予定者に対し、視覚情報を含んだ前記運行案内情報の提供を実行する際、識別しやすいように前記視覚情報の色調整を行う機能を有すること、を特徴とする情報提供システム。これにより、色覚障害者としての属性を有する搭乗予定者に対しても、適切に運行案内情報を提供することができる。
【0112】
(ハ)車両の停留所に設けられて該停留所に待機した搭乗予定者を認識するとともに該搭乗予定者の属性を取得する機能を有した人認識装置と、前記搭乗予定者の属性に応じて個別に前記車両の運行案内情報を提供する機能を有した情報提供装置と、を備え、前記人認識装置は、前記搭乗予定者が聴覚障害者としての属性を有していることを判別する機能を有し、前記情報提供装置は、前記聴覚障害者としての前記属性を有した前記搭乗予定者に対し、音情報を含んだ前記運行案内情報の提供を実行する際、視覚的に前記音情報を表現する視覚情報を出力する機能を有すること、を特徴とする情報提供システム。これにより、聴覚障害者としての属性を有する搭乗予定者に対しても、適切に運行案内情報を提供することができる。
【符号の説明】
【0113】
1…車両
15…乗合車両
10…停留所
20…案内板
30…情報提供システム
35…情報提供装置
40…搭乗予定者
50…制御装置
75…人認識装置
α…属性
Iep…搭乗予定者情報
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