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特開2022-85332情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022085332
(43)【公開日】2022-06-08
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/36 20060101AFI20220601BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20220601BHJP
   G08G 1/005 20060101ALI20220601BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20220601BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20220601BHJP
【FI】
G01C21/36
G01C21/26 P
G08G1/005
G09B29/00 F
G09B29/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020196954
(22)【出願日】2020-11-27
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
(71)【出願人】
【識別番号】500168811
【氏名又は名称】株式会社ナビタイムジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌司
(72)【発明者】
【氏名】中村 康二
(72)【発明者】
【氏名】井櫻 涼介
【テーマコード(参考)】
2C032
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2C032HC08
2C032HC22
2C032HC27
2C032HD16
2F129AA03
2F129BB03
2F129CC15
2F129CC16
2F129EE02
2F129EE23
2F129EE53
2F129EE89
2F129EE90
2F129FF02
2F129FF20
2F129FF32
2F129FF60
2F129HH02
2F129HH12
5H181AA21
5H181BB04
5H181EE05
5H181EE10
5H181FF22
5H181FF32
(57)【要約】
【課題】車移動区間の終端から目的地までの移動を考慮した時間情報を提供する。
【解決手段】情報処理システム1は、少なくとも出発地および目的地を経路探索条件として受け付ける受付部111と、経路探索条件に基づいて、出発地から目的地までの移動経路であって、車で移動する車移動区間を含む移動経路を探索する経路探索部212と、移動経路の総所要時間とともに、車移動区間の終端から目的地に移動するのに要する駐車関連時間を提示する提示部112と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも出発地および目的地を経路探索条件として受け付ける受付手段と、
前記経路探索条件に基づいて、前記出発地から前記目的地までの移動経路であって、車で移動する車移動区間を含む移動経路を探索する経路探索手段と、
前記移動経路の総所要時間とともに、前記車移動区間の終端から前記目的地に移動するのに要する駐車関連時間を提示する提示手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記提示手段は、前記目的地が前記車移動区間の終端である駐車場である場合、前記駐車場から当該駐車場に関連する地点に移動するのに要する駐車関連時間を提示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記駐車関連時間は、前記車移動区間の終端である駐車場に駐車するのに要する時間を含むことを特徴とする請求項1~2のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記提示手段は、前記駐車場に駐車するのに要する時間と、前記駐車場に駐車してから前記駐車場に関連する地点まで移動するのに要する時間とをそれぞれ提示することを特徴とする請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
過去の移動実績情報に基づいて前記駐車関連時間を予測する時間予測手段を備えることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記提示手段は、前記移動経路として、経路特性別の複数の候補経路を提示するとともに、各候補経路について前記総所要時間と前記駐車関連時間を提示することを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記移動経路は、前記車移動区間のほか、車以外の移動体により移動する区間を含むことを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記提示手段は、駐車代行サービスを利用可能な場合、前記駐車代行サービスに関する駐車代行情報を提示することを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記提示手段は、前記駐車代行サービスを利用する場合と、前記駐車代行サービスを利用しない場合とを比較可能に提示することを特徴とする請求項8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記駐車代行情報は、前記駐車代行サービスを利用した場合の移動経路情報を含むことを特徴とする請求項8または9に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記駐車代行情報は、駐車代行業者の名称、利用料金、予約の要否および決済手段のうち少なくともいずれか一つに関する情報を含むことを特徴とする請求項8~10のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記提示手段は、前記駐車代行情報として、前記駐車代行サービスの利用料金を移動料金と分けて提示することを特徴とする請求項8~11のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記提示手段は、ユーザ登録情報を考慮した駐車代行サービスの利用料金を提示することを特徴とする請求項12に記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記提示手段は、前記駐車代行サービスの広告を提示することを特徴とする請求項8~13のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項15】
前記提示手段は、経路案内前に、前記移動経路に係る交通情報に基づいて前記駐車代行サービスの案内情報を提示することを特徴とする請求項8~14のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項16】
前記提示手段は、経路案内中に、道路の渋滞情報および/または前記車移動区間の終端である駐車場の満空情報に基づいて前記駐車代行サービスの案内情報を提示することを特徴とする請求項8~15のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項17】
前記提示手段は、自動バレーパーキングを利用可能な場合、自動バレーパーキングのための所定の降車位置で降車する移動経路を提示することを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項18】
サーバと通信可能に接続された端末装置において実行される情報処理プログラムであって、
前記サーバは、経路探索条件に基づいて、出発地から目的地までの移動経路であって、車で移動する車移動区間を含む移動経路を探索する経路探索手段を有し、
前記情報処理プログラムは、コンピュータを、
少なくとも出発地および目的地を前記経路探索条件として受け付ける受付手段、および
前記移動経路の総所要時間とともに、前記車移動区間の終端から前記目的地に移動するのに要する駐車関連時間を提示する提示手段として機能させる、情報処理プログラム。
【請求項19】
端末装置と通信可能に接続されたサーバにおいて実行される情報処理プログラムであって、
コンピュータを、
経路探索条件に基づいて、出発地から目的地までの移動経路であって、車で移動する車移動区間を含む移動経路を探索する経路探索手段、および
前記移動経路の総所要時間とともに、前記車移動区間の終端から前記目的地に移動するのに要する駐車関連時間を前記端末装置に出力する出力手段として機能させるための情報処理プログラム。
【請求項20】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって構成される情報処理システムであって、
少なくとも出発地および目的地を経路探索条件として受け付ける受付手段と、
前記経路探索条件に基づいて、前記出発地から前記目的地までの移動経路であって、車で移動する車移動区間を含む移動経路を探索する経路探索手段と、
前記移動経路の総所要時間とともに、前記車移動区間の終端から前記目的地に移動するのに要する駐車関連時間を提示する提示手段と、
を備えた情報処理システムを機能させるために、
上記コンピュータの少なくとも1つを上記手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項21】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって、請求項1~18のいずれかに記載の情報処理システムを機能させるために、
上記コンピュータのうちの1つを請求項1~18のいずれかに記載の情報処理システムにおける各手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項22】
コンピュータを、請求項1~18のいずれかに記載の情報処理システムにおける各手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項23】
通信可能に接続された複数の情報処理装置によって、
少なくとも出発地および目的地を経路探索条件として受け付ける受付手段と、
前記経路探索条件に基づいて、前記出発地から前記目的地までの移動経路であって、車で移動する車移動区間を含む移動経路を探索する経路探索手段と、
前記移動経路の総所要時間とともに、前記車移動区間の終端から前記目的地に移動するのに要する駐車関連時間を提示する提示手段と、
を備えた情報処理システムを構成するために、
上記手段の少なくとも1つを備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項24】
コンピュータを、
少なくとも出発地および目的地を経路探索条件として受け付ける受付手段、
前記経路探索条件に基づいて、前記出発地から前記目的地までの移動経路であって、車で移動する車移動区間を含む移動経路を探索する経路探索手段、および
前記移動経路の総所要時間とともに、前記車移動区間の終端から前記目的地に移動するのに要する駐車関連時間を提示する提示手段として機能させるための情報処理プログラム。
【請求項25】
受付手段が、少なくとも出発地および目的地を経路探索条件として受け付けるステップと、
経路探索手段が、前記経路探索条件に基づいて、前記出発地から前記目的地までの移動経路であって、車で移動する車移動区間を含む移動経路を探索するステップと、
提示手段が、前記移動経路の総所要時間とともに、前記車移動区間の終端から前記目的地に移動するのに要する駐車関連時間を提示するステップと、
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カーナビゲーション等の経路案内に関する様々な技術が知られている。たとえば、特許文献1には、自動駐車機能が実用化された場合に生じる駐車場環境の変化に対応して使用者の利便性を向上させることを目的としたナビゲーション装置が記載されている。このナビゲーション装置では、自動駐車が可能な駐車場と不可能な駐車場とが区別可能に表示され、地図上で選択された駐車場までの移動経路が探索される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-102015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、カーナビゲーション等を利用して車で目的地に移動する場合、経路探索時や経路案内中に、予想される到着時刻や所要時間が表示されるものの、駐車場から目的地まで徒歩等で移動する必要があるため、予想された到着時刻に目的地に到着できないことがある。たとえば空港に向かう場合、空港に付設された駐車場から空港ターミナルまでの移動時間が長いと、予期した時刻に空港ターミナルに到着できず、飛行機に乗り遅れてしまうおそれがある。
【0005】
このように車で移動する場合、車移動区間の終端(降車地点)が目的地(ユーザの目的を達成する地点)と異なるために、ユーザが移動目的を達成することができないことがある。
【0006】
また、従来のカーナビでは、車による移動時間が表示されるのみで、降車してから目的地までの移動時間が表示されないため、ユーザは降車してからの移動時間がどの程度長いのかを把握することが困難であった。
【0007】
そこで、本発明は、車移動区間の終端から目的地までの移動を考慮した時間情報を提供可能な情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る情報処理システムは、
少なくとも出発地および目的地を経路探索条件として受け付ける受付手段と、
前記経路探索条件に基づいて、前記出発地から前記目的地までの移動経路であって、車で移動する車移動区間を含む移動経路を探索する経路探索手段と、
前記移動経路の総所要時間とともに、前記車移動区間の終端から前記目的地に移動するのに要する駐車関連時間を提示する提示手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、車移動区間の終端から目的地までの移動を考慮した時間情報を提供可能な情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る情報処理システムの概略的な構成を示す図である。
図2】第1の実施形態に係る移動経路の概要を説明するための図である。
図3】第1の実施形態に係る端末装置の機能ブロック図である。
図4】第1の実施形態に係るサーバの機能ブロック図である。
図5A】第1の実施形態に係る情報処理システムの処理動作の一例を示すシーケンス図である。
図5B図5Aに続く、第1の実施形態に係る情報処理システムの処理動作の一例を示すシーケンス図である。
図6】第1の実施形態に係る端末装置に表示される画面(目的地入力画面)の一例を示す図である。
図7】第1の実施形態に係る端末装置に表示される画面(目的地決定画面)の一例を示す図である。
図8】第1の実施形態に係る端末装置に表示される画面(移動経路選択画面)の一例を示す図である。
図9図8に示す画面の一部拡大図である。
図10】第1の実施形態に係る端末装置に表示される画面(移動経路の詳細画面)の一例を示す図である。
図11】第1の実施形態に係る端末装置に表示される画面(移動経路の詳細画面)の一部拡大図を示す図である。
図12】第2の実施形態に係る移動経路の概要を説明するための図である。
図13】第2の実施形態に係るサーバの機能ブロック図である。
図14図5Aに続く、第2の実施形態に係る情報処理システムの処理動作の一例を示すシーケンス図である。
図15】第2の実施形態に係る端末装置に表示される画面(移動経路選択画面)の第1の例に係る一部拡大図である。
図16】第2の実施形態に係る端末装置に表示される画面(移動経路選択画面)の第2の例に係る一部拡大図である。
図17】第2の実施形態に係る端末装置に表示される画面(移動経路の詳細画面)の一例を示す図である。
図18】第2の実施形態に係る駐車代行サービスの提案に係る会話例である。
図19】第2の実施形態に係る自動バレーパーキングの提案に係る会話例である。
図20】第3の実施形態に係る移動経路(パークアンドライド)の概要を説明するための図である。
図21】第3の実施形態に係る情報処理システムの処理動作の一例を示すシーケンス図である。
図22】第3の実施形態に係る端末装置に表示される画面(目的地および出発地の入力画面)の一例を示す図である。
図23】第3の実施形態に係る端末装置に表示される画面(候補経路表示画面)の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0012】
<情報処理システム1>
まず、図1を参照して、各実施形態に共通する情報処理システム1の概略的構成について説明する。
【0013】
情報処理システム1は、出発地から目的地までの案内情報をユーザに提供するように構成されている。この情報処理システム1は、図1に示すように、ユーザが利用する端末装置10と、端末装置10にネットワーク30を介して無線接続されたサーバ20(20A)とを備えている。なお、ネットワーク30の種類や無線接続のプロトコル等の種類は特に限定されない。
【0014】
端末装置10は、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話等のモバイル情報端末である。なお、端末装置10は、車Cに据え付けられた情報処理装置であってもよい。
【0015】
端末装置10は、ユーザが目的地等の情報を入力したり、目的地までの移動経路を映像および/または音声で出力するための情報処理装置である。端末装置10は、少なくとも出発地および目的地を経路探索条件として受け付け、サーバ20の経路探索処理で得られた移動経路に関する情報をユーザに提示する。また、端末装置10は、経路案内中に、現在位置等の情報を表示するとともに案内情報を音声出力する。
【0016】
サーバ20(20A)は、端末装置10から経路探索条件を受信し、当該経路探索条件に基づいて出発地から目的地までの移動経路を探索する。この移動経路は、車で移動する区間(以下、単に「車移動区間」ともいう。)を含む。車移動区間の終端は、たとえば、車を降車する駐車場、駐車代行業者に車を引き渡す地点、または自動バレーパーキングの降車地点等である。なお、自動バレーパーキング(Automated Valet Parking:AVP)は、車が自動走行し、空いている駐車スペースに自動駐車する駐車形態である。
【0017】
本願では、車移動区間の終端から目的地または目的地に関連する地点まで移動するのに要する時間を、駐車に関連して発生した時間という意味で「駐車関連時間」という。なお、車移動区間の終端から目的地まで移動するのに要する時間には、テーマパーク等の目的地の入場制限や入場待ち時間を考慮して、駐車してから、目的地に係る施設に入場可能となるまでの時間が含まれてもよい。
【0018】
ここで、「目的地に関連する地点」とは、車とは別の移動体(飛行機、電車、バス等)に乗る地点(空港の搭乗口、駅、バス停等)である。たとえば、パークアンドライド(park and ride)における公共交通機関の乗車地点が「目的地に関連する地点」である。なお、パークアンドライドは、自宅等の出発地から車で最寄りの駅またはバス停まで移動し、車を駐車した後、公共交通機関を利用して目的地に向かう移動形態である。なお、テーマパーク、ショッピングモール等が目的地に関連する地点であってもよい。
【0019】
(第1の実施形態)
次に、第1の実施形態について説明する。本実施形態では、図2に示すように、情報処理システム1は、自宅から車で移動し、空港の駐車場に駐車した後、徒歩で空港ターミナルに向かう移動経路を提示する。
【0020】
本実施形態に係る情報処理システム1の端末装置10およびサーバ20について以下に詳しく説明する。
【0021】
まず、図3を参照して、端末装置10の詳細について説明する。
【0022】
端末装置10は、制御部11と、通信部12と、記憶部13と、操作入力部14と、出力部15と、測位部16とを備えている。
【0023】
制御部11は、情報を受け付ける受付部111と、ユーザに情報を提示する提示部112と、を有する。
【0024】
受付部111は、少なくとも出発地および目的地を経路探索条件として受け付ける。受け付ける出発地および目的地は、たとえば、ユーザが操作入力部14を介して入力した位置情報(地点名称、住所、電話番号等)である。出発地は、測位部16から取得した現在位置でもよい。
【0025】
なお、受付部111は、出発地および/または目的地として、端末装置10にインストールされたカレンダー、スケジュール管理アプリ等のソフトウェアに入力された位置情報を受け付けてもよい。
【0026】
また、出発地および目的地に加えて、受付部111は、出発時刻または到着時刻を経路探索条件として受け付けてもよい。さらに、受付部111は、渋滞考慮、細道回避、ETC使用等の探索条件を受け付けてもよい。
【0027】
提示部112は、ユーザに移動経路などの各種情報を提示する。提示部112は、所定の情報を出力するように出力部15を制御する。たとえば、サーバ20が経路探索処理を実行した後に、提示部112は、経路探索条件に合致する複数の移動経路を候補経路として出力するように出力部15を制御する。また、経路案内中において、提示部112は、端末装置10の現在位置に応じた案内情報を出力するように出力部15を制御する。
【0028】
制御部11の上記各部は、端末装置10内のプロセッサが記憶部13に格納されたプログラムを実行することにより実現される。なお、制御部11の各部のうち少なくとも一部がハードウェアにより実現されてもよい。
【0029】
通信部12は、ネットワーク30を介してサーバ20との間で各種情報(経路探索条件、移動経路情報など)を送受信するためのインターフェースである。
【0030】
記憶部13は、半導体メモリ等の記憶デバイスにより構成されており、この記憶部13には、制御部11で実行されるプログラムや、当該プログラムによる処理に必要なデータが記憶される。その他、記憶部13には、通信部12を介して送受信されるデータが記憶されてもよい。
【0031】
操作入力部14は、ユーザが情報を入力するためのインターフェースであり、たとえばタッチパネル、キーボード、マイクロフォン(内蔵マイク等)などの情報入力手段により構成される。ユーザは、操作入力部14を介して目的地等の経路探索条件を端末装置10に入力したり、経路探索を要求することができる。
【0032】
出力部15は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の映像表示手段と、スピーカー等の音声出力手段とを有する。出力部15は、現在位置や移動経路などを表示するとともに案内用の音声を出力する。なお、出力部15の映像表示手段がタッチパネルで構成される場合は、出力部15が操作入力部14を兼ねてもよい。
【0033】
測位部16は、端末装置10の現在位置を測位するように構成されている。測位部16は、例えばGNSS(Global Navigation Sattelite System)による測位、WiFiによる測位等の各種の測位手段を単独または組み合わせて利用することで端末装置10の現在位置情報を取得する。
【0034】
次に、図4を参照して、サーバ20の詳細について説明する。
【0035】
サーバ20は、端末装置10から経路探索要求を受信すると、経路探索条件に基づいて車移動区間を含む、出発地から目的地までの移動経路を探索する。サーバ20は、経路探索を実行する際、車移動区間の経路を探索するほか、車移動区間の移動手段である車を駐車するための駐車場を探索し、当該駐車場から目的地までの経路を探索して当該経路の移動手段および所要時間を求める。
【0036】
サーバ20は、図4に示すように、制御部21と、通信部22と、記憶部23とを備えている。なお、本実施形態において、サーバ20は一つの情報処理装置で構成されているが、これに限られず、互いに通信可能な複数の情報処理装置が協働することでサーバ20の機能が実現されてもよい。
【0037】
制御部21は、情報取得部211と、経路探索部212と、時間予測部213と、情報出力部214と、を有している。制御部21の各部の詳細について以下に説明する。
【0038】
情報取得部211は、制御部21で処理するための各種情報を取得する。たとえば、情報取得部211は、端末装置10から送信された経路探索条件(出発地および目的地)や経路探索実行要求を、通信部22を介して取得する。情報取得部211は、経路探索条件として、出発地および目的地に加えて、端末装置10から、出発時刻、到着時刻、渋滞考慮、細道回避およびETC使用等のうち少なくともいずれか一つを受け付けてもよい。
【0039】
なお、情報取得部211は、端末装置10以外の外部サーバから、駐車場の満空情報、道路交通情報などの情報を取得してもよい。
【0040】
経路探索部212は、記憶部23の経路ネットワークデータベース231等を用いて、出発地から目的地までの移動経路を探索する。具体的には、経路探索部212は、車移動区間を移動し、その後、ユーザが降車して目的地に向かう移動経路を探索する。たとえば、経路探索部212は、出発地から駐車場まで車で移動する第1経路を探索し、その後、駐車場から目的地まで徒歩で移動する第2経路を探索する。第2経路が所要時間等の観点から適正であれば、当該駐車場で降車する経路を出発地から目的地までの経路とする。なお、移動経路の探索方法はこれに限定されるものではない。
【0041】
第2経路の移動に要する時間が駐車関連時間である。なお、駐車関連時間は、駐車場から目的地までの移動時間だけでなく、駐車場において、駐車するのに要する時間を含んでもよい。この時間は、たとえば、駐車場の基準位置(入口ゲートやナビゲーションにおける車の案内終了位置等)を車が通過してから駐車が完了するまでの時間であり、駐車場の広さ、構造(立体駐車場かどうかや立体駐車場の方式等)、空き状況等に依存する。
【0042】
なお、経路探索部212は、道路交通情報(道路の規制情報、渋滞情報等)および/または駐車場の空き状況を考慮して経路探索を行ってもよい。
【0043】
時間予測部213は、駐車関連時間を予測するように構成されている。たとえば、時間予測部213は、駐車場から目的地までの過去の移動実績情報に基づいて駐車関連時間を予測する。移動実績情報は、記憶部23の移動実績データベース232から取得される。移動実績情報は、たとえば、ユーザが駐車場の基準位置(入口ゲート等)を通過してから目的地の基準位置(空港ターミナルの入口または搭乗口等)に到着するまでの時間である。これに限らず、移動実績情報は、たとえば、ユーザが駐車場の所定位置に駐車してから目的地までに到着するまでの時間であってもよい。
【0044】
時間予測部213は、移動実績情報における移動時間の平均値を計算することにより移動時間の予測を行う。この場合、時間予測部213は、所定の時間基準を満たす移動実績情報を抽出し、抽出した移動実績情報における移動時間の平均値を計算してもよい。ここで、所定の時間基準は、朝昼夜等の時間帯、平日・休日・祝日等の日、ゴールデンウィークやお盆休み等の期間、または季節等である。たとえば、時間予測部213は、経路探索された時間帯と同じ時間帯の移動実績情報を抽出し、抽出された移動時間の平均値を計算することで、駐車関連時間を見積もる。
【0045】
なお、時間予測部213は、駐車場から目的地までの距離に基づいて駐車関連時間を予測してもよい。また、移動手段(たとえば徒歩、バス)やユーザ情報(たとえば年齢、性別)等を考慮して駐車関連時間を予測してもよい。
【0046】
また、時間予測部213は、駐車場の空き状況に基づいて、駐車に要する時間を含む駐車関連時間を予測してもよい。駐車場の空き状況は、たとえば、外部の駐車場管理サーバ(図示せず)からサーバ20により取得される。
【0047】
情報出力部214は、経路探索部212による経路探索によって得られた移動経路情報などを、通信部22を介して端末装置10に出力する。
【0048】
制御部21の上記各部は、サーバ20内のプロセッサが記憶部23に格納されたプログラムを実行することにより実現される。制御部21の各部のうち少なくとも一部がハードウェアにより実現されてもよい。
【0049】
通信部22は、サーバ20が外部の装置(端末装置10等)との間で情報を送受信するためのインターフェースである。
【0050】
記憶部23は、半導体メモリ(SSD等)、ハードディスクなどの記憶デバイスにより構成される。この記憶部23には、制御部21で実行されるプログラムや、当該プログラムによる処理に必要なデータが記憶される。記憶部23には、通信部22を介して送受信されるデータが記憶されてもよい。なお、記憶部23の一部または全部がサーバ20と通信可能に接続された別のサーバに設けられてもよい。
【0051】
記憶部23には、経路ネットワークデータベース231、移動実績データベース232、およびユーザデータベース233が記憶されている。
【0052】
経路ネットワークデータベース231は、経路探索部212が経路探索を実行する際に使用されるデータベースであり、経路ネットワーク情報として道路ネットワーク情報を含んでいる。道路網の情報は、例えば交差点等の道路網表現上の結節点(ノード)のデータと、結節点間の道路区間であるリンクのデータとの組み合わせによって表現される。道路ネットワーク情報は、車、バス等の移動手段ごとに異なるデータを所持してもよいし、また、リンクに移動手段ごとのコストを設定してもよい。
【0053】
また、経路ネットワークデータベース231は、徒歩移動に係る経路ネットワークを示す徒歩ネットワーク情報を含む。これにより、駐車場から目的地までの経路など、徒歩移動を含む移動経路を探索することが可能である。
【0054】
なお、図示しないが、記憶部23には、経路ネットワークデータベース231のほかに、経路探索のために、地図情報データベース、POI情報データベース等のデータベースが記憶されている。地図情報データベースは、主に地図表示用、あるいは地点検索(たとえば、緯度経度検索)用に用いられる。POI情報データベースは、地点の位置情報や名称情報等を含むPOI情報のデータベースであり、主に地点検索(例えば、フリーキーワード検索やカテゴリ検索)や、経路探索条件の地点設定等に用いられる。POIは、駐車場のほか、店舗(コンビニエンスストア、ガソリンスタンド、飲食店等)、公共施設(官庁、学校、郵便局等)、娯楽施設(映画館、劇場、遊園地等)、屋外施設(公園、バスターミナル等)、会社、事務所、一時的に行われるイベント(祭り、コンサート、フリーマーケット、スポーツの試合等)等であってもよい。また、POI情報データベースにおいて、POI(駐車場等)に関連するPOI(空港ターミナル等)および当該POI(駐車場等)から当該関連するPOI(空港ターミナル等)までの移動所要時間が紐付けられて記憶されてもよい。
【0055】
移動実績データベース232は、駐車場から目的地までの移動実績情報を格納している。前述のように、移動実績情報は、たとえば、ユーザが駐車場の基準位置(入口ゲート等)を通過してから目的地の基準地点(目的地が空港ターミナルビルの場合、ターミナルビルの入口、出発ロビーまたは搭乗口等)に到着するまでの時間である。移動実績情報は、過去に複数の端末装置10で取得され、サーバ20に蓄積された位置情報である。移動実績情報は測位時刻の情報を含んでもよい。
【0056】
ユーザデータベース233は、ユーザごとの情報が格納されたデータベースである。ユーザデータベース233は、各種登録情報、たとえば、自宅や職場等の位置情報(住所等)に関する情報などを含む。
【0057】
ユーザデータベース233は、各種の設定情報、たとえば、ルート探索条件(渋滞考慮、細道回避、ETC使用、車種等)、案内方法(バックグラウンド音声案内、オートリルート、リアルタイムリルート等)に関する情報を含んでもよい。また、ユーザデータベース233は、たとえば、ユーザの自宅や勤務先の住所、性別、年齢、決済手段(クレジットカード情報等)に関する情報を含んでもよい。
【0058】
なお、記憶部23には上記のデータベースの他、情報処理システム1の処理内容に応じて必要なデータベースが記憶されてもよい。
【0059】
<情報処理システム1の動作例>
次に、図5Aおよび図5Bのフローチャートを参照して、第1の実施形態に係る情報処理システム1による処理の一例について説明する。
【0060】
端末装置10の受付部111は、目的地を受け付ける(ステップS11)。たとえば、ユーザは、図6に示す端末装置10の画面において、入力フィールドF1に目的地を入力する。受付部111は、入力フィールドF1に入力された目的地を受け付ける。その後、端末装置10は、受け付けた目的地の情報を出発地の情報とともにサーバ20に送信する。ここでは、出発地の情報は、受付部111が測位部16から受け付けた現在位置である。
【0061】
なお、図6では「目的地」タブが選択されているが、「ルート」タブを選択することで、ユーザが出発地と目的地の両方を入力することも可能である。
【0062】
次に、サーバ20の情報取得部211は、端末装置10から目的地等の情報を取得した後、記憶部23の地図情報データベースを検索して当該目的地の地点詳細情報を取得する(ステップS21)。目的地の地点詳細情報は、たとえば、目的地の正式名称、目的地を中心とする地図情報、出発地から目的地までの距離、目的地の住所、電話番号等である。その後、サーバ20は、取得した地点詳細情報を端末装置10に送信する。
【0063】
次に、端末装置10は、サーバ20から受信した地点詳細情報を表示する(ステップS12)。たとえば、提示部112は、図7に示す画面を出力部15に表示させる。そして、「ここへ行く」ボタンB1がタップされると(ステップS13:Yes)、端末装置10は、経路探索要求をサーバ20に送信する。なお、この例では経路探索条件(出発地および目的地)がステップS11の後にサーバ20にすでに送信されているため、経路探索要求は経路探索条件を含まなくてもよい。
【0064】
次に、サーバ20の経路探索部212は、端末装置10から受信した経路探索条件に基づいて、車移動区間を含む移動経路の探索を行う(ステップS22)。本ステップでは、経路探索部212は、目的地に近い駐車場を経由地とする移動経路を探索する。経路探索条件に時刻条件が含まれない場合、経路探索部212は、現在時刻を出発時刻として経路探索を行う。
【0065】
次に、サーバ20の時間予測部213は、経路探索部212により探索された駐車場から目的地までの経路について、移動実績データベース232に基づいて駐車関連時間を予測する(ステップS23)。その後、サーバ20(情報出力部214)は、駐車関連時間を含む移動経路情報を端末装置10に送信する。
【0066】
次に、端末装置10は、サーバ20から受信した移動経路情報を表示する(ステップS14)。具体的には、端末装置10の提示部112は、移動経路情報を含む画面を出力部15に表示させる。以下に説明するように、端末装置10の提示部112は、経路特性別の複数の候補経路を提示するとともに、各候補経路について総所要時間と駐車関連時間を提示する。
【0067】
図8の画面例は、出発地が東京駅、目的地が羽田空港の場合における移動経路情報を示している。画面の上側から中央にかけて3つの候補経路R1,R2,R3が地図上に表示されている。経路R1は高速道路を利用する経路であり、経路R2は通行料金のかからない経路であり、経路R3は移動距離が最も短い経路である。
【0068】
図8の画面の下側部分には、候補経路別の詳細情報が表示されている。図9図8の候補経路別の詳細情報を拡大したものである。「高速」タブは候補経路R1に対応し、「無料」タブは候補経路R2に対応し、「距離」タブは候補経路R3に対応する。ここでは、移動時間が最も短い経路R1が推奨経路として選択されている。ユーザが候補経路のタブをタップすると、タップされたタブの文字が反転表示されるなどして強調表示される。図8の画面においてユーザが「音声案内開始」ボタンB2をタップすると、選択された経路のナビゲーションが開始される。
【0069】
なお、候補経路は、上記の「高速」、「無料」、「距離」に限られない。たとえば、ガソリン消費量の少ないエコルート、景観の良い道を優先する景観ルート、渋滞を回避する回避ルートが候補経路として提示されてもよい。
【0070】
本実施形態では、図8および図9に示すように、候補経路ごとの詳細情報として、料金、出発地から駐車場までの車移動区間の移動時間(車移動時間)、および駐車関連時間が表示されている。また、車移動時間と駐車関連時間を足した総所要時間も表示されている。推奨経路の場合、料金は710円、車移動時間は30分、駐車関連時間は50分、総所要時間は1時間20分である。このように、総所要時間とともに駐車関連時間が表示される。
【0071】
なお、料金については、高速道路料金等の移動料金のほか、駐車場が有料の場合には駐車料金を加えた金額を表示してもよい。この場合、移動料金と駐車料金を分けて表示してもよい。
【0072】
また、図8に示すように、候補経路のタブの下には、選択された候補経路について、移動距離、必要なガソリン量、出発時刻および到着時刻が表示されてもよい(図8の例では、それぞれ、22.7km、1.30L、14:40発、16:00着)。なお、到着時刻は、出発時刻に総所要時間(車移動時間および駐車関連時間)を加えた時刻である。
【0073】
図8の画面において選択された候補経路を上方にスワイプすると、図10に示すように、移動経路の詳細が表示される。これにより、車移動区間(現在地~駐車場)の移動距離および移動時間、徒歩移動区間(駐車場~空港ターミナル)の移動距離および移動時間を容易に把握することができる。なお、図10の画面の「地図で確認」ボタンB3をタップすると、徒歩移動区間の移動経路が地図に重畳表示される。
【0074】
ステップS14の後、図8の画面においてユーザが「音声案内開始」ボタンB2をタップすると、選択された経路のナビゲーションが開始される。
【0075】
以上説明したように、第1の実施形態では、車移動区間を含む移動経路を探索し、その結果得られた移動経路の総所要時間とともに、車移動区間の終端(駐車場)から目的地に移動するのに要する駐車関連時間がユーザに提示される。このように、本実施形態によれば、駐車場から目的地までの移動を考慮した時間情報がユーザに提供される。その結果、たとえば、ユーザは予期した時間に遅れて目的地に到着する事態を回避することができる。
【0076】
さらに、本実施形態によれば、総所要時間と駐車関連時間の両方が提示されるため、ユーザは駐車関連時間がどの程度長いのかを容易に把握することができる。
【0077】
なお、駐車関連時間の提示について、提示部112は、駐車場に駐車するのに要する時間と、駐車場に駐車してから目的地または目的地に関連する地点まで移動するのに要する時間とをそれぞれ分けて提示してもよい。たとえば図11の画面では、「駐車」は駐車するのに要する時間を示し、「徒歩」は駐車場から目的地までの移動時間を示している。
【0078】
また、上記の説明では、目的地は空港であったが、これに限定されないことは言うまでも無い。目的地の他の例として、ショッピングモール、テーマパーク等の大型施設、比較的離れた場所に駐車場があるPOI等が挙げられる。
【0079】
また、上記の説明では、駐車場は目的地に付設された駐車場であったが、目的地に駐車場が付設されていない場合は、目的地に近い駐車場が探索されるようにしてもよい。
【0080】
また、上記の説明では、駐車場から目的地までの移動手段は、徒歩であったが、徒歩以外(たとえば空港内の巡回バス等)の移動手段であってもよい。また、駐車場から目的地までの移動手段は、複数の移動手段(たとえば、徒歩とバス)から構成されてもよい。
【0081】
なお、ユーザが駐車場を目的地に設定した場合、経路探索部212は、駐車場に関連するPOIを目的地として当該目的地までの経路を探索してもよい。この場合、出発地からPOIまでの移動経路が得られ、当該移動経路の総所要時間および駐車関連時間が提示される。また、この場合、出発地から駐車場までの総所要時間および駐車関連時間が提示されてもよい。移動経路の総所要時間は、出発地から駐車場までの移動時間としてもよいし、当該移動時間に駐車に要する時間を加えた時間としてもよい。
【0082】
また、ユーザが駐車場を目的地に設定した場合、経路探索部212は、出発地から当該駐車場までの経路を探索してもよい。この場合、出発地から駐車場までの移動経路が得られ、当該移動経路の総所要時間および駐車関連時間が提示される。この総所要時間として、出発地から駐車場までの移動時間を総所要時間としてもよいし、駐車に要する時間を加えた時間を総所要時間としてもよいし、あるいは、当該駐車場に関連するPOIまでの移動に要する時間を加算して総所要時間としてもよい。
【0083】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。本実施形態では、図12に示すように、情報処理システム1は、自宅から車で移動し、駐車代行業者に車を預けた後、徒歩で空港ターミナルに向かう移動経路を提示する。本実施形態において車移動区間の終端は、駐車代行業者に車を引き渡す地点(たとえば空港ターミナルの出入口付近)である。
【0084】
端末装置については第1の実施形態と同様であるので、詳しい説明は省略し、図13を参照してサーバ20Aの説明から始める。図13では、第1の実施形態と同様の構成要素には同じ符号を付している。
【0085】
第2の実施形態に係るサーバ20Aは、図13に示すように、制御部21Aと、通信部22と、記憶部23Aとを備えている。
【0086】
制御部21Aは、第1の実施形態で説明した情報取得部211、経路探索部212、時間予測部213および情報出力部214に加えて、混雑判断部215をさらに有する。この混雑判断部215は、端末装置10以外の外部システム(VICS等)から得た道路交通情報に基づいて移動経路の混雑具合を判断する。たとえば、混雑判断部215は、車移動区間における道路の渋滞が所定基準以上であるかどうかを判断する。そして、所定の判断基準以上であると判断された場合に駐車代行業者を検索する。
【0087】
記憶部23Aには、第1の実施形態で説明した経路ネットワークデータベース231、移動実績データベース232およびユーザデータベース233に加えて、駐車代行業者データベース234が記憶されている。この駐車代行業者データベース234は、駐車場に関する情報(識別情報、位置等)と、利用可能な駐車代行業者の情報(名称等の識別情報、車の引き渡し場所、利用料金、決済手段、予約の要否等)とを関連づけて格納している。
【0088】
次に、図14のフローチャートを参照して、第2の実施形態に係る情報処理システム1による処理の一例について説明する。図14は、第1の実施形態で説明した図5Aに続く処理フローを示している。
【0089】
経路探索部212が車移動区間を含む移動経路を探索するステップ(S22)までは第1の実施形態と同じなので、それ以降の処理内容について説明する。
【0090】
サーバ20Aの制御部21A(たとえば経路探索部212)は、駐車代行業者データベース234にアクセスして、図5AのステップS22で得られた移動経路の駐車場について利用可能な駐車代行業者があるかどうかを検索する(ステップS31)。利用可能な駐車代行業者が見つからない場合は(S31:No)、ステップS33に進み、第1の実施形態と同様の処理を行う。他方、利用可能な駐車代行業者が見つかった場合は(S31:Yes)、経路探索部212は、当該駐車代行業者を利用する場合の移動経路を生成する(ステップS32)。具体的には、ステップS22で得られた移動経路を修正し、当該駐車代行業者に車を引き渡す地点を車移動区間の終端とする移動経路を生成する。
【0091】
その後、サーバ20Aの時間予測部213は、ステップS22またはS32において経路探索部212により生成された移動経路について、移動実績データベース232に基づいて駐車関連時間を予測する(ステップS33)。たとえば、時間予測部213は、駐車代行業者を利用する移動経路が生成された場合、駐車代行業者に車を引き渡す地点から目的地までの移動時間を予測して駐車関連時間とする。時間予測部213は、車の引き渡しに要する時間を駐車関連時間に含めてもよい。他方、駐車代行業者を利用しない移動経路に対しては、時間予測部213は、第1の実施形態と同様にして駐車関連時間を予測する。
【0092】
その後、サーバ20A(情報出力部214)は、駐車関連時間を含む移動経路情報を端末装置10に送信する。駐車代行サービスを利用する移動経路が生成された場合、移動経路情報には、当該サービスを利用した場合の移動時間、料金、駐車代行業者の広告等の駐車代行情報を含まれてもよい。
【0093】
その後、端末装置10は、サーバ20Aから受信した移動経路情報を表示する(ステップS34)。この後は第1の実施形態の場合と同様であり、ユーザが「音声案内開始」ボタンB2をタップすると、選択された経路のナビゲーションが開始される。
【0094】
ステップS34において端末装置10の提示部112は、移動経路情報を含む画面を出力部15に表示させる。図15は、端末装置10に表示された経路探索結果表示画面のうち、複数の候補経路の詳細情報部分を示している。駐車代行サービスを利用しない候補経路(高速、無料、距離)に加えて、駐車代行サービスを利用する候補経路(駐車代行)が比較可能に提示されている。駐車代行の候補経路には、高速利用料金(710円)に駐車代行サービスの利用料金(2000円)を加えた金額(2710円)が表示されている。駐車代行サービスを利用するため、駐車関連時間は他の候補経路に比べて短くなっている。また、駐車代行の候補経路についても、車移動時間と駐車関連時間の合計時間(総所要時間)も表示されている。
【0095】
なお、駐車代行サービスを利用した場合の総所要時間および/または駐車関連時間は、駐車代行サービスを利用しない場合との差分値として提示されてもよい。
【0096】
このように提示部112は、駐車代行サービスを利用可能な場合、駐車代行サービスに関する駐車代行情報(ここでは利用料金)を提示する。本実施形態では、図15に示すように、提示部112は、駐車代行サービスを利用する場合(駐車代行)と利用しない場合(高速、無料、距離)とを比較可能に提示するため、ユーザは駐車代行サービスを利用するメリットを容易に把握することができる。
【0097】
なお、図16に示すように、提示部112は、駐車代行情報として、駐車代行サービスの利用料金を高速料金等の移動料金と分けて提示してもよい。また、提示部112は、ユーザデータベース233を参照して、ユーザ登録情報を考慮した駐車代行サービスの利用料金を提示してもよい。たとえば、提示部112は、ユーザが所有しているクレジットカードによる割引料金を提示してもよい。
【0098】
また、駐車代行情報は、駐車代行サービスを利用した場合の移動経路情報(駐車代行業者への引き渡し場所までの経路など)を含んでもよい。また、駐車代行情報は、駐車代行業者の名称、利用料金、予約の要否および決済手段、電話番号等の連絡先のうち少なくともいずれか一つに関する情報を含んでもよい。
【0099】
なお、提示部112は、駐車代行サービスの広告を提示してもよい。たとえば、図17に示すように、駐車代行サービスを利用する候補経路の詳細移動経路に関連づけて駐車代行業者の広告AD(カーポーターへ予約する)を表示してもよい。この広告ADがタップされると、駐車代行サービスの予約画面に遷移したり、広告の駐車代行業者に電話がかかり、予約を行うことができる。
【0100】
なお、駐車代行サービスの提示は、必要に応じて行うようにしてもよい。たとえば、提示部112は、経路案内前に、移動経路の交通情報(道路の渋滞、電車の遅延等に関する情報)に基づいて駐車代行サービスの案内情報を提示してもよい。この場合、サーバ20Aでは、ステップS31(駐車代行業者の検索)を行う前に、混雑判断部215が、ステップS22で探索された移動経路に係る交通情報に基づいて、ステップS31を実行するかどうかを判断する。たとえば、混雑判断部215が車移動区間の渋滞が所定基準以上であるかどうかを判断し、所定基準以上であると判断された場合に経路探索部212はステップS31およびS32を実行する。
【0101】
また、提示部112は、駐車場への経路案内中に、道路の渋滞情報および/または前記駐車場の満空情報に基づいて駐車代行サービスの案内情報を提示してもよい。たとえば、車移動区間のナビゲーションが行われている間、サーバ20Aの制御部21Aは道路の渋滞情報および/または前記駐車場の満空情報を随時確認し、所定の条件(渋滞が発生しており且つ駐車場に空きがある等)を満たした場合に駐車代行業者の検索を行い、検索された駐車代行業者に関する情報を端末装置10に送信してもよい。
【0102】
経路案内中の駐車代行サービスに係る案内情報の提示は、ユーザ(ドライバー)とのやりとりを経て行われてもよい。たとえば、図18に示すように、端末装置10は、「目的地付近の混雑が予想されています。駐車代行を利用しますか?」との音声出力を行う。ユーザ(利用者)が「はい」と返事した場合に、端末装置10は、「分かりました。○○社にこのまま電話をお繋ぎします。」との音声出力を行い、駐車代行業者に連絡する。これにより、経路案内中に、車移動区間の渋滞や駐車場の空き状況を考慮し、到着時刻が予想よりも所定の時間以上遅れると予測される場合に駐車代行サービスを提案することができる。ユーザは提案された駐車代行サービスを利用することで、遅れを挽回することが可能になる。
【0103】
以上説明したように、第2の実施形態では、車移動区間を含む移動経路を探索し、その結果得られた移動経路の総所要時間とともに、車移動区間の終端(駐車代行業者への車の引渡地点)から目的地に移動するのに要する駐車関連時間がユーザに提示される。このように、本実施形態によれば、駐車代行業者への車の引渡地点から目的地までの移動を考慮した時間情報がユーザに提供される。その結果、たとえば、ユーザは予期した時間に遅れて目的地に到着する事態を回避することができる。
【0104】
さらに、本実施形態によれば、ユーザは、駐車代行サービスが利用可能であること、および、駐車代行サービスを利用した場合の時間的メリットを容易に把握することができる。
【0105】
なお、上記の説明では、駐車関連時間を削減するために駐車代行サービスをユーザに提示したが、これに限られない。自動バレーパーキングが利用可能な場合、自動バレーパーキングに応じた移動経路をユーザに提示してもよい。たとえば、車および駐車場の少なくともいずれか一方が自動バレーパーキングに対応している場合、経路探索部212が自動バレーパーキングを利用する移動経路を探索し、提示部112は当該移動経路を提示してもよい。たとえば、サーバ20Aはユーザデータベース233の登録情報(車種情報など)から自動バレーパーキングに対応している車かどうかを判定し、対応している場合は自動バレーパーキングのための所定の降車位置で降車する移動経路を探索し、その結果を受信した端末装置10が当該移動経路を提示する。
【0106】
なお、自動バレーパーキングを利用する移動経路は、経路探索時に提示されてもよいし、経路案内中にユーザに提案されてもよい。後者の場合、たとえば、図19に示すように、端末装置10は、「目的地で自動バレーパーキングが利用できます。利用しますか?」との音声出力を行う。ユーザが「はい。」と返事した場合に、端末装置10は、「分かりました。それでは、自動バレーパーキングの降車位置を目的地に設定します。」との音声出力を行い、自動バレーパーキングの降車位置を目的地に設定し、サーバ20Aに経路探索要求を行い、その後、サーバ20Aから受信した移動経路を表示する。また、自動バレーパーキングが利用できる旨をユーザに音声出力させる際に、自動バレーパーキングを利用することで短縮できる時間を合わせて出力してもよい(例えば、「自動バレーパーキングを利用すると、移動時間は〇分間短縮されます」)。
【0107】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。本実施形態は、パークアンドライドの場合の実施形態である。すなわち、図20に示すように、情報処理システム1は、自宅等の出発地から車で移動し、駅近くの駐車場に駐車した後、徒歩で駅に移動し、電車で目的地に向かう移動経路を提示する。
【0108】
本実施形態に係る端末装置およびサーバについては第1の実施形態と同様であるので、詳しい説明は省略する。
【0109】
図21のフローチャートを参照して、第3の実施形態に係る情報処理システム1による処理の一例について説明する。
【0110】
端末装置10の受付部111は、出発地および目的地を受け付ける(ステップS41)。たとえば、ユーザは、図22に示す端末装置10の画面において、入力フィールドF2に出発地および目的地を入力する。受付部111は、フィールドF2に入力された出発地および目的地を受け付ける。なお、本ステップS41において、時刻条件(出発時刻、到着時刻、始発、終電等)や詳細条件(移動手段の指定等)を経路探索条件として受け付けてもよい。
【0111】
その後、図22の画面において「検索」ボタンB4がタップされると(ステップS42:Yes)、端末装置10は、受け付けた経路探索条件とともに経路探索要求をサーバ20に送信する。
【0112】
次に、サーバ20の経路探索部212は、端末装置10から受信した経路探索条件に基づいて、車移動区間を含む移動経路の探索を行う(ステップS51)。本ステップでは、経路探索部212は、駅および当該駅に近い駐車場を経由地とする移動経路を探索する。なお、経路探索条件に時刻条件が含まれない場合、経路探索部212は、現在時刻を出発時刻として経路探索を行う。
【0113】
次に、サーバ20の時間予測部213は、経路探索部212により探索された駐車場から駅(目的地に関連する地点)までの経路について、移動実績データベース232に基づいて駐車関連時間を予測する(ステップS52)。その後、サーバ20(情報出力部214)は、駐車関連時間を含む移動経路情報を端末装置10に送信する。
【0114】
次に、端末装置10は、サーバ20から受信した移動経路情報を表示する(ステップS43)。具体的には、端末装置10の提示部112は、移動経路情報を含む画面を出力部15に表示させる。図23に示すように、端末装置10の提示部112は、複数の候補経路Ra,Rb,Rc,Rdを提示する。この例では、候補経路Ra,Rcは車移動区間を含んでおり、総所要時間と駐車関連時間が提示されている。すなわち、候補経路Raの場合、総所要時間は53分、駐車関連時間は5分である。候補経路Ra,Rcは車移動区間に加えて、電車で移動する電車移動区間を含んでいる。
【0115】
以上説明したように、第3の実施形態では、車移動区間と、車以外の移動体による移動区間とを含む移動経路を探索し、その結果得られた移動経路の総所要時間とともに、車移動区間の終端(駐車場)から目的地に関連する地点(駅)に移動するのに要する駐車関連時間がユーザに提示される。このように、本実施形態によれば、車移動区間の終端から目的地に関連する地点までの移動を考慮した時間情報がユーザに提供される。その結果、たとえば、ユーザは予期した時間に遅れて目的地に関連する地点に到着する事態を回避することができる。
【0116】
さらに、本実施形態によれば、ユーザは、車移動区間を含む候補経路(図23の経路Ra,Rc)と車移動区間を含まない候補経路(図23の経路Rb,Rd)との比較を容易に行うことができる。
【0117】
なお、上記の説明では、駐車場に駐車する移動経路が提示されたが、第2の実施形態で説明したように駐車代行サービスまたは自動バレーパーキングを利用した移動経路が提示されてもよい。
【0118】
また、駐車代行サービスが利用できることを通知する際などにおいて、サーバ20Aは、ユーザが乗車する車両情報に基づいて、駐車代行業者に車両のキーを渡さなくとも駐車代行業者が駐車代行サービスに対応可能であることが分かる場合には、その旨をユーザに通知してもよい。そして、ユーザが駐車代行サービスの利用を選択した場合、サーバ20Aは、例えば、駐車代行業者に対し、一時的にスマートキーの代わりになるキーデータを送信する。これにより、駐車代行業者は、自身が所有する携帯端末を用いて、車両のドアの開閉やエンジンのON/OFF等の制御を行って駐車代行サービスを提供する。なお、サーバ20Aは、駐車代行業者による一連の制御に関する情報(制御内容、制御時刻等)をユーザに通知してもよい。
【0119】
また、車移動区間後の移動区間は、電車による移動区間に限らず、他の移動体(バス、船、飛行機、自転車等)による移動区間であってもよい。
【0120】
また、車以外の移動手段による移動区間が車移動区間の前にあってもよい。
【0121】
以上、本発明に係る実施形態について説明した。上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
【0122】
なお、図4(サーバ20)や図13(サーバ20A)に示すサーバの構成は一例であり、サーバ20,20A内の構成要件の少なくとも一部がそれぞれ端末装置10内にあってもよい。例えば、サーバ20内の制御部21および記憶部23を端末装置10内に設けて、通信をすることなく端末装置10のみで経路探索可能な情報処理装置を構成してもよい。
【0123】
また、上述した実施形態で説明した情報処理システムの少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ソフトウェアで構成する場合には、情報処理システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD-ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
【0124】
また、情報処理システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
【0125】
さらに、一つまたは複数の情報処理装置によって情報処理システムを機能させてもよい。複数の情報処理装置を用いる場合、情報処理装置のうちの1つをコンピュータとし、当該コンピュータが所定のプログラムを実行することにより情報処理システムの少なくとも1つの手段として機能が実現されてもよい。
【符号の説明】
【0126】
1 情報処理システム
10 端末装置
11 制御部
111 受付部
112 提示部
12 通信部
13 記憶部
14 操作入力部
15 出力部
16 測位部
20,20A サーバ
21 制御部
211 情報取得部
212 経路探索部
213 時間予測部
214 情報出力部
215 混雑判断部
22 通信部
23 記憶部
231 経路ネットワークデータベース
232 移動実績データベース
233 ユーザデータベース
234 駐車代行業者データベース
30 ネットワーク
AD 広告
B1,B2,B3,B4 ボタン
C 車
F1,F2 入力フィールド
R1,R2,R3 候補経路
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23