(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022085388
(43)【公開日】2022-06-08
(54)【発明の名称】容器保持具及び包装製品
(51)【国際特許分類】
B65D 67/02 20060101AFI20220601BHJP
【FI】
B65D67/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020197044
(22)【出願日】2020-11-27
(71)【出願人】
【識別番号】000253503
【氏名又は名称】キリンホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132207
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 昌孝
(72)【発明者】
【氏名】永谷 明子
(72)【発明者】
【氏名】▲吉▼高 一輝
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AA21
3E067AB26
3E067AC04
3E067AC11
3E067BA20A
3E067BB01A
3E067BC04A
3E067EA01
3E067EA18
3E067EC05
3E067FA01
3E067FC06
(57)【要約】
【課題】複数の容器をまとめて保持し、各容器の脱落を抑制可能な容器保持具を提供する。
【解決手段】容器保持具は、第1底面板と、第1底面板に第1折り線を介して連接されている第1側面部と、第2折り線を介して第1側面部に連接されている第1上面板と、第3折り線を介して第1底面板に連接される第2側面部と、第4折り線を介して第2側面部に連接されている第2底面板とを備え、第1及び第2底面板には、それぞれ第1及び第2保持孔が1列でn個(nは2以上の整数)並ぶようにして形成されており、第2底面板を第1底面板に折り重ねたときに、第1及び第2保持孔は、互いに重なるように形成されており、第1及び第2保持孔の周縁には、それぞれ第1及び第2係止部が設けられており、第1及び第2保持孔に容器の上部が挿入されたときに、第2係止部の少なくとも一部が第1係止部に重なるように第2保持孔の周縁に設けられている。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1列で並ぶn個(nは2以上の整数)の容器の上部近傍を保持するための容器保持具であって、
第1底面板と、
前記第1底面板に第1折り線を介して連接されている第1側面部と、
前記第1側面部を間に挟むように前記第1折り線に対向する第2折り線を介して前記第1側面部に連接されている第1上面板と、
前記第1底面板を間に挟むように前記第1折り線に対向する第3折り線を介して前記第1底面板に連接される第2側面部と、
前記第2側面部を間に挟むように前記第3折り線に対向する第4折り線を介して前記第2側面部に連接されている第2底面板とを備え、
前記第1底面板には、前記各容器を保持するための第1保持孔が1列でn個並ぶようにして形成されており、
前記第2底面板には、前記各容器を保持するための第2保持孔が1列でn個並ぶようにして形成されており、
前記第2側面部の前記第3折り線及び前記第4折り線の間には、前記第2側面部を2つに折り重ねることが可能な第5折り線が設けられており、
前記第5折り線に沿って前記第2側面部を2つに折り重ね、前記第4折り線に沿って前記第2底面板を前記第1底面板に折り重ねたときに、前記各第1保持孔及び前記各第2保持孔は、互いに重なるように前記第1底面板及び前記第2底面板に形成されており、
前記第1保持孔の周縁には、前記第1保持孔に挿入される前記容器の上部近傍を係止可能な複数の第1係止部が設けられており、
前記第2保持孔の周縁には、第2係止部が設けられており、
相互に重なる前記第1保持孔及び前記第2保持孔に前記容器の上部が挿入されたときに、前記第2係止部は、前記第2係止部の少なくとも一部が前記第1係止部に重なるように前記第2保持孔の周縁に設けられていることを特徴とする容器保持具。
【請求項2】
前記第2保持孔の周縁には、複数の前記第2係止部が設けられており、
相互に重なる前記第1保持孔及び前記第2保持孔に前記容器の上部が挿入されたときに、前記各第2係止部は、隣接する2つの前記第1係止部の間に位置するように前記第2保持孔の周縁に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の容器保持具。
【請求項3】
相互に重なる前記第1保持孔及び前記第2保持孔に前記容器の上部が挿入されたときに、前記第1係止部及び前記第2係止部のそれぞれは、前記第1係止部の先端部と前記第2係止部の先端部とが前記容器の上部近傍に当接するように、前記第1保持孔の周縁及び前記第2保持孔の周縁のそれぞれに設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の容器保持具。
【請求項4】
相互に重なる前記第1保持孔及び前記第2保持孔に前記容器の上部が挿入されたときに、前記第1係止部は、前記第1係止部の先端部が前記容器の上部近傍に当接するように前記第1保持孔の周縁に設けられ、前記第2係止部は、前記第2係止部の先端部が前記容器の上部近傍に当接しないように前記第2保持孔の周縁に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の容器保持具。
【請求項5】
前記第1係止部は、前記第1保持孔の周縁に沿って位置する第1基部を有し、
前記第2係止部は、前記第2保持孔の周縁に沿って位置する第2基部を有し、
相互に重なる前記第1保持孔及び前記第2保持孔に前記容器の上部が挿入され、前記第1係止部が前記第1基部に沿って折れ曲がり、前記第2係止部が前記第2基部に沿って折れ曲がったときに、前記第1係止部の外郭線と前記第2係止部の外郭線との交点が、前記第1係止部の前記第1基部及び先端部の長さの中間点よりも当該先端部側に位置することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の容器保持具。
【請求項6】
前記第2保持孔の周縁には、複数の前記第2係止部が設けられており、
相互に重なる前記第1保持孔及び前記第2保持孔に前記容器の上部が挿入されたときに、前記各第2係止部は、前記各第1係止部に重なるように前記第2保持孔の周縁に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の容器保持具。
【請求項7】
前記各第1保持孔の周縁に、前記第1保持孔の径方向に拡がる第1窓孔部が設けられ、
前記各第2保持孔の周縁に、前記第2保持孔の径方向に拡がる第2窓孔部が設けられ、
前記第5折り線に沿って前記第2側面部を2つに折り重ね、前記第4折り線に沿って前記第2底面板を前記第1底面板に折り重ねたときに、前記第1窓孔部及び前記第2窓孔部は、互いに重なるように前記第1保持孔の周縁及び前記第2保持孔の周縁に設けられていることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の容器保持具。
【請求項8】
前記第2窓孔部の幅が、前記第1窓孔部の幅よりも大きいことを特徴とする請求項7に記載の容器保持具。
【請求項9】
前記第1窓孔部は、前記第1折り線又は前記第3折り線を跨ぐように設けられていることを特徴とする請求項7又は8に記載の容器保持具。
【請求項10】
前記第2底面板を間に挟むように前記第4折り線に対向する第6折り線を介して前記第2底面板に連接される第3側面部と、前記第3側面部を間に挟むように前記第6折り線に対向する第7折り線を介して前記第3側面部に連接される第2上面板とをさらに備え、
前記第1底面板及び前記第2底面板を折り重ね、前記第1側面部及び前記第3側面部を折り重ね、前記第2側面部を2つに折り重ね、前記第1上面板及び前記第2上面板を折り重ねたときに、前記第2上面板における前記第7折り線に対向する端部が、前記第2側面部に当接することを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載の容器保持具。
【請求項11】
前記第1上面板の間を挟むように、前記第2折り線に対向する第8折り線をさらに有し、
前記第1上面板の前記第2折り線から前記第8折り線までの長さは、前記第1底面部の前記第3折り線から前記第1折り線までの長さよりも長いことを特徴とする請求項1~10のいずれかに記載の容器保持具。
【請求項12】
前記上面板に連接される広告部をさらに備えることを特徴とする請求項1~11のいずれかに記載の容器保持具。
【請求項13】
前記容器が、口部、当該口部に連続する首部、当該首部に連続し、前記容器の軸方向下方に向かう従って漸次拡径する肩部、当該肩部に連続する胴部、及び当該胴部に連続する底部を備えるボトル缶又はプラスチックボトルであり、
前記第1係止部は、前記容器の前記首部近傍を係止することを特徴とする請求項1~12のいずれかに記載の容器保持具。
【請求項14】
請求項1~13のいずれかに記載の容器保持具に複数の前記容器が保持されていることを特徴とする包装製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器保持具及び包装製品に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料が充填された複数の容器を一列又は複数列で整列させて置いた容器群の上面(天面)及び側面、並びに下面(底面)を包み込むようにして包装することのできる紙製のマルチパック包装箱が使用されている。このようなマルチパック包装箱を使用することにより、複数個の缶ビールや缶ジュース等を1個の包装体にまとめて一度に容易に持ち運ぶことができるようになり、さらに、纏め売りの効果も相俟って、当該マルチパック用包装箱の使用が近年急速に拡大しつつある。
【0003】
マルチパック包装箱は、1枚の板紙に切り込みを入れ、折り曲げることで形成され、一般には、容器群の上面を覆う天板、当該天板の対向する両端に連接され容器群の側面を覆う側板、当該側板に連接され容器群の底面を覆う底板を備え、側板が存在しない両端において、容器群を構成する一部の容器の側面が視認可能な開口部が形成されている。
【0004】
一方で、容器群を包装する包装材の製造コストの低減及び省資源化等を目的として、飲料が充填された複数の容器を一列又は複数列で整列させて置いた容器群の上面のみを保持することのできる紙製の容器保持具が提案されている。
【0005】
このような紙製の容器保持具として、例えば、下部支持パネルと、下部支持パネルの上側に重なる上部支持パネルと、上部支持パネルに第1折り線により連結した側部パネルと、上部支持パネルに第2折り線により連結した端部パネルと、隣接する前記の側部パネル及び端部パネルに各折り線により連結したひだ板パネルとを備え、下部支持パネル及び上部支持パネルには、容器の上部が挿入され得る複数の保持孔が形成され、各保持孔の外周には、容器の上部を係止可能な複数の支持タブが形成されているものが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示されている容器保持具においては、容器の上部のみが保持され、底部が保持されていない。このような容器保持具に容器を保持させ、鉛直方向に持ち上げると、容器の重量により、各保持孔の支持タブには下方の力がかかることになる。この容器保持具を持ち上げて運搬する際に、例えば、一般的な取扱いで多く見られる前後方向に揺動されると、遠心力で容器の下部が外側に広がり、支持タブから容器の上部から外れやすくなり、容器が容器保持具から脱落するおそれがある。特に各容器に結露が生じている場合には、容器が容器保持具からより脱落しやすくなるおそれがある。
【0008】
上記課題に鑑みて、本発明は、複数の容器をまとめて保持し、各容器の脱落を抑制可能な容器保持具及び包装製品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、1列で並ぶn個(nは2以上の整数)の容器の上部近傍を保持するための容器保持具であって、第1底面板と、前記第1底面板に第1折り線を介して連接されている第1側面部と、前記第1側面部を間に挟むように前記第1折り線に対向する第2折り線を介して前記第1側面部に連接されている第1上面板と、前記第1底面板を間に挟むように前記第1折り線に対向する第3折り線を介して前記第1底面板に連接される第2側面部と、前記第2側面部を間に挟むように前記第3折り線に対向する第4折り線を介して前記第2側面部に連接されている第2底面板とを備え、前記第1底面板には、前記各容器を保持するための第1保持孔が1列でn個並ぶようにして形成されており、前記第2底面板には、前記各容器を保持するための第2保持孔が1列でn個並ぶように形成されており、前記第2側面部の前記第3折り線及び前記第4折り線の間には、前記第2側面部を2つに折り重ねることが可能な第5折り線が設けられており、前記第5折り線に沿って前記第2側面部を2つに折り重ね、前記第4折り線に沿って前記第2底面板を前記第1底面板に折り重ねたときに、前記各第1保持孔及び前記各第2保持孔は、互いに重なるように前記第1底面板及び前記第2底面板に形成されており、前記第1保持孔の周縁には、前記第1保持孔に挿入される前記容器の上部近傍を係止可能な複数の第1係止部が設けられており、前記第2保持孔の周縁には、第2係止部が設けられており、相互に重なる前記第1保持孔及び前記第2保持孔に前記容器の上部が挿入されたときに、前記第2係止部は、前記第2係止部の少なくとも一部が前記第1係止部に重なるように前記第2保持孔の周縁に設けられていることを特徴とする容器保持具を提供する。
【0010】
前記第2保持孔の周縁には、複数の前記第2係止部が設けられており、相互に重なる前記第1保持孔及び前記第2保持孔に前記容器の上部が挿入されたときに、前記各第2係止部は、隣接する2つの前記第1係止部の間に位置するように前記第2保持孔の周縁に設けられていてもよく、相互に重なる前記第1保持孔及び前記第2保持孔に前記容器の上部が挿入されたときに、前記第1係止部及び前記第2係止部のそれぞれは、前記第1係止部の先端部と前記第2係止部の先端部とが前記容器の上部近傍に当接するように、前記第1保持孔の周縁及び前記第2保持孔の周縁のそれぞれに設けられていてもよく、相互に重なる前記第1保持孔及び前記第2保持孔に前記容器の上部が挿入されたときに、前記第1係止部は、前記第1係止部の先端部が前記容器の上部近傍に当接するように前記第1保持孔の周縁に設けられ、前記第2係止部は、前記第2係止部の先端部が前記容器の上部近傍に当接しないように前記第2保持孔の周縁に設けられていてもよい。
【0011】
前記第1係止部は、前記第1保持孔の周縁に沿って位置する第1基部を有し、前記第2係止部は、前記第2保持孔の周縁に沿って位置する第2基部を有し、相互に重なる前記第1保持孔及び前記第2保持孔に前記容器の上部が挿入され、前記第1係止部が前記第1基部に沿って折れ曲がり、前記第2係止部が前記第2基部に沿って折れ曲がったときに、前記第1係止部の外郭線と前記第2係止部の外郭線との交点が、前記第1係止部の前記第1基部及び先端部の長さの中間点よりも当該先端部側に位置していてもよく、前記第2保持孔の周縁には、複数の前記第2係止部が設けられており、相互に重なる前記第1保持孔及び前記第2保持孔に前記容器の上部が挿入されたときに、前記各第2係止部は、前記各第1係止部に重なるように前記第2保持孔の周縁に設けられていてもよい。
【0012】
前記各第1保持孔の周縁に、前記第1保持孔の径方向に拡がる第1窓孔部が設けられ、前記各第2保持孔の周縁に、前記第2保持孔の径方向に拡がる第2窓孔部が設けられ、前記第5折り線に沿って前記第2側面部を2つに折り重ね、前記第4折り線に沿って前記第2底面板を前記第1底面板に折り重ねたときに、前記第1窓孔部及び前記第2窓孔部は、互いに重なるように前記第1保持孔の周縁及び前記第2保持孔の周縁に設けられていてもよく、前記第2窓孔部の幅が、前記第1窓孔部の幅よりも大きくてもよく、前記第1窓孔部は、前記第1折り線又は前記第3折り線を跨ぐように設けられていてもよい。
【0013】
前記第2底面板を間に挟むように前記第4折り線に対向する第6折り線を介して前記第2底面板に連接される第3側面部と、前記第3側面部を間に挟むように前記第6折り線に対向する第7折り線を介して前記第3側面部に連接される第2上面板とをさらに備え、前記第1底面板及び前記第2底面板を折り重ね、前記第1側面部及び前記第3側面部を折り重ね、前記第2側面部を2つに折り重ね、前記第1上面板及び前記第2上面板を折り重ねたときに、前記第2上面板における前記第7折り線に対向する端部が、前記第2側面部に当接してもよく、前記第1上面板の間を挟むように、前記第2折り線に対向する第8折り線をさらに有し、前記第1上面板の前記第2折り線から前記第8折り線までの長さは、前記第1底面部の前記第3折り線から前記第1折り線までの長さよりも長くてもよく、前記上面板に連接される広告部をさらに備えていてもよく、前記容器が、口部、当該口部に連続する首部、当該首部に連続し、前記容器の軸方向下方に向かう従って漸次拡径する肩部、当該肩部に連続する胴部、及び当該胴部に連続する底部を備えるボトル缶又はプラスチックボトルであり、前記第1係止部は、前記容器の前記首部近傍を係止してもよい。
【0014】
また、本発明は、上記容器保持具に前記容器が保持されていることを特徴とする包装製品を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、複数の容器をまとめて保持し、各容器の脱落を抑制可能な容器保持具及び包装製品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1A】
図1Aは、本発明の一実施形態に係る容器保持具の概略構成を示す展開図である。
【
図1B】
図1Bは、本発明の一実施形態に係る容器保持具の第1保持孔の概略構成を示す平面図である。
【
図1C】
図1Cは、本発明の一実施形態に係る容器保持具の第2保持孔の概略構成を示す平面図である。
【
図1D】
図1Dは、本発明の一実施形態に係る容器保持具において、第1底面板及び第2底面板を折り重ねて第1保持孔及び第2保持孔が重なった状態の概略構成を示す部分拡大平面図である。
【
図2】
図2は、
図1Aに示す容器保持具を組み立て、容器を保持した状態の概略構成を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態に係る容器保持具の作用効果を説明するためのものであって、容器のキャップ、並びに第1係止部及び第2係止部を示す平面図である。
【
図4A】
図4Aは、本発明の一実施形態における、容器を保持している第1係止部及び第2係止部の概略構成を示す部分拡大側面図である。
【
図4B】
図4Bは、
図4Aに示す第1係止部及び第2係止部の概略構成を示す部分拡大側面図である。
【
図5A】
図5Aは、本発明の一実施形態における、容器を保持している第1係止部及び第2係止部の他の態様の概略構成を示す部分拡大側面図である。
【
図5B】
図5Bは、
図5Aに示す第1係止部及び第2係止部の概略構成を示す部分拡大側面図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態における、容器を保持している第1係止部及び第2係止部の他の態様の概略構成を示す部分拡大側面図である。
【
図7】
図7は、本発明の一実施形態に係る容器保持具を側面部側から見た状態の概略構成を示す部分拡大側面図である。
【
図8】
図8は、本発明の一実施形態に係る容器保持具を開口端側から見た状態の概略構成を示す部分拡大側面図である。
【
図9】
図9は、本発明の一実施形態に係る容器保持具にて容器を保持した包装製品を2段以上に積み上げた状態の概略構成を示す部分拡大側面図である。
【
図10】
図10は、本発明の一実施形態に係る容器保持具の他の態様の概略構成を示す展開図である。
【
図11】
図11は、
図10に示す容器保持具を組み立て、容器を保持した状態の概略構成を示す斜視図である。
【
図12】
図12は、本発明の一実施形態に係る容器保持具に保持される容器の概略構成を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施形態に係る容器保持具について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態においては、1列で並ぶ3個の容器の上面近傍を保持することのできる容器保持具を例に挙げて説明するが、このような態様に限定されるものではなく、例えば、1列で並ぶ2個の容器を保持可能なもの、1列で並ぶ4個の容器を保持可能なもの等、1列で並ぶn個(nは2以上の整数)の容器を保持可能なものであってもよい。
【0018】
本実施形態において保持される容器として、飲料が充填されたボトル缶である。例えば、
図12に示すように、容器60は、口部61、当該口部61に連続し、容器60の軸方向に沿って略同径の首部62、当該首部62に連続し、容器60の軸方向下方に向かうに従って漸次拡径する肩部63、当該肩部63に連続する胴部64、及び当該胴部64に連続する底部65を備える。また、容器60の口部61には、キャップ66が取り付けられており、キャップ66の下端(容器60の底部65側に位置する端部)と首部62との境界に段差が設けられる。なお、本実施形態において、容器60としてボトル缶を例に挙げて説明するが、このような態様に限定されるものではなく、当該容器60は、飲料が充填された、ポリエチレンテレフタラート(PET)等を材料とするプラスチックボトル等であってもよい。
【0019】
さらに、本実施形態において保持される容器に充填され得る飲料としては、例えば、ミネラルウォーター、茶飲料(例えば、緑茶、紅茶、ウーロン茶、ブレンド茶等)、醸造酒(例えば、ビールや発泡酒などの穀類分解物含有発泡性飲料、日本酒、ワインやシードル等の果実酒等)、蒸留酒(例えば、ウイスキー、焼酎、ブランデー等)、混成酒(例えば、梅酒、リキュール類等)、野菜飲料(例えば、トマトジュース、にんじんジュース、トマトミックスジュース、にんじんミックスジュース等)、果実飲料(例えば、リンゴジュース、オレンジジュース、果汁入り飲料等)、果実・野菜ミックスジュース、コーヒー飲料、穀物乳(例えば、豆乳、ライスミルク、ココナッツミルク、アーモンドミルク等)、酢飲料(例えば、果実酢飲料等)、ノンアルコールビールテイスト飲料等が挙げられる。
【0020】
図1Aは、本実施形態に係る容器保持具の概略構成を示す展開図であり、
図2は、
図1Aに示す容器保持具を組み立て、容器を保持した状態の概略構成を示す斜視図である。
【0021】
図1A及び
図2に示すように、本実施形態に係る容器保持具1は、第1底面板11及び第2底面板12と、第1上面板21及び第2上面板22と、第1側面部31、第2側面部32、第3側面部33及び第4側面部34とを備える。第1側面部31は、当該第1底面板11に第1折り線41を介して連接されている。第1上面板21は、第2折り線42を介して第1側面部31に連接されている。第2折り線42は、第1側面部31を間に挟むように第1折り線41に対向している。第2側面部32は、第3折り線43を介して第1底面板11に連接されている。第3折り線43は、第1底面板11を間に挟むように第1折り線41に対向している。第2底面板12は、第4折り線44を介して第2側面部32に連接されている。第4折り線44は、第2側面部32を間に挟むように第3折り線43に対向している。第3側面部33は、第6折り線46を介して第2底面板12に連接されている。第6折り線46は、第2底面板12を間に挟むように第4折り線44に対向している。第2上面板22は、第7折り線47を介して第3側面部33に連接されている。第7折り線47は、第3側面部33を間に挟むように第6折り線46に対向している。第4側面部34は、第8折り線48を介して第1上面板21に連接されている。第8折り線48は、第1上面板21を間に挟むように第2折り線42に対向している。第2側面部32の第3折り線43及び第4折り線44の間には、第2側面部32を2つに折り重ねることが可能な第5折り線45が設けられている。
【0022】
第4側面部34の端縁部には、2つの係止爪6が連接されており、第3折り線43及び第4折り線44に重なるように、2つの係止爪6のそれぞれを挿入可能な2つの係止孔71及び2つの切込線72が形成されている。後述するようにして
図1Aに示す容器保持具1を組み立て、各係止爪6を各係止孔71から挿入し、切込線72に挿通することで、第1上面板21及び第2上面板22と第1底面板11及び第2底面板12とを係合することができる。
【0023】
第1底面板11には、1列で並ぶ3個の容器60を保持するための3個の第1保持孔111が1列で3個並ぶように形成されている。第1保持孔111の直径は、当該第1保持孔111に挿入される容器60の口部61に取り付けられているキャップ66の最大外径以上であればよく、当該最大外径よりわずかに大きい程度であるのが好ましい。具体的には、第1保持孔111の直径は、キャップ66の最大外径~最大外径+5mm程度であればよい。第1保持孔111に容器60の上部を挿入することで、第1保持孔111の周縁に設けられている複数の第1係止部112が、第1係止部112の先端部113をキャップ66側に向けるようにして、第1保持孔111の周縁に沿って位置する第1基部114から折れ曲がる。第1保持孔111の直径が、キャップ66の最大外径よりわずかに大きい程度(例えば当該最大外径+5mm以下程度)であれば、第1保持孔111に容器60の上部を挿入したときに、第1保持孔111の周縁(第1係止部112の第1基部114)を容器60の首部62に位置させることができ、折れ曲がった第1係止部112を首部62に面接触させて先端部113をキャップ66と首部62との境界に位置する段差に当接させることができる。このような状態で容器保持具1に各容器60が保持されていれば、容器保持具1を持ち上げたときに、すべての第1係止部112をキャップ66と首部62との境界に位置する段差に確実に当接・係止させることができるため、容器60の脱落を抑制することができる。一方で、第1保持孔111の直径が、キャップ66の最大外径よりもはるかに大きいと、第1保持孔111に容器60の上部を挿入したときに、第1保持孔111の周縁(第1係止部112の第1基部114)が容器60の肩部63に位置してしまい、第1係止部112の先端部113は上記段差に当接しない。この状態の容器保持具1を持ち上げたときに、少なくとも一部の第1係止部112が容器60のキャップ66と首部62との境界に位置する段差に当接・係止しないことや、当接した後に当該段差から外れることがあるため、容器60の脱落が生じるおそれがある。
【0024】
第2底面板12には、1列で並ぶ3個の容器60を保持するための3個の第2保持孔121が1列で3個並ぶように形成されている。第2保持孔121の直径は、第2保持孔121に挿入される容器60の胴部64の外径よりも小さく、かつ第1保持孔111の直径よりも1~10%程度大きければよい。好ましくは、第2保持孔121の直径は、第1保持孔111の直径よりも3~8%程度大きければよい。後述するように、第1保持孔111及び第2保持孔121には、それぞれの周縁に複数の第1係止部112及び第2係止部122が形成されている。複数の第1係止部112は、各第1基部114を第1保持孔111の周縁に位置させ、先端部113を第1保持孔111の中心に向かわせるようにして放射状に形成されており、複数の第2係止部122は、各第2基部124を第2保持孔121の周縁に位置させ、先端部123を第2保持孔121の中心に向かわせるようにして放射状に形成されている。第1保持孔111の周縁は、複数の第1係止部112の第1基部114を含む略円により規定され、第2保持孔121の周縁は、複数の第2係止部122の第2基部124を含む略円により規定される。第1保持孔111の直径は、第1保持孔111の周縁を規定する上記略円の直径として定義され、第2保持孔121の直径は、第2保持孔121の周縁を規定する上記略円の直径として定義される。
【0025】
本実施形態において、第5折り線45に沿って第2側面部32を2つに折り重ね、第4折り線44に沿って第2底面板12を第1底面板11に折り重ねる。このとき、第1保持孔111及び第2保持孔121は、互いの中心が実質的に一致するように第1底面板11及び第2底面板12に形成されている(
図1D参照)。なお、第1保持孔111及び第2保持孔121の互いの中心が実質的に一致するとは、第1底面板11及び第2底面板12が互いに折り重なった状態において、第1保持孔111の周縁を規定する上記略円が第2保持孔121の周縁を規定する上記略円内に位置する程度に第1保持孔111及び第2保持孔121の互いの中心がずれていることを許容する趣旨であり、第1保持孔111及び第2保持孔121の互いの中心間の長さが第1保持孔111及び第2保持孔121の直径の差以内であればよい。
【0026】
第1保持孔111の周縁には、当該第1保持孔111に挿入される容器60の首部62の上部近傍に位置する上記段差に当接・係止可能な複数の第1係止部112が所定の間隔を有して形成されている。複数の第1係止部112の形状は略台形状である。複数の第1係止部112は、それぞれの先端部113を第1保持孔111の中心に向かわせるように放射状に形成されている(
図1B参照)。第1保持孔に容器60の上部が挿入されることで、第1係止部112が容器60第1保持孔111の周縁に沿って位置する第1基部114から折れ曲がり、第1係止部112の先端部113が容器60の首部62の上部近傍に位置する上記段差に当接・係止することで、容器60を保持することが可能となる。
【0027】
第2保持孔121の周縁には、複数の第2係止部122が所定の間隔を有して形成されている。複数の第2係止部122の形状は略台形状である。複数の第2係止部122は、それぞれの先端部123を第2保持孔121の中心に向かわせるようにして放射状に形成されている(
図1C参照)。第5折り線45に沿って第2側面部32を2つに折り重ね、第4折り線44に沿って第2底面板12を第1底面板11に折り重ねた状態で相互に重なる第1保持孔111及び第2保持孔121に容器60の上部が挿入されたときに、第2係止部122は、第2保持孔121の周縁に沿って位置する第2基部124から折れ曲がり、第2係止部122の少なくとも一部が第1係止部112に重なる。容器60の首部62の上部近傍に位置する上記段差に先端部113が当接・係止することで容器60を保持する第1係止部112に、第2係止部122の少なくとも一部が重なることで、まとめて保持した複数の容器60が脱落するのを抑制することができる。第2係止部122の少なくとも一部が第1係止部112に重なり、第2係止部122が第1係止部112を外側から押さえ付けることで、第1係止部112の先端部113が容器60の首部62の上部近傍に位置する上記段差から外れにくくなっているものと推察される。
【0028】
本実施形態において、第2係止部122は、その少なくとも一部が第1係止部112に重なるように第2保持孔121の周縁に設けられていればよい。例えば、
図4A及び
図5Aに示すように、第5折り線45に沿って第2側面部32を2つに折り重ね、第4折り線44に沿って第2底面板12を第1底面板11に折り重ねた状態で相互に重なる第1保持孔111及び第2保持孔121に容器60の上部が挿入されたときに、第2係止部122は、隣接する2つの第1係止部112の間に位置し、当該2つの第1係止部112に重なっていればよい。換言すれば、第1係止孔111の周縁を規定する円の中心と第2係止孔121の周縁を規定する円の中心とを一致させたときに、各第1係止部112の平面視における幾何学的中心の角度座標値と各第2係止部122の平面視における幾何学的中心の角度座標値とは、互いに異なっていればよく、各第2係止部122の角度座標値は、それに隣接する2つの第1係止部112の角度座標値の平均値であるのが好ましい。1つの第2係止部122が2つの第1係止部112に重なることで、容器60の保持力を高めることができ、容器60を確実に保持することができる。
【0029】
図4Aに示す態様においては、第1係止部112及び第2係止部122のそれぞれの先端部113,123は容器60の首部62の上部近傍に位置する上記段差に当接している。第2係止部122の先端部123は、隣接する2つの第1係止部112の先端部113の間に入り込むようにして上記段差に当接している。一方で、
図5Aに示す態様においては、第1係止部112の先端部113は容器60の首部62の上部近傍に位置する上記段差に当接しているが、第2係止部122の先端部123は容器60の首部62の上部近傍に位置する上記段差に当接していない。
図4Aに示す態様のように、第2係止部122の先端部123も容器60の首部62の上部近傍に位置する上記段差に当接していることで、容器60の保持力を効果的に高めることができる。
【0030】
また、
図6に示すように、第5折り線45に沿って第2側面部32を2つに折り重ね、第4折り線44に沿って第2底面板12を第1底面板11に折り重ねた状態で相互に重なる第1保持孔111及び第2保持孔121に容器60の上部が挿入されたときに、1つの第2係止部122は、1つの第1係止部112に重なるが、他の第1係止部112には重なっていなくてもよい。換言すれば、第1係止孔111の周縁を規定する円の中心と第2係止孔121の周縁を規定する円の中心とを一致させたときに、各第2係止部122の平面視における幾何学的中心の角度座標値は、各第2係止部122が重なる各第1係止部112の平面視における幾何学的中心の角度座標値と実質的に同一であればよい。このような態様であることで、容器60の保持力を高めることができる。
【0031】
1列で並ぶn個の容器60が容器保持具1にて保持された包装製品を、容器保持具1を把持して容器60の列方向に沿って揺動させたとき、例えば、容器保持具1を上から把持して腕を前後に振ったとき、第1揺動方向D1の慣性力が容器60に働く。最高点に達した際、すなわち、揺動方向(前後方向)が第1揺動方向D1から第2揺動方向D2に切り替わり、容器保持具1が第2揺動方向D2に動こうとする際、容器60は慣性力によって第1揺動方向D1に動こうとする。そのため、第2揺動方向D2の下流側に位置する第1係止部112の先端部113Dには、上流側に位置する先端部113Uに比して大きな力が働く(
図3参照)。それにより、第2揺動方向D2の下流側に位置する第1係止部112が捲り下がるように変形しやすくなり、第1係止部112の先端部113Dが、上流側に位置する第1係止部112の先端部113Uに比べて容器60の首部62近傍に位置する上記段差から外れやすくなる。本実施形態においては、第2係止部122が第1係止部112を外側から押さえ付けるように設けられているため、第2揺動方向D2の下流側に位置する第1係止部112が捲り下がるように変形し、その先端部113Dが容器60の首部62近傍に位置する上記段差から外れてしまうのを抑制することができる。
図4A及び
図5Aに示す態様においては、第2係止部122の外郭線125が、第2揺動方向D2の下流側に位置する第1係止部112の先端部113Dにおいて、第1係止部112の外郭線115と交差するため(
図4B及び
図5B参照)、第2揺動方向D2の下流側に位置する第1係止部112が変形し、その先端部113Dが容器60の首部62近傍に位置する上記段差から外れてしまうのを、より効果的に抑制することができる。特に、
図4Aに示す態様においては、第2係止部122の先端部123が容器60の首部62近傍に位置する上記段差に当接・係止していることで、上記第1係止部112が変形し、上記段差から外れてしまうのを、さらに効果的に抑制することができる。また、
図6に示す態様においても同様に、第2係止部122が、第2揺動方向D2の下流側に位置する第1係止部112の先端部113Dを外側から押さえ付けているため、第2揺動方向D2の下流側に位置する第1係止部112が変形し、その先端部113Dが容器60の首部62近傍に位置する上記段差から外れてしまうのを、より効果的に抑制することができる。
【0032】
図4B及び
図5Bに示す態様において、相互に重なる第1保持孔111及び第2保持孔121に容器60の上部が挿入され、第1係止部112が第1基部114に沿って折れ曲がり、第2係止部122が第2基部124に沿って折れ曲がった状態において、第1係止部112の外郭線115と第2係止部122の外郭線125との交点Pが、第1係止部112の第1基部114及び先端部113の間の長さの中点Mよりも先端部113側に位置することが好ましい。交点Pが中点Mよりも先端部113側に位置することで、第2係止部122が第1係止部112を外側から押さえ付ける作用が相対的に大きくなるため、複数の容器60をまとめて保持する容器保持具1を持ち運ぶ際に、第1係止部111の先端部113が容器60の首部62の近傍から外れにくくなり、容器60が脱落するのを抑制することができる。
【0033】
図1Aに示すように、各第1保持孔111の周縁には、第1保持孔111の径方向に拡がる第1窓孔部116が設けられ、各第2保持孔121の周縁には、第2保持孔121の径方向に拡がる第2窓孔部126が設けられていてもよい。第1窓孔部116及び第2窓孔部126は、第5折り線45に沿って第2側面部32を2つに折り重ね、第4折り線44に沿って第2底面板12を第1底面板11に折り重ねたときに、互いに重なるように第1保持孔111の周縁及び第2保持孔121の周縁に設けられている。このように設けられることで、容器保持具1に容器60を保持した際に、容器60の首部62に印字されている印字部621が第1窓孔部116を介して視認可能となる(
図7参照)。
【0034】
第1窓孔部116及び第2窓孔部126の幅W
116,W
126は、容器60の首部62にある印字部621が視認可能な程度であればよいが、第2窓孔部126の幅W
126が、第1窓孔部116の幅W
116よりも大きいのが好ましい。この場合において、第2底面板12を第1底面板11に折り重ねたときに、第1窓孔部116の全体が第2窓孔部126に重なるように、第1窓孔部116及び第2窓孔部126が第1係止孔111及び第2係止孔121に設けられていればよい。第2窓孔部126の幅W
126が、第1窓孔部116の幅W
116よりも小さいと、第2底面板12を第1底面板11に折り重ねたときに、第1窓孔部116の全幅で容器保持具1の側面に開口しなくなる。そうすると、容器60の印字部621の視認可能な範囲が狭くなってしまい、当該印字部621を視認しにくくなってしまうおそれがある。また、
図1Aに示すように、第1窓孔部116は、第1折り線41または第3折り線43を跨ぐように設けられ、第2窓孔部126は、第4折り線44または第6折り線46を跨ぐように設けられていてもよい。このように設けられることで、容器保持具1に保持された容器60の印字部621を容器保持具1の側面から視認可能となる(
図7参照)。
【0035】
図8は、本実施形態における容器保持具の概略構成を示す部分拡大側面図である。
図8に示すように、第1底面板11及び第2底面板12を折り重ね、第1側面部31及び第3側面部33を折り重ね、第2側面部32を2つに折り重ね、第1上面板21及び第2上面板22を折り重ねて包装製品としたときに、第2上面板22における第7折り線47に対向する端部49が、第2側面部32に当接してもよい。端部49が、第2側面部32に当接されることで、第2側面部32側から又は第1側面部31及び第3側面部33側からほぼ水平方向に衝撃を受けたとしても、容器保持具1が変形するのを抑制することができる。
【0036】
図1Aに示すように、第1上面板21の第2折り線42から第8折り線48までの長さL1は、第1底面部の第3折り線43から第1折り線41までの長さL2よりも長いことが好ましい。上記長さL1が上記長さL2よりも長いことで、各係止爪6を各係止孔71及び切込線72に挿入し、第1上面板21及び第2上面板22と第1底面板11及び第2底面板12とを係合した容器保持具1の開口端側から見たときに、容器保持具1の形状が略逆台形状となる(
図9参照)。容器保持具1が略逆台形状であることで、第1上面板21上に、容器保持具1に複数の容器60が保持された包装製品を載置することで、当該包装製品を2段以上に安定的に積み上げることができる。なお、上記長さL1と長さL2との関係は、第1上面板21上を水平面とすることができるような関係であればよく、長さL1は、長さL2よりも短くてもよいし、長さL2と等しくてもよい。すなわち、容器保持具1の開口端側から見た形状は、略台形状であってもよいし、略方形状であってもよい。
【0037】
図10は、本実施形態に係る容器保持具の他の態様の概略構成を示す展開図であり、
図11は、
図10に示す容器保持具を組み立て、容器を保持した状態の概略構成を示す斜視図である。
図10に示すように、容器保持具1は、第9折り線50を介して第4側面部34に連接される広告部8をさらに備えていてもよい。広告部8を設けることで、容器60
図1Aに示す態様に比べて、容器保持具1における広告面積を増大させることができるとともに、広告情報の視認容易性を向上させ得る。広告部8には、第10折り線51が設けられていてもよい。第10折り線51が設けられていることで、容器保持具1に保持された容器60の肩部63及び胴部64に沿った形で広告部8を設けることができるため、容器保持具1に容器60が保持された包装製品の取り扱いが容易となったり、当該包装製品を店頭に陳列しやすくなったりするという効果が奏され得る。
【0038】
本実施形態に係る容器保持具1の作用について説明する。
1列で並ぶ3個の容器60の上部を第1底面板21及び第2底面板22の各第1保持孔111及び各第2保持孔112に挿入する。このとき、各第1保持孔111の第1係止部112及び各第2係止部は、容器60に取り付けられているキャップ66により押し上げられて、第1係止部112の先端部113及び第2係止部122の先端部123が上方に向くようにしてそれぞれ第1基部114及び第2基部124から折り曲げられる。そして、キャップ66及び口部61が第1保持孔111及び第2保持孔112を通過すると、各第1係止部112及び第2係止部122が容器60の首部62に摺接し、首部62の上側に第1係止部112の先端部113及び第2係止部122の先端部123が当接し、第2係止部122の少なくとも一部が第1係止部112に重なる。次に、第1底面板11及び第2底面板12を折り重ね、第1側面部31及び第3側面部33を折り重ね、第2側面部32を2つに折り重ね、第1上面板21及び第2上面板22を折り重ね、係止爪6を係止孔71及び切込線72に挿入する。このようにして、本実施形態に係る容器保持具1に複数(3個)の容器60が保持された包装製品が完成する。このような包装製品において、第2係止部122の少なくとも一部が第1係止部112に重なることで、第1係止部112に容器60が確実に係止される。これにより、包装製品を持ち上げたとしても、各容器60が脱落することなく運搬可能となる。
【0039】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【実施例0040】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、下記の実施例等に何ら限定されるものではない。
【0041】
[試験例1]容器保持力試験
〔実施例1〕
1列で並ぶ3個の飲料が充填された内容量250mLボトル缶を結露させ、結露したボトル缶を保持した容器保持具1(
図1Aの展開図に示すもの)のサンプルを10個用意し、鉛直方向に持ち上げ、その状態で揺動させ、容器保持具1からの容器60の脱落の有無を試験した。第1係止部112及び第2係止部122は、
図4に示す態様とした。なお、上記揺動方法としては、腕を前後方向に10回振る方法を採用し、第1の速度、当該第1の速度よりも速い第2の速度でそれぞれ実施した。また、容器保持具1に保持させるボトル缶としては、強制的に結露させたものを用いた。第1の速度及び第2の速度それぞれの速度条件で実施し、10回揺動させる間に各容器保持具1から容器60が1つも脱落しなかったサンプル数を表1に示す。
【0042】
〔実施例2〕
第2係止部122の第2基部124から先端部123の長さを1.5mm短くした(
図5参照)以外は実施例1と同様の構成を有する容器保持具1を準備した。
【0043】
1列で並ぶ3個の飲料が充填された内容量250mLボトル缶(実施例1と同様に結露させたボトル缶)を保持した上記容器保持具1のサンプルを10個用意し、実施例1と同様の揺動方法及び速度条件により、容器保持具1からの容器60の脱落の有無を試験した。実施例1と同様の揺動方法及びそれぞれの速度条件で実施し、10回揺動させる間に各容器保持具1から容器60が1つも脱落しなかったサンプル数を表1に示す。
【0044】
〔実施例3〕
第2係止部122の幾何学的中心の角度座標値が、第1係止部112の幾何学的中心の角度座標値と一致するように第2係止部122を形成した(
図6参照)以外は、実施例1と同様の構成を有する容器保持具1を準備した。
【0045】
1列で並ぶ3個の飲料が充填された内容量250mLボトル缶(実施例1と同様に結露させたボトル缶)を保持した上記容器保持具1のサンプルを10個用意し、実施例1と同様の揺動方法及び速度条件により、容器保持具1からの容器60の脱落の有無を試験した。実施例1と同様の揺動方法及びそれぞれの速度条件で実施し、10回揺動させる間に各容器保持具1から容器60が1つも脱落しなかったサンプル数を表1に示す。
【0046】
〔比較例1〕
第2保持孔121に第2係止部122が設けられていない以外は、実施例1と同様の構成を有する容器保持具を準備した。
【0047】
1列で並ぶ3個の飲料が充填された内容量250mLボトル缶(実施例1と同様に結露させたボトル缶)を保持した上記容器保持具のサンプルを10個用意し、実施例1と同様の揺動方法及び速度条件により、容器保持具からの容器60の脱落の有無を試験した。実施例1と同様の揺動方法及びそれぞれの速度条件で実施し、10回揺動させる間に各容器保持具1から容器60が1つも脱落しなかったサンプル数を表1に示す。
【0048】
【0049】
表1に示すように、実施例1の容器保持具1においては、容器の脱落が生じなかったが、比較例1の容器保持具においては、揺動速度が第1の速度の条件下で、7サンプルの容器60の脱落が発生し、揺動速度が第2の速度の条件下で、10サンプルの容器60の脱落が発生した。なお、比較例1の容器保持具は第2係止部122を有していないため、容器保持具を持ち上げて容器保持具を揺動させたときの遠心力によって第1係止部112が容器60から外れ、容器60の脱落が発生したものと推察される。このことから、実施例1のように、容器保持具1が、少なくとも一部が第1係止部112に重なるように位置する第2係止部122を有することで、第1係止部112によって容器60が確実に係止され、容器保持具1の容器60の保持力を向上させ得ると考えられる。
【0050】
また、実施例2の容器保持具1においては、第2係止部122の少なくとも一部が第1係止部112に重なるように位置することで、第2係止部122を有しない比較例1の容器保持具と比べれば容器60の保持力が向上するが、第2係止部122の先端部123が容器60の首部62の上部近傍に位置するキャップ66と首部62との段差に当接していないことで、実施例1の容器保持具1と比較すると、容器60の保持力が低下すると推察される。さらに、実施例3の容器保持具1においては、第2係止部122は、第1係止部112に重なるように位置していることで、容器保持具1の容器60の保持力を向上するが、特に揺動速度を速くしたときには、容器60の保持力が低下する結果となった。