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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022085401
(43)【公開日】2022-06-08
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1347 20060101AFI20220601BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20220601BHJP
   G09F 9/46 20060101ALI20220601BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20220601BHJP
【FI】
G02F1/1347
G02F1/1335 500
G09F9/46 A
G09F9/30 349C
G09F9/30 338
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020197062
(22)【出願日】2020-11-27
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】兵頭 洋祐
【テーマコード(参考)】
2H189
2H291
5C094
【Fターム(参考)】
2H189AA27
2H189AA34
2H189AA35
2H189HA16
2H189LA03
2H189LA15
2H189LA20
2H291FA14Y
2H291FA22X
2H291FA22Z
2H291FD24
2H291GA04
2H291LA22
2H291LA28
5C094AA02
5C094BA43
5C094CA20
5C094DA03
5C094EA04
5C094EA07
5C094ED15
(57)【要約】
【課題】2枚の表示パネルを備える表示装置におけるモアレの発生を抑制し、表示品位の低下を抑制し得る表示装置を提供すること。
【解決手段】実施形態に係る表示装置は、第1表示パネルと第2表示パネルと、を備え、第1表示パネルは、第1方向に沿って延出する第1走査線と、第2方向に延出する第1信号線と、第1走査線および第1信号線によって区画される領域に配置される第1画素と、第1走査線および第1信号線に沿って延出する第1遮光パターンと、を有し、第2表示パネルは、第1方向に沿って延出する第2走査線と、第2方向に延出する第2信号線と、第2走査線および第2信号線によって区画される領域に配置される第2画素と、第2走査線および第2信号線に沿って延出する第1遮光部と第1表示パネルの第1画素と平面視において重畳する第2遮光部とを含む第2遮光パターンと、を有する。
【選択図】 図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示するための表示領域を有する第1表示パネルと、
前記表示領域の明るさを制御するための調光領域を有する第2表示パネルと、
前記第1表示パネルと前記第2表示パネルとを接着する接着層と、
を具備し、
前記第1表示パネルは、
第1方向に沿って延出する複数の第1走査線と、前記第1方向と交差する第2方向に延出する複数の第1信号線と、前記各第1走査線および前記各第1信号線によって区画される領域に配置される複数の第1画素と、前記各第1走査線および前記各第1信号線に沿って延出する第1遮光パターンと、を備え、
前記第2表示パネルは、
前記第1方向に沿って延出する複数の第2走査線と、前記第2方向に延出する複数の第2信号線と、前記各第2走査線および前記各第2信号線によって区画される領域に配置される複数の第2画素と、前記各第2走査線および前記各第2信号線に沿って延出する第1遮光部と前記第1表示パネルの前記第1画素と平面視において重畳する第2遮光部とを含む第2遮光パターンと、を備える、表示装置。
【請求項2】
前記第2画素は、
前記第1表示パネルの前記第1画素と同じ形状を有し、
前記第2遮光部は、
前記第1表示パネルの前記第1信号線に沿って延出する第3遮光部と、前記第1表示パネルの前記第1画素に含まれる複数の副画素と平面視において重畳する各領域を分割するように、前記第1方向および前記第2方向のどちらとも異なる斜め方向に延出する第4遮光部と、を含み、
前記第3遮光部および前記第4遮光部は、
前記第1表示パネルの前記第1画素に含まれる前記各副画素と同じピッチで配置されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第4遮光部は、
前記第1表示パネルの前記第1画素に含まれる前記各副画素と平面視において重畳する各領域を半分にするように前記斜め方向に延出する、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第4遮光部は、
延出する方向が前記第1表示パネルの前記第1画素行毎に反転している、請求項2または請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第4遮光部は、
前記第1表示パネルの所定の第1画素と平面視において重畳する領域に配置され、前記所定の第1画素と隣接する第1画素と平面視において重畳する領域には配置されない、請求項2~請求項4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第2画素は、
前記第1表示パネルの前記第1画素と異なる形状を有し、
前記第2遮光部は、
前記第2信号線に沿って延出し、かつ、前記第1表示パネルの前記第1画素に含まれる複数の副画素と同じピッチで配置される第3遮光部を含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第2表示パネルは、
第1基板と、前記第1基板と対向する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間で挟持される液晶層と、を備え、
前記第1基板は、
前記第2画素と同数の画素電極と、前記画素電極と対向する共通電極と、前記第2走査線と、前記第2信号線と、前記第2遮光パターンと、を備える、請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第2遮光パターンは、
不透明な金属材料により形成され、かつ、前記共通電極に接続される、請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第2表示パネルは、
第1基板と、前記第1基板と対向する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間で挟持される液晶層と、を備え、
前記第1基板は、
前記第2画素と同数の画素電極と、前記画素電極と対向する共通電極と、前記第2走査線と、前記第2信号線と、を備え、
前記第2基板は、
前記第2遮光パターンを備える、請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記画像を形成する第1画素と平面視において重畳する第2画素と、当該第2画素に隣接する複数の第2画素とが点灯するように制御される、請求項1に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示装置のコントラストを向上させるために、画像表示用の表示パネルに加えて、調光用の表示パネルを用いる技術が開発されている。しかしながら、この技術においては、2枚の表示パネルにそれぞれ設けられる遮光パターンが干渉し、モアレ(干渉縞)が発生してしまうという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-18043号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本開示は、2枚の表示パネルを備える表示装置におけるモアレの発生を抑制し、表示品位の低下を抑制し得る表示装置を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態によれば、
画像を表示するための表示領域を有する第1表示パネルと、前記表示領域の明るさを制御するための調光領域を有する第2表示パネルと、前記第1表示パネルと前記第2表示パネルとを接着する接着層と、を具備し、前記第1表示パネルは、第1方向に沿って延出する複数の第1走査線と、前記第1方向と交差する第2方向に延出する複数の第1信号線と、前記各第1走査線および前記各第1信号線によって区画される領域に配置される複数の第1画素と、前記各第1走査線および前記各第1信号線に沿って延出する第1遮光パターンと、を備え、前記第2表示パネルは、前記第1方向に沿って延出する複数の第2走査線と、前記第2方向に延出する複数の第2信号線と、前記各第2走査線および前記各第2信号線によって区画される領域に配置される複数の第2画素と、前記各第2走査線および前記各第2信号線に沿って延出する第1遮光部と前記第1表示パネルの前記第1画素と平面視において重畳する第2遮光部とを含む第2遮光パターンと、を備える、表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は2枚の表示パネルを備える表示装置の一構成例を示す分解斜視図である。
図2図2図1に示す表示装置の構成を概略的に示す断面図である。
図3図3図2に示す表示装置の断面をより詳しく示す断面図である。
図4図4は実施形態に係る液晶表示パネルに配置される画素と遮光パターンとを説明するための図である。
図5図5は同実施形態に係る液晶表示パネルに配置される遮光パターンの形状を概略的に示す平面図である。
図6図6は同実施形態に係る調光パネルに配置される画素と遮光パターンとを説明するための図である。
図7図7は同実施形態に係る調光パネルに配置される遮光パターンの形状を概略的に示す平面図である。
図8図8は第1比較例に係る調光パネルに配置される遮光パターンの形状を概略的に示す平面図である。
図9図9は第2比較例に係る調光パネルに配置される遮光パターンの形状を概略的に示す平面図である。
図10図10は同実施形態に係る表示装置に含まれる液晶表示パネルおよび調光パネルに配置される遮光パターンが観察者によりどのように見えるかを示す平面図である。
図11図11は同実施形態に係る調光パネルに配置される遮光パターンの別の形状を概略的に示す平面図である。
図12図12は同実施形態に係る調光パネルに配置される遮光パターンのさらに別の形状を概略的に示す平面図である。
図13図13は同実施形態に係る調光パネルに配置される遮光パターンのさらに別の形状を概略的に示す平面図である。
図14図14は同実施形態に係る液晶表示パネルに配置される画素の形状と、調光パネルに配置される画素の形状とを概略的に示す平面図である。
図15図15は同実施形態に係る調光パネルに配置される画素と遮光パターンとを説明するための図である。
図16図16は同実施形態に係る調光パネルに配置される遮光パターンの形状を概略的に示す平面図である。
図17図17は同実施形態に係る液晶表示パネルに配置される画素と、調光パネルに配置される画素および遮光パターンの形状とを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
いくつかの実施形態につき、図面を参照しながら説明する。
なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実施の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一または類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を省略することがある。
【0008】
図1は、2枚の表示パネルを備える表示装置DSPの構成を概略的に示す分解斜視図である。図1は、第1方向Xと、第1方向Xに垂直な第2方向Yと、第1方向Xおよび第2方向Yに垂直な第3方向Zとによって規定される3次元空間を示している。なお、第1方向Xおよび第2方向Yは互いに直交しているが、90度以外の角度で交差していてもよい。また、本実施形態においては、第3方向Zを上と定義し、第3方向Zと反対側の方向を下と定義する。「第1部材の上の第2部材」および「第1部材の下の第2部材」とした場合、第2部材は第1部材に接していてもよいし、第1部材から離れて位置していてもよい。また、第3方向Zを示す矢印の先端側に表示装置DSPを観察する観察位置があるものとし、この観察位置から、第1方向Xおよび第2方向Yで規定されるX-Y平面に向かって見ることを「平面視」と言う。
【0009】
図1に示すように、表示装置DSPは、液晶表示パネルPNL1と、調光パネルPNL2と、バックライトユニットBLと、を備える。図1に示すように、液晶表示パネルPNL1とバックライトユニットBLとの間に調光パネルPNL2が配置されることにより、液晶表示パネルPNL1に表示される画像のコントラストを向上させることができる。
【0010】
液晶表示パネルPNL1は、一例では矩形状である。図示した例では、液晶表示パネルPNL1の短辺EXは第1方向Xと平行であり、液晶表示パネルPNL1の長辺EYは第2方向Yと平行である。第3方向Zは、液晶表示パネルPNL1の厚さ方向に相当する。液晶表示パネルPNL1の主面は、第1方向Xと第2方向Yとにより規定されるX-Y平面に平行である。液晶表示パネルPNL1は、表示領域DAと、表示領域DAの外側に位置する非表示領域NDAとを有している。非表示領域NDAは、ドライバICやフレキシブルプリント回路基板が実装される端子領域MTを有している。図1では、端子領域MTは斜線により示されている。
【0011】
表示領域DAは、画像を表示する領域であり、例えばマトリクス状に配置された複数の画素PXを備えている。図1において拡大して示すように、各画素PXは、走査線Gおよび信号線Sによって区画される領域に配置されており、スイッチング素子SW、画素電極PE、共通電極CE、液晶層LC、等を備えている。
【0012】
スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタ(TFT)によって構成され、走査線Gや信号線Sと電気的に接続されている。走査線Gは、第1方向Xに並ぶ画素PXの各々におけるスイッチング素子SWと電気的に接続されている。信号線Sは、第2方向Yに並んだ画素PXの各々におけるスイッチング素子SWと電気的に接続されている。画素電極PEは、スイッチング素子SWと電気的に接続されている。画素電極PEの各々は共通電極CEと対向し、画素電極PEと共通電極CEとの間に生じる電界により液晶層LCが駆動される。容量CSは、例えば、共通電極CEと同電位の電極および画素電極PEと同電位の電極の間に形成される。
【0013】
端子領域MTは、液晶表示パネルPNL1の短辺EXに沿って延在している。端子領域MTには端子部が形成され、液晶表示パネルPNL1は、当該端子部を介して、例えばフレキシブルプリント回路基板等の外部装置と電気的に接続される。
【0014】
図1では詳細な構成の図示を省略しているが、調光パネルPNL2は、液晶表示パネルPNL1と基本的に同じ構成を有している。なお、液晶表示パネルPNL1と調光パネルPNL2とで一部相違する構成については、図2および図3の説明と共に後述する。
【0015】
バックライトユニットBLは、調光パネルPNL2の下側に配置され、このバックライトユニットBLからの光を画素PX毎に制御することにより画像が表示される。
【0016】
図2は、図1に示す表示装置DSPの構成を概略的に示す断面図である。
図1の説明と共に前述したように、表示装置DSPは、液晶表示パネルPNL1と、調光パネルPNL2と、バックライトユニットBLと、を備えている。なお、図2においては、バックライトユニットBLの図示を省略している。液晶表示パネルPNL1と調光パネルPNL2とは、例えば透明な接着層OCAによって接着されている。なお、液晶表示パネルPNL1と調光パネルPNL2とで共通する構成は、平面視において重畳するように位置調整がなされ、接着層OCAにより接着されている。
【0017】
以下では、まず、液晶表示パネルPNL1の構成について説明する。
図2に示すように、液晶表示パネルPNL1は、第1基板SUB11と、第2基板SUB21と、液晶層LC1と、第1偏光板PL11と、第2偏光板PL21と、を備えている。
【0018】
液晶層LC1は、第1基板SUB11と第2基板SUB21との間で挟持され、シールSE1によって封止されている。第1偏光板PL11は第1基板SUB11の下に配置され、第2偏光板PL21は第2基板SUB21の上に配置されている。第1偏光板PL11の偏光軸と、第2偏光板PL21の偏光軸とは、例えばクロスニコルの関係、つまり、90度になっている。
【0019】
液晶表示パネルPNL1の端子領域MT1には、ドライバIC1やフレキシブルプリント回路基板FPC1が実装されている。端子領域MT1に実装されたドライバIC1およびフレキシブルプリント回路基板FPC1は、保護膜PF1によって覆われている。
【0020】
次に、調光パネルPNL2の構成について説明する。
図2に示すように、調光パネルPNL2は、液晶表示パネルPNL1と同様に、第1基板SUB12と、第2基板SUB22と、液晶層LC2と、第1偏光板PL12と、第2偏光板PL22と、を備えている。
【0021】
液晶層LC2は、第1基板SUB12と第2基板SUB22との間で挟持され、シールSE2によって封止されている。第1偏光板PL12は第1基板SUB12の下に配置され、第2偏光板PL22は第2基板SUB22の上に配置されている。第1偏光板PL12の偏光軸と、第2偏光板PL22の偏光軸とは、例えばクロスニコルの関係、つまり、90度になっている。また、液晶表示パネルPNL1の第1偏光板PL11の偏光軸と、調光パネルPNL2の第2偏光板PL22の偏光軸とは、同じ向きになっている。
【0022】
調光パネルPNL2の端子領域MT2には、ドライバIC2やフレキシブルプリント回路基板FPC2が実装されている。端子領域MT2に実装されたドライバIC2およびフレキシブルプリント回路基板FPC2は、保護膜PF2によって覆われている。
【0023】
ここで、図3の断面図を参照して、表示装置DSPの構成についてより詳しく説明する。
以下では、まず、液晶表示パネルPNL1の構成について詳しく説明する。
図2の説明と共に前述したように、液晶表示パネルPNL1は、第1基板SUB11と、第2基板SUB21と、液晶層LC1と、第1偏光板PL11と、第2偏光板PL21と、を備えている。
【0024】
図3に示すように、第1基板SUB11は、第1透明基板11と、配向膜AL11とを備えている。第1基板SUB11は、上記した構成の他に、例えば、図1に示した走査線G(より詳しくは、後述する走査線G1)や信号線S(より詳しくは、後述する信号線S1)、スイッチング素子SW、画素電極PE、共通電極CE、等を備えているが、図3ではこれらの図示を省略している。
【0025】
第1透明基板11は、主面(下面)11Aと、主面11Aの反対側の主面(上面)11Bとを有している。第1透明基板11の主面11B側には、走査線Gや信号線S、スイッチング素子SW、画素電極PE、共通電極CE、等が設けられている。第1透明基板11の主面11B側には、液晶層LC1と接する配向膜AL11がさらに設けられている。第1透明基板11の主面11A側には、第1偏光板PL11が接着されている。
【0026】
図3に示すように、第2基板SUB21は、第2透明基板21と、遮光膜BM1と、カラーフィルタCFと、オーバーコート膜OCと、配向膜AL21と、を備えている。なお、遮光膜BM1は、遮光パターンと称されてもよい。
【0027】
第2透明基板21は、主面(下面)21Aと、主面21Aの反対側の主面(上面)21Bとを有している。第2透明基板21の主面21Aは、第1透明基板11の主面11Bと対向している。遮光膜BM1は、第2透明基板21の主面21A側に設けられ、走査線Gや信号線Sと同様に、各画素PX(より詳しくは、後述する画素PX1)を区画している。カラーフィルタCFはその一部が遮光膜BM1に重なっている。カラーフィルタCFは、赤色カラーフィルタCFR、緑色カラーフィルタCFG、青色カラーフィルタCFB、等を含む。オーバーコート膜OCは、カラーフィルタCFを覆っている。オーバーコート膜OCによれば、カラーフィルタCFを構成する顔料が液晶層LC1に浸み出すことを抑制することができる。配向膜AL21は、オーバーコート膜OCを覆い、液晶層LC1に接している。第2透明基板21の主面21B側には、第2偏光板PL21が接着されている。
【0028】
第1透明基板11および第2透明基板21は、例えばガラス基材やプラスチック基板等の絶縁基板である。遮光膜BM1は、黒色顔料等が分散された黒色樹脂によって形成されることが好ましい。配向膜AL11およびAL21は、X-Y平面にほぼ平行な配向規制力を有する水平配向膜である。配向規制力は、ラビング処理により付与されてもよいし、光配向処理により付与されてもよい。
【0029】
次に、調光パネルPNL2の構成について詳しく説明する。
図2の説明と共に前述したように、調光パネルPNL2は、第1基板SUB12と、第2基板SUB22と、液晶層LC2と、第1偏光板PL12と、第2偏光板PL22と、を備えている。
【0030】
図3に示すように、第1基板SUB12は、第1透明基板12と、配向膜AL12とを備えている。第1基板SUB12は、上記した構成の他に、液晶表示パネルPNL1と同様に、走査線G(より詳しくは、後述する走査線G2)や信号線S(より詳しくは、後述する信号線S2)、スイッチング素子SW、画素電極PE、共通電極CE、等を備えているが、図3ではこれらの図示を省略している。
【0031】
第1透明基板12は、主面(下面)12Aと、主面12Aの反対側の主面(上面)12Bとを有している。第1透明基板12の主面12B側には、走査線Gや信号線S、スイッチング素子SW、画素電極PE、共通電極CE、等が設けられている。第1透明基板12の主面12B側には、液晶層LC2と接する配向膜AL12がさらに設けられている。第1透明基板12の主面12A側には、第1偏光板PL12が接着されている。
【0032】
図3に示すように、第2基板SUB22は、第2透明基板22と、遮光膜BM2と、配向膜AL22と、を備えている。遮光膜BM2は、遮光膜BM1と同様に、遮光パターンと称されてもよい。
【0033】
調光パネルPNL2は、液晶表示パネルPNL1とは異なり、明るさを制御することが目的であり、カラー画像を形成する必要がないため、調光パネルPNL2の第2基板SUB22には、カラーフィルタCFが設けられていない。また、調光パネルPNL2は、オーバーコート膜OCが設けられていない点でも液晶表示パネルPNL1と相違している。これは、上記したようにカラーフィルタCFが設けられていないことに伴い、顔料(樹脂)が液晶層LC2に浸み出すことを抑制する必要がないためである。
【0034】
第2透明基板22は、主面(下面)22Aと、主面22Aの反対側の主面(上面)22Bとを有している。第2透明基板22の主面22Aは、第1透明基板12の主面12Bと対向している。遮光膜BM2は、第2透明基板22の主面22A側に設けられ、走査線Gや信号線Sと同様に、各画素PX(より詳しくは、後述する画素PX2)を区画している。配向膜AL22は、遮光膜BM2を覆い、液晶層LC2に接している。第2透明基板22の主面22B側には、第2偏光板PL22が接着されている。
【0035】
なお、図3では、遮光膜BM2が第2透明基板22側に設けられている場合を例示したが、これに限定されず、遮光膜BM2は第1透明基板12側に設けられていてもよい。また、遮光膜BM2は、液晶表示パネルPNL1の遮光膜BM1とは異なり、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、チタン(Ti)、銀(Ag)等の不透明な金属材料により形成されてもよいし、遮光膜BM1と同様に、黒色顔料等が分散された黒色樹脂によって形成されてもよい。但し、各画素PXの開口率低下を抑制するために、遮光膜BM2は、不透明な金属材料により、およそ3μm~5μm程度の線幅を有して、第1透明基板12側に設けられることが望ましい。また、この場合、遮光膜BM2は共通電極CEに接続されてもよい。これによれば、ITO等により形成される共通電極CEの抵抗値を低く抑えることが可能である。
【0036】
第1透明基板12および第2透明基板22は、例えばガラス基材やプラスチック基板等の絶縁基板である。配向膜AL12およびAL22は、X-Y平面にほぼ平行な配向規制力を有する水平配向膜である。配向規制力は、ラビング処理により付与されてもよいし、光配向処理により付与されてもよい。
【0037】
液晶表示パネルPNL1と調光パネルPNL2とは、例えば透明な接着層OCAによって接着されている。なお、液晶表示パネルPNL1と調光パネルPNL2とで共通する構成(例えば遮光膜BM1および遮光膜BM2等)は、平面視において重畳するように位置調整がなされ、接着層OCAにより接着されている。
【0038】
バックライトユニットBLは、調光パネルPNL2の下側に配置されている。バックライトユニットBLとしては、種々の形態のバックライトユニットが利用可能であり、例えば光源として発光ダイオード(LED)を利用したものや、冷陰極管(CCFL)を利用したもの、等が利用可能である。なお、図3では図示を省略しているが、液晶表示パネルPNL1の第2偏光板PL21の上には、カバー部材等がさらに配置されていてもよい。
【0039】
図4は、液晶表示パネルPNL1の表示領域DAにマトリクス状に配置される多数の画素PX1と、これら画素PX1を囲むように格子状に配置される遮光パターンBM1とを説明するための図である。図5は、液晶表示パネルPNL1に配置される遮光パターンBM1の形状を概略的に示す平面図である。
【0040】
液晶表示パネルPNL1の表示領域DAには、図4および図5に示すように、多数の画素PX1がマトリクス状に配置されている。本実施形態において、画素PX1は、緑色(G)、青色(B)、赤色(R)の副画素PXG,PXB,PXRを含む。なお、図4および図5では、密度が低い点群により緑色の副画素PXGを示し、密度が中程度の点群により青色の副画素PXBを示し、密度が高い点群により赤色の副画素PXRを示している。各副画素PXG,PXB,PXRは、図4に示すように、走査線G1および信号線S1によって区画される領域に配置されている。走査線G1は第1方向Xに沿って延出している。信号線S1はくの字型に屈曲して第2方向Yに延出している。このため、走査線G1および信号線S1によって区画される領域に配置される各副画素PXG,PXB,PXRは、くの字型の形状を有している。
【0041】
図4の一部拡大図に示すように、液晶表示パネルPNL1においては、走査線G1および信号線S1に沿って遮光パターンBM1が配置されている。遮光パターンBM1は、走査線G1および信号線S1と平面視において重畳するように配置され、走査線G1と同じく第1方向Xに沿って延出する部分と、信号線S1と同じくくの字型に屈曲しながら第2方向Yに延出する部分とを有している。
【0042】
図6は、調光パネルPNL2の調光領域CAにマトリクス状に配置される多数の画素PX2と、これら画素PX2を囲むように格子状に配置される遮光パターンBM2とを説明するための図である。
【0043】
調光パネルPNL2の調光領域CAは、液晶表示パネルPNL1の表示領域DAに相当する領域であり、表示領域DAと平面視において重畳する。調光領域CAには、図6に示すように、多数の画素PX2がマトリクス状に配置されている。調光パネルPNL2は、液晶表示パネルPNL1とは異なり、明るさを制御することが目的であり、カラー画像を形成する必要がないため、調光パネルPNL2には、前述したように、カラーフィルタCFが配置されない。つまり、画素PX2は、副画素を含んでいない点で、液晶表示パネルPNL1の画素PX1と相違している。
【0044】
画素PX2は、図6に示すように、走査線G2および信号線S2によって区画される領域に配置されている。走査線G2は、液晶表示パネルPNL1の走査線G1と同じく、第1方向Xに沿って延出している。信号線S2は、液晶表示パネルPNL1の信号線S1と同じく、くの字型に屈曲しながら第2方向Yに延出している。このため、走査線G2および信号線S2によって区画される領域に配置される画素PX2は、液晶表示パネルPNL1の画素PX1と同様に、くの字型の形状を有している。なお、ここでは、調光パネルPNL2の画素PX2が、液晶表示パネルPNL1の画素PX1と同じ面積を有しており、一つの画素PX1に対して一つの画素PX2が配置されている場合を想定するが、これに限定されず、複数の画素PX1に対して一つの画素PX2が配置されても構わない。例えば、四つの画素PX1に対して一つの画素PX2が配置されるとしてもよい。
【0045】
図6の一部拡大図に示すように、調光パネルPNL2においては、走査線G2および信号線S2に沿って遮光パターンBM2が配置されている。遮光パターンBM2は、走査線G2および信号線S2と平面視において重畳するように配置され、走査線G2と同じく第1方向Xに沿って延出する部分と、信号線S2と同じくくの字型に屈曲しながら第2方向Yに延出する部分とを有している。
【0046】
また、遮光パターンBM2は、走査線G2および信号線S2に沿って延出する部分の他に、画素PX2と平面視において重畳するダミー遮光パターンDBMを有している。なお、画素PX2は、液晶表示パネルPNL1の画素PX1と平面視において重畳するように位置調整がなされていることから、ダミー遮光パターンDBMは、画素PX1とも平面視において重畳する。
【0047】
図6では、遮光パターンBM2が、液晶表示パネルPNL1に設けられた信号線S1に相当する2本のダミー遮光パターンDBMを有している場合を例示している。つまり、信号線S2と、信号線S2に隣接するダミー遮光パターンDBMとの第1方向Xに沿った間隔、および、2本のダミー遮光パターンDBM間の第1方向Xに沿った間隔は、液晶表示パネルPNL1の画素PX1に含まれる副画素PXG,PXB,PXRの第1方向Xに沿ったピッチ(幅)と同じである。
【0048】
ここで、図7を参照して、遮光パターンBM2の形状について詳しく説明する。図7は、本実施形態に係る調光パネルPNL2に配置される遮光パターンBM2の形状を概略的に示す平面図である。
【0049】
遮光パターンBM2は、上記したように、走査線G2に沿って第1方向Xに延出する部分と、信号線S2に沿ってくの字型に屈曲しながら第2方向Yに延出する部分とを有している。また、遮光パターンBM2は、液晶表示パネルPNL1に設けられた信号線S1に相当するダミー遮光パターンDBM1を有している。さらに、遮光パターンBM2は、図7に示すように、液晶表示パネルPNL1の画素PX1に含まれる副画素PXG,PXB,PXRと平面視においてそれぞれ重畳するくの字型の各領域の頂点の一つと、当該頂点の対角に位置する頂点の一つとを結ぶように斜め方向に延出するダミー遮光パターンDBM2を有している。換言すると、ダミー遮光パターンDBM2は、液晶表示パネルPNL1の画素PX1に含まれる副画素PXG,PXB,PXRと平面視においてそれぞれ重畳するくの字型の各領域を半分に分割するダミー遮光パターンDBM2を有している。なお、ダミー遮光パターンDBM1およびDBM2は、上記したように、液晶表示パネルPNL1の画素PX1に含まれる副画素PXG,PXB,PXRと同じピッチで配置されている。また、上記した斜め方向は、第1方向Xおよび第2方向Yのどちらとも交差し、これら方向とは異なる方向である。
【0050】
以下では、比較例を用いて、本実施形態に係る表示装置DSPの効果について説明する。なお、比較例は、本実施形態に係る表示装置DSPが奏し得る効果の一部を説明するためのものであって、比較例と本実施形態とで共通する効果を本願発明の範囲から除外するものではない。
【0051】
図8は、第1比較例に係る調光パネルPNL2Aに配置される遮光パターンBM2Aの形状を概略的に示す平面図である。第1比較例に係る調光パネルPNL2Aには、図8に示すように、液晶表示パネルPNL1に配置される遮光パターンBM1と同じパターンの遮光パターンBM2Aが配置されている。このように、液晶表示パネルPNL1と調光パネルPNL2とに、同じ遮光パターンBM1およびBM2Aが配置されている場合、液晶表示パネルPNL1に表示される画像が観察者により観察された際に、次のような問題が生じてしまう。
【0052】
一般的に、液晶表示パネルPNL1と調光パネルPNL2Aとの貼り合わせは、双方に共通する構成、具体的には、遮光パターンBM1およびBM2Aの対応する部分が平面視においてそれぞれ重畳するように位置調整がなされた上で行われる。しかしながら、画像観察時には、いわゆる視差ずれが生じてしまうため、観察者の視野には、観察者側に配置された液晶表示パネルPNL1の遮光パターンBM1だけでなく、調光パネルPNL2Aの遮光パターンBM2Aも入ってきてしまう。これによれば、画素PX1の開口率が場所毎に異なってしまう恐れがある。画素PX1の開口率が場所毎に異なってしまうと、画素PX1の輝度が場所毎に異なってしまい、いわゆる輝度モアレが発生し、表示品位を損ねてしまうという問題が生じてしまう。
【0053】
図9は、第2比較例に係る調光パネルPNL2Bに配置される遮光パターンBM2Bの形状を概略的に示す平面図である。第2比較例に係る調光パネルPNL2Bには、図9に示すように、液晶表示パネルPNL1の画素PX1と同じ面積を有しており、画素PX1と一対一の関係を有している画素PX2を囲むように、遮光パターンBM2Bが配置されている。つまり、遮光パターンBM2Bは、上記した走査線G2に沿って第1方向Xに延出する部分と、上記した信号線S2に沿ってくの字型に屈曲しながら第2方向Yに延出する部分とのみを有し、ダミー遮光パターンDBMを有していない。
【0054】
この場合においても、画像観察時には、視差ずれにより、液晶表示パネルPNL1の遮光パターンBM1と、調光パネルPNL2Bの遮光パターンBM2Bとの双方が観察者の視野に入ってきてしまう。これによれば、図8に示した第1比較例の場合と同様に、画素PX1の開口率が場所毎に異なってしまい、上記した輝度モアレが発生してしまう恐れがある。また、遮光パターンBM2Bは、第1比較例に係る遮光パターンBM2Bとは異なり、液晶表示パネルPNL1に設けられた信号線S1に相当する部分(換言すると、本実施形態に係るダミー遮光パターンDBM1に相当する部分)を有していないため、遮光パターンBM2Bのうちの第2方向Yに延出する部分と重なる副画素の色が場所毎に異なってしまい、副画素の開口率も場所毎に異なってしまう恐れがある(例えば、ある画素PX1においては赤色の副画素PXRの開口率が小さく、緑色の副画素PXGおよび青色の副画素PXBの開口率が副画素PXRの開口率よりも大きいが、別の場所の画素PX1においては緑色の副画素PXGの開口率が小さく、青色の副画素PXBおよび赤色の副画素PXRの開口率が副画素PXGの開口率よりも大きい、等)。副画素の開口率が場所毎に異なってしまうと、いわゆる色モアレが発生し、輝度モアレ同様、表示品位を損ねてしまうという問題が生じてしまう。
なお、液晶表示パネルPNL1と調光パネルPNL2Aとの貼り合わせの際に、貼り合わせずれが生じてしまった場合、上記した輝度モアレや色モアレがより顕著に発生し、表示品位を大きく損ねてしまうといった問題も生じ得る。
【0055】
これに対し、本実施形態に係る調光パネルPNL2は、図7に示した形状の遮光パターンBM2を有している。これによれば、画像観察時に、液晶表示パネルPNL1の遮光パターンBM1と、調光パネルPNL2の遮光パターンBM2とは、図10に示すように、観察者により観察される。
【0056】
図10は、図5に示した遮光パターンBM1を有する液晶表示パネルPNL1と、図7に示した遮光パターンBM2を有する調光パネルPNL2とを備える表示装置DSPを観察者が観察した際に、遮光パターンBM1およびBM2がどのように見えるかを示した図である。図10に示すように、観察者には、視差ずれにより、調光パネルPNL2の遮光パターンBM2が全体的に図中上方向にずれ、かつ、図中左方向にずれて視認される。しかしながら、例えば図10の点線で囲まれる二つの領域R1およびR2に示されるように、領域R1の画素PX1に含まれる各副画素の開口率と、領域R2の画素PX1に含まれる各副画素の開口率とは略同じである。つまり、本実施形態に係る表示装置DSPにおいては、各画素PX1に含まれる各副画素の開口率を略同じにすることができ、上記した色モアレを抑制することが可能である。また、上記した二つの領域R1およびR2に示すように、本実施形態に係る表示装置DSPにおいては、領域R1の画素PX1の開口率と、領域R2の画素PX1の開口率とも略同じである。つまり、本実施形態に係る表示装置DSPにおいては、各画素PX1の開口率も略同じにすることができ、上記した輝度モアレも抑制することが可能である。これによれば、表示品位の低下を抑制することが可能である。
【0057】
以上説明したように、本実施形態に係る表示装置DSPは、液晶表示パネルPNL1の信号線S1に相当するダミー遮光パターンDBM1と、液晶表示パネルPNL1の画素PX1に含まれる副画素PXG,PXB,PXRと平面視においてそれぞれ重畳するくの字型の各領域を半分に分割するダミー遮光パターンDBM2とを含む遮光パターンBM2を有した調光パネルPNL2を備えている。これによれば、上記したように、視差ずれが生じたとしても、液晶表示パネルPNL1の各画素PX1の開口率を略同じにすることができるため、輝度モアレを抑制することが可能である。また、液晶表示パネルPNL1の各画素PX1に含まれる副画素PXG,PXB,PXRの開口率も略同じにすることができるため、色モアレも抑制することが可能である。つまり、本実施形態に係る表示装置DSPによれば、2枚の表示パネルを備える表示装置におけるモアレの発生を抑制し、表示品位の低下を抑制することが可能である。
【0058】
なお、調光パネルPNL2は、図7に示した形状の遮光パターンBM2ではなく、例えば図11図13に示す形状の遮光パターンBM2を有していてもよい。
【0059】
図11は、遮光パターンBM2の別の形状を概略的に示す平面図である。
図11に示す遮光パターンBM2は、ダミー遮光パターンDBM2の延出する方向が画素行毎に左右反転している点で、図7に示した遮光パターンBM2と相違している。
【0060】
この場合であっても、画素PX1に含まれる各副画素の開口率を、各画素PX1において略同じにすることができ、上記した色モアレを抑制することが可能である。さらに、画素PX1の開口率を、各画素PX1において略同じにすることができ、上記した輝度モアレを抑制することが可能である。つまり、表示品位の低下を抑制することが可能である。
【0061】
図12は、遮光パターンBM2のさらに別の形状を概略的に示す平面図である。
図12に示す遮光パターンBM2は、ダミー遮光パターンDBM2の延出する方向が画素行毎に左右反転し、かつ、ダミー遮光パターンDBM2が全ての画素PX2に対して設けられていない、具体的には、ダミー遮光パターンDBM2が設けられている画素PX2に隣接する他の画素PX2にはダミー遮光パターンDBM2が設けられていない点で、図7に示した遮光パターンBM2と相違している。
【0062】
この場合であっても、画素PX1に含まれる各副画素の開口率を、各画素PX1において略同じにすることができ、上記した色モアレを抑制することが可能である。さらに、画素PX1の開口率を、各画素PX1において略同じにすることができ、上記した輝度モアレを抑制することが可能である。つまり、表示品位の低下を抑制することが可能である。
【0063】
図13は、遮光パターンBM2のさらに別の形状を概略的に示す平面図である。
図13に示す遮光パターンBM2は、液晶表示パネルPNL1の画素PX1に含まれる副画素PXG,PXB,PXRと平面視においてそれぞれ重畳するくの字型の各領域を形成するくの字状の辺の中点と、当該中点の対角に位置する頂点の一つとを結ぶように延出するダミー遮光パターンDBM2が設けられている点で、図7に示した遮光パターンBM2と相違している。
【0064】
なお、図13に示す遮光パターンBM2に設けられるダミー遮光パターンDBM2は、第1方向Xに隣接する画素PX2毎に上下左右が反転して設けられる。例えば、図13に示すように、所定の画素PX2においては、くの字の辺の中点と、当該中点から見て図中左上に位置する頂点とを結ぶようにダミー遮光パターンDBM2が設けられ、当該所定の画素PX2と第1方向Xに隣接する画素PX2においては、くの字の辺の中点と、当該中点から見て図中左下に位置する頂点とを結ぶようにダミー遮光パターンDBM2が設けられている。
【0065】
この場合であっても、画素PX1に含まれる各副画素の開口率を、各画素PX1において略同じにすることができ、上記した色モアレを抑制することが可能である。さらに、画素PX1の開口率を、各画素PX1において略同じにすることができ、上記した輝度モアレを抑制することが可能である。つまり、表示品位の低下を抑制することが可能である。
【0066】
なお、以上説明した本実施形態では、調光パネルPNL2の画素PX2が、液晶表示パネルPNL1の画素PX1と同様に、くの字型の形状を有する場合について説明したが、調光パネルPNL2の画素PX2は、液晶表示パネルPNL1の画素PX1とは異なる形状を有していてもよい。この場合、図14(a)に示すように、液晶表示パネルPNL1の所定の画素PX1を点灯させる場合(つまり、所定の画素PX1を点灯させることにより画像を形成する場合)、調光パネルPNL2の画素PX2は、図14(b)に示すように、当該所定の画素PX1に対応する画素PX2の他に、当該画素PX2に隣接する他の画素PX2も点灯するように制御される。
【0067】
調光パネルPNL2の画素PX2が、液晶表示パネルPNL1の画素PX1と異なる形状を有している場合、画像を形成する画素PX1に対応する画素PX2を点灯させただけでは、画像を形成する画素PX1のうち、対応する画素PX2と平面視において重畳しない領域が点灯せずに暗くなってしまうという問題が生じてしまう。しかしながら、上記したように、対応する画素PX2に加えて、対応する画素PX2に隣接する他の画素PX2も点灯するように制御されることにより、画像を形成する画素PX1の全てが点灯され、上記した問題の発生を抑制することが可能である。なお、画像を形成する画素PX1に対応する画素PX2に加えて、対応する画素PX2に隣接する他の画素PX2も点灯するように制御されることは、画素PX1およびPX2の形状が異なる場合に限らず、画素PX1およびPX2の形状が同一の場合に行われても構わない。
【0068】
この場合であっても、調光パネルPNL2の画素PX2に設けられる遮光パターンBM2には、図15に示すように、液晶表示パネルPNL1の画素PX1に含まれる副画素PXG,PXB,PXRと同じピッチで第2方向Yに延出するダミー遮光パターンDBM1が設けられることが望ましい。また、遮光パターンBM2には、図16に示すように、信号線S2に沿って延出する部分と、走査線G2に沿って延出する部分と、ダミー遮光パターンDBM1とによって区画される各領域をそれぞれ半分に分割するように斜め方向に延出するダミー遮光パターンDBM2がさらに設けられていてもよい。これによれば、画素PX1に含まれる各副画素の開口率を、各画素PX1において略同じにすることができ、上記した色モアレを抑制することが可能である。さらに、画素PX1の開口率を、各画素PX1において略同じにすることができ、上記した輝度モアレを抑制することも可能である。つまり、表示品位の低下を抑制することが可能である。
【0069】
また、調光パネルPNL2の画素PX2が、液晶表示パネルPNL1の画素PX1と異なる形状を有する場合としては、例えば図17(a)および(b)に示すように、信号線S2が、液晶表示パネルPNL1の信号線S1とは反対に屈曲しながら第2方向Yに延出し、この信号線S2と、第1方向Xに沿って延出する走査線G2とによって区画される領域に配置される画素PX2が一例として挙げられる。この場合、遮光パターンBM2は、図17(b)に示すように、走査線G2に沿って第1方向Xに延出する部分と、信号線S2に沿ってくの字型に屈曲しながら第2方向Yに延出する部分と、信号線S2に沿って延出し、かつ、画素PX2と平面視において重畳するダミー遮光パターンDBM1と、を含む。ダミー遮光パターンDBM1は、液晶表示パネルPNL1の副画素PXG,PXB,PXRと同じピッチで配置される。
【0070】
この場合であっても、画素PX1に含まれる各副画素の開口率を、各画素PX1において略同じにすることができ、上記した色モアレを抑制することが可能である。さらに、画素PX1の開口率を、各画素PX1において略同じにすることができ、上記した輝度モアレも抑制することが可能である。つまり、表示品位の低下を抑制することが可能である。なお、図17に示す遮光パターンBM2の場合、ダミー遮光パターンDBM1が、液晶表示パネルPNL1の画素PX1に含まれる副画素PXG,PXB,PXRと平面視においてそれぞれ重畳する各領域内において斜め方向に延出し、図7に示したダミー遮光パターンDBM2の役割も果たすため、遮光パターンDBM2を形成する必要がないという利点を得ることも可能である。
【0071】
以上説明した一実施形態によれば、表示装置DSPは、視差ずれが生じたとしても、液晶表示パネルPNL1の各画素PX1の開口率を略同じにすることが可能であり、かつ、画素PX1に含まれる各副画素の開口率を各画素PX1において略同じにすることが可能な遮光パターンBM2を有した調光パネルPNL2を備えている。これによれば、2枚の表示パネルを備える表示装置におけるモアレの発生を抑制し、表示品位の低下を抑制することが可能である。
【0072】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0073】
DSP…表示装置、PNL1…液晶表示パネル、PNL2…調光パネル、SUB11,SUB12…第1基板、SUB21,SUB22…第2基板、11,12…第1透明基板、21,22…第2透明基板、LC1,LC2…液晶層、SE1,SE2…シール、PL11,PL12…第1偏光板、PL21,PL22…第2偏光板、OCA…接着層、MT1,MT2…端子領域、1,2…ドライバIC、FPC1,FPC2…フレキシブルプリント回路基板、PF1,PF2…保護膜、BM1,BM2…遮光パターン、DBM1,DBM2…ダミー遮光パターン。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17