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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022085421
(43)【公開日】2022-06-08
(54)【発明の名称】アタッチメント型計測装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 13/00 20060101AFI20220601BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20220601BHJP
【FI】
H02J13/00 301A
H02J3/38 130
H02J3/38 170
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020197102
(22)【出願日】2020-11-27
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】森山 優一
【テーマコード(参考)】
5G064
5G066
【Fターム(参考)】
5G064AA04
5G064AB05
5G064AC09
5G064CB08
5G064DA01
5G066HA15
5G066HB06
5G066HB07
5G066HB09
5G066JB03
(57)【要約】
【課題】 分散電源の出力電力を計測するための計測装置として容易に設置可能なアタッチメント型計測装置を提供する。
【解決手段】 アタッチメント型計測装置は、分散電源の出力端に取り付けられるインタフェースと、前記分散電源の出力電力を少なくとも計測する計測部と、前記計測部によって計測された出力電力を示す情報要素を送信する通信部と、を備える。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分散電源の出力端に取り付けられるインタフェースと、
前記分散電源の出力電力を少なくとも計測する計測部と、
前記計測部によって計測された出力電力を示す情報要素を送信する通信部と、を備える、アタッチメント型計測装置。
【請求項2】
前記分散電源は、前記分散電源のパワーコンディショナの出力端である、請求項1に記載のアタッチメント型計測装置。
【請求項3】
前記パワーコンディショナの出力端は、前記分散電源を有する施設内の電力線を接続するための端子台を含み、
前記インタフェースは、前記施設内の電力線とともに前記端子台に取り付けられる、請求項2に記載のアタッチメント型計測装置。
【請求項4】
前記インタフェースは、前記施設内の電力線を嵌合するための形状を有する、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のアタッチメント型計測装置。
【請求項5】
前記通信部は、前記分散電源を有する施設の潮流電力又は逆潮流電力を計測する基幹計測装置、前記施設の電力を管理する管理装置及び前記分散電源のパワーコンディショナの中から選択された1以上の装置と通信を実行する、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のアタッチメント型計測装置。
【請求項6】
前記インタフェースは、前記分散電源の出力端から取り外しできない態様で前記分散電源の出力端に取り付けられる、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のアタッチメント型計測装置。
【請求項7】
前記アタッチメント型計測装置に対する不正操作を検出する検出部を備える、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のアタッチメント型計測装置。
【請求項8】
前記通信部は、前記分散電源を有する施設の潮流電力又は逆潮流電力を計測する基幹計測装置と通信を実行し、
前記通信部は、前記アタッチメント型計測装置の認証手順において、前記基幹計測装置を識別する識別情報を示す情報要素を前記基幹計測装置に送信する、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のアタッチメント型計測装置。
【請求項9】
前記通信部は、前記アタッチメント型計測装置の認証手順において、前記計測部によって計測された出力電力を示す情報要素を送信する、請求項8に記載のアタッチメント型計測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アタッチメント型計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽電池装置、燃料電池装置、コントロールユニット及び電力管理装置を有するシステムが開示されている。コントロールユニットは、売電電力量及び買電電力量を示す情報を電力管理装置に送信する。さらに、コントロールユニットは、太陽電池由来の売電電力量及び燃料電池由来の売電電力量を電力管理装置に送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-101532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年では、施設が有する分散電源(例えば、太陽電池装置、蓄電装置、燃料電池装置など)を電力系統の安定化に用いるVPP(Virtual Power Plant)が注目を集めている。施設から電力系統に出力される逆潮流電力は、スマートメータに代表される基幹計測装置によって測定される。
【0005】
このような背景下において、各分散電源の出力電力を個別に計測したいというニーズが存在するが、VPPでは、分散電源の出力電力の計測精度が求められる。例えば、第三者機関によって認証された検定付きメータなどを施設内の電力線に接続することによって計測精度のバラツキを抑制する方法なども検討されている。
【0006】
しかしながら、分散電源の設置後において検定付きメータを設置するケースを想定すると、施設内の電力線上において適切な位置に検定付きメータを接続することは極めて煩雑であった。
【0007】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、分散電源の出力電力を計測するための計測装置として容易に設置可能なアタッチメント型計測装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
開示の第1特徴は、アタッチメント型計測装置であって、分散電源の出力端に取り付けられるインタフェースと、前記分散電源の出力電力を少なくとも計測する計測部と、前記計測部によって計測された出力電力を示す情報要素を送信する通信部と、を備える、ことを要旨とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、分散電源の出力電力を計測するための計測装置として容易に設置可能なアタッチメント型計測装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係る施設100を示す図である。
図2図2は、実施形態に係るPCS80を示す図である。
図3図3は、実施形態に係るアタッチメント型計測装置90を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る制御方法を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る制御方法を示す図である。
図6図6は、変更例1に係る認証方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下において、実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものである。
【0012】
[実施形態]
(施設)
以下において、実施形態に係る施設100について説明する。
【0013】
図1に示すように、施設100は、SM10と、分電盤20と、太陽電池装置30と、蓄電装置40と、負荷機器50と、EMS60と、を有する。
【0014】
SM10は、施設100の潮流電力及び逆潮流電力の少なくともいずれか1つを計測する基幹計測装置の一例である。SM10は、スマートメータと称されてもよい。SM10は、基幹電力線111を介して分電盤20と接続される。基幹電力線111は、施設100の電力線110の一例である。
【0015】
分電盤20は、施設100の電力線を分岐する機器である。例えば、分電盤20は、電力系統に接続される基幹電力線111を2以上の分岐電力線112に分岐する。分岐電力線は、施設100の電力線110の一例である。分電盤20は、ブレーカ21を有していてもよい。ブレーカ21は、基幹電力線111に接続される。例えば、施設100で停電が生じた場合に、ブレーカ21は、施設100を電力系統から解列してもよい。
【0016】
太陽電池装置30は、太陽光などの光に応じて発電を行う分散電源である。例えば、太陽電池装置30は、分岐電力線112を介して基幹電力線111に接続される。太陽電池装置30は、パワーコンディショナ31(以下、PCS31)と、太陽光パネル32(以下、PV32)と、を有する。PCS31の出力端にはアタッチメント型計測装置33(以下、計測装置33)が取り付けられる。計測装置33は、太陽電池装置30に含まれると考えてもよく、太陽電池装置30に含まれないと考えてもよい。PCS31及び計測装置33の詳細については後述する(図2及び図3を参照)。
【0017】
蓄電装置40は、電力の充電及び電力の放電を行う分散電源である。蓄電装置40は、パワーコンディショナ(以下、PCS41)と、蓄電セル42(以下、BT42)と、を有する。PCS41の出力端にはアタッチメント型計測装置43(以下、計測装置43)が取り付けられる。計測装置43は、蓄電装置40に含まれると考えてもよく、蓄電装置40に含まれないと考えてもよい。PCS41及び計測装置43の詳細については後述する(図2及び図3を参照)。
【0018】
負荷機器50は、電力を消費する機器である。例えば、負荷機器50は、空調機器、照明機器、AV(Audio Visual)機器などである。負荷機器50は、100Vの電圧で動作する負荷機器を含んでもよく、200Vの電圧で動作する負荷機器を含んでもよい。
【0019】
EMS60は、施設の電力を管理する管理装置の一例である。EMS60は、Energy Management Systemと称されてもよい。
【0020】
例えば、EMS60は、SM10と通信を実行する機能を有していてもよい。EMS60は、所定周期(例えば、30分)でSM10の測定結果を示す情報要素を受信してもよい。SM10の測定結果は、施設100の潮流電力及び逆潮流電力の少なくともいずれか1つの積算値を含んでもよい。
【0021】
EMS60は、PCS31及びPCS41の少なくともいずれか1つと通信を実行する機能を有していてもよい。EMS60は、PCS31及びPCS41の少なくともいずれか1つの動作状態を制御するコマンドを送信してもよい。EMS60は、PCS31及びPCS41の少なくともいずれか1つの動作状態を示す情報要素を受信してもよい。
【0022】
EMS60は、計測装置33及び計測装置43の少なくともいずれか1つと通信を実行する機能を有していてもよい。EMS60は、計測装置33及び計測装置43の少なくともいずれか1つの計測結果を示す情報要素を受信してもよい。計測装置33の計測結果は、PCS31の出力電力の瞬時値を含んでもよく、PCS31の出力電力の積算値を含んでもよい。計測装置43の計測結果は、PCS41の出力電力(放電電力)の瞬時値を含んでもよく、PCS41の出力電力(放電電力)の積算値を含んでもよい。計測装置43の計測結果は、PCS41の入力電力(充電電力)の瞬時値を含んでもよく、PCS41の入力電力(充電電力)の積算値を含んでもよい。
(PCS)
以下において、実施形態に係るPCS80について説明する。PCS80は、上述したPCS31であってもよく、上述したPCS41であってもよい。
【0023】
図2に示すように、PCS80は、入力端81(以下、IN81)と、DC/DCコンバータ82(以下、DC/DC82)と、DC/ACコンバータ83(DC/AC83)と、ACF84と、連系出力端85(以下、OUT85)と、自立出力端86(以下、OUT86)と、通信部87と、制御部88と、を有する。
【0024】
IN81は、PV32又はBT42と接続されるインタフェースである。IN81は、端子台によって構成されてもよい。なお、IN81がBT42に接続されており、蓄電装置40が充電動作を実行する場合には、IN81は出力端として機能してもよい。
【0025】
DC/DC82は、IN81から入力される直流電力(以下、DC電力)の電圧を変換する。IN81がBT42に接続されており、蓄電装置40が充電動作を実行する場合には、DC/DC82は、DC/AC83から入力されるDC電力の電圧を変換してもよい。
【0026】
DC/AC83は、DC/DCから入力されるDC電力を交流電力(以下、AC電力)に変換する。IN81がBT42に接続されており、蓄電装置40が充電動作を実行する場合には、DC/AC83は、ACF84から入力されるAC電力をDC電力に変換してもよい。このようなケースにおいて、DC/AC83は、インバータと称されてもよい。
【0027】
ACF84は、DC/AC83から入力されるAC電力を整流する交流フィルタである。
【0028】
OUT85は、上述した分岐電力線112に接続されるインタフェースである。OUT85は、端子台によって構成されてもよい。なお、IN81がBT42に接続されており、蓄電装置40が充電動作を実行する場合には、OUT85は出力端として機能してもよい。
【0029】
OUT86は、自立電力線に接続されるインタフェースである。OUT86は、端子台によって構成されてもよい。なお、IN81がBT42に接続されており、蓄電装置40が充電動作を実行する場合には、OUT86は出力端として機能してもよい。
【0030】
通信部87は、通信モジュールによって構成される。通信モジュールは、IEEE802.11a/b/g/n、ZigBee、Wi-SUN、LTE、5G、6Gなどの規格に準拠する無線通信モジュールであってもよく、IEEE802.3、RS485などの規格に準拠する有線通信モジュールであってもよい。例えば、通信部87は、計測装置33(又は、計測装置43)と通信を実行してもよく、SM10と通信を実行してもよく、EMS60と通信を実行してもよい。
【0031】
制御部88は、少なくとも1つのプロセッサを有してもよい。少なくとも1つのプロセッサは、単一の集積回路(integrated circuit)によって構成されてもよく、通信可能に接続された複数の回路(集積回路(integrated circuit(s))及び/又はディスクリート回路(discrete circuit(s))など)によって構成されてもよい。例えば、制御部88は、DC/DC82及びDC/AC83を制御することによって、PCS80の出力電力を制御する。
【0032】
(アタッチメント型計測装置)
以下において、実施形態に係るアタッチメント型計測装置90について説明する。アタッチメント型計測装置90(以下、計測装置90)は、上述した計測装置33であってもよく、上述した計測装置43であってもよい。計測装置90は、施設100内の電力線(分岐電力線112)の電圧(後述するPCS80の出力電圧又は入力電圧)を計測してもよく、施設100内の電力線(分岐電力線112)の電流(後述するPCS80の出力電流又は入力電流)を計測してもよい。
【0033】
図3に示すように、計測装置90は、インタフェース91と、計測部92と、検出部93と、通信部94と、制御部95と、を有する。
【0034】
インタフェース91は、PCS80のOUT85(出力端)に取り付けられるインタフェースである。インタフェース91は、分岐電力線112の電圧を計測するためのインタフェースを含んでもよく、インタフェース91は、分岐電力線112の電流を計測するためのインタフェースを含んでもよい。
【0035】
上述したように、OUT85は、施設100内の電力線(分岐電力線112)を接続するための端子台によって構成されてもよい。このようなケースにおいて、インタフェース91は、分岐電力線112とともに端子台に取り付けられるインタフェースを含んでもよい。インタフェース91は、端子台にネジ止めされてもよい。インタフェース91は、圧着端子を含んでもよく、コネクタを含んでもよい。このようなインタフェース91は、分岐電力線112の電圧(PCS80の出力電圧又は入力電圧)の計測に用いられてもよい。
【0036】
インタフェース91は、分岐電力線112を嵌合するための形状を有するインタフェースを含んでもよい。インタフェース91は、分岐電力線112を挟み込むことによって分岐電力線112を嵌合する分割型の形状を有していてもよく、分岐電力線112が貫通する貫通孔を有する形状を有していてもよい。このようなインタフェース91は、分岐電力線112の電流(PCS80の出力電流又は入力電流)の計測に用いられてもよい。
【0037】
このようなケースにおいて、インタフェース91は、PCS80のOUT85から取り外しできない態様でPCS80のOUT85に取り付けられてもよい。PCS80のOUT85から取り外しできない態様は、インタフェース91をOUT85から物理的に取り外せない態様を含んでもよい。PCS80のOUT85から取り外しできない態様は、インタフェース91をOUT85から取り外すと、計測装置90の機能が失われる態様を含んでもよい。計測装置90の機能が失われる態様は、少なくとも通信部94の通信機能が失われる態様を含んでもよい。例えば、インタフェース91をOUT85から取り外すと、通信部94に電力を供給する電力線が物理的に切断されてもよい。
【0038】
計測部92は、PCS80の出力電力を少なくとも計測する。計測部92は、PCS80の出力電流を計測してもよく、PCS80の出力電圧を計測してもよい。PCS80がBT41に接続されており、蓄電装置40が充電動作を実行する場合には、PCS80の入力電力を計測してもよい。計測部92は、PCS80の入力電流を計測してもよく、PCS80の入力電圧を計測してもよい。
【0039】
検出部93は、計測装置90に対する不正操作を検出する。不正操作の検出は、ハードウェア的な検出を含んでもよく、ソフトウェア的な検出を含んでもよい。不正操作は、不適切なタイミングでPCS80が停止することであってもよい。不正操作は、インタフェース91をPCS80のOUT85から取り外すことであってもよい。不正操作は、計測装置90の筐体が開梱されることであってもよい。不正操作は、制御部95のプログラムを書き換えることであってもよい。
【0040】
例えば、検出部93は、不適切なタイミングでPCS80が停止することであってもよい。不適切なタイミングの停止は、通常停止以外の停止である。通常停止は、施設100の停電に伴うPCS80の停止、PCS80の異常に伴うPCS80の自立停止、EMS60の指示に伴うPCS80の停止などである。検出部93は、不適切なタイミングの停止が検出された場合に、不適切なタイミングの停止が検出された旨を制御部95に通知してもよい。検出部93は、不適切なタイミングの停止が検出された場合に、不適切なタイミングの停止の事実を検証可能な態様で不適切なタイミングの停止の事実を記録してもよい。不適切なタイミングの停止の事実の記録は、マーカなどを用いたハードウェア的な記録であってもよく、メモリなどへのソフトウェア的な記録であってもよい。
【0041】
例えば、検出部93は、インタフェース91がPCS80のOUT85から取り外されたことを検出してもよい。検出部93は、取り外しが検出された場合に、取り外しが検出された旨を制御部95に通知してもよい。検出部93は、取り外しが検出された場合に、取り外しの事実を検証可能な態様で取り外しの事実を記録してもよい。取り外しの事実の記録は、マーカなどを用いたハードウェア的な記録であってもよく、メモリなどへのソフトウェア的な記録であってもよい。
【0042】
例えば、検出部93は、計測装置90の筐体が開梱されたことを検出してもよい。検出部93は、筐体の開梱が検出された場合に、筐体の開梱が検出された旨を制御部95に通知してもよい。検出部93は、筐体の開梱が検出された場合に、筐体の開梱の事実を検証可能な態様で筐体の開梱の事実を記録してもよい。筐体の開梱の事実の記録は、マーカなどを用いたハードウェア的な記録であってもよく、メモリなどへのソフトウェア的な記録であってもよい。
【0043】
例えば、検出部93は、制御部95のプログラムが書き換えられたことを検出してもよい。検出部93は、プログラムの書き換えが検出された場合に、プログラムの書き換えが検出された旨を制御部95に通知してもよい。検出部93は、プログラムの書き換えが検出された場合に、プログラムの書き換えの事実を検証可能な態様でプログラムの書き換えの事実を記録してもよい。プログラムの書き換えの事実の記録は、メモリなどへのソフトウェア的な記録であってもよい。
【0044】
通信部94は、通信モジュールによって構成される。通信モジュールは、IEEE802.11a/b/g/n、ZigBee、Wi-SUN、LTE、5G、6Gなどの規格に準拠する無線通信モジュールであってもよく、IEEE802.3、RS485などの規格に準拠する有線通信モジュールであってもよい。
【0045】
ここで、通信部94は、SM10と通信を実行してもよく、EMS60と通信を実行してもよく、PCS80と通信を実行してもよい。例えば、通信部94は、計測部92の計測結果を示す情報要素を送信する。計測部92の計測結果は、PCS80の出力電力の瞬時値を含んでもよく、PCS80の出力電力の積算値を含んでもよい。PCS80がBT41に接続されており、蓄電装置40が充電動作を実行する場合には、計測部92の計測結果は、PCS80の入力電力の瞬時値を含んでもよく、PCS80の入力電力の積算値を含んでもよい。
【0046】
制御部95は、少なくとも1つのプロセッサを有してもよい。少なくとも1つのプロセッサは、単一の集積回路(IC)によって構成されてもよく、通信可能に接続された複数の回路(集積回路及び又はディスクリート回路(discrete circuits)など)によって構成されてもよい。
【0047】
ここで、制御部95は、計測装置90に対する不正操作が検出された場合に、計測装置90の動作を停止する停止処理を実行してもよい。停止処理は、少なくとも通信部94の動作を停止する処理を含んでもよい。例えば、制御部95は、通信部94に対する電力供給を停止してもよく、通信部94の通信機能を制限してもよい。
【0048】
(制御方法)
以下において、実施形態に係る制御方法について説明する。ここでは、計測装置90の動作について主として説明する。
【0049】
第1に、計測結果の送信について、図4を参照しながら説明する。
【0050】
図4に示すように、ステップS10において、計測装置90は、PCS80の出力電力を計測する。計測装置90は、PCS80の入力電力を計測してもよい。PCS80の出力電力は瞬時値であってもよく、積算値であってもよい。PCS80の入力電力は瞬時値であってもよく、積算値であってもよい。
【0051】
ステップS11において、計測装置90は、計測部92の計測結果を記憶する。PCS80の出力電力が瞬時値である場合には、計測装置90は、瞬時値を積算することによって積算値を記憶してもよい。
【0052】
ステップS12において、計測装置90は、計測部92の計測結果の送信可否を判断する。計測装置90は、計測装置90が有するタイマの満了に応じて計測結果を送信すると判断してもよい。計測装置90は、SM10(EMS60又はPCS80)の許可に応じて計測結果を送信すると判断してもよい。計測装置90は、計測結果の送信が可能である場合に、ステップS13の処理を実行し、計測結果の送信が不可である場合に、ステップS10の処理に戻る。
【0053】
ステップS13において、計測装置90は、計測部92の計測結果を示す情報要素を送信する。計測結果は、PCS80の出力電力の瞬時値を含んでもよく、PCS80の出力電力の積算値を含んでもよい。計測結果は、PCS80の入力電力の瞬時値を含んでもよく、PCS80の入力電力の積算値を含んでもよい。計測装置90は、計測結果を示す情報要素をSM10(EMS60又はPCS80)に送信する。
【0054】
第2に、不正操作の検出について、図5を参照しながら説明する。
【0055】
図5に示すように、ステップS20において、計測装置90は、計測装置90に対する不正操作が検出されたか否かを判断する。計測装置90は、不正操作が検出された場合に、ステップS21の処理を実行し、不正操作が検出されなかった場合に待機する。
ステップS21において、計測装置90は、計測装置90の動作を停止する停止処理を実行する。
【0056】
(作用及び効果)
実施形態では、計測装置90は、PCS80のOUT85(出力端)に取り付けられるインタフェース91を有する。すなわち、計測装置90は、PCS80のOUT85(出力端)に取り付けられるアタッチメント型の計測装置である。このような構成によれば、PCS80の出力電力(又は、入力電力)を個別に計測する必要がある場合において、施設100内の電力線(例えば、分岐電力線112又は分電盤20)に検定付きメータを取り付けるケースと比べて、計測装置90を容易に設置することができる。
【0057】
実施形態では、インタフェース91は、PCS80のOUT85から取り外しできない態様でPCS80のOUT85に取り付けられてもよい。このような構成によれば、計測装置90の不正利用を抑制することができる。このようにセキュリティ性が担保されるため、例えば、計測装置90を検定付きメータの代替として用いることができる。計測装置90がアタッチメント型であるため、計測装置90間の計測精度のバラツキも抑制されていることに留意すべきである。
【0058】
実施形態では、検出部93は、計測装置90に対する不正操作を検出する。このような構成によれば、計測装置90の不正利用を抑制することができる。このようにセキュリティ性が担保されるため、例えば、計測装置90を検定付きメータの代替として用いることができる。計測装置90がアタッチメント型であるため、計測装置90間の計測精度のバラツキも抑制されていることに留意すべきである。
【0059】
上述したように、分散電源(PCS80)の出力電力を計測するための計測装置として容易に設置可能なアタッチメント型計測装置を提供することができる。
【0060】
[変更例1]
以下において、実施形態の変更例1について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0061】
変更例1においては、計測装置90の認証手順について説明する。具体的には、SM10と計測装置90とのペアリングを適切に認証する手順について説明する。
【0062】
計測装置90の通信部94は、計測装置90の認証手順において、SM10を識別する識別情報(以下、SM識別情報)を示す情報要素をSM10に送信する。通信部94は、計測装置90の認証手順において、計測部92の計測結果を示す情報要素をSM10に送信してもよい。
【0063】
ここで、計測装置90は、SM識別情報をユーザ入力によって取得してもよい。計測装置90は、SM識別情報をSM10から受信してもよい。このようなケースにおいて、SM10は、SM10を管理するエンティティ(例えば、電力会社)の指示に応じてSM識別情報を計測装置90に送信してもよい。
【0064】
SM識別情報としては、SM10に割り振られた供給地点特定番号が用いられてもよい。供給地点特定番号は、電気料金明細書に記載された番号であってもよい。
【0065】
SM10は、計測装置90から受信する情報要素をSM10で管理する情報要素と比較することによって計測装置90を認証してもよい。例えば、SM10は、計測装置90から受信するSM識別情報がSM10で管理するSM識別情報と一致する場合に、計測装置90が正当であると認証してもよい。SM10は、計測装置90から受信するSM識別情報がSM10で管理するSM識別情報と一致しない場合に、計測装置90が正当であると認証しなくてもよい。
【0066】
さらに、SM10は、計測装置90から受信する計測結果がSM10で管理する電力情報と整合する場合に、計測装置90が正当であると認証してもよい。SM10は、計測装置90から受信する計測結果がSM10で管理する電力情報と整合しない場合に、計測装置90が正当であると認証しなくてもよい。
【0067】
ここで、整合とは、潮流電力(又は逆潮流電力)の変動が計測装置90から受信する計測結果の変動と連動していることを意味してもよい。或いは、SM10は、PCS80の内部に設置される計測器(以下、CTセンサ)からCTセンサの計測結果を受信してもよい。SM10は、計測装置90から受信する計測結果がCTセンサの計測結果と整合するか否かによって、計測装置90が正当であると認証するか否かを判断してもよい。
【0068】
(認証方法)
以下において、変更例1に係る認証方法について説明する。ここでは、SM10と計測装置90との間のシーケンスについて説明する。
【0069】
図6に示すように、ステップS30において、計測装置90は、SM識別情報を取得する。上述したように、計測装置90は、SM識別情報をユーザ入力によって取得してもよい。計測装置90は、SM識別情報をSM10から受信してもよい。
【0070】
ステップS31において、計測装置90は、PCS80の出力電力(又は入力電力)を計測する。
【0071】
ステップS32において、計測装置90は、SM識別情報及び計測結果をSM10に送信する。
【0072】
ステップS33において、SM10は、計測装置90から受信する情報要素をSM10で管理する情報要素と比較することによって計測装置90を認証する。
【0073】
ステップS34において、SM10は、認証結果を計測装置90に送信する。ここでは、計測装置90が正当であると認証されたものとして説明を続ける。
【0074】
ステップS35において、計測装置90は、通常動作を開始する。通常動作は、上述した図4及び図5に示す動作であってもよい。
【0075】
ここで、ステップS30~ステップS34の動作は、通常動作前に実行される認証手順の動作である。従って、ステップS31の計測及びステップS32の計測結果の送信は、図4のステップS10の計測及びステップS13の計測結果の送信とは位置づけが異なることに留意すべきである。
【0076】
図6では、SM識別情報を用いた認証及び計測結果を用いた認証が同時に実行されるケースについて例示した。しかしながら、変更例1はこれに限定されるものではない。例えば、SM識別情報を用いた認証が実行された後に、計測結果を用いた認証が実行されてもよい。このようなケースにおいて、SM10は、SM識別情報を用いた認証において、計測装置90が正当であると認証された場合に、計測結果の送信を計測装置90に要求してもよい。
【0077】
(作用及び効果)
変更例1では、計測装置90は、計測装置90の認証手順において、SM識別情報を示す情報要素をSM10に送信する。このような構成によれば、SM10と計測装置90とのペアリングを適切に実行することができ、計測装置90の計測結果が不適切な相手に送信される事態を抑制することができる。
【0078】
変更例1では、計測装置90は、計測装置90の認証手順において、計測部92の計測結果を示す情報要素をSM10に送信してもよい。このような構成によれば、実際の電力情報を用いた認証が実行されるため、SM10と計測装置90とのペアリングをさらに適切に実行することができ、計測装置90の計測結果が不適切な相手に送信される事態を適切に抑制することができる。
【0079】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0080】
上述した開示では、分散電源として、太陽電池装置30及び蓄電装置40を例示した。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。分散電源は、燃料電池装置を含んでもよく、風力発電装置を含んでもよく、水力発電装置を含んでもよく、地熱発電装置を含んでもよい。
【0081】
上述した開示では、計測装置90がPCS80のOUTのOUT85(連系出力端)に取り付けられるケースを例示した。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。計測装置90は、がPCS80のOUTのOUT86(自立出力端)に取り付けられてもよい。このようなケースにおいて、PCS80は、DC/ACコンバータ83を有しておらず、DC/DCコンバータ82を有していてもよい。
【0082】
上述した開示では、インタフェース91をPCS80のOUT85から1回でも取り外した場合に、計測装置90に対する不正操作が検出される。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。例えば、取り外し回数の許容回数が定められていてもよい。このようなケースでは、取り外し回数が許容回数を超えた場合に、計測装置90に対する不正操作が検出されてもよい。
【0083】
上述した開示では、計測装置90の認証がSM10によって実行されるケースについて例示した。しかしながら、変更例1は、これに限定されるものではない。計測装置90の認証は、EMS60によって実行されてもよく、PCS80によって実行されてもよい。このようなケースにおいて、EMS60及びPCS80は、適切なSM識別情報を事前に取得する。また、EMS60及びPCS80は、SM10から電力情報を受信してもよい。
【0084】
上述した開示では特に触れていないが、図6に示す認証手順は、定期的に実行されてもよい。
【0085】
上述した開示では特に触れていないが、計測装置90は、第三者機関によって認証された装置であってもよい。
【0086】
上述した開示では、計測装置90がPCS80の出力端に取り付けられる。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。例えば、分散電源は、PCS80を含まなくてもよい。例えば、計測装置90は、分散電源(PV32、BT42など)の出力端に取り付けられてもよい。このようなケースにおいて、分散電源は、DC/DCコンバータを含んでもよい。
【0087】
上述した開示では特に触れていないが、EMS60が有する機能の少なくとも一部は、ネットワーク上に配置されるサーバによって実行されてもよい。言い換えると、EMS60は、クラウドサービスによって提供されてもよい。
【0088】
上述した開示では特に触れていないが、電力とは、瞬時電力(kW)であってもよく、一定期間(例えば、30分)の積算電力量(kWh)であってもよい。
【符号の説明】
【0089】
10…SM、20…分電盤、21…ブレーカ、30…太陽電池装置、31…PCS、32…PV、33…アタッチメント型計測装置、40…蓄電装置、41…PCS、42…BT、43…アタッチメント型計測装置、50…負荷機器、60…EMS、80…PCS、81…IN、82…DC/DC、83…DC/AC、84…ACF、85…OUT、86…OUT、87…通信部、88…制御部、90…アタッチメント型計測装置、91…インタフェース、92…計測部、93…検出部、94…通信部、95…制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6