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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022085571
(43)【公開日】2022-06-08
(54)【発明の名称】電力変換装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/12 20060101AFI20220601BHJP
【FI】
H02M7/12 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020197321
(22)【出願日】2020-11-27
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】青木 暉
(72)【発明者】
【氏名】脇阪 伸也
【テーマコード(参考)】
5H006
【Fターム(参考)】
5H006CB01
5H006CB07
5H006CB08
5H006CC01
5H006CC02
5H006CC08
5H006DB01
(57)【要約】
【課題】出力電力の変更に基づく変換効率の低下を抑制できる電力変換装置を提供すること。
【解決手段】電力変換装置10は、第1端子11~13及び第2端子21,22と、トランス30と、第1端子11~13とトランス30との間に設けられた1次側回路40と、1次側回路40とトランス30の1次側巻線31とを接続する1次側接続線LN1と、2次側回路50と、を備えている。ここで、電力変換装置10は、1次側接続線LN1上に設けられ、リアクトル値Lを変更可能な可変インダクタ回路70と、2次側回路50から第2端子21,22に向けて出力される電力である出力電力Poutに応じて、可変インダクタ回路70のリアクトル値Lを変更する制御回路80と、を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端子及び第2端子と、
1次側巻線及び2次側巻線を有するトランスと、
前記第1端子と前記1次側巻線との間に設けられ、複数の1次側スイッチング素子を有し且つ前記第1端子から入力される電力の電力変換を行う1次側回路と、
前記1次側回路と前記1次側巻線とを接続する1次側接続線と、
前記2次側巻線と前記第2端子との間に設けられ、前記トランスから入力される交流電力を整流し、その整流された直流電力を前記第2端子に向けて出力する2次側回路と、
前記1次側接続線上に設けられ、リアクトル値を変更可能な可変インダクタ回路と、
前記複数の1次側スイッチング素子及び前記可変インダクタ回路を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記2次側回路から前記第2端子に向けて出力される電力である出力電力に応じて、前記可変インダクタ回路のリアクトル値を変更することを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記複数の1次側スイッチング素子を周期的にスイッチングする制御モードとして、
1周期内において前記1次側巻線に電流が連続的に流れる連続モードと、
1周期内に前記1次側巻線に電流が流れない期間が設けられた不連続モードと、
を備え、
前記制御部は、
前記出力電力が第1電力値である場合には、前記制御モードを前記連続モードに設定し、且つ、前記可変インダクタ回路のリアクトル値を第1設定値に設定し、
前記出力電力が前記第1電力値よりも小さい第2電力値である場合には、前記制御モードを前記不連続モードに設定し、且つ、前記可変インダクタ回路のリアクトル値を、前記第1設定値よりも高い第2設定値に設定する請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記複数の1次側スイッチング素子を周期的にスイッチングする制御モードとして、1周期内に前記1次側巻線に電流が流れない期間が設けられた不連続モードを備え、
前記制御部は、前記制御モードが前記不連続モードである状況下において前記出力電力が小さくなるに従って前記可変インダクタ回路のリアクトル値を高くする請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記可変インダクタ回路は、
第1インダクタと、
前記第1インダクタに対して直列に接続された第2インダクタと、
前記第2インダクタに対して並列に接続されたインダクタスイッチと、
を備え、
前記制御部は、前記インダクタスイッチを制御することにより、前記可変インダクタ回路のリアクトル値を変更する請求項1~3のうちいずれか一項に記載の電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、1次側巻線及び2次側巻線を有するトランスを備えた電力変換装置が知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に記載の電力変換装置は、1次側回路としての第1スイッチング回路と、2次側回路としての第2スイッチング回路と、を備え、トランスは第1スイッチング回路と第2スイッチング回路との間に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-153236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、電力変換装置は、当該電力変換装置に対して要求される電力に応じて、2次側回路から出力される電力である出力電力を変更する場合がある。この場合、出力電力に応じて変換効率が低下する場合がある。
【0005】
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、その目的は出力電力の変更に基づく変換効率の低下を抑制できる電力変換装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する電力変換装置は、第1端子及び第2端子と、1次側巻線及び2次側巻線を有するトランスと、前記第1端子と前記1次側巻線との間に設けられ、複数の1次側スイッチング素子を有し且つ前記第1端子から入力される電力の電力変換を行う1次側回路と、前記1次側回路と前記1次側巻線とを接続する1次側接続線と、前記2次側巻線と前記第2端子との間に設けられ、前記トランスから入力される交流電力を整流し、その整流された直流電力を前記第2端子に向けて出力する2次側回路と、前記1次側接続線上に設けられ、リアクトル値を変更可能な可変インダクタ回路と、前記複数の1次側スイッチング素子及び前記可変インダクタ回路を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記2次側回路から前記第2端子に向けて出力される電力である出力電力に応じて、前記可変インダクタ回路のリアクトル値を変更することを特徴とする。
【0007】
かかる構成によれば、第1端子に入力される電力は、1次側回路によって変換される。そして、1次側回路によって変換された電力は、可変インダクタ回路及びトランスを介して2次側回路に入力され、2次側回路によって整流されて出力される。
【0008】
また、本構成によれば、1次側回路と2次側回路とはトランスによって絶縁されている。これにより、何らかの異常が発生した場合であっても、1次側回路と2次側回路との間で直流電力の伝送が行われにくいため、安全性の向上を図ることができる。
【0009】
ここで、本願発明者らは、出力電力の変更によって変換効率が低下する要因の1つが、1次側巻線を流れる電流の傾きであることを見出した。この知見に着目し、本電力変換装置では、1次側接続線上に可変インダクタ回路を設け、出力電力に応じて可変インダクタ回路のリアクトル値を変更する構成を採用した。これにより、出力電力に適した電流の傾きにすることができ、それを通じて変換効率の低下を抑制できる。
【0010】
上記電力変換装置について、前記制御部は、前記複数の1次側スイッチング素子を周期的にスイッチングする制御モードとして、1周期内において前記1次側巻線に電流が連続的に流れる連続モードと、1周期内に前記1次側巻線に電流が流れない期間が設けられた不連続モードと、を備え、前記制御部は、前記出力電力が第1電力値である場合には、前記制御モードを前記連続モードに設定し、且つ、前記可変インダクタ回路のリアクトル値を第1設定値に設定し、前記出力電力が前記第1電力値よりも小さい第2電力値である場合には、前記制御モードを前記不連続モードに設定し、且つ、前記可変インダクタ回路のリアクトル値を、前記第1設定値よりも高い第2設定値に設定するとよい。
【0011】
かかる構成によれば、第2電力値よりも大きい第1電力値を出力する場合には、制御モードが連続モードに設定される。連続モードは、不連続モードよりも、大きい電力を出力し易い制御モードである。これにより、第1電力値の出力を比較的容易に実現できる。また、制御モードが連続モードである場合には、電流の傾きが大きい方が1周期内における電流のピーク値が低くなり易いため、変換効率が高くなり易い。この点、本構成によれば、出力電力が第1電力値である場合には、リアクトル値は、第2設定値よりも電流の傾きが大きくなり易い第1設定値に設定される。これにより、出力電力の変更に伴う変換効率の低下を抑制できる。
【0012】
一方、第1電力値よりも小さい第2電力値を出力する場合には、制御モードが不連続モードに設定される。不連続モードは、連続モードよりも、小さい電力を出力し易い制御モードである。これにより、仮に第2電力値が連続モードでは出力することができないような値であったとしても、第2電力値の出力を実現できる。また、制御モードが不連続モードである場合には、電流の傾きが小さい方が1周期内における電流のピーク値が低くなり易いため、変換効率が高くなり易い。この点、本構成によれば、出力電力が第2電力値である場合には、リアクトル値は、第1設定値よりも電流の傾きが小さくなり易い第2設定値に設定される。これにより、出力電力の変更に伴う変換効率の低下を抑制できる。
【0013】
上記電力変換装置について、前記制御部は、前記複数の1次側スイッチング素子を周期的にスイッチングする制御モードとして、1周期内に前記1次側巻線に電流が流れない期間が設けられた不連続モードを備え、前記制御部は、前記制御モードが前記不連続モードである状況下において前記出力電力が小さくなるに従って前記可変インダクタ回路のリアクトル値を高くするとよい。
【0014】
かかる構成によれば、出力電力が小さくなるに従って必要な電流量が小さくなることに対応させて、出力電力が小さくなるに従って可変インダクタ回路のリアクトル値を高くすることにより、必要な電流量を確保しつつ、変換効率を向上させることができる。
【0015】
上記電力変換装置について、前記可変インダクタ回路は、第1インダクタと、前記第1インダクタに対して直列に接続された第2インダクタと、前記第2インダクタに対して並列に接続されたインダクタスイッチと、を備え、前記制御部は、前記インダクタスイッチを制御することにより、前記可変インダクタ回路のリアクトル値を変更するとよい。
【0016】
かかる構成によれば、インダクタスイッチを制御することによりリアクトル値を変更できる。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、出力電力の変更に基づく変換効率の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】電力変換装置の概要を模式的に示す回路図。
図2】連続モードの1周期において1次側巻線に流れる電流波形を模式的に示すグラフ。
図3】不連続モードの1周期において1次側巻線に流れる電流波形を模式的に示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、電力変換装置の一実施形態について説明する。なお、以下の記載は、電力変換装置の一例を示すものであり、電力変換装置が本実施形態の内容に限定されるものではない。
【0020】
図1に示すように、本実施形態の電力変換装置10は、例えば交流電源101との接続に用いられる第1端子(入力部)11~13を備えている。交流電源101が第1端子11~13に接続されることにより、電力変換装置10に交流電力が入力される。
【0021】
交流電源101は、例えば3相の系統電力を出力する系統電源である。本実施形態では、3相の系統電力に対応させて、第1端子11~13は3つである。但し、これに限られず、単相の系統電力に対応させて、入力端子は2つでもよい。すなわち、電力変換装置10に入力される電力は単相でもよいし、三相でもよい。なお、説明の便宜上、第1端子11~13に入力される交流電力(換言すれば交流電源101が出力する電力)を入力電力Pinという。第1端子11~13は、入力電力Pinが入力される端子ともいえる。
【0022】
本実施形態の電力変換装置10は、入力電力Pinを直流電力に変換して出力するものである。電力変換装置10は、当該電力変換装置10によって変換された直流電力が出力される第2端子(出力部)21,22を備えている。
【0023】
図1に示すように、本実施形態では、電力変換装置10は、トランス30と、1次側回路40と、2次側回路50と、を備えている。
トランス30は、互いに磁気結合した1次側巻線31及び2次側巻線32を有している。両巻線31,32はコイルである。トランス30は、交流電力の電圧変換を行うものであり、その変圧比は、1次側巻線31と2次側巻線32との巻数比に対応する。
【0024】
電力変換装置10は、1次側巻線31と1次側回路40とを接続する1次側接続線LN1と、2次側巻線32と2次側回路50とを接続している2次側接続線LN2と、を備えている。これにより、1次側回路40と2次側回路50とは、トランス30を介して電気的に接続されている。したがって、1次側回路40と2次側回路50との間では交流電力の伝送は許容されている一方、直流電力の伝送が規制されている。この場合、1次側回路40と2次側回路50とは絶縁されているといえる。すなわち、本実施形態において絶縁とは、直流電力の伝送が規制されていることを意味する。
【0025】
本実施形態の1次側回路40は、第1端子11~13と1次側巻線31との間に設けられており、1次側巻線31に接続されているとともに、第1端子11~13に接続されている。これにより、1次側回路40は、第1端子11~13を介して交流電源101に接続される。
【0026】
1次側回路40は、電力変換を行うものであり、本実施形態では第1端子11~13から入力される電力である入力電力Pinを交流電力に変換する。本実施形態の1次側回路40は、交流電力の双方向変換を可能に構成されている。1次側回路40は、例えば1次側スイッチング素子Q1~Q6を備えたマトリックスコンバータである。1次側回路40は、1次側スイッチング素子Q1~Q6が周期的にON/OFFすることにより交流の電力変換を行う。例えば、1次側回路40は、入力電力Pinを所定電圧の交流電力に変換してトランス30の1次側巻線31に向けて出力したり、トランス30から入力された交流電力を変換して交流電源101に出力したりする。
【0027】
1次側スイッチング素子Q1~Q6は、順方向及び逆方向の双方の電圧をON/OFFすることができる双方向スイッチング素子である。1次側スイッチング素子Q1~Q6の具体的な構成は任意であるが、例えば互いに並列に接続された複数のIGBT及びダイオードの組み合わせ又はMOSFETを有するとよい。
【0028】
なお、1次側スイッチング素子Q1~Q6の具体的な構成は、これに限られず、単方向スイッチング素子でもよい。この場合、単方向スイッチング素子に対して並列にダイオードが接続されているとよい。
【0029】
電力変換装置10は単方向の電力変換装置でもよい。この場合、1次側スイッチング素子は、単方向の交流入力ならば、例えば、IGBTとダイオードの組合せ、MOSFET等であるとよく、単方向の直流入力ならば、例えば、IGBTとダイオードの組合せ、IGBT、MOSFET等であるとよい。
【0030】
1次側スイッチング素子Q1~Q6は、1次側上アームスイッチング素子Q1,Q2,Q3と、1次側中間線41,42,43によって1次側上アームスイッチング素子Q1,Q2,Q3と直列に接続された1次側下アームスイッチング素子Q4,Q5,Q6とによって構成されている。1次側上アームスイッチング素子Q1,Q2,Q3と1次側下アームスイッチング素子Q4,Q5,Q6との直列接続体は、互いに並列に接続された状態で、1次側接続線LN1によって1次側巻線31に接続されている。
【0031】
2次側回路50は、1次側巻線31と磁気結合している2次側巻線32と、第2端子21,22との双方に接続されている。これにより、1次側巻線31に入力される交流電力は、2次側巻線32によって変圧されて2次側回路50に入力される。
【0032】
2次側回路50は、トランス30から2次側回路50に入力される交流電力を整流し、その整流された直流電力を第2端子21,22に向けて出力する。以下、2次側回路50から第2端子21,22に向けて出力される電力を出力電力Poutという。
【0033】
本実施形態の2次側回路50は、AC/DCの双方向変換を可能に構成されている。例えば、2次側回路50は、複数(例えば4つ)の2次側スイッチング素子を有するフルブリッジ回路を含み、2次側スイッチング素子が周期的にON/OFFすることにより電力変換を行う。例えば、2次側回路50は、トランス30から入力される交流電力を直流電力に変換したり、第2端子21,22から入力される直流電力を交流電力に変換したりする。
【0034】
すなわち、本実施形態の電力変換装置10は、1次側スイッチング素子Q1~Q6及び2次側スイッチング素子が周期的にON/OFFすることにより、交流電力及び直流電力間の双方向変換を行うデュアルアクティブブリッジ形式のマトリックスコンバータである。
【0035】
図1に示すように、電力変換装置10は、2次側回路50と第2端子21,22との間に設けられた出力コンデンサ60を備えている。出力コンデンサ60によって、2次側回路50から出力される直流電力の電圧が安定する。すなわち、出力コンデンサ60は、2次側回路50から出力される直流電力を安定化するためのものともいえる。本実施形態では、2次側回路50から第2端子21,22に向けて出力された出力電力Poutは、出力コンデンサ60によって安定化された状態で、第2端子21,22から出力される。
【0036】
電力変換装置10は、1次側接続線LN1上に設けられ、リアクトル値(換言すればインダクタンス)Lを変更可能な可変インダクタ回路70を備えている。
可変インダクタ回路70は、例えば第1インダクタ71と、第1インダクタ71に対して直列に接続された第2インダクタ72と、第2インダクタ72に対して並列に接続されたインダクタスイッチ73と、を備えている。
【0037】
かかる構成によれば、インダクタスイッチ73の状態に応じてリアクトル値Lが変わる。詳細には、インダクタスイッチ73がON状態である場合には、リアクトル値Lは第1インダクタ71のインダクタンスとなる。一方、インダクタスイッチ73がOFF状態である場合には、リアクトル値Lは、両インダクタ71,72のインダクタンスの合成値となる。
【0038】
ここで、インダクタスイッチ73がON状態である場合のリアクトル値Lを第1設定値L1とし、インダクタスイッチ73がOFF状態である場合のリアクトル値Lを第2設定値L2とする。第2設定値L2は、第1設定値L1よりも高い。すなわち、本実施形態の可変インダクタ回路70は、インダクタスイッチ73を制御することにより、リアクトル値Lを、第1設定値L1又は第2設定値L2に切り替えることができる。
【0039】
ちなみに、第1インダクタ71及び第2インダクタ72の具体的な構成は任意であり、例えば専用のコイルによって構成されていてもよいし、1次側接続線LN1の寄生インダクタンスによって構成されていてもよい。両インダクタ71,72の少なくとも一方が1次側接続線LN1の寄生インダクタンスによって構成されている場合、1次側接続線LN1の幅や長さを調整することにより、インダクタンスを調整するとよい。また、両インダクタ71,72のいずれか一方は、トランス30の漏れインダクタンスによって構成されていてもよい。
【0040】
電力変換装置10は、1次側回路40、2次側回路50及び可変インダクタ回路70を制御する制御部としての制御回路80を備えている。本実施形態では、制御回路80は、1次側回路40、2次側回路50及び可変インダクタ回路70、詳細には1次側スイッチング素子Q1~Q6、2次側スイッチング素子及びインダクタスイッチ73を制御するための制御処理を実行するプログラムや必要な情報が記憶されたメモリと、上記プログラムに基づいて制御処理を実行するCPUとを有する構成でもよい。
【0041】
ただし、これに限られず、制御回路80は、例えば専用ハードウェア回路を有する構成でもよいし、1又は複数の専用ハードウェア回路とソフトウェア処理を実行するCPUとの組み合わせでもよい。換言すれば、制御回路80の具体的な構成は任意であり、例えば1つ以上の専用のハードウェア回路、及び、コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサ(制御回路)の少なくとも一方によって実現されていればよい。
【0042】
制御回路80は、複数の1次側スイッチング素子Q1~Q6を制御することにより、1次側回路40において電力変換を行わせるとともに出力電力Poutを制御する。
詳細には、制御回路80は、複数の1次側スイッチング素子Q1~Q6を所定のスイッチングパターンで順次スイッチング動作させることにより、交流電力の電力変換を行う。スイッチングパターンとは、各1次側スイッチング素子Q1~Q6の状態の組み合わせである。制御回路80は、複数のスイッチングパターンを予め定められた順序で切り替えるスイッチングを1周期として、当該スイッチングを周期的に行うことにより、電力変換を行わせる。
【0043】
ここで、制御回路80は、1次側スイッチング素子Q1~Q6を周期的にスイッチングする制御モードとして、連続モードと不連続モードとを備えている。当該制御モードについて図2及び図3を用いて説明する。
【0044】
図2は、連続モードの1周期において1次側巻線31に流れる電流波形を模式的に示すグラフであり、リアクトル値Lが第1設定値L1である場合を実線で示し、リアクトル値Lが第2設定値L2である場合を一点鎖線で示す。図3は、不連続モードの1周期において1次側巻線31に流れる電流波形を模式的に示すグラフであり、リアクトル値Lが第1設定値L1である場合を実線で示し、リアクトル値Lが第2設定値L2である場合を一点鎖線で示す。
【0045】
図2に示すように、連続モードは、1周期内において1次側巻線31(換言すればトランス30)に電流Iが連続的に流れる制御モードである。換言すれば、連続モードは、1次側巻線31に電流Iが連続的に流れるように各1次側スイッチング素子Q1~Q6を周期的にスイッチングするモードである。
【0046】
詳細には、1次側上アームスイッチング素子Q1,Q2,Q3と1次側下アームスイッチング素子Q4,Q5,Q6とにおいて直列に接続されたもの同士が同時にON状態となる場合、1次側巻線31には電流Iが流れない。したがって、連続モードでは、1周期内において1次側上アームスイッチング素子Q1,Q2,Q3と1次側下アームスイッチング素子Q4,Q5,Q6とにおいて直列に接続されたもの同士が同時にON状態となる期間が設けられていない。すなわち、連続モードは、各1次側スイッチング素子Q1~Q6における直列接続されたペアのうち少なくとも一方がOFF状態となっているモードである。換言すれば、連続モードにおいて実行される複数のスイッチングパターンは、直列接続されたペアについて少なくとも一方がOFF状態となるように設定されている。
【0047】
図3に示すように、不連続モードは、1周期内において1次側巻線31(換言すればトランス30)に電流Iが流れないゼロ期間Txが設けられた制御モードである。換言すれば、不連続モードは、ゼロ期間Txが設けられるように各1次側スイッチング素子Q1~Q6を周期的にスイッチングするモードである。
【0048】
詳細には、ゼロ期間Txは、1周期内において1次側上アームスイッチング素子Q1,Q2,Q3と1次側下アームスイッチング素子Q4,Q5,Q6とにおける直列に接続されたもの同士が同時にON状態となる期間である。すなわち、不連続モードにおいて実行される複数のスイッチングパターンは、直列接続されたペアの双方がON状態となるゼロパターンを含む。ゼロパターンは、例えば両アームスイッチング素子Q1,Q4、両アームスイッチング素子Q2,Q5、又は両アームスイッチング素子Q3,Q6のいずれかのペアが同時にON状態となるように設定されたスイッチングパターンである。ゼロ期間Txは、ゼロパターンが設定されている期間である。
【0049】
制御回路80は、外部からの指令などに基づいて出力電力Poutを決定し、その決定された出力電力Poutが出力されるように1次側回路40を制御する。この場合、制御回路80は、出力電力Poutに応じて可変インダクタ回路70のリアクトル値Lを変更する。この点について以下に詳細に説明する。
【0050】
本実施形態では、制御回路80は、出力電力Poutが第1電力値Pout1である場合、制御モードを連続モードに設定し、且つ、リアクトル値Lを第1設定値L1に設定する。
【0051】
一方、制御回路80は、出力電力Poutが第1電力値Pout1よりも小さい第2電力値Pout2である場合には、制御モードを不連続モードに設定し、且つ、リアクトル値Lを第1設定値L1よりも高い第2設定値L2に設定する。
【0052】
図2及び図3を用いて、各モードにおけるリアクトル値Lと電流Iとの関係について詳細に説明する。
まず連続モードにおけるリアクトル値Lと電流Iとの関係について説明する。
【0053】
図2に示すように、連続モードでは、1次側巻線31に電流Iが連続的に流れる。これにより、出力電力Poutを大きくすることができる。この特性を考慮して、本実施形態の制御回路80は、相対的に大きい第1電力値Pout1を出力する場合には、制御モードを連続モードに設定する。
【0054】
電流Iの波形は、リアクトル値Lに応じて変化する。詳細には、電流Iの立ち上がり及び立ち下がりの傾きは、リアクトル値Lに応じて変化するものであり、具体的にはリアクトル値Lが第2設定値L2である場合の方が第1設定値L1である場合よりも傾きが小さくなる。
【0055】
ここで、決定された出力電力Poutを得るために必要な半周期内における電流Iの積分量(以下、「電流量」という。)は決まっている。このため、制御回路80は、出力電力Poutに対応する電流量が得られるようにリアクトル値Lに対応させてパルス幅調整(換言すれば各スイッチングパターンの時間調整)を行う。このため、電流Iの傾きに応じて電流Iのピーク値が変わる。詳細には、リアクトル値Lが大きくなることに従って電流Iの立ち上がり及び立ち下がりの傾きが小さくなると、必要な電流量を確保するためにその分ピーク値が高くなる。となると、制御モードが連続モードである条件下では、リアクトル値Lが第2設定値L2である場合の電流Iのピーク値である第2ピーク値Ip2は、リアクトル値Lが第1設定値L1である場合の電流Iのピーク値である第1ピーク値Ip1よりも高くなり易い。
【0056】
次に、不連続モードにおけるリアクトル値Lと電流Iとの関係について説明する。
図3に示すように、不連続モードでは、1次側巻線31に電流Iが流れないゼロ期間Txが設けられている。ゼロ期間Txは、正の電流Iが流れる期間と負の電流Iが流れる期間との間に設けられている。これにより、電流量を小さくすることができるため、連続モードでは出力することができないような小さい出力電力Poutであっても出力させることが可能となる。この特性を考慮して、本実施形態の制御回路80は、相対的に小さい第2電力値Pout2を出力する場合には、制御モードを不連続モードに設定する。
【0057】
ここで、連続モード時と同様に、不連続モードにおける電流Iの立ち上がり及び立ち下がりの傾きは、リアクトル値Lに応じて変化する。詳細には、リアクトル値Lが第2設定値L2である場合の方が第1設定値L1である場合よりも傾きが小さくなる。
【0058】
かかる構成において、制御回路80は、出力電力Poutに対応する電流量が得られるようにリアクトル値Lに対応させてパルス幅調整(換言すればゼロパターンの時間調整)を行う。具体的には、制御回路80は、同一の電流量が得られるように電流Iの傾きの違いに対応させてゼロ期間Txを調整する。これにより、リアクトル値Lが第2設定値L2となっている場合のゼロ期間Txである第2ゼロ期間Tx2は、リアクトル値Lが第1設定値L1となっている場合のゼロ期間Txである第1ゼロ期間Tx1よりも短くなる。
【0059】
また、図3に示すように、不連続モード時には、電流Iの傾きの違いに対応させてゼロ期間Txが調整されるため、制御モードが不連続モードである条件下では、第2ピーク値Ip2は第1ピーク値Ip1よりも低くなる。
【0060】
次に本実施形態の作用について説明する。
第1端子11~13に入力される電力は、1次側回路40によって交流電力に変換される。そして、1次側回路40によって変換された交流電力は、可変インダクタ回路70及び1次側巻線31(本実施形態ではトランス30)を介して、2次側回路50に入力され、2次側回路50によって整流されて出力される。
【0061】
なお、本実施形態では、可変インダクタ回路70及びトランス30によって電圧変換が行われる。これにより、2次側回路50は、可変インダクタ回路70及びトランス30によって電圧変換された交流電力を整流している。ただし、これに限られず、可変インダクタ回路70及びトランス30による電圧変換が行われない構成でもよい。つまり、変圧比は「1」でもよい。
【0062】
電流Iのピーク値は、電力変換装置10の変換効率に寄与するパラメータである。詳細には、電流Iのピーク値が小さくなると、変換効率は高くなり易い。
ここで、既に説明したとおり、連続モードでは、第1ピーク値Ip1が第2ピーク値Ip2よりも低くなるため、リアクトル値Lが第1設定値L1である場合の方が第2設定値L2である場合よりも変換効率が高くなり易い。この点、本実施形態では、制御モードが連続モードである場合にはリアクトル値Lが第1設定値L1に設定されるため、変換効率が高くなり易い。
【0063】
一方、制御モードが不連続モードである条件下では、第2ピーク値Ip2が第1ピーク値Ip1よりも低くなるため、リアクトル値Lが第2設定値L2である場合の方が第1設定値L1である場合よりも変換効率が高くなり易い。この点、本実施形態では、制御モードが不連続モードである場合にはリアクトル値Lが第2設定値L2に設定されるため、変換効率が高くなり易い。
【0064】
以上詳述した本実施形態によれば以下の効果を奏する。
(1)電力変換装置10は、第1端子11~13及び第2端子21,22と、1次側巻線31及び2次側巻線32を有するトランス30と、第1端子11~13と1次側巻線31との間に設けられた1次側回路40と、1次側回路40と1次側巻線31とを接続する1次側接続線LN1と、2次側回路50と、を備えている。1次側回路40は、複数の1次側スイッチング素子Q1~Q6を有し、第1端子11~13から入力される電力の電力変換を行う。2次側回路50は、トランス30と第2端子21,22との間に設けられており、トランス30から入力される交流電力を整流し、その整流された直流電力を第2端子21,22に向けて出力する。
【0065】
かかる構成において、電力変換装置10は、1次側接続線LN1上に設けられ、リアクトル値Lを変更可能な可変インダクタ回路70と、複数の1次側スイッチング素子Q1~Q6及び可変インダクタ回路70とを制御する制御部としての制御回路80と、を備えている。制御回路80は、2次側回路50から第2端子21,22に向けて出力される電力である出力電力Poutに応じて、可変インダクタ回路70のリアクトル値Lを変更する。
【0066】
かかる構成によれば、1次側回路40と2次側回路50とはトランス30によって絶縁されている。これにより、何らかの異常が発生した場合であっても、1次側回路40と2次側回路50との間で直流電力の伝送が行われにくいため、安全性の向上を図ることができる。
【0067】
また、本構成によれば、出力電力Poutに応じてリアクトル値Lを変更することにより、出力電力Poutの変動に基づく変換効率の低下を抑制することができる。
詳述すると、本願発明者らは、出力電力Poutの変更によって変換効率が低下する要因の1つが、1次側巻線31を流れる電流Iの傾きであることを見出した。この知見に着目し、本実施形態の電力変換装置10は、1次側接続線LN1上に可変インダクタ回路70を備え、出力電力Poutに応じて可変インダクタ回路70のリアクトル値Lを変更する構成を採用した。これにより、出力電力Poutに適した電流Iの傾きにすることができ、それを通じて変換効率の低下を抑制できる。
【0068】
なお、本構成によれば、両巻線31,32の巻数を調整することによりトランス30の変圧比を調整することができるため、出力電力Poutの電圧を所望の値にするために必要な1次側回路40の変圧比を小さくすることができる。
【0069】
(2)制御回路80は、複数の1次側スイッチング素子Q1~Q6を周期的にスイッチングする制御モードとして、連続モードと不連続モードとを有している。連続モードは、1周期内において1次側巻線31に電流Iが連続的に流れる制御モードである。不連続モードは、1周期内において1次側巻線31に電流Iが流れないゼロ期間Txが設けられた制御モードである。
【0070】
かかる構成において、制御回路80は、出力電力Poutが第1電力値Pout1である場合には、制御モードを連続モードに設定し、且つ、可変インダクタ回路70のリアクトル値Lを第1設定値L1に設定する。一方、制御回路80は、出力電力Poutが第1電力値Pout1よりも小さい第2電力値Pout2である場合には、制御モードを不連続モードに設定し、且つ、可変インダクタ回路70のリアクトル値Lを第1設定値L1よりも高い第2設定値L2に設定する。
【0071】
かかる構成によれば、第2電力値Pout2よりも大きい第1電力値Pout1を出力する場合には、制御モードが連続モードに設定される。連続モードは、不連続モードよりも、大きい電力を出力し易い制御モードである。これにより、第1電力値Pout1の出力を比較的容易に実現できる。また、制御モードが連続モードである場合には、電流Iの傾きが大きい方が電流Iのピーク値が低くなり易いため、変換効率が高くなり易い。この点、本構成によれば、出力電力Poutが第1電力値Pout1である場合には、リアクトル値Lは、第2設定値L2よりも電流Iの傾きが大きくなり易い第1設定値L1に設定される。これにより、出力電力Poutの変更に伴う変換効率の低下を抑制できる。
【0072】
一方、第1電力値Pout1よりも小さい第2電力値Pout2を出力する場合には、制御モードが不連続モードに設定される。不連続モードは、連続モードよりも、小さい電力を出力し易い制御モードである。これにより、仮に第2電力値Pout2が連続モードでは出力することができないような値であったとしても、第2電力値Pout2の出力を実現できる。また、制御モードが不連続モードである場合には、電流Iの傾きが小さい方が電流Iのピーク値が低くなり易いため、変換効率が高くなり易い。この点、本構成によれば、出力電力Poutが第2電力値Pout2である場合には、リアクトル値Lは、第1設定値L1よりも電流Iの傾きが小さくなり易い第2設定値L2に設定される。これにより、出力電力Poutの変更に伴う変換効率の低下を抑制できる。
【0073】
(3)可変インダクタ回路70は、第1インダクタ71と、第1インダクタ71に対して直列に接続された第2インダクタ72と、第2インダクタ72に対して並列に接続されたインダクタスイッチ73と、を備えている。制御回路80は、インダクタスイッチ73を制御することによりリアクトル値Lを変更する。
【0074】
かかる構成によれば、インダクタスイッチ73を制御することによりリアクトル値Lを変更できる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。また、技術的に矛盾が生じない範囲内で、上記実施形態と各別例とを組み合わせてもよいし、各別例同士を組み合わせてもよい。
【0075】
電力変換装置10は、絶縁型のDC/DCコンバータでもよい。詳細には、電力変換装置10は2つの入力端子を有し、1次側回路40は、2つの入力端子に入力される直流電力を交流電力に変換するものでもよい。例えば、1次側回路40はフルブリッジ回路である。
【0076】
○ 可変インダクタ回路70の具体的な構成は任意である。例えば、第1インダクタ71を省略してもよい。この場合、第1設定値L1は「0」となる。すなわち、可変インダクタ回路70がとり得るリアクトル値Lは「0」を含む。
【0077】
また、可変インダクタ回路70は、リアクトル値Lを3種類以上の設定値に変更可能であってもよい。例えば、可変インダクタ回路70は、両インダクタ71,72と直列又は並列に接続された第3インダクタと、第3インダクタに対して並列に接続されたインダクタスイッチと、を更に備えてもよい。
【0078】
○ 制御回路80は、制御モードが不連続モードである状況下において出力電力Poutが小さくなるに従って可変インダクタ回路70のリアクトル値Lを高くしてもよい。例えば、制御回路80は、第2電力値Pout2よりも小さい第3電力値Pout3を出力する場合、制御モードを不連続モードに設定し、且つ、リアクトル値Lを第2設定値L2よりも高い第3設定値L3に設定してもよい。これにより、電流Iのピーク値を低くすることができ、変換効率の向上を図ることができる。
【0079】
ここで、リアクトル値Lを高くすることによって電流Iの傾きが小さくなると、電流量が小さくなり易いため、必要な電流量を確保しにくくなることが懸念される。この点、本別例によれば、出力電力Poutが小さくなると必要な電流量が小さくなることに対応させて、出力電力Poutが小さくなるに従って可変インダクタ回路70のリアクトル値Lを高くしている。これにより、必要な電流量を確保して第3電力値Pout3を実現しつつ、変換効率を向上させることができる。
【0080】
○ 制御回路80は、出力電力Poutが予め定められた閾値電力以上である場合に制御モードを連続モードに設定し、出力電力Poutが予め定められた閾値電力未満である場合に制御モードを不連続モードに設定してもよい。この場合、第1電力値Pout1は閾値電力以上であり、第2電力値Pout2は閾値電力未満であるとよい。
【0081】
○ 1次側回路40は、第1端子11~13から入力される電力を交流電力に変換することができればよく、その具体的な回路構成は任意である。
○ 2次側回路50は、トランス30から入力される交流電力を整流することができればよく、その具体的な回路構成は任意である。例えば、2次側回路50は、2次側スイッチング素子を有さずダイオードを有する構成でもよい。この場合、制御回路80は2次側回路50を制御しなくてもよい。また、2次側回路50は、ダイオードを有さず2次側スイッチング素子を有する構成でもよいし、2次側スイッチング素子及びダイオードの双方を有する構成でもよい。
【0082】
○ 電力変換装置10は、2次側回路50と第2端子21,22との間に設けられたDC/DC変換回路又はDC/AC変換回路を別途備えていてもよい。つまり、2次側回路50から出力される電力と、第2端子21,22から出力される電力とは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【符号の説明】
【0083】
10…電力変換装置、11~13…第1端子、21,22…第2端子、30…トランス、31…1次側巻線、32…2次側巻線、40…1次側回路、50…2次側回路、70…可変インダクタ回路、71…第1インダクタ、72…第2インダクタ、73…インダクタスイッチ、80…制御回路、101…交流電源、Q1~Q6…1次側スイッチング素子、Pin…入力電力、Pout…出力電力、Pout1…第1電力値、Pout2…第2電力値、LN1…1次側接続線、LN2…2次側接続線、L…リアクトル値、L1…第1設定値、L2…第2設定値、Tx…ゼロ期間、I…電流。
図1
図2
図3