(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022085640
(43)【公開日】2022-06-08
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20120101AFI20220601BHJP
【FI】
G06Q50/26
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020197422
(22)【出願日】2020-11-27
(71)【出願人】
【識別番号】519405189
【氏名又は名称】タブソリューション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】エルデネトグトフ トゥブシンバト
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC35
(57)【要約】
【課題】雇用主と在留カードを持ち就労活動をする者の夫々にメリットのあるサービスを提供する。
【解決手段】サーバ1は、カード情報取得部22と、資格確認部24と、雇用判定部25とを備える。カード情報取得部22は、例えば日本等における所定雇用主(求人募集企業)に対して就労活動をする在留就活者の在留カードCAに記録された、当該日本の資格に関する情報を取得する。資格確認部24は、在留カードCAから取得された資格に関する情報に基づいて、就労活動をする者の資格が、日本の法律の下で就労可能な資格か否かを判定する。雇用判定部25は、資格確認部24による判定結果として得られる資格の内容に基づいて、在留就活者に対する雇用の可否を判定する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定国における所定雇用主に対して就労活動をする者の在留カードに記録された、当該所定国の資格に関する情報を取得する取得手段と、
前記在留カードから取得された前記資格に関する情報に基づいて、前記就労活動をする者の資格が、前記所定国において就労可能な資格か否かを確認する資格確認手段と、
前記資格確認手段による確認結果に基づいて、前記就労活動をする者に対する雇用の可否を判定する雇用可否判定手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記資格確認手段は、
前記資格に関する情報に基づいて、前記就労活動をする者が、在留資格を有しているか否かを確認する在留資格確認手段と、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記資格確認手段は、
前記資格に関する情報に基づいて、前記就労活動をする者の就労制限の有無を確認する制限確認手段、
を備える請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記資格確認手段は、
前記資格に関する情報に基づいて、前記就労活動をする者の資格外活動が許可されているか否かを確認する活動許可確認手段、
を備える請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記資格確認手段は、
前記在留カードと共に発行される指定書に、前記在留カードに記録される仕事のカテゴリに該当しない特定活動が指定されているか否かを確認する、
請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置が実行する情報処理方法において、
所定国における所定雇用主に対して就労活動をする者の在留カードに記録された、当該所定国の資格に関する情報を取得する情報取得ステップと、
前記在留カードから取得された前記資格に関する情報に基づいて、前記就労活動をする者の資格が、前記所定国において就労可能な資格か否かを確認する資格確認ステップと、
前記資格確認ステップの確認結果に基づいて、前記就労活動をする者に対する雇用の可否を判定する雇用判定ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項7】
情報処理装置を制御するコンピュータに、
所定国における所定雇用主に対して就労活動をする者の在留カードに記録された、当該所定国の資格に関する情報を取得する情報取得ステップと、
前記在留カードから取得された前記資格に関する情報に基づいて、前記就労活動をする者の資格が、前記所定国において就労可能な資格か否かを確認する資格確認ステップと、
前記資格確認ステップの確認結果に基づいて、前記就労活動をする者に対する雇用の可否を判定する雇用判定ステップと、
を含む制御処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、国内で働く外国人労働者が増加しているものの、この中には不法在留者が偽造在留カードを用いて就労する者も含まれていることから、正規雇用可能な者を見抜く力が雇用主に求められている。
従来、在留カードの正当性をチェックする技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の特許文献1に記載の技術では、在留カードの正当性は確認できるものの、その在留カードを持つ者が雇用に適する人材であるかの判断には至らない。
また、在留カードを持つ者も、就労活動する中で実際に求人募集に応募し面接に出向かなければ、在留者として就労可能か否かがわからない。
【0005】
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、雇用主と在留カードを持ち就労活動をする者の夫々がメリットのあるサービスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理装置は、
所定国における所定雇用主に対して就労活動をする者の在留カードに記録された、当該所定国の在留資格に関する情報を取得する取得手段と、
前記在留カードから取得された前記在留資格に関する情報に基づいて、前記就労活動をする者の資格が、前記所定国において就労可能な資格か否かを確認する資格確認手段と、
前記資格確認手段による確認結果に基づいて、前記就労活動をする者に対する雇用の可否を判定する雇用可否判定手段と、
を備える。
【0007】
本発明の一態様の情報処理方法及びプログラムの夫々は、上述の本発明の一態様の情報処理装置に対応する情報処理方法及びプログラムの夫々である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、在留カードを持ち就労活動する者は、雇用主からの求人募集に対して応募の前に在留者として就労可能か否かをチェックできる。
また、雇用する側も、在留カードを持つ者の中から在留者として就労可能な者が求人募集に応募するようになるため、雇用に適する人材を採用に結びつけることができる。
この結果、雇用主と在留カードを持ち就労活動をする者の夫々にメリットのあるサービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】就労活動をする在留者との雇用可否を判定する流れを示す図である。
【
図2】
図1の流れを実現する情報処理システム、即ち、本発明の情報処理装置の一実施形態であるサーバを含む情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図3】
図2の情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】
図3のサーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図5】実施形態の情報処理システムにおけるサーバの動作を示すフローチャートである。
【
図6】インターネットに公開される就活サイトの画面の一例を示す図である。
【
図7】就活在留者と求人募集企業とのマッチング処理の手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
図1を参照して本発明の一実施形態に係る情報処理システムが適用されるサービスの手順を説明する。
図1は、本サービスにおいて在留カードを持つ者の雇用可否を判定する手順を示す図である。
【0011】
本サービスの運営者は、日本国内に在留する外国人就労希望者(以下「在留就活者」と称す)向けに就労活動を応援するためのウェブサイト(以下「就活サイト」と称す)を運営し、在留就活者とその中から良い人材を雇用したいと望む雇用主とをマッチングするサービスを提供する。
本サービスには、在留就活者の在留資格をベースに雇用可能か否かを判断する雇用可否チェックサービスが含まれる。
【0012】
雇用可否チェックサービスは、
図1に示すように、入力ステップS1、処理ステップS2、出力ステップS3の3段階に区分される。
【0013】
入力ステップS1では、カメラ機能及び無線方式のICカード読み取り機能付きの情報処理端末2(例えばスマートフォン等)と在留カードCAと必要に応じて指定書SHを用意する。
【0014】
在留カードCAは、所定期間(例えば3か月等)を超えて在留資格を持つ外国人に対して、その外国人が適法に在留するものであることを証明する証明書としての性格を持つものである。
在留カードCAの表面には、顔写真が貼り付けられているとともに、在留者の情報が印字されている。なお、顔写真は、所定年齢(例えば日本では16歳)以上の者について貼り付けられる。
【0015】
在留者の情報は、例えば氏名、生年月日、性別、国籍、地域、住居地、在留資格、在留期間、就労制限の有無、許可の種類、許可年月日、交付年月日等を含む。
在留期間は、在留資格の種別毎に決められており、在留資格の種別に応じて期間が異なる。在留期間は、在留者が在留可能な期間又は期限を示す情報であり、この期間又は期限を超えて在留した場合、不法在留とされる。
在留カードCAの裏面には、資格外活動の許可欄が設けられており、就労活動が不可の者でも許可欄の記載の範囲で就労可能な旨が追記される場合がある。但し就労時間や就労場所に制限がある。
在留カードCAには、高度なセキュリティ機能を有する半導体集積回路CH(以下「ICチップCH」という)(
図4参照)が内蔵されている。ICチップCHは、無線式カードリーダとの間で近距離通信(非接触通信)が可能である。
ICチップCHには、外国人が日本に入国する際に入国管理局のカード処理端末により書き込まれた上記在留者の情報や電子署名を含む情報が在留カード番号(在留カード識別情報)に対応付けて記録されている。
【0016】
外国人の在留資格は、仕事のカテゴリによって数十種類の資格があり、活動類型資格と地位等類型資格の2つに大別される。
活動類型資格は、外国人が夫々定められた活動を行うことによって日本に在留することができる資格である。夫々定められた活動とは在留資格によって定められている活動を指す。
【0017】
例えばプログラマーとして日本の会社に就職する外国人は、その人の学歴や職歴等から日本にとって必要な人だと判断された場合に「技術・人文知識・国際業務」という在留資格が与えられる。
この外国人は、プログラマーとして日本に必要として日本に在留する許可を与えられた者なので、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で、例えば飲食店のコック等になったりすることはできない。
このように在留資格に対応した活動を行うことで日本に在留することができる在留資格を活動類型資格という。
【0018】
地位等類型資格は、定められた身分又は地位を有する者として日本に在留することができる資格である。
例えば日本人と結婚して日本人の配偶者等という立場になった場合に与えられる在留資格である。この他、地位等類型資格には、永住者や定住者等の資格もある。永住者としての在留資格には、在留期間として無期限が設定されている。定住者としての在留資格には、有効期限が設定されている。
【0019】
指定書SHは、在留カードCAと共に発行される書類である。外国人の在留資格は、仕事のカテゴリによって数十種類以上にも分かれており、これらのいずれにも該当しないものを特定活動という。特定活動は、国が個々の外国人に対して指定している特定の活動を指す。
特定活動には、非常に多くの種類があり、同じ外国人でも内容は実にさまざまなため、「この外国人には○○の特定活動を行うことを前提として在留資格を与える」と規定したものが特定活動の指定書SHである。
【0020】
在留者が現在利用中の情報処理端末2がスマートフォンであり、スマートフォンに上記機能が装備されている場合は、スマートフォンのアプリ又はスマートフォンからチェックサイトにアクセスし、スマートフォンにより在留カードCAのカード情報を読み取る。なお、必要に応じて指定書SHの情報を読み取る。
【0021】
処理ステップS2では、在留カードCAから読み取ったカード情報に基づいて、在留資格の有無、就労制限の有無、資格外活動許可の有無を確認する。必要に応じて指定書SHの特定活動の記載の有無を確認する。在留資格の有無の確認には、在留期間の超過の有無の確認も含まれる。
【0022】
出力ステップS3では、在留カードCAのカード情報から在留資格に関する情報を確認した結果に基づいて、日本において適法の下で雇用主が要求する条件を満すか否かを判定し、判定結果(「雇用不可」又は「雇用可」)をスマートフォンの画面に表示する。
例えば在留就活者が有する就労可能な資格の内容に基づいて、在留就活者に対する雇用の可否を判定する。
具体的には、上記在留資格に関する情報を確認した結果が条件(在留資格が有ること、在留期間が超過していないこと、就労制限がないこと、資格外活動許可があることのうち全ての条件)を満たさない場合は、スマートフォンの画面に「雇用不可」が表示される。
一方、在留資格に関する情報を確認した結果が条件(在留資格が有ること、在留期間が超過していないこと、就労制限がないこと、資格外活動許可があることのうち全ての条件)を満たす場合は、スマートフォンの画面に「雇用可」が表示される。
ここで、就労制限とは、就労不可等を言い、時間的な制限は除かれる。就労不可でなければ就労自体は可能、つまり「雇用可」ではあるものの、1週間のうちで就労する時間に制限がある場合は、その制限事項が表示される。制限事項としては、例えば週40時間、又は週28時間等と表示される。
【0023】
なお、日本に在留するすべての外国人は、通常、在留資格を有するため、上記の判定結果で条件を満たすものが多い。
そこで、本実施形態では、仕事によって就労可能な在留資格が異なることに着目し、在留資格の確認に加えて、さらに雇用主の求人条件と在留就活者が有する就労可能な資格とをマッチング(照合)して、在留就活者の雇用の可否を判定する。
この結果、雇用主が在留就活者を雇用可能である場合に、在留就活者のスマートフォンの画面に「雇用可」を表示するようにしてもよい。また、雇用可能な職種や雇用主の求人情報を提示してもよい。
【0024】
纏めると、本サービスによれば、スマートフォン等に在留カードCAの情報を読み取らせるだけで、「雇用不可」又は「雇用可」が表示(通知)されるので、在留カードCAを持ち就労活動する者は、雇用主からの求人募集に対して応募する前に在留者として就労可能か否かをチェックすることができる。
また、雇用主も、在留者として就労可能な者から求人の応募を受けることで、在留カードCAを持つ者の中から雇用に適する人材を採用に結び付けることができる。
【0025】
次に、
図2乃至
図4を参照して
図1に示した本サービスを実現する情報処理システムについて説明する。
図2は、
図1に示す本サービスを提供する際に適用される情報処理システム、即ち、本発明の情報処理装置の一実施形態であるサーバを含む情報処理システムの構成例を示す図である。
【0026】
図2に示す情報処理システムは、サーバ1と、情報処理端末2と、入国管理局サーバ3とをインターネット等のネットワークNを介して接続し通信するように構成されている。
サーバ1は、本サービスのサービス提供者により管理される。
【0027】
情報処理端末2は、例えばスマートフォン、タブレット、コンピュータ等の情報処理装置であり、利用者により操作される。情報処理端末2には、少なくともウェブページを閲覧するためのソフトウェア(例えばウェブブラウザ等)がインストールされている。
情報処理端末2は、インターネット等のネットワークNに公開されている様々なウェブサイトにアクセスしそのウェブサイトのウェブページを表示する。これにより、ユーザは、ウェブページを閲覧することができる。この実施形態の例では、ユーザは、就活サイトにアクセスしてそのページを閲覧することができる。
【0028】
入国管理局サーバ3は、入国管理局において外国人が入国するときに外国人の情報を在留者の情報としてデータベース登録すると共に、外国人に対して発行した在留者カードCA及び指定書SHの情報が当該外国人の情報に紐付けてデータベースに登録し管理している。
入国管理局サーバ3は、ネットワークNを介した在留者の在留カードCAの情報の問い合わせに対して有効性を判定し、その判定結果(在留カードCAの情報が有効か否か)を返す。
また、入国管理局サーバ3のデータベースには、在留資格を規定した情報(以下「資格情報」という)が記憶されている。入国管理局サーバ3は、例えばサーバ1から資格情報の取得要求を受け付けることで、当該取得要求に対してデータベースに記憶されている資格情報を取得要求元のサーバ1へ送信する。
【0029】
図3は、
図2の情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0030】
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、を備えている。
【0031】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0032】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0033】
出力部16は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、各種情報を画像や音声として出力する。入力部17は、キーボードやマウス等で構成され、各種情報を入力する。
【0034】
記憶部18は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(
図2の例では情報処理端末2、入国管理局サーバ3等)との間で通信を行う。
【0035】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア20aが適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア20aから読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。
また、リムーバブルメディア20aは、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
なお、図示はしないが、
図2の情報処理システムの情報処理端末2、入国管理局サーバ3は、
図3に示すハードウェア構成と基本的に同様の構成を有している。
【0036】
以下、
図4を参照して、
図1のステップS1乃至S10に対応する処理が実行されるサーバ1の機能的構成の一例について説明する。
図4は、
図3のサーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0037】
図3に示したサーバ1の記憶部18の一領域には、
図4に示すように、利用者情報DB300と、資格DB400、求人情報DB500、労務DB600が設けられている。
利用者情報DB300には、本サービスの利用者として登録された在留者及び雇用主の情報が記憶されている。
在留者及び雇用主の情報としては、例えば本サービスの利用者としての利用者ID、氏名、性別、国籍、連絡先の電話番号、電子メールアドレス(以下「アドレス」と呼ぶ)等である。
また、利用者情報DB300には、雇用可否を判定した結果として雇用可能な在留者として判定された者が企業に応募する際に会員になった場合に、在留カードCA及び指定書SHのうち少なくとも在留カードCAから取得された在留者の情報が記憶される。
【0038】
資格DB400には、入国管理局サーバ3から取得される資格情報が記憶されている。資格情報には、複数の在留資格の種類毎の制限や期間等が含まれる。
求人情報DB500には、雇用主としての求人募集企業の求人情報が記憶されている。求人情報は、企業が自社の採用募集を行う際に、募集する職種の名称やその職務内容、職務内容を遂行するために必要な要件(資格等)、勤務地や休日休暇、待遇条件等を記載した書式の情報である。具体的には、求人情報には、就労者に要求する資格(例えばプログラマー等)、賃金、運転免許の有無、労働時間、職種、労働環境、福利厚生等の情報が含まれる。
【0039】
労務DB600には、このサービスを利用して在留者が就労した雇用主の下での労務情報(過去の就労履歴等)が記憶されている。
労務情報(過去の就労履歴等)は、在留者の属性、経験、雇用先(就労先)での行動履歴が記憶されている。在留者の属性には、性別、年齢、住所、国籍等が含まれる。経験には、大学卒、スキル、勤務経験、やりたいこと等が含まれる。雇用先(就労先)での行動履歴には、レビュースコア、出勤数、遅刻率、欠勤率等が含まれる。行動履歴を総合して評価した値をマッチングスコアという。
レビュースコアは、在留就活者が勤務していたときの在留就活者の良し悪しを、在留就活者の経験、行動等の面から総合的な評価指標で示した数値である。
【0040】
また、
図1のステップS1乃至S6に対応する処理が実行される際には、サーバ1のCPU11において、ウェブサイト公開部21と、カード情報取得部22と、指定書取得部23と、資格確認部24と、雇用判定部25と、マッチング部26とが機能する。
【0041】
ウェブサイト公開部21は、本サービスを提供する中の1つの手段としてインターネット等のネットワークNに就活サイト61(
図6参照)を公開する。
具体的には、ウェブサイト公開部21は、就活サイト61に用意されている「採用管理」のボタンから、雇用主により入力される求人の情報を求人情報DB500に記憶する。
就活サイト61では、求人情報DB500に記憶されている求人の情報が公開される。なお、公開には、一部の会員のみに限定して開示することも含まれる。
就活サイト61には、雇用可否チェックボタン62が設けられており、在留就活者が簡単に雇用の可否をチェックできる。
【0042】
カード情報取得部22は、日本等の所定国における所定雇用主に対して就労活動をする者の在留カードCAに記録された、当該日本の資格に関する情報を取得する。
ここで、記録とは、ICチップ等の媒体にデータとして格納のみならず、在留カードCAの表面や裏面への印字や文字の立体的な加工(エンボス加工等)も含む。
【0043】
指定書取得部23は、情報処理端末2から送信され、通信部19により受信される指定書の情報を取得する。
【0044】
資格確認部24は、在留カードCAから取得された資格に関する情報に基づいて、在留就活者の資格が、日本において就労可能な資格か否かを判定する。
具体的には、資格確認部24は、カード情報取得部22により取得されたカード情報に含まれる在留者の情報のうち資格に関する情報を抽出し、抽出した資格に関する情報に含まれる在留者の資格と資格DB400の資格情報とを照合し、在留カードCAの資格が日本の法律下で就労可能な資格(適法な資格)か否かを確認する。
【0045】
資格確認部24は、在留資格確認部31、制限確認部32、活動確認部33、指定書確認部34等を備える。
在留資格確認部31は、資格に関する情報に基づいて、在留就活者が在留資格を有しているか否かを判定する。
具体的には、在留資格確認部31は、在留カードCAから取得された資格に関する情報に基づいて、資格DB400の資格情報のうち在留資格として規定されている資格を在留就活者が有しているか否かを判定する。在留資格の確認の際に、在留資格毎に設定されている在留期間の超過の有無も確認される。
制限確認部32は、資格に関する情報に基づいて、在留就活者の就労制限の有無を確認する。具体的には、制限確認部32は、資格に関する情報に基づいて、資格DB400の資格情報のうち在留資格で就労制限として規定されている制限があるか否かを確認する。
活動確認部33は、資格に関する情報に基づいて、在留就活者の資格外活動が許可されているか否かを確認する。具体的には、活動確認部33は、資格に関する情報に基づいて、資格DB400の資格情報のうち在留資格で規定されている資格外活動の許可の記載の有無を確認する。
【0046】
指定書確認部34は、指定書取得部23により取得された指定書SHの情報に基づいて、在留カードCAに記録される仕事のカテゴリに該当しない特定活動が指定書SHに指定されているか否かを判定する。
具体的には、指定書確認部34は、カード情報の他に指定書SHから得られた情報に特定活動の指定情報が含まれているか否かを確認する。
【0047】
雇用判定部25は、資格確認部24による確認結果(在留就活者が有する在留資格や期限超過の有無、活動の範囲や制限等)に基づいて、在留就活者に対する求人募集企業の雇用の可否を判定する。
具体的には、雇用判定部25は、資格確認部24による判定結果、資格の面で日本で就労可能と判定された在留就活者が有する在留資格や活動の範囲や制限等の条件が、求人情報DB500の求人募集企業の求人情報に適合するものがあるか否かを判定することで、在留就活者に対する求人募集企業の雇用の可否を判定する。
【0048】
マッチング部26は、雇用判定部25により雇用可と判定された求人募集企業の求人情報に基づいて、在留就活者と求人募集企業とのマッチング処理を実行する。
具体的には、マッチング部26は、求人情報DB500を参照して雇用可と判定された在留就活者と求人募集企業の間を仲介し採用に至る迄の処理(互いの間で情報のやり取り等を記録する処理等)を実行する。
【0049】
このようにサーバ1を構成することにより、情報処理端末2が在留就活者の在留カードCAから読み取った日本の資格に関する情報をカード情報取得部22が取得し、在留カードCAから取得された資格に関する情報に基づいて資格確認部24が在留就活者の資格が日本で就労可能な資格か否かを確認し、確認した資格の内容に基づいて、雇用判定部25が在留就活者に対する求人募集企業の雇用の可否を判定し、判定結果を情報処理端末2に表示するので、在留就活者は、自身が就労可能か否かが即座に判明するので、所望の求人募集に応募する前段階で、ある程度の目星を付けることができ、就労活動をし易くなる。
【0050】
また、求人募集企業の求人には、日本で就労可能な資格を有する者が応募するようになるため、求人募集企業は、良い人材を見つけて雇用に結びつけることができる。
この結果、求人募集企業と在留カードCAを持つ在留就活者の夫々にメリットのあるサービスを提供することができる。
【0051】
次に、
図4の機能的構成と
図5乃至
図7を参照して実施形態の情報処理システムの動作を説明する。
図5は、実施形態の情報処理システムにおけるサーバの動作を示すフローチャートである。
図6は、就活サイトの画面の一例を示す図である。
図7は、就活在留者と求人募集企業とのマッチングの手順を示す図である。
【0052】
サービス提供者は、在留者向けの就活サイトをインターネット等のネットワークNに公開し、在留就活者及び求人募集企業のうち少なくとも求人募集企業は、事前に当該就活サイトにおいて利用者として登録を済ませておくものとする。
【0053】
求人募集企業が利用者登録することで、求人募集企業にはマイページが設けられる。マイページでは、求人募集に応募してきた在留就活者の応募情報を閲覧することができる。また、在留就活者に対して電子メールやメッセージ等で連絡を取ることができる。
【0054】
この情報処理システムでは、在留就活者が自身の情報処理端末2から就活サイトにアクセスし、就活サイトを閲覧すると、就活サイトには、雇用可否を事前にチェック可能なページのリンクが設けられており、そのリンクをクリックすると、雇用可否チェックのページが表示される。
【0055】
雇用事前チェックのページには、事前チェックに用意するものとして、カメラ及びICカード読み取り機能付きの情報処理端末(例えばスマートフォン等)と在留カードCAと必要に応じて指定書SHが示されている。
【0056】
在留就活者が現在利用中の情報処理端末2がスマートフォンであり、スマートフォンに上記機能が装備されている場合は、そのまま在留カードCAと必要に応じて指定書SHを用意して、雇用可否チェックページに設けられている雇用チェックボタンを操作する。
【0057】
すると、スマートフォンに在留カードCAの情報を読み取る画面が表示されるので、在留カードCAの顔写真が印刷されている面をスマートフォンのカメラで撮像し、在留カードCAのICチップの情報をスマートフォンのICカード読み取り機能で読み取らせる。
【0058】
読み取り後、送信ボタンを操作すると、それらの情報(在留カードCAの表面の画像データとICチップCHの情報)がカード情報としてサーバ1に送信される。なお、指定書SHがある場合は在留カードCAと同様に指定書SHをカメラで読み取らせる。
【0059】
サーバ1では、ステップS21において、カード情報取得部22が、スマートフォンから送信された在留カードCAの表面の画像データとICチップCHの情報を含むカード情報を取得する。
【0060】
ステップS22において、資格確認部24は、カード情報取得部22により取得されたカード情報に含まれる資格に関する情報に基づいて、資格の有無を確認する。
具体的には、資格確認部24は、資格DB400の資格情報に基づいて、在留資格の有無、就労制限の有無、資格外活動許可の有無等を確認する。必要に応じて指定書SHの特定活動の指定の有無を確認する。
【0061】
ステップS23において、雇用判定部25は、資格確認部24による確認結果(在留就活者が有する資格の内容)に基づいて、在留就活者に対する求人募集企業等の雇用主の雇用の可否を判定する。
具体的には、資格確認部24の確認の結果、在留資格有り、就労制限無し、資格外活動許可有り、指定書SHの特定活動ありの場合、雇用判定部25は、日本で働くための最低限の条件を満たすものと判定する。
続いて、雇用判定部25は、仕事によって就労可能な在留資格が異なる(指定されている)ため、在留就活者の資格が求人募集企業の要求する条件を満たすか否かを判定する。
具体的には、雇用判定部25は、求人情報DB500を参照して求人募集企業の求人情報を照会し、資格確認部24により確認された在留就活者の資格に適合する条件で雇用可能な求人先があるか否かを判定する。
【0062】
判定の結果、在留カードCAの資格が、求人募集企業が要求する資格の条件と合致しない場合、雇用判定部25は、ステップS24において、就活サイト61の画面に「雇用不可」の旨を表示し、在留カードCAの資格と求人募集企業が要求する資格条件とが合致した場合、「雇用可」と判定し、ステップS25において、就活サイト61の画面に「雇用可」の旨を表示する。
なお、「雇用可」ではあるものの、労働時間に制限がある場合は、その制限が表示される。例えば週40時間、又は週28時間等と表示される。
【0063】
ここで、在留カードCAによる雇用可否のチェックの例を説明する。
在留就活者が例えば「留学生」の場合、「偽造在留カードでない」ことを確認し、在留資格が「留学」であることを確認し、「資格外活動が許可」されていることを確認し、これらの情報が在留カードCAから得られた場合は、求人募集企業に対する雇用の可否は「「雇用可」と判定できる。なお、在留期限が過ぎている場合は「雇用不可」となる。
【0064】
在留カードCAと指定書SHによる雇用可否のチェックの例を説明する。
在留就活者が例えば「特定活動の対象者」の場合、「偽造在留カードでない」ことを確認し、在留資格が「特定活動」であることを確認する。「特定活動」が確認された場合、通常では雇用不可となるが、指定書SHに指定されている「特定活動事項」を適用することで、これらの情報が得られた場合は、求人募集企業に対する雇用の可否は「雇用可」と判定できる。なお、在留期限が過ぎている場合は「雇用不可」となる。
【0065】
「雇用可」の場合、在留就活者が雇用可の求人企業に就労を希望する場合、就活サイト61の画面の採用応募ボタン(図示せず)をクリック操作すると、ステップS26のマッチングの処理に進み、マッチング部26は、
図7に示す手順でマッチングの処理を実行する。
マッチングの処理では、応募フォームが表示されるので、応募フォームに自身の情報を入力し応募ボタン(図示せず)をクリックすると、雇用判定部25により雇用可と判定された求人募集企業のマイページ又は連絡先へ応募フォームに入力された在留就活者の応募情報を送信し、求人募集企業からの応答を待つ。
【0066】
一方、マッチングの処理において、マッチング部26は、労務DB600を参照して求人に応募した在留就活者が過去に就労したことがあるか否かを確認する。
労務DB600に過去の履歴が存在する場合、マッチング部26は、
図7に示す手順によりマッチング処理を実行する。
【0067】
この場合、
図7のステップS71において、マッチング部26は、労務DB600の労務履歴から属性情報81、経験情報82、行動情報83に分類される夫々の情報を取得し、これらの情報を入力データとする。
入力データのうち、属性情報81は、在留就活者の性別(男又は女)、年齢、住所、国籍等の基本的な個人情報である。経験情報82は、学歴(大卒等)、スキル(技能)、勤務経験(職歴)、やりたいこと(その他の情報)等の経歴情報である。行動情報83は、勤務先での勤務状況を示す情報(レビュースコア、出勤数、遅刻率、欠勤率等)である。
【0068】
ステップS72において、マッチング部26は、企業に勤務経験のある在留就活者に対しては、属性情報81、経験情報82と共に、勤務先での勤務状況を示す行動情報83に基づいて、今回応募した求人先(企業)との仕事のマッチング処理を実行し、就労の可能性を含む分析を行う。
【0069】
分析結果に基づいて企業と在留就活者との仲介を行うことで、ステップS73において、互いの合意を得て採用に至る可能性が高まり、企業と在留就活者とのマッチング率を向上することができる。
【0070】
このようにこの実施形態の情報処理システムによれば、就労活動する在留者が自身の在留カードCAの情報を情報処理端末2に読み取らせて、雇用可否のチェックを行う指示操作をすると、サーバ1は、情報処理端末2が読み取った在留カードCAのカード情報に含まれる資格に関する情報に基づいて、在留カードCAの資格が日本で就労可能な資格か否かを確認し、その確認結果(就労可能な資格の内容)に基づいて雇用の可否を判定するので、求人募集企業の求人募集には、日本で就労可能な資格を有する者が応募するようになるため、求人募集企業は、良い人材を見つけて雇用に結びつけることができる。
また、雇用可否の判定結果を情報処理端末2に表示することで、在留カードCAを所持する在留就活者は、自身が就労可能か否かが自身の情報処理端末2で即座に判明するので、所望の求人募集に応募する前段階で、ある程度の目星を付けることができ、就労活動をし易くなる。
即ち、求人募集企業と在留カードCAを持つ在留就活者の夫々がメリットのあるサービスを提供することができる。
【0071】
以上、本発明が適用される情報処理システムの実施形態を説明してきたが、本発明が適用される実施形態は、例えば次のようなものであってもよい。
【0072】
本実施形態では、サーバ1がインターネットに求人サイトを公開し、求人サイトにアクセスした利用者から求人に関する情報を得たり提供するようにしたが、サーバ1において、本サービス専用のアプリをダウンロード可能なサイトをインターネットに公開し、そのサイトのアプリを情報処理端末2にダウンロードさせて情報処理端末2で実行することで、同様の機能を実現できる。
【0073】
上記実施形態では、在留カードCAの正否の判定に、在留カードCAに内蔵されるICチップCHの情報を利用したが、これに限定されずブロックチェーンを利用してもよい。
即ち、在留カードCAに配置されるICチップCHからスマートフォンが読み出した在留者本人の在留カード情報をブロックチェーンに保存し、改ざんされないようにする。
そして、雇用の事前確認等で本人確認を行う際に、スマートフォンからブロックチェーンにアクセスして、在留者本人の在留カード情報を読み出して本人確認を行う。
また、これ以外に下記のような方法で本人確認を行ってもよい。
【0074】
例えばアプリ又はサーバ1において、セルフィ取得(自撮り)により在留カードCAの真偽を確認する機能や在留カードCAの写真とICチップの写真とを並べて表示する機能を備えてもよい。
即ち、セルフィ取得(自撮り)により本人認証をする機能では、在留カードCAに貼られている写真をスマートフォンのカメラで撮像し、在留カードCAのICチップCHの写真データをスマートフォンのICカード読み取り機能で読み出し、互いの写真データを比較して類似度に応じて在留カードCAの真偽を確認してもよい。
【0075】
在留カードCAの写真とICチップの写真とを並べて表示する機能では、在留カードCAに貼られている写真データと、在留カードCAのICチップCHの写真データとをスマートフォンで撮影および読み出して、2つの写真のデータ(画像データ)をスマートフォンの画面に並べて表示してもよい。この場合の本人確認は、人の目視確認(写真の見比べ)によるものになるが比較的精度は高いといえる。
【0076】
さらに、スマートフォンにより在留カードCAに貼られている写真を撮ると共に、在留カードCAに内蔵されているICチップCHに記憶されている写真データを読み出し、さらにスマートフォンにより現在の在留カードCA所持者自身の顔の写真を撮り、3つの写真データをスマートフォンの画面に並べて表示してもよい。これにより、例えば面接現場において、面接者等の人の目視確認により在留就活者の本人確認を行うことができる。
【0077】
上記実施形態では、サーバ1と情報処理端末2との間で在留カードCAの確認を行ったが、これ以外の方法であってもよい。
例えばアプリ又はサーバ1にオンライン本人確認機能を設けてもよい。
即ち、APIを利用することによるeKyc(electronic Know Your Customer)として遠隔本人確認を行う。
この場合、上記セルフィ取得(自撮り)により在留カードCAの真偽を確認する機能で在留カードCAの真偽を確認した後に、オンライン本人確認機能では、その在留カードCAの真偽確認した情報をAPI化することで、在留カードCAの真偽確認については、外部サービス(アプリやサーバ1)を利用することが可能になる。
このようにAPIを利用したeKycとすることで、他社サービスにおいて在留者(外国人)の本人確認を導入し、雇用のチェックのみをこのシステムのサーバ1で受け持つことができるようになる。
【0078】
上記実施形態では、資格確認部24は、在留カードCAから取得された在留資格に関する情報に基づいて、在留就活者の資格が、日本において就労可能な資格か否かを確認し、雇用判定部25は、資格確認部24による確認結果に基づいて、在留就活者に対する雇用の可否を判定したが、以下に示すようにしてもよい。
即ち、資格確認部24は、在留カードCAから取得された在留資格に関する情報に基づいて、在留就活者が、日本において求人募集企業等の所定雇用主が要求する資格を持つものか否かを確認し、雇用判定部25は、資格確認部24による確認結果に基づいて、在留就活者に対する所定雇用主の雇用の可否を判定してもよい。
この場合、所定雇用主が要求する資格を持つものが雇用可と判定されるので、在留就活者が、所定雇用主の求人募集に応募することで、より採用されやすくなる。また、所定雇用主が要求する資格を持つ在留就活者が応募してくることから、所定雇用主も採用しやすくなる。
また、雇用判定部25は、在留就活者を雇用可能と判定した場合、画面に「雇用可」を表示するだけでなく、雇用可能な職種や雇用主の求人情報を提示するようにしてもよい。
【0079】
また、上記実施形態では、ウェブサイト公開部21が就活サイト61を公開するとしたが、これは一例であり、必ずしも公開する必要はなく、例えば利用者IDとパスワードを登録することで利用可能なウェブページを限定的な利用者のみに開示してもよい。
【0080】
上記実施形態では、在留就活者が求人応募の前に在留資格等に基づき雇用の可否を判定する事例を説明したが、これに限定されない。
例えば求人応募により採用後、さらには一定の就労期間を終えて継続雇用を要望する際に、本実施形態の就活サイト61や情報処理端末2にインストールしたアプリを利用して、雇用判定部25に継続雇用の可否を判定させることで、継続雇用が可能か否かを確かめるようにしてもよい。
【0081】
上記実施形態では、「雇用可」の場合の就労時間の制限例として、例えば週28時間や週40時間を例示したが、これに限定されない。例えば1週間単位以外の制限(月間制限、年間制限、就労時間帯の制限等)の事項が加わることもあり、その時の制限事項を表示するものとする。
【0082】
上記実施形態では、在留就活者を雇用する雇用主を求人募集企業とした例を説明したが、この他、例えば雇用主が在留就活者を採用可能か否かを判定し、雇用主が採用可能な在留就活者を雇用主に斡旋する就労者斡旋企業を求人募集企業としてもよい。
本サービスの運営者又は提供者は、就労者斡旋企業、雇用主の夫々がなり得る。雇用主が本サービスの運営者又は提供者となる場合、例えば社内の人事部等の部署で、本情報処理システムを採用・労務管理ツールとして利用してもよい。
【0083】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0084】
また例えば、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、
図4に示した機能的構成は一例に過ぎず、特に限定されるものではない。
即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロック及びデータベースを用いるのかは特に図の例に限定されるものではない。
また、機能ブロックの存在場所も、図に特に限定されず、任意でよい。例えば、サーバの機能ブロック及びデータベースを複数のコンピュータに分けて移譲させてもよい。逆に情報処理端末2の機能ブロック及びデータベースをサーバに移譲させてもよい。
また、1つの機能ブロック及びデータベースは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0085】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれるコンピュータであってもよい。
また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0086】
このようなプログラムを含む記録媒体は、利用者等にプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で利用者等に提供される記録媒体等で構成される。
【0087】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0088】
以上を換言すると、本発明が適用される情報処理システムは、次のような構成を有していれば足り、各種各様な実施の形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置(例えば
図4のサーバ1等)は、
所定国(例えば日本等)における所定雇用主(例えば求人応募企業)に対して就労活動をする者の在留カードCAに記録された、当該所定国の資格に関する情報を取得する取得手段(例えば
図4のカード情報取得部22等)と、
前記在留カードCAから取得された前記資格に関する情報に基づいて、前記就労活動をする者の資格が、前記所定国において就労可能な資格か否かを確認する資格確認手段(例えば
図4の資格確認部24部等)と、
前記資格確認手段による確認の結果(在留就活者が有する就労可能な資格の内容)に基づいて、前記就労活動をする者に対する雇用の可否を判定する雇用可否判定手段(例えば
図4の雇用判定部25部等)と、
を備える。
このように、在留カードCAから取得された資格に関する情報に基づいて、就労活動をする者が、所定雇用主が要求する資格を有する者か否かを判定することで、例えば外国人の資格の知識がない雇用主も、その外国人が、日本で就労可能な資格を持つ者であることが分かり、就労活動をする者の採用の可否を判定する上での1つの材料にできる。
また、在留カードCAに記録されている情報のうちの詳細な部分の資格に関する情報を用いるため、偽造在留カード等のためにICチップに資格の記録がない場合はエラーになるため、在留カードCAの表裏の印刷や顔写真等ではごまかされず、正規に発行された在留カードCAを持つ者のみを対象にでき、不法就労を心配することなく採用手続きを進めることができる。
前記資格確認手段(例えば
図4の資格確認部24部等)は、
前記資格に関する情報に基づいて、前記就労活動をする者が、在留資格を有しているか否かを確認する在留資格確認手段(例えば
図4の在留資格確認部31等)、
を備える。
これにより、就労活動をする者のうち在留資格を有する者を雇用可否判定の対象にできるので、適法の下で就労活動をする在留者を雇用の対象にすることができる。
前記資格確認手段は、
前記資格に関する情報に基づいて、前記就労活動をする者の就労制限の有無を確認する制限確認手段(例えば
図4の制限確認部32等)、
を備える。
これにより、就労活動をする者のうち就労制限の無い者を雇用可否判定の対象にできるので、適法の下で、就労活動をする者のうち就労制限の無い者を雇用の対象にすることができる。
前記資格確認手段は、
前記資格に関する情報に基づいて、前記就労活動をする者の資格外活動が許可されているか否かを確認する活動許可確認手段(例えば
図4の活動確認部33等)、
を備える。
これにより、就労活動をする者のうち資格外活動が許可されている者を雇用可否判定の対象にできるので、適法の下で、就労活動をする者のうち資格外活動が許可されている者を雇用の対象にすることができる。
前記資格確認手段は、
前記在留カードCAと共に発行される指定書に、前記在留カードCAに記録される仕事のカテゴリに該当しない特定活動が指定されているか否かを確認する。
これにより、在留カードCAに記録される仕事のカテゴリに該当しない特定活動をする者についても資格の有無を確認することができるので、適法の下で、就労活動をする者のうち特定活動をする者を雇用の対象にすることができる。また、在留就活者のうち特定活動をする者にも就労の機会を与えることができる。
【符号の説明】
【0089】
1・・・サーバ、2・・・情報処理端末、3・・・入国管理局サーバ、11・・・CPU、18・・・記憶部、19・・・通信部、21・・・ウェブサイト公開部、22・・・カード情報取得部、23・・・指定書取得部、24・・・資格確認部、25・・・雇用判定部、26・・・マッチング部、300・・・利用者情報DB、400・・・資格DB、500・・・求人情報DB、600・・・労務DB