(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022085775
(43)【公開日】2022-06-08
(54)【発明の名称】育成施策情報処理装置、育成施策情報処理方法および育成施策情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/00 20120101AFI20220601BHJP
【FI】
G06Q10/00
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020197642
(22)【出願日】2020-11-27
(71)【出願人】
【識別番号】519260186
【氏名又は名称】株式会社アールスクエア・アンド・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】特許業務法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】山下 貴宏
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA02
(57)【要約】
【課題】業務担当者に対する適切な育成施策を示唆する、育成施策情報処理装置、育成施策情報処理方法および育成施策情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】育成施策情報処理装置は、業務を担当する業務担当者に係る担当者情報と、業務担当者が達成した業務実績を示す複数の実績情報と、業務担当者の育成状況を示す複数の育成情報とを、業務担当者毎に記憶し、複数の実績情報の中の一の実績情報と、複数の育成情報の中の一の育成情報とを、選択するための設定画面を利用者に提供し、提供された設定画面で設定された実績情報および育成情報に基づき分類される4象限からなるマトリックスのそれぞれの象限に対して、記憶された担当者情報を割り当てた割当情報を生成し、マトリックスのそれぞれの象限に割り当てられた育成施策の示唆情報を記憶し、記憶された示唆情報に基づき、生成された割当情報に含まれる業務担当者に対する示唆情報を利用者に提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
業務を担当する業務担当者に係る担当者情報と、前記業務担当者が達成した業務実績を示す複数の実績情報と、前記業務担当者の育成状況を示す複数の育成情報とを、業務担当者毎に記憶する第1記憶部と、
前記複数の実績情報の中の一の実績情報と、前記複数の育成情報の中の一の育成情報とを、選択するための設定画面を利用者に提供する設定画面提供部と、
前記設定画面提供部において提供された前記設定画面で設定された実績情報および前記育成情報に基づき分類される4象限からなるマトリックスのそれぞれの象限に対して、前記第1記憶部において記憶された担当者情報を割り当てた割当情報を生成する割当情報生成部と、
前記マトリックスのそれぞれの象限に割り当てられた育成施策の示唆情報を記憶する第2記憶部と、
前記第2記憶部において記憶された前記示唆情報に基づき、前記割当情報生成部において生成された前記割当情報に含まれる前記業務担当者に対する前記示唆情報を利用者に提供する示唆情報提供部と
を備える、育成施策情報処理装置。
【請求項2】
前記第1記憶部は、前記育成情報として、業務を達成するために要求される業務スキルの習得状況を示すスキル情報、または前記業務スキルを向上させるためのトレーニングの実施状況を示すトレーニング情報の少なくともいずれか一つの情報を記憶する、請求項1に記載の育成施策情報処理装置。
【請求項3】
前記第1記憶部は、前記実績情報として前記業務実績の詳細を表す詳細実績情報と、前記育成情報として前記育成状況の詳細を表す詳細育成情報とを記憶し、
前記設定画面提供部は、前記詳細実績情報と前記詳細育成情報とを、利用者が選択できる設定画面を提供する、請求項1または2に記載の育成施策情報処理装置。
【請求項4】
前記割当情報生成部において生成された前記割当情報に基づき、前記マトリックスの同じ象限に分類された前記業務担当者のリストを生成するリスト生成部をさらに備え、
前記示唆情報提供部は、前記第2記憶部に記憶された前記示唆情報に基づき、前記リスト生成部において生成された前記リストに含まれる前記業務担当者に対する前記示唆情報を提供する、請求項1から3のいずれか一項に記載の育成施策情報処理装置。
【請求項5】
前記第2記憶部は、前記示唆情報として、前記業務担当者に対して推奨される、トレーニングに係る情報、他の者から受けるコーチングに係る情報、担当業務に係る情報、担当業界に係る情報または営業ツールに係る情報のうち少なくともいずれか一つの推奨情報を記憶し、
前記示唆情報提供部は、前記第2記憶部に記憶された前記推奨情報を提供する、請求項1から4のいずれか一項に記載の育成施策情報処理装置。
【請求項6】
前記第1記憶部に記憶された前記実績情報と前記育成情報とに基づき、前記業務実績と前記育成状況の相関関係を算出する算出部をさらに備え、
前記示唆情報提供部は、前記算出部において算出された前記相関関係に係る相関情報を利用者にさらに提供する、請求項1から5のいずれか一項に記載の育成施策情報処理装置。
【請求項7】
前記割当情報生成部において生成された前記割当情報に基づき、それぞれの業務担当者の前記割当情報の経時的な変化を示す変化情報を生成する変化情報生成部をさらに備え、
前記示唆情報提供部は、前記変化情報生成部において生成された他の業務担当者の前記変化情報にさらに基づき、前記示唆情報を提供する、請求項1から6のいずれか一項に記載の育成施策情報処理装置。
【請求項8】
前記第1記憶部は、前記担当者情報として前記業務担当者の属性を示す属性情報を記憶し、
前記示唆情報提供部は、前記属性情報が類似する他の業務担当者の前記実績情報と、前記育成情報とにさらに基づき、前記示唆情報を提供する、請求項1から7のいずれか一項に記載の育成施策情報処理装置。
【請求項9】
育成施策情報処理装置における育成施策情報処理方法であって、
業務を担当する業務担当者に係る担当者情報と、前記業務担当者が達成した業務実績を示す複数の実績情報と、前記業務担当者の育成状況を示す複数の育成情報とを、業務担当者毎に記憶する第1記憶ステップと、
前記複数の実績情報の中の一の実績情報と、前記複数の育成情報の中の一の育成情報とを、選択するための設定画面を利用者に提供する設定画面提供ステップと、
前記設定画面提供ステップにおいて提供された前記設定画面で設定された実績情報および前記育成情報に基づき分類される4象限からなるマトリックスのそれぞれの象限に対して、前記第1記憶ステップにおいて記憶された担当者情報を割り当てた割当情報を生成する割当情報生成ステップと、
前記マトリックスのそれぞれの象限に割り当てられた育成施策の示唆情報を記憶する第2記憶ステップと、
前記第2記憶ステップにおいて記憶された前記示唆情報に基づき、前記割当情報生成ステップにおいて生成された前記割当情報に含まれる前記業務担当者に対する前記示唆情報を利用者に提供する示唆情報提供ステップと
を含む、育成施策情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータに、
業務を担当する業務担当者に係る担当者情報と、前記業務担当者が達成した業務実績を示す複数の実績情報と、前記業務担当者の育成状況を示す複数の育成情報とを、業務担当者毎に記憶する第1記憶処理と、
前記複数の実績情報の中の一の実績情報と、前記複数の育成情報の中の一の育成情報とを、選択するための設定画面を利用者に提供する設定画面提供処理と、
前記設定画面提供処理において提供された前記設定画面で設定された実績情報および前記育成情報に基づき分類される4象限からなるマトリックスのそれぞれの象限に対して、前記第1記憶処理において記憶された担当者情報を割り当てた割当情報を生成する割当情報生成処理と、
前記マトリックスのそれぞれの象限に割り当てられた育成施策の示唆情報を記憶する第2記憶処理と、
前記第2記憶処理において記憶された前記示唆情報に基づき、前記割当情報生成処理において生成された前記割当情報に含まれる前記業務担当者に対する前記示唆情報を利用者に提供する示唆情報提供処理と
をコンピュータに実行させるための、育成施策情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、育成施策情報処理装置、育成施策情報処理方法および育成施策育成施策情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、企業の営業活動を支援するシステムが知られている。例えば、特許文献1には、営業担当者の回答内容のフレーズの使用回数と、成約率とを評価して、営業スキルアップ研修で利用するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、営業を含めた業務活動において求められるスキルは、回答内容に限られず、ニーズの発掘や、顧客への提案等、様々である。また、業務を担当する業務担当者が有する様々なスキルと業務実績との関係が不明確である場合、業務担当者が業務実績を創出するまでのプロセスが不明確となってしまい、業務担当者に対して適切な育成方針を示唆できない場合があった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、業務担当者に対する適切な育成施策を示唆することができる、育成施策情報処理装置、育成施策情報処理方法および育成施策情報処理プログラムを提供することを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上記の課題を解決するため、育成施策情報処理装置は、業務を担当する業務担当者に係る担当者情報と、業務担当者が達成した業務実績を示す複数の実績情報と、業務担当者の育成状況を示す複数の育成情報とを、業務担当者毎に記憶する第1記憶部と、複数の実績情報の中の一の実績情報と、複数の育成情報の中の一の育成情報とを、選択するための設定画面を利用者に提供する設定画面提供部と、設定画面提供部において提供された設定画面で設定された実績情報および育成情報に基づき分類される4象限からなるマトリックスのそれぞれの象限に対して、第1記憶部において記憶された担当者情報を割り当てた割当情報を生成する割当情報生成部と、マトリックスのそれぞれの象限に割り当てられた育成施策の示唆情報を記憶する第2記憶部と、第2記憶部において記憶された示唆情報に基づき、割当情報生成部において生成された割当情報に含まれる業務担当者に対する示唆情報を利用者に提供する示唆情報提供部とを備える。
【0007】
(2)また、実施形態の育成施策情報処理装置において、第1記憶部は、育成情報として、業務を達成するために要求される業務スキルの習得状況を示すスキル情報、または業務スキルを向上させるためのトレーニングの実施状況を示すトレーニング情報の少なくともいずれか一つの情報を記憶するものであってもよい。
【0008】
(3)また、実施形態の育成施策情報処理装置において、第1記憶部は、実績情報として業務実績の詳細を表す詳細実績情報と、育成情報として育成状況の詳細を表す詳細育成情報とを記憶し、設定画面提供部は、詳細実績情報と詳細育成情報とを、利用者が選択できる設定画面を提供するものであってもよい。
【0009】
(4)また、実施形態の育成施策情報処理装置において、割当情報生成部において生成された割当情報に基づき、マトリックスの同じ象限に分類された業務担当者のリストを生成するリスト生成部をさらに備え、示唆情報提供部は、第2記憶部に記憶された示唆情報に基づき、リスト生成部において生成されたリストに含まれる業務担当者に対する示唆情報を提供するものであってもよい。
【0010】
(5)また、実施形態の育成施策情報処理装置において、第2記憶部は、示唆情報として、業務担当者に対して推奨される、トレーニングに係る情報、他の者から受けるコーチングに係る情報、担当業務に係る情報、担当業界に係る情報または営業ツールに係る情報のうち少なくともいずれか一つの推奨情報を記憶し、示唆情報提供部は、第2記憶部に記憶された推奨情報を提供するものであってもよい。
【0011】
(6)また、実施形態の育成施策情報処理装置において、第1記憶部に記憶された実績情報と育成情報とに基づき、業務実績と育成状況の相関関係を算出する算出部をさらに備え、示唆情報提供部は、算出部において算出された相関関係に係る相関情報を利用者にさらに提供するものであってもよい。
【0012】
(7)また、実施形態の育成施策情報処理装置において、割当情報生成部において生成された割当情報に基づき、それぞれの業務担当者の割当情報の経時的な変化を示す変化情報を生成する変化情報生成部をさらに備え、示唆情報提供部は、変化情報生成部において生成された他の業務担当者の変化情報にさらに基づき、示唆情報を提供するものであってもよい。
【0013】
(8)また、実施形態の育成施策情報処理装置において、第1記憶部は、担当者情報として業務担当者の属性を示す属性情報を記憶し、示唆情報提供部は、属性情報が類似する他の業務担当者の実績情報と、育成情報とにさらに基づき、示唆情報を提供するものであってもよい。
【0014】
(9)上記の課題を解決するため、育成施策情報処理方法は、育成施策情報処理装置における育成施策情報処理方法であって、業務を担当する業務担当者に係る担当者情報と、業務担当者が達成した業務実績を示す複数の実績情報と、業務担当者の育成状況を示す複数の育成情報とを、業務担当者毎に記憶する第1記憶ステップと、複数の実績情報の中の一の実績情報と、複数の育成情報の中の一の育成情報とを、選択するための設定画面を利用者に提供する設定画面提供ステップと、設定画面提供ステップにおいて提供された設定画面で設定された実績情報および育成情報に基づき分類される4象限からなるマトリックスのそれぞれの象限に対して、第1記憶ステップにおいて記憶された担当者情報を割り当てた割当情報を生成する割当情報生成ステップと、マトリックスのそれぞれの象限に割り当てられた育成施策の示唆情報を記憶する第2記憶ステップと、第2記憶ステップにおいて記憶された示唆情報に基づき、割当情報生成ステップにおいて生成された割当情報に含まれる業務担当者に対する示唆情報を利用者に提供する示唆情報提供ステップと、を含む。
【0015】
(10)上記の課題を解決するため、育成施策情報処理プログラムは、コンピュータに、業務を担当する業務担当者に係る担当者情報と、業務担当者が達成した業務実績を示す複数の実績情報と、業務担当者の育成状況を示す複数の育成情報とを、業務担当者毎に記憶する第1記憶処理と、複数の実績情報の中の一の実績情報と、複数の育成情報の中の一の育成情報とを、選択するための設定画面を利用者に提供する設定画面提供処理と、設定画面提供処理において提供された設定画面で設定された実績情報および育成情報に基づき分類される4象限からなるマトリックスのそれぞれの象限に対して、第1記憶処理において記憶された担当者情報を割り当てた割当情報を生成する割当情報生成処理と、マトリックスのそれぞれの象限に割り当てられた育成施策の示唆情報を記憶する第2記憶処理と、第2記憶処理において記憶された示唆情報に基づき、割当情報生成処理において生成された割当情報に含まれる業務担当者に対する示唆情報を利用者に提供する示唆情報提供処理と、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一つの実施形態によれば、育成施策情報処理装置は、業務を担当する業務担当者に係る担当者情報と、業務担当者が達成した業務実績を示す複数の実績情報と、業務担当者の育成状況を示す複数の育成情報とを、業務担当者毎に記憶し、複数の実績情報の中の一の実績情報と、複数の育成情報の中の一の育成情報とを、選択するための設定画面を利用者に提供し、提供された設定画面で設定された実績情報および育成情報に基づき分類される4象限からなるマトリックスのそれぞれの象限に対して、記憶された担当者情報を割り当てた割当情報を生成し、マトリックスのそれぞれの象限に割り当てられた育成施策の示唆情報を記憶し、記憶された示唆情報に基づき、生成された割当情報に含まれる業務担当者に対する示唆情報を利用者に提供することにより、業務担当者に対する適切な育成施策を示唆することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施形態の育成施策情報処理装置におけるソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】実施形態の育成施策情報処理装置で用いられるデータテーブルの一例を示す図である。
【
図3】実施形態の育成施策情報処理装置で用いられる設定画面の一例を示す図である。
【
図4】実施形態の育成施策情報処理装置で用いられる割当情報の第1の例を示す図である。
【
図5】実施形態の育成施策情報処理装置で用いられる割当情報の第2の例を示す図である。
【
図6】実施形態の育成施策情報処理装置で用いられる業務担当者のリストの一例を示す図である。
【
図7】実施形態の育成施策情報処理装置で用いられる示唆情報の一例を示す図である。
【
図8】実施形態の育成施策情報処理装置におけるハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図9】実施形態の育成施策情報処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態における育成施策情報処理装置、育成施策情報処理方法および育成施策情報処理プログラムについて詳細に説明する。
【0019】
先ず、
図1を用いて、育成施策情報処理装置の機能を説明する。
図1は、実施形態における育成施策情報処理装置のソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0020】
図1において、育成施策情報処理装置1は、ネットワーク9を介して、利用者端末2と通信可能に接続されている。利用者端末2は、育成施策情報処理装置1を利用する利用者が操作する端末である。なお、本実施形態における利用者とは、単数または複数のいずれであってもよい。例えば、育成施策情報処理装置1を利用するためのIDを複数人で共有する場合、利用者はそのIDを用いて育成施策情報処理装置1を利用する任意の人である。
図1は育成施策情報処理装置1の接続先を例示して示すものであり、育成施策情報処理装置1の接続先を限定するものではない。例えば、育成施策情報処理装置1は、複数の利用者端末2と接続されるものであってもよい。ネットワーク9は、有線または無線を介するネットワークであり、例えばインターネットである。
【0021】
育成施策情報処理装置1は、第1記憶部11、第2記憶部12、設定画面提供部13、割当情報生成部14、リスト生成部15、算出部16、変化情報生成部17および示唆情報提供部18の各機能部を有する。本実施形態における育成施策情報処理装置1の上記各機能部は、本実施形態における育成施策情報処理プログラム(ソフトウェア)によって実現される機能モジュールであるものとして説明する。
【0022】
第1記憶部11は、担当者情報と、複数の実績情報と、複数の育成情報とを、業務担当者毎に記憶する。
【0023】
担当者情報は、業務を担当する業務担当者に係る情報である。業務担当者に係る情報は、例えば、業務担当者の氏名、ID(担当者を識別するための番号等)、アイコン(担当者を識別するための図形または画像等)、上司氏名、担当業界、入社年月日、入社年度、現在マッピングされている象限(後述)、または学歴等である。アイコンは、後述する割当情報において表示されるものであってもよい。
【0024】
実績情報は、業務担当者が達成した業務実績を示す情報である。第1記憶部11は、実績情報として業務実績の詳細を表す詳細実績情報を記憶してもよい。詳細実績情報は、例えば、営業職における営業実績、研究職における研究実績、開発職における開発実績、教職における教職実績、または軍事職における軍事実績等、様々な業界における業務上の実績に係る情報である。本実施形態においては、実績情報が営業実績である場合を例示して説明する。営業実績における詳細実績情報を示す情報は、例えば、営業目標に対する達成率を示す営業達成率、年間を通して創出された商談金額を示す年間商談創出金額、年間を通して創出された商談件数を示す年間商談創出件数、年間商談創出金額の平均値を示す平均商談金額、商談に要した日数を示す平均商談日数、または、受注された商談の割合を示す受注率等の情報である。それぞれの業務担当者は、複数の業務実績を達成する場合がある。第1記憶部11は、複数の実績情報を記憶することができる。
【0025】
育成情報は、業務担当者の育成状況を示す情報である。第1記憶部11は、育成情報として育成状況の詳細を表す詳細育成情報とを記憶してもよい。第1記憶部11は、育成情報として、スキル情報またはトレーニング情報の少なくともいずれか一つを記憶する。
【0026】
スキル情報は、業務を達成するために要求される業務スキルの習得状況を示す情報である。詳細育成情報におけるスキル情報は、例えば、総合的なスキルを数値またはランクによって評価した総合スキル評価、顧客別に営業の基本構想をまとめたアカウントプランの立案力を評価したアカウントスキル評価、営業における仮説の立案力を評価した仮説立案力評価、または、営業案件を前進させる能力を評価した案件前進評価等の情報である。
【0027】
トレーニング情報は、業務スキルを向上させるためのトレーニングの実施状況を示す情報である。詳細育成情報におけるトレーニング情報は、例えば、複数のトレーニングの中で完了したトレーニングの割合を示すトレーニング完了率、またはそれぞれのトレーニングが完了していることを示す完了フラグ等である。トレーニング情報は、例えば、育成施策情報処理装置1において示唆された(レコメンデーション)されたトレーニングに対する実施状況を示す情報であってもよい。あるいは、トレーニング情報は、全てのトレーニング(示唆されていないトレーニングを含む)に対する実施状況を示す情報であってもよい。
【0028】
それぞれの業務担当者は、複数のスキルを習得し、または複数のトレーニングを完了することができる。第1記憶部11は、複数のスキル情報またはトレーニング情報を記憶することができる。
【0029】
設定画面提供部13は、複数の実績情報の中の一の実績情報と、複数の育成情報の中の一の育成情報とを選択するための設定画面を利用者に提供する。設定画面提供部13は、詳細実績情報と詳細育成情報とを、利用者が選択できる設定画面を提供するようにしてもよい。また、割当情報生成部14は、設定画面提供部13において提供された設定画面で設定された実績情報および育成情報に基づき分類される4象限からなるマトリックスのそれぞれの象限に対して、第1記憶部11において記憶された担当者情報を割り当てた割当情報を生成する。
【0030】
マトリックスとは、平面を複数の領域に分割した領域の集合である。マトリックスにおけるそれぞれの領域を象限という。本実施形態においてマトリックスは、実績情報と育成情報とをそれぞれを直行する2軸の座標軸とした場合に生じる4つの象限(4象限)を有する。4象限のそれぞれは、実績情報と育成情報によって特徴付けられた領域である。設定画面提供部13は、マトリックスの座標軸を選択するための設定画面を利用者に提供する。上述の通り、第1記憶部は、複数の実績情報を記憶することができる。また、第1記憶部は、複数のスキル情報または複数のトレーニング情報を記憶することができる。設定画面において、利用者は、複数の実績情報の中の一の実績情報を一つの座標軸(例えばy軸)として選択することができる。また、設定画面において、利用者は、複数のスキル情報または複数のトレーニング情報の中の一の情報を他の座標軸(例えばx軸)として選択することができる。
【0031】
割当情報生成部14は、設定画面で設定された実績情報および育成情報をそれぞれの座標軸とするマトリックスのそれぞれの象限に対して、担当者情報を割り当てた割当情報を生成する。担当者情報を割り当てるとは、それぞれの業務担当者に係る情報を、マトリックスのそれぞれの象限にマッピングすることである。割当情報は、それぞれの業務担当者がいずれの象限にマッピングされたか、さらにそれぞれの業務担当者がマッピングされた象限のどの部分に位置するかを可視化(見える化)するものである。同じ象限の中でも実績情報および育成情報の数値によってマトリックスにおけるマッピング位置が異なる。割当情報生成部14は、マッピング位置に応じて業務担当者の実績情報および育成情報の差異を表現することができる。例えば、割当情報生成部14は、マトリックスにおける2人の業務担当者のマッピング位置の差異に応じて実績情報および育成情報が類似するか否かを表現することができる。
【0032】
割当情報生成部14は、割当情報を生成することにより、それぞれの業務担当者がいずれの象限にマッピングされたかを利用者が容易に確認することを可能とする。また、設定画面提供部13は、設定画面を利用者に提供することにより、利用者によって任意に選択された実績情報および育成情報における割当情報を利用者が容易に確認することを可能とする。
【0033】
なお、割当情報は、スキル情報およびトレーニング情報において、~ができるようになっている(Enable)という育成状況に基づき生成され、育成施策を示唆するものである。このため、割当情報は、できること(Enablement)に基づき利用者に情報を与える点において、イネーブルメントダッシュボードと呼んでもよい。
【0034】
第2記憶部12は、マトリックスのそれぞれの象限に割り当てられた育成施策の示唆情報を記憶する。示唆情報とは、業務担当者を育成するための施策を示唆する情報である。示唆情報は、例えば、業務担当者に対して推奨される、トレーニングに係る情報、コーチングに係る情報、担当業務に係る情報、担当業界に係る情報または営業ツールに係る情報等である。
【0035】
トレーニングに係る情報には、業務担当者を育成するトレーニングであって、例えば、トレーニングの種類、トレーニングの期間、トレーニングに掛かる費用、トレーニング場所等の情報が含まれていてもよい。コーチングに係る情報には、例えば、コーチングの種類(例えば、自己啓発系、心理学系、または哲学系等)、コーチングの流派(例えば、コーチング団体名、メソッド名等)、コーチ名等の情報が含まれていてもよい。
【0036】
担当業務に係る情報には、例えば、営業、経理、法務、庶務、研究または開発等の情報が含まれていてもよい。担当業務に係る情報には、例えば、具体的な組織、上司または同僚の情報が含まれていてもよい。
【0037】
担当業界に係る情報には、例えば、農林水産業、鉱業、建設業、製造業、通信業、サービス業、または広告業等の情報が含まれていてもよい。担当業界に係る情報には、例えば、具体的な会社名、勤務地、勤務形態(例えば、常勤または非常勤等)の情報が含まれていてもよい。
【0038】
営業ツールに係る情報には、業務担当者の業務を支援または補助するツールに係る情報であって、例えば、顧客の情報(例えば、名詞情報、アドレス帳の情報等)を管理する管理ツール、プレゼン資料を作成する資料作成ツール、自身のスケジュールを管理するスケジューラ等である。また、営業ツールに係る情報には、営業ノウハウを説明する動画を含む電子メディア、顧客の配布するノベルティグッズに係る情報等が含まれていてもよい。
【0039】
示唆情報提供部18は、第2記憶部12において記憶された示唆情報に基づき、割当情報生成部14において生成された割当情報に含まれる業務担当者に対する示唆情報を利用者に提供する。
【0040】
示唆情報提供部18は、例えば、マトリックスのそれぞれの象限に対して1対1で割り当てられた示唆情報を利用者に提供してもよい。また、示唆情報提供部18は、高い業務実績を達成している他の業務担当者の情報に基づき第2記憶部12において記憶された複数の示唆情報の中から1または複数の示唆情報を選択して利用者に提供してもよい。例えば、示唆情報提供部18は、業務担当者と担当者情報(例えば、担当業務、入社年度等)が類似している他の業務担当者の情報に対して過去に提供された示唆情報を参照して示唆情報を利用者に提供してもよい。
【0041】
また、示唆情報提供部18は、AI(Artificial Intelligence)を用いて第2記憶部12において記憶された複数の示唆情報の中から1または複数の示唆情報を選択して利用者に提供してもよい。本実施形態における育成施策情報処理装置1は、業務担当者の実績情報を適宜更新して記憶しておくことができる。例えば、後述する算出部16において算出された相関関係の算出結果は実績情報が更新される度に蓄積することができる。例えば、示唆情報提供部18は、それぞれの業務担当者に対して提供された示唆情報、その後の実績情報および相関情報を学習データとして相関情報が高い示唆情報を選択するようにAIを動作させて示唆情報を利用者に提供するようにしてもよい。
【0042】
示唆情報の提供とは、例えば、示唆情報を含むWebページを生成して、利用者端末2のWebブラウザ21に対して生成したWebページを表示させることである。示唆情報の提供は、示唆情報を含む電子メールを利用者端末2に送信するものであってもよい。示唆情報提供部18は、1人の業務担当者に対する示唆情報を提供するものであってもよく、あるいは複数の業務担当者に対する示唆情報を提供するものであってもよい。例えば、利用者が複数人の業務担当者の上司であった場合、示唆情報提供部18は、利用者の部下に対する示唆情報を提供することができる。
【0043】
リスト生成部15は、割当情報生成部14において生成された割当情報に基づき、マトリックスの同じ象限に分類された業務担当者のリストを生成する。示唆情報提供部18は、第2記憶部12に記憶された示唆情報に基づき、リスト生成部15において生成されたリストに含まれる業務担当者に対する前記示唆情報を提供する。業務担当者のリストとは、例えば、担当者名と、その担当者の実績情報および育成情報とをリスト形式において表示するものである。マトリックスの同じ象限に分類された業務担当者のリストを生成することにより、利用者は、類似した実績情報および育成情報を有する業務担当者を確認することができる。
【0044】
算出部16は、第1記憶部11に記憶された実績情報と育成情報とに基づき、業務実績と育成状況の相関関係を算出する。示唆情報提供部18は、算出部16において算出された相関関係に係る相関情報を利用者にさらに提供する。
【0045】
上述の通り、育成施策には多くの施策が含まれるため、どの施策を実施することが営業実績の達成に寄与するかの判断が困難となる場合がある。算出部16は、業務実績と育成状況の相関関係(例えば、相関係数または有意差の有無等)を算出することにより、どの施策を実施することが営業実績の達成に寄与するかを利用者が判断しやすくすることができる。本実施形態においては、割当情報において業務担当者のマッピングがされるため、例えば、算出部16は、マトリックスにおいて同じ象限にマッピングされた業務担当者において業務実績と育成状況の相関関係を算出することが可能となる。
【0046】
変化情報生成部17は、割当情報生成部14において生成された割当情報に基づき、それぞれの業務担当者の割当情報の経時的な変化を示す変化情報を生成する。示唆情報提供部18は、変化情報生成部17において生成された他の業務担当者の変化情報にさらに基づき、示唆情報を提供する。
【0047】
割当情報は、業務担当者の実績情報と育成情報とに基づく現在のマッピング位置を示す。割当情報におけるマッピングの位置は、その後に業務担当者が行う育成施策等によって経時的に変化する。割当情報の変化情報は、例えば、実績情報と育成情報の数値の変化量、マッピングされたマトリックス上の座標の変化量、または、マトリックス上の座標の軌跡等の情報として生成される。変化情報生成部17が、例えば、月次または年次で生成される変化情報を生成することにより、示唆情報提供部18は、類似した変化情報を有する他の業務担当者(例えば、先輩担当者)を検索して、他の業務担当者において実行された育成施策を参考とした示唆情報を提供することができる。
【0048】
なお、育成施策情報処理装置1が有する上述の各機能部は、育成施策情報処理装置1の機能部の一例を示したものであり、育成施策情報処理装置1が有する機能を限定したものではない。例えば、育成施策情報処理装置1は、上記全ての機能部を有している必要はなく、一部の機能部を有するものであってもよい。また、育成施策情報処理装置1は、上記以外の他の機能を有していてもよい。例えば、育成施策情報処理装置1は、情報を入力するために入力機能や、装置の稼働状態をLEDランプ等により報知する出力機能を有していてもよい。
【0049】
また、育成施策情報処理装置1が有する上記各機能部は、上述の通り、ソフトウェアによって実現されるものとして説明した。しかし、育成施策情報処理装置1が有する上記機能部の中で少なくとも1つ以上の機能部は、ハードウェアによって実現されるものであってもよい。
【0050】
また、育成施策情報処理装置1が有する上記何れかの機能部は、1つの機能部を複数の機能部に分割して実施してもよい。また、育成施策情報処理装置1が有する上記何れか2つ以上の機能部を1つの機能部に集約して実施してもよい。
図1は、育成施策情報処理装置1が有する機能を機能ブロックで表現したものであり、例えば、各機能部がそれぞれ別個のプログラムファイル等で構成されていることを示すものではない。
【0051】
また、育成施策情報処理装置1は、1つの筐体によって実現される装置であっても、ネットワーク等を介して接続された複数の装置から実現されるシステムであってもよい。例えば、育成施策情報処理装置1は、その機能の一部または全部をクラウドコンピューティングシステムによって提供されるクラウドサービス等、他の仮想的な装置によって実現するものであってもよい。また、育成施策情報処理装置1は、上記各機能部のうち、少なくとも1以上の機能部を他の装置において実現するようにしてもよい。すなわち、育成施策情報処理装置1は、複数の装置によって構成されるシステムであってもよい。また、育成施策情報処理装置1は、デスクトップPC等の汎用的なコンピュータであってもよく、機能が限定された専用の装置であってもよい。
【0052】
次に、
図2を用いて、データテーブルについて説明する。
図2は、実施形態の育成施策情報処理装置1で用いられるデータテーブルの一例を示す図である。
【0053】
図2において、データテーブル1000は、
図1で説明した第1記憶部11に記憶される、担当者情報、実績情報1001、スキル情報1002およびトレーニング情報1003を、業務担当者毎に表形式で表示する。データテーブル1000は、それぞれの列が1人の業務担当者の担当者情報、実績情報および育成情報を示すリレーショナルデータベースを表示する。
【0054】
データテーブル1000は、担当者情報として、業務担当者の氏名、ID(担当者を識別するための番号等)、上司氏名、担当業界、入社年月日、入社年度、および、現在マッピングされている象限(本実施形態においては「ZONE」と表現する場合がある。)を含む。
【0055】
実績情報1001(
図2では「営業実績」で表示)は、営業目標に対する達成率を示す営業達成率、年間を通して創出された商談金額を示す年間商談創出金額、年間を通して創出された商談件数を示す年間商談創出件数、年間商談創出金額の平均値を示す平均商談金額、商談に要した日数を示す平均商談日数、および、受注された商談の割合を示す受注率等の情報を含む。
【0056】
スキル情報1002(
図2では「営業スキル」で表示)は、総合的なスキルを数値またはランクによって評価した総合スキル評価、顧客別に営業の基本構想をまとめたアカウントプランの立案力を評価したアカウントスキル評価、営業における仮説の立案力を評価した仮説立案力評価、および、営業案件を前進させる能力を評価した案件前進評価を含む。
【0057】
トレーニング情報1003(
図2では「営業トレーニング」で表示)は、複数のトレーニングの中で完了したトレーニングの割合を示すトレーニング完了率、アカウントプランの立案力を高めるトレーニングの完了フラグ(レ点表示)、営業における仮説の立案力を高めるトレーニングの完了フラグ(レ点表示)、および、営業案件を前進させる能力を高めるトレーニングの完了フラグ(レ点表示)を含む。
【0058】
データテーブル1000の内容は、業務情報、スキル情報またはトレーニング情報に変化があったときに適宜更新される。データテーブル1000の更新は、例えば、利用者端末2からデータテーブル1000の内容を更新(編集)することにより行われてもよい。なお、データテーブル1000は、1つの表形式で表示される場合を説明したが、例えば、それぞれのレコードデータ(横列データ)またはフィールドデータ(縦行データ)は、複数のデータベースで管理されていてもよい。例えば、担当業界毎に業務担当者のレコードデータを別のデータベースで管理して、トレーニング情報1003としてデータをマージさせるようにしてもよい。また、実績情報1001、スキル情報1002およびトレーニング情報1003のそれぞれのフィールドデータを別のデータベースで管理して、トレーニング情報1003としてデータをマージさせるようにしてもよい。
【0059】
なお、データテーブル1000は、できること(Enablement)を可視化する点において、イネーブルメントスキルマップと呼ぶことができる。
【0060】
次に、
図3を用いて、設定画面を説明する。
図3は、実施形態の育成施策情報処理装置1で用いられる設定画面の一例を示す図である。
図3において、設定画面2000は、設定画面提供部13から提供されるUI(User Interface)であって、例えば、Webブラウザ21に表示される表示画面である。
【0061】
設定画面2000は、割当情報のx軸(横軸)を選択するためのプルダウンメニュー2001および割当情報のy軸(横軸)を選択するためのプルダウンメニュー2002を有する。プルダウンメニュー2002は、複数の実績情報2021(
図3では「Performance指標」と表示)の中の一の実績情報を選択するためのUIである。
図3は、複数の実績情報2021の中で、営業達成率の詳細実績情報2101がy軸として選択されていることを示している。
【0062】
また、プルダウンメニュー2001は、複数のスキル情報2022(
図3では「Enablement指標(アクションスコア)」と表示)またはトレーニング情報2023(
図3では「Enablement指標(トレーニング/コーチ)」と表示)の中の一の育成情報を選択するためのUIである。
図3は、複数のスキル情報2022またはトレーニング情報2023の中で、営業アクションの詳細育成情報2201がx軸として選択されていることを示している。プルダウンメニュー2001においては、トレーニング情報2023の中の一のトレーニング情報を詳細育成情報として選択することもできる。
【0063】
また、設定画面2000は、ZONE A2011、ZONE B2012、ZONE C2013およびZONE D2014の4象限のマトリックスを含む割当情報を有する。割当情報は、プルダウンメニュー2001およびプルダウンメニュー2002において選択されたx軸およびy軸において4象限を構成する。ZONE A2011~ZONE D2014のそれぞれの象限には、担当者情報として、業務担当者を識別するためのアイコン(マーク)と氏名(
図3では仮名を使用)が割り当てられる(マトリックスの座標にプロットされる)。設定画面2000が割当情報を有することにより、利用者は、割当情報における割当情報のx軸およびy軸を選択しながら、選択されたx軸およびy軸において生成された割当情報をインタラクティブ(対話式)に確認することができる。
【0064】
また、設定画面2000は、割当情報の経時的な変化を示すようにしてもよい。データテーブル1000の内容は、上述の通り経時的に適宜変更されるため、割当情報も経時的に変化させることができる。設定画面2000は、所定の日時におけるデータテーブル1000の内容に基づき、割当情報を変化させて表示させてもよい。設定画面2000は、割当情報を1日毎のステップにおいて変化させることにより割当情報の経時的な変化を表示させることができる。設定画面2000は、例えば、1週間、10日間、1ヶ月間、半期間または1年間をステップとして、ステップ毎の割当情報を表示させるようにしてもよい。
【0065】
また、設定画面2000は、リスト生成部15において生成される業務担当者のリストを生成するか否かの設定、算出部16において算出される相関関係を算出するか否かの設定、または、変化情報生成部17で生成される変化情報を生成するか否かの設定をするための設定部を有していてもよい。
【0066】
なお、
図3は、割当情報に業務担当者を識別するためのアイコンと業務担当者の氏名の両方を表示する場合を説明したが、設定画面2000は、業務担当者の氏名を表示しない設定ができるようにしてもよい。業務担当者の氏名を表示しないことにより、個人情報の保護を図ることができる。
【0067】
次に、
図4~
図5を用いて、割当情報の詳細を説明する。
図4は、実施形態の育成施策情報処理装置1で用いられる割当情報の第1の例を示す図である。
【0068】
図4において、割当情報3000は、第1象限3011、第2象限3012、第3象限3013および第4象限3014を有する。割当情報3000は、トレーニング情報としての「トレーニング」をx軸、実績情報としての「営業成果指標」をy軸としたときの4象限における、それぞれの象限における育成施策を示唆している。
【0069】
第1象限3011には、トレーニングの経験が少なく、かつ営業成果指標が低い特徴を有する業務担当者が割り当てられる。割当情報3000は、第1象限3011に割り当てられた業務担当者に対して、継続的な学習が必要であるため、トレーニングによる育成を実施することを推奨するための情報である。
【0070】
第2象限3012には、トレーニングの経験が多く、かつ営業成果指標が低い特徴を有する業務担当者が割り当てられる。割当情報3000は、第2象限3012に割り当てられた業務担当者に対して、実践力が不足しているため、コーチングによる育成を実施することを推奨するための情報である。
【0071】
第3象限3013には、トレーニングの経験が少なく、かつ営業成果指標が高い特徴を有する業務担当者が割り当てられる。割当情報3000は、第3象限3013に割り当てられた業務担当者に対して、尖ったスキルを持つハイパフォーマ(天才型)であるかまたは営業成果がまぐれである可能性があるため、担当顧客を変更して再現性を確認する育成を推奨したり、平均以下の能力を上げるための育成施策を推奨したりするための情報である。
【0072】
第4象限3014には、トレーニングの経験が多く、かつ営業成果指標が高い特徴を有する業務担当者が割り当てられる。第4象限3014に割り当てられた業務担当者は、模範となる業務担当者である。第4象限3014に割り当てられた業務担当者に対する割当情報3000は、模範担当者の成功事例共有や次期マネージャーとしての育成を実施することを推奨するための情報等である。
【0073】
図5は、実施形態の育成施策情報処理装置1で用いられる割当情報の第2の例を示す図である。
【0074】
図5において、割当情報4000は、第1象限4011、第2象限4012、第3象限4013および第4象限4014を有する。割当情報4000は、スキル情報としての「スキル評価」をx軸、実績情報としての「営業成果指標」をy軸としたときの4象限における、それぞれの象限における育成施策を示唆している。
【0075】
第1象限4011には、スキル評価が低く、かつ営業成果指標が低い特徴を有する業務担当者が割り当てられる。割当情報4000は、第1象限4011に割り当てられた業務担当者に対して、学び直しが必要であるため、トレーニングによる育成を実施することを推奨するための情報である。
【0076】
第2象限4012には、スキル評価が高く、かつ営業成果指標が低い特徴を有する業務担当者が割り当てられる。割当情報4000は、第2象限4012に割り当てられた業務担当者に対して、スキル定義のミス、外的要因により成果創出に至らない、または大手企業攻略などで成果までに時間がかかっていること等の原因が考えられるため、定義の見直し、育成施策以外の施策検討、または適切な成果創出期間を検討することを推奨するための情報である。育成以外の施策とは、例えば、広告宣伝活動による育成以外での営業支援施策、部署の異動、転職または退職等である。
【0077】
第3象限4013には、スキル評価が低く、かつ営業成果指標が高い特徴を有する業務担当者が割り当てられる。割当情報4000は、第3象限4013に割り当てられた業務担当者に対して、特定の突出した能力を持って実績をあげた者または成果がまぐれである可能性があるため、担当顧客を変更して再現性を確認する育成を推奨したり、平均以下の能力を上げるための育成施策を推奨したりするための情報である。
【0078】
第4象限4014には、スキル評価が高く、かつ営業成果指標が高い特徴を有する業務担当者が割り当てられる。割当情報4000は、第4象限4014に割り当てられた業務担当者に対して、模範となる業務担当者であるため、模範担当者の成功事例共有または次期マネージャーとしての育成を実施することを推奨するための情報である。
【0079】
次に、
図6を用いて、業務担当者のリストの詳細を説明する。
図6は、実施形態の育成施策情報処理装置で用いられる業務担当者のリストの一例を示す図である。
【0080】
図6において、リスト5000は、リスト生成部15において生成される。リスト5000は、割当情報のマトリックスにおいて同じ象限に分類された業務担当者をリスト化して表したものである。リスト5000は、第1象限に割り当てられた業務担当者(担当者名1~担当者名11)をリスト化したリスト5001、第2象限に割り当てられた業務担当者(担当者名12~担当者名22)をリスト化したリスト5002、第3象限に割り当てられた業務担当者(担当者名23~担当者名28)をリスト化したリスト5003、および第4象限に割り当てられた業務担当者(担当者名29~担当者名33)をリスト化したリスト5004を有する。リスト5001~リスト5004のそれぞれは、
図4および
図5において説明した特徴を有した業務担当者がリスト化されている。例えば、リスト5001は、第1象限に割り当てられた業務担当者を、業務実績を示す指標が高い順番にリスト化している。業務実績を示す指標は、業務担当者のそれぞれにおいて棒グラフの長さで表示されている。
【0081】
同じ象限に割り当てられた業務担当者をリスト化することにより、業務担当者に対する育成施策を効率化させることができる。例えば、同じ象限に割り当てられた業務担当者に対して、同一の講習等のトレーニング情報を案内することにより、トレーニングの実施に要する工数を削減することができる。
【0082】
また、同じ象限に割り当てられた業務担当者をリスト化することにより、育成施策の効果を把握しやすくすることができる。例えば、育成施策の実施前において同じ象限に割り当てられた業務担当者を2つのグループに分けて、それぞれのグループに対して異なる育成施策を実施したとする。育成施策の実施後においてそれぞれのグループの業務実績に差異が生じた場合、育成施策と業務実績との相関関係を把握することで育成施策の効果を定量的に把握することが可能となる。
【0083】
また、同じ象限に割り当てられた業務担当者をリスト化することにより、それぞれの業務担当者は、自分と同じ象限に割り当てられた他の業務担当者を意識することが可能となり、仲間意識または競争意識から業務に対するモチベーションが向上する場合がある。
【0084】
次に、
図7を用いて、示唆情報の詳細を説明する。
図7は、実施形態の育成施策情報処理装置1で用いられる示唆情報の一例を示す図である。
【0085】
示唆情報6000は、示唆情報提供部18から提供される育成施策を示唆する情報である。示唆情報6000は、割当情報のマトリックスにおいて同じ象限に分類された業務担当者に対する育成施策を表したものである。示唆情報6000は、第1象限に割り当てられた業務担当者に対する育成施策6001、第2象限に割り当てられた業務担当者に対する育成施策6002、第3象限に割り当てられた業務担当者に対する育成施策6003、および第4象限に割り当てられた業務担当者に対する育成施策6004を有する。
【0086】
育成施策6001~育成施策6004のそれぞれは、
図4および
図5において説明した特徴を有した業務担当者に対する育成施策である。育成施策6001~育成施策6004は、それぞれ図示しない詳細な育成情報を有する。育成施策の詳細は、第2記憶部12に記憶され、業務担当者の育成情報を参照することにより提供される。例えば、第1象限である育成施策6001に割り当てられた詳細な育成施策が、L,MおよびNのトレーニングを実施するものであり、第1象限に割り当てられた業務担当者Aが既にLおよびMのトレーニングを受講済みである場合、示唆情報提供部18は、未受講であるNのトレーニングを受講することを示唆する。育成施策6002は、第2象限に割り当てられた業務担当者に対するコーチング情報の詳細な育成施策であり、育成施策6003は、第3象限に割り当てられた業務担当者に対する担当業界に関する詳細な育成施策であり、また、育成施策6004は、第4象限に割り当てられた業務担当者に対する営業ツールに関する詳細な育成施策である。示唆情報6000は、割当情報のマトリックスにおいて同じ象限に分類された業務担当者に対する育成施策を表すことにより、業務担当者に対する育成施策を確認しやすくすることができる。
【0087】
次に、
図8を用いて、育成施策情報処理装置1のハードウェア構成を説明する。
図8は、実施形態における育成施策情報処理装置1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0088】
育成施策情報処理装置1は、CPU(Central Processing Unit)101、RAM(Random Access Memory)102、ROM(Read Only Memory)103、I/O機器104、および通信I/F(Interface)105を有する。育成施策情報処理装置1は、
図1で説明した育成施策情報処理プログラムを実行する装置である。
【0089】
CPU101は、RAM102またはROM103に記憶された育成施策情報処理プログラムを実行することにより、利用者端末の制御を行う。育成施策情報処理プログラムは、例えば、プログラムを記録した記録媒体、又はネットワークを介したプログラム配信サーバ等から取得されて、ROM103にインストールされ、CPU101から読出されて実行される。
【0090】
I/O機器104は、操作入力機能と表示機能(操作表示機能)を有する。I/O機器104は、例えばタッチパネルである。タッチパネルは、育成施策情報処理装置1の利用者に対して指先又はタッチペン等を用いた操作入力を可能にする。本実施形態におけるI/O機器104は、操作表示機能を有するタッチパネルを用いる場合を説明するが、I/O機器104は、表示機能を有する表示装置と操作入力機能を有する操作入力装置とを別個有するものであってもよい。その場合、タッチパネルの表示画面は表示装置の表示画面、タッチパネルの操作は操作入力装置の操作として実施することができる。なお、I/O機器104は、ヘッドマウント型、メガネ型、腕時計型のディスプレイ等の種々の形態によって実現されてもよい。
【0091】
通信I/F105は、通信用のI/Fである。通信I/F105は、例えば、無線LAN、有線LAN、赤外線等の近距離無線通信を実行する。図は通信用のI/Fとして通信I/F105のみを図示するが、育成施策情報処理装置1は複数の通信方式においてそれぞれの通信用のI/Fを有するものであってもよい。
【0092】
次に、
図9を用いて、育成施策情報処理装置1における表示態様の設定の動作を説明する。
図9は、実施形態における育成施策情報処理装置1の動作の一例を示すフローチャートである。なお、以下に示すフローチャートにおける動作の実行主体は育成施策情報処理装置1であるものとして説明するが、それぞれの動作は、上述した育成施策情報処理装置1の各機能部において実行することができる。
【0093】
図9において、育成施策情報処理装置1は、設定画面を提供する(ステップS11)。設定画面の提供は、育成施策情報処理装置1が設定画面を含むWebページを提供することにより実行することができる。
【0094】
ステップS11の処理を実行した後、育成施策情報処理装置1は、設定画面における設定が完了したか否かを判断する(ステップS12)。設定画面における設定が完了したか否かは、例えば、Webページに対する利用者による完了操作が実行されたか否かによって判断することができる。設定画面における設定が完了していないと判断した場合(ステップS12:NO)、育成施策情報処理装置1は、ステップS12の処理を繰り返して、設定画面における設定が完了するのを待機する。
【0095】
一方、設定画面における設定が完了したと判断した場合(ステップS12:YES)、育成施策情報処理装置1は、割当情報を生成する(ステップS13)。割当情報の生成は、割当情報生成部14において実行することができる。
【0096】
ステップS13の処理を実行した後、育成施策情報処理装置1は、業務担当者のリストを生成するか否かを判断する(ステップS14)。業務担当者のリストを生成するか否の判断は、例えば、利用者が設定画面においてリスト作成の設定をしているか否かで判断することができる。業務担当者のリストを生成すると判断した場合(ステップS14:YES)、育成施策情報処理装置1は、業務担当者のリストを生成する(ステップS15)。業務担当者のリストの生成は、リスト生成部15において実行することができる。
【0097】
ステップS15の処理を実行した後、または、業務担当者のリストを生成しないと判断した場合(ステップS14:NO)、育成施策情報処理装置1は、相関係数を算出するか否かを判断する(ステップS16)。相関係数を算出するか否かは、例えば、利用者が設定画面において相関係数算出の設定をしているか否かで判断することができる。相関係数を算出すると判断した場合(ステップS16:YES)、育成施策情報処理装置1は、相関係数を算出する(ステップS17)。相関係数の算出は、例えば、算出部16において実行することができる。
【0098】
ステップS17の処理を実行した後、または、相関関係を算出しないと判断した場合(ステップS16:NO)、育成施策情報処理装置1は、変化情報を生成するか否かを判断する(ステップS18)。変化情報を生成するか否かは、例えば、利用者が設定画面において変化情報を生成の設定をしているか否かで判断することができる。変化情報を生成すると判断した場合(ステップS18:YES)、育成施策情報処理装置1は、変化情報を生成する(ステップS19)。変化情報の生成は、例えば、変化情報生成部17において実行することができる。
【0099】
ステップS19の処理を実行した後、または、変化情報を生成しないと判断した場合(ステップS18:NO)、育成施策情報処理装置1は、示唆情報を提供する(ステップS20)。示唆情報の提供は、例えば、示唆情報提供部18が、利用者端末2のWebブラウザ21に対してWebページを提供することにより実行することができる。ステップS20の処理を実行した後、育成施策情報処理装置1は、フローチャートに示す動作を終了する。
【0100】
なお、図示したフローチャートは、育成施策情報処理装置1の動作の一例を示したものであり、育成施策情報処理装置1における動作を限定するものではない。
【0101】
なお、本実施形態で説明した装置を構成する機能を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、本実施形態の上述した種々の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0102】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組合せで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0103】
以上、本発明の実施形態について、図面を参照して説明してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲においての種々の変更も含まれる。
【符号の説明】
【0104】
1 育成施策情報処理装置
11 第1記憶部
12 第2記憶部
13 設定画面提供部
14 割当情報生成部
15 リスト生成部
16 算出部
17 変化情報生成部
18 示唆情報提供部
2 利用者端末
21 Webブラウザ
9 ネットワーク
101 CPU
102 RAM
103 ROM
104 I/O機器
105 通信I/F
1000 データテーブル
1001 実績情報
1002 スキル情報
1003 トレーニング情報
2000 設定画面
2001 プルダウンメニュー
2002 プルダウンメニュー
2011 ZONE A
2012 ZONE B
2013 ZONE C
2014 ZONE D
2021 実績情報
2022 スキル情報
2101 詳細実績情報
2201 詳細育成情報
3000 割当情報
3011 第1象限
3012 第2象限
3013 第3象限
3014 第4象限
4000 割当情報
4011 第1象限
4012 第2象限
4013 第3象限
4014 第4象限
5000 リスト
5001 リスト
5002 リスト
5003 リスト
5004 リスト
6000 示唆情報
6001 育成施策
6002 育成施策
6003 育成施策
6004 育成施策