(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022085824
(43)【公開日】2022-06-08
(54)【発明の名称】座便器用補助カバー
(51)【国際特許分類】
A47K 13/24 20060101AFI20220601BHJP
E03D 9/00 20060101ALI20220601BHJP
【FI】
A47K13/24
E03D9/00 F
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021092086
(22)【出願日】2021-06-01
(31)【優先権主張番号】10-2020-0162792
(32)【優先日】2020-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】521238041
【氏名又は名称】コ、チャンイル
【氏名又は名称原語表記】KO, CHANGIL
【住所又は居所原語表記】24, Geumgang-ro yeongjidong 1-gil, Jinjeop-eup, Namyangju-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】コ、チャンイル
【テーマコード(参考)】
2D037
2D038
【Fターム(参考)】
2D037AA02
2D037BA23
2D037EB00
2D038ZA02
(57)【要約】
【課題】おしっこ(尿)や水が飛び散ったときに座便器のボウルの上端部に直接的に付くことを防ぎながら、ボウルの内部に再び流れ込むように導き、簡便に着脱及び洗浄が行われて衛生的に使用可能なようになっている座便器用補助カバーを提供する。
【解決手段】 座便器のボウルの上端部と対応して弧状を呈するシート部と、前記シート部の内側及び外側の端部が下向きに延びて座便器のボウルの上端の周縁を囲繞するスカート部と、前記シート部の上面の内側から外側に向かって上向きに拡開される形状に延びる傾斜カバーと、を備えてなることを特徴とし、尿や水が飛び散って座便器のボウルの上端に付くことを防ぎ、自然にボウルの内部に流れ込むようにし、簡単に取り外して洗浄することができて、衛生的な座便器の使用を可能にする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
座便器のボウルの上端部と対応して弧状を呈するシート部と、
前記シート部の内側及び外側の端部が下向きに延びて座便器のボウルの上端の周縁を囲繞するスカート部と、
前記シート部の上面の内側から外側に向かって上向きに拡開される形状に延びる傾斜カバーと、
を備えることを特徴とする座便器用補助カバー。
【請求項2】
前記シート部の底面には多数の吸着口が備えられて、座便器のボウルに吸着固定されるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の座便器用補助カバー。
【請求項3】
前記スカート部の外側の一端には取っ手部がさらに突設されることを特徴とする請求項1に記載の座便器用補助カバー。
【請求項4】
前記取っ手部は、環状を呈することを特徴とする請求項3に記載の座便器用補助カバー。
【請求項5】
前記傾斜カバーは、外周縁に一ヶ所または二ヶ所以上の屈曲部が形成されることを特徴とする請求項1に記載の座便器用補助カバー。
【請求項6】
前記シート部の上面と傾斜カバーの外側面とが接する部分と、前記シート部の底面と内スカート部とが接する部分とには、それぞれ陥凹部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の座便器用補助カバー。
【請求項7】
前記シート部の後方の両端部には、座便器のボウルの上端の残りの周りを覆い被せる補助シートが着脱自在に組み付けられることを特徴とする請求項1に記載の座便器用補助カバー。
【請求項8】
前記シート部と、スカート部及び傾斜カバーは、一体であって、軟質の弾性を有する材質からなることを特徴とする請求項1に記載の座便器用補助カバー。
【請求項9】
前記シート部と、スカート部及び傾斜カバーは、一体成型され、表面にウレタンコーティングが施されて水や塵埃の付着を防ぐようになっていることを特徴とする請求項1に記載の座便器用補助カバー。
【請求項10】
前記シート部と傾斜カバーは、着脱自在に互いに分離されてなることを特徴とする請求項1に記載の座便器用補助カバー。
【請求項11】
前記シート部と傾斜カバーは互いに分離されてなり、シート部と傾斜カバーとの接触面に互いに対応する係合溝及び係合突起が多数形成されて着脱自在になっていることを特徴とする請求項10に記載の座便器用補助カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、座便器用補助カバーに係り、おしっこ(尿)や水が飛び散ったときに座便器のボウルの上端部に直接付くことを防ぎながら、ボウルの内部に再び流れ込むように導き、簡便に着脱及び洗浄が行われて衛生的に使用可能なようになっている座便器用補助カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
座便器は、一般に、トイレの床面に設置されて排泄物を収容及び排出するボウル(bowl)と、このボウルの後方に配設されて洗浄水を貯留する水槽と、前記ボウルの上側に回転可能に配設されて使用者が座って排便できるようになっている便座及び便座の上側に同様に回転可能に配設されてボウルの上端を開閉するカバーと、から構成される。
【0003】
ボウルの内部には、常に一定の水位の水が溜まっていて悪臭を遮断しているが、このような座便器に男性がおしっこをする場合に、カバーと便座を後ろに反らし、立った状態でおしっこをし、この過程で、尿やボウルの内部の水が飛び散って座便器や周りを汚染させ、このため、座便器のボウルの上端部は汚染物で染み付き、悪臭を引き起こすなど非衛生的であるという問題があり、それに伴う座便器の頻繁な洗浄が余儀なくされるという問題があった。
【0004】
このような問題を解消するために種々の形態の技術が提案されており、特許文献はそのような例を開示している。
【0005】
特許文献1を参照すると、用便をすることができる収容空間22を有する便器本体120と、前記便器本体120の上部に回動可能に配設されて使用者が座れるようになっている便座130と、前記便座130の上部に回動可能に配設されて前記便座130を覆い被せるようになっている蓋体60と、からなる座便器110において、前記便座130の上部に回動可能に配設され、一方の面には尿を受け止めるように受け止め溝部141が形成され、前記受け止め溝部141の一方の側には尿が前記収容空間22に流れるように排出孔42が形成された受け止め板140を備えてなることを特徴としているが、このような特許文献1は、尿が便座に付かず、外部に飛び散ることをある程度予防することができるという効果があるとはいえ、設備それ自体が追加されなければならないため、構成が複雑であり、コストの負担がある他、受け止め板140及び衛生シート150などが固定された設備であって、しょせん汚れてしまうのは同じであるため、実用性に乏しいという問題があった。
【0006】
特許文献2は、男性が立った状態で座便器におしっこをする場合に、便器シートの上面である肌の密着面に尿が飛び散ることを防げるようにする座便器シートに関するものであり、便器本体の両側の外面の上部に固定手段により固定される2枚の固定板と、2枚の固定板の各上部にそれぞれの下部の外側がヒンジ部を介して連結されてヒンジ部を中心として回転可能なように備えられ、それぞれの下部が便器本体の上端の周り面の側周面に密着可能なように前後方向に長い曲線状の板から構成され、それぞれの外側にはヒンジ部から外側に向かって突出する外側突出部が形成される2つの開閉シートと、それぞれの前記開閉シートの外側突出部の下部に備えられて重さによりそれぞれの開閉シートの外側突出部を前記ヒンジ部よりもさらに低い位置に下降させることに伴い、両側の開閉シートに使用者が座っていない状態では両側の各開閉シートの内側を上昇させて各開閉シートを内側から外側に向かって下向きに傾斜するように開放する錘下降手段と、を備えるものであって、結局、特許文献2は、座便器の便座を両側から分離された開閉シート3から構成してヒンジ部33により回動されるようにし、普段は外側に反られて男性が立っておしっこをする場合には開閉シートの上面に尿が付かないようにしたものであることが分かる。
【0007】
しかしながら、特許文献2は、便座に直接的に尿が付くことはないものの、尿が座便器のボウルの周りに付いて染み付いたり外部に飛び散ったりすることを防ぐことができず、むしろ開閉シートが固設されて座便器の洗浄がさらに行い難くなるという不都合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】大韓民国公開特許第10-2002-0083266号公報(2002年11月2日)
【特許文献2】大韓民国公開特許第10-2074151号公報(2020年1月31日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、座便器においておしっこをするときに尿や尿により飛び散る水ができる限り外部に飛び散らないようにしながら、座便器のボウルに直接的に付かないようにして衛生的な座便器の使用が行われるようにするところにその目的がある。
【0010】
本発明は、座便器から尿や水が飛び散って付く場合、座便器のボウルの内部に容易に流れ込むようにして座便器や本発明のカバーに水気が付いていたり染み付いたりすることを防ぐことのできる座便器用補助カバーの提供を目的とする。
【0011】
本発明は、座便器のボウルの上端に簡単に取り付けて用いることができ、汚れた場合には手軽に取り外して洗浄することができて衛生的に繰り返し用いることのできる座便器用補助カバーの提供を目的とする。
【0012】
本発明は、座便器のボウルの上端に安定的に取り付けて用いることができ、座便器の便座を下げて用いるに当たって不便さがないようにした座便器用補助カバーの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記の諸目的を達成するために、座便器のボウルの上端部と対応して弧状を呈するシート部と、前記シート部の内側及び外側の端部が下向きに延びて座便器のボウルの上端の周縁を囲繞するスカート部と、前記シート部の上面の内側から外側に向かって上向きに拡開される形状に延びる傾斜カバーと、を備えるところに特徴がある。
【0014】
本発明の他の特徴は、前記シート部の底面には多数の吸着口が備えられて、座便器のボウルに吸着固定されるようになっているところにある。
【0015】
前記吸着口は円形または楕円形などから選択可能であり、この吸着口により座便器に容易に着脱して用いることができる。
【0016】
本発明の他の特徴は、前記スカート部の外側の一端には取っ手部がさらに突設されるところにあり、これにより、取っ手を握って手軽に座便器から取り外すことができ、前記取っ手部は、環状を呈していてもよい。
【0017】
本発明の他の特徴は、前記傾斜カバーは、外周縁に一ヶ所または二ヶ所以上の屈曲部が形成されるところにある。
【0018】
前記屈曲部は、傾斜カバーに十分な弾性と変形力を与えることになって、便器の便座により押し付けられてから容易に元の状態に戻ることが可能になり、折り畳まれたときに平面を保つことが可能になる。
【0019】
本発明の他の特徴は、前記シート部の上面と傾斜カバーの外側面とが接する部分と、前記シート部の底面と内スカート部とが接する部分とには、それぞれ陥凹部が形成されて、傾斜カバーが便座により押し付けられるときに十分な柔軟性と弾性を与えるようになっているところにある。
【0020】
本発明の他の特徴は、前記シート部の後方の両端部には、座便器のボウルの上端の残りの周りを覆い被せる補助シートが着脱自在に組み付けられるところにある。
【0021】
本発明の他の特徴は、前記シート部と、スカート部及び傾斜カバーは、一体であって、軟質の弾性を有する材質からなるところにある。
【0022】
本発明の他の特徴は、前記シート部と、スカート部及び傾斜カバーは、一体成型され、表面にウレタンコーティングが施されて水や塵埃の付着を防ぐようになっているところにある。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、座便器のボウルの上端に取り付けられてボウルの上端を覆い被せながら、上向きに傾斜した傾斜シートが備えられて尿や尿により飛び散る水ができる限り外部に飛び散ることを防ぎながら、座便器のボウルに直接的に付かないようにして衛生的な座便器の使用が行われるという効果を奏する。
【0024】
本発明は、上向きに傾斜した傾斜シートにより飛び散る尿や水が座便器のボウルの内部に容易に流れ込むようにして、ボウルの周りが染み付くことを防ぐことができるという効果を奏する。
【0025】
本発明は、シート部の底面に吸着口が備えられて座便器のボウルの上端に簡単に取り付けて用いることができ、汚れた場合には手軽に取り外して洗浄することができて衛生的に繰り返し用いることができるという効果を奏する。
【0026】
本発明は、シリコンやゴムなどの軟質の材質からなって、座便器の便座を下げて用いるときにも取り外す必要なしにそのまま用いることができ、着座に際してクッション感を与えて使用に当たって不便さが全くないという効果をも奏する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明に係る座便器用補助カバーの一実施形態を示す斜視図である。
【
図5】本発明の補助カバーが座便器に取り付けられる状態を示す斜視図である。
【
図6】本発明の他の実施形態を示す底面斜視図である。
【
図7】本発明の補助カバーの配設状態の側面図である。
【
図8】補助カバーと便座との接触状態を示す部分側面図である。
【
図9】補助カバーと便座との接触状態を示す部分側面図である。
【
図10】補助カバーと便座との接触状態を示す部分側面図である。
【
図11】本発明の他の実施形態を示す平面図である。
【
図12】本発明の他の実施形態を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面に基づいて、本発明に係る好適な実施形態について詳しく説明する。これに先立って、この明細書及び特許請求の範囲に用いられた用語や単語は、通常的もしくは辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は、自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則に踏まえて、本発明の技術的な思想に見合う意味と概念として解釈されなければならない。
【0029】
よって、この明細書に記載の実施形態と図面に示されている構成は、本発明の好ましい
一実施形態に過ぎないものであり、本発明の技術的な思想をいずれも代弁するものではないため、本発明の出願時点においてこれらに代替できる様々な均等物と変形例があり得るということを理解しなければならない。
【0030】
図中、同じ名称が付いている部分に対しては、同じ符号を付している。
【0031】
図1は、本発明に係る座便器用補助カバーの一実施形態を示す斜視図であり、
図2は、同
図1の底面斜視図であり、
図3は、同
図1の側面図であり、
図4は、同
図1のA-A線矢視断面図であり、
図5は、本発明の補助カバーが座便器に取り付けられる状態を示す斜視図である。これらの図面を参照すると、本発明に係る座便器用補助カバー100は、座便器1のボウル2の上端に取付け可能なシート部110と、シート部110の内側及び外側から下向きに延びるスカート部120、130と、前記シート部110の上側に傾斜面を形成する傾斜カバー140と、に大別される。
【0032】
シート部110は、座便器のボウル2の上端部と対応する弧状を呈してボウル2の上端部を覆い被せるようになっており、このシート部110の内側及び外側の端部がそれぞれ下向きに延びて内スカート部120及び外スカート部130を形成することになり、内スカート部120及び外スカート部130は、ボウル2の上端の内側と外側の周縁を囲繞する形状を呈する。
【0033】
シート部110の底面には多数の吸着口111が備えられてシート部110をボウル2の上面に置いて圧着すると、吸着口111によりシート部110が固着されることが可能になり、吸着口111は円形に形成されてもよく、
図6でのように楕円状に形成されてもよく、必要に応じて、他の形状を呈しても構わない。
【0034】
外スカート部130の一端には取っ手部131がさらに突出して、座便器に取り付けられた補助カバー100を取り外すときに、この取っ手部131を握ってまるで持ち上げるかのように取り外すことになり、取っ手部131は、環状を呈することが好ましい。
【0035】
傾斜カバー140は、シート部110の内側の端部から上側に延設され、シート部110と約15°~45°の内角を形成しながら上側に傾斜するように形成されて全体的にボウル2の内部に向かって傾斜面を形成しており、ボウル2の内部に向かって傾斜した傾斜カバー140の上面はそのまま内スカート部120につながって同じ傾斜面を形成することになる。
【0036】
したがって、内スカート部120は、事実のところ、傾斜カバー140の延びた形状であるともみなされる。
【0037】
傾斜カバー140は、自由端に向かって進むにつれて次第に厚さが薄くなるように形成されることが好ましく、外周縁の途中に一つまたは二つ以上の屈曲部141が形成されているが、この屈曲部141は曲面状を呈するものであって、十分な弾性と変形力を与えることになって、座便器の便座3により押圧されてシート部110に密着されたときに平面をなしながらも、表面が伸びて破損されることを防ぎ、押圧されてからも湾曲した蛇腹状により元の状態に戻り易いようになっている。
【0038】
一方、シート部110の上面と傾斜カバー140の底面とが接触される隅角部と、シート部110の底面と内スカート部120とが接触される隅角部とにはそれぞれ陥凹部112が形成されているが、これらの陥凹部112は、たとえ傾斜カバー140が便座3の押付けにより折り畳まれたり拡開されたりする動作が繰り返し行われるとしても、十分な柔軟性と弾性を与えて亀裂や破損を防ぐことが可能になる。
【0039】
前記陥凹部112は、「o」状の断面を呈していてもよく、あるいは、菱形状の断面状に形成されてもよい。
【0040】
このような構成を有する本発明の補助カバー100は、シート部110と、スカート部120及び傾斜カバー140が一体に成形されて全体的にシリコンやゴムなど軟質の弾性材質からなることが好ましく、表面にウレタンなどのコーティングが施されて水や塵埃の付着を防ぐことができ、原材料であるシリコンやゴムなどにオイル、撥水剤などを混合して成形することにより、水が製品の表面に付着されることを防ぐことができ、原材料に抗菌剤や香料を添加し且つ混合して菌の繁殖を抑えながら悪臭を取り除くことができ、炭素材料を混合して成形することにより、原材料の密度を硬くすることができる。
【0041】
本発明の補助カバー100は、
図5でのように、座便器1のボウル2の上面に取り付けて用いることになるが、座便器1の便座3と便座カバー4とを上方に持ち上げた状態で、シート部110の底面に備えられた吸着口111を用いて押し付けて取り付けることになり、取り付けられた通常の状態で、傾斜カバー140は常に傾斜面をなしていることになる。
【0042】
このような状態でおしっこをする場合、尿や水が飛び散ると、
図7でのように、傾斜カバー140がボウル2の上端を覆い被せることになり、便器の外部に飛び散ることもかなり抑えることができ、傾斜カバー140に飛び散った尿や水は、傾斜面に沿ってボウル2の内部に再び流れ込むことになる。
【0043】
本発明の補助カバー100は、取っ手部131を握って持ち上げると、手軽にボウル2から取り外すことができ、取り外された補助カバー100を水で洗浄した後、再び座便器のボウル2に取り付けて用いることになる。
【0044】
したがって、座便器1は、常に清潔な状態を保ちながら、衛生的に用いることが可能になる。
【0045】
図8から
図10は、本発明の補助カバー100が座便器1のボウル2の上面に取り付けられた状態で座便器の便座3を用いる場合の状態を示しているが、これらの図面を参照すると、
図8は、便座3を下方に下げて便座3の下端の周縁部が傾斜カバー140に接触される状態を示しており、
図9は、便座3により傾斜カバー140が完全に押し付けられてシート部110と密着された状態を示しており、
図10は、用便を終えた後に便座3を持ち上げると、傾斜カバー140が再び元の状態に戻ることを示している。
【0046】
このように、本発明の補助カバー100は、便座3を下げて用便をするときにも、取り付けた状態でそのまま用いることができ、便座3により破損されたり外されたりする虞がなく、むしろ弾力のある着座感を与えることになり、別途の操作なしにも元の状態に戻って便利に用いることができる。
【0047】
図11は、本発明の他の実施形態を示す平面図であって、本発明の補助カバー100の後端部に別途の補助シート150をさらに継ぎ足して用いることができることを示す。
【0048】
すなわち、弧状を呈するシート部110が覆い被せるボウル2の残りの上面の周りに見合う形状に補助シート150が設けられ、この補助シート150は、シート部110と部分的に重なり合いながら、着脱手段としての固定突起113及び固定溝151により着脱されるようになっていることを示す。
【0049】
このような構成は、座便器に選択的に用いられるビデの有無に応じて選択可能であり、ここで、前記着脱手段は、周知の様々な形態として展開可能であり、別の実施形態によれば、前記補助シート150がシート部110と一体に構成されてもよいということはいうまでもない。
【0050】
図12から
図14は、本発明の他の実施形態を示すものであって、これらを参照すると、補助カバー100のシート部110と傾斜カバー140が互いに分離されてなり、シート部110と傾斜カバー140との接触面には互いに対応して係合される多数の係合溝115と係合突起143が向かい合うように形成されて着脱自在になる。
【0051】
ここで、傾斜カバー140の下端部にはシート部110と重なり合う係合部材142が形成されているが、この係合部材なしに傾斜カバー140の下端部が直接的にシート部110と係合されるようになっていてもよい。
【0052】
また、前記係合突起143は、
図13でのように、係合が円滑に行われるように、端部が球状に形成されてもよい。
【0053】
以上において図示及び説明したような本発明は、上記の実施形態に何等限定される旨のものではなく、いうまでもなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の形態で実施することができる筈である。例えば、前記傾斜カバー140に形成される湾曲状の屈曲部141は、必要に応じて、狭い蛇腹状に形成されてもよく、シート部と、スカート部及び傾斜カバー部の外形は、当然のことながら、座便器やビデなどの構造やデザインに応じて、あるいは、消費者のニーズに応じて任意的に変更実施が行われることが可能である筈である。
【符号の説明】
【0054】
1 座便器
2 ボウル
3 便座
4 便座カバー
100 補助カバー
110 シート部
111 吸着口
112 陥凹部
113 固定突起
120 内スカート部
130 外スカート部
131 取っ手部
140 傾斜カバー
141 屈曲部
150 補助シート
151 固定溝